説明

接着剤及びそれを用いた電気資材用被覆フィルム

低温から高温までの広範囲な温度域において優れた接着性能等を有する接着剤、この接着剤を用いて接着剤層が形成され、耐久性及びハンドリング性の高い電気資材用被覆フィルムを提供する。
結晶性を有し、動的粘弾性測定による温度分散曲線における損失正接(tanδ)が、−40℃〜40℃において4.9×10-2以上、該損失正接(tanδ)の最大ピーク値が、−15℃〜40℃の範囲にあり、かつ融点(Tm)が95℃〜130℃であるポリエステル系ホットメルト樹脂又は該樹脂を含むホットメルト系樹脂組成物からなる接着剤である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接着剤及びそれを用いた電気資材用被覆フィルムに関する。さらに詳しくは、低温から高温までの広い温度範囲で接着性を有する接着剤、この接着剤を用いて接着剤層が形成され、熱ラミネートや熱プレスなどの方法によって加熱接着することができ、電気機器や電子機器等の配線用電線の芯線の被覆などの用途(例えば、フレキシブルフラットケーブル用補強板(プロテクトテープ))に好適な電気資材用被覆フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
熱溶融により接着する接着剤層を有する積層フィルムは、一般に基材と接着剤層とからなり、機械的強度及び電気絶縁性を考慮して、基材として2軸延伸ポリエステルフィルムが用いられている。例えば、積層フィルムに難燃性を付与する必要がある場合には、接着剤層に難燃剤が添加され、隠蔽性を付与する必要がある場合には、接着剤層に顔料又は染料などが添加される。
【0003】
上記積層フィルムは、電気機器、電子機器等の配線に用いられるフラット電線などの構成部材として有用であり、芯線を被覆して絶縁保護するために用いられる。フラット電線は、通常、加熱ロールまたは加熱プレス機を用いて被覆される被覆体と積層フィルムとを熱圧着することにより一体化して得られる。このため、積層フィルムには、加熱により溶融して一体化し得る接着剤層が必要である。この接着剤層を構成する材料としては、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂などを主成分とするホットメルト樹脂が使用されている。
【0004】
接着剤層を構成するために一般的に使用されているポリエステル系樹脂は、そのガラス転移温度(Tg)が0℃以上のものであり、室温近辺のTgのものが多く使用されてきた。ところが、Tgを境にして接着性能が著しく低下することが認められており、冬季や低温度域で使用する際に、接着剤が被着体から剥離してしまうことがあった。特に、近年においては品質上の観点から、低温時の接着性が要求されるようになってきた。そのため、ポリエステル系ホットメルト樹脂組成物としてTgが−22℃以上0℃以下のものを使用することにより、低温特性を改良してきた(例えば、特許文献1参照)。
また、このような改良が実施されていた当時は、市販のポリエステル系ホットメルト樹脂として、さらに低いTgを有するものがないため、低温特性を向上させるには限界があった。しかし、要求される性能が年々高まってきており、従来の低いTgのポリエステル系ホットメルト樹脂を使用しても、安定して良好な接着特性を維持するという要求が満たされなくなってきており、接着性能が高く、安定したポリエステル系ホットメルト樹脂が求められている。
また、このような接着剤層を有する積層フィルムは、自着(ブロッキング)性が強く、巻物にした際には、剥がしずらくハンドリング特性に劣ることが多かった。このため、接着剤表面にマスキングフィルムを貼り付けるなどの工夫がされていた。
【0005】
近年、耐久性においても更なる要求が出てきており、ポリエステル系ホットメルト樹脂のみでは、充分な対応ができなくなってきている。例えば、高温高湿化での耐久性も重要視されるようになり、より信頼性が高く要求される分野での使用も増えてきている。例えば、温度80℃、湿度85%RHの高温高湿の環境下にて、169時間接着強度がある程度保持されなければならない場合、従来の積層フィルムでは、接着剤の加水分解が進み凝集力が低下するため、層間剥離が発生し、また、この積層フィルムを信号線の被覆に用いた場合、信号線の短絡などの不具合が発生するという問題があった。
特に、上記積層フィルムを、フレキシブルフラットケーブル等の端部に使用される補強板(プロテクトテープ)に用いた場合、当該端部をコネクターに挿入する際、気温が低下する冬季などでは補強板が折れて層間剥離が発生し易く、低温での接着強度の改良が求められていた。
【0006】
【特許文献1】特開2001−279226号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、低温から高温までの広範囲な温度域において優れた接着性能を有する接着剤、この接着剤を用いて接着剤層が形成され、耐久性及びハンドリング性の高い電気資材用被覆フィルム、特にフレキシブルフラットケーブル等の端部に使用される補強板(プロテクトテープ)に有用なフィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、動的粘弾性測定による温度分散曲線における損失正接(tanδ)が特定化され、かつ所定の融点を有する結晶性のポリエステル系ホットメルト樹脂又はこの樹脂を含むホットメルト樹脂組成物により、上記課題を解決し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の接着剤及び電気資材用被覆フィルムを提供するものである。
1. 結晶性を有し、動的粘弾性測定による温度分散曲線における損失正接(tanδ)が、−40℃〜40℃において4.9×10-2以上、該損失正接(tanδ)の最大ピーク値が、−15℃〜40℃の範囲にあり、かつ融点(Tm)が95℃〜130℃であるポリエステル系ホットメルト樹脂又は該樹脂を含むホットメルト系樹脂組成物からなる接着剤。
2. ホットメルト系樹脂組成物が、ポリエステル系ホットメルト樹脂100質量部に対して、オキサゾリン系添加剤0.05〜2質量部を含有する上記1に記載の接着剤。
3. ホットメルト系樹脂組成物が、ポリエステル系ホットメルト樹脂100質量部に対して、カルボジイミド系添加剤0.05〜2質量部を含有する上記1に記載の接着剤。
4. プラスチック基材フィルムの少なくとも一方の面に、上記1〜3のいずれかに記載の接着剤を用いて接着剤層を形成してなる電気資材用被覆フィルム。
5. 接着剤層の表面粗度が、10点平均粗さ(Rz)1μm以上である上記4に記載の電気資材用被覆フィルム。
6. 接着剤層の表面粗度が、10点平均粗さ(Rz)10μm以上である上記5に記載の電気資材用被覆フィルム。
7. 電気資材の補強用に貼り合わせて使用される上記4〜6のいずれかに記載の電気資材用被覆フィルム。
8. 電気資材がフレキシブルフラットケーブルである上記7に記載の電気資材用被覆フィルム。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、低温から高温の広い温度域で接着性を有する接着剤を得ることができ、この接着剤を積層してなる電気資材用被覆フィルムは、耐久性及びハンドリング性の高いものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の接着剤は、結晶性のポリエステル系ホットメルト樹脂又はこの樹脂を含むポリエステル系ホットメルト樹脂組成物からなるものである。ポリエステル系ホットメルト樹脂は、二種以上をブレンドした混合物であってもよい。また、ポリエステル系ホットメルト樹脂組成物は、ポリエステル系ホットメルト樹脂に後述する添加剤を添加したものである。ポリエステル系ホットメルト樹脂は、二塩基酸と、グリコールとの重縮合ポリマーである。二塩基酸の具体例としてはテレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などが挙げられる。グリコールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、ポリオキシレングリコールなどが挙げられる。
【0011】
本発明において用いる結晶性のポリエステル系ホットメルト樹脂としては、重合によって所定の粘弾性特性を有するポリエステル系ホットメルト樹脂を製造するよりも、接着剤塗布工程等の加工工程において二種以上のポリエステル系ホットメルト樹脂をブレンドすることによって、所定の粘弾性特性を有するポリエステル系ホットメルト樹脂を得る方が、後述する自着性改善において効果が高い。
この場合、ブレンドする結晶性のポリエステル系ホットメルト樹脂としては非相溶性のものが好ましい。非相溶性のポリエステル系ホットメルト樹脂のブレンドの場合、例えば、結晶性でかつ−5℃〜40℃の範囲のガラス転移温度(以下、Tgと略記することがある。)を有するポリエステル系ホットメルト樹脂を主成分とし、−5℃未満の低Tgポリエステル系ホットメルト樹脂をポリマーブレンドする方法が挙げられる。この場合、ドメイン部分にはTgが−5℃〜40℃の樹脂が存在しており、低温特性を引き上げている−5℃未満の樹脂はマトリックスとして存在しているため、低温特性は維持したまま、自着性が改善されることとなる。
一方、相溶性のポリエステル系ホットメルト樹脂のブレンドの場合、二元系以上の樹脂を用いても、押出製膜時に用いられる混練機により互いのTgや融点(以下、Tmと略記することがある。)に対して相互作用を引き起こすため、Tgの上昇やTm降下などを引き起こす。このため最終的には、一元系の樹脂を使用した場合と同じような状態になり、十分な効果が得られなくなる虞れがある。
また、低Tgを持つ非結晶性樹脂を使用した場合、後述する本発明の電気資材用被覆フィルムにおいて、その接着剤層にエンボスを付与しても、時間とともにエンボス形状が崩れ、接触面積が徐々に増大して自着性が高くなり、使用時において不具合が発生することとなる。結晶性のポリエステル系ホットメルト樹脂を使用することにより、上記不具合が改善される。
【0012】
ポリエステル系ホットメルト樹脂としては、例えば市販のものを用いることができ、具体的には、東洋紡績(株)製の商品名、「バイロンGM900」、「バイロンGM920」、「バイロンGA6400」、東洋紡績(株)製の商品名「バイロンGM990」、「バイロンGA5410」、「バイロンGM995」、東亜合成(株)製の商品名「アロンメルトPES111」、「PES111EE」、「アロンメルトPES120E」、「アロンメルトPES120H」、東レ(株)製の商品名「ケミットR248」などが挙げられ、これらを必要に応じてブレンドすることにより、目的とするポリエステル系ホットメルト樹脂を得ることができる。
【0013】
接着剤層を構成する接着剤が、ポリエステル系ホットメルト樹脂の一種のみを有効成分とする場合には、このポリエステル系ホットメルト樹脂の動的粘弾性測定による温度分散曲線における損失正接(tanδ)が、−40℃〜40℃の範囲で4.9×10-2以上であることを要する。ポリエステル系ホットメルト樹脂二種以上の混合物を有効成分とする場合には、この混合物における損失正接(tanδ)が、−40℃〜40℃の範囲で4.9×10-2以上であることを要する。
また、本発明において、ポリエステル系ホットメルト樹脂は、融点(Tm)が95〜130℃の範囲にあることが必要であり、100〜120℃の範囲にあることが好ましい。ポリエステル系ホットメルト樹脂か結晶性のもので、かつTmが95℃以上であると、耐熱性が向上し、またTmが130℃以下であると、本発明の電気資材用被覆フィルムの貼り合わせ性が良好となる。ポリエステル系ホットメルト樹脂二種以上の混合物を用いる場合、混合物のTmが95〜130℃の範囲にあり、かつ本発明の効果を損なわない範囲で、Tmが95〜130℃の範囲外のポリエステル系ホットメルト樹脂をブレンドしてもよい。なお、以下の説明において、ポリエステル系ホットメルト樹脂はその二種以上をブレンドした混合物である場合も含むものとする。
本発明で用いるポリエステル系ホットメルト樹脂は、上記損失正接(tanδ)の最大ピーク値は−15℃〜40℃の範囲にあることを要し、ハンドリング性(アンチブロッキング性)の観点から、−5℃以上のものが好ましい。
【0014】
ポリエステル系ホットメルト樹脂において、ポリマーの骨格にあるエステル基は、水分による分解が起こりやすく、特に水分と熱により加速度的に分解が発生し、分子量低下による接着力低下が発生しやすい。この接着力低下を防ぐためには、ポリエステル系ホットメルト樹脂にオキサゾリン系添加剤及び/又はカルボジイミド系添加剤を添加したポリエステル系ホットメルト樹脂組成物が、接着剤として好ましい。この樹脂組成物を押出成形する際に3次元架橋が行われるので、耐湿熱耐久性が向上し、温度80℃、相対湿度85%(以下、「80℃×85%RH」と略記する。)の環境下に169時間放置した後でも十分な凝集力を保持することが可能となる。
オキサゾリン系添加剤又はカルボジイミド系添加剤は、押出加工時又は耐湿熱耐久試験などを行う際に、加水分解を促進する酸成分をキャッチする効果を有する。また、分解により発生したポリエステル成分の末端酸同士と反応して鎖延長をするという効果を有するため、ポリエステル系ホットメルト樹脂の分子量低下を防ぐことができる。
【0015】
オキサゾリン系添加剤又はカルボジイミド系添加剤は、理論的にはその添加量を増やすほど耐久性が増すことになるが、加工時の架橋反応が進みすぎると増粘したり、ゲル化が発生したりするので注意する必要があり、加工安定性と耐湿熱性を加味して添加量を決定する必要がある。
従って、オキサゾリン系添加剤又はカルボジイミド系添加剤、あるいはこれらを組み合わせた添加剤の添加量は、ポリエステル系ホットメルト樹脂100質量部に対して0.05〜2質量%の範囲が好ましく、加工特性を良好とする点から0.05〜0.5質量%がより好ましい。本発明に用いられるオキサゾリン系添加剤としては、例えば市販のものを用いることができ、具体的には、三國化学(株)製の商品名「1−3PBO」、(株)日本触媒製の商品名「エポクロスRPS−1005」などが挙げられる。カルボジイミド系添加剤としては、日清紡績(株)製の商品名「カルボジライト HMV08CA」、バイエル(株)製の商品名「スタバクゾール I」、「スタバクゾール P」などが挙げられる。
【0016】
本発明の接着剤には、加工性や機能性を向上させるために、必要に応じてポリオレフィン系樹脂やエポキシ樹脂などを有効成分として含有させてもよい。これらは、応力緩和や結晶化促進の効果も有する。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、リニア低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−無水マレイン酸三元共重合体、エチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸三元共重合体、エチレン−メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−メタクリル酸グリシジル三元共重合体、エチレン−アクリル酸エチル−メタクリル酸グリシジル三元共重合体などが挙げられる。これらは一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。また、必要に応じ酸変性等の接着性機能を付与したものも使用することもできる。ただし、酸変性された接着性樹脂を使用すると、押出加工時又は耐湿熱耐久試験などを行う際に、加水分解を引き起こし性能低下に繋がる虞れがある。
また、エポキシ樹脂としては、ビスフェノールAタイプ及びノボラックタイプのいずれも使用することができるが、相溶性、接着性の観点からビスフェノールAタイプで、軟化点が100℃前後のものが好ましい。なお、エポキシ樹脂は、金属接着には非常に効果があるので、用途に応じて微量添加すると金属に対して接着強度が向上する。ただし、必要以上に添加すると、製膜加工時にブリードしたりするので、逆に悪影響を及ぼすことがあり、注意する必要がある。
ポリオレフィン系樹脂の添加量は、ポリエステル系ホットメルト樹脂100質量部に対して、通常1〜40質量部程度、好ましくは5〜10質量部である。エポキシ樹脂の添加量は、ポリエステル系ホットメルト樹脂100質量部に対して、通常1〜10質量部程度、好ましくは2〜5質量部である。
【0017】
本発明の電気資材用被覆フィルムを被覆した製品は難燃性が要求される場合が多い。従って、この被覆フィルム自体が自己消火性となるように、被覆フィルムの接着剤層、すなわち本発明の接着剤は、難燃剤を含むことが好ましい。難燃剤としては、臭素系、塩素系等のハロゲン系の化合物を主体とした難燃剤が特に好ましいが、燐系、窒素系、金属水酸化物系等の公知の添加型難燃剤を主体とする混合物も用いることができる。これらの難燃剤は、接着剤の物性に悪影響を与えない範囲内の添加量で用いることができる。
本発明の接着剤は、適度な流動性を有することが加工性の点から好ましい。適度な流動性の指標である溶融粘度値として、測定温度160℃、剪断速度10sec-1での高架式フローテスターによる測定値が300〜5,000Pa・sの範囲であることが好ましい。接着剤の溶融粘度が300Pa・s以上であれば、加熱加圧して加工する際、基板となるプラスチックフィルムから接着剤がはみ出すこともないので、製造中にトラブルが発生する危険性がない。また、溶融粘度が5,000Pas以下であれば、流動性も十分であるので、被覆体と被覆フィルムとの間に空隙が生ずるなどの不具合が生じることもない。
【0018】
本発明の電気資材用被覆フィルムは、プラスチック基材フィルムの少なくとも一方の面に、上記接着剤を用いて接着剤層を形成した被覆フィルムである。なお、一般的にフィルムとシートとの境界は定かでなく明確に区別することは困難であり、本発明における「フィルム」は、フィルム及びシートの両方を含むものとする。本発明において、接着剤層の厚さは、被覆フィルムが適用される対象物の厚さを考慮すると、プラスチック基材フィルムの厚さの0.1〜2.0倍の範囲であることが好ましい。
本発明において、接着剤層は低温で接着性を発揮する機能を有する。Tgの低い接着剤を用いる場合には、Tg以上の温度で加工を施すことが多くなるので、電気資材用被覆フィルム使用時に、この被覆フィルムにブロッキングが発生しやすくなる。特に、主成分である結晶性のポリエステル系ホットメルト樹脂の結晶化が完了する前に被覆フィルムをロール上に巻き取った場合に、ブロッキングが生じやすい。
【0019】
そこで、ブロッキング防止の手段として、次の手段を講じることが好ましい。すなわち、接着剤の主成分である結晶性のポリエステル系ホットメルト樹脂は、充分に結晶化されていれば、自着性が低くなりハンドリング性に支障はきたさなくなるが、実状では、インラインで結晶化を完了させる時間を確保することは困難であり、そのため、極力接着剤表面における接触面積を小さくする必要がある。従って、十分結晶化するまでの間、自着性を下げるため、接着剤層表面に微小な凹凸を設けることが好適に作用する。
具体的には、接着剤層の表面粗度が、10点平均粗さ(Rz)1μm以上であることが好ましく、よりは10μm以上である。特に、被覆フィルムにこのような微小な凹凸を付け、かつ被覆フィルムの巻き上げ後に、ポリエステル系ホットメルト樹脂を結晶化させることにより、製膜速度を上げることができる。ただし、表面粗度は、フィルムの巻き上げ状態にも影響を受けやすく、巻き取りテンションが強い場合には、接着剤層の表面粗度が変化することもあるので注意を要する。
接着剤の表面に微小な凹凸を設ける方法としては、後述する被覆フィルムの製造時で、かつ樹脂温度が高い状態のときに、ロールにて被覆フィルムを巻き取る際に、両面にフロストをかけた冷却ロールにてエンボス転写を施す方法、あるいはエンボスフィルムなどを用いる方法により、接着剤層の表面にエンボスを転写することができる。
【0020】
さらに、接着剤層の表面が平坦である場合、ホットスタンプ式の貼り合わせ機を用いて被覆フィルムを貼り合わせする際、加工機自体の底面はホットスタンプの予熱でかなり温度上昇しているため、余熱で接着面溶融し始め、被着体と仮密着状態になり巻き込まれたエアーが本接着の際に抜けづらくなり、被着体との間にエアーの噛み込みがしばしば発生するため、十分な接着強度が得られなくなることが起こる。あるいはエアーの噛み込みにより、被覆フィルムが所定の厚さをオーバーすることが起こる。
このような不具合に対しても、接着剤層の表面に微小のエンボス加工を施すことにより、ホットスタンプ式の貼り合わせ機を用いた場合でも、貼り合わせ加工特性を向上させることができる。
【0021】
本発明の被覆フィルムにおいて、プラスチック基材フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリメチルペンテン(三井石油化学工業社製、商品名「TPX」)、延伸されたポリプロピレン(OPP)、未延伸のポリプロピレン(CPP)などから製造されるフィルムが挙げられる。機械的強度及び耐熱性の点からポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム及びポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムが好ましく、特に二軸延伸されたPETフィルム及び二軸延伸されたPENフィルムが好ましい。
本発明において、プラスチック基材フィルムの厚さは特に限定されるものではないが、通常12〜250μm程度とすることができる。
【0022】
上記プラスチック基材フィルムに上記接着剤を用いて接着剤層を設ける方法としては、接着剤成分などを溶剤に分散して基材上に塗布して製造する、いわゆる溶媒コート法、及び溶剤を介在させない、いわゆる無溶媒コート法のいずれの方法も採用することができるが、本発明においては、いわゆる無溶媒コート法により製造することが好ましい。
無溶媒コート法には、通常のコーティング方法を適用することができ、接着剤の溶融粘度や熱安定性などに応じていかなるコーティング方法を適用するか決定すればよい。例えば、押出機やニーダーなどを用いて接着剤の各成分を均一に混練し、その後いったん冷却し、これをホットメルトアプリケーター等で再加熱し、リップコーター等で均一に混練すると同時に基材上にコーティングする方法などが挙げられる。あるいは、接着剤の各成分を均一に混練してフィルム状に製膜した後、このフィルム状接着剤と基材とを貼り合わせて被覆フィルムを形成することもできる。貼り合わせは、例えば加熱圧着などの方法により行うことができる。
【0023】
プラスチック基材フィルムと接着剤層との接着性を改良するため、この基材フィルムにおける接着剤層側の面にコロナ放電処理を施してもよく、必要に応じて基材フィルム上にアンカーコート層を設けてもよい。アンカーコート層に用いられるアンカーコート用接着剤としては、ポリエステル系、ポリウレタン系、アクリル糸、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系等の接着剤が挙げられる。また、アンカーコート用接着剤の塗布には、ロールコート法、グラビアコート法などの塗布法が好ましく用いられる。
本発明においては、基材フィルムを延伸する前にアンカーコート用接着剤の層を積層して、基材とアンカーコート用接着剤の層を同時に延伸することによりアンカーコート層を形成することもできる。アンカーコート層の厚さは、通常0.1〜5μm程度とすることができる。
【実施例】
【0024】
以下に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例等で使用されるポリエステル系ホットメルト樹脂についての種々の測定及び評価は次のようにして行った。
【0025】
(1)ガラス転移温度(Tg)及び融点(Tm)の測定
示差走査熱量計(パーキンエルマー社製)を用い、温度−60℃〜200℃、走査速度10℃/分の条件で、ポリエステル系ホットメルト樹脂のガラス転移温度(Tg)及び融点(Tm)を測定した。
(2)動的粘弾性測定による温度分散曲線における損失弾性率の測定
ポリエステル系ホットメルト樹脂組成物又はホットメルト樹脂の動的粘弾性測定による温度分散曲線における損失弾性率を、動的粘弾性測定装置(アイ・ティー・エス・ジャパン(株)製)を用いて測定した。測定条件は、変形モード引張り、温度−100℃〜測定限界温度、昇温速度3℃/分とした。
(3)10点平均粗さ(Rz)の測定
3次元粗さ測定機(小坂研究所製)を用いて、接着剤層の表面粗さを測定した。
【0026】
実施例1〜5及び比較例1〜4
接着剤として、表1−1及び表1−2に示すポリエステル系ホットメルト樹脂を用いた。二種の樹脂をブレンドする場合、表1−1及び表1−2に示す量のポリエステル系ホットメルト樹脂を、ヘンシェルミキサーにて充分にプリブレンドして、口金から出てくる樹脂温度が180℃になるように温度設定した押出機に投入し、シート状に押し出した後キャストロールで冷却して、厚さ50μmの接着剤層用フィルムを形成した。ポリエステル系ホットメルト樹脂が一種の場合はプリブレンドせずに押出機に投入した。
ポリウレタン系アンカーコートを施した基材フィルム[100μm厚の二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム]と、上記接着剤層用フィルムとを、接着剤の融点より20℃高い温度に設定されたラミネータロールを用いて貼り合わせ、接着層を有する積層フィルムを作製した。
得られた積層フィルムの接着剤層は、その表面にフロストをかけるため、加熱ラミネータ後、樹脂が固化する前に、フロストをかけた冷却ロールにて表面フロストを接着剤表面に転写させ、被覆フィルムを作製した。
得られた被覆フィルムについては、以下に示す評価を行った。その結果を表1−1及び表1−2に示す。なお、得られた接着性、ハンドリング性、耐熱性、貼り合わせ性の評価結果について更に総合判定も行い、「◎」を極めて良好である、「○」を良好である、「△」をやや良好である、「×」を実用不可能であるとした。
【0027】
(1)評価用サンプル1の作製
得られた被覆フィルム2枚を接着剤層同士が向かい合うように重ねて、一本が加熱した金属ロールであり、他の一本が加熱してないゴムロールからなる一組のロール(金属ロール/ゴムロール)の間に挟み込み、ロールニツプ圧力が98N/cm(線圧)、貼り合わせ速度が0.5m/分の条件下で貼り合わせて、評価用サンプル1を作製した。ただし、接着剤が二種のポリエステル系ホットメルト樹脂を含む場合、貼り合わせ温度は、これらの樹脂のうちの高い方のTmより20℃高い温度条件で貼り合わせた。
(2)低温接着性の評価(剥離強度の測定)
作製した評価用サンプル1を10mm幅に切断し、これについて、−20℃〜0℃までの10℃毎の各雰囲気下で引張試験機(恒温槽付き材料試験機「201X」、(株)インテスコ製)を用い、剥離速度10mm/minで180度剥離強度を測定した。測定結果について、下記に示す評価基準に基づいて評価し、記号で示した。本発明においては、測定値が500g/cm以上であれば実用上問題のないレベルである。
<評価基準>
1500g/cm以上又は凝集破壊、基材破壊 :A
1000g/cm以上、1500g/cm未満 :B
500g/cm以上、1000g/cm未満 :C
500g/cm未満 :D
【0028】
(3)耐熱性の評価
作製した評価用サンプル1を60mm×90mmの大きさに切り出し、100℃のオーブン中に斜め45度の角度で立てかけて、接着剤のフロー、サンプルの反りがあるか否かを調べた。この場合、接着剤のフロー及びサンプルの反りのいずれも認められなかったときを「良好」、接着剤のフローまたはサンプルの反りのいずれか1つでも認められたときには、「不良」と評価した。
(4)ハンドリング性評価
アンチブロッキング性(耐ブロッキング性)a,bの評価を行った。得られた被覆フィルムを幅5cm、長さ20cmに切断した。切断された被覆フィルムを2枚、接着剤層面同士が向き合うように重ね合わせて、温度40℃のオーブン中に、4.9Nの荷重をかけて24時間保持した後、取り出して評価用サンプルaを作製した。また、切断された被覆フィルムの接着剤層面を未処理のPETフィルム(厚さ100μm)に重ねたものを、温度40℃のオーブン中に、4.9Nの荷重をかけて24時間保持した後、取り出して評価用サンプルbを作製した。
得られた二種類の評価用サンプルa、bについて、23℃の雰囲気下で引張試験機(恒温層付き材料試験機「201X」、(株)インテスコ製)を用い、剥離速度10mm/minで180度剥離強度を測定し、サンプルa,bのアンチブロッキング性を下記基準に基づいて評価した。測定値が300g/cm未満であれば実用上問題のないレベルである。
<評価基準>
100g/cm未満 :A
100g/cm以上、300g/cm未満 :B
300g/cm以上 :C
【0029】
(5)貼り合わせ性(23℃雰囲気下での接着の評価)
得られた被覆フィルムを幅30cm、長さ40cmに切断した。切断された被覆フィルムを2枚、接着剤層同士が向き合うように重ね合わせて、プレス温度120℃、圧力0.3MPaの加圧下で1分間保持した後、室温まで冷却して評価用サンプルcを作製した。また、得られた被覆フィルムを幅30cm、長さ40cmに切断したものの接着剤層を、未処理のPETフィルム(厚さ100μm)に重ね合わせて、上記と同様のプレス温度、圧力で、1分間保持した後、室温まで冷却して評価用サンプルdを作製した。
得られた2種類の評価用サンプルc、dそれぞれについて、23℃の雰囲気下で引張試験機(恒温槽付き材料試験機「201X」、(株)インテスコ製)を用い、剥離速度10mm/minで、180度剥離強度を測定し、貼り合わせ特性c,dを、下記に示す評価基準に基づいて評価した。測定値が1000g/cm以上であれば実用上問題のないレベルである
<評価基準>
1500g/cm以上又は凝集破壊、基材破壊 :A
1000g/cm以上、1500g/cm未満 :B
500g/cm以上、1000g/cm未満 :C
500g/cm未満 :D
【0030】
【表1】

【0031】
【表2】

(注)
1)バイロンGM920:ポリエステル系ホットメルト樹脂、東洋紡績(株)製、商品名
2)バイロンGA6400:ポリエステル系ホットメルト樹脂、東洋紡績(株)製、商品名
3)アロンメルトPES111:ポリエステル系ホットメルト樹脂、東亜合成(株)製、商品名
4)アロンメルトPES120H:ポリエステル系ホットメルト樹脂、東亜合成(株)製、商品名
5)アロンメルトPES126E:ポリエステル系ホットメルト樹脂、東亜合成(株)製、商品名
6)ケミットR248:ポリエステル系ホットメルト樹脂、東レ(株)製、商品名
【0032】
表1−1及び表1−2から明らかなように、実施例1〜5の被覆フィルムは、0℃以下の低温域において優れた接着性を有することを示し、かつ100℃の高温度領域において接着剤フローも基材の変形も生じず、120℃の温度で良好に貼り合わせられることが可能であり、かつ、接着剤層表面にRzが1μm以上の表面粗度を形成することにより、低温材料でもハンドリング、加工性に優れた材料を提供することが可能であることが判った。すなわち、これらの被覆フィルムは、評価のいずれにおいても実用可能な高レベルなもので、総合判定において良好なレベル以上を示すことが判った。
【0033】
実施例6
実施例1に使用した接着剤成分に、表2−1及び表2−2に示す種類と量の添加剤を添加し、ヘンシェルミキサーにて充分にプリブレンドして、口金から出てくる樹脂温度が表2に示す温度になるように温度設定した押出機に投入し、シート状に押し出した後キャストロールで冷却して、厚さ50μmの接着剤層用フィルムを形成した。
ポリウレタン系アンカーコートを施した基材(100μm厚の二軸延伸PETフィルム)と形成された接着剤層用フィルムとを、接着剤の融点より20℃高い温度に設定されたラミネータロールを用いて貼り合わせて、接着剤層を有する積層フィルムを作製した。
積層化されたフィルムの接着剤面は、表面にフロストをかけるため、加熱ラミネータ後、樹脂が固化する前に、フロストのかけた冷却ロールにて表面フロストを接着剤表面に転写させ、被覆フィルムを作製した。
なお、比較のために、添加剤を添加しないものについても同様の操作を行い、被覆フィルムを作製した。得られた被覆フィルムについて、下記の評価を行った。その結果を表2−1及び表2−2に示す。
【0034】
(1)耐湿熱性の評価
作製した評価用サンプル1を10mm幅に切断し、80℃×85%RHの高温高湿下の高温高湿槽に入れ、169時間経過後の剥離評価を行った。
<評価基準>
剥離強度が初期に対し80%以上維持 :A
剥離強度が初期に対し60%以上維持 :B
剥離強度が初期に対し40%以下維持 :C
(2)押出安定性の評価
押出時間8時間後の接着剤シートを10m2 (1m×10m)採取し、50μm以上の架橋ゲルについて、下記評価基準に基づいて評価した。
<評価基準>
架橋ゲルなし :A
架橋ゲルが1個/1000m2 以上10個/1000m2 未満 :B
架橋ゲルが10個/1000m2 以上 :C
【0035】
【表3】

【0036】
【表4】

(注)
1)カルボジライトHMV−8CA:カルボジイミド系添加剤、日清紡績(株)製、商品名
2)スタバクゾール P:カルボジイミド系添加剤、バイエル(株)製、商品名
3)エポクロスRPS−1005:オキサゾリン系添加剤、(株)日本触媒製、商品名
4)接着剤成分100質量部に対する質量部である。
【0037】
実施例7
実施例4に使用した接着剤成分に、表3に示す種類と量の添加剤を添加し、ヘンシェルミキサーにて充分にプリブレンドして、口金から出てくる樹脂温度が表3に示す温度になるように温度設定した押出機に投入し、シート状に押し出した後キャストロールで冷却して、厚さ50μmの接着剤層用フィルムを形成した。
ポリウレタン系アンカーコートを施した基材(100μm厚の二軸延伸PETフィルム)と形成された接着剤層用フィルムとを、接着剤の融点より20℃高い温度に設定されたラミネータロールを用いて貼り合わせて、接着剤層を有する積層フィルムを作製した。
積層化されたフィルムの接着剤面は、表面にフロストをかけるため、加熱ラミネータ後、樹脂が固化する前に、フロストのかけた冷却ロールにて表面フロストを接着剤表面に転写させ、被覆フィルムを作製した。
なお、比較のために、添加剤を添加しないものについても同様の操作を行い、被覆フィルムを作製した。得られた被覆フィルムについて、実施例6と同様の評価を行った。その結果を表3に示す。
【0038】
【表5】

(注)
1)カルボジライトHMV−8CA:カルボジイミド系添加剤、日清紡績(株)製、商品名
2)スタバクゾール P:カルボジイミド系添加剤、バイエル(株)製、商品名
3)接着剤成分100質量部に対する質量部である。
【0039】
表2−1、表2−2及び表3から、カルボジイミド系添加剤を接着剤成分に添加することにより、耐湿熱性が著しく向上することが判った。一方、添加剤なしの系では、初期接着性能に対し40%ダウンと明らかに性能の低下が認められた。
また、添加剤を添加しての高温押し出しや、添加剤の添加量が多い場合は、耐湿熱性自体は向上するが、急激に反応が進む、また架橋点の増加が発生し、架橋密度が上がるため、長時間の押し出しにおいてゲル物との発生により外観上の不具合が発生することが判った。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明の接着剤を用いて接着層を形成した電気資材用被覆フィルムは、熱ラミネートや熱プレスなどの方法によって加熱接着することができ、電気機器や電子機器等の配線用電線の芯線などの被覆、特にフレキシブルフラットケーブル等の端部に使用される補強板(プロテクトテープ)に有用である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
結晶性を有し、動的粘弾性測定による温度分散曲線における損失正接(tanδ)が、−40℃〜40℃において4.9×10-2以上、該損失正接(tanδ)の最大ピーク値が、−15℃〜40℃の範囲にあり、かつ融点(Tm)が95℃〜130℃であるポリエステル系ホットメルト樹脂又は該樹脂を含むホットメルト系樹脂組成物からなる接着剤。
【請求項2】
ホットメルト系樹脂組成物が、ポリエステル系ホットメルト樹脂100質量部に対して、オキサゾリン系添加剤0.05〜2質量部を含有する請求項1に記載の接着剤。
【請求項3】
ホットメルト系樹脂組成物が、ポリエステル系ホットメルト樹脂100質量部に対して、カルボジイミド系添加剤0.05〜2質量部を含有する請求項1に記載の接着剤。
【請求項4】
プラスチック基材フィルムの少なくとも一方の面に、請求項1〜3のいずれかに記載の接着剤を用いて接着剤層を形成してなる電気資材用被覆フィルム。
【請求項5】
接着剤層の表面粗度が、10点平均粗さ(Rz)1μm以上である請求項4に記載の電気資材用被覆フィルム。
【請求項6】
接着剤層の表面粗度が、10点平均粗さ(Rz)10μm以上である請求項5に記載の電気資材用被覆フィルム。
【請求項7】
電気資材の補強用に貼り合わせて使用される請求項4〜6のいずれかに記載の電気資材用被覆フィルム。
【請求項8】
電気資材がフレキシブルフラットケーブルである請求項7に記載の電気資材用被覆フィルム。


【国際公開番号】WO2005/078035
【国際公開日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【発行日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−518051(P2005−518051)
【国際出願番号】PCT/JP2005/002438
【国際出願日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(000006172)三菱樹脂株式会社 (1,977)
【Fターム(参考)】