説明

接着剤組成物及び方法

次の材料:約10重量%〜約80重量%の、少なくとも1000ダルトンの分子量を有する少なくとも1つのポリオール、約0.5重量%〜約20重量%の少なくとも1つのポリ−イソシアネート、約0.1重量%〜約10重量%の少なくとも1つのヒドロキシル(メタ)アクリレート、約10重量%〜約80重量%の1つ又は複数の粘着付与剤樹脂の無溶媒一段階重合により作られる硬化性PSAが開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線架橋可能な接着剤の製造方法に関し、更に具体的にいえば、本発明は、アクリル化ウレタンポリマーベース接着剤等の接着剤の場合によるホットメルト製造方法に関する。本発明はまた、放射線硬化性感圧接着剤(PSA)として及び/又は積層接着剤として有用な配合物を作る方法に関する。
【背景技術】
【0002】
感圧接着剤又は積層接着剤等の放射線架橋可能な接着剤は、溶媒方法又は無溶媒方法のいずれかで製造することができる。
【0003】
溶媒方法は、放射線架橋可能な接着剤の製造のために広く知られている方法である。この方法は、通常、次の3つの工程を含む:(1)放射線架橋可能な樹脂(ポリマー、コポリマー、又はこれらのブレンド)溶液が、モノマーの重合により(アクリルポリマー溶液等)又は溶媒においてオリゴマーの化学的変性により(ポリオールオリゴマーからのアクリル化ウレタンポリマー等)作られる工程;(2)粘着付与樹脂及び光開始剤等のその他の機能性添加剤が樹脂溶液に溶解される工程;(3)最終生成物を得るために溶媒を蒸発する工程。しかしながら、溶媒方法は、長い製造時間、高いエネルギー消費、並びに製造方法及び最終生成物の品質の制御の更なる困難性を含めて、いくつかの大きな欠点を有する。更に重要なことは、その様な方法は通常の製造条件下では溶媒を完全に除去することができず、最終生成物は常にいくらかの残留溶媒を含み、この残留溶媒は適用の間に溶媒蒸気の発生を引き起すだけではなく性能低下をももたらす。換言すれば、溶媒方法で作られる最終生成物は実際にはVOCを含んでいる。
【0004】
無溶媒方法は、より単純で経済的な製造方法で100%の材料転換が可能であるので、放射線架橋可能な接着剤の製造にとってより望ましい。放射線架橋可能な接着剤を作るための異なる無溶媒方法を記載したいくつかの従来技術が存在するが、これらの従来技術のほとんどは、放射線架橋可能なアクリル接着剤を作るためのアクリルモノマーの放射線重合に関するものである。
【0005】
米国特許(第4,181,752号、第4,364,972号、及び第4,243,500号)は、アルキルアクリレート及び極性共重合性モノマー(例えば、アクリル酸、N−ビニルピロリドン等)を光重合することによるアクリル系PSAの調製のための化学線処理方法を開示している。しかしながら、このタイプの接着剤の性能は、加工処理条件及び組成物の厚さに極めて敏感である。
【0006】
米国特許第57,415,431号は、部分的に予備重合された組成物が基体上に被覆され、組成物のポリマー成分において共有結合したペンダント不飽和から遊離基重合性モノマーを重合することによりPSAを形成するために架橋されるシロップポリマー方法を記載している。この方法もまた、加工処理条件及び組成物の厚さに敏感である。
【0007】
米国特許第6,436,532号は、アクリル系ベース接着剤の製造のための多段階照射方法を開示している。この方法では、アクリルモノマー又は部分的に予備重合されたシロップの混合物が、初めに、比較的低い平均的強度で電磁放射線で照射され、次いで高い平均強度で照射される。
【0008】
米国特許第5,879,759号は、放射線硬化によるPSAの2工程の製造方法を記載している。この方法は、軟質モノマー組成物を照射して被覆可能なシロップを形成する工程、続いて、少なくとも1つの硬質モノマー及び1つの多官能性モノマー又はオリゴマーをシロップに添加し、混合物を更に照射してPSAを形成する工程を含む。
【0009】
しかしながら、上記の無溶媒方法は、いくつかの共通の欠点を有する。低分子量(Mw)のモノマーであるので、実際の製造において通常直面する硬化時間枠でそれらを高分子量の最終生成物に重合することが事実上不可能である。また、これらの方法は、均質な重合を達成するために出発材料を非常に薄い層に形成して照射が材料に浸透できるようにするので、大量バッチ製造にとって実用的ではない。
【0010】
放射線架橋可能な接着剤の製造のための溶媒方法及び無溶媒方法の両方に存在する欠点及び制限を解消する必要性がなお存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の好ましい目的は、100%固体で揮発性有機化合物(VOC)の存在しないアクリル化ウレタンポリマーベース接着剤組成物の製造方法を提供することである。
【0012】
本発明のその他の好ましい目的は、放射線硬化性(例えば、紫外線又は電子ビーム等の化学線及び/又は電離放射線での)、より好ましくは高UV−硬化速度で放射線硬化できる接着剤組成物を提供することである。
【0013】
本発明の更に好ましい目的は、加温溶融条件下で十分に低い粘度(好ましくは、約25,000センチポイズ以下)の液体状態で存在して、適当な基体へのコーティングとして適用できる接着剤組成物を提供することである。適当な加温溶融条件は、約40℃〜約130℃の温度である。
【0014】
本発明のなお更にその他の好ましい目的は、種々の基体、特に低表面エネルギーを有する基体に対して、溶媒生まれの接着剤に比肩し得る高い後硬化接着性を有する接着剤組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に従って、本出願人は今回、アクリル化ウレタンポリマーベースの放射線架橋可能な接着剤の製造のための新たな好ましい無溶媒方法を見出した。
【0016】
広く本発明は、以下の材料、
(a)約10重量%〜約80重量%、好ましくは約25重量%〜約50重量%、より好ましくは30重量%〜約40重量%、例えば、約35重量%の、少なくとも1000ダルトン、好ましくは約1,000〜10,000ダルトン、より好ましくは約2,000〜約5,000ダルトン、例えば、3,000ダルトンの分子量を有する少なくとも1つのポリオール、
(b)約0.5重量%〜約20重量%、好ましくは約1.0重量%〜約10重量%、より好ましくは約1.0重量%〜約5重量%、例えば、約3重量%の少なくとも1つのポリ−イソシアネート、例えば、2〜4つの異なるポリ−イソシアネート、
(c)約0.1重量%〜約10重量%、好ましくは0.1重量%〜約5重量%、より好ましくは0.1重量%〜約1.0重量%、最も好ましくは約0.1重量%〜約0.5重量%、例えば、約0.2重量%の少なくとも1つのヒドロキシル(メタ)アクリレート、例えば、2〜6つの異なるヒドロキシル(メタ)アクリレート(好ましくはメタ(アクリレート)は、分子当たり平均約1.5〜約2.5、より好ましくは約2.0のヒドロキシ基を含む)、
(d)約10重量%〜約80重量%、好ましくは約15重量%〜約60重量%、より好ましくは約30重量%〜約60重量%、最も好ましくは約40重量%〜約60重量%、例えば、約50重量%〜約60重量%、例えば、約55重量%の、上記材料(上記オリゴマー/ポリマー等)と相溶性である1つ又は複数の粘着付与剤樹脂、例えば、炭化水素粘着付与剤、
(e)場合により、約0重量%〜約90重量%、好ましくは約1重量%〜約30重量%、より好ましくは約2重量%〜約25重量%、最も好ましくは約3重量%〜約10重量%、例えば、約5重量%の、上記材料(上記オリゴマー/ポリマー等)と相溶性である1つ又は複数の多官能(メタ)アクリレートモノマー、
(f)場合により、約0.1重量%〜約10.0重量%、好ましくは約0.5重量%〜約5重量%の光開始剤、好ましくは約0.5重量%〜約1.5重量%、例えば、約1.0重量%の光開始剤(場合により、光開始剤は、配合物が電子ビームで硬化される場合は使用されない)、及び
(g)場合により、約0重量%〜約10重量%の、抗酸化剤、UV−安定剤、湿潤剤、流動化剤及び任意のその他の添加剤等のその他の当業者に良く知られている添加剤
を、好ましくは溶媒の存在なしで重合することにより得ることのできる反応生成物を含む。
【0017】
本発明のその他の態様は、先の材料(a)〜(g)を単一容器で溶媒なしで重合する工程を含む方法である。
【0018】
本発明の方法及び組成物は、加温溶融温度範囲(約40〜約130℃)で被覆可能な粘度(5000〜30000cps)を有する放射線架橋可能な接着剤をもたらす。放射線架橋後、接着剤は、常温及び高温の両方で優れた接着剥離性及び剪断粘着性を有する。
【0019】
本発明においては、粘着付与樹脂は2つの重要な機能を果す。第1は、粘着付与樹脂は反応中に希釈剤として機能して、反応がはるかに従来の溶媒方法よりも高温で生起して短時間で完了できるようにする。第2に、UV硬化後に、粘着付与樹脂は、最終生成物の接着性を改善するために配合物の粘着力を高めることができる。また、この方法は、溶媒除去のための製造工程を回避し、粘着付与剤の水準又は種類の割合を簡単に変えることにより異なる最終生成物に対する更なる柔軟性を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の方法は、放射線架橋可能な接着剤を形成するために、ポリオール、ポリイソシアネート、ヒドロキシル(メタ)アクリレート、粘着付与樹脂、及び場合により多官能モノマーのホットメルト混合物における化学反応を含む。接着剤は加温溶融温度範囲で基体に適用することができ、次いで、照射により感圧接着剤又は積層接着剤生成物を形成することができる。
【0021】
本発明における使用のためのポリオール、ポリイソシアネート、ヒドロキシ(メタ)アクリレート、及びその他の適当な成分を次に記載する。
【0022】
ポリオール
本発明における有用なポリオールは、少なくとも2つの末端ヒドロキシル基を有するオリゴマー、例えば、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリエーテルポリオール、ゴム誘導ポリオール、及びこれらの混合物等である。それらのポリオールの分子量範囲は、約500〜100,000、好ましくは1000〜10000ダルトンである。本発明にとって適当な市販のポリオールのいくつかの例としては、ヒドロキシル末端化ポリ(オキシアルキレン)(Arch Chemicals社のPoly−G 20−56、POLY−G 30−56、POLY−G−55−56、POLY−G 30−28)、ポリ(テトラヒドロフラン)ジオール(BASF社のPOLY−THF MW650、POLY−THF 2000及びPOLY−THF 4500)、アクリルポリオール(Lyondell Chemical社のAcryflow P−120)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(Dupont社のTerathane III)、へキサン二酸及び2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールからのポリエステルポリオール(Inolex Chemical社のLEXOREZ 1180−35)、ポリ(エチレン/ブチレン)ポリオール(Karton Polymers社のKRATON LIQUID L−2203)、及びポリブタジエンポリオール(Sartomer社のPOLY bd R−45HTLO)が挙げられるがこれらに限定されない。
【0023】
ポリオールの選択は、最終使用の要件並びにその他の成分、例えば、粘着付与剤、モノマー、及びポリイソシアンート等との相溶性に依存する。例えば、ゴム誘導ポリオールは、低表面エネルギー基体上で高い接着性を有するPSAにとって好ましい。
【0024】
ポリイソシアネート
本発明の適当なポリイソシアネートは、1つ又は複数のポリ−イソシアネート、好ましくはジ−イソシアネート、より好ましくは脂肪族、環状脂肪族、複素環式及び/又は芳香族ジ−イソシアネートから得られてもよく及び/又は得ることができる。都合のよいジイソシアネートは、線状構造を有するポリマーを得るために使用されてもよいジイソシアネートである。
【0025】
本発明の方法では、芳香族基が硬化中にUV放射線を吸収して、完成品の硬化接着剤を得ることのできる速度を減少するので、脂肪族ジイソシアネートが好ましい。より好ましくは、高い貯蔵率を有するポリマーを製造することができるので環状脂肪族ジイソシアネートが使用される。電子ビームが接着剤を硬化するために使用される場合は、硬化速度はあまり影響をうけないので、安価な芳香族ジイソシアネートが脂肪族ジイソシアネートよりも好ましい。
【0026】
本発明において使用されてもよい好ましいジ−イソシアネートは、アルキル(より好ましくはメチル)ジアルキレン(より好ましくはジ−C1〜4アルキレン)ジイソシアネートベンゼン、アルキル(より好ましくはメチル)ジフェニレンジイソシアネート、場合によりアルキル置換ジフェニルメタンジイソシアネート、アルキルジエン(より好ましくはC1〜10アルキルジエン)ジイソシアネート、場合によりアルコキシ置換ナフチレンジイソシアネート(場合により、そこでの任意の芳香族及び/又はエチレン基は部分的に及び/又は完全に水素化されている)、ジメトキシベンジジンジイソシアネート、ジ(イソシアナトエチル)ビシクロヘプテン−ジカルボキシレート、モノ又はジハロ(好ましくはブロモ)トルエン及びフェニレンジイソシアネート、及び/又はこれらの混合物、及び/又は同種及び/又は類似のジ−イソシアネート;これらのイソシアネート官能性ビウレット、これらのアロホネート、及び/又はこれらのイソシアヌレートを含むがこれらに限定されないジイソシアネート;及び/又はこれらの混合物から選択される。
【0027】
本発明において使用することができる特定のジ−イソシアネートの例は、
【化1】


の3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート又はIPDI)、
【化2】


の2,4−トルエンジイソシアネート、
【化3】


の2,6−トルエンジイソシアネート及び/又はこれらの混合物(TDI)、
【化4】


の4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、
【化5】


の2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、
【化6】


の4,4’−ジシクロヘキシルジイソシアネート又は還元されたMDI(また、ジクロヘキサンメタンジイソシアネートとしても知られている)、
【化7】


のメタ−テトラメチルキシレンジイソシアネート、
【化8】


のパラ−テトラメチルキシレンジイソシアネート(TXMDI)及びこれらの混合物、
【化9】


の水素化メタ−テトラメチルキシレンジイソシアネート[1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン]、
【化10】


のヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、
【化11】


のノルボルナンジイソシアネート(NBDI)、
【化12】


の2,2,4−及び2,4,4−トリメチレンヘキサメチレンジイソシアネート(R=H、R’=CH;2,4,4−異性体;R=CH、R’=H;2,2,4−異性体)及び/又はこれらの混合物(TMDI)、
【化13】


の1,5−ナフチレンジイソシアネート(NDI)、
【化14】


のジメトキシベンジジンジイソシアネート(ジアニシジンジイソシアネート)ジ(2−イソシアナトエチル)ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシレート、
【化15】


の2,4−ブロモトルエンジイソシアネート、
【化16】


の2,6−ブロモトルエンジイソシアネート及び/又はこれらの混合物、
【化17】


の4−ブロモ−メタ−フェニレンジイソシアネート、
【化18】


の4,6−ジブロモ−メタ−フェニレンジイソシアネート、及び/又は同種及び/又は類似のジイソシアネート;これらのイソシアネート官能性ビウレット、これらのアロホネート、及び/又はこれらのイソシアヌレートを含むがこれらに限定されないジイソシアネート、及び/又はこれらの混合物から選択される。
【0028】
ヒドロキシル(メタ)アクリレート
任意の適当なヒドロキシル官能性エチレン系不飽和モノマーは本明細書で使用されてもよい。好ましいモノマーは、場合により1つ又は複数のアルコキシ基で置換されているモノヒドロキシ官能性アルキル(メタ)アクリレート;より好ましくは、ヒドロキシC1〜10アルキル(メタ)アクリレート;カプロラクトンを有するこれらのアダクト及び/又はこれらの混合物である。
【0029】
その様なヒドロキシル(メタ)アクリレートの例としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)及びメタクリレート(HEMA);2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート;4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシノニル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシ及び5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート;7−ヒドロキシヘプチル(メタ)アクリレート及び5−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、及び/又はエトキシル化及びプロポキシル化誘導体を結合する(メタ)アクリレート(Cognis社から市販されている);カプロラクトン−2−ヒドロキシエチルアクリレートアダクト(Tone(登録商標)M−100の商標でDow/Union Carbide社から市販されているもの等);並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0030】
粘着付与樹脂
本発明のための粘着付与樹脂は、
ロジン酸、重合ロジン酸、ロジンエステル及び混合物等のロジン粘着付与剤、好ましくは水素化ロジン樹脂;
脂肪族及び/又は環状脂肪族炭化水素粘着付与剤樹脂等の炭化水素樹脂、好ましくは水素化炭化水素樹脂;
芳香族/脂肪族粘着付与剤樹脂、好ましくは水素化芳香族/脂肪族粘着付与剤樹脂;
ポリテルペン及びテルペンフェノール樹脂;
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン及び混合物から重合された芳香族樹脂;
フェノール変性芳香族樹脂、ベンゾエート樹脂、クマロン−インデン
から成る群から選択することができる。
【0031】
本発明にとって適当な市販の粘着付与剤のいくつかの例としては、ExxonMobil社からEscorezの商標で市販されている、70〜150℃の軟化点を有する5300シリーズの脂肪族及び/又は環状脂肪族炭化水素粘着付与剤樹脂;ExxonMobil社からEscorezの商標で市販されている、10〜100℃の軟化点を有する2000シリーズの芳香族変性脂肪族粘着付与剤樹脂;Eastman Chemicals社からRegalrez(登録商標)1018、1085、1094、3102、1126、及び/又はPMR 1100の商標で市販されている水素化及び/又は部分的に水素化された芳香族樹脂;Eastman Chemicals社からKristalex(登録商標)3070、3085及び/又はPM−3370の商標で市販されている重合芳香族樹脂;Arizona Chemicals社からSylvalite RE 80HP(ロジンエステル)(登録商標)の商標で市販されているロジンエステル;及びSylvares(登録商標)TP7042(高軟化点(145〜151℃)熱安定性ポリテルペンフェノール樹脂)、TR 7115;TP2040(熱可塑性テルペンフェノール樹脂)及び/又はTR−1085(ポリテルペン樹脂);Unitex Chemicals社からUniplex(登録商標)280の商標で市販されているジシクロヘキシルフタレート可塑剤及び粘着付与剤;Cytec Surface Specialties社から市販されているイソボルニルアクリレート及びイソボルニルメタクリレート単官能架橋剤及び粘着付与剤モノマーが挙げられるがこれらに限定されない。
【0032】
場合により、本明細書に記載されているオリゴマー/ポリマーと相溶性である適当な(メタ)アクリレートモノマー等の1つ又は複数の多官能反応性希釈剤を、粘度を下げるために及び接着性能を調整するために使用することができる。
【0033】
本発明の配合物はまた、次の任意の成分の1つ又は複数を含んでもよい(本発明の全配合物の重量%として与えられる量):
1つ又は複数の放射線硬化性ポリマー前駆体、好ましくは0%〜90%までの量で;
1つ又は複数の遊離基光開始剤、好ましくは1%〜約10%までの量で;
1つ又は複数の可塑剤、好ましくは0%〜約15%までの量で;
1つ又は複数の抗酸化剤、好ましくは1%〜約10%までの量で;
1つ又は複数の着色剤、好ましくは0%〜約40%までの量で;及び/又は
適当と思われる任意のその他の成分。
【0034】
文脈が別途明確に指示しない限り、本明細書で使用される本明細書における用語の複数形は単数形を含み、逆もまた同じであると解釈されるべきである。
【0035】
本明細書で使用される「含む」という用語は、その後に列挙されているものが網羅的であるというのではなく、任意の他の更なる適当な項目、例えば、適当な1つ又は複数の更なる特徴、構成要素、成分及び/又は置換基を含んでもよく又は含まなくてもよいことを意味するものと理解される。
【0036】
「有効な」、「許容される」、「活性な」及び/又は「適当な」という用語(例えば、本発明の及び/又は適当なものとして本明細書で記載されている任意のプロセス、使用、方法、用途、調製、生成物、材料、配合物、化合物、モノマー、オリゴマー、ポリマー前駆体、及び/又はポリマーに関して)は、正しい方法で使用される場合は、本明細書に記載されている様に有用性であるためにこれらが付加され及び/又は導入されるものに必要とされる性質を与える本発明の特徴を参照するものと理解される。その様な有用性は、例えば、材料が前述の使用にとって必要な性質を有する場合は直接的であってもよく及び/又は例えば、材料が、直接有用性のその他の材料を調製する際の合成中間体及び/又は診断手段としての用途を有する場合は間接的であってもよい。本明細書で使用されるこれらの用語はまた、官能基が、有効な、許容される、活性な及び/又は適当な最終生成物を製造することと両立できることを表す。本発明のポリマーの好ましい有用性は、接着剤として、より好ましくは感圧又は積層接着剤としての有用性である。
【0037】
本明細書で使用される「場合による置換基」及び/又は「場合により置換された」という用語は(その後にその他の置換基が列挙されない限り)、次の基(又はこれらの基による置換):カルボキシ、スルホ、ホルミル、ヒドロキシ、アミノ、イミノ、ニトリロ、メルカプト、シアノ、ニトロ、メチル、メトキシ及び/又はこれらの組合せの1つ又は複数を表す。これらの場合による基としては、複数の前述の基の同じ部分におけるすべての適当な化学的に可能な組合せが挙げられる(例えば、アミノ及びスルホニルは、互いに直接結合している場合は、スルハモイル基を表す)。好ましい、場合による置換基としては、カルボキシ、スルホ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、シアノ、メチル、ハロ、トリハロメチル及び/又はメトキシが挙げられる。
【0038】
本明細書で使用される「有機置換基」及び「有機基」という同義語(また、本明細書では「有機」と略される)は、1つ又は複数の炭素原子及び場合により1つ又は複数のその他のヘテロ原子を含む任意の1価又は多価部分(1つ又は複数のその他の部分に場合により結合している)を表す。有機基は、炭素を含む1価基を含み、従って、有機であるが炭素以外の原子においてこれらの自由原子価を有する有機ヘテリル基(また、有機元素基として知られている)(例えば、有機チオ基)を含んでもよい。有機基は、官能基の種類に関係なく、炭素原子において1つの自由原子価を有する任意の有機置換基を含むオルガニル基(organyl group)を代替として又は付加的に含む。有機基はまた、複素環式化合物:(環メンバー原子として少なくとも2つの異なる元素、この場合は1つは炭素を有する環状化合物)の任意の環原子から1つの水素原子を除去することにより形成される1価の基を含むヘテロシクリル基を含んでもよい。好ましくは、有機基における非炭素原子は、水素、ハロ、燐、窒素、酸素、ケイ素及び/又は硫黄から選択されることができ、より好ましくは、水素、窒素、酸素、燐及び/又は硫黄から選択されることができる。
【0039】
最も好ましい有機基は、次の炭素含有部分の1つ又は複数を含む:アルキル、アルコキシ、アルカノイル、カルボキシ、カルボニル、ホルミル及び/又はこれらの組合せ;場合により次のヘテロ原子含有部分の1つ又は複数との組合せ:オキシ、チオ、スルフィニル、スルホニル、アミノ、イミノ、ニトリロ及び/又はこれらの組合せ。有機基としては、複数の前述の炭素含有及び/又はヘテロ原子部分の同じ部分におけるすべての適当な化学的に可能な組合せが挙げられる(例えば、アルコキシ及びカルボニルは、互いに直接結合している場合は、アルコキシカルボニル基を表す)。
【0040】
本明細書で使用される「ヒドロカルボ基」という用語は、有機基の下位集合であり、1つ又は複数の水素原子及び1つ又は複数の炭素原子から成る任意の1価又は多価部分(1つ又は複数のその他の部分に場合により結合している)を表し、1つ又は複数の飽和、不飽和及び/又は芳香族部分を含むことができる。ヒドロカルボ基は、次の基の1つ又は複数を含んでもよい。ヒドロカルビル基は、炭化水素から1つの水素原子を除去することにより形成される1価の基を含む(例えば、アルキル)。ヒドロカルビレン基は、炭化水素(その自由原子価は二重結合に関与しない)から2つの水素原子を除去することにより形成される2価の基を含む(例えば、アルキレン)。ヒドロカルビリデン基は、炭化水素(その自由原子価は二重結合に関与する)の同じ炭素原子から2つの水素原子を除去することにより形成される2価の基(「R2C=」で表すことができる)を含む(例えば、アルキリデン)。ヒドロカルビリジン基は、炭化水素(その自由原子価は三重結合に関与する)の同じ炭素原子から3つの水素原子を除去することにより形成される3価の基(「RC≡」で表すことができる)を含む(例えば、アルキリジン)。ヒドロカルボ基はまた、飽和した炭素−炭素単結合(例えば、アルキル基における);不飽和の二重及び/又は三重炭素−炭素結合(例えば、アルケニル及びアルキニル基のそれぞれにおける);芳香族基(例えば、アリール基における)及び/又はこれらの組合せを同じ部分内に含むことができ、必要であればその他の官能基で置換することができる。
【0041】
本明細書で使用される「アルキル」という用語又はその均等物(例えば、「アルキ(alk)」)は、適切な場合には及び文脈が別途明確に指示しない限り、本明細書に記載されているもの等の任意のその他のヒドロカルボ基(例えば、二重結合、三重結合、芳香族部分(それぞれアルケニル、アルキニル及び/又はアリール等)及び/又はこれらの組合せ(例えば、アラルキル)を含む)並びに2つ以上の部分を結合している任意の多価ヒドロカルボ種(二価ヒドロカルビレン遊離基等、例えば、アルキレン)を包含する用語によって容易に置き換えることができる。
【0042】
本明細書で言及されている任意の遊離基又は部分(例えば、置換基として)は、別途言及されない限り又は文脈が別途明確に指示しない限り、多価又は1価基であることができる(例えば、2つのその他の部分を結合している二価ヒドロカルビレン部分)。しかしながら、本明細書で必要であればその様な1価又は多価基は、なおまた場合による置換基を含んでもよい。3つ以上の原子の鎖を含む基は、鎖が全体に又は部分的に直鎖、分岐であることができ及び/又は環(スピロ及び/又は結合環を含む)を形成することができる基を表す。特定の原子の合計数は、特定の置換基、例えば、C1〜N有機として特定され、1〜N個の炭素原子を含む有機部分を表す。本明細書のいずれの式においても、1つ又は複数の置換基が部分における任意の特定の原子に(例えば、鎖及び/又は環に沿った特定の位置に)結合していることが示されていない場合は、置換基は、任意のHと置換することができ及び/又は化学的に適当である及び/又は有効である、部分上の任意の利用可能な位置に配置することもできる。
【0043】
好ましくは、本明細書に列挙されている任意の有機基は、1〜36個の炭素原子、より好ましくは1〜18個の炭素原子を含む。有機基における炭素原子の数は1〜12個、特に1〜10個まで、例えば、1〜4個の炭素原子であることが特に好ましい。
【0044】
括弧付で示される特徴−例えば、(アルキル)アクリレート、(メタ)アクリレート及び/又は(コ)ポリマー等を含む、本明細書で使用される化学用語(特に同定されている化合物に対するIUPAC名以外)は、括弧内のその部分が場合により文脈が示す通りであること、例えば、(メタ)アクリレートはメタアクリレート及びアクリレートの両方を表すことを意味する。
【0045】
本明細書で記載されている本発明の一部又は全部において含む及び/又は使用される特定の部分、種、基、繰り返し単位、化合物、オリゴマー、ポリマー、材料、混合物、組成物及び/又は配合物は、1つ又は複数の異なる形態、例えば、次の非網羅的一覧の任意の形態:立体異性体(鏡像異性体(例えば、E及び/又はZ形態)、ジアステレオマー及び/又は幾何異性体等);互変異性体(例えば、ケト及び/又はエノール形態)、配座異性体、塩、両性イオン、錯体(キレート、クラスレート、クラウン化合物、クリプタント/クリプタート、包含化合物、層間化合物、格子間化合物、配位子錯体、有機金属錯体、不定比錯体、πアダクト、溶媒和物及び/又は水和物等);同位体置換形態、重合位置[例えば、ホモ又はコポリマー、ランダム、グラフト及び/又はブロックポリマー、直鎖状及び/又は分岐ポリマー(例えば、星状及び/又は側鎖分岐)、架橋及び/又は網状ポリマー、二価及び/又は三価の繰り返し単位から得ることのできるポリマー、デンドリマー、異なる立体規則性のポリマー(例えば、アイソタクチック、シンジオタクチック又はアタクチックポリマー)等];多形体(例えば、侵入型形態、結晶形態及び/又は無定形形態等)、異相、固溶体;及び/又は可能であればこれらの組合せ及び/又はこれらの混合物として存在することができる。本発明は本明細書で定義される様に有効であるすべてのその様な形態を含み及び/又は使用する。
【0046】
本発明のポリマーは、本明細書で示される様に、直接結合を介して別のポリマー前駆体又はそれぞれのポリマー前駆体と一緒に鎖伸張及び/又は架橋を提供するために、有機及び/又は無機であることができ、ポリマー前駆体又はそれぞれのポリマー前駆体との結合を形成することのできる部分を含む任意の適当な(コ)モノマー、(コ)ポリマー[ホモポリマーを含む]及びこれらの混合物を含むことができる、1つ又は複数の適当なポリマー前駆体により調製することもできる。
【0047】
本発明のポリマー前駆体は、適当な重合可能な官能性を有する1つ又は複数のモノマー、オリゴマー、ポリマー、これらの混合物及び/又はこれらの組合せを含んでもよい。
【0048】
モノマーは、重合することのできる低分子量(例えば、1キロダルトン未満)の実質的に単分散系化合物である。
【0049】
ポリマーは、重合方法により調製される大きな分子量(例えば、数千ダルトン)の巨大分子の多分散系混合物であり、巨大分子は小さな単位(それ自体はモノマー、オリゴマー及び/又はポリマーであってもよい)の多重反復を含み、(性質が分子構造の微細な内容に決定的に依存しない限り)1つ又は2〜3の単位の付加若しくは除去は、巨大分子の性質にごくわずかな影響しか及ぼさない。
【0050】
オリゴマーは、モノマー及びポリマーの間の中間的分子量を有する分子の多分散系混合物であり、分子は小さい複数のモノマー単位を含み、1つ又は2〜3の単位の除去は、分子の性質を顕著に変動させる。
【0051】
文脈によって、広義の用語のポリマーはオリゴマーを包含してもしなくてもよい。
【0052】
本発明の及び/又は本発明で使用されるポリマー前駆体は、直接合成により又は(重合性前駆体がそれ自体重合性である場合は)重合により調製されてもよい。重合可能なポリマーがそれ自体本発明の及び/又は本発明で使用されるポリマー前駆体として使用される場合は、その様なポリマー前駆体は、このポリマー前駆体から形成される任意の重合性材料における副反応、副生成物の数及び/又は多分散性を最小にするために、好ましくは、低多分散性を有し、より好ましくは、実質的に単分散であることが好ましい。ポリマー前駆体は通常の温度及び圧力において実質的に非反応性であることができる。
【0053】
文脈が本明細書で示される別の方法を示さない限り、本発明の及び/又は本発明で使用されるポリマー及び/又は重合性ポリマー前駆体は、当業者に良く知られている任意の適当な重合手段により(共)重合することができる。適当な方法の例としては、熱的開始;適当な作用剤;触媒を添加することによる化学的開始;及び/又は場合による開始剤を使用した後の照射による開始、例えば、UV等の適当な波長での電磁気放射線(光−化学的開始)、及び/又はその他のタイプの放射線、例えば、電子ビーム、α粒子、中性子及び/又はその他の粒子等による照射による開始が挙げられる。
【0054】
ポリマー及び/又はオリゴマーの繰り返し単位上の置換基は、本明細書に記載されている使用のために配合されてもよい及び/又は導入されることができるポリマー及び/又は樹脂と、材料との相溶性を改善するために選択されることができる。従って、置換基の大きさ及び長さは樹脂との物理的交絡又は相互配置を最適化するために選択されることができ、或いはこれらは、必要に応じてその様なその他の樹脂と化学的に反応することができる及び/又は架橋することができるその他の反応性構成要素を含んでもよく含まなくてもよい。
【0055】
本発明の更なる態様は、特許請求の範囲において記述される。
【0056】
本発明は次に、例示に過ぎず本発明の範囲を限定するものではないものとみなされるべき以下の特定の実施例により例示される。
【実施例】
【0057】
テスト方法
以下のテスト方法は、PSAの性質及び一般的な性質の両方を評価するためのものであった。PSAの性質を決定するために使用されるテスト方法は、参照として本明細書に組み込まれる、Test Methods for Pressure−Sensitive Tapes、13th Edition、2001年8月、Pressure−Sensitive Tape Council、Glenview、IIIに記載されている方法である。
【0058】
引きはがし粘着力(PSTC−101)
引きはがし粘着力は、特定の角度及び除去速度で測定される、被覆された可撓性シート材料をテストパネルから除去するのに必要とされる力である。実施例では、この力は被覆されたシートのインチ幅当たりのポンド(lb/in)で表示される。接着剤のコーティングを、シリコーンリリースペーパーに適用した。接着剤コーティングを、UV照射を使用して硬化した後、2ミル厚のマイラーフィルムに結合した。1”×8”の試験片を、被覆したマイラーフィルムから切り出した。74°F及び50%相対湿度で24時間状態調節を行った後、リリースペーパーを除去し、試験片を清潔なステンレススチールテストパネルの水平表面に結合した。次いで、結合体を、自動ローラーを使用してロールに掛けた。結合体を特定の滞留時間で状態調節した後、結合体を、剥離試験機で180°の角度で、12”/分の一定剥離速度で剥離した。結果は、lb/inでの平均荷重として報告される。
【0059】
剪断抵抗(PSTC−107)
剪断抵抗は、接着剤の密着性又は内部強度の尺度である。剪断抵抗は、接着剤ストリップが一定の圧力で貼り付けられている表面に平行な方向で標準平滑表面から接着剤ストリップを引き離すのに必要とされる力の量に基づく。剪断抵抗は、一定荷重下でステンレススチールテストパネルから接着剤被覆シート材料の標準面積を引き離すのに必要とされる時間に関する測定である。
【0060】
テストは、各ストリップの1”×1”の部分が、テープの一端部分を自由にしてパネルとしっかり接触する様にステンレススチールパネルに適用された接着剤被覆ストリップについて行った。結合した被覆ストリップを有するパネルを、パネルが178°の角度を形成する様にしてラックに保持した。結合を24時間状態調節した後、一定重量を、伸ばされたテープの自由端に掛けた。
【0061】
ループタック(loop tack)測定(PSTC−16)
ループタックを、機械方向に沿ってマイラー被覆ラミネートの5”×1”の寸法の試験片を切り出して作られたループタックテスター(Loop Tack tester)を使用して測定した。74°F及び50%相対湿度で一晩中状態調節した後、ラミネートを、両端をテープで貼り付けてループ状にとじた。次いで、ループを、ループタックテスター及びテスターのベースに挟み付けたステンレススチールパネル上に載せた。テストを開始したら、ループをステンレススチールプレートと接触させ、次いで回収した。ループをプレートから回収するのに必要な荷重を、lb/inでループタックとして記録した。
【0062】
テストサンプルの調製
本明細書におけるPSAの結果についてすべてのテープを、接着剤トランスファーコーティングで作った。未硬化接着剤フィルムを、ChemInstruments社製のHLC−101ホットメルトコーターを使用してシリコーンリリースペーパー(RP−12、ChemInstruments社製)に塗布した。一般的な温度設定は、トップロールが130℃で、ボトムロールが100℃であった。
【0063】
次いで塗布した接着剤を、空気中で、1インチ当たり600ワット(W/inch)の2つの融解水銀蒸気無電極UVランプ(Fusion mercury vapor electrodeless UV lamp)を使用して硬化した。硬化したフィルムを、8−インチ硬質ゴムローラー(水平に保持されたハンドルで5.03Kg)の2度の重複通過の使用により2ミル厚のポリエステルフィルムと積層した。ラミネートを調整し、1インチ×6インチのストリップに切断し、テスト前に一定の温度の部屋で状態調節した。
【0064】
(実施例1)
実施例1の合成
204.75gのKraton L−2203、ExxonMobil社からEscorez 2520の商標で市販されている芳香族変性脂肪族粘着付与剤樹脂56.16g、ExxonMobil社からEscorez 5380の商標で市販されている水素化環状脂肪族石油炭化水素粘着付与剤樹脂251.67gを2リットルの丸底フラスコに入れた。フラスコを90℃〜100℃のオーブンに置き、混合物を加熱して粘着付与剤を完全に溶融した。フラスコをオーブンから取り出し、フラスコを100〜110℃に加熱し続けながらポリオール及び溶融粘着付与剤を良く混合するためにゆっくりと攪拌を開始し、そしてフラスコを100〜110℃に保持した。攪拌しながら0.22gのBHT(ブチル化ヒドロキシトルエン、PMC Specialties社からCAO−3の商標名で市販されている抗酸化剤)を添加し、次いで、混合物の表面上への乾燥空気の連続的吹き付けを開始した。この乾燥工程は、ポリオール又は粘着付与剤から存在が考えられる水分を追い出すために2時間は続けるべきである。反応体を混合し乾燥しながら、0.93gのHEA/0.56gのDBTDL、ジブチル錫ジラウレート(Air Products社からDabco(登録商標)T−12の商標で市販されている)/0.11gのMeHQ(Aldrich Chemicals社から市販されているパラ−メトキシフェノール)の溶液及び15.63gのMDI/28.66gのHDODAの溶液を、それぞれフードにおいて作らなければならない。HDODA(ヘキサンジオールジアクリレート)は、Surface Specialties UCBの市販品である二官能反応性希釈剤である。穏やかに攪拌しながらポリオール及び粘着付与剤を加熱し、混合し、2時間乾燥した後、HEA/DBTDL/MeHQの溶液を反応器に添加し、良く混合した。次いで、MDI/HDODAの溶液を、添加漏斗を使用してゆっくりと添加した。添加時間は30〜40分であった。乾燥空気を吹き付け、穏やかに攪拌しながら、110℃で、少なくとも2時間反応を保った。反応の程度を、NCO%の水準が0.2%より下になるまでNCO%の水準をテストしてチェックした。次いで、必要な添加剤をそれぞれ後添加した。これらは、0.28gのBHT、0.11gのMeHQ、5.58gのIrgacure 184及び2.79gのIrganox 1010を含んでいた。ここで、Ciba Specialty Chemicals社のIrgacure 184は、化学的に不飽和のプレ−ポリマーの光重合を開始するために使用される高度に有効な黄ばみのない光開始剤である。Ciba Specialty Chemicals社のIrganox 1010は、方法及び長期熱安定性のためのフェノール系の主たる抗酸化剤である。阻害剤/抗酸化剤が完全に溶解し生成物において均質に分散することを確実にするために、内容物を110℃で少なくとも30分間攪拌した。ヒーター及び攪拌機を中止する。生成物を容器に注ぎ入れ、合成を終了する。
【0065】
実施例1の一般的性質
生成物は非常に粘稠な液体でその粘度は温度に依存した。粘度を、#28スピンドルを有するブルックフィールド粘度計を使用して決定し、結果は表1で示される。
【0066】
【表1】

【0067】
粘度データは、生成物が、80〜120℃の広い温度範囲にわたって塗布可能であることを示した。
【0068】
実施例1のPSA性能
2ミルの接着剤フィルムサンプルを毎分75フィートの速度(0.66J/cm)で硬化した。接着剤の性能結果は表2で与えられる。
【0069】
【表2】

【0070】
実施例1は以下の性質を示す:
低表面エネルギー基体に対する優れた接着性;極性基体に対する良好な接着性;高粘着性;高温抵抗性;良好な可塑剤抵抗性;加温溶融加工処理温度90℃〜130℃。
【0071】
(実施例2)
実施例2の合成
204.75gのKraton L−2203、ExxonMobil社からEscorez 2520の商標で市販されている芳香族変性脂肪族粘着付与剤樹脂83.82g、ExxonMobil社からEscorez 5380の商標で市販されている水素化環状脂肪族石油炭化水素粘着付与剤樹脂223.29g及び0.22gのBHTを2リットルの丸底フラスコに入れた。フラスコを93℃のオーブンに置き、混合物を加熱して粘着付与剤を完全に溶融した。フラスコをオーブンから取り出し、フラスコを100〜110℃に加熱し続けながらポリオール、溶融粘着付与剤及びBHTを良く混合するためにゆっくりと攪拌を開始し、そしてフラスコを100〜110℃に保持した。攪拌しながら、混合物の表面上への乾燥空気の連続的吹き付けを開始した。この乾燥工程は、ポリオール又は粘着付与剤から存在が考えられる水分を追い出すために2時間は続けるべきである。反応体を混合し乾燥しながら、0.93gのHEA/0.56gのDBTDL、0.11gのMeHQの溶液及び15.63gのMDI/28.66gのHDODAの溶液を、それぞれフードにおいて作らなければならない。穏やかに攪拌しながらポリオール及び粘着付与剤を加熱し、混合し、2時間乾燥した後、HEA/DBTDL/MeHQの溶液を反応器に添加し、良く混合した。次いで、MDI/HDODAの溶液を、添加漏斗を使用してゆっくりと添加した。添加時間は30〜40分であった。乾燥空気を吹き付け、穏やかに攪拌しながら、110℃で、少なくとも2時間反応を保った。反応の程度を、NCO%の水準が0.2%より下になるまでNCO%の水準をテストしてチェックした。次いで、必要な添加剤をそれぞれ後添加した。これらは、0.28gのBHT、0.11gのMeHQ、5.57gのIrgacure 184及び2.79gのIrganox 1010を含んでいた。阻害剤/抗酸化剤が完全に溶解し生成物において均質に分散することを確実にするために、内容物を110℃で少なくとも30分間攪拌した。ヒーター及び攪拌機を中止する。生成物を容器に注ぎ入れ、合成を終了する。
【0072】
実施例2の一般的性質
生成物は非常に粘稠な液体でその粘度は温度に依存した。粘度を、#28スピンドルを有するブルックフィールド粘度計を使用して決定し、結果は表3で示される。
【0073】
【表3】

【0074】
粘度データは、実施例2が、80〜120℃の広い温度範囲にわたって塗布可能であることを示した。
【0075】
実施例4のPSA性能
2ミルの接着剤フィルムサンプルを毎分75フィートの速度(0.66J/cm)で硬化した。接着剤の性能結果は表4で与えられる。
【0076】
【表4】

【0077】
(実施例3)
実施例3の合成
204.75gのKraton L−2203、ExxonMobil社からEscorez 2520の商標で市販されている芳香族変性脂肪族粘着付与剤樹脂56.16g、ExxonMobil社からEscorez 5380の商標で市販されている水素化環状脂肪族石油炭化水素粘着付与剤樹脂251.67g及び0.22gのBHTを2リットルの丸底フラスコに入れた。フラスコを93℃のオーブンに置き、混合物を加熱して粘着付与剤を完全に溶融した。フラスコをオーブンから取り出し、フラスコを100〜110℃に加熱し続けながらポリオール、溶融粘着付与剤及びBHTを良く混合するためにゆっくりと攪拌を開始し、そしてフラスコを100〜110℃に保持した。攪拌しながら、混合物の表面上への乾燥空気の連続的吹き付けを開始した。この乾燥工程は、ポリオール又は粘着付与剤から存在が考えられる水分を追い出すために2時間は続けるべきである。反応体を混合し乾燥しながら、0.93gのHEA/0.56gのDBTDL、0.11gのMeHQの溶液及び15.63gのMDI/28.66gのHDODAの溶液を、それぞれフードにおいて作らなければならない。穏やかに攪拌しながらポリオール及び粘着付与剤を加熱し、混合し、2時間乾燥した後、HEA/DBTDL/MeHQの溶液を反応器に添加し、良く混合した。次いで、MDI/HDODAの溶液を、添加漏斗を使用してゆっくりと添加した。添加時間は30〜40分であった。乾燥空気を吹き付け、穏やかに攪拌しながら、110℃で、少なくとも2時間反応を保った。反応の程度を、NCO%の水準が0.2%より下になるまでNCO%の水準をテストしてチェックした。次いで、必要な添加剤をそれぞれ後添加した。これらは、0.28gのBHT、0.11gのMeHQ、5.57gのIrgacure 184を含んでいた。阻害剤/抗酸化剤が完全に溶解し生成物において均質に分散することを確実にするために、内容物を110℃で少なくとも30分間攪拌した。ヒーター及び攪拌機を中止する。生成物を容器に注ぎ入れ、合成を終了する。
【0078】
実施例3の一般的性質
生成物は非常に粘稠な液体でその粘度は温度に依存した。粘度を、#28スピンドルを有するブルックフィールド粘度計を使用して決定し、結果は表5で示される。
【0079】
【表5】

【0080】
実施例4及び5の調製
実施例4を、99.5部の実施例3及び0.5%部のIrganox 1010のホットメルトブレンドで作った。
【0081】
実施例5を、96部の実施例3及び4部のジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート(DPHPA、UCB社製)のホットメルトブレンドで作った。
【0082】
実施例4及び5のPSA性能
2ミルの接着剤フィルムサンプルを毎分75フィートの速度(0.66J/cm)で硬化した。感圧接着剤の性能結果は表6で与えられる。
【0083】
【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の材料、
(a)約10重量%〜約80重量%、好ましくは約25重量%〜約50重量%、より好ましくは30重量%〜約40重量%、例えば、約35重量%の、少なくとも1000ダルトン、好ましくは約1,000〜10,000ダルトン、より好ましくは約2,000〜約5,000ダルトン、例えば、3,000ダルトンの分子量を有する少なくとも1つのポリオール、
(b)約0.5重量%〜約20重量%、好ましくは約1.0重量%〜約10重量%、より好ましくは約1.0重量%〜約5重量%、例えば、約3重量%の少なくとも1つのポリ−イソシアネート、例えば、2〜4つの異なるポリ−イソシアネート、
(c)約0.1重量%〜約10重量%、好ましくは0.1重量%〜約5重量%、より好ましくは0.1重量%〜約1.0重量%、最も好ましくは約0.1重量%〜約0.5重量%、例えば、約0.2重量%の少なくとも1つのヒドロキシル(メタ)アクリレート、例えば、2〜6つの異なるヒドロキシル(メタ)アクリレート、
(d)約10重量%〜約80重量%、好ましくは約30重量%〜約60重量%、より好ましくは約40重量%〜約60重量%、最も好ましくは約50重量%〜約60重量%、例えば、約55重量%の、上記材料(上記オリゴマー/ポリマー等)と相溶性である1つ又は複数の粘着付与剤樹脂、例えば、炭化水素粘着付与剤、
(e)場合により、約0重量%〜約90重量%、好ましくは約1重量%〜約30重量%、より好ましくは約2重量%〜約25重量%、最も好ましくは約3重量%〜約10重量%、例えば、約5重量%の、上記材料(上記オリゴマー/ポリマー等)と相溶性である1つ又は複数の多官能(メタ)アクリレートモノマー、
(f)場合により、約0.1重量%〜約10.0重量%、好ましくは約0.5重量%〜約5重量%の光開始剤、好ましくは約0.5重量%〜約1.5重量%、例えば、約1.0重量%の光開始剤(場合により、光開始剤は、配合物が電子ビームで硬化される場合は使用されない)、及び
(g)場合により、約0重量%〜約10重量%の、抗酸化剤、UV−安定剤、湿潤剤、流動化剤及び任意のその他の当業者に良く知られている添加剤等のその他の添加剤
を、好ましくは溶媒の存在なしで重合することにより得ることのできる反応生成物。
【請求項2】
前記(メタ)アクリレートが、1分子当たり平均約1.5〜約2.5個、より好ましくは約2.0個のヒドロキシ基を含む、請求項1に記載のポリマー。
【請求項3】
請求項1に記載の材料を単一容器で溶媒の存在なしで重合する工程を含む方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法から得ることのできる及び/又は請求項1若しくは2に記載のポリマーを含む、放射線硬化性接着剤、好ましくは感圧接着剤。
【請求項5】
本明細書に記載のテスト方法において少なくとも約1.5lb/in、好ましくは2.0lb/inの力で低表面エネルギー基体(ポリプロピレン等)に接着する、請求項4に記載の接着剤。
【請求項6】
請求項4に記載の接着剤で被覆された基体。

【公表番号】特表2008−540708(P2008−540708A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−509346(P2008−509346)
【出願日】平成18年4月28日(2006.4.28)
【国際出願番号】PCT/EP2006/004007
【国際公開番号】WO2007/025577
【国際公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(505365965)サイテック サーフェース スペシャリティーズ、エス.エイ. (38)
【Fターム(参考)】