説明

接着剤組成物

【課題】許容可能な粘度を有し、良好な接着剤特性を提供し、かつ比較的低いレベルのモノマー系ポリイソシアナートを含む硬化性ポリウレタン接着剤組成物を提供する。
【解決手段】(a)1種以上のポリイソシアナート、(b)1種以上のポリオール、および(c)1種以上の可塑剤を含む接着剤組成物であって、過剰なモノマー系ポリイソシアナートの量が前記組成物の重量を基準にして5重量%以下である、接着剤組成物。この接着剤組成物の層をポリマー膜に適用し、前記層を第2のポリマー膜と接触させ、次いで前記接着剤組成物を硬化させるかまたは前記接着剤組成物が硬化できるようにすることを含む、積層物を製造する方法、さらに、この方法により製造される積層物。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
以下は本発明の背景である。
【0002】
有用な種類の接着剤組成物は硬化性ポリウレタン接着剤組成物である。この組成物の有用なカテゴリーは無溶媒型2コンポーネント組成物である。
【0003】
この2コンポーネント組成物においては、一方のコンポーネントはポリイソシアナートコンポーネントであり、他方のコンポーネントは複数の活性水素を有する1種以上の化合物を含むコンポーネントである。この2コンポーネント組成物を接着剤として使用することが望まれる場合には、この2つのコンポーネントは一緒に混合され、そしてその混合物は2以上の基体と接触させられる。
【0004】
接着剤組成物の2つのコンポーネントがまず一緒に混合される場合、流体が基体に容易に適用されうるように、得られる混合物が25℃で充分低い粘度の流体であるのが望ましい。通常、流体の層が基体に適用されたすぐ後で、第2の基体がその層に接触させられて集合体を形成する。この接着剤組成物は、集合体の形成の後で硬化反応を受け、基体間の接着剤結合を形成して、結合した集合体を形成することが望まれる。接着剤組成物は良好な結合強度発現を示すことが望ましい。すなわち、結合した集合体が最初に形成される場合には、その結合の強度が素早く増大することが望ましい。結合した集合体の形成から2〜8時間後にその結合が良好な強度を有することが望ましい。良好な結合強度発現は変換者が、接着剤組成物が硬化するために長期間待つ必要なしに、結合した集合体をさらなる製造工程にかけることを可能にするので、良好な結合強度発現は変換者(すなわち、結合した集合体を作成する人)にとって重要である。
【0005】
ある2コンポーネント接着剤組成物は1種以上のモノマー系芳香族ポリイソシアナート化合物と1種以上のポリオールとを含む。この組成物はウレタンポリマーを形成する化学反応を行うことができ、これは多くの場合有用な硬化反応である。このモノマー系芳香族ポリイソシアナートは最終的には、反応して、接着剤結合を強化するポリマーおよび/または架橋を形成することができる。
【0006】
これら接着剤組成物は場合によっては2以上の基体一緒に保持して、食品を収容する容器の一部分もしくは全部である結合した集合体を形成するために使用される。硬化反応が起こった場合であってさえ、幾分かのモノマー系ポリイソシアナート化合物がその結合した集合体中に存在する場合がある。
【0007】
モノマー系ポリイソシアナートの存在はある利点をもたらす。モノマー系ポリイソシアナートの存在は接着剤組成物の粘度を低下させ、よって基体に適用するのがより容易な組成物を製造する。また、モノマー系ポリイソシアナートは硬化反応に関与することができ、よって硬化プロセスの後で接着剤が有する分子量および/または架橋を増大させ、ひいてはこのことが接着剤特性を向上させると考えられる。
【0008】
しかし、モノマー系ポリイソシアナート化合物の存在は望ましくないと考えられる。モノマー系ポリイソシアナート化合物のその望ましくなさについての理由の1つはそれが毒性でかつ反応性であると考えられるからである。モノマー系ポリイソシアナート化合物のその望ましくなさについての別の理由は、それが、特に酸性条件下で、水と反応してアミンを形成しうるからである。このアミンは望ましくないと考えられる。このアミンの中で、第一級芳香族アミン(PAA)が特に望ましくないと考えられる。容器が食品を収容する場合には、この容器と食品との間の接触が、感知できる量のPAAが食品中に存在する状況をもたらさないことが望まれる。
【0009】
食品中のPAAの存在に寄与する結合した集合体の能力は一般的に、その結合した集合体を一定時間希酢酸に曝露させることにより試験される。この希酢酸は「模擬物」(すなわち、それは食品の作用を模倣する)として機能する。その時間中に、結合した集合体中に存在しうるPAAはこの模擬物に移動しうる。また、その時間中に、試験下の材料中のモノマー系芳香族イソシアナート化合物がこの模擬物中に移動し、そしてこの模擬物と反応してPAAを形成しうる。その後、この模擬物は、全てのPAAの合計濃度について分析されうる。本明細書においては、その濃度は「PAAレベル」と称される。
【0010】
結合した集合体は低いPAAレベルを有することが望ましい。
【0011】
過去においては、結合した集合体の形成およびこの接着剤の硬化反応が完了したと思われた後でさえ、2コンポーネントポリウレタン接着剤を用いて製造された結合した集合体が感知できる量の存在するモノマー系芳香族ポリイソシアナートを有することが一般的であった。この結合した集合体は高いPAAレベルを有していた。
【0012】
過去においては、低いPAAレベルの結合した集合体を提供する試みの1つは、結合した集合体を作成し、次いでその結合した集合体を使用して最終的に食品を収容する容器を作成する前に、その結合した集合体を貯蔵庫に置くことである。モノマー系ポリイソシアナートの濃度は、結合した集合体が貯蔵庫中にある間に、通常、減少しうる。雰囲気中の水が接着剤中に拡散して、イソシアナート基と反応すると考えられる。これら反応のいくつかは結果的にPAAの形成をもたらすが、これら反応の大部分は尿素型化合物もしくは他の関連する無害な化合物の形成をもたらすであろう。よって、イソシアナート基が反応するにつれて、モノマー系芳香族ポリイソシアナートの量は低下し、かつPAAレベルも低下する。過去においては、PAAレベルが許容可能に低くなるまでに、多くの場合、14日以上の貯蔵時間が必要とされた。
【0013】
別のアプローチが米国特許出願公開第2010/0010156号によってなされ、これは第一級芳香族アミンの割合が低減されている結合多層膜をもたらす接着剤を記載する。米国特許出願公開第2010/0010156号は少なくとも1種のNCO−反応性ポリウレタンプレポリマーおよび/またはポリイソシアナートを含むポリウレタン接着剤を記載し、このポリウレタン接着剤は低分子量化合物を含み、この低分子量化合物は、エポキシド基、(メタ)アクリル基もしくはカルボン酸無水物基から選択される、第一級アミノ基と反応性の少なくとも1つの基を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許出願公開第2010/0010156号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
許容可能な粘度を有し、良好な接着剤特性を提供し、かつ比較的低いレベルのモノマー系ポリイソシアナートを含む硬化性ポリウレタン接着剤組成物を提供することが望まれる。
【0016】
本発明は、米国特許出願公開第2010/0010156号のとは異なるアプローチを使用することによりこれら目標を達成する。本発明は接着剤組成物中のモノマー系ポリイソシアナートの量を抑制する。本発明は1種以上の可塑剤も含む。可塑剤は接着剤組成物の結合強度発現を低下させるであろうと考えられていたので、可塑剤は、過去においては、接着剤組成物中には含まれていなかった。本発明は何らかのモデルもしくは理論に限定されないが、本発明においては、可塑剤は、接着剤組成物の結合強度発現に有意な悪影響を及ぼすことなく、液体硬化性接着剤組成物の粘度を低下させると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0017】
以下は本発明の記載である。
本発明の一形態においては、
i.1種以上のポリイソシアナート、
ii.1種以上のポリオール、および
iii.1種以上の可塑剤
を含む接着剤組成物であって、過剰なモノマー系ポリイソシアナートの量が当該組成物の重量を基準にして5重量%以下である、接着剤組成物が提供される。
【0018】
本発明の第2の形態においては、請求項1の接着剤組成物の層をポリマー膜に適用し、前記層を第2のポリマー膜と接触させ、次いで前記接着剤組成物を硬化させるかまたは前記接着剤組成物が硬化できるようにすることを含む、積層物を製造する方法が提供される。
【0019】
本発明の第3の形態においては、本発明の第1の形態の接着剤組成物の層をポリマー膜に適用し、前記層を第2のポリマー膜と接触させ、次いで前記接着剤組成物を硬化させるかまたは前記接着剤組成物が硬化できるようにすることを含む方法により形成される積層物が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下は本発明の詳細な説明である。
【0021】
ポリイソシアナートは2以上のイソシアナート基を含む化合物である。ポリイソシアナート化合物はモノマー系もしくは非モノマー系でありうる。芳香族ポリイソシアナートは1以上の芳香環を含むポリイソシアナートである。芳香環を含まないポリイソシアナートは非芳香族ポリイソシアナートである。
【0022】
モノマー系ポリイソシアナートは2以上のイソシアナート基を有し、1,000未満の分子量を有し、かつウレタン結合も尿素結合も有さない化合物である。モノマー系ポリイソシアナートではないあらゆるポリイソシアナートは非モノマー系ポリイソシアナートである。
【0023】
複数の活性水素を有する化合物は2以上の活性水素基を有する有機化合物である。活性水素基は酸素もしくは窒素に結合した水素を有する基である。2以上のヒドロキシル基を有する化合物はポリオールである。2つだけのヒドロキシルを有するポリオールはジオールである。3つだけのヒドロキシル基を有するポリオールはトリオールである。2以上のアミン基を有する化合物はポリアミンである。複数の活性水素を有するいくつかの化合物は1以上のアミン基と1以上のヒドロキシル基とを有する。
【0024】
本明細書においては、複数原子からなる1つの線状鎖内に2以上のエーテル結合を含む化合物はポリエーテルと称される。本明細書においては、複数原子からなる1つの線状鎖内に2以上のエステル結合を含む化合物はポリエステルと称される。ポリエステルでありかつポリオールである化合物はポリエステルポリオールであり、ポリエーテルでありかつポリオールである化合物はポリエーテルポリオールである。
【0025】
本明細書においては、アルキル化合物に結合した2以上のヒドロキシル基を有する当該アルキル化合物はアルキルポリオールと称され、アルキルポリオールはヒドロキシル基以外の置換基を有さない。
【0026】
本明細書において使用される場合、ある化合物が1気圧で100℃以下の沸点を有する場合には、その化合物は「揮発性」である。本明細書において使用される場合、「溶媒」は、1気圧で15℃〜20℃を含む温度範囲にわたって液体である揮発性化合物である。本明細書においては、ある組成物が組成物の全重量を基準にして、合計で5重量%以下の量で全溶媒を含む場合には、その組成物は「無溶媒型(solventless)」と見なされる。本明細書においては、組成物の「全固形分」は組成物の全重量を基準にした、組成物中の揮発性でない化合物の重量での量であると見なされる。
【0027】
いくつかの非モノマー系ポリイソシアナートは1種以上のポリイソシアナートと、複数の活性水素化合物を有する1種以上の化合物との反応生成物であり、この反応生成物は2以上の未反応イソシアナート基を有する。この非モノマー系ポリイソシアナートは、例えば、1種以上のポリイソシアナートと1種以上のポリオールとの反応生成物、または1種以上のポリイソシアナートと1種以上のポリアミンとの反応生成物、またはこの混合物であり得る。1種以上のポリイソシアナートと複数の活性水素化合物を有する1種以上の化合物との反応生成物であって、かつ1,000以上の分子量を有するポリイソシアナートは、本明細書においては、プレポリマーと称される。
【0028】
本明細書において使用される場合、可塑剤はイソシアナート基を有さず、かつ活性水素基を有さない化合物である。可塑剤としての資格を有するためには、化合物は本発明の接着剤組成物中に25℃で可溶性でもなければならない。
【0029】
本明細書において使用される場合、「ポリウレタン」はウレタン結合および尿素結合から選択される3つ以上の結合を含む複数原子の線状鎖を含む化合物である。
【0030】
化合物が含む脂肪族炭素原子の数によって化合物を特徴付けることが場合によっては有用である。本明細書において使用される場合、脂肪族炭素原子は以下の種類のいずれかに属する炭素原子である:(i)他の炭素原子もしくは水素原子以外の原子への結合を有しない炭素原子;および(ii)酸素、窒素および硫黄から選択される1つのヘテロ原子への単結合を有し、かつそのほかについては、水素原子もしくはカテゴリー(i)の炭素原子以外の原子への結合を有さない炭素原子。
【0031】
本明細書においては、組成物の特性を向上させるように、望ましく、組成物の分子量の増大をもたらすおよび/または組成物の架橋をもたらす化学反応が起こる場合、組成物が「硬化する」と称される。この化学反応は「硬化反応」と称される。この反応が完了するかまたは硬化反応が、組成物の特性が有用でありかつ時間の経過と共に目立った変化をしないほど充分に進展した場合には、組成物は「硬化した」と称される。1種以上の硬化反応を受けうる組成物は硬化性組成物である。
【0032】
本明細書において使用される場合、組成物がある材料の量について「ほとんどもしくは全く」有し「ない」と称される場合、それはその材料の量が0であるか、または組成物の重量を基準にして0.1重量%以下であることを意味する。
【0033】
本明細書において、ある材料が接着剤組成物の液体部分に「不溶性」であると称される場合、それは接着剤組成物の液体部分の重量を基準にして1重量%以上の量でその材料がその接着剤組成物の液体部分に溶解されうる温度が、20℃〜50℃の範囲に存在しないことを意味する。
【0034】
ポリマー膜はポリマーもしくはポリマーの混合物から製造され、かつ1つの寸法が0.5mm以下であり、かつ他の2つの寸法の双方が1cm以上である構造体である。ポリマー膜の組成は膜の重量を基準にして80重量%以上が1種以上のポリマーである。
【0035】
本発明の接着剤組成物は1種以上のポリイソシアナートを含む。好ましい組成物は1種以上のモノマー系ポリイソシアナートを含む。モノマー系ポリイソシアナートの量は、本明細書において「過剰なモノマー系ポリイソシアナート」と称される量(これは、計算された量である)によって特徴付けられうる。
【0036】
組成物中に存在する全てのイソシアナート基がモノマー系ポリイソシアナート上に存在する組成物については、「過剰なモノマー系ポリイソシアナート」は、全ての活性水素がイソシアナート基と反応すると仮定して、接着剤組成物が硬化した後に存在するであろうモノマー系ポリイソシアナートの量である。
【0037】
非モノマー系ポリイソシアナートおよびモノマー系ポリイソシアナートの双方を含み、かつ組成物中に存在する全てのイソシアナート基がモノマー系ポリイソシアナート上にもしくは非モノマー系ポリイソシアナート上に存在する組成物については、「過剰なモノマー系ポリイソシアナート」は、全ての活性水素がイソシアナート基と反応すると仮定し、かつモノマー系ポリイソシアナート分子に結合したイソシアナート基が活性水素と反応する前に非モノマー系ポリイソシアナートに結合したイソシアナート基が活性水素と反応すると仮定した、この組成物が硬化した後に存在するであろうモノマー系ポリイソシアナートの量である。本発明の接着剤組成物中の過剰なモノマー系ポリイソシアナートの好ましい量は0より多く、かつ接着剤組成物の重量を基準にして5重量%以下である。好ましい接着剤組成物は1種以上の非モノマー系ポリイソシアナートも含む。
【0038】
好ましいモノマー系ポリイソシアナートは芳香族ポリイソシアナートである。好ましいモノマー系ポリイソシアナートは200〜600の分子量を有する。好ましいモノマー系ポリイソシアナートには、2,4’ジフェニルメタンジイソシアナート、4,4’ジフェニルメタンジイソシアナート、2,2’ジフェニルメタンジイソシアナート、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0039】
好ましい接着剤組成物は非芳香族モノマー系ポリイソシアナートをほとんどもしくは全く有さない。より好ましい接着剤組成物は非芳香族モノマー系ポリイソシアナートを有しない。より好ましい接着剤組成物は、2,4’ジフェニルメタンジイソシアナート、4,4’ジフェニルメタンジイソシアナート、2,2’ジフェニルメタンジイソシアナート、またはこれらの混合物以外のモノマー系ポリイソシアナートを有しない。
【0040】
好ましい非モノマー系ポリイソシアナートはプレポリマーである。プレポリマーを製造するのに使用するために好ましいポリイソシアナートはモノマー系形態で接着剤組成物に含まれるのに好ましいのと同じ、本明細書において上述されたモノマー系ポリイソシアナートである。好ましいプレポリマーは1種以上のポリイソシアナートと1種以上のポリオールとの反応生成物である。プレポリマーを製造するのに使用するために好ましいポリオールはポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、およびこれらの混合物であり;より好ましいのは1種以上のポリエーテルポリオールと1種以上のポリエステルポリオールとの混合物である。プレポリマーを製造するのに使用するために好ましいポリオールには、1種以上のトリオールと1種以上のジオールとの混合物が挙げられる。好ましい実施形態においては、プレポリマーを製造するのに使用されるポリオールは、重量を基準にして、プレポリマーを製造するのに使用されるトリオールを全部で5重量%以上含み、より好ましいのは10重量%以上である。好ましい実施形態においては、プレポリマーを製造するのに使用されるポリオールは、重量を基準にして、プレポリマーを製造するのに使用されるトリオールを全部で50重量%以下含み、より好ましいのは30重量%以下である。好ましい実施形態においては、プレポリマーを製造するのに使用される活性水素を有する化合物だけがポリオールである。
【0041】
接着剤組成物中のポリイソシアナートの量を特徴付けることが有用である。その量は全てのポリイソシアナート化合物の重量の合計を接着剤組成物の全重量で割った割合であり、パーセンテージで表される。本発明の接着剤組成物中のポリイソシアナートの好ましい量は接着剤組成物の重量を基準にして20重量%以上である。本発明の接着剤組成物中のポリイソシアナートのより好ましい量は接着剤組成物の重量を基準にして25重量%以上であり、より好ましいのは30重量%以上である。また、本発明の接着剤組成物中のポリイソシアナートの好ましい量は接着剤組成物の重量を基準にして90重量%以下であり、本発明の接着剤組成物中のポリイソシアナートのより好ましい量は接着剤組成物の重量を基準にして80重量%以下である。
【0042】
硬化性接着剤組成物を特徴付ける別の方法は、「%NCO」と称されるイソシアナート反応性官能基のパーセントである。この数値は全てのイソシアナート官能基の重量の合計を接着剤組成物の全重量で割った割合であって、パーセンテージで表される。硬化性接着剤組成物のさらに有用な特徴付けはイソシアナート指数であり、これはイソシアナート基の全モル数を活性水素基の全モル数で割った割合である。好ましい実施形態においては、イソシアナート指数は1より大きい。
【0043】
本発明の接着剤組成物は、複数の活性水素を有する1種以上の化合物を含む。好ましい接着剤組成物は1種以上のポリオールを含む。好ましい接着剤組成物は1種以上のポリエーテルポリオールを含むか、または1種以上のポリエーテルポリオールと1種以上のアルキルポリオールとの混合物を含む。好ましい接着剤組成物は1種以上のトリオールを含む。より好ましい接着剤組成物においては、接着剤組成物中に存在するポリオールもしくはポリオールの混合物は接着剤組成物中に存在する全てのポリオールの重量を基準にして、30重量%〜100重量%、より好ましくは50重量%〜100重量%の量のトリオールを含む。好ましい接着剤組成物は、複数の活性水素を有する化合物をポリオール以外に、ほとんどもしくは全く含まない。
【0044】
本発明の接着剤組成物は1種以上の可塑剤を含む。好ましい可塑剤は8個以上の脂肪族炭素原子を有する。より好ましい可塑剤は10個以上の脂肪族炭素原子を有し、より好ましい可塑剤は16個以上の脂肪族炭素原子を有する。好ましい可塑剤は炭素および水素原子のみを含み、かつ4個以上の脂肪族炭素原子を含む1以上の化学基を有する。より好ましい可塑剤は、それぞれ8個以上の脂肪族炭素原子を含む2以上の化学基を有する。
【0045】
可塑剤の好ましい量は接着剤組成物の重量を基準にして0.5重量%以上である。より好ましいのは、接着剤組成物の重量を基準にして1重量%以上であり、より好ましくは3重量%以上である。可塑剤の好ましい量は接着剤組成物の重量を基準にして15重量%以下である。より好ましいのは、接着剤組成物の重量を基準にして10重量%以下であり、より好ましいのは7重量%以下であり、より好ましいのは5重量%以下である。
【0046】
可塑剤は本発明の接着剤組成物に可溶性である。すなわち、本発明のそれぞれの実施形態においては、本発明の接着剤組成物が25℃である場合、存在する可塑剤は接着剤組成物中に溶解されている。存在する可塑剤は接着剤組成物中に40℃で可溶性でもある。
【0047】
好ましくは、可塑剤は40℃で本発明の接着剤組成物の粘度の低下を生じさせる。すなわち、40℃での接着剤組成物の粘度(V1)は特定の比較組成物の粘度(V0)と比較されうる。この比較組成物は可塑剤が存在しないことを除いて全ての材料を互いに同じ比率で含む接着剤組成物と同じである。V1をV0で割った商は好ましくは0.9以下、より好ましくは0.8以下である。粘度はブルックフィールド(Brookfield)粘度計モデルDV−IIを用い、スピンドル#27を用い、20rpmで測定される。
【0048】
触媒、例えば、第三級アミンもしくはスズベースの触媒またはこれらの混合物は場合によっては、接着剤組成物の材料と混合される。好ましい実施形態においては、触媒はほとんどもしくは全く存在しない。より好ましい実施形態においては、触媒は存在しない。
【0049】
本発明の組成物は好ましくは無溶媒である。本発明の好ましい組成物は組成物の重量を基準にして3重量%以下、より好ましくは1重量%以下、より好ましくは0.3重量%以下の量で溶媒を含む。本発明の組成物の全固形分は好ましくは95%以上、より好ましくは97%以上、より好ましくは99%以上、より好ましくは99.7%以上である。
【0050】
接着剤組成物は追加の従来の材料、例えば、充填剤、顔料、粘着付与剤、可塑剤、レオロジー調節剤、ポリマー(例えば、本明細書において上で論じられたもの以外の熱可塑性樹脂など)、脱水剤(例えば、シランなど)、塩化ベンゾイル、他のポリオール(例えば、脂肪ポリオールなど)、紫外線指示剤などを混合することによって配合されうる。この追加の従来の材料が使用される場合には、それらは望ましく維持されるイソシアナート基の反応性に配慮しつつ選択され使用される。この追加の従来の材料が使用される場合には、それらは個々にもしくはいずれかの組み合わせで、他の材料の前に、他の材料の後に、または接着剤組成物の形成の段階もしくは段階の組み合わせの際に、この組成物に添加されうる。
【0051】
好ましい実施形態においては、本発明の接着剤組成物はエポキシド基、アクリル基、メタクリル基およびカルボン酸無水物基から選択される1種以上の反応性基を有する化合物をほとんどもしくは全く含まない。より好ましいのは、本発明の接着剤組成物が、エポキシド基、アクリル基、メタクリル基およびカルボン酸無水物基から選択される1種以上の反応性基を有する化合物を含まない実施形態である。
【0052】
本発明の硬化性接着剤組成物の少なくとも1つの基体への適用を伴う実施形態においては、この適用は、例えば、スプレーアプリケータ、ビーズアプリケータ、ノズル、ドクターブレード、押出しもしくはロールコーターのような従来の手段によって好ましくはもたらされて、望まれるように、接着剤の連続もしくは不連続膜を形成する。
【0053】
本発明の組成物は好ましくは0.5グラム/平方メートル以上、より好ましくは1グラム/平方メートル以上のレベルで適用される。組成物は好ましくは、5グラム/平方メートル以下、より好ましくは3グラム/平方メートル以下のレベルで適用される。
【0054】
ある実施形態においては、本発明の硬化性接着剤組成物は第1の基体を少なくとも1つの次の基体に結合させる接着剤として使用される。この実施形態においては、接着剤組成物は第1の基体に適用され、そしてその後でもしくは同時に、その適用された接着剤組成物が少なくとも1つの次の基体に接触させられて、結合した構造体を提供する。
【0055】
本発明の硬化性接着剤組成物が第1の基体を少なくとも1つの次の基体に結合させるための接着剤として使用されるある実施形態においては、このように形成された構造体は、場合によっては、例えば、その構造体をローラー間に通過させることによって適用される圧力にかけられて、基体と硬化性接着剤組成物との接触の増大をもたらす。この圧力が適用される場合には、それは比較的短期間でもしくは比較的長期間で適用されることができ、かつそれは一定、増加、減少もしくはその組み合わせであることができる。構造体が室温より高い温度にある場合には、それは次いで冷却されるか、または冷却できるようにされる。圧力が適用される場合には、圧力の適用中に、圧力の適用後にまたはその組み合わせで冷却が起こりうる。
【0056】
本発明の好ましい実施形態においては、本発明の接着剤組成物は、本発明の接着剤組成物の液体部分に不溶性の固体ポリマーをほとんどもしくは全く含まない。より好ましいのは、このようなポリマーを含まない接着剤組成物である。
【0057】
本発明の好ましい実施形態においては、本発明の接着剤組成物は、本発明の接着剤組成物の液体部分に不溶性のあらゆる組成の固体材料をほとんどもしくは全く含まない。より好ましいのは、このような固体材料を含まない接着剤組成物である。
【0058】
好ましい実施形態においては、本発明の接着剤組成物はアクリルポリマーをほとんどもしくは全く含まない。アクリルポリマーは、ポリマーの重量を基準にして25重量%以上の重合されたモノマー単位がアクリル酸もしくはメタクリル酸、その置換および非置換エステル、並びにその置換および非置換アミドから選択されるポリマーである。より好ましいのは本発明の接着剤組成物がアクリルポリマーを含まない実施形態である。
【0059】
好ましい実施形態においては、本発明の接着剤組成物はポリウレタンではないポリマーをほとんどもしくは全く含まない。より好ましいのは、本発明の接着剤組成物がポリウレタンではないポリマーを含まない実施形態である。
【0060】
好ましい実施形態においては、本発明の接着剤組成物はイソシアナート、ヒドロキシルおよびアミン以外の反応性基を有する化合物をほとんどもしくは全く含まない。より好ましいのは、イソシアナート、ヒドロキシルおよびアミン以外の反応性基を有する化合物を含まない接着剤組成物である。さらにより好ましいのは、イソシアナートおよびヒドロキシル以外の反応性基を有する化合物を含まない接着剤組成物である。
【0061】
本発明の好ましい実施形態においては、本発明の硬化性接着剤組成物は1以上の基体に適用されるか、またはそうでなければ1以上の基体に接触させられる。いくつかの好適な基体には、例えば、木材、金属、プラスチック、複合材料、布(織物および不織物など)、紙並びにその組み合わせが挙げられる。好適な基体には、例えば、天然木材、合板、ラワン木材、パーティクルボード、配向ストランドボード、剛性プラスチック、可撓性プラスチック、プラスチック膜、プラスチック発泡体およびこれらの組み合わせが挙げられる。1種より多い基体が使用される場合には、好適な基体の組み合わせも好適である。ある実施形態においては、全ての基体は同じ材料から製造されることができ、別の実施形態においては、2種以上の異なる材料が基体として使用されることができる。
【0062】
好ましい実施形態においては、1以上の基体はポリマー膜である。より好ましいのは、硬化性接着剤組成物が2枚のポリマー膜を一緒に結合させるために使用される実施形態である。
【0063】
好ましい実施形態においては、1以上の基体はポリマー膜である。より好ましいのは、硬化性接着剤組成物が2枚のポリマー膜を一緒に結合させるために使用される実施形態である。好ましいポリマー膜は有機ポリマーを含む。好ましい有機ポリマーは、ポリエステル、ポリオレフィン(例えば、オレフィンと他のモノマーとのコポリマー)、ポリアミド、およびこれらのブレンドである。より好ましい有機ポリマーはポリエチレンテレフタラート、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびナイロンである。
【0064】
本明細書において、「普通硬化」実施形態と称される実施形態を考慮することが有用である。普通硬化実施形態においては、本発明の硬化性接着剤組成物を用いて、2枚のポリマー膜が一緒に結合されて積層物を形成する。硬化反応は接着剤特性が許容可能であり、かつ接着剤特性が時間の経過によって目立って変化しない時点(本明細書においては「T1」)まで進行させられる。普通硬化のプロセス中に時間の関数としてPAAレベルを評価することが有用である。通常、T1に到達した後で、その積層物が貯蔵されるにつれて、PAAレベルは時間の経過と共に低下する。PAAレベルはできるだけ短い時間で許容可能に低くなることが望ましい。
【0065】
いくつかの種類の膜は他の種類の膜よりも水の拡散をより容易にする。膜の種類のいくつかの選択に関して、積層物(本発明より前の)は、積層物形成後PAAレベルが許容可能に低くなるまでに、14日以上、またはさらには20日以上の貯蔵を必要とする場合があった。本発明の接着剤組成物を用いて製造された積層物は、同等の以前に知られていた接着剤よりも短い時間で許容可能な低いPAAレベルを達成することができると考えられる。
【0066】
2枚の膜から製造される積層物は互いに同じ2枚の膜から製造されることができ、または互いに異なる2枚の膜から製造されることができる。
【0067】
硬化性接着剤組成物の望まれる特性は結合強度発現である。2つの基体を一緒に結合させるために水分反応性組成物が使用される場合には、結合強度発現は硬化反応の完了前の結合強度を測定することにより評価される。特に、結合強度発現は結合した集合体の形成後2〜8時間で結合強度を測定することにより評価される。
【0068】
本実施例の目的のために、本明細書において開示される各操作は他に特定されない限りは25℃で行われるものと理解される。「周囲条件」は約22℃である。
【実施例】
【0069】
以下は本発明の実施例である。
【0070】
以下の略語が使用される。
【表1】

【0071】
以下の材料が使用された。
【表2】

【0072】
以下の基体が使用された。
【表3】

【0073】
接着剤組成物は以下のように製造された:
プレポリマー(イソシアナートコンポーネント)の製造:
窒素ブランケット下で、全てのポリオールおよび可塑剤が反応器に入れられた。次いで、全てのイソシアナートが入れられた。内容物は窒素ブランケット下で60℃〜65℃に加熱された。発熱が弱まったら、次いで、所望のイソシアナートレベルが達成されるまで、この内容物は窒素ブランケット下で80℃〜85℃に2.5時間加熱された。次いで、この内容物は55℃〜60℃に冷却され、窒素ブランケット下で包装された。
【0074】
ポリオールコンポーネントの製造:
全ての成分は窒素ブランケット下で入れられ、30分間、20℃〜25℃で混合された。TMPがポリオールコンポーネント中に使用された場合には、その内容物は80℃〜85℃に加熱され、80℃〜85℃で約1時間混合され、次いで55℃〜60℃に冷却され、窒素ブランケット下で包装された。
【0075】
接着剤の製造:
イソシアナートコンポーネント(周囲条件)およびポリオールコンポーネント(周囲条件)が正確に以下に示される重量比で容器内に秤量され、次いで、混合された接着剤が完全に均質になるまでスパチュラを用いて手作業で混合された。(1〜2分間)。この(周囲温度で)予備混合された接着剤は、次いで、ポリタイプ(Polytype商標)ロールコーター(40℃〜45℃に設定された計量ロール)上に供給された。次いで、混合された接着剤は1.6〜2グラム/平方メートル、すなわち、1〜1.2 lbs./リームのカバレッジで、インラインコロナ処理された第1のウェブに適用され、次いで、接着剤でコーティングされた第1のウェブは第2のウェブと一体にされ、次いでこの積層膜はニップされ、ポリタイプ商標ラミネーター上で仕上げロールに巻き取られた。
【0076】
「USプロトコル」を使用する結合データのための積層物の製造:
適切な硬化時間の後で、2.54cm(1インチ)幅のストリップが仕上げロールから切り出され、そしてインストロン(Instron商標)引張試験機において、25.4cm/分(10インチ/分)の分離速度を用いて結合データが得られた。結果は積層物を剥離させるのに必要な力、グラム重として報告される(「f(g)」と略される)。
【0077】
破壊モードは以下のように報告される:
Sub=基体破壊
Coh=凝集破壊;接着剤組成物は両方の基体上に残る
At=接着剤移動
【0078】
「ERプロトコル」を使用する結合データのための積層物の製造:
適切な硬化時間の後で、15mm幅のストリップが仕上げロールから切り出され、そしてインストロン商標において、101.6mm/分(4インチ/分)の分離速度を用いて結合データが得られる。報告される結合データは適切な条件下で試験された2つの標本の平均である。3〜8時間での基体を分離させるのに必要な力(すなわち、結合データ試験の結果)がその積層物の「結合強度発現」の評価であると見なされる。
【0079】
以下の試験手順が使用された。
【0080】
粘度はブルックフィールドモデルDV−II粘度計を用いて測定された。
【0081】
「Visc−A」は、25℃、スピンドル#27、20rpmでの「パートA」プレポリマー配合物の粘度であり、mPas(cps)で報告される。「Visc−AB」はパートAとパートBとの混合物を40℃で製造した直後に、Visc−Aに使用されたのと同じ粘度計、スピンドルおよび回転速度で測定された40℃でのパートAとパートBとの混合物の粘度である。
【0082】
「%Mon−A」はパートA配合物の重量を基準にした、パートA中のモノマー系ポリイソシアナートの重量パーセントを推定する。この値は、全てのヒドロキシル基がイソシアナート基とウレタン結合を形成すると仮定し、かつ全てのヒドロキシル基が完全にポリイソシアナートと反応させられると仮定して、パートAを形成するために反応させられる材料および量から計算される。
【0083】
「%Mon−AB」は、パートAとパートBとの混合物の重量を基準にした、パートAとパートBとの混合物中のモノマー系ポリイソシアナートの重量パーセントを特徴付ける。この値は、パートAとパートBとの混合物を製造するのに使用される材料および量から計算される。この値は、全てのヒドロキシル基がイソシアナート基とウレタン結合を形成すると仮定し、かつモノマー系ポリイソシアナート分子に結合したイソシアナート基との反応の前に、プレポリマー分子に結合したイソシアナート基がヒドロキシル基と反応すると仮定して、パートAがパートBと反応した後に存在するであろうモノマー系ポリイソシアナートの量を推定する。
【0084】
PAAレベルは以下のように測定された。積層物は上述のように製造された。第1の基体はナイロンであり、第2の基体はPE−Eであった。実験台上で約23℃および50%相対湿度で7日間硬化した後で、PAAが測定された。積層物は模擬物(水中3重量%酢酸)に70℃で2時間曝露された。模擬物中のPAAはジアゾ化することにより誘導体化され、その結果PAAの濃度が比色分析で決定されることができた。PAAの濃度はアニリン塩酸塩当量として、アニリン塩酸塩のマイクログラム/100mlの模擬物で報告される。手順は以下の通りであった。全ての溶液は水性である。100mlの模擬物が12.5mlの塩酸溶液(1N)および亜硝酸ナトリウム溶液(0.5g/100mlの溶液)2.5mlと混合され、10分間反応させられた。スルファミン酸アンモニウム(2.5g/100mlの溶液)5mlが添加され、10分間反応させられた。5mlのカップリング剤(1gのN−(1−ナフチル)−エチレンジアミン二塩酸塩/100gの溶液)が添加され、120分間反応させられた。この溶液はODS固相抽出カラムを通した溶離によって濃縮され、550nmで吸光係数が測定された。PAAの濃度を決定するために、この吸光係数がブランクサンプルおよび既知の濃度のアニリン塩酸塩の様々なサンプルの吸光係数と比較された。
【0085】
例1:ポリイソシアナートプレポリマー配合物(パートA)
【表4】

【0086】
例2:ポリオール配合物(パートB)
【表5】

(3)ヒドロキシル当量
【0087】
実施例3:接着剤組成物
各接着剤組成物について、パートA配合物はパートB配合物と以下に示される重量比で混合された。粘度およびPAAは上述のように測定された。接着剤番号6C、7Cおよび8Cは比較の接着剤である。
【0088】
【表6】

(4):パートA/パートBの重量比
【0089】
【表7】

(4):パートA/パートBの重量比
【0090】
I−1を使用する接着剤は以下のように比較される。接着剤番号1および接着剤番号9(可塑剤を含む実施例)は比較の接着剤番号6C、7Cおよび8C(可塑剤を含まない)よりもかなり低いPAAレベルを有していた。
【0091】
I−2およびI−3のブレンドを使用する接着剤が以下のように比較される。接着剤番号2、番号3、番号4および番号5(可塑剤を含む実施例)は比較の接着剤番号10C(可塑剤を含まない)よりもかなり低いPAAレベルを有していた。
【0092】
実施例4:接着剤番号2を使用する積層物における接着試験の結果
積層物は接着剤番号2を使用して上述のように製造されそして試験された。示される結果は積層がなされ、次いで約23℃で貯蔵された後で、示された時間間隔で測定された。単位は、2.54cm(1インチ)幅のサンプルを剥離させる力、グラム重である。
【0093】
【表8】

【0094】
示された積層物はいずれも良好な結合強度発現を示した。
【0095】
実施例5:接着剤番号5を使用する積層物における接着試験の結果
積層物は接着剤番号5を使用して上述のように製造されそして試験された。示される結果は積層がなされ、次いで約23℃で貯蔵された後で、示された時間間隔で測定された。単位は、2.54cm(1インチ)幅のサンプルを剥離させる力、グラム重である。
【0096】
【表9】

【0097】
示された積層物はいずれも良好な結合強度発現を示した。
【0098】
実施例6:接着剤番号4を使用する積層物における接着試験の結果
積層物は接着剤番号4を使用して上述のように製造されそして試験された。示される結果は積層がなされ、次いで約23℃で貯蔵された後で、示された時間間隔で測定された。単位は、2.54cm(1インチ)幅のサンプルを剥離させる力、グラム重である。示された積層物はいずれも良好な結合強度発現を示した。
【0099】
【表10】

【0100】
実施例7:接着剤番号3を使用する積層物における接着試験の結果
積層物は接着剤番号3を使用して上述のように製造されそして試験された。示される結果は積層がなされ、次いで約23℃で貯蔵された後で、示された時間間隔で測定された。単位は、2.54cm(1インチ)幅のサンプルを剥離させる力、グラム重である。
【0101】
【表11】

【0102】
示された積層物はいずれも良好な結合強度発現を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)1種以上のポリイソシアナート、
(b)1種以上のポリオール、および
(c)1種以上の可塑剤
を含む接着剤組成物であって、
過剰なモノマー系ポリイソシアナートの量が当該組成物の重量を基準にして5重量%以下である、接着剤組成物。
【請求項2】
前記可塑剤の量が当該接着剤組成物の重量を基準にして1重量%〜5重量%である、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項3】
炭素および水素原子のみを含みかつ4個以上の脂肪族炭素原子を含む1以上の化学基を前記可塑剤が含む、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項4】
それぞれが8個以上の脂肪族炭素原子を含む2以上の化学基を前記可塑剤が含む、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項5】
前記ポリイソシアナートが1種以上の芳香族ポリイソシアナートを含む、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項6】
当該接着剤組成物中の非芳香族ポリイソシアナートの全量が0であるか、または全てのポリイソシアナートの全重量を基準にして0重量%〜0.1重量%である、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項7】
請求項1の接着剤組成物の層をポリマー膜に適用し、前記層を第2のポリマー膜と接触させ、次いで前記接着剤組成物を硬化させるかまたは前記接着剤組成物が硬化できるようにすることを含む、積層物を製造する方法。
【請求項8】
請求項1の接着剤組成物の層をポリマー膜に適用し、前記層を第2のポリマー膜と接触させ、次いで前記接着剤組成物を硬化させるかまたは前記接着剤組成物が硬化できるようにすることを含む方法により形成される積層物。

【公開番号】特開2012−131979(P2012−131979A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−249201(P2011−249201)
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(590002035)ローム アンド ハース カンパニー (524)
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
【Fターム(参考)】