説明

接続構造および電子機器

【課題】確実に防水が可能な接続構造およびこれを利用した電子機器を提供する。
【解決手段】各筐体31,41内のFPC22同士は、FPC21および2箇所の接続部15を介して、電気的に接続されている。各基板35,45は、各ハーネス部25,各FPC22,各接続部15およびFPC21を経て信号の授受を行う。接続壁部31xは、筐体壁の一部に異方性導体12を埋め込んで構成されている。異方性導体12は、接続壁部31xの縦方向のみに導通性を有する。接続部15において、接続壁部31xとFPC21,22との間には、ACF13が介在している。FPC22は筐体内に配置され、FPC21は、筐体外のスライド部8に配置されている。FPCが筐体の開口を通らないので、確実に防水性を確保することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末,PDA,パソコン等の筐体の接続構造およびこれを備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、携帯端末などの電子機器の筐体の貫通孔の接続構造を有するFPC一体ガスケットが知られている。
【0003】
特許文献1の図1〜図3には、FPC30と一体でグロメット状に形成されたFPC一体ガスケットが開示されている。FPC一体ガスケット1には、ゴム状弾性体からなる1対のガスケット10が設けられている。各ガスケット10の先端部には、筐体2の貫通孔3をシールする突起50が設けられている。突起50は、筐体2の貫通孔3の径よりも大きい断面積面52から先端面54に向かって傾斜するテーパ面53を有している。
上記FPC一体ガスケットにおいて、突起50を貫通孔3の端部に密着させると、筐体2内部への浸水が阻止される。すなわち、1対のガスケット10により、2つの筐体2の防水を図りつつ、各筐体2内の回路間の電気信号の授受が可能となる。
【0004】
特許文献2には、同文献の図1〜図4に開示されるように、1対の筐体間に挿入されるFPC15を挟むように設けられたパッキンが開示されている。具体的には、第1の筐体A1を構成する1対の部分筐体の間には、環状のケースパッキン7が装着されている。ケースパッキン7は、FPC15を挟む第1,第2のフレキ部パッキンを、FPCを挟んだ状態で嵌合させたものである。これにより、FPCと一体でグロメット状に形成されたFPC一体ガスケットが構成されている。
また、上記と同様に、第2の筐体A2を構成する1対の部分筐体の間には、環状のケースパッキン13が装着されている。
【0005】
【特許文献1】登録実用新案3127071号公報
【特許文献2】特開2005−32752号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来のFPC一体ガスケットにおいては、以下のような不具合があった。
特許文献1においては、以下のような不具合がある。スライド式携帯端末のスライド部のように、電子機器内で2つの筐体間の薄い空間で、筐体と配線部材とをシールする場合がある。その場合、上記の構造では、ガスケット全体の高さ寸法が相当大きくなるので、このような小さな隙間に配置するのが困難である。
【0007】
特許文献2においては、以下のような不具合がある。単純に、FPCをパッキンで挟んだ場合、必ず隙間が生じる。そこで、ケースパッキンをFPCと一体的に射出成型する必要があるが、そのための特殊な金型などが必要である。そのため、FPCの設計変更のたびに新たな射出成型用金型が必要になり、コストが高くなる。また、FPCと一体的に成型するので、ケースパッキンを構成するゴム状の弾性材料が限られる。
【0008】
以上のように、筐体の開口を通じて配線部材を筐体の内外に延ばす構造を採る限り、防水性を確保することは、相当のコストを要し、また、根本的解決は困難である。
【0009】
発明の目的は、各種部材を筐体に内外に分離配置しつつ、電気的接続させうる構造を実現することにより、確実に防水が可能な接続構造およびこれを利用した電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の接続構造は、筐体の内外の部材を、筐体の壁部の一部を介して電気的に導通させる構造を基本的な概念としている。
そのために、電子機器の筐体の外部に、第1導体を有する第1部材を配置する。また、筐体の内部に、第2導体を有する第2部材を配置する。さらに、筐体の壁部の一部として、異方性導体を有する接続壁部を設ける。そして、第1導体と第2導体とを異方性導体を介して電気的に導通させている。
【0011】
第1,第2導体を有する第1,第2部材としては、配線部材に限られるものではない。電子デバイスの電極を第1,第2導体として用いることもできる。また、第1,第2部材が配線部材である場合にも、フレキシブルプリント配線板(以下、FPCとする)に限られるものではない。FPCの他には、リジッドプリント配線板(PCB),フラットケーブル,極細同軸ケーブルなどがある。これらの配線部材の電極を,第1,第2導体として用いることもできる。
【0012】
これにより、以下の作用効果が得られる。
この構造では、第1部材が配線部材である場合にも、配線部材は、筐体の外部から内部に入り込んでいるわけではない。したがって、筐体に配線部材等を通すための開口を形成する必要はない。よって、シール用の部材を設けなくても、接続構造部分を通って筐体内に水等が浸入するのを阻止することができる。
【0013】
接続壁部の典型的な例としては、貫通孔に、棒状,粒状,もしくは層状の異方性導体が形成された構造がある。
棒状の異方性導体とは、具体的にはワイヤ部材である。粒状の異方性導体や層状の異方性導体は、無電解めっきなどによって形成される。層状の異方性導体の場合、貫通孔が塞がっている必要はない。第1,第2導体や接着剤によって、隙間が自然に塞がれるからである。
【0014】
接続壁部の典型的な別の例としては、導体粒子が分散された異方導電性接着剤を用いた構造がある。この構造では、接続構造全体に、筐体の外部から内部に通ずる隙間が存在しない。よって、シール用の部材を設けなくても、接続構造部分を通って筐体内に水等が浸入するのを阻止することができる。
【0015】
第1部材の典型的な例としては、極めて薄い配線部材であるFPCがある。FPCを用いることにより、極めて狭いスペースに、防水性の高い接続構造を設けることができる。
【0016】
第1部材および筐体を覆うシールテープ、または接着剤層を設けることが好ましい。これにより、第1部材の第1導体や、接続壁部の異方性導体への水等の接触を確実に阻止することができる。つまり、信頼性を高めることができる。
【0017】
本発明の電子機器は、上記接続構造を有するものであり、確実な防水構造を有する電子機器が得られる。代表的な例としては、ヒンジ式またはスライド式携帯端末、デジタルカメラ、パソコン,PDA等がある。
【0018】
本発明の接続構造または電子機器によると、筐体に開口を設けなくても、確実に防水性を発揮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る携帯端末(電子機器)の構造を概略的に示す斜視図である。
携帯端末1は、各種情報を表示するための表示部3と、入力部4と、スライド部8とを備えている。表示部3には、液晶表示パネルを用いた表示装置6やスピーカ等が設けられている。入力部4には、入力キーやマイクが設けられている。スライド部8は、表示部3側に設けられた外枠8aと、入力部4側に設けられた内枠8bとを、滑動自在に嵌合させて構成されている。
【0020】
図2は、実施の形態1に係る携帯端末1のスライド部8を介した接続部分の構成を示す断面である。
表示部3には、表示部筐体31と、表示部基板35とが主要部材として設けられている。表示部基板35は、表示装置6に表示用信号を送るための回路等を備えている。表示部筐体31は、互いに連結された第1筐体31aと第2筐体31bとを有している。第1筐体31aは、ABS、PC,PMMA等の樹脂,または無機絶縁体材料により構成されている。
【0021】
入力部4には、入力部筐体41と、入力部基板45とが主要部材として設けられている。入力キー基板45は、入力キーから送られる信号を制御するための回路等を備えている。入力部筐体41は、互いに連結された第1筐体41aと第2筐体41bとを有している。そして、入力部筐体41の第1筐体41aも、ABS、PC,PMMA等の樹脂,または無機絶縁体材料により構成されている。
【0022】
スライド部8には、各筐体31a,41aの接続壁部31x,41x同士の間を接続するFPC21(第1部材)が設けられている。各筐体31a,41a内には、接続壁部31x,41xと各基板35,45とを接続する配線体20がそれぞれ設けられている。配線体20は、FPC22(第2部材)と、FPC22の端部に設けられたハーネス部25とを備えている。各ハーネス部25は、各基板35,45に接続されている。
【0023】
図3は、各ハーネス部25間における配線経路を仮想的に示す平面図である。FPC21と各FPC22とは、それぞれ接続部15において、信号の中継を行う。したがって、表示部筐体31内のFPC22と、入力部筐体41内のFPC22とは、FPC21および2箇所の接続部15を介して、電気的に接続されている。これにより、各基板35,45は、各ハーネス部25,各FPC22,各接続部15およびFPC21を経て信号の授受を行うように構成されている。
【0024】
図2の部分拡大断面図に示すように、表示部筐体31の第1筐体31aにおいて、接続部15は、接続壁部31xの周辺に設けられている。同様に、入力部筐体41の第1筐体41aにおいても、接続部15は、接続壁部41xの周辺に設けられている。
接続部15において、接続壁部31xとFPC21,22との間には、ACF13が介在している。ACF13の構造については、後述する。また、スライド部8において、FPC21および接続壁部31xは、シールテープ14によって覆われている。なお、FPC21,22は、第1筐体31aに、接着剤層16によって固着されている。接着剤層16により、各FPC21,22の導体間の位置合わせが確実に行われる。
【0025】
接続壁部31xは、筐体壁の一部に、異方性導体12を埋め込んで構成されている。異方性導体12は、接続壁部31xの縦方向に導通性を有するが、横方向には導通性を有していない。FPC21,22,ACF13,および接続壁部31xの詳細について、以下、説明する。
【0026】
図4(a),(b)は、順に、図2の部分拡大断面図をさらに詳示する部分断面図,およびIVb-IVb線における部分断面図である。同図においては、見やすくするために、シールテープ14の図示は省略されている。
同図に示すように、FPC21は、ベースフィルム21aと、回路層21b(第1導体)と、カバーレイ21cとを備えている。同様に、FPC22は、ベースフィルム22aと、回路層22b(第2導体)と、カバーレイ22cとを備えている。接続部15においては、カバーフィルム21c,22cが除去されて、回路層21b,22bが露出されている。
【0027】
図4(b)に示すように、FPC21の回路層21bと、FPC22の回路層22bと、異方性導体12とは、相互に位置合わせされている。一方、ACF13は、異方性導電フィルム(Anisotropic Conductive Film)と呼ばれるものである。図4(a)の部分拡大断面図に示すように、ACF13は、樹脂13b中に導体粒子13aを分散させて構成されている(硬化前の状態)。ACF13の樹脂13bとしては、リペア性のある樹脂が用いられる。
【0028】
ACF13の樹脂13bを固化させる際には、接続部15を押圧しながら、固化させる。すると、導体粒子13a同士が縦方向においてのみ接触するので、縦方向には導通するが横方向には導通しない、異方導電性が得られる。つまり、各FPC21,22の回路層21b,22bが、それぞれ異方性導体12と導通する。
入力部筐体41の第1筐体41aにおける接続部15も、上記の通りである。
【0029】
FPC21,22のベースフィルム21a,22aの材料としては、ポリイミド樹脂,ポリエステル樹脂,ガラスエポキシ樹脂等がある。カバーレイ21c,22cの材料としては、一般的には、ベースフィルム21a,22aと同じ材料が用いられる。その他、エポキシ樹脂,アクリル樹脂,ポリイミド樹脂,ポリウレタン樹脂などが用いられる。
【0030】
第1,第2導体を有する第1,第2部材としては、FPC等の配線部材に限られるものではない。各種電子デバイスの電極を接続部15の第1,第2導体として用いることもできる。また、第1,第2部材が配線部材である場合にも、FPCに限られるものではない。FPCの他には、リジッドプリント配線板(PCB),フラットケーブル,極細同軸ケーブルなどがある。これらの配線部材の配線あるいは電極を,第1,第2導体として用いることができる。
【0031】
−接続部15の形成方法−
図5(a)〜(d)は、実施の形態1における接続部15の形成手順を示す平面図である。この例では、表示部筐体31の第1筐体31aにおける接続部15の形成手順を説明する。
【0032】
まず、図5(a)に示すように、第1筐体31aの接続壁部31xにおいて、FPCが通る広い開口は形成しないでおく。次に、図5(b)に示すように、レーザー加工やマイクロドリル加工により、第1筐体31aに貫通孔Hを形成する。次に、図5(c)に示すように、無電解めっきなどにより、貫通孔Hを埋める異方性導体12を形成する。その後、図5(d)に示すように、接続壁部31xの表裏にACF13を塗布し、FPC21,22をACF13上に貼り付ける。そして、FPC21,22を押圧しながらACF13を固化させる。
上記手順は、入力部筐体41の第1筐体41aにおける接続部15の形成にも適用される。
【0033】
本実施の形態によると、以下の効果が得られる。接続部15において、FPC21,22等の部材が、筐体の接続壁部31x,41xの異方性導体12を介して電気的に接続される。FPC21,22等の部材が、筐体の壁部を通り抜ける必要がないので、シールのための構造も簡単となる。したがって、接続部15を介して水等が筐体(31a,41a)内に浸入するのを確実に防ぐことができる。
【0034】
上記実施の形態では、ACF13を設けたが、必ずしもACF13は必要でない。すなわち、FPC21,22の回路層21b,22bが直接異方性導体12に接触していてもよい。ただし、ACF13が存在すると、ACF13の樹脂13bによって、異方性導体12および回路層21b,22bが覆われる。よって、樹脂13bにより、異方性導体12および回路層21b,22bへの水等の接触が阻止される。
よって、筐体への水等の浸入だけでなく、配線部材等の導体への水等の浸入も阻止できるので、信頼性が向上する。広義には、防水性には、配線や電極の信頼性も含まれるので、ACF13を設けることにより、防水性も向上することになる。
【0035】
シールテープ14としては、たとえば片面防水テープと呼ばれるものを使用することができる。たとえば、ポリエチレンワリフ基材,ポリエステル不織布,アルミ箔等の基材フィルムの片面にブチルゴム,アクリル系感圧性粘着剤等を塗布したものがある。シールテープ14は、必ずしも必要でない。ただし、シールテープ14を設けることにより、異方性導体12および回路層21b,22bへの水等の接触がより確実に阻止される。つまり、上記と同様に、信頼性、すなわち防水性がさらに向上する。
【0036】
(異方性導体の配置の変形例)
図6は、異方性導体の配置の変形例における回路層21b,22bと異方性導体12との位置関係を示す平面図である。本変形例では、異方性導体12は、FPCの各種規格に対して汎用できる構造としている。異方性導体12は、回路層21b,22bの位置に整合して配置されているわけではなく、均一に分散配置されている。基本的には、回路層21b,22bの幅方向において、1個または数個の異方性導体12が存在していればよい。ただし、1つの異方性導体12に、回路層21b(または22b)の複数の配線が接触することは、短絡を生じるので、避ける必要がある。
【0037】
また、回路層21b,22bの配線間の隙間に異方性導体12が存在していても問題はない。各配線ごとに、異方性導体12との接触が確保されていれば、各配線は、短絡することなく電気的に接続される。また、各配線について、少なくとも1つの異方性導体12によって電気的に接続されていればよい。
さらに、異方性導体12の径を各回路層21b,22bの配線幅に比べて大幅に小さくしてもよい。
【0038】
(異方性導体の構造の変形例)
図7(a),(b)は、異方性導体の変形例1,2を示す断面図である。
図7(a)に示す変形例1では、貫通孔Hの壁面に無電解めっきを行なって、筒状の異方性導体12を設けている。この変形例においても、貫通孔Hは、ACF13で塞がれるので、シール機能を維持することができる。
【0039】
図7(b)に示す変形例2では、貫通孔にワイヤからなる異方性導体12を埋め込んだ例である。
この変形例2では、成形金型にワイヤをセットしておいて、異方性導体12と第1筐体31aとを一体的に成形してもよい。
【0040】
上記いずれの変形例においても、異方性導体12を介して、FPC21,22の電気的接続を行うことができる。すなわち、FPC等の部材を筐体の内外に設置したままで、電気的接続を行うことにより、確実に防水性を確保することができる。
【0041】
(実施の形態2)
図8(a),(b)は、順に、実施の形態2における接続部15の回路層方向における部分断面図,およびVIIIb-VIIIb線における部分断面図である。同図において、図4(a),(b)に示す部材と共通の部材については、同じ符号を付して説明を省略する。
【0042】
本実施の形態においては、接続部15において、接続壁部31x全体がACF13によって構成されている。上述のように、ACF13は、縦方向のみに導電性を示す異方導電性を有している。したがって、ACF13の異方導電性により、FPC21,22の各回路層21b,22b同士が電気的に導通する。この例では、接続壁部31xの縦方向全体に亘って接触した各導体粒子13aの列により、異方性導体が構成される。
図示しないが、入力部筐体41の第1筐体41aにおける接続壁部41x周辺の接続部15も同じ構造である。
【0043】
図8(a),(b)に示す構造は、たとえば、以下の手順によって実現する。第1筐体31xには予め開口を形成し、その裏面にFPC21を貼り付けた状態で、開口にACF13を塗布する。この状態では、図7(a)の部分拡大図に示すように、樹脂13b中に導体粒子13aが分散した状態である。
【0044】
その後、ACF13の上にFPC22を押し付けながらACF13を固化させる。これにより、接続壁部31xの縦方向全体に亘って接触した各導体粒子13aの列が形成され、各回路層21b,22b同士が電気的に導通する。
【0045】
本実施の形態においても、各導体粒子13aの列からなる異方性導体を介して、FPC21,22の電気的接続を行うことができる。すなわち、FPC等の部材を筐体内外に設置したままで、電気的接続を行うことにより、確実に防水性を確保することができる。
本実施の形態では、筐体に、接続壁部用の開口を形成する必要はあるものの、実施の形態1よりも工程が簡素となる利点もある。
【0046】
なお、本実施の形態においても、実施の形態1と同様のシールテープ14を設けてもよい(図2参照)。
【0047】
(他の実施の形態)
上記各実施の形態では、表示部筐体31,入力部筐体41の各第1筐体31a,41aを樹脂製としたが、金属製でもよい。その場合には、接続壁部31x,41xおよびその周辺部だけを樹脂,または無機絶縁材料により構成すればよい。
【0048】
上記開示された本発明の実施の形態の構造は、あくまで例示である。したがって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示される範囲を含む。さらに、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含む。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明の接続構造は、携帯端末,PDA,パソコン,デジタルカメラなどの電子機器に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施の形態1に係る携帯端末の構造を概略的に示す斜視図である。
【図2】実施の形態1に係る携帯端末のスライド部を介した接続部分の構成を示す断面である。
【図3】各ハーネス部間における配線経路を仮想的に示す平面図である。
【図4】(a),(b)は、順に、図2の部分拡大断面図をさらに詳示する部分断面図,およびIVb-IVb線における部分断面図である。
【図5】(a)〜(d)は、実施の形態1における接続部の形成手順を示す平面図である。
【図6】異方性導体の配置の変形例における回路層と異方性導体との位置関係を示す平面図である。
【図7】異方性導体の変形例1,2を示す断面図である。
【図8】(a),(b)は、順に、実施の形態2における接続部の回路層方向における部分断面図,およびVIIIb-VIIIb線における部分断面図である。
【符号の説明】
【0051】
1 携帯端末(電子機器)
3 表示部
4 入力部
6 表示装置
8 スライド部
8a 外枠
8b 内枠
12 異方性導体
13 ACF
13a 導体粒子
13b 樹脂
14 シールテープ
15 接続部
16 接着剤層
20 配線体
21 FPC(第1部材)
21a ベースフィルム
21c カバーレイ
21b 回路層(第1導体)
22 FPC(第2部材)
22a ベースフィルム
22b 回路層(第2導体)
22c カバーレイ
25 ハーネス部
31 表示部筐体
31a 第1筐体
31b 第2筐体
31x 接続壁部
35 表示部基板
41 入力部筐体
41a 第1筐体
41b 第2筐体
41x 接続壁部
45 入力部基板
H 貫通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器の筐体の外部に配置された第1部材の第1導体と、前記筐体の内部に配置された第2部材の第2導体とを電気的に接続するための接続構造であって、
前記筐体の壁部の一部として設けられ、異方性導体を内包する接続壁部を備え、
前記第1導体と第2導体とは、前記接続壁部の前記異方性導体を介して、電気的に導通している、接続構造。
【請求項2】
請求項1記載の接続構造において、
前記接続壁部は、接続壁部を貫通する貫通孔に、棒状,粒状,もしくは層状の異方性導体が形成された構造を有している、接続構造。
【請求項3】
請求項2記載の接続構造において、
前記第1導体および第2導体のうち少なくとも一方の導体と、前記異方性導体とは、異方導電性接着剤を介して導通している、接続構造。
【請求項4】
請求項1記載の接続構造において、
前記接続壁部は、導体粒子が分散された異方導電性接着剤によって構成されている、接続構造。
【請求項5】
請求項1〜4のうちいずれか1つに記載の接続構造において、
前記第1部材は、フレキシブルプリント配線板である、接続構造。
【請求項6】
請求項1〜5のうちいずれか1つに記載の接続構造において、
前記第1部材および筐体を覆うシールテープ、または接着剤層をさらに備えている、接続構造。
【請求項7】
請求項1〜6のうちいずれか1つに記載の接続構造を備えている電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−67491(P2010−67491A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−233273(P2008−233273)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】