説明

接続構造及びこれを備えた画像形成装置

【課題】 例えば、プリンタヘッド及びPCBを電気的に接続した場合に、PCBに設けられる配線の引き回しを簡便なものとしつつ、データを一方向に転送し、データの制御を簡便な回路構成で実行する。
【解決手段】 単方向に各種信号を転送する駆動用ドライバ11及び21によって、ライン方向に沿った一方向に各種信号を転送する。駆動用ドライバ11はCOF10の表面11aに実装されており、駆動用ドライバ21はCOF20の表面21aに実装されている。したがって、プリンタヘッド1の両側からCOF10及び20を接続した場合でも、各種信号をライン方向に沿った一方向に転送可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、プリンタヘッド及びプリンタヘッドに各種信号を供給するプリント回路基板を電気的に接続するための接続構造、及びこれを備えた、例えばプリンタ等の画像形成装置の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ及びプラズマディスプレイ等のフラットパネルディスプレイにおける表示パネルと、この表示パネルを駆動する外部回路とを接続するための技術が各種開示されている。例えば、特許文献1は、液晶パネルの四側辺に、プリント基板及び液晶パネルを電気的に接続するフレキシブル基板を備えた液晶表示装置を開示している。特許文献2は、多層リジットプリント回路基板及びフレキシブルプリント基板の接続スペースが少ない場合でも、多数本の信号ラインによってこれら基板を接続する接続構造を開示している。特許文献3は、プラズマディスプレイパネルのサイズが変わっても部品を共用化し易い構造を備えたプラズマディスプレイ装置を開示している。
【0003】
また、プリンタ等の画像形成装置では、プリンタヘッドと、プリンタエンジン等の外部回路から供給された各種信号をプリンタヘッドに中継する中継基板とを電気的に接続することも行われている。例えば、ドライバ等の回路が実装されたCOF(Chip On Film)によってプリンタヘッド及びプリント回路基板(以下、「PCB」と称す。)を接続する場合もある。例えばCOFを用いた場合には、PCBに設けられたピンのピッチに比べてプリンタヘッドに設けられたピンのピッチは小さいため、プリンタヘッドの一方の側面側に設けられたピンにのみCOF等の端子を電気的に接続することは困難である。したがって、COF等のコネクタは、通常、プリンタヘッドの両側面に接続される。
【0004】
【特許文献1】特開平5−173162号公報
【特許文献2】特開平9−232708号公報
【特許文献3】特開2003−173150号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、プリンタヘッドを駆動させる場合、プリンタヘッドの両側面に汎用のCOFの一端を接続した場合、COFの他端に接続されるPCBに設けられた配線の引き回しが困難になる問題がある。より具体的には、通常、COFは、ドライバ等の回路が実装される実装面が決まっており、単方向にのみデータを転送するドライバが実装面に実装された場合、プリンタヘッドの夫々の側面に接続されたCOFにおけるデータの転送方向が異なる。このように同じ汎用のCOF等のコネクタをプリンタヘッドの両側に夫々接続した場合、PCBに設けられる配線の引き回しを変えることによってデータの転送方向を一方向に揃えることになり、PCBにおける配線の引き回しが煩雑になる。このような配線は、例えばPCBを多層基板にしなければならず、PCBの構造が複雑になり、PCBに要するコストが増大する問題がある。加えて、PCBにおける配線の引き回しを変更した場合、プリンタヘッドにライン状に配列された画素部に順次駆動信号を供給可能なように、この駆動信号の元になるデータの制御が煩雑になる問題もある。
【0006】
よって、本発明は上記問題点等に鑑みてなされたものであり、例えば、プリンタヘッド及びPCBを電気的に接続した場合に、PCBに設けられる配線の引き回しを簡便なものとしつつ、データの制御が簡便な回路構成でデータを一方向に転送できる接続構造、及びこれを備えた画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の発明に係る接続構造は上記課題を解決するために、ライン状に配列された複数の発光部を備えたラインヘッドの裏面における前記発光部の配列方向に沿って延びる一方の縁に沿った領域に設けられた複数の第1ヘッド側接続用端子及び他方の縁に沿った領域に設けられた複数の第2ヘッド側接続用端子と、前記配列方向に沿って延在するように配置された基板の基板面に設けられた複数の第1基板側接続用端子及び複数の第2基板側接続用端子とを電気的に相接続する接続構造であって、前記第1ヘッド側接続用端子から前記第1基板側接続用端子に向かって延びる複数の第1基材部と、該第1基材部の一端に設けられており、前記第1基材部の表面に露出すると共に前記複数の第1ヘッド側接続用端子と電気的に接続される複数の第1接続部を含む第1接続手段と、前記第1基材部の他端に設けられており、前記複数の第1基板側接続用端子と電気的に接続される第2接続部を含む第2接続手段と、前記複数の第1基材部の夫々の表面に設けられており、前記第1接続部及び前記第2接続部を、前記第1基板側接続用端子を介して供給される各種信号を前記配列方向に沿った一方向に転送しつつ、前記複数の発光部のうち前記第1基材部に対応する発光部に駆動信号を供給する第1回路部及び第1配線部を介して相接続する第1電気部と、前記第2ヘッド側接続用端子から前記第2基板側接続用端子に向かって延びており、前記配列方向に沿って前記複数の第1基材部の夫々に対してずらして配置された複数の第2基材部と、該第2基材部の一端に設けられており、前記第2基材部の裏面に露出すると共に前記第2ヘッド側接続用端子と電気的に接続される複数の第3接続部を含む第3接続手段と、前記第2基材部の他端に設けられており、前記第2基板側接続用端子と電気的に接続される複数の第4接続部を含む第4接続手段と、前記複数の第2基材部の夫々の表面に設けられており、前記第3接続部及び前記第4接続部を、前記第2基板側接続用端子を介して供給される各種信号を前記一方向に転送しつつ、前記複数の発光部のうち前記第2基材部に対応する発光部に駆動信号を供給する第2回路部及び第2配線部を介して相接続する第2電気部とを備え、前記各種信号は、前記配列方向に沿って前記第1回路部及び前記第2回路部間で順次転送される。
【0008】
本発明の第1の発明に係る接続構造によれば、「裏面」とは、例えば、発光部による光の出射側の面である発光面の反対側の面であり、第1ヘッド側接続用端子及び第2ヘッド側接続用端子は、ラインヘッドの発光面と反対側の面に設けられている。本発明の「基板」とは、例えば、プリンタヘッドと別に設けられたプリンタエンジン等の外部回路から送られた各種信号を中継してプリンタヘッドに供給するPCB等である。PCBは、例えば、プリンタヘッドの裏面側においてプリンタヘッドに設けられた複数の発光部の配列方向に沿って延在するように配置されている。
【0009】
第1基材部は、例えば可撓性を有する板状部材である。また、第1基材部は、例えば、ラインヘッドに設けられた第1ヘッド側接続用端子に後述する第1電気部が電気的に接続された状態で、第1電気部が設けられた第1基材部の表面がラインヘッドから見て外側に臨むようにラインヘッドから引き出されている。第1基材部は、ラインヘッドに対する基板の配置に応じてラインヘッドに設けられた第1ヘッド側接続用端子から第1基板側接続用端子に向かって延在する。第1基材部の一端に設けられた第1接続手段は、複数の第1接続部全体を意味し、例えば、接続パッド等の複数の第1接続部を含んでいる。
【0010】
複数の第1接続部は、第1基材部の表面に露出するように設けられており、例えば第1ヘッド側接続用端子及び第1接続部が圧着されることによって第1ヘッド側接続用端子及び第1接続手段が電気的に接続されることになる。ここで、「第1基材部の表面」とは、例えば、第1回路部の一例である駆動用ドライバが実装される実装面であり、第1接続手段及び第1回路部は、第1基材部を構成する面のうち同一表面で設けられていることになる。複数の第1基材部は、例えば、複数の発光部に配列方向に沿って設けられており、各第1基材部に対応する発光部を駆動するためのデータ信号等は、後述する第1電気部を介して各発光部に供給されることになる。
【0011】
第1電気部は、例えば、駆動用ドライバ等の半導体素子を含む第1回路部と、第1接続部及び第2接続部を電気的に接続する配線とを介してデータ信号等を含む各種信号を対応する発光部に供給し、この発光部を発光させる。第1電気部は、例えば第1回路部の一例である駆動用ドライバが有するシフトレジスタによって、各種信号を一方向に転送し、後述する第2電気部に送る。ここで、「各種信号」は、例えば発光部による発光を制御する制御信号、コマンド信号、及びデータ等を含んでおり、配列方向に沿った各電気部の順序に合わせて供給されるデータのブロックから構成される。
【0012】
第2基材部は、例えば第1基材部と同様の材質及び構造を有しており、前記配列方向に沿って前記複数の第1基材部の夫々に対してずらして配置されている。したがって、第1基材部及び第2基材部は、例えばラインヘッドが備える複数の発光部の配列方向に沿って交互に、又は配列方向に交わる方向から見て一部重なるように配置されている。
【0013】
第2基材部の一端に設けられた第3接続手段は、例えば第2基材部の裏面に露出する接続パッド等の第3接続部を含んでおり、第3接続部は、例えば圧着によって第2ヘッド側接続用端子と電気的に接続される。ここで、「第2基材部の裏面」とは、例えば、第2基材部を構成する面のうち後述する第2回路部の一例である駆動用ドライバが実装される実装面の裏面である。したがって、第3接続手段及び第2電気部は、第2基材部の異なる面に設けられていることになる。第2基材部の他端に設けられた第4接続手段は、例えば第2接続手段と同様の構成を有するコネクタである。ここで、第2基材部は、第1基材部と同様に、例えば第2電気部が設けられた可撓性を有する板状部材である。より具体的には、第2基材部は、第2ヘッド側接続用端子に接続された状態で、ラインヘッドから見て裏面が外側に臨むように引き出される。
【0014】
第2電気部は、例えば、第4接続手段を介して基板側から供給される各種信号を第2回路部の一例である駆動用ドライバ及び第2配線部を介して一方向に転送する。より具体的には、例えば、第1電気部から転送された各種信号が第2電気部に転送され、この第2電気部から更に配列方向にずらして配置された次の第1電気部に転送されることなる。即ち、基板を介して順次第1電気部から第2電気部、更に第2電気部から第1電気部に転送されることにより、全ての発光部に順次駆動信号を供給できる。
【0015】
したがって、本発明の第1の発明に係る接続構造によれば、例えば、基板の一端側から入力された各種信号に含まれる駆動信号が配列方向に沿って順次複数の発光部に供給される。各種信号は、例えば配列方向に沿って互いにずらした位置に設けられた複数の第1電気部及び複数の第2電気部に、これら電気部の順番に対応した順序で供給すれば、夫々対応した電気部から発光部に駆動信号を供給できる。より具体的には、例えば、プリンタエンジン等の外部回路から基板に各種信号を供給した場合に、各電気部に対応したデータを夫々含むデータのブロックの順序を入れ替えなくても、各電気部の夫々にこれら電気部に対応したデータを供給できる。
【0016】
本発明の第1の発明にかかる接続構造によれば、第1基材部及び第2基材部の表面にのみ第1回路部及び第2回路部が配置される場合でも、例えば各種信号を構成するデータのブロックの順序を入れ替えることなく、各電気部に対応するブロックに含まれるデータを夫々対応する電気部に供給できる。これにより、各種信号に含まれる、例えばデータのブロックの順序を変換する必要がなく、各種信号の制御を簡便に行える。加えて、本発明の第1の発明に係る接続構造によれば、第1電気部及び第2電気部による各種信号の転送方向が一方向に揃っているため、各種信号を順次第1電気部から第2電気部へ伝達する配線及び第2電気部から第1電気部に各種信号を伝達する配線が基板に設けられる場合でも、これら配線の引き回しが簡単になる。したがって、多層配線等を基板に設ける場合に比べて簡単な配線を基板に設ければよく、複雑な配線を基板に設けることによって生じる基板のコストの増大を抑制できる。
【0017】
以上の結果、本発明の第1の発明に係る接続構造によれば、発光部を駆動するための駆動信号を含む各種信号の制御が簡単に行え、且つPCB等の基板に要するコストを低減できる。加えて、本発明の第1の発明に係る接続構造によれば、例えば簡便な回路及び配線構成を備え、且つ各種信号を簡単に制御できるラインヘッドの駆動回路を提供できる。
【0018】
本発明の第2の発明に係る接続構造は上記課題を解決するために、ライン状に配列された複数の発光部を備えたラインヘッドの裏面における前記発光部の配列方向に沿って延びる一方の縁に沿った領域に設けられた複数の第1ヘッド側接続用端子及び他方の縁に沿った領域に設けられた複数の第2ヘッド側接続用端子と、前記配列方向に沿って延在するように配置された基板の基板面に設けられた複数の第1基板側接続用端子及び複数の第2基板側接続用端子とを電気的に相接続する接続構造であって、前記第1ヘッド側接続用端子から前記第1基板側接続用端子に向かって延びる複数の第1基材部と、該第1基材部の一端に設けられており、前記第1基材部の表面に露出すると共に前記複数の第1ヘッド側接続用端子と電気的に接続される複数の第1接続部を含む第1接続手段と、前記第1基材部の他端に設けられており、前記複数の第1基板側接続用端子と電気的に接続される第2接続部を含む第2接続手段と、前記複数の第1基材部の夫々の表面に設けられており、前記第1接続部及び前記第2接続部を、前記第1基板側接続用端子を介して供給される各種信号を前記配列方向に沿った一方向に転送しつつ、前記複数の発光部のうち前記第1基材部に対応する発光部に駆動信号を供給する第1回路部及び第1配線部を介して相接続する第1電気部と、前記第2ヘッド側接続用端子から前記第2基板側接続用端子に向かって延びており、前記配列方向に沿って前記複数の第1基材部の夫々に対してずらして配置された複数の第2基材部と、該第2基材部の一端に設けられており、前記第2基材部の表面に露出すると共に前記第2ヘッド側接続用端子と電気的に接続される複数の第3接続部を含む第3接続手段と、前記第2基材部の他端に設けられており、前記第2基板側接続用端子と電気的に接続される複数の第4接続部を含む第4接続手段と、前記複数の第2基材部の夫々の表面に設けられており、前記第3接続部及び前記第4接続部を、前記第2基板側接続用端子を介して供給される各種信号を前記一方向に転送しつつ、前記複数の発光部のうち前記第2基材部に対応する発光部に駆動信号を供給する第2回路部及び第2配線部を介して相接続する第2電気部とを備え、前記第1基材部及び第2基材部の夫々は、前記第1基材部の表面及び前記第2基材部の表面が同じ側に臨むように配置され、前記各種信号は、前記配列方向に沿って前記第1回路部及び前記第2回路部間で順次転送される。
【0019】
本発明の第2の発明に係る接続構造では、第1基材部の表面に第1電気部及び第1接続手段が設けられており、第2基材部の表面に第2電気部及び第3接続手段が設けられている。したがって、第1ヘッド側接続用端子及び第2ヘッド側接続用端子の夫々に第1電気部及び第2電気部が電気的に接続された状態で、記第1基材部及び第2基材部の夫々は、前記第1基材部の表面及び前記第2基材部の表面が同じ側に臨むように配置される。例えば、第1基材部はラインヘッドから見て第1基材部の表面が外側に臨むように配置され、第2基材部は、第2基材部の表面が内側に臨むようにラインヘッドから引き出されていることなる。即ち、第1基材部の表面及び第2基材部の表面がラインヘッドから見て同じ側に臨むように第1基材部及び第2基材部が配置されている。このようにラインヘッドから引き出された第1基材部及び第2基材部に設けられた第1電気部及び第2電気部は、夫々発光部の配列方向に沿った一方向に各種信号を転送する第1回路部及び第2回路部を含んでおり、第1の発明に係る接続構造と同様に、各発光部にこれら発光部に対応する電気部から駆動信号が供給される。
【0020】
したがって、本発明の第2の発明に係る接続構造によれば、第1の発明に係る接続構造と同様に、発光部を駆動するための駆動信号を含む各種信号の制御が簡単に行え、且つPCB等の基板に要するコストを低減できる。
【0021】
本発明の第1及び第2の発明に係る接続構造の一の態様では、前記基板は、前記第1基板側接続端子及び前記第2基板側接続端子間を電気的に接続する基板側配線部を備えていてもよい。
【0022】
この態様によれば、基板側配線部を簡単な構成にでき、例えば基板に多層配線を設ける場合に比べてPCB等の基板に要するコストを低減できる。より具体的には、第1電気部に含まれる第1回路部及び第2電気部に含まれる第2回路部の夫々は、配列方向に沿って一方向に各種信号を転送するため、例えば第1電気部から、配列方向に沿ってこの第1電気部の次に位置する第2電気部を電気的に繋ぐように設けられた配線部と、この第2電気部と、配列方向に沿ってこの第2電気部の次に位置にする第1電気部とをつなぐように設けられた配線部とを含んで構成されている。このような基板側配線部は、配列方向に沿って位置する第1電気部及び第2電気部を繋ぐように設けられているため、例えば、PCB等の基板の一端から供給された各種信号が、配列方向に沿って順次第1電気部から第2電気部、或いは第2電気部から第1電気部に順次配列方向に沿って転送されることになる。
【0023】
本発明の第1及び第2の発明に係る接続構造の他の態様では、前記第1基材部及び前記第2基材部は、COF又はTCPであってもよい。
【0024】
この態様によれば、例えば、汎用のCOF又はTCP(Tape Carrier Package)の構造を大きく変更することなく、ラインヘッド及びPCB等の基板を電気的に接続しつつ、配列方向に沿って第1電気部及び第2電気部に各種信号を転送できる。加えて、COF及びTCPは、柔軟性を有しているため、ラインヘッド及びPCB等の基板を接続した状態で、ラインヘッド及び基板の位置関係をラインヘッド及び基板が配置されるスペースに応じて自在に変更できる。尚、第1基材部及び第2基材部は、COF又はTCPに限定されるものではなく、他の構成を有する接続媒体であってもよいことは言うまでもない。
【0025】
本発明の第1及び第2の発明に係る接続構造の他の態様では、前記第1基材部及び前記第2基材部上には、前記ラインヘッドを駆動するドライバICが実装されていてもよい。
【0026】
この態様によれば、ドライバICによって一方向に各種信号を転送しながらラインヘッドを駆動できる。これにより、基板の煩雑な配線等を形成しておくことなく、簡便な配線構造で各種信号を転送することが可能である。
【0027】
本発明に係る画像形成装置は上記課題を解決するために、上述の本発明の第1又は第2の発明に係る接続構造を備えたプリンタヘッドユニットと、感光体と、前記プリンタヘッドユニットによる露光によって前記感光体に形成された静電潜像を現像することによって可視像を形成する現像手段と、前記形成された可視像を記録媒体上に転写する転写手段とを備える。
【0028】
本発明に係る画像形成装置によれば、上述した本発明の第1又は第2の発明に係る接続構造を備えたプリンタヘッドユニットを備えるので、プリンタヘッドユニットに要するコストを格段に低減できる。しかも、プリンタヘッドに入力される各種信号の構成を簡便なものにすることが可能である。尚、本発明の「プリンタヘッドユニット」とは、プリンタヘッド及びプリンタヘッドを駆動させるために機能する各部を含んだものを意味し、例えば、プリンタヘッド、プリンタヘッドに各種信号を供給するPCB等の基板、及びこれらの間を電気的に接続する例えばCOF等の接続手段を含んだものを意味する。
【0029】
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る接続構造、及びこれを備えた画像形成装置の実施形態を詳細に説明する。尚、本実施形態では、本発明の「ラインヘッド」の一例であるプリンタヘッドに本発明に係る接続構造を適用した例を従来の接続構造と比較しつつ説明する。より詳しくは、第1の発明に係る接続構造を第1実施形態で説明し、第2の発明に係る接続構造を第2実施形態で説明する。尚、以下の実施形態のプリンタヘッドは、発光素子の一例である有機EL素子を画素部に含んでいてもよい。
【0031】
(第1実施形態)
先ず、図1乃至図5を参照しながら、本実施形態の接続構造を説明する。図1は、本実施形態の接続構造が適用されるプリンタヘッド1を発光面側から見た図式的平面図である。
【0032】
図1において、プリンタヘッド1は、基材2と、本発明に係る「発光部」の一例である画素部6とを備えている。画素部6は、図中ライン方向に沿ってライン状に複数配列されている。基材2の平面形状は、ライン方向に沿って延在する矩形状である。
【0033】
本発明の「第1基材部」の一例であるCOF10及び本発明の「第2基材部」の一例であるCOF20は、ライン方向に沿って延在する基材2の一方の縁及び他方の縁の夫々に複数接続されている。加えて、COF10及び20は互いにライン方向に沿ってずれるようにプリンタヘッド1に接続されている。
【0034】
COF10の夫々には、本発明の「第1回路部」の一例である駆動用ドライバ11が設けられている。駆動用ドライバ11は、単方向に各種信号を転送するシフトレジスタを備えたドライバであり、COF10をプリンタヘッド1に接続した状態で、COF10の両面のうち図中手前側の面、即ちプリンタヘッド1における画素部6が臨む側と同じ側に臨む面である表面11aに実装されている。ここで、本明細書中における「単方向」とは、駆動用ドライバ単体における各種信号の転送方向が単方向であることを意味しており、本明細書における「一方向」と概念が異なる。より具体的には、「一方向」とは、COFに実装された駆動用ドライバが各種信号を転送する方向が、ライン方向に沿った一方向であることを意味している。駆動用ドライバ11は、後に詳細に説明するようにライン方向に沿って図中矢印で示す右側に向かって各種信号を転送する。
【0035】
COF20の夫々には、本発明の「第2回路部」の一例である駆動用ドライバ21が設けられている。駆動用ドライバ21は、COF20の両面のうち図中奥行き側の面、即ちプリンタヘッド1における画素部6が臨む側と反対側に臨む面である表面21aに実装されている。駆動用ドライバ21は、後に詳細に説明するようにライン方向に沿って図中矢印で示す右側、即ち駆動用ドライバ11が各種信号を転送する方向と同じ方向に各種信号を転送するシフトレジスタを備えている。ここで、駆動用ドライバ11及び21が転送する各種信号には、各画素部6を発光させるための画像信号の元になるデータを含む。
【0036】
図2は、図1に示したプリンタヘッド1を裏面側から見た図式的平面図である。
【0037】
図2において、駆動用ドライバ21は、本発明の「第2基材部の表面」の一例である表面21aに実装されている。COF10及び20は、プリンタヘッド1における裏面12の縁に沿って夫々配置されている。COF10及び20は、後に詳細に説明するようにCOF10及び20の夫々の一端に設けられた第1接続部及び第3接続部を介してプリンタヘッド1と電気的に接続されている。尚、図1及び図2において、説明の便宜上、図中左側から順にCOF10に奇数番号を付して互いに区別し、COF20に偶数番号を付して互いを区別する。これら奇数番号及び偶数番号はCOFに付した参照符号の添字としても表記しておく。
【0038】
ここで、図9及び図10を参照しながら接続構造の比較例を説明する。図9は、接続構造100が適用されたプリンタヘッド101を発光面側から見た図式的平面図であり、図10は接続構造100が適用されたプリンタヘッド101を裏面側から見た図式的平面図である。図9が図1の比較対象となり、図10が図2の比較対象となる。
【0039】
図9及び図10に示すように、接続構造100は、COF110及び120、並びにこれらCOFの夫々の両端に設けられた不図示の接続部を備えている。COF110は、図1に示したCOF10に対応しており、COF120はCOF20に対応している。
【0040】
COF110の表面111aには図中右方向に各種信号を転送する駆動用ドライバ111が実装されており、COF120の表面121aには図中左側に各種信号を転送する駆動用ドライバ121が実装されている。駆動用ドライバ111及び121は、単方向に各種信号を転送するシフトレジスタを含んでいる。COF110及び120は、互いに同様の構成を備えたCOFであり、表面111a及び121aの夫々には、プリンタヘッド101及びプリンタヘッド101に駆動信号を供給する不図示のPCBを電気的に接続するための接続部を有している。これら接続部と、プリンタヘッド101の裏面112の縁に沿った領域に設けられた接続端子とを接続した場合、COF110及び120における接続部が設けられる表面111a及び121aは駆動用ドライバが実装される実装面として決まっているため、駆動用ドライバ111及び121の夫々の各種信号の転送方向は逆方向になってしまう。即ち、単方向にのみ各種信号を転送する駆動用ドライバ111及び121を表面111a及び121aの夫々に実装した場合、COF110及び120の夫々に実装された駆動用ドライバ111及び121は互いに逆方向にしか各種信号を転送できないことになる。このようなCOF110及び120を用いてプリンタヘッド101におけるライン方向に沿って延びる両縁側から各画素部106に駆動信号を供給しつつ、ライン方向に沿った一方向に各種信号を転送することは困難である。このような問題点を解決するためには、本実施形態の接続構造は非常に有効なものとなる。
【0041】
再び、本実施形態の接続構造の説明に戻る。図3は、プリンタヘッド1に接続されるCOF10及び20の接続状態を示す斜視図である。尚、図3では、図1及び図2におけるCOF10及びCOF20のみを示している。
【0042】
図3において、本発明に係る「第1ヘッド側接続用端子」の一例である複数の接続パッド31と、本発明に係る「第2ヘッド側接続用端子」の一例である複数の接続パッド41とが、プリンタヘッド1の裏面12に設けられている。接続パッド31は、裏面12における縁32に沿った領域に設けられており、接続パッド41は、裏面12における縁42に沿った領域に設けられている。縁32及び42は、裏面12におけるライン方向に沿って延びる縁である。接続パッド31及び41の夫々は、プリンタヘッド1に設けられた不図示の配線を介してプリンタヘッド1の画素部に電気的に接続されている。
【0043】
本実施形態の接続構造8は、複数のCOF10、複数のCOF20、本発明に係る「第1接続手段」を構成する複数の第1接続部17、本発明に係る「第2接続手段」を構成する複数の第2接続部16、駆動用ドライバ11、配線部18、本発明に係る「第3接続手段」を構成する複数の第3接続部27、本発明に係る「第4接続手段」を構成する複数の第4接続部26、駆動用ドライバ21、配線部28を備えている。
【0044】
第1接続部17は、COF10の表面11aに露出するようにCOF10の一端に設けられている。ここで、一端とは、COF10及びプリンタヘッド1を接続する際に、プリンタヘッド1から不図示のPCBに延在するように配置されるCOF10の両端のうちプリンタヘッド1側に臨む端である。COF10及びプリンタヘッド1は、第1接続部17が接続パッド31と圧着されることによって電気的に接続される。尚、図中COF10を一つだけ示しているが、図1及び図2に示したように縁32に沿って設けられた他のCOF10も同様にしてプリンタヘッド1と電気的に接続される。
【0045】
第2接続部16は、COF10の他端に設けられている。第1接続部17及び第2接続部16は、表面11aに設けられた駆動用ドライバ11及び配線部18を介して電気的に接続されている。第2接続端子16aから供給された各種信号のうちプリンタヘッド1の画素部を駆動するための駆動信号は、駆動用ドライバ11が備えるシフトレジスタによって複数の第1接続部17の夫々に送られ、第1接続部17に電気的に接続された複数の接続パッド31を介して画素部6に供給される。第2接続部16aに供給された各種信号は、駆動用ドライバ11から各画素部に駆動信号が供給された後、再び第2接続部16bから不図示のPCBに送られる。
【0046】
第3接続部27は、COF20の裏面21bに露出するようにCOF20の一端に設けられている。ここで、一端とは、COF20及びプリンタヘッド1を接続する際に、プリンタヘッド1から不図示のPCBに延在するように配置されるCOF20の両端のうちプリンタヘッド1側に臨む端である。裏面21bは、COF20の両面のうち駆動用ドライバ21が設けられていない側の面である。裏面21bは、COF20及びプリンタヘッド1を接続する際にプリンタヘッド1の裏面12に臨む。COF20及びプリンタヘッド1は、第3接続部27が接続パッド41と圧着されることによって電気的に接続される。尚、図中COF20を一つだけ示しているが、図1及び図2に示したように縁42に沿って設けられた他のCOF20も同様にしてプリンタヘッド1と電気的に接続される。
【0047】
第4接続部26は、COF20の他端に設けられている。第3接続部27及び第4接続部26は、表面21aに設けられた駆動用ドライバ21及び配線部28を介して電気的に接続されている。第4接続端子26aから供給された各種信号のうちプリンタヘッド1の画素部を駆動するための駆動信号の元になるデータは、駆動用ドライバ21が備えるシフトレジスタによって複数の第3接続部27の夫々に送られ、第3接続部27に電気的に接続された複数の接続パッド41を介して画素部に供給される。第4接続部26aに供給された各種信号は、駆動用ドライバ21から各画素部に駆動信号が供給された後、再び第4接続部26bから不図示のPCBに送られる。
【0048】
図4は、プリンタヘッド1及び本発明に係る「基板」の一例であるPCB50を電気的に接続した接続状態を示す図式的平面図である。尚、説明の便宜上、PCB50の両側の部分を左右別体として図示している。より具体的には、PCB50のうちCOF10に接続される側の部分を図中左側に示し、COF20に接続される側の部分を図中右側に示している。
【0049】
図4において、プリンタヘッド1及びPCB50は、本実施形態の接続構造8によって電気的に相接続されている。
【0050】
PCB50は、第1基板側接続用端子を含むコネクタ56及び第2基板側接続用端子を含むコネクタ66を備えている。
【0051】
PCB50は、PCB50及びプリンタヘッド1が電気的に接続された状態においてプリンタヘッド1に対して図中ライン方向に沿って延在するように配置されている。コネクタ56は、ライン方向に沿って配置された複数のCOF10の間隔に合わせて、PCB50の基板面51における一方の縁52に沿った領域に配置されている。コネクタ66は、PCB50の基板面51における他方の縁53に沿った領域に配置されている。プリンタヘッド1及びPCB50を電気的に相接続した際に、コネクタ56に含まれる第1基板側接続用端子が接続部16に電気的に接続され、コネクタ66に含まれる第2基板側接続用端子が接続部26に電気的に接続される。
【0052】
図5は、図4のA−A´線断面図である。図5において、プリンタヘッド1及びPCB50が接続構造8によって電気的に相接続されることによってプリンタヘッドユニット200が構成されている。
【0053】
COF10は、プリンタヘッド1から見て表面11aが外側を向くように配置された状態でプリンタヘッド1及びPCB50を電気的に接続している。より具体的には、表面11aに露出するようにCOF10の一端に設けられた第1接続部17が、プリンタヘッド1に設けられた接続パッド31に電気的に接続され、第2接続部16が、コネクタ56に含まれる接続端子57に電気的に接続されている。接続端子57は、本発明に係る「第1基板側接続用端子」の一例に相当する。
【0054】
COF20は、プリンタヘッド1から見て表面21aが内側を向くように配置された状態でプリンタヘッド1及びPCB50を電気的に接続している。即ち、COF20の裏面21bは、プリンタヘッド1から見て外側に臨む。裏面21bに露出するようにCOF20の一端に設けられた第3接続部27は、プリンタヘッド1に設けられた接続パッド41に電気的に接続され、第4接続部26が、コネクタ66に含まれる接続端子58に電気的に接続されている。ここで、駆動用ドライバ11は、COF10の表面11aだけに実装可能であり、COF10の裏面11bには実装されない。また、駆動用ドライバ21は、COF20の表面21aだけに実装可能であり、COF20の裏面21bには実装されない。したがって、接続構造8によれば、駆動用ドライバ11及び21として単方向に各種信号を転送する駆動用ドライバを用いた場合でも、COF10及び20の夫々の表面11a及び21aに駆動用ドライバ11及び21を実装した状態で、図中手前側に向かうライン方向に沿った一方向に各種信号を転送できる。
【0055】
次に、図6乃至図8を参照しながら、本実施形態に係る接続構造8によって互いに接続されたプリンタヘッド1及びPCB50間における各種信号の流れを説明する。加えて、図9乃至図15に示す接続構造及び各種信号の流れの比較例と、本実施形態に係る接続構造及び各種信号の流れを比較する。また、図6では、説明の便宜上、PCB50に接続されるプリンタヘッド1の両側の部分を夫々図中上側及び下側に分割して示している。
【0056】
図6は、本実施形態に係る接続構造8を介した各種信号の流れを模式的に示したブロック図である。
【0057】
図6において、外部回路であるホストから供給される各種信号が、PCB50の一端に設けられた入力部59に入力される。各種信号は、先ず、入力部59からCOF10に実装された駆動用ドライバ11に送られる。駆動用ドライバ11は、各種信号をライン方向に転送しつつ、COF20に実装された駆動用ドライバ21に転送する。ここで、駆動用ドライバ11及び21は、ライン方向に沿って図中右側に向かってのみ各種信号を転送するドライバである。したがって、駆動用ドライバ21は、駆動用ドライバ11から転送された各種信号をCOF10に実装された駆動用ドライバ11に転送する。このように図中右側に向かって転送される各種信号は、COF10から順次COF20、COF10、COF20、COF10、・・・、COF2012の順に転送される。より具体的には、各種信号は、各COF10及び20の夫々に実装された駆動用ドライバ11及び21によってライン方向に沿った図中右側に転送される。
【0058】
ここで、図6に加えて図4を参照しながらより具体的にデータの流れを説明する。PCB50は、入力部59と、COF10が有する第2接続部16aを電気的に接続する配線L0を備えている。PCB50は、COF10、10、・・・、1011の出力側の接続部である第2接続部16bと、COF20、20、・・・、2012の入力側の接続部である第4接続部26aとをライン方向に沿って図中左側から順に電気的に接続する配線L1を備えている。加えてPCB50は、COF10、10、・・・、1011の入力側の接続部である第2接続部16aと、COF20、20、・・・、2010の出力側の接続部である第4接続部26bとをライン方向に沿って図中左側から順に電気的に接続する配線L2を備えている。配線L0、L1及びL2が、本発明に係る「基板側配線部」の一例を構成している。入力部59に入力された各種信号は、L0を介してCOF10の第2接続部16aに入力され、駆動用ドライバ11によってライン方向に転送されつつ、各種信号に含まれる駆動信号がCOF10に対応する画素部6に供給される。駆動用ドライバ11によって転送された各種信号は、COF10の第2接続部16bから、配線L1を介してPCB50に再度送られ、COF20の第4接続部26aに送られる。駆動用ドライバ21は、各種信号をライン方向に転送しつつ、駆動用ドライバ21に対応する画素部6に駆動信号を供給し、配線L2を介してCOF10に実装された駆動用ドライバ11に各種信号を転送する。以後、同様にして、COF20、10、・・・、2012の順に各種信号が転送され、これに伴い夫々の駆動用ドライバに対応する画素部6に、各種信号に含まれる駆動信号が供給される。図6に示すように、PCB50に設けられた配線L0、L1及びL2はPCB50中で互いに重なることがないため、PCB50を多層基板にすることなく各COFを電気的に接続する配線をPCB50に設けることが可能である。したがって、後に説明する接続構造の比較例に比べてPCB50に設けられる配線を簡便な構成にすることができ、複雑な構成の配線をPCBに設ける場合に比べてPCB50に要するコストを低減できる。
【0059】
図7は、PCB50に入力される各種信号の経路を構成する各部を示したブロック図である。図8は、制御回路80の前後のデータの構造を模式的に示した図である。
【0060】
図7において、制御信号、コマンド、データ等を含む各種信号は、制御回路80を介してホスト70からPCB50に供給される。図8に示すように、ホスト70から制御回路80に供給される各種信号に含まれる元データは、図6に示す各COF10及び20の配列の順に合わせて連続して送り出されてなるデータの集合である。より具体的には、各駆動用ドライバ11及び21のアドレスに合わせてデータのブロックが送り出されている。尚、図8において、元データを構成する各ブロック中に示す矢印は、各駆動用ドライバにおいてデータが転送されるべき向きを示している。
【0061】
図7において、制御回路80は、制御信号生成回路81、コマンド制御回路82、及びデータ制御回路83を備えている。制御信号生成回路81、コマンド制御回路82、及びデータ制御回路83の夫々によって生成或いは制御された制御信号、コマンド、データは、PCB50に入力データとして入力される。図6を参照しながら説明したように、データはCOF10及び20のライン方向に沿った順に供給されるため、元データにおける各ブロックの配列の順序を各ブロックに対応するCOFの順序に合わせ配列しておけば、制御回路80がデータのブロックを並べ換えを行わなくとも、入力データを含む各種信号をPCB50に入力できる。より具体的には、図8に示すように、元データを変換することなく制御回路80から出力されたデータを入力データとしてPCB50に供給できる。
【0062】
ここで、図11乃至図15を参照しながら、接続構造8の比較例である接続構造300及び500によってプリンタヘッド301とPCB350及びプリンタヘッド501とPCB550を夫々接続した場合を説明しつつ、図1乃至図8を参照しながら説明した接続構造8の優位性を説明する。
【0063】
図11は、接続構造300を用いた場合のデータの流れを模式的に示した図であり、図12は図11に示すデータの元データ及びPCBに入力される入力データの構造を模式的に示した図である。図13は、接続構造500を用いた場合のデータの他の流れを模式的に示した図であり、図14は、図13における元データ及びPCBに入力される入力データの構造を模式的に示した図である。尚、図11及び図13の夫々に示すデータの流れは、図9で説明したプリンタヘッド101に接続されたCOF110及び120を含む接続構造100を介したデータの流れの夫々一例である。
【0064】
図11において、接続構造300は、一方の面にのみ駆動用ドライバ等の素子を実装可能なCOF310及び320、同一仕様の駆動用ドライバ311及び321、COF310及び320の夫々の両端に設けられた不図示の接続部を備えている。
【0065】
駆動用ドライバ311及び321はいずれも単方向にデータを転送するが、駆動用ドライバ311及び321の夫々が実装されたCOF310及び320を介して、プリンタヘッド301の両側とPCB350の両側とを接続した場合、図中ライン方向に沿った駆動用ドライバ311によるデータの転送方向と、駆動用ドライバ321によるデータの転送方向とが逆向きになる。したがって、接続構造300によれば、ライン方向に沿って図中左側から右側に向かってCOF310及び320に交互にデータを転送した場合には、図12に示すように元データを構成する各ブロックは、アドレスはそのままにして偶数ブロックのデータを入れ換える必要が生じる。より具体的には、図11の上側に配置された各COF320に実装された駆動用ドライバ321に対応するブロックのデータを入れ換え、駆動用ドライバ321に対応するブロックに含まれるデータの転送方向が図中矢印で示す左側に向かうようにデータを変換する必要が生じる。加えて、図11に示すように、奇数番目のCOF310及び偶数番目のCOF320を電気的に接続する配線L3及びL4がPCB350内で交差するように設けられることになる。このような配線L3及びL4は、多層配線としてPCB350内に形成されるため、PCB350における配線構造が複雑となり、PCB350に要するコストの増大を招く問題がある。
【0066】
図13において、接続構造500は、COF510及び520、これらCOFの実装面に実装されており、同一仕様の駆動用ドライバ511及び521、COF510及び520の夫々の両端に設けられた不図示の接続部を備えている。COF510及び520の実装面に、単方向にデータを転送可能な駆動用ドライバ511及び521が実装されている。
【0067】
接続構造500によれば、プリンタヘッド501の両側の夫々にCOF510及び520を接続した場合、駆動用ドライバ511及び521によるデータの転送方向が逆方向になり、図14に示すように制御回路は元データにおける各ブロックのデータ及びアドレスを入れ換える必要が生じる。より具体的には、偶数番目のCOF520に実装された駆動用ドライバに対応するブロックのデータを変換する必要が生じ、またアドレスを入れ換えるためにこれを管理する必要がある。したがって、図15に示すように、制御回路180は、制御信号生成回路181、コマンド制御回路182、及びデータ制御回路183に加えて、データ入換メモリ184及びアドレス管理回路185を備える必要がある。このように、図11乃至図14に示す2つの比較例によれば、PCBに設けられる配線構成が複雑となる、或いはデータを制御する制御回路の構成が複雑となり、PCB或いは制御回路に要するコストの増大を招く。
【0068】
以上のように、図9乃至図15を参照しながら説明した接続構造に比べて、図1乃至図8を参照しながら説明した本実施形態の接続構造8は、制御回路によるデータの制御が簡便であり、且つPCBに設けられる配線の構成も簡単である。よって、PCB及び制御回路に要するコストを低減できる格別な効果を奏することになる。加えて、COFをプリンタヘッドの両側に接続する接続方法を変更することによって、COFに実装される駆動用ドライバの構成を変更することもなく、従来から用いられていた単方向にデータを転送する駆動用ドライバ及びこれが実装されたCOFの構成を殆ど変更することなく、そのまま用いることが可能である。
【0069】
(第2実施形態)
次に、図16乃至図19を参照しながら、本発明の第2の発明に係る接続構造の実施形態を説明する。
【0070】
図16は、本実施形態の接続構造600が適用されるプリンタヘッド601を発光面側から見た図式的平面図である。
【0071】
COF610及びCOF620は、ライン方向に沿って延在する基材602の一方の縁及び他方の縁の夫々に複数接続されている。加えて、COF610及び620は互いにライン方向に沿ってずれるようにプリンタヘッド601に接続されている。
【0072】
COF610の夫々には、第2の発明に係る「第1回路部」の一例である駆動用ドライバ611が設けられている。駆動用ドライバ611は、COF610の両面のうち図中手前側の面、即ちプリンタヘッド601における画素部606が臨む側と同じ側に臨む表面611aに実装されており、表面611aが、本発明の「第1基材部の表面」の一例に相当する。駆動用ドライバ611は、後に詳細に説明するようにライン方向に沿って図中矢印で示す右側に向かってデータを転送する。
【0073】
COF620の夫々には、第2の発明に係る「第2回路部」の一例である駆動用ドライバ621が設けられている。駆動用ドライバ621は、COF620がプリンタヘッド601に対して図中上側に引き出された状態で、COF620の両面のうち図中手前側の面、即ちプリンタヘッド601における画素部606が臨む側と同じ側に臨む表面621aに実装されている。駆動用ドライバ621は、後に詳細に説明するようにライン方向に沿って図中矢印で示す右側、即ち駆動用ドライバ611がデータを転送する方向と同じ方向に各種信号を転送する。ここで、各種信号とは、データ、コマンド信号、制御信号等のプリンタヘッド601の各種動作及び画素部の発光を制御する信号である。
【0074】
図17は、図16に示したプリンタヘッド601を裏面側から見た図式的平面図である。図17において、COF610及び620は、プリンタヘッド601における裏面612の縁に沿って夫々配置されている。図17の下側が図16の上側に対応している。したがって、図17に示すように、COF610及び620は、プリンタヘッド601のライン方向に沿った両縁の夫々に沿った領域に接続された状態で図中下側に引き出されている。
【0075】
図18は、プリンタヘッド601に接続されるCOF610及び620の接続状態を示す斜視図である。尚、図18では、図16及び図17におけるCOF610及びCOF620を一つずつ図示している。
【0076】
図18において、第2の発明に係る「第1ヘッド側接続用端子」の一例である複数の接続パッド631と、第2の発明に係る「第2ヘッド側接続用端子」の一例である複数の接続パッド641とが、プリンタヘッド601の裏面612に設けられている。接続パッド631は、裏面612における縁632に沿った領域に設けられており、接続パッド641は、裏面612における縁642に沿った領域に設けられている。縁632及び642は、裏面612におけるライン方向に沿って延びる縁である。接続パッド631及び641の夫々は、プリンタヘッド601に設けられた不図示の配線を介して画素部に電気的に接続されている。
【0077】
COF610は、第2の発明に係る「第1接続手段」を構成する複数の第1接続部617、第2の発明に係る「第2接続手段」を構成する複数の第2接続部616、駆動用ドライバ611、及び配線部618を備えている。
【0078】
第1接続部617は、COF610の表面611aに露出するようにCOF610の一端に設けられている。COF610及びプリンタヘッド601は、第1接続部617が接続パッド631と圧着されることによって電気的に接続される。尚、図中COF610を一つだけ示しているが、図16及び17に示したように縁632に沿って設けられた他のCOF610も同様にしてプリンタヘッド601と電気的に接続される。
【0079】
第2接続部616は、COF610の他端に設けられている。第1接続部617及び第2接続部616は、表面611aに設けられた駆動用ドライバ611及び配線部618を介して電気的に接続されている。第2接続端子616aから供給された各種信号のうち画素部606を駆動するための駆動信号は、駆動用ドライバ611が備えるシフトレジスタによって複数の第1接続部617の夫々に送られ、第1接続部617に電気的に接続された複数の接続パッド631を介して画素部606に供給される。第2接続部616aに供給された各種信号は、駆動用ドライバ611から各画素部に駆動信号が供給された後、再び第2接続部616bから不図示のPCBに送られる。
【0080】
第3接続部627は、COF620の表面621aに露出するようにCOF620の一端に設けられている。ここで、一端とは、COF620及びプリンタヘッド601を接続する際に、プリンタヘッド601から不図示のPCBに延在するように配置されるCOF620の両端のうちプリンタヘッド601側に臨む端である。表面621aは、COF620の両面のうち駆動用ドライバ621が設けられている側の面である。表面621aは、COF620及びプリンタヘッド601を接続する際にプリンタヘッド601の裏面612に臨む。COF620及びプリンタヘッド601は、第3接続部627が接続パッド641と圧着されることによって電気的に接続される。尚、図中COF620を一つだけ示しているが、図16及び図17に示したように縁642に沿って設けられた他のCOF620も同様にしてプリンタヘッド601と電気的に接続される。
【0081】
第4接続部626は、COF620の他端に設けられている。第3接続部627及び第4接続部626は、表面621aに設けられた駆動用ドライバ621及び配線部628を介して電気的に接続されている。第4接続端子626aから供給された各種信号のうちプリンタヘッド601の画素部を駆動するための駆動信号の元になるデータは、駆動用ドライバ621が備えるシフトレジスタによって複数の第3接続部627の夫々に送られ、第3接続部627に電気的に接続された複数の接続パッド641を介して画素部に供給される。第4接続部626aに供給された各種信号は、駆動用ドライバ621から各画素部に駆動信号が供給された後、再び第4接続部626bから不図示のPCBに送られる。
【0082】
図19は、プリンタヘッド601及びPCB650が接続構造600によって電気的に相接続されることによって構成されるプリンタヘッドユニット800の図式的断面図である。
【0083】
図19において、COF610は、表面611aがプリンタヘッド601から見て外側を向くように配置された状態でプリンタヘッド601及びPCB650を電気的に接続している。より具体的には、表面611aに露出するようにCOF610の一端に設けられた第1接続部617が、プリンタヘッド601に設けられた接続パッド631に電気的に接続され、第2接続部616が、コネクタ656に含まれる接続パッド657に電気的に接続されている。接続パッド657は、第2の発明に係る「第1基板側接続用端子」の一例に相当する。
【0084】
COF620は、表面621aがプリンタヘッド601から見て内側を向くように配置された状態でプリンタヘッド601及びPCB650を電気的に接続している。表面621aに露出するようにCOF620の一端に設けられた第3接続部627は、プリンタヘッド601に設けられた接続パッド641に電気的に接続されている。ここで、駆動用ドライバ611は、表面611aだけに実装可能であり、COF610の裏面611bには実装できない。また、駆動用ドライバ621は、表面621aだけに実装可能であり、COF620の裏面621bには実装できない。また、コネクタ666の接続部658に第4接続部626が電気的に接続されている。したがって、接続構造600によれば、駆動用ドライバ611及び621として同じ仕様の素子を用いた場合でも、COF610及び620の夫々の表面611a及び621aに駆動用ドライバ611及び621を実装した状態で、図中手前側に向かうライン方向に沿った一方向にデータを転送できる。
【0085】
本実施形態の接続構造600によれば、図6乃至図8を参照して説明したデータの流れと同様のデータを転送することができ、第1実施形態の接続構造と同様に、制御回路によるデータの制御が簡便であり、且つPCBに設けられる配線の構成も簡単であり、PCB及び制御回路に要するコストを低減できる格別な効果を奏することになる。加えて、COFをプリンタヘッドの両側に接続する接続方法を変更することによって、COFに実装される駆動用ドライバの構成を変更することもなく、従来から用いられていた単方向にデータを転送する駆動用ドライバ及びこれが実装されたCOFの構成を殆ど変更することなく、そのまま用いることが可能である。
【0086】
尚、第1実施形態及び第2実施形態では、第1基材部及び第2基材部としてCOFを例に挙げて説明しているが、第1基材部及び第2基材部として、TCP、フレキシブルフラットケーブル(FFC)、フレキシブルプリント基板(FPC)等の他の接続手段を用いることも可能である。
【0087】
(プリンタ)
次に、図20を参照しながら、本発明に係る画像形成装置の一例であるプリンタの構成を説明する。図20は、プリンタ1000の構成を図式的に示した図式的断面図である。尚、以下の実施形態では、プリンタユニット1500をYMCK用に4つ備えたカラープリンタを例に挙げて説明する。
【0088】
図20において、プリンタは、YMCK用の4つの画像形成ユニット1001Y、1001M、1001C及び1001Kを備え、これらのユニットは夫々、本発明に係る「感光体」の一例たる感光ドラム1002と、その周囲に順に配置されたクリーナ1011、帯電器1012、プリンタヘッドユニット1500、及び本発明に係る「現像手段」の一例たる現像器1013を備えて構成されている。尚、プリンタヘッドユニット1500は、上述の本発明に係る接続構造を備えている。
【0089】
次に本実施形態のプリンタ1000の構成をその動作と共に説明する。
【0090】
図20において、クリーナ1011により、前回のサイクルで感光ドラム1002の表面に残ったトナーが除去された後、今回のサイクル用に帯電器1012によって、コロナ放電等により感光ドラム1002の表面が帯電される。続いて、上述した実施形態のプリンタヘッドユニット1500によるデータ信号に応じた露光によって、感光ドラム1002の表面にデータ信号に応じた静電潜像が形成される。続いて、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)及びK(黒)のうち、各ユニットに対応する色のトナーを用いることで、現像器1013による現像が行われ、感光ドラム1002の表面には、トナー付着による可視像たるトナー画像の形成が行われる。他方、転写ベルト1020は、ローラ1021、1022等により回動されている。そして、各感光ドラム1002に対向する転写位置にて、転写ローラ1014で裏側から押された形で、感光ドラム1002上のトナー画像が転写ベルト1020上に転写される。この転写されたトナー画像は、搬送装置1030により搬送されるコピー用紙等の用紙上に更に転写される。そして、不図示の定着装置等を介して、排出トレー上に画像形成済みの用紙が排出される。
【0091】
以上説明したように本実施形態のプリンタ1000は、上述した本発明に係る接続構造を備えたプリンタヘッド1500を有するので、プリンタ1000に要するコストを低減できる。よって、本実施形態の如きプリンタヘッド1500を適用することは、大変有利である。
【0092】
尚、本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う接続構造、及びこれを備えたプリンタ等の画像形成装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】第1実施形態の接続構造が適用されるプリンタヘッド1を発光面側から見た図式的平面図である。
【図2】第1実施形態の接続構造が適用されるプリンタヘッド1を裏面側から見た図式的平面図である。
【図3】プリンタヘッド1に接続されるCOF10及び20の接続状態を示す斜視図である。
【図4】プリンタヘッド1及びPCB50を電気的に接続した接続状態を示す図式的平面図である。
【図5】図4のA−A´線断面図である。
【図6】第1実施形態の接続構造8を介した各種信号の流れを模式的に示したブロック図である。
【図7】PCB50に入力される各種信号の経路を構成する各部を示したブロック図である。
【図8】制御回路80の前後のデータ構造を模式的に示した図である。
【図9】従来の接続構造100が適用されたプリンタヘッド101を発光面側から見た図式的平面図である。
【図10】従来の接続構造100が適用されたプリンタヘッドを裏面側から見た図式的平面図である。
【図11】従来の接続構造300を用いた場合のデータの流れの一例を模式的に示した図である。
【図12】図11に示すデータの元データ及びPCBに入力される入力データの構造を模式的に示した図である。
【図13】従来の接続構造500を用いた場合のデータの他の流れを模式的に示した図である。
【図14】図13における元データ及びPCBに入力される入力データの構造を模式的に示した図である。
【図15】PCB550に入力される各種信号の従来の経路を構成する各部を示したブロック図である。
【図16】第2実施形態の接続構造600が適用されるプリンタヘッド601を発光面側から見た図式的平面図である。
【図17】図16に示したプリンタヘッド601を裏面側から見た図式的平面図である。
【図18】プリンタヘッド601に接続されるCOF610及び620の接続状態を示す斜視図である。
【図19】プリンタヘッド601及びPCB650が接続構造600によって電気的に相接続されることによって構成されるプリンタヘッドユニット800の図式的断面図である。
【図20】プリンタ1000の構成を図式的に示した図式的断面図である。
【符号の説明】
【0094】
1,101,301,501,601・・・プリンタヘッド、8,100,300,500,600・・・接続構造、10,20,110,120,310,320,510,520,610,620・・・COF

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライン状に配列された複数の発光部を備えたラインヘッドの裏面における前記発光部の配列方向に沿って延びる一方の縁に沿った領域に設けられた複数の第1ヘッド側接続用端子及び他方の縁に沿った領域に設けられた複数の第2ヘッド側接続用端子と、前記配列方向に沿って延在するように配置された基板の基板面に設けられた複数の第1基板側接続用端子及び複数の第2基板側接続用端子とを電気的に相接続する接続構造であって、
前記第1ヘッド側接続用端子から前記第1基板側接続用端子に向かって延びる複数の第1基材部と、
該第1基材部の一端に設けられており、前記第1基材部の表面に露出すると共に前記複数の第1ヘッド側接続用端子と電気的に接続される複数の第1接続部を含む第1接続手段と、
前記第1基材部の他端に設けられており、前記複数の第1基板側接続用端子と電気的に接続される第2接続部を含む第2接続手段と、
前記複数の第1基材部の夫々の表面に設けられており、前記第1接続部及び前記第2接続部を、前記第1基板側接続用端子を介して供給される各種信号を前記配列方向に沿った一方向に転送しつつ、前記複数の発光部のうち前記第1基材部に対応する発光部に駆動信号を供給する第1回路部及び第1配線部を介して相接続する第1電気部と、
前記第2ヘッド側接続用端子から前記第2基板側接続用端子に向かって延びており、前記配列方向に沿って前記複数の第1基材部の夫々に対してずらして配置された複数の第2基材部と、
該第2基材部の一端に設けられており、前記第2基材部の裏面に露出すると共に前記第2ヘッド側接続用端子と電気的に接続される複数の第3接続部を含む第3接続手段と、
前記第2基材部の他端に設けられており、前記第2基板側接続用端子と電気的に接続される複数の第4接続部を含む第4接続手段と、
前記複数の第2基材部の夫々の表面に設けられており、前記第3接続部及び前記第4接続部を、前記第2基板側接続用端子を介して供給される各種信号を前記一方向に転送しつつ、前記複数の発光部のうち前記第2基材部に対応する発光部に駆動信号を供給する第2回路部及び第2配線部を介して相接続する第2電気部とを備え、
前記各種信号は、前記配列方向に沿って前記第1回路部及び前記第2回路部間で順次転送されること
を特徴とする接続構造。
【請求項2】
ライン状に配列された複数の発光部を備えたラインヘッドの裏面における前記発光部の配列方向に沿って延びる一方の縁に沿った領域に設けられた複数の第1ヘッド側接続用端子及び他方の縁に沿った領域に設けられた複数の第2ヘッド側接続用端子と、前記配列方向に沿って延在するように配置された基板の基板面に設けられた複数の第1基板側接続用端子及び複数の第2基板側接続用端子とを電気的に相接続する接続構造であって、
前記第1ヘッド側接続用端子から前記第1基板側接続用端子に向かって延びる複数の第1基材部と、
該第1基材部の一端に設けられており、前記第1基材部の表面に露出すると共に前記複数の第1ヘッド側接続用端子と電気的に接続される複数の第1接続部を含む第1接続手段と、
前記第1基材部の他端に設けられており、前記複数の第1基板側接続用端子と電気的に接続される第2接続部を含む第2接続手段と、
前記複数の第1基材部の夫々の表面に設けられており、前記第1接続部及び前記第2接続部を、前記第1基板側接続用端子を介して供給される各種信号を前記配列方向に沿った一方向に転送しつつ、前記複数の発光部のうち前記第1基材部に対応する発光部に駆動信号を供給する第1回路部及び第1配線部を介して相接続する第1電気部と、
前記第2ヘッド側接続用端子から前記第2基板側接続用端子に向かって延びており、前記配列方向に沿って前記複数の第1基材部の夫々に対してずらして配置された複数の第2基材部と、
該第2基材部の一端に設けられており、前記第2基材部の表面に露出すると共に前記第2ヘッド側接続用端子と電気的に接続される複数の第3接続部を含む第3接続手段と、
前記第2基材部の他端に設けられており、前記第2基板側接続用端子と電気的に接続される複数の第4接続部を含む第4接続手段と、
前記複数の第2基材部の夫々の表面に設けられており、前記第3接続部及び前記第4接続部を、前記第2基板側接続用端子を介して供給される各種信号を前記一方向に転送しつつ、前記複数の発光部のうち前記第2基材部に対応する発光部に駆動信号を供給する第2回路部及び第2配線部を介して相接続する第2電気部とを備え、
前記第1基材部及び第2基材部の夫々は、前記第1基材部の表面及び前記第2基材部の表面が同じ側に臨むように配置され、
前記各種信号は、前記配列方向に沿って前記第1回路部及び前記第2回路部間で順次転送されること
を特徴とする接続構造。
【請求項3】
前記基板は、前記第1基板側接続端子及び前記第2基板側接続端子間を電気的に接続する基板側配線部を備えたこと
を特徴とする請求項1又は2に記載の接続構造。
【請求項4】
前記第1基材部及び前記第2基材部は、COF又はTCPであること
を特徴とする請求項1から3に記載の接続構造。
【請求項5】
前記第1基材部及び前記第2基材部上には、前記ラインヘッドを駆動するドライバICが実装されていること
を特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の接続構造。
【請求項6】
請求項1から4の何れか一項に記載の接続構造を備えたプリンタヘッドユニットと、
感光体と、
前記プリンタヘッドユニットによる露光によって前記感光体に形成された静電潜像を現像することによって可視像を形成する現像手段と、
前記形成された可視像を記録媒体上に転写する転写手段とを備えたこと
を特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2006−218728(P2006−218728A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−34205(P2005−34205)
【出願日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】