説明

接続構造

【課題】携帯無線機を簡易に組立及び分解でき、コネクタとRADIO基板とを強固に接続できる携帯無線機における接続構造を提供すること。
【解決手段】接続構造27は、アンテナを携帯無線機10に接続する接続部であるコネクタ23と、携帯無線機10のデータを処理するRADIO基板25とを接続する。接続構造27は、RADIO基板25と、コネクタ23とが固定され、コネクタ23とRADIO基板25とを接続する接続部材である接続端子33とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナを携帯無線機に接続するための接続部と、電気回路を搭載するRADIO基板とを接続する携帯無線機における接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に携帯型で無線を用いる携帯無線機は、音声を含むデータを無線によって送受信する送受信部であるアンテナと、アンテナを携帯無線機に接続するための接続部であるコネクタと、各種の音声データや制御データ等を処理する電気回路を搭載するRADIO基板とを有している。
【0003】
このような携帯無線機は、例えば業務用に用いられ、屋外、または屋外に準ずる環境にて使用されるため、無線通話の観点から、携帯無線機ではコネクタとRADIO基板との接続性が特に重要視されている。そのため図4Aと図4Bとに示すように、携帯無線機は、コネクタ123とRADIO基板125とを接続する接続構造127を有している。
【0004】
図4Aに示す接続構造127において、コネクタ123は、同軸ピン141によってRADIO基板125に固定され、RADIO基板125にハンダ付けされる。このように接続構造127は、コネクタ123とRADIO基板125とを接続している。
【0005】
また図4Bに示す接続構造127において、RADIO基板125には、板金部品125aがハンダ付けされている。またコネクタ123には、コネクタ123と同軸の図示しないプローブピンが配設されている。このプローブピンは、バネ圧によって板金部品125aに圧接されている。接続構造127は、プローブピンを板金部品125aに圧接することで、コネクタ123とRADIO基板125とを接続している。
【0006】
例えば特許文献1には、誘電性のカバーと絶縁シートとの固定を容易にし、電子部品を実装された実装基板と、誘電性のカバーとを絶縁する電子装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−214303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した図4Aに示す接続構造127において、携帯無線機を組み立てる際にはコネクタ123をRADIO基板125にハンダ付けする必要があり、携帯無線機を分解する際にはコネクタ123とRADIO基板125とにおけるハンダを取り除く必要がある。このように、携帯無線機の組立及び分解には、ハンダ小手を使用する必要がある。そのために、携帯無線機を組立及び分解する際に手間がかかる。また携帯無線機が屋外または屋外に準ずる環境にて使用される場合には衝撃等により、ハンダが外れてしまう虞が生じ、接続が不安定となり、携帯無線機の無線性能が低下してしまう虞が生じる。
【0009】
また上述した図4Bに示す接続構造127において、ハンダ小手は、板金部品125aをRADIO基板125に取り付ける場合にのみ使用され、携帯無線機を分解する際はプローブピンと板金部品125aとの圧接を解除するだけでよいために不要となる。そのため携帯無線機を組立及び分解する際の手間は、緩和する。
しかしながら、コネクタ123とRADIO基板125との接続は、プローブピンによるバネ圧のみであるために、接続が不安定となり、携帯無線機の無線性能が低下してしまう虞が生じる。
【0010】
そのため本発明は、上記事情に鑑み、携帯無線機を簡易に組立及び分解でき、コネクタとRADIO基板とを強固に接続できる携帯無線機における接続構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は目的を達成するために、アンテナを携帯無線機に接続する接続部と、前記携帯無線機のデータを処理する基板とを接続する接続構造であって、前記基板と前記接続部とが固定され、前記接続部と前記基板とを接続する接続部材とを具備することを特徴とする接続構造を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、携帯無線機を簡易に組立及び分解でき、コネクタとRADIO基板とを強固に接続できる携帯無線機における接続構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は本実施形態における携帯無線機を示す図であり、図1(A)は携帯無線機の正面図、図1(B)は携帯無線機の側面図、図1(C)は携帯無線機の上面図である。
【図2】図2は、本実施形態におけるRADIO基板を示す図であり、図2(A)はRADIO基板の正面図、図2(B)は図2(A)の2B−2B線におけるRADIO基板の断面図、図2(C)は図2(B)における円2Cにおける拡大図であり、接続構造を示す図である。
【図3】図3は、図2(C)に示す接続構造とは異なる接続構造を示す図である。
【図4A】図4Aは、第1の一般的な接続構造を示す図である。
【図4B】図4Bは、第2の一般的な接続構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図1と図2とを参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1に示すような携帯無線機10は、携帯型であり、無線を用い、例えば業務用に用いられ、屋外、または屋外に準ずる環境にて使用される。
【0015】
このような携帯無線機10は、例えば細長い直方体形状を有している。
図1に示すように、携帯無線機10は、無線によって音声を含むデータを送受信する図示しない送受信部である図示しないアンテナと、無線によって受信した音声を出力する音声出力部であるスピーカ15と、無線によって送受信されたデータや、圏内や圏外といった無線を使用する状態を表示する表示部であるモニタ17と、携帯無線機10を操作するスイッチ及びつまみなどの操作部19と、無線によって音声を送信するために音声を入力する音声入力部である図示しないマイクとを有している。
【0016】
図示しないアンテナは、携帯無線機10の頭頂部である上面10aの例えば左端に着脱自在となっている。そのため携帯無線機10は、左端にて、アンテナを携帯無線機10に接続するための接続部であるコネクタ23を有している。
【0017】
図2に示すように、携帯無線機10は、各種の音声データや制御データ等を処理する図示しない電気回路を搭載するRADIO基板25を有している。
【0018】
上述したように携帯無線機10は、例えば業務用に用いられ、屋外、または屋外に準ずる環境にて使用されるため、無線通話の観点から、携帯無線機10ではコネクタ23とRADIO基板25との接続性が特に重要視されている。そのため携帯無線機10は、コネクタ23とRADIO基板25とを接続する接続構造27を有している。
【0019】
図2(C)に示すように、接続構造27は、ネジ等の固定部材29によってRADIO基板25に固定され、ネジ等の固定部材31によってコネクタ23が固定され、コネクタ23とRADIO基板25とを接続する接続部材である接続端子33を有している。
【0020】
つまり接続端子33にはコネクタ23とRADIO基板25とが固定され、コネクタ23とRADIO基板25とは、接続端子33によって互いに接続している。固定部材29は、RADIO基板25からコネクタ23に向って挿入し、RADIO基板25に接続端子33を固定する。また固定部材31は、接続端子33からコネクタ23に向って挿入し、接続端子33にコネクタ23を固定する。
【0021】
接続端子33は、例えばL字形状を有しており、例えば接続端子33の先端部において固定部材29によってRADIO基板25の上端部と接続し、接続端子33の基端部において固定部材31によってコネクタ23の底面部と接続している。
【0022】
接続端子33は、金属製であり、コネクタ23とRADIO基板25とを電気的に導通させる。
【0023】
接続端子33は、フレキシブル性を有しており、携帯無線機10が机などから落下し、携帯無線機10に衝撃が生じた際に、コネクタ23とRADIO基板25とが衝撃によって損傷することを防止するために、衝撃を吸収することができる。つまり接続端子33は、外部から生じた衝撃を吸収する衝撃吸収部材となる。
【0024】
次に本実施形態の動作方法について説明する。
図2(C)に示すように、RADIO基板25には、固定部材29によって接続端子33が固定される。この接続端子33には、固定部材31によってコネクタ23が固定される。この固定の順序は、特に限定されない。このように接続構造27は、コネクタ23とRADIO基板25とを接続端子33によって接続する。これにより携帯無線機10は組み立てられる。
【0025】
また衝撃が携帯無線機10に生じた際、衝撃は接続端子33によって吸収され、接続端子33は、コネクタ23とRADIO基板25とが衝撃によって損傷することを防止する。
【0026】
また固定部材29,31を取り外すことで、コネクタ23とRADIO基板25とは分解される。
【0027】
このように本実施形態では、固定部材29,31と接続端子33とによって、携帯無線機10を簡易に組立及び分解でき、コネクタ23とRADIO基板25とを強固に接続することができる。
【0028】
また本実施形態では、ネジなどの固定部材29,31を用いるために、ハンダ小手が不要となり、携帯無線機10を素早く組立及び分解することができる。また本実施形態では、このような固定部材29,31を用いるために、再利用、メンテナンス、交換、クリーニングなど、コネクタ23とRADIO基板25との用途を広げることができる。
【0029】
また本実施形態では、固定部材29,31と接続端子33とによって、コネクタ23とRADIO基板25とを強固に接続することができるため、接続を安定させることができ、接続構造27が携帯無線機10の性能に影響を及ぼすことを防止することができる。これにより本実施形態では、携帯無線機10の無線性能が低下することを防止することができる。
【0030】
また本実施形態では、携帯無線機10が机などから落下し、衝撃が携帯無線機10に生じても、接続端子33がこの衝撃を吸収するために、コネクタ23とRADIO基板25とが衝撃によって損傷することを防止できる。
【0031】
なお接続端子33は、図3に示すように基端部においてさらに折り曲げられ、固定部材31は接続端子33の基端部をコネクタ23の側面に固定してもよい。この場合、固定部材29と固定部材31とを同じ向きで差し込むことができるために、コネクタ23と接続端子33の固定の手間と、RADIO基板25と接続端子33の固定の手間とを省くことができる。
【0032】
本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。
【符号の説明】
【0033】
10…携帯無線機、10a…上面、15…スピーカ、17…モニタ、19…操作部、23…コネクタ、25…RADIO基板、27…接続構造、29,31…固定部材、33…接続端子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナを携帯無線機に接続する接続部と、前記携帯無線機のデータを処理する基板とを接続する接続構造であって、
前記基板と前記接続部とが固定され、前記接続部と前記基板とを接続する接続部材とを具備することを特徴とする接続構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【公開番号】特開2011−176623(P2011−176623A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−39178(P2010−39178)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】