説明

接続用溶接金網部付中空胴縁およびこれを備えた金網並びにフェンス

【課題】続用溶接金網部付胴縁およびこれを備えた胴縁付き金網並びにフェンスを提供する。
【解決手段】中空胴縁34に部材長手方向に間隔をおいて脚部31が複数設けられ、各脚部31に渡って、固定用横線材37が溶接により固定されて、中空胴縁34に接続用溶接金網部29が設けられ、前記中空胴縁34には、前記接続用溶接金網部29の前面側および背面側からの線材挿入可能な線材挿入部35が形成され、前記線材挿入部35は、中空胴縁内の中空部38に接続している接続用溶接金網部付き中空胴縁34とする。前記接続用溶接金網部付き中空胴縁と平行四辺形に変形可能な金網とを接続して一体化した接続用溶接金網部付き中空胴縁を備えた金網とし、その胴縁付き金網28が、複数の支柱間に配置されて固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続用溶接金網部付中空胴縁およびこれを備えクリンプされた線材を使用した胴縁付き金網並びにフェンスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、JIS規格のクリンプ金網はフェンス用としては、使用されることがあまりなかった。というのは、クリンプ金網は、縦線と横線が隣接する波形凹凸部分に配置する構成ではなく、複数の凹凸部分を隔てた一定ピッチのピッチでかなり細かく編成されており、縦横線材同士の拘束力が強く、わずかな傾斜地にしか対応することができなかった。また、傾斜地に対応できるように、大きなピッチで編成すると平行四辺形に変形可能で、傾斜地には対応できるが、線材同士の拘束力が少なく、たやすく線材がずれて、金網が崩れてしまう欠点があったからである。また、かなり密に編んでいるクリンプ金網フェンスもあるが、線材同士の拘束力が強く、わずかな傾斜地にしか対応できなかったし、密に編んだことによる景観性を目的としたフェンスであった。このクリンプ金網を傾斜地に設置するには、縦線と横線をある程度の間隔をあけて格子状に編み込み、かつ平行4辺形を保って変形自在に構成し、製作時は長方形に編成した金網を施工時に平行四辺形を保って上下辺が傾斜するように変形させて傾斜地に設置するものである。
【0003】
傾斜地対応型のクリンプ金網は前記のように編成するが、この場合、平行四辺形を保って変形可能に縦線と横線を編成するためには、その交差部にある程度の自由度を確保する必要がある。このため縦線と横線は、隣接する波形凹凸部分に配置する構成ではなく、複数の凹凸部分を隔てて位置するように編成されている。
【0004】
傾斜地対応型の金網を用いたフェンスは、本出願人によって出願されて公開されている。前記の金網として、クリンプ加工が施されて連続して波形凹凸部分を形成した線材を縦線及び横線として使用し、これらの線材の波形凹凸部分を利用して特定の網目に編成した金網を用いて平地や傾斜地に設置可能としたフェンスである(例えば、特許文献1参照)。
前記のフェンスに用いられる金網は、図22〜図24に示すような金網(フェンス本体)1であり、その金網1の特徴としては、波形凹凸部分4,5が形成された縦線2と横線3が各々縦横平行に配置されて形成されており、前記縦線2は、隣接する半ピッチずれた2本線以上の横線3の凹凸部分に通されて係合され、この2本線以上の横線3を1組として、前記横線の組の上、および下の横線の組が互いに3ピッチ以上離れている。
前記金網1は、波形凹凸部分4,5が形成された縦線2と横線3が縦横平行に配置され、図25(a)に示すように平地に設置する矩形状形態の金網1としたり、図25(b)に示すように傾斜地に設置する平行四辺形に変形した状態の金網とすることが可能な金網1とされている。
【0005】
すなわち、前記の傾斜地対応型の金網1を用いたフェンスは、クリンプ状に波形凹凸部分を形成した線材を縦線2及び横線3に用い、この線材の波形凹凸部分を利用して特定の網目に編成した金網1を用いて平地や傾斜地に設置可能としたフェンスにおいて、前記金網は波形凹凸部分が形成された縦線2と横線3が縦横平行に配置され、金網1が平行四辺形に変形可能になっている。
また、図27および図28に示すように、上部胴縁12には、アングル材が用いられ、上部胴縁12を支柱8に上向きに切起こした爪13に係止し、上部胴縁12の水平部は、支柱8の上部を横方向に貫通する取り付けボルト14の先端に設けられた胴縁取付金具15にて係止されている。フェンス本体の2本1組の上部横線3a,3aは、図27に示すように、上部胴縁12の垂直部の内側面が当てがわれ、隣り合う中間部縦線2bの間において、金網取付金具16にて押えられ、貫通ボルト17を介して上部胴縁12に固定されている。また、上部胴縁12の端部は段差部のある一方の上部胴縁12の端部に重ね合わせ、固定ボルト18にて固定することで、フェンスの設置長さに渡って連続して設けられている。
【0006】
また、フェンス本体に筒縁を金属製巻付形止具で固定する構造もある(例えば、特許文献2参照)。
また、フェンス本体に胴縁をボルトとナットを利用した締め付け金具で固定する構造もある(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−152616号公報
【特許文献2】実公平03−49250号公報
【特許文献3】特開2000−336981号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記従来の場合は、縦線端部と横線を上部胴縁12に固定する構造であるので、上部胴縁12を予め金網に取り付けておくと自由に道路縦断勾配等の傾斜に対応できないことから、設置場所にて現地取り付けとなるため施工性が悪いという問題があった。
特に、この種のフェンスは、現地取り付けのため、例えば、山間部等人が立ち入らない場所では、胴縁を取り付けずにフェンスを使用していることがあり、十分な強度が得られないという問題があった。
また、クリンプされた線材を使用した金網のため、横線から縦線上端部が突起物として飛び出しており、これに引っ掛けて怪我をする恐れがあるため、上部胴縁12の水平部の下面側に隠すように配置することで、縦線端部に引っ掛けて怪我をすることのないように工夫している。
クリンプされた線材を使用した金網は、前記の突起物をなくすと、線材相互が外れやすく網としての機能がなくなってしまう。また、突起物を交互に折り曲げて安全性を向上することも可能であるが、手間がかかる上に、金網の自在性にかけてしまうため自由に傾斜に対応できなという問題がある。
前記のクリンプされた線材を使用した金網だけでは、予め胴縁が付いている金網に比べ、剛性が比較的低く、柔軟に金網の面外方向に変形して動くので、持ち運び難いという問題があった。
また、前記従来の上部胴縁12を予め金網に取り付けておくと、金網を平行四辺形に変形させて、自由に道路縦断勾配等の傾斜に対応できないことから、設置場所にて現地取り付けとなりフェンスを組み立てる場合の施工性が悪いという問題があった。
本発明は前記の課題を有利に解消した接続用溶接金網部付胴縁およびこれを備えた胴縁付き金網並びにフェンスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の課題を有利に解決するために、第1発明の接続用溶接金網部付き中空胴縁では、中空胴縁に部材長手方向に間隔をおいて脚部が複数設けられ、各脚部に渡って、固定用横線材が溶接により固定されて、中空胴縁に接続用溶接金網部が形成され、前記中空胴縁には、前記接続用溶接金網部の前面側および背面側からの線材挿入可能な線材挿入部が設けられ、前記線材挿入部は、中空胴縁内の中空部に接続していることを特徴とする。
また、第2発明では、第1発明の接続用溶接金網部付き中空胴縁において、縦線材および横線材を格子状に配置し交差部を溶接により固定した溶接金網における各縦線材がリング状に曲げ加工されて中空胴縁が形成され、その中空胴縁における胴縁巾方向に間隔をおいて隣り合う横線材と胴縁長手方向に間隔をおいて隣り合うリング状に曲げ加工された縦線材とに囲まれた部分により、線材挿入部の開口が形成されていることを特徴とする。
第3発明では、第1発明または第2発明の接続用溶接金網部付き中空胴縁において、固定用横線材には、波形凹凸部分が形成された線材が用いられていることを特徴とする。
第4発明では、第1発明〜第3発明のいずれかの接続用溶接金網部付き中空胴縁において、縦線材および横線材を格子状に配置し交差部を溶接により固定した溶接金網の一端側がリング状に曲げ加工が施されて中空胴縁が形成され、他端側が接続用溶接金網部とされていることを特徴とする。
第5発明の接続用溶接金網部付き中空胴縁を備えた金網においては、第1発明〜第4発明のいずれかの接続用溶接金網部付き中空胴縁における前記接続用溶接金網部の前面側および背面側に、波形凹凸部分が形成された線材を使用し平行四辺形に変形可能な金網における隣り合う縦線材の接続用アームを弾性変形させて、胴縁長手方向に間隔をおいて前記接続用金網部に対してその前面側または背面側に交互に配置すると共に、交互に配置された隣り合う縦線材の接続用アームによる弾性把持力により前記接続用溶接金網における固定用横線材を把持して、前記接続用溶接金網部付き中空胴縁と平行四辺形に変形可能な金網とを接続して一体化し、その接続用溶接金網における固定用横線材を把持している前記各縦線材の接続用アームが、前記中空胴縁における中空部に挿入配置されていることを特徴とする。
第6発明の接続用溶接金網部付き中空胴縁を備えた金網においては、第3発明または第4発明の接続用溶接金網部付き中空胴縁における前記接続用溶接金網部の前面側および背面側に、波形凹凸部分が形成された線材を使用し平行四辺形に変形可能な金網における隣り合う縦線材の接続用アームを胴縁長手方向に間隔をおいて前記接続用金網部に対してその前面側または背面側に交互に配置すると共に、交互に配置された隣り合う縦線材の接続用アームにより前記接続用溶接金網部における固定用横線材を編み込んで、前記接続用溶接金網部付き中空胴縁と平行四辺形に変形可能な金網とを接続して一体化し、その接続用溶接金網における固定用横線材を編み込んでいる前記各縦線材の接続用アームが、前記中空胴縁における中空部に挿入配置され、前記接続用溶接金網部における先端側および基端側の複数の固定用横線材に対して、先端側の固定用横線材の前面側から配置された縦線材の接続用アームは、間隔をおいて隣接する基端側の固定用横線材の背面側に配置されていることを特徴とする。
第7発明では、第5発明または第6発明の接続用溶接金網部付き中空胴縁を備えた金網において、接続用アームに亘って配置され波形凹凸が形成された移動用横線材が接続用金網部側よりに移動されて、前記接続用金網部に近接配置されていることを特徴とする。
第8発明のフェンスでは、第5発明〜第7発明のいずれかの接続用溶接金網部付き中空胴縁を備えた金網が、複数の支柱間に配置されて固定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
第1発明によると、中空胴縁に部材長手方向に間隔をおいて脚部が複数設けられ、各脚部に渡って、固定用横線材が溶接により固定されて、中空胴縁に接続用溶接金網部が形成され、前記中空胴縁には、前記接続用溶接金網部の前面側および背面側からの線材挿入可能な線材挿入部が設けられ、前記線材挿入部は、中空胴縁内の中空部に接続しているので、中空胴縁の長手方向に交差する金網における縦線材を線材挿入部から中空胴縁内に配置することができ、また、接続用溶接金網部に金網縦線材の端部を弾性的に把持させてことができるため、金網との接続が容易であると共に、金網における縦線材の端部を容易に中空胴縁内に配置することができる効果が得られる。
また、金網が傾斜して縦線材の端部が中空胴縁に対して胴縁長手方向に相対的に移動する場合でも、これを許容する中空胴縁とすることができる。
第2発明によると、さらに、縦線材および横線材を格子状に配置し交差部を溶接により固定した溶接金網における各縦線材がリング状に曲げ加工されて中空胴縁が形成され、その中空胴縁における胴縁巾方向に間隔をおいて隣り合う横線材と胴縁長手方向に間隔をおいて隣り合う横線材に囲まれた部分により、線材挿入部の開口が形成されているので、胴縁巾方向に隣り合う横線材と胴縁長手方向に隣り合うリング状に曲げ加工された縦線材とにより、線材挿入部の開口を簡単に形成することができる等の効果が得られる。
第3発明によると、さらに、固定用横線材には、波形凹凸部分が形成された線材が用いられているので、金網側における縦線材の端部を波形凹凸部分における凹部に配置して、縦線材の固定横線材長手方向へのずれ移動を拘束することができる効果が得られる。
第4発明によると、さらに、縦線材および横線材を格子状に配置し交差部を溶接により固定した溶接金網の一端側がリング状に曲げ加工が施されて中空胴縁が形成され、他端側が接続用溶接金網部とされているので、線材を用いた軽量な接続用溶接金網部付き中空胴縁とすることができる効果が得られる。
第5発明によると、前記の接続用溶接金網部付き中空胴縁における前記接続用溶接金網部の前面側および背面側に、波形凹凸部分が形成された線材を使用し平行四辺形に変形可能な金網における隣り合う縦線材の接続用アームを弾性変形させて、胴縁長手方向に間隔をおいて前記接続用金網部に対してその前面側または背面側に交互に配置すると共に、交互に配置された隣り合う縦線材の接続用アームによる弾性把持力により前記接続用溶接金網における固定用横線材を把持して、前記接続用溶接金網部付き中空胴縁と平行四辺形に変形可能な金網とを接続して一体化し、その接続用溶接金網における固定用横線材を把持している前記各縦線材の接続用アームが、前記中空胴縁における中空部に挿入配置されているので、金網が平行四辺形に変形するのを許容しながら中空胴縁との接続が可能な胴縁付き金網とすることができ、金網の面外方向の剛性を接続用溶接金網部付き中空胴縁により容易に高めることができ、搬送・設置作業が容易になり、フェンスの施工が容易になる等の効果が得られる。
また、接続用溶接金網部付き中空胴縁を予め(クリンプ)金網に取り付けても自由に勾配に対応できるため、工場で接続用溶接金網部付き中空胴縁を予め取り付けることが可能となり、設置現場での施工性が向上する。
接続用溶接金網部付き胴縁を(クリンプ)金網に取り付けるために金具等を必要としないため、金具等のコストを抑えることができる上、取り付けの作業性を向上させることができる。予め接続用溶接金網部付き胴縁が金網に取り付けられているために、金網またはフェンスとしての強度が十分に得られる。
前記金網の縦線の端部が中空胴縁内に入るので、突起物が生じることがなく、その部分で金網に引っ掛けて怪我をする恐れがなくなり、安全性が向上する。
接続用溶接金網部付き胴縁を(クリンプ)金網に工場にて予め取り付けることができるため、胴縁付き金網の剛性が上がり、特に金網の面外方向の剛性が高まるので、形態が安定し、その持ち運び時に運びやすくなる。
第6発明によると、前記接続用溶接金網部の前面側および背面側に、波形凹凸部分が形成された線材を使用し平行四辺形に変形可能な金網における隣り合う縦線材の接続用アームを胴縁長手方向に間隔をおいて前記接続用金網部に対してその前面側または背面側に交互に配置すると共に、交互に配置された隣り合う縦線材の接続用アームにより前記接続用溶接金網部における固定用横線材を編み込んで、前記接続用溶接金網部付き中空胴縁と平行四辺形に変形可能な金網とを接続して一体化し、その接続用溶接金網における固定用横線材を編み込んでいる前記各縦線材の接続用アームが、前記中空胴縁における中空部に挿入配置され、前記接続用溶接金網部における先端側および基端側の複数の固定用横線材に対して、先端側の固定用横線材の前面側から配置された縦線材の接続用アームは、間隔をおいて隣接する基端側の固定用横線材の背面側に配置されているので、接続用アームを接続用溶接金網部における固定用横線材に編み込んで、線材相互の係合を確実にすることができる効果が得られる。
第7発明によると、接続用アームに亘って配置され波形凹凸が形成された移動用横線材が接続用金網部側よりに移動されて、前記接続用金網部に近接配置されているので、接続用アームを備えた平行四辺形に変形可能な金網と接続用溶接金網部付き中空胴縁とを、簡単に強固に接続することができ、しかも平行四辺形に変形可能な金網の平行四辺形への変形を許容しながら、金網と接続用溶接金網部付き中空胴縁とを強固に接続することができる等の効果が得られる。
第8発明によると、前記の接続用溶接金網部付き中空胴縁を備えた金網が、複数の支柱間に配置されて固定されているので、施工が容易で、施工コストの安価なフェンスとすることができる等の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1実施形態のフェンスに用いるフェンス本体(クリンプ金網)を示すものであって、(a)は、フェンス本体を構成するクリンプされた線材を使用した金網の正面図、図(b)は、側面図、図(c)は、図(b)のA部の詳細図である。
【図2】図(a)は、図1(a)のB部の拡大図、図(b)は、図2(a)のC−C断面図である。
【図3】図(a)は、フェンス本体の一部の切り欠き斜視図、図(b)は、縦線と横線の線径と波形凹凸部分の深さ(h)の関係を示す説明図である。
【図4】図(a)は、図1のフェンス本体を平地に設置する場合の正面図、図(b)は、同図(a)のフェンス本体の平行四辺形を保持して変形させて傾斜地に設置する場合の正面図である。
【図5】本発明の第1実施形態のフェンスに用いる接続用溶接金網部付胴縁の端部側を示す斜視図である。
【図6】図(a)は、本発明の第1実施形態のフェンスに用いる接続用溶接金網部付胴縁の正面図、図(b)は側面図である。
【図7】図(a)は、本発明の第1実施形態のフェンスに用いる接続用溶接金網部付胴縁と金網とを対向して配置した状態を示す正面図、図(b)は、図(a)の側面図、図(c)は、接続用溶接金網部付胴縁における接続用溶接金網部を差し込むために、隣り合う縦線の上部を離間させるように弾性変形させた状態を示す一部の拡大側面図である。
【図8】隣り合う縦線の上部を離間させた状態の金網上端部に接続用溶接金網部付胴縁における接続用溶接金網部を押し込んで、胴縁内部に金網における各縦線上端部に位置させ、金網上端部の縦線の弾性変形を開放した状態を示す斜視図である。
【図9】図(a)は、金網上端部に接続用溶接金網部付胴縁における接続用溶接金網部を押し込んで、金網に接続用溶接金網部付胴縁を取り付けた状態を示す正面図、(b)は側面図である。
【図10】金網が平行四辺形に変形した場合に、金網と接続用溶接金網部付胴縁との関係を示す正面図である。
【図11】図(a)(b)は、図1〜図10に示すフェンス本体(金網)と接続用溶接金網部付胴縁を備えたフェンスを平地に設置した状態を示す正面図と側面図である。
【図12】図(a)は、図11の一部を拡大して示す正面図、(b)は側面図である。
【図13】図(a)(b)は、フェンス本体端部の支柱への取り付け部の詳細図、図(c)(d)は、フェンス本体下部における端部の押さえ構造の詳細図である。
【図14】本発明の第2実施形態のフェンスに用いられる接続用溶接金網部付胴縁の端部側を示す斜視図である。
【図15】図(a)は、本発明の第2実施形態のフェンスに用いる接続用溶接金網部付胴縁の正面図、図(b)は側面図である。
【図16】図(a)は、本発明の第1実施形態のフェンスに用いる接続用溶接金網部付胴縁と金網とを対向して配置した状態を示す正面図、図(b)は、図(a)の側面図、図(c)は、接続用溶接金網部付胴縁における接続用溶接金網部を差し込むために、隣り合う縦線の上部を離間させるように弾性変形させた状態を示す一部の拡大側面図である。
【図17】隣り合う縦線の上部を離間させた状態の金網上端部に接続用溶接金網部付胴縁における接続用溶接金網部を押し込み、さらに隣り合う縦線の上部を反対方向に離間させた状態の金網上端部に接続用溶接金網部付胴縁における接続用溶接金網部をさらに押し込み、胴縁内部に金網における各縦線上端部に位置させ、金網上端部の縦線の弾性変形を開放した状態を示す斜視図である。
【図18】図17の状態から移動用横線材1本を下から上昇移動させて、接続用溶接金網部付胴縁における下端側の固定用横線材に半ピッチずれた状態まで上昇させた状態を示す胴縁付金網の端部側の斜視図である。
【図19】図(a)は、金網上端部に接続用溶接金網部付胴縁における接続用溶接金網部を押し込んで、金網に接続用溶接金網部付胴縁を取り付けた状態を示す正面図、(b)は側面図である。
【図20】図(a)(b)は、図1〜図3及び図15〜図19に示すフェンス本体(金網)と接続用溶接金網部付胴縁を備えたフェンスを平地に設置した状態を示す正面図と側面図である。
【図21】図(a)は、図20の一部を拡大して示す正面図、(b)は側面図である。
【図22】図(a)は、従来のフェンス本体を構成するクリンプされた線材を使用した金網の正面図、図(b)は、側面図、図(c)は、図(b)のA部の詳細図である。
【図23】図(a)は、図22(a)のB部の拡大図、図(b)は、図23(a)のG―G断面図である。
【図24】図(a)は、フェンス本体の一部の斜視図、図(b)は、縦線と横線の線径と波形凹凸部分の深さ(h)の関係を示す説明図である。
【図25】図(a)は、図22のフェンス本体を平地に設置する場合の正面図、図(b)は、同図(a)のフェンス本体の平行四辺形を保持して変形させて傾斜地に設置する場合の正面図である。
【図26】図(a)(b)は、図22〜図25に示すフェンス本体を備えたフェンスを平地に設置した状態を示す正面図と側面図である。
【図27】図(a)は、上部胴縁とフェンス本体(クリンプ金網)の連結構造を示す正面図、(b)(c)(d)は、上部胴縁の詳細図、(e)(f)は、上部胴縁の端部連結構造の詳細図である。
【図28】図(a)は、支柱と上部胴縁の取り付け構造を示す正面図(図26のE部詳細図)、(b)は(a)の側面図、(c)(d)は、フェンス本体端部の支柱への取り付け部の詳細図(図26のF部詳細図)、(e)(f)は、フェンス本体下部における端部の支柱への押さえ構造の詳細図である。
【図29】本発明の第3実施形態のフェンスに用いる接続用溶接金網部付胴縁の端部側を示す斜視図である。
【図30】図(a)は、本発明の第3実施形態のフェンスに用いる接続用溶接金網部付胴縁の正面図、図(b)は側面図である。
【図31】第3実施形態のフェンスに用いる接続用溶接金網部付胴縁とフェンス本体(金網)とを接続した状態を示す側面図である。
【図32】本発明の第4実施形態のフェンスに用いる接続用溶接金網部付胴縁の端部側を示す斜視図である。
【図33】図(a)は、本発明の第4実施形態のフェンスに用いる接続用溶接金網部付胴縁の正面図、図(b)は側面図である。
【図34】本発明の第5実施形態のフェンスに用いる接続用溶接金網部付胴縁の端部側を示す斜視図である。
【図35】図(a)は、本発明の第5実施形態のフェンスに用いる接続用溶接金網部付胴縁の正面図、図(b)は側面図である。
【図36】本発明の第6実施形態のフェンスに用いる接続用溶接金網部付胴縁の端部側を示す斜視図である。
【図37】図(a)は、本発明の第6実施形態のフェンスに用いる接続用溶接金網部付胴縁の正面図、図(b)は側面図、図(c)は図(b)の矢視断面図である。
【図38】図(a)は、本発明の第7実施形態のフェンスに用いる接続用溶接金網部付胴縁の正面図、図(b)は側面図、図(c)図(b)の矢視断面図である。
【図39】接続用溶接金網部付き胴縁と接続用アームとのを接続した状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明を図示の実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の第1実施形態のフェンスに用いるフェンス本体(クリンプ金網)を示すものであって、同図(a)は、フェンス本体を構成するクリンプされた線材を使用した金網の正面図、同図(b)は、側面図、図(c)は、図(b)のA部の詳細図である。図2(a)は、図1(a)のB部の拡大図、図(b)は、図2(a)のC−C断面図である。図3(a)は、フェンス本体の一部の切り欠き斜視図、図(b)は、縦線と横線の線径と波形凹凸部分の深さ(h)の関係を示す説明図である。図4(a)は、図1のフェンス本体を平地に設置する場合の正面図、同図(b)は、同図(a)のフェンス本体の平行四辺形を保持して変形させて傾斜地に設置する場合の正面図である。図5は、本発明の第1実施形態のフェンスに用いる接続用溶接金網部付胴縁の端部側を示す斜視図、図6(a)は、本発明の第1実施形態のフェンスに用いる接続用溶接金網部付胴縁の正面図、同図(b)は側面図である。
【0014】
先ず、本発明において使用するクリンプ金網について、図22〜図25に示す従来の場合と同様な要素が多いので、同様な要素には同様な符号を付して、最初に説明する。
【0015】
図1〜図4に示すように、フェンス本体(クリンプされた線材を使用した金網と同じ)1は複数本の縦線2と横線3を格子状に編成して構成される。縦線2と横線3の各線材は、凹部4と凸部5を持った波状の線材であり、この線材で構成した縦線2と横線3を一定の目合に配列して編み上げた金網として構成されている。図1においては、両側部の縦線2がフェンス本体1の両側部を構成し、最上端の移動用横線材39を除き、最上部の横線3と最下部の横線3がフェンス本体1の上部と下部を構成し、両側部の縦線2と最上部の横線3と最下部の横線3とで囲まれる長方形の枠の内側に複数本の縦線2と横線3を一定の目合に配列すると共に、各縦線2は、最上部の横線3より上方に突出するようにして編み上げた金網として構成されている。
前記の縦線2の上方に突出した部分により、接続用アーム25が形成されている。横方向に隣り合う各接続用アーム25により交互に表裏から編みこまれるように、前記各接続用アーム25に亘って移動用横線材39が設けられている。
多数の接続用アーム25および最上端の移動用横線材39により、金網1側の接続部26が形成されている。
図1および図3に示すように、接続用アーム25を備えた金網1には、その接続用アーム25に、移動用横線材39を1本備えた形態の平行四辺形に変形可能な金網1を用いている。
図3に示すように、金網1側の隣り合う接続用アーム25は、移動用横線材39に対して、接続用アーム25の長手方向および移動用横線材39の長手方向に半ピッチ位相がずれて、移動用横線材39に対して交互に表裏の位置関係にある。
【0016】
本実施形態の主要素は、フェンス本体1の両側部を構成する縦線2aと、最上部と最下部を構成する横線3aが、それぞれ相手側の縦線2aと横線3aの連続した隣接の波形凹凸部分に通される構成としたことである。
【0017】
図2、図3によってさらに説明すると、フェンス本体1の2本の側部縦線2aの凹部4と凸部5は、下部横線3aの凸部5と凹部4に直交して係合している。このように2本1組の側部縦線2aと下部横線3aが絡み合って四方枠6が形成されて、相互にずれないように編み込まれている。このような四方枠6がフェンス本体1の2辺または3辺(図示の場合)に形成されることで、フェンス本体1の長方形の2辺または3辺が安定して組まれることになる。隣り合う側部縦線2a、下部横線3aは、それぞれ波形凹凸部分が半ピッチずれて配置されことで、相手側の線材の隣接する凸部5と凹部4で絡み合うように編み込まれる。
すなわち、上部および下部並びに各側縁部では、縦線2および横線3は、それぞれ2本で一組とされ、各縦線2および各横線3はそれぞれ半ピッチずれて編み組みされ、各横線3は各縦線2の波ピッチに対して半ピッチずれて編み組みされ、2本一組として網組みされた各横線3の波の凹凸部分により縦線2を表裏から抱き込むように編み組みされ、同様に、横線3を2本一組として網組みされた各縦線2の波の凹凸部分により横線3を表裏から抱き込むように編み組みされている。
また、上下方向の中間部では、上下方向に間隔をおいた横線3が2本で一組とされ、各横線3は縦線2の波ピッチに対して半ピッチずれて編み組みされ、2本一組として網組みされた各横線3の波の凹凸部分により縦線を表裏から抱き込むように編み組みされている。
側部縦線2aと下部横線3aは、少なくとも2本以上が連続して隣接する凸部5と凹部4に編み込まれるようになっていれば、3本以上であっても構わないが、理想的には2本乃至4本が望ましい。
左右方向の各1本の縦線2は、少なくとも2本以上の横線3(3aまたは3b)により縦線2を表裏から抱き込むように編み込まれている。
【0018】
フェンス本体1の4辺に位置する2本1組の両側部縦線2aと上下部横線3aに対して、その内側に複数の中間部縦線2bと中間部横線3bが編みこまれる。図において中間部横線3bは上下に隣接する2本1組をなし、かつ、上下に間隔をあけて複数段配設されており、その両端は、2本1組の両側部縦線2aの上下に隣接する凹部4と凸部5の間に配置される。このように2本1組の中間部横線3bと側部縦線2aが絡み合って四方枠6が形成されることにより、側部縦線2aに対して中間部横線3bは安定して組み込まれてずれることがない。特に、2本1組の中間部横線3bは、上下方向に間隔をおいて配設されていても、両端部が側部縦線2aにしっかりと安定して支持される。中間部横線3bは、さらに線材の本数を増減してもよく、何れの場合も、端部は2本1組の両側部縦線2aの隣接する凹部4と凸部5によって安定に係止される。
【0019】
複数の中間部縦線2bは、多段に設けられた2本1組の中間部横線3bの横方向に隣接する凹部4と凸部5の間に係合して上下方向に伸長して設けられ、さらに、中間部縦線2bの上下端部は、2本1組の上下部横線3aの横方向に隣接する凹部4と凸部5の間に配置される。このように中間部縦線2bが2本1組の中間部横線3bと上下部横線3aに挟まれてずれないように支持されることで、フェンス本体1が安定して編成される。複数配設される中間部縦線2bの横方向の間隔は任意であるが、中間部横線3bの凹部4と凸部5の3ピッチ以上離れた配置に設けるのがよい。また、両側部縦線2aと中間部縦線2bの下端部は、最下段の下部横線3aより下方に延長して地盤への埋設部とされていてもよい。
なお、両側部縦線2aと中間部縦線2bの下端部を、最下段の下部横線3aより下方に延長して、上部と同様に突出させる場合には、後記の上部について、接続用溶接金網部付き胴縁27を組み込んで、地盤へ埋設しない場合もある。
【0020】
各縦線2および横線3の線径は、波形の凹部4の深さ(h)以下に設けるのが望ましい。このように構成することにより縦線2と横線3は、相手側の縦線2と横線3の波形の凹部4内に納まって係合するので、凹部4から脱出しにくく安定した編成となると共に美観も向上する。また、縦線2と横線3は、例えば3Φmm程度の線径を規準として、線径(d)と波形の凹部の深さ(h)とピッチ(p)は、略2:4:5に設けるのがよく、このように構成すると隣接する波形凹凸部分に互いに係合する縦線2と横線3は、互いに係合する相手側の線材の軸線方向にずれることがなく、しかも、前記線径に対して余裕を持たせて深さ(h)とピッチ(p)を設定しているため、縦線2と横線3とは互いに回動自在となる。即ち、縦線2と横線3の交差部を支点として、平行四辺形を保って円滑に変形できる。
【0021】
例えば、縦線2を鉛直にした状態で、図4(b)に示すように、右上がりの平行四辺形に変形させたり、右下がりの平行四辺形に変形させることができるが、このような両方向の変形が可能であると、山あいに建設された高速自動車道路や幹線鉄道線路などの傾斜地に設置することができるが、金網自体の面外方向の剛性が比較的低いので、作業員が金網を搬送する時に、金網面外方向の変形が生じると、金網の重心も変動しやすくなるから、搬送作業および設置施工作業が煩雑になる。
【0022】
そこで、本発明では、図5および図6に示すような接続用溶接金網部付き胴縁27を、前記金網1に組み込んで、予め一体化し、しかも金網1の平行四辺形への変形を阻害しないように組み込むことで胴縁付き金網28として、面外方向の剛性を高めることで、作業員による金網の搬送あるいは設置作業時の取り扱い性を向上させ、フェンスの組立作業性を向上させるようにしている。
【0023】
ここで、前記の接続用溶接金網部付き胴縁27の第1実施形態について説明する。
【0024】
図5〜図6には、本発明において用いる接続用の溶接金網部29を備えた接続用溶接金網部付き胴縁27の第1実施形態が示されている。
図5〜図6の形態では、接続用溶接金網部付き胴縁27は、一端側(例えば、上部または下部)に、鋼製線材等の金属線材が円弧状等に折り曲げ加工されて、ほぼ円環状の中空胴縁形成用の一部切り欠きリング状部30を備え、他端側(例えば、下部または上部)に脚部31を備えた脚部付きリング部材32を備えている。前記のリング状部の形態は、円形または矩形あるいは三角形等でもよく、その内側に空間を形成することが可能な形態であれば、閉鎖状であってもよく、一部切り欠きの閉鎖状であってもよい。
図6に示すように、前記の脚部付きリング部材32が間隔をおいて多数同レベルに配置され、各リング状部30の内周側には、周方向に間隔をおいて、鋼製線材等の金属線材からなる胴縁形成用横線材33が配置されて各リング状部30に溶接により固定されて、中空胴縁34が形成されている。
また、図5および図6に示すように、前記中空胴縁34における前記脚部31に最も近い位置の2つの胴縁形成用横線材33(33a)は、胴縁幅方向に間隔をおいて配置され、リング状部30間と前記2つの胴縁形成用横線材33間とにより、線材挿入部35が形成されている。
また、図5に示すように、リング状部30における一部切り欠き部36を挟むように前記2つの胴縁形成用横線材33が配置されていることで、前記の一部切り欠き部36を含み胴縁長手方向には、連続したスリットが形成され、接続用溶接金網部29の背面側にいたる線材挿入部35が形成されている。線材挿入部35は、中空胴縁34の巾方向で、接続用溶接金網29の正面側および背面側の両側に設けられているので、横方向に隣り合う縦線材2の接続用アーム25のうち、一方を前面側に、他方を背面側に配置することができる。なお、上端部の横線3aとの関係では、上端部の横線3aの背面側に位置する接続用アーム25は接続用溶接金網29の正面側に、上端部の横線3aの正面側に位置する接続用アーム25は接続用溶接金網29の背面側に位置させることで、上端部の横線3(3a)を確実に抱き込むようにしている。
前記の脚部31は、胴縁幅方向において、前記2つの胴縁形成用横線材33の中央またはその付近に位置している。
図6に示すように、各脚部付きリング部材32における各脚部31に渡って、線材からなる固定用横線材37が上下に間隔をおいて2本配置されて、溶接により各脚部31に溶接により固定されて、前記各脚部31と各固定用横線材37とにより、接続用溶接金網部29が形成されている。
胴縁幅方向で、前記固定用横線材37と前記2本の各胴縁形成用横線材33との間の寸法は、金網に用いる線材からなる縦線2の接続用アーム25の直径寸法よりも大きくされて、接続用溶接金網29の正面側および背面側において、接続用アーム25の直径寸法よりも大きな巾寸法の線材挿入部35が形成されている。
なお、前記の胴縁形成用横線材33が、図30に示すように脚部31に接近している場合には、胴縁巾方向に間隔をおいた3つの胴縁形成用横線材33のうち、隣り合う2つの胴縁形成用横線材33間により胴縁巾方向の線材挿入部35を形成することも可能であり、線材挿入部35は適宜設定される。胴縁巾方向には、前記の線材挿入部35が後記の接続用溶接金網部29の前後にそれぞれ設けられる。
【0025】
図5及び図6に示す前記の形態では、中空胴縁34の半径方向外側に、部材長手方向に間隔をおいて脚部31が複数設けられ、各脚部31に渡って、固定用横線材37が溶接により固定されて、中空胴縁34の外側に接続用溶接金網部29が形成され、前記中空胴縁34には、前記接続用溶接金網部29の前面側および背面側からの線材挿入可能な胴縁長手方向の長さを有する線材挿入部35が形成され、前記線材挿入部35は、中空胴縁34内の中空部38に接続している接続用溶接金網部付き中空胴縁34とされている。
また、この実施形態では、接続用溶接金網部29寄りに設けられかつ胴縁巾方向に間隔をおいた2本の胴縁形成用横線材33の内側間により、線材挿入部35の胴縁巾方向の巾が形成されている。
図5および図6に示す形態の前記の固定用横線材37としては、後記の実施形態のように、波形凹凸部分が形成された線材を用いてもよい。
前記の胴縁形成用横線材33は、リング部材32の外周側に設ける形態でもよく、前記脚部31は、中空胴縁34の中空部側でない半径方向外側である中空胴縁34の外側に設けられている。
【0026】
図5および図6に示す形態の前記の接続用溶接金網部付き中空胴縁34を製作する場合には、縦線材および横線材を格子状に配置し交差部を溶接により固定した長方形あるいは正方形等の溶接金網を用い、その一端側を図示のようにリング状に曲げ加工が施して中空胴縁34を形成し、他端側を接続用溶接金網部29とすれば、容易に接続用溶接金網部付き中空胴縁34を製作することができる。
図5および図6の形態では、中空胴縁34における胴縁形成用横線材33相互は、間隔が狭く配置され、接続用溶接金網部29における固定用横線材37間の間隔を広くしている。また、図示の形態では、中空胴縁34における胴縁形成用横線材33と固定用横線材37とは、これらに交差するように設けられている脚部付きリング部材32に対して、前面側あるいは背面側のいずれか片面側に、胴縁形成用横線材33と固定用横線材37を配置して、リング状に曲げ加工を施して中空胴縁34を形成し、他端側を接続用溶接金網部29としている。しかし、胴縁形成用横線材33と固定用横線材37を脚部付きリング部材32に対して表裏の位置関係に配置して、リング状に曲げ加工を施して中空胴縁34を形成し、他端側を接続用溶接金網部29としてもよい。
【0027】
図5および図6に示す形態では、胴縁形成用横線材33をリング状部30の内周方向に間隔をおいて配置して溶接により固定している形態で、各リング状部30の一体化を図り、中空胴縁34を形成しているが、リング状部30の内周方向で、前記2本の胴縁形成用横線材33までの一部切り欠き断面の鋼製等のパイプ材に脚部付きリング部材32を、パイプ材長手方向に間隔をおいて固定しても、前記中空胴縁と同様な機能を発揮できるが、軽量化の点で不利になる。
【0028】
このような接続用溶接金網部付き胴縁27を金網1に組み込む場合には、金網1における左右方向に隣り合う各縦線2を前面側および後面側に交互に弾性変形させて開いた状態(図7c参照)で、前記の接続用溶接金網部29の前面側および後面側に、金網1における左右方向に隣り合う各縦線2を前面側および後面側に交互に配置し、胴縁における接続用溶接金網部29を前記開いた縦線間の奥部に押し込めばよい。このようにすることで、図8〜図9に示すように、前記各線材挿入部35から中空胴縁内に、金網1における縦線2の端部を挿入可能にされている。
また、前記の各縦線2の弾性変形を開放することで、各縦線2は接続用溶接金網部29を弾性的に把持するようになる。
そして、図8および図9に示すように、移動用横線材39を脚部先端側の固定用横線材37側に、波形凹凸が半ピッチずれた状態の位置まで、強制的に移動して、接続用溶接金網部付き胴縁27と、平行四辺形に変形可能な金網1とを接続して一体化させる。
前記の場合には、図8に示すように、中間に間隔をおいて配置される1本の波形の縦線2における接続用アーム25は、脚部先端側の固定用横線材37と、波形の移動用横線材39の波の凹凸部分により接続用アーム25の凹凸を表裏から抱き込むように編み組むようになり、接続用アーム25に対して、脚部先端側の固定用横線材37を固定することができ、金網1と接続用溶接金網部付き胴縁27との上下方向の接続および一体化が図られた胴縁付き金網28を形成している。
しかも、各縦線2の端部、すなわち接続用アーム25は、中空胴縁長手方向のリング状部30間に配置されており、各縦線2とリング状部30との間には、胴縁長手方向にギャップが形成されていることから、各縦線2端部を、接続用溶接金網部29の弾性的な把持力を上回るようにして、金網1を平行四辺形に変形させると、図10に示すように、接続用溶接金網部付き胴縁27が横線3に平行に、縦線2が接続用溶接金網部付き胴縁27の長手方向に傾斜して交差するような配置形態とすることができ、そのため、道路縦断勾配を有する傾斜地に設置することも可能になる。
すなわち、図8に示す形態では、接続用アーム25に亘って配置され波形凹凸が形成された移動用横線材39が接続用金網部29側よりに移動されて、前記接続用金網部29に近接配置されているので、接続用アーム25を備えた平行四辺形に変形可能な金網1と接続用溶接金網部付き中空胴縁27とを、簡単に強固に接続することができ、しかも平行四辺形に変形可能な金網1の平行四辺形への変形を許容しながら、金網1と接続用溶接金網部付き中空胴縁27とを強固に接続することができる。
【0029】
前記の胴縁付き金網28は、平地に設置するときは、図9(a)に示すように、接続用溶接金網部29と金網1における縦線2とが直角に交わる長方形の状態で配置できると共に、傾斜地に設置するときは、図10に示すようにフェンス本体1の両側を上下反対に移動させたり、胴縁側を横移動させることで、フェンス本体1につき平行四辺形を保持して、つまり、縦線2につき鉛直方向に配向している状態を保持してフェンス本体1の上下部を傾斜させることができる。この場合、縦線2と横線3とが回動自在となるように、凹部4と凸部5の深さ(h)、ピッチ(p)を線径に対して余裕を持たせて設定しておくことにより、両線材の凹部4と凸部5が係合を保持したまま回動することで矩形状態から傾斜状態にスムーズに変形できる。
【0030】
しかも、縦線2と横線3は上下と左右に適度の間隙を置いて配設されているにも拘わらず、フェンス本体1の上下左右の内の3片周辺部は、2本1組の縦線2と横線3が隣接する波型の凹部4と凸部5に係合することで安定して組まれ、また残りの一辺側の接続用アーム25は接続用溶接金網部29に移動用横線材39により強固に接続しているので、平行四辺形に変形可能なフェンス本体1の全体が安定する。したがって、製作から梱包、運搬、施工までの間の取り扱いによって、平行四辺形に変形可能なフェンス本体1側の縦線・横線が崩れるという不具合を解消している。
【0031】
胴縁付き金網28は 、図11に示すように、所定の間隔で地盤7に立設された支柱8に取り付けてフェンス10を構成する。図11〜図13によって説明すると、支柱8はハット型の横断面であり、下端部が地盤7に構築したコンクリート基礎11に埋設されている。フェンス本体1の両側部は支柱1に固定金具を用いて固定される。
【0032】
各部の構成を簡単に説明すると、2本1組で多段に設けられた中間部横線2bは、支柱8に対して、図11F部、G部に示す金具を用いて固定されている。図11のF部の金具は、その詳細を示す図13(a)(b)に示すように、ハット型断面の支柱8の両側の鍔部18に隣接するフェンス本体1端部相互が重合され、その中間部横線3bの端部と側部縦線2aとが当てがわれ、押さえ金具19で左右側が同時に押さえられる。この押さえ金具19には、支柱8を抱持したUボルト20の両端が挿通しており、ナット21を締結することで、押さえ金具19を介して、フェンス本体1の両側部を支柱8に固定している。また、図11のF部では、ハット型断面の支柱8の頂部を貫通する固定ボルト23が押さえ金具22を挿通している。したがって、ボルト23にナット24を締結することで押さえ金具22を介して、フェンス本体1の両側部が支柱8に固定されている。このように図11のF部とG部の固定手段を適宜に組み合わせてフェンス本体1の両側部を支柱8に固定されている。この固定手段は、フェンス本体1を平地と傾斜地の何れに設置するときも、共通に適用できる。フェンス本体1を支柱8に固定したとき、最下段の下部横線3aから突出した縦線3の下端部は地盤7に埋設される。
なお、接続用溶接金網部付き胴縁27をフェンス本体1の下側に接続用アーム25を設けて接続する場合には、下部に位置する接続用溶接金網部付き胴縁27を地上に配置する。
【0033】
なお、図示を省略するが、前記の接続用溶接金網部29における左右方向の端部脚部31と、端部の2本の縦線2と支柱8とを、図13(a)(b)または(c)(d)に示すような取り付け構造により、支柱8に取り付けるようにしてもよい。また、中空胴縁34の端部にブラケット付きキャップを嵌合固定して、前記ブラケットを支柱8にボルト等の取り付け金具により固定するようにしてもよい。これらの形態は、後記の実施形態の場合も同様である。
【0034】
図11から図13に示す本実施形態のフェンス10は、波形凹凸部分が形成された縦線2と横線3が縦横平行に配置されてなり、縦線2は、隣接する半ピッチずれた2本以上の横線3の凹凸部分に通されて係合されている。また、縦線2の間隔と横線3の間隔は適度の余裕を持たせて配置されていて動物の進入を阻止できると共に、長方形のフェンス本体1を平行四辺形を保って適宜の傾斜に変形させることで、施工現場にて平地および傾斜地に容易に対応させることができる。しかも、このフェンス本体1は接続用溶接金網部29と接続一体化されており、工場にて製作可能であり、胴縁付き金網28の梱包、運搬、施工の間の取り扱いによっても、縦線2と横線3の編成が崩れることがなく、面外方向の剛性が高まっているので、取り扱いと施工性が向上する。なお、中間部の縦線2bと横線3bの本数や配置の間隔などは設置状況に適応するように変更して構わない。
【0035】
(第2実施形態)
図14〜図15には、本発明において用いる接続用の溶接金網部29を備えた接続用溶接金網部付き胴縁27の第2実施形態が示されている。
この形態では、固定用横線材37が、クリンプされた線材が用いられ、固定用横線材37の長手方向に連続して凹凸4,5が形成されている。また、脚部先端側(下位、または胴縁が下側になる場合は上位)の固定用横線材37の凹凸4,5と、脚部基端側(上位、または胴縁が下側になる場合は下位)の固定用横線材37の凹凸4,5とは、胴縁長手方向に位相が半ピッチずれて設置されている。
また、下位の固定用横線材37の位相ピッチと、これを備えた溶接金網部29に接続される接続用アーム25を備えた金網1側の移動用横線材39との波形凹凸とは、横線長手方向に位相が半ピッチずれている。
その他の構成は、前記実施形態の接続用溶接金網部付き胴縁27と同様であので、同様な要素には、同様な符号を付している。
【0036】
図14〜図15のような形態の接続用溶接金網部付き中空胴縁27を用いた場合には、前記第1実施形態と同様に、図1〜図3に示すように、これに接続される接続用アーム25に、移動用横線材39を1本備えた形態の平行四辺形に変形可能な金網1を用いている。
【0037】
図3に示すように、金網1側の隣り合う接続用アーム25は、移動用横線材39に対して、接続用アーム25の長手方向および移動用横線材39の長手方向に半ピッチ位相がずれて、移動用横線材39に対して交互に表裏の位置関係にある。そのため、図16(C)に示すように、隣り合う接続用アーム25を弾性変形させて交互に開いた状態で、その間に接続用溶接金網部29を挿し込み、脚部先端側の固定用横線材37と脚部基端側の固定用横線材37との間で、脚部基端側の固定用横線材37寄りに接続用アーム25が位置した段階で、脚部先端側の固定用横線材37に対して表側の接続用アーム25を裏側に、裏側の接続用アーム25を表側に、隣り合う接続用アーム25をそれぞれ弾性変形させて、図16(c)に示す左方向の矢印に示す状態に開いた状態で、中空胴縁側の接続用溶接金網部29を接続用アーム25側に押し込み、さらに接続用アーム25の弾性変形を開放し、接続用アーム25の先端側を開いた状態から閉じた状態にして、中空胴縁側の接続用溶接金網部29を接続用アーム25側に押し込み、接続用アーム25先端を中空胴縁34の線材挿入部35から中空胴縁内に位置させる(図17に示す状態)。
そして、図18および図19に示すように、移動用横線材39を脚部先端側の固定用横線材37側に、波形凹凸が半ピッチずれた状態の位置まで、強制的に移動して、接続用溶接金網部付き胴縁27と、平行四辺形に変形可能な金網1とを接続して一体化させる。
このような形態では、図18に示すように、中間に間隔をおいて配置される1本の波形の縦線2における接続用アーム25は、脚部先端側の波形の固定用横線材37と、波形の移動用横線材39の波の凹凸部分により接続用アーム25の凹凸を表裏から抱き込むように編み組むようになり、接続用アーム25に対して、脚部先端側の固定用横線材37を固定することができる。
【0038】
図18および図19に示すような形態の接続用溶接金網部付き中空胴縁を備えた金網28では、接続用溶接金網部29の前面側および背面側に、波形凹凸部分が形成された線材を使用し平行四辺形に変形可能な金網1における隣り合う縦線2の接続用アーム25を胴縁長手方向に間隔をおいて交互に配置すると共に、交互に配置された隣り合う縦線2の接続用アーム25により前記接続用溶接金網部29を編み込んで、前記接続用溶接金網部付き中空胴縁34と平行四辺形に変形可能な金網1とを接続して一体化し、その接続用溶接金網29を編み込んでいる前記各縦線材2の接続用アーム25が、前記中空胴縁34における中空部38に挿入配置され、前記接続用溶接金網部における先端側および基端側の複数の固定用横線材に対して、先端側の固定用横線材の前面側から配置された縦線材の接続用アーム25は、間隔をおいて隣接する基端側の固定用横線材37の背面側に配置されている。
胴縁付き金網28のその他の形態は、前記第1実施形態の場合と同様であるので、同様な部分には、同様な符号を付している。
【0039】
第2実施形態の胴縁付き金網28の場合も、各縦線2の端部、すなわち接続用アーム25は、中空胴縁長手方向のリング状部30間に配置されており、各縦線2とリング状部30との間には、胴縁長手方向にギャップが形成されていることから、胴縁付き金網28における中空胴縁側を持って、金網1を平行四辺形に変形させると、図10に示す場合と同様に、接続用溶接金網部付き胴縁27が横線3に平行に、縦線2が接続用溶接金網部付き胴縁27の長手方向に傾斜して交差するような配置形態とすることができ、そのため、道路縦断勾配を有する傾斜地に設置することも可能になる。胴縁付き金網28の部分が平行四辺形に変形した場合に、接続用アーム25はリング状部30に当接するまでは、胴縁付き金網28の平行四辺形への変形を拘束することはなく、リング状部30に当たると、リング状部30がストッパとして機能し、さらなる胴縁付き金網28の平行四辺形への変形は拘束される。
【0040】
第2実施形態の胴縁付き金網28を支柱8間に設置した形態が、図20に示されている。
【0041】
(第3実施形態)
図29〜図30には、本発明において用いる接続用の溶接金網部29を備えた接続用溶接金網部付き胴縁27の第3実施形態が示されている。
図29〜図30に示す形態では、接続用溶接金網部付き胴縁27は、一端側(例えば、上部または下部)に、鋼製線材等の金属線材が円弧状等に折り曲げ加工されて、ほぼ円環状の中空胴縁形成用のほぼ閉鎖したリング状部30を備え、他端側(例えば、下部または上部)に脚部31を備えた脚部付きリング部材32を備えている。このようなほぼ閉鎖したリング状部30を備えた脚部付きリング部材32が間隔をおいて多数同レベルに配置した形態の接続用溶接金網部付き胴縁27の場合には、胴縁長手方向に連続した線材挿入部35を形成できないが、胴縁長手方向に隣り合うリング状部30間において、線材挿入部35を形成することができる。
さらに説明すると、溶接金網部29に最も近い位置の胴縁形成用横線材33(33a)と、これに周方向に間隔をおいて隣り合う2つの胴縁形成用横線材33(33a)と、胴縁長手方向に隣り合うリング状部30間で、それぞれ区画された線材挿入部35を、胴縁長手方向にリング状部30を挟んで間隔をおいて多数の線材挿入部35を形成でき、胴縁巾方向に隣り合う線材挿入部35を、胴縁長手方向に2列形成することができる。
そのため、このような形態の図31に示すように、溶接金網部29の前面側および背面側に対応するように形成された胴縁部の前記2列の線材挿入部35に、横方向に間隔をおいて隣り合う縦線材2の接続用アーム25が、前記の前面側の線材挿入部35あるいは背面側の線材挿入部35から中空胴縁34の中空部38内に挿入可能になっている。
なお、図31に示す形態では、移動用横線材39が、先端側の固定用横線材37に、半ピッチずれた位置まで接近移動されている状態である。
図29〜図30に示すような接続用溶接金網部付き胴縁27を製作する場合には、図示を省略するが、リング状部30および脚部31を形成するための縦線材と、胴縁形成用横線材33(33a)および固定用横線材37とするための横線材とを平面的に格子状に配置し、これらの交差部を溶接により固定した溶接金網における前記各縦線材の一端側を、リング状に曲げ加工することで、リング状部30および胴縁形成用横線材33を備えた中空胴縁34が形成され、曲げ加工がほどこされない他端側の縦線材(脚部21)と複数の横線材(固定用横線材37)とにより溶接金網部29が形成される。また、前記中空胴縁34における胴縁巾方向に間隔をおいて隣り合う胴縁形成用横線材33と胴縁長手方向に間隔をおいて隣り合うリング状部とに囲まれた部分により、線材挿入部35の開口が形成されている接続用溶接金網部付き中空胴縁27である。
【0042】
(第4実施形態)
図32および図33には、本発明において用いる溶接金網部29を備えた接続用溶接金網部付胴縁27の第4実施形態が示されている。
第4実施形態では、部材長手方向にスリット40を有する金属製等のスリット付きパイプ材41により中空胴縁34とされている。また、溶接金網部29は、間隔をおいて平行に配置された縦線材からなる脚部32に、複数の固定用横線材37を脚部32の一端側(基端側)から離れた状態で上下に間隔をおいて前記脚部32に交差するように配置して、これらの交差部を溶接により固定することで、溶接金網部29を形成している。その溶接金網部29における各脚部32の一端部を金属製のパイプ材42におけるスリット40と反対側の内周面に溶接Wにより固定して接続用金網部付き胴縁27を形成している。前記スリット40は線材挿入部35として機能している。
また、第4実施形態の接続用金網部付き胴縁27では、複数の固定用横線材37のうち、上位(または反転配置される場合の下位レベルの胴縁の場合は、下位)に位置する固定用横線材37を、中空胴縁34の中空部38に位置するように配置されている。
このように、一部の固定用横線材37を中空部38内に配置する場合には、スリット付きパイプ材41におけるスリット40側の対向する各側縁部と固定用横線材37との間の間隔を、フェンス本体(金網)1側の接続用アーム25が挿入可能な寸法に設定することで、フェンス本体(金網)1と接続用溶接金網部付き胴縁27との連結を図ると共に、図39に示すように、接続用アーム25の端部を中空部38内に位置させることができることが可能になる。
中空胴縁34内に配置する固定用横線材27は、線状の線材でも、波形凹凸を有する線材でもよい。
【0043】
(第5実施形態)
図34および図35には、本発明において用いる溶接金網部29を備えた接続用溶接金網部付胴縁27の第5実施形態が示されている。
第5実施形態では、一部切り欠きリング状部材43を間隔をおいて平行に同レベルに配置すると共に、その各一部切り欠きリング状部材43の内周方向に間隔をおいて平行に胴縁形成用横線材33が配置されて溶接により固定されて、中空胴縁34が形成されている。第5実施形態における胴縁形成用横線材33は、胴縁の縦中心軸線に対して左右線対称に配置されている。
また、第5実施形態では、前記第4実施形態と同様な溶接金網部29が用いられ、その溶接金網部29における各脚部32の一端部を一部切り欠きリング状部材43におけるスリット40と反対側の内周面に溶接により固定して接続用金網部付き胴縁27を形成している。
【0044】
(第6実施形態)
図36および図37には、本発明において用いる溶接金網部29を備えた接続用溶接金網部付胴縁27の第6実施形態が示されている。
この第6実施形態では、材長手方向に線材挿入部35としての矩形状等の開口部を間隔をおいて有する金属製等のパイプ材42により中空胴縁34とされている。線材挿入部35としての開口部は、脚部32側から見て、長円形、楕円形、円形等適宜の形状でよい。また、溶接金網部29は、間隔をおいて平行に配置された縦線材からなる脚部32に、複数の固定用横線材37を脚部32の一端側から離れた状態で上下に間隔をおいて前記脚部32に交差するように配置して、これらの交差部を溶接により固定することで、溶接金網部29を形成している。その溶接金網部29における各脚部32の一端部を金属製等のパイプ材42の外周面に法線方向となるように溶接により固定して接続用金網部付き胴縁27を形成している。
また、第6実施形態の接続用金網部付き胴縁27では、脚部32間に位置するように設けられた開口部により線材挿入部35が形成されている。
このように、パイプ材42における開口部からなる線材挿入部35を、フェンス本体(金網)1側の接続用アーム25が挿入可能な寸法に設定することで、フェンス本体(金網)1と接続用溶接金網部付き胴縁27との連結を図ることが可能になる。また、接続用アーム25の先端を中空胴縁34内に配置することができる。
【0045】
(第7実施形態)
図38には、本発明において用いる溶接金網部29を備えた接続用溶接金網部付き胴縁27の第7実施形態が示されている。
第7実施形態では、脚部32間において、金属製等の中空胴縁37に線材挿入部35が間隔をおいて複数設けられている形態であるが、その他の形態は前記第6実施形態の場合と同様である。接続用アーム25は間隔をおいて設けられているから、第7実施形態のように、脚部32間において、金属製等の中空胴縁37に線材挿入部35が間隔をおいて複数設けられている形態であるほうが、連続して設ける形態よりは、中空胴縁37の剛性が高くなる。
【0046】
なお、中空胴縁34の半径方向内外に固定用横線材37が配置されている形態では、例えば、図39に示すように、接続用アーム25が各固定用横線材37に係合されて接続される。
【0047】
本発明を実施する場合、固定用横線材37の直径寸法は、接続用アーム25の直径寸法と同径としたり、これよりも、例えば、3倍程度太くしてもよい。固定用横線材37が波形線材である場合には、接続用アーム25の波ピッチと同じピッチであるほうが、線材相互の波の凹凸の係合が確実になるので望ましい。
本発明を実施する場合、中空胴縁の断面形態としては、円形、矩形、三角形等適宜の形態がある。
【符号の説明】
【0048】
1 フェンス本体(金網)
2 縦線(縦線材)
2a 側部縦線
2b 中間部縦線
3 横線(横線材)
3a 上部と下部の横線
3b 中間部の横線
4 凹部
5 凸部
6 四方枠
7 地盤
8 支柱
10 フェンス
11 コンクリート基礎
12 上部胴縁
13 爪
14 取り付けボルト
15 胴縁取付金具
16 金網取付金具
17 ボルト
18 鍔部
19 押さえ金具
20 Uボルト
21 ナット
22 押さえ金具
23 固定ボルト
24 ナット
25 接続用アーム
26 接続部
27 接続用溶接金網部付き胴縁
28 胴縁付き金網
29 溶接金網部
30 リング状部
31 脚部
32 脚部付きリング部材
33 胴縁形成用横線材
34 中空胴縁
35 線材挿入部
36 一部切り欠き部
37 固定用横線材
38 中空部
39 移動用横線材
40 スリット
41 スリット付きパイプ材
42 パイプ材
43 一部切り欠きリング状部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空胴縁に部材長手方向に間隔をおいて脚部が複数設けられ、各脚部に渡って、固定用横線材が溶接により固定されて、中空胴縁に接続用溶接金網部が形成され、前記中空胴縁には、前記接続用溶接金網部の前面側および背面側からの線材挿入可能な線材挿入部が設けられ、前記線材挿入部は、中空胴縁内の中空部に接続していることを特徴とする接続用溶接金網部付き中空胴縁。
【請求項2】
縦線材および横線材を格子状に配置し交差部を溶接により固定した溶接金網における各縦線材がリング状に曲げ加工されて中空胴縁が形成され、その中空胴縁における胴縁巾方向に間隔をおいて隣り合う横線材と胴縁長手方向に間隔をおいて隣り合うリング状に曲げ加工された縦線材とに囲まれた部分により、線材挿入部の開口が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の接続用溶接金網部付き中空胴縁。
【請求項3】
固定用横線材には、波形凹凸部分が形成された線材が用いられていることを特徴とする請求項1または2に記載の接続用溶接金網部付き中空胴縁。
【請求項4】
縦線材および横線材を格子状に配置し交差部を溶接により固定した溶接金網の一端側がリング状に曲げ加工が施されて中空胴縁が形成され、他端側が接続用溶接金網部とされていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の接続用溶接金網部付き中空胴縁。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の接続用溶接金網部付き中空胴縁における前記接続用溶接金網部の前面側および背面側に、波形凹凸部分が形成された線材を使用し平行四辺形に変形可能な金網における隣り合う縦線材の接続用アームを弾性変形させて、胴縁長手方向に間隔をおいて前記接続用金網部に対してその前面側または背面側に交互に配置すると共に、交互に配置された隣り合う縦線材の接続用アームによる弾性把持力により前記接続用溶接金網における固定用横線材を把持して、前記接続用溶接金網部付き中空胴縁と平行四辺形に変形可能な金網とを接続して一体化し、その接続用溶接金網における固定用横線材を把持している前記各縦線材の接続用アームが、前記中空胴縁における中空部に挿入配置されていることを特徴とする接続用溶接金網部付き中空胴縁を備えた金網。
【請求項6】
請求項3または4に記載の接続用溶接金網部付き中空胴縁における前記接続用溶接金網部の前面側および背面側に、波形凹凸部分が形成された線材を使用し平行四辺形に変形可能な金網における隣り合う縦線材の接続用アームを胴縁長手方向に間隔をおいて前記接続用金網部に対してその前面側または背面側に交互に配置すると共に、交互に配置された隣り合う縦線材の接続用アームにより前記接続用溶接金網部における固定用横線材を編み込んで、前記接続用溶接金網部付き中空胴縁と平行四辺形に変形可能な金網とを接続して一体化し、その接続用溶接金網における固定用横線材を編み込んでいる前記各縦線材の接続用アームが、前記中空胴縁における中空部に挿入配置され、前記接続用溶接金網部における先端側および基端側の複数の固定用横線材に対して、先端側の固定用横線材の前面側から配置された縦線材の接続用アームは、間隔をおいて隣接する基端側の固定用横線材の背面側に配置されていることを特徴とする接続用溶接金網部付き中空胴縁を備えた金網。
【請求項7】
接続用アームに亘って配置され波形凹凸が形成された移動用横線材が接続用金網部側よりに移動されて、前記接続用金網部に近接配置されていることを特徴とする請求項5または6に記載の接続用溶接金網部付き中空胴縁を備えた金網。
【請求項8】
請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載の接続用溶接金網部付き中空胴縁を備えた金網が、複数の支柱間に配置されて固定されていることを特徴とするフェンス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【公開番号】特開2011−38265(P2011−38265A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−184297(P2009−184297)
【出願日】平成21年8月7日(2009.8.7)
【出願人】(000006839)日鐵住金建材株式会社 (371)
【出願人】(593211636)株式会社ニッケンフェンスアンドメタル (26)
【Fターム(参考)】