説明

接続装置、その接続方法、及びプログラム

【課題】ユーザの利便性が高く、ミキサーを用いずに多地点会議を実現できる接続装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る接続装置は、端末101〜103が端末101〜103間でメディアデータを直接送受信する多地点会議を行うための、端末101〜103間の接続を形成するサーバ104であって、端末101〜103のメディア情報を取得する参加者端末情報取得部202及び相手端末情報取得部203と、端末102及び103のメディア情報が取得されていない場合、端末102及び103へのメディアデータの送信を開始させない第1メッセージを端末101に送信する保留部204と、第1メッセージが送信された後、端末102のメディア情報が取得された場合、端末102のメディア情報を含み、かつ端末102へのメディアデータの送信を開始させる第2メッセージを端末101に送信する通信開始部205とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続装置及びその接続方法に関し、特に、複数の端末が当該端末間でメディアデータを直接送受信する多地点会議を行うための、当該端末間の接続を形成する接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、音声会議及び多地点テレビ会議など、3者以上が参加可能な多地点会議を実現する会議通信サービスが実用化されている。
【0003】
このようなサービスを提供するための一つの方法として、SIP(Session Initiation Protocol)に準拠した会議機能を用いる方法がある。SIP会議機能を用いて電話会議を実現する電話会議システムは、複数の端末と、端末間の接続制御を行う会議サーバと、音声メディアデータの合成をおこなうミキサーとを備える。ミキサーは、各端末から送信された音声メディアデータを合成して各端末に送信する。
【0004】
以下、従来の電話会議システムについて説明する。
【0005】
図32は、SIP会議機能を用いた従来の電話会議システムの構成を示す図である。図32に示す電話会議システム700は、端末701〜703と、サーバ704と、ミキサー705と、ネットワーク706とを備える。
【0006】
端末701〜703はIP電話端末であり、サーバ704は会議サーバである。ネットワーク706は、例えば、社内ネットワークである。
【0007】
端末701〜703、サーバ704、及びミキサー705は、ネットワーク706を介して接続される。
【0008】
端末701〜703は、音声メディアデータを、社内ネットワーク706を介してミキサー705に送信する。ミキサー705は、端末701〜703から送信された音声メディアデータを合成する。ミキサー705は、合成した音声メディアデータを、端末701〜703に送信する。
【0009】
具体的には、ミキサー705は、端末702及び703から送信された音声メディアデータを合成し、合成した音声メディアデータを端末701に送信する。また、ミキサー705は、端末701及び703から送信された音声メディアデータを合成し、合成した音声メディアデータを端末702に送信する。また、ミキサー705は、端末701及び702から送信された音声メディアデータを合成し、合成した音声メディアデータを端末703に送信する。このように、電話会議システム700は、ミキサー705を備えることで、3者通話を実現する。
【0010】
次に、従来の電話会議システム700の動作を説明する。
【0011】
図33は、従来の電話会議システム700における処理の流れを示すシーケンス図である。また、図33は、端末701が会議主催者となり、端末701〜703の間で電話会議が行われる場合の処理の流れを示す。なお、図33において、ACK、REFER応答、NOTIFY、NOTIFY応答及びMESSAGE応答等は省略している。
【0012】
まず、会議主催者である端末701は、自身の端末のメディア情報をSDP(Session Description Protocol)に記述したINVITEメッセージ(以下、単に「INVITE」とも記す。また、他のメッセージ(REFER、及びNOTIFY等)に関しても同様に省略して記す。)をサーバ704に送信する(S701)。具体的には、メディア情報は、端末701のIPアドレス、受信ポート番号、及び使用可能コーデックを含む。
【0013】
次に、サーバ704は、予め保持していたミキサー705のメディア情報を含む200応答を端末702に返す(S702)。
【0014】
また、サーバ704は、ミキサー705に、端末701のIPアドレス及び受信ポート番号と、ミキサー705のIPアドレス及び受信ポート番号と、使用するコーデックとを通知する(S703)。例えば、サーバ704は、SIPのMESSAGEを用いて、端末701の情報等をミキサー705に通知する。なお、サーバ704は、HTTPなどを用いて、端末701の情報等をミキサー705に通知してもよい。
【0015】
端末701は、ステップS702の200応答に対するACKを送信したあと、ミキサー705へのメディアデータの送信を開始する。また、ミキサー705は、端末701へのメディアデータの送信を開始する(S704)。
【0016】
次に、端末701は、会議に参加する端末である端末702を招待するために、端末702のSIP URIを含むREFERをサーバ704に送信する(S705)。サーバ704は、REFERに対する202応答を端末701に送信する。さらに、サーバ704は、招待中状態であることを通知するために端末701にNOTIFYを送信する。NOTIFYを受信した端末701は、サーバ704に200応答を送信する。
【0017】
次に、サーバ704は、端末702にミキサー705のメディア情報を含むINVITEを送信する(S706)。
【0018】
当該INVITEを受信した端末702は、自身のメディア情報を含む200応答を送信する(S707)。
【0019】
サーバ704は、200応答に対するACKを端末702に送信し、その後、端末701のときと同様にMESSAGEを用いてミキサー705に必要な情報を通知する(S708)。また、サーバ704は、招待完了を通知するためのNOTIFYを端末701に送信する。端末701は、NOTIFYに対する200応答をサーバ704に送信する。
【0020】
端末702は、ミキサー705へのメディアデータの送信を開始する。また、ミキサー705は、端末702へのメディアデータの送信を開始する(S709)。
【0021】
次に、ステップS705〜S709と同様の処理が行われ、端末703とミキサー705との間でのメディアデータの送受信が開始される(S710〜S714)。
【0022】
以上より、端末701〜703が音声メディアデータをミキサー705に送信し、かつミキサー705が音声メディアデータを合成して各端末701〜703に送信することで、端末701〜703の間で音声会議が実現される。
【0023】
また、SIP会議機能を用いることで多地点テレビ会議システムを実現できる。以下、従来の多地点テレビ会議システムについて説明する。
【0024】
図34は、従来のSIP会議機能を用いた多地点テレビ会議システムの構成を示す図である。図34に示すテレビ会議システム800は、端末801〜803と、サーバ804と、ミキサー805と、ネットワーク806とを備える。
【0025】
端末801〜803、サーバ804、及びミキサー805は、ネットワーク806を介して接続される。
【0026】
端末801は、カメラ841と、モニタ821及び831とを備える。端末802は、カメラ842と、モニタ822及び832とを備える。端末803は、カメラ843と、モニタ823及び833とを備える。
【0027】
端末801〜803は、それぞれカメラ841〜843で撮影した映像及び音声メディアデータを、ネットワーク806を介してミキサー805に送信する。ミキサー805は、端末801〜803から送信された映像及び音声メディアデータを合成する。ミキサー805は、合成した映像及び音声メディアデータを端末801〜803に送信する。
【0028】
具体的には、ミキサー805は、端末802から送信されたメディアデータと端末803から送信されたメディアデータとを端末801に送信する。端末801は、受信したメディアデータをそれぞれモニタ821及び831に表示する。これにより、端末801を使用しているユーザ811は、端末802を使用しているユーザ812及び端末803を使用しているユーザ813と通話できる。
【0029】
同様に、ミキサー805は、端末801から送信されたメディアデータと端末803から送信されたメディアデータとを端末802に送信し、端末801から送信されたメディアデータと端末802から送信されたメディアデータとを端末803に送信する。端末802は、受信したメディアデータをそれぞれモニタ822及び832に表示し、端末803は、受信したメディアデータをそれぞれモニタ823及び833に表示する。
【0030】
以上の構成により、テレビ会議システム800は、多地点テレビ会議を実現する。
【0031】
次に、従来のテレビ会議システム800の動作を説明する。
【0032】
図35は、従来のテレビ会議システム800における処理の流れを示すシーケンス図である。また、図35は、端末801が会議主催者となり、端末801〜803でテレビ会議が行われる場合の処理の流れを示す。なお、図35において、ACK、REFER応答、NOTIFY、NOTIFY応答及びMESSAGE応答等は省略している。
【0033】
図35に示すステップS801〜S814の処理は、それぞれ図33に示すステップS701〜S714の処理に対応する。ここでは、図33に示す処理との違いのみを説明する。
【0034】
まず、会議主催者である端末801は、自身の端末のメディア情報を含むINVITEをサーバ804に送信する(S801)。ここで、端末801は、音声及び映像をそれぞれ2つ送受信可能であるので、当該INVITEは、映像及び音声に対応するそれぞれ2つの受信ポート番号、及び使用可能コーデックを含む。
【0035】
次に、サーバ804は、ミキサー805のメディア情報を含む200応答を端末802に返す(S802)。当該200応答は、映像及び音声に対応するそれぞれ2つの受信ポート番号、及び使用可能コーデックを含む。
【0036】
また、サーバ804は、ミキサー805に、端末801のIPアドレス及び受信ポート番号と、ミキサー705のIPアドレス及び受信ポート番号と、使用コーデックとを通知する(S803)。ここで、音声及び映像のそれぞれに対する受信ポート番号及び使用コーデックが通知される。
【0037】
以降の処理も同様に、各メッセージは、音声及び映像に対するメディア情報を含む。
【0038】
以上により、端末801〜803が音声及び映像メディアデータをミキサー805に送信し、かつミキサー805が音声及び映像メディアデータを合成して各端末801〜803に送信することで、端末801〜803の間でテレビ会議が実現される。
【0039】
しかしながら、図34に示す従来のテレビ会議システム800では、音声及び映像メディアデータを合成するミキサー805が必要になる。これにより、テレビ会議システム800は、システムを構築する際のコストが高くなるという課題がある。また、ミキサー805を介してメディアデータを送受信するため、ミキサー805における処理時間だけメディアデータの遅延が増加するという課題がある。
【0040】
これに対して、ミキサー805を使わないテレビ会議システムが知られている。例えば、ミキサー805を使わないテレビ会議システムとして、IETF(Internet Engineering Task Force)のRFC3725で提案されている3PCC(3rd Party Call Control)を用いたテレビ会議システムがある。
【0041】
また、さらなるコスト削減のために、サーバ804及びミキサー805を備えず、端末のみでテレビ会議を実現するテレビ会議システムも知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0042】
以下、3PCCを用いた従来のテレビ会議システムについて説明する。
【0043】
図36は、従来の3PPCを用いたテレビ会議システムの構成を示す図である。図36に示すテレビ会議システム900は、端末801〜803と、サーバ804と、ネットワーク806とを備える。なお、図34と同様の要素には同一の符号を付しており説明は省略する。
【0044】
図36に示すテレビ会議システム900は、ミキサー805を備えない点が、図34に示すテレビ会議システム800と異なる。
【0045】
図37は、従来のテレビ会議システム900における処理の流れを示すシーケンス図である。また、図37は、サーバ804からの発信により、端末801〜803の間でテレビ会議が行われる場合の処理の流れを示す。
【0046】
まず、サーバ804は、SDPを含まないINVITEを端末801に送信する(S901)。INVITEを受信した端末801は、自身のメディア情報を含む200応答をサーバ804に送信する(S902)。
【0047】
サーバ804は、受信した200応答に含まれる端末801のメディア情報を含むINVITEを端末802に送信する(S903)。端末802は、自身のメディア情報を含む200応答をサーバ804に送信する(S904)。当該200応答を受信したサーバ804は、ACKを端末802に返す(S905)。
【0048】
また、サーバ804は、受信した200応答に含まれる端末802のメディア情報を含むACKを端末801に送信する(S906)。
【0049】
以上により、端末801と端末802とは、当該端末間でメディアデータを直接送受信できる状態となる(S907)。
【0050】
また、ステップS901〜S907と同様の処理よって端末802と端末803とは、当該端末間でメディアデータを直接送受信できる状態となる(S908〜S914)。また、ステップS901〜S907と同様の処理よって端末801と端末803とは、当該端末間でメディアデータを直接送受信できる状態となる(図示せず)。
【0051】
以上のように、テレビ会議システム900は、ミキサー805を用いずに、端末801〜803間でメディアデータを直接送受信できる、端末801〜803間の接続を形成できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0052】
【特許文献1】特開2005−333446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0053】
しかしながら、3PPCを用いた従来のテレビ会議システム900では、端末801〜803は、サーバ804から送信されたSDPを含まないINVITEに対してSDP付きの200応答を返す必要がある。この機能はRFC3264で規定されているが、サポートしている端末が少ない。テレビ会議システム900に接続できる端末が限られており、テレビ会議システム900を構築する上で利便性が低いという課題がある。
【0054】
また、従来のテレビ会議システム900では、サーバ804からテレビ会議の開始制御を行う必要があり、端末801〜803からテレビ会議を開始することがない。これにより、従来のテレビ会議システム900は、ユーザの利便性が低いという課題がある。
【0055】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ユーザの利便性が高く、ミキサーを用いずに多地点会議を実現できる接続装置、及び接続方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0056】
上記目的を達成するために、本発明に係る接続装置は、第1端末、第2端末及び第3端末が当該端末間でメディアデータを直接送受信する多地点会議を行うための、当該端末間の接続を形成する接続装置であって、前記第1端末、前記第2端末及び前記第3端末の、メディアデータの送受信に関する情報であるメディア情報を取得する情報取得部と、前記情報取得部により前記第2端末及び前記第3端末のメディア情報が取得されていない場合、前記第2端末及び前記第3端末へのメディアデータの送信を開始させない第1メッセージを前記第1端末に送信する第1メッセージ送信部と、前記第1メッセージ送信部により前記第1メッセージが送信された後、前記情報取得部により前記第2端末のメディア情報が取得された場合、前記第2端末のメディア情報を含み、かつ前記第2端末へのメディアデータの送信を開始させる第2メッセージを前記第1端末に送信する第2メッセージ送信部とを備える。
【0057】
この構成によれば、本発明に係る接続装置は、通信相手の端末のメディア情報を取得するまで、各端末に通信の開始を待たせることができる。これにより、本発明に係る接続装置を含む会議システムでは、各端末は、通信の開始を待つ機能のみを有すればよい。よって、本発明に係る接続装置を備える会議システムに用いることができる端末の種類が増加する。すなわち、本発明に係る接続装置は、ユーザの利便性を向上できる。
【0058】
さらに、本発明に係る接続装置は、会議主催者の端末からの発信に応じてテレビ会議を開始する場合でも、会議主催者の端末からの発信メッセージを受信した後、他の端末のメディア情報を取得するまで、会議主催者の端末に通信の開始を待たせることができる。よって、本発明に係る接続装置は、容易に端末からの発信に応じてテレビ会議を開始できる。これにより、本発明に係る接続装置は、ユーザの利便性を向上できる。
【0059】
また、前記情報取得部は、前記第1端末により送信されたメッセージを受信し、当該メッセージに含まれる前記第1端末のメディア情報を取得する第1端末情報取得部と、前記第1端末のメディア情報を含むメッセージを前記第2端末に送信し、当該メッセージに対して前記第2端末により送信されたメッセージを受信し、当該メッセージに含まれる前記第2端末のメディア情報を取得する第2端末情報取得部と、前記第1端末及び前記第2端末のメディア情報を含むメッセージを前記第3端末に送信し、当該メッセージに対して前記第3端末により送信されたメッセージを受信し、当該メッセージに含まれる前記第3端末のメディア情報を取得する第3端末情報取得部とを備え、第2メッセージ送信部は、さらに、前記第3端末のメディア情報を含むメッセージを前記第1端末及び前記第2端末に送信してもよい。
【0060】
この構成によれば、本発明に係る接続装置は、第1端末からの発信メッセージに応じて、第2端末及び第3端末にメッセージを送信することで、第2端末及び第3端末のメディア情報を取得できる。
【0061】
また、前記情報取得部は、前記第1端末により送信された第3メッセージを受信し、当該第3メッセージに含まれる前記第1端末のメディア情報を取得する第1端末情報取得部と、前記第2端末により送信された第4メッセージを受信し、当該第4メッセージに含まれる前記第1端末のメディア情報を取得する第2端末情報取得部と、前記第3端末により送信された第5メッセージを受信し、当該第5メッセージに含まれる前記第3端末のメディア情報を取得する第3端末情報取得部と備え、前記第2メッセージ送信部は、前記第4メッセージに対する返答として、前記第1端末のメディア情報を含むメッセージを前記第2端末に送信し、前記第5メッセージに対する返答として、前記第1端末及び第2端末のメディア情報を含むメッセージを前記第3端末に送信し、前記第3端末のメディア情報を含むメッセージを前記第1端末及び前記第2端末に送信してもよい。
【0062】
この構成によれば、本発明に係る接続装置は、第1端末、第2端末及び第3端末から送信されるメッセージに含まれる各端末のメディア情報を取得する。よって、本発明に係る接続装置に必要な付加機能は、各端末からの発信を待つ機能だけでよい。よって、本発明は、接続装置の開発コストを低減できる。
【0063】
また、前記第1メッセージ送信部は、さらに、前記第1端末及び前記第3端末へのメディアデータの送信を開始させない第6メッセージを前記第2端末に送信し、前記第1端末及び前記第2端末へのメディアデータの送信を開始させない第7メッセージを前記第3端末へ送信し、前記情報取得部は、前記第1メッセージに対して前記第1端末により送信されたメッセージを受信し、当該メッセージに含まれる前記第1端末のメディア情報を取得する第1端末情報取得部と、前記第6メッセージに対して前記第2端末により送信されたメッセージを受信し、当該メッセージに含まれる前記第2端末のメディア情報を取得する第2端末情報取得部と、前記第7メッセージに対して前記第3端末により送信されたメッセージを受信し、当該メッセージに含まれる前記第3端末のメディア情報を取得する第3端末情報取得部とを備え、第2メッセージ送信部は、さらに、前記第3端末のメディア情報を含むメッセージを前記第1端末に送信し、前記第1端末及び前記第3端末のメディア情報を含むメッセージを前記第2端末に送信し、前記第1端末及び前記第2端末のメディア情報を含むメッセージを前記第3端末に送信してもよい。
【0064】
この構成によれば、接続装置から発信する形態で、端末同士がメディアデータを直接送受信する会議通信を実現できる。例えば、接続装置に、会議時間と会議参加者とを登録し、登録した時間に会議を自動的に開始するといった予約型の会議を実現できる。よって、本発明に係る接続装置は、ユーザの利便性を向上できる。
【0065】
また、前記メディア情報は、IPアドレス、ポート番号、及び使用可能コーデックのうち少なくとも一つを含んでもよい。
【0066】
また、前記第1メッセージは、テンポラリなIPアドレス、及びテンポラリなポート番号のうち少なくとも一方が指定されたメディア情報を含んでもよい。
【0067】
この構成によれば、第1メッセージに含まれるメディア情報に任意の値を用いることができる。
【0068】
また、前記テンポラリなIPアドレスは、前記接続装置のIPアドレスであってもよい。
【0069】
また、前記第1メッセージ送信部は、前記情報取得部により前記第2端末のメディア情報が取得され、かつ前記第3端末のメディア情報が取得されていない場合、前記第3端末へのメディアデータの送信を開始させず、かつ前記第2端末へのメディアデータの送信の開始を禁止しないメッセージを前記第1端末に送信してもよい。
【0070】
この構成によれば、本発明に係る接続装置は、第1端末に対して、メディア情報を取得済みの端末へのメディアデータの送信の開始を禁止せず、メディア情報を取得していない端末へのメディアデータの送信の開始のみ禁止する。これにより、本発明に係る接続装置は、複数のメディアデータを送受信可能な端末に対して、単一のメディアデータのみを用いた通信を先に開始できる。よって、本発明に係る接続装置は、ユーザの利便性を向上できる。
【0071】
また、前記第2メッセージ送信部は、前記第1メッセージ送信部により前記第1メッセージが送信された後、前記情報取得部により前記第2端末のメディア情報が取得され、かつ前記第3端末のメディア情報が取得されていない場合、前記第2端末のメディア情報を含み、かつ前記第2端末へのメディアデータの送信を開始させ、かつ前記第3端末へのメディアデータの送信の禁止を継続させるメッセージを前記第1端末に送信してもよい。
【0072】
この構成によれば、本発明に係る接続装置は、第1端末に対して、メディア情報を取得済みの端末へのメディアデータの送信の開始をさせ、メディア情報を取得していない端末へのメディアデータの送信の禁止を継続させる。これにより、本発明に係る接続装置は、複数のメディアデータを送受信可能な端末に対して、単一のメディアデータのみを用いた通信を先に開始できる。よって、本発明に係る接続装置は、ユーザの利便性を向上できる。
【0073】
また、前記第1メッセージは、前記第2端末及び前記第3端末へのメディアデータの送信を保留させるメッセージであってもよい。
【0074】
この構成によれば、本発明に係る接続装置を含む会議システムでは、各端末は、保留機能のみを有すればよい。よって、本発明に係る接続装置を備える会議システムに用いることができる端末の種類が増加する。すなわち、本発明に係る接続装置は、ユーザの利便性を向上できる。
【0075】
また、前記第1メッセージは、前記第1端末に、前記第2端末、前記第3端末及び前記接続装置とのメディアデータの送受信に関して、送信及び受信を禁止するメッセージ、又は、送信を禁止するメッセージ、又は、受信のみを許可するメッセージであってもよい。
【0076】
また、前記第1メッセージは、SIP(Session Initiation Protocol)に準拠したメッセージであり、前記第1メッセージは、a=inactive、a=sendonly又はa=recvonlyを含んでもよい。
【0077】
この構成によれば、SIPを用いた会議システムにおいて、保留機能を実現できる。
【0078】
また、前記第1メッセージは、メディアデータの送信先のIPアドレスとして「0.0.0.0」が指定されていてもよい。
【0079】
この構成によれば、SIPを用いた会議システムにおいて、保留機能を実現できる。
【0080】
また、前記第1メッセージは、通信相手の端末を呼出中であること示すメッセージであってもよい。
【0081】
この構成によれば、本発明に係る接続装置を含む会議システムでは、各端末は、呼出中メッセージの受信機能のみを有すればよい。よって、本発明に係る接続装置を備える会議システムに用いることができる端末の種類が増加する。すなわち、本発明に係る接続装置は、ユーザの利便性を向上できる。
【0082】
また、前記第1メッセージは、SIP(Session Initiation Protocol)に準拠したメッセージであり、前記第1メッセージは、100番台の応答メッセージであってもよい。
【0083】
この構成によれば、SIPを用いた会議システムにおいて、保留機能を実現できる。
【0084】
また、本発明に係る接続方法は、第1端末、第2端末及び第3端末が当該端末間でメディアデータを直接送受信する多地点会議を行うための、当該端末間の接続を形成する接続装置における接続方法であって、前記第2端末及び前記第3端末の、メディアデータの送受信に関する情報であるメディア情報が取得されていない場合、前記第2端末及び前記第3端末へのメディアデータの送信を開始させない第1メッセージを前記第1端末に送信する第1メッセージ送信ステップと、前記第2端末のメディア情報を取得する情報取得ステップと、前記第2端末のメディア情報を含み、かつ前記第2端末へのメディアデータの送信を開始させる第2メッセージを前記第1端末に送信する第2メッセージ送信ステップとを含む。
【0085】
これによれば、本発明に係る接続方法は、通信相手の端末のメディア情報を取得するまで、各端末に通信の開始を待たせることができる。これにより、本発明に係る接続方法を用いた会議システムでは、各端末は、通信の開始を待つ機能のみを有すればよい。よって、本発明に係る接続方法を用いた会議システムに用いることができる端末の種類が増加する。すなわち、本発明に係る接続方法は、ユーザの利便性を向上できる。
【0086】
さらに、本発明に係る接続方法は、会議主催者の端末からの発信に応じてテレビ会議を開始する場合でも、会議主催者の端末からの発信メッセージを受信した後、他の端末のメディア情報を取得するまで、会議主催者の端末に通信の開始を待たせることができる。よって、本発明に係る接続方法は、容易に端末からの発信に応じてテレビ会議を開始できる。これにより、本発明に係る接続方法は、ユーザの利便性を向上できる。
【0087】
なお、本発明は、このような接続装置として実現できるだけでなく、接続装置に含まれる特徴的な手段をステップとする接続方法として実現したり、そのような特徴的なステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体及びインターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。また、本発明は、接続装置を含む会議システムとして実現できる。
【発明の効果】
【0088】
以上より、本発明は、ユーザの利便性が高く、ミキサーを用いずに多地点会議を実現できる接続装置、及び接続方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の実施の形態1に係るテレビ会議システムの構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るサーバの構成を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係るテレビ会議システムにおける処理の流れを示すシーケンス図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係るINVITEの構成を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る200応答の構成を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係るREFERの構成を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係るINVITEの構成を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係る200応答の構成を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態1に係るINVITEの構成を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態1に係るサーバの処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態1に係るサーバの処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態1に係る200応答の変形例の構成を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態1に係る200応答の変形例の構成を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態1に係る200応答の変形例の構成を示す図である。
【図15】本発明の実施の形態1に係るINVITEの変形例の構成を示す図である。
【図16】本発明の実施の形態2に係るテレビ会議システムにおける処理の流れを示すシーケンス図である。
【図17】本発明の実施の形態2に係るREFERの構成を示す図である。
【図18】本発明の実施の形態2に係るサーバの処理の流れを示すフローチャートである。
【図19】本発明の実施の形態2に係るサーバの処理の流れを示すフローチャートである。
【図20】本発明の実施の形態3に係るテレビ会議システムにおける処理の流れを示すシーケンス図である。
【図21】本発明の実施の形態3に係るサーバの処理の流れを示すフローチャートである。
【図22】本発明の実施の形態4に係るテレビ会議システムにおける処理の流れを示すシーケンス図である。
【図23】本発明の実施の形態4に係るINVITEの構成を示す図である。
【図24】本発明の実施の形態4に係る200応答の構成を示す図である。
【図25】本発明の実施の形態4に係るINVITEの構成を示す図である。
【図26】本発明の実施の形態4に係る200応答の構成を示す図である。
【図27】本発明の実施の形態4に係るサーバの処理の流れを示すフローチャートである。
【図28】本発明の実施の形態5に係るサーバの構成を示す図である。
【図29】本発明の実施の形態5に係るテレビ会議システムにおける処理の流れを示すシーケンス図である。
【図30】本発明の実施の形態5に係るINVITEの構成を示す図である。
【図31】本発明の実施の形態5に係るサーバの処理の流れを示すフローチャートである。
【図32】従来の電話会議システムの構成を示す図である。
【図33】従来の電話会議システムにおける処理の流れを示すシーケンス図である。
【図34】従来のテレビ会議システムの構成を示す図である。
【図35】従来のテレビ会議システムにおける処理の流れを示すシーケンス図である。
【図36】ミキサーを用いない従来のテレビ会議システムの構成を示す図である。
【図37】ミキサーを用いない従来のテレビ会議システムにおける処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0090】
以下、本発明に係るテレビ会議システムの実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0091】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係るテレビ会議システムでは、テレビ会議の主催者である端末がサーバに発信メッセージを送信する。サーバは、最初に発信メッセージに対して保留メッセージを返し、その後、会議に参加する端末のメディア情報を取得したあと、主催者である端末に保留解除メッセージを送信する。これにより、本発明の実施の形態1に係るテレビ会議システムは、ミキサーを用いずに、端末からの発信によりテレビ会議を開始できる。よって、本発明の実施の形態1に係るテレビ会議システムは、ユーザの利便性を向上できる。
【0092】
まず、本発明の実施の形態1に係るテレビ会議システムの構成を説明する。
【0093】
図1は、実施の形態1に係るテレビ会議システムの構成を示す図である。
【0094】
図1に示すテレビ会議システム100は、SIPを用いた多地点テレビ会議システムである。テレビ会議システム100は、端末101〜103と、サーバ104と、ネットワーク106とを備える。
【0095】
端末101〜103、及びサーバ104は、ネットワーク106を介して接続される。端末101〜103、及びサーバ104は、SIPに準拠したメッセージを生成する。
【0096】
ネットワーク106は、例えば、社内LANである。なお、ネットワーク106は、宅内ネットワーク又はインターネットなどでもよい。
【0097】
端末101〜103は、ユーザ111〜113が使用するテレビ会議端末である。
【0098】
端末101は、カメラ141とモニタ121及び131を備え、端末102は、カメラ142とモニタ122及び132を備え、端末103は、カメラ143とモニタ123及び133を備える。
【0099】
モニタ121〜123及び131〜133は、映像メディアデータを表示する。カメラ141〜143は、映像を撮影する。
【0100】
端末101〜103は、それぞれカメラ141〜143で撮影した映像及び音声メディアデータを、ネットワーク106を介して他の端末101〜103に送信する。
【0101】
サーバ104は、端末101〜103間の接続を制御する接続装置である。サーバ104は、端末101〜103間の接続を形成する。当該接続は、端末101〜103が端末101〜103間でメディアデータを直接送受信する多地点会議を行うための接続である。サーバ104は、制御メッセージを送受信することによって、端末101〜103間の接続を制御する。
【0102】
図2は、サーバ104の構成を示すブロック図である。
【0103】
サーバ104は、制御部201と、参加者端末情報取得部202と、相手端末情報取得部203と、保留部204と、通信開始部205と、端末情報保持部206とを備える。
【0104】
参加者端末情報取得部202は、テレビ会議の主催者である参加者端末のメディア情報を取得する。メディア情報は、端末101〜103の、メディアデータの送受信に関する情報である。
【0105】
相手端末情報取得部203は、テレビ会議の参加者のうち参加者端末以外の端末である相手端末のメディア情報を取得する。
【0106】
保留部204は、保留要求を含むメッセージを生成し、生成したメッセージを参加者端末に送信する。具体的には、保留部204は、相手端末情報取得部203により相手端末のメディア情報が取得されていない場合、保留要求を含むメッセージを参加者端末に送信する。保留要求は、参加者端末に相手端末へのメディアデータの送信を保留させる指示である。言い換えると、保留要求は、参加者端末に相手端末へのメディアデータの送信を開始させない指示である。
【0107】
通信開始部205は、保留解除要求を含むメッセージを生成し、生成したメッセージを参加者端末に送信する。具体的には、通信開始部205は、保留部204により保留要求を含むメッセージが送信された後、相手端末情報取得部203により相手端末のメディア情報が取得された場合、相手端末のメディア情報及び保留解除要求を含むメッセージを参加者端末に送信する。保留解除要求は、保留要求により設定された保留状態を解除させる指示である。言い換えると、参加者端末に相手端末へのメディアデータの送信を開始させる指示である。
【0108】
端末情報保持部206は、参加者端末情報取得部202及び相手端末情報取得部203により取得された端末101〜103のメディア情報を保持する。
【0109】
制御部201は、参加者端末情報取得部202、相手端末情報取得部203、保留部204、通信開始部205、及び端末情報保持部206を制御する。
【0110】
次に、本発明の実施の形態1に係るテレビ会議システム100の動作を説明する。
【0111】
図3は、実施の形態1に係るテレビ会議システム100における処理の流れを示すシーケンス図である。また、図3は、端末101が会議主催者(参加者端末)となり、端末101〜103でテレビ会議が行われる場合の処理の流れを示す。なお、図3において、ACK、REFER応答、NOTIFY、及びNOTIFY応答等は省略している。
【0112】
まず、端末101は、サーバ104にINVITE300を送信する(S101)。
【0113】
図4は、INVITE300の構成を示す図である。
【0114】
図4に示すINVITE300は、端末101のメディア情報として、IPアドレス401と、受信ポート番号402と、使用可能コーデック403とを含む。なお、端末101、102、103及びサーバ104のIPアドレスをそれぞれ「192.168.1.1」、「192.168.1.2」、「192.168.1.3」及び「192.168・1・4」とする。また、図4では説明に必要なパラメータのみ記述しており、他に必要となるSIPヘッダ及びSDPパラメータ等は省略する。また、以降に示す図においても同様に省略する。
【0115】
受信ポート番号402は、IPアドレス401で指定される端末又はサーバが、メディアデータの受信に用いるポートの番号である。使用可能コーデック403は、IPアドレス401で指定される端末又はサーバが、受信したメディアデータに用いるコーデックである。なお、以下、IPアドレス401、受信ポート番号402及び使用可能コーデック403を含む情報をメディア情報と記す。
【0116】
INVITE300は、映像及び音声のそれぞれの受信ポート番号402及び使用可能コーデック403を含む。また、端末101は、音声及び映像をそれぞれ2つ送受信できるので、INVITE300は、2つの映像及び2つの音声のそれぞれに対応する受信ポート番号402及び使用可能コーデック403を含む。また、2つの映像及び2つの音声のそれぞれに対応する受信ポート番号402には異なる受信ポート番号が記載される。
【0117】
サーバ104は、INVITE300を受信すると、端末101のメディアデータの送信先端末である端末102及び端末103のメディア情報を取得済みであるか否かを確認する。ここでは、サーバ104は、端末102及び端末103のメディア情報を取得していないので、保留要求を含む200応答301を生成し、生成した200応答301を端末101に送信する(S102)。
【0118】
図5は、200応答301の構成を示す図である。
【0119】
図5に示す200応答301は、IPアドレス401と、受信ポート番号402と、使用可能コーデック403と、保留要求404とを含む。
【0120】
ここでは、サーバ104は、保留要求404としてa=inactiveを用いる。a=inactiveは、端末101に、サーバ104との間のメディアデータの送受信を禁止する命令である。
【0121】
また、200応答301に含まれるメディア情報(IPアドレス401、受信ポート番号402、及び使用可能コーデック403)には、サーバ104のメディア情報が記載される。つまり、200応答301に含まれるメディア情報は、INVITE300に含まれるメディア情報である。また、INVITE300に複数の使用可能コーデック403が記述されている場合、サーバ104は、当該複数の使用可能コーデック403から、200応答301に記述する使用可能コーデック403を選択する。
【0122】
200応答301を受信した端末101は、200応答301に対するACKをサーバ104に送信する。端末101は、200応答301に含まれる保留要求404に従い、保留状態になる(S103)。つまり、端末101は、200応答301で指定されるサーバ104との間でメディアデータの送受信を行わない状態になる。
【0123】
次に、端末101は、端末102を会議に招待するために、REFER302をサーバ104に送信する(S104)。
【0124】
図6は、REFER302の構成を示す図である。図6に示すようにREFER302は、Refer−Toヘッダ405を含む。Refer−Toヘッダ405には、端末102のURIが記述される。なお、端末102の招待方法としてはREFERではなくHTTPなどほかの方法を用いてもよい。また、サーバ104にテレビ会議に参加する端末をあらかじめ設定しておいてもよい。
【0125】
サーバ104は、REFER302を受信すると、202応答を端末101に送信する。さらにサーバ104は、招待中状態を通知するために端末101にNOTIFYを送信する。端末101はNOTIFYを受信すると200応答をサーバ104に送信する。
【0126】
次に、サーバ104は、端末101のメディア情報を含むINVITE303を端末102に送信する(S105)。例えば、INVITE303の構成は、INVITE300と同様である。
【0127】
端末102は、INVITE303を受信すると、自身のメディア情報を含む200応答304を送信する(S106)。なお、200応答304の構成は、200応答301と同様であり、端末102のメディア情報を含む。また、200応答304は、2つの映像及び2つの音声のそれぞれに対応する受信ポート番号402及び使用可能コーデック403を含む。
【0128】
サーバ104は、200応答304を受信するとACKを端末102に送信する。端末102は、端末101のメディア情報に含まれるIPアドレス401及び受信ポート番号402に対してメディアデータの送信を開始し、同時に自身のメディア情報に記述したIPアドレス401及び受信ポート番号402へのメディアデータの受信準備を開始する。また、端末102は、送信した200応答304に記述したコーデックを用いてメディアデータを送受信する。
【0129】
サーバ104は端末102にACKを送信した後、招待完了を通知するためのNOTIFYを端末101に送信する。端末101は、NOTIFYに対する200応答をサーバ104に送信する。
【0130】
次に、サーバ104は、端末102のメディア情報を含むre−INVITE305を生成し、生成したre−INVITE305を端末101に送信する(S107)。
【0131】
図7は、re−INVITE305の構成を示す図である。
【0132】
図7に示すre−INVITE305は、端末102のメディア情報を含む。さらに、re−INVITE305は、保留解除要求406を含む。
【0133】
ここでは、サーバ104は、保留解除要求406としてa=sendrecvを用いる。a=sendrecvは、端末101に、サーバ104との間のメディアデータの送受信の禁止を解除する命令である。
【0134】
また、re−INVITE305に含まれるメディア情報は、サーバ104が端末102から受信した200応答304に含まれるメディア情報である。
【0135】
なお、ここでは、re−INVITE305用いる例を説明するが、サーバ104は、UPDATEなど他のメッセージを用いてもよい。
【0136】
re−INVITE305を受信した端末101は、自身のメディア情報を含む200応答306をサーバ104に送信する(S108)。
【0137】
図8は、200応答306の構成を示す図である。200応答306は、端末101のメディア情報を含む。さらに、200応答306は、保留解除要求406を含む。
【0138】
端末101は、端末102のメディア情報に含まれるIPアドレス401及び受信ポート番号402に対してメディアデータの送信を開始し、同時に自身のメディア情報に記述したIPアドレス401及び受信ポート番号402へのメディアデータの受信準備を開始する。また、端末101は、送信した200応答306に記述したコーデックを用いてメディアデータを送受信する。
【0139】
サーバ104は、200応答306に対するACKを端末101に送信する。
【0140】
以上により、端末101と端末102との間でメディアデータを直接送受信するための接続が形成される(S109)。ここでは、端末101のモニタ121及び131に端末102から送信された映像が表示され、端末102のモニタ122及び132に端末101から送信された映像が表示される。
【0141】
次に、端末101は、端末103をテレビ会議に招待するため、REFER307をサーバ104に送信する(S110)。REFER307に含まれるRefer−Toヘッダ405には、端末103のURIが記述される。
【0142】
サーバ104は、REFER307を受信すると、202応答を端末101に送信する。さらにサーバ104は、招待中状態を通知するために端末101にNOTIFYを送信する。端末101はNOTIFYを受信すると200応答をサーバ104に送信する。
【0143】
次に、サーバ104は、端末101及び端末102のメディア情報を含むINVITE308を端末103に送信する(S111)。
【0144】
図9は、INVITE308の構成を示す図である。図9に示すINVITE308は、端末101及び端末102のそれぞれのメディア情報を含む。また、INVITE308は、映像及び音声のそれぞれに対応した受信ポート番号402及び使用可能コーデック403を含む。
【0145】
端末103は、INVITE308を受信すると、自身のメディア情報を含む200応答309をサーバ104に送信する(S112)。なお、200応答309の構成は、200応答301と同様であり、端末103のメディア情報を含む。また、200応答309は、2つの映像及び2つの音声のそれぞれに対応する受信ポート番号402及び使用可能コーデック403を含む。
【0146】
サーバ104は、200応答309を受信するとACKを端末103に送信する。端末103は、端末101及び端末102のメディア情報に含まれるIPアドレス401及び受信ポート番号402に対してメディアデータの送信を開始し、同時に自身のメディア情報に記述したIPアドレス401及び受信ポート番号402へのメディアデータの受信準備を開始する。また、端末103は、送信した200応答309に記述したコーデックを用いてメディアデータを送受信する。
【0147】
次に、サーバ104は、メディアデータの送信先を変更するためのre−INVITE310を端末101に送信する(S113)。re−INVITE310は、端末102及び端末103のメディア情報を含む。
【0148】
re−INVITE310を受信した端末101は、自身のメディア情報を含む200応答311をサーバ104に送信する(S114)。サーバ104は、200応答311を受信するとACKを端末101に送信する。
【0149】
次に、サーバ104は、メディアデータの送信先を変更するためのre−INVITE312を端末102に送信する(S115)。re−INVITE312は、端末101及び端末103のメディア情報を含む。
【0150】
re−INVITE312を受信した端末102は、自身のメディア情報を含む200応答313をサーバ104に送信する(S116)。サーバ104は、200応答313を受信するとACKを端末102に送信する。
【0151】
端末101は、端末102及び端末103のメディア情報に含まれるIPアドレス401及び受信ポート番号402に対してメディアデータの送信を開始し、同時に自身のメディア情報に記述したIPアドレス401及び受信ポート番号402へのメディアデータの受信準備を開始する。また、端末101は、送信した200応答306に記述したコーデックを用いてメディアデータを送受信する。
【0152】
端末102は、端末101及び端末103のメディア情報に含まれるIPアドレス401及び受信ポート番号402に対してメディアデータの送信を開始し、同時に自身のメディア情報に記述したIPアドレス401及び受信ポート番号402へのメディアデータの受信準備を開始する。また、端末101は、送信した200応答306に記述したコーデックを用いてメディアデータを送受信する。
【0153】
以上により、端末101と端末103との間でメディアデータを直接送受信する接続が形成され(S117)、端末101と端末102との間でメディアデータを直接送受信する接続が形成され(S118)、端末102と端末103との間でメディアデータを直接送受信する接続が形成される(S119)。つまり、端末101〜103間でメディアデータを直接送受信する多地点テレビ会議が実現される。
【0154】
また、端末101のモニタ121及び131には、それぞれ端末102及び端末103から送信された映像が表示される。端末102のモニタ122及び132には、それぞれ端末101及び端末103から送信された映像が表示される。端末103のモニタ123及び133には、それぞれ端末101及び端末102から送信された映像が表示される。
【0155】
次に、サーバ104の詳細な動作を説明する。
【0156】
まず、サーバ104により、2つの端末101及び102の間でのテレビ会議接続を形成する動作を説明する。
【0157】
図10は、サーバ104による、2つの端末101及び102の間でのテレビ会議を実現する動作の流れを示すフローチャートである。なお、図10では説明の簡単化のためREFER応答、NOTIFY、NOTIFY応答、及びACKの送受信処理を省略する。
【0158】
まず、サーバ104の参加者端末情報取得部202は、参加者端末である端末101が送信したINVITE300を受信する。参加者端末情報取得部202は、INVITE300に含まれる端末101のメディア情報を取得する(S121)。
【0159】
参加者端末情報取得部202は、取得したメディア情報を制御部201に渡す。制御部201は、受け取った端末101のメディア情報を端末情報保持部206に保存する。
【0160】
次に、制御部201は、相手端末のメディア情報を、取得済みか否かを判定する(S122)。具体的には、制御部201は、端末情報保持部206を検索し、相手端末である端末102及び端末103のメディア情報が保存させているか否かを判定する。
【0161】
端末102及び103のメディア情報を取得していない場合(S122でNo)、保留部204は、保留要求を含む200応答301を生成し端末101に送信する(S123)。
【0162】
次に、サーバ104は、端末101から送信される端末102を招待するためのREFER302の受信を待つ。相手端末情報取得部203は、REFER302を受信すると、REFER302に記述された端末102のURIを制御部201に渡す。
【0163】
次に、サーバ104は、端末101のメディア情報を端末102に送信する(S124)。
【0164】
具体的には、制御部201は、端末情報保持部206に保存される端末101のメディア情報を取得する。制御部201は、取得した端末101のメディア情報を相手端末情報取得部203に渡す。相手端末情報取得部203は端末101のメディア情報を含むINVITE303を生成し、生成したINVITE303を端末102に送信する。
【0165】
ここで、相手端末情報取得部203は、端末102及び103のURIと端末102及び103のIPアドレスとの対応関係を取得しておく必要がある。例えば、相手端末情報取得部203は、事前に端末102及び103から送信される、URIとIPアドレスとの対応関係が記述されたREGISTERを受信しておくことで、端末102及び103のURIと端末102及び103のIPアドレスとの対応関係を取得する。
【0166】
次に、相手端末情報取得部203は、端末102のメディア情報を含む200応答304を受信する。相手端末情報取得部203は、200応答304に含まれる端末102のメディア情報を取得する(S125)。
【0167】
相手端末情報取得部203は、取得した端末102のメディア情報を制御部201に渡す。制御部201は、端末102のメディア情報を端末情報保持部206に保存する。また、制御部201は、端末102のメディア情報を通信開始部205に渡す。
【0168】
次に、通信開始部205は、端末102のメディア情報を端末101に送信する(S126)。また、通信開始部205は、端末101の保留状態を解除する(S127)。具体的には、通信開始部205は、端末102のメディア情報及び保留解除要求406を含むre−INVITE305を生成し、生成したre−INVITE305を端末101に送信する。その後、サーバ104は、端末101からの200応答306を受信する。
【0169】
以上の処理により、端末101及び端末102に互いのメディア情報が送信されることで、端末101と端末102との通信が開始される。
【0170】
一方、端末102のメディア情報を取得している場合(S122でYes)、制御部201は、端末102のメディア情報を通信開始部205に渡す。通信開始部205は、端末102のメディア情報を含む200応答を生成し、生成した200応答を端末101に送信することで、端末101に端末102のメディア情報を送信する(S128)。
【0171】
以上の処理により、端末101と端末102との通信が開始される。
【0172】
次に、端末101及び102の間でテレビ会議接続が形成されている状態で、さらに端末103を加えて3者でのテレビ会議接続を形成する場合の、サーバ104の動作を説明する。
【0173】
図11は、サーバ104による、さらに端末103を加えた3者でのテレビ会議を実現する動作の流れを示すフローチャートである。
【0174】
相手端末情報取得部203は、端末101からのREFER307を受信する。相手端末情報取得部203は、REFER307に含まれる端末103のURIを制御部201に渡す。
【0175】
サーバ104は、端末101及び端末102のメディア情報を端末103に送信する(S131)。
【0176】
具体的には、制御部201は、端末情報保持部206に保存される既に会議に参加している端末101及び端末102のメディア情報を取得する。制御部201は、取得したメディア情報を相手端末情報取得部203に渡す。相手端末情報取得部203は端末101及び102のメディア情報を含むINVITE308を生成し、生成したINVITE308を端末103に送信する。
【0177】
次に、サーバ104は、端末103のメディア情報を取得する(S132)。
【0178】
具体的には、相手端末情報取得部203は、端末103のメディア情報を含む200応答309を受信する。相手端末情報取得部203は、200応答309に含まれる端末103のメディア情報を取得する。相手端末情報取得部203は、取得した端末103のメディア情報を制御部201に渡す。制御部201は、端末103のメディア情報を端末情報保持部206に保存する。また、制御部201は、端末103と既に会議に参加している端末101及び102のメディア情報を通信開始部205に渡す。
【0179】
通信開始部205は、端末103と既に会議に参加している端末101及び102のメディア情報を含むセッション更新INVITEであるre−INVITE310及び312を生成して端末101及び102に送信する。これにより、サーバ104は、既に会議に参加している端末101及び102に端末103のメディア情報を送信する(S133)。具体的には、通信開始部205は、端末102及び端末103のメディア情報を含むre−INVITE310を端末101に送信し、端末101及び端末103のメディア情報を含むre−INVITE312を端末102に送信する。サーバ104は、端末101及び端末102からの200応答311及び313を受信する。
【0180】
以上により、端末101、102及び103の3者でのテレビ会議接続が形成される。
【0181】
なお、ここでは、2者会議中に3者会議を開始するためのサーバ104の動作を説明したが、3者会議中に4者会議を開始するためのサーバ104の動作も同様である。
【0182】
また、上記説明において、保留要求404としてa=inactiveを用いたが、他の命令を用いてもよい。
【0183】
図12、図13及び図14は、保留要求404を含む200応答301の変形例を示す図である。
【0184】
図12に示すように、保留要求404としてa=sendonlyを用いてもよい。a=sendonlyは、端末101からサーバ104へのメディアデータの送信を禁止する命令である。
【0185】
また、図13に示すように、保留要求404としてa=recvonlyを用いてもよい、a=recvonlyは、端末101にメディアデータの受信のみを許可する命令である。
【0186】
また、図14に示すように、IPアドレス401に「0.0.0.0」を指定してもよい。SIPの所定のバージョン(例えば、RFC2543)では、IPアドレス401に「0.0.0.0」を指定することで、保留要求を行うことができる。
【0187】
また、上記説明において、保留要求404を含む200応答301に含まれるメディア情報は、サーバ104のメディア情報であるとしたが、テンポラリなメディア情報が指定されていればよい。例えば、テンポラリなIPアドレス401として無効なIPアドレスなどを記述してもよい。また、テンポラリな受信ポート番号402としてランダムな値を記述してもよい。また、IPアドレス401、及び受信ポート番号402のうち一方のみがテンポラリな値であってもよい。
【0188】
また、上記説明において、保留解除要求406としてa=sendrecvを用いたが、保留解除要求406を省略してもよい。
【0189】
図15は、保留解除要求406を省略した場合のre−INVITE305の構成を示す図である。図15に示すように、re−INVITE305に保留解除要求406を省略することで、端末101に保留解除を要求できる。
【0190】
なお、後述する実施の形態2〜5に対しても同様の変形例を適用できる。
【0191】
以上より、本発明の実施の形態1に係るテレビ会議システム100では、端末101が発信メッセージであるINVITE300を送信する。サーバ104は、当該発信メッセージに対して、保留要求404を含む200応答301を端末101に送信する。また、サーバ104は、端末102のメディア情報を取得した後、保留解除要求406を含むre−INVITE305を端末101に送信する。
【0192】
これにより、端末101〜103は端末同士で直接メディアデータを送受信できる。つまり、テレビ会議システム100は、ミキサーを備えることなく、複数の端末101〜103巻でテレビ会議通信できる。よって、本発明の実施の形態1に係るテレビ会議システム100は、システム構築のコストを低減できる。
【0193】
さらに、テレビ会議システム100では、ミキサーを介してメディアデータを送受信しないので、ミキサーで生じる遅延をなくすことができる。よって、テレビ会議システム100は、メディアデータの送受信における遅延を低減できる。
【0194】
また、テレビ会議システム100では、端末101から発信してテレビ会議を開始する場合であっても、サーバ104は、他の端末102及び103のメディア情報を取得するまで端末101のメディアデータの送信を保留する。これにより、端末101〜103からの発信によりテレビ会議を開始できるので、ユーザの利便性が向上する。
【0195】
また、テレビ会議システム100において、端末101〜103に必要な付加機能はメディアデータ送受信の保留機能だけである。よって、テレビ会議システム100に用いることができる端末の種類が多くなるので、テレビ会議システム100の構築が容易になる。
【0196】
(実施の形態2)
上記実施の形態1に係るテレビ会議システム100では、相手端末である端末102及び103のメディア情報を取得するためにサーバ104がINVITE303を送信する。実施の形態2に係るテレビ会議システム100では、端末102及び103が、端末102及び103のメディア情報を含むINVITEをサーバ104に送信する。
【0197】
実施の形態2に係るテレビ会議システム100の構成は図1と同様であり、説明は省略する。また、実施の形態2に係るサーバ104の構成は図2と同様であり、説明は省略する。
【0198】
図16は、実施の形態2に係るテレビ会議システム100における処理の流れを示すシーケンス図である。また、図16は、端末101が会議主催者(参加者端末)となり、端末101〜103でテレビ会議が行われる場合の処理の流れを示す。なお、図3と同様の要素には同一の符号を付している。また、図3と同様の処理については説明を省略し、相違点のみを説明する。また、図16において、ACK、REFER応答、NOTIFY、及びNOTIFY応答等は省略している。
【0199】
図16に示すステップS201〜S203までの処理は、図3に示すステップS101〜S103までの処理と同様である。
【0200】
ステップS203の後、端末101は、端末102を会議に招待するために、REFER322を端末102に送信する(S204)。
【0201】
図17は、REFER322の構成を示す図である。図17に示すようにREFER322は、Refer−Toヘッダ405を含む。Refer−Toヘッダ405には、会議用のURIが記述される。
【0202】
REFER322を受信した端末102は、自身のメディア情報を含むINVITE323をサーバ104に送信する(S205)。例えば、INVITE323に含まれるメディア情報は、図3に示す200応答304に含まれるメディア情報と同じである。
【0203】
サーバ104は、端末101のメディア情報を含む200応答324を端末102に送信する(S206)。
【0204】
ステップS207〜S209の処理は、図3に示すステップS107〜S109の処理と同様であり、説明は省略する。
【0205】
ステップS209の後、端末101は、端末103を会議に招待するために、REFER327を端末103に送信する(S210)。REFER327に含まれるRefer−Toヘッダ405には、会議用のURIが記述される。
【0206】
REFER327を受信した端末103は、自身のメディア情報を含むINVITE328をサーバ104に送信する(S211)。
【0207】
サーバ104は、端末101及び端末102のメディア情報を含む200応答329を端末103に送信する(S212)。
【0208】
ステップS213〜S219の処理は、図3に示すステップS113〜S119の処理と同様であり、説明は省略する。
【0209】
以上により、端末101と端末103との間でメディアデータを直接送受信する接続が形成され(S217)、端末101と端末102との間でメディアデータを直接送受信する接続が形成され(S218)、端末102と端末103との間でメディアデータを直接送受信する接続が形成される(S219)。つまり、端末101〜103間でメディアデータを直接送受信する多地点テレビ会議が実現される。
【0210】
次に、実施の形態2に係るサーバ104の詳細な動作を説明する。
【0211】
なお、実施の形態1に係るサーバ104と同様の動作については説明を省略し、相違点のみ説明する。
【0212】
まず、実施の形態2に係るサーバ104により、2つの端末101及び102の間でのテレビ会議接続を形成する動作を説明する。
【0213】
図18は、実施の形態2に係るサーバ104による、2つの端末101及び102の間でのテレビ会議を実現する動作の流れを示すフローチャートである。なお、図18では説明の簡単化のためREFER応答、NOTIFY、NOTIFY応答、及びACKの送受信処理を省略する。
【0214】
ステップS221〜223、及びS226〜S228の処理は、図10に示すステップS121〜123、及びS126〜S128の処理と同様であり、説明は省略する。
【0215】
ステップS223の後、サーバ104は、相手端末である端末102から送信されるINVITE323の受信を待つ。
【0216】
相手端末情報取得部203は、INVITE323を受信すると、INVITE323に含まれる端末102のメディア情報を取得する(S224)。
【0217】
相手端末情報取得部203は、取得した端末102のメディア情報を制御部201に渡す。制御部201は、渡された端末102のメディア情報を、端末情報保持部206に保存する。
【0218】
次に、サーバ104は、端末101のメディア情報を端末102に送信する(S225)。
【0219】
具体的には、制御部201は、端末情報保持部206に保存される端末101のメディア情報を取得する。制御部201は、取得した端末101のメディア情報を相手端末情報取得部203に渡す。相手端末情報取得部203は、端末101のメディア情報を含む200応答324を生成し、生成した200応答324を端末102に送信する。
【0220】
以上の処理により、端末101と端末102との通信が開始される。
【0221】
次に、端末101及び102の間でテレビ会議接続が形成されている状態で、さらに端末103を加えて3者でのテレビ会議接続を形成する場合の、サーバ104の動作を説明する。
【0222】
図19は、実施の形態2に係るサーバ104による、さらに端末103を加えた3者でのテレビ会議を実現する動作の流れを示すフローチャートである。
【0223】
まず、サーバ104は、相手端末である端末103のメディア情報を取得する(S231)。
【0224】
具体的には、相手端末情報取得部203は、端末103から送信される、端末103のメディア情報を含むINVITE328を受信する。相手端末情報取得部203は、INVITE328に含まれる端末103のメディア情報を取得する。相手端末情報取得部203は、取得した端末103のメディア情報を制御部201に渡す。制御部201は、端末103のメディア情報を端末情報保持部206に保存する。
【0225】
次に、サーバ104は、既に会議に参加している端末101及び102のメディア情報を端末103に送信する(S232)。
【0226】
具体的には、制御部201は、端末情報保持部206に保存される既に会議に参加している端末101及び102のメディア情報を取得する。制御部201は、取得した端末101及び102のメディア情報を相手端末情報取得部203に渡す。相手端末情報取得部203は、端末101及び102のメディア情報を含む200応答329を生成し、生成した200応答329を端末103に送信する。
【0227】
なお、ステップS233の処理は、図11に示すステップS133と同様であり、説明は省略する。
【0228】
以上により、端末101、102及び103の3者でのテレビ会議接続が形成される。
【0229】
以上より、本発明の実施の形態2に係るテレビ会議システム100は、実施の形態1に係るテレビ会議システム100と同様に、ミキサーを備えることなく、複数の端末101〜103巻でテレビ会議通信できる。よって、本発明の実施の形態2に係るテレビ会議システム100は、システム構築のコストを低減できる。また、テレビ会議システム100は、メディアデータの送受信における遅延を低減できる。
【0230】
また、テレビ会議システム100では、端末101から発信してテレビ会議を開始できるので、ユーザの利便性が向上する。
【0231】
また、実施の形態2に係るテレビ会議システム100において、サーバ104に必要な付加機能は、端末101〜103からの発信を待つ機能だけである。よって、サーバ104の開発コストを低減できる。
【0232】
(実施の形態3)
実施の形態3では、サーバ104からの発信によりテレビ会議を開始する例を説明する。
【0233】
実施の形態3に係るテレビ会議システム100の構成は図1と同様であり、説明は省略する。また、実施の形態3に係るサーバ104の構成は図2と同様であり、説明は省略する。
【0234】
図20は、実施の形態3に係るテレビ会議システム100における処理の流れを示すシーケンス図である。また、図20は、サーバ104からの発信により、端末101〜103でテレビ会議が行われる場合の処理の流れを示す。また、図20において、ACK、REFER応答、NOTIFY、及びNOTIFY応答等は省略している。
【0235】
まず、サーバ104は、INVITE340を端末101に送信する(S301)。INVITE340は、保留要求404を含む。例えば、INVITE340は、図5に示す200応答301と同様のIPアドレス401、受信ポート番号402、使用可能コーデック403、及び保留要求404を含む。
【0236】
INVITE340を受信した端末101は、自身のメディア情報を含む200応答341をサーバ104に送信する(S302)。
【0237】
また、端末101は、INVITE340に含まれる保留要求404に従い、保留状態になる(S303)。
【0238】
次に、サーバ104は、保留要求404を含むINVITE342を端末102に送信する(S304)。INVITE342は、例えば、INVITE340と同様のメッセージである。
【0239】
INVITE342を受信した端末102は、自身のメディア情報を含む200応答343をサーバ104に送信する(S305)。
【0240】
また、端末102は、INVITE342に含まれる保留要求404に従い、保留状態になる(S306)。
【0241】
次に、サーバ104は、保留要求404を含むINVITE344を端末103に送信する(S307)。INVITE344は、例えば、INVITE340と同様のメッセージである。
【0242】
INVITE344を受信した端末103は、自身のメディア情報を含む200応答345をサーバ104に送信する(S308)。
【0243】
また、端末103は、INVITE344に含まれる保留要求404に従い、保留状態になる(S309)。
【0244】
次に、サーバ104は、re−INVITE347を端末101に送信する(S310)。re−INVITE347は、端末102及び端末103のメディア情報と、保留解除要求406とを含む。
【0245】
re−INVITE347を受信した端末101は、自身のメディア情報を含む200応答348をサーバ104に送信する(S311)。
【0246】
次に、サーバ104は、re−INVITE349を端末102に送信する(S312)。re−INVITE349は、端末101及び端末103のメディア情報と、保留解除要求406とを含む。
【0247】
re−INVITE349を受信した端末102は、自身のメディア情報を含む200応答350をサーバ104に送信する(S313)。
【0248】
次に、サーバ104は、re−INVITE351を端末103に送信する(S314)。re−INVITE351は、端末101及び端末102のメディア情報と、保留解除要求406とを含む。
【0249】
re−INVITE351を受信した端末103は、自身のメディア情報を含む200応答352をサーバ104に送信する(S315)。
【0250】
以上により、端末101と端末103との間でメディアデータを直接送受信する接続が形成され(S316)、端末101と端末102との間でメディアデータを直接送受信する接続が形成され(S317)、端末102と端末103との間でメディアデータを直接送受信する接続が形成される(S318)。つまり、端末101〜103間でメディアデータを直接送受信する多地点テレビ会議が実現される。
【0251】
次に、実施の形態3に係るサーバ104の詳細な動作を説明する。
【0252】
図21は、サーバ104による、端末101〜103の間でのテレビ会議を実現する動作の流れを示すフローチャートである。
【0253】
まず、保留部204は、保留要求404を含むINVITE340、342及び344を生成する。保留部204は、会議に参加するすべての端末101、102及び103にそれぞれINVITE340、342及び344を送信する(S321)。
【0254】
相手端末情報取得部203は、INVITE340、342及び344に対する200応答341、342及び343を受信する。相手端末情報取得部203は、200応答341、342及び343に含まれる端末101〜103のメディア情報を取得する(S322)。
【0255】
相手端末情報取得部203は、取得した端末101〜103のメディア情報を制御部201に渡す。制御部201は、受け取った端末101〜103のメディア情報を端末情報保持部206に保存する。
【0256】
また、制御部201は、端末101〜103のメディア情報を通信開始部205に渡す。通信開始部205は、端末101〜103のメディア情報を含むre−INVITE347、349及び351を生成する。通信開始部205は、re−INVITE347、349及び351をそれぞれ端末101〜103に送信する(S323)。サーバ104は、端末101〜103からの200応答348、350及び352を受信する。
【0257】
以上により、端末101、102及び103の3者でのテレビ会議接続が形成される。
【0258】
以上のように、本発明の実施の形態3に係るテレビ会議システム100では、サーバ104が、端末101〜103に保留要求404を含む発信メッセージを送信する。端末101〜103は、メディア情報を含む応答をサーバ104に返す。その後、サーバ104は、端末101〜103に、通信相手の端末のメディア情報を含む保留解除メッセージを送信する。
【0259】
これによって、本発明の実施の形態3に係るテレビ会議システム100は、サーバ104から発信する形態で、端末同士がメディアデータを直接送受信するテレビ会議通信を実現できる。例えば、サーバ104に、会議時間と会議参加者とを登録し、登録した時間に会議を自動的に開始するといった予約型の会議を実現できる。よって、本発明の実施の形態3に係るテレビ会議システム100は、ユーザの利便性を向上できる。
【0260】
(実施の形態4)
実施の形態4に係るテレビ会議システム100では、サーバ104は、メディア情報を取得済みの端末との間のメディアデータの送受信については保留状態にせず、メディア情報を取得していない端末との間のメディアデータの送受信についてのみ保留状態にする。また、サーバ104は、メディア情報を取得済みの端末との間のメディアデータの送受信についてのみ保留を解除し、メディア情報を取得してない端末との間のメディアデータの送受信については保留を継続する。
【0261】
実施の形態4に係るテレビ会議システム100の構成は図1と同様であり、説明は省略する。また、実施の形態4に係るサーバ104の構成は図2と同様であり、説明は省略する。
【0262】
図22は、実施の形態4に係るテレビ会議システム100における処理の流れを示すシーケンス図である。また、図22は、端末101が会議主催者(参加者端末)となり、端末101〜103でテレビ会議が行われる場合の処理の流れを示す。なお、図3と同様の要素には同一の符号を付している。また、図3と同様の処理については説明を省略し、相違点のみを説明する。また、図22において、ACK、REFER応答、NOTIFY、及びNOTIFY応答等は省略している。
【0263】
図22に示すステップS401〜S404の処理は、図3に示すS101〜S104の処理と同様であり、説明は省略する。
【0264】
ステップS404の後、サーバ104は、端末101のメディア情報を含むINVITE363を端末102に送信する(S405)。
【0265】
図23は、INVITE363の構成を示す図である。INVITE363に含まれる2つのメディア情報のうち一方は、端末101のメディア情報であり、他方は、保留要求404を含む。
【0266】
端末102は、INVITE363を受信すると、自身のメディア情報を含む200応答364を送信する(S406)。
【0267】
図24は、200応答364の構成を示す図である。200応答364に含まれる2つのメディア情報のうち一方は、端末102のメディア情報であり、他方は、保留要求404を含む。
【0268】
サーバ104は、200応答364を受信するとACKを端末102に送信する。
【0269】
また、端末102は、端末102が使用可能な2つの通信のうち、保留要求404が含まれない端末101との間のメディアデータの送受信を開始する。具体的には、端末102は、端末101のメディア情報に含まれるIPアドレス401及び受信ポート番号402に対してメディアデータの送信を開始し、同時に自身のメディア情報に記述したIPアドレス401及び受信ポート番号402へのメディアデータの受信準備を開始する。また、端末102は、端末102が使用可能な2つの通信のうち、保留要求404が含まれる通信を保留状態にする。
【0270】
サーバ104はACKを送信すると、招待完了を通知するためのNOTIFYを端末101に送信する。端末101は、NOTIFYに対して200応答をサーバ104に送信する。
【0271】
次に、サーバ104は、端末102のメディア情報を含むre−INVITE365を生成し、生成したre−INVITE365を端末101に送信する(S407)。
【0272】
図25は、re−INVITE365の構成を示す図である。
【0273】
図25に示すように、re−INVITE365に含まれる2つのメディア情報のうち一方は、端末102のメディア情報であり、かつ保留解除要求406を含む。他方は、保留要求404を含む。
【0274】
re−INVITE365を受信した端末101は、自身のメディア情報を含む200応答366をサーバ104に送信する(S408)。
【0275】
図26は、200応答366の構成を示す図である。200応答366に含まれる2つのメディア情報のうち一方は、端末101のメディア情報であり、かつ保留解除要求406を含む。他方は、保留要求404を含む。
【0276】
端末101は、端末101が使用可能な2つの通信のうち、保留解除要求406が含まれる端末102との間のメディアデータの送受信を開始する。具体的には、端末101は、端末102のメディア情報に含まれるIPアドレス401及び受信ポート番号402に対してメディアデータの送信を開始し、同時に自身のメディア情報に記述したIPアドレス401及び受信ポート番号402へのメディアデータの受信準備を開始する。また、端末101は、端末101が使用可能な2つの通信のうち、保留解除要求406が含まれない通信の保留状態を継続する。
【0277】
サーバ104は、200応答306に対するACKを端末101に送信する。
【0278】
以上により、端末101と端末102との間でメディアデータを直接送受信する接続が形成される(S109)。ここでは、端末101のモニタ121に端末102から送信された映像が表示され、端末102のモニタ122に端末101から送信された映像が表示される。また、端末101のモニタ131及び端末102のモニタ132は、使用されず保留状態である。
【0279】
次に、ステップS410〜S412が行われる。ステップSS410〜S412の処理は、図3に示すS110〜S112の処理と同様であり、説明は省略する。
【0280】
次に、サーバ104は、メディアデータの送信先を変更するためのre−INVITE370を端末101に送信する(S413)。re−INVITE370は、端末102及び端末103のメディア情報を含む。また、re−INVITE370は、端末103との間のメディアデータの送受信に対する保留解除要求406を含む。
【0281】
re−INVITE370を受信した端末101は、自身のメディア情報を含む200応答371をサーバ104に送信する(S414)。サーバ104は、200応答371を受信するとACKを端末101に送信する。
【0282】
次に、サーバ104は、メディアデータの送信先を変更するためのre−INVITE372を端末102に送信する(S415)。re−INVITE372は、端末101及び端末103のメディア情報を含む。また、re−INVITE372は、端末103との間のメディアデータの送受信に対する保留解除要求406を含む。
【0283】
re−INVITE372を受信した端末102は、自身のメディア情報を含む200応答373をサーバ104に送信する(S416)。サーバ104は、200応答373を受信するとACKを端末102に送信する。
【0284】
以上により、端末101と端末103との間でメディアデータを直接送受信する接続が形成され(S417)、端末101と端末102との間でメディアデータを直接送受信する接続が形成され(S418)、端末102と端末103との間でメディアデータを直接送受信する接続が形成される(S419)。つまり、端末101〜103間でメディアデータを直接送受信する多地点テレビ会議が実現される。
【0285】
また、端末101のモニタ121及び131には、それぞれ端末102及び端末103から送信された映像が表示され、端末102のモニタ122及び132には、それぞれ端末101及び端末103から送信された映像が表示され、端末103のモニタ123及び133には、それぞれ端末101及び端末102から送信された映像が表示される。
【0286】
次に、実施の形態4に係るサーバ104の詳細な動作を説明する。
【0287】
まず、サーバ104により、2つの端末101及び102の間でのテレビ会議接続を形成する動作を説明する。
【0288】
なお、実施の形態1に係るサーバ104と同様の動作については説明を省略し、相違点のみ説明する。
【0289】
図27は、サーバ104による、2つの端末101及び102の間でのテレビ会議を実現する動作の流れを示すフローチャートである。なお、図27では説明の簡単化のためREFER応答、NOTIFY、NOTIFY応答、及びACKの送受信処理を省略する。
【0290】
ステップS421〜424、S426〜S427、及びS429の処理は、図10に示すステップS121〜124、S125〜S126、及びS128の処理と同様であり、説明は省略する。
【0291】
ステップS423と同時に、サーバ104は、相手端末である端末102に、メディア情報を取得していない端末103との通信を保留する保留要求404を含むメッセージを送信する。相手端末情報取得部203は、INVITE363を端末102に送信することで、参加者端末である端末101のメディア情報の送信(S424)と、保留要求の送信(S425)とを行う。
【0292】
具体的には、制御部201は、端末情報保持部206に保存される端末101のメディア情報を取得する。制御部201は、取得した端末101のメディア情報を相手端末情報取得部203に渡す。相手端末情報取得部203は2つのメディア情報を含むINVITE363を生成し、生成したINVITE363を端末102に送信する。INVITE363に含まれる2つのメディア情報のうち一方は、端末101のメディア情報であり、他方は保留要求404を含む。これにより、端末102が実行可能な2つの通信のうち一方は保留状態となる。また、端末102が実行可能な2つの通信のうち、サーバ104がメディア情報を取得している端末101との通信が開始される。
【0293】
ステップS426の後、通信開始部205は、端末102のメディア情報を端末101に送信する(S427)。また、通信開始部205は、端末101の保留状態を一部解除する(S428)。具体的には、通信開始部205は、端末101に対して、メディア情報を取得した端末102との通信の保留を解除し、メディア情報を取得していない端末103との通信の保留を継続させる。
【0294】
具体的には、通信開始部205は、端末102のメディア情報及び保留解除要求406を含むre−INVITE365を生成し、生成したre−INVITE365を参加者端末に送信する。re−INVITE365に含まれる2つのメディア情報のうち一方は、端末102のメディア情報であり、かつ保留解除要求406を含む。他方は、保留要求404を含む。これにより、端末101が実行可能な2つの通信のうち、端末102との通信は保留状態が解除され、他方は保留状態が継続される。
【0295】
その後、サーバ104は、端末101からの200応答366を受信する。
【0296】
以上の処理により、端末101及び端末102に互いのメディア情報が送信されることで、端末101と端末102との通信が開始される。また、端末101と端末103との通信、及び端末102と端末103との通信は保留状態になる。
【0297】
なお、実施の形態4に係るサーバ104による、端末101及び102の間でテレビ会議接続が形成されている状態で、さらに端末103を加えて3者でのテレビ会議接続を形成する場合の動作は、実施の形態1に係るサーバ104と同様であり、説明は省略する。
【0298】
以上のように、実施の形態4に係るテレビ会議システム100では、サーバ104は、メディア情報を取得済みの端末との間のメディアデータの送受信については保留状態にせず、メディア情報を取得していない端末との間のメディアデータの送受信についてのみ保留状態にする。また、サーバ104は、メディア情報を取得済みの端末との間のメディアデータの送受信についてのみ保留を解除し、メディア情報を取得してない端末との間のメディアデータの送受信については保留を継続する。
【0299】
これにより、実施の形態4に係るテレビ会議システム100では、複数のメディアデータを送受信可能な端末は、接続が形成された端末との通信を単一のメディアデータのみを使い通信できる。よって、実施の形態4に係るテレビ会議システム100は、ユーザの利便性を向上できる。
【0300】
(実施の形態5)
実施の形態5に係るテレビ会議システム100は、保留要求404の代わりに、呼び出し中を指定する180応答を用いる。
【0301】
実施の形態5に係るテレビ会議システム100の構成は図1と同様であり、説明は省略する。
【0302】
図28は、実施の形態5に係るサーバ104の構成を示すブロック図である。
【0303】
図28に示すサーバ104は、制御部201と、参加者端末情報取得部202と、相手端末情報取得部203と、呼出中通知部214と、通信開始部205と、端末情報保持部206とを備える。なお、図2と同様の要素には同一の符号を付しており説明は省略する。
【0304】
呼出中通知部214は、180応答(180 Ringing)を生成し、生成した180応答を参加者端末に送信する。180応答は、呼出中であることを示すメッセージである。言い換えると、180応答は、端末101〜103に通信相手端末101〜103へのメディアデータの送信を開始させない指示である。具体的には、呼出中通知部214は、相手端末情報取得部203により相手端末のメディア情報が取得されていない場合、180応答を参加者端末に送信する。
【0305】
次に、本発明の実施の形態5に係るテレビ会議システム100の動作を説明する。
【0306】
図29は、実施の形態5に係るテレビ会議システム100における処理の流れを示すシーケンス図である。また、図29は、端末101が会議主催者(参加者端末)となり、端末101〜103でテレビ会議が行われる場合の処理の流れを示す。なお、図29において、ACK、REFER応答、NOTIFY、及びNOTIFY応答等は省略している。また、図16と同様の要素には同一の符号を付している。
【0307】
まず、端末101は、自身のメディア情報を含むINVITE380をサーバ104に送信する(S501)。
【0308】
図30は、INVITE380の構成を示す図である。INVITE380は、端末101のメディア情報と、端末数407とを含む。端末数407は、テレビ会議に参加する端末の数を示す。ここでは、テレビ会議に参加する端末の数は3なので、a=terminal:3が記述される。
【0309】
なお、端末数407をSDPのa=行に記述しているが、SIP拡張ヘッダに記述してもよい。また、サーバ104にテレビ会議に参加する端末数を予め設定してもよい。
【0310】
INVITE380を受信したサーバ104は、INVITE380に対して180応答381を送信する(S502)。180応答は、通信相手の端末を呼出中である旨を示すメッセージである。
【0311】
次に、端末101は、端末102を会議に招待するため、Refer−Toヘッダ405に会議用URIを記述したREFER322を端末102に送信する(S503)。
【0312】
REFER322を受信した端末102は、自身のメディア情報を含むINVITE323をサーバ104に送信する(S504)。
【0313】
INVITE323を受信したサーバ104は、180応答384を端末102に送信する(S505)。
【0314】
次に、端末101は、端末103を会議に招待するため、Refer−Toヘッダ405に会議用URIを記述したREFER327を端末103に送信する(S506)。
【0315】
REFER327を受信した端末103は、自身のメディア情報を含むINVITE328をサーバ104に送信する(S507)。
【0316】
INVITE328を受信したサーバ104は、180応答389を端末103に送信する(S508)。
【0317】
サーバ104は、端末から送信されたINVITEを受信するたびに、INVITEを受信した端末の数をカウントする。サーバ104は、カウントした端末の数が、INVITE380に含まれる端末数407と一致した場合、各端末101〜103に対して200応答を返す。ここでは、端末数407が3であるので、サーバ104は、端末101〜103からのINVITE380、323及び328を受信すると、各端末101〜103に対して200応答を返す。
【0318】
具体的には、サーバ104は、端末102及び端末103のメディア情報を含む200応答390を端末101に送信し(S509)、端末101及び端末103のメディア情報を含む200応答391を端末102に送信し(S510)、端末101及び端末102のメディア情報を含む200応答392を端末103に送信する(S511)。
【0319】
以上により、端末101と端末103との間でメディアデータを直接送受信する接続が形成され(S512)、端末101と端末102との間でメディアデータを直接送受信する接続が形成され(S513)、端末102と端末103との間でメディアデータを直接送受信する接続が形成される(S514)。つまり、端末101〜103間でメディアデータを直接送受信する多地点テレビ会議が実現される。
【0320】
次に、実施の形態5に係るサーバ104の詳細な動作を説明する。
【0321】
図31は、実施の形態5に係るサーバ104による、3つの端末101〜103の間でのテレビ会議を実現する動作の流れを示すフローチャートである。なお、図31では説明の簡単化のためREFER応答、NOTIFY、NOTIFY応答、及びACK等の送受信処理を省略する。
【0322】
参加者端末情報取得部202は、参加者端末である端末101が送信したINVITE380を受信する。参加者端末情報取得部202は、INVITE380に含まれるテレビ会議に参加する端末数407を取得する(S521)。また、参加者端末情報取得部202は、INVITE380に含まれる端末101のメディア情報を取得する(S522)。
【0323】
参加者端末情報取得部202は、取得した端末数407及び端末101のメディア情報を制御部201に渡す。制御部201は、受け取った端末数407及び端末101のメディア情報を端末情報保持部206に保存する。
【0324】
次に、制御部201は、端末情報保持部206を検索し、テレビ会議に参加する全ての端末101〜103のメディア情報を取得しているか否かを判定する(S523)。具体的には、制御部201は、端末数407と端末情報保持部206に保存されているメディア情報の数とを比較する。制御部201は、端末数407と端末情報保持部206に保存されているメディア情報の数とが一致する場合に、テレビ会議に参加する全ての端末101〜103のメディア情報を取得していると判定する。また、制御部201は、端末数407と端末情報保持部206に保存されているメディア情報の数とが一致しない場合に、全ての会議参加端末101〜103のメディア情報を取得していないと判定する。
【0325】
テレビ会議に参加する全ての端末101〜103のメディア情報を取得していない場合(S523でNo)、呼出中通知部214は、ステップS522でメディア情報を取得した端末101に、180応答381を送信する(S524)。なお、ここでは、呼出中通知部214は、呼出中通知として180応答を用いているが、SIPの100番台の応答であればいずれを用いてもよい。また、その他のメッセージを用いて呼出中を通知してもよい。
【0326】
次に、相手端末情報取得部203は、メディア情報を取得していない端末102からのINVITE323を受信する。相手端末情報取得部203は、INVITE323に含まれる端末102のメディア情報を取得する(S525)。相手端末情報取得部203は、取得した端末102のメディア情報を制御部201に渡す。
【0327】
制御部201は、再び、端末情報保持部206を検索し、全ての会議参加端末101〜103のメディア情報を取得しているか否かを判定する(S523)。
【0328】
例えば、端末103のメディア情報を取得していない場合(S523でNo)、呼出中通知部214は、直前のステップS525で、新たにメディア情報を取得した端末102に、180応答384を送信する(S524)。
【0329】
次に、相手端末情報取得部203は、メディア情報を取得していない端末103からのINVITE328を受信する。相手端末情報取得部203は、INVITE328に含まれる端末103のメディア情報を取得する(S525)。相手端末情報取得部203は、取得した端末103のメディア情報を制御部201に渡す。
【0330】
全ての会議参加端末101〜103のメディア情報を取得した場合(S523でYes)、制御部201は、全ての会議参加端末101〜103のメディア情報を通信開始部205に渡す。通信開始部205は、全ての会議参加端末101〜103に対して通信相手のメディア情報を含む200応答390〜392を送信する(S526)。
【0331】
以上の処理により、会議参加端末101〜103の間でメディアデータの送受信が開始される。
【0332】
以上のように実施の形態5に係るテレビ会議システム100では、サーバ104がメディア情報を含むINVITEを受信すると180応答を返す。サーバ104は、全ての端末101〜103から、メディア情報を含むINVITEを受信した後に、通信相手の端末のメディア情報を含む200応答を各端末101〜103に送信する。
【0333】
これにより、実施の形態5に係るテレビ会議システム100では、端末101〜103に必要な付加機能は180応答の受信機能だけとなる。よって、実施の形態5に係るテレビ会議システム100に接続可能な端末の種類が多くなるので、システム構築が容易になる。
【0334】
以上、本発明の実施の形態に係るテレビ会議システムについて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
【0335】
例えば、上記実施の形態1〜5では、多地点テレビ会議に本発明を適用した例を示したが、本発明は、電話会議等の音声会議、又はその他の会議通信にも適用できる。
【0336】
また、上記実施の形態1〜5では、3つの端末による接続例を示したが、4以上の端末による接続の場合にも、同様の手順を用いることができる。
【0337】
また、上記実施の形態1〜5では、SIPを用いた通信の例を示したが、通信プロトコルとしてはH.323又はHTTPなどその他のプロトコルを用いてもよい。
【0338】
また、上記実施の形態1〜4の説明において、保留要求及び保留解除要求を行う方法としてSDPのパラメータを用いる方法を説明したが、SIPの拡張ヘッダを使うなど、その他の方法で保留及び保留解除をしてもよい。
【0339】
また、本発明は、上記実施の形態1〜5の全ての機能を備えるテレビ会議システムとして実現してもよいし、上記実施の形態1〜5のうちいずれか2以上を組み合わせたテレビ会議システムとして実現してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0340】
本発明は、会議システム、及び会議システムに含まれる接続装置に適用でき、特に、多地点テレビ会議システム、及び多地点テレビ会議システムに含まれる接続装置に適用できる。
【符号の説明】
【0341】
100、800、900 テレビ会議システム
101、102、103、701、702、703、801、802、803 端末
104、704、804 サーバ
106、706、806 ネットワーク
111、112、113、811、812、813 ユーザ
121、122、123、131、132、133、821、822、823、831、832、833 モニタ
141、142、143、841、842、843 カメラ
201 制御部
202 参加者端末情報取得部
203 相手端末情報取得部
204 保留部
205 通信開始部
206 端末情報保持部
214 呼出中通知部
300、303、308、323、328、340、342、344、363、380
INVITE
301、304、306、309、311、313、324、329、341、343、345、348、350、352、364、366、371、373、390、391、392 200応答
302、307、322、327 REFER
305、310、312、347、349、351、365、370、372 re−INVITE
381、384、389 180応答
401 IPアドレス
402 受信ポート番号
403 使用可能コーデック
404 保留要求
405 Refer−Toヘッダ
406 保留解除要求
407 端末数
700 電話会議システム
705、805 ミキサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
会議主催する第1端末と、その会議に参加する第2端末及び第3端末とが当該端末間でメディアデータを直接送受信する多地点会議を行うための、当該端末間の接続を形成する接続装置であって、
前記会議主催する第1端末から、前記第1端末が主催する会議に参加する複数の端末のIPアドレスを含むメディアデータの送受信に関する情報であるメディア情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得した前記会議主催する第1端末からのメディア情報を含む第1メッセージを前記会議に参加する第2端末および第3端末に送信する第1メッセージ送信部と、
前記第1メッセージ送信部により前記メッセージが送信された後、その応答として前記情報取得部により前記会議に参加する第2端末および第3端末のメディア情報が取得された場合、前記第2端末および第3端末のメディア情報を含み、かつ前記メディアデータの送信を開始させる第2メッセージを前記第1端末に送信する第2メッセージ送信部とを備え、
前記第2メッセージ送信部は、
前記会議に参加する端末の内、前記メディア情報が取得できていない端末には通信を禁止させる第2メッセージを送信し、前記メディア情報が取得した端末から通信を開始させる第2メッセージを送信する
接続装置。
【請求項2】
前記第2メッセージ送信部は、
前記会議に参加する端末の内、前記メディア情報が取得できていない端末には通信を禁止させる第2メッセージを送信し、前記メディア情報が全て取得できた場合に、前記会議に参加する全ての端末に通信を開始させる第2メッセージを送信する
請求項1記載の接続装置。
【請求項3】
会議主催する第1端末と、その会議に参加する第2端末及び第3端末とが当該端末間でメディアデータを直接送受信する多地点会議を行うための、当該端末間の接続を形成する接続装置における接続方法であって、
前記会議主催する第1端末から、前記第1端末が主催する会議に参加する複数の端末のIPアドレスを含むメディアデータの送受信に関する情報であるメディア情報を取得する情報取得ステップと、
前記情報取得ステップで取得した前記会議主催する第1端末からのメディア情報を含む第1メッセージを前記会議に参加する第2端末および第3端末に送信する第1メッセージ送信ステップと、
前記第1メッセージ送信ステップにより前記メッセージが送信された後、その応答として前記情報取得部により前記会議に参加する第2端末および第3端末のメディア情報が取得された場合、前記第2端末および第3端末のメディア情報を含み、かつ前記メディアデータの送信を開始させる第2メッセージを前記第1端末に送信する第2メッセージ送信ステップとを含み、
前記第2メッセージ送信ステップでは、
前記会議に参加する端末の内、前記メディア情報が取得できていない端末には通信を禁止させる第2メッセージを送信し、前記メディア情報が取得した端末から通信を開始させる第2メッセージを送信する
接続方法。
【請求項4】
請求項3記載の接続方法をコンピュータに実行させる
プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【公開番号】特開2012−90339(P2012−90339A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−12082(P2012−12082)
【出願日】平成24年1月24日(2012.1.24)
【分割の表示】特願2007−329386(P2007−329386)の分割
【原出願日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】