説明

接続部材付きコードスイッチ

【課題】コードスイッチの長尺化を容易に行うことができると共に、信頼性の高い接続を容易に行うことができる接続部材付きコードスイッチを提供する。
【解決手段】コードスイッチ10と、接続部材101と、からなる接続部材付きコードスイッチ101において、コードスイッチ10は、弾性を有する絶縁体チューブ11と、絶縁体チューブ11内に、絶縁体チューブ11に沿って対向配置される複数の電極線12と、を有し、絶縁体チューブ11の変形で対向する電極線12同士が接触するよう構成され、接続部材101は、コードスイッチ10の端部における絶縁体チューブ11内に、絶縁体チューブ11の端末部15から一部突出するように挿入された棒状絶縁体17と、棒状絶縁体17の外周に設けられ、コードスイッチ10の複数の電極線12と個々に接触すると共に、端末部15から露出した複数の導体リード層18と、を有するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコードスイッチに係り、特に、コードスイッチの端部に接続部材を備え、他のコードスイッチ又はケーブルと接続する接続部材付きコードスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
コードスイッチの例としては、特許文献1に記載のものがよく知られている。
【0003】
図8に示すように、コードスイッチ10は、弾性を有する絶縁体チューブ11内に、その絶縁体チューブ11に沿って複数の電極線12が対向配置されると共に、絶縁体チューブ11の変形で対向する電極線12同士が接触するよう構成されたものである。
【0004】
コードスイッチ10の具体的な形状としては、例えば、図8および図9(a)に示すような、円形の断面形状を有する絶縁体チューブ11内に4本の電極線12を螺旋巻きに配置すると共に、その電極線12の2本を一対として対向配置した螺旋電極式のコードスイッチ10や、図9(b)に示すような、矩形の断面形状を有する絶縁体チューブ11r内に2本の平板電極線12pを対向配置した平板電極式のコードスイッチ10rがある。
【0005】
コードスイッチ10に用いる電極線12は、金属撚線13の周囲を導電性樹脂層14で被覆してなり、コードスイッチ10の可とう性や復元性を高めると共に、絶縁体チューブ11に電極線12を強固に固着できるようにしている。
【0006】
これらコードスイッチ10は、例えばその一方の端部に電源および電流計を接続し、電源、電流計、複数の電極線12からなる直列回路を形成したコードスイッチアセンブリとして用いられる。このコードスイッチアセンブリでは、電源から直列回路に供給した電流の値を電流計で検出し、コードスイッチ10(絶縁体チューブ11)に押圧力が印加されたとき、電極線12同士の接触による直列回路の短絡を電流値の変化から検知することで、コードスイッチ10への押圧の印加を検出するセンサとして機能する。
【0007】
コードスイッチ10は防犯や、機械の安全装置などで用いられる。例えば、防犯の場合は、住宅の玄関や窓に設置してドアや窓の開閉状態を検知する手段となる。
【0008】
機械の安全装置の場合は、危険区域へ人が立ち入った場合に機械を停止させるための手段となる。または機械の非常停止用スイッチにも使える。
【0009】
また近年では、パワーウィンドウやスライドドアの電動開閉時において、人体の一部が挟まれる挟み込み事故を防止すべく、挟み込み検知センサに適用されている。
【0010】
これらコードスイッチ10は、中空部16(電極線12間の空間)にあたる部分にダミー線を配置し、そのダミー線の外側に電極線12を配置して絶縁体チューブ11となる絶縁体を押出し被覆した後、ダミー線を引き抜くことにより、中空部16を形成して製造される(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特許第3707796号
【特許文献2】特開平10−281906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら上記の製造方法では、コードスイッチを長尺化しようとすると、必然とダミー線も長尺のものを用いなければならないが、ダミー線を長尺化するとコードスイッチからダミー線を引き抜くことが困難となる。そのため、コードスイッチを長尺化するためには、複数のコードスイッチを接続する必要がある。
【0013】
ところが、従来のコードスイッチでは他のコードスイッチ又はケーブルと接続することが容易ではなく、接続作業のためには専用の接続機械が必要であった。コードスイッチを接続する際には、電極線の金属撚線をはんだ付けするために、電極線の被覆を剥がして金属撚線を露出させる必要がある。このとき、手作業による接続を行う場合には、電極線の被覆(導電性樹脂層)を剥がす作業などに熟練が必要であり、信頼性の高い接続を何時でも誰でもできるというものではないという問題があった。
【0014】
またコードスイッチを、防犯のために住宅の玄関や窓に設置したり、機械に設置して安全装置として適用したりする場合、新規の布設であれば予め設置ルートを検討し、それに応じて必要な条長を準備できるので問題はないが、後々、監視する窓の変更や、機械のレイアウト変更をする場合、コードスイッチを延長する必要性があり、やはり複数のコードスイッチを接続することが要求される。
【0015】
本発明は上記課題を解決するために為されたものであり、コードスイッチの信頼性の高い接続を容易に行うことができ、コードスイッチの長尺化を容易に行うことができる接続部材付きコードスイッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために創案された本発明は、コードスイッチと接続部材とからなる接続部材付きコードスイッチにおいて、前記コードスイッチは、弾性を有する絶縁体チューブと、前記絶縁体チューブ内に、前記絶縁体チューブに沿って対向配置される複数の電極線と、を有し、前記絶縁体チューブの変形で対向する前記電極線同士が接触するよう構成され、前記接続部材は、前記絶縁体チューブ内に、前記絶縁体チューブの端末部から一部突出するように挿入された棒状絶縁体と、前記棒状絶縁体の外周に設けられ、前記コードスイッチの前記複数の電極線と個々に接触すると共に、前記端末部から露出した複数の導体リード層と、を有する接続部材付きコードスイッチである。
【0017】
前記コードスイッチは、前記絶縁体チューブが円形の断面形状を有し、前記絶縁体チューブ内に、前記複数の電極線が螺旋状に対向配置されて構成され、前記接続部材は、前記棒状絶縁体の外周に形成され、前記コードスイッチの前記複数の電極線を個々に収容する螺旋状の複数の収容溝を有し、前記複数の導体リード層は、前記収容溝に設けられ、前記電極線と接触すると良い。
【0018】
前記接続部材は、前記端末部から露出した前記複数の導体リード層のそれぞれに接続される金属製端子を更に有すると良い。
【0019】
前記棒状絶縁体は、セラミックスまたはプラスチックからなると良い。
【0020】
前記導体リード層は、AuまたはAgからなると良い。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、コードスイッチの信頼性の高い接続を容易に行うことができ、コードスイッチの長尺化を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施の形態に係る接続部材付きコードスイッチを示す側面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る接続部材を示す側面図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係り、コードスイッチ同士を接続した接続構造を示す部分破断側面図である。
【図4】本発明の他の実施の形態に係る接続部材付きコードスイッチを示す側面図である。
【図5】本発明の他の実施の形態に係る接続部材を示す側面図である。
【図6】図5に示す接続部材の正面図である。
【図7】本発明の他の実施の形態に係り、コードスイッチとケーブルとを接続した接続構造を示す部分破断側面図である。
【図8】コードスイッチの構造の一例を示す斜視図である。
【図9】コードスイッチの構造例を示す断面図であり、(a)は螺旋電極式のコードスイッチを、(b)は平板電極式のコードスイッチを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施の形態を図面を用いて説明する。
【0024】
図1は、本実施の形態に係る接続部材付きコードスイッチを示す側面図である。
【0025】
図1に示すように、接続部材付きコードスイッチ100は、コードスイッチ10と、接続部材101と、からなる。コードスイッチ10は、弾性を有する絶縁体チューブ11と、絶縁体チューブ11内に、絶縁体チューブ11に沿って対向配置される複数の電極線12と、を有し、絶縁体チューブ11の変形で対向する電極線12同士が接触するよう構成される。接続部材101は、コードスイッチ10の端部における絶縁体チューブ11内に、絶縁体チューブ11の端末部15から一部突出するように挿入された棒状絶縁体17と、棒状絶縁体17の外周に設けられ、コードスイッチ10の複数の電極線12と個々に接触すると共に、端末部15から露出した複数の導体リード層18と、を有する。
【0026】
本実施の形態ではコードスイッチ10として、図8および図9(a)に示したような、円形断面の絶縁体チューブ11内に4本の電極線12を所定のピッチで螺旋巻きに配置した螺旋電極式のコードスイッチ10を用いる。なお、本発明はコードスイッチ10の構造を限定するものではなく、例えば、2本の電極線12を用いた螺旋電極式のコードスイッチを用いたりすることもできる。
【0027】
コードスイッチ10の絶縁体チューブ11は、荷重(例えば10〜30N程度)が印加されたときに容易に変形し、荷重が減少したときに直ちに復元するものであり、シリコーンゴムやポリエチレンなど公知の樹脂材料およびプラスチック材料を使用することができる。
【0028】
電極線12は、図9に示したように、複数本のCu等からなる金属線を撚合わせた金属撚線13の周囲に、導電性樹脂層14を被覆してなる。導電性樹脂層14は、ゴムなどの樹脂材料又はプラスチック材料に、カーボンブラックなどの導電性充填材を配合したものを使用することができる。なお、金属撚線13がCuからなる場合には、銅害による導電性樹脂層14の劣化を防止すべく、Cu以外の金属で金属撚線13の外周を鍍金することが好ましい。その鍍金材としては、Sn、Ag、又はAuを用いることができる。
【0029】
絶縁体チューブ11内での電極線12の螺旋ピッチ(螺旋巻きした1本の電極線12の、絶縁体チューブ11長手方向に対する配置間隔)は、複数の電極線12間の絶縁性を維持できるだけの距離を確保できるようにする。複数の電極線12の螺旋ピッチは、例えば、8〜16mmである。
【0030】
このコードスイッチ10を製造する方法としては、特許文献2に記載するような公知の方法を用いることができ、ここではその説明を省略する。
【0031】
次に、接続部材101について図2を用いて具体的に説明する。
【0032】
接続部材101は、コードスイッチ10の端部における絶縁体チューブ11内に挿入される棒状絶縁体17と、その棒状絶縁体17の外周に設けられ、コードスイッチ10の複数の電極線12と個々に接触する複数の導体リード層18と、を有するものであり、コードスイッチ10を他のコードスイッチ又はケーブルと接続するためのものである。
【0033】
より具体的には、本実施の形態の接続部材101は、コードスイッチ10の端部における絶縁体チューブ11内に挿入される棒状絶縁体17を有すると共に、その棒状絶縁体17の外周に形成され、コードスイッチ10の4本の電極線12を個々に収容する4つの収容溝19のそれぞれの底部20に、電極線12と接触して電気的に接続される導体リード層18を有するものである。なお、それぞれの導体リード層18は棒状絶縁体17によって隔てられ、互いに絶縁状態とされる。
【0034】
ここでは、コードスイッチ10は、円形断面の絶縁体チューブ11内に4本の電極線12を螺旋巻きに配置した螺旋電極式のコードスイッチ10であるので、絶縁体チューブ11内に挿入される棒状絶縁体17は、その外径を絶縁体チューブ11の内径に合わせると共に、その外周に4つの螺旋形状の収容溝19が形成された形状とされる。また収容溝19は、電極線12と同じ螺旋ピッチで形成される。即ち、収容溝19の螺旋ピッチは、例えば、8〜16mmである。なお、本実施の形態において、棒状絶縁体17の外周には螺旋状の収容溝19が形成されているが、例えば、棒状絶縁体17の外周には棒状絶縁体17の長手方向に延びる直線状の収容溝を形成することも可能である。
【0035】
この接続部材の棒状絶縁体17は、接続部材101をコードスイッチ10の端部における絶縁体チューブ11内に挿入する際に容易に変形しない程度の硬さを有する材料からなることが好ましく、例えば、絶縁性のセラミックス材料やプラスチック材料からなることが好ましい。この場合、棒状絶縁体17および接続部材101が容易に変形することがないので、接続部材101を絶縁体チューブ11内に挿入する際に、その作業を容易に行うことができる。
【0036】
電極線12と接触する底部20には、電極線12と電気的に接続するための導体リード層18が鍍金等のメタライズ処理により形成される。導体リード層18は、電極線12の場合と同様に、電極線12の導電性樹脂層14の銅害劣化を防止するために、Cu以外の金属からなることが好ましく、その金属としてAg又はAuを用いることができる。
【0037】
この接続部材101を、コードスイッチ10の端部における絶縁体チューブ11内に、端末部15から一部突出するようにねじ込んで挿入することで、図1に示した接続部材付きコードスイッチ100が得られる。
【0038】
この接続部材付きコードスイッチ100(絶縁体チューブ11)の端末部15から突出した接続部材101を他のコードスイッチ102の端部における絶縁体チューブ110にねじ込んで挿入することで、図3に示す接続構造103が構成される。
【0039】
この接続構造103は、コードスイッチ10内の複数の電極線12と接続部材101外周の複数の導体リード層18とが個々に接触すると共に、端末部15から露出した複数の導体リード層18が他のコードスイッチ102内の複数の電極線12と個々に接触するようにして構成される。これにより、コードスイッチ10内の複数の電極線12と、他のコードスイッチ102内の複数の電極線12とが、接続部材101の複数の導体リード層18を介して、個々に電気的に接続される。なお、本実施の形態においては、コードスイッチ10,102同士を接続した接続部104の外周に熱収縮性チューブ22を被覆して、接続部104が外力によって外れることを防ぐと共に、埃や湿気が進入して接続部104が劣化することを防ぐように構成することができる。また、接続構造103の接続部104における防水性を確保することができる。
【0040】
なお、接続後に、コードスイッチ10および他のコードスイッチ102の全長にわたる電気抵抗を測定したところ略0オームであり、良好な接続状態であることが確認できた。
【0041】
次に、本発明の他の実施の形態について図4〜7を用いて説明する。
【0042】
図4に示すように、本実施の形態に係る接続部材付きコードスイッチ107は、図1に示した接続部材付きコードスイッチ100において、端末部15から露出した導体リード層18に、電極線12とケーブルの導体とを接続するための金属製端子23を接続したものである。
【0043】
この接続部材付きコードスイッチ107に用いる、接続部材105について、図5および図6により説明する。
【0044】
接続部材105は、図1に示した棒状絶縁体17の、端末部15から露出した導体リード層18にそれぞれ接続された所定長さの金属製端子23を更に有するものである。
【0045】
この金属製端子23は、接続部材105の収容溝19に沿う基部23bと、その基部23bと一体に設けられ、接続部材105の突出方向(図4,5中、左方)へ延び、ケーブル等の導体と接続される端子部23pと、を有する。ここでは、収容溝19は螺旋形状に形成されているので、金属製端子23の基部23bも、収容溝19に合わせた螺旋形状に形成される。
【0046】
金属製端子23は、その基部23bが収容溝19の導体リード層18にろう付け等により取り付けられ、導体リード層18と電気的に接続される。また、これら金属製端子23は、その端子部23pと、例えばキャブタイヤケーブル106内の複数の導体24と、を例えばはんだ付けにより形成したはんだ部25でそれぞれ接続し、自身を介して導体リード層18とキャブタイヤケーブル106内の導体24とを電気的に接続するためのものである。
【0047】
なお、金属製端子23の導体リード層18への取り付けは、棒状絶縁体17の絶縁体チューブ11への挿入前であっても挿入後であっても良いが、ろう付けやはんだ付けによる絶縁体チューブ11および電極線12の熱劣化が懸念されるときは、絶縁体チューブ11への挿入前に予め取り付けておくようにすると良い。
【0048】
金属製端子23の材料は特に限定されず、例えば純Cu、Cu合金、SnめっきCu合金や、Ag、Au、Alなどの公知の導電性金属を用いることができる。
【0049】
この接続部材105を、コードスイッチ10の端部における絶縁体チューブ11内に、端末部15から金属製端子23側(図4〜5中、左側)が突出するようにねじ込んで挿入することで、接続部材付きコードスイッチ107が得られる。
【0050】
この接続部材付きコードスイッチ107(絶縁体チューブ11)の端末部15から突出した接続部材105をキャブタイヤケーブル106と接続することで、図7に示す接続構造108が構成される。
【0051】
この接続構造108は、コードスイッチ10内の複数の電極線12と接合部材105外周の複数の導体リード層18とが個々に接触すると共に、導体リード層18に取り付けた金属製端子23がキャブタイヤケーブル106内の複数の導体24と個々にはんだ付けされて構成される。これにより、コードスイッチ10内の複数の電極線12と、キャブタイヤケーブル106内の複数の導体24と、が接続部材105の導体リード層18と金属製端子24とを介して、個々に電気的に接続される。なお、本実施の形態においても、コードスイッチ10とキャブタイヤケーブル106とを接続した接続部109の外周に熱収縮性チューブ22を被覆して、接続部109が外力によって外れることを防ぐと共に、埃や湿気が進入して接続部109が劣化することを防ぐように構成することができる。また、接続構造108の接続部109における防水性を確保することができる。
【0052】
なお、接続後に、コードスイッチ10およびキャブタイヤケーブル106の全長にわたる電気抵抗を測定したところ略0オームであり、良好な接続状態であることが確認された。
【0053】
以上要するに、本発明では、コードスイッチの端部における絶縁体チューブ内に挿入される棒状絶縁体と、その棒状絶縁体の外周に設けられ複数の電極線と個々に接続する複数の導体リード層と、を有する接続部材により、コードスイッチを他のコードスイッチ又はケーブル(キャブタイヤケーブルなど)と接続するようにしている。
【0054】
これにより、接続の際に電極線の導電性樹脂層(被覆)を剥がす必要などが無く、コードスイッチの信頼性の高い接続を容易に行うことができ、コードスイッチの長尺化を容易に行うことができる。
【0055】
また、コードスイッチ10が螺旋電極式のコードスイッチである場合において、あえて螺旋形状の収容溝19が形成された接続部材101を用いることにより、コードスイッチ10の端部に接続部材101を挿入した際に、コードスイッチ10の電極線12と接続部材101の収容溝19とが螺合することとなるので、接続部104が引張の外力により外れてしまうことを抑制することもできる。
【0056】
本発明は上記実施の形態に限られず、種々の変更が可能である。
【0057】
例えば、上記実施の形態では4本の電極線12を螺旋巻きに配置した螺旋電極式のコードスイッチ10を用いる場合について説明したが、本発明は、円形断面の絶縁体チューブ内に2本の電極線を螺旋巻きに対向配置した螺旋電極式のコードスイッチや、矩形断面の絶縁体チューブ内に2本の平板電極線を対向配置した平板電極式のコードスイッチなどにも適用できる。
【0058】
本発明に係る接続部材は、コードスイッチの中空部に挿入されるものであり、その形状はコードスイッチの絶縁体チューブ内の中空部の形状に合わせて変更される。
【0059】
つまり、コードスイッチが2本の電極線を用いた螺旋電極式のコードスイッチである場合には、図1に示した棒状絶縁体17の外周に2つの収容溝19が形成された接続部材を用いることで、コードスイッチを容易に接続できる。また、コードスイッチが平板電極式のコードスイッチである場合には、平板電極線間の矩形状の空間に合わせた矩形形状の絶縁体と、その棒状絶縁体の外周に、平板電極と個々に接触して電気的に接続する導体リード層を設けた接続部材を用いることで、コードスイッチを容易に接続できる。
【符号の説明】
【0060】
10 コードスイッチ
11 絶縁体チューブ
12 電極線
15 端末部
17 棒状絶縁体
18 導体リード層
100 接続部材付きコードスイッチ
101 接続部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コードスイッチと接続部材とからなる接続部材付きコードスイッチにおいて、
前記コードスイッチは、
弾性を有する絶縁体チューブと、
前記絶縁体チューブ内に、前記絶縁体チューブに沿って対向配置される複数の電極線と、
を有し、
前記絶縁体チューブの変形で対向する前記電極線同士が接触するよう構成され、
前記接続部材は、
前記絶縁体チューブ内に、前記絶縁体チューブの端末部から一部突出するように挿入された棒状絶縁体と、
前記棒状絶縁体の外周に設けられ、前記コードスイッチの前記複数の電極線と個々に接触すると共に、前記端末部から露出した複数の導体リード層と、
を有することを特徴とする接続部材付きコードスイッチ。
【請求項2】
前記コードスイッチは、
前記絶縁体チューブが円形の断面形状を有し、前記絶縁体チューブ内に、前記複数の電極線が螺旋状に対向配置されて構成され、
前記接続部材は、
前記棒状絶縁体の外周に形成され、前記コードスイッチの前記複数の電極線を個々に収容する螺旋状の複数の収容溝を有し、
前記複数の導体リード層は、前記収容溝に設けられ、前記電極線と接触する請求項1記載の接続部材付きコードスイッチ。
【請求項3】
前記接続部材は、前記端末部から露出した前記複数の導体リード層のそれぞれに接続される金属製端子を更に有する請求項1又は2記載の接続部材付きコードスイッチ。
【請求項4】
前記棒状絶縁体は、セラミックスまたはプラスチックからなる請求項1〜3いずれか記載の接続部材付きコードスイッチ。
【請求項5】
前記導体リード層は、AuまたはAgからなる請求項1〜4いずれか記載の接続部材付きコードスイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−221570(P2012−221570A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−82705(P2011−82705)
【出願日】平成23年4月4日(2011.4.4)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【Fターム(参考)】