説明

接触入力型の情報処理装置、接触入力型の情報処理方法、及び情報処理プログラム

【課題】本発明の目的は、接触体が接触することで情報が入力され処理される装置において、多重構造ではなく部品点数も少ない簡易な構成により、押圧の強さに応じて処理を決定する接触入力型の情報処理装置を提供することである。
【解決手段】接触入力型の情報処理装置1は、透明フレーム3を有する全体フレーム2により覆われている。前方の空間を覆っている透明フレーム3が前方向からユーザの体の一部により接触可能に構成される。液晶ディスプレイ4は、透明フレーム3を通してユーザが目視できる位置に配置されている。CCDカメラ7は、ユーザが接触可能な透明フレーム3の表面と反対側の表面から撮影を行える特定位置に配置されている。CCDカメラ7により撮影された画像から、ユーザの体の一部により透明フレーム3が押圧される押圧力が決定される。撮影された画像により決定された押圧力の強さに応じて処理が切り換えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接触体が接触することで情報を入力することが可能な情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
接触体が接触することで簡易に情報を入力し、処理を行う装置としてタッチパネルが様々な用途で幅広く用いられている。タッチパネルは、接触体がパネル上に表示されている表示情報を接触することで簡易に情報を入力することができる。特許文献1には、一般的なタッチパネルの製造に必要な構成が記載されている。タッチパネルは、表示面を目視することができるように透明樹脂フィルム及び透明ガラス板等から構成されている。そして、透明樹脂フィルム及び透明ガラス板が平行に重なって備えられている。透明樹脂フィルムと透明ガラス板とが対向するそれぞれの面には、透明電極が設けられている。また、透明電極間にスペーサーが設けられており、2つの電極間に隙間が設けられている。タッチパネルの表示部分に液晶表示パネルが使用される場合、入力の際にタッチパネルが弾性変形されるため液晶表示パネルも共に変形させられてしまう。そのため、液晶表示パネルの表示面が変形することにより表示が不鮮明となる。これを防止するために、上述した透明樹脂フィルムと透明ガラス板との2つの透明基材のうち、液晶表示パネル側に近い透明基材としてガラス板が一般的に用いられている。一方の透明基材は、ユーザが指で触れて情報を入力するために透明樹脂フィルムが用いられる。透明樹脂フィルムが指で触れられることで、透明樹脂フィルムと透明ガラス板との間に設けられている透明電極が弾性変形する。この変形により透明電極同士が接触することで、透明電極間に電流が流れる。透明電極間で電流が流れることで、タッチパネルから情報が入力される。上述したタッチパネルにより、ユーザが押圧したタッチパネル上の位置が決定される。決定された押圧位置に基づいて、情報が入力される。
【0003】
特許文献2には、タッチパネルの操作性を向上させることを目的で、圧力検出部が備えられたタッチパネルが記載されている。圧力検出部は、タッチパネルの液晶表示パネルの表面部に設けられている。圧力検出部はタッチパネルに対する押圧力の大きさを検出する。特許文献2に記載されているタッチパネルは、タッチパネル上の接触位置と押圧力の大きさとに基づいて情報が入力される。例えば、タッチパネルに対する押圧力に応じて、液晶表示パネルの表示が切り替わることで、複数の情報からの選択及び情報の入力が可能となる。
【特許文献1】特開2004−252676号公報
【特許文献2】特開2006−39745号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、タッチパネルそのものを製造するために必要な部品点数が多く、タッチパネルの製造には複雑な構成が必要とされていた。押圧力の大きさを検出するタッチパネルを製造するためには、タッチパネルそのものを製造する部品に加え、押圧力を検出する部品が必要とされる。また、透明電極がガラス板に蒸着されたり、透明樹脂フィルムがタッチパネルに塗布されたりと複数の工程が必要とされる。
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものである。本発明の目的は、接触体が接触することで情報が入力され処理される装置において、多重構造ではなく部品点数も少ない簡易な構成により、押圧の強さに応じて処理を決定する接触入力型の情報処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、接触体が接触するとともに押圧することが可能な透明部材と、前記透明部材を通してユーザが目視できる情報を表示する表示部と、接触体が接触可能な前記透明部材の表面と反対側の表面から、接触体と前記透明部材との接触部分の画像を撮影する位置に配置されている撮影ユニットと、前記撮影ユニットにより前記透明部材を介して撮影された画像を入力し、接触体が前記透明部材を押圧する強さに応じて変化する前記接触部分の大きさを決定する画像処理部と、前記画像処理部により決定された接触部分の大きさに基づいて、実行すべき処理を決定する処理制御部と、を備えたことを特徴としている。
【0007】
請求項2に記載の発明は、ユーザの体の一部が接触するとともに押圧することが可能な透明部材と、前記透明部材を通してユーザが目視できる情報を表示する表示部と、ユーザの体の一部が接触可能な前記透明部材の表面と反対側の表面から、ユーザの体の一部と前記透明部材との接触部分の画像を撮影する位置に配置されている撮影ユニットと、前記撮影ユニットにより前記透明部材を介して撮影された画像を入力し、ユーザの体の一部が前記透明部材を押圧する強さに応じて変化する前記接触部分の大きさを決定する画像処理部と、前記画像処理部により決定された接触部分の大きさに基づいて、実行すべき処理を決定する処理制御部と、を備えたことを特徴としている。
【0008】
請求項3に記載の発明は、前記処理制御部は、前記接触部分の大きさに基づいて、前記表示部により表示される情報を切り替える処理を決定することを特徴としている。
【0009】
請求項4に記載の発明は、前記処理制御部は、複数の異なる選択内容に切り替えられる選択項目を前記表示部に表示させ、前記接触部分の大きさに基づいて選択項目の選択内容を切り替える処理を決定することを特徴としている。
【0010】
請求項5に記載の発明は、前記画像処理部が、前記撮影ユニットにより前記透明部材を介して撮影された画像を入力して、前記透明部材上での前記接触部分の接触位置を決定し、前記処理制御部は、前記接触位置に基づいて、前記処理制御部が前記表示部により表示される複数の情報の中から所望の情報を選択し、前記接触部分の大きさに基づいて、その選択された情報を切り替える処理を決定することを特徴としている。
【0011】
請求項6に記載の発明は、前記表示部が、前記選択項目を複数表示し、前記画像処理部が、前記撮影ユニットにより前記透明部材を介して撮影された画像を入力して、前記透明部材上での前記接触部分の接触位置を決定し、前記画像処理部により決定される接触位置と前記選択項目が表示されている透明部材上での表示位置とを比較し、両位置が一致するか否かを判別する位置判別部を備え、前記位置判別部が前記接触位置と前記選択項目の表示位置とが一致したと判別した場合、前記処理制御部は、前記接触部分の大きさに基づいて、前記両位置が一致した選択項目の選択内容を切り替える処理を決定することを特徴としている。
【0012】
請求項7に記載の発明は、前記表示部が、複数の選択項目を表示可能であり、前記処理制御部が、前記接触部分の大きさに基づいて前記複数の選択項目のスクロールさせて前記表示部に表示させるスクロールの速度を決定することを特徴としている。
【0013】
請求項8に記載の発明は、複数の異なる所定の面積の大きさを記憶した面積記憶部を備え、前記画像処理部は、前記接触面積の大きさが前記複数の異なる所定の面積の大きさのいずれかに達したか否かを判別するための面積判別部と、前記接触面積の大きさが前記複数の異なる所定の面積の大きさのいずれかに達した時からの経過時間を測定するための時間測定部と、前記時間測定部により測定された前記経過時間が所定の時間に達するまでの間、前記接触面積の大きさがいずれかの所定の面積の大きさに維持されているか否かを判定する接触面積維持判定部とを備え、前記接触面積維持判定部により前記接触面積の大きさがいずれかの所定の面積の大きさに維持されていると判定された場合、前記画像処理部がその判定された接触面積の大きさを最終的な接触面積の大きさと決定することを特徴としている。
【0014】
請求項9に記載の発明は、前記画像処理部により決定される接触部分の大きさが第1の所定の大きさにある場合、前記処理制御部は前記表示部により表示される情報を切り替える処理を決定し、前記画像処理部により決定される接触部分の大きさが第2の所定の大きさにある場合、前記処理制御部は前記表示部により表示される情報に対応する処理を確定する処理を決定することを特徴としている。
【0015】
請求項10に記載の発明は、前記透明部材はプラスチックにより作られていることを特徴としている。
【0016】
請求項11に記載の発明は、前記透明部材が曲面を有することを特徴としている。
【0017】
請求項12に記載の発明は、ユーザの体の一部が接触するとともに押圧することが可能な透明部材を通してユーザが目視できる情報を表示する表示ステップと、ユーザの体の一部が接触可能な前記透明部材の表面と反対側の表面から、ユーザの体の一部と前記透明部材との接触部分の画像を撮影する撮影ステップと、前記撮影された画像を入力して、ユーザの体の一部が前記透明部材を押圧する強さに応じて変化する前記接触部分の大きさを決定する大きさ決定ステップと、前記決定された接触部分の大きさに基づいて、実行すべき処理を決定する処理決定ステップと、を備えたことを特徴とする接触入力型の情報処理方法について記載されている。
【0018】
請求項13に記載の発明は、ユーザの体の一部が接触するとともに押圧することが可能な透明部材を通してユーザが目視できる情報を表示する表示ステップと、ユーザの体の一部が接触可能な前記透明部材の表面と反対側の表面から、ユーザの体の一部と前記透明部材との接触部分の画像を撮影する撮影ステップと、前記撮影された画像を入力して、ユーザの体の一部が前記透明部材を押圧する強さに応じて変化する前記接触部分の大きさを決定する大きさ決定ステップと、前記決定された接触面積の大きさに基づいて、実行すべき処理を決定する処理決定ステップと、をコンピュータに実行させる情報処理プログラムについて記載されている。
【発明の効果】
【0019】
請求項1記載の発明によれば、透明部材が接触体により接触される際、透明部材が押圧される押圧力の強さとして接触部分の大きさが撮影ユニットにより撮影された画像から決定される。押圧力の強さが撮影ユニットにより撮影された画像により決定される構成であるため、タッチパネルでは必要だった透明電極や透明樹脂フィルム、押圧力検出部が不要になる。そのため、接触を検出するための構成が多重構造でなく簡易になる。また、接触体が接触可能な透明部材の表面と反対側の表面から画像を撮影する位置に撮影ユニットが配置されている構成である。つまり、透明部材と接触体との接触部分を撮影する際に、接触体自体により接触部分が隠されることはなく、その撮影が妨げられることがないので、正確に接触部分を撮影することが可能となる。そのため、接触体と透明部材との接触の有無及び接触部分の大きさが精度よく決定される。
【0020】
請求項2記載の発明によれば、透明部材がユーザの体の一部により接触される際、透明部材が押圧される押圧力の強さとして接触部分の大きさが撮影ユニットにより撮影された画像から決定される。押圧力の強さが撮影ユニットにより撮影された画像により決定される構成であるため、タッチパネルでは必要だった透明電極や透明樹脂フィルム、押圧力検出部が不要になる。そのため、接触を検出するための構成が多重構造でなく簡易になる。また、ユーザが接触可能な透明部材の表面と反対側の表面から画像を撮影する位置に撮影ユニットが配置されている構成である。つまり、透明部材とユーザの体の一部との接触部分、例えば透明部材とユーザの指先との接触部分がユーザの手全体により隠されることはなく、その接触部分の撮影がユーザの体により妨げられることがないので、正確に接触部分を撮影することが可能となる。そのため、ユーザの体の一部と透明部材との接触の有無及び接触部分の大きさが精度よく決定される。
【0021】
請求項3記載の発明のよれば、接触部分の大きさに基づいて表示部により表示される情報が切り替えられる処理が決定される。ユーザは、表示部により表示されている情報を見ながら、接触部分の大きさを変えることで所望の情報を選択することができる。この結果、ユーザは透明部材の押圧力の強さに応じて多様な情報を簡単な操作で選択することが可能となる。
【0022】
請求項4記載の発明では、複数の選択内容に切り替えられる選択項目が表示部により表示される。接触部分の大きさに基づいて選択項目の選択内容が切り替換えられることで、ユーザは、表示されている選択項目について簡単な操作で異なる選択内容に切り替えることが可能になる。
【0023】
請求項5記載の発明では、透明部材上の接触位置が撮影ユニットにより撮影された画像から決定される。前記画像処理部により決定された透明部材上の接触位置に基づいて、表示部により表示されている複数の情報の中の所望の情報が選択される。また、接触部分の大きさに基づいて、その選択された情報が切り替えられる処理が決定される。この結果、ユーザは、接触位置と接触部分の大きさとにより、多様な情報の選択及びその選択された情報の切り替えを1つの操作で行うことが可能となり、操作性が向上する。
【0024】
請求項6に記載の発明では、前記透明部材上の選択項目の表示位置と接触位置とが一致した選択項目の選択内容が接触部分の大きさに基づいて切り替えられる。前記表示部により表示される複数の選択項目の中で、ユーザは、希望する選択項目についてのみ、接触部分の大きさに基づいて選択内容を切り替えることができる。この結果、ユーザは、選択項目の選択とその選択内容の切り替えとを1つの操作で行うことが可能となり、操作性が向上する。
【0025】
請求項7記載の発明では、表示部により表示されている複数の選択項目が接触部分の大きさに基づいてスクロールされる速度が決定される。接触部分の大きさに基づいて複数の選択項目がスクロールされる速度が決定されることで、一画面で表示しきれない程の複数の選択項目が存在する場合、接触部分の大きさに基づいてスクロールの速度が変化するため、複数の選択項目からの情報選択を1つの操作で迅速に行うことが可能になる。
【0026】
請求項8記載の発明では、所定の時間の間、接触面積の大きさが所定の面積の大きさに維持されたと判定された場合、前記画像処理部がその判定された接触面積の大きさを最終的な接触面積の大きさと決定する。この結果、ユーザによる押圧力の変動に起因して誤った処理が実行されることを防止することができ、精度よく情報の選択や切り替えなどの処理を決定することが可能になる。
【0027】
請求項9記載の発明では、接触部分の大きさに基づいて、処理制御部が表示部により表示される情報を切り替える処理の決定と、表示部により表示される情報に対応する処理内容を確定する処理の決定とが行われる。接触部分の大きさのみに基づいて、情報の切り替えと処理内容の確定とが行われるので、ユーザは、情報の切り替え及び処理内容の確定という2つの異なる処理を、1種類の入力操作により行うことが可能になる。
【0028】
請求項10記載の発明では、本発明の構成では透明電極が不要なため、これまでタッチパネルの製造で使用することが困難だったプラスチックにより製造が可能となる。この結果、安価な素材で容易に様々な形状のパネルの製造が可能となる。
【0029】
請求項11記載の発明では、一般的なタッチパネルで幅広く用いられている平面に限定されることなく曲面の形状も可能となるため、接触入力型の情報処理装置の用途やデザインに適した形状に容易に変更することが可能である。
【0030】
請求項12及び請求項13に記載の発明では、撮影ステップにおいて透明部材上の透明部材がユーザの体の一部により接触される際、透明部材がユーザの体の一部により押圧される押圧力が撮影ステップにより撮影された画像から接触部分の大きさとして決定される。そのため、タッチパネルでは必要だった透明電極や透明樹脂フィルム、押圧力検出部が不要になる。タッチパネルの製造に必要だった透明電極の蒸着や透明樹脂フィルムの塗布といった作業工程が不要となり、押圧力を検出するための構成が多重構造でなく簡易になる。また、ユーザが接触可能な透明部材の表面と反対側の表面から画像が撮影される。つまり、透明部材とユーザの体の一部との接触部分をユーザの体により妨げられることなく、正確に接触部分を撮影することが可能となる。そのため、ユーザの体の一部と透明部材との接触の有無及び接触部分の大きさが精度よく決定される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
[第1の実施形態]
以下、動画再生機能を有する情報処理装置に本発明を適用した第1の実施形態について図面を参照して説明する。第1の実施形態では、動画を選択するための選択項目が表示部により表示される。選択可能な複数の動画の種類が、表示部により選択項目として表示される。表示された選択項目がユーザの体の一部により接触される。ユーザにより接触された押圧力及び接触位置に基づいて表示部の選択項目の表示が切り替わることで、ユーザが好みの動画を選択し、再生することができる。
【0032】
図1及び図2は本発明を適用した第1の実施形態の情報処理装置の概念的構成を示す。図1は第1の実施形態の側面図、図2は正面図である。第1の実施形態の接触入力型の情報処理装置1では、図1に示す矢印の方向をそれぞれ上方向、下方向、前方向、後方向とする。また、図2に示す矢印の方向をそれぞれ右方向、逆を左方向と定義する。
【0033】
<第1の実施形態の外観的構成>
図1に示されるように第1の実施形態の接触入力型の情報処理装置1は、透明フレーム3を有する全体フレーム2により覆われている。全体フレーム2の内部には2つの空間が形成されている。図1における前方の空間を覆っている透明フレーム3が前方向からユーザの体の一部により接触可能に構成される。後方の空間には、液晶ディスプレイ4、CPU5、メモリ6、カラー画像の撮影が可能なCCDカメラ7、HDD8が備えられている。全体フレーム2の下方には、全体フレーム2を支持するための支持スタンド9、音声出力装置10が備えられている。
【0034】
(透明部材の構成)
透明フレーム3は透明なプラスチックを材料にして作られている。ユーザに対して凸の曲面の形状をしている。一方、後方の空間を覆っている全体フレーム2の材料はプラスチックで作られているが、特に限定されない。透明フレーム3は本発明の透明部材の一例である。
【0035】
(表示部の構成)
液晶ディスプレイ4は、透明フレーム3を通してユーザが目視できる位置に配置されている。液晶ディスプレイ4は、表示情報に従ってユーザに情報を表示する。液晶ディスプレイ4は本発明の表示部の一例である。
【0036】
(撮影ユニットの構成)
CCDカメラ7は、ユーザが接触可能な透明フレーム3の領域全てが撮影可能な位置に配置される。また、CCDカメラ7は、ユーザが接触可能な透明フレーム3の表面と反対側の表面の方向から撮影を行える特定位置に配置されている。そのため、透明フレーム3とユーザの体の一部との接触部分がユーザの体により妨げられることなく、正確に接触部分の接触面積が撮影される。CCDカメラ7が上記特定位置に配置されることで、1台のCCDカメラ7により透明フレーム3とユーザの体の一部とが接触しているか否かの決定が可能となる。そのため、複数のカメラを用意する必要がない。図1に示すように、透明フレーム3と液晶ディスプレイ4との間に、所定の大きさの空間が形成されている。透明フレーム3と液晶ディスプレイ4との間に所定の大きさの空間が形成されることで、上記特定位置に配置されている1台のCCDカメラ7により、ユーザが接触可能な透明フレーム3の領域が撮影可能となる。CCDカメラ7は本発明の撮影ユニットの一例である。
【0037】
<第1の実施形態の電気的構成>
図3は、第1の実施形態の接触入力型の情報処理装置1の電気的構成を示すブロック図である。図3に示すように、第1の実施形態の接触入力型の情報処理装置1には、接触入力型情報処理装置1を制御するCPU5が設けられている。CPU5には、液晶ディスプレイ4と、メモリ6と、CCDカメラ7と、HDD8と、音声出力装置10とがそれぞれ電気的に接続されている。CPU5は、メモリ6及びHDD8と共に、第1の実施形態の情報処理装置1の動作を制御処理するコンピュータを構成している。CPU5とメモリ6とHDD8とからなるコンピュータは、本発明の処理制御部と、位置判別部と、面積判別部と、時間測定部と、面積維持判定部との一例である。音声出力装置10は、接触入力型の情報処理装置1により再生される動画の音声を出力する。
【0038】
(メモリの構成)
図4は、メモリ6の記憶内容の詳細を示す。メモリ6は、公知のRAMから構成され、CCDカメラ7により撮影された撮影画像データ11を記憶する領域を備える。メモリ6は、接触位置の候補の接触面積12と、入力位置データ14と、一時保存データ19とを記憶する領域を備える。
【0039】
メモリ6は入力位置データ14として、CPUにより決定された接触位置の最終的な入力位置15と、入力位置の最終接触面積16と、押圧力17と、接触選択項目18とを記憶する。押圧力17は入力位置の最終接触面積16の大きさに基づいて決定される。接触選択項目18は、入力位置15に基づいて決定される。CPU5により新たに上記に示す最終的な入力位置が決定される場合、メモリ6はこれまで記憶していた入力位置データ14を一時保存データ19として記憶するための一時保存記憶領域を備える。一時保存データ19として、前回CPU5により決定された最終的な入力位置20と、最終接触面積21と、押圧力22と、接触選択項目23とが記憶される。
【0040】
(HDDの構成)
図5は、HDD8の記憶内容の詳細を示す。HDD8は、プログラム31と、色情報32と、表示情報33と、接触部分の大きさ情報34と、表示位置情報35と、動画情報36と、押圧力決定情報44とを記憶している。プログラム31は、接触入力型の情報処理装置1を制御するためのプログラムである。色情報32は、接触部分の候補であるかどうかを判定するための情報である。表示情報33は、液晶ディスプレイ4に映像などの情報を表示させることを指令する情報である。接触部分の大きさ情報34は、接触部分の面積が所定の大きさであるかを判断するための情報である。表示位置情報35は、液晶ディスプレイ4により表示されている選択項目が透明フレーム3上に位置する選択項目の表示位置の情報である。動画情報は36は、ユーザからの入力により第1の実施形態の接触入力型の情報処理装置1で再生される動画ファイルに関する情報である。押圧力決定情報44は、接触部分の大きさに基づいて、押圧力を決定するための情報である。第1の実施形態では、接触部分の大きさとしての接触面積の大きさに基づいて、押圧力が決定される。接触部分の大きさ情報34を記憶するHDD8の記憶領域は、面積記憶部の一例である。
【0041】
HDD8は、プログラム31として、図6に示すメインプログラム37と、図7に示すサブタスクプログラム38とを記憶している。メインプログラム37は、第1の実施形態の接触入力型の情報処理装置を制御するためのプログラムである。サブタスクプログラム38は、CCDカメラ7により撮影された撮影画像データに対して画像処理を行い、押圧力及び接触部分の検出を行うためのプログラムである。また、サブタスクプログラム38は決定された押圧力及び接触部分に関する情報をメモリ6に記憶させるためのプログラムでもある。HDD8に記憶されているサブタスクプログラム38は、本発明の画像処理部の一例である。
【0042】
HDD8は、色情報32として、接触部分色情報39を記憶している。接触部分色情報39は、接触部分の候補であるかを判定するための判定基準となる色情報である。
【0043】
HDD8は、液晶ディスプレイ4に情報を表示させるための表示情報33として、メインメニュー表示情報40を記憶している。図8は、メインメニューが表示された状態を示しており、メインメニューはメインメニュー表示情報40により表示される情報の一例を示している。第1の実施形態では、液晶ディスプレイ4は、メインメニュー中の各情報を表示するための表示領域として、動画表示情報表示部51〜55と動画再生部56とを有している。図8に示すメインメニューにより、ユーザが所望する動画が選択される。
【0044】
HDD8は、第1の実施形態の情報処理装置1で動画を再生させるための動画情報36として、動画タイトル名情報41と、動画表示情報42と、動画再生情報43とを記憶している。動画タイトル名情報41は、HDD8に記憶されているそれぞれの動画ファイルに割り当てられたタイトル名である。動画表示情報42は、HDD8に記憶されている複数の動画ファイルを表す表示情報である。動画表示情報42の各表示情報に従って、動画表示情報表示部51〜55はメインメニューの各情報を表示する。動画再生情報43は、第1の実施形態の情報処理装置で動画を再生させるための情報である。動画再生情報43は、液晶ディスプレイ4に出力する表示情報と音声出力装置10の出力する音声情報とから構成される。動画再生情報43に従って、動画再生部56は動画を表示し、音声出力装置10は音声を出力する。第1の実施形態では、動画表示情報表示部51は「サスペンス」に関する情報を、動画表示情報表示部52は「ミステリー」に関する情報を、動画表示情報表示部53は「SF」に関する情報を、動画表示情報表示部54は「アクション」に関する情報を、動画表示情報表示部55は「その他」の情報を表示するように構成されている。
【0045】
図9は、接触選択項目と押圧力の大きさとに対応する動画タイトル名情報41と動画表示情報42と動画再生情報43とがHDD8に記憶されている記憶状態を示す概念図である。「押圧力:1」は、押圧力が「1」と決定されたこを表している。押圧力に対応する動画タイトル名情報41と動画表示情報42と動画再生情報43とが、図9に示すようにHDD8に記憶されている。例えば、接触選択項目が「3」、押圧力の大きさが「2」である場合、図9に示す対応テーブルに従って、接触選択項目「3」と押圧力の大きさ「2」とに対応する動画タイトル名情報である「SF_B」の動画が決定される。
【0046】
図10は、接触面積の大きさと押圧力決定情報44とがHDD8に記憶されている記憶状態を示す概念図である。第1の実施形態は、接触部分の大きさとして接触面積が用いられている。図10に示す表により、接触面積の大きさに基づいて押圧力が決定される。第1の実施形態では、接触部分における画素数が、接触部分の接触面積と決定される。接触面積の大きさが、0画素から99画素の場合、押圧力の大きさが「0」と決定される。接触面積の大きさが、100画素から1999画素の場合、押圧力の大きさが「1」と決定される。接触面積の大きさが、2000画素から3999画素の場合、押圧力の大きさが「2」と決定される。接触面積の大きさが、4000画素以上の場合、押圧力の大きさが「3」と決定される。
【0047】
<第1の実施形態のメイン動作の説明>
以上説明した構成からなる第1の実施形態の情報処理装置1の動作及び作用について、添付図面を参照して説明する。図6は、情報処理装置1におけるメイン動作の処理手順を示すフローチャートである。メイン動作は、接触入力型の情報処理装置に電源が供給され、CPU5がメインプログラム37を実行することにより、遂行される。以下に示す処理は全てCPU5により処理される。
【0048】
第1の実施形態の接触入力型の情報処理装置1では、最初にステップS101で本装置の電源がユーザによりONされたかが判定される。電源スイッチがONにされたと判定されるまで、ステップS101が繰り返される。電源スイッチがONにされたと判定されると、ステップS102が実行される。電源スイッチはハードウェアを用いたスイッチであっても、ソフトウェアにより動作されるソフト電源スイッチであっても良い。
【0049】
ステップS102では、図7に示すサブタスクプログラム38が、HDD8から読み出され、実行される。サブタスクプログラム38の説明は図7を用いて後述する。サブタスクプログラム38により、入力位置データ14として入力位置15、最終接触面積16、押圧力17、接触選択項目18が決定される。入力位置データ14が決定された後に、メモリ6がこれまで一時記憶していた入力位置データ14は、一時保存データ19としてメモリ6に記憶される。その後、決定された入力位置データ14は、メモリ6に一時記憶される。サブタスクプログラム38は、第1の実施形態では、ステップS102で起動された後、100msecごとにメインプログラム37とは独立して起動される。
【0050】
ステップS103では、入力位置データ14としての初期値がメモリ6に記憶される。第1の実施形態では、初期値として最終接触面積16と押圧力17とが「0」の値に、入力位置15と入力位置15に基づいて決定される選択項目位置18とがNULLに設定されてメモリ6により記憶される。また、フレームフラグがOFFにされる。
【0051】
ステップS104では、HDD8からメインメニュー情報40が読み出される。液晶ディスプレイ4はHDD8から読み出されたメインメニュー情報40に従って情報を表示する。液晶ディスプレイ4は、メインメニュー情報40に従って図8に示すメインメニューを表示する。それぞれ異なる種類の動画ファイルの動画表示情報42に従って、動画表示情報表示部51〜55は情報を表示する。その後、タイマーのカウントがスタートされる。ステップS104は、表示ステップの一例である。
【0052】
「サスペンス」に関する動画表示情報42がHDD8から読み出されて、動画表示情報表示部51に出力される。同様に、「ミステリー」に関する動画表示情報42が動画表示情報表示部52に、「SF」に関する動画表示情報42が動画表示情報表示部53に、「アクション」に関する動画表示情報42が動画表示情報表示部54に、「その他」に関する動画表示情報42が動画表示情報表示部55にそれぞれ出力される。動画表示情報表示部51〜55により表示される情報は、押圧力に基づいて切り替えられる。
【0053】
ユーザが、押圧力に基づいて動画表示情報表示部51〜55により表示される情報を切り替えることにより、動画再生情報がHDD8から読み出され、決定される。HDD8から読み出された動画再生情報43の表示情報が動画再生部56に、動画再生情報43の音声情報が音声出力部10にそれぞれ出力され、動画が再生される。
【0054】
ステップS105では、入力位置データ14として記憶されている押圧力がメモリ6から読み出される。
【0055】
ステップS106では押圧力が「0」であるかが判定される。「0」であると判定された場合、ステップS115が実行される。押圧力が「0」でないと判定された場合、ステップS107が実行される。
【0056】
ステップS107では、入力位置データ14として記憶されている入力位置15がメモリ6から読み出される。入力位置15は、透明フレーム3上における座標位置として決定される。図11は、透明フレーム3上の座標位置の一例を示す。図11に示すように透明フレーム3上におけるX軸、Y軸の座標位置が、入力位置15として決定される。第1の実施形態では、CCDカメラ7が撮影した画像の最も左下の画素の位置を原点としている。この原点を基準として、1画素ごとに1座標値が定められる。以下、説明の便宜上、ステップS107で接触部分の入力位置15が座標位置(120、540)であり、その座標位置の入力位置15がメモリ6から読み出されたとして説明する。
【0057】
ステップS108では、ステップS107で読み出された接触部分の入力位置15と、透明フレーム3上での選択項目の表示位置との比較が行われる。図11を参照して、詳細に説明する。ステップS107で入力位置15の座標位置(120、540)が読み出される。図11で示すエリア1〜5の選択項目の表示位置を表す表示位置情報35が、HDD8から読み出される。エリア1の選択項目表示位置の座標として、X座標の値が20以上200以下、Y座標の値が40以上140以下であるといった表示位置情報35が読み出される。また、エリア2の選択項目表示位置の座標値として、X座標の値が220以上400以下、Y座標の値が40以上140以下であるといった表示位置情報35がHDD8から読み出される。エリア3の選択項目表示位置の座標値として、X座標の値が420以上600以下、Y座標の値が40以上140以下であるといった表示位置情報35がHDD8から読み出される。エリア4の選択項目表示位置の座標値として、X座標の値が420以上600以下、Y座標の値が160以上260以下であるといった表示位置情報35がHDD8から読み出される。エリア5の選択項目表示位置の座標値として、X座標の値が420以上600以下、Y座標の値が280以上380以下であるといった表示位置情報35がHDD8から読み出される。接触部分の入力位置15と表示位置情報35とが比較されることにより、入力位置15がエリア3と一致していると決定される。決定されたエリア3が、メモリ6の接触選択項目18として一時記憶される。エリア1からエリア5のうちいずれか一つと入力位置15とが一致したと決定された場合、ステップS109が実行される。一致しなかったと決定された場合、ステップS104へ戻り、メインメニューが再び表示される。ステップS108は、位置判別部の一例である。
【0058】
ステップS109では、ステップS108で接触選択項目18として決定されたエリア3の押圧力が、所定の押圧力に維持されているかが判定される。すなわち、ステップS109では、一時保存データ19としてメモリ6に記憶されている接触選択項目23と、入力位置データ14としてメモリ6に記憶されている接触選択項目18とが一致しているかが判定される。また、一時保存データ19としてメモリ6に記憶されている押圧力22と、入力位置データ14としてメモリ6に記憶されている押圧力17とが一致しているかも判定される。接触選択項目と押圧力との両方が一致していると判定された場合、ステップS112が実行される。接触選択項目と押圧力との両方が一致しなかった場合、ステップS110が実行される。
【0059】
ステップS110では、所定の押圧力が維持されてないと判定されたため、これまで時間のカウントを行ってきたタイマーがリセットされる。その後、時間のカウントが再スタートされる。また、フレームフラグがOFFにされる。
【0060】
ステップS111では、ステップS105とステップS107とにおいて決定された押圧力と接触選択項目とに基づいて表示情報が決定される。図9は、動画情報36についてのHDD8の記憶内容を示す概念図である。例えば、メモリ6に入力位置データ14として記憶されている接触選択項目18が「3」で、押圧力17が「1」と記憶されている場合、動画タイトル名情報41が「SF_A」、動画表示情報42が「SF_A.jpg」と決定される。HDD8から動画タイトル名情報「SF_A」の動画表示情報「SF_A.jpg」が読み出されて、液晶ディスプレイ4上の「SF」を表示する動画表示情報表示部53に出力される。その後、ステップS105へ戻り、再びステップS105が実行される。
【0061】
ステップS112では、ステップS104または、ステップS110からタイマーによりカウントされた時間が2秒以上であるかが判定される。つまり、所定の押圧力の大きさが、所定の接触選択項目に対して2秒間維持されたかが判定される。所定の押圧力が2秒以上維持されたと判定された場合、ステップS113が実行される。所定の押圧力の大きさが2秒以上維持されたと判定されなかった場合、ステップS105へ戻り、ステップS105が実行される。
【0062】
ステップS113では、所定の押圧力の大きさが2秒以上維持されたため、フレームフラグがONにされる。また、図8及び図11に示す液晶ディスプレイ4により表示される動画表示情報表示部の輪郭が赤枠で表示される。動画表示情報表示部の輪郭が赤枠で表示されることで、ユーザの動画選択が確定されたことが表示される。例えば、液晶ディスプレイ4上の「SF」を表示する動画表示情報表示部53により表示されている動画タイトル名情報が「SF_A」の動画が確定された場合、動画表示情報表示部53の輪郭が赤枠で表示される。
【0063】
ステップS114では、ステップS113で決定された処理が実行された後、ユーザにより電源スイッチがOFFされたかが判定される。電源スイッチがOFFにされなかった場合はステップS105へ戻り、ステップS105が実行される。電源スイッチがOFFにされた場合は、ステップS101へ戻り、再びステップS101が実行される。
【0064】
ステップS106で、押圧力が「0」であると判定された場合、ステップS115が実行される。ステップS106では、フレームフラグがONにされているかが判定される。ステップS115でフレームフラグがONにされていると判定された場合、ステップS116が実行される。ステップS115でフレームフラグがOFFにされていると判定された場合、ステップS103へ戻り、初期値として最終接触面積16と押圧力17とが「0」に、入力位置15と入力位置15に基づいて決定される接触選択項目18とがNULLに設定されてメモリ6に記憶される。また、フレームフラグがOFFにされる。
【0065】
ステップS116では、表示情報に対応する処理が決定される。ステップS116は、液晶ディスプレイ4上の赤枠に囲まれた動画表示情報表示部により表示される選択項目がユーザにより確定されたことと、押圧力が所定の大きさに2秒間維持された後に「0」に変化したこととに基づいて実行される。第1の実施形態では、フレームフラグがONにされ、押圧力が所定の大きさに2秒間維持された後に「0」に変化したことにより、情報の選択が最終的に決定されたと判定される。押圧力17と接触選択項目18とに基づいた動画再生情報43がHDD8から読み出される処理が決定される。上述した動画再生情報43がHDD8から読み出されて、動画再生部56に表示情報が、音声出力装置10に音声情報が出力されることで、動画が再生される。例えば、メモリ6に入力位置データ14として記憶されている接触選択項目18が接触選択項目「2」で、押圧力17が「3」と記憶されている場合、第1の実施形態で再生される動画が図9に示す対応テーブルに従って「mystery_C」と決定される。HDD8から「mystery_C」の動画再生情報が読み出されて、動画再生部56と音声出力装置10とにそれぞれ出力される。ステップS116は、処理決定ステップの一例である。
【0066】
(サブタスク動作の説明)
図7は、サブタスクプログラム38に従う接触部分の押圧力と入力位置とを決定する動作を示すフローチャートである。まず、ステップS201でCCDカメラ7により透明フレーム3とユーザの体の一部との接触部分の撮影が開始される。サブタスクプログラム38は10msecごとに実行される。そのため、撮影を行うタイミングは、第1の実施形態では、一定周期ごとである。CCDカメラ7により撮影されるごとに、撮影画像データがメモリ6に一時記憶される。ステップS201は、撮影ステップの一例である。
【0067】
ステップS202では、透明フレーム3とユーザの体の一部との接触部分の検出を行うために、メモリ6に記憶されている撮影画像データ11に対して画像処理が実行される。具体的には、メモリ6に記憶されている撮影画像データ11が時系列で比較され、比較された撮影画像データ11の差分が取られる。この差分以外の部分を除去することで背景の除去が可能となる。図12は、接触部分を決定する画像処理の一例の概念図を示す。ある時刻Tに撮影された撮影画像データ61と、ある時刻(T+10msec)に撮影された撮影画像データ62との画像の差分が求められる。図12に示される差分画像データ63が求められる。ある時刻Tと時刻(T+10msec)との間で変化があった画素が決定される。そのため、現在動いていない物体(背景)の除去が可能となる。
【0068】
ステップS203では、ステップS202の画像処理結果により接触部分がないと決定された場合、ステップS213へ進む。接触部分がありと決定された場合、ステップS204が実行される。
【0069】
ステップS204では、ステップS203で接触部分がありと決定された場合、所定の色の接触部分が接触部分の入力位置を決定する判断対象から排除される。第1の実施形態では人間の指の色の一つである薄橙色以外の接触部分が、接触部分の入力位置を決定する判断対象から排除される。薄橙色を検出するために、CCDカメラ7が撮影した撮影画像データの全ての画素におけるRGBの値と、HDD8に記憶された接触部分色情報39とが比較される。比較結果に基づき、画素の色が薄橙色であるかが決定される。薄橙色として識別されるRGBの値の上限値及び下限値といった閾値が、あらかじめ接触部分色情報39としてHDD8に記憶されている。画素のRGBの値が、上限値と下限値とにより定まる範囲に該当するなら、薄橙色であると決定される。
【0070】
ステップS205では、ステップS204が実行された結果、接触部分がないと決定された場合、ステップS213へ進む。接触部分がありと決定された場合、ステップS206が実行される。
【0071】
ステップS206では、接触部分の形状に基づいて所定の形状の接触部分が接触部分の入力位置を決定する判断対象から排除される。第1の実施形態の接触入力型情報処理装置1では、ユーザの体の一部として指が想定される。そのため、指の接触部分の形状として考えられる円、楕円に類似した形状である接触部分以外が排除される。CCDカメラ7が撮影した画像に対して、ハフ変換が用いられる、ハフ変換により、第1の実施形態では図形の特徴が決定される。円及び楕円に類似した形状の接触部分が決定され、それ以外の形状の接触部分が排除される。また、接触部分の面積がHDD8に記憶されている接触部分の大きさ情報34と比較される。接触部分の大きさとして決定される接触部分の面積の大きさの上限値及び下限値といった閾値が、あらかじめ接触部分の大きさ情報34としてHDD8により記憶されている。接触部分の面積の大きさが上限値と下限値とにより定まる範囲に該当しない場合、その該当しない接触面積の大きさの接触部分は、入力位置を決定する判断対象から排除される。
【0072】
ステップS207では、ステップS206が実行された結果、接触部分がないと決定された場合はステップS213へ進む。接触部分がありと決定された場合、ステップS208が実行される。
【0073】
ステップS208では、ステップS207で接触部分がありと決定された場合、接触部分の面積が決定される。上述のステップS202からS207の処理で排除されなかった接触部分における画素数が、接触部分の接触面積と決定される。図13は、接触面積の決定方法の一例の概念図を示す。第1の実施形態の接触入力型の情報処理装置1では、図13に示す矢印の方向をそれぞれ上方向、下方向、右方向、左方向とする。ステップS207の実行後、撮影画像データ64に関して、接触部分65と接触部分66とが決定されている。図13における右部分に示された図は、接触部分66の拡大図である。図13に示す小さい1つの四角形が、1つの画素67に相当する。また色の濃い画素68はユーザにより接触された画素を示している。第1の実施形態では、接触部分の画素数が接触面積の大きさとされている。そのため、図13の接触部分66の接触面積は、ユーザにより接触された画素68の画素数として決定される。決定された接触面積は、メモリ6の接触位置候補の接触面積12として一時記憶される。決定された接触面積が最大である接触部分が、最終接触面積16の接触部分として決定される。ステップS208は、大きさ決定ステップの一例である。
【0074】
ステップS209では、ステップS208で決定された最終接触面積16の大きさが所定の大きさ以上であるかが判定される。入力位置データ14としてメモリ6により記憶されている最終接触面積16と、HDD8により記憶されている接触部分の大きさ情報34とが比較される。最終接触面積16が接触部分の大きさ情報34以上の場合、ステップS210へ進む。最終接触面積16が接触部分の大きさ情報34より小さかった場合、ステップS213へ進む。
【0075】
ステップS210では、接触面積が最大である接触部分の形状の中の1点の位置が、入力位置として決定される。接触部分の形状の中の1点の位置が入力位置とされることで、上記1点の位置に対応する処理のみをCPU5が決定すれば良い。そのため、容易に接触部分に対応する処理を決定することが可能となる。第1の実施形態では、図14(a)(b)(c)に示すように、入力位置として接触部分の形状を包含し、且つ、前記接触部分と接する長方形または正方形の中心を入力位置としている。包含する正方形または長方形の中心とは、各辺の中点から引いた垂直二等分線の交点である。CCDカメラ7が撮影した画像の最も左下の画素の位置を原点としている。この原点を基準として、1画素ごとに1座標値が定められる。接触部分の入力位置は、上記中心の座標値として決定される。このようにして接触部分の最終接触面積と接触部分の入力位置とが決定される。
【0076】
ステップS211では、入力位置データ14としてメモリ6により記憶されている最終接触面積16に基づいて押圧力17が決定される。液晶ディスプレイ4として7.5インチの大きさの液晶ディスプレイを、CCDカメラ7として解像度が640×480、撮影範囲が153.6mm×115.2mmのCCDカメラを用いた例により、押圧力の決定方法の一例を説明する。上述したカメラでは、解像度が640×480、撮影範囲が153.6mm×115.2mmである。そのため、1画素あたりの大きさが、約0.24mm×0.24mmとなる。図10に示す表により、接触面積の大きさに基づいて押圧力が決定される。接触面積の大きさが、0から99画素の場合、つまり、5.76ミリ平方メートルより小さい場合、押圧力の大きさが「0」と決定される。接触面積の大きさが、100画素から1999画素、つまり、5.76ミリ平方メートル以上115.2ミリ平方メートル未満の場合、押圧力の大きさが「1と決定される。接触面積の大きさが、2000画素から3999画素の場合、つまり、115.2ミリ平方メートル以上230.4ミリ平方メートル未満の場合、押圧力の大きさが「2」と決定される。接触面積の大きさが、4000画素以上、つまり、230.4ミリ平方メートル以上の場合、押圧力の大きさが「3」と決定される。ステップS211は、面積判別部の一例である。また、ステップS211とステップS108とステップS109とステップS112とは、面積維持判定部の一例である。
【0077】
ステップS212では、入力位置データ14としてメモリ6により記憶されている入力位置15と最終接触面積16と押圧力17と接触選択項目18とが、一時保存データ19としてメモリ6により記憶される。上記ステップS211で決定された入力位置15と、最終接触面積16と、押圧力17とが、入力位置データ14として新たにメモリ6により記憶される。
【0078】
ステップS214では、前回サブタスクを実行してから所定の時間が経過したかが判定される。所定の時間が経過したと判定されるまで、ステップS214が繰り返される。所定の時間が経過したと判定された場合、ステップS201へ戻る。
【0079】
ステップS213では、ステップS203ステップS205及びステップS207で接触部分が残っていないと判定された場合、最終接触面積16と押圧力17とが「0」、入力位置14と入力位置に基づいて決定される接触選択項目18とがNULLに設定されてメモリ6の記憶値が更新される。
【0080】
[第2の実施形態]
以下、動画再生機能を有する情報処理装置に本発明を適用した第2の実施形態について図面を参照して説明する。第2の実施形態の外観的構成及び電気的構成は、第1の実施形態とほぼ同じ構成であるので、相違する部分についてのみ説明する。
【0081】
(第2の実施形態メモリの構成)
図15は、第2の実施形態におけるメモリ106の記憶内容の詳細を示す。メモリ106は、第1の実施形態と同様に公知のRAMから構成される。メモリ106は、撮影画像データ111と、接触位置の候補の接触面積112と、入力位置データ114と、一時保存データ119と、選択中番号Nxとを記憶する領域を備える。選択中番号Nxは、ユーザにより現在選択されている動画ファイルの選択番号を表す情報である。
【0082】
(第2の実施形態HDDの構成)
図16は、第2の実施形態におけるHDD108の記憶内容の詳細を示す。HDD108は、プログラム131と、色情報132と、表示情報133と、接触部分の大きさ情報134と、表示位置情報135と、動画情報136と、最大選択番号137と、押圧力決定情報147と、表示維持時間情報148とを記憶している。プログラム131は、接触入力型の情報処理装置1を制御するためのプログラムである。色情報132は、接触部分の候補であるかどうかを判定するための情報である。表示情報133は、液晶ディスプレイ4に映像などの情報を表示させることを指令する情報である。接触部分の大きさ情報134は、接触部分の面積が所定の大きさであるかを判断するための情報である。表示位置情報135は、液晶ディスプレイ4により表示されている選択項目が透明フレーム3上において位置する表示位置を表す情報である。動画情報136は、ユーザからの入力により第2の実施形態の情報処理装置1で再生される動画ファイルの情報である。最大選択番号137は、第2の実施形態の情報処理装置1で再生される動画の選択可能な総動画数を表している。押圧力決定情報147は、接触部分の大きさに基づいて、押圧力を決定するための情報である。表示維持時間情報148は、液晶ディスプレイ4の表示を維持する表示維持時間である。第2の実施形態では表示維持時間148として、所定の時間が記憶されている。第2の実施形態では、接触部分の大きさとして接触面積の大きさが用いられる。
【0083】
HDD108は、プログラム131として、処理決定プログラム140と表示切替プログラム141とを記憶している。処理決定プログラム140は、サブタスクプログラム139により決定された押圧力と接触位置とに基づいて、実行すべき処理を決定するプログラムである。表示切替プログラム141は、処理決定プログラム140により決定された処理として、液晶ディスプレイ4により表示される情報を切り替えるためのプログラムである。
【0084】
図17は、選択番号0〜8に対応する動画タイトル名情報144と動画表示情報145と動画再生情報146とがHDD108に記憶されている記憶状態を示す概念図である。図17に示すように、各選択番号に対応する動画タイトル名情報144と動画表示情報145と動画再生情報146とが、HDD108に記憶される。
【0085】
<第2の実施形態のメイン動作の説明>
以上説明した構成からなる第2の実施形態の情報処理装置1の動作及び作用について、添付図面を参照して説明する。図18は、本実施形態におけるメインプログラム138に従うメイン動作の処理手順を示すフローチャートである。
【0086】
第2の実施形態では、第1の実施形態と同様にステップS301からステップS302までが実行される。
【0087】
第2の実施形態の接触入力型の情報処理装置1では、最初にステップS301で本装置の電源がユーザによりONされたかが判定される。電源スイッチがONにされたと判定されるまで、ステップS301が繰り返される。電源スイッチがONにされたと判定されると、ステップS302が実行される。電源スイッチはハードウェアを用いたスイッチであっても、ソフトウェアにより動作されるソフト電源スイッチであっても良い。
【0088】
ステップS302では、図7に示すサブタスクプログラム38と同じ内容のサブタスクプログラム139が、HDD108から読み出され、実行される。サブタスクプログラム139により、入力位置データ114として入力位置115、最終接触面積116、押圧力117、接触選択項目118が決定される。入力位置データ114が決定された後に、メモリ106がこれまで一時記憶していた入力位置データ114は、一時保存データ119としてメモリ106に記憶される。その後、決定された入力位置データ114は、メモリ106に一時記憶される。サブタスクプログラム139は、第1の実施形態では、ステップS302で起動された後、100msecごとにメインプログラム138とは独立して起動される。
【0089】
ステップS303では、第1の実施形態の情報処理装置1と同様に、入力位置データ114としての初期値がメモリ106に記憶される。フレームフラグがOFFにされる。また、選択中番号Nxの初期値として「0」がメモリ106に記憶される。
【0090】
ステップS304では、HDD108からメインメニュー表示情報143が読み出される。液晶ディスプレイ4はHDD108から読み出されたメインメニュー表示情報143に従って情報を表示する。液晶ディスプレイ4は、メインメニュー表示情報143に従って、図19に示すメインメニューを2つの表示領域に表示する。2つの表示領域は、動画表示情報表示部71と、入力部72とである。動画表示情報145が動画表示情報表示部71に出力される。入力部72がユーザにより押圧されることで、動画表示情報表示部71に表示される情報が切り替えられる処理と、動画表示情報表示部71に表示される情報の切替を停止する処理(情報の確定処理)と、動画表示情報表示部71に表示される情報に対応する処理を実行する処理とが切り替えられる。
【0091】
第2の実施形態では、第1の実施形態と同様にステップS305からステップS308までが実行される。
【0092】
ステップS305では、入力位置データ114として記憶されている押圧力がメモリ106から読み出される。
【0093】
ステップS306では押圧力が「0」であるかが判定される。「0」であると判定された場合、ステップS305へ戻る。押圧力が「0」でないと判定された場合、ステップS307が実行される。
【0094】
ステップS307では、入力位置データ114として記憶されている入力位置115がメモリ106から読み出される。入力位置115は、透明フレーム3上における座標位置として決定される。
【0095】
ステップS308では、ステップS307で読み出された接触部分の入力位置115と、透明フレーム3上での選択項目の表示位置との比較が行われる。ステップS308により、入力部72が接触されているかが決定される。
【0096】
ステップS309では、ステップS305及びステップS307により決定された押圧力と入力位置とに基づいて実行される処理が決定され、決定された処理が実行される。ステップS309は処理決定ステップの一例である。
【0097】
ステップS310では、第1の実施形態におけるステップS115と同様の処理が実行される。ユーザにより電源スイッチがOFFされたかが判定される。電源スイッチがOFFにされなかった場合はステップS304へ戻り、ステップS304が実行される。電源スイッチがOFFにされた場合は、ステップS301へ戻り、ステップS301が実行される。
【0098】
(サブタスク動作の説明)
第2の実施形態のサブタスクプログラム139の動作及び作用は、第1の実施形態のサブタスクプログラム38と同じであるので、説明を省略する。
【0099】
(処理決定動作の説明)
図20は、処理決定プログラム140に従う処理決定動作の詳細を示すフローチャートである。まず、ステップS401で所定の第1範囲として、押圧力の大きさが「1」以上「2」未満であるかが判定される。第2の実施形態では、所定の範囲としているが、所定の値であっても良い。押圧力の大きさが「1」である場合、ステップS402が実行される。押圧力の大きさが所定の第1範囲でない場合、ステップS403が実行される。
【0100】
ステップS402では、液晶ディスプレイ4の動画表示情報表示部71により表示される情報が切り替えられる。表示切替プログラム141の詳細な説明は図21を用いて後述する。
【0101】
ステップS403では、所定の第2範囲として、押圧力の大きさが「2」以上「3」未満であるかが判定される。第2の実施形態では、所定の範囲としているが、所定の値であっても良い。押圧力の大きさが「2」である場合、ステップS404が実行される。押圧力の大きさが所定の第2範囲でない場合、ステップS405が実行される。
【0102】
ステップS404では、液晶ディスプレイ4の動画表示情報表示部71により表示される情報の表示切替が停止されることで、表示情報に対応する処理が確定される。すなわち、再生される動画が確定される。
【0103】
ステップS405では、液晶ディスプレイ4の動画表示情報表示部71により表示される情報に対応する動画が再生される。ステップS306で押圧力の大きさが「0」でないと判定され、且つ、ステップS401で押圧力の大きさが所定の第1範囲でないと判定され、且つ、及びステップS403で押圧力の大きさが所定の第2範囲でないと判定された場合、ステップS405が実行される。つまり、第2の実施形態では、押圧力が「3」以上の場合、動画表示情報表示部71に表示される情報に対応する処理が決定される。ユーザにより選択された動画に関する動画再生情報146が、HDD8から読み出される。動画再生情報146に従って、動画再生部56は動画を表示し、音声出力装置10は音声を出力する。
【0104】
(表示切替動作の説明)
図21は、表示切替プログラム141に従う処理決定動作の詳細を示すフローチャートである。ステップS501では、メモリ106により記憶された選択中番号Nxの値が1つインクリメントされ、メモリ106に一時記憶される。
【0105】
ステップS502では、メモリ106により記憶されている選択中番号Nxの値と、HDD108により記憶されている最大選択番号137の値とが比較される。選択中番号Nxの値が最大選択番号137の値以上である場合、ステップS503が実行される。選択中番号Nxの値が最大選択番号137の値以上でない場合、ステップS504が実行される。図17は、選択番号が割り当てられた各動画が、HDD108に記憶されている記憶状態を示す概念図である。各選択番号「0」から「8」に対応する動画が、図17に示すようにHDD108に記憶されている。HDD108に記憶される最大選択番号137は、情報処理装置1で再生される動画の選択可能な総動画数であるため、第2の実施形態では、「9」と記憶されている。
【0106】
ステップS503では、選択中番号Nxの値が最大選択番号137の値以上になったため、メモリ106の選択中番号Nxの値が「0」と一時記憶される。
【0107】
ステップS504では、メモリ106に記憶されているNxの値に対応した動画ファイル表示情報が、液晶ディスプレイ4の表示情報表示部71に出力される。選択中番号Nxの値が「6」の場合、動画タイトル名情報144として「action_A」が、動画表示情報145として「action_A.jpg」が選択される。「action_A」に対応する「action_A.jpg」がHDD108から読み出され、液晶ディスプレイ4の動画表示情報表示部71に出力される。もし、選択中番号Nxの値が、HDD108の最大選択番号137に記憶される「9」以上になった場合、ステップS503で、選択中番号Nxとして「0」が一時記憶される。そのため、選択番号が「8」の動画表示情報の次に、動画表示情報表示部71に表示される表示情報は、選択番号が「0」の動画表示情報と決定される。
【0108】
ステップS505では、HDD108中の表示維持時間情報148により表わされる所定の時間が経過するまで、液晶ディスプレイ4の表示情報表示部71により、「action_a.jpg」の情報が表示され続ける。ステップS505実行後、ステップS310に戻る。
【0109】
上記のステップS501からステップS505が繰り返し実行されることで、選択番号が「0」から「8」の順に、表示情報表示部71により表示される情報が切り替えられる。
【0110】
(変形例1)
図22は、第2の実施形態における図21に示す表示切替プログラムの変形例1の処理手順を示すフローチャートである。変形例1では、メインメニュー表示情報に従って図23に示すメインメニューが6つの表示領域に表示される。6つの表示領域は、動画表示情報表示部81〜85と、選択部86とからなる。それぞれ異なる種類の動画ファイルの表示情報が動画表示情報表示部81〜85に出力される。選択部86が押圧されることで、動画表示情報表示部81〜85の情報が切り替えられる。また、押圧力に基づいて、動画表示情報表示部81〜85の情報が切り替えられる速度として、図24に示す表示維持時間が決定される。
【0111】
ステップS601では、図7に示すサブタスクプログラム139により決定された押圧力に基づいて、表示維持時間が決定される。図24は、接触面積の大きさに対応する押圧力と、押圧力に対応する表示維持時間とが、HDD108に記憶されている記憶状態を示す概念図である。図24に示すように、接触面積の大きさ及び押圧力に対応する表示維持時間が、HDD108の表示維持時間情報148として記憶される。図24に示す表に基づいて、表示維持時間が決定される。例えば、接触面積の大きさが「1600」の場合、押圧力が「1.8」と決定され、表示維持時間は「600msec」と決定される。
【0112】
ステップS602では、ステップS601で表示維持時間が決定された後、時間のカウントがスタートされる。
【0113】
ステップS603では、ステップS602で時間のカウントがスタートされてから経過した時間が、ステップS601で決定された表示維持時間に達したかが判定される。タイマーによりカウントされた時間が、ステップS601で決定された表示維持時間に達していない場合、再びステップS603が繰り返される。タイマーによりカウントされた時間が、ステップS601で決定された表示維持時間に達した場合、ステップS604へ進む。ステップ601で表示維持時間が「600msec」と決定された場合、タイマーが「600msec」に達するまで、ステップS603が繰り返される。
【0114】
ステップS604では、メモリ106に記憶された選択中番号Nxに記憶されている値が「1」インクリメントされ、メモリ106に一時記憶される。
【0115】
ステップS605では、メモリ106に記憶されている選択中番号Nxの値と、HDD108に記憶されている最大選択番号137の値とが比較される。選択中番号Nxの値が最大選択番号137の値以上であった場合、ステップS606へ進む。選択中番号Nxの値が最大選択番号137の値より小さい場合、ステップS607へ進む。
【0116】
ステップS606では、選択中番号Nxの値が最大選択番号137の値以上であると判定されたため、メモリ106の選択中番号Nxの値が「0」と一時記憶される。
【0117】
ステップS607では、動画表示情報表示部81〜85に表示される動画表示情報145が決定される。メモリ106により記憶される選択中番号Nxの値に対応する動画表示情報145が、HDD108から読み出される。HDD108から読み出された動画表示情報145は、液晶ディスプレイ4の動画表示情報表示部に出力される。例えば、選択中番号Nxの値が「0」である場合、選択番号が「0」に対応する動画表示情報である「suspence_A.jpg」が、HDD108から読み出され、動画表示情報表示部83により表示される。動画表示情報表示部84により、選択番号が「1」の動画表示情報が表示される。動画表示情報表示部85により、選択番号が「2」の動画表示情報が表示される。また、動画表示情報表示部81により、選択番号が「7」の動画表示情報が表示される。動画表示情報表示部82により、選択番号が「8」の動画表示情報が表示される。つまり、動画表示情報表示部81から85により、選択番号が「7」、「8」、「0」、「1」、「2」の動画表示情報がそれぞれ順に表示される。その後、ステップS604で、選択中番号Nxの値が1インクリメントされると、動画表示情報表示部81から85により、選択番号が「8」、「0」、「1」、「2」、「3」の動画表示情報がそれぞれ順に表示される。
【0118】
第2の実施形態と同様に、上述のステップS601からステップS607の処理が繰り返し実行されることで、動画表示情報表示部81から85の情報を、選択中番号Nxの値に応じて連続して切り替えることができる。また、押圧力に基づいて表示維持時間を決定することができるため、動画表示情報表示部81〜85の表示を切り替える速度、すなわち表示をスクロールさせる速度を変更することができる。
【0119】
(変形例2)
CCDカメラ7は、カラー画像の撮影が可能なカメラ以外にモノクロ画像のみ撮影が可能なカメラでも良い。また、CMOSカメラ、ビデオカメラ、スチールカメラや広角カメラなどが使用されても良い。
【0120】
(変形例3)
CCDカメラ7は、図1に示す液晶ディスプレイ4の鉛直方向における上方位置以外の場所に設置される構成でも良い。例えば、図1における液晶ディスプレイ4の下方位置、図2における液晶ディスプレイ4の右方位置または左方位置に設置されても良い。図25は、接触部分が撮影される際、鏡405による反射を利用する変形例を示す。鏡405を使用することにより、本明細書に記載した位置以外の位置にCCDカメラ407が設置されることも可能である。
【0121】
(変形例4)
透明フレーム3の材料は、透明な材料であり、且つ、容易に様々な形状に加工が可能な材料であるならば何でも良い。たとえば、熱可塑性樹脂であるアクリル、ポリカーボネートは透明であり、かつ、様々な形状に成形し易いため本実施の形態の透明部材の材料として適している。PETにより透明部材が作られることで安価に透明部材を作ることが可能となる。また、ガラスで作られても良い。本発明では、接触を検出するために透明電極の蒸着が不要となる。そのため、プラスチックに代表される透明な熱可塑性樹脂全般が使用可能である。
【0122】
(変形例5)
透明フレーム3は用途に応じて曲面以外の形状であっても良い。例えば、平面のみから構成される形状、平面と曲面の両方を有する形状から構成されても良い。
【0123】
(変形例6)
表示部が液晶ディスプレイ以外でも良い。例えば、画像信号に従って映像を表示するCRTディスプレイや、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイを用いても良い。また、画像信号に従って映像を表示するディスプレイではなく、単に情報が印刷されている紙を用いて表示が行われても良い。上述したディスプレイにインターネットを介してWeb上の情報が表示されても良い。インターネットを用いることで、ディスプレイに表示可能な情報の種類が多くなる。
【0124】
(変形例7)
ステップS210で包含される図形は正方形や長方形以外の四角形でも良い。例えば、台形などでも良い。
【0125】
(変形例8)
本明細書中における接触位置として、接触面積の重心が用いられても良い。重心位置の座標値は、図11に示すように、X軸およびY軸の座標値により決定される。接触部分の重心位置の座標値は、接触部分に含まれる各画素の座標値のX座標の座標値の総和と、Y座標の座標値の総和とを、接触部分に含まれる画素の総和、つまり接触部分の接触面積で割ることにより、求められる。本実施形態では、撮影した画像の最も左下の画素の位置が原点と定義されたが、左下に限定されるものではない。例えば、原点の位置は画像の最も右上、もしくは画像の中心位置を原点として任意に設定されても良い。また本実施形態では1画素を1座標値としているが、1画素を1座標値と限定されるものではない。例えば、2画素を1座標値のように適宜変更されても良い。1座標値が任意の画素数により決定されても良い。
【0126】
(変形例9)
図1に示すようにCPU5、メモリ6、HDD8が本装置の全体フレーム2の内部に備えられていない構成でも良い。例えば、外部サーバに画像データが送信されて、外部サーバに備えられているCPUやメモリ、HDDを用いて処理が行われることも可能である。その場合、全体フレーム2の内部にインターネットを介して外部サーバにデータを送受信するための装置が必要となる。
【0127】
(変形例10)
CCDカメラ7により撮影が行われるタイミングは、明細書に記載してある実施形態及び変形例では1秒ごとである。撮影を行うタイミングは1秒ごとに限定されず、例えば0.1秒ごともしくは2秒ごとといった任意のタイミングにより撮影を行っても良い。また、第1の実施形態及び第2の実施形態では、サブタスクプログラム38またはサブタスクプログラム139が、10msecごとに周期的に実行されている。サブタスクプログラムが周期的でなく、ランダムに実行されても良い。
【0128】
(変形例11)
本明細書における接触部分の大きさとして接触面積を用いている。接触部分の大きさとして、接触部分の形状を包含し、且つ、接触部分と接する長方形または正方形の4辺の長さを用いて決定しても良い。また、接触部分の形状の外周を接触部分の大きさとしても良い。
【0129】
(変形例12)
本明細書における接触体として、長尺の部材の端に柔軟性のある素材を付けた専用のペンなどを用いても良い。この場合、専用のペンにより透明フレームを押圧したときに、専用のペンの先端と透明フレームとの接触部分の接触面積が押圧力に応じて変化するような柔軟性のある素材が、使用される。
【0130】
(変形例13)
本明細書における接触入力型の情報処理装置1では、表示部により表示される情報の選択と選択された情報に対応する処理の実行とを行っている。接触入力型の情報処理装置1では、表示部により表示される情報の選択のみを行い、選択された情報に対応する処理の実行を別の機器により実行される構成でも良い。例えば、接触入力型の情報処理装置と直接電気的に接続された別機器が処理を実行する構成でも良い。また、接触入力型の情報処理装置がインターネットに接続され、ネットワーク上に接続されている別機器により処理が実行される構成でも良い。
【0131】
(変形例14)
接触面積の大きさとして、接触部分の短径と長径との長さの合計値またはいずれか一方の値が用いられても良い。図13の接触部分66を用いて、接触部分の形を決定する方法を説明する。接触部分66の拡大図である接触部分68において、上下方向の最大長と左右方向の最大長とを求める。第1の実施形態と第2の実施形態と同様に、1画素を1座標値とすると、上下方向の最大長が「20」、横方向の最大長が「13」と決定される。上記の方法により決定された上下方向の最大長と左右方向の最大長との値により、接触部分66の大きさが決定される。
【0132】
(変形例15)
第1の実施形態及び第2の実施形態において、押圧力の大きさが液晶ディスプレイ4により表示されても良い。ユーザは液晶ディスプレイ4により表示される押圧力の大きさを見ながら、接触面積の大きさを調整することができる。そのため、押圧力の大きさを推定することは効果的である。必ずしも押圧力を表示する必要がなければ、接触面積を用いて直接表示維持時間が決定されてもよい。
【0133】
(変形例16)
第1の実施形態の図10及び第2の実施形態の変形例1の図24において、押圧力の大きさは、接触面積の大きさに基づいて推定されているが、接触面積の大きさに限定されるものではない。例えば、押圧力の大きさを推定するために、接触部分の形状を包含し、且つ、接触部分と接する長方形または正方形の4辺の長さが用いられても良い。また、接触部分の形状の外周を接触部分の大きさとして、押圧力の大きさが推定されても良い。
【0134】
(変形例17)
第2の実施形態の変形例1の図24において、接触面積の大きさにより推定された押圧力の大きさに対応する表示維持時間が決定されているが、必ずしも押圧力と表示維持時間とが対応付けられなくても良い。接触面積の大きさと表示維持時間とが直接対応付けられても良い。
【0135】
(変形例18)
第1の実施形態と第2の実施形態と第2の実施形態の変形例1とでは、それぞれ図8、図19、図23に示すメインメニューが液晶ディスプレイ4により表示される。第1の実施形態と第2の実施形態と第2の実施形態の変形例1とでは、それぞれ図8に示す動画表示情報表示部51〜55、図19に示す入力部72、図23に示す選択ボタン86に対応する透明フレーム3上での表示位置がユーザにより押圧されることで、それぞれに対応する表示が切り替わる構成となっているが、それに限定されるものではない。予め、特定の表示情報が表示されていない透明レーム3上の位置と、その位置に対応する処理とが決められ、HDD8またはHDD108に記憶されている構成でも良い。例えば、図8で、液晶ディスプレイ4により表示されている特定の表示情報である動画表示情報表示部51〜55と動画再生部56とが表示されている以外の領域に対応する透明フレーム3上での位置がユーザにより押圧され、その位置と押圧力とに対応する動画表示情報表示部51〜55の表示が切り替わる構成でも良い。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1】第1の実施形態の情報処理装置の側面図である。
【図2】第1の実施形態の正面図である。
【図3】第1の実施形態の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施形態におけるメモリ6の記憶内容の詳細を示す図である。
【図5】第1の実施形態におけるHDD8の記憶内容の詳細を示す図である。
【図6】第1の実施形態におけるメイン動作を示すフローチャートである。
【図7】第1の実施形態におけるサブタスクの動作を示すフローチャートである。
【図8】第1の実施形態における液晶ディスプレイ4に表示されるメインメニュー情報40の一例である。
【図9】第1の実施形態における動画ファイルがHDD8に記憶される記憶状態を示す概念図である。
【図10】第1の実施形態における接触面積の大きさと押圧力決定情報44とがHDD8に記憶されている記憶状態を示す概念図である。
【図11】第1の実施形態における液晶ディスプレイ4に表示されるメインメニュー情報40にX軸及びY軸を表示した一例である。
【図12】第1の実施形態におけるサブタスク動作を示す図7のフローチャートにおけるステップS202の背景除去を行う方法の一例を示す。
【図13】サブタスク動作を示す図7のフローチャートにおけるステップS208の接触面積の決定方法の一例を示す。
【図14】サブタスク動作を示す図7のフローチャートにおけるステップS210の接触位置を1点に決定する方法の一例を示す。
【図15】第2の実施形態におけるメモリ106の記憶内容の詳細を示す図である。
【図16】第2の実施形態におけるHDD108の記憶内容の詳細を示す図である。
【図17】第2の実施形態における選択番号が割り当てられた各動画ファイルが、HDD108に記憶されている記憶状態を表す概念図である。
【図18】第2の実施形態におけるメイン動作を示すフローチャートである。
【図19】第2の実施形態における液晶ディスプレイ4に表示されるメインメニュー情報140の一例である。
【図20】第2の実施形態における処理決定動作を示すフローチャートである。
【図21】第2の実施形態における表示切替動作を示すフローチャートである。
【図22】第2の実施形態の変形例1における表示切替動作を示すフローチャートである。
【図23】第2の実施形態の変形例1における液晶ディスプレイ4に表示されるメインメニュー情報140の一例である。
【図24】第2の実施形態の変形例1における接触面積の大きさに対応する押圧力と、押圧力に対応する表示維持時間とがHDD8に記憶されている記憶状態を示す概念図である。
【図25】鏡を用いることにより、CCDカメラの配置位置を任意の位置に変更することが可能となる変形例3の側面図である。
【符号の説明】
【0137】
1 接触入力型の情報処理装置
2 全体フレーム
3 透明フレーム
4 液晶ディスプレイ
5 CPU
6,106 メモリ
7 CCDカメラ
8,108 HDD
9 支持スタンド
10 音声出力装置
11,111 撮影画像データ
12,112 接触位置候補の接触面積
14、114 入力位置データ
15、20、115、120 入力位置
16、21、116、121 最終接触面積
17、22、117、122 押圧力
18、23、118、123 接触選択項目
31、131 プログラム
32、132 色情報
33、133 表示情報
34、134 接触部分の大きさ情報
35、135 表示位置情報
36、136 動画情報
37、138 メインプログラム
38、139 サブタスクプログラム
39、142 接触部分色情報
40、143 メインメニュー情報
41、144 動画タイトル名情報
42、145 動画表示情報
43、146 動画再生情報
44、147 押圧力決定情報
148 表示維持時間情報
51 動画表示情報表示部
52 動画表示情報表示部
53 動画表示情報表示部
54 動画表示情報表示部
55 動画表示情報表示部
56 動画再生部
61、62、64 撮影画像データ
63 差分画像データ
65、66 接触部分
67 画素
68 接触部分の画素
71 動画表示情報表示部
72 入力部
81 動画表示情報表示部
82 動画表示情報表示部
83 動画表示情報表示部
84 動画表示情報表示部
85 動画表示情報表示部
86 選択ボタン
Nx 選択中番号
137 最大選択番号
140 処理決定プログラム
141 表示切替プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接触体が接触するとともに押圧することが可能な透明部材と、
前記透明部材を通してユーザが目視できる情報を表示する表示部と、
接触体が接触可能な前記透明部材の表面と反対側の表面から、接触体と前記透明部材との接触部分の画像を撮影する位置に配置されている撮影ユニットと、
前記撮影ユニットにより前記透明部材を介して撮影された画像を入力し、接触体が前記透明部材を押圧する強さに応じて変化する前記接触部分の大きさを決定する画像処理部と、
前記画像処理部により決定された接触部分の大きさに基づいて、実行すべき処理を決定する処理制御部と、
を備えたことを特徴とする接触入力型の情報処理装置。
【請求項2】
ユーザの体の一部が接触するとともに押圧することが可能な透明部材と、
前記透明部材を通してユーザが目視できる情報を表示する表示部と、
ユーザの体の一部が接触可能な前記透明部材の表面と反対側の表面から、ユーザの体の一部と前記透明部材との接触部分の画像を撮影する位置に配置されている撮影ユニットと、
前記撮影ユニットにより前記透明部材を介して撮影された画像を入力し、ユーザの体の一部が前記透明部材を押圧する強さに応じて変化する前記接触部分の大きさを決定する画像処理部と、
前記画像処理部により決定された接触部分の大きさに基づいて、実行すべき処理を決定する処理制御部と、
を備えたことを特徴とする接触入力型の情報処理装置。
【請求項3】
前記処理制御部は、前記接触部分の大きさに基づいて、前記表示部により表示される情報を切り替える処理を決定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の接触入力型の情報処理装置。
【請求項4】
前記処理制御部は、複数の異なる選択内容に切り替えられる選択項目を前記表示部に表示させ、前記接触部分の大きさに基づいて選択項目の選択内容を切り替える処理を決定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の接触入力型の情報処理装置。
【請求項5】
前記画像処理部が、前記撮影ユニットにより前記透明部材を介して撮影された画像を入力して、前記透明部材上での前記接触部分の接触位置を決定し、
前記処理制御部は、前記接触位置に基づいて、前記処理制御部が前記表示部により表示される複数の情報の中から所望の情報を選択する処理を決定し、前記接触部分の大きさに基づいて、その選択された情報を切り替える処理を決定することを特徴とする請求項3に記載の接触入力型の情報処理装置。
【請求項6】
前記表示部が、前記選択項目を複数表示し、
前記画像処理部が、前記撮影ユニットにより前記透明部材を介して撮影された画像を入力して、前記透明部材上での前記接触部分の接触位置を決定し、
前記画像処理部により決定される接触位置と前記選択項目が表示されている透明部材上での表示位置とを比較し、両位置が一致するか否かを判別する位置判別部を備え、
前記位置判別部が前記接触位置と前記選択項目の表示位置とが一致したと判別した場合、前記処理制御部は、前記接触部分の大きさに基づいて、前記両位置が一致した選択項目の選択内容を切り替える処理を決定することを特徴とする請求項4に記載の接触入力型の情報処理装置。
【請求項7】
前記表示部が、複数の選択項目を表示可能であり、
前記処理制御部が、前記複数の選択項目をスクロールさせて前記表示部に表示させ、前記接触部分の大きさに基づいて前記スクロールの速度を決定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の接触入力型の情報処理装置。
【請求項8】
複数の異なる所定の面積の大きさを記憶した面積記憶部を備え、
前記画像処理部は、前記撮影ユニットにより前記透明部材を介して撮影された画像を入力し、ユーザの体の一部が前記透明部材を押圧する強さに応じて変化する前記接触部分の接触面積の大きさを決定し、
さらに、前記画像処理部は、
前記接触面積の大きさが前記複数の異なる所定の面積の大きさのいずれかに達したか否かを判別するための面積判別部と、
前記接触面積の大きさが前記複数の異なる所定の面積の大きさのいずれかに達した時からの経過時間を測定するための時間測定部と、
前記時間測定部により測定された前記経過時間が所定の時間に達するまでの間、前記接触面積の大きさがいずれかの所定の面積の大きさに維持されているか否かを判定する接触面積維持判定部とを備え、
前記接触面積維持判定部により前記接触面積の大きさがいずれかの所定の面積の大きさに維持されていると判定された場合、前記画像処理部がその判定された接触面積の大きさを最終的な接触面積の大きさと決定することを特徴とする請求項2から請求項7のいずれかに記載の接触入力型の情報処理装置。
【請求項9】
前記画像処理部により決定される接触部分の大きさが第1の所定の大きさにある場合、前記処理制御部は前記表示部により表示される情報を切り替える処理を決定し、
前記画像処理部により決定される接触部分の大きさが第2の所定の大きさにある場合、前記処理制御部は前記表示部により表示される情報に対応する処理を確定する処理を決定することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の接触入力型の情報処理装置。
【請求項10】
前記透明部材はプラスチックにより作られていることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の接触入力型の情報処理装置。
【請求項11】
前記透明部材が曲面を有することを特徴とする請求項10に記載の接触入力型の情報処理装置。
【請求項12】
ユーザの体の一部が接触するとともに押圧することが可能な透明部材を通してユーザが目視できる情報を表示する表示ステップと、
ユーザの体の一部が接触可能な前記透明部材の表面と反対側の表面から、ユーザの体の一部と前記透明部材との接触部分の画像を撮影する撮影ステップと、
前記撮影された画像を入力して、ユーザの体の一部が前記透明部材を押圧する強さに応じて変化する前記接触部分の大きさを決定する大きさ決定ステップと、
前記決定された接触部分の大きさに基づいて、実行すべき処理を決定する処理決定ステップと、
を備えたことを特徴とする接触入力型の情報処理方法。
【請求項13】
ユーザの体の一部が接触するとともに押圧することが可能な透明部材を通してユーザが目視できる情報を表示する表示ステップと、
ユーザの体の一部が接触可能な前記透明部材の表面と反対側の表面から、ユーザの体の一部と前記透明部材との接触部分の画像を撮影する撮影ステップと、
前記撮影された画像を入力して、ユーザの体の一部が前記透明部材を押圧する強さに応じて変化する前記接触部分の大きさを決定する大きさ決定ステップと、
前記決定された接触部分の大きさに基づいて、実行すべき処理を決定する処理決定ステップと、
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2009−237875(P2009−237875A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−82837(P2008−82837)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】