説明

接触式コネクタ

【課題】 広い給電可能空間を有するとともに、給電ケーブルの劣化対策が施されている接触式のコネクタを提供する。
【解決手段】 接触式コネクタ1は、板状電極組立体10と、軸方向に進退自由に付勢されている棒状電極31と、棒状電極31と電気的に接続する端子取り付け板60とを有する。端子取り付け部60は、ガイドブロック70に固定されるとともに給電ケーブルの端末が取り付けられるベース部62とピン部61とを有する。ピン部61は、棒状電極31の後半部31bにスライド可能に嵌合しており、ピン部61と棒状電極31の後半部31bとの間には、弾性導電性手段40が設けられている。棒状電極31の前半部31aが後退すると、後半部31bはガイドブロック70の内部においてピン部61に対してスライドする。棒状電極31が後退しても、基端側に接続されるケーブルの姿勢は変化しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置決めの精度があまり高くない二つの構造体間で、給電線を導通させる接触式のコネクタに関する。特には、ロボットや無人搬送機に使用される接触式コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
ロボットや無人搬送機の給電には、プラグとレセプタクルを有する電気コネクタが使用される場合がある。このようなロボットや無人搬送機は比較的大きい構造体であり、給電時に高い位置決め精度は要求されない。つまり、プラグとレセプタクルとの間に、プラグとレセプタクルとの装着方向(Z軸方向)及び同方向と直交する方向(X軸方向及びY軸方向)にある程度の許容範囲(偏芯距離)が存在していても特に問題はない。
【0003】
また、このようなコネクタにおいては、コネクタの導通部が露出していると、環境によってはごみやねずみ等の小動物などの異物が導通部に接触するような場合もありうる。このため、コネクタの導通部はある程度保護されていることが安全上好ましい。さらに、ケーブルの劣化対策も施されていることが好ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであって、広い給電可能空間を有するとともに、給電ケーブルの劣化対策や電極の保護対策が施されている接触式のコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様の接触式コネクタは、 所望の広がりを有する接触板からなる板状電極と、 前記接触板の表面に先端が押し当てられる、軸方向に進退自由に付勢されている棒状電極と、 該棒状電極を進退可能に案内する絶縁体からなるガイドブロックと、を備え、 前記接触板表面の広がりの範囲内、かつ、前記棒状電極の進退範囲内の空間領域において、前記板状電極と前記棒状電極とが接触して両者間で給電が可能である接触式コネクタであって、 前記棒状電極の先端側は、前記ガイドブロックから外側に進退可能に突出するように構成されているとともに、前記棒状電極の基端側は、前記ガイドブロック内に収納されており、 前記棒状電極に電気的に接続される端子取り付け部が前記ガイドブロックに固定されており、 該端子取り付け部と前記棒状電極間に、伸縮又はスライド可能な導電手段が設けられていることを特徴とする。
【0006】
本発明によれば、給電可能な空間が、面積が接触板の表面で、高さが棒状電極の進退可能距離である空間領域となり、比較的広い空間内で給電可能となる。このため、高い位置決め精度を要求されない二つの構造体間で給電可能となる。例えば、ロボットや無人搬送機などに本コネクタを適用できる。
【0007】
また、棒状電極の先端側は、ガイドブロックから外側に進退可能に突出するように構成されているが、棒状電極の基端側は、ガイドブロック内に端子取り付け板に対して伸縮又はスライド可能な手段によって収納されている。このため、棒状電極の先端側が後退しても、同電極と、ガイドブロックに固定された端子取り付け板を介して接続されるケーブルの姿勢は変化しない。したがって、ケーブルがねじれたり、引っ掛かったりすることがなく、ケーブルの耐久性や安全性が向上する。
【0008】
さらに、棒状電極のうち、ガイドブロックから露出しているのは先端側の部分のみであるので、露出している部分の面積を少なくでき、棒状電極と他の物との接触の危険性を低減できる。
【0009】
本発明の第2の態様の接触式コネクタは、 所望の広がりを有する接触板からなる板状電極と、 前記接触板の表面に先端が押し当てられる、軸方向に進退自由に付勢されている棒状電極と、 該棒状電極を進退可能に案内する絶縁体からなるガイドブロックと、を備え、 前記接触板表面の広がりの範囲内、かつ、前記棒状電極の進退範囲内の空間領域において、前記板状電極と前記棒状電極とが接触して両者間で給電が可能な接触式コネクタであって、 前記棒状電極の先端側は、前記ガイドブロックから外側に進退可能に突出するように構成されており、 前記先端側の棒状電極の側面に絶縁保護カバーが取り付けられていることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、ガイドブロックから露出している棒状電極の先端側の側面に絶縁保護カバーを取り付けるので、電極の側面にごみや小動物などが直接接触しても、漏電や短絡、感電の危険性がない。このため、安全性を向上でき、故障を防ぐことができる。
【0011】
前記第1の態様の接触式コネクタにおいても、 前記先端側の棒状電極の側面に絶縁保護カバーを取り付けることができる。
【0012】
上記の発明においては、 前記棒状電極の基端側が、該基端側から開口した中空部を有し、 前記端子取り付け部が、前記ガイドブロックに固定されるとともに給電線の端末が取り付けられるベース部と、該ベース部から立設したピン部と、を有し、 前記棒状電極の中空部に前記端子取り付け部のピン部がスライド可能に嵌合するとともに、該棒状電極の中空部と端子取り付け部のピン部との間に導通手段が設けられていることとできる。
【0013】
本発明によれば、棒状電極の基端側と端子取り付け部のピン部とをスライド可能に嵌合させることにより、棒状電極の後退時には、棒状電極の先端側はガイドブロック内に後退するが、基端側は端子取り付け板のピン部に対してスライドするので、棒状電極の後退にかかわらず同電極の基端側をガイドブロック内に収容させておくことができる。そして、棒状電極の先端側が後退しても、ガイドブロックに固定された端子取り付け板を介して棒状電極と接続されるケーブルの姿勢は変化しない。
【0014】
あるいは、棒状電極の基端側と端子取り付け部との間に、棒状電極の進退方向に伸縮可能な導電手段を配置することもできる。この場合は、棒状電極は導通手段の伸縮可能な長さの分だけガイドブロック内で後退するので、棒状電極の進退運動にかかわらず同電極の基端側をガイドブロック内に収容させておくことができる。
【0015】
本発明においては、 前記導通手段が、 前記棒状電極又は前記端子取り付け部に配置された弾性導電性部材であり、 該弾性導電性部材が、コンタクトバンド及び/又はコイルバネであることが好ましい。
【0016】
また、本発明においては、 前記保護カバーが、前記棒状電極の先端側の外周に嵌合する円筒状の形状であるとともに、基端側にフランジ部が形成されており、 前記ガイドブロックに、前記棒状電極が収容される貫通孔が形成されており、 該フランジ部が、前記ガイドブロックの貫通孔に形成された段部に当接して前記保護カバーが前記ガイドブロックに抜け止めされていることとできる。
【発明の効果】
【0017】
以上の説明から明らかなように、本発明の接触式コネクタは、板状電極の接触板表面の広がりの範囲内、かつ、棒状電極の進退範囲内の空間領域が給電可能空間となるので、比較的広い空間内で給電可能となる。さらに、棒状電極の基端側は、ガイドブロック内において端子取り付け板に対して伸縮又はスライド可能な手段で収容されている。このため、棒状電極の先端側が後退しても、ガイドブロックに固定された端子取り付け板を介して棒状電極と接続されるケーブルの姿勢が変化しないので、ケーブルの耐久性や安全性が向上する。また、棒状電極の先端側に保護カバーを設けた場合は、電極の側面に電極の側面に異物が直接接触しても、漏電や短絡、感電の危険性がないので、安全性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る接触式コネクタの棒状電極が最も前進した状態を示す図である。
【図2】図1の接触式コネクタの棒状電極が最も後退した状態を示す図である。
【図3】図1のコネクタの斜視図である。
【図4】図1のコネクタの棒状電極を説明する図であり、図4(A)は分解斜視図、図4(B)は端子ピンの分解図、図4(C)は棒状電極と端子取り付け板との接触部を拡大して示す図、図4(D)は棒状電極の先端を拡大して示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る接触式コネクタの棒状電極が最も前進した状態を示す図である。
【図6】図5の接触式コネクタの棒状電極が最も後退した状態を示す図である。
【図7】図5のコネクタの棒状電極を説明する図であり、図7(A)は分解斜視図、図7(B)は端子ピンの斜視図、図7(C)は棒状電極と端子取り付け板との接触部を拡大して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1〜図4を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る接触式コネクタを説明する。
この接触式コネクタ1は、板状電極組立体10と、軸方向に進退自由に付勢される棒状電極31を備えた棒状電極組立体30とを有する。棒状電極31の進退方向をZ軸方向(前後方向ともいう)、Z軸に直交する方向をX方向(横方向、左右方向ともいう)及びY方向(縦方向、上下方向ともいう)とする。
【0020】
板状電極組立体10は、図3に示すように、円形の平面形状の接触板11を有する。接触板11の径は、例えば50mmである。接触板11は、絶縁体12によってロボットや無人搬送機等の給電される側の構造体に固定されている。接触板11には、例えば、この給電される側の構造体に接続する電源ケーブルの端末が接続される。
【0021】
絶縁体12には、接触板11の寸法よりも一回り小さい寸法(径40mm)の円形の窓12aが開けられている。接触板11は、この窓12aから露出するように絶縁体12に取り付けられている。
【0022】
次に、主に図4を参照して棒状電極組立体30を説明する。
棒状電極組立体30は、先端側の進退可能な棒状電極31と、給電ケーブルCの端子Tが接続される端子取り付け板60と、これらが収容されるブロック70とを有する。
【0023】
棒状電極31は導電性材料(例えば黄銅)で作製され、前半部31a及び後半部31bと、両部の間に形成されたフランジ部32を有する。後半部31bの径は、前半部31aの径よりも大きい。フランジ部32は外方向に拡がるように形成されており、その径は前半部31aと後半部31bの径よりも大きい。前半部31aの先端には、電気接点37(例えば銀製、金製、プラチナ製)が形成されている。図4(B)にも示すように、前半部31aは中実であるが、後半部31bは後端から開口した中空の円筒状となっている。後半部31bの中空部のやや後端よりの位置には、所定の長さを有する環状凹部35が形成されている。
【0024】
図4(B)、図4(C)に示すように、後半部31bの中空部に形成された凹部35には、弾性導電部材40がはめ込まれている。弾性導電部材40は、帯状の金属薄板(例えばベリリウム銅の薄板を金メッキしたもの)で作製されたCリング状のバンド(コンタクトバンドという)からなる。コンタクトバンド40は、短い筒状の両端部41と、その中間の内方向に膨らんだ中間胴部42とを有する。中間胴部42は、長さ方向に延びる細長の金属片(ルーバー)と細長の孔とが交互に並んだもので、細長金属片が内方向に円弧状に湾曲するように塑性変形している。これにより、中間胴部42には弾性機能が付与される。
【0025】
このようなコンタクトバンド40を棒状電極31の後半部31bの凹部35にはめ込むと、中間胴部42が後半部31bの内面から内方向に突出する。
【0026】
図4(A)に示すように、棒状電極31の前半部31aには、絶縁材料(例えばPOM、PPT)で作製されたカバー(絶縁保護カバー)50が被せられている。カバー50は、棒状電極31の前半部31aが挿通される円筒状の部材であり、後端部には外方向に拡がるフランジ部51が形成されている。フランジ部51の外径は、棒状電極31のフランジ部32の外径とほぼ等しい。このカバー50を棒状電極31の先端側から挿入し、カバー50のフランジ部51を棒状電極31のフランジ部32に当接させた状態において、図4(D)に示すように、棒状電極31の前半部31aの先端(電気接点37の先端)はカバー50の先端の開口からある程度の距離h(例えば0.5mm程度)突き出している。
【0027】
図4(A)に示すように、端子取り付け板60も導電性材料(例えば黄銅)で作製されており、ピン部61と、ピン部61が立設されたベース部62とを有する。ピン部61の径は、棒状電極31の後半部31bの内径よりもやや小さい。このピン部61を棒状電極31の後半部31bに挿入すると、図4(C)に示すように、コンタクトバンド40の中間胴部42がピン部61の外周面に接触し、棒状電極31と端子取り付け板60とが導通する。ベース部62は円板状の形状で、後側の面には、例えば、電源側から延びる給電ケーブルCの端末Tが接続している。
【0028】
ブロック70は絶縁性材料(一例でPOM樹脂)で作製されており、図3に示すように、Z軸方向に長い円筒状の形状である。ブロック70のZ軸方向における中心軸上には、貫通孔71が開けられている。貫通孔71の径は、棒状電極31のフランジ部32の径とほぼ同じである。貫通孔71の、板状電極組立体10に対向する端部には、内方向に突き出た段部72が形成されている。この段部72における貫通孔71の径はカバー50の外径とほぼ同じである。
【0029】
ブロック70の、板状電極組立体10と反対側の端部にはカバープレート75が取り付けられている。カバープレート75は絶縁性材料(一例でPOM樹脂)で作製されており、ブロック70の端面形状と同じ形状である。カバープレート75には、ブロック70の貫通孔71と同軸上に貫通孔76が開けられている。この貫通孔76の径は、端子取り付け板60のピン部61の径とほぼ等しく、ブロック70の貫通孔71の径よりも小さい。
【0030】
棒状電極31は、前半部31aがカバー50に挿通された状態で、ブロック70の貫通孔71に挿入されている。棒状電極31の後半部31bにはバネ80が外嵌されている。バネ80は、棒状電極31のフランジ部32とカバープレート75との間に配置されて、棒状電極31のフランジ部32を前方に付勢している。このフランジ部32はカバー50のフランジ部51を前方に付勢し、カバー50のフランジ部51がブロック70の貫通孔71の段部72に当接し、カバー50で覆われた前半部31aが貫通孔71から突き出している。突き出た部分の長さが、棒状電極31のZ軸方向の許容範囲となる。この距離は一例で36mmである。
【0031】
端子取り付け板60は、ピン部61がカバープレート75の貫通孔76からブロック70の貫通孔71に挿入されて、ベース部62が同プレート75の後面に固定されている。ピン部61は、ブロック70の貫通孔71内において棒状電極31の後半部31bの中空部にスライド可能に嵌合している。
【0032】
図1に示す棒状電極31がフリーの状態では、棒状電極31がバネ80で前方に付勢されてカバー50のフランジ部51がブロック70の貫通孔71の段部72に当接し、カバー50で覆われた前半部31aがブロック70から突き出している。端子取り付け板60のピン部61の先端部は、棒状電極31の後半部31bに嵌合して、棒状電極31の後半部31bにはめ込まれたコンタクトバンド40の中間胴部42は、端子取り付け板60のピン部61の先端寄りの部分に接触している。これにより、棒状電極31と端子取り付け板60とが導通している。
【0033】
この状態において、ブロック70から突き出ている棒状電極31の前半部31aの側面は絶縁性のカバー50で覆われており、露出している部分は先端の電気接点37の部分のみである。このため、ごみやネズミ等の小動物のような異物が電極に接触することによる感電や漏電の危険性が少ない。
【0034】
カバー50から露出している棒状電極31の先端の電気接点37が板状電極組立体10の接触板11に接触すると、両電極間が導通する。棒状電極31と板状電極組立体10との間隔が所定の間隔よりも短くなった場合は、図2に示すように、棒状電極31が板状電極組立体10により後方に押されて、棒状電極31がバネ80の付勢力に抗してブロック70内に後退する。詳細には、棒状電極31のブロック70から突き出していた部分(主に前半部31a)がブロック70内に後退し、ブロック70に収容されている後半部31bが端子取り付け板60のピン部61に対してスライドして、ピン部61が後半部31bに嵌り込む深さが深くなる。端子取り付け板60はガイドブロック70に固定されたままであるので、棒状電極31の後退によっても端子取り付け板60は移動せず、同板60に接続している給電ケーブルCが移動したりねじれることはない。これによりケーブルCの劣化を防止できる。なお、この間も、コンタクトバンド40の中間胴部42は、端子取り付け板60のピン部61の先端寄りの部分に摺動接触しており、棒状電極31と端子取り付け板60とは導通している。
【0035】
なお、実際には、図2に示すように、棒状電極31の後退限においては、棒状電極31の先端の接点37とカバー50の先端面とが板状電極組立体10の接触板11に接触する。図4(D)に示すように、棒状電極31がフリーの状態では、同電極31の先端(電気接点37の先端)はカバー50の先端の開口からある程度の距離h(例えば0.5mm程度)突き出しているので、棒状電極31の後退限において棒状電極31の先端の接点37とカバー50の先端面とが接触板11に接触した場合、棒状電極31のフランジ部32とカバー50のフランジ部51との間には、突き出した距離hと同じ距離のスキマが開く。
【0036】
また、棒状電極31の先端の金属接点37は、板状電極組立体10のブロック15の窓17から露出した接触板11の前面のどの位置に接触しても両電極間の導通が得られる。
したがって、この例では導通範囲の許容幅は、Z軸方向に36mm、X軸方向に35mm、Y軸方向に25mmである。
【0037】
図5〜図7を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る接触式コネクタを説明する。
この例の接触式コネクタ1Aも図1〜図4で説明した接触式コネクタ1とほぼ同様の構造であるが、棒状電極と端子取り付け板間の導通機構が異なる。以下、棒状電極と端子取り付け板間の導通機構のみを説明する。図5〜図7において図1〜図4と同じ作用・構造を有する部位・部材は、図1〜図4と同じ符号を付し、説明を省略する。
【0038】
この例でも、棒状電極31は、中実の前半部31a、後端から開口した円筒状の後半部31b、及び両部間から外方向に張り出すフランジ32を有すが、後半部31bの中空部に環状の凹部は形成されていない。
一方、図7(B)に示すように、端子取り付け板60Aのピン部61の先端側(板状電極組立体10側)には、前後方向に並んだ2個の環状の溝63が形成されている。各溝63には、導電性コイルバネ65(例えば銅製、銅合金製)がはめ込まれている。各溝63に導電性コイルバネ65がはめ込まれると、図7(C)に示すように、同バネ65の外周面は端子取り付け板60のピン部61の外周面から外方向に突き出る。この突き出た部分が、棒状電極31の後半部31bの内周面に摺動接触し、棒状電極31と端子取り付け板60とが導通する。
【0039】
この例の接触式コネクタにも、図1〜図4で示した接触式コネクタと同様に作動する。
【符号の説明】
【0040】
1 接触式コネクタ
10 板状電極組立体 11 接触板
12 絶縁体
30 棒状電極組立体 31 棒状電極
32 フランジ部 35 環状凹部
37 電気接点 40 弾性導電部材(コンタクトバンド)
41 両端部 42 中間胴部
50 カバー(絶縁保護カバー) 51 フランジ部
60 端子取り付け板 61 ピン部
62 ベース部 63 溝
65 導電性コイルバネ 70 ブロック
71 貫通孔 72 段部
75 カバープレート 76 貫通孔
80 バネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所望の広がりを有する接触板からなる板状電極と、
前記接触板の表面に先端が押し当てられる、軸方向に進退自由に付勢されている棒状電極と、
該棒状電極を進退可能に案内する絶縁体からなるガイドブロックと、
を備え、
前記接触板表面の広がりの範囲内、かつ、前記棒状電極の進退範囲内の空間領域において、前記板状電極と前記棒状電極とが接触して両者間で給電が可能である接触式コネクタであって、
前記棒状電極の先端側は、前記ガイドブロックから外側に進退可能に突出するように構成されているとともに、前記棒状電極の基端側は、前記ガイドブロック内に収納されており、
前記棒状電極に電気的に接続される端子取り付け部が前記ガイドブロックに固定されており、
該端子取り付け部と前記棒状電極間に、伸縮又はスライド可能な導電手段が設けられていることを特徴とする接触式コネクタ。
【請求項2】
所望の広がりを有する接触板からなる板状電極と、
前記接触板の表面に先端が押し当てられる、軸方向に進退自由に付勢されている棒状電極と、
該棒状電極を進退可能に案内する絶縁体からなるガイドブロックと、
を備え、
前記接触板表面の広がりの範囲内、かつ、前記棒状電極の進退範囲内の空間領域において、前記板状電極と前記棒状電極とが接触して両者間で給電が可能な接触式コネクタであって、
前記棒状電極の先端側は、前記ガイドブロックから外側に進退可能に突出するように構成されており、
前記先端側の棒状電極の側面に絶縁保護カバーが取り付けられていることを特徴とする接触式コネクタ。
【請求項3】
前記先端側の棒状電極の側面に絶縁保護カバーが取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の接触式コネクタ。
【請求項4】
前記棒状電極の基端側が、該基端側から開口した中空部を有し、
前記端子取り付け部が、前記ガイドブロックに固定されるとともに給電線の端末が取り付けられるベース部と、該ベース部から立設したピン部と、を有し、
前記棒状電極の中空部に前記端子取り付け部のピン部がスライド可能に嵌合するとともに、該棒状電極の中空部と端子取り付け部のピン部との間に導通手段が設けられていることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の接触式コネクタ。
【請求項5】
前記導通手段が、
前記棒状電極又は前記端子取り付け部に配置された弾性導電性部材であり、
該弾性導電性部材が、コンタクトバンド及び/又はコイルバネであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の接触式コネクタ。
【請求項6】
前記保護カバーが、前記棒状電極の先端側の外周に嵌合する円筒状の形状であるとともに、基端側にフランジ部が形成されており、
前記ガイドブロックに、前記棒状電極が収容される貫通孔が形成されており、
該フランジ部が、前記ガイドブロックの貫通孔に形成された段部に当接して前記保護カバーが前記ガイドブロックに抜け止めされていることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の接触式コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−51049(P2013−51049A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−186997(P2011−186997)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000145183)株式会社七星科学研究所 (14)
【Fターム(参考)】