説明

接触検出器を含む装置

本発明は、テストサンプルの表面のあるエリアの電気的特性を決定するためのプローブに関するもので、プローブは、テストサンプルに対して所定の向きになるようにしている。プローブは、第1表面を規定する支持本体を備えてもよい。複数のカンチレバーアーム(12)が、第1表面と同一平面の関係で支持本体から延びてもよい。複数のカンチレバーアーム(12)は、互いにほぼ平行に延びてもよく、各カンチレバーアーム(12)は、テストサンプルの表面に対して所定の向きのプローブ運動によって、テストサンプルの該エリアと接触するための導電性チップを含んでもよい。プローブは、運動を行う際、複数のカンチレバーアーム(12)の何れか1つがテストサンプルの表面と接触する前に、テストサンプルの表面と接触するように配置された、支持本体から延びる接触検出器(14)をさらに備えてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テストサンプルの電気的特性を決定するためのプローブに関する。本発明はまた、テストサンプルの電気的特性を決定する方法に関する。本発明はまた、テストサンプルの電気的特性を決定するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
テストサンプルの電気的特性を決定するためのプローブ、方法およびシステムは、例えば、米国公開第2004/0056674号、米国公開第2002/0153909号、国際公開第2005/124371号、米国特許第5266801号、米国特許第6621080号、米国特許第5907095号、米国特許第6953519号、米国特許第6148622、日本公開第2006/284599号等の刊行物に記載されている。上記米国特許公開の全てを参照するとともに、これらの全ては参照によって本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
プローブから1つ又はそれ以上のカンチレバーアームが延びたプローブを使用する場合、プローブをテストサンプル表面の対象部分と接触させるとき、カンチレバーアームを損傷するリスクが常に存在する。ここで、テストサンプル表面がほぼ平面であって、テストプローブがテストサンプル表面に対して完全に整列した向きに維持されると仮定している。実際には、表面は、プローブを損傷したり大きく疲労させるような、隆起、堆積物、溝、孔または他の変形や欠陥を有することがある。また、プローブは、通常、試験装置または試験システムのホルダーに搭載されており、テストサンプルは、対応するテストサンプルホルダーに搭載される。プローブがテストサンプル表面に対して整列していなければ、プローブ表面に向かうプローブ運動は、1つ又はそれ以上のプローブアームへの損傷を引き起こすことがある。
【0004】
従って、本発明の目的は、テストサンプルの電気的特性を取得する方法を提供するとともに、プローブ損傷を制限または回避するようにテストサンプルの表面検出を提供することである。
【0005】
本発明の更なる目的は、テストサンプルの電気的特性を決定するためのプローブであって、接触検出器を含むプローブを提供することである。
【0006】
本発明の更なる目的は、テストサンプルの電気的特性を決定するためのシステムであって、本発明の教示に係るプローブを使用するシステムを提供することである。
【0007】
日本公開第2006/284599号において、回路の電気的特性を試験するための装置が開示されている。該装置は、支持本体から同じ方向に延びる幾つかのカンチレバーを備える。カンチレバーは、2つの異なる長さからなり、長い方は接触検出器として用いられ、短い方はテストサンプルの電気的特性を測定するためものである。また、日本公開第2006/284599号は、長いカンチレバーにおいてピエゾ抵抗材料の電気通路を開示しており、長いカンチレバーは、テスト回路と接触した時の偏向を示す信号を発生することができる。
【0008】
印加された機械的応力とともに電気抵抗が変化するピエゾ抵抗効果は、印加された力およびピエゾ抵抗材料の幾何形状に依存する。印加された力に関する抵抗の変化は非線形として知られている。また、好都合な状況下では、得られる検出信号の対応する非線形性は、電子回路またはデジタル手段によって補償可能であることも知られている。
【0009】
しかしながら、カンチレバーまたは可撓性アームをベースとした接触検出器、およびピエゾ抵抗材料に固有の問題が存在しており、これらは、印加された力の方向性に関連ししている。力の方向および大きさの両方は検出信号に影響を与え、検出信号だけからこれら2つのパラメータを区別することは不可能であることを意味する。これは、異なる大きさおよび方向を持つ2つの力が同じ検出信号を与えることを意味する。
【0010】
一方が滑らかで、他方が溝および隆起で起伏のある2つの平面状のテスト表面の法線に沿った距離を検出する場合、法線に沿った可撓性アームの偏向が同じであっても、溝および隆起の結果、起伏のある表面では表面の面内の力成分が存在することに起因して、検出信号が異なることがある。一方、この力成分は、滑らかな表面では存在しない。これにより、その場合でなくても、接触検出器は、先の較正から、電気的特性を決定するためのカンチレバーがテストサンプルと接触しいることを示す信号を付与することがある。明らかに、接触検出器が表面法線に対して垂直な力に対して感度がないように構成すれば、距離測定値の精度および関連したテストサンプルの電気的特性の決定は改善できる。
【0011】
従って、本発明の他の目的は、テスト表面に対する距離のより良好な決定を与える接触検出器を提供することであり、これは、接触検出器の可撓性アームの電気経路においてピエゾ抵抗材料を回避することによってある程度達成される。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的は、第1態様において、テストサンプル表面のあるエリアの電気的特性を決定するためのプローブに関連した本発明によって得られる。プローブは、テストサンプルに対して所定の向きになるようにしている。プローブは、第1表面を規定する支持本体と、
第1表面と同一平面の関係で支持本体から延びる複数のカンチレバーアームとを備え、複数のカンチレバーアームは、互いにほぼ平行に延びており、複数のカンチレバーアームの各々は、テストサンプル表面に対して所定の向きのプローブ運動によって、テストサンプルの該エリアと接触するための導電性チップを含んでおり、
プローブは、運動を行う際、複数のカンチレバーアームの何れか1つがテストサンプル表面と接触する前またはこれと同時にテストサンプル表面と接触するように配置された、支持本体から延びる接触検出器を備え、
前記接触検出器は、基部において2つの固定(anchoring)アームに分割された可撓性アームと、固定アームの一方を通って可撓性アームに到達し、再び固定アームの他方を通り、非ピエゾ抵抗材料からなる電気経路とを備えた歪みゲージ(strain gauge)センサである。
【0013】
本明細書において、用語「ピエゾ抵抗率」は、ピエゾ抵抗率の一般的な定義に従って定義され、長さlのワイヤにおいて、ワイヤ軸に沿った機械的応力または変形の下で抵抗率の微分変化を示すものであり、下記のように定義される。
【0014】
【数1】

…(1)
【0015】
ここで、Rは抵抗値であり、ρは抵抗率、νはポアソン比である。
この原理に基づいて、いわゆるゲージ率(gauge factor)が下記のように定義される。
【0016】
【数2】

…(2)
【0017】
ゲージ率は、2つの項を含む。第1項は、下記のものであり、第2項は、1+2νである。
【0018】
【数3】

【0019】
第1項は、ピエゾ抵抗効果と称されており、第2項は、幾何形状効果と称される。
【0020】
本内容において、ピエゾ抵抗効果、即ち、第1項が、第2項、即ち、幾何形状効果と比べて支配的である場合には、材料はピエゾ抵抗材料とみなされ、一方、第2項、即ち、幾何形状効果が、第1項、即ち、ピエゾ抵抗効果と比べて支配的である場合には、材料は非ピエゾ抵抗材料とみなされる。
【0021】
一般には、多くの金属は、低いゲージ率、典型的には約2を示し、そして低いピエゾ抵抗効果を有する。本発明の内容で使用するのに関連した金属は、Ni,Au,Ru,Ti,Cu,Al,Ag,Co,Cr,Mb,Fe,Ptおよびこれらの合金である。
【0022】
本発明の内容で使用するのに関連した材料は、半導体材料であり、典型的には、約200という数値のゲージ率を有し、関連した半導体材料の例は、p型およびn型のGe、p型およびn型のInSb、p型およびn型のSiである。
【0023】
支持本体、カンチレバーアームおよび接触検出器は、現時点で好ましい実施形態において、全て同じ出発材料で製作され、例えば、単一の半導体材料ブロックから生産され、好ましくは、この材料はシリコンである。カンチレバーアームおよび接触検出器は、エッチング、フォトリソグラフ法または何れか他の方法を用いて形成してもよい。
【0024】
本発明の有利な実施形態では、カンチレバーアームは、多角形状の断面、例えば、実質的に矩形状の断面を有する。支持本体の第1表面は、好ましくは平面的または実質的に平面的である。各カンチレバーアームは、好ましくは第1表面と同一平面にある面内、または、第1表面と平行な面内にある。
【0025】
カンチレバーアームは、好ましくは相互に離れて位置決めされる。隣接するカンチレバーアームの間隔は、好ましくは全て同じである。代替の実施形態では、間隔は、例えば、ある区間内で変化してもよい。間隔は、現時点で好ましい実施形態において、カンチレバーアームの長手方向に対して垂直に測定される。
【0026】
本発明の現時点で好ましい実施形態において、各カンチレバーアームは、導電性チップを含む。また、各カンチレバーアームは、チップと、信号発生器及び/又は信号検出器を含む試験装置との間で電気的連絡を確立するための導電性経路を含む。チップは、電気的特性が決定されるテストサンプル表面のエリアと接触することになる。
【0027】
本発明の第1態様に係るプローブを採用する現時点で好ましい方法は、プローブが可動ホルダーに搭載され、テストサンプル表面と接触するように動くようにした装置によるものである。プローブは、導電性チップがほぼ同じ時間にテストサンプル表面と接触するように、ホルダーに配置されている。しかしながら、プローブは、ホルダーに整列していなかったり、少し誤った位置に置かれていてもよく、あるいは前回測定した較正値に対して、または他の理由によりドリフトしていてもよい。テストサンプルもまた、好ましくは、ホルダーに搭載される。テストサンプル用のホルダーは、好ましくは、可動式ではない。テストサンプルの位置もまた、テストサンプルに対するプローブの不整列(misalignment)の要因であってもよい。
【0028】
プローブおよびテストサンプルが、予想とは異なる相対位置を有する場合、例えば、カンチレバーアームが表面に予想よりも接近している場合、テストサンプルに対するプローブの動きがカンチレバーアームへの損傷を生じさせることがある。また、テストサンプル表面が材料の堆積または予期していない何らかの表面欠陥を有する場合、カンチレバーアームは損傷することがある。プローブが接触検出器を含むような本発明の教示に係るプローブの使用は、こうした接触検出器を持たないプローブと比べて極めて有利である。
【0029】
現時点で好ましい実施形態において、接触検出器は、歪みゲージセンサを備える。歪みゲージは、時にはストレインゲージと称される。歪みゲージは、ある材料の電気抵抗値が、変形したり歪みを受けると、変化する効果に基づいている。歪みゲージは、力、圧力、張力及び/又は重量を、測定可能な電気抵抗の変化に変換するために用いられる。技術用語として、「歪み(strain)」は張力または圧縮の応力を含み、正または負の符号で区別される。こうして歪みゲージは、膨張および収縮を決定するための使用できる。
【0030】
上述のように、プローブがテストサンプル表面と接触し、接触検出器が上述したセンサ手段の1つを備える場合、センサまたはセンサ手段は、接触検出器の偏向、曲がりまたは変形を検出できる。接触検出器のこの変形または偏向は、プローブがテストサンプル表面またはその近傍にあることを示唆している。また、それは、プローブ、特に、カンチレバーアームが、表面及び/又は予想しない表面欠陥の近傍にあることを示唆しているかもしれない。
【0031】
さらに、プローブは、接触検出器での信号変化を検出するための電気検出回路を含んでもよい。
【0032】
本発明の特に有利な実施形態において、接触検出器は可撓性のカンチレバーアームでもよく、テストサンプル表面は、可撓性カンチレバーアームの偏向を測定することによって検出してもよい。接触検出器は、カンチレバーアームの偏向によって表面または表面欠陥の存在を表示できる。偏向の程度は、プローブアームと表面または表面欠陥との間の力を表示できる。
【0033】
本発明の一実施形態において、電気検出回路は、ホイートストン(Wheatstone)ブリッジ回路または4線式(four-wire)オーム回路を備える。ホイートストンブリッジ回路は、歪みゲージの抵抗値変化を測定するために用いられ、接触検出器の可撓性アームの偏向の測定値が得られる。抵抗値または抵抗値変化を測定するための何れか他の回路を用いてもよい。
【0034】
本発明の教示によれば、接触検出器は、複数のカンチレバーアームに対して所定の角度で延びていてもよい。上述のように、複数のカンチレバーアームは、支持本体からほぼ平行な方向に延びている。接触検出器もまた、好ましくは、支持本体から延びており、平行に延びるカンチレバーアームによって規定される方向と接触検出器との間で所定の角度が定義されるような方向に延びてもよい。本発明の第1態様に係るプローブの特定の実施形態において、所定角度は、0度、45度または90度でもよい。0度の場合、接触検出器は、複数のカンチレバーアームに対してほぼ平行に延びる。90度の場合、接触検出器は、複数のカンチレバーアームに対してほぼ垂直に延びる。接触検出器およびカンチレバーアームによって規定される角度は、0〜180度の範囲の任意の角度であってもよい。この角度は、好ましくは、支持本体の第1表面と同じ面内で定義される。
【0035】
本発明の更なる特定の実施形態において、各カンチレバーアームは、本体から第1の長さを規定するように延びてもよく、接触検出器は、第1の長さと異なる第2の長さを規定するように本体から延びてもよい。更なる一実施形態では、第2の長さは第1の長さより大きくてもよく、代替の実施形態では、第2の長さは第1の長さより短くてもよい。カンチレバーアームは、それぞれ所定の長さ範囲内の長さを規定する。所定の長さ範囲は、好ましくは、カンチレバーアームの平均長さと比べて狭い。しかし、ある実施形態では、カンチレバーアームは、より大きな変動を伴う異なる長さを規定してもよい。例えば、複数のカンチレバーアームは、2つ又はそれ以上のグループに分割してもよく、各グループは、グループ長さ範囲内の長さを規定し、各グループ長さ範囲は異なっている。同様に、接触検出器はまたグループに分割してもよく、各グループは独自の間隔内の長さを規定する。
【0036】
接触検出器の抵抗値の明確な変化を提供するために、可撓性アーム分割は、好ましくは、接触検出器の長手方向に沿ったアーム分割長さを規定するアーム分割開口を規定する。このアーム分割長さは、好ましくは、接触検出器の全体長さの所定の割合を構成するものであり、例えば、10−99%,15−75%,20−30%または25−40%の割合、あるいは、10−15%,15−20%,20−25%,25−30%,30−35%,35−40%,40−45%,45−50%,50−55%,55−60%,60−65%,65−70%,70−75%,75−80%,80−85%,85−90%,90−95%,95−99%等である。
【0037】
本テクニックは、基本的には小型サイズのプローブに関するものであり、従って、第1の長さ及び/又は第2の長さは、好ましくは、1μm−1000μmのオーダーであり、例えば、2μm−500μmや5μm−100μmであり、あるいは、1μm−5μm,5μm−20μm,25μm−50μm,50μm−75μm,75μm−100μm,100μm−150μm,150μm−200μm,200μm−300μm,300μm−500μm,500μm−1000μm等である。
【0038】
接触検出器が、最も長いカンチレバーアームによって規定される長さより大きい長さを規定する実施形態が特に有利であることが考えられる。こうした実施形態では、接触検出器は、カンチレバーアームのいずれかより前に表面に到達することが考えられる。更なる実施形態では、複数のカンチレバーアームは、共通面を規定してもよい。カンチレバーアームによって規定される共通面は、好ましくは、支持本体の第1表面によって規定される面に対して平行である。代替の実施形態では、アームは共通面を規定しておらず、例えば、カンチレバーアームは、支持本体の第1表面の法線に沿った方向に変位している。
【0039】
特定の有利な実施形態では、接触検出器は、第2平面状表面の上に埋め込んでもよく、第2表面は共通面内にあり、あるいは、第2表面は共通面に対して平行に変位した面内にある。接触検出器の表面は、カンチレバーアームの共通面と接触検出器の面との間に、ある距離が規定されるように配置してもよく、この距離は2つの平行な面の共有法線に沿って測定される。
【0040】
一般に、プローブは、マイクロ電気機械システム(MEMS)や、ナノ電気機械システム(NEMS)の製造技術を用いて製造できる。本発明の教示に係るプローブは、マイクロデバイスまたはナノデバイスを製造するために用いられる何れの技術あるいは、より小型のデバイスを製造するために用いられる他の技術を用いて製造してもよい。
【0041】
本発明の特定の実施形態において、接触検出器は、2つのカンチレバーアームの間に位置決めしてもよい。他の実施形態では、カンチレバーアームは共に接近して位置決めしてもよく、接触検出器は、複数のカンチレバーアームからある距離に位置決めしてもよい。特別な実施形態では、カンチレバーアームおよび接触検出器は、2つのカンチレバーアームが接触検出器の片側にある構成で位置決めしてもよい。
【0042】
更なる実施形態では、プローブは、平行に位置決めされた2つの接触検出器を備え、複数のカンチレバーアームは2つの接触検出器の間に位置決めされるようにしてもよい。代替として、カンチレバーアームの幾つかのグループを順番に配置して、接触検出器が各グループの間になるようにしてもよい。各グループでのカンチレバーアームの数は変化してもよい。空のグループおよびたった1つの要素だけのグループは、ここで用いたグループの定義に含まれることに留意する。より一般的には、カンチレバーおよび接触検出器の任意の組合せが、所定のテストに適合するように使用してもよい。
【0043】
本発明の第1態様に係るプローブの特に好ましい実施形態では、ホイートストンブリッジ回路を含む一体プローブの変形例を構成するものであり、接触検出器を含むホイートストンブリッジ回路の一方の分岐は、追加の接触検出器をさらに含み、これは参照検出器を構成するものであり、参照検出器がテストサンプル表面と接触するの防止するために支持本体によって隠されている。ホイートストンブリッジ回路の第1分岐の2つの抵抗器を設けて、第1分岐は接触検出器を含み、接触検出器をダミーまたは参照抵抗器として複製することによって、ホイートストンブリッジ回路の第1分岐の2つの抵抗器が、かなりの程度で同じ構造および同じ物理特性、即ち、同じ抵抗率となることが好都合に確保される。接触検出器を含むホイートストンブリッジ回路の第1分岐の2つの抵抗器の同一性は、プローブを製造するプロセスが、2つの抵抗器が同じ処理ステップで製造されることと関係している限り、利点をもたらし、ホイートストンブリッジ回路を含む一体プローブを製造するプロセスを簡素化する。
【0044】
ホイートストンブリッジ回路の感度を増加させるために、ホイートストンブリッジ回路の第1分岐は、接触検出器を含み、必要ならば好都合には接触検出器のレプリカ(replica)によって構成される参照検出器を含み、参照抵抗器を含む第2分岐の抵抗値より小さな抵抗値を有するものであり、第1分岐の抵抗値より大きな第2分岐の抵抗値を提供することによって、増加または改善した感度が得られる。その結果、第2分岐と比べて、第1分岐でより低い抵抗値を含む有利な実施形態によれば、第1分岐の抵抗値は、第2分岐の抵抗値より少なくとも2倍、好ましくは、少なくとも1桁(10倍)小さい。
【0045】
本発明の第2態様は、テストサンプルの電気的特性を取得する方法に関する。該方法は、
テスト表面を規定するテストサンプルを用意することと、
テストサンプル表面のあるエリアの電気的特性を決定するためのプローブを含む試験装置を用意することとを含み、プローブはテストサンプルに対して所定の向きになるようにしており、プローブは、
第1表面を規定する支持本体と、
第1表面と同一平面の関係で支持本体から延びる複数のカンチレバーアームとを備え、複数のカンチレバーアームは、互いにほぼ平行に延びており、複数のカンチレバーアームの各々は、テストサンプル表面に対して所定の向きのプローブ運動によって、テストサンプルの該エリアと接触するための導電性チップを含んでおり、
プローブは、運動を行う際、複数のカンチレバーアームの何れか1つがテストサンプル表面と接触する前またはこれと同時にテストサンプル表面と接触するように配置された、支持本体から延びる接触検出器を備え、
該装置は、プローブの導電性チップと電気接続された電気信号発生器をさらに備え、
該方法は、接触検出器と電気接続された接触検出回路を用意することと、
テストサンプル表面に対してプローブを動かして、接触検出器がテストサンプル表面と接触したことを示す接触検出回路を監視することとを含み、
前記接触検出器は、基部において2つの固定(anchoring)アームに分割された可撓性アームと、固定アームの一方を通って可撓性アームに到達し、再び固定アームの他方を通り、非ピエゾ抵抗材料からなる電気経路とを備えた歪みゲージ(strain gauge)センサである。
【0046】
本発明の第2態様は、本発明の第1態様に係るプローブを用いて、テストサンプルの電気的特性を測定、決定または取得する方法に関する。
【0047】
該方法は、接触検出器によって生成される信号を監視することを含む。接触検出器からの信号は、障害物、例えば、テストサンプルの表面またはテストサンプル表面上の欠陥がカンチレバーアームに接近しているかを決定するために用いてもよい。この監視は、接触検出器の表面にあるセンサを通じて電気信号を伝送することを含んでもよい。特別な実施形態では、センサは、歪みゲージであってもよく、接触検出器の偏向はホイートストンブリッジ回路を用いて決定してもよい。
【0048】
一般に、第2態様に係る方法は、本発明の第1態様に係るプローブの特徴のいずれかを有するプローブを組み込んでいる。
【0049】
第3態様において、本発明は、テストサンプルの表面のあるエリアの電気的特性を決定するためのシステムに関する。該システムは、
テストサンプルを保持するためのテストサンプルホルダーと、
テストサンプルの表面のあるエリアの電気的特性を決定するためのプローブを保持するためのプローブホルダーとを備え、プローブは、
第1表面を規定する支持本体と、
第1表面と同一平面の関係で支持本体から延びる複数のカンチレバーアームとを備え、複数のカンチレバーアームは、互いにほぼ平行に延びており、複数のカンチレバーアームの各々は、テストサンプル表面に対して所定の向きのプローブ運動によって、テストサンプルの該エリアと接触するための導電性チップを含んでおり、
プローブは、運動を行う際、複数のカンチレバーアームの何れか1つがテストサンプル表面と接触する前またはこれと同時にテストサンプル表面と接触するように配置された、支持本体から延びる接触検出器を備え、
該システムは、プローブの導電性チップと電気接続された電気信号発生器と、接触検出器と電気接続された接触検出回路とをさらに備え、
テストサンプル表面に対してプローブを動かして、接触検出回路は、接触検出器がテストサンプル表面と接触したことを検出するものであり、
前記接触検出器は、基部において2つの固定(anchoring)アームに分割された可撓性アームと、固定アームの一方を通って可撓性アームに到達し、再び固定アームの他方を通り、非ピエゾ抵抗材料からなる電気経路とを備えた歪みゲージ(strain gauge)センサである。
【0050】
本発明の第3態様に係るシステムは、本発明の第2態様に係る方法を実施するために用いてもよく、第1態様に係るプローブを含んでもよい。プローブは、本発明の第1態様または第2態様に関連して言及した特徴のいずれかを含んでもよい。
【0051】
本発明の基本的な教示に係るプローブを用いた場合、こうしたカンチレバーをベースとしたデバイスを用いて表面に接近する際、表面接触検出器の1つ又はそれ以上のカンチレバーが表面との衝撃の際に偏向するようになることが特別な利点である。偏向は、測定される電気信号の変化をもたらし、物体表面の位置が少なくとも1つの次元で検出されることになる。その結果、表面に対するマルチカンチレバープローブの位置は、高い精度で、現時点では少なくとも1つの次元で±2μmより良い精度で決定されることになる。
【0052】
本発明の現時点で好ましい実施形態では、マルチカンチレバープローブは、プローブと表面検出センサとの間の間隔が少なくとも1つの次元で±2μmより良い精度で良好に制御されるように位置決めされる。これは、同じ基板(例えば、シリコン、石英、セラミックまたはポリマーのもの)上に、またはセルフアライメントまたは高精度のパッケージ技術によって組み立てられた2つの基板上に、プローブおよびセンサを製造することによって実現できる。高い位置決め精度は、MEMSまたはNEMS製造技術を用いて達成できる。
【0053】
上述した利点および態様は、図面を参照して本発明の実施形態に関連して開示されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】4つのカンチレバーアームを有するプローブおよび接触検出器からなる第1実施形態を概略的に示す。
【図2】4つのカンチレバーアームを有するプローブおよび2つの接触検出器からなる第2実施形態を概略的に示す。
【図3】ホイートストンブリッジ構成での歪みゲージのスケッチを概略的に示す。
【図4】ホイートストンブリッジの測定した出力電圧を、歪みセンサ、即ち、表面検出器の変位の関数として概略的に示す。
【図5】プローブの第3実施形態を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0055】
図1は、参照符号12で示す4つのカンチレバーアームを有するプローブ10および接触検出器14からなる第1実施形態の一部を概略的に示す。カンチレバーアーム12および接触検出器14は、プローブ10から、プローブ10の表面18のエッジ16を超えて延びている。
【0056】
接触検出器は、テストサンプルの表面上にある障害物や表面での欠陥を検出するため、あるいは単にプローブとテストサンプル表面との間の接触の検出に用いてもよい。
【0057】
カンチレバーアーム12は、エッジ16からほぼ平行に、自由に延びている。接触検出器14もエッジ16から自由に延びている。図示した接触検出器は、可撓性アーム21を備えたカンチレバー構造の形態である。可撓性アーム21は、カンチレバーアーム12に対してほぼ平行に延びている。
【0058】
可撓性アーム21は、固定(anchoring)アーム20,22を介してプローブ10に取り付けられる。これらのアームは、導電性かつ非ピエゾ抵抗性の金属層でコートされており、これらは接触検出器の偏向を検出するための歪みゲージセンサとして機能する。可撓性アーム21は、可撓性アーム21の偏向の結果、電圧/抵抗値の変化を検出するために用いられるホイートストンブリッジ回路24に電気接続される。何れのホイートストン構成のように、回路24は、既知の抵抗値を持つ3つの抵抗器を備える。可撓性アーム21のアーム20,22で確定する歪みゲージ部の抵抗値は、可撓性アーム21の偏向の測定値として用いられる。歪みゲージは、支持するシリコン層または構造の上の非ピエゾ抵抗性金属層によって構築される。シリコン層は、支持本体、即ち、プローブ本体10も構成している。
【0059】
接触検出器14の可撓性アーム21において非ピエゾ抵抗性金属層または非ピエゾ抵抗性の電気経路を使用する利点は、図1から容易に説明できる。問題を簡素化するために、図1において、紙面の法線と平行なz軸、紙面内で可撓性アーム21と平行なy軸、紙面内で可撓性アーム21と垂直なx軸を持つ座標系を設定する。z軸に沿った力が可撓性アーム48の先端に作用すると仮定すると、これは可撓性アーム48を偏向させる。金属コーティングが支持本体のどの側にあるかに依存して、偏向はコーティングを圧縮または伸張させるようになる。圧縮したコーティングの場合、導電金属の断面は増加し、導電経路の長さは減少する。これらの両方の効果は、抵抗値の減少をもたらすことになる。伸張したコーティングの場合、導電金属の断面は減少し、導電経路の長さは増加して、その結果、抵抗値の増加をもたらすことになる。
【0060】
x軸に沿った力が可撓性アーム21の先端に図1の右から作用すると仮定する。誘起モーメントに起因して、固定アーム20は圧縮を受けるようになり、他の固定アーム22は伸張を受けるようになる。影響を受けない接触検出器と比較すると、第1固定アーム20を通って可撓性アーム21に達する電気経路に追従する場合には抵抗値は減少し、可撓性アーム21から固定アーム22を通って戻る場合には抵抗値は増加する。これは、印加された力は第1固定アーム20の断面を増加させるとともに、第2固定アーム22の断面を減少させるという点に由来する。
【0061】
さらに、第1固定アーム20の長さは減少するともに、第2固定アーム22の長さは増加する。中間の偏向では、断面変化および長さ変化の両方とも互いに打ち消して、接触検出器回路24の電気抵抗は、良好な近似で変化しない状態になる。しかしながら、固定アーム20,22がピエゾ抵抗材料からなる場合は、印加された力に対する抵抗値の非線形に起因して、たとえ可撓性アーム21の中間の偏向であっても、接触検出器回路24の抵抗値は著しく変化するであろう。従って、x軸に沿った力成分から由来する検出信号を回避するために、ここで提案した原理に基づく接触検出器は、非ピエゾ抵抗材料からなる固定アーム20,22を有するべきである。図1の接触検出器は、y軸に沿った力成分に対して感度がないことに留意すべきである。これは、この状況では、可撓性アーム21はアーム基部で長さ依存のモーメントを生成するレバーとして動作しない点に由来する。
【0062】
図示した実施形態は、接触した構造またはその近傍、即ち、プローブ10の本体の上部において、ホイートストンブリッジ回路を含む。他の実施形態では、回路は、例えば、試験装置内など、あるいはプローブ10の異なる部分など、遠く離れて配置してもよい。
【0063】
接触検出器14は、補足的な目的、即ち、エラー機能として機能する。もし可撓性アーム21が破損すると、固定アーム20,22経由で規定される電気経路が切断され、抵抗値が無限大または少なくとも極めて高い値に増加することになる。
【0064】
接触検出器14の可撓性アーム21がテストサンプルの表面に接触すると、歪みゲージの電気抵抗が変化する。歪みゲージの電気抵抗または電気抵抗の相対変化が所定の値を超えると、システムはプローブの運動を終了する。接触検出器が固定アーム20,22で破損した場合、ほぼ平衡したホイートストンブリッジ回路と比べて抵抗値が著しく増加する。すると、システムは測定を中断して、プローブが表面に入り込むのを防止する。
【0065】
図2は、複数、例えば、4つのカンチレバーアーム28,30,32,34を有するプローブ10’の第2実施形態を概略的に示すもので、各アームは、テストサンプルの表面のあるエリアとの電気接触を確立するための導電性チップを含む。
【0066】
プローブ10’は、2つの接触検出器36,38をさらに含む。接触検出器36,38は、図1を参照して説明したものと同じタイプである。
【0067】
図3は、ホイートストンブリッジ構成での歪みゲージのスケッチを概略的に示す。ホイートストンブリッジ回路は、全て固定の抵抗値を持つ3つの抵抗器42,44,46で構成される。抵抗値は、温度で変化することがあるが、一般には可変ではない。可撓性アーム48は、電気回路を構成する金属層で構成された歪みゲージエレメントを備える。
【0068】
本発明の一実施形態では、電流がポイント50,54の間に印加される。ポイント52,56の間の出力電圧は、動作中、即ち、プローブがテストサンプルの表面と接触する際、連続的に監視される。
【0069】
動作の前に、参照値が測定され、Vrefとして定義される。出力電圧の相対変化を計算するために、ポイント54,56の間に電流を印加したときの出力電圧がポイント50,52の間で測定され、Voとして定義される。
【0070】
下記で与えられる出力電圧の相対変化を連続的に監視することによって、歪みゲージエレメントを有するカンチレバーについて接触点を検出することが可能である。
【0071】
【数4】

【0072】
これは、下記のように行ってもよい。プローブが表面に向かって移動して、出力電圧の相対変化が所定の値を超えると、システムは歪みゲージの動作を終了させる。歪みゲージのカンチレバーが損傷すると、ほぼ平衡したホイートストンブリッジ回路と比べて抵抗値は著しく増加することになる。すると、システムは測定を単に中断して、プローブが表面に入り込むのを防止する。
【0073】
図4は、ホイートストンブリッジの測定した出力電圧を、歪みセンサ、即ち、表面検出器の1つの次元、即ち、Z軸に沿った変位の関数として概略的に示す。電流の設定ポイントは500μAである。サンプル表面を検出する前は、一定の出力電圧が得られる。カンチレバーの先端が表面と接触すると、力がカンチレバーに作用し、センサでの歪み、そして出力電圧の変化を誘起する。出力電圧に対するカンチレバーのz運動の線形的依存性が観測され、これは回路内の非ピエゾ抵抗材料の使用に起因するものと予想される。
【0074】
図5は、プローブ10”の第3実施形態を概略的に示す。第3実施形態のプローブ10”は、接触検出器を含むホイートストンブリッジ回路の第1分岐を構成する抵抗器が接触検出器自体のレプリカ(replica)によって置換されている点で、図2に示す上述の第2実施形態と相違している。カンチレバーアーム28’,30’,32’,34’の左側および右側に配置された接触検出器は、参照符号36’,38’で示し、接触検出器と直列接続したレプリカ接触検出器は、参照符号36”,38”で示している。
【0075】
2つのレプリカ接触検出器36”,38”は、基板内の個々の凹部に配置され、これらの凹部は参照符号58,60でそれぞれ示しており、レプリカ接触検出器36”,38”がテストサンプル表面と接触するのを保護するように機能する。そして、レプリカ接触検出器は、接触検出器と同じ抵抗値の参照抵抗器を構成し、高精度を確保している。2つのホイートストンブリッジ回路の各々におけるホイートストンブリッジ回路の第1分岐は、同じ抵抗エレメントで構成されており、これらの1つが接触検出器であって、上述したように、接触検出器の固定アームに生ずる機械的曲げを受け、これらの抵抗率を変化させて、接触検出器とテストサンプル表面との間の接触成立を検出する。
【0076】
2つの接触検出器36’,38’に帰属するホイートストンブリッジ回路は、参照抵抗器42’,44’および参照抵抗器42”,44”の各セットをさらに備え、2つの接触検出器36”,38”の各々のホイートストンブリッジ回路の第2分岐を構成する。
【0077】
図5に示す第3実施形態は、ホイートストンブリッジ回路の第1分岐の同じ抵抗器の極めて有利な集積化を提供するものであり、接触検出器36’,38’がダミー抵抗器36”,38”に複製され、これにより、第1には、2つのホイートストンブリッジ回路の測定接触検出器とダミー接触検出器の特性間で高度な同一性を確保し、第2には、ホイートストンブリッジ回路の同じ参照検出器として接触検出器を単に複製することによって、プローブを製造する極めて簡単なテクニックを提供する。
【0078】
本発明について特定かつ有利な実施形態を参照して説明したが、添付の特許請求の範囲で規定されるような本発明の範囲から逸脱することなく、多くの変更および修正が可能であることは当業者に明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テストサンプル表面のあるエリアの電気的特性を決定するためのプローブであって、
前記プローブは、前記テストサンプルに対して所定の向きになるようにしており、
前記プローブは、第1表面を規定する支持本体と、
第1表面と同一平面の関係で前記支持本体から延びる複数のカンチレバーアームとを備え、前記複数のカンチレバーアームは、互いにほぼ平行に延びており、前記複数のカンチレバーアームの各々は、前記テストサンプルの前記表面に対して所定の向きのプローブ運動によって、前記テストサンプルの前記エリアと接触するための導電性チップを含んでおり、
前記プローブは、前記運動を行う際、前記複数のカンチレバーアームの何れか1つが前記テストサンプルの前記表面と接触する前または接触と同時に前記テストサンプルの前記表面と接触するように配置された、前記支持本体から延びる接触検出器を備え、
前記接触検出器は、基部において2つの固定アームに分割された可撓性アームと、前記固定アームの一方を通って前記可撓性アームに到達し、再び前記固定アームの他方を通り、非ピエゾ抵抗材料からなる電気経路とを備えた歪みゲージセンサであるようにしたプローブ。
【請求項2】
前記プローブは、前記接触検出器での信号変化を検出するための電気検出回路をさらに含む請求項1記載のプローブ。
【請求項3】
前記テストサンプルの前記表面は、前記可撓性アームの偏向を測定することによって検出される請求項2記載のプローブ。
【請求項4】
前記電気検出回路は、ホイートストンブリッジ回路または4線式オーム回路を備える請求項2または3記載のプローブ。
【請求項5】
前記接触検出器は、前記複数のカンチレバーアームに対して所定角度で延びている請求項1〜4のいずれかに記載のプローブ。
【請求項6】
前記所定角度は、0度、45度または90度である請求項5記載のプローブ。
【請求項7】
前記複数のカンチレバーアームは、前記本体から第1の長さを規定するように延びており、前記接触検出器は、前記第1の長さと異なる第2の長さを規定するように前記本体から延びている請求項1〜6のいずれかに記載のプローブ。
【請求項8】
前記第2の長さは、前記第1の長さより大きいか、あるいは前記第2の長さは前記第1の長さより短い請求項7記載のプローブ。
【請求項9】
接触検出器の第2の長さは、接触検出器の長手方向に沿った接触検出器の全体長さを構成しており、可撓性アーム分割は、該長手方向に沿ったアーム分割長さを規定するアーム分割開口を規定しており、アーム分割長さは、第2の長さの割合を構成するものであり、例えば、10−99%,15−75%,20−30%または25−40%の割合、あるいは、10−15%,15−20%,20−25%,25−30%,30−35%,35−40%,40−45%,45−50%,50−55%,55−60%,60−65%,65−70%,70−75%,75−80%,80−85%,85−90%,90−95%,95−99%である請求項7または8記載のプローブ。
【請求項10】
第1の長さ及び/又は第2の長さは、1μm−1000μmのオーダーであり、例えば、2μm−500μmや5μm−100μmであり、あるいは、1μm−5μm,5μm−20μm,25μm−50μm,50μm−75μm,75μm−100μm,100μm−150μm,150μm−200μm,200μm−300μm,300μm−500μm,500μm−1000μmである請求項7〜9のいずれかに記載のプローブ。
【請求項11】
前記複数のカンチレバーアームは、共通面を規定する請求項1〜10のいずれかに記載のプローブ。
【請求項12】
前記接触検出器は、第2平面状表面の上にあって、第2表面は前記共通面内にあり、あるいは、第2表面は前記共通面に対して平行に変位した面内にある請求項11記載のプローブ。
【請求項13】
前記プローブは、MEMSまたはNEMSの製造技術を用いて製造される請求項1〜12のいずれかに記載のプローブ。
【請求項14】
前記接触検出器は、前記カンチレバーアームの間に位置決めされる請求項1〜13のいずれかに記載のプローブ。
【請求項15】
前記プローブは、平行に位置決めされた2つの接触検出器を備え、前記複数のカンチレバーアームは前記2つの接触検出器の間に位置決めされる請求項1〜13のいずれかに記載のプローブ。
【請求項16】
参照検出器を構成する追加の接触検出器をさらに含み、
参照検出器は、テストサンプル表面と接触するの防止するために支持本体によって隠されている請求項1〜15のいずれかに記載のプローブ。
【請求項17】
接触検出器は、ホイートストンブリッジ回路の第1分岐に含まれており、
該プローブは、ホイートストンブリッジ回路の第2分岐を構成する参照抵抗器をさらに含み、
第1分岐の抵抗値は第2分岐の抵抗値より小さく、少なくとも2倍、好ましくは、少なくとも1桁小さい請求項4〜16のいずれかに記載のプローブ。
【請求項18】
テストサンプルの電気的特性を取得する方法であって、
前記方法は、テスト表面を規定する前記テストサンプルを用意することと、
前記テストサンプルの表面のあるエリアの電気的特性を決定するためのプローブを含む試験装置を用意することとを含み、
前記プローブは、前記テストサンプルに対して所定の向きになるようにしており、
前記プローブは、第1表面を規定する支持本体と、
前記第1表面と同一平面の関係で支持本体から延びる複数のカンチレバーアームとを備え、前記複数のカンチレバーアームは、互いにほぼ平行に延びており、前記複数のカンチレバーアームの各々は、前記テストサンプルの前記表面に対して前記所定の向きのプローブ運動によって、前記テストサンプルの該エリアと接触するための導電性チップを含んでおり、
前記プローブは、前記運動を行う際、前記複数のカンチレバーアームの何れか1つが前記テストサンプルの前記表面と接触する前または接触と同時に前記テストサンプルの前記表面と接触するように配置された、前記支持本体から延びる接触検出器を備え、
該装置は、前記プローブの前記導電性チップと電気接続された電気信号発生器をさらに備え、
該方法は、前記接触検出器と電気接続された接触検出回路を用意することと、
前記テストサンプルの前記表面に対してプローブを動かして、前記接触検出器が前記テストサンプルの前記表面と接触したことを示す前記接触検出回路を監視することとを含み、
前記接触検出器は、基部において2つの固定アームに分割された可撓性アームと、固定アームの一方を通って可撓性アームに到達し、再び固定アームの他方を通り、非ピエゾ抵抗材料からなる電気経路とを備えた歪みゲージセンサであるようにした方法。
【請求項19】
前記プローブは、請求項1〜17のいずれかに記載の特徴を含む請求項18記載の方法。
【請求項20】
テストサンプルの表面のあるエリアの電気的特性を決定するためのシステムであって、
前記システムは、前記テストサンプルを保持するためのテストサンプルホルダーと、
テストサンプルの表面のあるエリアの電気的特性を決定するためのプローブを保持するためのプローブホルダーとを備え、
前記プローブは、第1表面を規定する支持本体と、
第1表面と同一平面の関係で支持本体から延びる複数のカンチレバーアームとを備え、前記複数のカンチレバーアームは、互いにほぼ平行に延びており、前記複数のカンチレバーアームの各々は、前記テストサンプルの前記表面に対して所定の向きのプローブ運動によって、前記テストサンプルの前記エリアと接触するための導電性チップを含んでおり、
前記プローブは、前記運動を行う際、前記複数のカンチレバーアームの何れか1つが前記テストサンプルの前記表面と接触する前または接触と同時に前記テストサンプルの前記表面と接触するように配置された、前記支持本体から延びる接触検出器を備え、
前記システムは、前記プローブの前記導電性チップと電気接続された電気信号発生器と、前記接触検出器と電気接続された接触検出回路とをさらに備え、
前記テストサンプルの前記表面に対してプローブを動かして、前記接触検出回路は、前記接触検出器が前記テストサンプルの前記表面と接触したことを検出するものであり、
前記接触検出器は、基部において2つの固定アームに分割された可撓性アームと、固定アームの一方を通って可撓性アームに到達し、再び固定アームの他方を通り、非ピエゾ抵抗材料からなる電気経路とを備えた歪みゲージセンサであるようにしたシステム。
【請求項21】
前記プローブは、請求項1〜17のいずれかに記載の特徴を含む請求項20記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−520998(P2010−520998A)
【公表日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−553010(P2009−553010)
【出願日】平成20年3月12日(2008.3.12)
【国際出願番号】PCT/DK2008/000100
【国際公開番号】WO2008/110174
【国際公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(504262203)カプレス・アクティーゼルスカブ (9)
【氏名又は名称原語表記】CAPRES A/S
【Fターム(参考)】