説明

推進装置

【課題】曲線管のセット作業を効率良く行うことのできる推進装置を提供する。
【解決手段】傾斜架台3bを有する架台3と、この架台3の傾斜架台3bに沿って移動可能に設けられその傾斜架台3b上に配された曲線管4の後端部に嵌合する嵌合部5bを有する押し板5と、この押し板5に推進力を付与する推進ジャッキ6とを備える推進装置において、曲線管4の周方向位置を調整する管周方向位置調整機構31と、曲線管4の縦方向位置を調整する管縦方向位置調整機構32と、曲線管4の後端部の中心と押し板5の嵌合部5bの中心とを合わせるセンタリング機構30とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地中に曲線管を埋設する際に用いられて好適な推進装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、地中に掘削した掘削孔に沿って所定の曲率をもった曲線管を推進・挿入するとともに、先行する曲線管と後続の曲線管とを順次接続して円弧状のパイプ構造物を地中に構築する際に用いられる推進装置として、例えば特許文献1にて提案されているものがある。
【0003】
【特許文献1】特開2005−155057号公報
【0004】
この特許文献1に係る推進装置は、図14に示されるように、トンネル内の床桁102上に設置され、基部103aと傾斜部103bとよりなる架台103と、この架台103の傾斜部103bに沿って移動可能に設けられその傾斜部103b上に配された曲線管104の後端部に嵌合する嵌合部105bを有する押し板105と、この押し板105に推進力を付与する推進ジャッキ106と、前記曲線管104を案内するクランプ式のガイド手段107とを備えて構成されている。この推進装置101においては、これから押し込もうとする曲線管(後行曲線管)104の先端を先に押し込まれた曲線管(先行曲線管)104′の後端に突き合わせて両曲線管104,104′を溶接して後に推進ジャッキ106からの推進力を受けた押し板105にて後行曲線管104を押し込むことにより、それら曲線管104,104′を地中に向けて押し込むことができるようになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来の推進装置101において、後行曲線管104を先行曲線管104′に突き合わせて溶接する作業を行う際に、先行曲線管104′に対して後行曲線管104の周方向(図14中記号Rで示される矢印方向)の位置が微妙にずれていたり、先行曲線管104′に対して後行曲線管104の縦方向(図14中記号Lで示される矢印方向)の位置が微妙にずれていたりする場合がある。このような位置ずれが生じた場合には、先行曲線管104′に対する後行曲線管104の位置を図示省略されるクレーンを用いて調整する作業が行われる。なお、このクレーンを用いた後行曲線管104の位置調整作業を行うに際しては、押し板105と後行曲線管104との嵌合関係が一旦解除されるとともに、ガイド手段107がアンクランプ状態とされ、その位置調整作業および後行曲線管104の先行曲線管104′への溶接作業がそれぞれ完了した後には、再び後行曲線管104に押し板105の嵌合部105bが嵌合されるとともに、ガイド手段107がクランプ状態とされる。
【0006】
前述のクレーンを用いた後行曲線管104の位置調整作業は、後行曲線管104を斜めに傾けた状態で吊り上げてその吊り位置をクレーン操作により調整することで成される。しかしながら、かかるクレーン操作だけでは傾斜状態で吊り上げられた後行曲線管104の位置を先行曲線管104′の位置に合わせるように調整することが非常に難しいために、後行曲線管104の位置調整作業に多大な時間を消費してしまう。また、このクレーンを用いた後行曲線管104の位置調整作業の完了後、後行曲線管104を先行曲線管104′に溶接した際に、溶接歪等の影響によって今度は押し板105の嵌合部中心と後行曲線管104の後端部中心とがずれてしまう場合がある。このような中心位置のずれが生じた場合には、後行曲線管104に押し板105を嵌め合わせる作業が極めて困難なものとなり、この嵌合作業に多大な時間を消費してしまう。要するに、前記従来の推進装置101では、これから押し込もうとする曲線管104を当該推進装置101にセットする作業を効率良く行うことができないという問題点がある。
【0007】
本発明は、このような問題点を解消するためになされたもので、曲線管のセット作業を効率良く行うことのできる推進装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、第1発明による推進装置は、
傾斜部を有する架台と、この架台の傾斜部に沿って移動可能に設けられその傾斜部上に配された曲線管の後端部に嵌合する嵌合部を有する押し板と、この押し板に推進力を付与する推進ジャッキとを備える推進装置において、
前記曲線管の周方向位置を調整する管周方向位置調整機構を設けることを特徴とするものである。
【0009】
次に、第2発明による推進装置は、
傾斜部を有する架台と、この架台の傾斜部に沿って移動可能に設けられその傾斜部上に配された曲線管の後端部に嵌合する嵌合部を有する押し板と、この押し板に推進力を付与する推進ジャッキとを備える推進装置において、
前記曲線管の縦方向位置を調整する管縦方向位置調整機構を設けることを特徴とするものである。
【0010】
また、第3発明による推進装置は、
傾斜部を有する架台と、この架台の傾斜部に沿って移動可能に設けられその傾斜部上に配された曲線管の後端部に嵌合する嵌合部を有する押し板と、この押し板に推進力を付与する推進ジャッキとを備える推進装置において、
前記曲線管の後端部の中心と前記押し板の嵌合部の中心とを合わせるセンタリング機構を設けることを特徴とするものである。
【0011】
また、第4発明による推進装置は、
傾斜部を有する架台と、この架台の傾斜部に沿って移動可能に設けられその傾斜部上に配された曲線管の後端部に嵌合する嵌合部を有する押し板と、この押し板に推進力を付与する推進ジャッキとを備える推進装置において、
前記曲線管の周方向位置を調整する管周方向位置調整機構と、前記曲線管の縦方向位置を調整する管縦方向位置調整機構と、前記曲線管の後端部の中心と前記押し板の嵌合部の中心とを合わせるセンタリング機構とを設けることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
第1発明の推進装置によれば、曲線管の周方向位置を調整する管周方向位置調整機構が設けられるので、先に押し込まれた曲線管に対してこれから押し込もうとする曲線管の周方向位置がずれていたとしても、この周方向位置のずれをなくすようにこれから押し込もうとする曲線管の周方向位置を管周方向位置調整機構によって容易に調整することができる。したがって、これから押し込もうとする曲線管の当該推進装置へのセット作業を効率良く行うことができる。
【0013】
第2発明の推進装置によれば、曲線管の縦方向位置を調整する管縦方向位置調整機構が設けられるので、先に押し込まれた曲線管に対してこれから押し込もうとする曲線管の縦方向位置がずれていたとしても、この縦方向位置のずれをなくすようにこれから押し込もうとする曲線管の縦方向位置を管縦方向位置調整機構によって容易に調整することができる。したがって、これから押し込もうとする曲線管の当該推進装置へのセット作業を効率良く行うことができる。
【0014】
第3発明の推進装置によれば、曲線管の後端部の中心と押し板の嵌合部の中心とを合わせるセンタリング機構が設けられるので、押し板の嵌合部の中心に対してこれから押し込もうとする曲線管の後端部の中心位置がずれていたとしても、この中心位置のずれをなくすようにその中心位置をセンタリング機構によって容易に調整することができる。したがって、これから押し込もうとする曲線管の当該推進装置へのセット作業を効率良く行うことができる。
【0015】
第4発明の推進装置によれば、曲線管の周方向位置を調整する管周方向位置調整機構と、曲線管の縦方向位置を調整する管縦方向位置調整機構と、曲線管の後端部の中心と押し板の嵌合部の中心とを合わせるセンタリング機構とが設けられるので、先に押し込まれた曲線管に対してこれから押し込もうとする曲線管の周方向位置がずれていたとしても、また先に押し込まれた曲線管に対してこれから押し込もうとする曲線管の縦方向位置がずれていたとしても、更に押し板の嵌合部の中心に対してこれから押し込もうとする曲線管の後端部の中心位置がずれていたとしても、前記周方向位置のずれは管周方向位置調整機構によって、また前記縦方向位置のずれは管縦方向位置調整機構によって、更に前記中心位置のずれはセンタリング機構によってそれぞれ容易になくすことができる。したがって、これから押し込もうとする曲線管の当該推進装置へのセット作業を効率良く行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に、本発明による推進装置の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、互いに間隔を存して水平方向に延びるように地中に並設される一対のトンネルの間において、地中に掘削した掘削孔に沿って所定の曲率をもった曲線管を斜め下方に向けて推進・挿入するとともに、先行する曲線管と後続の曲線管とを順次接続して円弧状のパイプ構造物を地中に構築する際に用いられる推進装置に本発明が適用された例である。
【0017】
図1には、本発明の一実施形態に係る推進装置の側面図が示されている。また、図2には押し板の正面図が示され、図3には押し板の背面図が示されている。
【0018】
本実施形態の推進装置1は、図1に示されるように、トンネル(図示省略)内の床桁2上に設置される架台3と、これから押し込もうとする曲線管4の後面に当接する押し板5と、この押し板5に推進力を付与する一対の推進ジャッキ6と、曲線管4を案内するガイド手段7とを備えている。この推進装置1においては、これから押し込もうとする曲線管(後行曲線管)4の先端を先に押し込まれた曲線管(先行曲線管)4′の後端に突き合わせて両曲線管4,4′を溶接して後に推進ジャッキ6からの推進力を受けた押し板5にて後行曲線管4を押し込むことにより、それら曲線管4,4′を地中に向けて押し込むことができるようになっている。
【0019】
前記架台3は、当該架台3の基部を形成するベース架台3aと、曲線管4の略推進方向(図1中記号Tで示される矢印方向)に平行するように前記ベース架台3aに対して斜設され、当該架台3の傾斜部を形成する傾斜架台3bとを備えてなるものである。前記傾斜架台3bの上面部には、曲線管4の曲率と略同じ曲率をもって曲線管4の推進方向に沿って延びる一対のガイドレール8が横方向(図1の紙面を貫く方向)に所定の間隔を存して配設されている。なお、この架台3においては、傾斜架台3bがベース架台3aにピン9によって傾倒可能に連結されるとともに、ベース架台3aと傾斜架台3bとの間にジャッキ10が配され、このジャッキ10の伸縮によってベース架台3aに対する傾斜架台3bの傾斜角度が調整されるようになっている。
【0020】
前記推進ジャッキ6は、ピストンロッドの中心線に対してシリンダチューブの両側に直角に延びた一対の枢軸で支えるトラニオン形式の支持部がシリンダチューブのヘッド側およびボトム側にそれぞれ設けられた油圧シリンダよりなるものであって、シリンダチューブのヘッド側に設けられたトラニオン形式の支持部(以下、「ヘッド側支持部」という。)における一対の枢軸11もしくはシリンダチューブのボトム側に設けられたトラニオン形式の支持部(以下、「ボトム側支持部」という。)における一対の枢軸11′を中心に揺動できるようにされている。この推進ジャッキ6においては、ピストンロッドの先端部がピン12を介して傾斜架台3bの頂部に連結されるとともに、ヘッド側支持部もしくはボトム側支持部における一対の枢軸11/11′が後述する推進ジャッキ受支部材19を介して押し板5に受け止められるようになっている。そして、この推進ジャッキ6の伸長作動により、その推進力がヘッド側支持部もしくはボトム側支持部における一対の枢軸11/11′から推進ジャッキ受支部材19を介して押し板5に伝達される。
【0021】
前記押し板5は、図2に示されるように、横方向に長い略矩形状の平板体からなる押し板本体5aと、この押し板本体5aの前面側の中央部に突設され、前記傾斜架台3b上に配された曲線管4の後端部に嵌合する略リング状部材よりなる嵌合部5bとを備えてなるものである。前記押し板本体5aにおいて、その両側部には、前記一対の推進ジャッキ6を通すために、推進ジャッキ6の本体部分が通過可能な丸孔部と推進ジャッキ6のヘッド側支持部もしくはボトム側支持部における一対の枢軸11/11′が通過可能な切欠き部とよりなる推進ジャッキ挿通孔13が穿設されている。また、この押し板本体5aにおいて、前記一対の推進ジャッキ挿通孔13の中間位置には、押し板5の背後から曲線管4の内部へのアプローチを可能とするための孔14が穿設されている。ここで、前記押し板本体5aには、前記ガイドレール8の上面、下面および外側面にそれぞれ接触して転動するローラ15,16,17が所要のブラケットを介して取り付けられている。こうして、押し板5が傾斜架台3bに沿って移動可能とされている。また、前記押し板本体5aの両外側面には上下方向に進退自在なロックピン18aを具備してなるロック機構18が付設されるとともに、前記傾斜架台3bには前記ロックピン18aが挿通可能な所要のロックピン挿通孔を有する傾斜補助架台3cが並設されており、ロックピン18aを下方に突出させてそのロックピン18aを傾斜補助架台3cにおけるロックピン挿通孔に係合させた際には押し板5が傾斜補助架台3cに掛け止められて傾斜架台3b上を移動できないように固定される一方、下方に突出させたロックピン18aを引っ込めて傾斜補助架台3cにおけるロックピン挿通孔との係合関係を解除した際には押し板5が傾斜架台3b上を移動可能な状態となるようにされている。
【0022】
前記押し板本体5aの後面側には、図3に示されるように、推進ジャッキ6を受け止めて支持する推進ジャッキ受支部材19が設けられている。この推進ジャッキ受支部材19は、前記推進ジャッキ挿通孔13における丸孔部と略同じ口径の丸孔部および同推進ジャッキ挿通孔13における切欠き部と略同じ形状の切欠き部がそれぞれ連続するように形成され、操作レバー20の回動操作にて回動されるリング状部材19aと、このリング状部材19aから突設され、推進ジャッキ6のヘッド側支持部もしくはボトム側支持部における枢軸11/11′に係合する半円状の切欠き部を有するシリンダサポート19bとよりなるものである。この推進ジャッキ受支部材19において、操作レバー20の図3中記号Dにて示される矢印方向の回動操作により、リング状部材19aにおける切欠き部の位置を推進ジャッキ挿通孔13における切欠き部の位置に一致させる状態位置と、リング状部材19aから突設されるシリンダサポート19bの位置を推進ジャッキ挿通孔13における切欠き部の位置に一致させる状態位置とが切り替えられるようになっている。ここで、推進ジャッキ挿通孔13の切欠き部の位置に対してリング状部材19aの切欠き部の位置が一致されたときには、推進ジャッキ6のボトム側支持部が推進ジャッキ挿通孔13を通して押し板5を通過可能な状態位置となる。以下、この状態位置を「ジャッキ通過可能状態位置」と称する。一方、推進ジャッキ挿通孔13の切欠き部の位置に対してリング状部材19aから突設されるシリンダサポート19bの位置が一致されたときには、推進ジャッキ6のヘッド側支持部もしくはボトム側支持部における枢軸11/11′がシリンダサポート19bに係合可能な状態となり、推進ジャッキ6の推進力が押し板5に伝達可能な状態位置となる。以下、この状態位置を「ジャッキ推進力伝達可能状態位置」と称する。なお、押し板5に対する推進ジャッキ6のヘッド側支持部とボトム側支持部との係合関係を変更するとき、並びに後述する押し板5の引戻し動作のとき以外は、前記シリンダサポート19bにそのシリンダサポート19bと対の関係を成すシリンダサポートキャップ21がボルトによって締着される(図4参照)。なお、図3中符号22にて示されるのは、推進ジャッキ6の本体部分を案内するローラ等よりなるガイド手段である。
【0023】
本実施形態においては、曲線管4の埋設作業時に、押し板5を図1中記号Aで示される最高位置から同図中記号Bで示される中間位置を経て同図中記号Cで示される最低位置にまで押し出す押出し動作と、押し板5を最低位置Cから中間位置Bを経て最高位置Aにまで引き戻す引戻し動作とが行われる。ここで、前記押出し動作は次のようにして行われる。まず、最高位置Aにおいて推進ジャッキ6のヘッド側支持部における枢軸11を押し板5に支持させた状態で推進ジャッキ6を1ストローク分伸長させて押し板5を中間位置Bにまで移動させる。この中間位置Bにおいて、ロック機構18を作動させて押し板5を傾斜補助架台3cに固定する。次いで、シリンダサポートキャップ21(図4参照)を取り外すとともに、操作レバー20の操作にて推進ジャッキ受支部材19(図3参照)をジャッキ通過可能状態位置とし、推進ジャッキ6を全縮状態となるまで収縮させる。このときボトム側支持部が推進ジャッキ挿通孔13(図2参照)を介して押し板5を通過される。次いで、操作レバー20の操作にて推進ジャッキ受支部材19(図3参照)をジャッキ推進力伝達可能状態位置とし、推進ジャッキ6のボトム側支持部の枢軸11′をシリンダサポート19b(図3参照)に係合させるとともにシリンダサポートキャップ21をシリンダサポート19bに締着してそのボトム側支持部を押し板5に支持させる。そして、ロック機構18のロックを解除して後に、推進ジャッキ6を1ストローク分伸長させて押し板5を最低位置Cにまで移動させる。一方、前記引戻し動作は次のようにして行われる。まず、最低位置Cにおいて、シリンダサポートキャップ21を取り外すとともに、推進ジャッキ6を押し板5に図示省略されるロック手段にて固定する。そして、推進ジャッキ6を全縮となるまで収縮させて押し板5を中間位置Bにまで移動させる。この中間位置Bにおいて、ロック機構18を作動させて押し板5を傾斜補助架台3cに固定する。次いで、操作レバー20の操作にて推進ジャッキ受支部材19をジャッキ通過可能状態位置にするとともに、前記ロック手段によるロックを解除して押し板5に対し推進ジャッキ6をフリーな状態とした後に、推進ジャッキ6を1ストローク分伸長させる。このときボトム側支持部が推進ジャッキ挿通孔13を介して押し板5を通過される。次いで、再度、推進ジャッキ6を押し板5に図示省略されるロック手段にて固定する。そして、ロック機構18のロックを解除して後に、推進ジャッキ6を全縮となるまで収縮させて押し板5を最高位置Aにまで移動させる。
【0024】
前記嵌合部5bには、図2、図4および図5に示されるように、当該嵌合部5bに嵌め込まれた曲線管4と押し板5とを連結する連結手段23が対向配置で付設されている。この連結手段23は、図5に示されるように、嵌合部5bに嵌め込まれた曲線管4を挟み込むように嵌合部5bに固着される一対の板状部材よりなるブラケット24と、このブラケット24に穿設された孔および嵌合部5bに嵌め込まれた曲線管4に予め穿設されている孔にそれぞれ挿通されそのブラケット24と曲線管4とを連結する連結ピン25とを備えて構成されている。この連結手段23は、嵌合部5bに嵌め込まれた曲線管4の落下を防止する役目や、曲線管4を押し板5にて引き戻す際の連結器としての役目、掘進時のローリングを規制する役目などがある。
【0025】
本実施形態の推進装置1は、更に、図1に示されるように、曲線管4の後端部の中心と押し板5の嵌合部5bの中心とを合わせるセンタリング機構30と、曲線管4の周方向位置を調整する管周方向位置調整機構31と、曲線管4を仮受けするとともに曲線管4の縦方向位置を調整する管縦方向位置調整機構32とを備えている。
【0026】
前記センタリング機構30は、図2および図4に示されるように、曲線管4の径方向の位置を調整する管径方向位置調整機構33が4個組み合わされて構成されている。これら4個の管径方向位置調整機構33は、嵌合部5bの中心(図2中記号Oで示される点)に対して点対称でかつ嵌合部5bの中心線(図2中記号Sで示される一点鎖線)に対して線対称の関係となるように、嵌合部5bの周囲に適宜間隔を存して配置されている。なお、管径方向位置調整機構33の設置数としては、3個以上であればよい。
【0027】
前記管径方向位置調整機構33は、図6に示されるように、押し板本体5aおよび嵌合部5bに跨って固設されるブラケット34に中央部がピン35によって支持されて嵌合部5bの径方向に揺動可能な略ブーメラン形状のアーム36と、このアーム36の一端部に回転可能に取着され、曲線管4の嵌合部5bへの抜き差し方向に転動するローラ37と、前記アーム36の他端部にピン38を介して連結されるロッド39と、押し板本体5aから突設され、前記ロッド39が掛け止められるブラケット40と、前記ロッド39のねじ部に螺合するナット41と、このナット41と前記ブラケット40との間に介挿される球面座金42とを備え、ナット41の締め付けによってアーム36が図6中記号Eで示される矢印方向に回動されてローラ37が嵌合部5bの中心Oに向けて押し込まれるように構成されている。
【0028】
今、例えば、曲線管4の後端部に押し板5の嵌合部5bを嵌め込もうとした際に、嵌合部5bの中心Oと曲線管4の中心Oとが図7(a)に示されるように径方向に距離dだけ離れていた場合において、管径方向位置調整機構33による管径方向位置調整動作は次のようにして行われる。まず、ローラ37が曲線管4の後端部の外周面に接触される同図(b)に示されるような状態となるまでナット41を締め付けていき、更にナット41を締め付けることによってローラ37を嵌合部5bの中心に向けて押し込むことにより、曲線管4の中心Oを嵌合部5bの中心Oへと近づけていく。そして、同図(c)に示されるように曲線管4の中心Oが嵌合部5bの中心Oと一致したらナット41の締め付けを止める。
【0029】
本実施形態においては、嵌合部5bの周囲に配置された4個の管径方向位置調整機構33の協働によって、曲線管4の後端部の中心Oが押し板5の嵌合部5bの中心Oに一致される。この中心合わせの完了後においては、速やかに押し板5を前進させて嵌合部5bを曲線管4の後端部に嵌め合わせる。本実施形態では、管径方向位置調整機構33の曲線管4への押し当て部材としてローラ37が採用されているので、曲線管4の後端部と押し板5の嵌合部5bとの中心合わせの状態を維持したまま押し板5をスムーズに前進させることができる。
【0030】
次に、曲線管4の周方向位置を調整する管周方向位置調整機構31について説明する。この管周方向位置調整機構31は、図2および図4に示されるように、前記管径方向位置調整機構33と干渉しないように嵌合部5bの周囲に対向配置されて曲線管4に対し接線方向の押し力を付与する一対の管接線方向押力発生機構43を備えて構成されている。この管周方向位置調整機構31においては、前記一対の管接線方向押力発生機構43によって曲線管4に偶力を作用させることにより、その曲線管4の周方向位置を調整するようにされている。前記管接線方向押力発生機構43は、図8に示されるように、嵌合部5bの外周面に固着され、曲線管4の後端部の外周面に予め突設された突起部4aを受け入れる切欠き部を有してなる略Uの字形状のブラケット44と、前記突起部4aを挟むように対向配置で前記ブラケット44に螺合される第1の押しボルト45および第2の押しボルト46とを備え、ブラケット44に反力をとった第1の押しボルト45もしくは第2の押しボルト46の締め付けによって曲線管4に対し接線方向の押し力を双方向に作用させることができるようになっている。
【0031】
今、例えば、先行曲線管4′の周方向の基準位置を示すけがき線(このけがき線は予め先行曲線管4′に付されている。後行曲線管4についても同様。)が図9中記号Fで示される位置にあるのに対して、後行曲線管4の周方向の基準位置を示すけがき線が同図中記号Gで示される位置にある場合において、管周方向位置調整機構31による管周方向位置調整動作は次のようにして行われる。まず、一対の管接線方向押力発生機構43における第1の押しボルト45を締め付けることにより、図9中一点鎖線矢印で示される偶力を後行曲線管4に作用させ、後行曲線管4に付されたけがき線を先行曲線管4′に付されたけがき線へと近づけていく。そして、後行曲線管4のけがき線が先行曲線管4′のけがき線と一致したら第1の押しボルト45の締め付けを止める。また、例えば、先行曲線管4′に付されたけがき線が先の例と同じ位置(F)にあるのに対して、後行曲線管4に付されたけがき線が図9中記号Hで示される位置にある場合において、管周方向位置調整機構31による管周方向位置調整動作は次のようにして行われる。まず、一対の管接線方向押力発生機構43における第2の押しボルト46を締め付けることにより、図9中破線矢印で示される偶力を後行曲線管4に作用させ、後行曲線管4に付されたけがき線を先行曲線管4′に付されたけがき線へと近づけていく。そして、後行曲線管4のけがき線が先行曲線管4′のけがき線と一致したら第2の押しボルト46の締め付けを止める。
【0032】
次に、曲線管4を仮受けするとともに曲線管4の縦方向位置を調整する管縦方向位置調整機構32について説明する。この管縦方向位置調整機構32は、傾斜架台3bの略中央部に取着されており(図1参照)、図1におけるX−X矢視図が示された図10に表わされるように、曲線管4の下側面に接触してその曲線管4の軸線方向の動きに合わせて転動するローラ47と、このローラ47を支持するローラ支持部材48と、このローラ支持部材48に連結されそのローラ支持部材48を曲線管4の縦方向に進退自在に案内する一対のリニアガイド49と、この一対のリニアガイド49の間に配されて前記ローラ支持部材48に推進力を付与するジャッキ50とを備え、曲線管4の軸線方向の動きをローラ47によって案内しつつその曲線管4を下側から支持するとともに、ジャッキ50の伸縮操作によって曲線管4の縦方向の位置を調整するように構成されている。なお、この管縦方向位置調整機構32においては、ジャッキ50を全縮させることにより、押し板5が傾斜架台3bに沿って移動して当該管縦方向位置調整機構32上を通過する際の押し板5との干渉を避けることができるようにされている。
【0033】
以上に述べたように構成される推進装置による曲線管の1サイクルの埋設作業について、主に図11乃至図13を用い、また図2、図3、図5、図7および図9を適宜参照して以下に説明することとする。
【0034】
本実施形態において、推進装置1による曲線管の1サイクルの埋設作業は、推進ジャッキ6のヘッド側支持部を押し板5に支持させてその推進ジャッキ6を全縮とすることにより押し板5を最高位置に位置させ、かつその最高位置において押し板5をロック機構18により固定した状態を初期状態として開始される。この初期状態において、これから押し込もうとする曲線管(後行曲線管)4を、図11(a)に示されるように、クレーン51を用いて押し板5と先に押し込まれた曲線管(先行曲線管)4′との間の傾斜架台3b上に推進方向に沿うように斜めに傾けた状態で持ち込む。この傾斜架台3b上に持ち込まれた後行曲線管4を、図11(b)に示されるように、クレーン51によって推進方向とは逆方向に引き上げることによりその後行曲線管4を押し板5の嵌合部5bに嵌め込み、その後、連結手段23により押し板5と後行曲線管4とを連結する。この連結作業の完了後、後行曲線管4内に予め組み込まれた排土装置等の付帯機器(図示省略)を先行曲線管4′内の付帯機器(図示省略)と接続する。次いで、図11(c)に示されるように、管縦方向位置調整機構32におけるジャッキ50の伸長操作にてローラ47を後行曲線管4の下側面に接触させてその後行曲線管4を仮受けするとともに、ロック機構18のロックを解除し、その後、後行曲線管4の先端を先行曲線管4′の後端へと近づけるように、後行曲線管4の吊り位置をクレーン操作により調整する動作と推進ジャッキ6の伸長動作とを並行して行う。こうして、後行曲線管4の先端を先行曲線管4′の後端へと近づけていき、後行曲線管4の先端を先行曲線管4′の後端に突き合わせた際に、先行曲線管4′に対して後行曲線管4の周方向の位置が微妙にずれていたり、先行曲線管4′に対して後行曲線管4の縦方向の位置が微妙にずれていたりする場合がある。先行曲線管4′に対して後行曲線管4の周方向位置がずれていた場合には、この周方向位置のずれをなくすように後行曲線管4の周方向位置を管周方向位置調整機構31を用いて調整する。すなわち、図9に示されるように、第1の押しボルト45もしくは第2の押しボルト46を締め付けることにより、後行曲線管4に図中一点鎖線矢印で示される偶力もしくは図中破線矢印で示される偶力を作用させ、後行曲線管4のけがき線を先行曲線管4′のけがき線に一致させる。一方、先行曲線管4′に対して後行曲線管4の縦方向位置がずれていた場合には、この縦方向位置のずれをなくすように後行曲線管4の縦方向位置を管縦方向位置調整機構32を用いて調整する。すなわち、管縦方向位置調整機構32におけるジャッキ50の伸縮操作により、後行曲線管4の縦方向位置を先行曲線管4′の縦方向位置に合わせるように調整する。こうして、先行曲線管4′に対する後行曲線管4の位置調整作業が完了したら、先行曲線管4′と後行曲線管4とを溶接にて接合する。
【0035】
ところで、前述の先行曲線管4′に対する後行曲線管4の位置調整作業の際に、位置調整代が足らない場合がある。このような場合には、後行曲線管4がクレーン51にて確実に吊られていることを確認して後に、連結手段23による押し板5と後行曲線管4との連結を解除し、その後、管縦方向位置調整機構32により後行曲線管4を仮受けしながら推進ジャッキ6を収縮させて押し板5を後行曲線管4から引き離す。そして、主にクレーン操作により、先行曲線管4′に対する後行曲線管4の位置調整を行い、この位置調整作業が完了したら、先行曲線管4′と後行曲線管4とを溶接にて接合する。
【0036】
ところが、この溶接の際の溶接歪等の影響によって今度は押し板5の嵌合部中心と後行曲線管4の後端部中心とがずれてしまって後行曲線管4の後端部に押し板5の嵌合部5bを嵌め合わせることが極めて困難になる場合がある。このような場合には、センタリング機構30を構成する4個の管径方向位置調整機構33(図2参照)の協働により、後行曲線管4の後端部の中心を押し板5の嵌合部5bの中心に一致させる。すなわち、押し板5の嵌合部中心に対する後行曲線管4の後端部中心のずれを補正するには、後行曲線管4の後端部をある特定の径方向に移動させる必要がある。センタリング機構30を構成する4個の管径方向位置調整機構33のうち、後行曲線管4の後端部を前記特定の径方向に移動させるのに貢献し得るものを1個または2個以上適宜選択し、この選択された管径方向位置調整機構33におけるナット41の締め付け具合を調整することにより(図7(a)〜(c)参照)、後行曲線管4の後端部中心Oを押し板5の嵌合部中心Oに一致させる。この中心合わせの作業の完了後においては、速やかに押し板5を前進させて嵌合部5bを後行曲線管4の後端部に嵌め合わせるとともに、連結手段23により押し板5と後行曲線管4とを連結する。なお、連結手段23により押し板5と後行曲線管4とを連結する際には、図5に示されるように、連結ピン25を、ブラケット24に穿設された孔および嵌合部5bに嵌め込まれた後行曲線管4に予め穿設されている孔にそれぞれ挿通する必要があるが、ブラケット24側の孔の位置に対し、後行曲線管4側の孔の位置が若干ずれてしまって連結ピン25を挿入し難い場合がある。このような場合には、第1の押しボルト45もしくは第2の押しボルト46の操作にて後行曲線管4に図9中一点鎖線矢印で示される偶力もしくは同図中破線矢印で示される偶力を作用させることにより、後行曲線管4側の孔の位置をブラケット24側の孔の位置に合わせるように調整して、連結ピン25を挿入し易い状態にするのがよい。
【0037】
次いで、先行曲線管4′と後行曲線管4とが溶接にて接合されるとともに、後行曲線管4に押し板5の嵌合部5bが嵌め込まれた状態とされた後において、まず、後行曲線管4に取り付けられているワイヤーロープ等の吊り用具を取り外し、押し板5の通過時の干渉を避けるために管縦方向位置調整機構32におけるジャッキ50を全縮となるまで収縮させる。その後、図12(a)に示されるように、推進ジャッキ6を1ストローク分伸長させて押し板5を中間位置にまで移動させる。次いで、この中間位置において、ロック機構18を作動させて押し板5を傾斜補助架台3cに固定する。その後、シリンダサポートキャップ21を取り外すとともに、操作レバー20の操作にて推進ジャッキ受支部材19(図3参照)をジャッキ通過可能状態位置としてから、推進ジャッキ6を全縮状態となるまで収縮させる。このときボトム側支持部が推進ジャッキ挿通孔13(図2参照)を介して押し板5を通過される。次いで、操作レバー20の操作にて推進ジャッキ受支部材19(図3参照)をジャッキ推進力伝達可能状態位置とし、推進ジャッキ6のボトム側支持部の枢軸11′をシリンダサポート19bに係合させるとともにシリンダサポートキャップ21をシリンダサポート19bに締着して、図12(b)に示されるように、推進ジャッキ6のボトム側支持部を押し板5に支持させる。そして、ロック機構18のロックを解除して後に、図12(c)に示されるように、推進ジャッキ6を1ストローク分伸長させて押し板5を最低位置にまで移動させる。こうして、推進ジャッキ6からの推進力を受けた押し板5にて後行曲線管4を押し込むことにより、後行曲線管4および先行曲線管4′を地中に向けて押し込む。
【0038】
この曲線管の押し込み動作が完了した後において、連結手段23による押し板5と後行曲線管4との連結を解除するとともに、シリンダサポートキャップ21を取り外し、また推進ジャッキ6を押し板5に図示省略されるロック手段にて固定する。なお、ここで、連結手段23による押し板5と後行曲線管4との連結を解除する際には、図5に示される連結ピン25を、抜き取る必要があるが、ブラケット24側の孔の位置に対し、後行曲線管4側の孔の位置が若干ずれてしまって連結ピン25を抜き取り難い場合がある。このような場合には、第1の押しボルト45もしくは第2の押しボルト46の操作にて後行曲線管4に図9中一点鎖線矢印で示される偶力もしくは同図中破線矢印で示される偶力を作用させることにより、後行曲線管4側の孔の位置をブラケット24側の孔の位置に合わせるように調整して、連結ピン25を抜き取り易い状態にするのがよい。
【0039】
次いで、図13(a)に示されるように、推進ジャッキ6を全縮となるまで収縮させて押し板5を中間位置にまで移動させるとともに、この中間位置において、ロック機構18を作動させて押し板5を傾斜補助架台3cに固定する。次いで、操作レバー20の操作にて推進ジャッキ受支部材19(図3参照)をジャッキ通過可能状態位置にするとともに、前記ロック手段によるロックを解除して押し板5に対し推進ジャッキ6をフリーな状態とした後に、図13(b)に示されるように、推進ジャッキ6を1ストローク分伸長させる。このとき推進ジャッキ6におけるボトム側支持部が推進ジャッキ挿通孔13(図2参照)を介して押し板5を通過される。次いで、再度、推進ジャッキ6を押し板5に図示省略されるロック手段にて固定する。そして、ロック機構18のロックを解除して後に、図13(c)に示されるように、推進ジャッキ6を全縮となるまで収縮させて押し板5を最高位置にまで移動させる。この最高位置にてロック機構18を作動させて押し板5を傾斜補助架台3cに固定することで、初期状態に戻る。
【0040】
以上に述べた曲線管の1サイクルの埋設作業を繰り返すことにより、地中に円弧状のパイプ構造物が構築される。
【0041】
本実施形態の推進装置1によれば、曲線管4の周方向位置を調整する管周方向位置調整機構31と、曲線管4の縦方向位置を調整する管縦方向位置調整機構32と、曲線管4の後端部の中心と押し板5の嵌合部5bの中心とを合わせるセンタリング機構30とが設けられるので、先に押し込まれた曲線管4′に対してこれから押し込もうとする曲線管4の周方向位置がずれていたとしても、また先に押し込まれた曲線管4′に対してこれから押し込もうとする曲線管4の縦方向位置がずれていたとしても、更に押し板5の嵌合部5bの中心に対してこれから押し込もうとする曲線管4の後端部の中心位置がずれていたとしても、前記周方向位置のずれは管周方向位置調整機構31によって、また前記縦方向位置のずれは管縦方向位置調整機構32によって、更に前記中心位置のずれはセンタリング機構30によってそれぞれ容易になくすことができる。したがって、これから押し込もうとする曲線管4の当該推進装置1へのセット作業を効率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施形態に係る推進装置の側面図
【図2】押し板の正面図
【図3】押し板の背面図
【図4】図2のY矢視図
【図5】図2のZ−Z矢視図
【図6】図2のQ矢視図
【図7】管径方向位置調整動作の説明図
【図8】図2のN矢視図
【図9】管周方向位置調整動作の説明図
【図10】図1のX−X矢視図
【図11】曲線管の埋設作業の説明図(1)
【図12】曲線管の埋設作業の説明図(2)
【図13】曲線管の埋設作業の説明図(3)
【図14】従来の推進装置の側面図
【符号の説明】
【0043】
1 推進装置
3 架台
3b 傾斜架台(傾斜部)
4,4′ 曲線管
5 押し板
5b 嵌合部
6 推進ジャッキ
30 センタリング機構
31 管周方向位置調整機構
32 管縦方向位置調整機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾斜部を有する架台と、この架台の傾斜部に沿って移動可能に設けられその傾斜部上に配された曲線管の後端部に嵌合する嵌合部を有する押し板と、この押し板に推進力を付与する推進ジャッキとを備える推進装置において、
前記曲線管の周方向位置を調整する管周方向位置調整機構を設けることを特徴とする推進装置。
【請求項2】
傾斜部を有する架台と、この架台の傾斜部に沿って移動可能に設けられその傾斜部上に配された曲線管の後端部に嵌合する嵌合部を有する押し板と、この押し板に推進力を付与する推進ジャッキとを備える推進装置において、
前記曲線管の縦方向位置を調整する管縦方向位置調整機構を設けることを特徴とする推進装置。
【請求項3】
傾斜部を有する架台と、この架台の傾斜部に沿って移動可能に設けられその傾斜部上に配された曲線管の後端部に嵌合する嵌合部を有する押し板と、この押し板に推進力を付与する推進ジャッキとを備える推進装置において、
前記曲線管の後端部の中心と前記押し板の嵌合部の中心とを合わせるセンタリング機構を設けることを特徴とする推進装置。
【請求項4】
傾斜部を有する架台と、この架台の傾斜部に沿って移動可能に設けられその傾斜部上に配された曲線管の後端部に嵌合する嵌合部を有する押し板と、この押し板に推進力を付与する推進ジャッキとを備える推進装置において、
前記曲線管の周方向位置を調整する管周方向位置調整機構と、前記曲線管の縦方向位置を調整する管縦方向位置調整機構と、前記曲線管の後端部の中心と前記押し板の嵌合部の中心とを合わせるセンタリング機構とを設けることを特徴とする推進装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−77607(P2007−77607A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−263985(P2005−263985)
【出願日】平成17年9月12日(2005.9.12)
【出願人】(000001373)鹿島建設株式会社 (1,387)
【出願人】(000216025)鉄建建設株式会社 (109)
【出願人】(000206211)大成建設株式会社 (1,602)
【出願人】(599130874)コマツ地下建機株式会社 (8)
【Fターム(参考)】