説明

換気装置

【課題】装置本体が振動したとしても騒音が発生することがなく、しかも製造費が安価な換気装置を提供する。
【解決手段】ガイド部材5には、押圧片部53を設ける。この押圧片部53は、作動板3が開位置に位置しているときに、作動板3を弾性的に上方へ押し上げ、作動板3の軸部31の上部を支持孔21cの内周面の上部に押し付ける。これにより、作動板3を装置本体2に相対移動不能に固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、作動板を開閉回動させることにより、換気孔を開閉する方式の換気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、サッシ戸等に装着される換気装置は、サッシ戸等に取り付けられる装置本体と、この装置本体にそれぞれ設けられた作動板(作動部材)及びガイド部材とを有している。装置本体には、多数の換気孔が左右方向に並んで設けられている。作動板は、換気孔を開閉するためのものであり、全ての換気孔と対向するように配置されている。しかも、作動板は、その上端部を中心として装置本体に回動可能に、かつ左右方向へ摺動可能に設けられている。作動板は、換気孔を閉じた閉位置と換気孔を開いた開位置との間を回動可能である。ガイド部材は、カム部を有している。このカム部は、作動板が左右いずれか一方向へ移動するときには、作動板を閉位置から開位置まで回動させる。これにより、換気孔が開かれ、室内の換気が換気装置を介して行われる。逆に、作動板が他方向へ移動するときには、作動板を開位置から閉位置まで回動させる。これにより、換気孔が閉じられ、換気が行われなくなる。
【0003】
作動板は、通常、次のようにして装置本体に回動可能に設けられている。すなわち、装置本体には、支持孔が形成されている。この支持孔は、換気孔に隣接してその上側に配置されており、換気孔が並ぶ方向、つまり左右方向に延びている。一方、作動板の上端部には、軸部が形成されている。この軸部が支持孔にその長手方向へ摺動可能に、かつ回転可能に挿入されている。これにより、作動板が装置本体に左右方向へ移動可能に、かつ軸部を中心として回動可能に設けられている。
【0004】
上記構成の換気装置においては、軸部が支持孔内を摺動し、かつ回転することができるよう、支持孔の内径が軸部の外径より僅かに大径になっている。したがって、軸部は支持孔との直径差の分だけ径方向へ移動可能であり、その分だけ作動板が装置本体に対して移動可能である。ここで、作動板が閉位置に位置しているときには、作動板が装置本体にパッキン等の弾性を有する部材を介して押し付けられている。したがって、作動板は、閉位置に位置しているときには装置本体に対して移動することがない。ところが、作動板が開位置に位置しているときには、作動板が装置本体に拘束されておらず、自由に移動可能である。このため、装置本体が振動すると、作動板が装置本体に対し上記直径差の分だけ相対移動して装置本体に突き当たることがあり、それによって騒音が発生するという問題があった。
【0005】
そこで、下記特許文献1に記載の換気装置においては、作動板の下端部に弾性材からなるクッション材が設けられている。このクッション材は、作動板が開位置に回動すると、装置本体と作動板との間に介在する。つまり、作動板が装置本体にクッション材を介して押圧接触する。これにより、開位置に位置している作動板の移動が阻止され、騒音の発生が防止されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−234673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、作動板にクッション材が設けられた従来の換気装置においては、クッション材の分だけ部品点数が増えるとともに、作動板にクッション材を取り付けるための手間を要する。このため、換気装置の製造費が嵩むという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、上記の問題を解決するために、多数の換気孔が並んで形成された壁部を有する装置本体と、上記多数の換気孔と対向するように配置された作動部材と、上記装置本体に設けられたガイド部材とを備え、上記壁部の上記換気孔の近傍部分には、上記換気孔の並び方向に沿って延びる支持部が設けられ、この支持部に上記作動部材の一端部が回転可能に支持されることにより、上記作動部材が、上記壁部に突き当たって上記換気孔を閉じた閉位置と、上記壁部から離間して上記換気孔を開いた開位置との間を回動可能とされ、上記作動部材と上記ガイド部材との一方が上記装置本体に上記換気孔の並び方向へ移動可能に設けられることにより、上記作動部材と上記ガイド部材とが上記換気孔の並び方向へ相対移動可能とされ、上記ガイド部材にはカム部が設けられ、このカム部が、上記作動部材と上記ガイド部材との一方向への相対移動に伴って上記作動部材を上記閉位置から上記開位置まで回動させ、上記作動部材と上記ガイド部材との他方向への相対移動に伴って上記作動部材を上記開位置から上記閉位置まで回動させる換気装置において、上記ガイド部材には、上記開位置に位置している上記作動部材をその他端側から一端側へ付勢して上記作動部材の一端部を上記装置本体に押し付ける押圧部が一体に設けられていることを特徴としている。
この場合、上記支持部が上記並び方向に延びる支持孔として形成され、上記作動部材の一端部に軸部が形成され、この軸部が上記支持孔に回転可能に挿入されることにより、上記作動部材が上記軸部を中心として上記閉位置と上記開位置との間を回動可能とされ、上記作動部材が上記開位置に位置しているときには、上記押圧部の付勢力により上記軸部の外周面のうちの他端側に位置する部分が上記支持孔の内周面に押圧接触させられることが望ましい。
上記押圧部が上記ガイド部材に片持ち状に設けられ、それによって上記押圧部の先端部が弾性的に変位可能とされ、上記押圧部の基端部側には、上記作動部材の上記一方向への移動に伴って上記作動部材をその他端部側から一端部側へ移動するように押圧する傾斜部が設けられ、上記押圧部の上記傾斜部に続く先端部には、上記作動部材の一端部を上記装置本体に押し付けた状態に維持する当接部が設けられていることが望ましい。
【発明の効果】
【0009】
上記特徴構成を有するこの発明によれば、作動部材が開位置に位置しているときには、押圧部が作動部材をその他端側から一端側へ付勢することにより、作動部材を装置本体に押し付ける。この結果、作動部材は、装置本体と押圧部とによって挟持固定される。したがって、装置本体が振動したとしても、作動部材が装置本体に対して相対移動することがない。よって、作動部材が装置本体に衝突して騒音が発生するような事態を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、この発明に係る換気装置の一実施の形態を室内側から見た正面図である。
【図2】図2は、同実施の形態の背面図である。
【図3】図3は、同実施の形態の側面図である。
【図4】図4は、図1のX−X線に沿う拡大断面図である。
【図5】図5は、同実施の形態において用いられている作動板を示す図であって、図5(A)はその正面図、図5(B)はその側面図である。
【図6】図6は、同実施の形態において用いられているガイド部材を示す図であって、図6(A)は、その正面図、図6(B)はその平面図、図6(C)はその側面図である。
【図7】図7は、同ガイド部材を示す斜視図である。
【図8】図8は、同実施の形態の要部を、作動板を閉位置に位置させた状態で示す拡大断面図である。
【図9】図9は、図8のX−X線に沿う断面図である。
【図10】図10は、同作動板を閉位置と開位置との間の中間に位置させた状態で示す図8と同様の断面図である。
【図11】図11は、図10のX−X線に沿う断面図である。
【図12】図12は、同作動板を開位置に位置させた状態で示す図8と同様の断面図である。
【図13】図13は、図12のX−X線に沿う断面図である。
【図14】図14は、図13のY矢視図である。
【図15】図15は、この発明の第2実施の形態を示す図8と同様の断面図である。
【図16】図16は、同実施の形態を示す図12と同様の断面図である。
【図17】図17は、この発明の第3実施の形態を示す図8と同様の断面図である。
【図18】図18は、同実施の形態を示す図12と同様の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。
添付の図1〜図14は、この発明の第1実施の形態を示す。図1〜図4に示すように、この実施の形態の換気装置1は、装置本体2、作動部材3、操作部材4及びガイド部材5を主な構成要素としている。
【0012】
装置本体2は、室内I側に配置された第1型材21、室外O側に配置された第2型材22及び両型材21,22の両側部に配置された一対の蓋部23,23を有している。
【0013】
第1型材21は、アルミニウム等の金属、硬質の樹脂等からなるものであり、断面「コ」字状に形成されている。そして、第1型材21は、その長手方向を左右方向に向け、かつ開放された一側部を室外O側に位置させた状態で配置されている。
【0014】
第2型材22は、アルミニウムその他の金属、硬質の樹脂等からなるものであり、略平板状に形成されている。第2型材22の上下の両端部は、第1型材21の開放された一側部(室外O側の側部)の上下の両端部に左右方向へ移動可能に、かつ室内外方向へ移動不能に係合させられている。第2型材22の左右方向の長さは、第1型材21の左右方向の長さと同一に設定されており、第2型材22の左右の両端面は、第1型材21の左右の両端面と左右方向において同一位置に位置させられている。したがって、第1型材21の開放部は、第2型材22によって閉じられており、第1型材21と第2型材22とによって断面略長方形の筒状体が構成されている。
【0015】
蓋部23は、硬質の樹脂又はアルミニウム等の金属によって形成されている。一対の蓋部23,23は、第1型材21の両端部にビス24,24によってそれぞれ固定されている。しかも、各蓋部23,23は、第2型材22の長手方向の端面に突き当たっている。これにより、第1型材21、第2型材22及び一対の蓋部23,23が一体化されている。しかも、各蓋部23,23は、第1及び第2型材21,22によって形成される筒状体の両端部を閉じている。この結果、装置本体2の内部に断面長方形の密閉空間Sが形成されている。
【0016】
図1及び図4に示すように、第1型材21の室内Iに面する壁部21aには、当該壁部21aを室内外方向に貫通する多数の換気孔21bが形成されている。各換気孔21bは、上下方向に延びており、左右方向に並んで配置されている。一方、第2型材22には、図2及び図4に示すように、多数の換気孔22aが形成されている。各換気孔22aは、上下方向に延びており、左右方向に並んで配置されている。換気孔21b、装置本体2の内部の密閉空間S及び換気孔22aにより、室内Iと室外Oとを連通する連通路25が構成されている。後述するように、作動板(作動部材)3が開位置に位置すると、室内外の換気が連通路25を介して行われ、作動板3が閉位置に位置すると、室内外の換気が中断する。
【0017】
図4に示すように、装置本体2の内部には、作動板3が設けられている。作動板3は、アルミニウム等の金属又は硬質の樹脂からなるものであり、略長方形の平板状に形成されている。作動板3は、その長手方向を装置本体2の長手方向と同一方向、つまり左右方向に向けており、全換気孔21bと対向するように配置されている。しかも、作動板3は、図4に示す閉位置に位置したときには全ての換気孔21bを覆うように、その大きさが設定されている。
【0018】
作動板3の上端部は、第1型材21の壁部21aに左右方向(換気孔21bが並ぶ方向)へ摺動可能に、かつ回転可能に支持されている。すなわち、壁部21aの室外O側を向く面には、支持孔(支持部)21cが形成されている。支持孔21cは、換気孔21bの近傍でその上側に配置されており、換気孔21bの並び方向、つまり左右方向に延びている。支持孔21cは、下側の略半分が断面円弧状に形成され、上側の略半分が断面四角形状に形成されている。円弧状をなす部分のうちの下側に位置する一側部には、開放部21dが支持孔21cの全長にわたって形成されている。したがって、支持孔21cの下側の部分は、開放部21dを介して下方に開放されている。断面四角形の部分は、円弧状の部分を構成する円に外接するような大きさか、それより若干大きい寸法を有している。
【0019】
図4、図8、図10及び図12に示すように、作動板3の上端部(一端部)は、開放部21dを通って支持孔21c内に挿入されている。支持孔21c内に挿入された作動板3の上端部には、左右方向に延びる軸部31が形成されている。軸部31は、その中央部を長手方向に貫通する貫通孔31aが形成されることによって筒状をなしている。しかし、貫通孔31aは、必ずしも形成する必要がなく、軸部31を中実に形成してもよい。軸部31の上部には、その外面から貫通孔31aの内面に至る切欠き部31bが形成されている。この切欠き部31bは、必ずしも形成する必要がない。
【0020】
軸部31は、断面円形をなしており、その外径は支持孔21cの円弧状をなす部分の内径とほぼ同一か僅かに小径に設定されている。これにより、軸部31が支持孔21cに軸部31の軸線を中心として回転可能に、かつ軸部31の長手方向(左右方向)へ摺動可能に支持されている。この結果、作動板3が装置本体2に対し軸部31を中心として回動可能に、かつ左右方向へ移動可能になっている。
【0021】
なお、軸部31は、支持孔21cにその左右いずれかの開口部から挿入することができる。また、支持孔21cを有する装置本体2と軸部31を有する作動板3との連結構造を、二つの板材を有する周知の蝶番と同様の連結構造にするのであれば、支持孔21cに開放部21dを形成する必要がない。
【0022】
作動板3は、図8に示す閉位置と図12に示す開位置との間を回動可能である。作動板3は、閉位置に位置すると、図8に示すように、壁部21aの室外O側を向く面にシール部材32を介して押圧接触する。シール部材32は、ポリ塩化ビニル等の樹脂その他の弾性を有する材質からなるものであり、図1に示すように、左右に長い略「凹」字に形成されている。そして、全ての換気孔21bの下側及び左右両端側を囲むように配置されている。シール部材32は、換気孔21bの上側を囲っていないが、支持孔21cに軸部31が入り込むことにより、全換気孔21bの上側の部分のほぼ全体が、壁部21a及び作動板3によって囲まれている。この結果、密閉空間Sに臨む全換気孔21bの周囲がほぼ全周にわたって囲まれている。したがって、作動板3が閉位置に位置すると、連通路25が作動板3によって遮断され、換気装置1による室内Iと室外Oとの間の換気が中断する。
【0023】
作動板3は、開位置に位置すると、図12に示すように、壁部21aから室外O側に離間する。勿論、シール部材32も壁部21aから離間する。この結果、換気孔21bが開かれ、室内Iと室外Oとが連通路25を介して連通する。よって、作動板3が開位置に位置すると、室内Iと室外Oとの間の換気が連通路25を介して行われる。
【0024】
図1に示すように、壁部21aには、これを室内外方向に貫通する操作孔21eが形成されている。この操作孔21eは、作動板3の左右方向のいずれか一方の端部(この実施の形態では、図1の右端部)と対向するように配置されている。操作孔21eには、操作部材4が左右方向へ移動可能に設けられている。操作部材4は、左右方向へ互いに離れた第1の位置と第2の位置との間を移動可能である。この実施の形態では、第2の位置が第1の位置に対して右側に配置されているが、その配置関係は逆にしてもよい。操作部材4が第1の位置に位置すると、操作部材4に設けられた「閉」という文字が操作孔21eを介して室内Iに露出するとともに、操作部材4に設けられた「開」という文字が壁部21aによって室内I側から見えないように隠される。操作部材4が第2の位置に位置すると、「閉」という文字が壁部21aによって隠される一方、「開」という文字が操作孔21eを介して室内Iに露出する。なお、操作部材4を左右方向へ移動させる際には、操作部材4を室外O側へ押して移動させるのであるが、そのための構造は周知であり、この発明との関連性もない。そこで、当該構造の説明は省略する。
【0025】
図5に示すように、作動板3の操作孔21eと対向する一端部(右端部)には、貫通孔33が形成されている。この貫通孔33には、操作部材4が左右方向へ移動不能に挿入されている。したがって、作動板3は操作部材4と一体に左右方向へ移動する。そこで、操作部材4が第1の位置に位置しているときの作動板3の位置も第1の位置と称し、操作部材4が第2の位置に位置しているときの作動板3の位置も第2の位置と称する。操作部材4は、作動板3がその軸部31を中心として開閉回動することを許容するように、貫通孔33に挿入されている。
【0026】
作動板3の左右方向への移動に伴って作動板3を開閉回動させるために、ガイド部材5が用いられている。ガイド部材5は、樹脂を成形してなるものであり、図8〜図14に示すように、基部5aを有している。この基部5aの室内I側の端部は、壁部21aの室外O側を向く面の下端部に固定状態で取り付けられている。ガイド部材5は、この実施の形態では、左右方向へ互いに離間して二つ設けられているが、一つだけ設けてもよく、三つ以上設けてもよい。図6、図7、図9、図11及び図13に示すように、
【0027】
ガイド部材5の基部5aの上面には、第1カム部(カム部)51及び第2カム部(カム部)52が設けられている。第1カム部51及び第2カム部52は、左右方向へ互いに離間して配置されており、第1カム部51が第2カム部52に対して左側に配置されている。第1及び第2カム部51,52は、左右方向に隣接する部分どうしを互いに連続するように形成してもよい。また、第1及び第2カム部51,52を左右逆の位置に配置してもよい。ただし、そのように配置する場合には、作動板3の第1の位置及び第2の位置の位置関係も左右逆になる。
【0028】
第1カム部51は、作動板3が第1の位置から第2の位置へ向かって右方(図9において上方)へ移動するときに、作動板3を閉位置から開位置まで回動させるためのものであり、第1カム面51aを有している。第1カム面51aは、平坦な傾斜面からなるものであり、第1の位置側(図9において下側)から第2の位置側(図9において上側)へ向かうにしたがって室内I側から室外O側へ向かうように傾斜させられている。第1カム面51aは、平面以外の面、例えばなだらかな凹曲面又は凸曲面によって形成してもよい。
【0029】
第2カム部52は、作動板3が第2の位置から第1の位置へ向かって左方(図13において下方)へ移動するときに、作動板3を開位置から閉位置まで回動させ、さらに閉位置に維持するためのものであり、第2カム面52a及び維持面52bを有している。第2カム面52aは、平坦な傾斜面からなるものであり、第2の位置側から第1の位置側へ向かうにしたがって室外O側から室内I側へ向かうように傾斜させられている。第2カム面52aは、平面以外の面、例えばなだらかな凹曲面又は凸曲面によって形成してもよい。維持面52bは、第2カム面52aの室内I側の端部に連設されており、図6及び図9の左方向(第2の位置側から第1の位置側へ向かう方向)へ真っ直ぐに延びている。したがって、維持面52bは壁部21aと平行になっている。
【0030】
作動板3を第1及び第2カム部51,52と協働して開閉回動させるために、作動板3の下端部には、作動板3を室内外方向に横断するカム凹部34が形成されている。勿論、カム凹部34は、二つのガイド部材5,5に対応して二つ設けられており、それぞれガイド部材5,5と左右方向においてほぼ同一位置に配置されている。図9、図11及び図13に示すように、カム凹部34の左右方向の幅は、その内部に第1及び第2カム部51,52が入り込むことができるような幅に設定されている。なお、この実施の形態においては、カム凹部34に隣接してその左側(第1の位置側)に凹部35が形成されおり、二つの凹部34,35間には切り残し部分たる被押圧部36が形成されているが、凹部35は必ずしも形成する必要がない。凹部35が形成されない場合には、作動板3の下端部のうちのカム凹部34に対して左側に隣接する部分が被押圧部になる。
【0031】
図9に示すように、作動板3が閉位置に位置しているときには、被押圧部36に隣接するカム凹部34の一方の側面、つまり第1の位置側に位置する一方の側面(以下、第1側面という。)34aが、第1カム面51aと左右方向に対向している。したがって、閉位置に位置している作動板3を第1の位置から第2の位置側へ所定距離だけ移動させると、第1側面34aが第1カム面51aに突き当たる。作動板3を第2の位置側へさらに移動させると、図10及び図11に示すように、作動板3が第1カム面51aにより閉位置から開位置側へ回動させられる。作動板3が第2の位置より所定距離だけ手前の位置に達すると、第1側面34aのうちの室内I側の端縁が第1カム面51aの室外O側の端縁に達する。このときの作動板3の位置が開位置である。作動板3は、開位置に回動した後も第2の位置側へ移動可能であり、作動板3をさらに第2の位置側へ移動させると、第1側面34aが第1カム面51aを室外O側に通過し、作動板3の室内I側を向く面が第1カム部51の室外O側の端面51bに接触する。そして、作動板3は、端面51bに接触しつつ第2位置まで移動する。作動板3は端面51bに接触することによって開位置から閉位置側へ回動することが阻止される。したがって、端面51bは、作動板3がその自重によって開位置から閉位置側へ回動することを阻止して作動板3を閉位置に維持する維持部として機能している。
【0032】
図12及び図13に示すように、作動板3が第2の位置に位置している状態(この状態のとき作動板3は開位置に位置している。)においては、カム凹部34の他方の側面、つまり第2の位置側に位置する側面(以下、第2側面という。)34bが第2カム面52aと左右方向に対向している。したがって、作動板3を第2の位置から第1の位置側へ所定距離だけ移動させると、第2側面34bが第2カム面52aに突き当たる。作動板3を第1の位置側へさらに移動させると、作動板3が第2カム面52aにより開位置から閉位置側へ移動させられる。作動板3が第1の位置より所定距離だけ手前の位置に達すると、第2側面34bのうちの室外O側の端縁が第2カム面52aの室内I側の端縁に達する。このときの作動板3の位置が閉位置であり、このときには作動板3が壁部21aにシール部材32を介して押圧接触している。作動板3は、閉位置に回動した後も第1の位置側へ移動可能であり、作動板3をさらに第1の位置側へ移動させると、第2側面34bが第2カム面52aを室内I側に通過し、作動板3の室外O側を向く面が維持面52bに接触する。そして、作動板3は、維持面52bに接触しつつ第1の位置まで移動する。勿論、第1の位置においては、作動板3が維持面52bによって閉位置に維持される。
【0033】
なお、第2カム面52aの室内I側の端部及び維持面52bを有する第2カム部52の室内I側の端部は、ガイド部材5の基部5aから切り離され、当該端部自体の弾性によって室内外方向へ弾性変形可能であり、その弾性力によって作動板3を壁部21aに押し付けている。ただし、当該端部は、必ずしも基部5aから切り離す必要はない。シール部材32が弾性を有していて、作動板3が壁部21aにシール部材32を介して突き当たるからである。また、端面51bは、維持面52bと同様に左右方向に延ばしてもよい。
【0034】
作動板3が開位置に位置しているときには、作動板3の下端部は、上下及び室外O方向へ自由に移動することができる。しかも、軸部31の外径が支持孔21cの内部寸法に対して同等以下であり、少なくとも寸法公差的には軸部31の外径が支持孔21cの内部寸法より小さくなっている。したがって、作動板3の上端部も、上下及び室内外方向へ自由に移動することができる。よって、作動板3は、開位置に位置しているときには、所定の僅かな範囲内であるが、上下方向及び室内外方向へ移動可能である。このため、装置本体2が振動すると、作動板3が装置本体2やガイド部材3に対して相対移動し、それらに突き当たる。その結果、騒音が発生するおそれがある。
【0035】
このような不具合を防止するために、この換気装置1においては、ガイド部材5に押圧片部(押圧部)53が設けられている。押圧片部5は、図12に示すように、作動板3をその幅方向に沿って上方へ押し上げ、軸部31の外周面の上部を支持孔21cの内周面の上部に押し付ける。それによって、作動板3を装置本体2に対して位置固定するためのものであり、図6及び図7に示すように、第1カム部51の端面51bに対し室外O側に隣接するように配置されている。
【0036】
押圧片部53は、作動板3の移動方向(換気孔21bが並ぶ方向)、つまり左右方向に延びており、第1の位置側(図6において左側)に位置する基端部がガイド部材5の基部5aに一体に設けられている。押圧片部53の基端部を除く部分は、基部5aから切り離されており、ガイド部材5に対して自由に移動することができるようになっている。つまり、押圧片部53は、ガイド部材5に片持ち状に形成されているのである。したがって、押圧片部53の基端部から先端部に至る各部、特に基端部が弾性変形することにより、押圧片部53の先端部が上下方向へ変位可能になっている。押圧片部53は、その基端部から先端部(第2の位置側の端部)に向かって順次設けられた平板部53a、傾斜板部(傾斜部)53b及び当接部53cを有している。
【0037】
平板部53aは、水平に配置されており、その基端部がガイド部材5に一体に連設されている。基端部を除く平板部53aの他の部分は、ガイド部材5に対して切り離されている。したがって、平板部53aは、その基端部が弾性変形することにより、その先端部が基端部を中心として上下方向へ回動するように弾性変形可能である。
【0038】
平板部53aの基端部は、第1カム面51aの室外O側の端縁に対し左右方向において所定距離だけ左側に配置されている。一方、平板部53aの先端部は、第1カム面51aの室外O側の端縁に対し左右方向において同一位置か、若干右側に位置するように配置されている。平板部53aの上面は、被押圧部36の室外O側を向く面の下端縁が第1カム面51aの室外O側の端縁に対し室内外方向において同一位置に位置している(このとき、作動板3は、開位置より被押圧部35の厚さの分だけ閉位置側に位置している。)とき、被押圧部35の室外O側の端面の下端縁と上下方向において同一位置に位置するか、僅かに下方に位置するように配置されている。したがって、作動板3が閉位置から開位置まで回動する間は勿論のこと、第1側面34aが第1カム面51aを室外O側に通過した後にも被押圧部36が平板部53aの室内I側を向く側面に突き当たることがなく、作動板3が開位置に達した後、被押圧部35は、平板部53aの上面に接触するか、当該上面と上下方向に対向する。なお、ガイド部材5の基部5a上面のうち、平板部53aの基端部に対し第1の位置側(左側)に続く延長部5bは、平板部53aの上面と同一高さの平面になっている。したがって、作動板3の下端部が当該延長部5bに突き当たることもない。
【0039】
傾斜板部53bは、その基端部が平板部53aの先端部に連設されている。したがって、傾斜板部53bは、平板部53aの基端部を中心として上下方向へ回転可能である。傾斜板部53bは、第1位置側から第2位置側へ向かって、つまり右方向へ向かって上り勾配になるように傾斜させられている。したがって、カム凹部34の第1側面34aが第1カム面51aを室外O側に通過した後、作動板3がさらに第2位置側へ移動させられると、被押圧部36の下端縁が傾斜板部53bの上面に突き当たる。その後、作動板3がさらに第2位置側へ移動させられると、被押圧部36が傾斜板部53bによって上方へ移動させられ、ひいては作動板3がその幅方向(他端側から一端側へ向かう方向)に沿って上方へ移動させられる。軸部31の外周面の上部が支持孔21cの内周面の上部に突き当てられると、作動板3がそれ以上上方へ移動することができなくなる。したがって、作動板3をさらに第2の位置側へ移動させると、傾斜板部53bの先端部が下方へ移動するように押圧片部53が弾性変形させられる。その結果、作動板3に対する押圧片部53の上方への押圧力が増大する。
【0040】
当接部53cは、その基端部が傾斜板部53bの先端部に連設されている。したがって、当接部53cは、平板部53aの基端部を中心として上下方向へ回転可能である。当接部53cの上面と傾斜板部53bの上面との交差部53dは、作動板3が第2の位置より所定距離だけ手前の位置に達すると被押圧部36が交差部53dに達するように配置されている。しかも、作動板3が第2の位置に位置しているときには、交差部53dが、左右方向において被押圧部36の中間に位置するようになっている。当接部53cの上面は、円弧面によって構成されており、交差部53dより所定距離だけ先端側に位置する部分が最も上方に位置するようになっている。したがって、仮に押圧片部53が弾性変形しないものとすると、作動板3が第2の位置に位置しているときには、当接部53cのうちの最も上方に位置する部分に被押圧部36が押圧接触するはずである。しかし、押圧片部53の先端部が下方へ移動するように押圧片部53が弾性変形すると、交差部53dが押圧片部53全体のうちで最も上側に位置するようになる。したがって、作動板3が第2の位置に位置すると、図14に示すように、被押圧部36が交差部53dに押圧接触する。勿論、作動板3が第2の位置に位置しているときに、被押圧部36が当接部53cの交差部53dより先端側に位置する部分に押圧接触するように構成してもよい。また、当接部53cの上面は、円弧面以外の曲面又は平面によって構成してもよい。
【0041】
図6(C)に示すように、ガイド部材5の基部5aの上面のうち、第1カム部51から第1位置側(図6(A)において左側)に続く部分は、円弧面からなる円弧部5cになっている。この円弧部5cは、支持孔21cの円弧部分に接触しているときの軸部31の軸線を曲率中心とする円弧面によって構成されている。したがって、円弧部5bの高さは、室内I側から室外O側へ向かうにしたがって高くなっている。また、円弧部5bの曲率半径は、軸部31の軸線から作動板3の下端縁までの距離と同等か、それにより若干長い距離に設定されており、室外側の端縁が延長部5bの室内I側の端縁と交差している。
【0042】
なお、第1カム部51aの上面51cも、支持孔21cの円弧部分に接触しているときの軸部31の軸線を曲率中心とする円弧面によって構成されており、当該円弧面の曲率半径は、第1カム部51aの高さの分だけ円弧部5bの曲率半径より小さく設定されている。したがって、第1カム部51aの円弧部5bに対する高さは、室内外方向のいずれの箇所においても同一になっている。
【0043】
上記構成の換気装置1において、作動板3を第1の位置に位置させると、作動板3が閉位置に回動して連通路25を閉じる。したがって、換気装置1による室内Iと室外Oとの間の換気が中断される。作動板3は、閉位置に位置しているときには、壁部21aにシール部材32を介して押圧接触させられている。したがって、換気装置1が振動したとしても作動板3が装置本体2に対して相対移動することがない。したがって、作動板3が装置本体2に突き当たって騒音が発生することもない。
【0044】
作動板3を第1の位置から第2の位置まで移動させると、作動板が閉位置から開位置に回動して連通路25を開く。したがって、室内Iと室外Oとの間の換気が換気装置1を介して行われる。作動板3が開位置に位置しているときには、作動板3が押圧片部53によって上方へ押され、軸部51が支持孔21cの内周面の上側の部分に押圧接触させられる。つまり、作動板3が、壁部21aと押圧片部53とによって挟持固定される。したがって、装置本体2が振動したとしても、作動板3が装置本体2に対して相対移動することがなく、作動板3が装置本体2に衝突することがない。よって、騒音の発生を防止することができる。特に、この実施の形態では、支持孔21cの内周面の上側の部分が断面四角形になっているから、当該部分に対して軸部51の外周面が周方向に離れた2箇所において押圧接触する。この2箇所と押圧片部53との押圧接触部分との三箇所によって作動板3が固定されるから、作動板3は確実に位置固定される。したがって、騒音の発生をより一層確実に防止することができる。軸部31を支持孔21cの内周面に2箇所で押圧接触させることは、支持孔21cの内周面の上側の部分を四角形にすることが必ずしも必須ではなく、この実施の形態のように、軸部31に切欠き部31bを形成する場合には、支持孔21cの内周面の上側の部分を円弧面としてもよい。
【0045】
このように、換気装置1によれば、作動板3が開位置に位置しているときにも騒音の発生を防止することができる。しかも、押圧片部53がガイド部材5に一体に設けられており、騒音を防止するためのクッション材等の部材を作動板に設ける必要がない。したがって、騒音防止のための部材の分だけ部品点数を減らすことができるとともに、当該部品の取り付けに要する手間を省くことができる。したがって、換気装置1の製造費を軽減することができる。
【0046】
次に、この発明の他の実施の形態について説明する。なお、以下の実施例については、上記実施の形態と異なる構成だけを説明することとし、上記実施の形態と同様な部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0047】
図15及び図16は、この発明の第2実施の形態を示す。この実施の形態においては、上記実施の例の支持孔21cに代えて支持凹部(支持部)21fが形成され、上記軸部31に代えて係合爪部37が形成されている。支持凹部21fは、装置本体2の支持孔21cとほぼ同一箇所に配置されている。支持凹部21は、断面四角形状をなしており、室外O側を向く部分の上部が開放され、下部が閉じられている。一方、係合爪部37は、断面形状が逆「L」字状をなしており、その先端部が支持凹部21fの開放部から内部に挿入され、支持凹部21fの下部の室外O側の隅部に回動可能に、かつ左右方向へ摺動可能に係合している。これにより、作動板3が装置本体2に対し係合爪部37の先端部を中心として回動可能に、かつ左右方向移動可能に支持されている。なお、係合詰め部37の先端部が支持凹部21fに室外O側へ離脱不能に係合しているので、作動板3が装置本体2から室外O側へ離脱することはない。
【0048】
図16に示すように、作動板3が第2の位置に位置し、その結果作動板3が開位置に位置すると、作動板3が押圧片部53によって上方へ移動させられる。すると、作動板3の上端部、つまり爪部37の基端部及び中間部が、支持凹部21fの上側の側面から室外O側に延びる装置本体2の内面、及びこの内面から下方に延びる支持凹部21fの底面にそれぞれ押圧接触する。これにより、作動板3が装置本体2に移動不能に固定される。
【0049】
図17及び図18は、この発明の第3実施の形態を示す。この実施の形態においては、上記実施の形態の支持孔21cに代えて支持軸部(支持部)27が形成されている。すなわち、装置本体2の上部内面の室内I側の端部には、左右方向に延びる突条26が装置本体2と一体に形成されている。この突条26の下端部には、支持軸部(支持部)27が突条26と一体に形成されている。この支持軸部27は、断面円形をなしており、突条27に沿って形成されている。一方、作動板3の上端部には、作動板3に沿って左右方向(換気孔21bが並ぶ方向)に延びる筒部38が形成されている。筒部38の上部には、切欠き部38aが形成されている。この切欠き部38aに突条26が左右方向へ及び室内外方向へ移動可能に、かつ所定の距離だけ室内外方向へ移動可能に挿入されている。筒部38には、支持軸部27が回転可能に、かつ左右方向へ摺動可能に挿入されている。勿論、筒部38の内径は、僅かな量であるが、支持軸部27の回転及び摺動を許容する範囲において支持軸部27の外径より大きく設定されている。筒部38に支持軸部27が回転可能、かつ摺動可能に挿入されることにより、作動板3が装置本体2に対し、筒部38を中心として回動可能に、かつ左右方向へ移動可能に支持されている。なお、支持軸部27は、筒部38に対しその左右いずれかの開口部から挿入することができる。
【0050】
この実施の形態においては、閉位置と開位置との間に位置しているときには、筒部38の内周面の上部が支持軸部27の外周面の上部に接触している。作動板3が第2の位置に位置し、その結果作動板3が開位置に位置すると、作動板3が押圧片部53によって上方へ押圧移動させられ、筒部38の内周面の下部が支持軸部27の外周面の下部に押圧接触する。つまり、作動板3が押圧片部53と支持軸部27とによって挟持固定される。したがって、この実施の形態においても、作動板3が開位置に位置しているときに騒音が発生することを防止することができる。
【0051】
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲において各種の変形例を採用することができる。
例えば、上記の実施の形態においては、装置本体2がその長手方向を左右方向に向けて配置されているが、長手方向を上下方向に向けて配置してもよい。そのように配置する場合には、換気装置の各部材の左右方向が上下方向に切り換えられる。例えば、換気孔21b,22aが上下方向に並んで配置され、作動板3がその長手方向を上下方向に向けて配置される。
また、上記の実施の形態においては、作動板3により室内I側の換気孔21bを開閉しているが、作動板3を第2型材22に回動可能に設け、換気孔22aを開閉するようにしてもよい。その場合には、第2型材22がこの発明に係る壁部になる。
また、上記の実施の形態においては、作動板3が開位置まで回動した後、さらに第2の位置まで移動する間に、押圧片部53が作動板3を上方へ移動させるように構成されているが、作動板3が開位置から所定角度だけ閉位置側へ離間した位置から開位置まで回動する間に、作動板3を上方へ押圧移動させるように構成してもよい。そのように構成する場合には、押圧片部53に代わる押圧部を被押圧部36の回転軌跡に沿って配置形成することになる。また、作動板3が開位置に達してからさらに第2の位置側へ移動させる必要がなくなるので、作動板3が閉位置から開位置に達すると同時に、作動板3が第1の位置から第2の位置に達するように構成してもよい。
さらに、上記の実施の形態においては、押圧片部53を第1カム部51の室外O側の端部に隣接するように配置しているが、ガイド部材5の他の部分に配置してもよい。例えば、図6において右側に位置するガイド部材5の端部を右方向に所定の長さだけ長くし、そこに押圧片部を形成してもよい。
さらにまた、上記の実施の形態においては、作動板3を装置本体2に対して左右方向(換気孔21bが並ぶ方向)へ移動させ、ガイド部材5を装置本体2に固定しているが、これとは逆にガイド部材5を装置本体2に対して左右方向へ移動させ、作動板3を装置本体2に左右方向へ移動不能に位置固定してもよい。このようにする場合には、ガイド部材5が操作部材4に連結され、第1の位置と第2の位置との間を移動する。
【産業上の利用可能性】
【0052】
この発明は、作動板を閉位置と開位置との間で回動させることによって換気孔を開閉するようにした換気装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0053】
1 換気装置
2 装置本体
3 作動板(作動部材)
5 ガイド部材
21a 壁部
21b 換気孔
21c 支持孔(支持部)
21f 支持凹部(支持部)
27 支持軸部(支持部)
31 軸部
51 第1カム部(カム部)
52 第2カム部(カム部)
53 押圧片部(押圧部)
53b 傾斜板部(傾斜部)
53c 当接部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の換気孔が並んで形成された壁部を有する装置本体と、上記多数の換気孔と対向するように配置された作動部材と、上記装置本体に設けられたガイド部材とを備え、上記壁部の上記換気孔の近傍部分には、上記換気孔の並び方向に沿って延びる支持部が設けられ、この支持部に上記作動部材の一端部が回転可能に支持されることにより、上記作動部材が、上記壁部に突き当たって上記換気孔を閉じた閉位置と、上記壁部から離間して上記換気孔を開いた開位置との間を回動可能とされ、上記作動部材と上記ガイド部材との一方が上記装置本体に上記換気孔の並び方向へ移動可能に設けられることにより、上記作動部材と上記ガイド部材とが上記換気孔の並び方向へ相対移動可能とされ、上記ガイド部材にはカム部が設けられ、このカム部が、上記作動部材と上記ガイド部材との一方向への相対移動に伴って上記作動部材を上記閉位置から上記開位置まで回動させ、上記作動部材と上記ガイド部材との他方向への相対移動に伴って上記作動部材を上記開位置から上記閉位置まで回動させる換気装置において、
上記ガイド部材には、上記開位置に位置している上記作動部材をその他端側から一端側へ付勢して上記作動部材の一端部を上記装置本体に押し付ける押圧部が一体に設けられていることを特徴とする換気装置。
【請求項2】
上記支持部が上記並び方向に延びる支持孔として形成され、上記作動部材の一端部に軸部が形成され、この軸部が上記支持孔に回転可能に挿入されることにより、上記作動部材が上記軸部を中心として上記閉位置と上記開位置との間を回動可能とされ、上記作動部材が上記開位置に位置しているときには、上記押圧部の付勢力により上記軸部の外周面のうちの他端側に位置する部分が上記支持孔の内周面に押圧接触させられることを特徴とする請求項1に記載の換気装置。
【請求項3】
上記押圧部が上記ガイド部材に片持ち状に設けられ、それによって上記押圧部の先端部が弾性的に変位可能とされ、上記押圧部の基端部側には、上記作動部材の上記一方向への移動に伴って上記作動部材をその他端部側から一端部側へ移動するように押圧する傾斜部が設けられ、上記押圧部の上記傾斜部に続く先端部には、上記作動部材の一端部を上記装置本体に押し付けた状態に維持する当接部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の換気装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−112240(P2011−112240A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−267001(P2009−267001)
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【出願人】(504254770)株式会社佐原 (26)
【Fターム(参考)】