説明

搬送システム及び搬送車

【課題】例えば半導体装置製造用の各種基板等が収容された容器などの被搬送物を、カーブを有する軌道上で搬送する搬送システムにおいて、障害物の衝突を防止しつつ、安定的に搬送する。
【解決手段】搬送システム(100)は、軌道(1)と、軌道に沿って走行すると共に、被搬送物を搬送する搬送手段(3)と、搬送手段に夫々取り付けられており、搬送手段の走行時に搬送手段及び被搬送物の少なくとも一部が接触する可能性のある障害物を、相異なる領域を検知領域として夫々検知可能な複数のセンサ(4)と、搬送手段の走行位置に応じて、複数のセンサのうち障害物の検知に使用される少なくとも一のセンサを選択する選択手段(6)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば半導体装置製造用の各種基板等が収容された容器などの被搬送物を、カーブを有する軌道上で搬送する搬送システム及び搬送車の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の搬送システムとして、例えば予め登録された距離及び角度でスキャンを行うことによって障害物を検知した場合に、搬送台車を減速又は停止させるものがある(特許文献1参照)。
【0003】
また、例えば予め設定された減速判定範囲に障害物を検知した場合に、車両を減速させると共に、操舵角度が大きい程、該減速判定範囲を操舵角度の方向に偏らせる搬送システムがある(特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2006−323435号公報
【特許文献2】特開2000−267729号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1及び2の搬送システムによれば、工場等の施設内に敷設された軌道が、高反射率を有する側壁の手前でカーブしている場合に、該側壁が障害物として誤検知され、搬送台車や車両等の搬送車が緊急に停止されてしまう場合がある。これでは、搬送車と障害物との衝突が回避されても、搬送工程の進捗に支障をきたし、搬送が不安定になってしまいかねないという技術的問題点がある。
【0006】
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、障害物の衝突を防止しつつ、安定的に搬送可能な搬送システム及び該搬送システムに適用される搬送車を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の搬送システムは上記課題を解決するために、軌道と、前記軌道に沿って走行すると共に、被搬送物を搬送する搬送手段と、前記搬送手段に夫々取り付けられており、前記搬送手段の走行時に前記搬送手段及び前記被搬送物の少なくとも一部が接触する可能性のある障害物を、相異なる領域を検知領域として夫々検知可能な複数のセンサと、前記搬送手段の走行位置に応じて、前記複数のセンサのうち前記障害物の検知に使用される少なくとも一のセンサを選択する選択手段とを備える。
【0008】
本発明の第1の搬送システムによれば、その動作時には、例えばFOUP(Front Opening Unified Pod)等の被搬送物は、例えばOHT(Overhead Hoist Transport)、ビークル等の搬送手段によって、例えば天井に敷設されたレール等の軌道に沿って搬送される。
【0009】
搬送手段による搬送中に、例えば搬送車に設けられた又は搬送車と通信接続されたコントローラ、メモリ等を含んでなる、選択手段によって、相異なる領域を検知領域とする複数のセンサのうち障害物の検知に使用される少なくとも一のセンサが、搬送手段の走行位置に応じて選択される。即ち、全てのセンサが常時使用されるのではなく、軌道上における走行位置によっては一つ又は複数のセンサのみが検知に使用され、それ又はそれら以外のセンサは使用されない。ここに「障害物」とは、実際に衝突する位置にある物体のみならず、衝突する可能性のある物体を含む意味である。また「複数のセンサ」は、相異なる領域を検知領域としており、例えば、搬送手段より前方の領域、即ち、上下左右の各領域を検知するために、四つ備えられてよい。
【0010】
続いて、選択手段により選択されたセンサによって、搬送中における軌道の近傍に位置する障害物が検知される。
【0011】
このように、例えば軌道が曲がっているエリアや真っ直ぐなエリアなどといった軌道の曲がり度合いに応じたエリア別にセンサの切替を行うのではなく、或いは操舵角度の大小に応じてセンサの切替を行うのではなく、搬送手段の走行位置に応じて、即ち、搬送手段の走行位置が、軌道上における軌道位置のうちいずれに一致するかに応じて、センサの選択がされる。従って、軌道に対して固定されている或いは固定的な存在が認定されている壁、柱等を、障害物として検出し難い或いは好ましくは検出しないセンサを、該壁、柱等と特定の位置関係にある軌道位置を搬送手段が通過する際に選択すれば、該壁、柱等を、障害物として検出する可能性を低減できる。ここに本発明において、軌道に対して「固定されている」とは、完全に固定されている必要はなく、センサによる検出動作を含む搬送作業中に、壁、柱等として軌道に対して相対的に固定されていれば足りる趣旨である。「固定的な存在が認定されている」とは、実際の搬送作業中に、今回の選択動作に先立って、そのように固定されている壁、柱等の存在が認定されていれば足り、前回の選択動作で認定されていなかったために誤検出が生じた後に、その誤検出された壁、柱等が、今回の選択動作に先立って、固定的な存在として認定される場合も含む意味である。尚、壁、柱等が移設せずとも、軌道を移設すれば、壁、柱等は、軌道に対して新たな位置関係で固定されることになる。
【0012】
従って、仮に軌道の曲がりの度合いや操舵角度の大小との関係で選択したのではセンサが誤検出を行ってしまうような壁、柱等であっても、本発明によれば、該壁、柱等の軌道に対する相対位置が固定されている限り、誤検出の可能性を極めて効率良く低めることが可能となる。例えば、工場等の施設内に敷設された軌道が、高反射率を有する側壁の手前でカーブしている場合にも、或いは軌道の曲がりとの関係で紛らわしい位置に柱等が存在する場合にも、これら側壁や柱等を障害物として検知する可能性を少なくとも低減できる、或いは理想的には零にできる。よって、これらの側壁や柱等の存在に起因して、搬送車手段が緊急停止してしまうことを、比較的簡単に回避できる。これは、搬送工程の円滑なる進捗につながり、搬送効率、更には製造効率等を飛躍的に高めることにも繋がる。
【0013】
以上のように本発明によれば、障害物の衝突を防止しつつ、被搬送物を安定的に搬送可能となる。
【0014】
第1の搬送システムの一態様では、前記選択手段は、前記軌道の状況及び前記軌道の近傍の状況に基づいて、前記軌道上における軌道位置に対応付けられる形で予め設定されている選択の仕方で、前記少なくとも一のセンサを選択する。
【0015】
この態様によれば、軌道の状況と軌道の近傍の状況とに基づいて、センサの選択の仕方が予め設定されている。ここに「軌道の状態」とは、例えば直進又は左カーブ又は右カーブすること、勾配すること、分岐或いは合流することなど、軌道自体の各種状態を意味する。「軌道の近傍の状況」とは、軌道の近傍に障害物として誤検知されてしまいかねない柱や側壁等があることなど、軌道自体を除く軌道の近傍の物品や部位の存在の状態を意味する。特に「近傍」とは、センサによる検出範囲との関係で、障害物として検出される可能性がある程度に軌道から近い範囲を意味する。例えば「軌道の状態」が直進である場合であれば、搬送手段の前方全域を検知するために、複数のセンサの全てが選択されてもよい。また例えば、「軌道の近傍の状況」が右カーブする軌道部分の奥方に側壁がある場合であれば、搬送手段の前方右側のみを検知するべく、右センサが唯一選択されてもよい。このように予め設定された選択の仕方で、少なくとも一のセンサが選択されるので、実際に搬送車の走行位置が各軌道位置に一致した際における、選択手段による走行位置に応じた選択動作を、迅速に実行することが可能となる。
【0016】
尚、本発明において「予め設定される」とは、狭義には、搬送システムの立ち上げ時やメンテナンス時等に予め設定されることを意味し、広義には、実際の搬送作業中における停止や減速状況をフィードバックすることで、即ち学習により、今回の選択動作に先行して設定される意味も含む。
【0017】
この態様では、前記選択の仕方を示す選択情報を、前記軌道位置に対応付ける形で格納する記憶手段を更に備え、前記選択手段は、前記記憶手段から前記走行位置に一致する前記軌道位置に対応付けられた前記選択情報を取得し、前記取得された選択情報により示される前記選択の仕方で、前記少なくとも一のセンサを選択してもよい。
【0018】
このように構成すれば、センサの選択の仕方を示す選択情報は、例えばメモリ等の記憶手段に、各軌道位置に対応付ける形で格納される。ここに「記憶手段」は、例えば、搬送手段若しくは選択手段の内部に備えられたメモリ又はこれら外部に設けられた記憶装置であってもよい。このような「格納」は、搬送システムの立ち上げ時やメンテナンス時等に予め行われてもよいし、学習により今回の選択動作に先行して行われてもよい。その後、搬送中に、選択手段によって、記憶手段から走行位置に一致する軌道位置に対応付けられた選択情報が取得される。続いて、取得された選択情報により示される選択の仕方で、少なくとも一のセンサが選択される。よって、実際に搬送車の走行位置が各軌道位置に一致した際における、選択手段による走行位置に応じた選択動作を、記憶手段を参照することで、迅速且つ確実に実行することが可能となる。
【0019】
加えて、このように記憶手段に選択情報を予め記憶していることによって、軌道の一部が変更された場合や、軌道の側方に誤検知されてしまう物体が配置された場合であっても、選択情報を容易に更新できる。
【0020】
第1の搬送システムの他の態様では、前記軌道に付けられており、前記軌道位置を示す又は前記軌道位置に加えて若しくは代えて前記軌道位置に対応付けられた形で前記選択手段による選択の仕方を示す識別マークと、前記搬送手段に取り付けられており、前記走行位置に存在する前記識別マークを検出するマーク検出手段とを更に備え、前記選択手段は、前記検出された識別マークに基づいて、前記少なくとも一のセンサを選択する。
【0021】
この態様によれば、搬送手段の搬送中に、搬送手段に取り付けられており、搬送手段と共に軌道上を移動する、例えばバーコードリーダ等のマーク検出手段によって、例えばレールに付加されたバーコード等の識別マークが検出される。すると、検出された識別マークに基づいて、即ち、識別マークにより示される軌道位置に対応する選択の仕方で、或いは識別マークにより示される選択の仕方で、選択手段によってセンサが選択される。よって、実際に搬送車の走行位置が、識別マークが付された軌道位置に一致した際における、選択手段による走行位置に応じた選択動作を、迅速且つ確実に実行することが可能となる。
【0022】
加えて、軌道の一部が変更された場合や、軌道の近傍に誤検知され易い物体が配置された場合であっても、識別マークを容易に更新できる。
【0023】
第1の搬送システムの他の態様では、前記走行位置を検出する位置検出手段を更に備え、前記選択手段は、前記検出された走行位置に基づいて、前記少なくとも一のセンサを選択する。
【0024】
この態様によれば、搬送手段の搬送中に、走行位置は、例えば基準位置から軌道に沿った走行距離を検出する距離センサ等の位置検出手段により検出される。ここに「走行位置を検出する」とは、走行距離等を用いて所定の位置を直接又は間接的に検出、測定、推定、算出等すればよく、何らかの形で所定の位置を特定又は取得できればよい趣旨である。続いて、検出された走行位置に基づいて、即ち、軌道上における走行位置に一致する軌道位置に対応する選択の仕方で、選択手段によってセンサが選択される。よって、実際に搬送車の走行位置が、任意の軌道位置に一致した際における、選択手段による走行位置に応じた選択動作を、迅速且つ確実に実行することが可能となる。
【0025】
第1の搬送システムの他の態様では、前記複数のセンサのうち少なくとも一のセンサにより前記障害物が検出されると、前記搬送手段の走行位置に応じて、前記搬送手段を停止又は減速する走行制御手段を更に備える。
【0026】
この態様によれば、搬送手段の搬送中に、センサにより障害物が検出されると、例えば搬送車に設けられた又は搬送車と通信接続されたコントローラ、メモリ等を含んでなる、走行制御手段によって、現在の走行位置に応じて、搬送手段が停止又は減速される。この際、走行位置が、衝突の危険性が高いことが想定される軌道位置に一致していれば、搬送手段は即時に停止させることもでき、或いは、走行位置が、衝突の危険性が中程度であることが想定される軌道位置に一致していれば、搬送手段は即時停止可能な低速度まで減速されてよい。いずれにせよ、障害物が検出された際に無条件で搬送車が停止されてしまう場合と比較して、非必要に搬送車を停止させてしまう事態を回避でき、全体として搬送効率をより高く維持することが可能となる。
【0027】
本発明の第2の搬送システムは上記課題を解決するために、軌道と、前記軌道に沿って走行すると共に、被搬送物を搬送する搬送手段と、前記搬送手段に夫々取り付けられており、前記搬送手段の走行時に前記搬送手段及び前記被搬送物の少なくとも一部が接触する可能性のある障害物を、相異なる領域を検知領域として夫々検知する複数のセンサと、前記複数のセンサのうち少なくとも一のセンサにより前記障害物が検出されると、前記搬送手段の走行位置に応じて、前記搬送手段を停止又は減速する走行制御手段とを備える。
【0028】
本発明の第2の搬送システムによれば、その動作時には、例えばFOUP等の被搬送物は、例えばOHT、ビークル等の搬送手段によって、例えば天井に敷設されたレール等の軌道に沿って搬送される。
【0029】
搬送手段による搬送中に、複数のセンサによって、搬送中における軌道の近傍に位置する障害物が検知される。ここに「複数のセンサ」は、相異なる領域を検知領域としており、例えば、搬送手段より前方の領域、即ち、上下左右の各領域を検知するために、四つ備えられてよい。
【0030】
続いて、センサにより障害物が検出されると、例えば搬送車に設けられた又は搬送車と通信接続されたコントローラ、メモリ等を含んでなる、走行制御手段によって、搬送手段の走行位置に応じて、搬送手段は停止又は減速される。即ち、障害物が検出されても、無条件に搬送手段が停止されるのではなく、軌道上における走行位置によっては、減速される。ここに「減速」とは、障害物が検出されない場合における速度(以下適宜「通常速度」と称する)よりも低い速度にされることを意味し、即時停止可能な速度の他、走行位置に一致する各軌道位置において想定される障害物との衝突の危険性の高低に応じて通常速度よりも低められた速度とされることを意味してよい。
【0031】
このように、搬送手段の走行位置に応じて、即ち、搬送手段の走行位置が、軌道上における軌道位置のうちいずれに一致するかに応じて、停止又は減速が行われる。従って、軌道に対して固定されている或いは固定的な存在が認定されている壁、柱等の近傍であれば、仮に障害物が検出されたとしても衝突の可能性は相対的に低いものとして、減速の方を選択すれば、非必要な停止動作を回避できる。或いは、固定的な存在が認定されている壁、柱等の近傍でない場所で、障害物が検出されたとすれば、衝突の可能性は相対的に高いものとして、緊急な停止或いは極端な減速を選択すれば、実際に衝突することを回避できる。
【0032】
従って、仮に軌道の曲がりの度合いや操舵角度の大小との関係で選択したのではセンサが誤検出を行って、これにより搬送手段を不必要に停止させてしまうような壁、柱等があっても、本発明によれば、該壁、柱等の軌道に対する相対位置が固定されている限り、誤検出による誤停止の可能性を、極めて効率良く低めることが可能となる。例えば、工場等の施設内に敷設された軌道が、高反射率を有する側壁の手前でカーブしている場合にも、或いは軌道の曲がりとの関係で紛らわしい位置に柱等が存在する場合にも、これら側壁や柱等を障害物として検知して誤停止させてしまう可能性を少なくとも低減できる、或いは理想的には零にできる。これは、搬送工程の円滑なる進捗につながり、搬送効率、更には製造効率等を飛躍的に高めることにも繋がる。
【0033】
以上のように本発明によれば、障害物の衝突を防止しつつ、被搬送物を安定的に搬送可能となる。
【0034】
第2の搬送システムの一態様では、前記走行制御手段は、前記複数のセンサ別に、前記軌道上における軌道位置に対応付けられる形で予め設定されている停止又は減速の仕方で、前記搬送手段を停止又は減速する。
【0035】
この態様によれば、複数のセンサ別に、停止又は減速の仕方が予め設定されている。よって、各軌道位置において、固定されている或いは固定的な存在が認識されている壁、柱等との関係で相対的に誤検出をし易い位置にあるセンサにより障害物が検出された場合に、停止でなく減速制御を実行することが可能となる。逆に、固定されている或いは固定的な存在が認識されている壁、柱等との関係で相対的に誤検出をし難い位置にあるセンサにより障害物が検出された場合に、減速でなく停止制御(又は極度の減速)を実行することが可能となる。このように、いずれかのセンサにより障害物が検出された場合に、そのセンサに対して予め設定された仕方で搬送車は減速又は停止されるので、極めて効率良く誤停止を回避できる。
【0036】
第2の搬送システムの他の態様では、前記走行制御手段は、前記軌道の状況及び前記軌道の近傍の状況に基づいて、前記軌道位置に対応付けられる形で予め設定されている停止又は減速の仕方で、前記搬送手段を停止又は減速する。
【0037】
この態様によれば、軌道の左右上下の曲がり方、分岐や合流などの状況と、壁、柱等の軌道の近傍の状況とに基づいて、停止又は減速の仕方が予め設定されている。ここに「近傍」とは、センサによる検出範囲との関係で、障害物として検出される可能性がある程度に軌道から近い範囲を意味する。このように、障害物が検出された場合に、予め設定された仕方で、搬送車は減速又は停止されるので、実際に搬送車の走行位置が各軌道位置に一致した際における、走行制御手段による走行位置に応じた制御動作を、迅速に実行することが可能となる。
【0038】
この態様では、前記停止又は減速の仕方を示す停止減速情報を、前記軌道位置に対応付ける形で格納する記憶手段を更に備え、前記走行制御手段は、前記記憶手段から前記走行位置に一致する前記軌道位置に対応付けられた前記停止減速情報を取得し、前記取得された停止減速情報により示される前記停止又は減速の仕方で、前記搬送車を停止又は減速してもよい。
【0039】
このように構成すれば、停止又は減速の仕方を示す停止減速情報は、例えばメモリ等の記憶手段に、各軌道位置に対応付ける形で格納される。ここに「記憶手段」は、例えば、搬送手段若しくは選択手段の内部に備えられたメモリ又はこれら外部に設けられた記憶装置であってもよい。このような「格納」は、搬送システムの立ち上げ時やメンテナンス時等に予め行われてもよいし、学習により今回の選択動作に先行して行われてもよい。その後、搬送中に、障害物が検出された場合には、走行制御手段によって、記憶手段から走行位置に一致する軌道位置に対応付けられた停止減速情報が取得される。続いて、取得された停止減速情報により示される停止又は減速の仕方で、搬送車が停止又は減速される。よって、実際に搬送車の走行位置が各軌道位置に一致した際における、走行制御手段による走行位置に応じた停止又は減速動作を、記憶手段を参照することで、迅速且つ確実に実行することが可能となる。
【0040】
加えて、このように記憶手段に停止減速情報を予め記憶していることによって、軌道の一部が変更された場合や、軌道の側方に誤検知されてしまう物体が配置された場合であっても、停止減速情報を容易に更新できる。
【0041】
第2の搬送システムの他の態様では、前記軌道に付けられており、前記軌道位置を示す又は前記軌道位置に加えて若しくは代えて前記軌道位置に対応付けられた形で前記走行制御手段による停止若しくは減速の仕方を示す識別マークと、前記搬送手段に取り付けられており、前記識別マークを検出するマーク検出手段とを更に備え、前記走行制御手段は、前記検出された識別マークに基づいて、前記搬送手段を停止又は減速する・
この態様によれば、搬送手段の搬送中に、搬送手段に取り付けられており、搬送手段と共に軌道上を移動する、例えばバーコードリーダ等のマーク検出手段によって、例えばレールに付加されたバーコード等の識別マークが検出される。すると、検出された識別マークに基づいて、即ち、識別マークにより示される軌道位置に対応する停止又は減速の仕方で、或いは識別マークにより示される停止又は減速の仕方で、走行制御手段によって停止又は減速される。よって、実際に搬送車の走行位置が、識別マークが付された軌道位置に一致した際における、走行制御手段による走行位置に応じた停止又は減速動作を、迅速且つ確実に実行することが可能となる。
【0042】
第2の搬送システムの他の態様では、前記走行位置を検出する位置検出手段を更に備え、前記走行制御手段は、前記検出された走行位置に基づいて、前記搬送手段を停止又は減速する。
【0043】
この態様によれば、搬送手段の搬送中に、走行位置は、例えば基準位置から軌道に沿った走行距離を検出する距離センサ等の位置検出手段により検出される。すると、検出された走行位置に基づいて、即ち、軌道上における走行位置に一致する軌道位置に対応する停止又は減速の仕方で、走行制御手段によって停止又は減速が行われる。よって、実際に搬送車の走行位置が、任意の軌道位置に一致した際における、走行制御手段による走行位置に応じた停止又は減速動作を、迅速且つ確実に実行することが可能となる。
【0044】
本発明の第1の搬送車は上記課題を解決するために、軌道に沿って走行すると共に、被搬送物を搬送する搬送車であって、本体部と、前記本体部に夫々取り付けられており、前記搬送手段の走行時に前記搬送手段及び前記被搬送物の少なくとも一部が接触する可能性のある障害物を、相異なる領域を検知領域として夫々検知可能な複数のセンサと、前記搬送手段の走行位置に応じて、前記複数のセンサのうち前記障害物の検知に使用される少なくとも一のセンサを選択する選択手段とを備える。
【0045】
本発明の第1の搬送車によれば、上述した本発明の第1の搬送システムの場合と同様に、障害物の衝突を防止しつつ、被搬送物を安定的に搬送可能となる。
【0046】
尚、本発明の第1の搬送車では、上述した本発明の第1の搬送システムの場合と同様の各種態様を採用可能である。
【0047】
本発明の第2の搬送車は上記課題を解決するために、軌道に沿って走行すると共に、被搬送物を搬送する搬送車であって、本体部と、前記本体部に夫々取り付けられており、前記搬送手段の走行時に前記搬送手段及び前記被搬送物の少なくとも一部が接触する可能性のある障害物を、相異なる領域を検知領域として夫々検知する複数のセンサと、前記複数のセンサのうち少なくとも一のセンサにより前記障害物が検出されると、前記搬送手段の走行位置に応じて、前記搬送手段を停止又は減速する走行制御手段とを備える。
【0048】
本発明の第2の搬送車によれば、上述した本発明の第2の搬送システムの場合と同様に、障害物の衝突を防止しつつ、被搬送物を安定的に搬送可能となる。
【0049】
尚、本発明の第2の搬送車では、上述した本発明の第2の搬送システムの場合と同様の各種態様を採用可能である。
【0050】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
以下、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
【0052】
先ず、実施形態に係る搬送システムの構成について説明する。ここに図1は、実施形態に係る軌道及び搬送手段を模式的に示し、図2は、図1の搬送手段における複数のセンサの取り付け位置を示し、図3は、図2の複数のセンサの検知範囲を示す。
【0053】
図1において、本実施形態に係る搬送システム100は、軌道1、搬送車3、データベース9、及び搬送コントローラ10を備える。
【0054】
軌道1は、搬送車3が被搬送物を搬送するための経路であって、本実施形態では特に、複数の所定の位置に、不動マークM1〜M7、及び可動マークS1,S2が配置されている。軌道1は、例えば、図1に示すように、直進と左方に分岐した後に、直進する軌道部分が、右方にカーブしている。この右方にカーブする軌道部分において、右方に柱11が設けられ、該左方に側壁12が設けられている。
【0055】
不動マークM1〜M7は、本発明に係る「識別マーク」の一例として、搬送車3における軌道1上の位置を識別するためのバーコードであって、後述の「選択動作」を示す情報を取得するのに使用される。
【0056】
可動マークS1,S2は、本発明に係る「識別マーク」の一例として、不動マークM1〜M7と同様にして、搬送車3における軌道1上の位置を識別するためのバーコードとして配置されるが、不動マークM1〜M7と異なり、初期設定時に、その配置を、軌道1に沿って移動可能である。
【0057】
搬送車3は、本発明に係る「搬送手段」の一例として、図示しないリニアモータにより駆動され、軌道1上を走行して、被搬送物を搬送する。搬送車3は、障害物検知センサ4(図2に示される)、エンコーダ5、及び制御部6を備える。
【0058】
図2において、障害物検知センサ4は、本発明に係る「複数のセンサ」の一例として、上下左右の4個のセンサ4a〜4dからなり、各センサ4a〜4dは、投光部及び受光部を有する光投光型の赤外線センサであって、搬送車3の走行の障害となり得る障害物を検知可能である。図2に示すように、4個のセンサ4a〜4dは、搬送車本体部3aにおいて、前面の上下左右に取り付けられている。
【0059】
図3において、4個のセンサのうちの上センサ4aは、本体部3aの前方中央について、特にその遠点に設定された遠点エリアA1について検知を行う。下センサ4bは、本体部3aの前方中央について、特にその近点に設定された近点エリアA2について検知を行う。左センサ4cは、本体部3aの前方左方の近点に設定された左エリアA3について検知を行う。右センサ4dは、本体部3aの前方右方の近点に設定された右エリアA4について検知を行う。
【0060】
エンコーダ5は、本発明に係る「位置検出手段」の一例として、搬送車3の走行距離に係る値を出力し、制御部6に送る。制御部6は、軌道1に係る情報として、軌道1の状態、及び軌道1の近傍の状況を示す地図データを有する。制御部6は、エンコーダ5からの出力値を地図データに当て嵌めることで、搬送車3の位置を特定すると共に、搬送車3が通過したマーク(即ち、不動マークM1〜M7、及び可動マークS1,S2)を読み取る。尚、エンコーダ5の代わりに、マークを直接に読み取るマークリーダを備えてもよい。
【0061】
制御部6は、搬送コントローラ10からの搬送指示に従って、搬送車3の各部を制御する。制御部6は、本発明に係る「選択手段」の一例として、軌道1の状態、及び軌道1の近傍の状況に応じて、4個の障害物検知センサ4(即ち、センサ4a〜4d)のうち、障害物の検知に使用されるいくつかのセンサを選択する。制御部6は、本発明に係る「走行制御手段」の一例としても機能し、停止及び減速を含めて、走行速度を選択する。制御部6は、具体的に、エンコーダ5及び地図データから読み取られたマークに基づいて、軌道1の状態、及び軌道1の近傍の状況を特定する。制御部6は、特定された状態及び状況に対応して安定的な搬送を行うように、障害物検知のためのセンサ、又は走行速度を選択する。本実施形態では、このようなセンサ又は走行速度の選択は、搬送指示に先立って行われる初期設定で行われる。
【0062】
制御部6は、初期設定時に、マーク毎に選択されたセンサ及び走行速度を、マークに紐付けて記憶する選択動作テーブル20を作成する。制御部6は、作成した選択動作テーブル20を、搬送コントローラ10を介してデータベース9に送る。
【0063】
搬送コントローラ10は、軌道1に沿って走行する複数の搬送車3と無線により接続されており、これら複数の搬送車3を統括的に制御する。搬送コントローラ10は、本実施形態では特に、データベース9と接続されており、このデータベース9に対する搬送車3のアクセスを可能とする。
【0064】
データベース9は、本発明に係る「記憶手段」の一例として、制御部5からの選択動作テーブル20を記憶すると共に、軌道1の状態、及び軌道1の近傍の状況が変化されるのに伴って、選択動作テーブル20を更新可能とする。
【0065】
本実施形態に係る記憶手段について図4を参照して説明する。ここに図4は、本実施形態に係る記憶手段に記憶される一のテーブルである。本実施形態では、一のテーブルは、選択動作テーブル20であって、軌道1における不動マークM1から不動マークM7までの間を走行する搬送車3に適応される。
【0066】
図4において、選択動作テーブル20は、マーク(即ち、不動マークM1〜M3,M5〜M7、及び可動マークS1,S2)毎に、「マーク間距離」及び「選択動作」を示す。
【0067】
制御部5において、搬送車3が不動マークM1を通過した場合に、不動マークM1から不動マークM2までの800cm間、低速走行が実行される。搬送車3が不動マークM2を通過した場合に、不動マークM2から不動マークM3までの1000cm間、上下のセンサ4a,4bが有効に設定され、遠点エリアA1及び近点エリアA2(図3に示される)について検知が行われる。搬送車3が不動マークM3を通過した場合に、不動マークM3から可動マークS1までの1200cm間、上下のセンサ4a,4bが有効に設定され、遠点エリアA1及び近点エリアA2について検知が行われる。搬送車3が可動マークS1を通過した場合に、可動マークS1から不動マークM5までの800cm間、遠点の側壁12を検出しないように、下左右のセンサ4b〜4dが有効に設定され、近点及び左右のエリアA2〜A4について検知が行われる。搬送車3が不動マークM5を通過した場合に、不動マークM5から可動マークS9までの700cm間、前方及び左方の側壁12を検出しないように、右センサ4dのみが有効に設定され、右エリアA4について検知が行われる。搬送車3が可動マークS2を通過した場合に、可動マークS2から不動マークM6までの300cm間、全てのセンサ4a〜4dが有効に設定され、全エリアA1〜A4について検知が行われる。搬送車3が不動マークM6を通過した場合に、不動マークM6から不動マークM7までの300cm間、上下のセンサ4a,4bが有効に設定され、遠点エリアA1及び近点エリアA2について検知が行われる。並びに、搬送車3が不動マークM7を通過した場合に、高速走行が実行される。このように、制御部5は、選択動作テーブル20を用いて、軌道1の状態、及び軌道1の近傍の状況に応じて、検知エリア又は走行速度を切り替える動作選択制御を行う。
【0068】
尚、制御部5は、検知エリアにおける障害物の有無に応じて、走行速度が切り替えられたり、駆動を停止してもよい。
【0069】
このように軌道1に対する、柱11、側壁12等が固定的な存在が認識されていれば、選択動作テーブル20を、実際の搬送作業に先立って、一義的に構築することができる。しかも、このような選択動作テーブル20は、軌道1に変更が加えられた場合にも、或いは、柱11、側壁12等に変更が加えられた場合にも、容易にして更新可能である。即ち、軌道1に変更が加えられた場合等であっても、容易にして更新された後における選択動作テーブル20を用いることで、次に説明する動作選択制御処理を、適切に実行することが可能となる。
【0070】
(動作選択制御処理)
次に、本実施形態に係る搬送システムにおける動作選択制御処理について図5を参照して説明する。ここに図5は、本実施形態の動作選択制御処理を示すフローチャートである。
【0071】
図5において、先ず制御部5により、エンコーダ4の出力値に基づいて、搬送車3の走行距離が特定される(ステップS31)。すると、特定された走行距離と地図データとが比較され、搬送車3の位置が特定される(ステップS32)。続いて、特定された位置から、前回特定されたマークと異なるマークを通過したか否かが判定される(ステップS33)。この判定の結果、前回と異なるマークを通過した場合に(ステップS33:YES)、通過されたマークに対応する選択動作が、選択動作テーブル20から読み込まれ、実行される(ステップS34)。即ち、センサの選択が選択動作テーブル20に従って行われると共に、センサにより障害物が検出された場合には、走行速度の選択が選択動作テーブル20に従って行われる。これにより、一連の動作選択制御処理が終了される。
【0072】
一方、ステップS33の判定の結果により、前回と異なるマークを通過していない場合、即ち、未だ前回のマークと、次のマークとの間に搬送車3がある場合に(ステップS33:NO)、現在のセンサの選択状態や、センサにより障害物が検出された場合における走行速度の選択状態が継続され、一連の動作選択制御処理が終了される。
【0073】
このように、軌道1上のマークに対応される、軌道1の状態や軌道1の近傍の状況に応じて、選択動作が切り替わることによって、障害物の衝突を確実に防止すると共に、柱11や側壁12が誤検知される可能性が低くなるので、搬送工程に対応して安定的に搬送を行うことができる。
【0074】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う搬送車もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】実施形態に係る搬送システムに係る軌道及び搬送手段を示す模式図である。
【図2】図1の搬送車手段における複数のセンサの取り付け位置を示す搬送手段の前面図である。
【図3】図2の複数のセンサの検知範囲を示す搬送手段の上面図である。
【図4】実施形態に係る記憶手段における選択動作テーブルである。
【図5】実施形態に係る搬送システムによる動作選択制御処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0076】
1…軌道、3…搬送車、4…障害物検知センサ、6…制御部、10…搬送コントローラ、100…搬送システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軌道と、
前記軌道に沿って走行すると共に、被搬送物を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段に夫々取り付けられており、前記搬送手段の走行時に前記搬送手段及び前記被搬送物の少なくとも一部が接触する可能性のある障害物を、相異なる領域を検知領域として夫々検知可能な複数のセンサと、
前記搬送手段の走行位置に応じて、前記複数のセンサのうち前記障害物の検知に使用される少なくとも一のセンサを選択する選択手段と
を備えることを特徴とする搬送システム。
【請求項2】
前記選択手段は、前記軌道の状況及び前記軌道の近傍の状況に基づいて、前記軌道上における軌道位置に対応付けられる形で予め設定されている選択の仕方で、前記少なくとも一のセンサを選択することを特徴とする請求項1又は2に記載の搬送システム。
【請求項3】
前記選択の仕方を示す選択情報を、前記軌道位置に対応付ける形で格納する記憶手段を更に備え、
前記選択手段は、前記記憶手段から前記走行位置に一致する前記軌道位置に対応付けられた前記選択情報を取得し、前記取得された選択情報により示される前記選択の仕方で、前記少なくとも一のセンサを選択する
ことを特徴とする請求項2に記載の搬送システム。
【請求項4】
前記軌道に付けられており、前記軌道位置を示す又は前記軌道位置に加えて若しくは代えて前記軌道位置に対応付けられた形で前記選択手段による選択の仕方を示す識別マークと、
前記搬送手段に取り付けられており、前記走行位置に存在する前記識別マークを検出するマーク検出手段と
を更に備え、
前記選択手段は、前記検出された識別マークに基づいて、前記少なくとも一のセンサを選択する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の搬送システム。
【請求項5】
前記走行位置を検出する位置検出手段を更に備え、
前記選択手段は、前記検出された走行位置に基づいて、前記少なくとも一のセンサを選択する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の搬送システム。
【請求項6】
前記複数のセンサのうち少なくとも一のセンサにより前記障害物が検出されると、前記搬送手段の走行位置に応じて、前記搬送手段を停止又は減速する走行制御手段を更に備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の搬送システム。
【請求項7】
軌道と、
前記軌道に沿って走行すると共に、被搬送物を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段に夫々取り付けられており、前記搬送手段の走行時に前記搬送手段及び前記被搬送物の少なくとも一部が接触する可能性のある障害物を、相異なる領域を検知領域として夫々検知する複数のセンサと、
前記複数のセンサのうち少なくとも一のセンサにより前記障害物が検出されると、前記搬送手段の走行位置に応じて、前記搬送手段を停止又は減速する走行制御手段と
を備えることを特徴とする搬送システム。
【請求項8】
前記走行制御手段は、前記複数のセンサ別に、前記軌道上における軌道位置に対応付けられる形で予め設定されている停止又は減速の仕方で、前記搬送手段を停止又は減速することを特徴とする請求項7に記載の搬送システム。
【請求項9】
前記走行制御手段は、前記軌道の状況及び前記軌道の近傍の状況に基づいて、前記軌道位置に対応付けられる形で予め設定されている停止又は減速の仕方で、前記搬送手段を停止又は減速することを特徴とする請求項7又は8に記載の搬送システム。
【請求項10】
前記停止又は減速の仕方を示す停止減速情報を、前記軌道位置に対応付ける形で格納する記憶手段を更に備え、
前記走行制御手段は、前記記憶手段から前記走行位置に一致する前記軌道位置に対応付けられた前記停止減速情報を取得し、前記取得された停止減速情報により示される前記停止又は減速の仕方で、前記搬送車を停止又は減速する
ことを特徴とする請求項9に記載の搬送システム。
【請求項11】
前記軌道に付けられており、前記軌道位置を示す又は前記軌道位置に加えて若しくは代えて前記軌道位置に対応付けられた形で前記走行制御手段による停止若しくは減速の仕方を示す識別マークと、
前記搬送手段に取り付けられており、前記識別マークを検出するマーク検出手段と
を更に備え、
前記走行制御手段は、前記検出された識別マークに基づいて、前記搬送手段を停止又は減速することを特徴とする請求項7から10のいずれか一項に記載の搬送システム。
【請求項12】
前記走行位置を検出する位置検出手段を更に備え、
前記走行制御手段は、前記検出された走行位置に基づいて、前記搬送手段を停止又は減速する
ことを特徴とする請求項7から11のずれか一項に記載の搬送システム。
【請求項13】
軌道に沿って走行すると共に、被搬送物を搬送する搬送車であって、
本体部と、
前記本体部に夫々取り付けられており、前記搬送手段の走行時に前記搬送手段及び前記被搬送物の少なくとも一部が接触する可能性のある障害物を、相異なる領域を検知領域として夫々検知可能な複数のセンサと、
前記搬送手段の走行位置に応じて、前記複数のセンサのうち前記障害物の検知に使用される少なくとも一のセンサを選択する選択手段と
を備えることを特徴とする搬送車。
【請求項14】
軌道に沿って走行すると共に、被搬送物を搬送する搬送車であって、
本体部と、
前記本体部に夫々取り付けられており、前記搬送手段の走行時に前記搬送手段及び前記被搬送物の少なくとも一部が接触する可能性のある障害物を、相異なる領域を検知領域として夫々検知する複数のセンサと、
前記複数のセンサのうち少なくとも一のセンサにより前記障害物が検出されると、前記搬送手段の走行位置に応じて、前記搬送手段を停止又は減速する走行制御手段と
を備えることを特徴とする搬送車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−237866(P2009−237866A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−82674(P2008−82674)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(302059274)アシスト テクノロジーズ ジャパン株式会社 (146)
【Fターム(参考)】