説明

携帯型端末装置、プログラムおよび情報記憶媒体

【課題】表示部の向きや画像の向きが変わる場合であっても適切に拡大表示することが可能な携帯型端末装置等を提供すること。
【解決手段】携帯電話100が、複数のキーを有する操作部110と、複数の領域に区分可能な対象画像を含む画像を表示する表示部160と、操作部110に対する表示部160の方向が変化したかどうかを判定する判定部120と、前記複数の領域と、前記複数のキーとの対応付けを示す対応付けデータ142を記憶する記憶部140と、判定部120によって前記方向が変化したと判定された場合に変化後の方向に応じて対応付けデータ142を更新する更新部130と、操作部110のキー操作によって所定の領域の拡大指示があった場合に対応付けデータ142に基づいて前記キー操作に応じた領域を拡大した拡大画像を生成する画像生成部150とを含んで構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像の一部を拡大する機能を有する携帯型端末装置、プログラムおよび情報記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話等の携帯型端末装置が、テレビ受信機能を有し、テレビ画像を表示する場合がある。しかし、ハイビジョン放送に対応した映像フォーマットの表示画素数から構成されたデータ放送番組や電子番組ガイド(EPG)等が、携帯電話等の小型で低解像度のディスプレイに表示される場合、ディスプレイ自体が小さいために文字等も小さくなり、ユーザーが内容を把握しづらいという問題があった。また、映像フォーマットの表示画素数をディスプレイの画素数に合わせて間引いて表示する手法も考えられるが、この手法の場合、文字の一部が欠落したり、内容が歪んで表示されたりすることにより、内容が把握しづらいという問題があった。
【0003】
このような問題を解決するための手法として、特開2003−348474号公報では、タッチパネルにおいてユーザーによって指定された位置を中心として元データからディスプレイの画素数分のデータを切り出して間引き処理せずに表示する手法が提案されている。
【0004】
しかし、この手法ではタッチパネルが必要となる上、画像全体を表示する操作と画像の一部を拡大して表示する操作を繰り返し実行するための操作が煩雑となり、携帯型端末装置への適用には適さない。また、画像拡大時の操作性を向上させる手法として、特開2004−70912号公報では、表示画面の領域と数字キーとを対応付けて数字キーの操作によって当該数字キーと対応した領域を拡大して表示する手法が提案されている。
【特許文献1】特開2003−348474号公報
【特許文献2】特開2004−70912号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、回転するディスプレイを有する携帯電話やユーザーが画像の向きを変更(例えば、縦長の画像から横長の画像への変更等)できる携帯電話が販売されている。特開2004−70912号公報の手法では、このような場合に対応することができず、表示部の向きや画像の向きが変わる場合であっても適切に拡大表示することが可能な携帯型端末装置が求められている。
【0006】
本発明の目的は、表示部の向きや画像の向きが変わる場合であっても適切に拡大表示することが可能な携帯型端末装置、プログラムおよび情報記憶媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る携帯型端末装置は、複数のキーを有する操作部と、複数の領域に区分可能な対象画像を含む画像を表示する表示部と、前記操作部に対する前記表示部の方向および前記操作部に対する前記表示部における前記対象画像の方向の少なくとも一方が変化したかどうかを判定する判定部と、前記複数の領域と、前記複数のキーとの対応付けを示す対応付けデータを記憶する記憶部と、前記判定部によって前記方向が変化したと判定された場合に変化後の方向に応じて前記対応付けデータを更新する更新部と、前記操作部のキー操作によって前記複数の領域のうちの少なくとも1つの領域の拡大指示があった場合に前記対応付けデータに基づいて前記キー操作に応じた領域を拡大した拡大画像を生成する画像生成部と、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るプログラムは、複数のキーを有する操作部と、複数の領域に区分可能な対象画像を含む画像を表示する表示部と、記憶部とを有する携帯型端末装置のコンピュータにより読み取り可能なプログラムであって、コンピュータを、前記操作部に対する前記表示部の方向および前記操作部に対する前記表示部における前記対象画像の方向の少なくとも一方が変化したかどうかを判定する判定部と、前記複数の領域と、前記複数のキーとの対応付けを示す対応付けデータを前記記憶部に記憶させる記憶制御部と、前記判定部によって前記方向が変化したと判定された場合に変化後の方向に応じて前記対応付けデータを更新する更新部と、前記操作部のキー操作によって前記複数の領域のうちの少なくとも1つの領域の拡大指示があった場合に前記対応付けデータに基づいて前記キー操作に応じた領域を拡大した拡大画像を生成する画像生成部として機能させることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る情報記憶媒体は、複数のキーを有する操作部と、複数の領域に区分可能な対象画像を含む画像を表示する表示部と、記憶部とを有する携帯型端末装置のコンピュータにより読み取り可能なプログラムを記憶した情報記憶媒体であって、上記プログラムを記憶したことを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、携帯型端末装置は、方向の変化に応じて対応付けデータを更新することにより、表示部の向きや画像の向きが変わる場合であっても適切に拡大表示することができる。
【0011】
また、前記画像生成部は、前記拡大指示があった場合、前記拡大画像を生成する前に前記キー操作に応じた前記領域を示す確認画像を生成し、前記表示部は、前記確認画像を表示してもよい。
【0012】
これによれば、携帯型端末装置が、ユーザーに拡大対象領域を確認させてから画像を拡大することにより、ユーザーは、より確実に所望の領域を拡大することができる。
【0013】
また、前記操作部は、前記対象画像の区分数を示す区分数情報を入力し、前記判定部は、前記区分数が変更されたかどうかを判定し、前記更新部は、前記区分数が変更された場合、前記区分数に応じて前記対応付けデータを更新してもよい。
【0014】
これによれば、携帯型端末装置は、区分数が変更された場合であってもユーザーの指定に応じて適切な領域を拡大して表示することができる。
【0015】
また、前記画像生成部は、前記区分数に応じて画像を区分した区分画像を生成し、前記表示部は、前記区分画像を表示してもよい。
【0016】
これによれば、ユーザーは、区分画像が表示されることにより、拡大したい領域を指定しやすい。
【0017】
また、前記画像生成部は、画像の一部としてテレビ画像が表示される場合に、前記対象画像として画像全体またはテレビ画像の選択をユーザーに促す選択画像を生成し、前記表示部は、前記選択画像を表示し、前記更新部は、前記選択に応じて前記対応付けデータを更新してもよい。
【0018】
これによれば、携帯型端末装置は、テレビ画像における指定領域を拡大して表示したり、テレビ画像を含む画像全体における指定領域を拡大して表示したりすることができる。
【0019】
また、前記対応付けデータは、テレビ番組のチャンネルと対応付けられ、前記操作部は、テレビ番組の一覧表示指示を示す一覧表示指示情報を入力し、前記画像生成部は、前記一覧表示指示情報が入力された場合、前記対応付けデータに基づき、テレビ番組の一覧表示画像を生成し、前記表示部は、前記一覧表示画像を表示してもよい。
【0020】
これによれば、携帯型端末装置が、一覧表示画像を表示することにより、ユーザーは、テレビ番組のチャンネルの一覧から所望のチャンネルを選択することができる。
【0021】
また、前記操作部は、前記一覧表示画像が表示された状態で1つの番組の選択を示す単独番組選択情報を入力し、前記画像生成部は、前記単独番組選択情報が入力された場合、前記対応付けデータに基づき、選択された番組を拡大表示する単独番組表示画像を生成し、前記表示部は、単独番組表示画像を表示してもよい。
【0022】
これによれば、ユーザーは、テレビ番組のチャンネルの一覧から所望のチャンネルを選択して拡大表示することができる。
【0023】
また、前記操作部は、前記一覧表示画像が表示された状態で複数の番組の選択を示す複数番組選択情報を入力し、前記画像生成部は、前記複数番組選択情報が入力された場合、前記対応付けデータに基づき、選択された複数の番組を同時または順番に拡大表示する複数番組表示画像を生成し、前記表示部は、複数番組表示画像を表示してもよい。
【0024】
これによれば、携帯型端末装置が、ユーザーの選択に応じて複数の番組を同時または順番に拡大表示することにより、ユーザーは、複数の番組の内容を把握しやすい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明を携帯電話に適用した場合を例に採り、図面を参照しつつ説明する。なお、以下に示す実施例は、特許請求の範囲に記載された発明の内容を何ら限定するものではない。また、以下の実施例に示す構成のすべてが、特許請求の範囲に記載された発明の解決手段として必須であるとは限らない。
【0026】
(第1の実施例)
図1(A)は、第1の実施例における端部回転型の回転前の携帯電話100を示す図であり、図1(B)は、第1の実施例における端部回転型の回転後の携帯電話100を示す図であり、図1(C)は、第1の実施例における端部回転型の画像拡大後の携帯電話100を示す図である。また、図2(A)は、第1の実施例における中央回転型の回転前の携帯電話101を示す図であり、図2(B)は、第1の実施例における中央回転型の回転後の携帯電話101を示す図であり、図2(C)は、第1の実施例における中央回転型の画像拡大後の携帯電話101を示す図である。
【0027】
携帯電話100のように、表示ユニット10の右下端部を回転軸として表示ユニット10が回転することにより、操作ユニット20に対して表示ユニット10の画面が縦長(図1(A)に示す状態)から横長(図1(B)に示す状態)に変化する場合がある。また、携帯電話101のように、表示ユニット11が表示ユニット11の中央を回転軸として回転することにより、操作ユニット21に対して表示ユニット11の画面が縦長(図2(A)に示す状態)から横長(図2(B)に示す状態)に変化する場合がある。
【0028】
また、本実施例では、携帯電話100、101は、対象となる画像が複数(本実施例では9)の領域に区分され、ユーザーが操作ユニット20、21のキーを操作することにより、当該キーに応じた領域を拡大表示する機能を有する。
【0029】
第1の実施例では、携帯電話100、101は、このような表示ユニット10、11の回転を検出して表示ユニット10、11の状態に応じて、区分された各領域と操作ユニット20、21のキーとの対応付けを更新することにより、表示ユニット10、11が回転した場合であっても適切な領域を拡大することができる。
【0030】
次に、このような機能を有する携帯電話100の機能ブロックについて説明する。なお、携帯電話101も携帯電話100と同様の機能を有するため、以下、携帯電話100の機能について説明する。図3は、第1の実施例における携帯電話100の機能ブロック図である。
【0031】
携帯電話100は、携帯型端末装置の一種であり、複数のキーを有する操作部110と、画像を表示する表示部160と、操作部110に対する表示部160の方向が変化したかどうかを判定する判定部120と、種々のデータを記憶する記憶部140と、種々のデータを更新する更新部130と、種々の画像を生成する画像生成部150と、テレビ放送を受信するチューナー部170とを含んで構成されている。
【0032】
また、記憶部140は、表示部160における対象画像を構成する複数の領域と、複数のキーとの対応付けを示す対応付けデータ142、画像を生成するための画像データ144等を記憶している。ここで、対応付けデータ142について説明する。図4は、第1の実施例における対応付けデータ142のデータ構造を示す図である。
【0033】
対応付けデータ142の項目としては、例えば、表示部160における対象画像の区分数を示す「区分数」、対象画像の状態を示す「状態」、対象画像における区分された各領域の位置を示す「領域」、当該領域と対応付けられ、当該領域を拡大するキーを示す「キー」等が該当する。なお、ここで、対象画像とは、区分の対象となる画像のことである。例えば、画像の一部にテレビ画像が含まれ、テレビ画像が区分の対象となる場合、対象画像は、画像全体ではなく、テレビ画像である。
【0034】
また、「領域」は、画像の左上から右下に向かって順番に番号付けされている。例えば、図1(B)では3行3列の9つに対象画像が区分されているが、2行1列の位置にある「領域」は「4」であり、「キー」として「2」が定義されている。
【0035】
なお、携帯電話100の各部の機能を実装するためのハードウェアとしては、例えば、以下のものが採用されてもよい。例えば、操作部110としてはキー等、判定部120としてはCPU、表示ユニット10の状態を検出するスイッチ、表示ユニット10の回転状態を検出するロータリーエンコーダ等、更新部130としてはCPU等、記憶部140としてはRAM等、画像生成部150としては画像処理回路等、表示部160としては液晶ディスプレイ等、チューナー部170としてはワンセグ放送等の受信チューナー等が採用されてもよい。なお、表示ユニット10は、表示部160を含み、操作ユニット20は、操作部110を含む。
【0036】
また、携帯電話100は、これらの各部の機能を実装するためのプログラムを記憶した情報記憶媒体200から当該プログラムを読み取って各部の機能を実装してもよい。このような情報記憶媒体200としては、例えば、CD−ROM、DVD−ROM、ROM、RAM、HDD等を適用でき、そのプログラムの読み取り方式は接触方式であっても、非接触方式であってもよい。
【0037】
次に、携帯電話100の各部を用いた画像拡大までの処理手順について説明する。図5は、第1の実施例における画像拡大までの処理手順を示すフローチャートである。
【0038】
まず、判定部120は、スイッチ等を用いて表示ユニット10(表示部160)が回転したかどうかを判定する(ステップS1)。例えば、図1(A)に示す状態から図1(B)に示す状態になった場合、スイッチがオフからオンになり、判定部120は、表示ユニット10が回転したことを判定できる。
【0039】
表示ユニット10が回転した場合、更新部130は、当該回転に応じて対応付けデータ142を更新する(ステップS2)。具体的には、例えば、図1(A)に示す状態では対応付けデータ142の「領域」と「キー」は同じ番号であるが、図1(B)に示す状態になった場合、対応付けデータ142の「領域」と「キー」は、図4に示す状態になる。
【0040】
また、対応付けデータ142が更新された場合、画像生成部150は、対応付けデータ142の「区分数」と対象画像の画素数に応じて区分線(図2(B)では点線)を含む画像を生成し、表示部160は、当該画像を表示する(ステップS3)。具体的には、例えば、対象画像が水平方向320画素、垂直方向180画素であって、区分数が9である場合、水平画素位置107、214のそれぞれで垂直方向に区分線が表示され、垂直画素位置60、120のそれぞれで水平方向に区分線が表示される。
【0041】
また、判定部120は、操作部110から操作情報が入力されたかどうかを判定することにより、何らかの指示があったかどうかを判定する(ステップS4)。そして、判定部120は、指示があった場合、操作情報に基づき、当該指示の内容が終了指示かどうかを判定する(ステップS5)。終了指示の場合、携帯電話100は、処理を終了する。終了指示の操作としては、例えば、携帯電話100の電源キーを3秒程度押し続ける操作等が該当する。
【0042】
また、判定部120は、指示の内容が終了指示ではない場合、指示の内容が区分数変更指示かどうかを判定する(ステップS6)。区分数変更指示の場合、更新部130は、対応付けデータ142の「区分数」を更新するとともに、区分数に応じて「キー」を更新する(ステップS7)。例えば、図1(A)に示す状態で区分数が9から4に変わった場合、更新部130は、対応付けデータ142の「区分数」を「4」に更新するとともに、領域1〜4に対してそれぞれ「キー」として1、2、4、5を割り当てる。なお、区分数変更指示の操作としては、例えば、携帯電話100の♯キーを押してから区分数を示す数字キーを押す操作等が該当する。
【0043】
そして、対応付けデータ142が更新された場合、画像生成部150は、対応付けデータ142の「区分数」と対象画像の画素数に応じて区分線を含む画像を生成し、表示部160は、当該画像を表示する(ステップS8)。
【0044】
また、判定部120は、指示の内容が区分数変更指示ではない場合、指示の内容が拡大指示かどうかを判定する(ステップS9)。拡大指示の場合、更新部130は、対応付けデータ142の「状態」を更新する(ステップS10)。例えば、図1(B)に示す状態で数字キーの2が押された場合、「状態」を「領域4を拡大」に更新する。なお、拡大指示の操作としては、例えば、携帯電話100の対応付けデータ142の「キー」のいずれかに該当する数字キーを押す操作等が該当する。
【0045】
そして、拡大指示があった場合、画像生成部150は、対応付けデータ142の「状態」を参照して対象画像の対象領域を拡大した画像を生成し、表示部160は、当該画像を表示する(ステップS11)。例えば、図1(B)に示す状態で数字キーの2が押された場合、表示部160は、領域4、すなわち、2行1列の領域を拡大した画像を表示する。
【0046】
以上のように、本実施例によれば、携帯電話100は、表示ユニット10(表示部160)の方向の変化に応じて対応付けデータ142を更新することにより、表示ユニット10(表示部160)の向きが変わる場合であっても適切に拡大表示することができる。
【0047】
また、本実施例によれば、携帯電話100は、区分数の変更指示があった場合に対応付けデータ142の「区分数」を更新することにより、区分数が変更された場合であってもユーザーの指定に応じて適切な領域を拡大して表示することができる。
【0048】
また、本実施例によれば、ユーザーは、区分線を含む画像(区分画像)が表示されることにより、拡大したい領域を指定しやすい。
【0049】
(第2の実施例)
第1の実施例では、表示ユニット10の向きが変わる場合について説明したが、第2の実施例では、表示ユニット10における対象画像の向きが変わる場合について説明する。図6(A)は、第2の実施例における画像回転前の携帯電話102を示す図であり、図6(B)は、第2の実施例における画像回転後の携帯電話102を示す図であり、図6(C)は、第2の実施例における画像拡大後の携帯電話102を示す図である。
【0050】
例えば、図6(A)に示す状態では、表示ユニット12における対象画像の向きは、操作ユニット22における数字キーの向きと一致しているが、図6(B)に示す状態では、表示ユニット12における対象画像の向きは、操作ユニット22における数字キーの向きに対して右に90度回転した状態になっている。
【0051】
このように、ソフトウェア的な処理によって対象画像が回転する場合もある。このような場合、判定部120は、対象画像が回転したかどうかを判定し、更新部130は、対象画像が回転したと判定された場合、対応付けデータ142を更新する。
【0052】
そして、対象画像における所定の領域の拡大指示があった場合、画像生成部150は、対応付けデータ142に基づいて当該領域を拡大した画像を生成し、表示部160は、当該画像を表示する。例えば、図6(B)に示す状態で数字キーの2が押された場合、表示部160は、領域4、すなわち、2行1列の領域を拡大した画像を表示する。
【0053】
以上のように、本実施例によれば、携帯電話100は、対象画像の方向の変化に応じて対応付けデータ142を更新することにより、対象画像の向きが変わる場合であっても適切に拡大表示することができる。
【0054】
(その他の実施例)
なお、本発明の適用は上述した実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、画像生成部150は、上述した拡大指示(ステップS9)があった場合、拡大画像を生成する前にキー操作に応じた領域を示す確認画像を生成し、表示部160は、当該確認画像を表示してもよい。具体的には、例えば、画像生成部150は、確認画像として、キー操作に応じた領域を点滅する画像、当該領域の色や明るさを変化させた画像等を生成してもよい。
【0055】
これによれば、携帯電話100が、ユーザーに拡大対象領域を確認させてから画像を拡大することにより、ユーザーは、より確実に所望の領域を拡大することができる。
【0056】
また、対象画像は画像データ144に基づく画像には限定されず、例えば、チューナー部170によって受信されるテレビ画像等であってもよい。例えば、画像生成部150は、画像の一部としてテレビ画像が表示される場合に、対象画像として画像全体またはテレビ画像の選択をユーザーに促す選択画像を生成し、表示部160は、当該選択画像を表示し、更新部130は、当該選択に応じて対応付けデータ142を更新してもよい。
【0057】
これによれば、携帯電話100は、テレビ画像における指定領域を拡大して表示したり、テレビ画像を含む画像全体における指定領域を拡大して表示したりすることができる。また、これによれば、携帯電話100のように小さい画面であっても、ユーザーは、自分の所望の領域を拡大することができ、より見やすい状態でテレビを視聴することができる。
【0058】
また、対応付けデータ142は、テレビ番組のチャンネルと対応付けられ、操作部110は、テレビ番組の一覧表示指示を示す一覧表示指示情報を入力し、画像生成部150は、一覧表示指示情報が入力された場合、対応付けデータ142に基づき、テレビ番組の一覧表示画像を生成し、表示部160は、当該一覧表示画像を表示してもよい。
【0059】
これによれば、携帯電話100が、一覧表示画像を表示することにより、ユーザーは、テレビ番組のチャンネルの一覧から所望のチャンネルを選択することができる。
【0060】
また、操作部110は、一覧表示画像が表示された状態で1つの番組の選択を示す単独番組選択情報を入力し、画像生成部150は、当該単独番組選択情報が入力された場合、対応付けデータ142に基づき、選択された番組を拡大表示する単独番組表示画像を生成し、表示部160は、単独番組表示画像を表示してもよい。
【0061】
これによれば、ユーザーは、テレビ番組のチャンネルの一覧から所望のチャンネルを選択して拡大表示することができる。
【0062】
また、操作部110は、一覧表示画像が表示された状態で複数の番組の選択を示す複数番組選択情報を入力し、画像生成部150は、複数番組選択情報が入力された場合、対応付けデータ142に基づき、選択された複数の番組を同時または順番に拡大表示する複数番組表示画像を生成し、表示部160は、複数番組表示画像を表示してもよい。すなわち、ユーザーが拡大対象として選択する領域は1つには限定されず、複数であってもよい。
【0063】
これによれば、携帯電話100が、ユーザーの選択に応じて複数の番組を同時または順番に拡大表示することにより、ユーザーは、複数の番組の内容を把握しやすい。
【0064】
また、上述した実施例では、携帯電話100は、対象画像を区分する手法として、区分線を用いたが、例えば、領域ごとに色や明るさを変化させる手法、領域ごとに対応する数字キーを表示する手法等を採用してもよい。また、区分数は、9、4には限定されず、2、3、10等の任意の数を採用可能である。
【0065】
また、拡大率は可変であってもよい。例えば、ユーザーが「#」キーを押したと判定部120によって判定された場合、画像生成部150は、「#」キーが押されている間、拡大対象の領域を拡大し続けてもよい。また、例えば、ユーザーが「*」キーを押したと判定部120によって判定された場合、画像生成部150は、「*」キーが押されている間、拡大対象の領域を縮小し続けてもよい。また、画像生成部150は、所定のキー(例えば、「0」等)が押された場合に拡大を解除し、元の画像を生成してもよい。なお、操作対象のキーは、上述した数字キーや記号のキーには限定されず、適用される携帯型端末装置に応じて種々のキーを採用可能である。
【0066】
また、携帯型端末装置としては、携帯電話100だけでなく、例えば、フォトストレージ、携帯型ゲーム装置、PDA、携帯型ノートPC等の種々の装置が該当する。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】図1(A)は、第1の実施例における端部回転型の回転前の携帯電話を示す図であり、図1(B)は、第1の実施例における端部回転型の回転後の携帯電話を示す図であり、図1(C)は、第1の実施例における端部回転型の画像拡大後の携帯電話を示す図である。
【図2】図2(A)は、第1の実施例における中央回転型の回転前の携帯電話を示す図であり、図2(B)は、第1の実施例における中央回転型の回転後の携帯電話を示す図であり、図2(C)は、第1の実施例における中央回転型の画像拡大後の携帯電話を示す図である。
【図3】第1の実施例における携帯電話の機能ブロック図である。
【図4】第1の実施例における対応付けデータのデータ構造を示す図である。
【図5】第1の実施例における画像拡大までの処理手順を示すフローチャートである。
【図6】図6(A)は、第2の実施例における画像回転前の携帯電話を示す図であり、図6(B)は、第2の実施例における画像回転後の携帯電話を示す図であり、図6(C)は、第2の実施例における画像拡大後の携帯電話を示す図である。
【符号の説明】
【0068】
10〜12 表示ユニット、20〜22 操作ユニット、100〜102 携帯電話、110 操作部、120 判定部、130 更新部、140 記憶部、142 対応付けデータ、144 画像データ、150 画像生成部、160 表示部、170 チューナー部、200 情報記憶媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のキーを有する操作部と、
複数の領域に区分可能な対象画像を含む画像を表示する表示部と、
前記操作部に対する前記表示部の方向および前記操作部に対する前記表示部における前記対象画像の方向の少なくとも一方が変化したかどうかを判定する判定部と、
前記複数の領域と、前記複数のキーとの対応付けを示す対応付けデータを記憶する記憶部と、
前記判定部によって前記方向が変化したと判定された場合に変化後の方向に応じて前記対応付けデータを更新する更新部と、
前記操作部のキー操作によって前記複数の領域のうちの少なくとも1つの領域の拡大指示があった場合に前記対応付けデータに基づいて前記キー操作に応じた領域を拡大した拡大画像を生成する画像生成部と、
を含むことを特徴とする携帯型端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯型端末装置において、
前記画像生成部は、前記拡大指示があった場合、前記拡大画像を生成する前に前記キー操作に応じた前記領域を示す確認画像を生成し、
前記表示部は、前記確認画像を表示することを特徴とする携帯型端末装置。
【請求項3】
請求項1、2のいずれかに記載の携帯型端末装置において、
前記操作部は、前記対象画像の区分数を示す区分数情報を入力し、
前記判定部は、前記区分数が変更されたかどうかを判定し、
前記更新部は、前記区分数が変更された場合、前記区分数に応じて前記対応付けデータを更新することを特徴とする携帯型端末装置。
【請求項4】
請求項3に記載の携帯型端末装置において、
前記画像生成部は、前記区分数に応じて画像を区分した区分画像を生成し、
前記表示部は、前記区分画像を表示することを特徴とする携帯型端末装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の携帯型端末装置において、
前記画像生成部は、画像の一部としてテレビ画像が表示される場合に、前記対象画像として画像全体またはテレビ画像の選択をユーザーに促す選択画像を生成し、
前記表示部は、前記選択画像を表示し、
前記更新部は、前記選択に応じて前記対応付けデータを更新することを特徴とする携帯型端末装置。
【請求項6】
請求項5に記載の携帯型端末装置において、
前記対応付けデータは、テレビ番組のチャンネルと対応付けられ、
前記操作部は、テレビ番組の一覧表示指示を示す一覧表示指示情報を入力し、
前記画像生成部は、前記一覧表示指示情報が入力された場合、前記対応付けデータに基づき、テレビ番組の一覧表示画像を生成し、
前記表示部は、前記一覧表示画像を表示することを特徴とする携帯型端末装置。
【請求項7】
請求項6に記載の携帯型端末装置において、
前記操作部は、前記一覧表示画像が表示された状態で1つの番組の選択を示す単独番組選択情報を入力し、
前記画像生成部は、前記単独番組選択情報が入力された場合、前記対応付けデータに基づき、選択された番組を拡大表示する単独番組表示画像を生成し、
前記表示部は、単独番組表示画像を表示することを特徴とする携帯型端末装置。
【請求項8】
請求項6に記載の携帯型端末装置において、
前記操作部は、前記一覧表示画像が表示された状態で複数の番組の選択を示す複数番組選択情報を入力し、
前記画像生成部は、前記複数番組選択情報が入力された場合、前記対応付けデータに基づき、選択された複数の番組を同時または順番に拡大表示する複数番組表示画像を生成し、
前記表示部は、複数番組表示画像を表示することを特徴とする携帯型端末装置。
【請求項9】
複数のキーを有する操作部と、複数の領域に区分可能な対象画像を含む画像を表示する表示部と、記憶部とを有する携帯型端末装置のコンピュータにより読み取り可能なプログラムであって、
コンピュータを、
前記操作部に対する前記表示部の方向および前記操作部に対する前記表示部における前記対象画像の方向の少なくとも一方が変化したかどうかを判定する判定部と、
前記複数の領域と、前記複数のキーとの対応付けを示す対応付けデータを前記記憶部に記憶させる記憶制御部と、
前記判定部によって前記方向が変化したと判定された場合に変化後の方向に応じて前記対応付けデータを更新する更新部と、
前記操作部のキー操作によって前記複数の領域のうちの少なくとも1つの領域の拡大指示があった場合に前記対応付けデータに基づいて前記キー操作に応じた領域を拡大した拡大画像を生成する画像生成部として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
複数のキーを有する操作部と、複数の領域に区分可能な対象画像を含む画像を表示する表示部と、記憶部とを有する携帯型端末装置のコンピュータにより読み取り可能なプログラムを記憶した情報記憶媒体であって、
請求項9に記載のプログラムを記憶した情報記憶媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2008−171129(P2008−171129A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−2538(P2007−2538)
【出願日】平成19年1月10日(2007.1.10)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】