説明

携帯情報端末および携帯情報端末の画像表示制御方法

【課題】 パネルタッチのみによる簡便な画像編集を行うことが可能な画像表示制御方法。
【解決手段】 LCD部にタッチパネルを設けることによって、画像の所定の部分の拡大及び縮小が行え、更に、拡大・縮小・スクロール等の編集操作の切り替えを行う際に手順の多くなるような操作を必要としない、快適な画像編集を行うことが可能な画像表示制御方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示部にタッチパネルを合わせ設けることによって、画像の所望の部分の拡大及び縮小が行え、更に、拡大・縮小・スクロール等の編集操作の切り替えを行う際に手順の多くなるような操作を必要としない、快適な画像編集を行うことが可能な画像表示制御方法及び画像表示制御装置並びにこれを備えた携帯情報端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の携帯情報端末、とりわけ普及の進んでいる携帯電話機において、ダウンロード画像やカメラでの撮影画像などの各種画像を拡大・縮小・スクロールさせるための操作は、全てキー操作により行われており、拡大・縮小・スクロールはそれぞれ独立した操作となっていた。従って、例えば画像の所定のポイントを中心にして画像を拡大させたいような場合、まず拡大を行い、その後に表示させたいポイントが画像中心位置になる様にスクロールさせる(又は、表示させたいポイントが画像中心位置になる様にスクロールさせてから拡大を行う)といったように、2段階の異なる操作が必要となる。これは縮小させる場合についても同様である。また画面のスクロールに関しても、所定のポイントに至るまでに複数回のキー操作が必要となってしまう。以上述べたように、この様な操作形態では、画像の編集をスムーズに行うことができないという問題がある。
【0003】
この様な問題を解決する手段として、下記の特許文献1において表示部であるLCDにタッチパネルとしての機能を持たせ、拡大とスクロールを同時に操作させる方法が紹介されている。これによれば、あらかじめ画像の倍率を設定し、タッチパネル上の表示させたいポイントにタッチすることで、そのポイントを中心として指定の倍率で画像を拡大させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−233368号公報(第3−6頁、図5−6)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記手段では、設定した倍率が適切でなかった場合には、再度倍率を設定し直した上でタッチパネルによる操作をやり直す、または、ズームレバーによる倍率修正を行わなければならない。また、タッチパネル操作により倍率を変更させた画面を微妙にスクロールしたいというような場合においては、倍率を1倍に設定しなおした後に、タッチパネル操作により画面中心位置をスクロールさせる必要がある。このように、拡大操作と倍率設定操作というそれぞれ異なる操作が必要となるケースが考えられ、作業の一連性が損なわれるため、必ずしも利便性が増しているとは言えない。
【0006】
従って本発明の目的は、LCD部にタッチパネルを設けて、画像の所望の部分の拡大及び縮小が行え、更に、この拡大・縮小・スクロールの操作切り替えを行う際にキーやレバー等の多種な操作を必要とせず、パネルタッチのみによる快適な画像編集を行うことが可能な画像表示制御方法及び画像表示制御装置並びにこれを備えた携帯情報端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像表示制御方法は、表示機能と位置座標入力機能とを備えた画面表示部と、画像データを蓄積する画像メモリを有し、画像データに基づいて画面表示部に表示された画像の異なる複数の画像編集操作を実行する携帯情報端末の画像表示制御方法であって、画像を表示している画面表示部の任意の位置に任意の回数の短押し動作で入力された入力操作の回数に基づいて、複数の画像編集操作のうちの一つを指定する第1の検出ステップと、入力操作の画面表示部の位置に基づいて画面表示部の位置座標を検出し、検出した位置座標に対応する画像データにおける位置を指定する第2の検出ステップと、指定された画像編集操作に対応する画像データ編集操作を画像データに実行し、画像データにおける指定された位置を画面表示部の中心位置に対応させて、画像データ編集操作を実行した画像データに基づいて、画面表示部に画像を表示する表示制御ステップとを備えることを特徴とする。
【0008】
表示制御ステップは、指定された画像編集操作に対応する画像データ編集操作を実行した画像データに基づいて、画像データにおける指定された位置を画面表示部の中心位置に対応させて画面表示部に画像を表示する際に、画像データの範囲外の空白部分が表示されるか否かを判定し、画像データの範囲外の空白部分が表示されると判定した場合には、画像データの範囲外の空白部分が表示されないように画像データの指定された位置を補正して、指定された画像編集操作に対応する画像データ編集操作を実行した画像データに基づいて画面表示部に画像を表示する。
【0009】
異なる複数の画像編集操作は、指定された画像編集操作に対応する画像データ編集操作が実行される時点で表示されている表示画像を拡大する拡大表示と、指定された画像編集操作に対応する画像データ編集操作が実行される時点で表示されている表示画像を縮小する縮小表示とを含む。
【0010】
拡大表示の拡大率又は縮小表示の縮小率は、指定された画像編集操作に対応する画像データ編集操作の実行の前に予め設定されている。
【0011】
表示制御ステップは、指定された画像編集操作が、縮小表示である場合、指定された画像編集操作に対応する画像データ編集操作が実行される時点で表示されている表示画像が初期サイズであるか否かを判定し、表示画像が初期サイズの2倍である場合は、画像データに基づいて、画面表示部に初期サイズの画像を表示し、表示画像が初期サイズの2倍より大きい場合は、入力操作の画面表示部の位置に基づいて画面表示部の位置座標を検出する。
【0012】
本発明の携帯情報端末は、表示機能と位置座標入力機能とを備えた画面表示部と、画像データを蓄積する画像メモリを有し、画像データに基づいて画面表示部に表示された画像の異なる複数の画像編集操作を実行する携帯情報端末であって、画像を表示している画面表示部の任意の位置に任意の回数の短押し動作で入力された入力操作の回数に基づいて、複数の画像編集操作のうちの一つを指定する画像操作情報検出手段と、入力操作の画面表示部の位置に基づいて画像表示部の位置座標を検出し、検出した位置座標に対応する画像データにおける位置を指定する画像位置情報検出手段と、指定された画像編集操作に対応する画像データ編集操作を画像データに実行し、画像データにおける指定された位置を画像表示部の中心位置に対応させて、画像データ編集操作を実行した画像データに基づいて、画像表示部に画像を表示する表示制御手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
表示制御手段は、指定された画像編集操作に対応する画像データ編集操作を実行した画像データに基づいて、画像データにおける指定された位置を画面表示部の中心位置に対応させて画面表示部に画像を表示する際に、画像データの範囲外の空白部分が表示されると判定した場合は、画像データの範囲外の空白部分が表示されないように画像データの指定された位置を補正して、指定された画像編集操作に対応する画像データ編集操作を実行した画像データに基づいて、画面表示部に画像を表示する。
【0014】
異なる複数の画像編集操作は、指定された画像編集操作に対応する画像データ編集操作が実行される時点で表示されている表示画像を拡大する拡大表示と、指定された画像編集操作に対応する画像データ編集操作が実行される時点で表示されている表示画像を縮小する縮小表示である。
【0015】
拡大表示の拡大率又は縮小表示の縮小率は、指定された画像編集操作に対応する画像データ編集操作の実行の前に予め設定されている。
【0016】
表示制御手段は、指定された画像編集操作が縮小表示である場合であって、指定された画像編集操作に対応する画像データ編集操作が実行される時点で表示されている表示画像が初期サイズの2倍である場合は、画像データに基づいて、画面表示部に初期サイズの画像を表示し、表示画像が初期サイズの2倍より大きい場合は、入力操作の画面表示部の位置に基づいて画面表示部の位置座標を検出する。
【発明の効果】
【0017】
本発明の画像表示制御方法及び画像表示制御装置並びにこれを備えた携帯情報端末によれば、位置座標入力手段を備えた表示画面上における画像表示の形態を位置座標入力手段への2つの指定だけで制御することができる。僅かな手順で余計な操作を必要としないため、電子機器の操作が不得手なユーザでも容易に画像の操作を行うことができ、また操作手順を容易に飲み込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の折り畳み型携帯電話機の構成ブロック図である。
【図2】本発明の折り畳み型携帯電話機の外観図である。
【図3】本発明の画像表示制御方法による拡大表示例を示す図である。
【図4】本発明の画像表示制御方法による縮小表示例を示す図である。
【図5】本発明の画像表示制御方法によるスクロール表示例を示す図である。
【図6】本発明の画像表示制御方法による拡大表示における表示自動補正例を示す図である。
【図7】本発明の画像表示制御方法による縮小表示における表示自動補正例を示す図である。
【図8】本発明の画像表示制御方法における処理の全体を示すフローチャートである。
【図9】本発明の画像表示制御方法における表示拡大処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の画像表示制御方法における表示縮小処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の画像表示制御方法における表示スクロール処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0020】
図1は、本発明を実現するための回路をブロック図で示したものであり、図2は本発明を折り畳み型携帯電話機において実現した場合の外観図である。また、図3〜図7は本実施例における画像編集作業を行った場合のLCD表示例を示したものである。以下に、本実施例の構成について図面を参照して説明する。
【0021】
まず、本実施例における携帯電話機は、CPU1、無線部2、アンテナ3、メモリ部4、カメラ5、LCD6、タッチパネル7及びキー操作部8を備えており、電話としての用途以外にもカメラとしての使用も可能となっている。
【0022】
カメラの撮影、保存等の一連の制御はCPU1により行われ、カメラ5から取り込まれた画像データは、CPU1による画像処理が行われた後にLCD6に表示される。この時LCD6はファインダーとしての役割を果たしている。ここで撮影された画像はメモリ部4に保存される。
【0023】
無線部2はアンテナ3を介して通話音声やメールなどの無線データの送受信処理、及び、メロディーや画像などをダウンロードする際の無線データ受信処理を行う。
ダウンロードされたメロディーや画像データはCPU1による処理を経てメモリ部4に保存される。
【0024】
メモリ部4は、前述のダウンロードデータやカメラ撮影画像以外に、携帯電話機を動作させるための各種プログラムやID情報、電話番号等の携帯電話固有の情報を記憶しており、任意に書き込み・読み出しが可能であるものとする。
【0025】
LCD6は前述のファインダーとしての用途以外にも、携帯電話機を操作する上で必要な各種情報や画像の表示も行う。
【0026】
また、LCD6の前面にはタッチパネル7が配置されており、ダウンロード画像やカメラ撮影画像を閲覧する際の拡大・縮小・スクロール等の編集操作を行うことができる。各編集に応じた操作方法は任意に設定してもよいが、本実施例においては、例えば拡大操作は短押し1回、縮小操作は短押し2回、スクロール操作は任意方向へのスライドと設定する。拡大率・縮小率に関しても任意に設定できるが、本実施例においては拡大率を2倍、縮小率を1/2倍と設定する。
【0027】
まず、何らかの画像がLCD6に表示されている状態において、タッチパネル7による操作があると、CPU1は操作方法(拡大、縮小、またはスクロール)の判別を行う。ここで、操作内容が拡大または縮小であった場合には、図3および図4に示すようにタッチされたポイントを画像中心位置とし、指定された拡大率または縮小率で画像サイズを編集してLCD6に表示させる。操作内容がスクロールであった場合には、図5、図11に示すようにタッチパネル7上をスライドした分だけLCD6に表示している画像をスクロールさせる。
【0028】
また、CPU1は指定された画像編集を行った際に、画像範囲外の部分が表示される(すなわち、画面がはみ出てしまう)かどうかも判定する。そして、画像範囲外の部分が表示されてしまう場合には、図6および図7に示すように、編集後の画像が画像範囲内におさまる様に画像中心位置を補正する。特に図示していないが、スクロールに関しても同様の処理を行う。本実施例ではLCD6とタッチパネル7は別構成としているが、LCD6にタッチパネル7の機能を持たせてもよい。また、画像閲覧以外の携帯電話機における基本的な操作に関しては、主にキー操作部8で行われるが、タッチパネル7をキー操作部8の代用とすることもできる。
【0029】
次に、本実施例の動作について図面を用いて説明する。図8は、タッチパネル7の操作により画像を編集する際の大まかなフローを示したものであり、拡大・縮小・スクロールに関する詳細なフローは図9〜図11にて別途に示す。
【0030】
まず、図8を参照すると、メモリ部4には初期サイズ(未編集状態)の画像データが蓄積されている。CPU1は、蓄積されている初期サイズの画像データを読み出し、LCD6に初期サイズの画像を表示する。この状態において(S11)、CPU1はタッチパネル7押下による操作があったかどうかを検出する(S12)。S12において、CPU1がタッチパネル7押下による操作を検出した場合、CPU1はどの様なタッチパネル7の操作が行われたかを判別する(S13)。タッチパネル7の操作が短押し1回であった場合は画像の拡大表示処理を実行する(S14)。短押し2回であった場合は画像の縮小表示処理を実行する(S15)。また、スライドであった場合はスクロール表示処理を実行する(S16)。S14〜S16の各処理の終了後、S17において画像表示が終了していれば画像編集処理を終了し(END)、終了していなければ再度S12の処理に戻る。一方、S12において、CPU1がタッチパネル7押下による操作を検出しなかった場合は、S17の処理へと進む。S17において、画像表示を終了する場合は画像編集処理を終了し(END)、終了しない場合は再度S12の処理に戻る。
【0031】
次に、拡大・縮小・スクロールの各処理について図8〜図11を用いて詳細に説明する。まず表示拡大処理に関して説明を行う。図8および図9並びに図3を参照すると、S13において、CPU1はタッチパネル操作が短押し1回であることを検出する(S14)と、タッチパネル7上の押下されたポイントの座標を検出し、検出した座標から拡大時の画像中心位置を算出する(S21)。ここで算出した画像中心位置と拡大率から、拡大表示時に画像範囲外の空白部分が表示されるか(画像がはみ出ないか)を判定する(S22)。S23において画像範囲外の空白部分が表示されると判定した場合は、画像範囲外の空白部分が表示されないよう画像中心位置の補正を行い(S24)、補正した画像中心位置にて拡大表示させる(S25)。S23において画像範囲外の空白部分が表示されないと判定した場合は、S21で算出した画像中心位置にて拡大表示させる(S26)。
【0032】
ここで、画像メモリとLCDの画素サイズがほぼ同じである場合、画像の拡大表示(S26)は一例として次のように行われる。算出した画像中心位置と2倍の拡大率から、CPU1は、メモリ部4に蓄積されている画像メモリの画像中心位置を中心にして縦横1/2の初期サイズの画像データを、縦方向横方向とも順に読み出し、LCD6の画素に1つおきに書込んで×2の画像を表示する(図3の(A)から(B)へ)。なお、LCD6の画素に1つおきに書込んで×2の画像を表示した場合、書き込まれなかった画素は補間を施して表示することによって、画像の滑らかさを確保することができる。
【0033】
また、拡大表示時に画像範囲外の空白部分が表示されるか(画像がはみ出ないか)の判定(S28)は、初期サイズの画像データを読み出す時に画像メモリの領域を越えるか否かで判定することができる。
【0034】
再度短押し1回のタッチパネル操作が行われると、CPU1は、メモリ部4に蓄積されている画像メモリの画像中心位置を中心にして縦横1/4の初期サイズの画像データを、縦方向横方向とも順に読み出し、LCD6の画素に3つおきに書込んで×4の画像を表示する(図3の(B)から(C)へ)。
【0035】
次に表示縮小処理に関して説明を行う。図8および図10並びに図4を参照すると、S13において、タッチパネル操作が短押し2回であることをCPU1が検出する(S15)と、CPU1は現在の画像サイズが初期サイズであるかどうかを判定する(S31)。S31において初期サイズであった場合には、特に処理は行わず、逆に初期サイズでなかった場合には、画像サイズが2倍かどうかの判定を行う(S32)。S32において、画像サイズが2倍であった場合には初期サイズで表示を行い(S39)、画像サイズが2倍より大きい場合には、タッチパネル7上の押下されたポイントの座標を検出し、検出した座標から縮小時の画像中心位置を算出する(S33)。ここで算出した画像中心位置と縮小率から、縮小表示時に画像範囲外の空白部分が表示されるか(画像がはみ出ないか)を判定する(S34)。S35において画像範囲外の空白部分が表示されると判定した場合は、画像範囲外の空白部分が表示されないよう画像中心位置の補正を行い(S36)、補正した画像中心位置にて縮小表示させる(S37)(図7の(A)から(B)へ)。S35において画像範囲外の空白部分が表示されないと判定した場合は、S33で算出した画像中心位置にて縮小表示させる(S38)。
【0036】
ここで、表示画像サイズが×4であった場合、画像の縮小表示(S38)は一例として次のように行われる。算出した画像中心位置と縮小率から、CPU1は、メモリ部4に蓄積されている画像メモリの画像中心位置を中心にして縦横1/2の初期サイズの画像データを、縦方向横方向とも順に読み出し、LCD6の画素に1つおきに書込んで×2の画像を表示する(図4の(A)から(B)へ)。
【0037】
また、縮小表示時に画像範囲外の空白部分が表示されるか(画像がはみ出ないか)の判定(S34)は、初期サイズの画像データを読み出す時に画像メモリの領域を越えるか否かで判定することができる。
【0038】
再度短押し2回のタッチパネル操作が行われると、CPU1は、メモリ部4に蓄積されている初期サイズの画像データを、画像中心位置を中心にして1画素づつ読み出しLCD6の画素に隙間無く書込んで×1の画像を表示する(図4の(B)から(C)へ)。
【0039】
次に表示スクロール処理に関して説明を行う。図8および図11並びに図5を参照すると、S13において、タッチパネル操作がスライドであることをCPU1が検出する(S16)と、CPU1は現在の画像サイズが初期サイズであるかどうかを判定する(S41)。S41において初期サイズであった場合には、特に処理は行わず、逆に初期サイズでなかった場合、例えば×2の拡大サイズであった場合、タッチパネル7上をスライドさせた際の始点と終点の座標を検出し、画像のスクロール量を算出する(S42)。ここで算出したスクロール量で画像をスクロールさせた時に、画像範囲外まで及ぶかどうかを判定し(S43)、S44において、スクロールが画像範囲外まで及ぶと判定した場合には、画像範囲内におさまる範囲で表示をスクロールさせる(S45)。S44において、スクロールが画像範囲内でおさまると判定した場合には、指定されたスクロール量で表示をスクロールさせる(S46)。
【0040】
×2の拡大サイズであった場合のスクロール後の表示(S46)は、例えば次のように行われる。CPU1は、スライドさせた際の始点と終点の座標の検出によって画像のスクロール量を算出し、始点座標から初期サイズの画像座標上で終点座標を計算する。その終点座標を中心として初期サイズの1/2の画素範囲のデータを縦方向横方向とも順に読み出し、LCD6の画素に1つおきに書込んで×2のスクロールされた画像を表示する(図5の(A)から(B)へ)。
【0041】
また、スクロール表示時に画像範囲外の空白部分が表示されるか(画像がはみ出ないか)の判定(S43)は、初期サイズの画像データを読み出す時に画像メモリの領域を越えるか否かで判定することができる。
【0042】
以上説明したように、本発明の携帯電話機によれば、LCD部に設けたタッチパネルによって画像の拡大・縮小・スクロールといった操作を行うことができる。これにより、画像の所定の部分に触れるだけで、その部分を中心とした画像の拡大や縮小が行えるほか、タッチパネルに触れたままスライドすることで倍率をキープしたまま表示をスクロールすることが可能となるため、異なる複数の操作を同時に行うことができ、極めて簡単に希望する画像を編集することが可能となる。また、タッチパネルの操作方法によって編集内容が設定されているため、拡大・縮小・スクロールの編集切り替えを行う際も、余計な操作を必要としない。さらに画像編集により画像範囲外の空白部分が表示されてしまうような場合には、自動的に画像範囲外の空白部分が表示されないように補正する機能を有しているため、編集をやり直すような煩わしさも無くなるという効果もある。
【実施例2】
【0043】
本発明の第2の実施例としては、特に詳しく説明は行わないが、タッチパネルの操作方法を上方向のスライドで拡大、下方向のスライドで縮小、短押しでその部分を中心としたスクロールというようにすることも可能である。
【0044】
この実施例においては、上下のスライド量に応じて倍率が変化していくため、微妙なサイズ調整などを行う場合に有利である。すなわち、メモリ部4に蓄積されている初期サイズの画像データを、構成する画素を順に読み取ってLCDに画素1つおきに(×2)若しくは3つおきに(×4)表示するだけではなく、2つおき(×3)や3つおきに(×5)表示することによって、連続した拡大倍率で表示サイズを変化させることができる。
【0045】
なお、ここでは上下方向のスライドで拡大・縮小を行っているが、左右方向へのスライドで同様の機能を持たせてもよい。
【0046】
また、上記の2つの実施例の説明では、カメラの撮像素子と、画像を蓄積するメモリと、表示のLCDのもつ画素数は、同程度である場合を想定して説明したが、撮像素子や画像メモリの持つ画素数は表示LCDの持つ画素数より大きくすることによって、初期サイズからの表示画像の縮小や、拡大時の画質の向上並びに表示画像の拡大率や縮小率の刻みをより細かく設定することができる。
【0047】
また、上記の実施例では、表示部にLCDを用いた場合について説明しているが、表示パネルはこれに限定されるものではなく、電流発光型EL(エレクトロルミネッセンス)や電界発光型ELを含む画素配列型の全ての表示パネルを用いた場合においても本発明は有効である。
【0048】
また、上記の実施例では、表示部にタッチパネルを設けて画像表示制御を行う場合について述べた。しかしながら、必要とするのは表示機能と位置座標入力機能が合わせ設けられていることである。位置座標入力機能は、多くの物理的な原理に用いたものが実現されており、タッチパネルに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0049】
1 CPU
2 無線部
3 アンテナ
4 メモリ部
5 カメラ
6 LCD
7 タッチパネル
8 キー操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示機能と位置座標入力機能とを備えた画面表示部と、画像データを蓄積する画像メモリを有し、前記画像データに基づいて前記画面表示部に表示された画像の異なる複数の画像編集操作を実行する携帯情報端末の画像表示制御方法において、
前記画像を表示している前記画面表示部の任意の位置に任意の回数の短押し動作で入力された入力操作の前記回数に基づいて、前記複数の画像編集操作のうちの一つを指定する第1の検出ステップと、
前記入力操作の前記画面表示部の前記位置に基づいて前記画面表示部の位置座標を検出し、前記検出した位置座標に対応する前記画像データにおける位置を指定する第2の検出ステップと、
前記指定された画像編集操作に対応する画像データ編集操作を前記画像データに実行し、前記画像データにおける前記指定された位置を前記画面表示部の中心位置に対応させて、前記画像データ編集操作を実行した前記画像データに基づいて、前記画面表示部に画像を表示する表示制御ステップとを備える
ことを特徴とする携帯情報端末の画像表示制御方法。
【請求項2】
前記表示制御ステップは、
前記指定された画像編集操作に対応する前記画像データ編集操作を実行した前記画像データに基づいて、前記画像データにおける前記指定された位置を前記画面表示部の前記中心位置に対応させて前記画面表示部に画像を表示する際に、前記画像データの範囲外の空白部分が表示されるか否かを判定し、
前記画像データの範囲外の前記空白部分が表示されると判定した場合には、前記画像データの範囲外の前記空白部分が表示されないように前記画像データの前記指定された位置を補正して、前記指定された画像編集操作に対応する前記画像データ編集操作を実行した前記画像データに基づいて前記画面表示部に画像を表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯情報端末の画像表示制御方法。
【請求項3】
前記異なる複数の画像編集操作は、
前記指定された画像編集操作に対応する前記画像データ編集操作が実行される時点で表示されている表示画像を拡大する拡大表示と、
前記指定された画像編集操作に対応する前記画像データ編集操作が実行される時点で表示されている前記表示画像を縮小する縮小表示とを含む
ことを特徴とする請求項1または2に記載の携帯情報端末の画像表示制御方法。
【請求項4】
前記拡大表示の拡大率又は前記縮小表示の縮小率は、前記指定された画像編集操作に対応する前記画像データ編集操作の実行の前に予め設定されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の携帯情報端末の画像表示制御方法。
【請求項5】
前記表示制御ステップは、
前記指定された画像編集操作が、前記縮小表示である場合、
前記指定された画像編集操作に対応する前記画像データ編集操作が実行される時点で表示されている前記表示画像が初期サイズであるか否かを判定し、
前記表示画像が初期サイズの2倍である場合は、前記画像データに基づいて、前記画面表示部に初期サイズの画像を表示し、
前記表示画像が初期サイズの2倍より大きい場合は、前記入力操作の前記画面表示部の前記位置に基づいて前記画面表示部の位置座標を検出する
ことを特徴とする請求項3または4に記載の携帯情報端末の画像表示制御方法。
【請求項6】
表示機能と位置座標入力機能とを備えた画面表示部と、画像データを蓄積する画像メモリを有し、前記画像データに基づいて前記画面表示部に表示された画像の異なる複数の画像編集操作を実行する携帯情報端末において、
前記画像を表示している前記画面表示部の任意の位置に任意の回数の短押し動作で入力された入力操作の前記回数に基づいて、前記複数の画像編集操作のうちの一つを指定する画像操作情報検出手段と、
前記入力操作の前記画面表示部の前記位置に基づいて前記画像表示部の位置座標を検出し、前記検出した位置座標に対応する前記画像データにおける位置を指定する画像位置情報検出手段と、
前記指定された画像編集操作に対応する画像データ編集操作を前記画像データに実行し、前記画像データにおける前記指定された位置を前記画像表示部の中心位置に対応させて、前記画像データ編集操作を実行した前記画像データに基づいて、前記画像表示部に画像を表示する表示制御手段とを備える
ことを特徴とする携帯情報端末。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記指定された画像編集操作に対応する前記画像データ編集操作を実行した前記画像データに基づいて、前記画像データにおける前記指定された位置を前記画面表示部の前記中心位置に対応させて前記画面表示部に画像を表示する際に、前記画像データの範囲外の空白部分が表示されると判定した場合は、前記画像データの範囲外の前記空白部分が表示されないように前記画像データの前記指定された位置を補正して、前記指定された画像編集操作に対応する前記画像データ編集操作を実行した前記画像データに基づいて、前記画面表示部に画像を表示する
ことを特徴とする請求項6に記載の携帯情報端末。
【請求項8】
前記異なる複数の画像編集操作は、
前記指定された画像編集操作に対応する前記画像データ編集操作が実行される時点で表示されている表示画像を拡大する拡大表示と、
前記指定された画像編集操作に対応する前記画像データ編集操作が実行される時点で表示されている前記表示画像を縮小する縮小表示である
ことを特徴とする請求項6または7の何れかに記載の携帯情報端末。
【請求項9】
前記拡大表示の拡大率又は前記縮小表示の縮小率は、前記指定された画像編集操作に対応する前記画像データ編集操作の実行の前に予め設定されている、
ことを特徴とする請求項8に記載の携帯情報端末。
【請求項10】
前記表示制御手段は、前記指定された画像編集操作が前記縮小表示である場合であって、
前記指定された画像編集操作に対応する前記画像データ編集操作が実行される時点で表示されている前記表示画像が初期サイズの2倍である場合は、前記画像データに基づいて、前記画面表示部に初期サイズの画像を表示し、
前記表示画像が初期サイズの2倍より大きい場合は、前記入力操作の前記画面表示部の前記位置に基づいて前記画面表示部の位置座標を検出する
ことを特徴とする請求項8または9に記載の携帯情報端末。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2009−134307(P2009−134307A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−59210(P2009−59210)
【出願日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【分割の表示】特願2004−42847(P2004−42847)の分割
【原出願日】平成16年2月19日(2004.2.19)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】