携帯用照明機器の電気回路および再充電可能な携帯用電子機器における改善
フラッシュライト等、ポータブル式で再充電可能な電子機器であって、露出した充電端子および短絡保護回路を備えたものが開示される。短絡保護回路は、充電端子が短絡したときに、露出した充電端子の1つを電源から電気的に引き離す。電力供給を開成することなく、充電端子が引き離される。したがって、電子機器は、充電端子が短絡したままで作動を続けることができる。電子機器の電源は、再充電可能なリチウム−イオンバッテリパックである。また、フラッシュライトをオンにしたときランプのフィラメントを通して伝わる電流の初期サージを減じる回路を備えたフラッシュライトが提供される。この回路は、フラッシュライトをオンにしたときに電球バルブに作用するストレスを減じ、これにより、電球バルブの寿命が延びる。電気スイッチを備えたフラッシュライトも開示されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、フラッシュライト等の手で保持タイプの照明機器を含む携帯用電子機器、およびそれらに使用する電気回路に関する。
【背景技術】
【0002】
フラッシュライトを含む手で保持するタイプの様々な携帯用照明機器は、この分野で知られている。フラッシュライトは、一般的には、正負の電極を備えた乾電池バッテリを1または2以上含んでいる。
あるデザインにおいては、フラッシュライトを保持するためのバレルまたはハウジング内の電池室に、バッテリが直列に配置される。多くの場合、電気回路は、バッテリの電極から導電手段を介して確立される。この導電手段は、ランプ電球の電極に電気的に連結されている。ランプ電球を通過した後に、電気回路は、当該ランプ電球の第2の電極を介して、導電手段に電気的に接続されて続き、当該導電手段は、バッテリの他方の電極に電気的に接続される。
白熱灯電球は電球フィラメントを含んでいる。一般的に、回路は、これを開閉するスイッチを含んでいる。スイッチを操作して電気回路を閉じると、電流がランプ電球およびフィラメントを通過して流れ、白熱灯電球の場合には、これによって光が生成される。
【0003】
従来のフラッシュライトでは、機械的なスイッチ部材を使用して、スイッチオンしていた。これは、2つの端子を機械的に接続し、バッテリの正端子から、ランプを通して、バッテリの負端子へと、電流を流すことで達成される。
機械的なスイッチにおける不都合の1つは、構成要素が摩耗、破壊、または酸化される傾向があり、それらは物理的に発生して、回路を破壊する。さらに、機械的なスイッチでは、自動的あるは調整されたモードで、フラッシュライトのオンオフを制御することはできない。
【0004】
従来のフラッシュライトにおける別の不利益は、フラッシュライトがスイッチオンされたとき、即座に大電流がバッテリからランプフィラメントを通して流れ、これによりフィラメントに応力が作用する。このような電流のサージが発生する理由は、ランプフィラメントが冷えている場合、フィラメントの抵抗が非常に低いからである。
【0005】
本質的に、ランプフィラメントは1本のワイヤーであって、初期において、短絡を起こす。フィラメントが光を放射するまでに加熱されると、フィラメントに抵抗が生じる。したがって、フラッシュライトが最初にスイッチオンされるとき、電球が予定している電流量よりも極めて大きな電流が流れる。
この変遷期におけるサージ電流は、設計された電球の限界を越えるが、電球が壊れることはない程に、当該変遷期は非常に短い。しかしながら、フィラメントに応力が作用するので、時間とともに、当該突入電流によりランプは損傷を受ける。そして、最終的には、ランプフィラメントは破壊される。
実際のところ、この一時的な変遷期において、ランプフィラメントが最終破壊されることが多い。
【0006】
従来のフラッシュライトの別の不利益は、それらが一般に、アルカリまたは乾電池バッテリで駆動されているという点にある。アルカリまたは乾電池バッテリは、使い終わると捨てられる。ユーザは、交換用の新しい電池を購入しなければならない。電池交換は煩わしく、またユーザに追加の出費を強いる。さらに、アルカリまたは乾電池バッテリは重いので、フラッシュライト全体の重量も大きくなる。
【0007】
再充電可能な鉛酸バッテリが開発され、アルカリまたは乾電池に取って変わった。このタイプのバッテリは、充電と放電を繰り返して使用できるという利点がある。しかしながら、それらは比較的大きく、一定期間使用した後、液体の電解質を補充しなければならない。
その大きなサイズと、アルカリ/乾電池バッテリよりも重い重量により、再充電可能な鉛酸バッテリは、通常は、壁に固定される安全照明器具、オートバイ、自動車等に使用されている。鉛酸バッテリは、一般的には、フラッシュライトのようなポータブルの照明デバイスには適さないと考えられている。
【0008】
フラッシュライトにおいて、従来のバッテリに代えて、ニッケル・カドミウム電池およびニッケル−金属水素化物バッテリが使用されてきた。これらの電池は、軽量で使用に都合がよく、繰り返して充電と放電が可能であるというメリットを有する。
しかしながら、これらの電池には、大きな金属汚染をもたらすという不利益があり、その上、いわゆるメモリ効果を有している。このため、バッテリの寿命が短くなるのを回避するためには、充電を行う前には、未使用のすべてのパワーを放出し切ることが必要となる。
【0009】
携帯用電子機器のために改善された再充電可能なエネルギ源は、リチウムイオン電池である。リチウムイオン電池は、ニッケル・カドミウム電池およびニッケル−金属水素化物バッテリよりも、エネルギ密度が高く、自己放電速度が低い。さらに、リチウムイオン電池は、ニッケル・カドミウム電池およびニッケル−金属水素化物バッテリよりも、重量当たりのエネルギ割合が大きい。
しかしながら、リチウムイオン電池は、その安全限度を越えて充電された場合、あるいは、その端子同士が短絡した場合に、爆発することがある。さらに、リチウムイオン電池は、過放電の場合に、リチウム・イオン・セルが永久破損することがある。
したがって、ほとんどのリチウムイオン電池は、過充電、過放電、および短絡に対する保護機能を有する(ビルトインタイプの)内蔵保護回路を備えたバッテリパックとして利用されている。
このバッテリパック保護回路は、短絡が検出された場合に、リチウムイオン電池パックから電流が流れることを内部で防止する。したがって、電子機器の充電端子間に短絡が発生した場合、バッテリパック保護回路が作動し、当該機器は作動を停止する。
【0010】
このような不用意な中断を回避するため、再充電可能なリチウムイオン電池で駆動される携帯用電子機器の充電端子は、届きにくい、または隠れた場所に位置している。残念なことに、そのような構成が故に、バッテリ充電に際して、プラグ、特別な挿入具、位置合わせタブ、あるいは、複雑なクレードルが必要となる。
しかしながら、デザイン上の要求から充電端子またはリングが露出していることが必要となるフラッシュライトまたは他の再充電可能な機器においては、充電端子へのアクセスを妨げることは、有益な解決策ではない。
【0011】
仮に、充電端子が露出したフラッシュライトにおいて再充電可能なリチウムイオン電池が使用されたとして、例えば、ユーザの自動車キー等の金属物質により、露出した端子間に突発的に短絡が生じた場合、短絡を生じさせている金属物質が取り除かれるまで、ランプは点灯しないであろう。
ユーザが灯りのない領域で作業している場合、特に、法の執行や、個人的な緊急時において、そのような不用意な中断は危険である。ニッケル・カドミウム電池やニッケル−金属水素化物バッテリ等の他の再充電可能電池においては、充電回路内に単純なダイオードを置いて、充電リングまたは端子間の突発的な短絡を防止することができる。
しかし、そのような解決策は、リチウムイオン電池パックに対して実行可能ではない。かかる状況下では、単純なダイオードを使用することはできない。その理由は、リチウムイオン電池を充電する際には端子電圧を厳格に制御する必要があるのに、ダイオードの前方において電圧降下が大きく変動するからである。
【0012】
以上のことを考慮して、露出した充電端子を備えた携帯用電子機器(再充電可能なフラッシュライト等)においては、再充電可能なリチウムイオン電池を使用する技術は、受け入れられていない。
したがって、露出した充電端子を備えた再充電可能な機器(フラッシュライト等)において、改善された短絡保護手段に対する要求が存在する。さらに、上述した問題の1または2以上を改善する回路を備えたフラッシュライトに対する別の要求も存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、フラッシュライトおよび(または)再充電可能なデバイスに関連して上述した問題の1または2以上を解決する、あるいは少なくとも改善することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0014】
従って、本発明の第1局面により、露出した充電端子および短絡保護回路を備えた再充電可能な携帯用電子機器(フラッシュライト等)が提供される。短絡保護回路は、充電端子間に短絡が生じたとき、一方の充電端子を当該機器の再充電可能な電源から電気的に引き離す。当該充電端子は、当該機器の電力回路を開くことなく、電気的に引き離される。したがって、当該機器は、充電端子間が短絡したまま、作動し続けることができる。当該機器の電源は、再充電可能なリチウムイオン電池パックである。
【0015】
本発明の一実施形態おいて、再充電可能な電子機器は、
直流電源および電力消費負荷を含む主電力回路と、
第1電気経路を介して上記電源の第1電極に電気的に連結された第1充電端子と、
第2電気経路を介して上記電源の第2電極に電気的に連結された第2充電端子と、
第1充電端子と第2充電端子が短絡した場合、主電力回路外の位置において、第1電気経路を開くよう構成された短絡保護回路と、を備える。
【0016】
短絡保護回路は、主電力回路外の位置において、第1電気経路上で第1充電端子と第1電極との間に配置されたスイッチを含んでいることが好ましい。この短絡保護回路は、第1充電端子と第2充電端子が短絡した場合に当該スイッチを開く。
スイッチは、例えばトランジスタであって、電界効果トランジスタおよびバイポーラ・トランジスタのいずれであってもよい。好ましくは、スイッチは、pチャネルタイプの金属-酸化膜-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)である。
【0017】
短絡保護回路は、さらに比較器を含んでいてもよく、当該比較器は、第1入力信号の電圧と第2入力信号の電圧とを比較し、比較結果に基づいて、スイッチの開閉を行う。第1信号の電圧は、第1充電端子とグラウンドの間における電圧差に比例しており、第2信号の電圧は、上記電源の電圧に比例している。比較器は、例えば、コンパレータ、オペレーション・アンプ、ASIC(カスタムIC)、またはプロセッサで構成される。
第1充電端子とグラウンドの間における電圧降下が、バッテリの電圧にほぼ等しいか、それ以上である場合、スイッチは、オン状態となることを比較器から命令される。その結果、当該機器が充電器内にあれば、エネルギが充電端子から電源まで流れる。
第1充電端子とグラウンドの間における電圧降下がゼロである場合、スイッチは、オフ状態となるように命令される。したがって、充電端子間に短絡が生じた場合、スイッチはオフ状態となる(開かれる)。その結果、電源は、電力消費負荷に電力を供給し続けることができる。
【0018】
再充電可能な電子機器は、フラッシュライトであってもよい。また、直流電源は、再充電可能なリチウムイオン電池パックであってもよい。
充電端子間に短絡が生じた場合、短絡保護回路は、リチウムイオン電池パックに内蔵された短絡保護機能よりも早く、短絡を検出してクリアするように構成されている。このようにして、短絡保護回路は、露出した充電端子間に短絡が生じた場合、当該機器の作動が中断されないことを保証する。このことは、再充電可能なデバイスがフラッシュライトである場合、特に有利である。
【0019】
さらに他の実施形態においては、再充電可能なフラッシュライトが提供される。当該フラッシュライトは、
電源と、
主電力回路を介して上記電源に電気的に連結されたランプと、
第1電気経路を介して上記電源の第1電極に電気的に連結された第1充電端子と、
第2電気経路を介して上記電源の第2電極に電気的に連結された第2充電端子と、
主電力回路外の位置において、第1電気経路上に配置されたスイッチを制御する論理回路と、を備える。論理回路は、第1充電端子と第2充電端子が短絡した場合に、上記スイッチに信号を送って同スイッチを開くよう構成されている。
【0020】
本発明の第2の局面によれば、携帯用照明機器は、当該機器のランプを通って流れる電流を調節する回路を含む。この回路は、ランプがスイッチオンされたとき、ランプを通して流れる初期サージ電流を低減させる。
白熱灯電球を使用する照明機器の場合、そのような回路を使用することで、当該照明機器がスイッチオンされるときにランプ電球に作用する応力が減じられ、これにより、ランプ電球の寿命が伸びる。
【0021】
一実施形態においては、照明機器は、
電源、光源、電子パワースイッチを含む主電力回路と、
パワー制御回路と、を備える。
パワー制御回路は、電子パワースイッチに電気的に連結されていて、制御信号に応答して、電子パワースイッチを通過して流れる電流を調整する。
パワー制御回路は、当該照明機器がスイッチオンされるとき、電子パワースイッチを調整して、主電力回路が安定状態に達する前おいて、主電力回路内を流れるピーク電流を制限する。電子パワースイッチは、トランジスタで構成されていてもよく、光源は、フィラメントを含んでいてもよい。
好ましくは、電子パワースイッチは、nチャネルMOSFETで構成され、パワー制御回路は、修正された制御信号をこのMOSFETのゲートに送る。照明機器は、フラッシュライトであってもよい。
【0022】
好ましい実施形態においては、照明機器は、マイクロプロセッサと、当該マイクロプロセッサと上記電源の間の電気経路の開閉を行う機械的スイッチと、をさらに含む。マイクロプロセッサは、機械的スイッチから受け取った起動信号に応答して、パワー制御回路に制御信号を与える。パワー制御回路は、この制御信号を修正して、修正された制御信号を電子パワースイッチに送る。
この制御信号の電圧は、当該照明機器がスイッチオンされたとき、ステップ関数に従って変化する。上記修正された制御信号の電圧は、照明機器がスイッチオンされた後、時間とともに増加する。
上記修正された制御信号の電圧は、照明機器がスイッチオンされた後、時間とともに指数関数的に急増することが好ましい。
【0023】
他の実施形態においては、照明機器はフラッシュライトであって、当該フラッシュライトは、
電源、ランプ、電子パワースイッチを含む主電力回路と、
電子パワースイッチに電気的に連結されていて、フラッシュライトがオン状態にあるとき、電子パワースイッチに信号を送るパワー制御回路と、を備える。
この実施形態では、電子パワースイッチが主電力回路へ流すことのできる電流量は、電子パワースイッチに与えられた信号電圧に応じて変わり、
パワー制御回路は、フラッシュライトがスイッチオンされたとき、所定時間の間に電子パワースイッチを通過して流れる電流量を増加させるよう、信号電圧を変化させるよう構成されている。
【0024】
好ましくは、上記所定時間は、フラッシュライトがスイッチオンされた後、主電力回路が安定状態に達するのに要する時間よりも長く設定される。ランプがフィラメントを含んでいる場合、上記所定時間はフィラメントの熱的時定数よりも長いことが好ましい。
一般的には、上記所定時間は、10ミリセカンドあるいはそれよりも長く、より好ましくは、40ミリセカンドあるいはそれよりも長い。
【0025】
1つの実施形態においては、パワー制御回路は、信号電圧を指数関数に従って変化させる(好ましくは、増加していく指数関数)。当該指数関数の時定数は、パワー制御回路に含まれる抵抗器およびキャパシタの値によって決まる。
【0026】
電子パワースイッチは、電界効果トランジスタまたはバイポーラ・トランジスタ等のトランジスタで構成されてもよい。好ましくは、電子パワースイッチは、MOSFETで構成される。電子パワースイッチが電界効果トランジスタで構成される場合、当該トランジスタのゲートに信号が送られる。
【0027】
フラッシュライトは、
マイクロプロセッサと、当該マイクロプロセッサと上記電源の間の電気経路の開閉を行う機械的スイッチと、をさらに含んでいてもよい。
マイクロプロセッサは、機械的スイッチから受け取った起動信号に応答して、パワー制御回路に制御信号を与える。パワー制御回路は、当該制御信号を修正して、電子パワースイッチに送る信号を生成する。
上記制御信号の電圧は、当該フラッシュライトがスイッチオンされたとき、ステップ関数に従って変化することが好ましい。電子パワースイッチに送られる信号は、時間とともに指数関数的に急増することが好ましい。
【0028】
本発明の別の態様において、上述した態様の構成要素を組み合わせてもよい。
【0029】
本発明のさらに別の態様、目的、望ましい特徴、および利点は、添付の図面を参照して行う以下の説明から、より明確に理解できるであろう。そこでは、多くの実施形態が例示されている。しかし、図面は単に例示を目的としたものであって、本発明の範囲を規定することを意図したものではない。そのことは、明確に理解されなければならない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
説明を簡単にするため、1つの図においてある要素を表わす参照数字は、他の図においても同じ要素を表わす。
【0031】
本発明の一実施形態に係るフラッシュライト10を、図1の斜視図に示した。フラッシュライト10は、本発明の多くの態様を備えている。これらの態様はすべてフラッシュライト10に組み入れられているが、本発明がここに記載したフラッシュライト10に限定されるものではないことを、理解すべきである。むしろ、本発明は、以下に説明するフラ
ッシュライトの各特徴のそれぞれに、あるいはその組み合わせに関連する。
さらに、この分野における当業者にとっては、本明細書における開示を読めば、本発明の1または2以上の態様が他の電子機器にも組み込み可能であることは自明である。他の電子機器とは、例えば、携帯電話、携帯ラジオ、玩具、および他の非ポータブルの照明装置である。
【0032】
図1〜4を参照すると、フラッシュライト10は、バレル21を含んでいる。バレル21の後端は後部キャップ22で閉じられ、前端はヘッド/スイッチアセンブリ23で閉じられている。
【0033】
バレル21は、好ましくはアルミニウムで作られる。この分野で知られているように、バレル21には、その軸方向の所定範囲において、機械加工でギザギザをつけるようにしてグリップ表面27が形成されている。
【0034】
この実施形態では、バレル21は、再充電可能なリチウムイオン電池パック60を収容する形態とされている。バッテリパック60は、1または2以上のリチウムイオン電池セルから構成される。好ましくは、バッテリパック60は、物理的には直列に配置された(すなわち端部同士を付き合わせて配置された)少なくとも2個のリチウムイオンセルから構成されるが、これらのセルは電気的には並列に接続されている。他の実施形態においては、2つのセルを電気的に直列に接続することが望ましい。
さらに、バレル21は、物理的に並列に配置された(横並びに配置された)2または3以上のリチウムイオン電池またはセルで構成されるバッテリパック60を収容するように構成されてもよい。各セルは、フラッシュライトの設計上の要求に応じ、電気的には、直列または並列に接続される。
さらに、図示したフラッシュライト10の実施形態では、リチウムイオン電池パック60が電源として使用されているが、本発明の他の実施形態では、他のDC電源を使用することができる。例えば、乾電池バッテリ、および他のタイプの充電式電池である。
【0035】
図5に最もよく示したように、再充電可能なリチウムイオン電池パック60は、好ましくは、短絡保護回路86を内蔵している。このタイプのバッテリパックは、市場において容易に入手できるもので(BYD社等が供給している)、バッテリパックの電極が短絡した場合には、当該バッテリパックからの電流を断ち切る。
【0036】
後部キャップ22も、好ましくはアルミニウムで作られており、この分野で従来からあるように、バレル21の内側に形成された係合ネジと係合するように構成されている。しかしながら、バレル21に後部キャップ22を取り付ける他の適切な手段を使用してもよい。
図2に最もよく示されているように、後部キャップ22とバレル21の境界部には、リップシール等の一方向弁68が配置されて、防水シールを提供している。しかしながら、当業者には理解できるように、一方向弁68に代えて、例えばOリング等、他の形態のシール要素を使用して防水シールを形成してもよい。
一方向弁68は、後部キャップ22に形成された周方向溝70内に保持されている。さらに、一方向弁68は、フラッシュライト10内の過剰圧力を大気へと逃がすと同時に、外部からフラッシュライト10内側への流れを防ぐように、その向きが決められている。
【0037】
フラッシュライトにおける一方向弁のデザインおよび使用は、Anthony Maglicaに付与された米国特許第5,113,326号に詳細に説明されている。当該特許明細書は、言及することで本明細書の一部を構成する。
【0038】
アルミニウムで作った場合、バレル21および後部キャップ22の表面は、陽極処理されることが好ましい。例外として、フラッシュライトの電気回路を形成するため、これらの表面が他の金属表面との電気的接触を形成する場合がある。
この実施形態では、電気経路は、バレル21とリチウムイオン電池パック60のケース電極61との間に、導電部材72およびスプリング74によって形成される。スプリング74は、バレルとケース電極の間の電気経路を形成することに加えて、バッテリパック60を前方へ付勢する。これにより、バッテリパック60の中心電極63は、スプリング付勢された導体76の端部に圧接される。導体76は、保持ボルト57内を貫通するように、同保持ボルト57で支持されている。
【0039】
この実施形態において、ヘッド/スイッチアセンブリ23は支持構造体28を含んでおり、当該支持構造体28には、他の要素が多数配置されている。例えば、ヘッド24、フェースキャップ25、充電端子44、プリント回路基板46、スリーブ50、スイッチ52、および可動ランプアセンブリ100等である。
生産を容易にするため、支持構造体28は、射出成型プラスチックで作ることが好ましい。一方、ヘッド24、フェースキャップ25、およびスリーブ50は、陽極処理アルミニウムで作るのが好ましい。
【0040】
この実施形態では、支持構造体28は、前部31、中間部33および後部35を備える中空の支持構造体である。
前部31は、大略カップ状の受入れ領域37を備える。中間部33(これは前部31から後方に延在する)は、大略円筒状の内部表面39を含む。後部35(これは中間部33から後方に延在する)は、ネジが切られた対向する2つのアーチ形フィンガー55を含む(そのうちの1方だけが、図2〜4の断面図中に現れている)。
【0041】
フェースキャップ25は、支持構造体28上に、レンズ26および反射器30を保持する。この実施形態のフェースキャップ25は、支持構造体28の前部31に形成された外ネジ29にネジ係合するように構成されている。しかしながら、他の実施形態では、他の取付け態様を採用してもよい。
図示したように、反射器30は、支持構造体28の前部31のカップ状受入れ領域37内に配置されている。反射器30の外表面およびこれに対応する支持構造体28の内表面には、それぞれ位置決め構造体32、34が配置されていて、これにより、反射器30と支持構造体28の適切な位置合わせを確保する。
【0042】
ヘッド24の直径は、バレル21およびスリーブ50の直径よりも大きい。ヘッド24は、また、バレル21およびスリーブ50の外径側を通過できるように構成されている。ヘッド24の内表面36は、選択された位置において、支持構造体28の外表面38に適合するように構成されていて、キャップ25および支持構造体28に対して、ヘッド24を適切に位置決めする。
支持構造体28の外表面38に周方向に延在する溝41内に、圧縮可能な止めリング40(ゴム製のOリング等)が配置されていて、支持構造体28と、ヘッド24の内表面36上に配置される構造体(例えば、周方向リップ42)との間に、締まり嵌めを構成している。
圧縮可能な止めリング40は、また、支持構造体28とヘッド24の前端との間から湿気および汚れがヘッドアセンブリ内に入ることを防止する。
【0043】
外部充電端子44、48は、フラッシュライト10の前方部分に設けられている。この実施形態では、充電端子44、48が充電リングの形態を為し、充電する手順を単純化している。しかし、他の実施形態では、接触44、48が他の形態であってもよい。
この実施形態では、プリント回路基板46は、充電端子44と48の間に間置される。プリント回路基板46は、充電端子44、48と電気的に連通状態となるように構成される。同時に、プリント回路基板46は、充電端子44と48が短絡により直接電気接続しないように両者を分離している。
プリント回路基板46と充電端子44、48との間の電気的な連通は、プリント回路基板46と各充電端子44、48とのインターフェース部に導電トレースを形成することで達成されている。
【0044】
外部充電端子44は、支持構造体28の外表面38(好ましくは中間部33の後端付近)に配置されたアルミニウムリングであることが好ましい。バレル21が陽極処理アルミニウムで作られる場合、外部充電端子48は、バレル21と一体に形成されてもよい。これは、バレルを部分的に機械加工して、充電端子48の位置から陽極処理部をすべて取り除くことによって、あるいは、バレル21を陽極処理する前に充電端子48の位置をマスクすることによって、実現される。
この実施形態では、充電端子48は、バレル21の前端に位置している。
【0045】
上述したように、ヘッド/スイッチアセンブリ23には、スリーブ50も含まれる。スリーブ50は、支持構造体28の外表面38を覆うように配置されて、充電端子44からヘッド24の後縁53の下方位置にまで延在する。スリーブ50は、好ましくは陽極処理アルミニウムで作られているが、他の金属またはプラスチックで作られてもよい。
上記構成の結果、この実施形態では、プリント回路基板46およびスイッチ52で形成される外表面を除いて、フラッシュライト10の外表面すべてが金属で作られる(好ましくはアルミニウム)。
【0046】
スリーブ50に形成された孔51を通して、スイッチ52のスイッチカバー54が延在している。スイッチカバー54を囲むスリーブ50の外表面には傾斜が設けられ、フラッシュライト10の操作感を向上させている。また、スリーブ50には、ヘッド24の後縁53付近の位置において、周方向に延在する溝56が形成されていて、ここにシール要素58(例えばOリング)が位置決めされる。これにより、ヘッド24とスリーブ50の間に防水シールが形成される。
同様に、スイッチカバー54は、型成形されたゴムまたはラテックスで作ることが好ましい。図3および4に最も良く示されるように、スイッチカバー54は、湿気および汚れが貫通孔51を通してヘッド/スイッチアセンブリ23に入ることを防ぐように構成するのが好ましい。
【0047】
この実施形態では、ランプ59は、ヘッド/スイッチアセンブリ23内に着脱可能に取り付けられていて、反射器30に形成した中心孔を通して、反射器30内に突出する。特に、ランプ59は、可動ランプアセンブリ100に取り付けられ、このアセンブリ100が、支持構造体28の中間部33内にスライド可能に取り付けられる。
【0048】
ランプ59は光を発する適当なデバイスで構成することができるが、この実施形態のランプ59は、白熱灯電球である。2ピン白熱灯電球がより好ましい。
しかしながら、本発明の他の実施形態では、ランプ59は、例えばLEDランプまたはアーク灯で構成されてもよい。
【0049】
この実施形態では、可動ランプアセンブリ100は、調節可能なボールハウジング102、ボール形の調節可能な電球ホルダ104、エンドキャップ106、保持体108、保持スプリング110、スプリング付勢導体112、スプリング114、導体ポスト116、およびカムフォロアアセンブリ117を含んでいる。
【0050】
図3および4に見られるように、ランプ59は、ボール形の調節可能な電球ホルダ104に保持される。そして、この電球ホルダ104は、調節可能なボールハウジング102内に取り付けられる。ボールハウジング102は、その前端において部分的に、壁103の内側に収容されている。壁103は凹状面118を含んでいて、ここにボール形電球ホルダ104が調節可能に保持される。
保持体108は、調節可能なボールハウジング102内でスライド可能であって、凹状面120を含む。凹状面120は、ボール形の調節可能な電球ホルダ104の反対側の面に対してスライド可能に当接する。
エンドキャップ106は、調節可能なボールハウジング102の後端を収容し、そこに固定される。
保持スプリング104は、固定されたエンドキャップ106とスライド可能保持体108との間に配置されて、凹状面120がボール形の調節可能な電球ホルダ104に当接するまで、保持体108をフラッシュライト10の前端に向かって付勢する。この結果、ボール形の調節可能な電球ホルダ104は、壁103の凹状面118と保持体108の凹状面120との間に調節可能に保持される。
【0051】
ボール形の調節可能な電球ホルダ104は、金属部分122、第1端子ホルダ124、および第2端子ホルダ126を含む。この実施形態では、金属部分122は、貫通孔を備えた球体領域を備える。第1端子ホルダ124および第2端子ホルダ126は、プラスチック等の非導電性材料から作られ、金属部分122の貫通孔内に適当な締まり嵌めを形成するように構成されている。
第2端子ホルダ126は、球面の一部をなす形状のヘッド部分を含んでいる。これにより、ボール形の調節可能な電球ホルダ104は、金属部分122との組合せによって、実質的に球状の外表面を備えることとなる。
【0052】
ランプ59の電極は、第1端子ホルダ122内を延在している。そこでは、正電極端子および負電極端子は、摩擦力で保持されることが好ましい(不図示)。一方の電極端子(この実施形態では負の端子)は、第1および第2端子ホルダ124、126の当接面の間を延在するように構成されていて、ボール形の調節可能な電球ホルダ104の金属部分122に対する電気接続を実現している。
もう一方の電極端子(この実施形態では正の端子)は、第1および第2端子ホルダ124、126を貫通して延在しており、スプリング付勢導体112と当接する表面を含んでいる。
【0053】
可動ランプアセンブリ100の構造は、2004年3月16日に出願された係属中の米国特許出願第10/802,265の図6〜18に詳細に説明されており、当該内容は、言及することにより、本件明細書の一部を構成している。
【0054】
ボール形の調節可能な電球ホルダ104の金属部分122は、調節可能なボールハウジング102(これもまた金属で作られている)と電気的に連通している。調節可能なボールハウジング102は、さらに、板バネ導体128と電気的に連通している。板バネ導体128の一部分は、調節可能なボールハウジング102の外面とスライド可能に接触している。
板バネ導体128は、また、プリント回路基板46上の接触パッド62において、当該プリント回路基板46と電気的に連通している。
【0055】
接触ポスト116は、エンドキャップ106およびスイッチハウジング80を貫通して延在している。接触ポスト116は、摩擦力によってスイッチハウジング80に保持されていて、当該ポスト116の後端が、プリント回路基板46のバイア64と電気的に連通している。この実施形態では、バイア64は、プリント回路基板46の中央を貫通している。
接触ポスト116は、その前端にて、エンドキャップ106に形成した貫通孔内にスライド可能に支持されている。接触ポスト116の前端に設けたカップ状部分130は、スプリング114の一端を支持するよう構成されている。スプリング114の他端は、スプリング付勢導体112を付勢して、当該導体112を、ボール形の調節可能な電球ホルダ104の第2端子ホルダ126を貫通して延在する電極端子の露出部分に当接させる。
この実施形態においては、スプリング付勢導体112もまたカップ状であって、カップ状部分130の直径よりもやや大きい直径を有する。これにより、スプリング付勢導体112は、カップ状部分130の外周面上にスライド可能に係合することができ、これら両部材の間にスプリング114が保持される。
【0056】
支持構造体28の後部35に設けられたネジの切られた2つのアーチ形フィンガー55によって、ヘッド/スイッチアセンブリ23は、バレル21に取り付けられる。当該2つのアーチ形フィンガー55は、プリント回路基板46を貫通して延在している。両フィンガー55は、その外面および内面の両方にネジが切られている。
フィンガー55の外ネジは、バレル21の前端に形成された内ネジと係合する。ヘッド/スイッチアセンブリ23をバレル21にネジ係合させた後、保持ボルト57をフィンガー55の内ネジにネジ係合させる。
保持ボルト57は、アーチ状フィンガー55を拡げ得る形状のテーパ軸59を含んでいて、これにより、ヘッド/スイッチアセンブリ23がバレル21にロックされる。
【0057】
スプリング付勢導体76は、保持ボルト57の中央キャビティ66内において、プリント回路基板46と端壁67との間に圧縮可能に保持される。また、スプリング付勢導体76は、プリント回路基板46上のバイア64を、再充電可能なリチウムイオン電池パック60の中心電極63に電気的に連結している。
【0058】
図5はフラッシュライト10の回路図であって、本発明に係る電気回路の好ましい実施形態を模式的に表わしている。図5に示したように、フラッシュライト10は、主電力回路400、スイッチ52、デバウンス回路500、マイクロプロセッサ制御回路600、パワー制御回路700、充電端子44、48、および短絡保護回路800を含んでいる。
この実施形態では、デバウンス回路500、マイクロプロセッサ制御回路600、パワー制御回路700、および短絡保護回路800は、すべてプリント回路基板46上に形成されている。しかし、他の実施形態において、他の配置とすることも可能である。
【0059】
この実施形態の主電力回路400は、再充電可能なリチウムイオン電池パック60、電気経路402、ランプ59、電気経路404、および電子パワースイッチ702を含む。
【0060】
図5に最もよく示されているように、再充電可能なリチウムイオン電池パック60は、短絡保護回路86を内蔵している。このようなビルトインタイプの短絡保護回路86は、リチウムイオン電池パック60内において、リチウムイオンセル88と直列で配置されている。
図示した実施形態では、短絡保護回路は、リチウムイオンセル88の負電極とバッテリパック60の負電極との間に配置される。
しかしながら、ビルトインタイプの短絡保護回路86は、リチウムイオンセル88の正電極とバッテリパック60の正電極との間に配置してもよい。
【0061】
電気経路402は、再充電可能なリチウムイオン電池パック60の中心電極63をランプ59の正電極に接続する。図1〜4に示したフラッシュライト10では、電気経路402は次の要素、すなわち、スプリング付勢導体76、バイア64、導体ポスト116、スプリング114、スプリング付勢導体112、および正電極端子を備える。正電極端子は、ボール形の調節可能な電球ホルダ104内に配置されている。
【0062】
電気経路402は、ランプ59の負電極を再充電可能なリチウムイオン電池パックのケース電極61に接続する。さらに、電気経路404は、電子パワースイッチ702によって開閉されて、主電力回路400の開成および閉成を行う。以下に、これを詳細に説明する。
図1〜4に示したフラッシュライト10では、電気経路404は、ボール形の調節可能な電球ホルダ104内に配置された負電極端子、同ホルダ104の金属部分122、調節可能なボールハウジング102、板バネ導体128、接触パッド62、導電トレース406、電子パワースイッチ702、導電トレース408、バレル21、後部キャップ22内に設けた導電部材72、およびスプリング74を備える。
【0063】
この実施形態においては、電子パワースイッチ702はプリント回路基板46上に配置されているが、フラッシュライト10内の他の位置に配置してもよい。
【0064】
電子パワースイッチ702は、導電トレース406を介して、接触パッド62に電気的に連結される。導電トレース406もプリント回路基板46上に設けられている。
また、電子パワースイッチ702は、導電トレース408を介して、バレル21に電気的に連結される。導電トレース408は、プリント回路基板46上において、電子パワースイッチ702から、プリント回路基板46とバレル21の境界にまで延在する。
【0065】
電子パワースイッチ702以外の、電気経路402、404の構成要素は、この実施形態に係る電力回路400の操作において重要ではない。特定のフラッシュライト構成における電力回路の電気経路を形成するために、適切であろう構成要素のあらゆる組合せを採用できる。
【0066】
電子パワースイッチ702は、ランプ59とリチウムイオン電池パック60のケース電極61との間において、電気経路404を選択的に開閉する。電子パワースイッチ702が閉じているとき、電流は主電力回路400内を流れることができる。
【0067】
この実施形態では、スイッチ52、マイクロコントローラ回路600、およびパワー制御回路700によって、電子パワースイッチ702の開閉が制御される。
【0068】
スイッチ52を操作すると、電子パワースイッチ702が開くのか閉じるのか、あるいは、以下に説明する態様で開閉を繰り返すのかを決定する信号が発生される。
【0069】
この実施形態では、スイッチ52は瞬間スイッチである。スイッチ52を押圧すると、スイッチ52のプランジャ69が導体82のスナップドーム84を押し込んで、導体ポスト116と電気的に連通させる。そして、バッテリパック60からの信号が、導体パッド65を通して、プリント回路基板46に伝えられる。
この信号がプリント回路基板46に伝えられると、電気経路404の開閉を指示する信号が電子パワースイッチ702に与えられ、これに従って、フラッシュライト10のオンオフが実行される。
【0070】
スイッチ52は、この分野で知られた機械的なスイッチとは異なり、電流をランプ59へ導くものではない。スイッチ52は、単に、作動または非作動の信号を与える。
この実施形態では、当該作動または非作動の信号は、マイクロコントローラ回路600に送られる。そして、当該回路600は、パワー制御回路700を介して、当該信号を電子パワースイッチ702に送り、これに従って開閉が行われる。
このように、この実施形態では、ユーザによるスイッチ52の操作を介して、主電力回路400が間接的に作動または非作動の状態となる。
【0071】
再充電可能なリチウムイオン電池パック60からランプ59に向かう電流が、スイッチ52ではなく電子パワースイッチ702を通って流れるので、スイッチ52は、非常に低い電流下で作動するよう設計できる。
【0072】
図5に示した実施形態では、スイッチ52、デバウンス回路500、マイクロコントローラ回路600、パワー制御回路700、および電子パワースイッチ702は、すべて電気的に連通している。
最初にスイッチ52を押圧すると、信号は、デバウンス回路500を介してマイクロコントローラ回路600に送られる。これに応答し、マイクロコントローラ回路600は、パワー制御回路700を介して、電子パワースイッチ702に信号を送る。これに応答して、電子パワースイッチ702は、所定期間に渡たり制御された増加率で、電流がリチウムイオン電池パック60からランプ59へと流れることを許容する。
デバウンス回路500、マイクロコントローラ回路600、パワー制御回路700、および電子パワースイッチ702について、図6、7、および8を参照して、さらに詳細に説明する。
【0073】
図6は、本発明に使用されるデバウンス回路500の一実施形態を示す詳細図である。デバウンス回路500は、スイッチ52からマイクロコントローラ回路600に送られる信号のノイズ、電流および電圧を減じるために使用される。
【0074】
ユーザがスイッチ52を操作し、これにより、プランジャ69がスナップドーム84を導体ポスト116に圧接させたとき、ランプ59のオンオフを制御する信号が、導体パッド65を通して、デバウンス回路500に入る。この操作の結果、信号は、導体パッド65から、デバウンス回路500内に送られる。
デバウンス回路500からの出力は、出力端507から提供される。出力端507は、図7に示したマイクロコントローラ回路600との電気的に連通している。
【0075】
デバウンス回路500の一実施形態においては、キャパシタ502、504、505、および抵抗器503は、導体パッド65および出力端507に対して並列に連結されている。一方、抵抗器506は、好ましくは、並列接続されたキャパシタ502および抵抗器503よりも下流側において、導体パッド65と出力端507の間に直列に接続されている。
【0076】
当業者であれば、マイクロコントローラ回路600への適切な信号レベルを達成するデバウンス回路500を如何にして設計するのか分かるであろう。
しかしながら、図6に示した構成では、抵抗器506の抵抗が10KΩで、抵抗器503の抵抗が1KΩである。また、キャパシタ502、504、および505は、それぞれ0.1μFの容量を有している。
【0077】
図7は、マイクロコントローラ回路600の模式図である。この実施形態では、マイクロコントローラ回路600は、入力端602と2つの出力端604、606を備えたマイクロコントローラ601を含む。
また、マイクロコントローラ601のGNDピンは、直接グランドに接続されている。マイクロコントローラ601のVccピンは、導電トレース608を介してバッテリパック60に接続されるとともに、導電トレース612およびキャパシタ610を介してグランドに電気的に接続されている。
導電トレース608上で提供された信号は、ダイオードによってフィルタリングされたバッテリ信号であってもよい。ただし、そのようなフィルタリングは必ずしも必要ではない。フィルタリングを行う場合には、以下に説明する短絡保護回路800において行なう。
【0078】
デバウンス回路500の出力端507からの信号は、入力ピン602を通ってマイクロコントローラ601に入る。マイクロコントローラ601は、ユーザが選択可能な異なる機能を実行するようプログラムされている。当該選択は、入力ピン602に受け入れられた入力信号の性質によって制御される。
このように、例えば、フラッシュライト10がオフ状態にあってスイッチ52を押し込んで離したとき、マイクロコントローラ601は、フラッシュライト10をオンにする信号を出力ピン606に与えるようにプログラムされている。
また、スイッチ52をさらに押し込んで再度離すまでフラッシュライト10がそのままの状態を維持するように、マイクロコントローラ601がプログラムされていてもよい。他の機能をマイクロコントローラ601にプログラムすることも可能である。
例えば、スイッチ52を押圧して2秒間ホールドすることでユーザが節電モードを選択できるように、あるいは、スイッチ52を押圧して4秒間ホールドすることでユーザがストロボモードを選択できるように、マイクロコントローラ601をプログラムすることもできる。
【0079】
フラッシュライト10がオフ状態にあるとき、マイクロコントローラ601は、入力ピン602から受け取った信号に応答して、制御信号を出力ピン606から外部へ送る。出力ピン606からの制御信号は、パワー制御回路700の入力端707に送られる。そこでは、制御信号は、トレース708を通って電子パワースイッチ702まで供給される前に所望の態様で修正される。当該修正により、電子パワースイッチ702が制御信号に応答して徐々に閉じて、初期におけるランプ59への突入電流を制限する。
【0080】
マイクロコントローラ601にプログラムされる他の操作モードに関連して、マイクロコントローラ601で生成される制御信号を他の態様で修正することが望ましい。
したがてって、図示された実施形態では、マイクロコントローラ601は、パワー制御回路700に第2の制御信号を与えるための第2出力端604をさらに備えている。出力ピン604からの制御信号は、パワー制御回路700の入力端709に与えられる。
出力ピン604からの制御信号は、トレース708を通して電子パワースイッチ702へ供給される前に、パワー制御回路700内で修正される。当該修正により、電子パワースイッチ702は、マイクロコントローラ601の出力ピン604に与えられた制御信号に応答して、異なる速度で閉じる。
【0081】
図7は、パワー制御回路700の模式図である。パワー制御回路700は、導電トレース708を介して電子パワースイッチ702に連結されている。トレース708に与えられた異なる信号レベルに応答して、異なるレベルの電流が主電力回路400内を流れることを許容するよう、電子パワースイッチ702が選択される。
この実施形態では、電子パワースイッチ702は、nチャネルMOSFET705で構成されている。MOSFETのゲートは、トレース708に電気接続されている。ドレインは、入力端706を介して、バッテリパック60の中心電極63に接続されている。ソースは、グランド(例えば、バッテリパック60のケース電極61)に接続されている。
nチャネルMOSFETは、その伝達特性により、本発明においてよく機能する。すなわち、ゲート-ソース電圧がほぼ0.75ボルトよりも小さいとき、ドレイン電流が0となる(つまり、電子パワースイッチ702が開く)。
【0082】
この実施形態では、nチャネルMOSFET705を使用しているが、ここでの開示から、本発明において他のタイプの電子パワースイッチも使用可能なことが当業者にとっては明白である。
例えば、電子パワースイッチ702が主電力回路400よりも高い側に(つまり、ランプ59の手前に)配置される場合には、nチャネルMOSFETに代えて、pチャネルMOSFETを使用することが可能である。
同様に、電子パワースイッチ702に対して、他のタイプのトランジスタを使用することも可能である。例えば、JFETやDE MOSFET等の他の電界効果トランジスタや、バイポーラ接合トランジスタである。
【0083】
上述したように、パワー制御回路700は、マイクロコントローラ601の出力ピン604、606から受け取った制御信号を修正する。特に、パワー制御回路700は、採用された電子パワースイッチ702の伝達特性および電子パワースイッチ702が閉じられる速度に基づいて、制御信号が時間とともに変化することとなるよう、制御信号を修正するよう設計されている。
好ましくは、パワー制御回路700は、制御信号が電子パワースイッチ702に到達したとき、瞬時に閉じられるのではなく、電子パワースイッチ702が時間とともに徐々に閉じることとなるように、マイクロコントローラ601から受け取った制御信号の少なくとも1つを修正する。
【0084】
フラッシュライト10がオフ状態にあるとき、入力端707、709に与えられる信号は、ともにハイ・インピーダンス信号である。したがって、それらは、パワー制御回路700の一部でないことが効果的である。さらに、フラッシュライト10がオフ状態にあるとき、抵抗器703がMOSFET705のゲート電圧をゼロボルトとし(抵抗器701を介して)、電子パワースイッチ702を開けることとなるように、抵抗器703の値が選択される。
【0085】
この実施形態では、電子パワースイッチ702が閉じている度合い、したがって、主電力回路400内を流れ得る電流の量は、キャパシタ710の両端間の電圧によって最適制御される。それはまた、MOSFET705のゲート-ソース電圧にも対応する。制御信号が入力端707または709に与えられるとき、キャパシタ710の両端間の電圧は、制御信号の最大電圧が達成されるまで、式Vc=E(1−e−t/T)にしたがって指数関数的に急増する。
上の式において、Eは、入力端707、709に与えられる制御信号の電圧である。Tは、回路の時定数であって、式T=RCによって決まる。さらに、キャパシタが完全にチャージされるまでにほぼ5Tの時間を要するが、時間1Tの間に、キャパシタ710の両端間の電圧は、マイクロコントローラ601からの制御信号の電圧のほぼ63%に達するであろう。
このように、入力端707、709に対応する各回路経路に対して、RおよびCを適切に選択することによって、ゲート-ソース電圧が増加する速度(したがって、マイクロコントローラ601から制御信号が与えられた後、どの程度迅速に電子パワースイッチ702が閉じるのか)を制御できる。
【0086】
上に説明したように、フラッシュライト10が最初にオン状態にされたとき、制御信号はマイクロコントローラ601の出力ピン606から、パワー制御回路700の入力端707に与えられる。その結果、入力端707の信号は、瞬間的に、ハイ・インピーダンス信号から、例えば3ボルト信号となる。
しかし、キャパシタ710の両端間の電圧、したがって、ゲート-ソース電圧は、上式に従って3ボルトまで指数関数的に急増するだろう。以上のようにして、トレース708を通って電子パワースイッチ702に到達する制御信号の電圧を徐々に増加させることにより、ランプ59まで流れる電流が制御された速度で増加する。
したがって、ランプ59まで流れる電流の量を制御された速度で増加させることによって、ランプ59は、制御された低速下の安定した抵抗状態を維持でき、これにより、フラッシュライトがスイッチオンされるとき、バッテリパック60からの電流の通常は大きな初期サージから、ランプ59を保護することができる。
【0087】
好ましい実施形態では、抵抗器701は470KΩの抵抗を有し、抵抗器703は1KΩの抵抗を有する。また、キャパシタ710は0.1μFの容量を有する。抵抗器701とキャパシタ710のこの組み合わせは、時定数が47ミリセカンドのローパスフィルタを形成する(470,000×0.000001=0.047秒、すなわち、47ミリセカンド)。
この時間の間に、キャパシタ710は、入力端707に与えられる制御信号の電圧のほぼ63%までチャージされるであろう(0.63×5=3.15ボルト)。これは、MOSFET705のゲート-ソース電圧が、トランジスタのオフ領域から、電流制限領域を経て、線形領域まで達するのに、ほぼ47ミリセカンドを要することを意味している。
この間に、突入電流をより望ましいレベルに制限しながら、ランプ59のフィラメントが加熱される。
【0088】
上に説明したように、マイクロコントローラ601の出力端604に与えられた制御信号は、入力端707に与えられた制御信号により達成されるものとは異なる速度で電子パワースイッチ702を閉じることを目的として、入力端709に与えられる。
例えば、抵抗器704を1.0KΩにセットし、キャパシタ710の容量を0.1μFのままにセットしてもよい。この組合せにより、時定数が0.0001秒(0.1ミリセカンド)のローパスフィルタ回路が構成される。したがって、この構成の下では、0.1ミリセカンドで、キャパシタ710は、入力端709に与えられた制御信号の電圧のほぼ63%までチャージされる(この実施形態では3.15ボルト)。
【0089】
したがって、パワー制御回路700の入力端709に与えられる制御信号は、入力端707に与えられる制御信号よりずっと高い周波数で、電子パワースイッチ702を開閉するのに使用される。この特徴は、例えば節電モード等、ユーザが選択可能なある機能には望ましい。
例えば、適当な時間ユーザがスイッチ52を押圧し続けることで節電モードが選択される場合、マイクロコントローラ601は、最初制御信号を出力ピン606から入力端707へ送り、上述したように比較的ゆっくりと、ランプ59に電圧をかける。ランプ59が点灯されフィラメントが加熱されて抵抗状態が安定した後、マイクロコントローラ601は、矩形波パルスに変調した制御信号(例えば図13に示したもの)を、出力ピン604からパワー制御回路700の入力端709に送り、そして、制御信号を出力端606に送るのを停止する。
【0090】
0.1ミリセカンドの時定数に基づいて、マイクロコントローラ601の出力ピン604から送られたパルス変調信号は、ほぼ5kHz〜100Hzの周波数に変調できる(それでもなお、目で確認できる60Hzの点滅速度よりもずっと高い周波数にある)。
さらに、各パルス間のサイクルタイムが短いので、ランプ59のフィラメントは、オンオフのサイクルが高周波数であることにより、好ましくない応力に帰着するほど冷えない。その結果、例えば、ランプ59が半分の電力で作動し、したがって、一定時間において通常消費されるであろうよりも半分のエネルギ消費で、フラッシュライト10が機能する。
【0091】
この実施形態において、パワー制御回路は、RC回路を使用して、電子パワースイッチ702に与えられる制御信号を修正すると説明したが、同様に、パワー制御回路700内に、時定数を有する他の形態の回路(例えば、RLおよびRLC回路)を採用することもできる。さらに、パワー制御回路700として、線形、正弦波、鋸刃形、あるいは三角形の波形を生成する回路を使用してもよい。
さらに、パワー制御回路700の利点は、パワー制御回路に分配される制御信号が、(マイクロコントローラではなく)機械的なスイッチから直接やって来るフラッシュライトや、バッテリパック60に代えて、あらゆる形態のDC電源が使用されるフラッシュライトにおいて認識できる。
【0092】
図10Aは、フラッシュライト10が最初にスイッチオンされたときに、パワー制御回路700がランプ59に与える有益なダンペニング効果(dampening effect)をグラフ化して示している。対照的に、図10Bは、本発明のパワー制御回路700が電子パワースイッチ702への信号を制御していない場合、電子パワースイッチ702を流れる電流の変化速度およびピーク電流がずっと大きいことをグラフ化して示している。
【0093】
図10Aは、3つのオシロスコープ軌跡1002、1004、1006を示している。図10Aのオシロスコープ軌跡は、図8で説明した上述のパワー制御回路700を備え、MOSFET705で構成される電子パワースイッチ702を駆動するフラッシュライトから得られた。
さらに、抵抗器701は470KΩの抵抗値を有し、キャパシタ710は0.1μFの容量値を有していた。したがって、パワー制御回路の時定数は、47ミリセカンドであった。
【0094】
図10Bのオシロスコープ軌跡は、フラッシュライトがオフ状態からオン状態へと移行するときに得られたものである。そして、それぞれが次のことを反映している。
(1)フラッシュライトが最初にスイッチオンされたときに、フラッシュライトのマイクロコントローラ601からの制御信号の電圧が、時間とともにどのように変化したのか。
(2)パワー制御回路700からの信号の電圧(したがって、MOSFET705のゲート-ソース電圧)が、マイクロコントローラの制御信号に応答してどのように変化したのか。
(3)MOSFET705を流れる電流(したがって、フラッシュライトのランプ59に供給される電流)が、パワー制御回路からの信号に応答してどのように変化したのか。
【0095】
図10AのX軸は、時間をミリセカンド単位で表わしている。X軸と交差する垂直のグリッド線の間隔は40ミリセカンドを表わしている。
一方、図10AのY軸は、どの信号またはカーブが参照されるのかに応じて、異なる単位または値を示す。
【0096】
図10Aにおいて、オシロスコープ軌跡1002は、フラッシュライト10が最初にスイッチオンされたときにおける、マイクロコントローラ601からの制御信号出力の電圧を描いている。オシロスコープ軌跡1002に対しては、Y軸と交差する水平のグリッド線の間隔は、2ボルトを表わしている。
グラフに示されるように、制御信号1002の電圧は、基本的にステップ波に相当している。つまり、フラッシュライト10がスイッチオンされたとき、制御信号の電圧は、0ボルトの低位状態から、3ボルトの高位状態まで変化した。
【0097】
オシロスコープ軌跡1004は、マイクロコントローラ601からの制御信号出力が入力端707を経てパワー制御回路700を通過した後における、当該制御信号出力の電圧を描いたものである。つまり、MOSFET705のゲート-ソース電圧に相当する。オシロスコープ軌跡1004に対しては、信号1002の場合と同様に、Y軸と交差する水平のグリッド線の間隔は2ボルトを表わしている。
この修正された制御信号の電圧は、上述した、指数関数的な急増機能を示している。電子パワースイッチ702に送られた信号電圧がこのように指数関数的に急増することにより、電子パワースイッチ702は、制御された速度で閉じられた。つまり、MOSFET705およびランプ59を通して流れる電流の変化速度およびピーク電流が減少した。
このことは、軌跡1006を、図10B中の対応する軌跡1012と比較することで理解できる。これらについて、以下に説明する。
【0098】
図10A中の軌跡1006は、MOSFET705からの電流(したがって、ランプ59からの電流)を示している。これは、軌跡1004に示すようにゲート-ソース電圧が制御された結果である。Y軸と交差する水平のグリッド線の隔は、軌跡1006に対しては、2アンペアを表わしている。
図11Aは、軌跡1006を示しているが、時間スケールを拡大している。図11Aで使用している時間スケールは、図10Aよりも10倍大きい。したがって、図11Aにおいて垂直のグリッド線の間隔は、4ミリセカンドを表わしている。一方、図11AにおけるY軸のスケールは、図10A中の軌跡1006に対するものと同じである。
【0099】
フラッシュライト10がスイッチオンされたときにランプ59を通って流れたピーク電流は、本発明のこの実施例では、3.75アンペアであった。ピーク電流は、図10Aおよび図11Aに示されたカーブ1006において、ベースラインに対するカーブ1006の高さを測定して求めることができる。しかし、図11Aは図10Aに示されるよりも大きな時間スケールでMOSFET705を流れる電流を示しているので、図11Aを使う方が、より正確にピーク電流を測定できる。
【0100】
図10Bは、3つのオシロスコープ軌跡1008、1010、1012を示している。図10Bの軌跡を得るために使用したフラッシュライトは、図10Aの軌跡を得るために使用したものと同じフラッシュライトである。ただし、次の点のみが変更されている。すなわち、図10Bの軌跡を得るために使用したフラッシュライトでは、マイクロプロセッサ601からの制御信号が、直接MOSFET705のゲートに供給され、したがって、本発明のパワー制御回路をバイパスしている。
図10Aの場合と同様に、図10Bのオシロスコープ軌跡は、フラッシュライトがオフ状態からオン状態へ移行したときに計測されたもので、それぞれ、次のことを反映している。
(1)フラッシュライトが最初にスイッチオンされて、制御信号がMOSFET705のゲートに直接に供給されたとき(すなわち、パワー制御回路700をバイパスした)、フラッシュライトのマイクロコントローラからの制御信号の電圧が、時間とともにどのように変化したのか。
(2)そのような状況下において、制御信号の電圧に応答して、MOSFET705のゲート-ソ−ス電圧がどのように変化したのか。
(3)電子パワースイッチ内を流れた電流(したがって、フラッシュライトのランプに供給された電流)は、電子パワースイッチのゲートに与えられた電圧に応答して、どのように変化したのか。
【0101】
図10BのX軸は、時間をミリセカンド単位で表わしている。また、X軸と交差する垂直のグリッド線の距離は、40ミリセカンドを表わしている。つまり、X軸は、図10A中で用いられるのと同じスケールを使用している。
図10A中のY軸と同様に、図10BのY軸は、どの信号またはカーブが参照されるのかに応じて、異なる単位または値を示す。
【0102】
図10Bでは、オシロスコープ軌跡1008は、フラッシュライトが最初にスイッチオンされたときの、マイクロコントローラ601からの制御信号出力の電圧を描いている。オシロスコープ軌跡1008に対しては、図10Aの場合と同様に、Y軸と交差する水平のグリッド線の間隔は、2ボルトを表わしている。
グラフに示されるように、制御信号1008の電圧は、基本的にステップ波に相当している。つまり、フラッシュライト10がスイッチオンされたとき、制御信号の電圧は、0ボルトの低位状態から、3ボルトの高位状態まで変化した。
しかし、制御信号1008の前端が、僅かではあるが、明らかに丸くなっている。これは、フラッシュライトがスイッチオンされた瞬間に、比較例のランプ59を通って発生した大きな突入電流の結果である。この突入電流は、バッテリパックの電圧を瞬間的に低下させた。
カーブ1002においても同様に、制御信号電圧の低下が観察される。しかしながら、カーブ1002においては、電圧低下は、制御信号の前端から離れた位置にあり、それ程大きくない。これは、本発明のパワー制御回路700を使用するフラッシュライトにおいては、ランプ59を流れるピーク電流が遅れ、また低下するからである。
【0103】
オシロスコープ軌跡1010は、MOSFET705のゲート-ソース電圧を描いたものである。信号1008の場合と同様に、Y軸と交差するグリッド線の間隔は、2ボルトを表わす。この比較例では、フラッシュライト用のパワー制御回路がバイパスされたので、ゲート-ソース電圧は、マイクロコントローラから与えられる制御信号1008の電圧と同じである。
マイクロコントローラ601と電子パワースイッチ702の間にパワー制御回路700が存在しないので、電子パワースイッチ702は、非導通状態からMOSFET705の伝達特性カーブ上の位置へと瞬間的に駆動された。これにより、主電力回路400内を実際に流れるよりも非常に多くの電流がMOSFET705を流れることが可能となる。
言い換えると、フラッシュライトがオフ状態からオン状態へと移行するときに、主電力回路400内を流れる電流の流れの変化速度およびピーク電流が、電子パワースイッチ702によって制限されていなかった。これによりランプ59への突入電流が大きくなり、図10Bの軌跡1012では、大きな電流スパイクが観察された。
【0104】
図10Bのオシロスコープ軌跡1012は、ゲート-ソース電圧がパワー制御回路によって制御されない場合における、MOSFET705を流れる電流(すなわち、ランプ59を流れる電流)と時間との関係を描いている。軌跡1012に対しては、Y軸と交差するグリッド線の間隔は2アンペアを表わしている。
図11Bは、時間スケールを大きくして、オシロスコープ軌跡1012を示している。図11Bでの時間スケールは、図10Bよりも10倍大きい。したがって、図11Bにおいて、垂直のグリッド線の間隔は4ミリセカンドを表わす。図11Bは、図11Aと同じ時間スケールで描いている。
一方、図11BのY軸上の電流目盛りは、図11Aで軌跡1006に対するもの、および図10B中で軌跡1012に対するものと同じである。
【0105】
この比較例において、MOSFET705およびランプ59を流れるピーク電流は、ほぼ7.8アンペアであった。図10A、11Aのカーブ1006を、図10B、11Bのカーブ1012と比較すると、次のことが分かる。すなわち、本発明の上記実施例におけるパワー制御回路700を使用して、電子パワースイッチ702が閉じる速度を制御する場合、ランプ59に与えられるピーク電流は、ほぼ4.05アンペア(50%よりも僅かに大きく)減少している。
また、カーブ1006とカーブ1012とを比較すると、カーブ1006におけるピーク電流は、カーブ1012におけるピーク電流と比べ、より幅広で穏やかであることが分かる。これは、本発明のパワー制御回路700を使用するフラッシュライトにおいては、電子パワースイッチ702を流れる電流の変化速度が著しく減少したという事実に基づいている。
【0106】
図10A、11Aに示される電流カーブ1006は、ランプ59への電流がどのように制御されるのかを示す、単なる一例にすぎないということを認識すべきである。
実際、異なる時定数または特徴を備えたパワー制御回路700、異なる伝達特性を備えた電子パワースイッチ702、あるいは、異なる特徴のランプが使用されるならば、異なるカーブが得られ、したがって、達成されるダンペニング効果も異なるであろう。
【0107】
図12のオシロスコープ軌跡は、図10Aを得るのに使用したものと同じフラッシュライトから得られた。ただし、図12のオシロスコープ軌跡1002、1004、1006が記録されたとき、フラッシュライトはストロボ・モードで操作されていた。
ストロボ・モードは、スイッチ52を押圧しておよそ4秒間ホールドし、これにより、マイクロプロセッサ601にストロボ・モードの作動信号を与えることで選択された。
【0108】
図10Aの場合と同様に、図12の軌跡1002、1004、1006は、それぞれ、「マイクロプロセッサ601の出力ピン606からの制御信号の電圧」、「パワー制御回路700で生成された修正制御信号の電圧」、「およびMOSFET705を流れる電流」に対応する。
各カーブ1002、1004、1006に対するY軸スケールは、図10Aにおいて対応するカーブに対するY軸スケールに相当する。しかし、図12のX軸スケールは、図10Aで用いたスケールの10分の1である。したがって、図12において垂直のグリッド線の間隔は、400ミリセカンドである。一連のストロボ・サイクルを観察できるよう、スケールを減じている。
【0109】
図12に示されるように、制御信号1002の電圧は、ストロボ・モード操作においては、矩形波に従って調整された。矩形波の各サイクルは、ほぼ1.6秒であった。1/2サイクルの間、制御信号の電圧はほぼ3.6ボルトで、後の1/2サイクルの間、制御信号の電圧は0ボルトであった。
各サイクル間の800ミリセカンドという時間は、ランプ59のフィラメントが冷えるのに必要な時間よりもずっと長く、最初に起動したとき、再び短絡のように挙動した。
【0110】
オシロスコープ軌跡1004は、マイクロコントローラ601からの制御信号出力が入力端707を経てパワー制御回路700を通過した後における、当該出力の電圧を描いており、したがって、MOSFET705のゲート-ソース電圧に一致する。
この修正された制御信号の電圧は、各パルスの前端における指数関数的な急増機能、および後端における指数関数的な衰退機能を示している。指数関数的な急増機能は、抵抗器701およびキャパシタ710の組合せで構成されるRC回路の47ミリセカンドという時定数による。また、抵抗器703が1KΩしかないので、指数関数的な衰退機能における時定数が47ミリセカンドとなるのであろう。
【0111】
図10Aにおいて信号1004が増加したのと同じ態様で、電子パワースイッチ702に与えられた信号1004の電圧が、各パルスの前端において指数関数的に急増したので、電子パワースイッチ702は、図10Aを参照して説明したのと同じように、制御された速度で閉じた。
実際、図12の時間スケールを、図10A、11Aで使用したのと同じように大きくしたならば、図12に示した軌跡1006における各電流パルスの前端は、図10A、11Aに示した軌跡1006における電流パルスの前端と同じ様に見えるだろう。
したがって、ストロボ・モードにおいてランプ59が起動される毎の、MOSFET705およびランプ59を流れる電流の変化速度およびピーク電流が減じられた。それにより、1サイクル中にランプが起動される毎の、ランプ59のフィラメントに生じる応力が減少した。
各サイクルのオフ部分において、フィラメントの温度が下がり、これによっても、フィラメントは短絡のように挙動した。
【0112】
本発明のパワー制御回路を有するフラッシュライトにおいては、ランプを起動する毎に当該ランプのフィラメントに生じる応力が減じられるので、ランプの平均寿命が延びるだろう。
フラッシュライトがストロボ・モードで操作されるとき、このことは特に有益である。ストロボ・モードでは、ラップのパルシング発光に伴って、フィラメントに生じる応力が短時間で蓄積するからである。
【0113】
図12から、制御信号1002が高状態から低状態へと切り替わった後においても、電流がランプ59を流れ続けることが理解できる。何故なら、軌跡1004において各パルスの後端が、指数関数的な衰退機能を示しているからである。したがって、修正された制御信号の電圧が、MOSFET705が導通するに十分なレベル以下に落ちるまで、電子パワースイッチ702は、電流を流し続けるであろう。
この例においては、パワー制御回路700の衰退経路(decay path)の時定数がほぼ47ミリセカンドであったので、制御信号1002が高状態から低状態と切り替わった後においても、ほぼ40〜50ミリセカンドの間、MOSFET705は電流を流し続けた。
【0114】
図13は、図示した実施形態のフラッシュライト10の節電モードでの作動を示している。節電モードは、スイッチ52を押圧してほぼ2秒間ホールドすることで選択された。
図13は、3つのオシロスコープ軌跡1014、1016、1018を描いている。図13のオシロスコープ軌跡は、図8を参照して上述したパワー制御回路700を備えたフラッシュライトにおいて、MOSFET705で構成される電子パワースイッチ702を駆動させることで得られた。
抵抗器701は、470KΩの抵抗値を有していた。抵抗器703および704は、1KΩの抵抗値を有していた。また、キャパシタ710は、0.1μFの容量値を有していた。したがって、パワー制御回路700の入力端707に相当する時定数は47ミリセカンドであった。一方、入力端709の時定数は0.1ミリセカンドであった。
【0115】
図13のオシロスコープ軌跡は、フラッシュライトがノーマル・オン状態から節電モードに切り替わったときに得られたもので、それぞれ、次のことを反映している。
(1)図1のフラッシュライトが節電モードで作動されるとき、フラッシュライトのマイクロコントローラ601の制御信号の電圧が、時間とともにどのように変化したのか。
(2)パワー制御回路700からの信号の電圧(したがって、MOSFET705のゲート-ソース電圧)が、マイクロコントローラからの制御信号に応答して、どのように変化したのか。
(3)MOSFET705を通って流れた電流(したがって、フラッシュライトのランプ59に供給された電流が、パワー制御回路からの信号に応答して、どのように変化したのか。
【0116】
図13のX軸は、時間をミリセカンドで表わしている。また、X軸と交差する垂直のグリッド線の距離は、40ミリセカンドを表わしている。しかし、図13のY軸は、どの信号またはカーブが参照されるのかに応じて、異なる単位または値を示す。
【0117】
オシロスコープ軌跡1014は、フラッシュライト10がノーマル・オンのモードから節電モードへと切り替わったとき、マイクロコントローラ601の出力ピン604から出力された制御信号の電圧を描いている。
フラッシュライトは、最初に、出力ピン606からパワー制御回路700の入力端707に制御信号を送り、上述したように比較的ゆっくりとランプ59を起動することで、スイッチオンされる。
しかし、ランプが一旦定常状態に達すると、マイクロコントローラは、出力ピン606から制御信号を出力するのを停止して、出力ピン604からパワー制御回路700の入力端709に制御信号を出力し始める。図13のオシロスコープ軌跡は、この遷移が生じた後の期間を示している。
【0118】
軌跡1014に対しては、Y軸と交差するグリッド線の間隔は、2ボルトを表わしている。したがって、図13から分かるように、節電モードに移行する前においては、制御信号1014の電圧は、ほぼ3ボルトの定常状態にあった。フラッシュライトが節電モードに移行した後では、制御信号1014の電圧は、矩形波に相当するものとなった。矩形波の各サイクルは、ほぼ8ミリセカンドに等しかった。
1/2サイクルの間、制御信号の電圧はほぼ3.6ボルトで、後の1/2サイクルの間は、制御信号の電圧は0ボルトであった。
【0119】
オシロスコープ軌跡1016は、
入力端709を経てパワー制御回路700を通過した後における制御信号の電圧を描いている。軌跡1016は、また、MOSFET705のゲート-ソース電圧に相当する。
【0120】
軌跡1016に対しては、信号1014の場合と同様、Y軸と交差するグリッド線の間隔は2ボルトを表わしている。パワー制御回路700の部分を通過した制御信号1014の時定数は0.1ミリセカンドと非常に小さいので、曲線1018で示される修正制御信号の電圧は、制御信号のカーブと殆ど同じである。
【0121】
図13のオシロスコープ軌跡1018は、MOSFET705を通過する電流(したがって、ランプ59を流れる電流)を描いている。この電流波形は、軌跡1016に描かれるのと同じ態様で制御されたゲート-ソース電圧の結果である。
軌跡1016に対しては、Y軸と交差するグリッド線の間隔は、2アンペアを表わしている。
【0122】
カーブ1018から、各サイクル中のオン部分においては、電流スパイクが観察されないことが分かる。むしろ、信号1016が高状態となる毎に、MOSFET705およびランプ59を流れる電流は、ほぼ1アンペアの安定した状態となっている。
その理由は、各サイクルにおいて、フィラメントには約4ミリセカンドしか電力が供給されないからである。この時間は、ランプ59のフィラメントが再度短絡のように挙動する温度にまで当該フィラメントが冷えるには不十分である。
ランプはほぼ125Hzの周波数で駆動されるので、人の目には、ランプ59が薄暗いように見えるかも知れないが、ランプ59が点滅していることには気づかないだろう。
【0123】
ランプ59は、通常の安定状態での電力の半分で作動しているので、薄暗く見えるだろう。節電モードにおけるフラッシュライトのピーク電力は、フラッシュライトが通常モードで操作されている場合のピーク電力と同じである。
しかし、節電モードでは、各サイクルにおいて半分の電力がランプに供給されるので、その平均電力は、ピーク電力の半分となる。さらに、ランプは、通常モードで消費するエネルギの半分しか消費しない。
【0124】
顕著に現れているように、軌跡1016における各パルスの後端では、図12のパルス1004では見られるような47ミリセカンドの時定数に相当する指数関数的な衰退機能が見られない。
これは、フラッシュライトが節電モードで作動する場合、キャパシタ710が抵抗器703を通して放電されない(not drained)からである。その代り、フラッシュライトが節電モードで作動するとき、マイクロコントローラ601介してグラウンドへ至る他の経路が提供され、これにより、入力端709に対して、時定数約0.1ミリセカンドの衰退機能が維持される。
ほぼ10Hzを超える周波数でランプ59を駆動するのが望ましい場合には、グラウンドに至るこの代替的経路は必要である。10Hzは、この例において使用する抵抗値に基づいた、抵抗器701、703を介した衰退経路のほぼ限界にあたり、図示の例において実際にランプ59が駆動される125Hzよりもかなり低い。
【0125】
本発明の他の局面は、露出した充電端子に対して、改善した短絡保護回路を備えることに関する。
【0126】
図1および図5に最もよく示しているように、充電端子44および48は、フラッシュライト10の充電ユニットと再充電可能なリチウムイオン電池パック60との間のインターフェースとして機能する。ここでは図示しないが、充電ユニットのクレードルは、露出した充電端子44、48と電気的に接触し、充電を行っている間、フラッシュライト10を保持するものとすべきである。
しかしながら、充電端子44、48はフラッシュライト10の外周全体に渡って延在するので、シンプルなデザインのクレードルを備えた充電ユニットを採用してもよい。例えば、長手軸に対する半径方向位置は任意の姿勢で、フラッシュライト10を充電ユニット内に配置し、それでも、充電ユニット側の充電端子とフラッシュライト10の充電端子44、48との接触を維持できるようなデザインのクレードルが採用されてもよい。
このように、充電ユニットの充電端子との接触を形成するにおいて、隠れたプラグまたはタブがフラッシュライト内に挿入されるよう、フラッシュライト10を充電ユニット内に圧入させる必要はない。
【0127】
しかしながら、充電端子44、46が外部的に露出しているので、操作中において、ユーザが手に持つ金属物質によって短絡する可能性がある。そのような場合にリチウムイオン電池パック60内に提供された短絡保護回路86が安易に作動することを防ぐために、充電端子44、48の少なくとも一方と、再充電可能なリチウムイオン電池パック60との間に、短絡保護回路800を電気的に配置することが好ましい。
【0128】
図5に示した実施形態では、充電端子44が電気的に短絡保護回路800に接続されていて、さらに短絡保護回路800が、導体821およびバイア64を介して、電気経路402およびバッテリパック60の中心電極63に電気的に接続されている。
充電端子48も短絡保護回路800に連結されている。さらに、充電端子48は、バレル21、導電部材72、およびスプリング74を介して、バッテリパック60のケース電極61に接続されている。
【0129】
この実施形態では、短絡保護回路800はプリント回路基板46上に置かれている。しかし、物理的には、短絡保護回路800は、フラッシュライト10内のあらゆる適切な位置に配置することが可能である。
【0130】
短絡保護回路800は、充電端子44と48との間に短絡が検出された場合に、バッテリパック60と、充電端子44、48の少なくとも一方との間にオープン回路を構成するよう作動する。
このように、フラッシュライトの操作中における充電端子44と48との不注意な短絡により、バッテリパック60からランプ59まで電流が遮断される恐れがなく、フラッシュライト10は安全に作動する。
【0131】
短絡保護回路800の一実施形態について、図9Aおよび図9Bを参照し、以下に詳細に説明する。
【0132】
図9Aに示した短絡保護回路800は、本質的に、露出した充電端子44とバッテリパック60との間における自動スイッチとして機能する。
【0133】
回路800は、比較器812で制御されるスイッチ816を含む。この実施形態では、スイッチ816は、充電端子44とバッテリパック60の正電極63との間の電気経路上に配置されている。
特に、導体820および823が、スイッチ816の片側を充電端子44に接続している。また、導体821および824が、スイッチ816の反対側をバッテリパック60の中心電極に接続している。
【0134】
図示した実施形態では、スイッチ816は、pチャネルMOSFETである。しかし、他の電子的なスイッチングデバイスを使用してもよい。例えば、スイッチ816として、バイポーラ接合トランジスタや、JFETやDE MOSFET等の電界効果トランジスタを使用してもよい。
【0135】
この実施形態において、比較器812は、電圧コンパレータで構成される。しかしながら、比較器812として、オペレーション・アンプ、マイクロプロセッサまたはASIC(application specific integrated circuit)を使用してもよい。
【0136】
比較器812に対する電力供給回路の一例を、図9Bに示した。図9Bに示すように、比較器812のVccピンはバッテリパック60の正端子に接続され、比較器812のGNDピンはグラウンドに接続される。
必須ではないが、Vccピンはショットキー・ダイオード830を介してバッテリパック60の正端子に接続されることが好ましく、これにより、バッテリからの信号に対して基本的なフィルタリングを提供する。
好ましくは0.1μFのキャパシタ832が、比較器のVccピンおよびGNDピンと並列に配置されている。ショットキー・ダイオード830でフィルタリングされたバッテリ信号は、トレース608を介して、マイクロコントローラ601のVccピンに与えられ、マイクロコントローラに電力を供給する。
【0137】
比較器812は、入力端802に与えられた信号の電圧を、入力端804に与えられた信号の電圧と比較する。この比較結果および比較器の伝達特性に基づいて、出力信号が出力端817に与えられ、制御スイッチ816に送られる。
しかし、図示した実施形態においては、スイッチ816がpチャネルMOSFETであるため、スイッチ816を導通可能とするためには、負のゲート-ソース電圧が必要となる。
【0138】
この実施形態においては、入力端804の信号電圧が入力端802の信号電圧より大きければ、比較器812は、出力端817に正電圧の信号を生成する。この正電圧は、バッテリパック60により導体824上に生成された電圧と実質的に等しいか、それよりも大きな正電圧である。その結果、スイッチ816で構成されるMOSFETは不能となって、充電端子44とバッテリパック60の中心電極63との間の回路経路が開かれる。
一方、入力端802の信号電圧が、入力端804の信号電圧よりも大きい、あるいは等しい場合には、比較器812は、出力端817に信号を出力しない(すなわち、0ボルトの信号)。この状況下では、スイッチ816は、充電端子44とバッテリパック60の中心電極63との間の電流を流すことができるだろう。何故なら、MOSFETのゲート-ソース電圧が負となるからである。
【0139】
図9Aに示した実施形態では、入力端802の信号電圧は、充電端子44とバッテリパック60のケース電極(すなわちグラウンド)との間の抵抗器811による電圧降下に相当する。
バッテリパック60が完全に充電されることを確実とするため、充電工程において抵抗器810よりも抵抗器811に大きな電圧降下が発生するように、抵抗器811は、抵抗器810より僅かに大きな抵抗を有するものを選択することが好ましい。
抵抗器811の抵抗は、抵抗器810と811を組み合わせた全抵抗の50%よりも大きく、かつ約60%よりも小さい(あるいは等しい)ことが好ましい。
【0140】
入力端804の信号電圧は、キャパシタ815に蓄えられた電圧に相当する。当該電圧は、電気経路819上の抵抗器813および814の各抵抗値によって変わる。特に、キャパシタ815が抵抗器814と並列に接続されているので、キャパシタ815に蓄えられる電圧は、抵抗器814における電圧降下に等しいであろう。
好ましくは、抵抗器813および814として抵抗値の等しいものを選択し、続く平衡キャパシタ815がバッテリパック60の電圧のほぼ半分に相当するチャージを有するようにする。
【0141】
例示として、抵抗器810、813、814が、それぞれ100KΩの抵抗値を有し、抵抗器811が120KΩの抵抗値を有していてもよい。キャパシタ815は、0.1μFの容量値を有していてもよい。
これらの値の場合、一旦キャパシタ816がチャージされて、回路内が平衡状態となれば、入力804端の信号電圧は、バッテリパック60の電圧のほぼ1/2となるだろう。一方、抵抗器811における電圧降下(したがって、入力端802の信号電圧)は、充電端子44とグラウンドの間での電圧降下のほぼ55%となるだろう。
【0142】
フラッシュライト10がその充電ユニット内に置かれると、露出した充電端子44、48が充電ユニットの対応する充電端子と接触し、エネルギがバッテリパックに流れる。上述した短絡保護回路800の構成によれば、充電端子44上の電圧がバッテリパック60の電圧より大きいか、あるいは等しい値である限り、フラッシュライト10は充電モードとなり、スイッチ816は通電状態とされる。
その理由は、かかる状況下においては、抵抗器811における電圧降下が、キャパシタ815に蓄えられる電圧よりも大きいからである。その結果、比較器812(この実施形態では、電圧コンパレータ)がスイッチ816に信号を送って同スイッチを閉じ、これによって、エネルギが充電端子44から電気経路820、823、824、821を通ってバッテリパック60まで流れ、バッテリパック60が充電される。
【0143】
さらに、この実施形態では、フラッシュライトが充電クレードルから取り外された後においても、スイッチ816は開いたままである。その理由は、スイッチ816が開いている限り、充電端子44が中心電極63と同じ電位にあり、したがって、入力端802の信号電圧が入力端804の信号電圧より大きいままだからである。
【0144】
しかしながら、充電端子44と48が短絡されると、充電端子44とグラウンドの間の電圧は、迅速に0ボルトまで降下するであろう。抵抗器811における電圧降下も同である。これに応答して、比較器812は、充電端子44がバッテリよりも低電位にあることを検知し、そして、大きな正電圧を有する信号を出力端817からスイッチ816に送って同スイッチ816を開く。
バッテリパック60に内蔵された短絡保護回路86が短絡を検知してクリアするよりも早く、比較器812は、検出した短絡に応答してスイッチ816を不能にする。その状況下では、内蔵された短絡保護回路86は機能しないので、バッテリパック60は、内部に保持する短絡保護回路86による中断を生じることなく、ランプ59にエネルギを供給し続ける。
【0145】
この実施形態の短絡保護回路800においては、一旦充電端子44と48の間の短絡が検出されると、当該短絡が除去されるまでスイッチ816が再度開くことはなく、充電端子44とグラウンドの間の電圧降下は、バッテリパック60の電圧にほぼ等しいか、それよりも大きい。
言い換えると、フラッシュライト10が充電ユニットに置かれるまで、スイッチ816が再び開くことはない。
【0146】
フラッシュライトに加えて、短絡保護回路800も、充電端子が露出している他の再充電可能な機器に有益に使用することができる。さらに、携帯電子機器の電源が再充電可能なリチウムイオン電池パックである場合に、短絡保護回路800が特に有益であるが、短絡保護回路800は、他の再充電可能なDC電源で駆動される再充電可能なデバイスにも有益に使用できる。
【0147】
改善したフラッシュライトおよびその構成要素の様々な実施形態を以上に開示したが、この分野の当業者にとっては、多くの修正、変更、代替の実施形態、および代替材料が容易であって、それらを本発明のあらゆる局面において利用可能である。例えば、ここに説明したパワー制御回路および短絡保護回路は、1つのフラッシュライト内で一緒に使用することも、個別に使用することも可能である。さらに、短絡保護回路は、フラッシュライト以外の再充電可能な電子機器に使用してもよい。
このように、ここでの説明は単なる例示にすぎず、特許請求の範囲で主張した本発明の範囲を制限するものではないことが、明確に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0148】
【図1】本発明の一実施形態に係るフラッシュライトの斜視図。
【図2】図1中の2−2線に沿うフラッシュライト断面図。
【図3】図1中の2−2線に沿ったフラッシュライト前方部分の拡大断面図。
【図4】図3に断面で示した部分の斜視図。
【図5】図1のフラッシュライトの回路図。本発明の一実施形態に係る電気回路の関係を示している。
【図6】本発明のフラッシュライトに使用される瞬間スイッチを構成するデバウンス回路の一例を示す回路図。
【図7】本発明のフラッシュライトに使用されるマイクロコントローラの一例を示す回路図。
【図8】本発明のフラッシュライトに使用されるパワー制御回路の一例を示す回路図。
【図9A】本発明に係る短絡保護回路の一例を示す回路図。
【図9B】図9Aの短絡保護回路中に使用される比較器に対する電力供給回路の一例を示す回路図。
【図10A】3つのオシロスコープ軌跡を示す図。これらは、次のことを反映している。(1)フラッシュライトが最初にスイッチオンされるとき、図1のフラッシュライトのマイクロコントローラからの制御信号の電圧が、時間とともにどのように変化するのか。(2)マイクロコントローラの制御信号に応答して、パワー制御回路からの信号の電圧がどのように変化するのか。(3)パワー制御回路からの信号に応答して、フラッシュライトのランプに供給される電流がどのように変化するのか。
【図10B】本発明のパワー制御回路を備えていない点以外は、図10Aのオシロスコープ軌跡を得るのに使用したものと同じであるフラッシュライトにおける、3つのオシロスコープ軌跡を示す図。これらは、次のことを反映している。(1)フラッシュライトが最初にスイッチオンされるとき、パワー制御回路を備えないフラッシュライトのマイクロコントローラからの制御信号の電圧が、時間とともにどのように変化するのか。(2)制御信号の電圧に応答して、電子パワースイッチのゲート-ソース電圧がどのように変化するのか。(3)電子パワースイッチに加えられた電圧に応答して、フラッシュライトのランプに供給される電流がどのように変化するのか。
【図11A】フラッシュライトが最初にスイッチオンされるとき、本発明のパワー制御回路を備えたフラッシュライトの主電力回路における電流の流れを、時間とともに示すオシロスコープ軌跡を示す図。
【図11B】フラッシュライトが最初にスイッチオンされるとき、本発明のパワー制御回路を備えないフラッシュライトの主電力回路における電流の流れを、時間とともに示すオシロスコープ軌跡を示す図。
【図12】ストロボ・モードで操作される本発明のフラッシュライトにおける3つのオシロスコープ軌跡を示す図。これらは、次のことを反映している。(1)マイクロプロセッサからの制御信号の電圧。(2)パワー制御回路によって生成された修正制御信号の電圧。(3)電子パワースイッチを通過する電流の流れ。
【図13】節電モードで操作される本発明のフラッシュライトにおける3つのオシロスコープ軌跡を示す図。これらは、次のことを反映している。(1)マイクロプロセッサからの制御信号の電圧。(2)パワー制御回路によって生成された修正制御信号の電圧。(3)電子パワースイッチを通過する電流の流れ。
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、フラッシュライト等の手で保持タイプの照明機器を含む携帯用電子機器、およびそれらに使用する電気回路に関する。
【背景技術】
【0002】
フラッシュライトを含む手で保持するタイプの様々な携帯用照明機器は、この分野で知られている。フラッシュライトは、一般的には、正負の電極を備えた乾電池バッテリを1または2以上含んでいる。
あるデザインにおいては、フラッシュライトを保持するためのバレルまたはハウジング内の電池室に、バッテリが直列に配置される。多くの場合、電気回路は、バッテリの電極から導電手段を介して確立される。この導電手段は、ランプ電球の電極に電気的に連結されている。ランプ電球を通過した後に、電気回路は、当該ランプ電球の第2の電極を介して、導電手段に電気的に接続されて続き、当該導電手段は、バッテリの他方の電極に電気的に接続される。
白熱灯電球は電球フィラメントを含んでいる。一般的に、回路は、これを開閉するスイッチを含んでいる。スイッチを操作して電気回路を閉じると、電流がランプ電球およびフィラメントを通過して流れ、白熱灯電球の場合には、これによって光が生成される。
【0003】
従来のフラッシュライトでは、機械的なスイッチ部材を使用して、スイッチオンしていた。これは、2つの端子を機械的に接続し、バッテリの正端子から、ランプを通して、バッテリの負端子へと、電流を流すことで達成される。
機械的なスイッチにおける不都合の1つは、構成要素が摩耗、破壊、または酸化される傾向があり、それらは物理的に発生して、回路を破壊する。さらに、機械的なスイッチでは、自動的あるは調整されたモードで、フラッシュライトのオンオフを制御することはできない。
【0004】
従来のフラッシュライトにおける別の不利益は、フラッシュライトがスイッチオンされたとき、即座に大電流がバッテリからランプフィラメントを通して流れ、これによりフィラメントに応力が作用する。このような電流のサージが発生する理由は、ランプフィラメントが冷えている場合、フィラメントの抵抗が非常に低いからである。
【0005】
本質的に、ランプフィラメントは1本のワイヤーであって、初期において、短絡を起こす。フィラメントが光を放射するまでに加熱されると、フィラメントに抵抗が生じる。したがって、フラッシュライトが最初にスイッチオンされるとき、電球が予定している電流量よりも極めて大きな電流が流れる。
この変遷期におけるサージ電流は、設計された電球の限界を越えるが、電球が壊れることはない程に、当該変遷期は非常に短い。しかしながら、フィラメントに応力が作用するので、時間とともに、当該突入電流によりランプは損傷を受ける。そして、最終的には、ランプフィラメントは破壊される。
実際のところ、この一時的な変遷期において、ランプフィラメントが最終破壊されることが多い。
【0006】
従来のフラッシュライトの別の不利益は、それらが一般に、アルカリまたは乾電池バッテリで駆動されているという点にある。アルカリまたは乾電池バッテリは、使い終わると捨てられる。ユーザは、交換用の新しい電池を購入しなければならない。電池交換は煩わしく、またユーザに追加の出費を強いる。さらに、アルカリまたは乾電池バッテリは重いので、フラッシュライト全体の重量も大きくなる。
【0007】
再充電可能な鉛酸バッテリが開発され、アルカリまたは乾電池に取って変わった。このタイプのバッテリは、充電と放電を繰り返して使用できるという利点がある。しかしながら、それらは比較的大きく、一定期間使用した後、液体の電解質を補充しなければならない。
その大きなサイズと、アルカリ/乾電池バッテリよりも重い重量により、再充電可能な鉛酸バッテリは、通常は、壁に固定される安全照明器具、オートバイ、自動車等に使用されている。鉛酸バッテリは、一般的には、フラッシュライトのようなポータブルの照明デバイスには適さないと考えられている。
【0008】
フラッシュライトにおいて、従来のバッテリに代えて、ニッケル・カドミウム電池およびニッケル−金属水素化物バッテリが使用されてきた。これらの電池は、軽量で使用に都合がよく、繰り返して充電と放電が可能であるというメリットを有する。
しかしながら、これらの電池には、大きな金属汚染をもたらすという不利益があり、その上、いわゆるメモリ効果を有している。このため、バッテリの寿命が短くなるのを回避するためには、充電を行う前には、未使用のすべてのパワーを放出し切ることが必要となる。
【0009】
携帯用電子機器のために改善された再充電可能なエネルギ源は、リチウムイオン電池である。リチウムイオン電池は、ニッケル・カドミウム電池およびニッケル−金属水素化物バッテリよりも、エネルギ密度が高く、自己放電速度が低い。さらに、リチウムイオン電池は、ニッケル・カドミウム電池およびニッケル−金属水素化物バッテリよりも、重量当たりのエネルギ割合が大きい。
しかしながら、リチウムイオン電池は、その安全限度を越えて充電された場合、あるいは、その端子同士が短絡した場合に、爆発することがある。さらに、リチウムイオン電池は、過放電の場合に、リチウム・イオン・セルが永久破損することがある。
したがって、ほとんどのリチウムイオン電池は、過充電、過放電、および短絡に対する保護機能を有する(ビルトインタイプの)内蔵保護回路を備えたバッテリパックとして利用されている。
このバッテリパック保護回路は、短絡が検出された場合に、リチウムイオン電池パックから電流が流れることを内部で防止する。したがって、電子機器の充電端子間に短絡が発生した場合、バッテリパック保護回路が作動し、当該機器は作動を停止する。
【0010】
このような不用意な中断を回避するため、再充電可能なリチウムイオン電池で駆動される携帯用電子機器の充電端子は、届きにくい、または隠れた場所に位置している。残念なことに、そのような構成が故に、バッテリ充電に際して、プラグ、特別な挿入具、位置合わせタブ、あるいは、複雑なクレードルが必要となる。
しかしながら、デザイン上の要求から充電端子またはリングが露出していることが必要となるフラッシュライトまたは他の再充電可能な機器においては、充電端子へのアクセスを妨げることは、有益な解決策ではない。
【0011】
仮に、充電端子が露出したフラッシュライトにおいて再充電可能なリチウムイオン電池が使用されたとして、例えば、ユーザの自動車キー等の金属物質により、露出した端子間に突発的に短絡が生じた場合、短絡を生じさせている金属物質が取り除かれるまで、ランプは点灯しないであろう。
ユーザが灯りのない領域で作業している場合、特に、法の執行や、個人的な緊急時において、そのような不用意な中断は危険である。ニッケル・カドミウム電池やニッケル−金属水素化物バッテリ等の他の再充電可能電池においては、充電回路内に単純なダイオードを置いて、充電リングまたは端子間の突発的な短絡を防止することができる。
しかし、そのような解決策は、リチウムイオン電池パックに対して実行可能ではない。かかる状況下では、単純なダイオードを使用することはできない。その理由は、リチウムイオン電池を充電する際には端子電圧を厳格に制御する必要があるのに、ダイオードの前方において電圧降下が大きく変動するからである。
【0012】
以上のことを考慮して、露出した充電端子を備えた携帯用電子機器(再充電可能なフラッシュライト等)においては、再充電可能なリチウムイオン電池を使用する技術は、受け入れられていない。
したがって、露出した充電端子を備えた再充電可能な機器(フラッシュライト等)において、改善された短絡保護手段に対する要求が存在する。さらに、上述した問題の1または2以上を改善する回路を備えたフラッシュライトに対する別の要求も存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、フラッシュライトおよび(または)再充電可能なデバイスに関連して上述した問題の1または2以上を解決する、あるいは少なくとも改善することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0014】
従って、本発明の第1局面により、露出した充電端子および短絡保護回路を備えた再充電可能な携帯用電子機器(フラッシュライト等)が提供される。短絡保護回路は、充電端子間に短絡が生じたとき、一方の充電端子を当該機器の再充電可能な電源から電気的に引き離す。当該充電端子は、当該機器の電力回路を開くことなく、電気的に引き離される。したがって、当該機器は、充電端子間が短絡したまま、作動し続けることができる。当該機器の電源は、再充電可能なリチウムイオン電池パックである。
【0015】
本発明の一実施形態おいて、再充電可能な電子機器は、
直流電源および電力消費負荷を含む主電力回路と、
第1電気経路を介して上記電源の第1電極に電気的に連結された第1充電端子と、
第2電気経路を介して上記電源の第2電極に電気的に連結された第2充電端子と、
第1充電端子と第2充電端子が短絡した場合、主電力回路外の位置において、第1電気経路を開くよう構成された短絡保護回路と、を備える。
【0016】
短絡保護回路は、主電力回路外の位置において、第1電気経路上で第1充電端子と第1電極との間に配置されたスイッチを含んでいることが好ましい。この短絡保護回路は、第1充電端子と第2充電端子が短絡した場合に当該スイッチを開く。
スイッチは、例えばトランジスタであって、電界効果トランジスタおよびバイポーラ・トランジスタのいずれであってもよい。好ましくは、スイッチは、pチャネルタイプの金属-酸化膜-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)である。
【0017】
短絡保護回路は、さらに比較器を含んでいてもよく、当該比較器は、第1入力信号の電圧と第2入力信号の電圧とを比較し、比較結果に基づいて、スイッチの開閉を行う。第1信号の電圧は、第1充電端子とグラウンドの間における電圧差に比例しており、第2信号の電圧は、上記電源の電圧に比例している。比較器は、例えば、コンパレータ、オペレーション・アンプ、ASIC(カスタムIC)、またはプロセッサで構成される。
第1充電端子とグラウンドの間における電圧降下が、バッテリの電圧にほぼ等しいか、それ以上である場合、スイッチは、オン状態となることを比較器から命令される。その結果、当該機器が充電器内にあれば、エネルギが充電端子から電源まで流れる。
第1充電端子とグラウンドの間における電圧降下がゼロである場合、スイッチは、オフ状態となるように命令される。したがって、充電端子間に短絡が生じた場合、スイッチはオフ状態となる(開かれる)。その結果、電源は、電力消費負荷に電力を供給し続けることができる。
【0018】
再充電可能な電子機器は、フラッシュライトであってもよい。また、直流電源は、再充電可能なリチウムイオン電池パックであってもよい。
充電端子間に短絡が生じた場合、短絡保護回路は、リチウムイオン電池パックに内蔵された短絡保護機能よりも早く、短絡を検出してクリアするように構成されている。このようにして、短絡保護回路は、露出した充電端子間に短絡が生じた場合、当該機器の作動が中断されないことを保証する。このことは、再充電可能なデバイスがフラッシュライトである場合、特に有利である。
【0019】
さらに他の実施形態においては、再充電可能なフラッシュライトが提供される。当該フラッシュライトは、
電源と、
主電力回路を介して上記電源に電気的に連結されたランプと、
第1電気経路を介して上記電源の第1電極に電気的に連結された第1充電端子と、
第2電気経路を介して上記電源の第2電極に電気的に連結された第2充電端子と、
主電力回路外の位置において、第1電気経路上に配置されたスイッチを制御する論理回路と、を備える。論理回路は、第1充電端子と第2充電端子が短絡した場合に、上記スイッチに信号を送って同スイッチを開くよう構成されている。
【0020】
本発明の第2の局面によれば、携帯用照明機器は、当該機器のランプを通って流れる電流を調節する回路を含む。この回路は、ランプがスイッチオンされたとき、ランプを通して流れる初期サージ電流を低減させる。
白熱灯電球を使用する照明機器の場合、そのような回路を使用することで、当該照明機器がスイッチオンされるときにランプ電球に作用する応力が減じられ、これにより、ランプ電球の寿命が伸びる。
【0021】
一実施形態においては、照明機器は、
電源、光源、電子パワースイッチを含む主電力回路と、
パワー制御回路と、を備える。
パワー制御回路は、電子パワースイッチに電気的に連結されていて、制御信号に応答して、電子パワースイッチを通過して流れる電流を調整する。
パワー制御回路は、当該照明機器がスイッチオンされるとき、電子パワースイッチを調整して、主電力回路が安定状態に達する前おいて、主電力回路内を流れるピーク電流を制限する。電子パワースイッチは、トランジスタで構成されていてもよく、光源は、フィラメントを含んでいてもよい。
好ましくは、電子パワースイッチは、nチャネルMOSFETで構成され、パワー制御回路は、修正された制御信号をこのMOSFETのゲートに送る。照明機器は、フラッシュライトであってもよい。
【0022】
好ましい実施形態においては、照明機器は、マイクロプロセッサと、当該マイクロプロセッサと上記電源の間の電気経路の開閉を行う機械的スイッチと、をさらに含む。マイクロプロセッサは、機械的スイッチから受け取った起動信号に応答して、パワー制御回路に制御信号を与える。パワー制御回路は、この制御信号を修正して、修正された制御信号を電子パワースイッチに送る。
この制御信号の電圧は、当該照明機器がスイッチオンされたとき、ステップ関数に従って変化する。上記修正された制御信号の電圧は、照明機器がスイッチオンされた後、時間とともに増加する。
上記修正された制御信号の電圧は、照明機器がスイッチオンされた後、時間とともに指数関数的に急増することが好ましい。
【0023】
他の実施形態においては、照明機器はフラッシュライトであって、当該フラッシュライトは、
電源、ランプ、電子パワースイッチを含む主電力回路と、
電子パワースイッチに電気的に連結されていて、フラッシュライトがオン状態にあるとき、電子パワースイッチに信号を送るパワー制御回路と、を備える。
この実施形態では、電子パワースイッチが主電力回路へ流すことのできる電流量は、電子パワースイッチに与えられた信号電圧に応じて変わり、
パワー制御回路は、フラッシュライトがスイッチオンされたとき、所定時間の間に電子パワースイッチを通過して流れる電流量を増加させるよう、信号電圧を変化させるよう構成されている。
【0024】
好ましくは、上記所定時間は、フラッシュライトがスイッチオンされた後、主電力回路が安定状態に達するのに要する時間よりも長く設定される。ランプがフィラメントを含んでいる場合、上記所定時間はフィラメントの熱的時定数よりも長いことが好ましい。
一般的には、上記所定時間は、10ミリセカンドあるいはそれよりも長く、より好ましくは、40ミリセカンドあるいはそれよりも長い。
【0025】
1つの実施形態においては、パワー制御回路は、信号電圧を指数関数に従って変化させる(好ましくは、増加していく指数関数)。当該指数関数の時定数は、パワー制御回路に含まれる抵抗器およびキャパシタの値によって決まる。
【0026】
電子パワースイッチは、電界効果トランジスタまたはバイポーラ・トランジスタ等のトランジスタで構成されてもよい。好ましくは、電子パワースイッチは、MOSFETで構成される。電子パワースイッチが電界効果トランジスタで構成される場合、当該トランジスタのゲートに信号が送られる。
【0027】
フラッシュライトは、
マイクロプロセッサと、当該マイクロプロセッサと上記電源の間の電気経路の開閉を行う機械的スイッチと、をさらに含んでいてもよい。
マイクロプロセッサは、機械的スイッチから受け取った起動信号に応答して、パワー制御回路に制御信号を与える。パワー制御回路は、当該制御信号を修正して、電子パワースイッチに送る信号を生成する。
上記制御信号の電圧は、当該フラッシュライトがスイッチオンされたとき、ステップ関数に従って変化することが好ましい。電子パワースイッチに送られる信号は、時間とともに指数関数的に急増することが好ましい。
【0028】
本発明の別の態様において、上述した態様の構成要素を組み合わせてもよい。
【0029】
本発明のさらに別の態様、目的、望ましい特徴、および利点は、添付の図面を参照して行う以下の説明から、より明確に理解できるであろう。そこでは、多くの実施形態が例示されている。しかし、図面は単に例示を目的としたものであって、本発明の範囲を規定することを意図したものではない。そのことは、明確に理解されなければならない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
説明を簡単にするため、1つの図においてある要素を表わす参照数字は、他の図においても同じ要素を表わす。
【0031】
本発明の一実施形態に係るフラッシュライト10を、図1の斜視図に示した。フラッシュライト10は、本発明の多くの態様を備えている。これらの態様はすべてフラッシュライト10に組み入れられているが、本発明がここに記載したフラッシュライト10に限定されるものではないことを、理解すべきである。むしろ、本発明は、以下に説明するフラ
ッシュライトの各特徴のそれぞれに、あるいはその組み合わせに関連する。
さらに、この分野における当業者にとっては、本明細書における開示を読めば、本発明の1または2以上の態様が他の電子機器にも組み込み可能であることは自明である。他の電子機器とは、例えば、携帯電話、携帯ラジオ、玩具、および他の非ポータブルの照明装置である。
【0032】
図1〜4を参照すると、フラッシュライト10は、バレル21を含んでいる。バレル21の後端は後部キャップ22で閉じられ、前端はヘッド/スイッチアセンブリ23で閉じられている。
【0033】
バレル21は、好ましくはアルミニウムで作られる。この分野で知られているように、バレル21には、その軸方向の所定範囲において、機械加工でギザギザをつけるようにしてグリップ表面27が形成されている。
【0034】
この実施形態では、バレル21は、再充電可能なリチウムイオン電池パック60を収容する形態とされている。バッテリパック60は、1または2以上のリチウムイオン電池セルから構成される。好ましくは、バッテリパック60は、物理的には直列に配置された(すなわち端部同士を付き合わせて配置された)少なくとも2個のリチウムイオンセルから構成されるが、これらのセルは電気的には並列に接続されている。他の実施形態においては、2つのセルを電気的に直列に接続することが望ましい。
さらに、バレル21は、物理的に並列に配置された(横並びに配置された)2または3以上のリチウムイオン電池またはセルで構成されるバッテリパック60を収容するように構成されてもよい。各セルは、フラッシュライトの設計上の要求に応じ、電気的には、直列または並列に接続される。
さらに、図示したフラッシュライト10の実施形態では、リチウムイオン電池パック60が電源として使用されているが、本発明の他の実施形態では、他のDC電源を使用することができる。例えば、乾電池バッテリ、および他のタイプの充電式電池である。
【0035】
図5に最もよく示したように、再充電可能なリチウムイオン電池パック60は、好ましくは、短絡保護回路86を内蔵している。このタイプのバッテリパックは、市場において容易に入手できるもので(BYD社等が供給している)、バッテリパックの電極が短絡した場合には、当該バッテリパックからの電流を断ち切る。
【0036】
後部キャップ22も、好ましくはアルミニウムで作られており、この分野で従来からあるように、バレル21の内側に形成された係合ネジと係合するように構成されている。しかしながら、バレル21に後部キャップ22を取り付ける他の適切な手段を使用してもよい。
図2に最もよく示されているように、後部キャップ22とバレル21の境界部には、リップシール等の一方向弁68が配置されて、防水シールを提供している。しかしながら、当業者には理解できるように、一方向弁68に代えて、例えばOリング等、他の形態のシール要素を使用して防水シールを形成してもよい。
一方向弁68は、後部キャップ22に形成された周方向溝70内に保持されている。さらに、一方向弁68は、フラッシュライト10内の過剰圧力を大気へと逃がすと同時に、外部からフラッシュライト10内側への流れを防ぐように、その向きが決められている。
【0037】
フラッシュライトにおける一方向弁のデザインおよび使用は、Anthony Maglicaに付与された米国特許第5,113,326号に詳細に説明されている。当該特許明細書は、言及することで本明細書の一部を構成する。
【0038】
アルミニウムで作った場合、バレル21および後部キャップ22の表面は、陽極処理されることが好ましい。例外として、フラッシュライトの電気回路を形成するため、これらの表面が他の金属表面との電気的接触を形成する場合がある。
この実施形態では、電気経路は、バレル21とリチウムイオン電池パック60のケース電極61との間に、導電部材72およびスプリング74によって形成される。スプリング74は、バレルとケース電極の間の電気経路を形成することに加えて、バッテリパック60を前方へ付勢する。これにより、バッテリパック60の中心電極63は、スプリング付勢された導体76の端部に圧接される。導体76は、保持ボルト57内を貫通するように、同保持ボルト57で支持されている。
【0039】
この実施形態において、ヘッド/スイッチアセンブリ23は支持構造体28を含んでおり、当該支持構造体28には、他の要素が多数配置されている。例えば、ヘッド24、フェースキャップ25、充電端子44、プリント回路基板46、スリーブ50、スイッチ52、および可動ランプアセンブリ100等である。
生産を容易にするため、支持構造体28は、射出成型プラスチックで作ることが好ましい。一方、ヘッド24、フェースキャップ25、およびスリーブ50は、陽極処理アルミニウムで作るのが好ましい。
【0040】
この実施形態では、支持構造体28は、前部31、中間部33および後部35を備える中空の支持構造体である。
前部31は、大略カップ状の受入れ領域37を備える。中間部33(これは前部31から後方に延在する)は、大略円筒状の内部表面39を含む。後部35(これは中間部33から後方に延在する)は、ネジが切られた対向する2つのアーチ形フィンガー55を含む(そのうちの1方だけが、図2〜4の断面図中に現れている)。
【0041】
フェースキャップ25は、支持構造体28上に、レンズ26および反射器30を保持する。この実施形態のフェースキャップ25は、支持構造体28の前部31に形成された外ネジ29にネジ係合するように構成されている。しかしながら、他の実施形態では、他の取付け態様を採用してもよい。
図示したように、反射器30は、支持構造体28の前部31のカップ状受入れ領域37内に配置されている。反射器30の外表面およびこれに対応する支持構造体28の内表面には、それぞれ位置決め構造体32、34が配置されていて、これにより、反射器30と支持構造体28の適切な位置合わせを確保する。
【0042】
ヘッド24の直径は、バレル21およびスリーブ50の直径よりも大きい。ヘッド24は、また、バレル21およびスリーブ50の外径側を通過できるように構成されている。ヘッド24の内表面36は、選択された位置において、支持構造体28の外表面38に適合するように構成されていて、キャップ25および支持構造体28に対して、ヘッド24を適切に位置決めする。
支持構造体28の外表面38に周方向に延在する溝41内に、圧縮可能な止めリング40(ゴム製のOリング等)が配置されていて、支持構造体28と、ヘッド24の内表面36上に配置される構造体(例えば、周方向リップ42)との間に、締まり嵌めを構成している。
圧縮可能な止めリング40は、また、支持構造体28とヘッド24の前端との間から湿気および汚れがヘッドアセンブリ内に入ることを防止する。
【0043】
外部充電端子44、48は、フラッシュライト10の前方部分に設けられている。この実施形態では、充電端子44、48が充電リングの形態を為し、充電する手順を単純化している。しかし、他の実施形態では、接触44、48が他の形態であってもよい。
この実施形態では、プリント回路基板46は、充電端子44と48の間に間置される。プリント回路基板46は、充電端子44、48と電気的に連通状態となるように構成される。同時に、プリント回路基板46は、充電端子44と48が短絡により直接電気接続しないように両者を分離している。
プリント回路基板46と充電端子44、48との間の電気的な連通は、プリント回路基板46と各充電端子44、48とのインターフェース部に導電トレースを形成することで達成されている。
【0044】
外部充電端子44は、支持構造体28の外表面38(好ましくは中間部33の後端付近)に配置されたアルミニウムリングであることが好ましい。バレル21が陽極処理アルミニウムで作られる場合、外部充電端子48は、バレル21と一体に形成されてもよい。これは、バレルを部分的に機械加工して、充電端子48の位置から陽極処理部をすべて取り除くことによって、あるいは、バレル21を陽極処理する前に充電端子48の位置をマスクすることによって、実現される。
この実施形態では、充電端子48は、バレル21の前端に位置している。
【0045】
上述したように、ヘッド/スイッチアセンブリ23には、スリーブ50も含まれる。スリーブ50は、支持構造体28の外表面38を覆うように配置されて、充電端子44からヘッド24の後縁53の下方位置にまで延在する。スリーブ50は、好ましくは陽極処理アルミニウムで作られているが、他の金属またはプラスチックで作られてもよい。
上記構成の結果、この実施形態では、プリント回路基板46およびスイッチ52で形成される外表面を除いて、フラッシュライト10の外表面すべてが金属で作られる(好ましくはアルミニウム)。
【0046】
スリーブ50に形成された孔51を通して、スイッチ52のスイッチカバー54が延在している。スイッチカバー54を囲むスリーブ50の外表面には傾斜が設けられ、フラッシュライト10の操作感を向上させている。また、スリーブ50には、ヘッド24の後縁53付近の位置において、周方向に延在する溝56が形成されていて、ここにシール要素58(例えばOリング)が位置決めされる。これにより、ヘッド24とスリーブ50の間に防水シールが形成される。
同様に、スイッチカバー54は、型成形されたゴムまたはラテックスで作ることが好ましい。図3および4に最も良く示されるように、スイッチカバー54は、湿気および汚れが貫通孔51を通してヘッド/スイッチアセンブリ23に入ることを防ぐように構成するのが好ましい。
【0047】
この実施形態では、ランプ59は、ヘッド/スイッチアセンブリ23内に着脱可能に取り付けられていて、反射器30に形成した中心孔を通して、反射器30内に突出する。特に、ランプ59は、可動ランプアセンブリ100に取り付けられ、このアセンブリ100が、支持構造体28の中間部33内にスライド可能に取り付けられる。
【0048】
ランプ59は光を発する適当なデバイスで構成することができるが、この実施形態のランプ59は、白熱灯電球である。2ピン白熱灯電球がより好ましい。
しかしながら、本発明の他の実施形態では、ランプ59は、例えばLEDランプまたはアーク灯で構成されてもよい。
【0049】
この実施形態では、可動ランプアセンブリ100は、調節可能なボールハウジング102、ボール形の調節可能な電球ホルダ104、エンドキャップ106、保持体108、保持スプリング110、スプリング付勢導体112、スプリング114、導体ポスト116、およびカムフォロアアセンブリ117を含んでいる。
【0050】
図3および4に見られるように、ランプ59は、ボール形の調節可能な電球ホルダ104に保持される。そして、この電球ホルダ104は、調節可能なボールハウジング102内に取り付けられる。ボールハウジング102は、その前端において部分的に、壁103の内側に収容されている。壁103は凹状面118を含んでいて、ここにボール形電球ホルダ104が調節可能に保持される。
保持体108は、調節可能なボールハウジング102内でスライド可能であって、凹状面120を含む。凹状面120は、ボール形の調節可能な電球ホルダ104の反対側の面に対してスライド可能に当接する。
エンドキャップ106は、調節可能なボールハウジング102の後端を収容し、そこに固定される。
保持スプリング104は、固定されたエンドキャップ106とスライド可能保持体108との間に配置されて、凹状面120がボール形の調節可能な電球ホルダ104に当接するまで、保持体108をフラッシュライト10の前端に向かって付勢する。この結果、ボール形の調節可能な電球ホルダ104は、壁103の凹状面118と保持体108の凹状面120との間に調節可能に保持される。
【0051】
ボール形の調節可能な電球ホルダ104は、金属部分122、第1端子ホルダ124、および第2端子ホルダ126を含む。この実施形態では、金属部分122は、貫通孔を備えた球体領域を備える。第1端子ホルダ124および第2端子ホルダ126は、プラスチック等の非導電性材料から作られ、金属部分122の貫通孔内に適当な締まり嵌めを形成するように構成されている。
第2端子ホルダ126は、球面の一部をなす形状のヘッド部分を含んでいる。これにより、ボール形の調節可能な電球ホルダ104は、金属部分122との組合せによって、実質的に球状の外表面を備えることとなる。
【0052】
ランプ59の電極は、第1端子ホルダ122内を延在している。そこでは、正電極端子および負電極端子は、摩擦力で保持されることが好ましい(不図示)。一方の電極端子(この実施形態では負の端子)は、第1および第2端子ホルダ124、126の当接面の間を延在するように構成されていて、ボール形の調節可能な電球ホルダ104の金属部分122に対する電気接続を実現している。
もう一方の電極端子(この実施形態では正の端子)は、第1および第2端子ホルダ124、126を貫通して延在しており、スプリング付勢導体112と当接する表面を含んでいる。
【0053】
可動ランプアセンブリ100の構造は、2004年3月16日に出願された係属中の米国特許出願第10/802,265の図6〜18に詳細に説明されており、当該内容は、言及することにより、本件明細書の一部を構成している。
【0054】
ボール形の調節可能な電球ホルダ104の金属部分122は、調節可能なボールハウジング102(これもまた金属で作られている)と電気的に連通している。調節可能なボールハウジング102は、さらに、板バネ導体128と電気的に連通している。板バネ導体128の一部分は、調節可能なボールハウジング102の外面とスライド可能に接触している。
板バネ導体128は、また、プリント回路基板46上の接触パッド62において、当該プリント回路基板46と電気的に連通している。
【0055】
接触ポスト116は、エンドキャップ106およびスイッチハウジング80を貫通して延在している。接触ポスト116は、摩擦力によってスイッチハウジング80に保持されていて、当該ポスト116の後端が、プリント回路基板46のバイア64と電気的に連通している。この実施形態では、バイア64は、プリント回路基板46の中央を貫通している。
接触ポスト116は、その前端にて、エンドキャップ106に形成した貫通孔内にスライド可能に支持されている。接触ポスト116の前端に設けたカップ状部分130は、スプリング114の一端を支持するよう構成されている。スプリング114の他端は、スプリング付勢導体112を付勢して、当該導体112を、ボール形の調節可能な電球ホルダ104の第2端子ホルダ126を貫通して延在する電極端子の露出部分に当接させる。
この実施形態においては、スプリング付勢導体112もまたカップ状であって、カップ状部分130の直径よりもやや大きい直径を有する。これにより、スプリング付勢導体112は、カップ状部分130の外周面上にスライド可能に係合することができ、これら両部材の間にスプリング114が保持される。
【0056】
支持構造体28の後部35に設けられたネジの切られた2つのアーチ形フィンガー55によって、ヘッド/スイッチアセンブリ23は、バレル21に取り付けられる。当該2つのアーチ形フィンガー55は、プリント回路基板46を貫通して延在している。両フィンガー55は、その外面および内面の両方にネジが切られている。
フィンガー55の外ネジは、バレル21の前端に形成された内ネジと係合する。ヘッド/スイッチアセンブリ23をバレル21にネジ係合させた後、保持ボルト57をフィンガー55の内ネジにネジ係合させる。
保持ボルト57は、アーチ状フィンガー55を拡げ得る形状のテーパ軸59を含んでいて、これにより、ヘッド/スイッチアセンブリ23がバレル21にロックされる。
【0057】
スプリング付勢導体76は、保持ボルト57の中央キャビティ66内において、プリント回路基板46と端壁67との間に圧縮可能に保持される。また、スプリング付勢導体76は、プリント回路基板46上のバイア64を、再充電可能なリチウムイオン電池パック60の中心電極63に電気的に連結している。
【0058】
図5はフラッシュライト10の回路図であって、本発明に係る電気回路の好ましい実施形態を模式的に表わしている。図5に示したように、フラッシュライト10は、主電力回路400、スイッチ52、デバウンス回路500、マイクロプロセッサ制御回路600、パワー制御回路700、充電端子44、48、および短絡保護回路800を含んでいる。
この実施形態では、デバウンス回路500、マイクロプロセッサ制御回路600、パワー制御回路700、および短絡保護回路800は、すべてプリント回路基板46上に形成されている。しかし、他の実施形態において、他の配置とすることも可能である。
【0059】
この実施形態の主電力回路400は、再充電可能なリチウムイオン電池パック60、電気経路402、ランプ59、電気経路404、および電子パワースイッチ702を含む。
【0060】
図5に最もよく示されているように、再充電可能なリチウムイオン電池パック60は、短絡保護回路86を内蔵している。このようなビルトインタイプの短絡保護回路86は、リチウムイオン電池パック60内において、リチウムイオンセル88と直列で配置されている。
図示した実施形態では、短絡保護回路は、リチウムイオンセル88の負電極とバッテリパック60の負電極との間に配置される。
しかしながら、ビルトインタイプの短絡保護回路86は、リチウムイオンセル88の正電極とバッテリパック60の正電極との間に配置してもよい。
【0061】
電気経路402は、再充電可能なリチウムイオン電池パック60の中心電極63をランプ59の正電極に接続する。図1〜4に示したフラッシュライト10では、電気経路402は次の要素、すなわち、スプリング付勢導体76、バイア64、導体ポスト116、スプリング114、スプリング付勢導体112、および正電極端子を備える。正電極端子は、ボール形の調節可能な電球ホルダ104内に配置されている。
【0062】
電気経路402は、ランプ59の負電極を再充電可能なリチウムイオン電池パックのケース電極61に接続する。さらに、電気経路404は、電子パワースイッチ702によって開閉されて、主電力回路400の開成および閉成を行う。以下に、これを詳細に説明する。
図1〜4に示したフラッシュライト10では、電気経路404は、ボール形の調節可能な電球ホルダ104内に配置された負電極端子、同ホルダ104の金属部分122、調節可能なボールハウジング102、板バネ導体128、接触パッド62、導電トレース406、電子パワースイッチ702、導電トレース408、バレル21、後部キャップ22内に設けた導電部材72、およびスプリング74を備える。
【0063】
この実施形態においては、電子パワースイッチ702はプリント回路基板46上に配置されているが、フラッシュライト10内の他の位置に配置してもよい。
【0064】
電子パワースイッチ702は、導電トレース406を介して、接触パッド62に電気的に連結される。導電トレース406もプリント回路基板46上に設けられている。
また、電子パワースイッチ702は、導電トレース408を介して、バレル21に電気的に連結される。導電トレース408は、プリント回路基板46上において、電子パワースイッチ702から、プリント回路基板46とバレル21の境界にまで延在する。
【0065】
電子パワースイッチ702以外の、電気経路402、404の構成要素は、この実施形態に係る電力回路400の操作において重要ではない。特定のフラッシュライト構成における電力回路の電気経路を形成するために、適切であろう構成要素のあらゆる組合せを採用できる。
【0066】
電子パワースイッチ702は、ランプ59とリチウムイオン電池パック60のケース電極61との間において、電気経路404を選択的に開閉する。電子パワースイッチ702が閉じているとき、電流は主電力回路400内を流れることができる。
【0067】
この実施形態では、スイッチ52、マイクロコントローラ回路600、およびパワー制御回路700によって、電子パワースイッチ702の開閉が制御される。
【0068】
スイッチ52を操作すると、電子パワースイッチ702が開くのか閉じるのか、あるいは、以下に説明する態様で開閉を繰り返すのかを決定する信号が発生される。
【0069】
この実施形態では、スイッチ52は瞬間スイッチである。スイッチ52を押圧すると、スイッチ52のプランジャ69が導体82のスナップドーム84を押し込んで、導体ポスト116と電気的に連通させる。そして、バッテリパック60からの信号が、導体パッド65を通して、プリント回路基板46に伝えられる。
この信号がプリント回路基板46に伝えられると、電気経路404の開閉を指示する信号が電子パワースイッチ702に与えられ、これに従って、フラッシュライト10のオンオフが実行される。
【0070】
スイッチ52は、この分野で知られた機械的なスイッチとは異なり、電流をランプ59へ導くものではない。スイッチ52は、単に、作動または非作動の信号を与える。
この実施形態では、当該作動または非作動の信号は、マイクロコントローラ回路600に送られる。そして、当該回路600は、パワー制御回路700を介して、当該信号を電子パワースイッチ702に送り、これに従って開閉が行われる。
このように、この実施形態では、ユーザによるスイッチ52の操作を介して、主電力回路400が間接的に作動または非作動の状態となる。
【0071】
再充電可能なリチウムイオン電池パック60からランプ59に向かう電流が、スイッチ52ではなく電子パワースイッチ702を通って流れるので、スイッチ52は、非常に低い電流下で作動するよう設計できる。
【0072】
図5に示した実施形態では、スイッチ52、デバウンス回路500、マイクロコントローラ回路600、パワー制御回路700、および電子パワースイッチ702は、すべて電気的に連通している。
最初にスイッチ52を押圧すると、信号は、デバウンス回路500を介してマイクロコントローラ回路600に送られる。これに応答し、マイクロコントローラ回路600は、パワー制御回路700を介して、電子パワースイッチ702に信号を送る。これに応答して、電子パワースイッチ702は、所定期間に渡たり制御された増加率で、電流がリチウムイオン電池パック60からランプ59へと流れることを許容する。
デバウンス回路500、マイクロコントローラ回路600、パワー制御回路700、および電子パワースイッチ702について、図6、7、および8を参照して、さらに詳細に説明する。
【0073】
図6は、本発明に使用されるデバウンス回路500の一実施形態を示す詳細図である。デバウンス回路500は、スイッチ52からマイクロコントローラ回路600に送られる信号のノイズ、電流および電圧を減じるために使用される。
【0074】
ユーザがスイッチ52を操作し、これにより、プランジャ69がスナップドーム84を導体ポスト116に圧接させたとき、ランプ59のオンオフを制御する信号が、導体パッド65を通して、デバウンス回路500に入る。この操作の結果、信号は、導体パッド65から、デバウンス回路500内に送られる。
デバウンス回路500からの出力は、出力端507から提供される。出力端507は、図7に示したマイクロコントローラ回路600との電気的に連通している。
【0075】
デバウンス回路500の一実施形態においては、キャパシタ502、504、505、および抵抗器503は、導体パッド65および出力端507に対して並列に連結されている。一方、抵抗器506は、好ましくは、並列接続されたキャパシタ502および抵抗器503よりも下流側において、導体パッド65と出力端507の間に直列に接続されている。
【0076】
当業者であれば、マイクロコントローラ回路600への適切な信号レベルを達成するデバウンス回路500を如何にして設計するのか分かるであろう。
しかしながら、図6に示した構成では、抵抗器506の抵抗が10KΩで、抵抗器503の抵抗が1KΩである。また、キャパシタ502、504、および505は、それぞれ0.1μFの容量を有している。
【0077】
図7は、マイクロコントローラ回路600の模式図である。この実施形態では、マイクロコントローラ回路600は、入力端602と2つの出力端604、606を備えたマイクロコントローラ601を含む。
また、マイクロコントローラ601のGNDピンは、直接グランドに接続されている。マイクロコントローラ601のVccピンは、導電トレース608を介してバッテリパック60に接続されるとともに、導電トレース612およびキャパシタ610を介してグランドに電気的に接続されている。
導電トレース608上で提供された信号は、ダイオードによってフィルタリングされたバッテリ信号であってもよい。ただし、そのようなフィルタリングは必ずしも必要ではない。フィルタリングを行う場合には、以下に説明する短絡保護回路800において行なう。
【0078】
デバウンス回路500の出力端507からの信号は、入力ピン602を通ってマイクロコントローラ601に入る。マイクロコントローラ601は、ユーザが選択可能な異なる機能を実行するようプログラムされている。当該選択は、入力ピン602に受け入れられた入力信号の性質によって制御される。
このように、例えば、フラッシュライト10がオフ状態にあってスイッチ52を押し込んで離したとき、マイクロコントローラ601は、フラッシュライト10をオンにする信号を出力ピン606に与えるようにプログラムされている。
また、スイッチ52をさらに押し込んで再度離すまでフラッシュライト10がそのままの状態を維持するように、マイクロコントローラ601がプログラムされていてもよい。他の機能をマイクロコントローラ601にプログラムすることも可能である。
例えば、スイッチ52を押圧して2秒間ホールドすることでユーザが節電モードを選択できるように、あるいは、スイッチ52を押圧して4秒間ホールドすることでユーザがストロボモードを選択できるように、マイクロコントローラ601をプログラムすることもできる。
【0079】
フラッシュライト10がオフ状態にあるとき、マイクロコントローラ601は、入力ピン602から受け取った信号に応答して、制御信号を出力ピン606から外部へ送る。出力ピン606からの制御信号は、パワー制御回路700の入力端707に送られる。そこでは、制御信号は、トレース708を通って電子パワースイッチ702まで供給される前に所望の態様で修正される。当該修正により、電子パワースイッチ702が制御信号に応答して徐々に閉じて、初期におけるランプ59への突入電流を制限する。
【0080】
マイクロコントローラ601にプログラムされる他の操作モードに関連して、マイクロコントローラ601で生成される制御信号を他の態様で修正することが望ましい。
したがてって、図示された実施形態では、マイクロコントローラ601は、パワー制御回路700に第2の制御信号を与えるための第2出力端604をさらに備えている。出力ピン604からの制御信号は、パワー制御回路700の入力端709に与えられる。
出力ピン604からの制御信号は、トレース708を通して電子パワースイッチ702へ供給される前に、パワー制御回路700内で修正される。当該修正により、電子パワースイッチ702は、マイクロコントローラ601の出力ピン604に与えられた制御信号に応答して、異なる速度で閉じる。
【0081】
図7は、パワー制御回路700の模式図である。パワー制御回路700は、導電トレース708を介して電子パワースイッチ702に連結されている。トレース708に与えられた異なる信号レベルに応答して、異なるレベルの電流が主電力回路400内を流れることを許容するよう、電子パワースイッチ702が選択される。
この実施形態では、電子パワースイッチ702は、nチャネルMOSFET705で構成されている。MOSFETのゲートは、トレース708に電気接続されている。ドレインは、入力端706を介して、バッテリパック60の中心電極63に接続されている。ソースは、グランド(例えば、バッテリパック60のケース電極61)に接続されている。
nチャネルMOSFETは、その伝達特性により、本発明においてよく機能する。すなわち、ゲート-ソース電圧がほぼ0.75ボルトよりも小さいとき、ドレイン電流が0となる(つまり、電子パワースイッチ702が開く)。
【0082】
この実施形態では、nチャネルMOSFET705を使用しているが、ここでの開示から、本発明において他のタイプの電子パワースイッチも使用可能なことが当業者にとっては明白である。
例えば、電子パワースイッチ702が主電力回路400よりも高い側に(つまり、ランプ59の手前に)配置される場合には、nチャネルMOSFETに代えて、pチャネルMOSFETを使用することが可能である。
同様に、電子パワースイッチ702に対して、他のタイプのトランジスタを使用することも可能である。例えば、JFETやDE MOSFET等の他の電界効果トランジスタや、バイポーラ接合トランジスタである。
【0083】
上述したように、パワー制御回路700は、マイクロコントローラ601の出力ピン604、606から受け取った制御信号を修正する。特に、パワー制御回路700は、採用された電子パワースイッチ702の伝達特性および電子パワースイッチ702が閉じられる速度に基づいて、制御信号が時間とともに変化することとなるよう、制御信号を修正するよう設計されている。
好ましくは、パワー制御回路700は、制御信号が電子パワースイッチ702に到達したとき、瞬時に閉じられるのではなく、電子パワースイッチ702が時間とともに徐々に閉じることとなるように、マイクロコントローラ601から受け取った制御信号の少なくとも1つを修正する。
【0084】
フラッシュライト10がオフ状態にあるとき、入力端707、709に与えられる信号は、ともにハイ・インピーダンス信号である。したがって、それらは、パワー制御回路700の一部でないことが効果的である。さらに、フラッシュライト10がオフ状態にあるとき、抵抗器703がMOSFET705のゲート電圧をゼロボルトとし(抵抗器701を介して)、電子パワースイッチ702を開けることとなるように、抵抗器703の値が選択される。
【0085】
この実施形態では、電子パワースイッチ702が閉じている度合い、したがって、主電力回路400内を流れ得る電流の量は、キャパシタ710の両端間の電圧によって最適制御される。それはまた、MOSFET705のゲート-ソース電圧にも対応する。制御信号が入力端707または709に与えられるとき、キャパシタ710の両端間の電圧は、制御信号の最大電圧が達成されるまで、式Vc=E(1−e−t/T)にしたがって指数関数的に急増する。
上の式において、Eは、入力端707、709に与えられる制御信号の電圧である。Tは、回路の時定数であって、式T=RCによって決まる。さらに、キャパシタが完全にチャージされるまでにほぼ5Tの時間を要するが、時間1Tの間に、キャパシタ710の両端間の電圧は、マイクロコントローラ601からの制御信号の電圧のほぼ63%に達するであろう。
このように、入力端707、709に対応する各回路経路に対して、RおよびCを適切に選択することによって、ゲート-ソース電圧が増加する速度(したがって、マイクロコントローラ601から制御信号が与えられた後、どの程度迅速に電子パワースイッチ702が閉じるのか)を制御できる。
【0086】
上に説明したように、フラッシュライト10が最初にオン状態にされたとき、制御信号はマイクロコントローラ601の出力ピン606から、パワー制御回路700の入力端707に与えられる。その結果、入力端707の信号は、瞬間的に、ハイ・インピーダンス信号から、例えば3ボルト信号となる。
しかし、キャパシタ710の両端間の電圧、したがって、ゲート-ソース電圧は、上式に従って3ボルトまで指数関数的に急増するだろう。以上のようにして、トレース708を通って電子パワースイッチ702に到達する制御信号の電圧を徐々に増加させることにより、ランプ59まで流れる電流が制御された速度で増加する。
したがって、ランプ59まで流れる電流の量を制御された速度で増加させることによって、ランプ59は、制御された低速下の安定した抵抗状態を維持でき、これにより、フラッシュライトがスイッチオンされるとき、バッテリパック60からの電流の通常は大きな初期サージから、ランプ59を保護することができる。
【0087】
好ましい実施形態では、抵抗器701は470KΩの抵抗を有し、抵抗器703は1KΩの抵抗を有する。また、キャパシタ710は0.1μFの容量を有する。抵抗器701とキャパシタ710のこの組み合わせは、時定数が47ミリセカンドのローパスフィルタを形成する(470,000×0.000001=0.047秒、すなわち、47ミリセカンド)。
この時間の間に、キャパシタ710は、入力端707に与えられる制御信号の電圧のほぼ63%までチャージされるであろう(0.63×5=3.15ボルト)。これは、MOSFET705のゲート-ソース電圧が、トランジスタのオフ領域から、電流制限領域を経て、線形領域まで達するのに、ほぼ47ミリセカンドを要することを意味している。
この間に、突入電流をより望ましいレベルに制限しながら、ランプ59のフィラメントが加熱される。
【0088】
上に説明したように、マイクロコントローラ601の出力端604に与えられた制御信号は、入力端707に与えられた制御信号により達成されるものとは異なる速度で電子パワースイッチ702を閉じることを目的として、入力端709に与えられる。
例えば、抵抗器704を1.0KΩにセットし、キャパシタ710の容量を0.1μFのままにセットしてもよい。この組合せにより、時定数が0.0001秒(0.1ミリセカンド)のローパスフィルタ回路が構成される。したがって、この構成の下では、0.1ミリセカンドで、キャパシタ710は、入力端709に与えられた制御信号の電圧のほぼ63%までチャージされる(この実施形態では3.15ボルト)。
【0089】
したがって、パワー制御回路700の入力端709に与えられる制御信号は、入力端707に与えられる制御信号よりずっと高い周波数で、電子パワースイッチ702を開閉するのに使用される。この特徴は、例えば節電モード等、ユーザが選択可能なある機能には望ましい。
例えば、適当な時間ユーザがスイッチ52を押圧し続けることで節電モードが選択される場合、マイクロコントローラ601は、最初制御信号を出力ピン606から入力端707へ送り、上述したように比較的ゆっくりと、ランプ59に電圧をかける。ランプ59が点灯されフィラメントが加熱されて抵抗状態が安定した後、マイクロコントローラ601は、矩形波パルスに変調した制御信号(例えば図13に示したもの)を、出力ピン604からパワー制御回路700の入力端709に送り、そして、制御信号を出力端606に送るのを停止する。
【0090】
0.1ミリセカンドの時定数に基づいて、マイクロコントローラ601の出力ピン604から送られたパルス変調信号は、ほぼ5kHz〜100Hzの周波数に変調できる(それでもなお、目で確認できる60Hzの点滅速度よりもずっと高い周波数にある)。
さらに、各パルス間のサイクルタイムが短いので、ランプ59のフィラメントは、オンオフのサイクルが高周波数であることにより、好ましくない応力に帰着するほど冷えない。その結果、例えば、ランプ59が半分の電力で作動し、したがって、一定時間において通常消費されるであろうよりも半分のエネルギ消費で、フラッシュライト10が機能する。
【0091】
この実施形態において、パワー制御回路は、RC回路を使用して、電子パワースイッチ702に与えられる制御信号を修正すると説明したが、同様に、パワー制御回路700内に、時定数を有する他の形態の回路(例えば、RLおよびRLC回路)を採用することもできる。さらに、パワー制御回路700として、線形、正弦波、鋸刃形、あるいは三角形の波形を生成する回路を使用してもよい。
さらに、パワー制御回路700の利点は、パワー制御回路に分配される制御信号が、(マイクロコントローラではなく)機械的なスイッチから直接やって来るフラッシュライトや、バッテリパック60に代えて、あらゆる形態のDC電源が使用されるフラッシュライトにおいて認識できる。
【0092】
図10Aは、フラッシュライト10が最初にスイッチオンされたときに、パワー制御回路700がランプ59に与える有益なダンペニング効果(dampening effect)をグラフ化して示している。対照的に、図10Bは、本発明のパワー制御回路700が電子パワースイッチ702への信号を制御していない場合、電子パワースイッチ702を流れる電流の変化速度およびピーク電流がずっと大きいことをグラフ化して示している。
【0093】
図10Aは、3つのオシロスコープ軌跡1002、1004、1006を示している。図10Aのオシロスコープ軌跡は、図8で説明した上述のパワー制御回路700を備え、MOSFET705で構成される電子パワースイッチ702を駆動するフラッシュライトから得られた。
さらに、抵抗器701は470KΩの抵抗値を有し、キャパシタ710は0.1μFの容量値を有していた。したがって、パワー制御回路の時定数は、47ミリセカンドであった。
【0094】
図10Bのオシロスコープ軌跡は、フラッシュライトがオフ状態からオン状態へと移行するときに得られたものである。そして、それぞれが次のことを反映している。
(1)フラッシュライトが最初にスイッチオンされたときに、フラッシュライトのマイクロコントローラ601からの制御信号の電圧が、時間とともにどのように変化したのか。
(2)パワー制御回路700からの信号の電圧(したがって、MOSFET705のゲート-ソース電圧)が、マイクロコントローラの制御信号に応答してどのように変化したのか。
(3)MOSFET705を流れる電流(したがって、フラッシュライトのランプ59に供給される電流)が、パワー制御回路からの信号に応答してどのように変化したのか。
【0095】
図10AのX軸は、時間をミリセカンド単位で表わしている。X軸と交差する垂直のグリッド線の間隔は40ミリセカンドを表わしている。
一方、図10AのY軸は、どの信号またはカーブが参照されるのかに応じて、異なる単位または値を示す。
【0096】
図10Aにおいて、オシロスコープ軌跡1002は、フラッシュライト10が最初にスイッチオンされたときにおける、マイクロコントローラ601からの制御信号出力の電圧を描いている。オシロスコープ軌跡1002に対しては、Y軸と交差する水平のグリッド線の間隔は、2ボルトを表わしている。
グラフに示されるように、制御信号1002の電圧は、基本的にステップ波に相当している。つまり、フラッシュライト10がスイッチオンされたとき、制御信号の電圧は、0ボルトの低位状態から、3ボルトの高位状態まで変化した。
【0097】
オシロスコープ軌跡1004は、マイクロコントローラ601からの制御信号出力が入力端707を経てパワー制御回路700を通過した後における、当該制御信号出力の電圧を描いたものである。つまり、MOSFET705のゲート-ソース電圧に相当する。オシロスコープ軌跡1004に対しては、信号1002の場合と同様に、Y軸と交差する水平のグリッド線の間隔は2ボルトを表わしている。
この修正された制御信号の電圧は、上述した、指数関数的な急増機能を示している。電子パワースイッチ702に送られた信号電圧がこのように指数関数的に急増することにより、電子パワースイッチ702は、制御された速度で閉じられた。つまり、MOSFET705およびランプ59を通して流れる電流の変化速度およびピーク電流が減少した。
このことは、軌跡1006を、図10B中の対応する軌跡1012と比較することで理解できる。これらについて、以下に説明する。
【0098】
図10A中の軌跡1006は、MOSFET705からの電流(したがって、ランプ59からの電流)を示している。これは、軌跡1004に示すようにゲート-ソース電圧が制御された結果である。Y軸と交差する水平のグリッド線の隔は、軌跡1006に対しては、2アンペアを表わしている。
図11Aは、軌跡1006を示しているが、時間スケールを拡大している。図11Aで使用している時間スケールは、図10Aよりも10倍大きい。したがって、図11Aにおいて垂直のグリッド線の間隔は、4ミリセカンドを表わしている。一方、図11AにおけるY軸のスケールは、図10A中の軌跡1006に対するものと同じである。
【0099】
フラッシュライト10がスイッチオンされたときにランプ59を通って流れたピーク電流は、本発明のこの実施例では、3.75アンペアであった。ピーク電流は、図10Aおよび図11Aに示されたカーブ1006において、ベースラインに対するカーブ1006の高さを測定して求めることができる。しかし、図11Aは図10Aに示されるよりも大きな時間スケールでMOSFET705を流れる電流を示しているので、図11Aを使う方が、より正確にピーク電流を測定できる。
【0100】
図10Bは、3つのオシロスコープ軌跡1008、1010、1012を示している。図10Bの軌跡を得るために使用したフラッシュライトは、図10Aの軌跡を得るために使用したものと同じフラッシュライトである。ただし、次の点のみが変更されている。すなわち、図10Bの軌跡を得るために使用したフラッシュライトでは、マイクロプロセッサ601からの制御信号が、直接MOSFET705のゲートに供給され、したがって、本発明のパワー制御回路をバイパスしている。
図10Aの場合と同様に、図10Bのオシロスコープ軌跡は、フラッシュライトがオフ状態からオン状態へ移行したときに計測されたもので、それぞれ、次のことを反映している。
(1)フラッシュライトが最初にスイッチオンされて、制御信号がMOSFET705のゲートに直接に供給されたとき(すなわち、パワー制御回路700をバイパスした)、フラッシュライトのマイクロコントローラからの制御信号の電圧が、時間とともにどのように変化したのか。
(2)そのような状況下において、制御信号の電圧に応答して、MOSFET705のゲート-ソ−ス電圧がどのように変化したのか。
(3)電子パワースイッチ内を流れた電流(したがって、フラッシュライトのランプに供給された電流)は、電子パワースイッチのゲートに与えられた電圧に応答して、どのように変化したのか。
【0101】
図10BのX軸は、時間をミリセカンド単位で表わしている。また、X軸と交差する垂直のグリッド線の距離は、40ミリセカンドを表わしている。つまり、X軸は、図10A中で用いられるのと同じスケールを使用している。
図10A中のY軸と同様に、図10BのY軸は、どの信号またはカーブが参照されるのかに応じて、異なる単位または値を示す。
【0102】
図10Bでは、オシロスコープ軌跡1008は、フラッシュライトが最初にスイッチオンされたときの、マイクロコントローラ601からの制御信号出力の電圧を描いている。オシロスコープ軌跡1008に対しては、図10Aの場合と同様に、Y軸と交差する水平のグリッド線の間隔は、2ボルトを表わしている。
グラフに示されるように、制御信号1008の電圧は、基本的にステップ波に相当している。つまり、フラッシュライト10がスイッチオンされたとき、制御信号の電圧は、0ボルトの低位状態から、3ボルトの高位状態まで変化した。
しかし、制御信号1008の前端が、僅かではあるが、明らかに丸くなっている。これは、フラッシュライトがスイッチオンされた瞬間に、比較例のランプ59を通って発生した大きな突入電流の結果である。この突入電流は、バッテリパックの電圧を瞬間的に低下させた。
カーブ1002においても同様に、制御信号電圧の低下が観察される。しかしながら、カーブ1002においては、電圧低下は、制御信号の前端から離れた位置にあり、それ程大きくない。これは、本発明のパワー制御回路700を使用するフラッシュライトにおいては、ランプ59を流れるピーク電流が遅れ、また低下するからである。
【0103】
オシロスコープ軌跡1010は、MOSFET705のゲート-ソース電圧を描いたものである。信号1008の場合と同様に、Y軸と交差するグリッド線の間隔は、2ボルトを表わす。この比較例では、フラッシュライト用のパワー制御回路がバイパスされたので、ゲート-ソース電圧は、マイクロコントローラから与えられる制御信号1008の電圧と同じである。
マイクロコントローラ601と電子パワースイッチ702の間にパワー制御回路700が存在しないので、電子パワースイッチ702は、非導通状態からMOSFET705の伝達特性カーブ上の位置へと瞬間的に駆動された。これにより、主電力回路400内を実際に流れるよりも非常に多くの電流がMOSFET705を流れることが可能となる。
言い換えると、フラッシュライトがオフ状態からオン状態へと移行するときに、主電力回路400内を流れる電流の流れの変化速度およびピーク電流が、電子パワースイッチ702によって制限されていなかった。これによりランプ59への突入電流が大きくなり、図10Bの軌跡1012では、大きな電流スパイクが観察された。
【0104】
図10Bのオシロスコープ軌跡1012は、ゲート-ソース電圧がパワー制御回路によって制御されない場合における、MOSFET705を流れる電流(すなわち、ランプ59を流れる電流)と時間との関係を描いている。軌跡1012に対しては、Y軸と交差するグリッド線の間隔は2アンペアを表わしている。
図11Bは、時間スケールを大きくして、オシロスコープ軌跡1012を示している。図11Bでの時間スケールは、図10Bよりも10倍大きい。したがって、図11Bにおいて、垂直のグリッド線の間隔は4ミリセカンドを表わす。図11Bは、図11Aと同じ時間スケールで描いている。
一方、図11BのY軸上の電流目盛りは、図11Aで軌跡1006に対するもの、および図10B中で軌跡1012に対するものと同じである。
【0105】
この比較例において、MOSFET705およびランプ59を流れるピーク電流は、ほぼ7.8アンペアであった。図10A、11Aのカーブ1006を、図10B、11Bのカーブ1012と比較すると、次のことが分かる。すなわち、本発明の上記実施例におけるパワー制御回路700を使用して、電子パワースイッチ702が閉じる速度を制御する場合、ランプ59に与えられるピーク電流は、ほぼ4.05アンペア(50%よりも僅かに大きく)減少している。
また、カーブ1006とカーブ1012とを比較すると、カーブ1006におけるピーク電流は、カーブ1012におけるピーク電流と比べ、より幅広で穏やかであることが分かる。これは、本発明のパワー制御回路700を使用するフラッシュライトにおいては、電子パワースイッチ702を流れる電流の変化速度が著しく減少したという事実に基づいている。
【0106】
図10A、11Aに示される電流カーブ1006は、ランプ59への電流がどのように制御されるのかを示す、単なる一例にすぎないということを認識すべきである。
実際、異なる時定数または特徴を備えたパワー制御回路700、異なる伝達特性を備えた電子パワースイッチ702、あるいは、異なる特徴のランプが使用されるならば、異なるカーブが得られ、したがって、達成されるダンペニング効果も異なるであろう。
【0107】
図12のオシロスコープ軌跡は、図10Aを得るのに使用したものと同じフラッシュライトから得られた。ただし、図12のオシロスコープ軌跡1002、1004、1006が記録されたとき、フラッシュライトはストロボ・モードで操作されていた。
ストロボ・モードは、スイッチ52を押圧しておよそ4秒間ホールドし、これにより、マイクロプロセッサ601にストロボ・モードの作動信号を与えることで選択された。
【0108】
図10Aの場合と同様に、図12の軌跡1002、1004、1006は、それぞれ、「マイクロプロセッサ601の出力ピン606からの制御信号の電圧」、「パワー制御回路700で生成された修正制御信号の電圧」、「およびMOSFET705を流れる電流」に対応する。
各カーブ1002、1004、1006に対するY軸スケールは、図10Aにおいて対応するカーブに対するY軸スケールに相当する。しかし、図12のX軸スケールは、図10Aで用いたスケールの10分の1である。したがって、図12において垂直のグリッド線の間隔は、400ミリセカンドである。一連のストロボ・サイクルを観察できるよう、スケールを減じている。
【0109】
図12に示されるように、制御信号1002の電圧は、ストロボ・モード操作においては、矩形波に従って調整された。矩形波の各サイクルは、ほぼ1.6秒であった。1/2サイクルの間、制御信号の電圧はほぼ3.6ボルトで、後の1/2サイクルの間、制御信号の電圧は0ボルトであった。
各サイクル間の800ミリセカンドという時間は、ランプ59のフィラメントが冷えるのに必要な時間よりもずっと長く、最初に起動したとき、再び短絡のように挙動した。
【0110】
オシロスコープ軌跡1004は、マイクロコントローラ601からの制御信号出力が入力端707を経てパワー制御回路700を通過した後における、当該出力の電圧を描いており、したがって、MOSFET705のゲート-ソース電圧に一致する。
この修正された制御信号の電圧は、各パルスの前端における指数関数的な急増機能、および後端における指数関数的な衰退機能を示している。指数関数的な急増機能は、抵抗器701およびキャパシタ710の組合せで構成されるRC回路の47ミリセカンドという時定数による。また、抵抗器703が1KΩしかないので、指数関数的な衰退機能における時定数が47ミリセカンドとなるのであろう。
【0111】
図10Aにおいて信号1004が増加したのと同じ態様で、電子パワースイッチ702に与えられた信号1004の電圧が、各パルスの前端において指数関数的に急増したので、電子パワースイッチ702は、図10Aを参照して説明したのと同じように、制御された速度で閉じた。
実際、図12の時間スケールを、図10A、11Aで使用したのと同じように大きくしたならば、図12に示した軌跡1006における各電流パルスの前端は、図10A、11Aに示した軌跡1006における電流パルスの前端と同じ様に見えるだろう。
したがって、ストロボ・モードにおいてランプ59が起動される毎の、MOSFET705およびランプ59を流れる電流の変化速度およびピーク電流が減じられた。それにより、1サイクル中にランプが起動される毎の、ランプ59のフィラメントに生じる応力が減少した。
各サイクルのオフ部分において、フィラメントの温度が下がり、これによっても、フィラメントは短絡のように挙動した。
【0112】
本発明のパワー制御回路を有するフラッシュライトにおいては、ランプを起動する毎に当該ランプのフィラメントに生じる応力が減じられるので、ランプの平均寿命が延びるだろう。
フラッシュライトがストロボ・モードで操作されるとき、このことは特に有益である。ストロボ・モードでは、ラップのパルシング発光に伴って、フィラメントに生じる応力が短時間で蓄積するからである。
【0113】
図12から、制御信号1002が高状態から低状態へと切り替わった後においても、電流がランプ59を流れ続けることが理解できる。何故なら、軌跡1004において各パルスの後端が、指数関数的な衰退機能を示しているからである。したがって、修正された制御信号の電圧が、MOSFET705が導通するに十分なレベル以下に落ちるまで、電子パワースイッチ702は、電流を流し続けるであろう。
この例においては、パワー制御回路700の衰退経路(decay path)の時定数がほぼ47ミリセカンドであったので、制御信号1002が高状態から低状態と切り替わった後においても、ほぼ40〜50ミリセカンドの間、MOSFET705は電流を流し続けた。
【0114】
図13は、図示した実施形態のフラッシュライト10の節電モードでの作動を示している。節電モードは、スイッチ52を押圧してほぼ2秒間ホールドすることで選択された。
図13は、3つのオシロスコープ軌跡1014、1016、1018を描いている。図13のオシロスコープ軌跡は、図8を参照して上述したパワー制御回路700を備えたフラッシュライトにおいて、MOSFET705で構成される電子パワースイッチ702を駆動させることで得られた。
抵抗器701は、470KΩの抵抗値を有していた。抵抗器703および704は、1KΩの抵抗値を有していた。また、キャパシタ710は、0.1μFの容量値を有していた。したがって、パワー制御回路700の入力端707に相当する時定数は47ミリセカンドであった。一方、入力端709の時定数は0.1ミリセカンドであった。
【0115】
図13のオシロスコープ軌跡は、フラッシュライトがノーマル・オン状態から節電モードに切り替わったときに得られたもので、それぞれ、次のことを反映している。
(1)図1のフラッシュライトが節電モードで作動されるとき、フラッシュライトのマイクロコントローラ601の制御信号の電圧が、時間とともにどのように変化したのか。
(2)パワー制御回路700からの信号の電圧(したがって、MOSFET705のゲート-ソース電圧)が、マイクロコントローラからの制御信号に応答して、どのように変化したのか。
(3)MOSFET705を通って流れた電流(したがって、フラッシュライトのランプ59に供給された電流が、パワー制御回路からの信号に応答して、どのように変化したのか。
【0116】
図13のX軸は、時間をミリセカンドで表わしている。また、X軸と交差する垂直のグリッド線の距離は、40ミリセカンドを表わしている。しかし、図13のY軸は、どの信号またはカーブが参照されるのかに応じて、異なる単位または値を示す。
【0117】
オシロスコープ軌跡1014は、フラッシュライト10がノーマル・オンのモードから節電モードへと切り替わったとき、マイクロコントローラ601の出力ピン604から出力された制御信号の電圧を描いている。
フラッシュライトは、最初に、出力ピン606からパワー制御回路700の入力端707に制御信号を送り、上述したように比較的ゆっくりとランプ59を起動することで、スイッチオンされる。
しかし、ランプが一旦定常状態に達すると、マイクロコントローラは、出力ピン606から制御信号を出力するのを停止して、出力ピン604からパワー制御回路700の入力端709に制御信号を出力し始める。図13のオシロスコープ軌跡は、この遷移が生じた後の期間を示している。
【0118】
軌跡1014に対しては、Y軸と交差するグリッド線の間隔は、2ボルトを表わしている。したがって、図13から分かるように、節電モードに移行する前においては、制御信号1014の電圧は、ほぼ3ボルトの定常状態にあった。フラッシュライトが節電モードに移行した後では、制御信号1014の電圧は、矩形波に相当するものとなった。矩形波の各サイクルは、ほぼ8ミリセカンドに等しかった。
1/2サイクルの間、制御信号の電圧はほぼ3.6ボルトで、後の1/2サイクルの間は、制御信号の電圧は0ボルトであった。
【0119】
オシロスコープ軌跡1016は、
入力端709を経てパワー制御回路700を通過した後における制御信号の電圧を描いている。軌跡1016は、また、MOSFET705のゲート-ソース電圧に相当する。
【0120】
軌跡1016に対しては、信号1014の場合と同様、Y軸と交差するグリッド線の間隔は2ボルトを表わしている。パワー制御回路700の部分を通過した制御信号1014の時定数は0.1ミリセカンドと非常に小さいので、曲線1018で示される修正制御信号の電圧は、制御信号のカーブと殆ど同じである。
【0121】
図13のオシロスコープ軌跡1018は、MOSFET705を通過する電流(したがって、ランプ59を流れる電流)を描いている。この電流波形は、軌跡1016に描かれるのと同じ態様で制御されたゲート-ソース電圧の結果である。
軌跡1016に対しては、Y軸と交差するグリッド線の間隔は、2アンペアを表わしている。
【0122】
カーブ1018から、各サイクル中のオン部分においては、電流スパイクが観察されないことが分かる。むしろ、信号1016が高状態となる毎に、MOSFET705およびランプ59を流れる電流は、ほぼ1アンペアの安定した状態となっている。
その理由は、各サイクルにおいて、フィラメントには約4ミリセカンドしか電力が供給されないからである。この時間は、ランプ59のフィラメントが再度短絡のように挙動する温度にまで当該フィラメントが冷えるには不十分である。
ランプはほぼ125Hzの周波数で駆動されるので、人の目には、ランプ59が薄暗いように見えるかも知れないが、ランプ59が点滅していることには気づかないだろう。
【0123】
ランプ59は、通常の安定状態での電力の半分で作動しているので、薄暗く見えるだろう。節電モードにおけるフラッシュライトのピーク電力は、フラッシュライトが通常モードで操作されている場合のピーク電力と同じである。
しかし、節電モードでは、各サイクルにおいて半分の電力がランプに供給されるので、その平均電力は、ピーク電力の半分となる。さらに、ランプは、通常モードで消費するエネルギの半分しか消費しない。
【0124】
顕著に現れているように、軌跡1016における各パルスの後端では、図12のパルス1004では見られるような47ミリセカンドの時定数に相当する指数関数的な衰退機能が見られない。
これは、フラッシュライトが節電モードで作動する場合、キャパシタ710が抵抗器703を通して放電されない(not drained)からである。その代り、フラッシュライトが節電モードで作動するとき、マイクロコントローラ601介してグラウンドへ至る他の経路が提供され、これにより、入力端709に対して、時定数約0.1ミリセカンドの衰退機能が維持される。
ほぼ10Hzを超える周波数でランプ59を駆動するのが望ましい場合には、グラウンドに至るこの代替的経路は必要である。10Hzは、この例において使用する抵抗値に基づいた、抵抗器701、703を介した衰退経路のほぼ限界にあたり、図示の例において実際にランプ59が駆動される125Hzよりもかなり低い。
【0125】
本発明の他の局面は、露出した充電端子に対して、改善した短絡保護回路を備えることに関する。
【0126】
図1および図5に最もよく示しているように、充電端子44および48は、フラッシュライト10の充電ユニットと再充電可能なリチウムイオン電池パック60との間のインターフェースとして機能する。ここでは図示しないが、充電ユニットのクレードルは、露出した充電端子44、48と電気的に接触し、充電を行っている間、フラッシュライト10を保持するものとすべきである。
しかしながら、充電端子44、48はフラッシュライト10の外周全体に渡って延在するので、シンプルなデザインのクレードルを備えた充電ユニットを採用してもよい。例えば、長手軸に対する半径方向位置は任意の姿勢で、フラッシュライト10を充電ユニット内に配置し、それでも、充電ユニット側の充電端子とフラッシュライト10の充電端子44、48との接触を維持できるようなデザインのクレードルが採用されてもよい。
このように、充電ユニットの充電端子との接触を形成するにおいて、隠れたプラグまたはタブがフラッシュライト内に挿入されるよう、フラッシュライト10を充電ユニット内に圧入させる必要はない。
【0127】
しかしながら、充電端子44、46が外部的に露出しているので、操作中において、ユーザが手に持つ金属物質によって短絡する可能性がある。そのような場合にリチウムイオン電池パック60内に提供された短絡保護回路86が安易に作動することを防ぐために、充電端子44、48の少なくとも一方と、再充電可能なリチウムイオン電池パック60との間に、短絡保護回路800を電気的に配置することが好ましい。
【0128】
図5に示した実施形態では、充電端子44が電気的に短絡保護回路800に接続されていて、さらに短絡保護回路800が、導体821およびバイア64を介して、電気経路402およびバッテリパック60の中心電極63に電気的に接続されている。
充電端子48も短絡保護回路800に連結されている。さらに、充電端子48は、バレル21、導電部材72、およびスプリング74を介して、バッテリパック60のケース電極61に接続されている。
【0129】
この実施形態では、短絡保護回路800はプリント回路基板46上に置かれている。しかし、物理的には、短絡保護回路800は、フラッシュライト10内のあらゆる適切な位置に配置することが可能である。
【0130】
短絡保護回路800は、充電端子44と48との間に短絡が検出された場合に、バッテリパック60と、充電端子44、48の少なくとも一方との間にオープン回路を構成するよう作動する。
このように、フラッシュライトの操作中における充電端子44と48との不注意な短絡により、バッテリパック60からランプ59まで電流が遮断される恐れがなく、フラッシュライト10は安全に作動する。
【0131】
短絡保護回路800の一実施形態について、図9Aおよび図9Bを参照し、以下に詳細に説明する。
【0132】
図9Aに示した短絡保護回路800は、本質的に、露出した充電端子44とバッテリパック60との間における自動スイッチとして機能する。
【0133】
回路800は、比較器812で制御されるスイッチ816を含む。この実施形態では、スイッチ816は、充電端子44とバッテリパック60の正電極63との間の電気経路上に配置されている。
特に、導体820および823が、スイッチ816の片側を充電端子44に接続している。また、導体821および824が、スイッチ816の反対側をバッテリパック60の中心電極に接続している。
【0134】
図示した実施形態では、スイッチ816は、pチャネルMOSFETである。しかし、他の電子的なスイッチングデバイスを使用してもよい。例えば、スイッチ816として、バイポーラ接合トランジスタや、JFETやDE MOSFET等の電界効果トランジスタを使用してもよい。
【0135】
この実施形態において、比較器812は、電圧コンパレータで構成される。しかしながら、比較器812として、オペレーション・アンプ、マイクロプロセッサまたはASIC(application specific integrated circuit)を使用してもよい。
【0136】
比較器812に対する電力供給回路の一例を、図9Bに示した。図9Bに示すように、比較器812のVccピンはバッテリパック60の正端子に接続され、比較器812のGNDピンはグラウンドに接続される。
必須ではないが、Vccピンはショットキー・ダイオード830を介してバッテリパック60の正端子に接続されることが好ましく、これにより、バッテリからの信号に対して基本的なフィルタリングを提供する。
好ましくは0.1μFのキャパシタ832が、比較器のVccピンおよびGNDピンと並列に配置されている。ショットキー・ダイオード830でフィルタリングされたバッテリ信号は、トレース608を介して、マイクロコントローラ601のVccピンに与えられ、マイクロコントローラに電力を供給する。
【0137】
比較器812は、入力端802に与えられた信号の電圧を、入力端804に与えられた信号の電圧と比較する。この比較結果および比較器の伝達特性に基づいて、出力信号が出力端817に与えられ、制御スイッチ816に送られる。
しかし、図示した実施形態においては、スイッチ816がpチャネルMOSFETであるため、スイッチ816を導通可能とするためには、負のゲート-ソース電圧が必要となる。
【0138】
この実施形態においては、入力端804の信号電圧が入力端802の信号電圧より大きければ、比較器812は、出力端817に正電圧の信号を生成する。この正電圧は、バッテリパック60により導体824上に生成された電圧と実質的に等しいか、それよりも大きな正電圧である。その結果、スイッチ816で構成されるMOSFETは不能となって、充電端子44とバッテリパック60の中心電極63との間の回路経路が開かれる。
一方、入力端802の信号電圧が、入力端804の信号電圧よりも大きい、あるいは等しい場合には、比較器812は、出力端817に信号を出力しない(すなわち、0ボルトの信号)。この状況下では、スイッチ816は、充電端子44とバッテリパック60の中心電極63との間の電流を流すことができるだろう。何故なら、MOSFETのゲート-ソース電圧が負となるからである。
【0139】
図9Aに示した実施形態では、入力端802の信号電圧は、充電端子44とバッテリパック60のケース電極(すなわちグラウンド)との間の抵抗器811による電圧降下に相当する。
バッテリパック60が完全に充電されることを確実とするため、充電工程において抵抗器810よりも抵抗器811に大きな電圧降下が発生するように、抵抗器811は、抵抗器810より僅かに大きな抵抗を有するものを選択することが好ましい。
抵抗器811の抵抗は、抵抗器810と811を組み合わせた全抵抗の50%よりも大きく、かつ約60%よりも小さい(あるいは等しい)ことが好ましい。
【0140】
入力端804の信号電圧は、キャパシタ815に蓄えられた電圧に相当する。当該電圧は、電気経路819上の抵抗器813および814の各抵抗値によって変わる。特に、キャパシタ815が抵抗器814と並列に接続されているので、キャパシタ815に蓄えられる電圧は、抵抗器814における電圧降下に等しいであろう。
好ましくは、抵抗器813および814として抵抗値の等しいものを選択し、続く平衡キャパシタ815がバッテリパック60の電圧のほぼ半分に相当するチャージを有するようにする。
【0141】
例示として、抵抗器810、813、814が、それぞれ100KΩの抵抗値を有し、抵抗器811が120KΩの抵抗値を有していてもよい。キャパシタ815は、0.1μFの容量値を有していてもよい。
これらの値の場合、一旦キャパシタ816がチャージされて、回路内が平衡状態となれば、入力804端の信号電圧は、バッテリパック60の電圧のほぼ1/2となるだろう。一方、抵抗器811における電圧降下(したがって、入力端802の信号電圧)は、充電端子44とグラウンドの間での電圧降下のほぼ55%となるだろう。
【0142】
フラッシュライト10がその充電ユニット内に置かれると、露出した充電端子44、48が充電ユニットの対応する充電端子と接触し、エネルギがバッテリパックに流れる。上述した短絡保護回路800の構成によれば、充電端子44上の電圧がバッテリパック60の電圧より大きいか、あるいは等しい値である限り、フラッシュライト10は充電モードとなり、スイッチ816は通電状態とされる。
その理由は、かかる状況下においては、抵抗器811における電圧降下が、キャパシタ815に蓄えられる電圧よりも大きいからである。その結果、比較器812(この実施形態では、電圧コンパレータ)がスイッチ816に信号を送って同スイッチを閉じ、これによって、エネルギが充電端子44から電気経路820、823、824、821を通ってバッテリパック60まで流れ、バッテリパック60が充電される。
【0143】
さらに、この実施形態では、フラッシュライトが充電クレードルから取り外された後においても、スイッチ816は開いたままである。その理由は、スイッチ816が開いている限り、充電端子44が中心電極63と同じ電位にあり、したがって、入力端802の信号電圧が入力端804の信号電圧より大きいままだからである。
【0144】
しかしながら、充電端子44と48が短絡されると、充電端子44とグラウンドの間の電圧は、迅速に0ボルトまで降下するであろう。抵抗器811における電圧降下も同である。これに応答して、比較器812は、充電端子44がバッテリよりも低電位にあることを検知し、そして、大きな正電圧を有する信号を出力端817からスイッチ816に送って同スイッチ816を開く。
バッテリパック60に内蔵された短絡保護回路86が短絡を検知してクリアするよりも早く、比較器812は、検出した短絡に応答してスイッチ816を不能にする。その状況下では、内蔵された短絡保護回路86は機能しないので、バッテリパック60は、内部に保持する短絡保護回路86による中断を生じることなく、ランプ59にエネルギを供給し続ける。
【0145】
この実施形態の短絡保護回路800においては、一旦充電端子44と48の間の短絡が検出されると、当該短絡が除去されるまでスイッチ816が再度開くことはなく、充電端子44とグラウンドの間の電圧降下は、バッテリパック60の電圧にほぼ等しいか、それよりも大きい。
言い換えると、フラッシュライト10が充電ユニットに置かれるまで、スイッチ816が再び開くことはない。
【0146】
フラッシュライトに加えて、短絡保護回路800も、充電端子が露出している他の再充電可能な機器に有益に使用することができる。さらに、携帯電子機器の電源が再充電可能なリチウムイオン電池パックである場合に、短絡保護回路800が特に有益であるが、短絡保護回路800は、他の再充電可能なDC電源で駆動される再充電可能なデバイスにも有益に使用できる。
【0147】
改善したフラッシュライトおよびその構成要素の様々な実施形態を以上に開示したが、この分野の当業者にとっては、多くの修正、変更、代替の実施形態、および代替材料が容易であって、それらを本発明のあらゆる局面において利用可能である。例えば、ここに説明したパワー制御回路および短絡保護回路は、1つのフラッシュライト内で一緒に使用することも、個別に使用することも可能である。さらに、短絡保護回路は、フラッシュライト以外の再充電可能な電子機器に使用してもよい。
このように、ここでの説明は単なる例示にすぎず、特許請求の範囲で主張した本発明の範囲を制限するものではないことが、明確に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0148】
【図1】本発明の一実施形態に係るフラッシュライトの斜視図。
【図2】図1中の2−2線に沿うフラッシュライト断面図。
【図3】図1中の2−2線に沿ったフラッシュライト前方部分の拡大断面図。
【図4】図3に断面で示した部分の斜視図。
【図5】図1のフラッシュライトの回路図。本発明の一実施形態に係る電気回路の関係を示している。
【図6】本発明のフラッシュライトに使用される瞬間スイッチを構成するデバウンス回路の一例を示す回路図。
【図7】本発明のフラッシュライトに使用されるマイクロコントローラの一例を示す回路図。
【図8】本発明のフラッシュライトに使用されるパワー制御回路の一例を示す回路図。
【図9A】本発明に係る短絡保護回路の一例を示す回路図。
【図9B】図9Aの短絡保護回路中に使用される比較器に対する電力供給回路の一例を示す回路図。
【図10A】3つのオシロスコープ軌跡を示す図。これらは、次のことを反映している。(1)フラッシュライトが最初にスイッチオンされるとき、図1のフラッシュライトのマイクロコントローラからの制御信号の電圧が、時間とともにどのように変化するのか。(2)マイクロコントローラの制御信号に応答して、パワー制御回路からの信号の電圧がどのように変化するのか。(3)パワー制御回路からの信号に応答して、フラッシュライトのランプに供給される電流がどのように変化するのか。
【図10B】本発明のパワー制御回路を備えていない点以外は、図10Aのオシロスコープ軌跡を得るのに使用したものと同じであるフラッシュライトにおける、3つのオシロスコープ軌跡を示す図。これらは、次のことを反映している。(1)フラッシュライトが最初にスイッチオンされるとき、パワー制御回路を備えないフラッシュライトのマイクロコントローラからの制御信号の電圧が、時間とともにどのように変化するのか。(2)制御信号の電圧に応答して、電子パワースイッチのゲート-ソース電圧がどのように変化するのか。(3)電子パワースイッチに加えられた電圧に応答して、フラッシュライトのランプに供給される電流がどのように変化するのか。
【図11A】フラッシュライトが最初にスイッチオンされるとき、本発明のパワー制御回路を備えたフラッシュライトの主電力回路における電流の流れを、時間とともに示すオシロスコープ軌跡を示す図。
【図11B】フラッシュライトが最初にスイッチオンされるとき、本発明のパワー制御回路を備えないフラッシュライトの主電力回路における電流の流れを、時間とともに示すオシロスコープ軌跡を示す図。
【図12】ストロボ・モードで操作される本発明のフラッシュライトにおける3つのオシロスコープ軌跡を示す図。これらは、次のことを反映している。(1)マイクロプロセッサからの制御信号の電圧。(2)パワー制御回路によって生成された修正制御信号の電圧。(3)電子パワースイッチを通過する電流の流れ。
【図13】節電モードで操作される本発明のフラッシュライトにおける3つのオシロスコープ軌跡を示す図。これらは、次のことを反映している。(1)マイクロプロセッサからの制御信号の電圧。(2)パワー制御回路によって生成された修正制御信号の電圧。(3)電子パワースイッチを通過する電流の流れ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電源および電力消費負荷を含む主電力回路と、
第1電気経路を介して上記電源の第1電極に電気的に連結された第1充電端子と、
第2電気経路を介して上記電源の第2電極に電気的に連結された第2充電端子と、
第1充電端子と第2充電端子が短絡した場合、主電力回路外の位置において、第1電気経路を開くよう構成された短絡保護回路と、を備えた再充電可能な電子機器。
【請求項2】
上記短絡保護回路は、主電力回路外の位置において、第1電気経路上で第1充電端子と第1電極との間に配置されたスイッチを含んでいて、第1充電端子と第2充電端子が短絡した場合に当該スイッチを開く、請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
上記短絡保護回路は比較器を含んでいて、
当該比較器は、第1入力信号の電圧と第2入力信号の電圧とを比較し、比較結果に基づいて、上記スイッチの開閉を行う、請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
上記第1信号の電圧は、第1充電端子とグラウンドの間における電圧降下に比例しており、
上記第2信号の電圧は、上記電源の電圧に比例している、請求項3記載の電子機器。
【請求項5】
上記比較器は、第2信号の電圧が第1信号の電圧よりも大きく、または等しくなったとき、上記スイッチに信号を送って同スイッチを開ける、請求項4記載の電子機器。
【請求項6】
上記第1信号の電圧は、第1充電端子とグラウンドの間の電圧降下の50%よりも大きく、約60%よりも小さいか等しく、
上記第2信号の電圧は、上記電源の電圧の約50%である、請求項5記載の電子機器。
【請求項7】
上記スイッチがトランジスタである、請求項2記載の電子機器。
【請求項8】
上記スイッチがpチャネルMOSFETである、請求項2記載の電子機器。
【請求項9】
上記比較器が電圧コンパレータである、請求項3記載の電子機器。
【請求項10】
上記比較器がASICである、請求項3記載の電子機器。
【請求項11】
上記比較器がプロセッサである、請求項3記載の電子機器。
【請求項12】
フラッシュライトである、請求項1記載の電子機器。
【請求項13】
上記直流電源が再充電可能なリチウムイオン電池パックである、請求項1記載の電子機器。
【請求項14】
電源と、
主電力回路を介して上記電源に電気的に連結されたランプと、
第1電気経路を介して上記電源の第1電極に電気的に連結された第1充電端子と、
第2電気経路を介して上記電源の第2電極に電気的に連結された第2充電端子と、
主電力回路外の位置において、第1電気経路上に配置されたスイッチを制御する論理回路であって、第1充電端子と第2充電端子が短絡した場合に、上記スイッチに信号を送って同スイッチを開く論理回路と、を備えた再充電可能なフラッシュライト。
【請求項15】
上記電源を収容するバレルをさらに含み、
第2充電端子は、少なくともバレルの一部分を構成する、フラッシュライト。
【請求項16】
上記論理回路は比較器を含んでいて、
当該比較器は、第1入力信号の電圧と第2入力信号の電圧とを比較し、比較結果に基づいて、上記スイッチの開閉を行う、請求項14記載のフラッシュライト。
【請求項17】
上記第1信号の電圧は、第1充電端子とグラウンドの間における電圧降下に比例しており、
上記第2信号の電圧は、上記電源の電圧に比例している、請求項16記載のフラッシュライト。
【請求項18】
上記比較器は、第1信号の電圧が第2信号の電圧よりも小さく、または等しくなったとき、上記スイッチに信号を送って同スイッチを開ける、請求項17記載のフラッシュライト。
【請求項19】
上記第1信号の電圧は、第1充電端子とグラウンドの間の電圧降下の50%よりも大きく、約60%よりも小さいか等しく、
上記第2信号の電圧は、上記電源の電圧の約50%である、請求項18記載のフラッシュライト。
【請求項20】
上記スイッチがトランジスタである、請求項14記載のフラッシュライト。
【請求項21】
上記スイッチがpチャネルMOSFETである、請求項14記載のフラッシュライト。
【請求項22】
上記比較器は、電圧コンパレータ、オペレーション・アンプ、ASIC、またはプロセッサのいずれかである、請求項16記載のフラッシュライト。
【請求項23】
上記電源が再充電可能なリチウムイオン電池パックである、請求項14記載のフラッシュライト。
【請求項24】
電源、光源、電子パワースイッチを含む主電力回路と、
電子パワースイッチに電気的に連結されていて、制御信号に応答して、電子パワースイッチを通過して流れる電流を調整するパワー制御回路と、を備える携帯用照明機器。
【請求項25】
上記パワー制御回路は、当該携帯用照明機器がスイッチオンされたとき、電子パワースイッチを調整して、主電力回路が安定状態に達する前に同回路内を流れるピーク電流を制限する、請求項24記載の携帯用照明機器。
【請求項26】
マイクロプロセッサと、当該マイクロプロセッサと上記電源の間の電気経路の開閉を行う機械的スイッチと、をさらに含む請求項25記載の携帯用照明機器であって、
マイクロプロセッサの出力端がパワー制御回路に連結されていて、
マイクロプロセッサは、機械的スイッチから受け取った起動信号に応答して、パワー制御回路に制御信号を与え、
パワー制御回路は、当該制御信号を修正して、修正された制御信号を電子パワースイッチに送る、携帯用照明機器。
【請求項27】
上記制御信号の電圧は、当該携帯用照明機器がスイッチオンされたとき、実質的にステップ関数に従って変化し、
上記修正された制御信号の電圧は、時間とともに増加する、請求項26記載の携帯用照明機器。
【請求項28】
上記修正された制御信号の電圧は、時間とともに指数関数的に急増する、請求項27記載の携帯用照明機器。
【請求項29】
上記電子パワースイッチがトランジスタである、請求項26記載の携帯用照明機器。
【請求項30】
上記電子パワースイッチがnチャネルMOSFETで、
上記パワー制御回路は、修正された制御信号を当該MOSFETのゲートへ送る、請求項27記載の携帯用照明機器。
【請求項31】
上記光源がフィラメントを含んでいる、請求項24記載の携帯用照明機器。
【請求項32】
フラッシュライトである、請求項24記載の携帯用照明機器。
【請求項33】
電源、ランプ、電子パワースイッチを含む主電力回路と、
電子パワースイッチに電気的に連結されていて、フラッシュライトがオン状態にあるとき、電子パワースイッチに信号を送るパワー制御回路と、を備えたフラッシュライトであって、
電子パワースイッチが主電力回路へ流すことのできる電流量は、電子パワースイッチに与えられた信号電圧に応じて変わり、
パワー制御回路は、フラッシュライトがスイッチオンされたとき、所定時間の間に電子パワースイッチを通過して流れる電流量を増加させるよう、信号電圧を変化させるよう構成されている、フラッシュライト。
【請求項34】
上記所定時間が10ミリセカンドよりも長い、請求項33記載のフラッシュライト。
【請求項35】
上記所定時間が40ミリセカンドよりも長い、請求項33記載のフラッシュライト。
【請求項36】
上記所定時間は、フラッシュライトがスイッチオンされた後、主電力回路が安定状態に達するのに要する時間よりも長い、請求項33記載のフラッシュライト。
【請求項37】
上記パワー制御回路は、指数関数に従って信号電圧を変化させる、請求項33記載のフラッシュライト。
【請求項38】
上記信号電圧が指数関数的に増加する、請求項37記載のフラッシュライト。
【請求項39】
上記電子パワースイッチがトランジスタである、請求項33記載のフラッシュライト。
【請求項40】
上記電子パワースイッチが電界効果トランジスタで、当該トランジスタのゲートに信号が送られる、請求項39記載のフラッシュライト。
【請求項41】
上記電子パワースイッチがMOSFETである、請求項40記載のフラッシュライト。
【請求項42】
上記ランプがフィラメントを含んでいる、請求項33記載のフラッシュライト。
【請求項43】
マイクロプロセッサと、当該マイクロプロセッサと上記電源の間の電気経路の開閉を行う機械的スイッチと、をさらに含む請求項33記載のフラッシュライトであって、
マイクロプロセッサの出力端がパワー制御回路に連結されていて、
マイクロプロセッサは、機械的スイッチから受け取った起動信号に応答して、パワー制御回路に制御信号を与え、
パワー制御回路は、当該制御信号を修正して、電子パワースイッチに送る信号を生成する、フラッシュライト。
【請求項44】
上記制御信号の電圧は、当該フラッシュライトがスイッチオンされたとき、ステップ関数に従って変化し、
電子パワースイッチに送られる信号は、時間とともに増加する、請求項43記載のフラッシュライト。
【請求項45】
上記信号の電圧は、時間とともに指数関数的に急増する、請求項44記載のフラッシュライト。
【請求項46】
上記パワー制御回路はRC回路を含む、請求項45記載のフラッシュライト。
【請求項47】
上記電子パワースイッチがトランジスタである、請求項46記載のフラッシュライト。
【請求項48】
上記電子パワースイッチがnチャネルMOSFETで、
上記パワー制御回路は、信号を当該MOSFETのゲートへ送る、請求項49記載のフラッシュライト。
【請求項49】
上記ランプがフィラメントを含んでいる、請求項43記載のフラッシュライト。
【請求項1】
直流電源および電力消費負荷を含む主電力回路と、
第1電気経路を介して上記電源の第1電極に電気的に連結された第1充電端子と、
第2電気経路を介して上記電源の第2電極に電気的に連結された第2充電端子と、
第1充電端子と第2充電端子が短絡した場合、主電力回路外の位置において、第1電気経路を開くよう構成された短絡保護回路と、を備えた再充電可能な電子機器。
【請求項2】
上記短絡保護回路は、主電力回路外の位置において、第1電気経路上で第1充電端子と第1電極との間に配置されたスイッチを含んでいて、第1充電端子と第2充電端子が短絡した場合に当該スイッチを開く、請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
上記短絡保護回路は比較器を含んでいて、
当該比較器は、第1入力信号の電圧と第2入力信号の電圧とを比較し、比較結果に基づいて、上記スイッチの開閉を行う、請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
上記第1信号の電圧は、第1充電端子とグラウンドの間における電圧降下に比例しており、
上記第2信号の電圧は、上記電源の電圧に比例している、請求項3記載の電子機器。
【請求項5】
上記比較器は、第2信号の電圧が第1信号の電圧よりも大きく、または等しくなったとき、上記スイッチに信号を送って同スイッチを開ける、請求項4記載の電子機器。
【請求項6】
上記第1信号の電圧は、第1充電端子とグラウンドの間の電圧降下の50%よりも大きく、約60%よりも小さいか等しく、
上記第2信号の電圧は、上記電源の電圧の約50%である、請求項5記載の電子機器。
【請求項7】
上記スイッチがトランジスタである、請求項2記載の電子機器。
【請求項8】
上記スイッチがpチャネルMOSFETである、請求項2記載の電子機器。
【請求項9】
上記比較器が電圧コンパレータである、請求項3記載の電子機器。
【請求項10】
上記比較器がASICである、請求項3記載の電子機器。
【請求項11】
上記比較器がプロセッサである、請求項3記載の電子機器。
【請求項12】
フラッシュライトである、請求項1記載の電子機器。
【請求項13】
上記直流電源が再充電可能なリチウムイオン電池パックである、請求項1記載の電子機器。
【請求項14】
電源と、
主電力回路を介して上記電源に電気的に連結されたランプと、
第1電気経路を介して上記電源の第1電極に電気的に連結された第1充電端子と、
第2電気経路を介して上記電源の第2電極に電気的に連結された第2充電端子と、
主電力回路外の位置において、第1電気経路上に配置されたスイッチを制御する論理回路であって、第1充電端子と第2充電端子が短絡した場合に、上記スイッチに信号を送って同スイッチを開く論理回路と、を備えた再充電可能なフラッシュライト。
【請求項15】
上記電源を収容するバレルをさらに含み、
第2充電端子は、少なくともバレルの一部分を構成する、フラッシュライト。
【請求項16】
上記論理回路は比較器を含んでいて、
当該比較器は、第1入力信号の電圧と第2入力信号の電圧とを比較し、比較結果に基づいて、上記スイッチの開閉を行う、請求項14記載のフラッシュライト。
【請求項17】
上記第1信号の電圧は、第1充電端子とグラウンドの間における電圧降下に比例しており、
上記第2信号の電圧は、上記電源の電圧に比例している、請求項16記載のフラッシュライト。
【請求項18】
上記比較器は、第1信号の電圧が第2信号の電圧よりも小さく、または等しくなったとき、上記スイッチに信号を送って同スイッチを開ける、請求項17記載のフラッシュライト。
【請求項19】
上記第1信号の電圧は、第1充電端子とグラウンドの間の電圧降下の50%よりも大きく、約60%よりも小さいか等しく、
上記第2信号の電圧は、上記電源の電圧の約50%である、請求項18記載のフラッシュライト。
【請求項20】
上記スイッチがトランジスタである、請求項14記載のフラッシュライト。
【請求項21】
上記スイッチがpチャネルMOSFETである、請求項14記載のフラッシュライト。
【請求項22】
上記比較器は、電圧コンパレータ、オペレーション・アンプ、ASIC、またはプロセッサのいずれかである、請求項16記載のフラッシュライト。
【請求項23】
上記電源が再充電可能なリチウムイオン電池パックである、請求項14記載のフラッシュライト。
【請求項24】
電源、光源、電子パワースイッチを含む主電力回路と、
電子パワースイッチに電気的に連結されていて、制御信号に応答して、電子パワースイッチを通過して流れる電流を調整するパワー制御回路と、を備える携帯用照明機器。
【請求項25】
上記パワー制御回路は、当該携帯用照明機器がスイッチオンされたとき、電子パワースイッチを調整して、主電力回路が安定状態に達する前に同回路内を流れるピーク電流を制限する、請求項24記載の携帯用照明機器。
【請求項26】
マイクロプロセッサと、当該マイクロプロセッサと上記電源の間の電気経路の開閉を行う機械的スイッチと、をさらに含む請求項25記載の携帯用照明機器であって、
マイクロプロセッサの出力端がパワー制御回路に連結されていて、
マイクロプロセッサは、機械的スイッチから受け取った起動信号に応答して、パワー制御回路に制御信号を与え、
パワー制御回路は、当該制御信号を修正して、修正された制御信号を電子パワースイッチに送る、携帯用照明機器。
【請求項27】
上記制御信号の電圧は、当該携帯用照明機器がスイッチオンされたとき、実質的にステップ関数に従って変化し、
上記修正された制御信号の電圧は、時間とともに増加する、請求項26記載の携帯用照明機器。
【請求項28】
上記修正された制御信号の電圧は、時間とともに指数関数的に急増する、請求項27記載の携帯用照明機器。
【請求項29】
上記電子パワースイッチがトランジスタである、請求項26記載の携帯用照明機器。
【請求項30】
上記電子パワースイッチがnチャネルMOSFETで、
上記パワー制御回路は、修正された制御信号を当該MOSFETのゲートへ送る、請求項27記載の携帯用照明機器。
【請求項31】
上記光源がフィラメントを含んでいる、請求項24記載の携帯用照明機器。
【請求項32】
フラッシュライトである、請求項24記載の携帯用照明機器。
【請求項33】
電源、ランプ、電子パワースイッチを含む主電力回路と、
電子パワースイッチに電気的に連結されていて、フラッシュライトがオン状態にあるとき、電子パワースイッチに信号を送るパワー制御回路と、を備えたフラッシュライトであって、
電子パワースイッチが主電力回路へ流すことのできる電流量は、電子パワースイッチに与えられた信号電圧に応じて変わり、
パワー制御回路は、フラッシュライトがスイッチオンされたとき、所定時間の間に電子パワースイッチを通過して流れる電流量を増加させるよう、信号電圧を変化させるよう構成されている、フラッシュライト。
【請求項34】
上記所定時間が10ミリセカンドよりも長い、請求項33記載のフラッシュライト。
【請求項35】
上記所定時間が40ミリセカンドよりも長い、請求項33記載のフラッシュライト。
【請求項36】
上記所定時間は、フラッシュライトがスイッチオンされた後、主電力回路が安定状態に達するのに要する時間よりも長い、請求項33記載のフラッシュライト。
【請求項37】
上記パワー制御回路は、指数関数に従って信号電圧を変化させる、請求項33記載のフラッシュライト。
【請求項38】
上記信号電圧が指数関数的に増加する、請求項37記載のフラッシュライト。
【請求項39】
上記電子パワースイッチがトランジスタである、請求項33記載のフラッシュライト。
【請求項40】
上記電子パワースイッチが電界効果トランジスタで、当該トランジスタのゲートに信号が送られる、請求項39記載のフラッシュライト。
【請求項41】
上記電子パワースイッチがMOSFETである、請求項40記載のフラッシュライト。
【請求項42】
上記ランプがフィラメントを含んでいる、請求項33記載のフラッシュライト。
【請求項43】
マイクロプロセッサと、当該マイクロプロセッサと上記電源の間の電気経路の開閉を行う機械的スイッチと、をさらに含む請求項33記載のフラッシュライトであって、
マイクロプロセッサの出力端がパワー制御回路に連結されていて、
マイクロプロセッサは、機械的スイッチから受け取った起動信号に応答して、パワー制御回路に制御信号を与え、
パワー制御回路は、当該制御信号を修正して、電子パワースイッチに送る信号を生成する、フラッシュライト。
【請求項44】
上記制御信号の電圧は、当該フラッシュライトがスイッチオンされたとき、ステップ関数に従って変化し、
電子パワースイッチに送られる信号は、時間とともに増加する、請求項43記載のフラッシュライト。
【請求項45】
上記信号の電圧は、時間とともに指数関数的に急増する、請求項44記載のフラッシュライト。
【請求項46】
上記パワー制御回路はRC回路を含む、請求項45記載のフラッシュライト。
【請求項47】
上記電子パワースイッチがトランジスタである、請求項46記載のフラッシュライト。
【請求項48】
上記電子パワースイッチがnチャネルMOSFETで、
上記パワー制御回路は、信号を当該MOSFETのゲートへ送る、請求項49記載のフラッシュライト。
【請求項49】
上記ランプがフィラメントを含んでいる、請求項43記載のフラッシュライト。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2008−523780(P2008−523780A)
【公表日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−545592(P2007−545592)
【出願日】平成17年12月7日(2005.12.7)
【国際出願番号】PCT/US2005/044282
【国際公開番号】WO2006/063061
【国際公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願人】(500567863)マグ インスツルメント インコーポレーテッド (13)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月7日(2005.12.7)
【国際出願番号】PCT/US2005/044282
【国際公開番号】WO2006/063061
【国際公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願人】(500567863)マグ インスツルメント インコーポレーテッド (13)
【Fターム(参考)】
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