携帯用LCoS/LCD/DLP投影システムにおける電力損の低減
電力消費を低減した1つ以上の光源と任意の走査能力を備える投影システムが開示される。コントローラーは画像データを処理して光源制御信号およびピクセル画面制御信号を発生させ、それらを統合することにより画像を生成する。特定のフレーム用に、光源からの光出力をピクセル画面中の最も明るいピクセルに合わせることにより、電力消費は低減される。画像フレームに対応する最大レベルにだけ合致する強度または持続時間に光出力レベルを設定することにより、光源出力を最大レベルまたは最大持続時間に設定した実施形態と比較して、電力消費が低減される。LCD画面などのピクセル画面は最も明るいピクセルに対応するピクセル領域を透明に設定し、ピクセル画面上の明るさの少ない他のピクセルは適切なレベルにまで低減させた透明性に設定される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権主張)
本出願は、携帯用投影システムにおける電力損と題される2008年3月31日に出願された米国特許仮出願第61/072,446号、およびスキャニング装置を備えた携帯用投影システムにおける電力損と題される2008年9月3日に出願された米国特許仮出願第61/190,978号の優先権と利益を主張する。
【0002】
本発明は、投影システムに関するものであり、特に、投影システムの電力消費を低減させる方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
投影ベースの表示システムは、1人以上の人が見る大型画面上に画像を投影する方法として、広範に使用されている人気の高い方法である。投影システムは、当該投影システムと比較して、大型画像サイズ、携帯性およびコストなどの面を含め、密閉システムと比べて数多くの利点を有している。しかし、現在の投影システムには改善の余地がある。かかる改善の1つは、電力消費の低減である。
【0004】
走査投影システムでは、画像をピクセル毎に赤、緑および青の光源を起動する手段によって生成し、次に1つまたは複数のMEMSミラーによってその投影画像全体を走査する。
【0005】
LCD/LCoS携帯用投影機システムなどの他の投影システムでは、光は3つの光源すなわち赤、緑および青の光源(レーザー、LEDまたは他の光源)によって供給される。光源は単一のLEDである場合もあるし、異なる色がカラーホイールまたは類似の方法によって得られる場合もある。画像は、かかる光源をフルパワーまで起動し、次にその結果得られる光をLCD/LCoS画面またはDLPエンジン上、およびそれを通して輝かせることにより生成する。LCD/LCoSは、ピクセルのマトリックスとして構成され、各ピクセルは、光に対して透明、不透明またはあるレベルの不透明さにすることができる。投影される画像は、光源から出てLCD/LCoSを通過する光の量を(各ピクセル毎に選択的に)制御することにより作成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の投影システムの1つの欠点は、時間が経つと、あるいは異なる温度では、ホワイトバランス行動、色忠実度および画質に影響を与える、光源の異なる経時変化率または異なる温度の故に、投影システムが種々の光源間で不統一な強度を示す場合があることである。従来のシステムでは、かかる不統一性に対処するため、オープンループまたはルックアップ表の方法を採用する場合がある。
【0007】
現在、オープンループ方法が一般的に使用されている。オープンループ構成では、光源制御のためのフィードバック機構は存在しない。この方法の欠点は、システムを工場で組み立てる際に、ホワイトバランスとコントラストが特定の温度に調整されることである。しかし、光源の行動は温度によって異なる可能性が高いので、温度が変化すると、ホワイトバランスとコントラストが最適値から外れ、その結果、画質が低下する。光源の経時変化も生じ、3つの異なる光源毎にそれが異なる場合があるので、好ましくない影響が同様に画質に及ぼされる。これらのシステムでは、一般的に、1揃えの扇風機、ヒートシンクおよび/またはTEクーラーを用いて操作温度を一定に保ち、かかる影響を最小化しようと試みられるが、初期の(冷たい)条件はウォームアップの時間を必要とするし、TEクーラーおよび扇風機は追加電力を消費する。かかる2つの欠点および画質の低下が、この解決方法をあまり魅力のないものにしている。
【0008】
別の選択方法は、ルックアップ表を作成しそれを活用することである。ルックアップ表の方法では、システムには温度センサーが存在し、光源毎のルックアップ表がシステムのEEPROMに記憶される。ロジックまたはマイクロコントローラーが温度を読み取り、光源の好ましい光強度用の適切な電流を光源駆動装置にプログラムする。ここで注意しなければならないのは、今日のシステムでは光源はフルパワーの状態にあるので、あらゆる光源に、1揃えのルックアップ表が必要になることである。本発明の一環として以下に提案されているような複数の電力レベルが光源に使用される場合、複数のルックアップ表が必要になり、EEPROMの要求量も光源の好ましい電力レベルに応じて比例的に増大する。この方法の主な欠点は、光源の特性が製造販売業者毎に大きく異なっており、同じ製造販売元が提供する光源であっても、それらの光源が異なるバッチ由来であれば、光源毎に大きく異なることである。ルックアップ表は光源毎および異なる温度毎に作成しなければならないので、この方法は製造面での大きな負担となる。これは(装置のコストおよび製造試験の時間の観点から)ひどい時間の浪費であると同時に高価な方法である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下の開示は、投影画像を生成するのと同時に、時間の経過および温度の変化に対して電力消費を低減し、画質を維持する方法および装置を提供する。
【0010】
従来技術の欠点を克服し、追加の利点を提供するため、電力消費を低減する投影システムおよび操作方法が開示される。本明細書に記載されるように、1つの実施形態では、複数の画像ピクセルを含む投影された画像を生成する方法であって、各色について、画像データを受信および処理して、ピクセルマトリックス制御データおよび光源制御データを生成する方法が提供される。この方法の一部は、光源制御データを1つ以上の光源に供給し、フレーム毎に光源の出力強度を選択的に制御するステップである。次に、ピクセルマトリックス制御データを1つ以上のピクセルマトリックスへ供給し、フレーム毎に1つ以上のピクセルマトリックスのピクセルの不透明性を選択的に制御するステップが含まれる。この方法の一環として、特定のフレームについて、振幅またはパルス幅変調またはその両方の手段で、前記1つ以上の光源のうちの1つの出力強度があるレベルに設定される。次に、このレベルは最高の色強度を持つ前記画像ピクセルに望ましい色強度を与え、ピクセルマトリックスの中の対応するピクセルは、それを通過する光強度が低減することのないように設定される。
【0011】
1つの実施形態では、ピクセルマトリックスは、LCD/LCoS/DLP画面またはピクセル毎に光をフィルタリングする他の手段を含む。ピクセルマトリックスは画像を構成するのよりも少ないピクセルを含むことが、ここでは意図されている。更に、ピクセルマトリックスの中の少なくとも1つのピクセルが透明になるように制御される。この方法では、光源は1つ以上の光源から光エネルギーを出力して画像を作成する。
【0012】
本明細書では、1つ以上の光源および1つ以上のピクセル画面を制御して画像フレームを生成する方法であって、画像データを受信し処理するステップを含む方法も開示される。画像データは投影される画像に対応しており、画像フレーム内で、1つ以上のピクセルが画像フレームのために最高の光強度を有している。この方法は、画像データを処理して、画像フレーム内の1つ以上のピクセルのうち、いずれが最高の光強度を有しているかを、フレームのために決定する。同様に、この方法は、1つ以上のピクセル画面制御信号を発生させて、ピクセル画面の1つ以上のピクセルのために透明性のレベルを設定する。この構成では、最高の光強度を有する1つ以上のピクセルが透明に設定される。次に、この方法は、画像フレームのために最高の光強度を生成するのに必要な光信号電力レベルを決定し、最高の光強度を生成するのに必要な光信号電力レベルに基づいて、1つ以上の光源制御信号を発生させる。その後、この方法は、1つ以上のピクセル画面制御信号をピクセル画面に出力し、1つ以上の光源制御信号を1つ以上の光源に出力する。
【0013】
1つの実施形態では、1つ以上の光源は1つ以上のレーザーを含んでいる。更に、1つ以上のピクセル画面は個別に制御可能なピクセル領域を有する1つ以上のLCD画面を含み、ピクセル領域は、一般的に透明な状態と一般的に不透明な状態との間で制御可能である。1つ以上のピクセル画面制御信号は、最高未満の光強度を有する画像フレーム内のピクセルに対応するピクセル画像を対応するレベルの透明性に制御して、適切な光量を通過させることが、ここでは意図されている。例えば、1つ以上の光源は、画像フレームのために、最高光強度に対応する強度を有する光を出力する。これは、1つ以上の光源によって発生される光の強度を決定する、1つ以上の光源制御信号に基づいて行われる。
【0014】
1つ以上の光源制御信号によって決定される強度で光出力を生成するように構成された1つ以上の光源と、1つ以上のピクセル画面制御信号に基づいて種々のレベルの透明性へ制御可能な、1つ以上のピクセル領域を有する1つ以上のピクセル画面とを含む投影システムも開示される。画像データを受け取るように構成されている1つ以上の入力と、画像データを処理して、光源制御信号およびピクセル画面制御信号を生成するように構成されているプロセッサーとで構成されるコントローラーも、このシステムの一部である。1つ以上の出力は、1つ以上の光源制御信号を1つ以上の光源へ出力し、1つ以上のピクセル画面制御信号を1つ以上のピクセル画面へ出力するように構成されている。従って、電源消費を低減させるため、光出力は、フレーム毎に、特定のフレームの最高光強度に合致する強度または持続時間を有する。
【0015】
1つの実施形態では、1つ以上の光源は赤光源、緑光源および青光源を含む。1つ以上の光源は1つ以上のレーザーを含んでいてもよい。1つの変形では、システムは、光を焦点に集めて画像を形成する1つ以上の鏡およびレンズを更に含む。更に、1つの実施形態では、あるフレームに関して、最高の光強度を有する画像のピクセルに対応するピクセル画面中のピクセルを透明に設定することにより、1つ以上の光源が発生する光がピクセル画面中の対応するピクセルを通過できるようにする。本明細書に記載する場合、1つ以上の光源は1つ以上のレーザーを含んでいてもよい。
【0016】
更に別の実施形態では、画像の投影を制御するための投影システム・コントローラーが開示される。このシステムでは、コントローラーは、画像データを受け取るように構成された入力と、1つ以上の光源制御信号を出力するように構成された光源制御信号出力とを有する。ピクセルマトリックス制御信号出力は、1つ以上のピクセルマトリックス制御信号を出力するように構成され、プロセッサーは、画像データを処理して前記1つ以上のピクセルマトリックス制御信号を発生させ、それを1つ以上の光源制御信号と同期化させ、1つ以上の光源の電力消費を低減させるように構成され、提供されている。これは、1つ以上の光源からの光強度出力、光出力持続時間またはその両方を、画像中の1つ以上の最も明るいピクセルのいずれか1つの光強度に合わせることにより行われる。
【0017】
1つの実施形態では、コントローラーは、機械読み取り可能なコードを実行するように構成されているマイクロプロセッサーを含む。このシステムは、光源制御信号出力を受け取り、出力信号を発生させて光源を駆動するように構成された駆動装置を含んでもよい。1つの構成では、ピクセルマトリックス制御信号は、LCD画面の1つ以上のピクセルの透明性レベルを、種々のレベルの透明性および不透明性に制御する。
【0018】
本発明の他のシステム、方法、特徴および利点は、以下の図面および詳細な説明を調べれば、当業者には明白であろう。かかる追加のシステム、方法、特徴および利点の全てが本明細書に含まれ、本発明の範囲内であり、添付の特許請求の範囲によって保護されていることが、ここでは意図されている。
【0019】
図面の構成部分は必ずしも一定の比例に応じて図示されているのではなく、本発明の原理を説明するため、ある部分が強調されている。図中では、対応する構成部分には全ての図面で同じ符号が用いられている。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1A】例示的な使用環境、光源、およびピクセルマトリックスコントローラーを示したブロック図である。
【図1B】例示的な使用環境、光源、およびピクセルマトリックスコントローラーを示したブロック図である。
【図2】光信号電力と光源電流消費の関係を示すプロットである。
【図3A】従来の方法、振幅変調、パルス幅変調および負荷サイクル変調によって生成された光出力強度および持続時間のプロットを示す。
【図3B】従来の方法、振幅変調、パルス幅変調および負荷サイクル変調によって生成された光出力強度および持続時間のプロットを示す。
【図3C】従来の方法、振幅変調、パルス幅変調および負荷サイクル変調によって生成された光出力強度および持続時間のプロットを示す。
【図3D】従来の方法、振幅変調、パルス幅変調および負荷サイクル変調によって生成された光出力強度および持続時間のプロットを示す。
【図4】温度または経時変化の増大に関連した、光信号電力と光源電流の関係を示すプロットである。
【図5】本技術革新によるディジタル実施の例示的な実施形態を示すブロック図である。
【図6】電力制御ループの可能な実施を示す。
【図7】本技術革新によるアナログ実施の例示的な実施形態を示すブロック図である。
【図8】Pulse_width、Power_targetおよびGain_setの電力レベルマッピングのための、種々の例示的な好ましい電力レベルを示す表である。
【図9A】全画像ピクセルセットのサブセットであるLCDマトリックスを備えた走査システムの例示的な実施形態を示す。
【図9B】LCDマトリックスの例示的な実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1Aおよび1Bに例示される環境では、光104が3つの光源108、例えば赤光源、緑光源および青光源などによって提供される投影システムが開示される。別の実施形態では、別の数の光源が利用されてもよい。光源108にはレーザー、LED,あるいは他の光源を含んでもよい。光源の出力は光システム136に供給される。この実施形態では、光システム136は1つ以上のレンズまたは鏡、あるいはその両方を含んでもよい。光システム136は光をピクセルマトリックス120に向ける、あるいは集中させる。光システム136は受動的でも能動的でもよい。画像112は、これらの色をピクセルマトリックス120上で輝かせ、フィルタリングすることにより作成される。1つの実施形態では、ピクセルマトリックス120はLCD/LCoSシステムである。別の実施形態では、それはDLPエンジンであってもよい。ピクセルマトリックス120はピクセル124のマトリックスであり、各ピクセルは光に対して透明、不透明、あるいは透明と不透明の間のあるレベルの不透明性に作成することができる。投影された画像112は、光源108からの光を(ピクセル毎に選択的に)輝かせたりブロックしたりして作成する。その結果得られる画像112は、表示画面116上に投影してもよい。いくつかの実施形態では、(例えば、色毎に)複数のピクセルマトリックス(LCD/LCoS画面)を用いてもよい。
【0022】
コントローラー130は制御信号または低電力出力を1つ以上の駆動装置134に供給する。1つ以上の駆動装置134は、光源108へ動力供給するのに適したレベルにまでコントローラー130からの信号を増幅する。コントローラー130は、1つ以上の制御信号をかかる装置に供給するため、ピクセルマトリックス120にも接続されている。この実施形態では、コントローラー130は画像データを受け取るが、他の実施形態では、別のタイプのデータがコントローラーへ送信されることが、ここでは意図されている。1つ以上の制御信号が、異なる期間および/またはフレームで各ピクセルの不透明性を制御するために、ピクセルマトリックス120へ送信される。不透明性と言う用語は、ピクセルマトリックス120内のピクセル124を通過することが許される光量を意味すると定義される。
【0023】
ピクセルは100%の光(マトリックス自体内の損失可能性は無視)が透過できるほどに透明であってもよいし、光を全く(または、ほとんど)透過させないほどに不透明であってもよいし、ピクセルマトリックス120内の各ピクセル124を通過する光量が様々なレベルになるように、あらゆるレベルの不透明性であってもよいことが、ここでは意図されている。
【0024】
光源108へ送られる1つ以上の制御信号が、1つ以上の光源から放射される光の強度、持続時間または他の要因を制御してもよい。ここで注意すべきことは、この実施形態では、全ての光源が同時にオンにはなっていないことである。従って、3つの光源は各々フレームの持続時間の1/3だけオンである。人の眼の反応はとても緩慢なので、色(光源)が連続的にオンになっていても、各フレームはフルカラーであると感じられる。
【0025】
本明細書に記載されているのと類似の原理を走査システムに適用してもよい。「レーザー投影表示でレーザーを制御可能に変調する方法および装置」と題された特許出願公開第20080055557号は、レーザーまたは他の光源、画像を走査する投影システムについて論じており、参照としてその全体を本明細書に援用する。この出版物は、走査タイプの投影システムについて論じている。
【0026】
図1Aの上部には2つのピクセルマトリックス120Aと120Bが例示してあり、いずれも利用可能である。これらのピクセルマトリックスは、光源108と画面116の間の光路にある。図1Aの上部に示したピクセルマトリックス120は、ピクセル画面の理解を助けるため、90度回転してある。説明用のこの具体的な実施形態では、目視可能な画像112の第1のピクセルに対応するピクセルマトリックス内のピクセル124には、「1」と印が付してある。目視可能な画像112の第2のピクセルに対応するピクセルには、「2」と印が付してある。この実施形態では、ピクセルマトリックス120Aは目視可能な画像の各ピクセルに3つのピクセル124を有していることが、理解できるであろう。この実施形態では、各ピクセル124は赤、緑、青などの光源色に割り当てられており、従ってその光源が光を放射している間、制御される。他の期間は、光が通過するのを妨げるため、不透明にしておいてもよい。
【0027】
1つの実施形態では、ピクセルマトリックス120Bに示すように、ピクセルマトリックス120上のピクセルと画像112のピクセルの間には、1対1の対応関係が存在する。各ピクセル124は、フレームの各期間、別個に制御される。例えば、フレーム時間が3つの時間ウインドウに分けられ、1つのウインドウが赤、緑、青の各々に割り当てられる場合、各ピクセル124の不透明さは、3つの時間ウインドウの各々で、そのフレームのそのピクセルの強度および色次第で異なる可能性が高い。従って、各ピクセル124の不透明さは、各色の所望の光量が通過できるように、そのフレームの期間、制御される。眼は、この光をブレンドし、所望の色を実際に作り出す傾向にある。本出願の特許請求の範囲から逸脱しない範囲で、光がピクセルマトリックス120を選択的に通過できる他の方法を開発してもよいことが、ここでは意図されている。
【0028】
図1Bは、光源およびピクセルマトリックスコントローラーの代替の実施形態を例示している。しかし、これは可能な使用環境の一例にすぎない。この実施形態では、ビデオプロセッサー150が、画像を形成するのに使用される画像データを生成、処理、または受信する。ビデオプロセッサー150は、図示されている光源駆動装置154に画像データを出力する。この実施形態では、電力レベル情報を含む通信インターフェースを通して、移転が行われる。光源駆動装置154は、(以下に詳細に説明される)光検知器166からもフィードバック入力を受け取る。
【0029】
光源駆動装置154は、図示されている光源158に駆動信号を出力する。この実施形態では、赤、緑および青の3つの光源が存在する。他の実施形態では、光源の数はそれより多くても少なくてもよい。光源158は光出力を生成し、図示されるように、光出力は1つ以上の鏡162に送られるか、あるいはレンズまたはビーム成形装置に直接送信される。
【0030】
レンズまたはビーム形成装置は、LCD174または他の光強度制御ユニットを通して鏡162からの光を焦点に集める。LCD174を通過した光は、画像178を形成する前に、追加のレンズまたはビーム成形機170を通過してもよい。
【0031】
レンズまたはビーム成形機170は光の一部を光検出器166へ向けてもよいことが、ここでは意図されている。光検出器166は光エネルギーを電気信号に変換して、図示されている光源駆動装置154またはビデオプロセッサーに閉ループフィードバックを提供する。
【0032】
投影機は携帯できるので、電力効率を改善するため、でき得る限りの技術を利用するのが重要であるかもしれない。本出願の開示は、光源および/またはシステム全体の電力効率を大幅に改善するための技術を詳細に記載する。電源を最高強度に維持する代わりに、フレーム毎に電源の光強度出力を調整するのが、本出願の基本的な考えである。特定のフレームに関して、最大要求されるその色の明るさに対応するように光源の電流を増減することにより、これは達成できる。各光源の色がこの方法で増減または調整される。
【0033】
図2に示されるように、光電力出力は入力電流の関数である。光電力出力は縦軸204で示され、光源への電流入力は横軸208で示される。光電力出力を低減することにより、光源の電力消費が削減される。従って、電力消費を削減する1つの方法は、光源からの光出力の光強度を低減することである。更に、電源の電圧低下は、他の入力電流についても大体一定に保たれる。従って、光電力出力を低減させることにより、光源の電流消費は削減され、その結果、電力損も削減される。従って、光出力強度をレベルP2からP1に低減することにより、電流入力も同様にI2からI1へ低減することができる。その結果、電力消費が削減される。
【0034】
更に、フレームの一部に関して電源を完全にオフにする場合もあるので、その程度に応じて、電源の使用は更に低減される。これは、低電力消費モードの間でさえ、半導体レーザーやLEDなどの電源には閾値電流(Ith)とも呼ばれるターンオン電流が流れているからである。電源をオフにすることにより、閾値電流に起因する電力消費が回避される。従って、Ithは排除できる。ここで注目すべき点は、(図2に示されているのとは異なる伝送特性を有している場合がある)どのような光発生システムでも、光の出力電圧は必ず入力電圧の関数であり、転換効率は1未満(通常1よりもはるかに小さい)である。本発明はどのような光源にも応用できる。更に、電源の如何を問わず、光電力の節減は更に大きな電力節減につながる。
【0035】
電力消費を削減するため、光源からの光の強度または起動持続時間(パルス幅)、あるいはその両方が低減される。その結果、フレーム毎に光強度を最大に設定している従来の実施形態と比較して、電力消費が削減される。
【0036】
電源の強度を調整する際に、ピクセルマトリックス120の各ピクセルの透明レベルも調整される。例えば、フレーム中のあるピクセルが特定の強度で、光源がフルパワーの場合、ピクセルマトリックスのピクセル透明性は、逆比例関係、またはフルスケールで使用される光強度関連の他の逆比例関係に従って増減する。
【0037】
図3A−3Dは光信号強度または光強度出力のプロットを例示している。本明細書で説明される場合、各色はフレーム毎に時間の一部だけオンである。図3Aは電源が全期間オンである従来のシステムを例示しており、節電モードは振幅変調による解決手段およびパルス幅による解決手段を有している。図3Aは、LCDまたは他の画面に示される光強度に関する従来の方法を例示している。この2つの例のプロットで観察できるように、光強度はフレームの持続時間中(すなわちフレームの各色の部分)ずっと最大である。従って、電力は最大定格で消費される。
【0038】
図3Bのプロットは、光の振幅変調を例示したものである。この実施例のプロットでは、光強度は、対応する時間分だけ画面領域が必要とする最大強度に設定される。従って、電源による光出力の強度は、色毎にそのピクセルのその色に関する最大強度に設定される。故に、従来技術とは異なり、電源は全期間にわたって最大レベルで電力供給されるわけではない。
【0039】
図3Cのプロットは、光のパルス幅変調を例示したものである。この実施例のプロットでは、光パルス持続時間は、かかるフレームについて、対応する時間分だけ画面領域が必要とする持続時間に設定される。従って、電源による光出力の持続時間は、フレーム中の画面領域を通過した後の色について、その特定の色の明るさを確立できる持続時間に設定される。故に、従来技術とは異なり、電源は全フレーム色周期にわたって最大レベルで電力供給されるわけではない。
【0040】
図3Bに示されるように、電源の振幅変調を用いた1つの実施形態では、各電源の色強度(光度)は、そのフレーム内で最大色強度を有するピクセルの色「強度」以上である。眼の反応時間は限定されている(眼は光用のローパスフィルタとして効果的に機能する)ので、色強度の低減は、光強度を低減させることにより、あるいはフレーム持続時間より短い時間だけ電源をオンにし、マトリックス画面の対応するピクセルの不透明性を低減させることにより達成できる。
【0041】
1つの実施形態では、ピクセルのフレームを色毎に解析して、その色の最大強度(明るさ)を持ったピクセル、および要求される光源出力レベルとの関係でその強度がどのレベルにあるかが決定される。次に特定されたピクセルを透明な状態(すなわち不透明性が全くない状態)に設定し、光源をその光出力電源レベルに設定する。その結果、光源出力レベルは、そのフレームのその色に関して可能な限り最低の光出力レベルに設定される。これは電流消費の削減につながり、光源の耐用年数の長期化も可能である。この方法は、コントラスト比の改善と言う追加利点も提供するかもしれない。
【0042】
画像フレーム中で、以前に特定したピクセルよりも光強度が低い他のピクセルの各々に関しては、ピクセルマトリックス中のピクセルの不透明性を増大させ、画像中のそのピクセルに関して、ピクセルマトリックス全体の光強度を低下させる。特定の色部分を有しないピクセルに関しては、ピクセルマトリックス中のピクセルを不透明に設定し、その色がピクセルマトリックスを全く通過しないようにする。
【0043】
更に、上述した如く、ピクセルマトリックス中のピクセルの不透明性に関連して、光源の振幅を変調する代わりに、光のパルスの持続時間を短くすることも、ここでは意図されている。これは図3Cとの関係で上述されている。電源は特定の色各々について短い時間オンになっているので、この方法も電力消費を削減できる。上述したとおり、特定の色に関して最大の色強度を有する画像ピクセルが特定され、電源の持続時間がそのレベルの光強度を提供するように設定されることも、ここでは意図されている。ピクセルマトリックス中の対応するピクセルは、透明になるように、すなわち光の最大強度が通過するように制御される。画像中の他のピクセルに関しては、その画像ピクセルのその色強度に対応するように、ピクセルマトリックス中のピクセルの不透明性を増大させる。この方法は、電源(レーザー、LED、その他の電源)が完全にオフになっている時間、閾値電流に対応する電力を節約できると言う追加の利点をもたらす。
【0044】
図3Dは、パルス幅変調の変形に関する光出力を例示する。この例示の変調技術においては、各色についてパルスの負荷サイクルを調整することにより、光源電力消費が削減される。パルスは最大強度に設定されているが、そのフレームの最大光強度に合致するように、パルスの負荷サイクルが調整される。この方法は、光源がオンになっている時間を短縮し、閾値電流消費を少なくすることにより、電力消費を削減する。更に、マスタークロック変動への感度が低いことも、この変調技術の利点である。この変調技術は、作成された画像中のアーチファクトを除去または低減する場合もある。
【0045】
色強度の選択の面でより良い解決方法を見出しながら、同時に節電も実現するという意味で、ピクセル不透明性の制御に関連して、3つの方法(すなわち振幅変調およびパルス幅変調)を組み合わせることも可能であることが、ここでは意図されている。
【0046】
別の方法は、ある形態の閉ループ電力制御を利用し、赤、緑および青の光源からの電力に比例したフィードバックを光検出器または光検出器アレイが提供できるようにすることである。出力レベルに関する情報を提供できるように、信号はディジタル化してもよい。コントローラーは、それに従って、光源の電流ゲイン設定を調整できる。あるいは、平均電力のフィードバックおよび制御を提供するために、フレームよりも長い時間にわたって信号を統合してもよい。しかし、これらの制御方法には長い統合時間またはフィードバック時間が必要なので、この方法では、フレーム毎に出力を効果的に制御できない場合がある。
【0047】
このアイデアの1つの利点は節電であるが、他にも利点が存在する。通常の映画または表示画像では、平均色強度は約40%である。従って、パルス幅変調または光強度(振幅)変調によるフレーム毎の光源色「変調」が使用された場合、理想的には、電力損を最高60%節約できるはずである。振幅変調を使用する場合は、光源の有限閾値電流の故に、理論的な節電はわずかに低下するであろう。更に、低電力および/または短時間の操作を行えば、光源の耐用年数が延びるかもしれない。同様に、平均電力を低くして操作するように投影システムを設計できれば、経費節約にもつながるかもしれない。
【0048】
経時および/または温度の故に生じる画質の不統一性を克服するため、本明細書に開示されている革新技術は、光信号強度フィードバック構造も含んでいる。
【0049】
初めに、図4は、光源光出力の典型的な増幅特性曲線を電流の関数として示してある。この例示のプロットでは、光出力は縦軸404に示してあり、光源の電流は横軸408に示してある。このプロットは、装置の行動に及ぼす温度または経時変化の影響を示している。このプロットでは、温度が上昇すると、光源の閾値電流Ithが増大し、転換効率(曲線の傾斜)が減少する。同じような影響が光源経時変化としても観察される。
【0050】
投影システムでは、重要な構成部分の1つは光電力出力である。従って、1つの実施形態では、システムの観点から言って、特定の操作条件(温度および経時変化状態)下で光源が要求する電流よりも、むしろビデオ情報(すなわち、フレームが要求する色の量)だけをビデオプロセッサーが光源駆動装置に通信できるのが理想的である。図4から、同じ光出力電力であっても、電流はかなり異なっているのが明白である。
【0051】
本革新技術の1つの態様は、光源が放射する電力(光強度)の量をモニターし、その情報を使って電流を適切なレベルに自動的に調整する、モニター光検出器を使用することである。
【0052】
1つ以上の光源用のモニター光検出器(PD)は、1つ以上の光源からの光によって照明されるように配置されてもよい。これは背面モニターPDまたは光学機器の手段により実現できるので、当業者は過度の実験をすることなく、かかるシステムを構築できるであろう。
【0053】
ここで注目すべき点は、モニターPDの特性は、温度の変化または長期使用の結果(経時変化)によって大して変化しないことであり、光から電流への転換効率は、温度変化および経時変化があっても一定で、予想可能なことである。PD転換効率の構成部分毎の違いは、最初の生産試験中の単一温度で容易に較正可能である。
【0054】
図5のブロック図は、可能な解決方法の実施形態を示している。図5はディジタル方式を例示してある。
【0055】
図5が示すように、アナログフロントエンド504はモニターPD(図5には図示しない)から電流値を受け取る。アナログフロントエンド(AFE)504の前には(あるいはAFEの一部として)、TIA(トランスインピーダンス増幅器)、VGA(入力を適切に増減させるための可変ゲイン増幅器)、およびエイリアス除去フィルタ(AAF)があってもよい。AFE504の出力は、アナログ信号をADC508に供給し、そこでデータがディジタル領域に変換される。モジュール516を含む自動電力制御ループ(APC)はPWM発生器512が発生する情報を用いて、(どの期間にどの光源がオンであるかによって)ADC508からのサンプルのうちいずれを考慮すべきかを決定する。PWM発生器512は、パルス幅信号、および本実施形態でRed_ON/Green_ON/Blue_ONによって示される光色オン信号も受け取り、入力する。図示されるように、APCモジュール516は、電力標的信号およびゲイン設定信号を受け取る。
【0056】
例えば、PWM発生器512からの情報が光源はオフであることを示している場合には、APCモジュール516フィードバックは凍結してもよい。APCモジュール516はディジタル積算器を含んでいてもよい。ディジタル積算器は、特定のフレームのサンプルと標的値を比較し、適切な増減の後、DAC出力用のディジタルコードを調整する。DAC出力は、ディジタルコードを電源駆動装置に送られる電流に変換する。APCモジュール516の出力は、ディジタル/アナログ変換器へ送られ、その出力が光源駆動装置524に接続される。周知のように、ディジタル/アナログ変換器はディジタル信号をアナログ方式へ変換する。光源駆動装置524は光源を駆動するのに適した電力レベルまで信号を増幅する。この実施形態では、光源駆動装置524の出力はレーザー駆動装置へ出力されるが、その他どのような光源を用いても構わない。
【0057】
図6は、電力制御ループの実施可能性を示している。これは実施可能性の1つに過ぎず、従って、本出願の特許請求の範囲はこの特定の実施形態によって限定されるものではない。この実施形態では、光検知器信号はADC604へ入力され、ゲイン設定DAC608から出力される。このAPCモジュール(図5の要素516)の実施例は当業者には周知であるので、この実施はこれ以上詳細には説明しない。
【0058】
図7はアナログ実施を示したもので、標的値はアナログ信号に変換され、標的とモニターPD信号の比較はアナログ比較器およびアナログ積算器によって行われる。この具体的な実施形態では、モニター光検知器からのフィードバック信号はアナログフロントエンド704へ送られる。電力標的信号はディジタル/アナログ変換器(DAC)708に入力される一方、パルス幅信号およびRed_ON/Green_ON/Blue_ON信号はPWM発生器712へ供給される。AFE704の出力は差動増幅器716へ送られ、差動増幅器716は電力標的のアナログ版もDAC708から受け取る。差動増幅器716は、2つの入力間の差を含む増幅信号を出力する。差動増幅器716の出力は保持機能を有する積算器へ送られる。古い信号をPWM発生器712から受け取る。積算器720の出力は電力電流変換器に接続される。その結果得られる電流信号はプログラム可能電流スケーラー728へ出力され、図示されているように、プログラム可能電流スケーラー728はゲイン設定信号を含む制御入力を受け取る。電流スケーラー728の振幅調整出力は駆動装置732に入力される。駆動装置732は、1つ以上の光源を駆動するのに適した電力レベルを有する信号を生成し、出力する。図示されているように、PWM発生器712も駆動装置732に入力を供給する。
【0059】
この実施形態では、アナログ積算器は、フレーム間で情報を保持している(保持機能)のが好ましい。1つの実施形態では、保持時間は約0.1kHz(1秒あたり100フレームのリフレッシュ速度)であってよい。これは適切なアーキテクチャー上の選択と慎重な設計によって達成できることは、当業者には周知である。電流は適切に増減できるので、フロントエンドはディジタル実施の場合と類似である。1つの実施形態では、信号はディジタル領域では変換されないので、AAFは必要ではない。しかし、信号帯域幅と入力雑音を低減するため、ある程度のフィルタリングが必要な場合もある。
【0060】
ここで注目すべき点は、全ての実施提案において、3つのチャンネル(1つの色に1つのチャンネル)中の1つだけが示されていることである。完全なシステムは、3つの平行チャンネルまたはシステムを採用して、信号チェーンのいくつかまたは全てのブロックを多重化してもよい。
【0061】
この実施形態では、Pulse_width、Power_targetおよびGain_setは、あらゆる好ましい電力レベルに関して、図8に示すように関連付けられていてもよい。図8は典型的な電力レベルマッピングの表である。これらのパラメーターは、投影機の製造段階で単一の温度で一度だけ較正してもよく、光源の温度変化および経時変化については自動的に修正される。
【0062】
両方の実施において、電源駆動装置は、パルス幅変調(PWM)コントローラーによって供給される情報に基づいて、急速に(いくつかの実施形態では、数十ナノ秒)、光源に送られる電流をゼロに低減するように構成されている。急速な応答時間は、特に時間調整された光出力の場合には、シャープな画像形成および正確な明るさにつながる。
【0063】
図7に戻って、PWMコントローラーは、高速クロック(例えば10MHz)およびプログラム可能カウンターを用いて、各光源のオン信号のパルス幅がカウンターが規定するクロックサイクルだけ低減するやり方で実施できる。リフレッシュ速度を100Hzとすると、フレームの持続時間は10msであり、10MHzクロック(100ns周期)の場合、解像度は10ppm(100万分の1)である。PWMの変調、従って光出力の変調を妨げるには、クロックが温度変化および構成部分に対して安定しているのが好ましいことは、明白である。複数の廉価できわめて安定したMHz範囲のクロックが容易に入手可能(例えば、19.44MHz水晶発振器)であり、そのようなクロックは既にシステム内に利用されている可能性が高い。
【0064】
かかる実施形態または環境は、単一のパルスで変調させるよりも、複数のパルス変調技術を使用した方が有利である例である。有利な理由は、不安定な1つのクロックを用いて複数のパルスを発生させるならば、電力がオンのときのクロックサイクルと電力がオフのときのクロックサイクルの比率は一定であり、従って、そのクロックにばらつきがあったとしても負荷サイクルは正確なので、光電力出力も正確だからである。従って、1つの周期内の全サイクル数は十分多いので、最後のサイクルがフレームの停止によって中断されたとしても、平均負荷サイクル、従って電力には重大な影響は及ばないと、想定される。
【0065】
PWM発生器の他の実施では、多段遅延ロックループが利用できる。かかる実施形態では、ループを光源用に周期性のオン信号にロックできる。パルス幅変調は、多段DLLの異なるタップを実際に光源駆動装置に送られるオン信号として選択することにより達成できる。
【0066】
Red_On、Green_OnおよびBlue_On信号を用いて外的に信号をパルス幅変調することも、ここでは意図されている。従って、1つの実施形態では、1/3オンタイムを有する通常のRed_On、Green_OnおよびBlue_Onがシステムに供給され、次にコントローラーが、光源がオンになっている時間をPWM発生器ブロックを通してプログラムする。従って、システムは、フレームの色光強度(電力)に従って内的にパルス幅を発生させる。あるいは、システムに供給されるRed_On、Green_OnおよびBlue_On信号の長さを変化させ、外部のビデオデータを用いてパルス幅を制御する。従って、Red_On、Green_OnおよびBlue_On信号を用いてパルス幅変調を実施し、標的の電力レベルを達成できる。図示されているように一括してパルス幅変調を実行することもできるし、あるいはシステムに供給されるRed_On、Green_OnおよびBlue_On信号の持続時間を変化させることも可能である。
【0067】
更に、LCDマトリックスまたは他のピクセルマスクが、画像の全ピクセル数のサブセットであるマトリックスブロックを含んでよいことも、ここでは意図されている。LCDマトリックスまたは他の光強度制御フィルタは、LCDマトリックスを通過した光が経時的に走査鏡を用いて画像を形成できる限り、どのような形態またはアレイを含んでもよい。図9はかかる実施形態を例示している。図9のシステムおよび方法は図1のシステムに類似している。従って、図1のシステムとは異なる部分だけを図9に関して以下に説明する。
【0068】
図1とは対照的に、図9のLCDマトリックス900は、画像116の全ピクセル数のサブセットを含んでいる。この具体的な実施形態では、LCDマトリックス900は画像の横列に対応するように構成されている。LCDマトリックスの数はいくつでもよいが、この実施形態では、横列のピクセル数と同じ数である。他の実施形態では、LCDマトリックス900はどのような形態を含んでいてもよい。例えば、縦のカラム、横列または縦列の一部、ブロック、その他どのような形態またはデザインでもよい。LCDマトリックス以外の光フィルタを採用してもよいことが、ここでは意図されている。上述したとおり、コントローラー130は、LCDマトリックス900中のどのピクセルが透明であるか、不透明であるか、あるいは種々のレベルの透明性を与えるかを制御する。図9BはNピクセルのLCDマトリックスの実施形態を例示するものであり、Nは横列のピクセル数を示す。
【0069】
LCDマトリックス900と整列状態にあるのが走査鏡904であり、走査鏡904もコントローラー130の出力により位置を制御されている。走査鏡904は、LCDマトリックス900からの光出力を画面116全体に反射し、走査するように制御されている。走査鏡904は、LCDマトリックスからの光出力を制御タイミングに基づいて画面116上に選択的に走査する機能を制御できる限り、どのようなタイプの走査反射器を含んでいてもよい。
【0070】
操作にあたって、光源108は光出力を発生させ、光出力はLCDマトリックス900上に焦点を結ぶ。1つの実施形態では、3つの光源は各々、画像の一箇所にLCDマトリックスを走査する時間の1/3ずつオンになる。電力消費を削減するため、光源には最大強度未満レベルの電力を供給してもよいし、通常の1/3フレーム持続時間という限られた期間だけオンにしてもよい。例えば、光源はLCDマトリックス900に光を放射し、LCDマトリックス900は、ピクセル毎ではあるが一度に横一列全体にわたって光を選択的に濾過し、走査鏡904ひいては画面116に向かって進む光の強度を低減させる。
【0071】
上述したとおり、生成される画像の特定のピクセルラインのピクセルを評価し、(全体的または色に基づいて)最高の強度のピクセルを決定する。次に、LCDマトリックス900を制御し、LCDマトリックスの対応するピクセルを透明に設定し、発生させた全ての光を走査鏡904に向けて通過させる。その横列の透明な1つ以上のピクセルに所望の明るさを有する画像を生成できる強度に光源が設定されるように、その横列の光強度もこの最高レベルに設定する。画面上に黒があった場合、その黒であるピクセルは、完全に不透明な対応するLCDマトリックスピクセルを有し、従って光はLCDマトリックスを通過できない。LCDマトリックス900の他のピクセルに関しては、LCDマトリックス中のピクセルの透明レベルが制御され、LCDマトリックスを通過して走査鏡904へ向かう光の強度が調整されるが、この操作は1つ以上の最も明るいピクセルの光強度に基づいて行われる。黒っぽい色の画面ピクセルに関しては、LCDマトリックス中の対応するピクセルの透明性が下げられる。その結果、対応する画面ピクセルが黒っぽい色になる。同様に、明るい色の画面ピクセルに関しては、LCDマトリックス中の対応するピクセルの透明性が上げられる。その結果、対応する画面ピクセルが明るい色になる。マトリックスの画面もマトリックスに到達する光の色に対応するように制御され、色画像を形成するフレームの間、その画像で種々の色を組み合わせられるようにすることも、ここでは意図されている。本明細書記載の技術革新は、白黒または濃淡諧調の投影システムに使用してもよい。
【0072】
LCDマトリックスが画像中の1つの横列のピクセルに対応し、横列毎に走査鏡904を通して走査される実施形態では、タイミングは以下のとおりであってもよい。3つの光源を有するシステムでは、各光源は横列走査期間の1/3ずつオンである。フレーム中、走査鏡は画像全体を走査する。一群の光源108中の個々の光源は、横列毎に、1/3を画像の横列数で割った期間に等しい期間だけオンになる。あるいは、各光源は、走査鏡が画像の各横列を走査して特定の色の画像を構築する間、つまり次の色に移行する前に、フレームの1/3の持続時間だけオンになってもよい。レーザーはフレームの1/3の持続時間だけオンではあるが、レーザー光の強度は横列毎に変化し得ることが、ここでは意図されている。レーザー電力は、振幅変調、PWM、またはこれらの方法の組み合わせで制御可能である。
【0073】
光は、LCDマトリックス900を通過し、ピクセル毎に横一列ずつ選択的に減衰した後、走査鏡904に到達する。走査鏡904は、横列毎に、光源およびLCDマトリックス900と同期化しながら、LCDマトリックスからの光を画面116全体にわたって走査し、画像を作成する。同期化および適切な走査を達成するため、コントローラー130は、制御信号またはコマンド信号を走査鏡904または鏡コントローラー(ここでは、走査鏡の一部とみなされる)および光源に供給する。走査はLCDマトリックスブロック毎に行われ、画面116上に画像が形成される。画像データの1フレーム中、操作鏡904は画面116全体にわたってLCDマトリックス900からの出力を走査し、画像を作成する。
【0074】
この実施形態の利点として、LCDマトリックス900(またはLCD以外の技術)は小型化できるので、投影システムのサイズが縮小され、出費が減少し、その他追加の利点が提供される。更に、この実施形態を用いれば、節電が実現できる。光源の強度出力(振幅変調、パルス幅変調、またはその両方によって異なる場合がある)が、画面画像を形成するピクセルマトリックス全体のサブセットであるLCDマトリックス900中の最も明るいピクセルに基づいて設定されるので、節電が実現できる。従って、下半分が明るくて上半分が暗い画面画像に関しては、上半分(暗い半分)を走査する場合、光源108が発生する光の強度は低く(またはオフに)設定してもよい。下半分(明るい半分)を走査する場合は、光源108の光強度を上げる。画面画像の上半分を走査する際に光強度が低減され、対応する電力消費が削減されるので、節電が実現される。従って、この例の画像では、フレームの半分に関して光源はオフであり、電流は消費されない。これと対照的に、LCDマトリックス900が画像マトリックスと同じサイズならば、光源108はフレーム全体にわたって高い強度を出力し、LCDマトリックス900は不透明になるようにLCDマトリックスの上半分のピクセルを強要することになる。ここで注目すべき点は、同じ節電効果が、フルフレーム/画像LCDマトリックスでも実現できることである。フル画像LCDはいつでも小型パネルLCDとして使用できる。例えば、限定されないが、画像を2つの部分に分割する場合、フル画像LCDは2倍の速さでなければならない。この実施形態は面積面の利点を提供しないのは明らかであるが、光源の観点から見た電力の利点は、使用される小さい画像(この例では画像の1/2)と同じ大きさのマトリックスLCDにおける電力の利点と同じである。別の実施形態では、LCDは任意の数の部分に分離できることも、ここでは意図されている。
【0075】
本明細書記載の実施形態は、現在の技術を用いて達成可能な制御ループタイミングを用いて実施してよいことも、ここでは意図されている。1つの実施形態では、走査線の持続時間は5マイクロ秒であり、既存の光源駆動装置はこの応答率が可能である。パルス幅/負荷サイクル変調、振幅変調、その両方の組み合わせ、他のタイプの光源強度制御などの光源制御のタイプとは無関係に、かかる制御および制御率は達成可能である。
【0076】
本発明の他のシステム、方法、特徴および利点は、図面およびこの詳細な説明を調べるならば当業者には明白である、あるいは明白になるであろう。かかる追加のシステム、方法、特徴および利点の全てが、本明細書に含まれ、本発明の範囲内にあり、添付の特許請求の範囲によって保護されていることが、ここでは意図されている。本発明の種々の実施形態が記載されているが、本発明の範囲内にあるその他数多くの実施形態および実施が可能であることは、当業者には明白であろう。更に、本明細書に記載の種々の特徴、要素および実施形態をあらゆる組み合わせまたはアレンジメントで特許請求したり、組み合わせたりすることも可能である。
【技術分野】
【0001】
(優先権主張)
本出願は、携帯用投影システムにおける電力損と題される2008年3月31日に出願された米国特許仮出願第61/072,446号、およびスキャニング装置を備えた携帯用投影システムにおける電力損と題される2008年9月3日に出願された米国特許仮出願第61/190,978号の優先権と利益を主張する。
【0002】
本発明は、投影システムに関するものであり、特に、投影システムの電力消費を低減させる方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
投影ベースの表示システムは、1人以上の人が見る大型画面上に画像を投影する方法として、広範に使用されている人気の高い方法である。投影システムは、当該投影システムと比較して、大型画像サイズ、携帯性およびコストなどの面を含め、密閉システムと比べて数多くの利点を有している。しかし、現在の投影システムには改善の余地がある。かかる改善の1つは、電力消費の低減である。
【0004】
走査投影システムでは、画像をピクセル毎に赤、緑および青の光源を起動する手段によって生成し、次に1つまたは複数のMEMSミラーによってその投影画像全体を走査する。
【0005】
LCD/LCoS携帯用投影機システムなどの他の投影システムでは、光は3つの光源すなわち赤、緑および青の光源(レーザー、LEDまたは他の光源)によって供給される。光源は単一のLEDである場合もあるし、異なる色がカラーホイールまたは類似の方法によって得られる場合もある。画像は、かかる光源をフルパワーまで起動し、次にその結果得られる光をLCD/LCoS画面またはDLPエンジン上、およびそれを通して輝かせることにより生成する。LCD/LCoSは、ピクセルのマトリックスとして構成され、各ピクセルは、光に対して透明、不透明またはあるレベルの不透明さにすることができる。投影される画像は、光源から出てLCD/LCoSを通過する光の量を(各ピクセル毎に選択的に)制御することにより作成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の投影システムの1つの欠点は、時間が経つと、あるいは異なる温度では、ホワイトバランス行動、色忠実度および画質に影響を与える、光源の異なる経時変化率または異なる温度の故に、投影システムが種々の光源間で不統一な強度を示す場合があることである。従来のシステムでは、かかる不統一性に対処するため、オープンループまたはルックアップ表の方法を採用する場合がある。
【0007】
現在、オープンループ方法が一般的に使用されている。オープンループ構成では、光源制御のためのフィードバック機構は存在しない。この方法の欠点は、システムを工場で組み立てる際に、ホワイトバランスとコントラストが特定の温度に調整されることである。しかし、光源の行動は温度によって異なる可能性が高いので、温度が変化すると、ホワイトバランスとコントラストが最適値から外れ、その結果、画質が低下する。光源の経時変化も生じ、3つの異なる光源毎にそれが異なる場合があるので、好ましくない影響が同様に画質に及ぼされる。これらのシステムでは、一般的に、1揃えの扇風機、ヒートシンクおよび/またはTEクーラーを用いて操作温度を一定に保ち、かかる影響を最小化しようと試みられるが、初期の(冷たい)条件はウォームアップの時間を必要とするし、TEクーラーおよび扇風機は追加電力を消費する。かかる2つの欠点および画質の低下が、この解決方法をあまり魅力のないものにしている。
【0008】
別の選択方法は、ルックアップ表を作成しそれを活用することである。ルックアップ表の方法では、システムには温度センサーが存在し、光源毎のルックアップ表がシステムのEEPROMに記憶される。ロジックまたはマイクロコントローラーが温度を読み取り、光源の好ましい光強度用の適切な電流を光源駆動装置にプログラムする。ここで注意しなければならないのは、今日のシステムでは光源はフルパワーの状態にあるので、あらゆる光源に、1揃えのルックアップ表が必要になることである。本発明の一環として以下に提案されているような複数の電力レベルが光源に使用される場合、複数のルックアップ表が必要になり、EEPROMの要求量も光源の好ましい電力レベルに応じて比例的に増大する。この方法の主な欠点は、光源の特性が製造販売業者毎に大きく異なっており、同じ製造販売元が提供する光源であっても、それらの光源が異なるバッチ由来であれば、光源毎に大きく異なることである。ルックアップ表は光源毎および異なる温度毎に作成しなければならないので、この方法は製造面での大きな負担となる。これは(装置のコストおよび製造試験の時間の観点から)ひどい時間の浪費であると同時に高価な方法である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下の開示は、投影画像を生成するのと同時に、時間の経過および温度の変化に対して電力消費を低減し、画質を維持する方法および装置を提供する。
【0010】
従来技術の欠点を克服し、追加の利点を提供するため、電力消費を低減する投影システムおよび操作方法が開示される。本明細書に記載されるように、1つの実施形態では、複数の画像ピクセルを含む投影された画像を生成する方法であって、各色について、画像データを受信および処理して、ピクセルマトリックス制御データおよび光源制御データを生成する方法が提供される。この方法の一部は、光源制御データを1つ以上の光源に供給し、フレーム毎に光源の出力強度を選択的に制御するステップである。次に、ピクセルマトリックス制御データを1つ以上のピクセルマトリックスへ供給し、フレーム毎に1つ以上のピクセルマトリックスのピクセルの不透明性を選択的に制御するステップが含まれる。この方法の一環として、特定のフレームについて、振幅またはパルス幅変調またはその両方の手段で、前記1つ以上の光源のうちの1つの出力強度があるレベルに設定される。次に、このレベルは最高の色強度を持つ前記画像ピクセルに望ましい色強度を与え、ピクセルマトリックスの中の対応するピクセルは、それを通過する光強度が低減することのないように設定される。
【0011】
1つの実施形態では、ピクセルマトリックスは、LCD/LCoS/DLP画面またはピクセル毎に光をフィルタリングする他の手段を含む。ピクセルマトリックスは画像を構成するのよりも少ないピクセルを含むことが、ここでは意図されている。更に、ピクセルマトリックスの中の少なくとも1つのピクセルが透明になるように制御される。この方法では、光源は1つ以上の光源から光エネルギーを出力して画像を作成する。
【0012】
本明細書では、1つ以上の光源および1つ以上のピクセル画面を制御して画像フレームを生成する方法であって、画像データを受信し処理するステップを含む方法も開示される。画像データは投影される画像に対応しており、画像フレーム内で、1つ以上のピクセルが画像フレームのために最高の光強度を有している。この方法は、画像データを処理して、画像フレーム内の1つ以上のピクセルのうち、いずれが最高の光強度を有しているかを、フレームのために決定する。同様に、この方法は、1つ以上のピクセル画面制御信号を発生させて、ピクセル画面の1つ以上のピクセルのために透明性のレベルを設定する。この構成では、最高の光強度を有する1つ以上のピクセルが透明に設定される。次に、この方法は、画像フレームのために最高の光強度を生成するのに必要な光信号電力レベルを決定し、最高の光強度を生成するのに必要な光信号電力レベルに基づいて、1つ以上の光源制御信号を発生させる。その後、この方法は、1つ以上のピクセル画面制御信号をピクセル画面に出力し、1つ以上の光源制御信号を1つ以上の光源に出力する。
【0013】
1つの実施形態では、1つ以上の光源は1つ以上のレーザーを含んでいる。更に、1つ以上のピクセル画面は個別に制御可能なピクセル領域を有する1つ以上のLCD画面を含み、ピクセル領域は、一般的に透明な状態と一般的に不透明な状態との間で制御可能である。1つ以上のピクセル画面制御信号は、最高未満の光強度を有する画像フレーム内のピクセルに対応するピクセル画像を対応するレベルの透明性に制御して、適切な光量を通過させることが、ここでは意図されている。例えば、1つ以上の光源は、画像フレームのために、最高光強度に対応する強度を有する光を出力する。これは、1つ以上の光源によって発生される光の強度を決定する、1つ以上の光源制御信号に基づいて行われる。
【0014】
1つ以上の光源制御信号によって決定される強度で光出力を生成するように構成された1つ以上の光源と、1つ以上のピクセル画面制御信号に基づいて種々のレベルの透明性へ制御可能な、1つ以上のピクセル領域を有する1つ以上のピクセル画面とを含む投影システムも開示される。画像データを受け取るように構成されている1つ以上の入力と、画像データを処理して、光源制御信号およびピクセル画面制御信号を生成するように構成されているプロセッサーとで構成されるコントローラーも、このシステムの一部である。1つ以上の出力は、1つ以上の光源制御信号を1つ以上の光源へ出力し、1つ以上のピクセル画面制御信号を1つ以上のピクセル画面へ出力するように構成されている。従って、電源消費を低減させるため、光出力は、フレーム毎に、特定のフレームの最高光強度に合致する強度または持続時間を有する。
【0015】
1つの実施形態では、1つ以上の光源は赤光源、緑光源および青光源を含む。1つ以上の光源は1つ以上のレーザーを含んでいてもよい。1つの変形では、システムは、光を焦点に集めて画像を形成する1つ以上の鏡およびレンズを更に含む。更に、1つの実施形態では、あるフレームに関して、最高の光強度を有する画像のピクセルに対応するピクセル画面中のピクセルを透明に設定することにより、1つ以上の光源が発生する光がピクセル画面中の対応するピクセルを通過できるようにする。本明細書に記載する場合、1つ以上の光源は1つ以上のレーザーを含んでいてもよい。
【0016】
更に別の実施形態では、画像の投影を制御するための投影システム・コントローラーが開示される。このシステムでは、コントローラーは、画像データを受け取るように構成された入力と、1つ以上の光源制御信号を出力するように構成された光源制御信号出力とを有する。ピクセルマトリックス制御信号出力は、1つ以上のピクセルマトリックス制御信号を出力するように構成され、プロセッサーは、画像データを処理して前記1つ以上のピクセルマトリックス制御信号を発生させ、それを1つ以上の光源制御信号と同期化させ、1つ以上の光源の電力消費を低減させるように構成され、提供されている。これは、1つ以上の光源からの光強度出力、光出力持続時間またはその両方を、画像中の1つ以上の最も明るいピクセルのいずれか1つの光強度に合わせることにより行われる。
【0017】
1つの実施形態では、コントローラーは、機械読み取り可能なコードを実行するように構成されているマイクロプロセッサーを含む。このシステムは、光源制御信号出力を受け取り、出力信号を発生させて光源を駆動するように構成された駆動装置を含んでもよい。1つの構成では、ピクセルマトリックス制御信号は、LCD画面の1つ以上のピクセルの透明性レベルを、種々のレベルの透明性および不透明性に制御する。
【0018】
本発明の他のシステム、方法、特徴および利点は、以下の図面および詳細な説明を調べれば、当業者には明白であろう。かかる追加のシステム、方法、特徴および利点の全てが本明細書に含まれ、本発明の範囲内であり、添付の特許請求の範囲によって保護されていることが、ここでは意図されている。
【0019】
図面の構成部分は必ずしも一定の比例に応じて図示されているのではなく、本発明の原理を説明するため、ある部分が強調されている。図中では、対応する構成部分には全ての図面で同じ符号が用いられている。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1A】例示的な使用環境、光源、およびピクセルマトリックスコントローラーを示したブロック図である。
【図1B】例示的な使用環境、光源、およびピクセルマトリックスコントローラーを示したブロック図である。
【図2】光信号電力と光源電流消費の関係を示すプロットである。
【図3A】従来の方法、振幅変調、パルス幅変調および負荷サイクル変調によって生成された光出力強度および持続時間のプロットを示す。
【図3B】従来の方法、振幅変調、パルス幅変調および負荷サイクル変調によって生成された光出力強度および持続時間のプロットを示す。
【図3C】従来の方法、振幅変調、パルス幅変調および負荷サイクル変調によって生成された光出力強度および持続時間のプロットを示す。
【図3D】従来の方法、振幅変調、パルス幅変調および負荷サイクル変調によって生成された光出力強度および持続時間のプロットを示す。
【図4】温度または経時変化の増大に関連した、光信号電力と光源電流の関係を示すプロットである。
【図5】本技術革新によるディジタル実施の例示的な実施形態を示すブロック図である。
【図6】電力制御ループの可能な実施を示す。
【図7】本技術革新によるアナログ実施の例示的な実施形態を示すブロック図である。
【図8】Pulse_width、Power_targetおよびGain_setの電力レベルマッピングのための、種々の例示的な好ましい電力レベルを示す表である。
【図9A】全画像ピクセルセットのサブセットであるLCDマトリックスを備えた走査システムの例示的な実施形態を示す。
【図9B】LCDマトリックスの例示的な実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1Aおよび1Bに例示される環境では、光104が3つの光源108、例えば赤光源、緑光源および青光源などによって提供される投影システムが開示される。別の実施形態では、別の数の光源が利用されてもよい。光源108にはレーザー、LED,あるいは他の光源を含んでもよい。光源の出力は光システム136に供給される。この実施形態では、光システム136は1つ以上のレンズまたは鏡、あるいはその両方を含んでもよい。光システム136は光をピクセルマトリックス120に向ける、あるいは集中させる。光システム136は受動的でも能動的でもよい。画像112は、これらの色をピクセルマトリックス120上で輝かせ、フィルタリングすることにより作成される。1つの実施形態では、ピクセルマトリックス120はLCD/LCoSシステムである。別の実施形態では、それはDLPエンジンであってもよい。ピクセルマトリックス120はピクセル124のマトリックスであり、各ピクセルは光に対して透明、不透明、あるいは透明と不透明の間のあるレベルの不透明性に作成することができる。投影された画像112は、光源108からの光を(ピクセル毎に選択的に)輝かせたりブロックしたりして作成する。その結果得られる画像112は、表示画面116上に投影してもよい。いくつかの実施形態では、(例えば、色毎に)複数のピクセルマトリックス(LCD/LCoS画面)を用いてもよい。
【0022】
コントローラー130は制御信号または低電力出力を1つ以上の駆動装置134に供給する。1つ以上の駆動装置134は、光源108へ動力供給するのに適したレベルにまでコントローラー130からの信号を増幅する。コントローラー130は、1つ以上の制御信号をかかる装置に供給するため、ピクセルマトリックス120にも接続されている。この実施形態では、コントローラー130は画像データを受け取るが、他の実施形態では、別のタイプのデータがコントローラーへ送信されることが、ここでは意図されている。1つ以上の制御信号が、異なる期間および/またはフレームで各ピクセルの不透明性を制御するために、ピクセルマトリックス120へ送信される。不透明性と言う用語は、ピクセルマトリックス120内のピクセル124を通過することが許される光量を意味すると定義される。
【0023】
ピクセルは100%の光(マトリックス自体内の損失可能性は無視)が透過できるほどに透明であってもよいし、光を全く(または、ほとんど)透過させないほどに不透明であってもよいし、ピクセルマトリックス120内の各ピクセル124を通過する光量が様々なレベルになるように、あらゆるレベルの不透明性であってもよいことが、ここでは意図されている。
【0024】
光源108へ送られる1つ以上の制御信号が、1つ以上の光源から放射される光の強度、持続時間または他の要因を制御してもよい。ここで注意すべきことは、この実施形態では、全ての光源が同時にオンにはなっていないことである。従って、3つの光源は各々フレームの持続時間の1/3だけオンである。人の眼の反応はとても緩慢なので、色(光源)が連続的にオンになっていても、各フレームはフルカラーであると感じられる。
【0025】
本明細書に記載されているのと類似の原理を走査システムに適用してもよい。「レーザー投影表示でレーザーを制御可能に変調する方法および装置」と題された特許出願公開第20080055557号は、レーザーまたは他の光源、画像を走査する投影システムについて論じており、参照としてその全体を本明細書に援用する。この出版物は、走査タイプの投影システムについて論じている。
【0026】
図1Aの上部には2つのピクセルマトリックス120Aと120Bが例示してあり、いずれも利用可能である。これらのピクセルマトリックスは、光源108と画面116の間の光路にある。図1Aの上部に示したピクセルマトリックス120は、ピクセル画面の理解を助けるため、90度回転してある。説明用のこの具体的な実施形態では、目視可能な画像112の第1のピクセルに対応するピクセルマトリックス内のピクセル124には、「1」と印が付してある。目視可能な画像112の第2のピクセルに対応するピクセルには、「2」と印が付してある。この実施形態では、ピクセルマトリックス120Aは目視可能な画像の各ピクセルに3つのピクセル124を有していることが、理解できるであろう。この実施形態では、各ピクセル124は赤、緑、青などの光源色に割り当てられており、従ってその光源が光を放射している間、制御される。他の期間は、光が通過するのを妨げるため、不透明にしておいてもよい。
【0027】
1つの実施形態では、ピクセルマトリックス120Bに示すように、ピクセルマトリックス120上のピクセルと画像112のピクセルの間には、1対1の対応関係が存在する。各ピクセル124は、フレームの各期間、別個に制御される。例えば、フレーム時間が3つの時間ウインドウに分けられ、1つのウインドウが赤、緑、青の各々に割り当てられる場合、各ピクセル124の不透明さは、3つの時間ウインドウの各々で、そのフレームのそのピクセルの強度および色次第で異なる可能性が高い。従って、各ピクセル124の不透明さは、各色の所望の光量が通過できるように、そのフレームの期間、制御される。眼は、この光をブレンドし、所望の色を実際に作り出す傾向にある。本出願の特許請求の範囲から逸脱しない範囲で、光がピクセルマトリックス120を選択的に通過できる他の方法を開発してもよいことが、ここでは意図されている。
【0028】
図1Bは、光源およびピクセルマトリックスコントローラーの代替の実施形態を例示している。しかし、これは可能な使用環境の一例にすぎない。この実施形態では、ビデオプロセッサー150が、画像を形成するのに使用される画像データを生成、処理、または受信する。ビデオプロセッサー150は、図示されている光源駆動装置154に画像データを出力する。この実施形態では、電力レベル情報を含む通信インターフェースを通して、移転が行われる。光源駆動装置154は、(以下に詳細に説明される)光検知器166からもフィードバック入力を受け取る。
【0029】
光源駆動装置154は、図示されている光源158に駆動信号を出力する。この実施形態では、赤、緑および青の3つの光源が存在する。他の実施形態では、光源の数はそれより多くても少なくてもよい。光源158は光出力を生成し、図示されるように、光出力は1つ以上の鏡162に送られるか、あるいはレンズまたはビーム成形装置に直接送信される。
【0030】
レンズまたはビーム形成装置は、LCD174または他の光強度制御ユニットを通して鏡162からの光を焦点に集める。LCD174を通過した光は、画像178を形成する前に、追加のレンズまたはビーム成形機170を通過してもよい。
【0031】
レンズまたはビーム成形機170は光の一部を光検出器166へ向けてもよいことが、ここでは意図されている。光検出器166は光エネルギーを電気信号に変換して、図示されている光源駆動装置154またはビデオプロセッサーに閉ループフィードバックを提供する。
【0032】
投影機は携帯できるので、電力効率を改善するため、でき得る限りの技術を利用するのが重要であるかもしれない。本出願の開示は、光源および/またはシステム全体の電力効率を大幅に改善するための技術を詳細に記載する。電源を最高強度に維持する代わりに、フレーム毎に電源の光強度出力を調整するのが、本出願の基本的な考えである。特定のフレームに関して、最大要求されるその色の明るさに対応するように光源の電流を増減することにより、これは達成できる。各光源の色がこの方法で増減または調整される。
【0033】
図2に示されるように、光電力出力は入力電流の関数である。光電力出力は縦軸204で示され、光源への電流入力は横軸208で示される。光電力出力を低減することにより、光源の電力消費が削減される。従って、電力消費を削減する1つの方法は、光源からの光出力の光強度を低減することである。更に、電源の電圧低下は、他の入力電流についても大体一定に保たれる。従って、光電力出力を低減させることにより、光源の電流消費は削減され、その結果、電力損も削減される。従って、光出力強度をレベルP2からP1に低減することにより、電流入力も同様にI2からI1へ低減することができる。その結果、電力消費が削減される。
【0034】
更に、フレームの一部に関して電源を完全にオフにする場合もあるので、その程度に応じて、電源の使用は更に低減される。これは、低電力消費モードの間でさえ、半導体レーザーやLEDなどの電源には閾値電流(Ith)とも呼ばれるターンオン電流が流れているからである。電源をオフにすることにより、閾値電流に起因する電力消費が回避される。従って、Ithは排除できる。ここで注目すべき点は、(図2に示されているのとは異なる伝送特性を有している場合がある)どのような光発生システムでも、光の出力電圧は必ず入力電圧の関数であり、転換効率は1未満(通常1よりもはるかに小さい)である。本発明はどのような光源にも応用できる。更に、電源の如何を問わず、光電力の節減は更に大きな電力節減につながる。
【0035】
電力消費を削減するため、光源からの光の強度または起動持続時間(パルス幅)、あるいはその両方が低減される。その結果、フレーム毎に光強度を最大に設定している従来の実施形態と比較して、電力消費が削減される。
【0036】
電源の強度を調整する際に、ピクセルマトリックス120の各ピクセルの透明レベルも調整される。例えば、フレーム中のあるピクセルが特定の強度で、光源がフルパワーの場合、ピクセルマトリックスのピクセル透明性は、逆比例関係、またはフルスケールで使用される光強度関連の他の逆比例関係に従って増減する。
【0037】
図3A−3Dは光信号強度または光強度出力のプロットを例示している。本明細書で説明される場合、各色はフレーム毎に時間の一部だけオンである。図3Aは電源が全期間オンである従来のシステムを例示しており、節電モードは振幅変調による解決手段およびパルス幅による解決手段を有している。図3Aは、LCDまたは他の画面に示される光強度に関する従来の方法を例示している。この2つの例のプロットで観察できるように、光強度はフレームの持続時間中(すなわちフレームの各色の部分)ずっと最大である。従って、電力は最大定格で消費される。
【0038】
図3Bのプロットは、光の振幅変調を例示したものである。この実施例のプロットでは、光強度は、対応する時間分だけ画面領域が必要とする最大強度に設定される。従って、電源による光出力の強度は、色毎にそのピクセルのその色に関する最大強度に設定される。故に、従来技術とは異なり、電源は全期間にわたって最大レベルで電力供給されるわけではない。
【0039】
図3Cのプロットは、光のパルス幅変調を例示したものである。この実施例のプロットでは、光パルス持続時間は、かかるフレームについて、対応する時間分だけ画面領域が必要とする持続時間に設定される。従って、電源による光出力の持続時間は、フレーム中の画面領域を通過した後の色について、その特定の色の明るさを確立できる持続時間に設定される。故に、従来技術とは異なり、電源は全フレーム色周期にわたって最大レベルで電力供給されるわけではない。
【0040】
図3Bに示されるように、電源の振幅変調を用いた1つの実施形態では、各電源の色強度(光度)は、そのフレーム内で最大色強度を有するピクセルの色「強度」以上である。眼の反応時間は限定されている(眼は光用のローパスフィルタとして効果的に機能する)ので、色強度の低減は、光強度を低減させることにより、あるいはフレーム持続時間より短い時間だけ電源をオンにし、マトリックス画面の対応するピクセルの不透明性を低減させることにより達成できる。
【0041】
1つの実施形態では、ピクセルのフレームを色毎に解析して、その色の最大強度(明るさ)を持ったピクセル、および要求される光源出力レベルとの関係でその強度がどのレベルにあるかが決定される。次に特定されたピクセルを透明な状態(すなわち不透明性が全くない状態)に設定し、光源をその光出力電源レベルに設定する。その結果、光源出力レベルは、そのフレームのその色に関して可能な限り最低の光出力レベルに設定される。これは電流消費の削減につながり、光源の耐用年数の長期化も可能である。この方法は、コントラスト比の改善と言う追加利点も提供するかもしれない。
【0042】
画像フレーム中で、以前に特定したピクセルよりも光強度が低い他のピクセルの各々に関しては、ピクセルマトリックス中のピクセルの不透明性を増大させ、画像中のそのピクセルに関して、ピクセルマトリックス全体の光強度を低下させる。特定の色部分を有しないピクセルに関しては、ピクセルマトリックス中のピクセルを不透明に設定し、その色がピクセルマトリックスを全く通過しないようにする。
【0043】
更に、上述した如く、ピクセルマトリックス中のピクセルの不透明性に関連して、光源の振幅を変調する代わりに、光のパルスの持続時間を短くすることも、ここでは意図されている。これは図3Cとの関係で上述されている。電源は特定の色各々について短い時間オンになっているので、この方法も電力消費を削減できる。上述したとおり、特定の色に関して最大の色強度を有する画像ピクセルが特定され、電源の持続時間がそのレベルの光強度を提供するように設定されることも、ここでは意図されている。ピクセルマトリックス中の対応するピクセルは、透明になるように、すなわち光の最大強度が通過するように制御される。画像中の他のピクセルに関しては、その画像ピクセルのその色強度に対応するように、ピクセルマトリックス中のピクセルの不透明性を増大させる。この方法は、電源(レーザー、LED、その他の電源)が完全にオフになっている時間、閾値電流に対応する電力を節約できると言う追加の利点をもたらす。
【0044】
図3Dは、パルス幅変調の変形に関する光出力を例示する。この例示の変調技術においては、各色についてパルスの負荷サイクルを調整することにより、光源電力消費が削減される。パルスは最大強度に設定されているが、そのフレームの最大光強度に合致するように、パルスの負荷サイクルが調整される。この方法は、光源がオンになっている時間を短縮し、閾値電流消費を少なくすることにより、電力消費を削減する。更に、マスタークロック変動への感度が低いことも、この変調技術の利点である。この変調技術は、作成された画像中のアーチファクトを除去または低減する場合もある。
【0045】
色強度の選択の面でより良い解決方法を見出しながら、同時に節電も実現するという意味で、ピクセル不透明性の制御に関連して、3つの方法(すなわち振幅変調およびパルス幅変調)を組み合わせることも可能であることが、ここでは意図されている。
【0046】
別の方法は、ある形態の閉ループ電力制御を利用し、赤、緑および青の光源からの電力に比例したフィードバックを光検出器または光検出器アレイが提供できるようにすることである。出力レベルに関する情報を提供できるように、信号はディジタル化してもよい。コントローラーは、それに従って、光源の電流ゲイン設定を調整できる。あるいは、平均電力のフィードバックおよび制御を提供するために、フレームよりも長い時間にわたって信号を統合してもよい。しかし、これらの制御方法には長い統合時間またはフィードバック時間が必要なので、この方法では、フレーム毎に出力を効果的に制御できない場合がある。
【0047】
このアイデアの1つの利点は節電であるが、他にも利点が存在する。通常の映画または表示画像では、平均色強度は約40%である。従って、パルス幅変調または光強度(振幅)変調によるフレーム毎の光源色「変調」が使用された場合、理想的には、電力損を最高60%節約できるはずである。振幅変調を使用する場合は、光源の有限閾値電流の故に、理論的な節電はわずかに低下するであろう。更に、低電力および/または短時間の操作を行えば、光源の耐用年数が延びるかもしれない。同様に、平均電力を低くして操作するように投影システムを設計できれば、経費節約にもつながるかもしれない。
【0048】
経時および/または温度の故に生じる画質の不統一性を克服するため、本明細書に開示されている革新技術は、光信号強度フィードバック構造も含んでいる。
【0049】
初めに、図4は、光源光出力の典型的な増幅特性曲線を電流の関数として示してある。この例示のプロットでは、光出力は縦軸404に示してあり、光源の電流は横軸408に示してある。このプロットは、装置の行動に及ぼす温度または経時変化の影響を示している。このプロットでは、温度が上昇すると、光源の閾値電流Ithが増大し、転換効率(曲線の傾斜)が減少する。同じような影響が光源経時変化としても観察される。
【0050】
投影システムでは、重要な構成部分の1つは光電力出力である。従って、1つの実施形態では、システムの観点から言って、特定の操作条件(温度および経時変化状態)下で光源が要求する電流よりも、むしろビデオ情報(すなわち、フレームが要求する色の量)だけをビデオプロセッサーが光源駆動装置に通信できるのが理想的である。図4から、同じ光出力電力であっても、電流はかなり異なっているのが明白である。
【0051】
本革新技術の1つの態様は、光源が放射する電力(光強度)の量をモニターし、その情報を使って電流を適切なレベルに自動的に調整する、モニター光検出器を使用することである。
【0052】
1つ以上の光源用のモニター光検出器(PD)は、1つ以上の光源からの光によって照明されるように配置されてもよい。これは背面モニターPDまたは光学機器の手段により実現できるので、当業者は過度の実験をすることなく、かかるシステムを構築できるであろう。
【0053】
ここで注目すべき点は、モニターPDの特性は、温度の変化または長期使用の結果(経時変化)によって大して変化しないことであり、光から電流への転換効率は、温度変化および経時変化があっても一定で、予想可能なことである。PD転換効率の構成部分毎の違いは、最初の生産試験中の単一温度で容易に較正可能である。
【0054】
図5のブロック図は、可能な解決方法の実施形態を示している。図5はディジタル方式を例示してある。
【0055】
図5が示すように、アナログフロントエンド504はモニターPD(図5には図示しない)から電流値を受け取る。アナログフロントエンド(AFE)504の前には(あるいはAFEの一部として)、TIA(トランスインピーダンス増幅器)、VGA(入力を適切に増減させるための可変ゲイン増幅器)、およびエイリアス除去フィルタ(AAF)があってもよい。AFE504の出力は、アナログ信号をADC508に供給し、そこでデータがディジタル領域に変換される。モジュール516を含む自動電力制御ループ(APC)はPWM発生器512が発生する情報を用いて、(どの期間にどの光源がオンであるかによって)ADC508からのサンプルのうちいずれを考慮すべきかを決定する。PWM発生器512は、パルス幅信号、および本実施形態でRed_ON/Green_ON/Blue_ONによって示される光色オン信号も受け取り、入力する。図示されるように、APCモジュール516は、電力標的信号およびゲイン設定信号を受け取る。
【0056】
例えば、PWM発生器512からの情報が光源はオフであることを示している場合には、APCモジュール516フィードバックは凍結してもよい。APCモジュール516はディジタル積算器を含んでいてもよい。ディジタル積算器は、特定のフレームのサンプルと標的値を比較し、適切な増減の後、DAC出力用のディジタルコードを調整する。DAC出力は、ディジタルコードを電源駆動装置に送られる電流に変換する。APCモジュール516の出力は、ディジタル/アナログ変換器へ送られ、その出力が光源駆動装置524に接続される。周知のように、ディジタル/アナログ変換器はディジタル信号をアナログ方式へ変換する。光源駆動装置524は光源を駆動するのに適した電力レベルまで信号を増幅する。この実施形態では、光源駆動装置524の出力はレーザー駆動装置へ出力されるが、その他どのような光源を用いても構わない。
【0057】
図6は、電力制御ループの実施可能性を示している。これは実施可能性の1つに過ぎず、従って、本出願の特許請求の範囲はこの特定の実施形態によって限定されるものではない。この実施形態では、光検知器信号はADC604へ入力され、ゲイン設定DAC608から出力される。このAPCモジュール(図5の要素516)の実施例は当業者には周知であるので、この実施はこれ以上詳細には説明しない。
【0058】
図7はアナログ実施を示したもので、標的値はアナログ信号に変換され、標的とモニターPD信号の比較はアナログ比較器およびアナログ積算器によって行われる。この具体的な実施形態では、モニター光検知器からのフィードバック信号はアナログフロントエンド704へ送られる。電力標的信号はディジタル/アナログ変換器(DAC)708に入力される一方、パルス幅信号およびRed_ON/Green_ON/Blue_ON信号はPWM発生器712へ供給される。AFE704の出力は差動増幅器716へ送られ、差動増幅器716は電力標的のアナログ版もDAC708から受け取る。差動増幅器716は、2つの入力間の差を含む増幅信号を出力する。差動増幅器716の出力は保持機能を有する積算器へ送られる。古い信号をPWM発生器712から受け取る。積算器720の出力は電力電流変換器に接続される。その結果得られる電流信号はプログラム可能電流スケーラー728へ出力され、図示されているように、プログラム可能電流スケーラー728はゲイン設定信号を含む制御入力を受け取る。電流スケーラー728の振幅調整出力は駆動装置732に入力される。駆動装置732は、1つ以上の光源を駆動するのに適した電力レベルを有する信号を生成し、出力する。図示されているように、PWM発生器712も駆動装置732に入力を供給する。
【0059】
この実施形態では、アナログ積算器は、フレーム間で情報を保持している(保持機能)のが好ましい。1つの実施形態では、保持時間は約0.1kHz(1秒あたり100フレームのリフレッシュ速度)であってよい。これは適切なアーキテクチャー上の選択と慎重な設計によって達成できることは、当業者には周知である。電流は適切に増減できるので、フロントエンドはディジタル実施の場合と類似である。1つの実施形態では、信号はディジタル領域では変換されないので、AAFは必要ではない。しかし、信号帯域幅と入力雑音を低減するため、ある程度のフィルタリングが必要な場合もある。
【0060】
ここで注目すべき点は、全ての実施提案において、3つのチャンネル(1つの色に1つのチャンネル)中の1つだけが示されていることである。完全なシステムは、3つの平行チャンネルまたはシステムを採用して、信号チェーンのいくつかまたは全てのブロックを多重化してもよい。
【0061】
この実施形態では、Pulse_width、Power_targetおよびGain_setは、あらゆる好ましい電力レベルに関して、図8に示すように関連付けられていてもよい。図8は典型的な電力レベルマッピングの表である。これらのパラメーターは、投影機の製造段階で単一の温度で一度だけ較正してもよく、光源の温度変化および経時変化については自動的に修正される。
【0062】
両方の実施において、電源駆動装置は、パルス幅変調(PWM)コントローラーによって供給される情報に基づいて、急速に(いくつかの実施形態では、数十ナノ秒)、光源に送られる電流をゼロに低減するように構成されている。急速な応答時間は、特に時間調整された光出力の場合には、シャープな画像形成および正確な明るさにつながる。
【0063】
図7に戻って、PWMコントローラーは、高速クロック(例えば10MHz)およびプログラム可能カウンターを用いて、各光源のオン信号のパルス幅がカウンターが規定するクロックサイクルだけ低減するやり方で実施できる。リフレッシュ速度を100Hzとすると、フレームの持続時間は10msであり、10MHzクロック(100ns周期)の場合、解像度は10ppm(100万分の1)である。PWMの変調、従って光出力の変調を妨げるには、クロックが温度変化および構成部分に対して安定しているのが好ましいことは、明白である。複数の廉価できわめて安定したMHz範囲のクロックが容易に入手可能(例えば、19.44MHz水晶発振器)であり、そのようなクロックは既にシステム内に利用されている可能性が高い。
【0064】
かかる実施形態または環境は、単一のパルスで変調させるよりも、複数のパルス変調技術を使用した方が有利である例である。有利な理由は、不安定な1つのクロックを用いて複数のパルスを発生させるならば、電力がオンのときのクロックサイクルと電力がオフのときのクロックサイクルの比率は一定であり、従って、そのクロックにばらつきがあったとしても負荷サイクルは正確なので、光電力出力も正確だからである。従って、1つの周期内の全サイクル数は十分多いので、最後のサイクルがフレームの停止によって中断されたとしても、平均負荷サイクル、従って電力には重大な影響は及ばないと、想定される。
【0065】
PWM発生器の他の実施では、多段遅延ロックループが利用できる。かかる実施形態では、ループを光源用に周期性のオン信号にロックできる。パルス幅変調は、多段DLLの異なるタップを実際に光源駆動装置に送られるオン信号として選択することにより達成できる。
【0066】
Red_On、Green_OnおよびBlue_On信号を用いて外的に信号をパルス幅変調することも、ここでは意図されている。従って、1つの実施形態では、1/3オンタイムを有する通常のRed_On、Green_OnおよびBlue_Onがシステムに供給され、次にコントローラーが、光源がオンになっている時間をPWM発生器ブロックを通してプログラムする。従って、システムは、フレームの色光強度(電力)に従って内的にパルス幅を発生させる。あるいは、システムに供給されるRed_On、Green_OnおよびBlue_On信号の長さを変化させ、外部のビデオデータを用いてパルス幅を制御する。従って、Red_On、Green_OnおよびBlue_On信号を用いてパルス幅変調を実施し、標的の電力レベルを達成できる。図示されているように一括してパルス幅変調を実行することもできるし、あるいはシステムに供給されるRed_On、Green_OnおよびBlue_On信号の持続時間を変化させることも可能である。
【0067】
更に、LCDマトリックスまたは他のピクセルマスクが、画像の全ピクセル数のサブセットであるマトリックスブロックを含んでよいことも、ここでは意図されている。LCDマトリックスまたは他の光強度制御フィルタは、LCDマトリックスを通過した光が経時的に走査鏡を用いて画像を形成できる限り、どのような形態またはアレイを含んでもよい。図9はかかる実施形態を例示している。図9のシステムおよび方法は図1のシステムに類似している。従って、図1のシステムとは異なる部分だけを図9に関して以下に説明する。
【0068】
図1とは対照的に、図9のLCDマトリックス900は、画像116の全ピクセル数のサブセットを含んでいる。この具体的な実施形態では、LCDマトリックス900は画像の横列に対応するように構成されている。LCDマトリックスの数はいくつでもよいが、この実施形態では、横列のピクセル数と同じ数である。他の実施形態では、LCDマトリックス900はどのような形態を含んでいてもよい。例えば、縦のカラム、横列または縦列の一部、ブロック、その他どのような形態またはデザインでもよい。LCDマトリックス以外の光フィルタを採用してもよいことが、ここでは意図されている。上述したとおり、コントローラー130は、LCDマトリックス900中のどのピクセルが透明であるか、不透明であるか、あるいは種々のレベルの透明性を与えるかを制御する。図9BはNピクセルのLCDマトリックスの実施形態を例示するものであり、Nは横列のピクセル数を示す。
【0069】
LCDマトリックス900と整列状態にあるのが走査鏡904であり、走査鏡904もコントローラー130の出力により位置を制御されている。走査鏡904は、LCDマトリックス900からの光出力を画面116全体に反射し、走査するように制御されている。走査鏡904は、LCDマトリックスからの光出力を制御タイミングに基づいて画面116上に選択的に走査する機能を制御できる限り、どのようなタイプの走査反射器を含んでいてもよい。
【0070】
操作にあたって、光源108は光出力を発生させ、光出力はLCDマトリックス900上に焦点を結ぶ。1つの実施形態では、3つの光源は各々、画像の一箇所にLCDマトリックスを走査する時間の1/3ずつオンになる。電力消費を削減するため、光源には最大強度未満レベルの電力を供給してもよいし、通常の1/3フレーム持続時間という限られた期間だけオンにしてもよい。例えば、光源はLCDマトリックス900に光を放射し、LCDマトリックス900は、ピクセル毎ではあるが一度に横一列全体にわたって光を選択的に濾過し、走査鏡904ひいては画面116に向かって進む光の強度を低減させる。
【0071】
上述したとおり、生成される画像の特定のピクセルラインのピクセルを評価し、(全体的または色に基づいて)最高の強度のピクセルを決定する。次に、LCDマトリックス900を制御し、LCDマトリックスの対応するピクセルを透明に設定し、発生させた全ての光を走査鏡904に向けて通過させる。その横列の透明な1つ以上のピクセルに所望の明るさを有する画像を生成できる強度に光源が設定されるように、その横列の光強度もこの最高レベルに設定する。画面上に黒があった場合、その黒であるピクセルは、完全に不透明な対応するLCDマトリックスピクセルを有し、従って光はLCDマトリックスを通過できない。LCDマトリックス900の他のピクセルに関しては、LCDマトリックス中のピクセルの透明レベルが制御され、LCDマトリックスを通過して走査鏡904へ向かう光の強度が調整されるが、この操作は1つ以上の最も明るいピクセルの光強度に基づいて行われる。黒っぽい色の画面ピクセルに関しては、LCDマトリックス中の対応するピクセルの透明性が下げられる。その結果、対応する画面ピクセルが黒っぽい色になる。同様に、明るい色の画面ピクセルに関しては、LCDマトリックス中の対応するピクセルの透明性が上げられる。その結果、対応する画面ピクセルが明るい色になる。マトリックスの画面もマトリックスに到達する光の色に対応するように制御され、色画像を形成するフレームの間、その画像で種々の色を組み合わせられるようにすることも、ここでは意図されている。本明細書記載の技術革新は、白黒または濃淡諧調の投影システムに使用してもよい。
【0072】
LCDマトリックスが画像中の1つの横列のピクセルに対応し、横列毎に走査鏡904を通して走査される実施形態では、タイミングは以下のとおりであってもよい。3つの光源を有するシステムでは、各光源は横列走査期間の1/3ずつオンである。フレーム中、走査鏡は画像全体を走査する。一群の光源108中の個々の光源は、横列毎に、1/3を画像の横列数で割った期間に等しい期間だけオンになる。あるいは、各光源は、走査鏡が画像の各横列を走査して特定の色の画像を構築する間、つまり次の色に移行する前に、フレームの1/3の持続時間だけオンになってもよい。レーザーはフレームの1/3の持続時間だけオンではあるが、レーザー光の強度は横列毎に変化し得ることが、ここでは意図されている。レーザー電力は、振幅変調、PWM、またはこれらの方法の組み合わせで制御可能である。
【0073】
光は、LCDマトリックス900を通過し、ピクセル毎に横一列ずつ選択的に減衰した後、走査鏡904に到達する。走査鏡904は、横列毎に、光源およびLCDマトリックス900と同期化しながら、LCDマトリックスからの光を画面116全体にわたって走査し、画像を作成する。同期化および適切な走査を達成するため、コントローラー130は、制御信号またはコマンド信号を走査鏡904または鏡コントローラー(ここでは、走査鏡の一部とみなされる)および光源に供給する。走査はLCDマトリックスブロック毎に行われ、画面116上に画像が形成される。画像データの1フレーム中、操作鏡904は画面116全体にわたってLCDマトリックス900からの出力を走査し、画像を作成する。
【0074】
この実施形態の利点として、LCDマトリックス900(またはLCD以外の技術)は小型化できるので、投影システムのサイズが縮小され、出費が減少し、その他追加の利点が提供される。更に、この実施形態を用いれば、節電が実現できる。光源の強度出力(振幅変調、パルス幅変調、またはその両方によって異なる場合がある)が、画面画像を形成するピクセルマトリックス全体のサブセットであるLCDマトリックス900中の最も明るいピクセルに基づいて設定されるので、節電が実現できる。従って、下半分が明るくて上半分が暗い画面画像に関しては、上半分(暗い半分)を走査する場合、光源108が発生する光の強度は低く(またはオフに)設定してもよい。下半分(明るい半分)を走査する場合は、光源108の光強度を上げる。画面画像の上半分を走査する際に光強度が低減され、対応する電力消費が削減されるので、節電が実現される。従って、この例の画像では、フレームの半分に関して光源はオフであり、電流は消費されない。これと対照的に、LCDマトリックス900が画像マトリックスと同じサイズならば、光源108はフレーム全体にわたって高い強度を出力し、LCDマトリックス900は不透明になるようにLCDマトリックスの上半分のピクセルを強要することになる。ここで注目すべき点は、同じ節電効果が、フルフレーム/画像LCDマトリックスでも実現できることである。フル画像LCDはいつでも小型パネルLCDとして使用できる。例えば、限定されないが、画像を2つの部分に分割する場合、フル画像LCDは2倍の速さでなければならない。この実施形態は面積面の利点を提供しないのは明らかであるが、光源の観点から見た電力の利点は、使用される小さい画像(この例では画像の1/2)と同じ大きさのマトリックスLCDにおける電力の利点と同じである。別の実施形態では、LCDは任意の数の部分に分離できることも、ここでは意図されている。
【0075】
本明細書記載の実施形態は、現在の技術を用いて達成可能な制御ループタイミングを用いて実施してよいことも、ここでは意図されている。1つの実施形態では、走査線の持続時間は5マイクロ秒であり、既存の光源駆動装置はこの応答率が可能である。パルス幅/負荷サイクル変調、振幅変調、その両方の組み合わせ、他のタイプの光源強度制御などの光源制御のタイプとは無関係に、かかる制御および制御率は達成可能である。
【0076】
本発明の他のシステム、方法、特徴および利点は、図面およびこの詳細な説明を調べるならば当業者には明白である、あるいは明白になるであろう。かかる追加のシステム、方法、特徴および利点の全てが、本明細書に含まれ、本発明の範囲内にあり、添付の特許請求の範囲によって保護されていることが、ここでは意図されている。本発明の種々の実施形態が記載されているが、本発明の範囲内にあるその他数多くの実施形態および実施が可能であることは、当業者には明白であろう。更に、本明細書に記載の種々の特徴、要素および実施形態をあらゆる組み合わせまたはアレンジメントで特許請求したり、組み合わせたりすることも可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像ピクセルを含む投影された画像を生成する方法であって、各色について、
画像データを受信および処理して、ピクセルマトリックス制御データおよび光源制御データを生成するステップと、
前記光源制御データを1つ以上の光源に供給し、フレーム毎に前記光源の出力強度を選択的に制御するステップと、
前記ピクセルマトリックス制御データを1つ以上のピクセルマトリックスへ供給し、フレーム毎に前記1つ以上のピクセルマトリックスのピクセルの不透明性を選択的に制御するステップとを含み、
特定のフレームについて、振幅またはパルス幅変調またはその両方の手段で、最高の色強度を持つ前記画像ピクセルに望ましい色強度を与えるレベルに、前記1つ以上の光源のうちの1つの出力強度を設定し、前記ピクセルマトリックス中の対応するピクセルを、それを通過する光強度が低減することのないように設定する、方法。
【請求項2】
前記ピクセルマトリックスは、LCD/LCoS/DLP画面またはピクセル毎に光をフィルタリングする他の手段を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ピクセルマトリックスは、画像を構成するのよりも少ないピクセルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記画像データを受信および処理するステップはコントローラーにより実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ピクセルマトリックスの中の少なくとも1つのピクセルが透明になるように制御される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記1つ以上の光源から光エネルギーを出力して画像を作成するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
1つ以上の光源および1つ以上のピクセル画面を制御して画像フレームを生成する方法であって、
画像データを受け取るステップであり、前記画像データは投影される画像に対応しており、前記画像フレーム内で、1つ以上のピクセルが前記画像フレームのために最高の光強度を有しているステップと、
前記画像データを処理して、前記画像フレーム内の1つ以上のピクセルのうち、いずれが最高の光強度を有しているかを、前記フレームのために決定するステップと、
1つ以上のピクセル画面制御信号を発生させて、前記ピクセル画面の1つ以上のピクセルのために透明性のレベルを設定するステップであり、最高の光強度を有する1つ以上のピクセルを透明に設定するステップと、
前記画像フレームのために最高の光強度を生成するのに必要な光信号電力レベルを決定するステップと、
前記最高の光強度を生成するのに必要な光信号電力レベルに基づいて、1つ以上の光源制御信号を発生させるステップと、
前記1つ以上のピクセル画面制御信号を前記ピクセル画面に出力するステップと、
前記1つ以上の光源制御信号を前記1つ以上の光源に出力するステップとを含む方法。
【請求項8】
前記1つ以上の光源は1つ以上のレーザーを含んでいる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記1つ以上のピクセル画面は個別に制御可能なピクセル領域を有する1つ以上のLCD画面を含み、前記ピクセル領域は、一般的に透明な状態と一般的に不透明な状態との間で制御可能である、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記1つ以上のピクセル画面制御信号は、最高未満の光強度を有する前記画像フレーム内のピクセルに対応するピクセル画像を対応するレベルの透明性に制御して、適切な光量を通過させる、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記1つ以上の光源は、前記画像フレームのために、最高光強度に対応する強度を有する光を出力する、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記1つ以上の光源制御信号は、前記1つ以上の光源が発生する光の強度を制御する、
請求項7に記載の方法。
【請求項13】
投影システムであって、
1つ以上の光源制御信号によって決定される強度で光出力を生成するように構成された1つ以上の光源と、
1つ以上のピクセル画面制御信号に基づいて種々のレベルの透明性へ制御可能な、1つ以上のピクセル領域を有する1つ以上のピクセル画面と、
コントローラーであり、画像データを受け取るように構成されている1つ以上の入力と、前記画像データを処理して、前記光源制御信号および前記ピクセル画面制御信号を生成するように構成されているプロセッサーと、で構成されるコントローラーと、
前記1つ以上の光源制御信号を前記1つ以上の光源へ出力し、前記1つ以上のピクセル画面制御信号を前記1つ以上のピクセル画面へ出力するように構成されている、1つ以上の出力とを含み、
電源消費を低減させるため、前記光出力は、フレーム毎に、特定のフレームの最高光強度に合致する強度または持続時間を有する、投影システム。
【請求項14】
前記1つ以上の光源は赤光源、緑光源および青光源を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記1つ以上の光源は1つ以上のレーザーを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
光を焦点に集めて画像を形成する1つ以上の鏡およびレンズを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
あるフレームに関して、最高の光強度を有する画像のピクセルに対応するピクセル画面中のピクセルを透明に設定することにより、前記1つ以上の光源が発生する光が前記ピクセル画面中の対応するピクセルを通過できるようにする、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記ピクセル画面は、形成される画像よりも少ないピクセルを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
画像の投影を制御するための投影システム・コントローラーであって、前記画像は2つ以上のピクセルを含み、
画像データを受け取るように構成された入力と、
1つ以上の光源制御信号を出力するように構成された光源制御信号出力と、
1つ以上のピクセルマトリックス制御信号を出力するように構成されたピクセルマトリックス制御信号出力と、
前記1つ以上の光源からの光強度出力、光出力持続時間またはその両方を、前記画像中の1つ以上の最も明るいピクセルのいずれか1つの光強度に合わせることにより、画像データを処理して前記1つ以上のピクセルマトリックス制御信号を発生させ、それを前記1つ以上の光源制御信号と同期化させ、1つ以上の光源の電力消費を低減させるように構成されたプロセッサーとを有するコントローラー。
【請求項20】
前記コントローラーは、機械読み取り可能なコードを実行するように構成されているマイクロプロセッサーを含む、請求項19に記載のコントローラー。
【請求項21】
前記光源制御信号出力を受け取り、出力信号を発生させて光源を駆動するように構成された駆動装置を更に含む、請求項19に記載のコントローラー。
【請求項22】
前記ピクセルマトリックス制御信号は、LCD画面の1つ以上のピクセルの透明性レベルを、種々のレベルの透明性および不透明性に制御する、請求項19に記載のコントローラー。
【請求項1】
複数の画像ピクセルを含む投影された画像を生成する方法であって、各色について、
画像データを受信および処理して、ピクセルマトリックス制御データおよび光源制御データを生成するステップと、
前記光源制御データを1つ以上の光源に供給し、フレーム毎に前記光源の出力強度を選択的に制御するステップと、
前記ピクセルマトリックス制御データを1つ以上のピクセルマトリックスへ供給し、フレーム毎に前記1つ以上のピクセルマトリックスのピクセルの不透明性を選択的に制御するステップとを含み、
特定のフレームについて、振幅またはパルス幅変調またはその両方の手段で、最高の色強度を持つ前記画像ピクセルに望ましい色強度を与えるレベルに、前記1つ以上の光源のうちの1つの出力強度を設定し、前記ピクセルマトリックス中の対応するピクセルを、それを通過する光強度が低減することのないように設定する、方法。
【請求項2】
前記ピクセルマトリックスは、LCD/LCoS/DLP画面またはピクセル毎に光をフィルタリングする他の手段を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ピクセルマトリックスは、画像を構成するのよりも少ないピクセルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記画像データを受信および処理するステップはコントローラーにより実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ピクセルマトリックスの中の少なくとも1つのピクセルが透明になるように制御される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記1つ以上の光源から光エネルギーを出力して画像を作成するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
1つ以上の光源および1つ以上のピクセル画面を制御して画像フレームを生成する方法であって、
画像データを受け取るステップであり、前記画像データは投影される画像に対応しており、前記画像フレーム内で、1つ以上のピクセルが前記画像フレームのために最高の光強度を有しているステップと、
前記画像データを処理して、前記画像フレーム内の1つ以上のピクセルのうち、いずれが最高の光強度を有しているかを、前記フレームのために決定するステップと、
1つ以上のピクセル画面制御信号を発生させて、前記ピクセル画面の1つ以上のピクセルのために透明性のレベルを設定するステップであり、最高の光強度を有する1つ以上のピクセルを透明に設定するステップと、
前記画像フレームのために最高の光強度を生成するのに必要な光信号電力レベルを決定するステップと、
前記最高の光強度を生成するのに必要な光信号電力レベルに基づいて、1つ以上の光源制御信号を発生させるステップと、
前記1つ以上のピクセル画面制御信号を前記ピクセル画面に出力するステップと、
前記1つ以上の光源制御信号を前記1つ以上の光源に出力するステップとを含む方法。
【請求項8】
前記1つ以上の光源は1つ以上のレーザーを含んでいる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記1つ以上のピクセル画面は個別に制御可能なピクセル領域を有する1つ以上のLCD画面を含み、前記ピクセル領域は、一般的に透明な状態と一般的に不透明な状態との間で制御可能である、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記1つ以上のピクセル画面制御信号は、最高未満の光強度を有する前記画像フレーム内のピクセルに対応するピクセル画像を対応するレベルの透明性に制御して、適切な光量を通過させる、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記1つ以上の光源は、前記画像フレームのために、最高光強度に対応する強度を有する光を出力する、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記1つ以上の光源制御信号は、前記1つ以上の光源が発生する光の強度を制御する、
請求項7に記載の方法。
【請求項13】
投影システムであって、
1つ以上の光源制御信号によって決定される強度で光出力を生成するように構成された1つ以上の光源と、
1つ以上のピクセル画面制御信号に基づいて種々のレベルの透明性へ制御可能な、1つ以上のピクセル領域を有する1つ以上のピクセル画面と、
コントローラーであり、画像データを受け取るように構成されている1つ以上の入力と、前記画像データを処理して、前記光源制御信号および前記ピクセル画面制御信号を生成するように構成されているプロセッサーと、で構成されるコントローラーと、
前記1つ以上の光源制御信号を前記1つ以上の光源へ出力し、前記1つ以上のピクセル画面制御信号を前記1つ以上のピクセル画面へ出力するように構成されている、1つ以上の出力とを含み、
電源消費を低減させるため、前記光出力は、フレーム毎に、特定のフレームの最高光強度に合致する強度または持続時間を有する、投影システム。
【請求項14】
前記1つ以上の光源は赤光源、緑光源および青光源を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記1つ以上の光源は1つ以上のレーザーを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
光を焦点に集めて画像を形成する1つ以上の鏡およびレンズを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
あるフレームに関して、最高の光強度を有する画像のピクセルに対応するピクセル画面中のピクセルを透明に設定することにより、前記1つ以上の光源が発生する光が前記ピクセル画面中の対応するピクセルを通過できるようにする、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記ピクセル画面は、形成される画像よりも少ないピクセルを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
画像の投影を制御するための投影システム・コントローラーであって、前記画像は2つ以上のピクセルを含み、
画像データを受け取るように構成された入力と、
1つ以上の光源制御信号を出力するように構成された光源制御信号出力と、
1つ以上のピクセルマトリックス制御信号を出力するように構成されたピクセルマトリックス制御信号出力と、
前記1つ以上の光源からの光強度出力、光出力持続時間またはその両方を、前記画像中の1つ以上の最も明るいピクセルのいずれか1つの光強度に合わせることにより、画像データを処理して前記1つ以上のピクセルマトリックス制御信号を発生させ、それを前記1つ以上の光源制御信号と同期化させ、1つ以上の光源の電力消費を低減させるように構成されたプロセッサーとを有するコントローラー。
【請求項20】
前記コントローラーは、機械読み取り可能なコードを実行するように構成されているマイクロプロセッサーを含む、請求項19に記載のコントローラー。
【請求項21】
前記光源制御信号出力を受け取り、出力信号を発生させて光源を駆動するように構成された駆動装置を更に含む、請求項19に記載のコントローラー。
【請求項22】
前記ピクセルマトリックス制御信号は、LCD画面の1つ以上のピクセルの透明性レベルを、種々のレベルの透明性および不透明性に制御する、請求項19に記載のコントローラー。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図1B】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【公表番号】特表2011−522280(P2011−522280A)
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−502945(P2011−502945)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【国際出願番号】PCT/US2009/001971
【国際公開番号】WO2009/145819
【国際公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(504353316)マインドスピード・テクノロジーズ・インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【国際出願番号】PCT/US2009/001971
【国際公開番号】WO2009/145819
【国際公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(504353316)マインドスピード・テクノロジーズ・インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】
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