携帯端末、制御方法及びプログラム
【課題】携帯端末の誤作動を極力防止しながら電力消費を抑える。
【解決手段】操作表示部2は、画像を表示する表示パネル12と、表示パネル12上に搭載され、ユーザによるタッチ操作を入力するタッチパネル13とを有する。温度センサ6は、タッチパネル13の表面温度を検出する。判定部11は、温度センサ6によって検出された温度に関する情報と、所定の閾値とを比較することにより、ユーザの顔がタッチパネル13に近接しているか否かを判定する。制御部10は、判定部11によってユーザの顔がタッチパネル13に近接していると判定されている間は、表示パネル12及びタッチパネル13の少なくとも一方の動作を停止させる。
【解決手段】操作表示部2は、画像を表示する表示パネル12と、表示パネル12上に搭載され、ユーザによるタッチ操作を入力するタッチパネル13とを有する。温度センサ6は、タッチパネル13の表面温度を検出する。判定部11は、温度センサ6によって検出された温度に関する情報と、所定の閾値とを比較することにより、ユーザの顔がタッチパネル13に近接しているか否かを判定する。制御部10は、判定部11によってユーザの顔がタッチパネル13に近接していると判定されている間は、表示パネル12及びタッチパネル13の少なくとも一方の動作を停止させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通話機能及びその他の情報処理機能を有する携帯端末、該携帯端末の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
温度センサを備え、温度上昇を検知すると、画面表示をオフにする携帯端末装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された携帯端末装置によれば、通話時に携帯端末装置がユーザの耳に押し当てられる場合等には、画面表示がオフになるため、ユーザが画面表示を見ることのない間の電力消費を抑えることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−352395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、タッチパネルを搭載した携帯端末の場合、ユーザがタッチパネルに指で触れることでも温度上昇が検出されるため、タッチ操作中に画面表示がオフになるといった誤作動が生じるおそれがある。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、誤作動を極力防止しながら消費電力を抑えることができる携帯端末、制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る携帯端末は、
画像を表示する表示パネルと、前記表示パネル上に搭載され、ユーザによるタッチ操作を入力するタッチパネルとを有する操作表示部と、
前記タッチパネルの表面温度を検出する温度センサと、
前記温度センサによって検出された温度に関する情報と、所定の閾値とを比較することにより、前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接しているか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接していると判定されている間は、前記表示パネル及び前記タッチパネルの少なくとも一方の動作を停止させる制御部と、
を備える。
【0007】
また、本発明の第2の観点に係る制御方法は、
画像を表示する表示パネルと、前記表示パネル上に搭載され、ユーザによるタッチ操作を入力するタッチパネルとを有する操作表示部を備える携帯端末の制御方法であって、
前記タッチパネルの表面温度を検出する温度センサによって検出された温度に関する情報と、所定の閾値とを比較することにより、前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接しているか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程において前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接していると判定されている間は、前記表示パネル及び前記タッチパネルの少なくとも一方の動作を停止させる制御工程と、
を含む。
【0008】
また、本発明の第3の観点に係るプログラムは、
画像を表示する表示パネルと、前記表示パネル上に搭載され、ユーザによるタッチ操作を入力するタッチパネルとを有する操作表示部を備える携帯端末を制御するコンピュータを、
前記タッチパネルの表面温度を検出する温度センサによって検出された温度に関する情報と、所定の閾値とを比較することにより、前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接しているか否かを判定する判定部、
前記判定部によって前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接していると判定されている間は、前記表示パネル及び前記タッチパネルの少なくとも一方の動作を停止させる制御部、
として機能させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、タッチパネルの表面温度を検出する温度センサによって検出された温度に関する情報と、所定の閾値とを比較することにより、ユーザの顔がタッチパネルに近接しているか否かが判定され、ユーザの顔がタッチパネルに近接していると判定されている間は、表示パネル及びタッチパネルの少なくとも一方の動作が停止する。こうすることで、ユーザが操作表示部を見たり操作したりすることのない状態を正確に検出して表示パネルやタッチパネルの動作を停止させることができるので、誤作動を極力防止しながら消費電力を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態1に係る携帯端末の外観を一部破砕して示す図である。
【図2】図1に示す携帯端末を用いてユーザが通話する状態を示す図である。
【図3】図1に示す携帯端末の構成を示すブロック図である。
【図4】図4(A)は、図1に示す携帯端末を用いた通話時に温度センサによって検出された温度の一例を示す図である。図4(B)は、図1に示す携帯端末に対するタッチ操作時に温度センサによって検出された温度の一例を示す図である。
【図5】実施形態1における操作表示部の制御処理のフローチャートである。
【図6】実施形態2に係る携帯端末の外観を一部破砕して示す図である。
【図7】実施形態2における操作表示部の制御処理のフローチャートである。
【図8】図8(A)は、実施形態3に係る携帯端末を用いた通話時に温度センサによって検出された温度の一例を示す図である。図8(B)は、実施形態3に係る携帯端末に対するタッチ操作時に温度センサによって検出された温度の一例を示す図である。
【図9】実施形態3における操作表示部の制御処理のフローチャートである。
【図10】実施形態4に係る携帯端末の構成を示すブロック図である。
【図11】図11(A)は、実施形態4に係る携帯端末の温度センサによって検出された温度の一例を示す図である。図11(B)は、実施形態4に係る携帯端末の温度センサによって検出された温度の一例を示す図である。
【図12】実施形態4における閾値の調整処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
(実施形態1)
図1を参照して、本実施形態に係る携帯端末1の外観について説明する。携帯端末1は、操作表示部2と、ボタン3と、スピーカ4と、マイクロフォン(以下、単に「マイク」とする)5と温度センサ6とを備える。携帯端末1は、通話機能、電子メール送受信機能、インターネット上のサイト閲覧機能、ゲーム機能等を備える。
【0013】
操作表示部2及びボタン3は、ユーザによる操作入力を受け付ける。操作表示部2は、携帯端末1の使用や操作に必要な情報等を表示する。
【0014】
スピーカ4は、通話相手の音声等を出力する。マイク5は、ユーザの音声等を携帯端末1に入力する。スピーカ4とマイク5は、操作表示部2を挟んで配置されている。このため、図2に示すように、ユーザが携帯端末1を用いて通話する場合には、操作表示部2がユーザの顔に近接するようになる。
【0015】
温度センサ6は、操作表示部2内部に実装される。より具体的には、温度センサ6は、スピーカ4に近い位置に実装される。携帯端末1を用いて通話する場合には、ユーザはスピーカ4を耳に押し当てるため、スピーカ4に近い位置がユーザの顔に近接し、スピーカ4に近い位置の表面温度が上昇する。温度センサ6をスピーカ4に近い位置に温度センサ6を実装することによって、温度センサ6は、通話時にユーザの顔が近接することによる操作表示部2の表面の温度上昇をより正確に検出できる。温度センサ6は、例えば、熱電対である。
【0016】
次に、携帯端末1のシステム構成について説明する。
【0017】
携帯端末1は、図3に示すように、上述した操作表示部2、ボタン3、スピーカ4、マイク5、温度センサ6に加え、音声部7と、記憶部8と、通信部9と、制御部10とを備える。
【0018】
操作表示部2は、表示パネル12と、タッチパネル13とを備える。表示パネル12は、画像を表示する。例えば、表示パネル12は、液晶ディスプレイである。タッチパネル13は、表示パネル12上に搭載される。タッチパネル13は、静電容量方式又は感圧方式等により、ユーザによるタッチ操作の接触点を検出するインタフェースである。表示パネル12に表示された画像に対応するタッチパネル13上の領域をユーザがタッチすることにより、表示パネル12の画面に対する直接のタッチ操作が可能となっている。
【0019】
ボタン3は、ホーム画面を呼び出すためのボタンである。ボタン3が押下されると、ホーム画面を呼び出す信号が制御部10に出力される。出力された信号に応じて、制御部10からホーム画面の表示が指示されると、操作表示部2は、表示パネル12にホーム画面を表示する。ホーム画面には、アプリケーションソフトウエアプログラム(以下、「アプリケーション」と略称する)を開始するためのアイコンや各種データを格納するフォルダのアイコン等が配置される。
【0020】
温度センサ6は、タッチパネル13の表面温度を検出する。温度センサ6は、検出された温度を制御部10に出力する。
【0021】
音声部7は、D/A変換器(不図示)等を備え、通信部9から入力された音声データをアナログ音声信号に変換する。音声部7は、アナログ音声信号をスピーカ4に出力する。スピーカ4は、アナログ音声信号を音声に変換して出力する。マイク5は、入力された音声をアナログ音声信号に変換する。音声部7は、アナログ音声信号を音声データに変換する。音声部7は音声データを通信部9と制御部10とに出力する。
【0022】
記憶部8は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の読み書き可能なメモリ(不図示)を備える。記憶部8は、制御部10によって実行制御されるソフトウエアプログラム、音声データ、画像データ、文字データ等各種データを記憶する。ソフトウエアプログラムの中には、アプリケーションやOS(Operating System)のような基本ソフトウエアプログラムなどが含まれている。
【0023】
通信部9は、例えば、CDMA(Code Division Multiple Access)、EV−DO(Evolution Data Only)、無線LAN(Local Area Network)等の通信方式による他の通信端末装置や情報処理装置との通信が可能である。
【0024】
通信部9は、アンテナ(不図示)を備え、アンテナを介して電波を受信する。通信部9は、受信した電波を復調し、音声データ、画像データ、文字データ等の各種データを生成する。音声データは、音声部7に供給され、スピーカ4を介して音声として出力される。画像データ、文字データは、制御部10に供給され、必要に応じて、表示パネル12に表示され、あるいは、記憶部8に記憶される。
【0025】
通信部9は、音声部7から出力された音声データ、制御部10から供給された画像データ、文字データ等の各種データを変調し、電気信号に変換する。さらに、通信部9は、電気信号を電波に変換してアンテナを介して発信する。
【0026】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)を備え、CPUが記憶部8に記憶されたソフトウエアプログラムを実行制御することにより、各部を統括制御し、以下の各種機能を実現する。
【0027】
制御部10は、音声データ、画像データ、文字データ等を記憶部8に記憶させる。音声データ、画像データ、文字データ等を外部に発信する場合、制御部10は、音声データ、画像データ、文字データ等を通信部9に出力する。
【0028】
制御部10は、タッチパネル13に対するタッチ操作の接触点の位置座標のデータをタッチ履歴データとして記憶部8に記憶させる。タッチ操作による入力により、制御部10により実行されるアプリケーションに対するイベント情報が生成される。制御部10は、イベント情報に応じてアプリケーションを実行し、表示パネル12に表示する画像にアプリケーションの実行結果を反映させる。
【0029】
制御部10は、表示パネル12を制御して、アプリケーションの実行結果を反映させた画像を表示させる。
【0030】
制御部10は、温度センサ6から出力された温度を記憶部8に記憶させる。
【0031】
制御部10は、判定部11を備える。判定部11は、温度センサ6によって検出された温度に関する情報と、所定の閾値とを比較することにより、ユーザの顔がタッチパネル13に近接しているか否かを判定する。より詳細には、判定部11は、温度センサ6によって検出された温度が、閾値以上となる場合に、ユーザの顔がタッチパネル13に近接していると判定する。
【0032】
例えば、閾値は、タッチ操作時に温度センサ6によって検出される最高温度よりも高く設定される。設定された閾値は、記憶部8に記憶される。
【0033】
図4(A)は、ユーザが携帯電話1を用いて通話している間に温度センサ6によって検出された温度を示す。図2に示すように、通話時にユーザがスピーカ4を耳に押し当てた際には、一定時間継続して顔がタッチパネル13に近接するため、検出される温度が上昇し、例えば、25.0℃を超える。一方、図4(B)は、ユーザがタッチパネル13に対して一連のタッチ操作を入力している間に温度センサ6によって検出された温度を示す。タッチ操作では、指先がタッチパネル13に近接する時間が短いため、指先がタッチパネル13に近接した瞬間に温度が上昇するものの、25.0℃を超えることはない。このような場合には、温度の閾値を25.0℃に設定すればよい。
【0034】
制御部10は、判定部11によってユーザの顔がタッチパネル13に近接していると判定されている間は、表示パネル12及びタッチパネル13の少なくとも一方の動作を停止させる。より具体的には、表示パネル12及びタッチパネル13の少なくとも一方への電力供給を遮断する。
【0035】
図5を参照しながら、本実施形態における操作表示部2の制御処理を説明する。
【0036】
携帯端末1が起動されると、操作表示部2の制御処理が開始される。温度センサ6は、タッチパネル13の表面温度を検出する(ステップS1)。
【0037】
判定部11は、温度センサ6によって検出された温度が閾値以上か否かを判定する(ステップS2)。検出された温度が閾値以上の場合には(ステップS2;Yes)、制御部10は、表示パネル12の表示をオフにし、タッチパネル13に対するタッチ操作を無効にする(ステップS3)。制御部10はステップS1に戻る。
【0038】
一方、検出された温度が閾値未満の場合には(ステップS2;No)、制御部10は、表示パネル12の表示をオンにし、タッチパネル13に対するタッチ操作を有効にする(ステップS4)。制御部10はステップS1に戻る。
【0039】
ステップS3において、すでに表示パネル12の表示がオフであって、タッチパネル13に対するタッチ操作が無効の場合は、制御部10は、表示パネル12をオフにしたままとし、タッチパネル13に対するタッチ操作を無効にしたままとする。これと同様に、ステップS4において、すでに表示パネル12の表示がオンであって、タッチパネル13に対するタッチ操作が有効の場合は、表示パネル12をオンにしたままとし、タッチパネル13に対するタッチ操作を有効にしたままとする。
【0040】
(実施形態2)
本実施形態に係る携帯端末1では、図6に示すように、複数の温度センサ6が操作表示部2内部に実装される。温度センサ6は、タッチパネル13の表面上の複数の異なる位置の温度を検出する。判定部11は、複数の異なる位置の温度が同時に閾値以上となった場合に、ユーザの顔がタッチパネル13に近接していると判定する。
【0041】
図7を参照しながら、本実施形態における操作表示部2の制御処理を説明する。ただし、以下の説明では、上記実施形態1で説明したフローと異なる点を主に説明する。
【0042】
各温度センサ6によって温度が検出されると(ステップS11)、判定部11は、複数の異なる位置の温度が同時に閾値以上になったか否かを判定する(ステップS12)。
【0043】
複数の異なる位置の温度が同時に閾値以上になった場合(ステップS12;Yes)、制御部10は、表示パネル12の表示をオフにし、タッチパネル13に対するタッチ操作を無効にする(ステップS13)。制御部10はステップS11に戻る。
【0044】
一方、複数の異なる位置の温度が同時に閾値以上にならなかった場合(ステップS12;No)、制御部10は、表示パネル12の表示をオンにし、タッチパネル13に対するタッチ操作を有効にする(ステップS13)。制御部10はステップS11に戻る。
【0045】
本実施形態では、各温度センサ6によって検出される複数の異なる位置の温度が同時に閾値以上となった場合に、ユーザの顔がタッチパネル13に近接していると判定するようにしたが、例えば、温度センサ6で検出された複数の異なる位置の温度の平均値が閾値を超えた場合に、ユーザの顔がタッチパネル13に近接していると判定するようにしてもよい。
【0046】
(実施形態3)
本実施形態に係る携帯端末1の構成は、上記実施形態1の構成と同じである。判定部11は、温度センサ6によって検出された温度が、所定時間、閾値以上に維持された場合にユーザの顔がタッチパネル13に近接していると判定する。
【0047】
携帯端末1を用いて通話している間に温度センサ6によって検出される温度を示す図8(A)を参照すると、通話時は、一定時間継続して顔がタッチパネル13に近接するため、温度センサ6によって検出された温度は、2秒後に22.5℃を超えて、その後3秒間は22.5℃以上に維持される。一方、一連のタッチ操作を入力している間に温度センサ6によって検出された温度を示す図8(B)を参照すると、タッチ操作では、指先が瞬間的にタッチパネル13に接触するので、温度センサ6によって検出された温度は、1秒後に22.5℃を超えるが、1.4秒後には、22.5℃を下回る。例えば、このような場合には、判定部11は、温度センサ6によって検出された温度が22.5℃以上に1秒間維持された場合には、ユーザの顔がタッチパネル13に近接していると判定するようにすればよい。
【0048】
図9を参照しながら、本実施形態における操作表示部2の制御処理を説明する。ただし、以下の説明では、上記実施形態1で説明したフローと異なる点を主に説明する。
【0049】
温度センサ6によって温度が検出されると(ステップS21)、判定部11は、検出された温度が閾値以上か否かを判定する(ステップS22)。
【0050】
温度が閾値以上の場合(ステップS22;Yes)、判定部11は、所定時間が経過するまでステップS21に戻る(ステップS23;No)。温度センサ6によって検出された温度が閾値以上であって(ステップS22;Yes)、所定時間が経過すると(ステップS23;Yes)、制御部10は、表示パネル12の表示をオフにし、タッチパネル13に対するタッチ操作を無効にする(ステップS24)。
【0051】
一方、所定時間が経過するまでに温度センサ6によって検出された温度が閾値未満になると(ステップS22;No)、制御部10は、表示パネル12の表示をオンにし、タッチパネル13に対するタッチ操作を有効にする(ステップS25)。制御部10は、ステップS21に戻る。
【0052】
(実施形態4)
本実施形態に係る携帯端末1の構成は、図10に示すように、実施形態1の構成に加えて調整部14をさらに備える。調整部14は、所定期間内に温度センサ6によって検出された温度の平均値(統計値)に基づいて閾値を調整する。
【0053】
例えば、調整部14は、温度センサ6によって検出された温度を10分間隔で取得し、温度の平均値を算出する。図11(A)は、冬にユーザが携帯端末1を屋外に持ち出したときに調整部14が温度センサ6を介して取得した温度を示す。この場合には、6.0℃、6.1℃、6.2℃が取得され、平均値として6.1℃が算出される。
【0054】
図11(B)は、夏にユーザが携帯端末1を屋外に持ち出したときに調整部14が温度センサ6を介して取得した温度を示す。この場合には、20.9℃、21.0℃、20.8℃が取得され、平均値として20.9℃が算出される。
【0055】
調整部14は、メモリ(不図示)を備え、取得した温度をメモリに記憶する。調整部14は、取得した温度の平均値に基づいて閾値を調整する。例えば、調整部14は、算出された平均値に2℃を加えた値を閾値にする。図11(A)の場合は、閾値は、8.1℃となり、図11(B)の場合は、閾値は、22.9℃となる。調整部14は、記憶部8に調整した閾値を記憶させる。
【0056】
図12を参照しながら、本実施形態における閾値の調整処理を説明する。前提として、調整部14は、温度センサ6によって検出された温度を所定時間毎に取得し、3つの時点の各温度から平均値を算出する。
【0057】
調整部14は、所定時間が経過するまで待つ(ステップS31;No)。所定時間が経過すると(ステップS31;Yes)、調整部14は、温度センサ6によって検出された温度を取得する(ステップS32)。
【0058】
調整部14のメモリに3つの時点の各温度が記憶されておらず、平均値の算出ができない場合(ステップS33;No)、調整部14は、ステップS31に戻る。
【0059】
一方、調整部14のメモリに3つの時点の各温度が記憶されており、平均値の算出ができる場合(ステップS33;Yes)、調整部14は、平均値を算出する(ステップS34)。
【0060】
調整部14は、算出された平均値に基づく閾値を記憶部8に記憶させる(ステップS35)。
【0061】
本実施形態における操作表示部2の制御処理(図5参照)では、調整部14によって調整され、記憶部8に記憶された閾値を参照し、制御部10は、温度センサ6によって検出された温度が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS2)。また、上記実施形態2における操作表示部2の制御処理(図7参照)のステップS12、上記実施形態3における操作表示部2の制御処理(図9参照)のステップS22の閾値についても、本実施形態における調整部14によって調整されるようにしてもよい。
【0062】
(実施形態5)
本実施形態に係る携帯端末1の構成は、上記実施形態1の構成と同じである。制御部10は、温度センサ6によって検出された温度が、許容範囲外となった場合に、警告を発するか又は携帯端末1の動作を停止させる。これにより、異常な温度での携帯端末1の使用による携帯端末1の故障を防止できるうえ、異常な温度に起因する誤作動を防止できる。
【0063】
以上、詳細に説明したように、上記各実施形態によれば、タッチパネル13の表面温度を検出する温度センサ6によって検出された温度に関する情報と、所定の閾値とを比較することにより、ユーザの顔がタッチパネル13に近接しているか否かが判定され、ユーザの顔がタッチパネル13に近接していると判定されている間は、表示パネル12及びタッチパネル13の少なくとも一方の動作が停止する。こうすることで、ユーザが操作表示部2を見たり操作したりすることのない状態を正確に検出して表示パネル12やタッチパネル13の動作を停止させることができるので、誤作動を極力防止しながら消費電力を抑えることができる。
【0064】
上記実施形態2では、温度センサ6は、タッチパネル13の表面上の複数の異なる位置の温度を検出し、判定部11は、複数の異なる位置の温度が同時に閾値以上となった場合に、ユーザの顔がタッチパネル13に近接していると判定するようにした。通話時にはタッチ操作時と比べてより広い範囲に渡ってタッチパネル13と顔とが近接するため、タッチパネル13の表面上の複数の異なる位置の温度を用いて判定することによって、さらに正確にユーザの顔がタッチパネル13に近接しているか否かを判定することが可能となる。
【0065】
上記実施形態3では、判定部11は、温度センサ6によって検出された温度が所定時間、閾値以上に維持された場合にユーザの顔がタッチパネル13に近接していると判定するようにした。これにより、通話中でないにも関わらず、不意にユーザの顔がタッチパネル13に近接したことでタッチパネル13の表面温度が瞬間的に閾値を超えることによる表示パネル12及びタッチパネル13の動作停止を防ぐことができる。
【0066】
上記実施形態4では、調整部14は、所定期間内に温度センサ6によって検出された温度の平均値に基づいて閾値を調整するようにした。このように、携帯端末1の環境に応じて閾値が柔軟に調整されるため、携帯端末1が使用される季節や場所が変更されてもその環境に合わせて閾値が適切に設定される。
【0067】
上記各実施形態では、温度センサ6に熱電対を用いた。熱電対は、小型化されており、実装面積を小さくでき、内部基板への実装が不要なため、携帯端末1への実装が容易である。また、熱電対は、赤外線センサのように赤外線を外部に照射しなくてよいので、携帯端末1の内部に実装することができる。このため、赤外線等の照射面を携帯端末1の外部に設けなくてよいので、携帯端末1の小型化が可能となる。なお、温度センサ6は、サーミスタ、温度センサIC(Integrated Circuit)等であってもよい。サーミスタ、温度センサICも小型化されており、携帯端末1の内部に実装することができるので、熱電対と同じ利点がある。
【0068】
なお、上記実施形態4に係る閾値の調整処理は、定期的に自動で実行されるようにしてもよいし、ユーザが任意に実行できるようにしてもよい。また、閾値は、現在の日時に応じて自動で変更されるようにしてもよい。
【0069】
なお、上記各実施形態では、統計値として平均値を用いたが、平均値でなくても、中央値、最頻値等であってもよい。
【0070】
なお、上記実施形態3、5、6は、上記実施形態1に係る携帯端末1の構成と同じとしたが、上記実施形態2に係る携帯端末1の構成と同じにしてもよい。また、上記実施形態4は、上記実施形態1に係る携帯端末1の構成に調整部14を追加することとしたが、上記実施形態2に係る携帯端末1の構成に調整部14を追加してもよい。また、上記各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
【0071】
なお、上記各実施形態に係る携帯端末1における通信部9は、GPS(Global Positioning System)衛星(不図示)から送信される携帯端末1の位置情報を取得するようにしてもよい。制御部10は、温度センサ6によって検出された温度と通信部9によって取得された位置情報とを対応づけて、通信部9を介して外部のサーバ等に送信する。サーバには、携帯端末1から送信された温度と位置情報とが対応付けて記憶される。こうすることで、携帯端末1が存在する場所の温度を記録できる。サーバは、記録された情報に基づいてある地域における温度分布を生成する。携帯端末1等の端末を用いて、当該サーバにアクセスすると、地図データと生成された温度分布データが端末に送信される。これにより、各場所に存在する携帯端末1から送信された位置情報に基づく温度分布が示された地図を、端末を用いて閲覧できるため、ユーザは、その地域の詳細な温度を把握できる。
【0072】
なお、携帯端末1は、多機能携帯電話、PHS(Personal Handy-phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、PC(Personal Computer)等であってもよい。
【0073】
なお、上記各実施形態において実行されるプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto-Optical disk)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムをインストールすることにより、上述の処理を実行するシステムを構成することとしてもよい。
【0074】
また、プログラムをインターネット等の通信ネットワーク上の所定のサーバ装置が有するディスク装置等に格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、ダウンロード等するようにしてもよい。
【0075】
また、上述の機能を、OSが分担して実現する場合又はOSとアプリケーションとの協働により実現する場合等には、OS以外の部分のみを媒体に格納して配布してもよく、また、ダウンロード等してもよい。
【0076】
なお、本発明は、上記各実施形態及び図面によって限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で実施形態及び図面に変更を加えることができるのはもちろんである。
【0077】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0078】
(付記1)
画像を表示する表示パネルと、前記表示パネル上に搭載され、ユーザによるタッチ操作を入力するタッチパネルとを有する操作表示部と、
前記タッチパネルの表面温度を検出する温度センサと、
前記温度センサによって検出された温度に関する情報と、所定の閾値とを比較することにより、前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接しているか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接していると判定されている間は、前記表示パネル及び前記タッチパネルの少なくとも一方の動作を停止させる制御部と、
を備える携帯端末。
【0079】
(付記2)
前記閾値は、
タッチ操作時に前記温度センサによって検出される最高温度よりも高く設定され、
前記判定部は、
前記温度センサによって検出された温度が、前記閾値以上となった場合に、前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接していると判定する、
ことを特徴とする付記1に記載の携帯端末。
【0080】
(付記3)
前記温度センサは、
前記タッチパネルの表面上の複数の異なる位置の温度を検出し、
前記判定部は、
複数の異なる位置の温度が同時に前記閾値以上となった場合に、前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接していると判定する、
ことを特徴とする付記1又は2に記載の携帯端末。
【0081】
(付記4)
前記判定部は、
前記温度センサによって検出された温度が、所定時間、前記閾値以上に維持された場合に前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接していると判定する、
ことを特徴とする付記1乃至3のいずれかに記載の携帯端末。
【0082】
(付記5)
所定期間内に前記温度センサによって検出された温度の統計値に基づいて前記閾値を調整する調整部をさらに備える、
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれかに記載の携帯端末。
【0083】
(付記6)
前記制御部は、
前記温度センサによって検出された温度が、許容範囲外となった場合に、警告を発するか又は自機の動作を停止させる、
ことを特徴とする付記1乃至5のいずれかに記載の携帯端末。
【0084】
(付記7)
画像を表示する表示パネルと、前記表示パネル上に搭載され、ユーザによるタッチ操作を入力するタッチパネルとを有する操作表示部を備える携帯端末の制御方法であって、
前記タッチパネルの表面温度を検出する温度センサによって検出された温度に関する情報と、所定の閾値とを比較することにより、前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接しているか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程において前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接していると判定されている間は、前記表示パネル及び前記タッチパネルの少なくとも一方の動作を停止させる制御工程と、
を含む制御方法。
【0085】
(付記8)
画像を表示する表示パネルと、前記表示パネル上に搭載され、ユーザによるタッチ操作を入力するタッチパネルとを有する操作表示部を備える携帯端末を制御するコンピュータを、
前記タッチパネルの表面温度を検出する温度センサによって検出された温度に関する情報と、所定の閾値とを比較することにより、前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接しているか否かを判定する判定部、
前記判定部によって前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接していると判定されている間は、前記表示パネル及び前記タッチパネルの少なくとも一方の動作を停止させる制御部、
として機能させるプログラム。
【符号の説明】
【0086】
1 携帯端末
2 操作表示部
3 ボタン
4 スピーカ
5 マイクロフォン
6 温度センサ
7 音声部
8 記憶部
9 通信部
10 制御部
11 判定部
12 表示パネル
13 タッチパネル
14 調整部
【技術分野】
【0001】
本発明は、通話機能及びその他の情報処理機能を有する携帯端末、該携帯端末の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
温度センサを備え、温度上昇を検知すると、画面表示をオフにする携帯端末装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された携帯端末装置によれば、通話時に携帯端末装置がユーザの耳に押し当てられる場合等には、画面表示がオフになるため、ユーザが画面表示を見ることのない間の電力消費を抑えることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−352395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、タッチパネルを搭載した携帯端末の場合、ユーザがタッチパネルに指で触れることでも温度上昇が検出されるため、タッチ操作中に画面表示がオフになるといった誤作動が生じるおそれがある。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、誤作動を極力防止しながら消費電力を抑えることができる携帯端末、制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る携帯端末は、
画像を表示する表示パネルと、前記表示パネル上に搭載され、ユーザによるタッチ操作を入力するタッチパネルとを有する操作表示部と、
前記タッチパネルの表面温度を検出する温度センサと、
前記温度センサによって検出された温度に関する情報と、所定の閾値とを比較することにより、前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接しているか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接していると判定されている間は、前記表示パネル及び前記タッチパネルの少なくとも一方の動作を停止させる制御部と、
を備える。
【0007】
また、本発明の第2の観点に係る制御方法は、
画像を表示する表示パネルと、前記表示パネル上に搭載され、ユーザによるタッチ操作を入力するタッチパネルとを有する操作表示部を備える携帯端末の制御方法であって、
前記タッチパネルの表面温度を検出する温度センサによって検出された温度に関する情報と、所定の閾値とを比較することにより、前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接しているか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程において前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接していると判定されている間は、前記表示パネル及び前記タッチパネルの少なくとも一方の動作を停止させる制御工程と、
を含む。
【0008】
また、本発明の第3の観点に係るプログラムは、
画像を表示する表示パネルと、前記表示パネル上に搭載され、ユーザによるタッチ操作を入力するタッチパネルとを有する操作表示部を備える携帯端末を制御するコンピュータを、
前記タッチパネルの表面温度を検出する温度センサによって検出された温度に関する情報と、所定の閾値とを比較することにより、前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接しているか否かを判定する判定部、
前記判定部によって前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接していると判定されている間は、前記表示パネル及び前記タッチパネルの少なくとも一方の動作を停止させる制御部、
として機能させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、タッチパネルの表面温度を検出する温度センサによって検出された温度に関する情報と、所定の閾値とを比較することにより、ユーザの顔がタッチパネルに近接しているか否かが判定され、ユーザの顔がタッチパネルに近接していると判定されている間は、表示パネル及びタッチパネルの少なくとも一方の動作が停止する。こうすることで、ユーザが操作表示部を見たり操作したりすることのない状態を正確に検出して表示パネルやタッチパネルの動作を停止させることができるので、誤作動を極力防止しながら消費電力を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態1に係る携帯端末の外観を一部破砕して示す図である。
【図2】図1に示す携帯端末を用いてユーザが通話する状態を示す図である。
【図3】図1に示す携帯端末の構成を示すブロック図である。
【図4】図4(A)は、図1に示す携帯端末を用いた通話時に温度センサによって検出された温度の一例を示す図である。図4(B)は、図1に示す携帯端末に対するタッチ操作時に温度センサによって検出された温度の一例を示す図である。
【図5】実施形態1における操作表示部の制御処理のフローチャートである。
【図6】実施形態2に係る携帯端末の外観を一部破砕して示す図である。
【図7】実施形態2における操作表示部の制御処理のフローチャートである。
【図8】図8(A)は、実施形態3に係る携帯端末を用いた通話時に温度センサによって検出された温度の一例を示す図である。図8(B)は、実施形態3に係る携帯端末に対するタッチ操作時に温度センサによって検出された温度の一例を示す図である。
【図9】実施形態3における操作表示部の制御処理のフローチャートである。
【図10】実施形態4に係る携帯端末の構成を示すブロック図である。
【図11】図11(A)は、実施形態4に係る携帯端末の温度センサによって検出された温度の一例を示す図である。図11(B)は、実施形態4に係る携帯端末の温度センサによって検出された温度の一例を示す図である。
【図12】実施形態4における閾値の調整処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
(実施形態1)
図1を参照して、本実施形態に係る携帯端末1の外観について説明する。携帯端末1は、操作表示部2と、ボタン3と、スピーカ4と、マイクロフォン(以下、単に「マイク」とする)5と温度センサ6とを備える。携帯端末1は、通話機能、電子メール送受信機能、インターネット上のサイト閲覧機能、ゲーム機能等を備える。
【0013】
操作表示部2及びボタン3は、ユーザによる操作入力を受け付ける。操作表示部2は、携帯端末1の使用や操作に必要な情報等を表示する。
【0014】
スピーカ4は、通話相手の音声等を出力する。マイク5は、ユーザの音声等を携帯端末1に入力する。スピーカ4とマイク5は、操作表示部2を挟んで配置されている。このため、図2に示すように、ユーザが携帯端末1を用いて通話する場合には、操作表示部2がユーザの顔に近接するようになる。
【0015】
温度センサ6は、操作表示部2内部に実装される。より具体的には、温度センサ6は、スピーカ4に近い位置に実装される。携帯端末1を用いて通話する場合には、ユーザはスピーカ4を耳に押し当てるため、スピーカ4に近い位置がユーザの顔に近接し、スピーカ4に近い位置の表面温度が上昇する。温度センサ6をスピーカ4に近い位置に温度センサ6を実装することによって、温度センサ6は、通話時にユーザの顔が近接することによる操作表示部2の表面の温度上昇をより正確に検出できる。温度センサ6は、例えば、熱電対である。
【0016】
次に、携帯端末1のシステム構成について説明する。
【0017】
携帯端末1は、図3に示すように、上述した操作表示部2、ボタン3、スピーカ4、マイク5、温度センサ6に加え、音声部7と、記憶部8と、通信部9と、制御部10とを備える。
【0018】
操作表示部2は、表示パネル12と、タッチパネル13とを備える。表示パネル12は、画像を表示する。例えば、表示パネル12は、液晶ディスプレイである。タッチパネル13は、表示パネル12上に搭載される。タッチパネル13は、静電容量方式又は感圧方式等により、ユーザによるタッチ操作の接触点を検出するインタフェースである。表示パネル12に表示された画像に対応するタッチパネル13上の領域をユーザがタッチすることにより、表示パネル12の画面に対する直接のタッチ操作が可能となっている。
【0019】
ボタン3は、ホーム画面を呼び出すためのボタンである。ボタン3が押下されると、ホーム画面を呼び出す信号が制御部10に出力される。出力された信号に応じて、制御部10からホーム画面の表示が指示されると、操作表示部2は、表示パネル12にホーム画面を表示する。ホーム画面には、アプリケーションソフトウエアプログラム(以下、「アプリケーション」と略称する)を開始するためのアイコンや各種データを格納するフォルダのアイコン等が配置される。
【0020】
温度センサ6は、タッチパネル13の表面温度を検出する。温度センサ6は、検出された温度を制御部10に出力する。
【0021】
音声部7は、D/A変換器(不図示)等を備え、通信部9から入力された音声データをアナログ音声信号に変換する。音声部7は、アナログ音声信号をスピーカ4に出力する。スピーカ4は、アナログ音声信号を音声に変換して出力する。マイク5は、入力された音声をアナログ音声信号に変換する。音声部7は、アナログ音声信号を音声データに変換する。音声部7は音声データを通信部9と制御部10とに出力する。
【0022】
記憶部8は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の読み書き可能なメモリ(不図示)を備える。記憶部8は、制御部10によって実行制御されるソフトウエアプログラム、音声データ、画像データ、文字データ等各種データを記憶する。ソフトウエアプログラムの中には、アプリケーションやOS(Operating System)のような基本ソフトウエアプログラムなどが含まれている。
【0023】
通信部9は、例えば、CDMA(Code Division Multiple Access)、EV−DO(Evolution Data Only)、無線LAN(Local Area Network)等の通信方式による他の通信端末装置や情報処理装置との通信が可能である。
【0024】
通信部9は、アンテナ(不図示)を備え、アンテナを介して電波を受信する。通信部9は、受信した電波を復調し、音声データ、画像データ、文字データ等の各種データを生成する。音声データは、音声部7に供給され、スピーカ4を介して音声として出力される。画像データ、文字データは、制御部10に供給され、必要に応じて、表示パネル12に表示され、あるいは、記憶部8に記憶される。
【0025】
通信部9は、音声部7から出力された音声データ、制御部10から供給された画像データ、文字データ等の各種データを変調し、電気信号に変換する。さらに、通信部9は、電気信号を電波に変換してアンテナを介して発信する。
【0026】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)を備え、CPUが記憶部8に記憶されたソフトウエアプログラムを実行制御することにより、各部を統括制御し、以下の各種機能を実現する。
【0027】
制御部10は、音声データ、画像データ、文字データ等を記憶部8に記憶させる。音声データ、画像データ、文字データ等を外部に発信する場合、制御部10は、音声データ、画像データ、文字データ等を通信部9に出力する。
【0028】
制御部10は、タッチパネル13に対するタッチ操作の接触点の位置座標のデータをタッチ履歴データとして記憶部8に記憶させる。タッチ操作による入力により、制御部10により実行されるアプリケーションに対するイベント情報が生成される。制御部10は、イベント情報に応じてアプリケーションを実行し、表示パネル12に表示する画像にアプリケーションの実行結果を反映させる。
【0029】
制御部10は、表示パネル12を制御して、アプリケーションの実行結果を反映させた画像を表示させる。
【0030】
制御部10は、温度センサ6から出力された温度を記憶部8に記憶させる。
【0031】
制御部10は、判定部11を備える。判定部11は、温度センサ6によって検出された温度に関する情報と、所定の閾値とを比較することにより、ユーザの顔がタッチパネル13に近接しているか否かを判定する。より詳細には、判定部11は、温度センサ6によって検出された温度が、閾値以上となる場合に、ユーザの顔がタッチパネル13に近接していると判定する。
【0032】
例えば、閾値は、タッチ操作時に温度センサ6によって検出される最高温度よりも高く設定される。設定された閾値は、記憶部8に記憶される。
【0033】
図4(A)は、ユーザが携帯電話1を用いて通話している間に温度センサ6によって検出された温度を示す。図2に示すように、通話時にユーザがスピーカ4を耳に押し当てた際には、一定時間継続して顔がタッチパネル13に近接するため、検出される温度が上昇し、例えば、25.0℃を超える。一方、図4(B)は、ユーザがタッチパネル13に対して一連のタッチ操作を入力している間に温度センサ6によって検出された温度を示す。タッチ操作では、指先がタッチパネル13に近接する時間が短いため、指先がタッチパネル13に近接した瞬間に温度が上昇するものの、25.0℃を超えることはない。このような場合には、温度の閾値を25.0℃に設定すればよい。
【0034】
制御部10は、判定部11によってユーザの顔がタッチパネル13に近接していると判定されている間は、表示パネル12及びタッチパネル13の少なくとも一方の動作を停止させる。より具体的には、表示パネル12及びタッチパネル13の少なくとも一方への電力供給を遮断する。
【0035】
図5を参照しながら、本実施形態における操作表示部2の制御処理を説明する。
【0036】
携帯端末1が起動されると、操作表示部2の制御処理が開始される。温度センサ6は、タッチパネル13の表面温度を検出する(ステップS1)。
【0037】
判定部11は、温度センサ6によって検出された温度が閾値以上か否かを判定する(ステップS2)。検出された温度が閾値以上の場合には(ステップS2;Yes)、制御部10は、表示パネル12の表示をオフにし、タッチパネル13に対するタッチ操作を無効にする(ステップS3)。制御部10はステップS1に戻る。
【0038】
一方、検出された温度が閾値未満の場合には(ステップS2;No)、制御部10は、表示パネル12の表示をオンにし、タッチパネル13に対するタッチ操作を有効にする(ステップS4)。制御部10はステップS1に戻る。
【0039】
ステップS3において、すでに表示パネル12の表示がオフであって、タッチパネル13に対するタッチ操作が無効の場合は、制御部10は、表示パネル12をオフにしたままとし、タッチパネル13に対するタッチ操作を無効にしたままとする。これと同様に、ステップS4において、すでに表示パネル12の表示がオンであって、タッチパネル13に対するタッチ操作が有効の場合は、表示パネル12をオンにしたままとし、タッチパネル13に対するタッチ操作を有効にしたままとする。
【0040】
(実施形態2)
本実施形態に係る携帯端末1では、図6に示すように、複数の温度センサ6が操作表示部2内部に実装される。温度センサ6は、タッチパネル13の表面上の複数の異なる位置の温度を検出する。判定部11は、複数の異なる位置の温度が同時に閾値以上となった場合に、ユーザの顔がタッチパネル13に近接していると判定する。
【0041】
図7を参照しながら、本実施形態における操作表示部2の制御処理を説明する。ただし、以下の説明では、上記実施形態1で説明したフローと異なる点を主に説明する。
【0042】
各温度センサ6によって温度が検出されると(ステップS11)、判定部11は、複数の異なる位置の温度が同時に閾値以上になったか否かを判定する(ステップS12)。
【0043】
複数の異なる位置の温度が同時に閾値以上になった場合(ステップS12;Yes)、制御部10は、表示パネル12の表示をオフにし、タッチパネル13に対するタッチ操作を無効にする(ステップS13)。制御部10はステップS11に戻る。
【0044】
一方、複数の異なる位置の温度が同時に閾値以上にならなかった場合(ステップS12;No)、制御部10は、表示パネル12の表示をオンにし、タッチパネル13に対するタッチ操作を有効にする(ステップS13)。制御部10はステップS11に戻る。
【0045】
本実施形態では、各温度センサ6によって検出される複数の異なる位置の温度が同時に閾値以上となった場合に、ユーザの顔がタッチパネル13に近接していると判定するようにしたが、例えば、温度センサ6で検出された複数の異なる位置の温度の平均値が閾値を超えた場合に、ユーザの顔がタッチパネル13に近接していると判定するようにしてもよい。
【0046】
(実施形態3)
本実施形態に係る携帯端末1の構成は、上記実施形態1の構成と同じである。判定部11は、温度センサ6によって検出された温度が、所定時間、閾値以上に維持された場合にユーザの顔がタッチパネル13に近接していると判定する。
【0047】
携帯端末1を用いて通話している間に温度センサ6によって検出される温度を示す図8(A)を参照すると、通話時は、一定時間継続して顔がタッチパネル13に近接するため、温度センサ6によって検出された温度は、2秒後に22.5℃を超えて、その後3秒間は22.5℃以上に維持される。一方、一連のタッチ操作を入力している間に温度センサ6によって検出された温度を示す図8(B)を参照すると、タッチ操作では、指先が瞬間的にタッチパネル13に接触するので、温度センサ6によって検出された温度は、1秒後に22.5℃を超えるが、1.4秒後には、22.5℃を下回る。例えば、このような場合には、判定部11は、温度センサ6によって検出された温度が22.5℃以上に1秒間維持された場合には、ユーザの顔がタッチパネル13に近接していると判定するようにすればよい。
【0048】
図9を参照しながら、本実施形態における操作表示部2の制御処理を説明する。ただし、以下の説明では、上記実施形態1で説明したフローと異なる点を主に説明する。
【0049】
温度センサ6によって温度が検出されると(ステップS21)、判定部11は、検出された温度が閾値以上か否かを判定する(ステップS22)。
【0050】
温度が閾値以上の場合(ステップS22;Yes)、判定部11は、所定時間が経過するまでステップS21に戻る(ステップS23;No)。温度センサ6によって検出された温度が閾値以上であって(ステップS22;Yes)、所定時間が経過すると(ステップS23;Yes)、制御部10は、表示パネル12の表示をオフにし、タッチパネル13に対するタッチ操作を無効にする(ステップS24)。
【0051】
一方、所定時間が経過するまでに温度センサ6によって検出された温度が閾値未満になると(ステップS22;No)、制御部10は、表示パネル12の表示をオンにし、タッチパネル13に対するタッチ操作を有効にする(ステップS25)。制御部10は、ステップS21に戻る。
【0052】
(実施形態4)
本実施形態に係る携帯端末1の構成は、図10に示すように、実施形態1の構成に加えて調整部14をさらに備える。調整部14は、所定期間内に温度センサ6によって検出された温度の平均値(統計値)に基づいて閾値を調整する。
【0053】
例えば、調整部14は、温度センサ6によって検出された温度を10分間隔で取得し、温度の平均値を算出する。図11(A)は、冬にユーザが携帯端末1を屋外に持ち出したときに調整部14が温度センサ6を介して取得した温度を示す。この場合には、6.0℃、6.1℃、6.2℃が取得され、平均値として6.1℃が算出される。
【0054】
図11(B)は、夏にユーザが携帯端末1を屋外に持ち出したときに調整部14が温度センサ6を介して取得した温度を示す。この場合には、20.9℃、21.0℃、20.8℃が取得され、平均値として20.9℃が算出される。
【0055】
調整部14は、メモリ(不図示)を備え、取得した温度をメモリに記憶する。調整部14は、取得した温度の平均値に基づいて閾値を調整する。例えば、調整部14は、算出された平均値に2℃を加えた値を閾値にする。図11(A)の場合は、閾値は、8.1℃となり、図11(B)の場合は、閾値は、22.9℃となる。調整部14は、記憶部8に調整した閾値を記憶させる。
【0056】
図12を参照しながら、本実施形態における閾値の調整処理を説明する。前提として、調整部14は、温度センサ6によって検出された温度を所定時間毎に取得し、3つの時点の各温度から平均値を算出する。
【0057】
調整部14は、所定時間が経過するまで待つ(ステップS31;No)。所定時間が経過すると(ステップS31;Yes)、調整部14は、温度センサ6によって検出された温度を取得する(ステップS32)。
【0058】
調整部14のメモリに3つの時点の各温度が記憶されておらず、平均値の算出ができない場合(ステップS33;No)、調整部14は、ステップS31に戻る。
【0059】
一方、調整部14のメモリに3つの時点の各温度が記憶されており、平均値の算出ができる場合(ステップS33;Yes)、調整部14は、平均値を算出する(ステップS34)。
【0060】
調整部14は、算出された平均値に基づく閾値を記憶部8に記憶させる(ステップS35)。
【0061】
本実施形態における操作表示部2の制御処理(図5参照)では、調整部14によって調整され、記憶部8に記憶された閾値を参照し、制御部10は、温度センサ6によって検出された温度が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS2)。また、上記実施形態2における操作表示部2の制御処理(図7参照)のステップS12、上記実施形態3における操作表示部2の制御処理(図9参照)のステップS22の閾値についても、本実施形態における調整部14によって調整されるようにしてもよい。
【0062】
(実施形態5)
本実施形態に係る携帯端末1の構成は、上記実施形態1の構成と同じである。制御部10は、温度センサ6によって検出された温度が、許容範囲外となった場合に、警告を発するか又は携帯端末1の動作を停止させる。これにより、異常な温度での携帯端末1の使用による携帯端末1の故障を防止できるうえ、異常な温度に起因する誤作動を防止できる。
【0063】
以上、詳細に説明したように、上記各実施形態によれば、タッチパネル13の表面温度を検出する温度センサ6によって検出された温度に関する情報と、所定の閾値とを比較することにより、ユーザの顔がタッチパネル13に近接しているか否かが判定され、ユーザの顔がタッチパネル13に近接していると判定されている間は、表示パネル12及びタッチパネル13の少なくとも一方の動作が停止する。こうすることで、ユーザが操作表示部2を見たり操作したりすることのない状態を正確に検出して表示パネル12やタッチパネル13の動作を停止させることができるので、誤作動を極力防止しながら消費電力を抑えることができる。
【0064】
上記実施形態2では、温度センサ6は、タッチパネル13の表面上の複数の異なる位置の温度を検出し、判定部11は、複数の異なる位置の温度が同時に閾値以上となった場合に、ユーザの顔がタッチパネル13に近接していると判定するようにした。通話時にはタッチ操作時と比べてより広い範囲に渡ってタッチパネル13と顔とが近接するため、タッチパネル13の表面上の複数の異なる位置の温度を用いて判定することによって、さらに正確にユーザの顔がタッチパネル13に近接しているか否かを判定することが可能となる。
【0065】
上記実施形態3では、判定部11は、温度センサ6によって検出された温度が所定時間、閾値以上に維持された場合にユーザの顔がタッチパネル13に近接していると判定するようにした。これにより、通話中でないにも関わらず、不意にユーザの顔がタッチパネル13に近接したことでタッチパネル13の表面温度が瞬間的に閾値を超えることによる表示パネル12及びタッチパネル13の動作停止を防ぐことができる。
【0066】
上記実施形態4では、調整部14は、所定期間内に温度センサ6によって検出された温度の平均値に基づいて閾値を調整するようにした。このように、携帯端末1の環境に応じて閾値が柔軟に調整されるため、携帯端末1が使用される季節や場所が変更されてもその環境に合わせて閾値が適切に設定される。
【0067】
上記各実施形態では、温度センサ6に熱電対を用いた。熱電対は、小型化されており、実装面積を小さくでき、内部基板への実装が不要なため、携帯端末1への実装が容易である。また、熱電対は、赤外線センサのように赤外線を外部に照射しなくてよいので、携帯端末1の内部に実装することができる。このため、赤外線等の照射面を携帯端末1の外部に設けなくてよいので、携帯端末1の小型化が可能となる。なお、温度センサ6は、サーミスタ、温度センサIC(Integrated Circuit)等であってもよい。サーミスタ、温度センサICも小型化されており、携帯端末1の内部に実装することができるので、熱電対と同じ利点がある。
【0068】
なお、上記実施形態4に係る閾値の調整処理は、定期的に自動で実行されるようにしてもよいし、ユーザが任意に実行できるようにしてもよい。また、閾値は、現在の日時に応じて自動で変更されるようにしてもよい。
【0069】
なお、上記各実施形態では、統計値として平均値を用いたが、平均値でなくても、中央値、最頻値等であってもよい。
【0070】
なお、上記実施形態3、5、6は、上記実施形態1に係る携帯端末1の構成と同じとしたが、上記実施形態2に係る携帯端末1の構成と同じにしてもよい。また、上記実施形態4は、上記実施形態1に係る携帯端末1の構成に調整部14を追加することとしたが、上記実施形態2に係る携帯端末1の構成に調整部14を追加してもよい。また、上記各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
【0071】
なお、上記各実施形態に係る携帯端末1における通信部9は、GPS(Global Positioning System)衛星(不図示)から送信される携帯端末1の位置情報を取得するようにしてもよい。制御部10は、温度センサ6によって検出された温度と通信部9によって取得された位置情報とを対応づけて、通信部9を介して外部のサーバ等に送信する。サーバには、携帯端末1から送信された温度と位置情報とが対応付けて記憶される。こうすることで、携帯端末1が存在する場所の温度を記録できる。サーバは、記録された情報に基づいてある地域における温度分布を生成する。携帯端末1等の端末を用いて、当該サーバにアクセスすると、地図データと生成された温度分布データが端末に送信される。これにより、各場所に存在する携帯端末1から送信された位置情報に基づく温度分布が示された地図を、端末を用いて閲覧できるため、ユーザは、その地域の詳細な温度を把握できる。
【0072】
なお、携帯端末1は、多機能携帯電話、PHS(Personal Handy-phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、PC(Personal Computer)等であってもよい。
【0073】
なお、上記各実施形態において実行されるプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto-Optical disk)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムをインストールすることにより、上述の処理を実行するシステムを構成することとしてもよい。
【0074】
また、プログラムをインターネット等の通信ネットワーク上の所定のサーバ装置が有するディスク装置等に格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、ダウンロード等するようにしてもよい。
【0075】
また、上述の機能を、OSが分担して実現する場合又はOSとアプリケーションとの協働により実現する場合等には、OS以外の部分のみを媒体に格納して配布してもよく、また、ダウンロード等してもよい。
【0076】
なお、本発明は、上記各実施形態及び図面によって限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で実施形態及び図面に変更を加えることができるのはもちろんである。
【0077】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0078】
(付記1)
画像を表示する表示パネルと、前記表示パネル上に搭載され、ユーザによるタッチ操作を入力するタッチパネルとを有する操作表示部と、
前記タッチパネルの表面温度を検出する温度センサと、
前記温度センサによって検出された温度に関する情報と、所定の閾値とを比較することにより、前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接しているか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接していると判定されている間は、前記表示パネル及び前記タッチパネルの少なくとも一方の動作を停止させる制御部と、
を備える携帯端末。
【0079】
(付記2)
前記閾値は、
タッチ操作時に前記温度センサによって検出される最高温度よりも高く設定され、
前記判定部は、
前記温度センサによって検出された温度が、前記閾値以上となった場合に、前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接していると判定する、
ことを特徴とする付記1に記載の携帯端末。
【0080】
(付記3)
前記温度センサは、
前記タッチパネルの表面上の複数の異なる位置の温度を検出し、
前記判定部は、
複数の異なる位置の温度が同時に前記閾値以上となった場合に、前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接していると判定する、
ことを特徴とする付記1又は2に記載の携帯端末。
【0081】
(付記4)
前記判定部は、
前記温度センサによって検出された温度が、所定時間、前記閾値以上に維持された場合に前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接していると判定する、
ことを特徴とする付記1乃至3のいずれかに記載の携帯端末。
【0082】
(付記5)
所定期間内に前記温度センサによって検出された温度の統計値に基づいて前記閾値を調整する調整部をさらに備える、
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれかに記載の携帯端末。
【0083】
(付記6)
前記制御部は、
前記温度センサによって検出された温度が、許容範囲外となった場合に、警告を発するか又は自機の動作を停止させる、
ことを特徴とする付記1乃至5のいずれかに記載の携帯端末。
【0084】
(付記7)
画像を表示する表示パネルと、前記表示パネル上に搭載され、ユーザによるタッチ操作を入力するタッチパネルとを有する操作表示部を備える携帯端末の制御方法であって、
前記タッチパネルの表面温度を検出する温度センサによって検出された温度に関する情報と、所定の閾値とを比較することにより、前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接しているか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程において前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接していると判定されている間は、前記表示パネル及び前記タッチパネルの少なくとも一方の動作を停止させる制御工程と、
を含む制御方法。
【0085】
(付記8)
画像を表示する表示パネルと、前記表示パネル上に搭載され、ユーザによるタッチ操作を入力するタッチパネルとを有する操作表示部を備える携帯端末を制御するコンピュータを、
前記タッチパネルの表面温度を検出する温度センサによって検出された温度に関する情報と、所定の閾値とを比較することにより、前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接しているか否かを判定する判定部、
前記判定部によって前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接していると判定されている間は、前記表示パネル及び前記タッチパネルの少なくとも一方の動作を停止させる制御部、
として機能させるプログラム。
【符号の説明】
【0086】
1 携帯端末
2 操作表示部
3 ボタン
4 スピーカ
5 マイクロフォン
6 温度センサ
7 音声部
8 記憶部
9 通信部
10 制御部
11 判定部
12 表示パネル
13 タッチパネル
14 調整部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示パネルと、前記表示パネル上に搭載され、ユーザによるタッチ操作を入力するタッチパネルとを有する操作表示部と、
前記タッチパネルの表面温度を検出する温度センサと、
前記温度センサによって検出された温度に関する情報と、所定の閾値とを比較することにより、前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接しているか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接していると判定されている間は、前記表示パネル及び前記タッチパネルの少なくとも一方の動作を停止させる制御部と、
を備える携帯端末。
【請求項2】
前記閾値は、
タッチ操作時に前記温度センサによって検出される最高温度よりも高く設定され、
前記判定部は、
前記温度センサによって検出された温度が、前記閾値以上となった場合に、前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接していると判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記温度センサは、
前記タッチパネルの表面上の複数の異なる位置の温度を検出し、
前記判定部は、
複数の異なる位置の温度が同時に前記閾値以上となった場合に、前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接していると判定する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記判定部は、
前記温度センサによって検出された温度が、所定時間、前記閾値以上に維持された場合に前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接していると判定する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の携帯端末。
【請求項5】
所定期間内に前記温度センサによって検出された温度の統計値に基づいて前記閾値を調整する調整部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の携帯端末。
【請求項6】
前記制御部は、
前記温度センサによって検出された温度が、許容範囲外となった場合に、警告を発するか又は自機の動作を停止させる、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の携帯端末。
【請求項7】
画像を表示する表示パネルと、前記表示パネル上に搭載され、ユーザによるタッチ操作を入力するタッチパネルとを有する操作表示部を備える携帯端末の制御方法であって、
前記タッチパネルの表面温度を検出する温度センサによって検出された温度に関する情報と、所定の閾値とを比較することにより、前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接しているか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程において前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接していると判定されている間は、前記表示パネル及び前記タッチパネルの少なくとも一方の動作を停止させる制御工程と、
を含む制御方法。
【請求項8】
画像を表示する表示パネルと、前記表示パネル上に搭載され、ユーザによるタッチ操作を入力するタッチパネルとを有する操作表示部を備える携帯端末を制御するコンピュータを、
前記タッチパネルの表面温度を検出する温度センサによって検出された温度に関する情報と、所定の閾値とを比較することにより、前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接しているか否かを判定する判定部、
前記判定部によって前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接していると判定されている間は、前記表示パネル及び前記タッチパネルの少なくとも一方の動作を停止させる制御部、
として機能させるプログラム。
【請求項1】
画像を表示する表示パネルと、前記表示パネル上に搭載され、ユーザによるタッチ操作を入力するタッチパネルとを有する操作表示部と、
前記タッチパネルの表面温度を検出する温度センサと、
前記温度センサによって検出された温度に関する情報と、所定の閾値とを比較することにより、前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接しているか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接していると判定されている間は、前記表示パネル及び前記タッチパネルの少なくとも一方の動作を停止させる制御部と、
を備える携帯端末。
【請求項2】
前記閾値は、
タッチ操作時に前記温度センサによって検出される最高温度よりも高く設定され、
前記判定部は、
前記温度センサによって検出された温度が、前記閾値以上となった場合に、前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接していると判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記温度センサは、
前記タッチパネルの表面上の複数の異なる位置の温度を検出し、
前記判定部は、
複数の異なる位置の温度が同時に前記閾値以上となった場合に、前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接していると判定する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記判定部は、
前記温度センサによって検出された温度が、所定時間、前記閾値以上に維持された場合に前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接していると判定する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の携帯端末。
【請求項5】
所定期間内に前記温度センサによって検出された温度の統計値に基づいて前記閾値を調整する調整部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の携帯端末。
【請求項6】
前記制御部は、
前記温度センサによって検出された温度が、許容範囲外となった場合に、警告を発するか又は自機の動作を停止させる、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の携帯端末。
【請求項7】
画像を表示する表示パネルと、前記表示パネル上に搭載され、ユーザによるタッチ操作を入力するタッチパネルとを有する操作表示部を備える携帯端末の制御方法であって、
前記タッチパネルの表面温度を検出する温度センサによって検出された温度に関する情報と、所定の閾値とを比較することにより、前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接しているか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程において前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接していると判定されている間は、前記表示パネル及び前記タッチパネルの少なくとも一方の動作を停止させる制御工程と、
を含む制御方法。
【請求項8】
画像を表示する表示パネルと、前記表示パネル上に搭載され、ユーザによるタッチ操作を入力するタッチパネルとを有する操作表示部を備える携帯端末を制御するコンピュータを、
前記タッチパネルの表面温度を検出する温度センサによって検出された温度に関する情報と、所定の閾値とを比較することにより、前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接しているか否かを判定する判定部、
前記判定部によって前記ユーザの顔が前記タッチパネルに近接していると判定されている間は、前記表示パネル及び前記タッチパネルの少なくとも一方の動作を停止させる制御部、
として機能させるプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−178719(P2012−178719A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−40619(P2011−40619)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】
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