説明

携帯端末、実物大表示プログラムおよび実物大表示方法

【構成】携帯電話機10は、被写体を撮影するカメラモジュールおよびそのカメラモジュールによって撮影された被写体画像を表示するディスプレイ30を備える。また、ディスプレイ30の上にはタッチパネル38が設けられている。たとえば、使用者は、被写体画像が表示されているときに実物大キー(70)を操作すると、タッチ操作によって、被写体画像における被写体および実際の被写体の大きさを一時的に記憶することができる。また、上記2つの大きさが一時的に記憶されると、大きさの比率が算出される。そして、プロセッサ24は、その比率および被写体画像に基づいて、被写体の実物大を表す実物大画像を作成し、作成された実物大画像をディスプレイ30に表示する。
【効果】使用者は、実物大で表示された被写体を見ることで、被写体の大きさを直感的に知ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯端末、実物大表示プログラムおよび実物大表示方法に関し、特に撮影した画像を表示することができる、携帯端末、実物大表示プログラムおよび実物大表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
撮影した画像を表示することができる、携帯端末の一例が特許文献1に開示されている。特許文献1の携帯電話機では、撮影場所を示すGPSデータと撮影の日付情報とを表すQRコードが作成され、そのQRコードが合成された合成画像が表示される。
【特許文献1】特開2010−176287号公報[G06F 17/30, H04M 1/00, G06F 3/048]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、特許文献1の携帯電話機では、撮影した日付や場所を思い出すためには、QRコードを復号しなければならず手間がかかる。また、QRコードが復号されたとしても、単なる文字の羅列であるため、画像に関する情報を直感的に知ることはできない。
【0004】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、携帯端末、実物大表示プログラムおよび実物大表示方法を提供することである。
【0005】
この発明の他の目的は、画像から被写体の大きさを直感的に知ることができる、携帯端末、実物大表示プログラムおよび実物大表示方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明等は、この発明の理解を助けるために記述する実施形態との対応関係を示したものであって、この発明を何ら限定するものではない。
【0007】
第1の発明は、被写体の画像を出力するカメラモジュールおよびカメラモジュールが出力する被写体画像を表示する表示部を有する、携帯端末であって、表示部によって表示された被写体画像の大きさを取得する取得部、被写体の大きさを設定する設定部、取得部によって取得された被写体画像の大きさと設定部によって設定された被写体の実際の大きさとに基づいて比率を算出する算出部、算出部によって算出された比率に基づいて、被写体画像から実物大画像を作成する作成部、および作成部によって作成された実物大画像を表示部に表示する実物大画像表示部を備える、携帯端末である。
【0008】
第1の発明では、携帯端末(10:実施例において対応する部分を例示する参照符号。以下、同じ。)のカメラモジュール(40−44)は、たとえば使用者の撮影操作に応じて被写体(消しゴム、魚など)を撮影し、撮影した画像を出力する。また、カメラモジュールから出力された被写体画像は表示部(30)によって表示される。
【0009】
取得部(24,S9,S41)は、たとえば被写体画像における被写体の大きさを表す長さなどを取得する。設定部(24,S19、S45)は、たとえば使用者の操作によって示された2点の長さや数値などが、被写体の実際の大きさとして入力される。算出部(24,S21,S49)は、被写体画像における被写体と実際の被写体との大きさの比率を算出する。作成部(24,S23)は、たとえば算出された比率に基づいて、被写体画像に対して拡大処理または縮小処理を加えることで、実物大画像を作成する。そして、実物大画像表示部(24,S29,S31)は、作成された実物大画像を表示部に表示させる。
【0010】
第1の発明によれば、使用者は、実物大で表示された被写体を見ることで、被写体の大きさを直感的に知ることができる。
【0011】
第2の発明は、第1の発明に従属し、取得部は、被写体画像の少なくとも一部の大きさを取得し、設定部は、取得部によって取得された被写体画像の少なくとも一部に対応する大きさを設定し、算出部は、取得部によって取得された被写体画像の少なくとも一部の大きさと設定部によって設定された被写体の少なくとも一部の大きさとに基づいて比率を算出する。
【0012】
第2の発明では、たとえば被写体の実際の大きさがディスプレイの表示範囲よりも大きい場合、取得部は、被写体画像の一部の大きさを取得する。また、設定部は、このようにして取得された被写体画像の一部に対応する大きさを設定する。そして、算出部は、取得および設定された一部の大きさに基づいて比率を算出する。
【0013】
第2の発明によれば、被写体の方が表示部の表示範囲より大きくても、使用者はその被写体の大きさを直感的に知ることができる。
【0014】
第3の発明は、第1の発明または第2の発明に従属し、表示部の上に設けられるタッチパネル、およびタッチパネルのタッチ有効範囲内のタッチ操作を検出する検出部をさらに備え、取得部は、タッチパネルに対する2か所のタッチ操作に基づいて被写体画像の大きさを取得し、設定部は、取得部によって被写体画像の大きさが取得された後に、タッチパネルに対する2か所のタッチ操作に基づいて被写体の実際の大きさを設定する。
【0015】
第3の発明では、タッチパネル(38)は表示部の上に設けられ、検出部(36)によってそのタッチパネルに対してされたタッチ操作が検出される。取得部は、たとえば検出された2か所のタッチ操作の位置に基づいて、被写体画像における被写体の大きさを取得する。また、設定部も同様に、検出された2か所のタッチ操作の位置に基づいて、被写体の実際の大きさを設定する。
【0016】
第3の発明によれば、使用者は、タッチ操作を利用して直感的に大きさの比率を入力することができる。
【0017】
第4の発明は、第1の発明または第2の発明に従属し、操作キーおよびテンキーを含むキー入力装置をさらに備え、取得部は、操作キーによって指定された2点に基づいて被写体画像の大きさを取得し、設定部は、テンキーによって入力された数値を被写体の大きさとして設定する。
【0018】
第4の発明では、携帯端末はユーザインターフェースとして利用されるキー入力装置(26)を備える。また、キー入力装置における、操作キー(26c,26d)は、たとえばキー操作を確定するための機能キーおよびカーソルキーを含む。また、テンキー(26e)は「0」−「9」の数字キーを含む。たとえば、表示部には被写体画像とカーソルキーによって操作される矢印カーソル(Y)とが同時に表示される。また、使用者は、機能キーを操作することで矢印カーソルが示す位置を携帯端末に入力することができる。そして、取得部は、このようにして入力される2か所の位置を被写体画像の大きさを取得する。また、設定部は、テンキーによって入力された数値を、実際の被写体の大きさとして設定する。
【0019】
第4の発明によれば、キー入力装置を利用して、被写体画像における被写体の大きさと実際の被写体の大きさとを容易に入力することができる。
【0020】
第5の発明は、第1の発明または第2の発明に従属し、表示部の上に設けられるタッチパネル、およびタッチパネルのタッチ有効範囲内のタッチ操作を検出する検出部をさらに備え、取得部は、表示部に表示された被写体画像の輪郭線を抽出する第1抽出部を含み、設定部は、タッチパネルの上に被写体を置くことで検出されたタッチ範囲の輪郭線を抽出する第2抽出部を含み、算出部は、第1抽出部によって抽出された輪郭線と第2抽出部によって抽出された輪郭線とに基づいて、それらの比率を算出する輪郭線比率算出部を含む。
【0021】
第5の発明では、タッチパネル(38)は表示部の上に設けられ、検出部(36)によってそのタッチパネルに対してされたタッチ操作が検出される。第1抽出部(24,S41)は、たとえば画像処理によって被写体画像から被写体の輪郭線を抽出する。第2抽出部(24,S45)は、たとえば被写体がタッチパネルの上に押し付けられることで得られる、タッチ範囲の輪郭線を抽出する。輪郭線比率算出部(24,S49)は、上記2つの輪郭線から、被写体画像における被写体と実際の被写体との大きさの比率を算出する。
【0022】
第5の発明によれば、タッチパネルを利用することで、使用者は、比率をより簡単に入力することができる。
【0023】
第6の発明は、第1の発明ないし第5の発明に従属し、実物大画像表示部は、作成部によって作成された実物大画像の大きさが表示部の表示範囲よりも大きいとき、その実物大画像をスクロール可能に表示する。
【0024】
第6の発明によれば、表示部の表示範囲より被写体の方が大きくても、使用者はその被写体の大きさを直感的に知ることができる。
【0025】
第7の発明は、被写体の画像を出力するカメラモジュール(40−44)およびカメラモジュールが出力する被写体画像を表示する表示部(30)を有する、携帯端末(10)のプロセッサ(24)を、表示部によって表示された被写体画像の大きさを取得する取得部(S9,S41)、被写体の大きさを設定する設定部(S19、S45)、取得部によって取得された被写体画像の大きさと設定部によって設定された被写体の実際の大きさとに基づいて比率を算出する算出部(S21,S49)、算出部によって算出された比率に基づいて、被写体画像から実物大画像を作成する作成部(S23)、および作成部によって作成された実物大画像を表示部に表示する実物大画像表示部(S29,S31)として機能させる、実物大表示プログラムである。
【0026】
第7の発明でも、第1の発明と同様、使用者は、実物大で表示された被写体を見ることで、被写体の大きさを直感的に知ることができる。
【0027】
第8の発明は、被写体の画像を出力するカメラモジュール(40−44)およびカメラモジュールが出力する被写体画像を表示する表示部(30)を有する、携帯端末(10)の実物大表示方法であって、表示部によって表示された被写体画像の大きさを取得し(S9,S41)、被写体の大きさを設定し(S19、S45)、取得された被写体画像の大きさと設定された被写体の実際の大きさとに基づいて比率を算出し(S21,S49)、算出された比率に基づいて、被写体画像から実物大画像を作成し(S23)、そして作成された実物大画像を表示部に表示する(S29,S31)、実物大表示方法である。
【0028】
第8の発明によれば、第1の発明と同様、使用者は、実物大で表示された被写体を見ることで、被写体の大きさを直感的に知ることができる。
【発明の効果】
【0029】
この発明によれば、使用者は、実物大で表示された被写体を見ることで、被写体の大きさを直感的に知ることができる。
【0030】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1はこの発明の一実施例の携帯電話機の電気的な構成を示す図解図である。
【図2】図2は図1に示す携帯電話機の外観の一例を示す図解図である。
【図3】図3は図1に示すディスプレイに表示される被写体画像の一例を示す図解図である。
【図4】図4は図1に示すディスプレイに表示されるGUIの一例を示す図解図である。
【図5】図5は図1に示すタッチパネルを利用して、被写体画像における被写体の大きさを入力する手順の一部の一例を示す図解図である。
【図6】図6は図1に示すタッチパネルを利用して、被写体画像における被写体の大きさを入力する手順の一部であって、図5に続く手順を示す図解図である。
【図7】図7は図1に示すタッチパネルを利用して、被写体の実際の大きさを入力するときの表示の一例を示す図解図である。
【図8】図8は図1に示すタッチパネルを利用して、被写体の実際の大きさを入力する手順の一例を示す図解図である。
【図9】図9は図1に示すタッチパネルを利用して入力された被写体の実際の大きさを確認するときの表示の一例を示す図解図である。
【図10】図10は図1に示すディスプレイに表示される実物大画像の一例を示す図解図である。
【図11】図11は図1に示すタッチパネルを利用して、被写体画像における被写体の大きさを入力する手順の他の一例を示す図解図である。
【図12】図12は図1に示すタッチパネルを利用して、被写体の実際の大きさを入力する手順の他の一例を示す図解図である。
【図13】図13は図1に示すタッチパネルを利用して入力された被写体の実際の大きさを確認するときの表示の他の一例を示す図解図である。
【図14】図14は図1に示すディスプレイに表示される実物大画像の他の一例を示す図解図である。
【図15】図15は図1に示すRAMのメモリマップの一例を示す図解図である。
【図16】図16は図1に示すプロセッサの実物大表示処理の一部の一例を示すフロー図である。
【図17】図17は図1に示すプロセッサの実物大表示処理の一部であって、図16に後続するフロー図である。
【図18】図18は携帯電話機の外観の他の一例を示す図解図である。
【図19】図19は図18に示す操作キーを利用して、被写体画像における被写体の大きさを入力する手順の一例を示す図解図である。
【図20】図20は図18に示すテンキーを利用して、被写体の実際の大きさを入力する手順の一例を示す図解図である。
【図21】図21は図1に示すタッチパネルを利用して、被写体の実際の大きさを入力する手順のその他の一例を示す図解図である。
【図22】図22は図1に示すタッチパネルを利用して入力された被写体の実際の大きさを確認するときの表示のその他の一例を示す図解図である。
【図23】図23は図1に示すRAMのデータ記憶領域の他の一例を示す図解図である。
【図24】図24は図1に示すプロセッサの第3実施例の実物大表示処理の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
<第1実施例>
図1を参照して、携帯電話機10は、携帯端末の一種であり、コンピュータまたはCPUと呼ばれるプロセッサ24を含む。また、プロセッサ24には、無線通信回路14、A/D変換器16、D/A変換器20、キー入力装置26、表示ドライバ28、フラッシュメモリ32、RAM34、タッチパネル制御回路36およびカメラ制御回路40などが接続される。
【0033】
無線通信回路14にはアンテナ12が接続される。A/D変換器16にはマイク18が接続され、D/A変換器20にはスピーカ22が接続される。表示ドライバ28にはディスプレイ30が接続される。タッチパネル制御回路36にはタッチパネル38が接続される。そして、カメラ制御回路40にはイメージセンサ42およびフォーカスレンズ44が接続される。
【0034】
プロセッサ24は携帯電話機10の全体制御を司る。RAM34は、プロセッサ24の作業領域(描画領域を含む)ないしバッファ領域として用いられる。フラッシュメモリ32には、携帯電話機10の文字、画像、音声、音および映像のようなコンテンツのデータが記録される。
【0035】
A/D変換器16は、当該A/D変換器16に接続されたマイク18を通して入力される音声ないし音についてのアナログ音声信号を、デジタル音声信号に変換する。D/A変換器20は、デジタル音声信号をアナログ音声信号に変換(復号)して、図示しないアンプを介してスピーカ22に与える。したがって、アナログ音声信号に対応する音声ないし音がスピーカ22から出力される。また、プロセッサ24は、アンプの増幅率を制御することで、スピーカ22から出力される音声の音量を調整することができる。
【0036】
キー入力装置26は操作部と呼ばれ、通話キー26a、機能キー26bおよび終話キー26cなどを含む。また、使用者が操作したキーの情報(キーデータ)はプロセッサ24に入力される。さらに、キー入力装置26に含まれる各キーが操作されると、クリック音が鳴る。したがって、使用者は、クリック音を聞くことで、キー操作に対する操作感を得ることができる。
【0037】
表示ドライバ28は、プロセッサ24の指示の下、当該表示ドライバ28に接続されたディスプレイ30の表示を制御する。また、表示ドライバ28は表示する画像データを一時的に記憶するビデオメモリ(図示せず)を含む。なお、ディスプレイ30は表示部として機能する。
【0038】
タッチパネル38は、指などの物体が表面に接近して生じた電極間の静電容量の変化を検出する静電容量方式で、たとえば1本または複数本の指がタッチパネル38に触れたことを検出する。また、タッチパネル38は、ディスプレイ30の上に設けられ、その画面内で、任意の位置を指示するためのポインティングデバイスである。検出部として機能するタッチパネル制御回路36は、タッチパネル38のタッチ有効範囲内で、押したり、撫でたり、触られたりするタッチ操作を検出し、そのタッチ操作の位置を示す座標のデータをプロセッサ24に出力する。つまり、使用者は、タッチパネル38の表面を指で、押したり、撫でたり、触れたりすることによって、操作の方向や図形などを携帯電話機10に入力することができる。
【0039】
ここで、使用者がタッチパネル36の上面を指で触れる操作を「タッチ」と言う。一方、タッチパネル36から指を離す操作を「リリース」と言う。そして、使用者がタッチパネル36の上面をタッチして、続けてリリースする操作を「タッチアンドリリース」と言う。
【0040】
また、タッチパネル36の表面を撫でる操作を「スライド」と言い、タッチした後にスライドし、リリースする操作を「タッチスライド」と言う。さらに、2回連続してタッチアンドリリースを行う操作を「ダブルタップ」と言い、2か所に略同時にタッチする操作を「マルチタッチ」と言う。そして、「タッチ操作」には、上記したタッチ、リリース、タッチアンドリリース、スライド、タッチスライド、ダブルタップおよびマルチタッチなどのタッチパネル36に対して行う操作が含まれる。
【0041】
また、タッチによって示された座標を「タッチ点」(タッチ開始位置)と言い、リリースによって示された座標を「リリース点」(タッチ終了位置)と言う。
【0042】
なお、タッチ操作は指だけに限らず、導電体が先端に取り付けられたタッチペンなどによって行われてもよい。また、タッチパネル38の検出方式には、表面型の静電容量方式が採用されてもよいし、抵抗膜方式、超音波方式、赤外線方式および電磁誘導方式などであってもよい。
【0043】
カメラ制御回路40は、携帯電話機10で静止画像または動画像を撮影するための回路である。たとえば、キー入力装置26に対してカメラ機能を実行する操作が行われると、プロセッサ24はカメラ機能を実行して、カメラ制御回路40を起動する。なお、カメラ制御回路40、イメージセンサ42およびフォーカスレンズ44は、まとめてカメラモジュールとして機能する。
【0044】
イメージセンサ42の撮像エリアには、SXGA(1280×1024画素)に対応する受光素子が表示されている。そのため、被写体の光学像がイメージセンサ42に照射されると、撮像エリアでは光電変換によって被写体の光学像に対応する電荷、つまりSXGAの生画像信号が生成される。なお、使用者は、画像データの画像サイズ(画素数)を、SXGAの他に、XGA(1024×768画素)およびVGA(640×480画素)などに変更することができる。
【0045】
カメラ機能が実行されると、被写体のリアルタイム動画像つまりスルー画像(プレビュー画像)をディスプレイ30に表示するべく、プロセッサ24は、カメラ制御回路40に内蔵されるイメージセンサドライバを起動させ、露光動作および指定された読み出し領域に対応する電荷読み出し動作を、イメージセンサドライバに命令する。
【0046】
イメージセンサドライバは、イメージセンサ42の撮像面の露光と、当該露光によって生成された電荷の読み出しとを実行する。この結果、生画像信号が、イメージセンサ42から出力される。また、出力された生画像信号はカメラ制御回路40に入力され、カメラ制御回路40は入力された生画像信号に対して、色分離、白バランス調整、YUV変換などの処理を施し、YUV形式の画像データを生成する。そして、YUV形式の画像データはプロセッサ24に入力される。
【0047】
また、プロセッサ24に入力されたYUV形式の画像データは、プロセッサ24によってRAM34に格納(一時記憶)される。さらに、格納されたYUV形式の画像データは、プロセッサ24でRGB形式の画像データに変換された後に、RAM34から表示ドライバ28に与えられる。そして、RGB形式の画像データがディスプレイ30に出力される。これによって、被写体を表す低画素(たとえば、320×240画素)のスルー画像がディスプレイ30に表示される。
【0048】
さらに、カメラ制御回路40は生画像信号からフォーカス評価値を算出し、そのフォーカス評価値をプロセッサ24に出力する。プロセッサ24は、カメラ制御回路40から出力されたフォーカス評価値に基づいて、AF(Autofocus)処理を実行する。AF処理が実行されると、カメラ制御回路40はプロセッサ24の指示の下、フォーカスレンズ44のレンズ位置を調整する。その結果、被写体にピントが合わせられたスルー画像がディスプレイ30に表示される。
【0049】
ここで、キー入力装置26に対して静止画像の撮影操作が行われると、プロセッサ24は、静止画像の本撮影処理を実行する。つまり、プロセッサ24は、イメージセンサ42から出力されるSXGAの生画像信号に信号処理を施して、RAM34に一旦格納し、フラッシュメモリ32に対する記録処理を実行する。記録処理が実行されると、プロセッサ24を通してRAM34から画像データが読み出される。そして、プロセッサ24は、読み出した画像データにメタ情報を関連付けて、1つの画像ファイルとしてフラッシュメモリ32に保存する。さらに、プロセッサ24は、図示しないスピーカから、本撮影処理が実行されていること通知する音を出力させる。
【0050】
また、フラッシュメモリ32に保存された画像ファイルは、所定の操作を行うことでディスプレイ30に表示することができる。そして、画像が表示された状態では、タッチ操作によって画像を縮小または拡大することができる。たとえば、2本の指でマルチタッチをした後に、各指を外側に広げるようにスライドすると、画像が拡大される。一方、2本の指でマルチタッチをした後に、各指を内側に狭めるようにスライドすると画像が縮小される。
【0051】
なお、メタ情報には、時刻情報、画像サイズおよび携帯電話機10の機種名(型番)などが含まれる。また、携帯電話機10にメモリカードが接続できる場合、画像ファイルはメモリカードに保存されてもよい。また、画像データに関連付けられるメタ情報はExif形式で保存される。
【0052】
無線通信回路14は、CDMA方式での無線通信を行うための回路である。たとえば、使用者がキー入力装置26を用いて電話発信(発呼)を指示すると、無線通信回路14は、プロセッサ24の指示の下、電話発信処理を実行し、アンテナ12を介して電話発信信号を出力する。電話発信信号は、基地局および通信網(図示せず)を経て相手の電話機に送信される。そして、相手の電話機において着信処理が行われると、通信可能状態が確立され、プロセッサ24は通話処理を実行する。
【0053】
通常の通話処理について具体的に説明すると、相手の電話機から送られてきた変調音声信号はアンテナ12によって受信される。受信された変調音声信号には、無線通信回路14によって復調処理および復号処理が施される。そして、これらの処理によって得られた受話音声信号は、D/A変換器20によってアナログ音声信号に変換された後、スピーカ22から出力される。一方、マイク18を通して取り込まれた送話音声信号は、A/D変換器16によってデジタル音声信号に変換された後、プロセッサ24に与えられる。デジタル音声信号に変換された送話信号には、プロセッサ24の指示の下、無線通信回路14によって符号化処理および変調処理が施され、アンテナ12を介して出力される。したがって、変調音声信号は、基地局および通信網を介して相手の電話機に送信される。
【0054】
また、相手の電話機からの電話発信信号がアンテナ12によって受信されると、無線通信回路14は、電話着信(着呼)をプロセッサ24に通知する。これに応じて、プロセッサ24は、表示ドライバ28を制御して、着信通知に記述された発信元情報(電話番号など)をディスプレイ30に表示する。また、これとほぼ同時に、プロセッサ24は、図示しないスピーカから着信音(着信メロディ、着信音声と言うこともある。)を出力させる。
【0055】
そして、使用者が通話キーを用いて応答操作を行うと、無線通信回路14は、プロセッサ24の指示の下、電話着信処理を実行する。さらに、通信可能状態が確立され、プロセッサ24は上述した通常の通話処理を実行する。
【0056】
また、通話可能状態に移行した後に終話キーによって通話終了操作が行われると、プロセッサ24は、無線通信回路14を制御して、通話相手に通話終了信号を送信する。そして、通話終了信号の送信後、プロセッサ24は通話処理を終了する。また、先に通話相手から通話終了信号を受信した場合も、プロセッサ24は通話処理を終了する。さらに、通話相手によらず、移動通信網から通話終了信号を受信した場合も、プロセッサ24は通話処理を終了する。
【0057】
なお、本実施例の携帯電話機10は、メール機能を有しており、他の携帯電話機などとメールの送受信を行うことができる。そして、フラッシュメモリ32に保存された画像ファイルをメールに添付して、相手に送信することもできる。
【0058】
図2(A)は携帯電話機10の表面の外観を示す外観図であり、図2(B)は携帯電話機10の裏面の外観を示す外観図である。図2(A)を参照して、携帯電話機10は、ストレート型の形状をしており、平面矩形の筐体Cを有する。図示しないマイク18は、筐体Cに内蔵され、内蔵されたマイク18に通じる開口OP2は筐体Cの縦方向一方の側面に設けられる。同じく、図示しないスピーカ22は、筐体Cに内蔵され、内蔵されたスピーカ22に通じる開口OP1は、筐体Cの縦方向他方の表面に設けられる。
【0059】
ディスプレイ30は、モニタ画面が筐体Cの表面側から見えるように取り付けられる。また、ディスプレイ30の上にはタッチパネル38が設けられる。さらに、図示しないカメラモジュールも筐体Cに内蔵され、カメラモジュールのフォーカスレンズ44などに通じる開口OP3は、筐体Cの縦方向他方の裏面に設けられる。そして、キー入力装置26は、通話キー26a、機能キー26bおよび終話キー26cを含み、これらのキーは筐体Cの表面に設けられる。
【0060】
たとえば、使用者は、ディスプレイ30に表示されたダイヤルキーに対して、タッチ操作を行うことで電話番号を入力し、通話キー26aによって音声発信操作を行う。そして、使用者は、通話が終了すると、終話キー26cによって通話終了操作を行う。また、使用者は、機能キー26bを操作することで、ディスプレイ30にメニュー画面を表示する。さらに、使用者は、ディスプレイ30に表示されたソフトキーおよびメニューに対してタッチ操作を行うことで、メニューの選択や確定を行う。
【0061】
また、携帯電話機10でカメラ機能が実行された場合、使用者は筐体Cの裏面に設けられた開口OP3を被写体に向けることで、ディスプレイ30に表示されるプレビュー画像を確認することできる。このとき、使用者は、プレビュー画像に基づいて構図を決めて機能キー(シャッターキー)26bを操作することで、任意の被写体を撮影することができる。
【0062】
なお、アンテナ12、無線通信回路14、A/D16、D/A20、プロセッサ24、表示ドライバ28、フラッシュメモリ32、RAM34およびタッチパネル制御回路36は筐体Cに内蔵されているため、図2(A),(B)では図示されない。
【0063】
図3は撮影された被写体の画像(被写体画像)を表示するディスプレイ30の一例を示す図解図である。ディスプレイ30の表示は、日時、電池残量および受信状態などを表すアイコンを表示する状態表示領域60および被写体画像が表示される機能表示領域62を含む。また、機能表示領域62には実物大キー70が表示される。
【0064】
ここで、本実施例では、実物大キー70が操作されると、機能表示領域62に表示される被写体画像から、その被写体の実寸と対応する実物大画像を作成することができる。そして、使用者は、実物大で表示された被写体を見ることで、被写体の大きさを直感的に知ることができるようになる。
【0065】
以下、被写体画像から実物大画像を作成するまでの流れを説明する。まず、実物大キー70が操作されると、被写体画像の被写体と実際の被写体(実物)との大きさの比率が記憶されているかが判断される。そして、比率が記憶されていなければ、図4に示すように、比率の入力を促すGUIがディスプレイ30に表示される。
【0066】
図4を参照して、そのGUIには、「比率が記憶されていません。比率を入力しますか?」の文字列が含まれており、さらに「YES」と書かれた承諾キーおよび「NO」と書かれた拒絶キーも含まれる。このとき、拒絶キーにタッチ操作がされると図3の状態に戻るが、承諾キーにタッチ操作がされると、携帯電話機10は、被写体画像における被写体の大きさを取得できる状態になる。
【0067】
たとえば、承諾キーにタッチ操作がされると、「画像における被写体の大きさを入力してください。」と文字列が表示された後に、図5(A)に示すように被写体画像がディスプレイ30に再び表示される。このとき、被写体が消しゴムであり、その消しゴムの被写体画像がディスプレイ30に表示されている場合、使用者は消しゴムの画像において、大きさを表す2点に対してタッチ操作を行えばよい。
【0068】
図5(A),(B)を参照して、使用者は、画像上の消しゴムの上部に対応する位置T1にタッチ操作を行うと、図5(B)に示すようにタッチ位置P1が表示される。また、使用者は、画像上の消しゴムの下部に対応する位置T2にタッチ操作を行うと、図6に示すようにタッチ位置P2がさらに表示される。そして、2か所にタッチ操作が行われると、確定キー72および再入力キー74が表示される。このとき、再入力キー74にタッチ操作がされると、タッチ位置P1およびタッチ位置P2の表示が消去され、再び大きさが入力できるようになる。一方、確定キー72にタッチ操作がされると、被写体画像における消しゴム(被写体)の大きさが取得される。
【0069】
次に、被写体画像における被写体の大きさが入力されると、図7に示すように、ディスプレイ30には実物(被写体)の大きさを促す文字列が表示される。このとき、使用者は、先に入力した位置T1,T2と対応するように、2か所にタッチ操作をすれば実物の大きさを入力することができる。つまり、図8に示すように、使用者は、実物の消しゴムの上部と対応する位置T3と、その消しゴムの下部と対応する位置T4とにタッチ操作すること、入力された大きさを確認するための確認画面が表示される。
【0070】
図9を参照して、確認画面には、使用者によってタッチされた位置T3および位置T4に対応して、点線で繋がれたタッチ位置P3およびタッチ位置P4が表示される。また、確定キー72および再入力キー74が表示されると共に、参照画像76がディスプレイ30の左上に表示される。この参照画像76では、タッチ位置P1とタッチ位置P2とが示される。これにより、使用者は、取得された被写体画像における大きさと、入力した被写体の実際の大きさとを同時に確認できる。また、使用者は、確定キー72にタッチすると、実際の消しゴム(被写体)の大きさを設定することができる。ただし、図9に示す再入力キーが操作されると、図7に示す表示に戻り、被写体の実際の大きさを再び設定することができる。
【0071】
なお、タッチ操作が行われる位置は、位置T3および位置T4に限定されない。つまり、2点の距離が変わらなければ、使用者は、タッチパネル30の任意の位置で、タッチ操作を行うことができる。また、それぞれの位置ではタッチ操作として、マルチタッチ
がされてもよいし、ダブルタップがされてもよい。
【0072】
このようにして、被写体画像における被写体と実際の被写体の大きさとが入力されると、それらの大きさから比率が算出される。さらに、その比率に基づいて被写体画像に、拡大処理または縮小処理を加えて、実物大画像が作成される。そして、被写体の実際の大きさに対応する実物大画像が、図10に示すようにディスプレイ30に表示される。このとき、実物大画像が表示されていることを示すために、機能表示領域62の左上には、実物大アイコン78が表示される。
【0073】
また、算出された比率は、画像データと関連付けられたメタ情報に加えられる。つまり、メタ情報に比率が加えられた画像ファイルであれば、使用者は、実物大キー70を操作するだけで、実物大画像を表示できるようになる。
【0074】
ここで、本実施例では、被写体の大きさがディスプレイ30の表示範囲よりも小さい消しゴムの実物大画像だけでなく、ディスプレイ30の表示範囲よりも大きい被写体の実物大画像を表示することもできる。この場合、上記の消しゴムのように、被写体全体の大きさではなく、被写体の一部の大きさを利用して比率を入力する。
【0075】
図11(A)を参照して、被写体がディスプレイ30の表示範囲よりも大きい魚(図12参照)であれば、その全体像が写るように撮影されるため、被写体画像における魚はディスプレイ30の表示領域に収まるように表示される。そして、このような場合、その魚の背びれなどを利用して、被写体画像における被写体の大きさと実際の被写体の大きさとの比率が入力される。
【0076】
たとえば、図11(B)を参照して、使用者が画像上の背びれの上部と背びれの下部とのそれぞれにタッチ操作を行うと、各タッチ操作に対応して、タッチ位置P5およびタッチ位置P6がディスプレイ30に表示される。そして、この確認画面で確定キー72が操作されると、携帯電話機10は、被写体画像における魚の一部の大きさを取得することができる。
【0077】
次に、図12を参照して、実際の魚の大きさを入力する場合は、その魚の背びれの上部に対応する位置T5と、その背びれの下部に対応する位置T6とにタッチ操作が行われると、確認画面が表示される。図13を参照して、確認画面では、消しゴムの画像ときと同様、点線で繋がれたタッチ位置T7およびタッチ位置T8が表示されると共に、確定キー72、再入力キー74および参照画像76が表示される。そして、使用者は、確定キー72を操作すれば、実際の魚の一部の大きさを設定することができる。
【0078】
これにより、被写体の一部を利用して大きさの比率が算出される。そして、算出された比率と図11(A)に示す被写体画像とに基づいて実物大画像が作成され、その実物大画像が、図14に示すように、ディスプレイ30に表示される。
【0079】
ここで、被写体の一部を利用して算出された比率に基づいて、実物大画像がディスプレイ30に表示される。また、実物大画像の画像サイズは表示範囲よりも大きいため、機能表示領域62には、実物大画像実物大アイコン78に加えてスクロールバー80が表示される。そして、使用者は、スクロールバー80によって、表示されていない部分が存在していることを知ることができる。そのため、使用者は、スクロールバー80または任意の位置でタッチスライドを行うことで、表示されていない画像を表示させることができる。つまり、ディスプレイ30の表示範囲より被写体の方が大きくても、使用者はその被写体の大きさを直感的に知ることができる。
【0080】
このように、第1実施例では、使用者は、タッチ操作を利用して直感的に大きさの比率を入力することができる。そして、このようにして入力された比率に基づいて表示された実物大画像を見ることで、使用者は、被写体の大きさを直感的に知ることができるようになる。
【0081】
また、本実施例では、ディスプレイ30の表示範囲よりも大きい被写体画像を表示する場合、鮮鋭化処理および平滑化処理などを加えて実物大画像を高画質化する。これにより、使用者は、表示されている被写体の位置を把握しやすくなる。なお、画像の高画質化については、広く一般的に利用されている技術であるため、詳細な説明は省略する。
【0082】
図15はRAM34のメモリマップを示す図である。RAM34のメモリマップには、プログラム記憶領域302およびデータ記憶領域304が含まれる。また、プログラムおよびデータの一部は、フラッシュメモリ32から一度に全部または必要に応じて部分的かつ順次的に読み出され、RAM34に記憶されてからプロセッサ24によって処理される。
【0083】
プログラム記憶領域302には、携帯電話機10を動作させるためのプログラムが記憶されている。たとえば、携帯電話機10を動作させるためのプログラムは、実物大表示プログラム310などを含む。この実物大表示プログラム310は、表示される被写体画像から実物大画を作成するためのプログラムである。
【0084】
なお、図示は省略するが、携帯電話機10を動作させるためのプログラムには、音声着信状態を通知するためのプログラムなども含まれる。
【0085】
続いて、データ記憶領域304には、タッチバッファ330、画像バッファ332、実物バッファ334、比率バッファ336および実物大画像バッファ338が設けられる。
【0086】
タッチバッファ330には、タッチ操作によって得られたタッチ点、リリース点、現在のタッチ位置などのタッチ座標のデータが一時的に記憶される。画像バッファ332には、被写体画像における被写体の大きさが一時的に記憶される。実物バッファ334には、実際の被写体の大きさが一時的に記憶される。比率バッファ336には算出された比率が一時的に記憶される。実物大画像バッファ338には、作成された実物大画像が一時的に記憶される。
【0087】
なお、図示は省略するが、データ記憶領域304には、待機状態で表示される画像データや、文字列のデータなどが記憶されると共に、携帯電話機10の動作に必要なカウンタや、フラグも設けられる。
【0088】
プロセッサ24は、Android(登録商標)およびREXなどのLinux(登録商標)ベースのOSや、その他のOSの制御下で、図16および図17に示す実物大表示処理などを含む複数のタスクを並列的に処理する。
【0089】
図16は実物大表示処理のフロー図である。たとえば、被写体画像が表示されているときに実物大キー70が操作されると、プロセッサ24は、ステップS1で比率が記憶されているか否かを判断する。たとえば、表示されている画像に関連付けられたメタ情報に比率が含まれているかが判断される。ステップS1で“YES”であれば、つまり比率がメタ情報に含まれていれば、ステップS33に進む。一方、ステップS1で“NO”であれば、つまり比率がメタ情報に含まれていなければ、ステップS3で被写体画像の大きさが入力されたか否かを判断する。たとえば、ステップS3の処理が実行されると、ディスプレイ30には「画像における被写体の大きさを入力してください。」の文字列が表示された後に、図5(A)などのように被写体画像が再び表示される。そして、この状態で、2か所にタッチ操作がされたかが判断される。ステップS3で“NO”であれば、たとえばタッチ操作がされていなければ、ステップS3の処理が繰り返される。
【0090】
また、ステップS3で“YES”であれば、たとえば図5(A),(B)に示すように、被写体の大きさをと対応する2か所にタッチ操作がされると、ディスプレイ30に確定キー72および再入力キー74を表示し、ステップS5で確定操作か否を判断する。つまり、確定キー72にタッチ操作がされたかを判断する。ステップS5で“NO”であれば、つまり確定キー72にタッチ操作がされなければ、ステップS7で再入力操作か否かを判断する。つまり、再入力キー74にタッチ操作がされたかを判断する。ステップS7で“YES”であれば、つまり再入力キー74にタッチ操作がされると、ステップS3に戻る。一方、ステップS7で“NO”であれば、つまり再入力キー74にもタッチ操作がされていなければ、ステップS5に戻る。
【0091】
そして、ステップS5で“YES”であれば、つまり確定キー72にタッチ操作がされると、ステップS9で画像上の大きさを記憶する。たとえば、図5(B)に示す消しゴムの上部と下部との長さ(大きさ)が、画像バッファ332に一時的に記憶される。なお、ステップS9の処理を実行するプロセッサ24は取得部として機能する。
【0092】
続いて、ステップS11では、実際の大きさが入力されたか否かを判断する。たとえば、ステップS11の処理が実行されると、ディスプレイ30には、図8に示すように、実物の大きさの入力を促す文字列が表示される。そして、実際の被写体の大きさがタッチ操作によって入力されたかが判断される。ステップS11で“NO”であれば、たとえばタッチ操作が全くされていなければ、ステップS11の処理を繰り返して実行する。また、ステップS11で“YES”であれば、たとえば図8に示すように、実際の被写体の大きさに対する2点にタッチ操作がされると、ステップS13で参考画像76を表示する。たとえば、図9に示すように、タッチ位置Pを含む参考画像76がディスプレイ30に表示される。また、併せて確定キー72および再入力キー74も表示される。
【0093】
続いて、ステップS15では確定操作がされたか否かを判断する。ステップS15で“NO”であれば、たとえば図9に示す確定キー72にタッチ操作がされなければ、ステップS17で再入力操作がされたか否かを判断する。ステップS17で“YES”であれば、たとえば図9に示す再入力キー74にタッチ操作がされると、ステップS11に戻る。たとえば、ディスプレイ30の表示が図9の状態から図7の状態に戻る。また、ステップS17で“NO”であれば、たとえば図9に示す再入力キー74にもタッチ操作がされなければ、ステップS15に戻る。
【0094】
また、ステップS15で“YES”であれば、たとえば図9に示す確定キー72にタッチ操作がされると、ステップS19で実際の被写体の大きさが記憶される。たとえば、図8に示す実物の消しゴムの上部と下部との長さ(大きさ)が、実物バッファ334に一時的に記憶される。なお、ステップS19の処理を実行するプロセッサ24は、設定部として機能する。
【0095】
続いて、ステップS21では比率を算出する。たとえば、画像バッファ332と実物バッファ334とに一時的に記憶されている2つの長さ(大きさ)に基づいて、被写体画像の消しゴムの大きさと実際の消しゴムの大きさとの比率を算出する。そして、算出された比率は比率バッファ336に一時的に記憶される。なお、ステップS21の処理を実行するプロセッサ24は算出部として機能する。
【0096】
図17を参照して、ステップS23では、実物大画像を作成する。つまり、算出された比率に基づいて、被写体画像に拡大処理または縮小処理を加えることで、実物大画像を作成する。また、作成された実物大画像は実物大画像バッファ338に一時的に記憶される。なお、ステップS23の処理を実行するプロセッサ24は作成部として機能する。
【0097】
ステップS25では実物大画像の画像サイズが表示範囲よりも大きいか否かを判断する。たとえば、実物大画像バッファ338に記憶されている、実物大画像の画像サイズ(画素数)が、ディスプレイ30の表示範囲よりも大きいか否かを判断する。ステップS25で“YES”であれば、たとえば図14に示す実物大画像が実物大画像バッファ338に記憶されていれば、ステップS27で高画質化処理を実行する。たとえば、上述した鮮鋭化処理および平滑化処理などを加えることで、実物大画像を高画質化する。続いて、ステップS29では、実物大画像およびスクロールバー80を表示して、実物大表示処理を終了する。たとえば、図14に示すように実物大画像およびスクロールバー80をディスプレイ30に表示する。なお、ステップS27の処理を実行するプロセッサ24は高画質化部として機能する。
【0098】
一方、ステップS25で“NO”であれば、たとえば図10に示す実物大画像が実物大画像バッファ338に記憶されていれば、ステップS31で実物大画像を表示し、実物大表示処理を終了する。つまり、実物大画像バッファ338に一時的に記憶されている実物大画像がディスプレイ30に表示される。
【0099】
なお、ステップS29,S31の処理を実行するプロセッサ24は、実物大画像表示部として機能する。
【0100】
ここで、ステップS1で“YES”である場合、つまり被写体画像のメタ情報に比率が含まれていれば、ステップS33で画像に対応付けられた比率を読み出す。つまり、メタ情報に含まれている比率が読み出される。そして、ステップS23では、読み出された比率に基づいて、実物大画像を作成する。
【0101】
なお、他の実施例では、ステップS5,S7およびステップS13−S17は省略されてもよい。つまり、2か所目にタッチ操作がされると、確定キー72および再入力キー74を表示することなく、被写体画像における被写体の大きさや、被写体の実際の大きさが記憶される。
【0102】
<第2実施例>
第2実施例では、タッチパネル38を利用せずに比率を入力する。なお、第2実施例では、第1実施例で説明した、RAM34のメモリマップおよび実物大画像表示処理のフロー図などは、略同じであるため詳細な説明は省略する。
【0103】
まず、第2実施例の携帯電話機10は、タッチパネル38を備えていない。そのため、図1に示す携帯電話機10の電気的な構成において、タッチパネル制御回路36およびタッチパネル38を省いたものが、第2実施例の携帯電話機10の電気的な構成となる。
【0104】
図18(A)はストレート型の携帯電話機10の表面の外観を示す外観図であり、図18(B)はストレート型の携帯電話機の裏面の外観を示す外観図である。図18(A),(B)を参照して、携帯電話機10は、平面矩形の筐体Cを有する。
【0105】
図示しないマイク18は、筐体Cに内蔵され、内蔵されたマイク18に通じる開口OP2は第2筐体C2の縦方向一方の上面に設けられる。同じく、図示しないスピーカ22は筐体Cに内蔵され、内蔵されたスピーカ22に通じる開口OP1は、筐体Cの縦方向一方の表面に設けられる。さらに、図示しないスピーカ22に通じる開口OP2は、筐体Cの縦方向他方の表面に設けられる。
【0106】
キー入力装置26は、通話キー26a、機能キー26bおよび終話キー26cに加えて、カーソルキー26dおよび「0」〜「9」の数字キーを含むテンキー26eを含む。そして、これらのキーは、筐体Cの表面に設けられる。また、ディスプレイ30は、モニタ画面が筐体Cの表面に露出するように取り付けられる。なお、本実施例では、機能キー26cおよびカーソルキー26dをまとめて「操作キー」と言うこともある。
【0107】
カメラモジュールは筐体Cに内蔵されており、カメラモジュールのフォーカスレンズ40に通じる開口OP3は、筐体Cの縦方向他方の裏面に設けられる。なお、開口OP3は、無色透明なプラスチックなどで塞がれることもある。
【0108】
たとえば、使用者は、ディスプレイ30を確認しながら、テンキー26eを操作して電話番号を入力し、通話キー26aによって発呼操作を行い、終話キー26cによって通話終了操作を行う。また、使用者は、機能キー26bを操作することでメニュー画面を表示し、カーソルキー26dなどによって任意のメニューを選択することができる。さらに、使用者は、機能キー26bを操作することで、選択されたメニューを確定することができる。そして、使用者は、終話キー26cを長押しすることで携帯電話機10の電源をオン/オフする。
【0109】
また、使用者は、筐体Cの裏面を被写体に向けて撮影操作を行うことで、被写体の画像を撮影することができる。
【0110】
なお、アンテナ12、無線通信回路14、プロセッサ24、表示ドライバ28、フラッシュメモリ32、RAM34およびカメラモジュールなどは、筐体Cに内蔵されており、図18(A),(B)では、図示されない。
【0111】
ここで、第2実施例では、操作キーおよびテンキー26eを利用して、比率を入力する。まず、図19(A)を参照して、被写体画像が表示されている状態で、実物大キー70が操作されると、被写体画像と矢印カーソルYとがディスプレイ30に表示される。この矢印カーソルYは、カーソルキー26dによって表示位置を操作することができる。そして、第2実施例では、この矢印カーソルYを利用して、被写体画像における被写体(またはその一部)の大きさを入力することができる。つまり、図19(A),(B)に示すように、使用者は、消しゴム(被写体)の上部および下部に矢印カーソルYを移動させて、機能キー26bを操作することで、被写体画像における消しゴムの大きさを入力することができる。
【0112】
次に、図20を参照して、操作キーによって被写体画像における消しゴムの大きさが入力されると、図8と同様、被写体の実際の大きさの入力を促す文字列が機能表示領域62に表示される。また、その文字列に加えて、入力ボックス82および確定キー72が表示される。この、確定キー72は機能キー26cと対応している。つまり、確定キー72が表示されている場合、使用者は機能キー26cを押下することで、確定キー72を操作することができる。そして、使用者は、実際の被写体の長さの数値をテンキー26eによって入力した後に、確定キー72を操作すれば、実際の消しゴム(被写体)の大きさを入力することができる。
【0113】
このようにして、被写体画像における被写体および実際の被写体の大きさが入力されると、第1実施例と同様、大きさの比率が算出される。そして、実物大画像が作成され、ディスプレイ30に表示される。
【0114】
以上の説明から分かるように、第2実施例では、キー入力装置26を利用して、被写体画像における被写体の大きさと実際の被写体の大きさとを容易に入力することができる。
【0115】
なお、いわゆるフィーチャーフォンと呼ばれる携帯電話機10は、機能キー26c、カーソルキー26dおよびテンキー26eを備えていることが多いため、上述した第2実施例は、フィーチャーフォンでも容易に実施することができる。
【0116】
また、他の実施例では、長さの単位を「cm」から「inch(インチ)」などに任意に変更できるようにされていてもよい。
【0117】
また、その他の実施例では、確定キー26cおよびカーソルキー26dに代えて、ポインティングスティック(TrackPoint(登録商標)、アキュポイント(登録商標)、ニューロポインタ(登録商標)ともいう)や、トラックボールなどが操作キーとして設けられてもよい。
【0118】
ここで、第2実施例の実物大表示処理では、ステップS3の処理が実行されると、図19(A)に示す矢印カーソルYがディスプレイ30に表示される。また、矢印カーソルYを利用して入力された、被写体画像における消しゴムの大きさはステップ5の処理で記憶される。また、第2実施例では、ステップS11の処理が省略され、ステップS13,S15が実行される。つまり、ステップS15の処理が実行されると、ディスプレイ30には図20に示すGUIが表示される。また、ステップS15で“NO”である場合、つまり確定キー72にタッチ操作がさない場合は、ステップS17が省略され、ステップS15が繰り返される。そして、確定キー72にタッチ操作がされると、ステップS15で“YES”と判断され、テンキー26eおよび機能キー26cを利用して入力された数値は、実際の消しゴム(被写体)の大きさとして、ステップS19の処理で記憶される。
【0119】
<第3実施例>
第3実施例では、静電容量方式のタッチパネル38に代えて、抵抗膜式のタッチパネル38を利用することで、より簡単に比率を入力できるようにする。なお、第3実施例の携帯電話機10は、第1実施例と略同じであるため、携帯電話機10の電気的な構成および外観などの説明は省略する。
【0120】
第3実施例では、実物大キー70が操作されると、被写体画像から被写体の輪郭線が抽出され、その輪郭線が被写体画像における被写体の大きさとして、RAM34のバッファに一時的に記憶される。つまり、第3実施例では、使用者は被写体画像における被写体の大きさを直接入力する必要はない。なお、背景から被写体の輪郭線を抽出する処理については、広く一般的に行われているため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0121】
また、図21を参照して、被写体の輪郭線が記憶されると、ディスプレイ30の機能表示領域62には、「実物を置いてください。」の文字列が表示される。この状態で、使用者が、抵抗膜式のタッチパネル38に被写体(消しゴム)を押し付けると、被写体によるタッチ範囲を表す座標から輪郭線が抽出される。また、輪郭線が抽出され、タッチパネル38に置かれた被写体がタッチパネル38から離されると、抽出された輪郭線が図22のように表示される。また、輪郭線と共に、確定キー72および再入力キー74も表示される。この状態で、再入力キー74にタッチ操作されると、図21に状態に戻り、確定キー72にタッチ操作がされると、抽出された輪郭線を表す座標がタッチバッファ330に記憶される。そして、そのタッチ範囲の輪郭線は、実際の消しゴム(被写体)の大きさとして、RAM34のバッファに一時的に記憶される。
【0122】
さらに、タッチ範囲の輪郭線が被写体の大きさとして記憶されると、RAM34に記憶された2つの輪郭線から、被写体画像における被写体の大きさと実際の被写体の大きさとの比率が算出される。そして、第3実施例でも、第1実施例と同様、実物大画像がディスプレイ30に表示される。
【0123】
このように、第3実施例では、抵抗膜式のタッチパネル38を利用することで、使用者は、より簡単に比率を入力することができる。
【0124】
なお、他の実施例では、タッチパネル38の上に置かれた物体のタッチを検出できるのであれば、抵抗膜式のタッチパネル38だけに限らず、他の方式のタッチパネル38が採用されてもよい。
【0125】
また、図22に示す輪郭線では、その内側が塗りつぶされているが、被写体画像を参照できるように輪郭線の内側が塗りつぶされていなくてもよい。
【0126】
図23は、第3実施例のRAM34のメモリマップにおける、データ記憶領域304を示す図解図である。第3実施例のデータ記憶領域304には、図15に示す第1実施例のバッファなどに加えて、画像輪郭線バッファ340およびタッチ輪郭線バッファ342などがさらに設けられる。
【0127】
画像輪郭線バッファ340には、被写体画像から抽出された被写体の輪郭線が一時的に記憶される。また、タッチ輪郭線バッファ342には、タッチバッファ330に記憶されている、被写体のタッチ範囲から抽出された輪郭線が一時的に記憶される。
【0128】
なお、図示は省略するが、データ記憶領域304には、第3実施例で利用されるGUIの文字列などが記憶されると共に、輪郭線を抽出するために必要なカウンタや、フラグなども設けられる。
【0129】
第3実施例のプロセッサ24は、AndroidおよびREXなどのLinuxベースのOSや、その他のOSの制御下で、図24に示す実物大表示処理を含む複数のタスクを並列的に処理する。
【0130】
図24は第3実施例の実物大表示処理のフロー図である。なお、このフロー図では、図16に示す実物大表示処理と同じステップには同一のステップ番号を付与し、詳細な説明は省略する。
【0131】
プロセッサ24は、ステップS1で比率が記憶されているか否かを判断する。ステップS1で“YES”であれば、つまり比率が算出されていれば、ステップS33で画像に対応付けられた比率を読み出し、ステップS23に進む。一方、ステップS1で“NO”であれば、つまり比率が記憶されていなければ、ステップS41で被写体画像から輪郭線を抽出する。たとえば、図3などに示す消しゴム(被写体)の輪郭線が抽出され、その輪郭線が画像輪郭線バッファ340に一時的に記憶される。なお、ステップS41の処理を実行するプロセッサ24は第1抽出部として機能する。
【0132】
続いて、ステップS43では、実物が置かれたか否かを判断する。たとえば、タッチパネル38の上に、消しゴムなどの被写体が押し付けられたかを判断する。ステップS43で“NO”であれば、つまり被写体がタッチパネル38に押し付けられていなければ、ステップS43の処理が繰り返される。
【0133】
また、ステップS43で“YES”であれば、たとえば、タッチパネル38に消しゴムが押し付けられると、ステップS45でタッチ範囲の輪郭線が抽出される。たとえば、消しゴムを押し付けることによって得られたタッチ範囲の輪郭線が抽出される。なお、ステップS45の処理を実行するプロセッサ24は第2抽出部として機能する。
【0134】
続いて、ステップS47では、輪郭線を表示する。たとえば、抽出された輪郭線を、図22に示すように表示する。また、輪郭線とともに、確定キー72および再入力キー74も表示される。続いて、ステップS15では確定操作か否かを判断する。たとえば、図22に示す確定キー72が操作されなければ、ステップS15で“NO”と判断され、ステップS17で再入力操作か否かを判断する。そして、ステップS17で“YES”であれば、つまり再入力キー74にタッチ操作がされると、ステップ43に戻る。たとえば、ディスプレイ30の表示が、図22の状態から図21の状態に戻る。一方、ステップS17で“NO”であれば、たとえば再入力キー74にもタッチ操作がされなければ、抽出されたタッチ範囲の輪郭線がタッチ輪郭線バッファ342に記憶され、ステップS49で、2つの輪郭線に基づいて比率が算出される。つまり、画像輪郭線バッファ340およびタッチ輪郭線バッファ342に記憶されている2つの輪郭線に基づいて、被写体画像における被写体の大きさと実際の被写体の大きさとの比率を算出する。なお、ステップS49の処理を実行するプロセッサ24は輪郭線比率算出部として機能する。また、大きさの異なる2つの図形から比率を算出する手法については、広く一般的に利用されているため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0135】
そして、ステップS49の処理を終えると、図17に示すステップS23以降の処理が実行される。つまり、第1実施例と同様に、算出された比率に基づいて実物大画像がディスプレイ30に表示される。そして、ステップS29またはステップS31の処理が終了すれば、第3実施例の実物大表示処理が終了する。
【0136】
なお、第1実施例および第3実施例は任意に組み合わせられてもよい。たとえば、携帯電話機10には、第1実施例モードおよび第3実施例モードを選択できるようにし、使用者は2つのモードを任意に選択できてもよい。
【0137】
また、他の実施例では、被写体画像における被写体の大きさがタッチパネル38を利用して入力された後に「0」−「9」の数字キーを表示し、その数字キーによって実際の被写体の大きさが第2実施例のように入力されてもよい。
【0138】
また、その他の実施例では、使用者が、表示されている実物大画像を、フラッシュメモリ32に保存できるようにしてもよい。
【0139】
また、さらにその他の実施例では、メタ情報に比率が含まれる画像ファイルが、メールなどを利用して、他の携帯電話機に送付されてもよい。そして、他の携帯電話機でも本実施例の携帯電話機10と同様に、実物大画像を表示できてもよい。
【0140】
また、その他の実施例では、RAM34に比率テーブルを設け、算出された比率は、メタ情報ではなく、比率テーブルに記録されてもよい。
【0141】
また、携帯電話機10の通信方式はCDMA方式であるが、LTE(Long Term Evolution)方式、W−CDMA方式、GSM方式、TDMA方式、FDMA方式およびPHS方式などが採用されてもよい。
【0142】
また、本実施例で用いられた複数のプログラムは、データ配信用のサーバのHDDに記憶され、ネットワークを介して携帯電話機10に配信されてもよい。また、CD,DVD,BD(Blu−ray Disc)などの光学ディスク、USBメモリおよびメモリカードなどの記憶媒体に複数のプログラムを記憶させた状態で、その記憶媒体が販売または配布されてもよい。そして、上記したサーバや記憶媒体などを通じてダウンロードされた、複数のプログラムが本実施例と同等の構成の携帯電話機にインストールされた場合、本実施例と同等の効果が得られる。
【0143】
さらに、本実施例は、携帯電話機10のみに限らず、いわゆるスマートフォンおよびPDA(Personal Digital Assistant)に適用されてもよい。
【符号の説明】
【0144】
10 … 携帯電話機
12 … アンテナ
14 … 無線通信回路
24 … プロセッサ
26 … キー入力装置
34 … RAM
36 … タッチパネル制御回路
38 … タッチパネル
40 … カメラ制御回路
42 … イメージセンサ
44 … フォーカスレンズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体の画像を出力するカメラモジュールおよび前記カメラモジュールが出力する被写体画像を表示する表示部を有する、携帯端末であって、
前記表示部によって表示された被写体画像の大きさを取得する取得部、
前記被写体の大きさを設定する設定部、
前記取得部によって取得された被写体画像の大きさと前記設定部によって設定された前記被写体の実際の大きさとに基づいて比率を算出する算出部、
前記算出部によって算出された比率に基づいて、前記被写体画像から実物大画像を作成する作成部、および
前記作成部によって作成された実物大画像を前記表示部に表示する実物大画像表示部を備える、携帯端末。
【請求項2】
前記取得部は、前記被写体画像の少なくとも一部の大きさを取得し、
前記設定部は、前記取得部によって取得された前記被写体画像の少なくとも一部に対応する大きさを設定し、
前記算出部は、前記取得部によって取得された被写体画像の少なくとも一部の大きさと前記設定部によって設定された前記被写体の少なくとも一部の大きさとに基づいて比率を算出する、請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
前記表示部の上に設けられるタッチパネル、および
前記タッチパネルのタッチ有効範囲内のタッチ操作を検出する検出部をさらに備え、
前記取得部は、前記タッチパネルに対する2か所のタッチ操作に基づいて被写体画像の大きさを取得し、
前記設定部は、前記取得部によって被写体画像の大きさが取得された後に、前記タッチパネルに対する2か所のタッチ操作に基づいて前記被写体の実際の大きさを設定する、請求項1または2記載の携帯端末。
【請求項4】
操作キーおよびテンキーを含むキー入力装置をさらに備え、
前記取得部は、前記操作キーによって指定された2点に基づいて被写体画像の大きさを取得し、
前記設定部は、前記テンキーによって入力された数値を前記被写体の大きさとして設定する、請求項1または2記載の携帯端末。
【請求項5】
前記表示部の上に設けられるタッチパネル、および
前記タッチパネルのタッチ有効範囲内のタッチ操作を検出する検出部をさらに備え、
前記取得部は、前記表示部に表示された被写体画像の輪郭線を抽出する第1抽出部を含み、
前記設定部は、前記タッチパネルの上に前記被写体を置くことで検出されたタッチ範囲の輪郭線を抽出する第2抽出部を含み、
前記算出部は、前記第1抽出部によって抽出された輪郭線と前記第2抽出部によって抽出された輪郭線とに基づいて、それらの比率を算出する輪郭線比率算出部を含む、請求項1または2記載の携帯端末。
【請求項6】
実物大画像表示部は、前記作成部によって作成された実物大画像の大きさが前記表示部の表示範囲よりも大きいとき、その実物大画像をスクロール可能に表示する、請求項1ないし5のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項7】
被写体の画像を出力するカメラモジュールおよび前記カメラモジュールが出力する被写体画像を表示する表示部を有する、携帯端末のプロセッサを、
前記表示部によって表示された被写体画像の大きさを取得する取得部、
前記被写体の大きさを設定する設定部、
前記取得部によって取得された被写体画像の大きさと前記設定部によって設定された前記被写体の実際の大きさとに基づいて比率を算出する算出部、
前記算出部によって算出された比率に基づいて、前記被写体画像から実物大画像を作成する作成部、および
前記作成部によって作成された実物大画像を前記表示部に表示する実物大画像表示部として機能させる、実物大表示プログラム。
【請求項8】
被写体の画像を出力するカメラモジュールおよび前記カメラモジュールが出力する被写体画像を表示する表示部を有する、携帯端末の実物大表示方法であって、
前記表示部によって表示された被写体画像の大きさを取得し、
前記被写体の大きさを設定し、
取得された被写体画像の大きさと設定された前記被写体の実際の大きさとに基づいて比率を算出し、
算出された比率に基づいて、前記被写体画像から実物大画像を作成し、そして
作成された実物大画像を前記表示部に表示する、実物大表示方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate


【公開番号】特開2012−247618(P2012−247618A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−119171(P2011−119171)
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
2.GSM
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】