説明

携帯端末、画像表示装置及び画像表示システム

【課題】セキュリティを確保しつつ簡易に携帯端末から画像表示装置に画像データの取り込みを行う。
【解決手段】撮像手段12と、前記撮像手段で撮像された画像から顔を認識して、顔解析情報を生成する解析手段10と、前記顔解析情報に基づいて指標を生成する指標生成手段10と、前記撮像手段でユーザの顔を撮像して生成された、前記ユーザの顔、顔解析情報、前記ユーザの指標のうちの少なくとも1つをユーザ情報として記憶するユーザ情報記憶手段24と、前記指標を表示する表示手段36と、前記撮像手段で被写体を撮像して生成された撮像画像に含まれる前記被写体の顔、顔解析情報、前記被写体の指標の少なくとも1つと、前記ユーザの顔、顔解析情報、前記ユーザの指標との少なくとも1つとを照合して、前記撮像画像に前記ユーザ情報が含まれるか否かを判定する判定手段10と、前記判定手段で前記撮像画像に前記ユーザ情報が含まれると判定されたときに、前記表示手段に前記指標の表示を許可する表示制御手段26とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末、画像表示装置、及び該携帯端末と該画像表示装置を備える画像表示システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルカメラで撮影した画像を表示し鑑賞することが可能なデジタルフォトフレーム(以下、DPFという。)が存在する。デジタルカメラで撮影した画像をDPFにおいて表示する場合には、DPFはメモリカード、有線接続または無線通信によりデジタルカメラから画像データを取り込む必要がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−224715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のデジタルカメラからDPFへの画像データの取り込みには手間がかかり、また不特定の者がデジタルカメラからDPFへの画像データの取り込みを行うことができるためセキュリティの確保が困難であった。
【0005】
本発明の目的は、セキュリティを確保しつつ簡易に携帯端末から画像表示装置に画像データの取り込みを行うことができる携帯端末、画像表示装置、及び該携帯端末と該画像表示装置を備える画像表示システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の携帯端末は、撮像手段と、前記撮像手段で撮像された画像から顔を認識して、顔解析情報を生成する解析手段と、前記顔解析情報に基づいて指標を生成する指標生成手段と、前記撮像手段でユーザの顔を撮像して生成された、前記ユーザの顔、顔解析情報、前記ユーザの指標のうちの少なくとも1つをユーザ情報として記憶するユーザ情報記憶手段と、前記指標を表示する表示手段と、前記撮像手段で被写体を撮像して生成された撮像画像に含まれる前記被写体の顔、顔解析情報、前記被写体の指標の少なくとも1つと、前記ユーザの顔、顔解析情報、前記ユーザの指標との少なくとも1つとを照合して、前記撮像画像に前記ユーザ情報が含まれるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段で前記撮像画像に前記ユーザ情報が含まれると判定されたときに、前記表示手段に前記指標の表示を許可する表示制御手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の画像表示装置は、画像を表示する表示手段と、撮像手段と、携帯端末から画像データを受信する受信手段と、前記撮像手段で撮像された画像から顔を認識して、顔解析情報を生成する解析手段と、前記撮像手段で撮像された画像から顔解析情報を含む指標を認識して、前記指標から顔解析情報を読み取る指標解析手段と、前記撮像手段により撮像された、顔と前記顔解析情報を含む指標を同一画角内に収めた被写体の撮像画像に基づき、前記解析手段で生成された前記顔解析情報と前記指標解析手段で読み取られた前記顔解析情報とが同じであるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により前記解析手段で生成された前記顔解析情報と前記指標解析手段で読み取られた前記顔解析情報とが同じであると判定されたときに、前記受信手段に画像データの受信を許可する受信制御手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の画像表示システムは、携帯端末と画像表示装置を備える画像表示システムであって、前記携帯端末は、第1撮像手段と、前記撮像手段で撮像された画像から顔を認識して、顔解析情報を生成する第1解析手段と、前記顔解析情報に基づいて指標を生成する指標生成手段と、前記撮像手段でユーザの顔を撮像して生成された、前記ユーザの顔、顔解析情報、前記ユーザの指標のうちの少なくとも1つをユーザ情報として記憶する第1ユーザ情報記憶手段と、前記指標を表示する第1表示手段と、前記撮像手段で被写体を撮像して生成された撮像画像に含まれる前記被写体の顔、顔解析情報、前記被写体の指標の少なくとも1つと、前記ユーザの顔、顔解析情報、前記ユーザの指標との少なくとも1つとを照合して、前記撮像画像に前記ユーザ情報が含まれるか否かを判定する第1判定手段と、前記判定手段で前記撮像画像に前記ユーザ情報が含まれると判定されたときに、前記表示手段に前記指標の表示を許可する表示制御手段とを備え、前記画像表示装置は、画像を表示する第2表示手段と、第2撮像手段と、前記携帯端末から画像データを受信する受信手段と、前記撮像手段で撮像された画像から顔を認識して、顔解析情報を生成する第2解析手段と、前記撮像手段で撮像された画像から顔解析情報を含む指標を認識して、前記指標から顔解析情報を読み取る指標解析手段と、前記撮像手段により撮像された、顔と前記顔解析情報を含む指標を同一画角内に収めた被写体の撮像画像に基づき、前記解析手段で生成された前記顔解析情報と前記指標解析手段で読み取られた前記顔解析情報とが同じであるか否かを判定する第2判定手段と、前記判定手段により前記解析手段で生成された前記顔解析情報と前記指標解析手段で読み取られた前記顔解析情報とが同じであると判定されたときに、前記携帯端末から前記受信手段に画像データの受信を許可する受信制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、セキュリティを確保しつつ簡易に携帯端末から画像表示装置に画像データの取り込みを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施の形態に係る画像表示システムの構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態に係る画像表示システムにおける携帯端末から画像表示装置に対する画像データの送信処理を示すフローチャートである。
【図3】実施の形態に係る画像表示システムにおける携帯端末から画像表示装置に対する画像データの送信の状態を示す図である。
【図4】実施の形態に係る画像表示システムにおける携帯端末から画像表示装置に対する画像データの送信の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態に係る画像表示システムについて説明する。図1は実施の形態に係る画像表示システムのシステム構成を示すブロック図である。図1に示すように画像表示システム1は、携帯端末として機能するデジタルカメラ2と画像表示装置として機能するDPF4を備えている。
【0012】
デジタルカメラ2は、マイクロプロセッサ等により構成されデジタルカメラ2の各部を統括的に制御するCPU10を備えている。CPU10には、撮像部12、電源コントローラ14、カードコントローラ16、ジャイロセンサ18、WiFiドライバ20、I/Fドライバ22、メモリ24及びLCDドライバ26が接続されている。
【0013】
撮像部12は、CCD、CMOS等により構成される撮像素子を有し、撮影レンズ(図示せず)を介した被写体からの光を撮像しCPU10に対して撮像信号を出力する。電源コントローラ14は、バッテリ28からCPU10に対する電力の供給の制御を行なう。カードコントローラ16は、カードスロット30に装着されたSDカード、CFカード等31に対するデータの書き込み及び読み出しの制御を行なう。ジャイロセンサ18は、デジタルカメラ2の姿勢の検出を行い検出結果をCPU10に対して出力する。
【0014】
WiFiドライバ20は、WiFi送受信部32を制御し、DPF4との間におけるデータ通信を行なう。I/Fドライバ22は、電源スイッチ、レリーズボタン等を備える操作スイッチ34の操作状態を検出してCPU10に対して出力する。メモリ24は、撮像部12から出力された撮像信号に基づく画像データ等を記憶する。LCDドライバ26は、デジタルカメラ2の背面に配置されるLCDパネルを備えるディスプレイ36の表示制御を行なう。
【0015】
DPF4は、マイクロプロセッサ等により構成されDPF4の各部を統括的に制御するCPU40を備えている。CPU40には、撮像部42、USBコントローラ44、カードコントローラ46、電源コントローラ48、I/Fドライバ50、メモリ52、LCDドライバ54及びWiFiドライバ56が接続されている。
【0016】
撮像部42は、CCD、CMOS等により構成される撮像素子を有し、撮影レンズ(図示せず)を介した被写体からの光を撮像しCPU40に対して撮像信号を出力する。USBコントローラ44は、USBコネクタ58を介して接続されるPC(パーソナルコンピュータ)等60との間のデータ通信の制御を行なう。カードコントローラ46は、カードスロット62に装着されたSDカード、CFカード等64に対するデータの書き込み及び読み出しの制御を行なう。電源コントローラ48は、バッテリ66及びAC電源68からCPU40に対する電力の供給の制御を行なう。
【0017】
I/Fドライバ50は、電源スイッチ等を備える操作スイッチ70の操作状態を検出してCPU40に対して出力する。メモリ52は、撮像部42から出力された撮像信号に基づく画像データ等を記憶する。LCDドライバ54は、ディスプレイ72の表示制御を行なう。WiFiドライバ56は、WiFi送受信部74を制御し、デジタルカメラ2との間におけるデータ通信を行なう。
【0018】
次に、図2に示すフローチャートを参照して、本発明の実施の形態に係る画像表示システム1におけるデジタルカメラ2からDPF4に対する画像データの送信処理について説明する。まず、デジタルカメラ2のユーザは、デジタルカメラ2が自身の所有物であることをデジタルカメラ2に登録するために自身の顔にデジタルカメラ2を向けた状態で撮像を行う。CPU10は、顔認識解析により撮像部12から出力された画像データに基づいて、画像データの中に存在するユーザの顔を解析し、解析されたユーザの顔及び解析結果の情報である顔解析情報をメモリ24に記憶する。また、撮像部12から出力された画像データに基づいて、ユーザの顔認識情報を含む所定の画像パターンにより構成される指標(マーカー)を作成し、作成された指標のデータをメモリ24に記憶する。ここで、ユーザの顔、顔解析情報及び指標のデータはユーザ情報としてメモリ24に記憶される。
【0019】
デジタルカメラ2の使用を行う使用者はデジタルカメラ2をフォトフレーム連動モードに移行させるために操作スイッチ34を操作する。CPU10は、操作スイッチ34が操作されるとデジタルカメラ2をフォトフレーム連動モードに移行させる(ステップS10)。そして、使用者は自身の顔にデジタルカメラ2を向けた状態で撮像を行う。CPU10は、撮像部12から出力された画像データに基づいて顔認識解析により画像データの中に存在する顔を解析しユーザ情報(ユーザの顔、顔解析情報及び指標のデータ)を取得し、取得されたユーザ情報とメモリ24に記憶されているユーザ情報とを照合する。照合の結果、撮像部12からの画像データの中にメモリ24に記憶されているユーザ情報が少なくとも1つ含まれている場合には、画像データの中に存在する人がユーザとして登録されている人物であると判定する。使用者が登録されているユーザであると判定された場合にCPU10は、WiFi送受信部32によりデジタルカメラ2の至近に存在するDPF4に対して無線通信を確立するための信号の送信を行い、デジタルカメラ2の至近に存在するDPF4から返信される信号をWiFi送受信部32により受信することにより、DPF4との間で相互通信のための認証を行い無線通信を確立する(ステップS11)。CPU10は、デジタルカメラ2の至近に存在するDPF4との間で相互通信が確立できた場合には(ステップS12、Yes)、DPF4をデジタルカメラ2と連動させるための連動情報をDPF4に送信する(ステップS13)。また、メモリ24に記憶されている指標のデータに基づくマーカーをディスプレイ36に表示する(ステップS14)。
【0020】
DPF4のCPU40は、WiFi送受信部74を介しデジタルカメラ2から連動情報を受信すると(ステップS30)、DPF4を連動モードに移行させる(ステップS31)。そして、CPU40は、撮像部42により所定のフレームレートで被写体の撮像を開始し、撮影部42から出力された撮影信号に基づくスルー画像をディスプレイ72に表示する(ステップS32)。ここで、撮像部42により撮像されたスルー画像の画像データは一時的にメモリ52に記憶される。
【0021】
例えば、図3に示すように、DPF4の撮像部42の撮像画角内に、デジタルカメラ2を保持している人の顔とデジタルカメラ2の背面に配置されているディスプレイ36が収まっている場合には、ディスプレイ72にはデジタルカメラ2を保持している人の顔とデジタルカメラ2のディスプレイ36を含むスルー画像が表示される。この場合CPU40は、メモリ52に一時的に記憶された画像データの中からマーカー80を検出し(ステップS33、Yes)、検出されたマーカー80から人の顔の情報(顔認識情報)を読み取る(ステップS34)。また、顔認識解析によりスルー画像の画角内に存在する人の顔を解析する(ステップS35)。
【0022】
そして、検出されたマーカーに基づく顔認識情報(ユーザとして登録されている顔の情報)と顔認識解析による解析結果とを照合し(ステップS36)、解析された人の顔がユーザとして登録されている人物であると判別した場合には(ステップS37、Yes)、WiFi送受信部74を介してデジタルカメラ2に対してメモリ24に記憶されている画像データ一式の送信を要求する信号を送信する(ステップS38)。デジタルカメラ2のCPU10はWiFi送受信部32を介して、DPF4から画像データ一式の送信を要求する信号を受信すると(ステップS15)、メモリ24に記憶されている画像データ一式をDPF4へ送信する(ステップS16)。
【0023】
DPF4のCPU40は、WiFi送受信部74を介してデジタルカメラ2から画像データ一式を受信し(ステップS39)、メモリ52に記憶する。また、ステップS33において検出されたマーカーの位置と形状に基づいて、メモリ52に記憶されている画像データの中の1番目に記憶されている画像データをアフィン変換し、画像全体の形状を所定の形状に変形する(ステップS40)。即ち、図4に示すディスプレイ72に表示されている画像におけるデジタルカメラ2のディスプレイ36上に画像を合成・重畳表示するために画像データをアフィン変換する。そして、ディスプレイ72に表示されている画像におけるデジタルカメラ2のディスプレイ36に表示されているマーカー80上にアフィン変換された画像データに基づく画像82を合成・重畳表示する(ステップS41)。なお、ステップS39において、DPF4のCPU40は、撮像部42からの画像データに基づいて、デジタルカメラ2を保持している人の顔、顔解析情報及び指標のデータを取得し、取得された顔、顔解析情報及び指標のデータとメモリ52に予め記憶されているデジタルカメラ2のユーザのユーザ情報(ユーザの顔、顔解析情報及び指標のデータ)とを照合してもよい。なお、デジタルカメラ2のユーザのユーザ情報は、予めデジタルカメラ2から無線通信等により取得してメモリ52に記憶しておく。この場合には、DPF4のCPU40は、撮像部42からの画像データの中にメモリ52に予め記憶されているユーザ情報が少なくとも1つ含まれていると、デジタルカメラ2から画像データ一式を受信することを許可する。
【0024】
デジタルカメラ2のCPU10は、操作者により操作スイッチ34が操作された、またはジャイロセンサ18によりデジタルカメラ2の姿勢が所定の角度傾いたことが検出された場合には(ステップS17、Yes)、操作スイッチ34の操作またはデジタルカメラ2の姿勢に基づいてディスプレイ36に表示しているマーカー80を、ディスプレイ72に合成・重畳表示されている画像82の表示を制御するための所定の表示に切り替える(ステップS18)。即ち、CPU10は、画像の拡大を指示するための操作スイッチ34の操作またはジャイロセンサ18によるデジタルカメラ2の姿勢の変更の検出が行われた場合には、ディスプレイ72に合成・重畳表示されている画像82の拡大を指示する制御指標を作成して、ディスプレイ36に表示する。
【0025】
DPF4のCPU40は、メモリ52に一時的に記憶された画像データの中から画像82の拡大を指示する制御指標を検出すると(ステップS42、Yes)、ディスプレイ72に合成・重畳表示されている画像82を拡大する処理を行う(ステップS43)。ここで、デジタルカメラ2のCPU10は、画像82の拡大を指示する制御指標以外にも、操作スイッチ34の操作またはジャイロセンサ18により検出されたデジタルカメラ2の姿勢に基づいて、画像82の縮小、回転、次の画像に送る、前の画像に戻る等を指示する制御指標を作成することができる。
【0026】
例えば、操作スイッチ34の操作またはジャイロセンサ18によるデジタルカメラ2の姿勢の変更により、DPF4のディスプレイ72に合成・重畳表示されている画像82を次の画像に送ることを指示する制御指標が作成されディスプレイ36に表示された場合には、DPF4のCPU40は、メモリ52に一時的に記憶された画像データの中から画像82を次の画像に送ることを指示する制御指標を検出すると、ディスプレイ72に合成・重畳表示されている画像82を次の画像に送る処理を行う。即ち、メモリ52に記憶されている画像データの中の2番目に記憶されている画像データをアフィン変換し、アフィン変換された画像データに基づく画像を画像82に代えてディスプレイ72に表示する。
【0027】
本発明の実施の形態に係る画像表示システムによれば、DPFは、DPFの撮像部による撮像画角内に収まっている人がデジタルカメラのユーザと判断した場合には、操作スイッチの操作を必要とせずにデジタルカメラから画像データを受信することができる。従って、セキュリティを確保しつつ簡易にデジタルカメラからDPFに画像データの取り込みを行うことができる。また、DPFのディスプレイにスルー画像が表示されている状態で、DPFのディスプレイに表示されているマーカー上にデジタルカメラから受信した画像データに基づく画像が合成・重畳表示されるため、ユーザはあたかも手の中で画像を操作しているような仮想現実感を得ることができ、煩雑で敬遠されがちな画像データの転送作業を楽しむことができる。
【0028】
なお、上述の実施の形態においては、DPF4において、スルー画像に基づいてデジタルカメラ2のユーザとして登録された人物であるか否かを判別しているが、静止画像に基づいてデジタルカメラ2のユーザとして登録された人物であるか否かを判別するようにしてもよい。この場合には、ディスプレイ72に表示されている静止画像におけるデジタルカメラ2のディスプレイ36上に、デジタルカメラ2から受信した画像データに基づく画像が合成・重畳表示される。これにより、ユーザはデジタルカメラ2を常にDPF4に向けて構える必要が無く、操作姿勢の面では利便性が高いといえる。さらに、DPF4のCPU40に対する処理負荷が軽減され、処理能力が低いより安価なCPUを採用しているDPFでも実現可能である。
【0029】
また、上述の実施の形態においては、デジタルカメラ2から受信した画像データに基づく画像を合成・重畳表示する位置を、DPF4のディスプレイ72に表示されているデジタルカメラ2のディスプレイ72の位置としているが、合成・重畳表示する画像の位置をディスプレイ72に表示されているスルー画像上の任意の場所、オブジェクト等の位置にしてもよい。例えば、DPF4は、顔認識解析によりスルー画像の画角内に存在する人の顔の位置を特定した場合には、特定した顔周辺に自動配置した吹き出しの中に画像を合成・重畳表示してもよい。この場合には、DPF4は、デジタルカメラ2のディスプレイ72に表示されているマーカー80を検出しなくても顔認識解析による解析を行い、デジタルカメラ2との無線通信によりデジタルカメラ2から画像データを受信し、受信した画像データに基づく画像を合成・重畳表示することができる。
【0030】
また、上述の実施の形態においては、DPF4は、デジタルカメラ2から画像データ一式を受信して、DPF4のディスプレイ72に表示されているマーカー80上に受信した画像データに基づく画像82を合成・重畳表示しているが、DPF4のメモリ52に予め記憶されている画像データに基づく画像を合成・重畳表示するようにしてもよい。
【0031】
また、上述の実施の形態においては、デジタルカメラ2とDPF4は無線通信により直接画像データを送受信しているが、デジタルカメラ2がネットワーク上のサーバに画像データを記憶している場合には、DPF4がサーバ上の画像データを取得するようにしてもよい。この場合には、デジタルカメラ2のCPU10は、ユーザの顔認識情報と画像データが記憶されているネットワーク上のサーバのURL情報とを含む指標を作成し、作成された指標に基づくマーカーをディスプレイ36に表示する。DPF4のCPU40は、ディスプレイ36に表示されているマーカーを検出すると、検出されたマーカーからURL情報を読み取り、読み取ったURL情報に基づいてネットワーク上のサーバに接続しサーバ上の画像データを取得する。
【0032】
また、上述の実施の形態において、デジタルカメラ2が表示するマーカー80には、他の機器や自然物のテクスチャと混同しない形状、色、コントラストの幾何学的なパターンを用いることが望ましい。
【0033】
また、上述の実施の形態において、DPF4と画像データの送受信やDPF4のディスプレイ72に合成・重畳表示されている画像の表示を変更する処理を制御するデジタルカメラ2を専用の端末としているが、通信機能、表示用ディスプレイ及び十分な演算能力を備える汎用のデジタルカメラや携帯端末に、DPF4との通信、画像データの送受信、画像データの選択操作等を実現するアプリケーションを導入したものをデジタルカメラ2に代えて用いてもよい。
【符号の説明】
【0034】
1…画像表示システム、2…デジタルカメラ、4…DPF、10,40…CPU、12,42…撮像部、18…ジャイロセンサ、26,54…LCDドライバ、32,74…WiFi送受信部、34,70…操作スイッチ、36,72…ディスプレイ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段と、
前記撮像手段で撮像された画像から顔を認識して、顔解析情報を生成する解析手段と、
前記顔解析情報に基づいて指標を生成する指標生成手段と、
前記撮像手段でユーザの顔を撮像して生成された、前記ユーザの顔、顔解析情報、前記ユーザの指標のうちの少なくとも1つをユーザ情報として記憶するユーザ情報記憶手段と、
前記指標を表示する表示手段と、
前記撮像手段で被写体を撮像して生成された撮像画像に含まれる前記被写体の顔、顔解析情報、前記被写体の指標の少なくとも1つと、前記ユーザの顔、顔解析情報、前記ユーザの指標との少なくとも1つとを照合して、前記撮像画像に前記ユーザ情報が含まれるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段で前記撮像画像に前記ユーザ情報が含まれると判定されたときに、前記表示手段に前記指標の表示を許可する表示制御手段と
を備えることを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記画像表示装置におけるユーザ認証が完了した場合に、前記画像表示装置に対して前記画像データ記憶部に記憶されている前記画像データを送信する送信部を備えることを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
該携帯端末の姿勢を検出する検出部を備え、
前記指標作成部は、前記検出部における検出結果に基づいて前記画像表示装置において表示されている画像の制御を行うための画像制御情報を含む制御指標を作成し、
前記表示制御部は、前記表示部に前記制御指標を表示することを特徴とする請求項1または2記載の携帯端末。
【請求項4】
前記指標は、前記画像データが記憶されているネットワーク上のサーバのURL情報を含むことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記送信部は、無線通信部であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の携帯端末。
【請求項6】
画像を表示する表示手段と、
撮像手段と、
携帯端末から画像データを受信する受信手段と、
前記撮像手段で撮像された画像から顔を認識して、顔解析情報を生成する解析手段と、
前記撮像手段で撮像された画像から顔解析情報を含む指標を認識して、前記指標から顔解析情報を読み取る指標解析手段と、
前記撮像手段により撮像された、顔と前記顔解析情報を含む指標を同一画角内に収めた被写体の撮像画像に基づき、前記解析手段で生成された前記顔解析情報と前記指標解析手段で読み取られた前記顔解析情報とが同じであるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記解析手段で生成された前記顔解析情報と前記指標解析手段で読み取られた前記顔解析情報とが同じであると判定されたときに、前記受信手段に画像データの受信を許可する受信制御手段と
を備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項7】
前記撮像手段でユーザの顔を撮像して生成された、前記ユーザの顔、顔解析情報、前記ユーザの指標のうちの少なくとも1つをユーザ情報として記憶するユーザ情報記憶手段を備え、
前記判定手段は、前記撮像手段で被写体を撮像して生成された前記被写体の顔、顔解析情報、前記被写体の指標の少なくとも1つと、前記ユーザの顔、顔解析情報、前記ユーザの指標との少なくとも1つとを照合して、前記撮像画像に前記ユーザ情報が含まれるか否かを判定し、
前記受信制御手段は、前記判定手段が前記撮像画像に前記ユーザ情報が含まれると判定したときに、前記受信手段に画像データの受信を許可することを特徴とする請求項6記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記表示部に表示されている前記携帯端末の表示部の位置及び形状に合わせて前記受信部を介して受信した前記画像データに基づく画像の変形を行う画像変形部を備え、
前記表示制御部は、前記画像変形部により変形した画像を前記表示部に表示されている前記携帯端末の表示部上に重畳表示することを特徴とする請求項6または7記載の画像表示装置。
【請求項9】
前記撮像部により、前記携帯端末の表示部に表示されている画像制御情報を含む制御指標を撮像した場合には、前記制御指標に含まれる画像制御情報に基づいて、前記表示部に表示されている画像の制御を行う画像制御部を備えることを特徴とする請求項6〜8の何れか一項に記載の画像表示装置。
【請求項10】
前記指標に前記画像データが記憶されているネットワーク上のサーバのURL情報が含まれている場合には、前記受信部は、前記URL情報により示される前記サーバから前記画像データを受信することを特徴とする請求項6〜9の何れか一項に記載の画像表示装置。
【請求項11】
前記受信部は、無線通信部であることを特徴とする請求項6〜10の何れか一項に記載の画像表示装置。
【請求項12】
携帯端末と画像表示装置を備える画像表示システムであって、
前記携帯端末は、第1撮像手段と、
前記撮像手段で撮像された画像から顔を認識して、顔解析情報を生成する第1解析手段と、
前記顔解析情報に基づいて指標を生成する指標生成手段と、
前記撮像手段でユーザの顔を撮像して生成された、前記ユーザの顔、顔解析情報、前記ユーザの指標のうちの少なくとも1つをユーザ情報として記憶する第1ユーザ情報記憶手段と、
前記指標を表示する第1表示手段と、
前記撮像手段で被写体を撮像して生成された撮像画像に含まれる前記被写体の顔、顔解析情報、前記被写体の指標の少なくとも1つと、前記ユーザの顔、顔解析情報、前記ユーザの指標との少なくとも1つとを照合して、前記撮像画像に前記ユーザ情報が含まれるか否かを判定する第1判定手段と、
前記判定手段で前記撮像画像に前記ユーザ情報が含まれると判定されたときに、前記表示手段に前記指標の表示を許可する表示制御手段と
を備え、
前記画像表示装置は、
画像を表示する第2表示手段と、
第2撮像手段と、
前記携帯端末から画像データを受信する受信手段と、
前記撮像手段で撮像された画像から顔を認識して、顔解析情報を生成する第2解析手段と、
前記撮像手段で撮像された画像から顔解析情報を含む指標を認識して、前記指標から顔解析情報を読み取る指標解析手段と、
前記撮像手段により撮像された、顔と前記顔解析情報を含む指標を同一画角内に収めた被写体の撮像画像に基づき、前記解析手段で生成された前記顔解析情報と前記指標解析手段で読み取られた前記顔解析情報とが同じであるか否かを判定する第2判定手段と、
前記判定手段により前記解析手段で生成された前記顔解析情報と前記指標解析手段で読み取られた前記顔解析情報とが同じであると判定されたときに、前記携帯端末から前記受信手段に画像データの受信を許可する受信制御手段と
を備えることを特徴とする画像表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−88984(P2012−88984A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−236088(P2010−236088)
【出願日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】