説明

携帯端末による情報通信方式

【課題】広告宣伝媒体若しくは商品に付せられた2次元コードを携帯電話等の携帯端末で読取って、自動的に内容を認識して画像・音声配信情報を発信して携帯端末に画像・音声情報を取得できる携帯端末による情報通信方式を提供する。
【解決手段】画像表示が可能な媒体にQRコードの画像を表示する第1のステップと、携帯端末のコード読取手段により前記QRコードを読取る第2のステップと、前記読取ったQRコードの情報に基づいて前記携帯端末から画像・音声配信元若しくは仲介者のシステムに配信依頼情報を送信する第3のステップと、前記システムから送信されて来る画像・音声を前記携帯端末で受信してリアルタイムに表示する第4のステップと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯電話等の携帯端末による情報通信方式に関し、特にQRコード(登録商標)等の2次元コードを介して画像(動画を含む)・音声による広告宣伝、キャンペーン、イベントに関する情報を携帯端末で容易かつ迅速に受信できるようにした情報通信方式に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットが広く普及して来ているが、ホームページを見るためにはインターネットに接続されたパソコン等からURL(Uniform Resource Locator)を入力する必要がある。
【0003】
また、商品の販売やイベントの広告や宣伝はテレビやラジオ、或いは新聞、雑誌等を介して行われるが、詳細内容を知るためには電話やFAX、インターネット等を利用して、販売会社や企画会社等から必要な情報を取得している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、電話をするためには電話番号を記憶したりメモしたりする必要があり、記憶を頼りに電話をかけたり、メモを見ながら電話をかけなければならない煩わしさがある。また、インターネットを利用する場合にもURLを入力する必要があり、URLが不明な場合にはキーワードを考えて入力しなければならない煩わしさがある。つまり、URLをクリックしてサイトにジャンプし、動画ファイルにアクセスして後に画像を送信してもらう必要がある。
【0005】
利用者(顧客)としては広告媒体に直面したときに自動的にかつタイムリーに詳細情報を得られることが望ましい。商品の販売企業やイベント、キャンペーンの企画会社にとっても、顧客の手を煩わせることなく必要な情報を提供できることが、商品の販売促進、イベントの顧客吸引力を増進させることになる。パブリシティによるアップグレードな告知に加えて、目新しく斬新の手法の展開が強く望まれている。
【0006】
本発明は上述のような事情よりなされたものであり、本発明の目的は、広告宣伝媒体若しくは商品に付せられた2次元コードを携帯電話等の携帯端末で読取って、自動的に内容を認識して画像・音声配信情報を発信して携帯端末に画像・音声情報を取得できる携帯端末による情報通信方式を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は携帯端末による情報通信方式に関し、本発明の上記目的は、画像表示が可能な媒体にQRコードの画像を表示する第1のステップと、携帯端末のコード読取手段により前記QRコードを読取る第2のステップと、前記読取ったQRコードの情報に基づいて前記携帯端末から画像・音声配信元若しくは仲介者のシステムに配信依頼情報を送信する第3のステップと、前記システムから送信されて来る画像・音声を前記携帯端末で受信してリアルタイムに表示する第4のステップと、を含む情報通信方式とすることにより達成される。
【0008】
また、本発明の上記目的は、前記第1のステップにおいて、前記画像・音声に関連するキャラクタ画像を前記QRコードの上に重ねて表示することにより、或いは前記QRコードの上に掲載する画像は、前記QRコードの誤り訂正が可能な範囲内の領域に配置されていることにより、或いは前記QRコードの上に掲載する画像が動画像であることにより、或いは前記携帯端末がカメラ付き携帯電話であることにより、或いは前記媒体が、テレビ、インターネットに接続されたパソコン、電子広告塔を含む大型表示パネルを有する表示装置、又は投影型表装置であることにより、より効果的に達成される。
【0009】
更に又、上述では仲介者に配信依頼情報を送信して、仲介者から画像や音声を送信するようになっているが、広告宣伝企業に直接アクセスし、広告宣伝企業から直接画像や音声を送信するようにすることも可能である。
【0010】
或いは、本発明の上記目的は、QRコードが印刷された第1の媒体を第2の媒体の表面上に剥離可能に設ける第1のステップと、携帯端末のコード読取手段により前記QRコードを読取る第2のステップと、前記読取ったQRコードの情報に基づいて前記携帯端末から画像・音声配信元若しくは仲介者のシステムに配信依頼情報を送信する第3のステップと、前記システムから送信されて来る画像・音声を前記携帯端末で受信してリアルタイムに表示する第4のステップと、を含む情報通信方式とすることによっても達成される。
【0011】
また、本発明の上記目的は、前記QRコードの上に前記画像・音声に関連する画像若しくは文字情報が印刷されていることにより、或いは前記第1の媒体は、裏側の面に前記QRコードが印刷されると共に、表側の面に前記画像・音声に関連する画像若しくは文字情報が印刷されていることにより、或いは前記第2の媒体がポスター若しくはパンフレットであり、その印刷面を覆うように前記第1の媒体が多数敷設されていることにより、或いは前記第2の媒体が商品としてのアイスクリームの容器であることにより、或いは前記第1の媒体がシール若しくはステッカーであることにより、或いは前記第1の媒体が前記第2の媒体の表面上に剥離可能に直接貼設されていることにより、或いは前記第1の媒体が透明な袋体に収容されており、前記袋体が前記第2の媒体の表面上に剥離可能に貼設されていることにより、より効果的に達成される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、携帯電話等の携帯端末を利用して動画等の画像と音声の配信を送信依頼して簡単に受信できるので、企業側から見れば商品販売の販促効果が大きく、消費者側から見れば情報を必要とするときにその場で容易に取得できる利点がある。また、イベント企画を直接的に消費者や顧客に伝達できるので、企業の広告宣伝、キャンペーン手段として利用拡大が期待できる。
【0013】
更に、利用者としても自己が所持している携帯端末から必要な画像や音声の情報を迅速に取得できるので、より高い品質で価格が適宜な商品を購買でき、密度の高い興味あるイベントに参加できると共に、企画側においても参加側においても大きな期待を持てる。
【0014】
更に、QRコードの上に画像や文字情報を重畳させて媒体に表示あるいは印刷して提示する方式とすることにより、QRコードの領域以外に表示用領域(若しくは印刷用領域)を設けることなく、当該システムから提供される画像・音声のタイトルやサンプル映像等の情報を掲載しておくことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は本発明の全体構成を示しており、消費者は携帯端末として携帯電話10を所持しており、仲介者20は図示しない各企業からの画像(動画、静止画を含む)及び音声の情報(例えば広告宣伝内容)を登録して管理している。この登録はオフラインでもオンラインでも可能である。携帯電話10はカメラによる撮像機能を有しており、各企業の情報登録はインターネットのホームページとして機能しており、各社のホームページにはURLが付されている。仲介者20は企業(X社)の商品、例えば図2に示すアイスクリーム30を販売(若しくは製造して)するに当り、アイスクリーム30の容器31の一部に2次元コードとしてのQRコード(登録商標)40を印刷するか、若しくはQRコード40が印刷されたシールを貼設する。アイスクリーム30の情報やキャンぺーン情報は、仲介者20に登録されて管理される。
【0016】
QRコード40は図3に示すような2次元コードであり、アイスクリーム30の詳細情報(商品に関する情報やイベント、キャンペーン情報等)をインターネットのホームページから取得するためのURLが含まれている。従って、携帯電話10のカメラ機能は、アイスクリーム30に付せられているQRコード40を読取って、URLを解読して発信できる機能を具備している。
【0017】
また、企業(Y社)が旅行代理店であり、テレビを媒体として広告宣伝する場合、図4に示すようにテレビ映像32の中の一部にQRコード41を映像する。この場合も、携帯電話10はテレビ画面上でQRコード41を読取って解読できる機能を具備している。
更に、企業(Z社)が芸能プロダクションであり、ポスターを媒体として広告宣伝する場合、図5に示すように店頭や駅貼のポスター33に広告宣伝のためのコピー34を印刷すると共に、ポスター33の一部にQRコード42を印刷して表示している。この場合も、携帯電話10はQRコード42を読取って解読できる機能を具備している。
【0018】
仲介者20は携帯電話サービス業者が相違する場合でも、各社のフォーマットを統一的に利用できる通信システムとなっている。つまり、消費者が所持する携帯電話10が、異なる通信サービス会社の仕様であっても自由に利用できる必要があり、図1に示すように通信サービス会社21(A社)、22(B社)、23(C社)との間で「条件」や「消費者情報」を相互に通信できると共に、仲介者20を介して他社の携帯電話であっても相互に通信できるようになっている。なお、上記「消費者情報」は、例えば、消費者が所有する携帯電話がどの電話通信会社(携帯キャリア)のどの機種なのかを示す「携帯電話情報」と、「配信依頼情報」とを含む情報である。また、「配信依頼情報」とは、自分が欲しい情報(画像、音等)を仲介者20の通信システム(コンピュータシステム)に配信するよう要求する情報であり、例えば、消費者が自分の携帯電話10で読取ったQRコード40に示されるアクセス先を示すアドレス情報、及び消費者が要求する情報(画像、音等)が何であるかを特定するための情報とを含む情報である。また、上記「条件」とは、通信サービス会社21との間で決める条件であり、例えば、消費者が要求した情報を取得する際に発生するパケット料金と通信料を自己負担とするか否かを示す条件、どのような配信形態とするかを示す条件(例えば、消費者の携帯電話に配信する動画・音声の情報をストリーミング配信の形態とするか、ダウンロード可能な配信形態とするかを配信元が決定するの条件)、2次元コード(本例ではQRコード)にアクセス可能な機種が「第三世代」携帯電話であるという条件のことを言う。
【0019】
携帯電話10の構成は図6に示すようになっており、全体の制御を行うCPU(又はMPUやMCU)11には、プログラム等を格納したROM12、作業メモリとなるRAM13が接続されると共に、カメラ141及びカメラ141で撮像した画像を処理する画像処理部142、処理した画像からQRコード(40〜42)等を解読する解読部15、データや指示等を行う入力部16が接続されている。CPU11には更に、表示制御部171を介して表示部172、無線で通信を行う通信部18、音声を出力するスピーカ19が接続されている。なお、携帯電話10は、第三世代の携帯電話、すなわちITU(国際電気通信連合)によって定められた「IMT−2000(International Mobile Telecommunication 2000)」標準に準拠したデジタル携帯電話であれば、QRコードの解読機能等を追加することなく、本発明に係る情報通信システムを活用することができる。
【0020】
また、仲介者20の構成は図7に示すようになっており、全体の制御を行うCPU(又はMPUやMCU)21には、プログラム等を格納したROM22、作業メモリとなるRAM23が接続されると共に、無線で通信を行う通信部24が接続されている。また、CPU21には各広告宣伝会社の情報(画像、音等)を登録する登録部25、表示制御部261を介した表示部262、データや指示等を行う入力部27、各通信サービス会社のフォーマットを変換するフォーマット変換部28が接続されている。例えば、各電話通信会社における携帯電話への情報(画像・音声及び文字情報)の配信については、各社が異なるプロトコル(情報フォーマット)を使用しているため、フォーマット変換部28によりプロトコルの変換処理を行っている。より詳しくは、仲介者20又は配信元のコンピュータシステムでは、アクセスしてきた携帯電話10の機種を判別する「自動判別手段」と、携帯キャリア及び携帯電話の機種に応じてプロトコルを変換して送受信する「プロトコル変換手段」とを、例えば情報管理手段である「サーバ」に備え、自動的に各携帯キャリアのプロトコル(情報フォーマット)への変換処理をサーバが実行すると共に、消費者が要求する情報を自動的に24時間、サーバから配信できるようにしている。なお、サーバが有する上記「自動判別手段」と「プロトコル変換手段」、及び、配信依頼情報で要求された情報を要求元の携帯電話10に送信して表示させるための「配信手段」と、後述するコンテンツ選択画面を要求元の携帯電話10に送信して表示させるための「選択画面送信手段」は、本実施の形態ではそれぞれコンピュータプログラムで実現されている。
【0021】
このような構成において、消費者の携帯電話10の通信部18及び仲介者20の通信部24はインターネットに接続されて相互に通信可能になっており、各社X〜Zの商品や企画等の広告宣伝或いはキャン01ペーン、イベント情報等は仲介者20の登録部25に画像(動画、静止画)、音声等で登録されている。なお、これらの画像、音声等の情報は、オンライン又はデータ素材の形で仲介者20に渡され、情報源のアドレス情報(本例ではURL情報)で検索可能に登録部25に登録されると共に、そのアドレス情報を少なくとも含む情報が2次元コード(好ましくはQRコード)として符号化される。そして、2次元コードは、表示部への画像(映像を含む)の表示が可能なテレビ、インターネットに接続されたパソコン、電子広告塔や電飾看板装置等の大型表示パネルを有する表示装置、及びゲーム装置などの表示装置の他に、スクリーン上への映像の投影が可能な映画館の映像投影装置や家庭用プロジェクタなどの投影型表示装置に表示される。あるいは、ポスター、チラシ、看板、書籍、ステッカー、商品の容器(例えば曲面を有するカップ状の容器)などの「印刷媒体」に印刷されて、消費者(視聴者や商品の購入者等)に提示される。
【0022】
そして、消費者が店頭で販売されているアイスクリーム30を購買したり、テレビで旅行案内の映像32を観たり、街頭でキャンペーンのポスター33を見て興味を示したり、或いは詳細情報を希望したり、或いは動画を見たいような場合には、アイスクリーム30に付せられているQRコード40、或いはテレビの映像32に映像されているQRコード41、或いはポスター33に付せられているQRコード42を携帯電話10のカメラ141で撮像する。撮像されたQRコード40〜42は画像処理部142でデータ処理されると共に、解読部15でURL等が解読され、更に表示制御部171を介して表示部172に例えば図8に示すように表示される。
【0023】
この表示を見て、消費者が入力部16で所定のキーを入力(クリック)することにより、携帯電話10から配信依頼情報が通信部18及び24を介して仲介者20に送信され、その中に含まれているURL情報に従って登録部25に登録されているホームページにアクセスする。これによりアクセスされたURLのホームページの画像や音声が読出され、通信部24及び18を介して携帯電話10に送信され、表示制御部171を介して表示部172に画像が表示されると共に、スピーカ19から音声が出力される。画像や音声はCM、メイキング、キャンペーン告知、俳優等からのメッセージ等である。
【0024】
従って、消費者は自分の携帯電話10でアクセスしたURLの画像を表示部172で見ることができる共に、スピーカ19からの音声を聴くことができる。
【0025】
図5のポスター33は1枚の紙等にイベントやキャンペーンのコピー34が表示されると共に、QRコード42が表示されている例を示したが、例えば、図9(A)に示すように、QRコードを付した多数枚のステッカー36を、1枚のポスター35の印刷面全域(若しくは一部の領域)を覆うように、ポスター35の表面上に剥離可能に設けておく形態としても良い。図9(A)のポスター35の例では、貼着されている全部のステッカー36が剥離されると、図9(B)のような画像37が現れるようになっている。また、ステッカー36の表側の面には、本例では図9(B)の画像37中のキャラクタ(配信される画像・音声に関連するCMタレントの写真)の画像が印刷されている。図9(C)は、ステッカー36の裏面の例を示しており、本例では、剥離可能なステッカー36の裏面に、QRコード43が印刷されている。
【0026】
そして、そのステッカー36を消費者(ユーザ)が剥がして、携帯電話10のコード読取機能でQRコード43を読取ると、そのQRコード43に含まれるURL情報が図6中の解読部15によって解読されると共に、配信を依頼するクリック操作(所定のキーによるクリック操作又は操作ボタンの押下)に応じて携帯電話10の通信部18を介して配信依頼情報が仲介者20のサーバ送信され、URL情報で特定される画像や音声の情報を通信部18が受信すると、その画像が携帯電話10の表示部172にリアルタイムに表示されると共にスピーカ19から音声が出力される。
【0027】
本例では、URL情報で特定される画像・音声(画像又は音声、若しくは画像及び音声)は、図9(B)に示される画像37中のタレントの動画像とそのタレントの音声(若しくはCMソング)であり、携帯電話10によるQRコードの読取動作に連動して表示部172に自動的に表示されると共に、受信した動画像と音声がRAM13に保存され、任意の時点で再生できるようになっている。それらの動画像と音声に対応するQRコード43は、1枚のポスター35では同一であっても良いが、ステッカー36の表面に印刷されたCMタレントの画像の種類毎あるいは個々のステッカー36毎に、異なるQRコードを付与するようにしても良い。また、ステッカー36の貼着面を逆にして、QRコード43を有する面を表側にしてポスター35の表面上に貼設する形態としても良い。
【0028】
なお、図9(A)に示される個々のステッカー36は、例えば、広告宣伝対象の商品である「アイスクリーム」を食べるタレントの様々な表情の写真が印刷された写真カード(例えば、粘着面又は磁気層を有するシール状のカード)であり、消費者(利用者)は、ステッカー36を持ち帰って、写真カードとして利用できると共に、QRコード43に対応する各種の動画や文字情報を、24時間いつでも受信して楽しめるようになっている。ステッカー36の枚数は、ポスター35の大きさにより随時変更されるが、例えば駅貼のポスターでは1枚のポスターに数百枚(実施例では200種類の写真720枚)を貼着することができる。
【0029】
また、図9の例では、ステッカー36をポスター35の表面上に剥がせる形で貼設しておく形態を例として説明したが、ステッカー36の表面を目視可能に収容する収容体(例えば、透明な袋体)をポスター35の表面全域若しくは一部に備えた形態としても良い。すなわち、例えば図9(A)中のステッカー(写真カード)36をそれぞれ透明な袋に入れて、それらの袋を印刷物やポスター上に貼り付けておき、消費者がこの袋を剥がし取って、袋の中から写真カード36を取り出し、カード裏面に表示されたQRコードを携帯電話10のコード読取機能で読取って仲介者(又は配信元)20のシステムにアクセスし、該当の画像・音声を携帯端末10で受信する形態としても良い。
【0030】
次に、2次元コード(QRコード40〜43)と画像・音声情報との対応関係について説明する。
【0031】
媒体に表示若しくは印刷される2次元コード(QRコード40〜43)と、画像・音声配信元から送信される画像・音声の情報(以下、「コンテンツ」と呼ぶ)は、1対1の対応関係としても良いが、1対n(nは2以上の整数)の対応関係とし、利用者が所望のコンテンツを選択できる形態としても良い。例えば、1つのQRコードに対して様々な内容のコンテンツを関連付けて仲介者20のサーバに登録しておき、携帯電話10からの配信依頼情報に対して、コンテンツ選択画面をサーバから送信して携帯電話10の表示部172に表示し、利用者が所望のコンテンツを画面上のクリック操作で選択できるようにしても良い。さらに、1つのQRコード43に複数のURL情報を符号化しておき、複数の情報を一度に取得して携帯電話10の表示部に分割画面で表示する形態としても良い。
【0032】
図10は、携帯電話側に表示されるコンテンツ選択画面の一例を示している。この例は、携帯電話10からの配信依頼情報に対して、4種類のコンテンツの項目C1〜C4を選択画面として表示した場合の例であり、利用者は、所望の項目をクリックすると、その項目に対応する該当のコンテンツが仲介者20のサーバから送信されて、携帯電話10の表示部172に表示されるようになっている。携帯電話10側に送信されるコンテンツは、図10の例では、4種類の動画像であるが、この例に限るものではなく、異なる種類の動画像、静止画像、文字情報、若しくは音声(音声言語及び/又は楽曲)、あるいはそれらを組み合わせたものとしても良い。
【0033】
なお、仲介者20のサーバは、例えば動画再生用のアプリケーションプログラム(「再生アプリ」とする)を携帯電話10側にダウンロードして自動インストールする機能を有している。例えば、仲介者20のサーバでは、携帯電話10から配信依頼情報を受信した後、再生アプリが携帯電話10にインストールされていないと認識した場合には、ダウンロードの要否を示す画面データを送信して携帯電話10の表示部に表示し、利用者によるダウンロードの指示により、再生アプリのダウンロード及びインストールを実行すると共に、自動インストールの完了後に、QRコードに対応するコンテンツ(又はコンテンツ選択画面のデータ)を送信する。
【0034】
上述した実施の形態においては、表示媒体若しくは印刷媒体にQRコードを印刷若しくは表示しておく場合を例として説明したが、そのQRコードの上に更にキャラクタ(画像若しくは文字情報)を重畳させて印刷若しくは表示する形態としても良い。
【0035】
次に、その実施形態について説明する。先ず、QRコードの上に情報を掲載できる原理について説明する。
【0036】
QRコードは誤り訂正機能を持っており、コードの一部に汚れや破損があっても、誤り訂正機能によりデータを復元して正常に読取ることが可能である。また、QRコードは、コードワード単位(8ビット)で7〜30%の復元率を有し、誤り訂正レベルがHレベルの場合には30%が訂正可能である。以下に説明する実施の形態では、画像表示媒体若しくは印刷媒体にQRコードを掲載する際、QRコードが持つ誤り訂正機能を利用して、その誤り訂正が可能な範囲でQRコード(好ましくはHレベルのQRコード)上にキャラクタを載せて掲載するようにしている。
【0037】
ここでは、取得するコンテンツ(画像・音声、又は文字情報、若しくはそれらを組み合わせた電子コンテンツ)に関連する動画像又は静止画像を「シンボル画像」として、そのシンボル画像を重畳させたQRコードの画像を電子広告塔やテレビ等の表示装置のディスプレイ部に表示する場合を例として説明する。なお、QRコードの上に掲載する情報は、サムネイル画像やサンプル映像等の画像情報に限るものではなく、コンテンツのタイトル等を示す文字情報であっても良い。本発明では、文字情報を含めて「キャラクタ画像」と呼ぶ。
【0038】
電子広告塔やテレビ等の放映システムにおいては、表示装置の表示部に主画像とは異なる画像をオーバーラップ表示したり、主画像の表示ウィンドウとは別のウィンドウ内に表示したりすることが行われているが、その際には主画像に極力影響しないようにすることが望ましい。そこで、本実施の形態では、QRコードの上に動画像又は静止画像(及び/又は文字情報)を重畳させたキャラクタ画像をディスプレイ上の所定位置にオーバーラップ表示することで、QRコードの領域のみを利用して所望の画像を掲載できるようにしている。この場合、キャラクタ画像付きのQRコードを表示する装置としては、街頭等に設置される電子広告塔や電飾看板装置など、大型表示パネルを有する業務用の表示装置が好ましいが、パソコンやテレビ等の家庭用の表示装置でも良い。また、映画館のスクリーンやプロジェクタのスクリーンなど、映像信号に混合させてスクリーン面上に投影してQRコードを表示する形態としても良い。
【0039】
図11は、QRコードの上にキャラクタ画像(動画像又は静止画像)を重畳させた画像の一例を示している。QRコード40の上に表示されるキャラクタ画像40aは、例えば仲介者20の通信システムのデータベースにQRコードと1対1又は1対n(nは2以上の整数)で対応させて登録しておく。QRコードの上に重畳される画像40aの領域は、QRコードの誤り訂正が可能な範囲内の所定領域(HレベルのQRコードが好ましく、その場合は最大30%の領域)であり、その形状は、矩形に限るものではなく、多角形、縞状、十字状など任意の形状である。但し、コードの復元率は、画像40aの形状と位置、大きさ及び配置方向に依存する。そのため、例えば、予め読取試験をしたものについて、キャラクタ画像とその配置情報をQRコードに対応させて、画像・音声配信元若しくは仲介者が管理するウェブサーバのデータベースに登録しておく。
【0040】
そして、例えば、放映のスケジュール情報と共に事前にQRコード40とキャラクタ画像40aの画像データをデータベースから読み出して放映システムに送信しておき、放映スケジュールに従って、QRコード40の上にキャラクタ画像40aを重畳させて、主の映像上にオーバーラップ表示する。QRコードの放映中は、1つのキャラクタ画像をQRコード上に表示するようにしても良いが、所定時時間毎に当該QRコードに対応する他のキャラクタ画像と切替えて表示する形態としても良い。QRコード40の上に掲載するキャラクタ画像40aは、縮小見本の静止画像や動画像に限るものではない。例えば、映画や楽曲等のコンテンツを提供するシステムにおいては、タイトル、俳優、歌手等の画像又は文字情報など、コンテンツを識別するための情報でも良い。
【0041】
なお、商品として上述ではアイスクリームを例に挙げたが、名刺や文房具等の事務用品、ゴミ箱、スリッパ等の家庭用品、書籍、雑誌、新聞、書画、手袋や靴、ゴルフ用品等のスポーツ用品、食品、酒類や飲料等のカンや瓶若しくはペットボトル、車などにも適用できる。また、広告宣伝の媒体として配布される団扇や扇子、ポケットティッシュ、パッケージ、イベントツール、スクールボード等に2次元コードを付しても良い。2次元コードは直接の印刷でも良いし、シールやステッカーを介しても良い。
【0042】
更に、上述ではカメラでQRコードを撮像して光学的に読取るようになっているが、QRコードのインク媒体によっては磁気的若しくは電気的な読取りも可能であり、また、QRコードを携帯電話のカメラで撮像してから所定のキー操作(クリック)でURLにアクセスするようにしているが、自動的にアクセスすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明によれば、自己が所有する携帯電話等の携帯端末を利用して、動画等の画像と音声の配信を送信依頼して容易かつ迅速に受信できるので、斬新な手法のために商品販売の販促効果が大きく、またイベント企画やキャンペーンを直接的に顧客に伝達できるので、企業の広告宣伝手段として利用拡大が期待できる。
【0044】
また、利用者としても自己が所持している携帯端末から必要な画像・音声情報を容易かつ迅速に取得できるので、より高い品質の商品を購買できると共に、興味のあるイベントやキャンペーンに参加できるので、商取引において大きな期待を持てる。
【0045】
パブリシティによるアップグレードな告知に加えて、話題性の高い広告宣伝を行い得るので、ターゲットを絞り込んだプロモーションを展開することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の概略構成を示すシステム図である。
【図2】商品としてのアイスクリームの外観図である。
【図3】QRコードの一例を示す図である。
【図4】テレビでの広告宣伝の一例を示す画面図である。
【図5】ポスターでの広告宣伝の一例を示す図である。
【図6】携帯電話の構成例を示すブロック図である。
【図7】仲介者の構成例を示すブロック図である。
【図8】携帯電話の表示部の表示例を示す図である。
【図9】ポスターの他の例を示す図である。
【図10】携帯電話側に表示されるコンテンツ選択画面の一例を示す図である。
【図11】QRコードの上に動画像又は静止画像を重畳させた画像の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0047】
10 携帯電話
11、21 CPU
12、22 ROM
13、23 RAM
141 カメラ
142 画像処理部
171、261 表示制御部
172、262 表示部
18、24 通信部
19 スピーカ
20 仲介者
28 フォーマット変換部
30 アイスクリーム
31 容器
32 テレビの映像
33、35 ポスター
34 コピー
36 ステッカー
40〜43 QRコード(2次元コード)
40a QRコード上の画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示が可能な媒体にQRコードの画像を表示する第1のステップと、携帯端末のコード読取手段により前記QRコードを読取る第2のステップと、前記読取ったQRコードの情報に基づいて前記携帯端末から画像・音声配信元若しくは仲介者のシステムに配信依頼情報を送信する第3のステップと、前記システムから送信されて来る画像・音声を前記携帯端末で受信してリアルタイムに表示する第4のステップと、を含むことを特徴とする携帯端末による情報通信方式。
【請求項2】
前記第1のステップにおいて、前記画像・音声に関連するキャラクタ画像を前記QRコードの上に重ねて表示することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末による情報通信方式。
【請求項3】
前記QRコードの上に掲載する画像は、前記QRコードの誤り訂正が可能な範囲内の領域に配置されている請求項2に記載の携帯端末による情報通信方式。
【請求項4】
前記QRコードの上に掲載する画像が動画像である請求項2又は3に記載の携帯端末による情報通信方式。
【請求項5】
前記携帯端末がカメラ付き携帯電話である請求項1乃至4のいずれかに記載の携帯端末による情報通信方式。
【請求項6】
前記媒体が、テレビ、インターネットに接続されたパソコン、電子広告塔を含む大型表示パネルを有する表示装置、又は投影型表装置である請求項1乃至5のいずれかに記載の携帯端末による情報通信方式。
【請求項7】
QRコードが印刷された第1の媒体を第2の媒体の表面上に剥離可能に設ける第1のステップと、携帯端末のコード読取手段により前記QRコードを読取る第2のステップと、前記読取ったQRコードの情報に基づいて前記携帯端末から画像・音声配信元若しくは仲介者のシステムに配信依頼情報を送信する第3のステップと、前記システムから送信されて来る画像・音声を前記携帯端末で受信してリアルタイムに表示する第4のステップと、を含むことを特徴とする携帯端末による情報通信方式。
【請求項8】
前記QRコードの上に前記画像・音声に関連する画像若しくは文字情報が印刷されている請求項7に記載の携帯端末による情報通信方式。
【請求項9】
前記第1の媒体は、裏側の面に前記QRコードが印刷されると共に、表側の面に前記画像・音声に関連する画像若しくは文字情報が印刷されている請求項7又は8に記載の携帯端末による情報通信方式。
【請求項10】
前記第2の媒体がポスター若しくはパンフレットであり、その印刷面を覆うように前記第1の媒体が多数敷設されている請求項7乃至9のいずれかに記載の携帯端末による情報通信方式。
【請求項11】
前記第2の媒体が商品としてのアイスクリームの容器である請求項7乃至9のいずれかに記載の携帯端末による情報通信方式。
【請求項12】
前記第1の媒体がシール若しくはステッカーである請求項7乃至11のいずれかに記載の携帯端末による情報通信方式。
【請求項13】
前記第1の媒体が前記第2の媒体の表面上に剥離可能に直接貼設されている請求項7乃至12のいずれかに記載の携帯端末による情報通信方式。
【請求項14】
前記第1の媒体が透明な袋体に収容されており、前記袋体が前記第2の媒体の表面上に剥離可能に貼設されている請求項7乃至12のいずれかに記載の携帯端末による情報通信方式。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−295898(P2006−295898A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−37661(P2006−37661)
【出願日】平成18年2月15日(2006.2.15)
【出願人】(503104070)株式会社ガブリエル (1)
【Fターム(参考)】