説明

携帯端末モード設定システム、自動車車載用装置、携帯端末、携帯端末モード設定方法

【課題】自動車が発車した際に、運転者が携帯する携帯端末を着信通知の出力を抑止するドライブモードに自動的に設定する携帯端末モード設定システムを提供する。
【解決手段】携帯端末の動作モードの切り替えを指示する自動車車載用装置1が、自動車の発車を車速信号検出部11にて検出すると、ドライブモードへの切り替えを指示するモード切り替え信号を携帯端末2に送信し、現在の動作モードを一旦退避した後、ドライブモードに自動的に切り替える。また、自動車の停車を車速信号検出部11にて検出すると、元の動作モードへの復帰を指示するモード切り替え信号を携帯端末2に送信し、発車時点で一旦退避していた元の動作モードに復帰させる。更に、一時的な停車ではなく、パーキング信号の検出又は予め定めた一定時限を超す停車の継続の検出により、駐車のための停止であることを識別した場合に、元の動作モードへの復帰を指示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末モード設定システム、自動車車載用装置、携帯端末、携帯端末モード設定方法に関し、特に、自動車を運転時のドライブモードの自動設定及び停車時の元の動作モードへの自動復帰を可能にする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車運転中の携帯端末の使用は、交通事故の誘因と認められ、2005年から施行の道路交通法改正により、自動車運転中の携帯電話による通話(ハンズフリー通話を除く)、メールの送信/閲覧が禁止されるようになった。しかし、従来の携帯端末は、ドライブモードへの切替えを手動で行うため、ドライブモードへの切り替え設定を忘れることがあり、運転中に携帯端末への着信があると、うっかり着信に応答してしまい、通話に気を取られて交通事故につながる可能性があった。
【0003】
このため、自動車運転中や自動車走行中においては、携帯端末の使用を制限するモードへの自動切り替えを可能とする技術が提案されている。例えば、特許文献1に示す特開平11−168767号公報「自動車内無線システム」においては、一定スピードを超える車速を検出したり、又は、イグニッションスイッチのオンを検出し、自動車が走行状態に入ったことを検出した場合、携帯端末の動作モードを、通話相手からの伝言を録音する留守モード、又は、すべての機能を停車する中断モードに自動的に切り替え、運転中の通話ができないようにしている。
【0004】
即ち、特許文献1の場合、図4のブロック構成図に示すように、携帯電話機55を電気的に接続した携帯電話本体側装置51と車速検出回路57を搭載した自動車側付属装置52とを微弱電波で電気的に結合できるように、乗車時に自動車側付属装置52に近接する位置に携帯電話本体側装置51を配置し、自動車側付属装置52の車速検出回路57が一定速度を超える車速を検出すると、無線送信機56から微弱電波のモード切替信号を携帯電話本体側装置51の無線受信機53に送信する。
【0005】
あるいは、携帯電話本体側装置51と自動車側付属装置52とを微弱電波で電気的に結合する代わりに、車速検出回路57の出力を信号線により制御回路54に直接入力するように有線接続することも考えられる。これらのいずれかにより、携帯電話本体側装置51は、制御回路54により携帯電話機55の動作モードを留守モード又は中断モードに設定する。
【0006】
もって、自動車が一定速度を超える走行状態にある場合は、携帯電話機を留守番電話機能としても留守モードに設定するか、又は、携帯電話機を全く使用することができない中断モードのいずれかに設定し、運転者は、携帯電話機の着信に気を取られることなく、運転に集中することができる。
【特許文献1】特開平11−168767号公報(第4−5頁、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の特許文献1に記載のような技術では、運転者は、乗車時に、携帯電話本体側装置51と携帯電話機55とを電気的に結合する操作を行うか、あるいは、携帯電話機55を電気的に接続した携帯電話本体側装置51と自動車側付属装置52とを微弱電波により電気的に結合可能な近接位置に配置する操作を行うことが必要であり、斯かる操作を怠れば、携帯電話機55の動作モードの自動的な切り替えを実現することができないという欠点がある。
【0008】
更には、走行状態において切り替えられる動作モードとしては、音声による通信のみが考慮されており、以前の自動車電話で採用されていた留守番電話モードか、あるいは、全く音声通話を使用できなくする中断モードのいずれかであり、音声着呼のみならずメール受信などにも対応可能なモードとしての考慮はなされていない。
【0009】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、運転者が、乗車時に、特定の位置に携帯端末を設定するような操作をしなくても、携帯端末を携帯するだけで、動作モードを自動的に切り替えることが可能であり、かつ、自動車の走行時に、音声の着信のみならず、メール受信などのデータ通信にも対応可能なドライブモードに設定することを可能にすることを目的としている。
【0010】
更に言えば、本発明の目的は、自動車車載用装置が、自動車の車速信号(車速パルス)を検出してモード切り替えのための無線信号(モード切り替え信号)を携帯端末に対して送信することにより、携帯端末は、自動車車載用装置からの無線信号を受信して、該携帯端末の動作モードをドライブモード(運転中モード)に自動的に切り替えることにより、手動によるドライブモードへの切替え忘れに伴う道路交通法の違反行為の回避、更には、交通事故の防止を可能とすることにある。
【0011】
ここに、本発明における「ドライブモード」とは、自動車が停車状態ではなく走行状態にある場合に実行されるものであり、着信通知用の出力を抑止する動作モードのことであり、次のような着信動作に制限される。音声通話の着呼時においては、通信相手に対してドライブ中のため応答できない旨のメッセージを通知し、携帯端末からの着信音や着信バイブレーションを出力させることなく、自動的に、通信相手に関する着信記録のみを行う。
【0012】
また、留守番電話や着信転送に設定していた場合でも、通信相手に対してドライブ中のため留守番電話センタに接続するとか転送先に転送するというメッセージを通知し、携帯端末に自動的に着信記録のみを行い、携帯端末からの着信音や着信バイブレーションを出力させることなく、留守番録音や着信転送を行う。一方、メールやチャットの受信時には、メール受信やチャット受信の受信音や受信バイブレーションを携帯端末から出力させることなく、受信したメールやチャットを保存すると共に、メールやチャットの受信履歴を記録するのみとする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前述の課題を解決するため、本発明による携帯端末モード設定システム、自動車車載用装置、携帯端末、携帯端末モード設定方法は、次のような特徴的な構成を採用している。
【0014】
(1)運転者が携帯する携帯端末と無線信号で情報を送受信する自動車車載用装置を自動車内に備えて、前記携帯端末の動作モードを設定する携帯端末モード設定システムであって、前記自動車車載用装置が、自動車が発車したことを検出した場合に、前記携帯端末に対して、着信通知用の出力を抑止するためのドライブモードへの設定を指示するモード切り替え信号を送信することにより、前記携帯端末が、動作モードをドライブモードに切り替えて設定する携帯端末モード設定システム。
(2)前記携帯端末が、動作モードをドライブモードに切り替えて設定するのに先立って、現在の動作モードを一旦退避保存する上記(1)の携帯端末モード設定システム。
(3)前記自動車車載用装置が、自動車が停車したことを検出した場合に、前記携帯端末に対して、元の動作モードへの復帰を指示するモード切り替え信号を送信することにより、前記携帯端末が、動作モードを発車時点で一旦退避保存していた元の動作モードに切り替えて設定する上記(2)の携帯端末モード設定システム。
(4)前記自動車車載用装置が、自動車が停車したことを検出した場合であって、更に、自動車の駐車を示すパーキング信号を検出した場合、又は、停車時点から予め定めた時限を超えて停車状態が継続していることを検出した場合に、前記携帯端末に対して、元の動作モードへの復帰を指示するモード切り替え信号を送信することにより、前記携帯端末が、動作モードを発車時点で一旦退避保存していた元の動作モードに切り替えて設定する上記(2)の携帯端末モード設定システム。
(5)前記携帯端末の動作モードとして、ハンドフリーで通信が可能なハンドフリーモードを備えている場合に、前記携帯端末が、前記ドライブモードへの設定を指示するモード切り替え信号を、前記自動車車載用装置から受信した際に、動作モードがハンドフリーモードに設定されていた場合には、前記ドライブモードへの切り替えを実行せずに、ハンドフリーモードの状態を継続する上記(1)乃至(4)のいずれかの携帯端末モード設定システム。
(6)前記携帯端末が、前記ドライブモードへの設定を指示するモード切り替え信号を、前記自動車車載用装置から受信した際に、ハンドフリー通話用の車載装置に接続されているにも関わらず、動作モードがハンドフリーモードに設定されていない場合、動作モードを、前記ドライブモードへ切り替える代わりに、ハンドフリーモードに切り替える上記(5)の携帯端末モード設定システム。
(7)運転者が携帯する携帯端末と無線信号で情報を送受信する自動車車載用装置であって、自動車が発車したことを検出した場合に、前記携帯端末に対して、着信通知用の出力を抑止するためのドライブモードへの設定を指示するモード切り替え信号を送信する自動車車載用装置。
(8)自動車が停車したことを検出した場合に、前記携帯端末に対して、元の動作モードへの復帰を指示するモード切り替え信号を送信する上記(7)の自動車車載用装置。
(9)自動車が停車したことを検出した場合であって、更に、自動車の駐車を示すパーキング信号を検出した場合、又は、停車時点から予め定めた時限を超えて停車状態が継続していることを検出した場合に、前記携帯端末に対して、元の動作モードへの復帰を指示するモード切り替え信号を無線信号により送信する上記(7)の自動車車載用装置。
(10)自動車が発車した際に、着信通知用の出力を抑止するためのドライブモードへの設定を指示するモード切り替え信号を受信することにより、動作モードをドライブモードに切り替えて設定する携帯端末。
(11)動作モードをドライブモードに切り替えて設定するのに先立って、現在の動作モードを一旦退避保存する上記(10)の携帯端末。
(12)自動車が停車した際に、元の動作モードへの復帰を指示するモード切り替え信号を受信することにより、動作モードを発車時点で一旦退避保存していた元の動作モードに切り替えて設定する上記(11)の携帯端末。
(13)動作モードとして、ハンドフリーで通信が可能なハンドフリーモードを備え、前記ドライブモードへの設定を指示するモード切り替え信号を受信した際に、動作モードがハンドフリーモードに設定されていた場合には、前記ドライブモードへの切り替えを実行せずに、ハンドフリーモードの状態を継続する上記(10)乃至(12)のいずれかの携帯端末。
(14)前記ドライブモードへの設定を指示するモード切り替え信号を受信した際に、ハンドフリー通話用の車載装置に接続されているにも関わらず、動作モードがハンドフリーモードに設定されていない場合、動作モードを、前記ドライブモードへ切り替える代わりに、ハンドフリーモードに切り替える上記(13)の携帯端末。
(15)運転者が携帯する携帯端末と無線信号で情報を送受信する自動車車載用装置を自動車内に備えて、前記携帯端末の動作モードを設定する携帯端末モード設定方法であって、前記自動車車載用装置が、自動車が発車したことを検出した場合に、前記携帯端末に対して、着信通知用の出力を抑止するためのドライブモードへの設定を指示するモード切り替え信号を送信することにより、前記携帯端末が、動作モードをドライブモードに切り替えて設定する携帯端末モード設定方法。
(16)前記携帯端末が、動作モードをドライブモードに切り替えて設定するのに先立って、現在の動作モードを一旦退避保存する上記(15)の携帯端末モード設定方法。
(17)前記自動車車載用装置が、自動車が停車したことを検出した場合に、前記携帯端末に対して、元の動作モードへの復帰を指示するモード切り替え信号を送信することにより、前記携帯端末が、動作モードを発車時点で一旦退避保存していた元の動作モードに切り替えて設定する上記(16)の携帯端末モード設定方法。
(18)前記自動車車載用装置が、自動車が停車したことを検出した場合であって、更に、自動車の駐車を示すパーキング信号を検出した場合、又は、停車時点から予め定めた時限を超えて停車状態が継続していることを検出した場合に、前記携帯端末に対して、元の動作モードへの復帰を指示するモード切り替え信号を送信することにより、前記携帯端末が、動作モードを発車時点で一旦退避保存していた元の動作モードに切り替えて設定する上記(16)の携帯端末モード設定方法。
(19)前記携帯端末の動作モードとして、ハンドフリーで通信が可能なハンドフリーモードを備えている場合に、前記携帯端末が、前記ドライブモードへの設定を指示するモード切り替え信号を、前記自動車車載用装置から受信した際に、動作モードがハンドフリーモードに設定されていた場合には、前記ドライブモードへの切り替えを実行せずに、ハンドフリーモードの状態を継続する上記(15)乃至(18)のいずれかの携帯端末モード設定方法。
(20)前記携帯端末が、前記ドライブモードへの設定を指示するモード切り替え信号を、前記自動車車載用装置から受信した際に、ハンドフリー通話用の車載装置に接続されているにも関わらず、動作モードがハンドフリーモードに設定されていない場合、動作モードを、前記ドライブモードへ切り替える代わりに、ハンドフリーモードに切り替える上記(19)の携帯端末モード設定方法。
【発明の効果】
【0015】
本発明の携帯端末モード設定システム、自動車車載用装置、携帯端末、携帯端末モード設定方法によれば、以下に記載するような効果を奏することができる。
【0016】
第1の効果は、携帯端末と自動車車載用装置との間に、自動車内での情報の送受信が可能な無線信号の送受信機構を設けることにより、自動車内であれば、携帯端末の動作モードの切り替えを指示する自動車車載用装置、動作モードの切り替え対象となる携帯端末がどこにあっても、自動車車載用装置からの指示により、携帯端末の動作モードを自動的に切り替えることができることである。
【0017】
第2の効果は、自動車の発車時点及び停車時点で、自動的に動作モードの切替えを行うので、動作モードの切り替え忘れを確実に防止できることである。
【0018】
第3の効果は、自動車の停車時に、音声通話の着信履歴や受信メールや受信チャットの受信履歴の一覧を自動的に表示したり、留守番電話サービスセンタや受信メール・チャットサービスセンタへ自動的に問い合わせを行うことにより、通信相手からの伝言の再生忘れやメール・チャットなどのメッセージの受信忘れを防止することができることである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明による携帯端末モード設定システム、自動車車載用装置、携帯端末、携帯端末モード設定方法の好適実施形態例について添付図を参照して説明する。
【0020】
なお、本発明による携帯端末は、携帯電話、PHS、携帯ノートPC、PDAなどの如何なる形態のものであっても良いし、また、人間が携行する携帯型のみに限らず、自動車上に着脱可能にあるいは固定的に搭載される音声、FAX、メッセージ、画像などの送受信機能を有する車載用移動通信装置であっても良い。また、本発明による自動車車載用装置は、自動車の走行状態に応じて、自動車内に存在する携帯端末との間で無線信号による情報を送受信する装置であり、自動車に固定搭載されていても良いし、自動車に着脱自在に搭載されるものであっても良い。
【0021】
本発明による携帯端末モード設定システムにおいては、自動車を運転開始する際に、自動車車載用装置により自動車の発車を自動的に検出することにより、運転者が携帯する携帯端末の現在の動作モードを自動的に一旦退避保存した後、当該携帯端末への着信に関する出力動作を一切禁止するドライブモードに設定する機構を自動車車載用装置及び携帯端末に有することを特徴としている。更に、自動車が停車した際に、自動車車載用装置により自動車の停車を自動的に検出することにより、一旦退避保存しておいた元の動作モードに当該携帯端末を自動的に復帰させる機構を有することを特徴としている。
【0022】
図1は、本発明による携帯端末モード設定システムの概略構成の一例を示すブロック構成図であり、図1(A)は、携帯端末モード設定システムに適用する自動車車載用装置の概略構成の一例を、また、図1(B)は、携帯端末モード設定システムに適用する携帯端末の概略構成の一例を示している。図1に示すように、一般の自動車では、自動車の車載コンピュータ3により算出された当該自動車の車速が車速信号線を介して速度計やカーナビゲーション装置等に出力されて、それぞれの表示器に表示されたり、ナビゲーション用の情報として利用されている。
【0023】
本発明による自動車車載用装置1の車速信号検出部11は、分岐回路4を介して、車載コンピュータ3から車速信号線上に送信されてくる車速情報を常時受信している。受信された車速情報により、車速信号検出部11が、自動車が停車状態から発車して動き出したことを検出すると、信号送信部12から携帯端末2の信号受信部23に対するモード切り替え信号(無線信号を用いた信号)により、当該自動車内に存在している携帯端末2の動作モードを一旦退避保存して、強制的にドライブモードに切り替えることを指示する動作が起動される。なお、自動車車載用装置1と携帯端末2との間を送受信する無線信号としては、例えば、IEEE802.11b/gなどの無線LANに適用される2.4Ghz帯の周波数帯域の無線信号で良く、自動車内であれば、自動車車載用装置1と携帯端末2とがどこにあっても情報の相互の送受信が可能とされている。
【0024】
ここで、本発明における「ドライブモード」とは、前述したように、自動車が停車状態になく走行状態にある場合に着信通知用の出力を抑止するための動作モードである。例えば、音声通話の着呼時においては、通信相手に対してドライブ中のため応答できない旨のメッセージを通知し、携帯端末2の着信音や着信バイブレーションを出力させることなく、自動的に、通信相手に関する着信記録のみを行う。
【0025】
また、留守番電話や着信転送に設定していた場合でも、通信相手に対してドライブ中のため留守番電話センタに接続するとか転送先に転送するというメッセージを通知し、携帯端末2に自動的に着信記録のみを行い、着信音や着信バイブレーションを携帯端末2から出力させることなく、留守番録音や転送を行う。一方、メールやチャットの受信時には、メール受信やチャット受信の受信音や受信バイブレーションを携帯端末2から出力させることなく、携帯端末2には、受信したメールやチャットを保存すると共に、メールやチャットの受信履歴が記録される。
【0026】
図1において、車速信号検出部11が、自動車が動き出したことを検出して、当該自動車内に存在する携帯端末2に対して、強制的にドライブモードに切り替えることを指示するモード切り替え信号を、自動車車載用装置1の信号送信部12から無線信号A1として送信すると、モード切り替え信号を信号受信部23で受信した携帯端末2のCPU21は、動作モード切り替え部22を制御して、現在の動作モードを一旦退避保存した後、強制的に、携帯端末2の着信出力動作を抑止するドライブモードに切り替える。この際に、携帯端末2の動作モードがドライブモードに切り替わった旨を携帯端末2から運転者に対して通知するようにしても良い。
【0027】
しかる後、動作モードの切り替えが完了したことを示す切り替え完了信号を携帯端末2の信号送信部24から無線信号B1として返送する。この切り替え完了信号を信号受信部13により受信することにより、自動車車載用装置1は、携帯端末2が動作モードの切り替えを完了したことを確認する。このように、自動車車載用装置1は、自動車の発車を車速信号検出部11にて検出することにより、携帯端末2の動作モードをドライブモードに自動的に切り替えることを制御している。
【0028】
なお、前述の説明では、携帯端末2にて現在の動作モードを一旦退避保存することとしているが、自動車が走行中の状態から停車した際に、場合によっては、携帯端末2の動作モードを通常の送受信動作が可能な送受信モードに一義的に復旧させるようにしても良く、この場合は、携帯端末2の現在の動作モードを退避保存することなく、直ちに、ドライブモードに強制的に設定する動作を起動することができる。この結果、自動車の発車直後に、より迅速に、ドライブモードに切り替えることができる。
【0029】
また、携帯端末2の現在の動作モードを当該携帯端末2の内部で一旦退避保存するのではなく、自動車車載用装置1側で保存するようにしても良い。この場合は、例えば、自動車車載用装置1側では、ドライブモードへの切り替えを指示するモード切り替え信号の送信に先立って、現在の動作モードを返送することを要求するモード返送指示信号を、信号送信部12から無線信号として送信するようにしても良いし、あるいは、ドライブモードへの切り替えを指示するモード切り替え信号を受信した携帯端末2は、現在の動作モードを一旦退避して、ドライブモードに設定した後、その切り替え動作の完了を示す切り替え完了信号を返送する際に、退避していた現在の動作モードを、切り替え完了信号に含めて自動車車載用装置1側に返送するようにしても良い。
【0030】
モード返送指示信号を用いる前者の場合には、モード返送指示信号を受信した携帯端末2では、現在の動作モードを信号送信部24から無線信号として返送することにより、自動車車載用装置1側では信号受信部13にて受信して一旦退避保存した後、強制的にドライブモードに切り替えることを指示するモード切り替え信号を、信号送信部12から無線信号A1として送信する手順を用いることになる。
【0031】
また、前述の説明では、自動車車載用装置1は、携帯端末2から切り替え完了信号を返送させて、もし予め定めた一定時間内に返送されてこない場合には、再度、モード切り替え信号を送信する動作を繰り返すか、又は、携帯端末2の操作を一切不可能にする何らかの信号(例えば電源OFF信号)を送信するか、あるいは、携帯端末2のドライブモードへの切り替えができなかった旨の警報を運転者に対して出力することにより、運転中に携帯端末2への予期しない着信通知動作(着信の旨を運転者に通知する出力動作)をより確実に防止可能にする場合について説明しているが、場合によっては、携帯端末2からの切り替え完了信号の返送を不要とし、より迅速に、切り替え動作を完了させるようにしても良い。
【0032】
次に、自動車が停車した場合の携帯端末2の動作モードの復帰動作について説明する。車速信号検出部11が、車速信号線からの車速情報を監視することにより、当該自動車が走行中の状態から停車状態に移行したことを検出すると、元の動作モードへの復帰を指示するモード切り替え信号を、信号送信部12から無線信号A2として送信する。元の動作モードへの復帰を示すモード切り替え信号を信号受信部23で受信した携帯端末2のCPU21は、動作モード切り替え部22を制御して、現在のドライブモードから一旦退避保存していた動作モードに切り替えて、元の動作モードに復帰させる。この際に、携帯端末2の動作モードが元の動作モードに復帰した旨を携帯端末2から運転者に対して通知するようにしても良い。
【0033】
しかる後、元の動作モードへの切り替えが完了したことを示す切り替え完了信号を携帯端末2の信号送信部24から無線信号B2として返送する。この切り替え完了信号を信号受信部13により受信することにより、自動車車載用装置1は、携帯端末2が動作モードの切り替えを完了したことを確認する。このように、自動車車載用装置1は、自動車の停車を車速信号検出部11にて検出することにより、携帯端末2の動作モードをドライブモードから元の動作モードに自動的に切り替えることを制御している。
【0034】
なお、前述の説明では、自動車の発車時点で、携帯端末2にて現在の動作モードを一旦退避保存していた場合について説明しているが、前述したように、発車時点で現在の動作モードを退避保存することなく、自動車が停車した際に、携帯端末2の動作モードを通常の送受信動作が可能な送受信モードに一義的に復旧させるようにしても良い。
【0035】
また、自動車が停車した際に、携帯端末2のCPU21は、携帯端末2の動作モードをドライブモードから元の動作モードに復帰させるだけでなく、携帯端末2に対する着信履歴や受信メール履歴などを検索して、自動車が走行中のドライブモードに設定されていた間に、着信した電話や受信メールや受信チャットが存在していたか否かを自動的に調べ、その一覧を画面表示するようにしても良い。この場合、例えば、運転者からの指示により、ドライブモード中に着信した通話相手に対して呼び返し発呼したり、受信メールや受信チャットのメッセージを開いたりすることにより、急な用件に対しても迅速に対応することができる。
【0036】
あるいは、留守番録音を設定していた場合には、携帯端末2のCPU21は、留守番録音サービスセンタに自動的に問い合わせ、ドライブモードの設定中に(即ち、自動車の走行中に)留守番録音されていた伝言を再生させるようにしても良い。また、電子メールやチャットなどの機能については、携帯端末2のCPU21は、電子メールやチャットのサービスセンタに対して、ドライブモードの設定中に(即ち、自動車の走行中に)受信したメッセージが存在しているか否かを問い合わせる問い合わせ信号を自動的に送信するようにしても良い。この問い合わせ信号の自動送信により、電子メールやチャットのサービスセンタから、走行中に受信していたメッセージを自動的に配信させることができ、運転者は、電子メールやチャットなどの内容を容易に確認することができる。
【0037】
以上の説明においては、自動車が発車して停車するまでの間の走行中の状態にある間は、運転者の携帯端末2の動作モードを強制的にドライブモードに設定する動作について説明した。しかし、携帯端末2を運転者が手動操作することなく通話を行うことができるハンドフリー通話用の車載機器に、携帯端末2を接続する機能を有している場合には、車速信号検出部11が自動車の発車を検出して、自動車車載用装置1からのモード切り替え信号を携帯端末2が受信した際に、携帯端末2がハンドフリー通話用の車載機器に接続されているにも関わらず、ハンドフリーモードに設定されていなかった場合、ドライブモードへの切り替えを実行する代わりに、ハンドフリーモードに切り替えられる。
【0038】
以上、本発明による携帯端末モード設定システムの一実施例の構成について詳細に説明したが、次に、図1の自動車車載用装置1の動作を図2に示す動作フローチャートを使用し、また、図1の携帯端末2の動作を図3に示す動作フローチャートを使用して、それぞれ説明する。なお、図1に示す車載コンピュータ3及び車速信号線や分岐回路4については、当業者にとって良く知られた既存の技術を適用したもので十分であり、かつ、本発明とは直接関係しないので、その詳細な動作についての説明は省略する。
【0039】
まず、図2の動作フローチャートを用いて自動車車載用装置1の動作について説明する。図2において、自動車が発車して、車速信号検出部11が車載コンピュータ3から車速信号線に出力される車速信号(車速が0以外の値であること)を検出すると(ステップS1のYES)、ドライブモードへの切り替えを要求するモード切り替え信号(無線信号A1)が既に携帯端末2に対して送信済みであることを示す信号A1送出フラグがONか否かを判定する(ステップS2)。
【0040】
信号A1送出フラグがONの場合は(ステップS2のON)、モード切り替え信号を既に送信済みであるので、そのまま、次の車速信号の検出動作に復帰するが、信号A1送出フラグがOFFの場合は(ステップS2のOFF)、まだ、携帯端末2に対するドライブモードの切り替え要求となるモード切り替え信号(無線信号A1)を送信していないので、車速信号検出部11は、携帯端末2に対するモード切替え信号(無線信号A1)の送出要求を信号送信部12に送出する(ステップS3)。モード切替え信号の送出要求を受け取った信号送信部12は、モード切替え信号(無線信号A1)を携帯端末2に対して送信し、信号送信部12からの送信が終了した時点で、信号A1送出フラグをONに設定する(ステップS4)。
【0041】
一方、走行中の自動車が停車して、車速信号検出部11が車載コンピュータ3からの車速信号線に車速信号が出力されていない(車速が0である)ことを検出すると(ステップS1のNO)、モード切り替え信号(無線信号A1)を既に携帯端末2に対して送信済みであることを示す信号A1送出フラグがONか否かを判定する(ステップS5)。
【0042】
信号A1送出フラグがOFFの場合は(ステップS5のOFF)、まだ、携帯端末2に対するドライブモードの切り替え要求となるモード切り替え信号(無線信号A1)を送信していないので、そのまま、次の車速信号の検出動作に復帰するが、信号A1送出フラグがONの場合は(ステップS2のON)、モード切り替え信号を携帯端末2に既に送信済みであるので、車速信号検出部11は、携帯端末2を元の動作モードに復帰させることを要求するモード切り替え信号(無線信号A2)の送出要求を信号送信部12に送出する(ステップS6)。モード切替え信号の送出要求を受け取った信号送信部12は、モード切替え信号(無線信号A2)を携帯端末2に対して送信し、信号送信部12からの送信が終了した時点で、信号A1送出フラグをOFFに戻す(ステップS7)。
【0043】
なお、図2においては、ドライブモードへの切り替えを要求するモード切り替え信号(無線信号A1)や元の動作モードへの復帰を要求するモード切り替え信号(無線信号A2)を携帯端末2が受信した際に、ドライブモードへの切り替えを完了した旨を示す切り替え完了信号(無線信号B1)や元の動作モードへの切り替えを完了した旨を示す切り替え完了信号(無線信号B2)を、自動車車載用装置1に対して返送してこない場合の動作を説明した。
【0044】
しかし、前述のように、この切り替え完了信号が返送されてくるように動作する場合であれば、ステップS4やステップS7に移行するに先立って、予め定めた時間が経過するまで、携帯端末2からの切り替え完了信号の返送を監視し、返送されてきた場合に、初めて、信号A1送出フラグをONに設定したり、OFFに戻したりする。一方、予め定めた時間が経過するまでに返送されてこなければ、携帯端末2の動作モードの切り替えが何らかの原因で正常に行われなかったことを意味するので、再度、モード切り替え信号を再送したり、異常の発生の旨を、運転者に通知したりする。
【0045】
また、自動車車載用装置1の車速信号検出部11は、自動車が交差点などでの一時停車した場合と駐車場などにおいて駐車するために停車した場合とを識別可能とし、交差点などでの一時停車した場合にはモード切り替え動作を起動せずに、駐車するために停車した場合にのみモード切り替え動作を起動するようにしても良い。
【0046】
この場合、一時的に停車した場合と駐車するために停車した場合との識別は、例えば、パーキングブレーキの操作の有無を検知して、車載コンピュータ3から出力されるパーキング信号を、自動車車載用装置1の車速信号検出部11で検出するか、あるいは、車速信号検出部11に停車時点からの時間を計数するタイマを備えて、停車から予め定めた一定時限経過したか否かを検出するか、などにより行えば良く、駐車のための停車と識別された場合に、初めて、ドライブモードから元の動作モードに復帰させるモード切り替え信号(無線信号A2)を、携帯端末2に対して送信する動作を起動する。
【0047】
次に、図3の動作フローチャートを用いて、自動車車載用装置1からモード切り替え信号(無線信号A1又はA2)を受信した場合の携帯端末2の動作について説明する。図3において、モード切替え信号(無線信号A1又はA2)を信号受信部23で受信した携帯端末2のCPU21は、携帯端末2の動作モードが、ハンドフリー機能に固定して使用する固定ハンドフリーモードに設定されているか否かをまず確認する(ステップS11)。固定ハンドフリーモードに設定されていた場合は(ステップS11のYES)、自動車の走行中か否かに関係なく、固定ハンドフリーモードを継続するために、受信したモード切替え信号を無視して、動作モードの切り替えを行うことなく終了する。
【0048】
一方、動作モードが固定ハンドフリーモードに設定されていなかった場合は(ステップS11のNO)、信号受信部23で受信したモード切り替え信号が、ドライブモードへの強制的な切り替えを指示するモード切り替え信号(無線信号A1)と、元の動作モードへの復帰を指示するモード切り替え信号(無線信号A2)とのいずれかを判別する(ステップS12)。
【0049】
受信したモード切り替え信号が、ドライブモードへの強制的な切り替えを指示するモード切り替え信号(無線信号A1)であった場合(ステップS12の信号A1)、携帯端末2の現在の動作モードが、可変に設定変更が可能なハンドフリー機能として使用中のハンドフリーモードであるか否かをまず確認する(ステップS13)。現在、ハンドフリーモードで使用している場合は(ステップS13のハンドフリーモード)、受信したモード切替え信号(無線信号A1)を無視して、動作モードの切り替えを行うことなく終了する。
【0050】
一方、現在、ハンドフリーモードで使用していない場合は(ステップS13のOthers)、携帯端末2がハンドフリー通話用の車載機器に接続されているか否かをチェックする(ステップS14)。ハンドフリー通話用の車載機器に接続されている場合(ステップS14のYES)、ハンドフリー通話用の車載機器に接続されているにも関わらず、携帯端末2がハンドフリーモードで使用していない状態にあるので、自動車車載用装置1から指示されたドライブモードではなく、ハンドフリーモードに設定するために、CPU21は、動作モード切り替え部22を制御して、まず、現在の動作モードを一旦退避格納した後(ステップS15)、ハンドフリーモードに切り替えて設定する(ステップS16)。
【0051】
また、ハンドフリー通話用の車載機器に接続されていなかった場合(ステップS14のNO)、現在の動作モードがドライブモードであるか否かをチェックし(ステップS17)、ドライブモードであれば(ステップS17のドライブモード)、携帯端末2は、ドライブモードに既に設定されているので、受信したモード切替え信号を無視して、動作モードの切り替えを行うことなく終了する。一方、現在の動作モードがドライブモードではなかった場合(ステップS17のOthers)、自動車車載用装置1から指示されたドライブモードに切り替えて設定するために、CPU21は、動作モード切り替え部22を制御して、まず、現在の動作モードを一旦退避格納した後(ステップS18)、着信に関する運転者への出力を抑止するドライブモードに切り替えて設定する(ステップS19)。
【0052】
ステップS12において、受信したモード切り替え信号が、元の動作モードへの復帰を指示するモード切り替え信号(無線信号A2)であった場合(ステップS12の信号A2)、携帯端末2の現在の動作モードが、可変に設定変更が可能なハンドフリー機能として使用中のハンドフリーモードであるか否かをまず確認する(ステップS20)。現在、ハンドフリーモードで使用していた場合は(ステップS20のハンドフリーモード)、受信したモード切替え信号(無線信号A2)に応じて、元の動作モードに復帰する切り替え動作を行うために、ステップS22に移行する。
【0053】
一方、現在、ハンドフリーモードで使用していなかった場合は(ステップS20のOthers)、現在の動作モードがドライブモードであるか否かをチェックし(ステップS21)、ドライブモードでなければ(ステップS21のOthers)、携帯端末2は、ドライブモード以外の動作モードに既に復帰しているので、受信したモード切替え信号を無視して、動作モードの切り替えを行うことなく終了する。
【0054】
一方、現在の動作モードがドライブモードであった場合はステップS22へ移行し、自動車車載用装置1からの指示に応じて、ドライブモードから元の動作モードに復帰する切り替え動作を行うために、CPU21は、動作モード切り替え部22を制御して、まず、発車時点で一旦退避格納していた元の動作モードを読み出した後(ステップS22)、ドライブモードから元の動作モードに切り替える(ステップS23)。
【0055】
なお、図3においては、図2の場合と同様、携帯端末2が、ドライブモードへの切り替えを要求するモード切り替え信号(無線信号A1)や元の動作モードへの復帰を要求するモード切り替え信号(無線信号A2)を自動車車載用装置1から受信した際に、ドライブモードへの切り替えを完了した旨を示す切り替え完了信号(無線信号B1)や元の動作モードへの切り替えを完了した旨を示す切り替え完了信号(無線信号B2)を、自動車車載用装置1に対して返送しない場合の動作を説明した。
【0056】
しかし、前述のように、携帯端末2が、動作モード切り替え部22により、受信した切り替え指示に応じて、動作モードの切り替え動作を完了するか、あるいは、受信した切り替え指示に対する何らかの処理をした場合には、切り替え完了信号を自動車車載用装置1に対して返送するように動作することも可能であり、この場合は、図3の終了処理に先立って、携帯端末2の信号送信部24から切り替え完了信号を、自動車車載用装置1に対して返送するようにする。この切り替え完了信号には、携帯端末2における処理内容を示す詳細情報(例えば、指示通りの動作モードへの切り替えの有無、ハンドフリーモードへの切り替えの有無、受信したモード切り替え信号の無視、などを含む情報)を付加して返送するようにしても良い。
【0057】
また、携帯端末2の現在の動作モードを一旦退避格納する処理を、前述のように、携帯端末2側ではなく、自動車車載用装置1側で行うようにしても良い。この場合は、図3のステップS15,S18にそれぞれ示した退避格納処理、及び、ステップS22に示した読み出し処理が、自動車車載用装置1との間の通信により行われるようにしても良いし、前述のように、自動車車載用装置1からのモード切り替え信号に先立って、自動車車載用装置1から携帯端末2に対して、現在の動作モードの返送を要求したり、逆に、元の動作モードを送信したりするようにしても良い。
【0058】
更には、図3のステップS23に示すように、元の動作モードへの復帰処理が終了した後、携帯端末2のCPU21は、ドライブモードに設定されていた間の着信履歴や受信メールや受信チャットの一覧を表示したり、あるいは、着信通話に関する留守番録音サービスセンタや受信メールや受信チャットのサービスセンタに対して、問い合わせ信号を自動的に送信するようにしても良い。
【0059】
あるいは、自動車の走行中に強制的に設定する動作モードとしては、前述のような「ドライブモード」ではなく、携帯端末2の一切の着信動作を拒否する着信拒否モードに設定するようにしても良い。この場合は、電話やメールやチャットなどの如何なる場合においても、基地局から携帯端末2への着信動作がすべて拒否され、その旨が通信相手に通知されて通信が終了するか、あるいは、その旨の通知と共に、通信相手からの情報をサービスセンタが代行して受信する処理(留守番録音、受信メールやチャットの保存)が行われる。したがって、ドライブモードではなく着信拒否モードに設定する場合は、自動車が停車して元の動作モードに復帰した際には、サービスセンタへの問い合わせ信号の自動送信が、運転者への利便性の向上を図る上で、必須の機能となる。
【0060】
このようにして、本発明では、自動車の車速を監視して、自動車の発車を検出した場合、携帯端末の動作モードをドライブモードに自動的に切り替えることにより、運転中におけるドライブモードへの設定忘れを防止すると共に、運転中での着信通知用の予期せぬ出力に伴う交通事故の発生の回避を図ることができる。更には、自動車が停止した場合に、自動的に元の動作モードに復帰することも可能であり、通信相手からいつまでも通信できない状態が継続するような事態も防止することができる。
【0061】
以上、本発明の好適実施例の構成を説明した。しかし、斯かる実施例は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であること、当業者には容易に理解できよう。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明による携帯端末モード設定システムの概略構成の一例を示すブロック構成図である。
【図2】本発明による携帯端末モード設定システムにおける自動車車載用装置の動作の一例を説明するための動作フローチャートである。
【図3】本発明による携帯端末モード設定システムにおける携帯端末の動作の一例を説明するための動作フローチャートである。
【図4】従来の携帯端末モード設定システムの構成を示すブロック構成図である。
【符号の説明】
【0063】
1 自動車車載用装置
11 車速信号検出部
12 信号送信部
13 信号受信部
2 携帯端末
21 CPU
22 動作モード切り替え部
23 信号受信部
24 信号送信部
3 車載コンピュータ
4 分岐回路
51 携帯電話本体側装置
52 自動車側付属装置
53 無線受信機
54 制御回路
55 携帯電話機
56 無線送信機
57 車速検出回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者が携帯する携帯端末と無線信号で情報を送受信する自動車車載用装置を自動車内に備えて、前記携帯端末の動作モードを設定する携帯端末モード設定システムであって、前記自動車車載用装置が、自動車が発車したことを検出した場合に、前記携帯端末に対して、着信通知用の出力を抑止するためのドライブモードへの設定を指示するモード切り替え信号を送信することにより、前記携帯端末が、動作モードをドライブモードに切り替えて設定することを特徴とする携帯端末モード設定システム。
【請求項2】
前記携帯端末が、動作モードをドライブモードに切り替えて設定するのに先立って、現在の動作モードを一旦退避保存することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末モード設定システム。
【請求項3】
前記自動車車載用装置が、自動車が停車したことを検出した場合に、前記携帯端末に対して、元の動作モードへの復帰を指示するモード切り替え信号を送信することにより、前記携帯端末が、動作モードを発車時点で一旦退避保存していた元の動作モードに切り替えて設定することを特徴とする請求項2に記載の携帯端末モード設定システム。
【請求項4】
前記自動車車載用装置が、自動車が停車したことを検出した場合であって、更に、自動車の駐車を示すパーキング信号を検出した場合、又は、停車時点から予め定めた時限を超えて停車状態が継続していることを検出した場合に、前記携帯端末に対して、元の動作モードへの復帰を指示するモード切り替え信号を送信することにより、前記携帯端末が、動作モードを発車時点で一旦退避保存していた元の動作モードに切り替えて設定することを特徴とする請求項2に記載の携帯端末モード設定システム。
【請求項5】
前記携帯端末の動作モードとして、ハンドフリーで通信が可能なハンドフリーモードを備えている場合に、前記携帯端末が、前記ドライブモードへの設定を指示するモード切り替え信号を、前記自動車車載用装置から受信した際に、動作モードがハンドフリーモードに設定されていた場合には、前記ドライブモードへの切り替えを実行せずに、ハンドフリーモードの状態を継続することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の携帯端末モード設定システム。
【請求項6】
前記携帯端末が、前記ドライブモードへの設定を指示するモード切り替え信号を、前記自動車車載用装置から受信した際に、ハンドフリー通話用の車載装置に接続されているにも関わらず、動作モードがハンドフリーモードに設定されていない場合、動作モードを、前記ドライブモードへ切り替える代わりに、ハンドフリーモードに切り替えることを特徴とする請求項5に記載の携帯端末モード設定システム。
【請求項7】
運転者が携帯する携帯端末と無線信号で情報を送受信する自動車車載用装置であって、自動車が発車したことを検出した場合に、前記携帯端末に対して、着信通知用の出力を抑止するためのドライブモードへの設定を指示するモード切り替え信号を送信することを特徴とする自動車車載用装置。
【請求項8】
自動車が停車したことを検出した場合に、前記携帯端末に対して、元の動作モードへの復帰を指示するモード切り替え信号を送信することを特徴とする請求項7に記載の自動車車載用装置。
【請求項9】
自動車が停車したことを検出した場合であって、更に、自動車の駐車を示すパーキング信号を検出した場合、又は、停車時点から予め定めた時限を超えて停車状態が継続していることを検出した場合に、前記携帯端末に対して、元の動作モードへの復帰を指示するモード切り替え信号を無線信号により送信することを特徴とする請求項7に記載の自動車車載用装置。
【請求項10】
自動車が発車した際に、着信通知用の出力を抑止するためのドライブモードへの設定を指示するモード切り替え信号を受信することにより、動作モードをドライブモードに切り替えて設定することを特徴とする携帯端末。
【請求項11】
動作モードをドライブモードに切り替えて設定するのに先立って、現在の動作モードを一旦退避保存することを特徴とする請求項10に記載の携帯端末。
【請求項12】
自動車が停車した際に、元の動作モードへの復帰を指示するモード切り替え信号を受信することにより、動作モードを発車時点で一旦退避保存していた元の動作モードに切り替えて設定することを特徴とする請求項11に記載の携帯端末。
【請求項13】
動作モードとして、ハンドフリーで通信が可能なハンドフリーモードを備え、前記ドライブモードへの設定を指示するモード切り替え信号を受信した際に、動作モードがハンドフリーモードに設定されていた場合には、前記ドライブモードへの切り替えを実行せずに、ハンドフリーモードの状態を継続することを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項14】
前記ドライブモードへの設定を指示するモード切り替え信号を受信した際に、ハンドフリー通話用の車載装置に接続されているにも関わらず、動作モードがハンドフリーモードに設定されていない場合、動作モードを、前記ドライブモードへ切り替える代わりに、ハンドフリーモードに切り替えることを特徴とする請求項13に記載の携帯端末。
【請求項15】
運転者が携帯する携帯端末と無線信号で情報を送受信する自動車車載用装置を自動車内に備えて、前記携帯端末の動作モードを設定する携帯端末モード設定方法であって、前記自動車車載用装置が、自動車が発車したことを検出した場合に、前記携帯端末に対して、着信通知用の出力を抑止するためのドライブモードへの設定を指示するモード切り替え信号を送信することにより、前記携帯端末が、動作モードをドライブモードに切り替えて設定することを特徴とする携帯端末モード設定方法。
【請求項16】
前記携帯端末が、動作モードをドライブモードに切り替えて設定するのに先立って、現在の動作モードを一旦退避保存することを特徴とする請求項15に記載の携帯端末モード設定方法。
【請求項17】
前記自動車車載用装置が、自動車が停車したことを検出した場合に、前記携帯端末に対して、元の動作モードへの復帰を指示するモード切り替え信号を送信することにより、前記携帯端末が、動作モードを発車時点で一旦退避保存していた元の動作モードに切り替えて設定することを特徴とする請求項16に記載の携帯端末モード設定方法。
【請求項18】
前記自動車車載用装置が、自動車が停車したことを検出した場合であって、更に、自動車の駐車を示すパーキング信号を検出した場合、又は、停車時点から予め定めた時限を超えて停車状態が継続していることを検出した場合に、前記携帯端末に対して、元の動作モードへの復帰を指示するモード切り替え信号を送信することにより、前記携帯端末が、動作モードを発車時点で一旦退避保存していた元の動作モードに切り替えて設定することを特徴とする請求項16に記載の携帯端末モード設定方法。
【請求項19】
前記携帯端末の動作モードとして、ハンドフリーで通信が可能なハンドフリーモードを備えている場合に、前記携帯端末が、前記ドライブモードへの設定を指示するモード切り替え信号を、前記自動車車載用装置から受信した際に、動作モードがハンドフリーモードに設定されていた場合には、前記ドライブモードへの切り替えを実行せずに、ハンドフリーモードの状態を継続することを特徴とする請求項15乃至18のいずれかに記載の携帯端末モード設定方法。
【請求項20】
前記携帯端末が、前記ドライブモードへの設定を指示するモード切り替え信号を、前記自動車車載用装置から受信した際に、ハンドフリー通話用の車載装置に接続されているにも関わらず、動作モードがハンドフリーモードに設定されていない場合、動作モードを、前記ドライブモードへ切り替える代わりに、ハンドフリーモードに切り替えることを特徴とする請求項19に記載の携帯端末モード設定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−319727(P2006−319727A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−140990(P2005−140990)
【出願日】平成17年5月13日(2005.5.13)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】