説明

携帯端末装置、衝撃音減衰方法、衝撃音減衰プログラムおよび衝撃音減衰システム

【課題】所望の音声と同時に発生したキー押下時の衝撃音を、スピーカから出力するとき減衰させることができる携帯端末装置を提供する。
【解決手段】集音した音を第1電気信号へ変換するマイク部20と、第1電気信号を符号化した第1音声信号を生成する音声処理部41と、ユーザの入力に基づいて検知信号を出力するキー部30と、検知信号を受け取ると、第1電気信号に含まれるキー部30の押下時の衝撃音100に相当する電気信号を符号化した第2音声信号を生成し、第2音声信号に対して逆位相の第3音声信号を生成するノイズキャンセラ部42とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯端末装置に関し、特にキー押下時の衝撃音の減衰方法に関する。
【背景技術】
【0002】
動画撮影ができる携帯端末装置は、ユーザ操作に基づいて動画撮影中にズーム機能などの撮影機能を駆動し、シーンに合わせた動画を撮影することができる。そのような中、撮影中の携帯端末装置に起因する雑音を防止することは重要であり、様々な技術が開発されている。
【0003】
特許文献1には、ボタンの操作音が記録されることを防止する音声記録装置に関する技術が開示されている。特許文献1の音声記録装置は、シャッターボタンへの接触の検知に基づきノッチフィルタが作動し、ノッチフィルタがマイクロフォンから出力された音声信号からシャッターボタンの操作時に発生する音の信号成分を除去することを特徴としている。このような音声記録装置は、ボタンの操作音が記録音声に混入されることを防止できるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−39105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述したように、携帯端末装置を用いて動画を撮影するユーザは、キーを操作してズーム機能など各種の撮影機能を駆動させ、所望の動画を撮影することができる。しかし、携帯端末装置のマイクロフォンは、ユーザがキーを押下した時に発生する物理的な音(キー押下時の衝突による衝撃音)も、所望の音声と同時に集音してしまう。従って、録音中にキーが操作された携帯端末装置には、所望の音声とキー押下時の衝撃音とが同時に録音されており、音声(動画)を再生する時に、所望の音声とキー押下時の衝撃音とが一緒に再生されてしまう問題がある。そこで、携帯端末装置のキー素材をシリコン素材に変更して、キー押下時の衝撃力を緩和する方法が考えられている。しかし、携帯端末装置のマイクロフォンは、小さな音まで集音できる程に集音機能が発達しているため、ボタンの素材を変更するだけでは十分な対策とはならない。特に、携帯端末装置では、マイクロフォンとキーとの距離が近く、マイクロフォンはキー押下時の衝撃音を直接音として集音しやすい。更に、携帯端末装置では、特有の薄型密閉構造によって、マイクロフォンがキー押下時の衝撃音を内部で反射した反射音としても集音してしまう。
【0006】
本発明の目的は、所望の音声と同時に発生したキー押下時の衝撃音を、スピーカから出力するとき減衰させることができる携帯端末装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の携帯端末装置は、集音した音を第1電気信号へ変換するマイク部と、第1電気信号を符号化した第1音声信号を生成する音声処理部と、ユーザの入力に基づいて検知信号を出力するキー部と、検知信号を受け取ると、第1電気信号に含まれるキー部の押下時の衝撃音に相当する電気信号を符号化した第2音声信号を生成し、第2音声信号に対して逆位相の第3音声信号を生成するノイズキャンセラ部とを具備する。
【0008】
本発明の衝撃音減衰方法は、集音した音を表す第1電気信号を符号化した第1音声信号を生成するステップと、ユーザがキー部を押下したことを示す検知信号を受け取ると、第1電気信号に含まれるキー部の押下時の衝撃音に相当する電気信号を符号化した第2音声信号を生成するステップと、第2音声信号に対して逆位相の第3音声信号を生成するステップとを具備する。
【0009】
本発明の衝撃音減衰プログラムは、集音した音を表す第1電気信号を符号化した第1音声信号を生成するステップと、ユーザがキー部を押下したことを示す検知信号を受け取ると、第1電気信号に含まれるキー部の押下時の衝撃音に相当する電気信号を符号化した第2音声信号を生成するステップと、第2音声信号に対して逆位相の第3音声信号を生成するステップとを具備する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の携帯端末装置は、所望の音声と同時に発生したキー押下時の衝撃音を、スピーカから出力するとき減衰させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態による携帯端末装置1の斜視図である。
【図2】図2は、本発明の携帯端末装置1の機能ブロック図である。
【図3】図3は、携帯端末装置1の実施の形態における、ハードウエア構成例を示すブロック図である。
【図4】図4は、本発明の第1の実施の形態による携帯端末装置1の処理動作を示したフローチャートである。
【図5】図5は、本発明の第2の実施の形態による衝撃音減衰システムを示す模式図である。
【図6】図6は、本発明の第2の実施の形態による衝撃音減退システムの処理動作を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態による携帯端末装置、衝撃音減衰方法、衝撃音減衰プログラムおよび衝撃音減衰システムを説明する。
【0013】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態による携帯端末装置1の斜視図である。図1を参照すると、携帯端末装置1は、折りたたみ型の携帯電話機であり、入力装置としてマイク部20とキー部30とを備え、出力装置としてスピーカ部10と表示部80とを備える。携帯端末装置1は、マイク部20がユーザ所望の音声と同時に発生したキー部30の衝撃音100を集音するが、スピーカ部10から出力するときに衝撃音100を減衰させることができる。マイク部20が集音するキー部30の衝撃音100には、直接音と筐体内部を反射する反射音とが含まれる。尚、携帯端末装置1は、折りたたみ型として説明するが、ストレート型や、スライド型などでもよい。
【0014】
図2は、本発明の携帯端末装置1の機能ブロック図である。図2を参照すると、携帯端末装置1は、スピーカ部10と、マイク部20と、キー部30と、音声モジュール40と、通信部50と、格納部60と、画像モジュール70と、表示部80とを具備する。
【0015】
スピーカ部10は、音声モジュール40から受け取る電気信号を、ユーザが認識できる音として出力する。マイク部20は、周囲の音を集音し、集音した音を電気信号へ変換する。マイク部20は、集音した音を表す電気信号を音声モジュール40へ出力する。
【0016】
キー部30は、ユーザに押下されると、ユーザ入力を示す信号を携帯端末装置1の各部へ出力する。つまり、ユーザはキー部30を用いて、携帯端末装置1を操作することができる。例えば、キー部30は、携帯電話機のダイヤルボタン、メニューボタン、動画の撮影に係るボタンなどが挙げられる。キー部30は、ユーザに押下されると電気的スイッチ構造を利用し、ユーザがキー部30を押下したことを示す検知信号を音声モジュール40、詳細には後述するノイズキャンセラ部42へ出力する。
【0017】
音声モジュール40は、音声処理として、音を表す電気信号の符号化と符号化された音声信号の復号化とを行う。音声モジュール40は、音声処理部41と、ノイズキャンセラ部42とを備える。音声処理部41は、マイク部20から集音した音を表す電気信号を受け取ると、その電気信号を符号化した音声信号を生成する。但し、当該音声信号にはユーザ所望の音声の他に、キー部30の押下時の衝撃音100も含まれている。以降、ユーザ所望の音声とキー部30の押下時の衝撃音100とを含む符号化された音声信号を原音信号と称する。
【0018】
ノイズキャンセラ部42は、キー部30から受け取る検知信号に基づいて動作する。ノイズキャンセラ部42は、検知信号を受け取ると、マイク部20から受け取る電気信号に含まれる、キー部30の押下時の衝撃音100に相当する電気信号を符号化した音声信号を生成する。詳細には、ノイズキャンセラ部42は、予めキー部30の押下時の衝撃音100に相当する電気信号の周波数帯を有している。ノイズキャンセラ部42は、検知信号を受け取ると、マイク部20から受け取る電気信号から、衝撃音100に相当する周波数帯の電気信号を抽出する。そして、ノイズキャンセラ部42は、抽出した衝撃音100に相当する周波数帯の電気信号を符号化する。以降、符号化された衝撃音100に相当する電気信号を衝撃音信号と称する。続いて、ノイズキャンセラ部42は、衝撃音信号に対して逆位相の音声信号を生成し、音声処理部41へ提供する。
【0019】
音声処理部41は、キー部30の押下時の衝撃音100を含む原音信号と、衝撃音信号に対して逆位相の音声信号とを通信部50又は格納部60へ提供する。また、音声処理部41は、スピーカ部10へ出力するときに、通信部50及び格納部60から原音信号と、衝撃音信号に対して逆位相の音声信号とを取得する。そして、音声処理部41は、原音信号と衝撃音信号に対して逆位相の音声信号とを重ね合わせた電気信号を生成し、スピーカ部10へ出力する。原音信号と、衝撃音信号に対して逆位相の音声信号とが重ね合わされた電気信号は、衝撃音100が減衰された音としてスピーカ部10から出力される。
【0020】
通信部50は、音声処理部41から受け取る原音信号及び衝撃音信号に対して逆位相の音声信号を、携帯端末装置1と通信する他の携帯端末装置へ送信する。また、通信部50は、他の携帯端末装置から原音信号及び衝撃音信号に対して逆位相の音声信号を受信し、音声処理部41へ提供する。
【0021】
格納部60は、音声処理部41から受け取る原音信号及び衝撃音信号に対して逆位相の音声信号を格納する。また、格納部60は、画像モジュール70から受け取る画像データを格納する。
【0022】
画像モジュール70は、対象物を撮影し、画像データに変換する。画像モジュール70は、撮像部71と、画像処理部72とを備える。撮像部71は、レンズ及びCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子を有し、受けた光を電気信号へ変換する。画像処理部72は、電気信号を画像データに変換し、格納部60へ提供する。また、画像モジュール70は、格納部60に格納されている画像データを取得し、画像データを表示部80へ出力する。
【0023】
表示部80は、携帯端末装置1に係る各種データをユーザが認識できるように表示する。特に、表示部80は、画像処理部72から画像データを受け取ると、ユーザが認識できるように表示する。
【0024】
本発明の実施の形態による携帯端末装置1は、コンピュータを用いて実現可能である。図3は、携帯端末装置1の実施の形態における、ハードウエア構成例を示すブロック図である。図3を参照すると、本発明の携帯端末装置1は、CPU(Central Processing Unit)200と、記憶装置201と、入力装置202と、出力装置203と、各装置を接続するバス204とを備えるコンピュータシステムで構成される。
【0025】
CPU200は、記憶装置201に格納されている本発明の携帯端末装置1に係る演算処理及び制御処理を行う。記憶装置201は、ハードディスクやメモリなど、情報の記録を行う装置である。記憶装置201は、CD−ROMやDVD等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体から読み取られたプログラム、入力装置202から入力された信号やプログラム、及びCPU200の処理結果を格納する。入力装置202は、ボタン、マイクロフォンなど、ユーザがコマンド及び信号を入力することが出来る装置である。出力装置203は、ディスプレイ、スピーカなど、ユーザに出力結果を認識させる装置である。尚、本発明はハードウエア構成例と示したものに限定されず、各部はハードウエアとソフトウエアとを単独又は組み合わせて実現することが出来る。
【0026】
図4は、本発明の第1の実施の形態による携帯端末装置1の処理動作を示したフローチャートである。図4を参照して、本発明の第1の実施の形態による処理動作を説明する。尚、ここでは、音声及び動画の記録を行う場合を説明する。
【0027】
携帯端末装置1は、ユーザ操作に基づいて音声及び動画の記録を開始する(ステップS01)。詳細には、マイク部20は、集音した音を電気信号に変換し、音声モジュール40へ出力する。音声処理部41は、マイク部20から電気信号を受け取り、その電気信号を符号化した原音信号の生成を開始する。一方、画像モジュール70の撮像部71は、受けた光を電気信号へ変換する。画像処理部72は、電気信号を画像データに変換し、格納部60へ提供する。
【0028】
ユーザは、音声及び動画の記録中に、携帯端末装置1のキー部30を押下する。携帯端末装置1は、キー部30の押下に対応したズーム機能など各種の撮影機能を駆動させる。キー部30は、ユーザに押下されたことを検知し、ユーザがキー部30を押下したことを示す検知信号をノイズキャンセラ部42へ出力する(ステップS02)。
【0029】
キー部30が押下されたとき、キー部30の押下に基づいて衝撃音100が発生する。マイク部20は、感度が良く、更にキー部30の近傍に配置しているため、キー部30の衝撃音100を直接音及び反射音として集音する。つまり、マイク部20は、ユーザ所望の音と共に衝撃音100も電気信号に変換し、音声モジュール40へ出力する。従って、音声処理部41が生成する原音信号には、ユーザ所望の音の他に、キー部30の押下による衝撃音100が含まれる。
ノイズキャンセラ部42は、キー部30から受け取る検知信号に基づいて動作する。ノイズキャンセラ部42は、検知信号を受け取ると、マイク部20から受け取る電気信号に含まれる、キー部30の押下時の衝撃音100に相当する電気信号を符号化した音声信号(衝撃音信号)を生成する。詳細には、ノイズキャンセラ部42は、予めキー部30の押下時の衝撃音100に相当する周波数帯の電気信号を有しており、マイク部20から受け取る電気信号からその周波数帯の電気信号を抽出する。次に、ノイズキャンセラ部42は、抽出した衝撃音100に相当する周波数帯の電気信号を符号化し、衝撃音100を表す衝撃音信号を生成する(ステップS03)。
【0030】
ノイズキャンセラ部42は、衝撃音信号に対して逆位相の音声信号を生成する(ステップS04)。
【0031】
ノイズキャンセラ部42は、衝撃音信号に対して逆位相の音声信号を音声処理部41へ提供する。音声処理部41は、衝撃音100を含む原音信号と、衝撃音信号に対して逆位相の音声信号とを格納部60へ提供する。格納部60は、衝撃音100を含む原音信号と衝撃音信号に対して逆位相の音声信号とを格納する(ステップS05)。携帯端末装置1は、ユーザ操作に基づいて音声及び動画の記録を終了する。
【0032】
携帯端末装置1は、ユーザ操作に基づいて、記録された音声及び動画の再生を行う。詳細には、音声処理部41は、格納部60から取得した衝撃音100を含む原音信号と、衝撃音信号に対して逆位相の音声信号とを重ね合わせた電気信号を生成し、スピーカ部10へ出力する。原音信号と、衝撃音信号に対して逆位相の音声信号とが重ね合わされた電気信号は、衝撃音100が減衰された音としてスピーカ部10から出力される(ステップS06)。一方、画像モジュール70は、音声処理部41がスピーカ部10へ出力するとき、格納部60に格納されている画像データを取得して、表示部80へ提供する。表示部80は画像データをユーザが認識できるように表示する。即ち、携帯端末装置1は、衝撃音100が減衰された音声と、音声と同期する動画とを出力することができる。
【0033】
本発明の携帯端末装置1は、衝撃音100を含む原音信号と、衝撃音信号に対して逆位相の音声信号とを重ね合わせた電気信号を、ユーザが認識できる音としてスピーカ部10から出力することができる。従って、本発明の携帯端末装置1は、音声録音中にユーザ操作に基づいて発生したキー部30の押下時の衝撃音100を、音声再生時に減衰させて出力することができる。尚、本発明の第1の実施の形態による携帯端末装置1は、動画撮影時の携帯電話機として説明したが、音声録音時のみでも同様の効果を奏することができる。また、本発明の携帯端末装置1は、携帯電話機に限らずボイスレコーダなど音声を録音できる装置に適用することもできる。
【0034】
(第2の実施の形態)
図5は、本発明の第2の実施の形態による衝撃音減衰システムを示す模式図である。図5を参照すると、本発明の衝撃音減衰システムは、携帯端末装置2と携帯端末装置3とを具備する。本発明の第2の実施の形態の衝撃音減衰システムは、携帯端末装置2と携帯端末装置3との通話中において、キーの押下時の衝撃音を改善するものである。尚、図5において、携帯端末装置2と携帯端末装置3との通信を接続する交換機等は省略されている。
【0035】
携帯端末装置2と携帯端末装置3とは、ネットワーク4を介して接続される。携帯端末装置2及び携帯端末装置3は、本発明の第1の実施の形態による携帯端末装置1と同じ構成である。つまり、携帯端末装置2及び携帯端末装置3が具備する各構成要素は図2に示した通りであり、同じ符号を用いて説明する。
【0036】
図6は、本発明の第2の実施の形態による衝撃音減退システムの処理動作を示したフローチャートである。図6を参照して、本発明の第2の実施の形態による処理動作を説明する。尚、ここでは携帯端末装置2と携帯端末装置3とは通話を開始しているものとする。
【0037】
携帯端末装置2では、マイク部20が集音したユーザの声を含む音を電気信号に変換し、音声モジュール40へ出力する。音声処理部41は、マイク部20から受け取る電気信号を符号化した原音信号の生成を開始している。ユーザは、通話中に、携帯端末装置1のキー部30を押下する。携帯端末装置1は、キー部30の押下に対応した各種の機能を駆動させる。キー部30は、ユーザの押下を検知し、ユーザがキー部30を押下したことを示す検知信号をノイズキャンセラ部42へ出力する(ステップS10)。
【0038】
キー部30が押下されたとき、キー部30の押下に基づいて衝撃音100が発生する。マイク部20は、感度が良く、更にキー部30の近傍に配置しているため、キー部30の衝撃音100を直接音及び反射音として集音する。つまり、マイク部20は、ユーザの声と共に衝撃音100も電気信号に変換し、音声モジュール40へ出力する。従って、音声処理部41が生成する原音信号には、ユーザの声の他に、キー部30の押下による衝撃音100が含まれる。
ノイズキャンセラ部42は、キー部30から受け取る検知信号に基づいて動作する。ノイズキャンセラ部42は、検知信号を受け取ると、マイク部20から受け取る電気信号に含まれる、キー部30の押下時の衝撃音100に相当する電気信号を符号化した音声信号(衝撃音信号)を生成する。衝撃音信号を生成する方法の詳細は、第1の実施の形態と同様である(ステップS11)。
【0039】
ノイズキャンセラ部42は、衝撃音信号に対して逆位相の音声信号を生成する(ステップS12)。
【0040】
ノイズキャンセラ部42は、衝撃音信号に対して逆位相の音声信号を音声処理部41へ提供する。音声処理部41は、衝撃音100を含む原音信号と、衝撃音信号に対して逆位相の音声信号とを通信部50へ提供する。通信部50は、衝撃音100を含む原音信号と衝撃音信号に対して逆位相の音声信号とを、ネットワーク4を介して携帯端末装置3へ送信する(ステップS13)。
【0041】
携帯端末装置3では、通信部50が衝撃音100を含む原音信号と衝撃音信号に対して逆位相の音声信号とを、ネットワーク4を介して受信する(ステップS14)。
【0042】
通信部50は、原音信号と衝撃音信号に対して逆位相の音声信号とを音声処理部41へ提供する。音声処理部41は、衝撃音100を含む原音信号と、衝撃音信号に対して逆位相の音声信号とを重ね合わせた電気信号を生成し、スピーカ部10へ出力する。原音信号と、衝撃音信号に対して逆位相の音声信号とが重ね合わされた電気信号は、衝撃音100が減衰された音としてスピーカ部10から出力される(ステップS15)。
【0043】
本発明の第2の実施の形態による衝撃音減衰システムは、通話中の携帯端末装置同士が、キー部30の押下時の衝撃音100を含む原音信号と衝撃音信号に対して逆位相の音声信号とを送受信することができる。従って、本発明の衝撃音減衰システムは、通話中の音声からキー部30の衝撃音100を減衰させることができるため、ユーザは雑音の少ないクリアな音声で通話することが可能となる。以上説明した本発明に係る各実施の形態は、矛盾の無い範囲で組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 携帯端末装置
2 携帯端末装置
3 携帯端末装置
4 ネットワーク
10 スピーカ部
20 マイク部
30 キー部
40 音声モジュール
41 音声処理部
42 ノイズキャンセラ部
50 通信部
60 格納部
70 画像モジュール
71 撮像部
72 画像処理部
80 表示部
100 衝撃音
200 CPU
201 記憶装置
202 入力装置
203 出力装置
204 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
集音した音を第1電気信号へ変換するマイク部と、
前記第1電気信号を符号化した第1音声信号を生成する音声処理部と、
ユーザの入力に基づいて、検知信号を出力するキー部と、
前記検知信号を受け取ると、前記第1電気信号に含まれる前記キー部の押下時の衝撃音に相当する電気信号を符号化した第2音声信号を生成し、前記第2音声信号に対して逆位相の第3音声信号を生成するノイズキャンセラ部と
を具備する
携帯端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末装置であって、
前記ノイズキャンセラ部は、
前記キー部の押下時の衝撃音に相当する電気信号の周波数帯
を有し、
前記ノイズキャンセラ部は、前記第1電気信号から前記周波数帯の電気信号を抽出し、抽出した前記周波数帯の電気信号を符号化して前記第2音声信号を生成する
携帯端末装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の携帯端末装置であって、
前記音声処理部から受け取る第2電気信号を音として出力するスピーカ部
を更に具備し、
前記音声処理部は、前記第1音声信号と前記第3音声信号とを重ね合わせた前記第2電気信号を生成し、前記スピーカ部へ出力する
携帯端末装置。
【請求項4】
請求項3に記載の携帯端末装置であって、
対象物を撮影し、画像データに変換する画像モジュールと、
前記画像データを表示する表示部と、
前記音声処理部から受け取る前記第1音声信号及び前記第3音声信号と、前記画像モジュールから受け取る前記画像データとを格納する格納部と
を更に具備し、
前記画像モジュールは、前記音声処理部が前記第2電気信号を前記スピーカ部へ出力するとき、前記格納部から前記画像データを取得し前記表示部へ出力する
携帯端末装置。
【請求項5】
第1携帯端末装置と、
前記第1携帯端末装置とネットワークを介して通信する第2携帯端末装置と
を具備し、
前記第1携帯端末装置は、
集音した音を第1電気信号へ変換するマイク部と、
前記第1電気信号を符号化した第1音声信号を生成する第1音声処理部と、
ユーザの入力に基づいて、検知信号を出力するキー部と、
前記検知信号を受け取ると、前記第1電気信号に含まれる前記キー部の押下時の衝撃音に相当する電気信号を符号化した第2音声信号を生成し、前記第2音声信号に対して逆位相の第3音声信号を生成するノイズキャンセラ部と、
前記第1音声信号及び前記第3音声信号を、前記ネットワークを介して前記第2携帯端末装置へ送信する第1通信部と
を備え、
前記第2携帯端末装置は、
前記第1音声信号及び前記第3音声信号を、前記ネットワークを介して前記第1携帯端末装置から受信する第2通信部と、
前記第1音声信号と前記第3音声信号とを重ね合わせた前記第2電気信号を生成する第2音声処理部と、
前記第2電気信号を音として出力するスピーカ部と
を備える
衝撃音減衰システム。
【請求項6】
集音した音を表す第1電気信号を符号化した第1音声信号を生成するステップと、
ユーザがキー部を押下したことを示す検知信号を受け取ると、前記第1電気信号に含まれる前記キー部の押下時の衝撃音に相当する電気信号を符号化した第2音声信号を生成するステップと、
前記第2音声信号に対して逆位相の第3音声信号を生成するステップと
を具備する
衝撃音減衰方法。
【請求項7】
請求項6に記載の衝撃音減衰方法であって、
前記第2音声信号を生成するステップは、
前記第1電気信号から、前記キー部の押下時の衝撃音に相当する周波数帯の電気信号を抽出するステップと、
前記周波数帯の電気信号を符号化して前記第2音声信号を生成するステップと
を備える
衝撃音減衰方法。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の衝撃音減衰方法であって、
前記第1音声信号と前記第3音声信号とを重ね合わせた第2電気信号を生成するステップと、
前記第2電気信号を音として出力するステップと
を更に具備する
衝撃音減衰方法。
【請求項9】
請求項8に記載の衝撃音減衰方法であって、
撮影された対象物の画像データを生成するステップと、
前記第2電気信号を音として出力するとき、前記画像データを前記ユーザが認識できるように表示するステップと
を更に具備する
衝撃音減衰方法。
【請求項10】
請求項6乃至9の何れか一項に記載の方法をコンピュータに実行させる
衝撃音減衰プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−101301(P2011−101301A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−256121(P2009−256121)
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】