説明

携帯端末装置、計算方法、及び計算プログラム

【課題】電卓機能を実行するときに、ユーザの操作負担を軽減できる携帯端末装置を提供する。
【解決手段】第1加速度を計測し、第1加速度に対応した第1動作を出力する加速度センサ部20と、ユーザに押下されたことを検出し、押下された第1キーを示す第1キー検出結果を出力するキー部10と、第1動作と、電卓機能に係る第1処理内容とを関連付けて格納する記憶部30と、第1動作に関連付けられた第1処理内容を記憶部30から抽出し、第1キー検出結果に対応した第1数字又は電卓機能に係る第2処理内容を識別する制御部40と、第1処理内容と、第1数字又は第2処理内容とに基づいて、四則演算を実行する演算部50と、演算結果を表示する表示部60とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯端末装置に関し、特に電卓機能に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末装置が備えるユーザ入力を受け付けるキーは、携帯性を良くするために小さく設計されていることが多い。小さいキーは操作性が悪くなるため、携帯端末装置では操作性を向上させる様々な入力方法が提案されている。
【0003】
特許文献1には、最少のキーを使用し、操作回数を増加させることなく、文字および数字を含む文章を簡単且つ迅速に入力可能な携帯端末装置が開示されている。この携帯端末装置は、移動方向を検出する移動検出手段を設け、ユーザにより押下選択されたキーに割り当てられた複数のキャラクタから、移動検出手段により検出した移動方向によって特定のキャラクタを選択して入力することを特徴としている。このような携帯端末装置では、ユーザが特定のキーを複数回操作したり、複数のキーを操作したりする必要がないというものである。
【0004】
特許文献2には、携帯端末の筐体に配備された加速度センサと、加速度センサからの信号出力に基づいて携帯端末の動作を制御する制御部とを備えた携帯端末用コマンド入力装置が開示されている。この携帯端末用コマンド入力装置は、加速度センサが予め決められた起動信号を検知した場合に限り、予め設定された時間の範囲で加速度センサからの信号を機能選択コマンドとして受け付けるコマンド受付手段と、携帯端末に実装された各種機能の実行を指示する機能選択コマンドとの関係を対応させて記憶したコマンド記憶手段と、コマンド受付手段によって受け付けられた機能選択コマンドに対応する携帯端末の機能をコマンド記憶手段から求めて当該機能の実行を指示する動作指令手段とを制御部に設けたことを特徴とする。このような携帯端末用コマンド入力装置は、携帯端末がポケットやバッグに納められて持ち運ばれる間に、加速度センサが筐体の振動や姿勢変化等を検知して信号を出力しても、その信号を機能選択コマンドとして認識せず、誤動作することがないというものである。
【0005】
特許文献3には、端末同士でのデータのやりとりを容易に行える携帯端末が開示されている。この携帯端末は、予め格納しているデータの中からユーザが任意のデータを選択するためのインターフェースと、自端末の姿勢の変化又は物理的な移動を検出するセンサとを有し、インターフェースによって何れかのデータが選択されている状態で、センサが自端末の姿勢の変化又は物理的な移動を検出した場合に、選択されているデータを処理対象とする所定動作を行うことを特徴とする。このような携帯端末は、処理対象として選択したデータに対する処理を容易に開始させることができるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−173674号公報
【特許文献2】特開2008−176641号公報
【特許文献3】国際公開第2007/034787号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
携帯端末装置には電卓機能を備えるものがある。電卓機能を備える携帯端末装置では、数字を入力するための複数のキーは配列が決まっていることが多く、ユーザはすばやく押下できる傾向にある。このような数字を入力するためのキーは、ブラインドタッチを容易する効果を奏している。一方、演算系のコマンドや小数点などを入力するためのキーは、携帯端末装置に備わる様々なキーに割り当てられており、数字を入力するためのキーとは離れて配置されることが多い。従って、ユーザは四則演算や小数点を入力する都度、数字を入力するために押下していたキーから離れたキーを押下しなければならない。四則演算や小数点を入力するためのキーはブラインドタッチしにくいため、ユーザはそれらを入力する都度、キーを視認する必要がある。つまり、電卓機能を備える携帯端末装置は、電卓として操作しにくい問題を有している。
【0008】
本発明の目的は、電卓機能を実行するときに、ユーザの操作負担を軽減できる携帯端末装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の携帯端末装置は、第1加速度を計測し、第1加速度に対応した第1動作を出力する加速度センサ部と、ユーザに押下されたことを検出し、押下された第1キーを示す第1キー検出結果を出力するキー部と、第1動作と、電卓機能に係る第1処理内容とを関連付けて格納する記憶部と、第1動作に関連付けられた第1処理内容を記憶部から抽出し、第1キー検出結果に対応した第1数字又は電卓機能に係る第2処理内容を識別する制御部と、第1処理内容と、第1数字又は第2処理内容とに基づいて、四則演算を実行する演算部と、演算結果を表示する表示部とを具備する。
【0010】
本発明の計算方法は、計測した第1加速度に対応した第1動作を出力するステップと、ユーザに押下された第1キーを示す第1キー検出結果を出力するステップと、第1動作に関連付けられた電卓機能に係る第1処理内容を、第1動作と第1処理内容とを関連付けた対応関係から抽出するステップと、第1キー検出結果に対応した第1数字又は電卓機能に係る第2処理内容を識別するステップと、第1処理内容と、第1数字又は第2処理内容とに基づいて、四則演算を実行するステップと、演算結果を表示するステップとを具備する。
【0011】
本発明の計算プログラムは、計測した第1加速度に対応した第1動作を出力するステップと、ユーザに押下された第1キーを示す第1キー検出結果を出力するステップと、第1動作に関連付けられた電卓機能に係る第1処理内容を、第1動作と第1処理内容とを関連付けた対応関係から抽出するステップと、第1キー検出結果に対応した第1数字又は電卓機能に係る第2処理内容を識別するステップと、第1処理内容と、第1数字又は第2処理内容とに基づいて、四則演算を実行するステップと、演算結果を表示するステップとをコンピュータ実行可能に具備する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の携帯端末装置は、電卓機能を実行するときに、ユーザの操作負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の携帯端末装置1の構成例を示したブロック図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施の形態による携帯端末装置1の外観の一例を示した図である。
【図3】図3は、加速度センサ部20が計測する加速度の方向を示す図である。
【図4】図4は、記憶部30が格納している検出可能動作と、電卓機能に係る処理内容との対応関係を示す表である。
【図5】図5は、携帯端末装置1の実施の形態における、ハードウエア構成例を示すブロック図である。
【図6】図6は、本発明の携帯端末装置1の第1の実施の形態による処理動作を示したフローチャートである。
【図7】図7は、第2の実施の形態による記憶部30が格納している検出可能動作と、数字又は電卓機能に係る処理内容との対応関係を示す表である。
【図8】図8は、本発明の第2の実施の形態による携帯端末装置1が、加速度センサ部20の検出可能動作とキー部10から受け取る数字又は電卓機能に係る処理内容とを関連付ける処理動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態による携帯端末装置を説明する。尚、本発明の携帯端末装置は、携帯電話機、携帯ゲーム機など電卓機能を備える携帯端末装置である。以下実施の形態では、携帯電話機を例に説明する。
【0015】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態を説明する。図1は、本発明の携帯端末装置1の構成例を示したブロック図である。図1を参照すると、携帯端末装置1は、キー部10と、加速度センサ部20と、記憶部30と、制御部40と、演算部50と、表示部60とを具備する。尚、図1では、携帯端末装置1に係る計算機能以外の構成は省略されている。また、図2は、本発明の第1の実施の形態による携帯端末装置1の外観の一例を示した図である。図2を参照すると、携帯端末装置1は折りたたみ型の携帯電話機であり、上部装置2と下部装置3とを具備する。
【0016】
キー部10は、複数のキーを有する。複数のキーには、数字に対応する複数のキーが含まれる。キー部10は、ユーザに押下されたことを検出し、押下されたキーを示す検出結果を出力する。図2を参照すると、キー部10に含まれる数字を入力するための複数のキーは、ユーザがブラインドタッチしやすいように、下部装置3の一箇所の領域にまとまって配置されることが好ましい。
【0017】
加速度センサ部20は、携帯端末装置1に加わる3軸方向の加速度を計測し、加速度に対応した携帯端末装置1の振動および傾きなどの動作を出力する。図3は、加速度センサ部20が計測する加速度の方向を示す図である。図3を参照すると、加速度センサ部20は、下部装置3に配置され、X軸(X軸+方向、X軸−方向)と、Y軸(Y軸+方向、Y軸−方向)と、Z軸(Z軸+方向、Z軸−方向)との3軸方向に基づいた加速度を計測する。例えば、Z軸−方向が重力方向を示す場合、加速度センサ部20は水平に置かれたときを基準として、携帯端末装置1の上下左右方向の移動や、各軸の傾きを動作として出力する。
【0018】
記憶部30は、加速度センサ部20が計測し出力する3軸方向に対応する複数の動作(以降、検出可能動作と称する)と、四則演算や小数点入力など電卓機能に係る処理内容とを関連付けて格納する。図4は、記憶部30が格納している検出可能動作と、電卓機能に係る処理内容との対応関係を示す表である。図4を参照すると、検出可能動作(複数の動作)と、複数の処理内容である加算、減算、乗算、除算、少数点入力、及びAC(オールクリア)とが関連付けられている。
【0019】
制御部40は、キー部10から検出結果を受け取り、検出結果に対応した数字又は電卓機能に係る処理内容を一意に識別する。また、制御部40は、加速度センサ部20から動作を受け取ると、動作に関連付けられた処理内容を記憶部30の対応関係から抽出する。そして、制御部40は、キー部10に基づく識別した数字又は処理内容、及び、加速度センサ部20に基づく抽出した処理内容を演算部50へ提供する。詳細には、制御部40は、キー部10から受け取る検出結果に基づいて、数字(「0」〜「9」)や、電卓機能に係る処理内容(例えば、「=」、「M+」、「M−」など)を識別し、演算部50へ提供する。一方、制御部40は、加速度センサ部20から動作を受け取ると、記憶部30を参照して当該動作に関連付けられた電卓機能に係る処理内容、例えば四則演算の「+」、「−」、「×」、及び「÷」などを、複数の動作と複数の処理内容との対応関係の中から抽出する。更に、制御部40は、キー部10から受け取る検出結果が電源キーを表すものである場合、電卓機能を起動する又は終了する制御を行う。
【0020】
演算部50は、制御部40から受け取る数字と電卓機能に係る処理内容とに基づいて、四則演算を実行する。演算部50は、演算結果を表示部60へ提供する。尚、演算部50は、四則演算を実行するために必要な数字及び処理内容が取得できていない場合は演算を実行せずに、受け取った数字及び電卓機能に係る処理内容を表示部へ提供する。
【0021】
表示部60は、演算部50から受け取る情報、即ち、演算結果、数字、及び電卓機能に係る処理内容をユーザが認識できるように表示する。また、表示部60は、加速度センサ部20における検出可能動作と、電卓機能に係る処理内容とを関連付けて、ユーザが認識できるように表示する。図2を参照すると、表示部60は上部装置2に含まれ、演算部50から受け取る情報を表示すると共に、加速度センサ部20の検出可能動作と、電卓機能に係る処理内容とを関連付けて表示する。表示部60が検出可能動作と電卓機能に係る処理内容とを表示できるため、ユーザは表示部60から目を移して操作しにくいキーを押下する操作の負担が軽減され、携帯端末装置1を電卓として容易に操作することができる。
【0022】
本発明の実施の形態による携帯端末装置1は、コンピュータを用いて実現可能である。図5は、携帯端末装置1の実施の形態における、ハードウエア構成例を示すブロック図である。図5を参照すると、本発明の携帯端末装置1は、CPU(Central Processing Unit)100と、記憶装置101、入力装置102と、出力装置103と、加速度センサ104と、各装置を接続するバス105とを備えるコンピュータシステムで構成される。
【0023】
CPU100は、記憶装置101に格納されている本発明の携帯端末装置1に係る演算処理及び制御処理を行う。記憶装置101は、ハードディスクやメモリなど、情報の記録を行う装置である。記憶装置101は、CD−ROMやDVD等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体から読み取られたプログラム、入力装置102や加速度センサ104から入力された信号やプログラム、及びCPU100の処理結果を格納する。入力装置102は、ボタン、キーボードなど、ユーザがコマンド及び信号を入力することが出来る装置である。出力装置103は、ディスプレイ、スピーカなど、ユーザに出力結果を認識させる装置である。加速度センサ104は、携帯端末装置1に加わる加速度を計測する装置である。尚、本発明はハードウエア構成例と示したものに限定されず、各部はハードウエアとソフトウエアとを単独又は組み合わせて実現することが出来る。
【0024】
図6は、本発明の携帯端末装置1の第1の実施の形態による処理動作を示したフローチャートである。図6を参照して、本発明の第1の実施の形態による処理動作を説明する。
【0025】
キー部10は、ユーザの押下による入力を検出する。そして、キー部10は、ユーザに押下されたキーを示す検出結果を制御部40へ出力する。制御部40は、キー部10から受け取る検出結果が電源キーを表すものである場合、電卓機能を起動する(ステップS01)。制御部40は、電卓機能を起動すると、キー部10と加速度センサ部20との両方からの入力を待つ状態となる。
【0026】
まず、キー部10が入力を検出する場合を説明する。キー部10は、ユーザの押下による入力を検出する。そして、キー部10は、ユーザに押下されたキーを示す検出結果を制御部40へ出力する(ステップS02)。
【0027】
制御部40は、キー部10から検出結果を受け取り、受け取った検出結果が電源キーを表すものであるか否かを判定する(ステップS03)。
【0028】
ステップS03において、電源キーである場合(YES)、制御部40は電卓機能を終了させる。ステップS03において、電源キーでない場合(NO)、制御部40は、キー部10からの検出結果に対応した数字又は電卓機能に係る処理内容を識別する。詳細には、制御部40は、キー部10から受け取る検出結果に基づいて、数字(「0」〜「9」)や、電卓機能に係る処理内容(例えば「=」、「M+」、「M−」など)を識別し、演算部50へ提供する(ステップS04)。
【0029】
演算部50は、制御部40から受け取る数字と電卓機能に係る処理内容とに基づいて、四則演算を実行する。そして、演算部50は演算結果を表示部60へ提供する。尚、演算部50は、四則演算を実行するために必要な数字及び処理内容が取得できていない場合は演算を実行せずに、受け取った数字及び電卓機能に係る処理内容を表示部へ提供する(ステップS05)。
【0030】
表示部60は、演算部50から受け取る情報、即ち、演算結果、数字、及び電卓機能に係る処理内容をユーザが認識できるように表示する(ステップS06)。
【0031】
加速度センサ部20が、入力を検出する場合を説明する。ユーザは、表示部60を参照して、加速度センサ部20が検出可能な方向に加速度を加える。加速度センサ部20は、携帯端末装置1に加わる3軸方向の加速度を計測し、加速度に対応した携帯端末装置1の振動および傾きなどの動作を出力する(ステップS07)。
【0032】
制御部40は、加速度センサ部20から動作を受け取ると、記憶部30を参照して当該動作に関連付けられた電卓機能に係る処理内容(例えば四則演算の「+」、「−」、「×」、及び「÷」など)を、複数の動作と複数の処理内容との対応関係の中から抽出する(ステップS08)。制御部40は、抽出した電卓機能に係る処理内容を演算部50へ提供する。
【0033】
演算部50は、制御部40から受け取る数字と電卓機能に係る処理内容とに基づいて、四則演算を実行する。そして、演算部50は演算結果を表示部60へ提供する。尚、演算部50は、四則演算を実行するために必要な数字及び処理内容が取得できていない場合は演算を実行せずに、受け取った数字及び電卓機能に係る処理内容を表示部へ提供する(ステップS09)。
【0034】
表示部60は、演算部50から受け取る情報、即ち、演算結果、数字、及び電卓機能に係る処理内容をユーザが認識できるように表示する(ステップS10)。
【0035】
本発明の第1の実施の形態による携帯端末装置1は、電卓機能を実行すると、キー部10と加速度センサ部20との2つ機能部を用いてユーザの入力を検出することができる。特に、携帯端末装置1は、加速度センサ部20で検出された振動や傾きを四則演算や少数点などの電卓機能に係る処理の入力として認識することができるため、表示部60から目を移して操作しにくいキーを入力するユーザの操作負担を軽減させることができる。従って、ユーザは本発明の携帯端末装置1を電卓として容易に操作することが可能となる。
【0036】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態を説明する。本発明の第2の実施の形態の携帯端末装置1は、加速度センサ部20の検出可能動作と、数字及び電卓機能に係る処理内容とを、ユーザ入力に基づいて新たに対応付けすることができるものである。本発明の第2の実施の形態による携帯端末装置1の構成は、図1に示した第1の実施の形態と同様であるため、図1を参照して以下を説明する。尚、同様の動作を行う構成の説明は省略する。
【0037】
制御部40は、キー部10から受け取る検出結果が、加速度センサ部20の検出可能動作と数字及び電卓機能に係る処理内容とを関連付けるモードに切り替える検出結果であると判定すると、加速度/処理内容関連付けモードに切り替える。まず、制御部40は、加速度センサ部20から提供される動作を待つ待機状態となる。制御部40は、加速度/処理内容関連付けモードにおいて、加速度センサ部20から動作を受け取ると、キー部10からの検出結果を待つ待機状態となる。制御部40は、キー部10から検出結果を受け取ると、直前に受け取った加速度センサ部20の動作と、キー部10の検出結果が示す数字又は電卓機能に係る処理内容とを関連付けて、新たな対応関係を生成する。そして、制御部40は、新たな対応関係を記憶部30に提供する。制御部40は、通常モード(加速度/処理内容関連付けモードでない通常の計算機能を実行するモード)において、加速度センサ部20から動作を受け取ると、記憶部30を参照して、動作に関連付けられた数字又は電卓機能に係る処理内容を抽出する。制御部40は、抽出した数字又は電卓機能に係る処理内容を演算部50へ提供する。
【0038】
記憶部30は、制御部40から提供される加速度センサ部20の動作と、数字又は電卓機能に係る処理内容とを関連づけた新たな対応関係を格納する。図7は、第2の実施の形態による記憶部30が格納している検出可能動作と、数字又は電卓機能に係る処理内容との対応関係を示す表である。図7を参照すると、検出可能動作(複数の動作)と、数字又は電卓機能に係る複数の処理内容とが関連付けられている。
【0039】
図8は、本発明の第2の実施の形態による携帯端末装置1が、加速度センサ部20の検出可能動作とキー部10から受け取る数字又は電卓機能に係る処理内容とを関連付ける処理動作を示すフローチャートである。図8を参照して、携帯端末装置1が、加速度センサ部20の検出可能動作と、数字又は電卓機能に係る処理内容とを関連づけする処理動作を説明する。
【0040】
キー部10は、ユーザの押下による入力を検出する。キー部10は、ユーザに押下されたキーを示す検出結果を制御部40へ出力する。制御部40は、キー部10から受け取る検出結果が電源キーを表すものである場合、電卓機能を起動する(ステップA01)。制御部40は、電卓機能を起動すると、キー部10と加速度センサ部20との両方からの入力を待つ状態となる。
【0041】
制御部40は、加速度センサ部20の検出可能動作と、数字又は電卓機能に係る処理内容とを関連付けるモードに切り替える検出結果をキー部10から受け取ると、加速度/処理内容関連付けモードに切り替える。そして、制御部40は、加速度センサ部20から提供される動作を待つ待機状態となる(ステップA02)。
【0042】
加速度センサ部20は、携帯端末装置1に加わる3軸方向の加速度を計測し、加速度に対応した携帯端末装置1の振動および傾きなどの動作を出力する(ステップA03)。
【0043】
制御部40は、加速度/処理内容関連付けモードにおいて、加速度センサ部20から動作を受け取ると、次に、キー部10からの検出結果を待つ待機状態となる。キー部10は、ユーザの押下による入力を検出すると、押下されたキーを示す検出結果を制御部40へ出力する(ステップA04)。
【0044】
制御部40は、キー部10から検出結果を受け取ると、直前に受け取った加速度センサ部20の動作と、キー部10の検出結果が示す数字又は電卓機能に係る処理内容とを関連付けて、新たな対応関係を生成する。そして、制御部40は、新たな対応関係を記憶部30に提供する(ステップA05)。
【0045】
記憶部30は、制御部40から提供される加速度センサ部20の動作と、数字又は電卓機能に係る処理内容とを関連づけた新たな対応関係を格納する(ステップA06)。
【0046】
ステップA06の後、制御部40は、通常モードにおいて、加速度センサ部20から動作を受け取ると、記憶部30を参照して、動作に関連付けられた数字又は電卓機能に係る処理内容を抽出する。このようにして、本発明の第2の実施の形態による携帯端末装置1は、加速度センサ部20の検出可能動作と、数字又は処理内容とを自由にカスタマイズすることができるため、ユーザの操作性を更に向上させることができる。
【符号の説明】
【0047】
1 携帯端末装置
2 上部装置
3 下部装置
10 キー部
20 加速度センサ部
30 記憶部
40 制御部
50 演算部
60 表示部
100 CPU
101 記憶装置
102 入力装置
103 出力装置
104 加速度センサ
105 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1加速度を計測し、前記第1加速度に対応した第1動作を出力する加速度センサ部と、
ユーザに押下されたことを検出し、押下された第1キーを示す第1キー検出結果を出力するキー部と、
前記第1動作と、電卓機能に係る第1処理内容とを関連付けて格納する記憶部と、
前記第1動作に関連付けられた前記第1処理内容を前記記憶部から抽出し、前記第1キー検出結果に対応した第1数字又は電卓機能に係る第2処理内容を識別する制御部と、
前記第1処理内容と、前記第1数字又は前記第2処理内容とに基づいて、四則演算を実行する演算部と、
演算結果を表示する表示部と
を具備する
携帯端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末装置であって、
前記加速度センサ部は、3軸方向に基づく前記第1加速度を計測し、
前記記憶部は、前記3軸方向に対応する複数の動作と、電卓機能に係る複数の処理内容とを関連付けて格納し、
前記制御部は、前記第1動作に関連付けられた前記第1処理内容を、前記複数の動作と前記複数の処理内容との対応関係から抽出する
携帯端末装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の携帯端末装置であって、
前記制御部は、前記キー部から受け取る第2キーを示す第2キー検出結果に基づいて関連付けモードに切り替え、前記加速度センサ部から受け取る第2動作と、前記キー部から受け取る第2数字又は電卓機能に係る第3処理内容とを関連付けて新たな対応関係を生成し、
前記記憶部は、前記新たな対応関係を格納する
携帯端末装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の携帯端末装置であって、
前記第1処理内容は、四則演算又は少数点入力を表す
携帯端末装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の携帯端末装置であって、
前記表示部は、前記第1動作と前記第1処理内容とを関連付けて表示する
携帯端末装置。
【請求項6】
計測した第1加速度に対応した第1動作を出力するステップと、
ユーザに押下された第1キーを示す第1キー検出結果を出力するステップと、
前記第1動作に関連付けられた電卓機能に係る第1処理内容を、前記第1動作と前記第1処理内容とを関連付けた対応関係から抽出するステップと、
前記第1キー検出結果に対応した、第1数字又は電卓機能に係る第2処理内容を識別するステップと、
前記第1処理内容と、前記第1数字又は前記第2処理内容とに基づいて、四則演算を実行するステップと、
演算結果を表示するステップと
を具備する
計算方法。
【請求項7】
請求項6に記載の計算方法であって、
第1動作を出力するステップは、
3軸方向に基づく前記第1加速度を計測するステップ
を含み、
前記抽出するステップは、
前記第1動作に関連付けられた前記第1処理内容を、前記3軸方向に対応する複数の動作と、電卓機能に係る複数の処理内容とを関連付けた対応関係から抽出するステップ
を含む
計算方法。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の計算方法であって、
前記キー部から受け取る第2キーを示す第2キー検出結果に基づいて、関連付けモードに切り替えるステップと、
前記加速度センサ部から第2動作を受け取るステップと、
前記キー部から第2数字又は電卓機能に係る第3処理内容を受け取るステップと、
前記第2動作と、前記第2数字又は前記第3処理内容とを関連付けて新たな対応関係を生成するステップと
を更に具備する
計算方法。
【請求項9】
請求項6乃至8の何れか一項に記載の方法をコンピュータに実行させる
計算プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−175415(P2011−175415A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−38484(P2010−38484)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】