説明

携帯端末装置及び文字入力方法

【課題】携帯端末の小型化を妨げることなく、文字の入力効率を向上させることができる携帯端末を実現する。
【解決手段】複数の文字または記号を割り付けられた入力キーを備えた操作部と、表示部と、前記入力キーを操作する毎に前記入力キーに割り付けられた文字または記号を所定の順序に従い前記表示部に循環表示する制御部と、を備え、前記制御部は、同一の前記入力キーに対して連続した第1の操作と第2の操作とが行なわれたときに、前記第1の操作と前記第2の操作との間隔が所定時間以上である場合に、前記第1の操作に対する文字入力を無効にすることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機等の文字入力機能を有する携帯端末装置及びその文字入力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機等の携帯端末装置には、電話帳機能や電子メール機能など、文字入力を必要とする様々な機能が付加されるようになり、このため文字入力機能も備えられている。従来の携帯電話機においては、図2に示すような電話番号や文字等の入力用のテンキーを備え、利用者はこのテンキーを操作して文字入力を行っている。このテンキーによる文字入力方法は、テンキーの操作回数に応じて予め設定された文字を選択するものである。例えば、「1」入力キーには、かな文字の「あ行」の入力機能が割り付けられており、「1」入力キーの操作回数に応じて「あ〜お」までのいずれかの文字を選択して入力することができる。
【0003】
これらの携帯端末装置において、文字入力は、所定のキーを操作する毎に割り付けられている複数の文字が循環表示され、使用者が所望の文字を選択するマルチタップ方式で行うのが一般的である。下記特許文献1には、このようなマルチタップ方式による文字入力の効率化を図るための技術が開示されている。
【特許文献1】特開2001−195175号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、マルチタップ方式で文字入力が行なわれる上記従来の技術では、一つの文字を入力するために同じキーを複数回操作する必要があるため、キー操作数のミスによる文字入力ミスも生じやすい。また、この文字入力ミスに気付いた後に、訂正すべく所望の文字入力を行うために再度キー操作を複数回行なうこととなるが、反射的に再度キー操作数をミスしてしまい、文字入力ミスを繰り返す場合があった。
【0005】
例えば、「こ」を入力するために、「か行」が割り当てられているキー(例えば、「2」入力キー)を5回操作すべきところを誤って6回操作した場合、「か行」の先頭に戻って再度「か」が表示されてしまう。この入力ミスを訂正するために、ユーザーは再度か行が割り当てられている「2」入力キーを複数回操作するが、「こ=5回操作」といったユーザーの潜在意識によって、ユーザーはキーを再度5回操作してしまい、文字入力ミスを連続して生じさせる可能性がある。
【0006】
本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであり、文字入力時の入力ミスを抑制できる携帯端末装置及び文字入力方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、複数の文字または記号が割り付けられた入力キーを備えた操作部と、表示部と、前記入力キーを操作する毎に前記入力キーに割り付けられた文字または記号を所定の順序に従い前記表示部に循環表示する制御部と、を備え、前記制御部は、同一の前記入力キーに対して連続した第1の操作と第2の操作とが行なわれたときに、前記第1の操作と前記第2の操作との間隔が所定時間以上である場合に、前記第1の操作に対する文字入力を無効にすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明の携帯端末装置及び文字入力方法にあっては、文字入力時の入力ミスを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の携帯端末装置の一例である携帯電話機の構成を示すブロック図である。この図において、符号1は回路各部を制御する制御部としてのCPU(中央処理装置)である。符号2はCPU1からアクセス可能なデータ記憶部であって、プログラム等が記憶されたROM(リードオンリメモリ)とデータ一時記憶用のRAM(ランダムアクセスメモリ)とから構成されている。なお、データ記憶部2はバッテリバックアップがなされており、携帯電話機の電源がオフされてもRAMに記憶されたデータは保持される。
【0010】
符号3は電話番号や文字等の入力用のテンキー、各種ファンクションキーが設けられた操作部としてのキー入力部、符号4はキー入力部3の操作されたキーを検出し、この検出情報をCPU1へ出力するキー操作検出部である。このキー操作検出部4は、キーが連続して操作(押下)された場合に、連続した操作の間隔を計測するためのタイマを備える。符号5は表示部として液晶表示パネル等からなるディスプレイ、符号6はディスプレイ5への表示を制御する表示制御部である。
【0011】
符号7はアンテナ、符号8はアンテナ7を介して無線信号を送受信し、無線電話回線を確立するための通信制御を行う送受信部である。符号9は、送受信部8により確立された無線電話回線を介して送受されるデータの変換を行うデータ変換部である。CPU1はこのデータ変換部9を介して無線電話回線によるデータ通信(電子メールの送受信等)を行うことが可能である。符号10はデータ変換部9を介して送受される音声データを処理する音声処理部である。符号11は音声処理部10に音声を入力するためのマイク、符号12は音声処理部10から入力された音声を出力するスピーカである。
【0012】
図2は、図1のキー入力部3の構成の一部を示す図であって、電話番号や文字等を入力するためのテンキーの構成例を示している。この図2に示す構成においては、1〜10までの文字(数字)入力キーにそれぞれ文字入力機能が割り付けられている。例えば、「1」入力キーには、かな文字の「あ行」の入力機能が割り付けられている。また、「2」入力キーには、かな文字の「か行」とアルファベット(英字)の「A〜C」の入力機能が割り付けられている。
【0013】
これら文字入力キーにより文字入力を行う場合には、それぞれの文字入力モード(かな入力モードや英字入力モード等)において、文字入力キーの操作回数(押下回数)に応じた入力文字を選択可能である。例えば、かな入力モードにおいて、「1」入力キーを一回押下すれば「あ」が入力文字として選択され、二回押下により「い」、三回押下により「う」、四回押下により「え」、五回押下により「お」がそれぞれ入力文字として選択される。さらに押下回数を重ねた場合には、同様にその押下回数に応じて「あ」から順次選択され、これを繰り返すことになる。また、英字入力モードにおいて、「2」入力キーを一回押下すれば「A」が入力文字として選択され、二回押下により「B」、三回押下により「C」がそれぞれ入力文字として選択され、さらに押下回数を重ねれば、その押下回数に応じてA〜Cの選択を巡回して繰り返すことになる。このように、入力キーを操作する毎に当該文字入力キーに割り付けられた文字または記号を、所定の順序に従い、表示制御部6によりディスプレイ5に循環表示させる。
【0014】
次に、図3、4を参照して、図1の携帯電話機の利用者が文字を入力する際の動作を説明する。図3は、本実施形態による文字変換方法を説明するための図である。この図3に示す文字変換例は、ひらがなで「こ」を入力する場合のものであり、この文字入力の際に、通常、利用者はテンキーの「2」入力キーを所定回数(ここでは5回)押下(操作)する。図4は、図1に示す携帯電話機が行う文字変換処理の流れを示すフローチャートである。
【0015】
初めに、利用者は携帯電話機のキー入力部3を用いて、かな入力モードで文字「こ」を入力するために、図3に示すように「2」入力キーを先ず一回押下する。ここで、携帯電話機のキー操作検出部4は、「2」入力キーの押下(操作)を検出して、この押下検出後に「2」入力キーの押下が解除されたことを検出するとタイマーを起動し、連続して「2」入力キーのキー押下が行われた場合の押下間隔を計測する。また、キー操作検出部4は、「2」入力キー押下をCPU1に通知する。なお、「2」入力キーが押下された後に、連続して「2」入力キーが押下されずに他の入力キーが押下された場合には、他の入力キーが押下されるまでの間隔を計測する。
【0016】
次いで、CPU1は「2」入力キー押下が通知されると、このキー入力(「2」入力キー一回押下)に対応した入力文字である「か」を選択して、表示制御部6によりディスプレイ5に表示させる。次いで、キー操作検出部4は、連続して「2」入力キーが押下されたか否かを判定し、連続して「2」入力キーが押下されたと判定すると、「2」入力キー押下をCPU1に通知する。CPU1は、連続して「2」入力キー押下が通知されると、「2」入力キーに割り付けられている「か行」の文字における「か」の次の入力文字「き」を選択して、表示制御部6によりディスプレイ5に表示させる。この動作及び処理が繰り返し行われて、キー操作検出部4により、「2」入力キーが連続して5回押下されたと判定されると、CPU1は、「2」入力キーに割り付けられている「か行」の文字における5番目の入力文字「こ」を選択して、表示制御部6によりディスプレイ5に表示させる。
【0017】
次いで、利用者が図3(A)上段に示すように連続して六回目の「2」入力キー押下を行うと、CPU1は「2」入力キー六回押下に対応した入力文字である「か」を選択して、この文字「か」を表示済みの文字「こ」に代えて表示制御部6によりディスプレイ5に表示させる。ここで、文字「こ」を入力するためには、「2」入力キーを五回押下する必要があることを利用者は認識している。しかし、押下回数の勘違いや「2」入力キーの押下ミスなどにより、該「2」入力キーを5回よりも多い6回連続して押下した場合には、六回押下に対応した入力文字「か」が再度選択されて、この文字「か」がディスプレイ5に表示される入力ミスが生じる。この後、利用者が入力ミスに気付き、所望の「こ」が選択されてディスプレイ5に表示させるために、再度、「2」入力キーを連続押下する。この再連続押下では、既に「か」が選択されて表示されているため、4回だけ連続押下すればよい。
【0018】
しかし、利用者は、文字「こ」を入力するためには「2」入力キーを通常では五回連続押下する必要があることを認識しており、この潜在的意識に基づき、文字「こ」を入力しようとして習慣的に「2」入力キーを5回連続して押下する場合がある。この場合、図3(A)下段に示すよう、余計に1回多く押下してしまうため、再度「か」が選択されて、この文字「か」がディスプレイ5に表示される入力ミスが再び生じる可能性がある。
【0019】
そこで、本実施形態の携帯電話機では、この入力ミスの発生を抑制するため、同じ入力キーが連続して操作(押下)されたか否かを判定し、連続操作されたと判定した場合には、その連続操作での個々の操作の間隔を計測し、この連続操作時の操作間隔が所定時間以上であると判定すると、連続操作での前回の操作に対する文字入力を無効にする。
【0020】
具体的には、「こ」を入力するつもりが、誤って「2」入力キーを6回連続して操作したために「か」が選択されてディスプレイ5に表示された状態において、利用者が入力ミスに気付いて意図的に次の「2」入力キーを連続操作する時間を遅らせて、所定時間経過後に再度「2」入力キーを連続的に操作した場合(連続操作の操作間隔を所定時間以上とした場合)、CPU1は、所定時間が経過するまでの連続した「2」入力キーの操作をリセットして、この連続した入力操作に対する文字入力を無効にする。そして、図3(b)下段に示されるように、所定時間経過後の「2」入力キーの操作によって、「2」入力キーに割り付けられている「か行」における所定の順序の1番目の文字「か」が選択されて、ディスプレイ5に表示される。
【0021】
よって、所定時間の経過後には、再度「2」入力キーを5回連続して操作することにより、「こ」が選択されて、この文字「こ」がディスプレイ5に表示される。なお、再度入力ミスが発生したとしても、上述したように、連続押下の間隔を所定時間以上とすることにより、その入力キーに割り付けられている複数の文字(又は記号)における所定の順序の最初の文字「か」の入力から始まることとなり、入力ミスの再発を抑制することが出来る。
【0022】
次に、図4に示されるフローチャートを参照して、携帯電話機が行なう文字変換処理の流れを説明する。
【0023】
初めに、ステップS1では、ディスプレイ5に待受け画面が表示される非入力状態において、複数の文字又は記号が割り付けられている入力キーが押下されたか否かの判定を当該入力キーが押下されるまで繰り返し実行する。次にステップS1にて当該入力キーが押下されたと判定されると、ステップS2に進み、タイマーを起動して次回の入力キー押下までの時間を計測し始める。次に、ステップS3に進み、ステップS1で押下が判定されたキー入力に対応した文字が選択されて、ディスプレイ5の画面上に表示される。
【0024】
そして、ステップS4に進み、入力キーの押下が連続して行なわれたか否かの判定を、入力キーが押下されるまで行なう。ステップS4にて入力キーが連続して押下されたと判定すると、ステップS5に進み、連続した入力キーの押下間隔を計測する。具体的には、ステップS1にて検出された入力キーの押下(第1の操作)とステップS4にて検出された入力キーの押下(第2の操作)との間隔を計測する。次に、ステップS6に進み、ステップS4で押下が検出された入力キーはステップS1で押下が検出された入力キーと同一であるか否かを判定する。ステップS4で押下が検出された入力キーが、ステップS1で押下が検出された入力キーと同一であり、同一の入力キーが連続して押下されたと判定すると、ステップS7に進み、同一キーの連続押下ではないと判定するとステップS2に戻り、上述した処理を繰り返す。
【0025】
ステップS6にて、同一の入力キーが連続して押下されたと判定されると、ステップS7に進み、ステップS5にて計測された連続押下の間隔が所定時間以上であるか否かを判定する。この連続押下の間隔が所定時間よりも短いと判定されると、ステップS8に進み、利用者はこれまでの入力キーの押下による文字入力に継続して連続押下により文字を入力しようとしているものと判断する。そして、図3(A)に示すように、入力キー(ここでは「2」入力キー)に割り付けられている複数の文字(か〜こ)の中から入力キーの押下回数に応じて入力文字を所定の順序に従って順次選択するとともにディスプレイ5に表示させて文字の入力が行なわれる。
【0026】
ステップS7にて、同一の入力キーの連続押下の間隔が所定時間以上であると判定されると、ステップS9に進む。このステップS9では、これまでの同一の入力キーの連続押下に対する文字入力をリセットして、該入力キーにより行なわれた文字入力を無効とする。具体的には、第1の操作として入力キーを押下した後に所定時間以上の間隔を空けて第2の操作として同一の入力キーを押下した場合には、第1の操作までの連続した該入力キーの押下による文字入力が無効とされる。
【0027】
次に、ステップS10に進み、入力キーの押下に対応した文字(又は記号)の選択及び表示が行なわれる。即ち、第1の操作としての入力キーの押下による文字入力が無効とされるため、第2の操作として該入力キーが押下されると、この押下(第2の操作)によって、入力キーに割り付けられている複数の文字(又は記号)の所定の順番における最初の文字が選択されることとなる。
よって、利用者は、連続押下回数などのミスによる入力ミスに気付くと、直前の押下から所定時間が経過した後に再度入力キーを押下することにより、これまでの入力キーの押下による文字入力が無効とされて、最初から新たに入力し直すことが出来る。
【0028】
具体的には、ひらがなの「こ」を入力しようとする場合に、「2」入力キーを通常であれば5回押下するだけでよい。しかしながら、図3(B)に示すように、「2」入力キーを誤って6回押下した場合、「か」が選択されてディスプレイ5に表示されることとなる。この状態から再度「こ」を入力しようと入力文字を訂正する場合、本実施形態の携帯電話機では、図3(B)の上段に示されるように、「か」が選択されて表示されている状態において、直前の「2」入力キーの押下(第1の操作)から所定時間が経過した後に、連続して「2」入力キーを1回押下(第2の操作)すると、この「2」入力キーに割り付けられている文字(又は記号)の所定の順序の最初の文字「か」が選択されてディスプレイ5に表示される。その後、連続して「2」入力キーを4回押下すると、この「2」入力キーに割り付けられている文字(又は記号)の所定の順序の5番目の文字「こ」が選択されてディスプレイ5に表示される。つまり、図3(B)上段に示されるように、「2」入力キーが6回押下されて「か」がディスプレイ5に表示されている状態で、直前の6回目の押下(第1の操作)から所定時間経過後に連続して「2」入力キーを5回押下することにより、図3(B)下段に示されるように、「こ」が選択されて表示されることとなる。
【0029】
本実施形態の携帯電話機では、複数の文字又は記号が割り付けられている入力キーが連続して操作された際の操作間隔を検出し、検出された操作間隔が所定時間以上である場合には、利用者が入力ミスに気付いた後に所望の文字に訂正すべく、再度入力キーを押下したものと判定する。この入力キーの再押下時には、直前までの押下に伴う文字入力が無効とされており、再押下時には当該入力キーに割り付けられている複数の文字又は記号の所定の順序における最初の文字又は記号が入力される。よって、所望の入力文字に対する潜在的な意識に基づく押下回数分だけ押下することにより、所望の文字を入力することができる。
【0030】
なお、所望の入力文字に対して押下回数が少ない入力ミスが生じた場合であっても、次の連続した入力キーの押下までの押下間隔を所定時間以上とすれば、次の入力キーの押下により所定の順序の最初の文字が入力されることとなるので、所定時間以上経過した後に所望の文字の潜在的な押下回数分だけ入力キーを押下することにより、所望の文字を入力することができる。
よって、入力したい文字のキー押下回数を50音順に即した直感的なキー押下で入力することが可能になり、正しい文字入力に訂正することが可能となり、かつ同じ文字入力の間違いを繰り返す可能性を削減できる。
【0031】
また、本実施形態の携帯電話機では、入力キーが連続的に押下されて、この押下間隔が所定時間以上であることを検出すると、所定の順序に従う文字入力が最初の文字から開始されるため、所定時間が経過した後に入力キーを押下することにより、所望の文字の潜在的な押下回数に応じて入力キーを押下することにより、所望の文字入力を好適に行うことができる。よって、押下回数のミスにより入力ミスが生じたとしても、所定時間後に同一の入力キーを押下することにより、所望の文字入力を容易に行うことができる。
【0032】
また、本実施形態の携帯電話機では、キー操作検出部4により、入力キーが押下されてから所定時間が経過した後に同一の入力キーが押下されたことが検出されると、CPU1は、表示制御部6にこれまでの入力キーの押下に応じた文字入力が無効とされて、当該入力キーの押下による文字入力が所定の順序の最初の文字から開始されることを示す画像をディスプレイ5に表示するよう指示する。例えば、通常の文字入力時には、ディスプレイ5に表示される入力文字がカーソル反転表示されるが、押下間隔が所定時間以上であると判定されると、入力文字のカーソル反転表示の表示色が変更されて、これまでのキー押下から継続した文字入力とは異なることを使用者に認識させることが出来る。なお、使用者へ認識させるための報知としては、入力文字のカーソル反転表示の表示色を変更する構成以外に、入力文字そのものを異なる色で表示したり、ディスプレイ5の画面上にアイコンなどを表示したり、スピーカ12から所定の音声を出力するなどの構成であっても良く、報知部としては、ディスプレイ5、スピーカ12以外の報知手段を用いても良い。
【0033】
また、上述した携帯電話機では、第1の操作としての入力キーの押下から第2の操作としての同一の入力キーの連続押下までの間隔と比較される所定時間は、予め製造時などに所定時間(例えば、1秒)に設定されている。この所定時間は、キー入力部3を用いたユーザー操作によって任意の時間に設定変更できるように構成されている。ユーザーによる任意の時間設定により、押下動作が異なるユーザーの押下操作に適して、上述した同一の入力キーの連続押下時の入力文字の変更を行うことができ、ユーザーによる文字入力を好適に行うことができる。
【0034】
また、この所定時間は、上述した図4におけるフローチャートのステップS5にて計測される連続押下操作の間隔の平均値を算出し、この間隔の平均値よりも長い時間に設定されるように構成されても良い(例えば、算出される連続押下操作間隔の平均値に0.5秒を加えた時間に設定するなど)。または、同ステップS6にて、同一の入力キーではない異なる入力キーが押下されたと判定された場合(ステップS6での判定結果が否の場合)に、ステップS5にて計測された異なる入力キーが押下操作されるまでの間隔によりも長い時間に設定されるように構成されても良い。例えば、異なる入力キーが押下操作されるまでの間隔の平均値を算出し、この平均値に0.5秒を加えた時間に設定するようにすることも出来る。
【0035】
また、上述した実施形態では、同一の入力キーに対する第1の操作から連続した第2の操作までの間隔が所定時間以上であると判定されると、第1の操作までの同入力キーに対する連続した押下操作に対応する文字入力を無効とする構成としたが、これに限定されることなく、少なくも第1の操作に対する文字入力を無効とするようにすれば良い。これは、文字入力時の入力ミスは、1回だけ多く押下操作するケースが多いため、この1回分の文字入力を無効にすることにより、利用者による入力文字の訂正を容易に行うことができる。具体的には、「2」入力キーを用いて「く」の文字を入力しようとしているときに、3回の押下操作でよいところを4回の押下操作を行い、1回多く押下してしまった場合、入力ミスに気付いて4回目の押下操作から所定時間以上経過した後に再度「2」入力キーを連続して押下操作することになるが、このときに4回目の押下操作に対する文字入力を無効にすることで、再度「2」入力キーを押下操作する際には、5回の連続押下を行なうことで所望の文字「く」を入力することができる。これは、1つの入力キーには、5つの文字が割り付けられている場合が殆どのため、5回連続して押下することで元々入力しようとしていた文字が選択されて表示されることになる。よって、使用者は、入力ミスに気付いたら一義的に5回押下すればよく、あと何回押下すれば所望の文字を入力できるかといった押下回数を意識する必要がなくなり、使用者の文字入力時の操作性を向上させることが出来る。
【0036】
なお、入力キーの連続した第1の操作と第2の操作との操作間隔が所定時間以上である場合、第1の操作に対する文字入力を無効とするように構成したが、この構成に代えて、第2の操作に対する文字入力を無効とする構成にしても良い。この構成においても、所望の文字に対して1回多く押下してしまった場合、入力ミスに気付いて所定時間以上経過した後に再度入力キーを連続して押下操作することになるが、このときに第2の操作に対する文字入力を無効にすることで、再度入力キーを押下操作する際には、5回の連続押下を行なうことで所望の文字を入力することができる。
【0037】
また、上述した携帯電話機では、同一入力キーの連続した2つの操作(第1の操作と第2の操作)の間隔が所定時間以上である場合には、第1の操作までの操作に対する文字入力が無効とされて、当該入力キーに割り付けられている複数の文字のうち所定の順序の最初の文字から入力が再開されるため、当該入力キーに複数の文字又は記号が割り付けられていて循環表示される構成において文字入力時の操作性を特に向上させることができる。例えば、1つの入力キーに5つのひらがな文字や3つの英字だけでなく、小文字、濁音、半濁音、促音、拗音などの種別が異なる文字も割り付けられている場合に、所望の文字に対して1回多く押下操作した場合、再度の連続押下により循環表示させて所望の文字を入力しようとする場合、再開後の入力キーの押下回数が多くなり、操作性が悪くなる。しかし、上述した実施形態での携帯電話機では、第1の操作と連続した第2の操作との間隔が所定時間以上である場合には、第1の操作までの文字入力を無効にして、第2の操作に対する文字入力を所定の順番の最初の文字の入力とするため、循環させて再入力するよりも操作回数を低減することができる。
【0038】
具体的には、「1」入力キーに、「あ、い、う、え、お、ぁ、ぃ、ぅ、ぇ、ぉ」の10のひらがな文字が割り付けられているとし、文字「い」を入力しようとした場合に誤って「1」入力キーを3回押下操作すると、「う」が選択されてディスプレイ5に表示される。ここから入力文字を訂正する場合、9回の押下操作を行なうことにより「い」を入力することができるが、押下操作回数が多く入力操作性が悪くなる。また、「う」が選択されてディスプレイ5に表示された状態から、「1」入力キーとは異なるクリアキーを押下して一旦「う」の文字入力をキャンセルした後に、再度「1」入力キーを2回押下操作することで「い」を入力することができるが、「1」入力キーとは異なる別のキーを押下操作する必要があり、操作性が悪い。これに対して、上述した実施形態では、「1」入力キーの3回押下操作により、「う」が選択されてディスプレイ5に表示されて入力ミスに気付いた場合には、3回目の押下操作から所定時間経過後に4回目の押下操作を行なうことにより、最初の文字「あ」から文字入力を再開することができ、入力回数が増えたり異なるキーを操作することが抑制できるため、文字入力の操作性を向上させることができる。
【0039】
なお、1つの入力キーに小文字、濁音、半濁音、促音、拗音などの種別が異なる文字も割り付けられている場合に、所定時間以上の間隔を空けて連続操作した場合には、割り付けられている文字又は記号のうち所定の順序の最初の文字の入力から開始する構成としたが、これに代えて、所定時間以上の間隔を空けて連続操作した場合には、小文字、濁音、半濁音、促音、拗音などの種別が異なる文字をスキップして文字入力を行なうように構成しても良い。例えば、1つの入力キーに5つのひらがな文字と5つのかな小文字との10文字が割り付けられている場合に、所定時間以上の間隔を空けて連続操作しされると、5つのかな小文字がスキップされて、5つのひらがな文字のみの入力が可能となるので、操作回数のミスにより入力ミスが発生したとしても、50音5文字の直感的な入力が、5文字以上が割り付けられた入力キーに対して可能となる。
【0040】
なお、上述した実施形態では、入力キーが押下されることにより文字入力が行なわれる構成の携帯電話について説明したが、これに限定されることなく、押下以外の操作によって文字入力が行なわれる構成であってもよい。
さらに、上述した実施形態では、携帯端末装置として携帯電話機を示したが、これに代えて、例えばコードレス電話機や携帯テレビや携帯情報端末や音楽再生端末にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の第1の実施形態による携帯電話機(携帯端末)の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すキー入力部3の構成の一部を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態による文字変換方法を説明するための図である。
【図4】図1に示す携帯電話機が行う文字変換処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0042】
1 CPU
2 データ記憶部
3 キー入力部
4 キー操作検出部
5 ディスプレイ
6 表示制御部
7 アンテナ
8 送受信部
9 データ変換部
10 音声処理部
11 マイク
12 スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の文字または記号が割り付けられた入力キーを備えた操作部と、
表示部と、
前記入力キーを操作する毎に前記入力キーに割り付けられた文字または記号を所定の順序に従い前記表示部に循環表示する制御部と、
を備え、
前記制御部は、同一の前記入力キーに対して連続した第1の操作と第2の操作とが行なわれたときに、前記第1の操作と前記第2の操作との間隔が所定時間以上である場合に、前記第1の操作に対する文字入力を無効にする
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記間隔が前記所定時間以上である場合に、前記第2の操作に対する文字入力を前記入力キーに割り付けられている文字または記号のうち前記所定の順序の最初の文字の入力に変更する
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記入力キーが連続して操作されたときの操作間隔を検出するとともに当該操作間隔の平均値を算出し、前記所定時間を前記算出される操作間隔の平均値よりも長い時間に設定する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記所定時間は、任意に設定可能とされる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の携帯端末装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1の操作と前記第2の操作との間隔が所定時間以上である場合に、前記第1の操作に対する文字入力が無効となったことを報知部に報知させる
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の携帯端末装置。
【請求項6】
操作部に備えられて複数の文字または記号が割り付けられた入力キーが操作されると、前記入力キーに割り付けられた文字または記号を所定の順序に従い前記表示部に循環表示し、
入力キーが操作されると、同一の入力キーが連続して操作されたか否かを判定し、
連続して操作されたと判定した場合に、この連続した第1の操作と第2の操作との間隔を検出し、
検出された前記間隔が所定時間以上である場合に、前記第1の操作に対する文字入力を無効にする
ことを特徴とする文字入力方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−9319(P2010−9319A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−167961(P2008−167961)
【出願日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】