携帯端末装置
【課題】放送波保存処理部とその他のアプリケーションとを同時に使用することができる携帯端末装置を提供すること。
【解決手段】受信部で受信した放送波から得る第１のデータをメモリ部に保存する保存処理を行う放送波保存処理部と、アプリケーションを実行して取得した第２のデータをメモリ部に保存するアプリケーション実行部と、各部の状態を管理する管理部と、を有し、アプリケーション実行部は、所定のアプリケーションの起動時に、放送波保存処理部が保存処理中である場合には、放送波保存処理部に該所定のアプリケーションが使用する記憶容量をメモリ部に確保する確保要求を行い、放送波保存処理部は、該所定のアプリケーションが使用する記憶容量以上の記憶容量をメモリ部の空き領域に確保し、確保した記憶容量部分には第１のデータを保存しないことで、上記課題を解決する。
【解決手段】受信部で受信した放送波から得る第１のデータをメモリ部に保存する保存処理を行う放送波保存処理部と、アプリケーションを実行して取得した第２のデータをメモリ部に保存するアプリケーション実行部と、各部の状態を管理する管理部と、を有し、アプリケーション実行部は、所定のアプリケーションの起動時に、放送波保存処理部が保存処理中である場合には、放送波保存処理部に該所定のアプリケーションが使用する記憶容量をメモリ部に確保する確保要求を行い、放送波保存処理部は、該所定のアプリケーションが使用する記憶容量以上の記憶容量をメモリ部の空き領域に確保し、確保した記憶容量部分には第１のデータを保存しないことで、上記課題を解決する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、放送波を受信し、通話機能と、放送番組を視聴することができる機能と、を有する携帯端末装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
近年、携帯端末装置、例えばいわゆる携帯電話は、通話機能、メール機能、ブラウザ機能、テレビ番組を視聴する機能等、多数の機能を備えている。携帯端末装置は、処理の負荷を一定以下とするために、ＴＶ放送の録画動作と他のアプリケーションとを同時に起動させないように制限をしている。例えば、特許文献１には、ＴＶ放送を録画するＴＶ録画再生処理部と、ＴＶ放送録画動作とは同時実行できないアプリケーションに対し、ユーザ操作に基づいてアプリケーションを実行するアプリケーションプログラム実行処理部と、予約録画優先フラグを記憶するフラグ記憶部と、ユーザ操作に基づいて予約録画優先フラグを有効化する予約録画優先指定部とにより構成される携帯通信端末が記載されている。この携帯通信端末は、予約録画優先フラグと録画開始信号とに基づいて、実行中のアプリケーションプログラムを終了させ、録画開始時刻にＴＶ放送の録画を開始する。
【０００３】
【特許文献１】特開２００８−９９０５２号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
特許文献１の携帯端末装置のように、予約録画優先フラグによりユーザに選択させることで、ＴＶ放送録画とアプリケーションの使用のいずれかを選択させることができる。しかしながら、特許文献１の携帯端末装置では、いずれか一方を選択する必要があり、両方を同時に実行することができない。例えば、バックグラウンドでＴＶ放送を録画しつつ、他のアプリケーションを起動させて、画面上に表示させることができない。このように、画面上に表示されているアプリケーションが使用できないと、ユーザの使用を制限することになり、使い勝手が悪く、利便性も低くなってしまう。
【０００５】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、放送波保存処理部とその他のアプリケーションとを同時に使用することができる携帯端末装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、携帯端末装置であって、放送波を受信する受信部と、入力されるデータを保存するメモリ部と、前記受信部で受信した放送波から得るデータを、第１のデータとして前記メモリ部に保存する保存処理を行う放送波保存処理部と、少なくとも１つのアプリケーションを実行し、実行したアプリケーションにより第２のデータを取得し、取得した前記第２のデータを前記メモリ部に保存するアプリケーション実行部と、前記アプリケーション実行部及び前記放送波保存処理部の状態を管理する管理部と、を有し、前記アプリケーション実行部は、所定のアプリケーションの起動時に、前記管理部から前記放送波保存処理部が保存処理を行っている状態にあるかどうか確認し、前記放送波保存処理部が前記保存処理中である場合には、該所定のアプリケーションが使用する記憶容量を前記メモリ部に確保することを要求する確保要求を前記放送波保存処理部に行い、前記放送波保存処理部は、前記確保要求がなされると前記アプリケーション実行部が実行する前記所定のアプリケーションが使用する記憶容量以上の記憶容量を予約領域として前記メモリ部における空き領域に確保し、該メモリ部内に確保した記憶容量部分には前記第１のデータを保存しないことを特徴とする。
【０００７】
ここで、前記アプリケーション実行部は、複数種類のアプリケーションを実行可能であり、前記放送波保存処理部は、前記予約領域を確保する際、前記複数種類のアプリケーションのうち、使用する記憶容量が最も大きい可能性のあるアプリケーションにて使用される記憶容量を確保することが好ましい。
【０００８】
また、前記放送波保存処理部は、複数種類のアプリケーションとそれぞれのアプリケーションを使用するために必要な前記メモリ部の記憶容量との対応関係を把握しており、前記放送波保存処理部は、前記確保要求がなされると、実行されるアプリケーションに対応する記憶容量を前記メモリ部に前記予約領域として確保することが好ましい。
【０００９】
また、前記受信部は、デジタル放送波を受信し、前記放送波保存処理部は、前記受信部で受信したデジタル放送のデータを前記第１のデータとして前記メモリ部に保存する録画処理あるいは録音処理を、前記保存処理として実行することが好ましい。
【００１０】
また、前記放送波保存処理部は、前記メモリ部に前記予約領域が確保された状態下で、前記アプリケーション実行部が前記第２のデータの保存を中止した場合には、該予約領域を開放し、該領域への前記第１のデータの書き込みを可能にすることが好ましい。
【００１１】
また、受信した放送波のデータを一時的に記憶するバッファを有し、前記放送波保存処理部は、前記バッファに記憶させた放送波のデータを所定間隔で前記メモリ部に書き込むことで、前記第１のデータとして前記メモリ部に保存し、前記アプリケーション実行部は、前記放送波保存処理部が前記バッファに記憶されているデータを前記メモリ部に書き込んでいないときに、前記メモリ部に前記第２のデータを書き込むことが好ましい。
【００１２】
また、前記メモリ部は、着脱不可能な内蔵メモリと、着脱可能な外部メモリとを有することが好ましい。
【００１３】
また、前記第２のデータは、不特定な容量のデータであり、前記アプリケーション実行部が実行する前記所定のアプリケーションにより外部から取得されることが好ましい。
【００１４】
また、通信網に接続可能な通信部をさらに有し、前記アプリケーション実行部は、前記通信部を用いて地図データを通信網から取得して経路表示を行うナビゲーションアプリを前記所定のアプリケーションとして実行可能であり、該ナビゲーションアプリにより保存する経路あるいは目的地を含むナビデータを、前記第２のデータとして保存し、該ナビデータの容量には上限値が設けられており、該上限値により前記所定のアプリケーションにて使用する記憶容量を特定することが好ましい。
【００１５】
また、他の端末装置と直接通信を行う直接通信部をさらに有し、前記アプリケーション実行部は、他の携帯端末装置から前記第２のデータを取得するよう前記直接通信部を制御するアプリケーションを前記所定のアプリケーションとして実行可能であり、前記直接通信部により受信可能なデータのサイズには上限値が規定されており、該上限値により前記所定のアプリケーションにて使用する記憶容量を特定することが好ましい。
【００１６】
また、前記直接通信部は、赤外線通信部、あるいは磁界通信部であることが好ましい。
【００１７】
また、さらに、画像を表示する表示部を有し、前記保存処理は、前記第１のデータを前記表示部に表示することなく前記メモリ部に保存するバックグラウンド処理であり、前記アプリケーション実行部は、前記バックグラウンド処理状態下であっても、前記所定のアプリケーションを実行し、該所定のアプリケーションに基づく画像を前記表示部に表示可能であることが好ましい。
【発明の効果】
【００１８】
本発明にかかる携帯端末装置は、放送波の保存と他のアプリケーションの保存とを同時に行うことができ、放送波を保存しつつ、他のアプリケーションを使用することができ、ユーザの使用の制限をより少なくし、使い勝手をよりよくすることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１９】
以下に、本発明にかかる携帯端末装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。例えば、以下に示す実施形態では、放送波として、携帯電話・移動体端末向けの１セグメント部分受信サービス、いわゆるワンセグ放送を受信する場合として説明するが、放送波はこれに限定されない。放送波としては、例えば、１２セグメントの地上デジタル放送や、アナログ放送、デジタルラジオ放送の場合にも用いることができる。また、以下の実施形態では、携帯端末装置が、いわゆる携帯電話の場合として説明するが、本発明はこれに限定されない。本発明の携帯端末装置は、放送波を受信する機能と、ネットワークまたは外部の端末とデータの送受信を行う機能を有する種々の携帯端末装置、例えば、ＰＤＡ、ポータブルナビゲーション装置、携帯ゲーム機や携帯テレビ等にも用いることができる。
【００２０】
図１は、本発明にかかる携帯端末装置の一実施形態の概略構成を示すブロック図である。図１に示すように携帯端末装置１０は、制御部１２と、通信部１４と、電話機能部１６と、ＴＶアンテナ部１８と、ワンセグチューナ２０と、コプロセッサ２２と、メモリ部２４と、表示部２６と、スピーカ２８と、入力部３０と、を有する。
【００２１】
制御部１２は、携帯端末装置１０の処理動作を統括して制御するものである。制御部１２については、後ほど詳細に説明する。
【００２２】
通信部１４は、基地局によって割り当てられるチャネルを介し、基地局との間でＣＤＭＡ方式などによる無線信号回線を確立し、基地局との間で電話通信及び情報通信を行う。
【００２３】
電話機能部１６は、ユーザ（話者）の音声を集音するマイク及び通話相手の音声を発音するスピーカを含んで構成され、通信部１４から送られる通話相手の音声をスピーカから発音し、ユーザの音声をマイクで集音して通信部１４から通話相手の携帯端末装置に送信することで、電話機能を実現する。
【００２４】
ＴＶアンテナ部１８は、複数のチャンネルを有する地上デジタル放送、本実施形態では、ワンセグ放送の所定チャンネルの電波を受信する。
【００２５】
ワンセグチューナ２０は、同調装置で構成され、ＴＶアンテナ部１８が受信した受信信号に増幅、検波、周波数変換などの信号処理を行い、デジタル信号、本実施形態では、ＭＰＥＧ−２ ＴＳ（Transport Stream）に変換して出力する。
【００２６】
コプロセッサ２２は、ワンセグチューナ２０から出力されたデジタル信号を映像や音声に分割するＤＥＭＵＸ３２と、ＤＥＭＵＸ３２で分割されたパケットをデコードする音声デコーダ部３４、映像デコーダ部３６、データ放送デコーダ部３８と、で構成される。ＤＥＭＵＸ３２は、ワンセグチューナ２０から出力されたデジタル信号（多重化された放送データ）を音声パケット、映像パケット、データ放送パケットに分離する。音声デコーダ部３４は、ＤＥＭＵＸ３２で分離された音声パケットに所定の復号化処理を施し、音声データを生成する。映像デコーダ部３６は、ＤＥＭＵＸ３２で分離された映像パケットに所定の復号化処理を施し、映像データを生成する。データ放送デコーダ部３８は、ＤＥＭＵＸ３２で分離されたデータ放送パケットに復号化処理を施し、データ放送データを生成する。コプロセッサ２２は、音声デコーダ部３４で生成した音声データをスピーカ２８に出力し、映像デコーダ部３６で生成した映像データを表示部２６に出力し、データ放送デコーダ部３８で生成したデータ放送データを制御部１２に出力する。また、コプロセッサ２２は、制御部１２からの指示に応じて、制御部１２に録画データも出力する。ここで、録画データは、ワンセグチューナ２０から出力されたデジタル信号に、デジタル信号を特定するための録画日時、番組名、録画時間等のヘッダを付したデータである。
【００２７】
メモリ部２４は、携帯端末装置１０に備え付け、つまり着脱不可能な内部メモリ２４ａと、携帯端末装置１０に対して着脱可能な外部メモリ２４ｂとで構成されている。内部メモリ２４ａ及び外部メモリ２４ｂには、一定容量の記憶領域を有する種々の記憶装置を用いることができ、例えば、ＲＯＭ，ＲＡＭ，Ｅ２ＰＲＯＭ、不揮発性ＲＡＭ，フラッシュメモリ、ＨＤＤ（Hard Disk Drive）等を用いることができる。
【００２８】
表示部２６は、液晶ディスプレイ（ＬＣＤ、Liquid Crystal Monitor）や、有機ＥＬ（Organic Electro−Luminescence）パネルなどの表示パネルを備え、制御部１２、または、コプロセッサ２２から供給される映像データに応じた映像を表示パネルに表示させる。
【００２９】
スピーカ２８は、制御部１２、またはコプロセッサ２２から出力された音声データ、具体的には、着信音や、ダウンロードされた音声データ、受信した音声データ、に基づいた音声を発声させる。
【００３０】
入力部３０は、例えば、電源キー、通話キー、数字キー、文字キー、方向キー、決定キー、発信キーなど、各種の機能が割り当てられたキーで構成され、これらのキーがユーザの操作により入力されると、その操作内容に対応する信号を発生させ、発生させた信号を制御部１２に出力する。
【００３１】
次に、制御部１２について詳細に説明する。図２は、制御部１２の概略構成を示すブロック図である。制御部１２は、各部から入力、送信された信号に基づいて、各部を統括して制御する処理部（メインプロセッサ、ＣＰＵ）であり、少なくともオペレーティングシステム（以下「ＯＳ」という。）４０と、ワンセグサービス４２と、ワンセグアプリ４４と、ブラウザ４６と、ナビゲーションアプリ５０とを有する。ＯＳ４０は、各アプリケーションソフトの状態の管理するベースアプリである。また、制御部１２は、上記の各部以外にも、各種アプリケーションソフトの動作を制御するアプリ、例えば、メーラ、スケジューラ、電話帳アプリ、ゲームのアプリ等の実行部も有している。なお、説明の簡略化のため、制御部１２が上記の各機能部を有していると表現した。しかし、実際は、メモリ部２４に格納される各種プログラムを制御部１２が実行することで各機能部が実行されていることは言うまでもない。
【００３２】
ワンセグサービス（放送波保存処理部）４２は、コプロセッサ２２から出力されたデータ放送データをワンセグアプリ４４に出力し、録画データをメモリ部２４に書き込む。なお、録画データには、映像のデータと音声のデータとが含まれる。また、ワンセグサービス４４は、他のアプリケーションソフトから容量確保の要求があった場合、メモリ部２４の空き容量から所定の記憶容量（以下単に「容量」ともいう。）を予約領域として確保し、その確保した予約領域には、録画データを保存しない、つまり、録画データを書き込まない。
【００３３】
ワンセグアプリ４４は、ユーザの操作に基づいて、視聴するテレビ番組、録画するテレビ番組を選択、制御するアプリケーションソフトである。ワンセグアプリ４４は、ユーザにより選択されたチャンネルのテレビ番組の放送波を受信するようにワンセグチューナ２０の動作を制御し、ユーザの操作に応じて、ワンセグサービス４２から供給されるデータ放送を表示部２６に表示させる。
【００３４】
ブラウザ４６は、通信部１４を介して外部のコンピュータネットワークと接続し、Ｗｅｂページを取得するアプリケーションソフトである。ブラウザ４６は、ユーザの操作により、コンピュータネットワークからデータをダウンロードし、ダウンロードしたデータをメモリ部２４に保存する。
【００３５】
ナビゲーションアプリ５０は、通信部１４を介して外部のコンピュータネットワーク（通信網）と接続し、地図データ、経路情報、混雑情報等を取得し、ユーザに現在地から目的地までの経路を表示、または音声ガイドするアプリケーションソフトである。ナビゲーションアプリ５０は、非使用時は、プログラムがメモリ部２４の内部メモリ２４ａに保存されており、使用時に、制御部１２の処理領域、つまり、キャッシュメモリ等に展開される。その後、ナビゲーションアプリ５０は、使用が終了されたら、処理領域に展開されたデータを再びメモリ部２４に保存する。このとき、ナビゲーションアプリ５０は、使用時に新たに入力されたデータ、取得したデータもメモリ部２４に保存する。また、ナビゲーションアプリ５０は、取得したデータの全て、または、一部をメモリ部２４に保存しつつ、操作画面、検索結果等を表示部２６に表示または、スピーカ２８から音声出力させる。つまり、ナビゲーションアプリ５０は、ユーザ使用時にも、メモリ部２４の一部にデータを書き込んでいる。ここで、ナビゲーションアプリ５０がメモリ部２４に保存するデータとしては、経路あるいは目的地を含むナビデータが例示される。また、ナビデータは、データの容量の上限値が設定されている。つまり、ナビゲーションアプリ５０は、１回の使用でメモリ部２４に保存するデータの増加容量の上限値が予め設定されている。なお、ナビゲーションアプリ５０は、ユーザから起動の指示が入力された時にワンセグサービス４２が番組を録画している場合は、メモリ部２４に所定の容量を確保してから起動される。この点については、後ほど詳述する。
【００３６】
次に、携帯端末装置１０の動作について説明する。図３は、携帯端末装置１０の処理動作の一例を示すシーケンス図である。ここで、図３に示す例は、録画するテレビ番組に対してメモリ部の残量に余裕がある場合である。
【００３７】
まず、ステップＳＴ１０として、ユーザの操作により、ワンセグアプリ４４に所定のチャンネルの所定のテレビ番組の録画指示が入力され、ワンセグアプリ４４からワンセグサービス４２に録画開始の指示が入力される。ワンセグサービス４２は、録画開始の指示が入力されたらコプロセッサ２２に録画開始指示を入力し、所定のテレビ番組の録画データを生成させる。また、ワンセグサービス４２は、録画を開始したら、ステップＳＴ１２として、ＯＳ４０に端末状態、つまり、ワンセグサービス４２でテレビ番組を録画している状態であることを登録する。
【００３８】
次に、ワンセグサービス４２は、ステップＳＴ１４として、コプロセッサ２２から出力される録画データを制御部１２のキャッシュメモリにバッファリングする。ここで、本実施形態では、キャッシュメモリがバッファとなっている。その後、コプロセッサ２２から出力される録画データを一定時間分バッファリングしたら、ステップＳＴ１６として、バッファリングした録画データをメモリ部２４に書き込む。ワンセグサービス４２は、録画が終了、中断、他の部分からの新たな指示が入力されるまで、ステップＳＴ１４のバッファリングと、ステップＳＴ１６の書き込みを繰り返す。
【００３９】
次に、ワンセグサービス４２がテレビ番組を録画している間に、ステップＳＴ１８として、ユーザにより入力部３０から、ナビゲーションアプリ５０を起動させる旨の指示が入力される。
【００４０】
起動の指示が入力されたら、ナビゲーションアプリ５０は、ステップＳＴ２０として、ＯＳ４０からメモリ部２４の残りサイズ、つまり、空き容量を検出し、メモリ残量を確認する。ブラウザ４６は、メモリ部２４の残り容量（つまり、残りサイズ）を確認することで、ナビゲーションアプリ５０が起動可能であるか否かを判定する。なお、メモリ部２４の残りの容量が、ナビゲーションアプリ５０の終了時に増加する可能性がある容量よりも少ない場合は、表示部２６にメモリ部２４の容量が足りない旨を表示させ、ナビゲーションアプリ５０を起動させることなく、処理を終了させる。つまり、終了時にナビゲーションアプリ５０のデータをメモリ部２４に書き込むことができない可能性がある場合は、ナビゲーションアプリ５０を起動させない。
【００４１】
ナビゲーションアプリ５０は、ステップＳＴ２０で、起動可能であることを検出したら、ステップＳＴ２２として、ＯＳ４０から端末状態の情報を取得する。ナビゲーションアプリ５０は、取得した端末状態からワンセグサービス４２が録画中であることを取得したら、ステップＳＴ２４として、ワンセグサービス４２に容量確保要求を送る。ここで、容量確保要求とは、ナビゲーションアプリ５０が稼動時及び終了時にメモリ部２４にデータを書き込むことができるように、ナビゲーションアプリ５０が使用する容量分の空き領域をメモリ部２４の記憶領域に確保することを要求する指示である。ここで、ナビゲーションアプリ５０が使用する容量とは、上述したナビデータの容量の上限値である。
【００４２】
ワンセグサービス４２は、ブラウザ４６から容量確保要求を入力されたら、ステップＳＴ２６として、録画中判定処理を開始する。録画中判定処理については後ほど詳細に説明する。ワンセグサービス４２は、録画中判定処理で、メモリ部２４の空き領域のうち、ナビゲーションアプリ５０が書き込む可能性のあるデータの容量以上の領域を録画データの予約領域（書き込み禁止領域）として、容量を確保する。その後、ワンセグサービス４２は、ステップＳＴ２８として、容量を確保した旨の情報をナビゲーションアプリ５０に送る。ナビゲーションアプリ５０は、ワンセグサービス４２により容量がメモリ部２４内に確保されたことを確認したら、ステップＳＴ３０として、ナビゲーションアプリ５０を稼動させる。その後、ナビゲーションアプリ５０は、ナビゲーションアプリ５０の終了時に、ステップＳＴ３２として、データをメモリ部２４に書き込む。また、ナビゲーションアプリ５０は、終了時のみならず、稼動時も必要に応じてデータをメモリ部２４に書き込む。なお、ナビゲーションアプリ５０は、ワンセグサービス４２がメモリ部２４に書き込みを行っていないときに、データをメモリ部２４に書き込む。ナビゲーションアプリ５０は、データの書き込みが終了したら、ステップＳＴ３４として、ワンセグサービス４２に容量確保要求の取り消しの指示を送る。ワンセグサービス４２は、ナビゲーションアプリ５０から、容量確保要求の取り消しの指示が送られたら録画中判定処理を終了し、ステップＳＴ１４の録画データバッファリングとステップＳＴ１６の録画データの書き込みを繰り返す。また、ワンセグサービス４２は、指定されたテレビ番組の録画が終了したら、または、指定された時間の録画が終了したら、または、メモリ部２４の空き領域がなくなったら録画を終了する。
【００４３】
次に、ワンセグサービス４２のステップＳＴ２６の録画中判定処理について詳細に説明する。図４は、録画中判定処理の処理工程の一例を示すフロー図である。まず、ステップＳＴ４０として、ナビゲーションアプリ５０からワンセグサービス４２に容量確保要求が入力される。なお、このステップＳＴ４０は、上述したステップＳＴ２４と同一のステップである。次に、ワンセグサービス４２は、ステップＳＴ４２として、確保容量サイズＡを予約領域として、メモリ部２４の空き領域に確保する。ここで、確保容量サイズＡとは、ナビゲーションアプリ５０が使用しうる容量（つまり、ナビデータの容量の上限値）以上の容量、つまり、ナビゲーションアプリ５０を稼動させることで、増加する可能性のあるデータ容量以上の容量である。ワンセグサービス４２は、メモリ部２４内の空き容量のうち確保容量サイズＡに相当する容量部分には、ワンセグサービス４２からの録画データの書き込み禁止として確保することで、メモリ部２４内の該当空き領域を予約領域とする。次に、ワンセグサービス４２は、ステップＳＴ４４として、メモリ部２４内の残りサイズＢと、バッファリングされている録画データのサイズＣとを検出する。ここで、メモリ部２６内の残りサイズＢは、確保容量サイズＡの有無を加味しない検出時の純粋な空き領域である。つまり、残りサイズＢは、確保容量サイズＡも含むサイズとなる。
【００４４】
次に、ワンセグサービス４２は、ステップＳＴ４６として、残りサイズＢから確保容量サイズＡを引いたサイズが、バッファリングされている録画データのサイズＣよりも大きいか、つまり、Ｂ−Ａ＞Ｃであるかを判定する。ワンセグサービス４２は、ステップＳＴ４６で、Ｂ−Ａ≦Ｃであると判定したら、バッファリングしているデータはメモリ部２４に書き込みできないと判定し、ステップＳＴ４８に進む。また、ワンセグサービス４２は、ステップＳＴ４６で、Ｂ−Ａ＞Ｃであると判定したら、バッファリングしている録画データをメモリ部２４に書き込み可能と判定し、ステップＳＴ５２に進む。なお、図３に示す例は、残りサイズＢに余裕がある場合であるので、ワンセグサービス４２は、ステップＳＴ４６からステップＳＴ５２に進む。
【００４５】
ワンセグサービス４２は、ステップＳＴ４６でメモリ部２４に録画データを書き込みできないと判定したら、ステップＳＴ４８で、コプロセッサ２２に録画停止要求を入力し、受信しているテレビ番組の録画データの生成を中止する。その後、ワンセグサービス４２は、ステップＳＴ５０として、録画終了処理を行い、ワンセグサービス４２によるテレビ番組の録画を終了する。
【００４６】
また、ワンセグサービス４２は、ステップＳＴ４６でメモリ部２４に録画データを書き込み可能と判定したら、ステップＳＴ５２で、バッファリングしている録画データをメモリ部２４に書き込む。その後、ワンセグサービス４２は、ステップＳＴ５４として、ナビゲーションアプリ５０から容量確保要求の取り消しの指示が入力されているかを判定する。ワンセグサービス４２は、ステップＳＴ５４で、取り消しの指示が入力されていないと判定した場合は、ステップＳＴ４４に進み、確保容量サイズＡをメモリ部２４内に確保しつつ、録画データの書き込みを続ける。また、ワンセグサービス４２は、ステップＳＴ５４で、取り消しの指示が入力されていると判定したら、録画中判定処理を終了し、通常のワンセグサービスの録画に戻る。
【００４７】
このように、携帯端末装置１０は、容量確保要求に基づいてワンセグサービス４２がナビデータの容量の上限値以上の空き容量をメモリ部２４に予約領域として確保することで、ワンセグサービス４２でテレビ番組を録画している間に他のアプリケーションソフト（本実施形態では、一例としてナビゲーションアプリ５０）からメモリ部２４にデータを書き込み、保存することができる。例えば、バックグラウンドでテレビ番組を録画しつつ、つまり、表示部２６には受信しているテレビ番組を表示させずに録画データをバッファリングしメモリ部２４に書き込みしつつ、他のアプリケーションソフトのデータもメモリ部２４に書き込むことができる。これにより、使用時または終了時にメモリ部２４にデータを書き込む必要がある（つまり使用することでメモリ部２４の使用容量が変化する）ため、メモリ部２４に書き込みできない状況では使用することができなかったアプリケーションソフトも、ワンセグサービス４２と同時に利用することができる。したがって、テレビ番組の録画中に使用することができるアプリケーションソフトが増え、ユーザによる使用の制約をより少なくすることができ、携帯端末装置としての使い勝手をよりよくすることができる。なお、バックグラウンドでのテレビ番組の録画は、タイマー等により録画を開始するように設定すればよい。また、携帯端末装置１０は、テレビ番組をバックグラウンドで録画している場合は、他のアプリケーションソフトにより表示される画像を表示部２６に表示させてもよい。つまり、他のアプリケーションソフトをフォアグラウンドで処理しつつ、テレビ番組をバックグラウンドで録画してもよい。
【００４８】
また、バックグラウンドでの録画中に限定されず、フォアグラウンドでの録画中、つまり、番組を表示部２６で表示させつつ録画も行っている場合にも適用できる。これにより、番組を表示部２６で表示させつつ録画も行い、さらに、他のアプリケーションソフトも操作することが可能となり、また、他のアプリケーションソフトのデータをメモリ部２４に保存することができる。
【００４９】
また、携帯端末装置１０では、ワンセグサービス４２でテレビ番組録画中に、アプリケーションソフトとしてナビゲーションアプリ５０がメモリ部２４にデータを書き込む場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、データをメモリに書き込む種々のアプリケーションソフトの場合に用いることができる。例えば、ブラウザ４６を利用する場合も、ワンセグサービス４２により所定の容量を確保させた後、ブラウザ４６を起動することで、ワンセグサービス４２と同時にブラウザ４６による画像などのダウンロードを実行することができる。また、ゲームのアプリケーションソフトの場合も同様に、ゲームをプレイしたデータを保存することができるように、ワンセグサービス４２により所定の容量を確保させた後、起動することで、ゲームのアプリケーションソフトとワンセグサービス４２とを同時に使用することができる。
【００５０】
ここで、アプリケーションソフトが複数ありうる場合は、各アプリケーションの中で最も使用する容量が大きい可能性のあるアプリケーションソフトの容量を予め固定値とし、確保容量サイズＡとして設定することが好ましい。このように、確保容量サイズＡを設定することで、ワンセグサービス４２によるテレビ番組の録画中にどのアプリケーションが起動された場合も、データを保存することができる。
【００５１】
また、上記実施形態では、確保容量サイズＡを複数のアプリケーションソフトに対して共通した１つの値として設定したが、これに限定されず、アプリケーションソフトごとに確保容量サイズＡを設定してもよい。ここで、アプリケーションソフトと確保容量サイズとの対応関係は、テーブル、マップ等にして、予めメモリ部２４に記憶させておき、必要に応じて、ワンセグサービス４２がメモリ部２４から読み出せばよい。また、アプリケーションソフト自身が対応関係を有していてもよい。これにより、ワンセグサービス４２は、アプリケーションソフトと確保容量サイズとの対応関係を把握することができる。図５は、録画中判定処理の処理工程の他の例を示すフロー図である。ここで、図５に示すフロー図は、アプリケーションソフトの種類に応じて確保容量サイズを決定する工程が加えられている以外は、図４に示すフロー図と同様の工程であるので、同様の工程には、同一のステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。
【００５２】
まず、図５に示すように、ステップＳＴ４０として、アプリケーションソフトからワンセグサービス４２に容量確保要求が入力される。その後、ワンセグサービス４２は、ステップＳＴ６０として、容量確保要求を入力したアプリケーションソフトの種類を検出する。その後、ワンセグサービス４２は、ステップＳＴ６２として、メモリ部２４に記憶されているアプリケーションソフトと確保容量サイズとの関係から、検出したアプリケーションソフトに対応する確保容量サイズを検出し、検出した確保容量サイズを確保容量サイズＡとして設定する。その後、ワンセグサービス４２は、ステップＳＴ４２以降は、上述した図４に示すフロー図と同様の工程で処理を行う。
【００５３】
このように、アプリケーションソフトの種類に対応して確保容量サイズを設定することで、ワンセグサービス４２が書き込みしない領域を各アプリケーションに必要な容量のみとすることができる。これにより、起動するアプリケーションソフトの種類によっては、ワンセグサービス４２が書き込むことができるメモリ部２４の容量をより多くすることができ、より多くの録画データを書き込むことが可能となる。
【００５４】
ここで、録画中判定処理は、アプリケーションソフトでのデータの保存が中止された場合に対応するために以下のような処理を行ってもよい。図６は、録画中判定処理の処理工程の他の例を示すフロー図である。ここで、図６に示すフロー図は、データの保存が中止されたか否かを判定する工程が加えられている以外は、図４に示すフロー図と同様の工程であるので、同様の工程には、同一のステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。また、図６のフロー図では、図４のフロー図と同様に、アプリケーションソフトとしてナビゲーションアプリ５０を使用した場合として説明する。
【００５５】
まず、図６に示すように、ステップＳＴ４０として、ナビゲーションアプリ５０からワンセグサービス４２に容量確保要求が入力される。その後、ワンセグサービス４２は、ステップＳＴ４２として、ナビゲーションアプリ５０から要求された確保容量サイズＡをメモリ部２４内に確保し、ステップＳＴ４４として、メモリ部２４内の残りサイズＢと、バッファリングされている録画データのサイズＣとを検出する。
【００５６】
次に、ワンセグサービス４２は、ステップＳＴ７０として、ナビゲーションアプリ５０から保存中止の指示が入力されているかを検出する。保存中止の指示とは、ナビゲーションアプリ５０がメモリ部２４に書き込む予定であったデータの保存が中止されたことを示す指示である。例えば、ユーザが、ナビゲーションアプリ５０によりダウンロードした着信音をメモリ部２４に保存させることなく、ナビゲーションアプリ５０による処理を終了する場合にブラウザ４６からワンセグサービス４２に入力される。ワンセグサービス４２は、ステップＳＴ７０で、保存中止の指示が入力されていることを検出したら、ステップＳＴ７２として、確保容量サイズＡに０を入力して、つまりＡ＝０として、ステップＳＴ４６に進む。また、ワンセグサービス４２は、ステップＳＴ７０で、保存中止の指示が入力されていないことを検出したら、そのままステップＳＴ４６に進む。ワンセグサービス４２は、ステップＳＴ４６以降は、上述した図４に示すフロー図と同様の工程で処理を行う。
【００５７】
このように、保存中止の指示が入力された場合は、確保容量サイズＡを０とすることでワンセグサービス４２が利用できる容量を適切に検出することができ、メモリ部２４の空き容量を適切に検出した状態でテレビ番組を録画することができ、メモリ部２４を有効に利用することができる。
【００５８】
上記実施形態では、通信部を介して外部ネットワークからデータを取得したが、本発明はこれに限定されず、外部ネットワーク（通信網）を介することなく、他の端末と直接通信して、データを取得してもよい。図７は、携帯端末装置の他の実施形態の概略構成を示すブロック図であり、図８は、図７に示す携帯端末装置１０ａの制御部の概略構成を示すブロック図である。図７に示す携帯端末装置１０ａは、ＲＦＩＤモジュール６０と、赤外線通信部６２と、を有することを除いて他の構成は、図１に示す携帯端末装置１０と同様であり、同様の構成要素には同様の符号を付している。以下では、携帯端末装置１０と同様の構成についての詳細な説明は省略し、携帯端末装置１０ａに特有の点を重点的に説明する。
【００５９】
携帯端末装置１０ａは、制御部１２と、通信部１４と、電話機能部１６と、ＴＶアンテナ部１８と、ワンセグチューナ２０と、コプロセッサ２２と、メモリ部２４と、表示部２６と、スピーカ２８と、入力部３０と、ＲＦＩＤ（Radio Frequency Identification）モジュール６０と、赤外線通信部６２と、を有する。
【００６０】
ＲＦＩＤモジュール６０は、電磁波や電波を用いて、他の端末装置と直接通信し、データの送受信を行う直接通信部である。
【００６１】
赤外線通信部６２は、赤外線を用いて、他の端末装置と直接通信し、データの送受信を行う直接通信部である。ここで、赤外線通信部６２が用いる通信手段としては、ＩｒＤＡ（Infrared Data Association）規格による通信、ＩｒＭＣ（IrDA Infrared Mobile Communication）規格による通信が例示される。
【００６２】
また、制御部１２は、図８に示すように、少なくとも上述したＯＳ４０と、ワンセグサービス４２と、ワンセグアプリ４４と、ブラウザ４６と、ナビゲーションアプリ５０と、ＲＦＩＤモジュール６０の動作を制御するＲＦＩＤアプリ６４と、赤外線通信部６２の動作を制御する赤外線通信アプリ６６とを有する。
【００６３】
ＲＦＩＤアプリ６４は、ＲＦＩＤモジュール６０の動作を制御するアプリケーションソフトである。ＲＦＩＤアプリ６４は、ＲＦＩＤモジュール６０を介して他の端末装置から取得したデータをメモリ部２４に保存し、ＲＦＩＤモジュール６０を介して他の端末装置にデータを出力する。ここで、ＲＦＩＤアプリ６４には、他の端末装置との間で送受信するデータの容量の上限値が設定されている。つまり、ＲＦＩＤアプリ６４には、１回の使用でメモリ部２４に保存するデータの増加容量の上限値が予め設定されている。
【００６４】
赤外線通信アプリ６６は、赤外線通信部６２の動作を制御するアプリケーションソフトである。赤外線通信アプリ６６は、赤外線通信部６２を介して他の端末装置から取得したデータをメモリ部２４に保存し、また、赤外線通信部６２を介して他の端末装置にデータを出力する。また、赤外線通信アプリ６６も、他の端末装置との間で送受信するデータの容量の上限値が設定されている。
【００６５】
携帯端末装置１０ａは、以上のような構成である。この携帯端末装置１０ａのＲＦＩＤアプリ６４、赤外線通信アプリ６６は、アプリケーションソフトの起動時に、ワンセグサービス４２で番組の録画中であるかを確認し、録画中であった場合は、ワンセグサービス４２に容量確保要求を送る。ワンセグサービス４２は、容量確保要求が入力されたら、各アプリケーションソフトが１回の使用でメモリ部２４に新たに保存する可能性のあるデータの容量の上限値以上の領域をメモリ部２４の空き領域に予約領域として確保する。各アプリケーションソフトは、予約領域が確保されたら、他の端末装置からデータを取得し、取得したデータをメモリ部２４に保存させる。これにより、ワンセグサービス４２により番組を録画している場合でも、各アプリケーションソフトでデータを取得することができ、かつ、取得したデータを保存することができる。
【００６６】
ここで、上記実施形態では、直接通信部として、ＲＦＩＤモジュール（磁界通信部）と赤外線通信部とを用いたが本発明はこれに限定されず、基地局及び通信網を介さず他の端末装置と直接通信する有線、無線の種々の方法を用いることができる。例えば、ＵＳＢ（Universal Serial Bus）ポートを介して有線で他の端末装置と通信するようにしてもよい。
【００６７】
なお、携帯端末装置１０では、録画時に、録画開始からの時間を測定し、一定時間ごとにワンセグサービス４２でバッファリングしたデータをメモリ部２４に書き込むようにしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、ワンセグサービス４２にバッファリングしたデータが一定容量となったらメモリ部２４に書き込むようにしてもよい。また、説明の簡略化のために、各例を個別に説明したが、それぞれの実施形態を共に備えていてもよいことは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【００６８】
以上のように、本発明にかかる携帯端末装置は、放送波の受信以外の機能も有する多機能な携帯端末装置に有用であり、特に、ＴＶ視聴機能を有する携帯電話として用いることに適している。
【図面の簡単な説明】
【００６９】
【図１】本発明の携帯端末装置の一実施形態の概略構成を示すブロック図である。
【図２】図１に示す携帯端末装置の制御部の概略構成を示すブロック図である。
【図３】携帯端末装置の処理動作の一例を示すシーケンス図である。
【図４】録画中判定処理の処理工程の一例を示すフロー図である。
【図５】録画中判定処理の処理工程の他の例を示すフロー図である。
【図６】録画中判定処理の処理工程の他の例を示すフロー図である。
【図７】携帯端末装置の他の実施形態の概略構成を示すブロック図である。
【図８】図７に示す携帯端末装置の制御部の概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【００７０】
１０ 携帯端末装置
１２ 制御部
１４ 通信部
１６ 電話機能部
１８ ＴＶアンテナ部
２０ ワンセグチューナ
２２ コプロセッサ
２４ メモリ部
２６ 表示部
２８ スピーカ
３０ 入力部
３２ ＤＥＭＵＸ
３４ 音声デコーダ部
３６ 映像デコーダ部
３８ データ放送デコーダ部
４０ ＯＳ（オペレーティングシステム）
４２ ワンセグサービス
４４ ワンセグアプリ
４６ ブラウザ
５０ ナビゲーションアプリ
６０ ＲＦＩＤモジュール
６２ 赤外線通信部
６４ ＲＦＩＤアプリ
６６ 赤外線通信アプリ
【技術分野】
【０００１】
本発明は、放送波を受信し、通話機能と、放送番組を視聴することができる機能と、を有する携帯端末装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
近年、携帯端末装置、例えばいわゆる携帯電話は、通話機能、メール機能、ブラウザ機能、テレビ番組を視聴する機能等、多数の機能を備えている。携帯端末装置は、処理の負荷を一定以下とするために、ＴＶ放送の録画動作と他のアプリケーションとを同時に起動させないように制限をしている。例えば、特許文献１には、ＴＶ放送を録画するＴＶ録画再生処理部と、ＴＶ放送録画動作とは同時実行できないアプリケーションに対し、ユーザ操作に基づいてアプリケーションを実行するアプリケーションプログラム実行処理部と、予約録画優先フラグを記憶するフラグ記憶部と、ユーザ操作に基づいて予約録画優先フラグを有効化する予約録画優先指定部とにより構成される携帯通信端末が記載されている。この携帯通信端末は、予約録画優先フラグと録画開始信号とに基づいて、実行中のアプリケーションプログラムを終了させ、録画開始時刻にＴＶ放送の録画を開始する。
【０００３】
【特許文献１】特開２００８−９９０５２号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
特許文献１の携帯端末装置のように、予約録画優先フラグによりユーザに選択させることで、ＴＶ放送録画とアプリケーションの使用のいずれかを選択させることができる。しかしながら、特許文献１の携帯端末装置では、いずれか一方を選択する必要があり、両方を同時に実行することができない。例えば、バックグラウンドでＴＶ放送を録画しつつ、他のアプリケーションを起動させて、画面上に表示させることができない。このように、画面上に表示されているアプリケーションが使用できないと、ユーザの使用を制限することになり、使い勝手が悪く、利便性も低くなってしまう。
【０００５】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、放送波保存処理部とその他のアプリケーションとを同時に使用することができる携帯端末装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、携帯端末装置であって、放送波を受信する受信部と、入力されるデータを保存するメモリ部と、前記受信部で受信した放送波から得るデータを、第１のデータとして前記メモリ部に保存する保存処理を行う放送波保存処理部と、少なくとも１つのアプリケーションを実行し、実行したアプリケーションにより第２のデータを取得し、取得した前記第２のデータを前記メモリ部に保存するアプリケーション実行部と、前記アプリケーション実行部及び前記放送波保存処理部の状態を管理する管理部と、を有し、前記アプリケーション実行部は、所定のアプリケーションの起動時に、前記管理部から前記放送波保存処理部が保存処理を行っている状態にあるかどうか確認し、前記放送波保存処理部が前記保存処理中である場合には、該所定のアプリケーションが使用する記憶容量を前記メモリ部に確保することを要求する確保要求を前記放送波保存処理部に行い、前記放送波保存処理部は、前記確保要求がなされると前記アプリケーション実行部が実行する前記所定のアプリケーションが使用する記憶容量以上の記憶容量を予約領域として前記メモリ部における空き領域に確保し、該メモリ部内に確保した記憶容量部分には前記第１のデータを保存しないことを特徴とする。
【０００７】
ここで、前記アプリケーション実行部は、複数種類のアプリケーションを実行可能であり、前記放送波保存処理部は、前記予約領域を確保する際、前記複数種類のアプリケーションのうち、使用する記憶容量が最も大きい可能性のあるアプリケーションにて使用される記憶容量を確保することが好ましい。
【０００８】
また、前記放送波保存処理部は、複数種類のアプリケーションとそれぞれのアプリケーションを使用するために必要な前記メモリ部の記憶容量との対応関係を把握しており、前記放送波保存処理部は、前記確保要求がなされると、実行されるアプリケーションに対応する記憶容量を前記メモリ部に前記予約領域として確保することが好ましい。
【０００９】
また、前記受信部は、デジタル放送波を受信し、前記放送波保存処理部は、前記受信部で受信したデジタル放送のデータを前記第１のデータとして前記メモリ部に保存する録画処理あるいは録音処理を、前記保存処理として実行することが好ましい。
【００１０】
また、前記放送波保存処理部は、前記メモリ部に前記予約領域が確保された状態下で、前記アプリケーション実行部が前記第２のデータの保存を中止した場合には、該予約領域を開放し、該領域への前記第１のデータの書き込みを可能にすることが好ましい。
【００１１】
また、受信した放送波のデータを一時的に記憶するバッファを有し、前記放送波保存処理部は、前記バッファに記憶させた放送波のデータを所定間隔で前記メモリ部に書き込むことで、前記第１のデータとして前記メモリ部に保存し、前記アプリケーション実行部は、前記放送波保存処理部が前記バッファに記憶されているデータを前記メモリ部に書き込んでいないときに、前記メモリ部に前記第２のデータを書き込むことが好ましい。
【００１２】
また、前記メモリ部は、着脱不可能な内蔵メモリと、着脱可能な外部メモリとを有することが好ましい。
【００１３】
また、前記第２のデータは、不特定な容量のデータであり、前記アプリケーション実行部が実行する前記所定のアプリケーションにより外部から取得されることが好ましい。
【００１４】
また、通信網に接続可能な通信部をさらに有し、前記アプリケーション実行部は、前記通信部を用いて地図データを通信網から取得して経路表示を行うナビゲーションアプリを前記所定のアプリケーションとして実行可能であり、該ナビゲーションアプリにより保存する経路あるいは目的地を含むナビデータを、前記第２のデータとして保存し、該ナビデータの容量には上限値が設けられており、該上限値により前記所定のアプリケーションにて使用する記憶容量を特定することが好ましい。
【００１５】
また、他の端末装置と直接通信を行う直接通信部をさらに有し、前記アプリケーション実行部は、他の携帯端末装置から前記第２のデータを取得するよう前記直接通信部を制御するアプリケーションを前記所定のアプリケーションとして実行可能であり、前記直接通信部により受信可能なデータのサイズには上限値が規定されており、該上限値により前記所定のアプリケーションにて使用する記憶容量を特定することが好ましい。
【００１６】
また、前記直接通信部は、赤外線通信部、あるいは磁界通信部であることが好ましい。
【００１７】
また、さらに、画像を表示する表示部を有し、前記保存処理は、前記第１のデータを前記表示部に表示することなく前記メモリ部に保存するバックグラウンド処理であり、前記アプリケーション実行部は、前記バックグラウンド処理状態下であっても、前記所定のアプリケーションを実行し、該所定のアプリケーションに基づく画像を前記表示部に表示可能であることが好ましい。
【発明の効果】
【００１８】
本発明にかかる携帯端末装置は、放送波の保存と他のアプリケーションの保存とを同時に行うことができ、放送波を保存しつつ、他のアプリケーションを使用することができ、ユーザの使用の制限をより少なくし、使い勝手をよりよくすることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１９】
以下に、本発明にかかる携帯端末装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。例えば、以下に示す実施形態では、放送波として、携帯電話・移動体端末向けの１セグメント部分受信サービス、いわゆるワンセグ放送を受信する場合として説明するが、放送波はこれに限定されない。放送波としては、例えば、１２セグメントの地上デジタル放送や、アナログ放送、デジタルラジオ放送の場合にも用いることができる。また、以下の実施形態では、携帯端末装置が、いわゆる携帯電話の場合として説明するが、本発明はこれに限定されない。本発明の携帯端末装置は、放送波を受信する機能と、ネットワークまたは外部の端末とデータの送受信を行う機能を有する種々の携帯端末装置、例えば、ＰＤＡ、ポータブルナビゲーション装置、携帯ゲーム機や携帯テレビ等にも用いることができる。
【００２０】
図１は、本発明にかかる携帯端末装置の一実施形態の概略構成を示すブロック図である。図１に示すように携帯端末装置１０は、制御部１２と、通信部１４と、電話機能部１６と、ＴＶアンテナ部１８と、ワンセグチューナ２０と、コプロセッサ２２と、メモリ部２４と、表示部２６と、スピーカ２８と、入力部３０と、を有する。
【００２１】
制御部１２は、携帯端末装置１０の処理動作を統括して制御するものである。制御部１２については、後ほど詳細に説明する。
【００２２】
通信部１４は、基地局によって割り当てられるチャネルを介し、基地局との間でＣＤＭＡ方式などによる無線信号回線を確立し、基地局との間で電話通信及び情報通信を行う。
【００２３】
電話機能部１６は、ユーザ（話者）の音声を集音するマイク及び通話相手の音声を発音するスピーカを含んで構成され、通信部１４から送られる通話相手の音声をスピーカから発音し、ユーザの音声をマイクで集音して通信部１４から通話相手の携帯端末装置に送信することで、電話機能を実現する。
【００２４】
ＴＶアンテナ部１８は、複数のチャンネルを有する地上デジタル放送、本実施形態では、ワンセグ放送の所定チャンネルの電波を受信する。
【００２５】
ワンセグチューナ２０は、同調装置で構成され、ＴＶアンテナ部１８が受信した受信信号に増幅、検波、周波数変換などの信号処理を行い、デジタル信号、本実施形態では、ＭＰＥＧ−２ ＴＳ（Transport Stream）に変換して出力する。
【００２６】
コプロセッサ２２は、ワンセグチューナ２０から出力されたデジタル信号を映像や音声に分割するＤＥＭＵＸ３２と、ＤＥＭＵＸ３２で分割されたパケットをデコードする音声デコーダ部３４、映像デコーダ部３６、データ放送デコーダ部３８と、で構成される。ＤＥＭＵＸ３２は、ワンセグチューナ２０から出力されたデジタル信号（多重化された放送データ）を音声パケット、映像パケット、データ放送パケットに分離する。音声デコーダ部３４は、ＤＥＭＵＸ３２で分離された音声パケットに所定の復号化処理を施し、音声データを生成する。映像デコーダ部３６は、ＤＥＭＵＸ３２で分離された映像パケットに所定の復号化処理を施し、映像データを生成する。データ放送デコーダ部３８は、ＤＥＭＵＸ３２で分離されたデータ放送パケットに復号化処理を施し、データ放送データを生成する。コプロセッサ２２は、音声デコーダ部３４で生成した音声データをスピーカ２８に出力し、映像デコーダ部３６で生成した映像データを表示部２６に出力し、データ放送デコーダ部３８で生成したデータ放送データを制御部１２に出力する。また、コプロセッサ２２は、制御部１２からの指示に応じて、制御部１２に録画データも出力する。ここで、録画データは、ワンセグチューナ２０から出力されたデジタル信号に、デジタル信号を特定するための録画日時、番組名、録画時間等のヘッダを付したデータである。
【００２７】
メモリ部２４は、携帯端末装置１０に備え付け、つまり着脱不可能な内部メモリ２４ａと、携帯端末装置１０に対して着脱可能な外部メモリ２４ｂとで構成されている。内部メモリ２４ａ及び外部メモリ２４ｂには、一定容量の記憶領域を有する種々の記憶装置を用いることができ、例えば、ＲＯＭ，ＲＡＭ，Ｅ２ＰＲＯＭ、不揮発性ＲＡＭ，フラッシュメモリ、ＨＤＤ（Hard Disk Drive）等を用いることができる。
【００２８】
表示部２６は、液晶ディスプレイ（ＬＣＤ、Liquid Crystal Monitor）や、有機ＥＬ（Organic Electro−Luminescence）パネルなどの表示パネルを備え、制御部１２、または、コプロセッサ２２から供給される映像データに応じた映像を表示パネルに表示させる。
【００２９】
スピーカ２８は、制御部１２、またはコプロセッサ２２から出力された音声データ、具体的には、着信音や、ダウンロードされた音声データ、受信した音声データ、に基づいた音声を発声させる。
【００３０】
入力部３０は、例えば、電源キー、通話キー、数字キー、文字キー、方向キー、決定キー、発信キーなど、各種の機能が割り当てられたキーで構成され、これらのキーがユーザの操作により入力されると、その操作内容に対応する信号を発生させ、発生させた信号を制御部１２に出力する。
【００３１】
次に、制御部１２について詳細に説明する。図２は、制御部１２の概略構成を示すブロック図である。制御部１２は、各部から入力、送信された信号に基づいて、各部を統括して制御する処理部（メインプロセッサ、ＣＰＵ）であり、少なくともオペレーティングシステム（以下「ＯＳ」という。）４０と、ワンセグサービス４２と、ワンセグアプリ４４と、ブラウザ４６と、ナビゲーションアプリ５０とを有する。ＯＳ４０は、各アプリケーションソフトの状態の管理するベースアプリである。また、制御部１２は、上記の各部以外にも、各種アプリケーションソフトの動作を制御するアプリ、例えば、メーラ、スケジューラ、電話帳アプリ、ゲームのアプリ等の実行部も有している。なお、説明の簡略化のため、制御部１２が上記の各機能部を有していると表現した。しかし、実際は、メモリ部２４に格納される各種プログラムを制御部１２が実行することで各機能部が実行されていることは言うまでもない。
【００３２】
ワンセグサービス（放送波保存処理部）４２は、コプロセッサ２２から出力されたデータ放送データをワンセグアプリ４４に出力し、録画データをメモリ部２４に書き込む。なお、録画データには、映像のデータと音声のデータとが含まれる。また、ワンセグサービス４４は、他のアプリケーションソフトから容量確保の要求があった場合、メモリ部２４の空き容量から所定の記憶容量（以下単に「容量」ともいう。）を予約領域として確保し、その確保した予約領域には、録画データを保存しない、つまり、録画データを書き込まない。
【００３３】
ワンセグアプリ４４は、ユーザの操作に基づいて、視聴するテレビ番組、録画するテレビ番組を選択、制御するアプリケーションソフトである。ワンセグアプリ４４は、ユーザにより選択されたチャンネルのテレビ番組の放送波を受信するようにワンセグチューナ２０の動作を制御し、ユーザの操作に応じて、ワンセグサービス４２から供給されるデータ放送を表示部２６に表示させる。
【００３４】
ブラウザ４６は、通信部１４を介して外部のコンピュータネットワークと接続し、Ｗｅｂページを取得するアプリケーションソフトである。ブラウザ４６は、ユーザの操作により、コンピュータネットワークからデータをダウンロードし、ダウンロードしたデータをメモリ部２４に保存する。
【００３５】
ナビゲーションアプリ５０は、通信部１４を介して外部のコンピュータネットワーク（通信網）と接続し、地図データ、経路情報、混雑情報等を取得し、ユーザに現在地から目的地までの経路を表示、または音声ガイドするアプリケーションソフトである。ナビゲーションアプリ５０は、非使用時は、プログラムがメモリ部２４の内部メモリ２４ａに保存されており、使用時に、制御部１２の処理領域、つまり、キャッシュメモリ等に展開される。その後、ナビゲーションアプリ５０は、使用が終了されたら、処理領域に展開されたデータを再びメモリ部２４に保存する。このとき、ナビゲーションアプリ５０は、使用時に新たに入力されたデータ、取得したデータもメモリ部２４に保存する。また、ナビゲーションアプリ５０は、取得したデータの全て、または、一部をメモリ部２４に保存しつつ、操作画面、検索結果等を表示部２６に表示または、スピーカ２８から音声出力させる。つまり、ナビゲーションアプリ５０は、ユーザ使用時にも、メモリ部２４の一部にデータを書き込んでいる。ここで、ナビゲーションアプリ５０がメモリ部２４に保存するデータとしては、経路あるいは目的地を含むナビデータが例示される。また、ナビデータは、データの容量の上限値が設定されている。つまり、ナビゲーションアプリ５０は、１回の使用でメモリ部２４に保存するデータの増加容量の上限値が予め設定されている。なお、ナビゲーションアプリ５０は、ユーザから起動の指示が入力された時にワンセグサービス４２が番組を録画している場合は、メモリ部２４に所定の容量を確保してから起動される。この点については、後ほど詳述する。
【００３６】
次に、携帯端末装置１０の動作について説明する。図３は、携帯端末装置１０の処理動作の一例を示すシーケンス図である。ここで、図３に示す例は、録画するテレビ番組に対してメモリ部の残量に余裕がある場合である。
【００３７】
まず、ステップＳＴ１０として、ユーザの操作により、ワンセグアプリ４４に所定のチャンネルの所定のテレビ番組の録画指示が入力され、ワンセグアプリ４４からワンセグサービス４２に録画開始の指示が入力される。ワンセグサービス４２は、録画開始の指示が入力されたらコプロセッサ２２に録画開始指示を入力し、所定のテレビ番組の録画データを生成させる。また、ワンセグサービス４２は、録画を開始したら、ステップＳＴ１２として、ＯＳ４０に端末状態、つまり、ワンセグサービス４２でテレビ番組を録画している状態であることを登録する。
【００３８】
次に、ワンセグサービス４２は、ステップＳＴ１４として、コプロセッサ２２から出力される録画データを制御部１２のキャッシュメモリにバッファリングする。ここで、本実施形態では、キャッシュメモリがバッファとなっている。その後、コプロセッサ２２から出力される録画データを一定時間分バッファリングしたら、ステップＳＴ１６として、バッファリングした録画データをメモリ部２４に書き込む。ワンセグサービス４２は、録画が終了、中断、他の部分からの新たな指示が入力されるまで、ステップＳＴ１４のバッファリングと、ステップＳＴ１６の書き込みを繰り返す。
【００３９】
次に、ワンセグサービス４２がテレビ番組を録画している間に、ステップＳＴ１８として、ユーザにより入力部３０から、ナビゲーションアプリ５０を起動させる旨の指示が入力される。
【００４０】
起動の指示が入力されたら、ナビゲーションアプリ５０は、ステップＳＴ２０として、ＯＳ４０からメモリ部２４の残りサイズ、つまり、空き容量を検出し、メモリ残量を確認する。ブラウザ４６は、メモリ部２４の残り容量（つまり、残りサイズ）を確認することで、ナビゲーションアプリ５０が起動可能であるか否かを判定する。なお、メモリ部２４の残りの容量が、ナビゲーションアプリ５０の終了時に増加する可能性がある容量よりも少ない場合は、表示部２６にメモリ部２４の容量が足りない旨を表示させ、ナビゲーションアプリ５０を起動させることなく、処理を終了させる。つまり、終了時にナビゲーションアプリ５０のデータをメモリ部２４に書き込むことができない可能性がある場合は、ナビゲーションアプリ５０を起動させない。
【００４１】
ナビゲーションアプリ５０は、ステップＳＴ２０で、起動可能であることを検出したら、ステップＳＴ２２として、ＯＳ４０から端末状態の情報を取得する。ナビゲーションアプリ５０は、取得した端末状態からワンセグサービス４２が録画中であることを取得したら、ステップＳＴ２４として、ワンセグサービス４２に容量確保要求を送る。ここで、容量確保要求とは、ナビゲーションアプリ５０が稼動時及び終了時にメモリ部２４にデータを書き込むことができるように、ナビゲーションアプリ５０が使用する容量分の空き領域をメモリ部２４の記憶領域に確保することを要求する指示である。ここで、ナビゲーションアプリ５０が使用する容量とは、上述したナビデータの容量の上限値である。
【００４２】
ワンセグサービス４２は、ブラウザ４６から容量確保要求を入力されたら、ステップＳＴ２６として、録画中判定処理を開始する。録画中判定処理については後ほど詳細に説明する。ワンセグサービス４２は、録画中判定処理で、メモリ部２４の空き領域のうち、ナビゲーションアプリ５０が書き込む可能性のあるデータの容量以上の領域を録画データの予約領域（書き込み禁止領域）として、容量を確保する。その後、ワンセグサービス４２は、ステップＳＴ２８として、容量を確保した旨の情報をナビゲーションアプリ５０に送る。ナビゲーションアプリ５０は、ワンセグサービス４２により容量がメモリ部２４内に確保されたことを確認したら、ステップＳＴ３０として、ナビゲーションアプリ５０を稼動させる。その後、ナビゲーションアプリ５０は、ナビゲーションアプリ５０の終了時に、ステップＳＴ３２として、データをメモリ部２４に書き込む。また、ナビゲーションアプリ５０は、終了時のみならず、稼動時も必要に応じてデータをメモリ部２４に書き込む。なお、ナビゲーションアプリ５０は、ワンセグサービス４２がメモリ部２４に書き込みを行っていないときに、データをメモリ部２４に書き込む。ナビゲーションアプリ５０は、データの書き込みが終了したら、ステップＳＴ３４として、ワンセグサービス４２に容量確保要求の取り消しの指示を送る。ワンセグサービス４２は、ナビゲーションアプリ５０から、容量確保要求の取り消しの指示が送られたら録画中判定処理を終了し、ステップＳＴ１４の録画データバッファリングとステップＳＴ１６の録画データの書き込みを繰り返す。また、ワンセグサービス４２は、指定されたテレビ番組の録画が終了したら、または、指定された時間の録画が終了したら、または、メモリ部２４の空き領域がなくなったら録画を終了する。
【００４３】
次に、ワンセグサービス４２のステップＳＴ２６の録画中判定処理について詳細に説明する。図４は、録画中判定処理の処理工程の一例を示すフロー図である。まず、ステップＳＴ４０として、ナビゲーションアプリ５０からワンセグサービス４２に容量確保要求が入力される。なお、このステップＳＴ４０は、上述したステップＳＴ２４と同一のステップである。次に、ワンセグサービス４２は、ステップＳＴ４２として、確保容量サイズＡを予約領域として、メモリ部２４の空き領域に確保する。ここで、確保容量サイズＡとは、ナビゲーションアプリ５０が使用しうる容量（つまり、ナビデータの容量の上限値）以上の容量、つまり、ナビゲーションアプリ５０を稼動させることで、増加する可能性のあるデータ容量以上の容量である。ワンセグサービス４２は、メモリ部２４内の空き容量のうち確保容量サイズＡに相当する容量部分には、ワンセグサービス４２からの録画データの書き込み禁止として確保することで、メモリ部２４内の該当空き領域を予約領域とする。次に、ワンセグサービス４２は、ステップＳＴ４４として、メモリ部２４内の残りサイズＢと、バッファリングされている録画データのサイズＣとを検出する。ここで、メモリ部２６内の残りサイズＢは、確保容量サイズＡの有無を加味しない検出時の純粋な空き領域である。つまり、残りサイズＢは、確保容量サイズＡも含むサイズとなる。
【００４４】
次に、ワンセグサービス４２は、ステップＳＴ４６として、残りサイズＢから確保容量サイズＡを引いたサイズが、バッファリングされている録画データのサイズＣよりも大きいか、つまり、Ｂ−Ａ＞Ｃであるかを判定する。ワンセグサービス４２は、ステップＳＴ４６で、Ｂ−Ａ≦Ｃであると判定したら、バッファリングしているデータはメモリ部２４に書き込みできないと判定し、ステップＳＴ４８に進む。また、ワンセグサービス４２は、ステップＳＴ４６で、Ｂ−Ａ＞Ｃであると判定したら、バッファリングしている録画データをメモリ部２４に書き込み可能と判定し、ステップＳＴ５２に進む。なお、図３に示す例は、残りサイズＢに余裕がある場合であるので、ワンセグサービス４２は、ステップＳＴ４６からステップＳＴ５２に進む。
【００４５】
ワンセグサービス４２は、ステップＳＴ４６でメモリ部２４に録画データを書き込みできないと判定したら、ステップＳＴ４８で、コプロセッサ２２に録画停止要求を入力し、受信しているテレビ番組の録画データの生成を中止する。その後、ワンセグサービス４２は、ステップＳＴ５０として、録画終了処理を行い、ワンセグサービス４２によるテレビ番組の録画を終了する。
【００４６】
また、ワンセグサービス４２は、ステップＳＴ４６でメモリ部２４に録画データを書き込み可能と判定したら、ステップＳＴ５２で、バッファリングしている録画データをメモリ部２４に書き込む。その後、ワンセグサービス４２は、ステップＳＴ５４として、ナビゲーションアプリ５０から容量確保要求の取り消しの指示が入力されているかを判定する。ワンセグサービス４２は、ステップＳＴ５４で、取り消しの指示が入力されていないと判定した場合は、ステップＳＴ４４に進み、確保容量サイズＡをメモリ部２４内に確保しつつ、録画データの書き込みを続ける。また、ワンセグサービス４２は、ステップＳＴ５４で、取り消しの指示が入力されていると判定したら、録画中判定処理を終了し、通常のワンセグサービスの録画に戻る。
【００４７】
このように、携帯端末装置１０は、容量確保要求に基づいてワンセグサービス４２がナビデータの容量の上限値以上の空き容量をメモリ部２４に予約領域として確保することで、ワンセグサービス４２でテレビ番組を録画している間に他のアプリケーションソフト（本実施形態では、一例としてナビゲーションアプリ５０）からメモリ部２４にデータを書き込み、保存することができる。例えば、バックグラウンドでテレビ番組を録画しつつ、つまり、表示部２６には受信しているテレビ番組を表示させずに録画データをバッファリングしメモリ部２４に書き込みしつつ、他のアプリケーションソフトのデータもメモリ部２４に書き込むことができる。これにより、使用時または終了時にメモリ部２４にデータを書き込む必要がある（つまり使用することでメモリ部２４の使用容量が変化する）ため、メモリ部２４に書き込みできない状況では使用することができなかったアプリケーションソフトも、ワンセグサービス４２と同時に利用することができる。したがって、テレビ番組の録画中に使用することができるアプリケーションソフトが増え、ユーザによる使用の制約をより少なくすることができ、携帯端末装置としての使い勝手をよりよくすることができる。なお、バックグラウンドでのテレビ番組の録画は、タイマー等により録画を開始するように設定すればよい。また、携帯端末装置１０は、テレビ番組をバックグラウンドで録画している場合は、他のアプリケーションソフトにより表示される画像を表示部２６に表示させてもよい。つまり、他のアプリケーションソフトをフォアグラウンドで処理しつつ、テレビ番組をバックグラウンドで録画してもよい。
【００４８】
また、バックグラウンドでの録画中に限定されず、フォアグラウンドでの録画中、つまり、番組を表示部２６で表示させつつ録画も行っている場合にも適用できる。これにより、番組を表示部２６で表示させつつ録画も行い、さらに、他のアプリケーションソフトも操作することが可能となり、また、他のアプリケーションソフトのデータをメモリ部２４に保存することができる。
【００４９】
また、携帯端末装置１０では、ワンセグサービス４２でテレビ番組録画中に、アプリケーションソフトとしてナビゲーションアプリ５０がメモリ部２４にデータを書き込む場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、データをメモリに書き込む種々のアプリケーションソフトの場合に用いることができる。例えば、ブラウザ４６を利用する場合も、ワンセグサービス４２により所定の容量を確保させた後、ブラウザ４６を起動することで、ワンセグサービス４２と同時にブラウザ４６による画像などのダウンロードを実行することができる。また、ゲームのアプリケーションソフトの場合も同様に、ゲームをプレイしたデータを保存することができるように、ワンセグサービス４２により所定の容量を確保させた後、起動することで、ゲームのアプリケーションソフトとワンセグサービス４２とを同時に使用することができる。
【００５０】
ここで、アプリケーションソフトが複数ありうる場合は、各アプリケーションの中で最も使用する容量が大きい可能性のあるアプリケーションソフトの容量を予め固定値とし、確保容量サイズＡとして設定することが好ましい。このように、確保容量サイズＡを設定することで、ワンセグサービス４２によるテレビ番組の録画中にどのアプリケーションが起動された場合も、データを保存することができる。
【００５１】
また、上記実施形態では、確保容量サイズＡを複数のアプリケーションソフトに対して共通した１つの値として設定したが、これに限定されず、アプリケーションソフトごとに確保容量サイズＡを設定してもよい。ここで、アプリケーションソフトと確保容量サイズとの対応関係は、テーブル、マップ等にして、予めメモリ部２４に記憶させておき、必要に応じて、ワンセグサービス４２がメモリ部２４から読み出せばよい。また、アプリケーションソフト自身が対応関係を有していてもよい。これにより、ワンセグサービス４２は、アプリケーションソフトと確保容量サイズとの対応関係を把握することができる。図５は、録画中判定処理の処理工程の他の例を示すフロー図である。ここで、図５に示すフロー図は、アプリケーションソフトの種類に応じて確保容量サイズを決定する工程が加えられている以外は、図４に示すフロー図と同様の工程であるので、同様の工程には、同一のステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。
【００５２】
まず、図５に示すように、ステップＳＴ４０として、アプリケーションソフトからワンセグサービス４２に容量確保要求が入力される。その後、ワンセグサービス４２は、ステップＳＴ６０として、容量確保要求を入力したアプリケーションソフトの種類を検出する。その後、ワンセグサービス４２は、ステップＳＴ６２として、メモリ部２４に記憶されているアプリケーションソフトと確保容量サイズとの関係から、検出したアプリケーションソフトに対応する確保容量サイズを検出し、検出した確保容量サイズを確保容量サイズＡとして設定する。その後、ワンセグサービス４２は、ステップＳＴ４２以降は、上述した図４に示すフロー図と同様の工程で処理を行う。
【００５３】
このように、アプリケーションソフトの種類に対応して確保容量サイズを設定することで、ワンセグサービス４２が書き込みしない領域を各アプリケーションに必要な容量のみとすることができる。これにより、起動するアプリケーションソフトの種類によっては、ワンセグサービス４２が書き込むことができるメモリ部２４の容量をより多くすることができ、より多くの録画データを書き込むことが可能となる。
【００５４】
ここで、録画中判定処理は、アプリケーションソフトでのデータの保存が中止された場合に対応するために以下のような処理を行ってもよい。図６は、録画中判定処理の処理工程の他の例を示すフロー図である。ここで、図６に示すフロー図は、データの保存が中止されたか否かを判定する工程が加えられている以外は、図４に示すフロー図と同様の工程であるので、同様の工程には、同一のステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。また、図６のフロー図では、図４のフロー図と同様に、アプリケーションソフトとしてナビゲーションアプリ５０を使用した場合として説明する。
【００５５】
まず、図６に示すように、ステップＳＴ４０として、ナビゲーションアプリ５０からワンセグサービス４２に容量確保要求が入力される。その後、ワンセグサービス４２は、ステップＳＴ４２として、ナビゲーションアプリ５０から要求された確保容量サイズＡをメモリ部２４内に確保し、ステップＳＴ４４として、メモリ部２４内の残りサイズＢと、バッファリングされている録画データのサイズＣとを検出する。
【００５６】
次に、ワンセグサービス４２は、ステップＳＴ７０として、ナビゲーションアプリ５０から保存中止の指示が入力されているかを検出する。保存中止の指示とは、ナビゲーションアプリ５０がメモリ部２４に書き込む予定であったデータの保存が中止されたことを示す指示である。例えば、ユーザが、ナビゲーションアプリ５０によりダウンロードした着信音をメモリ部２４に保存させることなく、ナビゲーションアプリ５０による処理を終了する場合にブラウザ４６からワンセグサービス４２に入力される。ワンセグサービス４２は、ステップＳＴ７０で、保存中止の指示が入力されていることを検出したら、ステップＳＴ７２として、確保容量サイズＡに０を入力して、つまりＡ＝０として、ステップＳＴ４６に進む。また、ワンセグサービス４２は、ステップＳＴ７０で、保存中止の指示が入力されていないことを検出したら、そのままステップＳＴ４６に進む。ワンセグサービス４２は、ステップＳＴ４６以降は、上述した図４に示すフロー図と同様の工程で処理を行う。
【００５７】
このように、保存中止の指示が入力された場合は、確保容量サイズＡを０とすることでワンセグサービス４２が利用できる容量を適切に検出することができ、メモリ部２４の空き容量を適切に検出した状態でテレビ番組を録画することができ、メモリ部２４を有効に利用することができる。
【００５８】
上記実施形態では、通信部を介して外部ネットワークからデータを取得したが、本発明はこれに限定されず、外部ネットワーク（通信網）を介することなく、他の端末と直接通信して、データを取得してもよい。図７は、携帯端末装置の他の実施形態の概略構成を示すブロック図であり、図８は、図７に示す携帯端末装置１０ａの制御部の概略構成を示すブロック図である。図７に示す携帯端末装置１０ａは、ＲＦＩＤモジュール６０と、赤外線通信部６２と、を有することを除いて他の構成は、図１に示す携帯端末装置１０と同様であり、同様の構成要素には同様の符号を付している。以下では、携帯端末装置１０と同様の構成についての詳細な説明は省略し、携帯端末装置１０ａに特有の点を重点的に説明する。
【００５９】
携帯端末装置１０ａは、制御部１２と、通信部１４と、電話機能部１６と、ＴＶアンテナ部１８と、ワンセグチューナ２０と、コプロセッサ２２と、メモリ部２４と、表示部２６と、スピーカ２８と、入力部３０と、ＲＦＩＤ（Radio Frequency Identification）モジュール６０と、赤外線通信部６２と、を有する。
【００６０】
ＲＦＩＤモジュール６０は、電磁波や電波を用いて、他の端末装置と直接通信し、データの送受信を行う直接通信部である。
【００６１】
赤外線通信部６２は、赤外線を用いて、他の端末装置と直接通信し、データの送受信を行う直接通信部である。ここで、赤外線通信部６２が用いる通信手段としては、ＩｒＤＡ（Infrared Data Association）規格による通信、ＩｒＭＣ（IrDA Infrared Mobile Communication）規格による通信が例示される。
【００６２】
また、制御部１２は、図８に示すように、少なくとも上述したＯＳ４０と、ワンセグサービス４２と、ワンセグアプリ４４と、ブラウザ４６と、ナビゲーションアプリ５０と、ＲＦＩＤモジュール６０の動作を制御するＲＦＩＤアプリ６４と、赤外線通信部６２の動作を制御する赤外線通信アプリ６６とを有する。
【００６３】
ＲＦＩＤアプリ６４は、ＲＦＩＤモジュール６０の動作を制御するアプリケーションソフトである。ＲＦＩＤアプリ６４は、ＲＦＩＤモジュール６０を介して他の端末装置から取得したデータをメモリ部２４に保存し、ＲＦＩＤモジュール６０を介して他の端末装置にデータを出力する。ここで、ＲＦＩＤアプリ６４には、他の端末装置との間で送受信するデータの容量の上限値が設定されている。つまり、ＲＦＩＤアプリ６４には、１回の使用でメモリ部２４に保存するデータの増加容量の上限値が予め設定されている。
【００６４】
赤外線通信アプリ６６は、赤外線通信部６２の動作を制御するアプリケーションソフトである。赤外線通信アプリ６６は、赤外線通信部６２を介して他の端末装置から取得したデータをメモリ部２４に保存し、また、赤外線通信部６２を介して他の端末装置にデータを出力する。また、赤外線通信アプリ６６も、他の端末装置との間で送受信するデータの容量の上限値が設定されている。
【００６５】
携帯端末装置１０ａは、以上のような構成である。この携帯端末装置１０ａのＲＦＩＤアプリ６４、赤外線通信アプリ６６は、アプリケーションソフトの起動時に、ワンセグサービス４２で番組の録画中であるかを確認し、録画中であった場合は、ワンセグサービス４２に容量確保要求を送る。ワンセグサービス４２は、容量確保要求が入力されたら、各アプリケーションソフトが１回の使用でメモリ部２４に新たに保存する可能性のあるデータの容量の上限値以上の領域をメモリ部２４の空き領域に予約領域として確保する。各アプリケーションソフトは、予約領域が確保されたら、他の端末装置からデータを取得し、取得したデータをメモリ部２４に保存させる。これにより、ワンセグサービス４２により番組を録画している場合でも、各アプリケーションソフトでデータを取得することができ、かつ、取得したデータを保存することができる。
【００６６】
ここで、上記実施形態では、直接通信部として、ＲＦＩＤモジュール（磁界通信部）と赤外線通信部とを用いたが本発明はこれに限定されず、基地局及び通信網を介さず他の端末装置と直接通信する有線、無線の種々の方法を用いることができる。例えば、ＵＳＢ（Universal Serial Bus）ポートを介して有線で他の端末装置と通信するようにしてもよい。
【００６７】
なお、携帯端末装置１０では、録画時に、録画開始からの時間を測定し、一定時間ごとにワンセグサービス４２でバッファリングしたデータをメモリ部２４に書き込むようにしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、ワンセグサービス４２にバッファリングしたデータが一定容量となったらメモリ部２４に書き込むようにしてもよい。また、説明の簡略化のために、各例を個別に説明したが、それぞれの実施形態を共に備えていてもよいことは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【００６８】
以上のように、本発明にかかる携帯端末装置は、放送波の受信以外の機能も有する多機能な携帯端末装置に有用であり、特に、ＴＶ視聴機能を有する携帯電話として用いることに適している。
【図面の簡単な説明】
【００６９】
【図１】本発明の携帯端末装置の一実施形態の概略構成を示すブロック図である。
【図２】図１に示す携帯端末装置の制御部の概略構成を示すブロック図である。
【図３】携帯端末装置の処理動作の一例を示すシーケンス図である。
【図４】録画中判定処理の処理工程の一例を示すフロー図である。
【図５】録画中判定処理の処理工程の他の例を示すフロー図である。
【図６】録画中判定処理の処理工程の他の例を示すフロー図である。
【図７】携帯端末装置の他の実施形態の概略構成を示すブロック図である。
【図８】図７に示す携帯端末装置の制御部の概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【００７０】
１０ 携帯端末装置
１２ 制御部
１４ 通信部
１６ 電話機能部
１８ ＴＶアンテナ部
２０ ワンセグチューナ
２２ コプロセッサ
２４ メモリ部
２６ 表示部
２８ スピーカ
３０ 入力部
３２ ＤＥＭＵＸ
３４ 音声デコーダ部
３６ 映像デコーダ部
３８ データ放送デコーダ部
４０ ＯＳ（オペレーティングシステム）
４２ ワンセグサービス
４４ ワンセグアプリ
４６ ブラウザ
５０ ナビゲーションアプリ
６０ ＲＦＩＤモジュール
６２ 赤外線通信部
６４ ＲＦＩＤアプリ
６６ 赤外線通信アプリ
【特許請求の範囲】
【請求項１】
放送波を受信する受信部と、
入力されるデータを保存するメモリ部と、
前記受信部で受信した放送波から得るデータを、第１のデータとして前記メモリ部に保存する保存処理を行う放送波保存処理部と、
少なくとも１つのアプリケーションを実行し、実行したアプリケーションにより第２のデータを取得し、取得した前記第２のデータを前記メモリ部に保存するアプリケーション実行部と、
前記アプリケーション実行部及び前記放送波保存処理部の状態を管理する管理部と、を有し、
前記アプリケーション実行部は、所定のアプリケーションの起動時に、前記管理部から前記放送波保存処理部が保存処理を行っている状態にあるかどうか確認し、前記放送波保存処理部が前記保存処理中である場合には、該所定のアプリケーションが使用する記憶容量を前記メモリ部に確保することを要求する確保要求を前記放送波保存処理部に行い、
前記放送波保存処理部は、前記確保要求がなされると前記アプリケーション実行部が実行する前記所定のアプリケーションが使用する記憶容量以上の記憶容量を予約領域として前記メモリ部における空き領域に確保し、該メモリ部内に確保した記憶容量部分には前記第１のデータを保存しないことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項２】
前記アプリケーション実行部は、複数種類のアプリケーションを実行可能であり、
前記放送波保存処理部は、前記予約領域を確保する際、前記複数種類のアプリケーションのうち、使用する記憶容量が最も大きい可能性のあるアプリケーションにて使用される記憶容量を確保することを特徴とする請求項１に記載の携帯端末装置。
【請求項３】
前記放送波保存処理部は、複数種類のアプリケーションとそれぞれのアプリケーションを使用するために必要な前記メモリ部の記憶容量との対応関係を把握しており、
前記放送波保存処理部は、前記確保要求がなされると、実行されるアプリケーションに対応する記憶容量を前記メモリ部に前記予約領域として確保することを特徴とする請求項１または２に記載の携帯端末装置。
【請求項４】
前記受信部は、デジタル放送波を受信し、
前記放送波保存処理部は、前記受信部で受信したデジタル放送のデータを前記第１のデータとして前記メモリ部に保存する録画処理あるいは録音処理を、前記保存処理として実行することを特徴とする請求項１から３のいずれか１項に記載の携帯端末装置。
【請求項５】
前記放送波保存処理部は、前記メモリ部に前記予約領域が確保された状態下で、前記アプリケーション実行部が前記第２のデータの保存を中止した場合には、該予約領域を開放し、該領域への前記第１のデータの書き込みを可能にすることを特徴とする請求項１から４のいずれか１項に記載の携帯端末装置。
【請求項６】
受信した放送波のデータを一時的に記憶するバッファを有し、
前記放送波保存処理部は、前記バッファに記憶させた放送波のデータを所定間隔で前記メモリ部に書き込むことで、前記第１のデータとして前記メモリ部に保存し、
前記アプリケーション実行部は、前記放送波保存処理部が前記バッファに記憶されているデータを前記メモリ部に書き込んでいないときに、前記メモリ部に前記第２のデータを書き込むことを特徴とする請求項１から５のいずれか１項に記載の携帯端末装置。
【請求項７】
前記メモリ部は、着脱不可能な内蔵メモリと、着脱可能な外部メモリとを有することを特徴とする請求項１から６のいずれか１項に記載の携帯端末装置。
【請求項８】
前記第２のデータは、不特定な容量のデータであり、前記アプリケーション実行部が実行する前記所定のアプリケーションにより外部から取得されることを特徴とする請求項１から７のいずれか１項に記載の携帯端末装置。
【請求項９】
通信網に接続可能な通信部をさらに有し、
前記アプリケーション実行部は、前記通信部を用いて地図データを通信網から取得して経路表示を行うナビゲーションアプリを前記所定のアプリケーションとして実行可能であり、該ナビゲーションアプリにより保存する経路あるいは目的地を含むナビデータを、前記第２のデータとして保存し、該ナビデータの容量には上限値が設けられており、該上限値により前記所定のアプリケーションにて使用する記憶容量を特定することを特徴とする請求項１から８のいずれか１項に記載の携帯端末装置。
【請求項１０】
他の端末装置と直接通信を行う直接通信部をさらに有し、
前記アプリケーション実行部は、他の携帯端末装置から前記第２のデータを取得するよう前記直接通信部を制御するアプリケーションを前記所定のアプリケーションとして実行可能であり、
前記直接通信部により受信可能なデータのサイズには上限値が規定されており、該上限値により前記所定のアプリケーションにて使用する記憶容量を特定することを特徴とする請求項１から８のいずれか１項に記載の携帯端末装置。
【請求項１１】
前記直接通信部は、赤外線通信部、あるいは磁界通信部であることを特徴とする請求項１０に記載の携帯端末装置。
【請求項１２】
さらに、画像を表示する表示部を有し、
前記保存処理は、前記第１のデータを前記表示部に表示することなく前記メモリ部に保存するバックグラウンド処理であり、
前記アプリケーション実行部は、前記バックグラウンド処理状態下であっても、前記所定のアプリケーションを実行し、該所定のアプリケーションに基づく画像を前記表示部に表示可能であることを特徴とする請求項１から１１のいずれか１項に記載の携帯端末装置。
【請求項１】
放送波を受信する受信部と、
入力されるデータを保存するメモリ部と、
前記受信部で受信した放送波から得るデータを、第１のデータとして前記メモリ部に保存する保存処理を行う放送波保存処理部と、
少なくとも１つのアプリケーションを実行し、実行したアプリケーションにより第２のデータを取得し、取得した前記第２のデータを前記メモリ部に保存するアプリケーション実行部と、
前記アプリケーション実行部及び前記放送波保存処理部の状態を管理する管理部と、を有し、
前記アプリケーション実行部は、所定のアプリケーションの起動時に、前記管理部から前記放送波保存処理部が保存処理を行っている状態にあるかどうか確認し、前記放送波保存処理部が前記保存処理中である場合には、該所定のアプリケーションが使用する記憶容量を前記メモリ部に確保することを要求する確保要求を前記放送波保存処理部に行い、
前記放送波保存処理部は、前記確保要求がなされると前記アプリケーション実行部が実行する前記所定のアプリケーションが使用する記憶容量以上の記憶容量を予約領域として前記メモリ部における空き領域に確保し、該メモリ部内に確保した記憶容量部分には前記第１のデータを保存しないことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項２】
前記アプリケーション実行部は、複数種類のアプリケーションを実行可能であり、
前記放送波保存処理部は、前記予約領域を確保する際、前記複数種類のアプリケーションのうち、使用する記憶容量が最も大きい可能性のあるアプリケーションにて使用される記憶容量を確保することを特徴とする請求項１に記載の携帯端末装置。
【請求項３】
前記放送波保存処理部は、複数種類のアプリケーションとそれぞれのアプリケーションを使用するために必要な前記メモリ部の記憶容量との対応関係を把握しており、
前記放送波保存処理部は、前記確保要求がなされると、実行されるアプリケーションに対応する記憶容量を前記メモリ部に前記予約領域として確保することを特徴とする請求項１または２に記載の携帯端末装置。
【請求項４】
前記受信部は、デジタル放送波を受信し、
前記放送波保存処理部は、前記受信部で受信したデジタル放送のデータを前記第１のデータとして前記メモリ部に保存する録画処理あるいは録音処理を、前記保存処理として実行することを特徴とする請求項１から３のいずれか１項に記載の携帯端末装置。
【請求項５】
前記放送波保存処理部は、前記メモリ部に前記予約領域が確保された状態下で、前記アプリケーション実行部が前記第２のデータの保存を中止した場合には、該予約領域を開放し、該領域への前記第１のデータの書き込みを可能にすることを特徴とする請求項１から４のいずれか１項に記載の携帯端末装置。
【請求項６】
受信した放送波のデータを一時的に記憶するバッファを有し、
前記放送波保存処理部は、前記バッファに記憶させた放送波のデータを所定間隔で前記メモリ部に書き込むことで、前記第１のデータとして前記メモリ部に保存し、
前記アプリケーション実行部は、前記放送波保存処理部が前記バッファに記憶されているデータを前記メモリ部に書き込んでいないときに、前記メモリ部に前記第２のデータを書き込むことを特徴とする請求項１から５のいずれか１項に記載の携帯端末装置。
【請求項７】
前記メモリ部は、着脱不可能な内蔵メモリと、着脱可能な外部メモリとを有することを特徴とする請求項１から６のいずれか１項に記載の携帯端末装置。
【請求項８】
前記第２のデータは、不特定な容量のデータであり、前記アプリケーション実行部が実行する前記所定のアプリケーションにより外部から取得されることを特徴とする請求項１から７のいずれか１項に記載の携帯端末装置。
【請求項９】
通信網に接続可能な通信部をさらに有し、
前記アプリケーション実行部は、前記通信部を用いて地図データを通信網から取得して経路表示を行うナビゲーションアプリを前記所定のアプリケーションとして実行可能であり、該ナビゲーションアプリにより保存する経路あるいは目的地を含むナビデータを、前記第２のデータとして保存し、該ナビデータの容量には上限値が設けられており、該上限値により前記所定のアプリケーションにて使用する記憶容量を特定することを特徴とする請求項１から８のいずれか１項に記載の携帯端末装置。
【請求項１０】
他の端末装置と直接通信を行う直接通信部をさらに有し、
前記アプリケーション実行部は、他の携帯端末装置から前記第２のデータを取得するよう前記直接通信部を制御するアプリケーションを前記所定のアプリケーションとして実行可能であり、
前記直接通信部により受信可能なデータのサイズには上限値が規定されており、該上限値により前記所定のアプリケーションにて使用する記憶容量を特定することを特徴とする請求項１から８のいずれか１項に記載の携帯端末装置。
【請求項１１】
前記直接通信部は、赤外線通信部、あるいは磁界通信部であることを特徴とする請求項１０に記載の携帯端末装置。
【請求項１２】
さらに、画像を表示する表示部を有し、
前記保存処理は、前記第１のデータを前記表示部に表示することなく前記メモリ部に保存するバックグラウンド処理であり、
前記アプリケーション実行部は、前記バックグラウンド処理状態下であっても、前記所定のアプリケーションを実行し、該所定のアプリケーションに基づく画像を前記表示部に表示可能であることを特徴とする請求項１から１１のいずれか１項に記載の携帯端末装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【公開番号】特開２０１０−８７６０９（Ｐ２０１０−８７６０９Ａ）
【公開日】平成２２年４月１５日（２０１０．４．１５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−２５１５７１（Ｐ２００８−２５１５７１）
【出願日】平成２０年９月２９日（２００８．９．２９）
【出願人】（０００００６６３３）京セラ株式会社 (13,660)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年４月１５日（２０１０．４．１５）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年９月２９日（２００８．９．２９）
【出願人】（０００００６６３３）京セラ株式会社 (13,660)
【Ｆターム（参考）】
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