説明

携帯端末

【課題】 携帯端末の形態が開状態と閉状態との間で変化する場合に、CPUへの割込みによる電力消費を低減するように開閉状態を検出する携帯端末を提供する。
【解決手段】 携帯電話機1は、携帯電話機1が開状態である場合に磁気を検知するMRセンサ1(118)と、閉状態である場合に検知するMRセンサ2(119)と、両MRセンサからの検知信号に応じて、開閉情報記憶部103に開閉状態フラグを格納し、各検知信号に対する割込みマスクの設定及び解除を行なうことによりCPU101への割込み信号の送出を制御するCPU割込み制御部102とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、形態を開状態及び閉状態の間で変化させることができる携帯端末に関し、特に、開閉状態を検出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スライド式や折畳み式等の携帯電話機は、通常使用時の形態(以下、「開状態」と言う。)と携帯時の形態(以下、「閉状態」と言う。)に変化させることができる。
例えば、スライド式携帯電話機は、上部筐体が下部筐体の長軸方向にスライドすることができるように両筐体が連結されており、ユーザは、携帯時には、上部筐体に下部筐体が重なるように、スライド防止用のスライドロックでロックされるまで上部筐体をスライドさせて閉状態にし、メール作成等をする場合には、閉状態と逆方向に上部筐体をスライドさせ開状態にして使用する。
【0003】
ところで、携帯電話機の開閉状態の検出には、ユーザの開閉操作によって生じる磁界の変化を筐体内部に取り付けた磁力スイッチで検知し、その検知結果をCPUに送出して開閉状態を検出する技術が開示されている(特許文献1参照)。
このような開閉検出の技術は、例えば、開閉状態に応じてディスプレイの表示を変えたり、操作可能なボタンを限定する等、各機能を切替える際のトリガーとして利用されている。
【特許文献1】特開2003−283621号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、例えば、スライド式携帯電話機を閉状態にして鞄の中に入れている場合に、スライドロックがはずれ、上部筐体がスライドして中途半端に開いてしまう(以下、「半開状態になる」という)ことがある。この場合、携帯電話機が閉状態と半開状態になるたびに、磁力スイッチは磁界を検知してCPUに検知結果を送出し、CPUはその都度開閉検出による割り込みを発生させて各機能を切替えるので、電力を無駄に消費してしまうという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、CPUの割込みによる電力消費を低減するように開閉状態を検出する携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る携帯端末は、開状態及び閉状態の間で形態を変化させることができる携帯端末であって、前記閉状態であることを検出する第一検出手段と、前記開状態であることを検出する第二検出手段と、前記第一検出手段及び第二検出手段のうちの一方が検出した場合に、当該一方による検出を抑止し、他方が検出した場合に当該一方による検出の抑止を解除する検出制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この構成によれば、例えば、開閉状態の検出時に携帯電話機のCPUに割込みを発生させて、夫々の状態に対応する開閉音を鳴らすスライド式携帯電話機の場合、ユーザが意図せず携帯電話機が閉状態と半開状態を繰り返したとしても、閉状態を検出後に開状態になったことを検出するまではCPUは割込みを発生させないので、CPUへの割込みによる無駄な電力消費を低減することができる。
【0008】
つまり、検出結果に応じて、開閉音を鳴らす、ディスプレイの表示を変更する等の機能処理を制御することができるような携帯電話機において、開閉状態のどちらか一方の状態を検出した後は他方の状態を検出するまで、当該一方の検出結果は各機能処理のトリガーにならないので、無駄な機能処理の実行による電力消費も低減することができる。
また、前記第一検出手段及び第二検出手段の各々は、磁気が所定の強度以上である場合に磁気を検知する磁気センサを有し、両磁気センサは一定の間隔で配置されており、前記携帯端末は、更に、形態が変化したときに前記各磁気センサに対する相対位置が変化する界磁部を備え、前記一定の間隔は、開状態の場合には一方の磁気センサの位置における磁気が所定の強度より弱く、閉状態の場合には他方の磁気センサの位置における磁気が所定の強度より弱くなる間隔であることとしてもよい。
【0009】
この構成によれば、開状態と閉状態との間で形態が変化するときに各センサとの相対位置が変わるように界磁部を設けており、2つの磁気センサは、開状態の場合に一方の磁気センサのみが所定の強度の磁気を検知し、閉形態の場合に他方の磁気センサのみが所定の強度の磁気を検知できるような間隔で配置されることにより、開閉状態を容易に検知することができる。
【0010】
また、前記携帯端末は、更に、CPUを備え、前記第一検出手段及び第二検出手段は、更に、前記各磁気センサが検知した際、割込みマスクが設定されていない場合に当該検知による前記CPUへの割込みをかける割込み部を各々有しており、前記検出制御手段は、前記第一検出手段及び第二検出手段に係る磁気センサのうち、一方が検知した場合に、当該一方の割込み部に割込みマスクを設定し、他方が検知した場合に、当該一方の割込み部の割込みマスクの設定を解除することとしてもよい。
【0011】
この構成によれば、開状態及び閉状態を検出するための各磁気センサが磁気を検知しても、開閉状態のどちらか一方の状態を検出した後、他方の状態を検出するまでは、当該一方の状態を検出するための磁気センサの検知によるCPUへの割込みをさせないので、無駄なCPUへの割込みを防ぎ、電力消費も低減することができる。
また、前記第一検出手段及び第二検出手段に係る各磁気センサは、電力が供給されているときに磁気を検知し、前記携帯端末は、更に、前記各磁気センサに対して各々電力を供給する電力供給手段を備え、前記検出制御手段は、前記第一検出手段及び第二検出手段に係る磁気センサのうち、一方が検知した場合に、当該一方への電力供給手段による電力供給を中止し、他方が検知した場合に、当該一方への電力供給手段による電力供給を再開することとしてもよい。
【0012】
この構成によれば、開状態及び閉状態を検出するための各磁気センサへの電力供給を別々に行い、一方の磁気センサが検知した後、他方の磁気センサが検知するまで当該一方の磁気センサの電力供給を行なわないようにすることで、当該一方の磁気センサによる検知は行なわれないので、CPUへの無駄な割込みも発生せず、電力消費を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
<実施形態1>
以下、本発明の実施形態1に係る携帯電話機について説明する。
<外観>
図1は、本発明に係る携帯電話機の外観図である。
以下、携帯電話機1の外観について説明する。
【0014】
携帯電話機1は、上部筐体10と下部筐体20とから構成され、上部筐体10が下部筐体20上を長軸方向にスライドできるように連結されている。
同図(a)は、上部筐体10と下部筐体20が重なった閉状態を示し、同図(b)は、テンキーなどの文字入力ボタン13を押下することができるように上部筐体10をスライドさせた場合の開状態を示している。
【0015】
上部筐体10は、ディスプレイ11、複数の操作ボタン12とから構成されており、上部筐体10内部にMR(Magneto Resistance)センサ51、MRセンサ52が装着されている。また、下部筐体20は、文字入力ボタン13を備えて構成され、下部筐体20内部には、図示しない磁石が装着されている。
図2は、図1に示す上部筐体10内部のMRセンサ51、MRセンサ52、及び下部筐体20内部の磁石の配置を示す携帯電話機1の断面図であり、同図(a)は携帯電話機1が閉状態の場合を示しており、同図(b)は開状態の場合を示している。尚、説明の便宜上、MRセンサ51、52及び磁石53以外の各部の配置については省略する。
【0016】
同図(a)(b)に示す様に、下部筐体20内部の磁石53に対して、閉状態の場合には上部筐体10内部のMRセンサ51が閾値以上の磁界を検知し、開状態の場合にはMRセンサ52が閾値以上の磁界を検知するように間隔をあけてMRセンサ51とMRセンサ52は装着されている。
<構成>
図3は、携帯電話機1の機能構成図を示している。以下、携帯電話機1の各機能について説明する。
【0017】
携帯電話機1は、制御部100、無線部110、変復調部111、音声処理部112、マイク113、スピーカ114、記憶部115、表示部116、操作部117、MRセンサ1(118)、及びMRセンサ2(119)から構成されている。
以下、各部について詳細に説明する。
ここで、制御部100は、CPU101、メモリ(ROM及びRAM)104、及びCPU割込み制御部102を含んで構成され、ユーザによる操作部117の操作に応じて携帯電話機1の各部を制御する機能を有しており、ROMに格納されているプログラムをCPU101が実行することにより携帯電話機1の全体動作を制御する。
【0018】
CPU101は、後述するCPU割込み制御部102から開閉状態を示す割込み信号を受付け、当該信号に応じて各機能を切替える機能を有する。ROMは、特に本発明に特徴的な動作、携帯電話機1の開閉状態を検出する動作を実現するためのプログラムを保持している。RAMは、CPU101がプログラムを実行するための作業用データを一時的に保持する。
【0019】
また、CPU割込み制御部102は、開閉情報記憶部103を含んで構成されている。
CPU割込み制御部102は、MRセンサ1及びMRセンサ2のいずれか一方から検知信号を受付け、後述する開閉情報記憶部103に当該検知信号に対応する開閉状態フラグを格納し、他方の検知信号を受付けたときに開閉状態フラグを更新する機能を有する。また、一方の検知信号を受付けたとき、そのMRセンサの検知信号による割込み信号をCPU101へ送出し、他方のMRセンサの検知信号を受付けるまで、そのMRセンサの検知信号に対する割込みマスクを設定して、そのMRセンサの検知信号によるCPU101への割込み信号の送出を抑止する機能を有する。
【0020】
尚、開閉情報フラグは、携帯電話機1の開閉状態を示すフラグであり、閉状態の場合に1、開状態の場合に0が格納される。
開閉情報記憶部103は、レジスタ等の記憶領域であり、CPU割込み制御部102によって受付けられた検知信号に対応する開閉状態フラグを記憶する機能を有する。
無線部110は、アンテナに受信された受信信号を増幅し、変復調部111により変調された送信信号を増幅してアンテナから送信する。
【0021】
変復調部111は、無線部110によって増幅された受信信号を受話音声信号、及び受信データ信号に復調し、音声処理部112によってA/D変換された送話音声信号及び制御部100から与えられる送信データ信号を送信信号に変調する。
また、音声処理部112は、変復調部111により復調された受話音声信号をD/A変換してスピーカ114から発音させ、マイク113から取得した送話音声信号をA/D変換する。
【0022】
尚、音声及びデータの送受信そのものを実現するための構成は本発明の特徴部分ではないので、従来用いられている一般的な構成を適宜採用するものとし、説明を省略する。
記憶部115は、ハードディスクなどで実現され、後述する切替えテーブル等のデータを記憶する機能を有する。
表示部116は、カラー液晶パネルなどで実現され、制御部100の制御によりメールなどの画像を表示する。
【0023】
操作部117は、ユーザによる携帯電話機1の文字入力ボタン13及び操作ボタン12の押下を受付け、制御部117へ押下されたボタンに対応する信号を送出する。
MRセンサ1は、磁気抵抗効果素子(以下、「MR素子」と言う)を用いた磁気センサで実現され、携帯電話機1が閉状態である場合に下部筐体20の磁石53による磁気を検知し、検知した旨を示す検知信号をCPU割込み制御部102へ送出する機能を有する。
【0024】
MRセンサ2もMR素子を用いた磁気センサで実現され、携帯電話機1が開状態である場合に下部筐体20の磁石53による磁気を検知し、検知信号をCPU割込み制御部102へ送出する機能を有する。
尚、MRセンサ1及びMRセンサ2による検知信号は互いに異なっており、CPU割込み制御部102はいずれのMRセンサによる検知信号であるかを判別できるものとする。また、実施に係るMRセンサは、一定の磁気の強さ、例えば、磁気の強さが2.3mTで検知するセンサを用いることとする。
<データ>
図4は、携帯電話機1の記憶部115に予め記憶されている切替えテーブル200の構成及び内容例を示す図である。
【0025】
切替えテーブル200は、切替え機能210、開形態211、及び閉形態212とを対応付けて記憶されており、携帯電話機1の開閉状態に応じて実行させる各機能の状態を示している。
切替え機能210の開閉音は、開閉状態が切り替わる際に各状態に対応する音声を発生させる機能である。また、テンキー操作は、下部筐体20の文字入力ボタン13の操作を開閉状態に応じて無効にする機能であり、終話機能は、通話中にオンフックボタンを押下せずに、開閉操作により通話を終了させる機能である。
【0026】
切替えテーブル200の各データは、CPU割込み制御部102の開閉情報記憶部103に記憶されている開閉情報フラグが更新される際に、CPU101によって読み出される。
<動作>
図5は、携帯電話機1の開閉状態の検出を制御する開閉検出制御処理の動作フロー図であり、以下、同図に基づき当該処理について説明する。
【0027】
尚、最初に開閉状態のいずれかを検知するまで、CPU割込み制御部102は両MRセンサ部の検知信号に対して割込みマスクの設定を行なわず、割込みの抑止を解除しており、同図は、2回目以降に両MRセンサ部が検知した場合について示している。また、MRセンサ1(図3)は、図1に示す携帯電話機1のMRセンサ51を示しており、MRセンサ2(図3)は、図1に示す携帯電話機1のMRセンサ52を示している。
【0028】
MRセンサ1が下部筐体20内部の磁石53による磁気を検知した場合(ステップS300:Y)、CPU割込み制御部102は、MRセンサ1から送出された検知信号を受付け(ステップS310)、当該信号に基づいて開閉情報記憶部103の開閉情報フラグに1(閉形態)を格納し(ステップS311)、CPU101へ割込み信号を送出する。
ステップS311に続いて、CPU割込み制御部102は、MRセンサ2からの検知信号を受付けるまで開閉情報記憶部103に格納している開閉情報フラグを保持し、MRセンサ1の検知信号に対して割込みマスクを設定し、MRセンサ1の検知信号によるCPU101への割込みを抑止する(ステップS312)。
【0029】
続いて、CPU割込み制御部102は、MRセンサ2の検知信号に対する割込みマスクを解除し、MRセンサ2の検知信号によるCPU101への割込みの抑止を解除する(ステップS313)。
また、ステップS300において、MRセンサ1が下部筐体20内の磁石53による磁気を検知せず(ステップS300:Y)、MRセンサ2が当該磁石53による磁気を検知した場合(ステップS314:Y)、CPU割込み制御部102は、MRセンサ2から送出された検知信号を受付ける(ステップS315)。
【0030】
ステップS315に続いて、CPU割込み制御部102は、当該信号に基づいて開閉情報記憶部103の開閉情報フラグに0(開形態)を格納し、CPU101へ開形態を示す割込み信号を送出する(ステップS316)。
また、CPU割込み制御部102は、ステップS316に続いて、MRセンサ1からの検知信号を受付けるまで、開閉情報記憶部103に格納している開閉情報フラグを保持し、MRセンサ2の検知信号に対して割込みマスクを設定し、MRセンサ2の検知信号による割込みを抑止する(ステップS317)。
【0031】
続いて、CPU割込み制御部102は、MRセンサ1の検知信号に対する割込みマスクを解除し、MRセンサ1の検知信号による割込みの抑止を解除する(ステップS318)。
尚、図5には図示していないが、ステップS311及びステップS316の後、CPU101は、開閉状態記憶部103に格納されている開閉状態フラグを読出し、記憶部115から切替えデータ200を読出し、当該フラグに基づいて機能の切替え処理を行なわせるための制御信号を各部に送出する。
<動作例>
上述した携帯電話機1の動作例について、図5の動作フローに基づき説明する。
【0032】
尚、携帯電話機1の形態は、ユーザ操作により既に開状態になっているものとして、開状態から閉状態に形態が変化する場合について説明することとする。この場合、開状態であることが既にMRセンサ2によって検知されているので、開閉情報記憶部103の開閉状態フラグには0が格納され、CPU割込み制御部102は、MRセンサ2の検知信号に対する割込みマスクを設定し、MRセンサ2の検知信号によるCPU101への割込み信号の送出を抑止している。
【0033】
ユーザが携帯電話機1の上部筐体10をスライドさせて閉状態にしたとき、 ステップS300において、MRセンサ1は磁気を検知して検知信号をCPU割込み制御部102に送出し(ステップS314:Y)、CPU割込み制御部102は検知信号を受付ける(ステップS315)。
CPU割込み制御部102は、受付けた検知信号に基づいて開閉情報記憶部103の開閉状態フラグを1に更新し、CPU101へ割込み信号を送出する(ステップS311)。
【0034】
また、CPU割込み制御部102は、MRセンサ1の検知信号に対して割込みマスクを設定し、MRセンサ1の検知信号によるCPU101への割込み信号の送出を抑止し(ステップS312)、MRセンサ2の検知信号に対する割込みマスクを解除して、MRセンサ2の検知信号による割込み信号の送出の抑止を解除する(ステップS313)。
ステップS311において割込み信号を受付けたCPU101は、開閉情報記憶部103に格納されている開閉状態フラグ1を読出し、切替えデータ200を読み出す。CPU101は、切替えデータ200の閉形態212の各データに基づいて、開閉音2を発する制御信号と、文字入力ボタン13の操作をOFFに切替える信号と、終話機能をONに切替える信号を各部に送出する。
【0035】
このように、MRセンサ2が検知するまではMRセンサ1からの検知信号によるCPU101への割込みを抑止しているので、携帯電話機1が閉状態と半開状態を繰り返してもCPU101は割込みを発生させず、消費電力を低減することができる。
<実施形態2>
以下、実施形態2の携帯電話機について説明する。
【0036】
本実施形態の携帯電話機の外観は、実施形態1と同様であるので説明を省略する。
上述の実施形態1では、CPU101への割込みを抑止している場合でも両MRセンサは磁気を検知することができるが、本実施の形態では、いずれか一方のMRセンサで検知した後は、他方のMRセンサが検知するまではそのMRセンサは検知できない構成としている点において実施形態1と異なっている。
【0037】
図6は、各MRセンサへの電源供給に着目した開閉検出回路を示す図である。
ここで、MRセンサ1(403)及びMRセンサ2(405)は、実施形態1のMRセンサと同じセンサであり、電源406はバッテリである。
REG1(402)及びREG2(404)は、レギュレータであり、制御回路401からの制御信号によってON/OFFに切替えられ、ONの場合に電源406から各MRセンサに電力を供給する。
【0038】
制御回路401は、REG1及びREG2のON/OFFを切替える信号をREG1及びREG2に送出し、MRセンサ1及びMRセンサ2のいずれか一方が検知した時、制御回路401は、そのMRセンサに電力を供給するREG1とREG2のいずれかをOFFにする信号を送出する。
その信号を受付けたREG1又はREG2は、電源406からMRセンサに電力を供給しなくなるが、各MRセンサと制御回路401の間にプルダウン抵抗を設けることにより、OFFにされた側のMRセンサは検知した電圧レベルを保つ。従って、閉状態と半開状態を繰り返しても、電源をOFFにされたMRセンサは磁気を検知せず、他方のMRセンサが検知したときに、制御回路401はその検知信号により割込みを発生させる。
【0039】
図7は、本実施に係る携帯電話機の機能構成図であり、図6の制御回路401は図7の制御部100に対応しており、図6のREG1及びREG2は、図7のREG1(120)及びREG2(121)にそれぞれ対応している。
実施形態1と同じ機能構成部分は、図3と同じ符号を付している。以下、実施形態1と異なる部分について説明する。
【0040】
REG1(120)及びREG2(121)は、制御部100からの制御信号に応じて各MRセンサに電力を供給する機能を有している。
CPU101は、両MRセンサのいずれか一方から検知信号を受付けると、当該検知信号を送出したMRセンサに対応する開閉状態を判断して割込みを発生させる機能を有する。また、その検知信号を送出したMRセンサ側のレギュレータをOFFに切替えることによりそのMRセンサの電源をOFFにし、電源がONのMRセンサから検知信号を受付けると、OFFの状態であるレギュレータをONに切替えることにより、対応するMRセンサの電源をONにする機能を有する。
<動作>
以下、実施に係る携帯電話機の動作について説明する。
【0041】
図8は、本実施における携帯電話機の開閉状態検出処理の動作フロー図である。
CPU101は、REG1(120)及びREG2(121)をONにする制御信号をREG1(120)及びREG2(121)に送出し、MRセンサ1(118)及びMRセンサ2(119)に電力を供給する(ステップS500)。
続いて、MRセンサ1が磁気を検知して検知信号をCPU101に送出すると(ステップS510)、CPU101は、MRセンサ1による割込みを発生させ、REG1をOFFに切替える制御信号をREG1に送出してMRセンサ1の電源をOFFにする(ステップS511)。また、CPU101は、REG2をONに切替えてMRセンサ2の電源をONにする(ステップS512)。
【0042】
また、ステップS510において、MRセンサ1が検知せずMRセンサ2が検知した場合(ステップS510:N,ステップS513:Y)、CPU101はMRセンサ2から検知信号を受付け、MRセンサ2による割込みを発生させ、REG2をOFFに切替える信号をREG2に送出してMRセンサ2の電源をOFFにする(ステップS514)。また、CPU101は、REG1をONに切替えてMRセンサ1の電源をONにする(ステップS515)。
<補足>
以上、本発明に係る携帯電話機について実施形態1、2に基づいて説明したが、以下のように変形することもでき、本発明は上述の実施形態で示した携帯電話機に限られないことは勿論である。
(1)実施形態1及び実施形態2では、携帯電話機を用いて説明したが、2つの検出手段を用いて開閉状態を検知する携帯端末であればよく、携帯電話機に限らない。また、実施形態1及び実施形態2に係る携帯電話機は、上部筐体を下部筐体の長軸方向にスライドさせることにより開閉することができるスライド式携帯電話機について説明したが、他の携帯電話機でもよい。例えば、上部筐体と下部筐体が回動可能に取り付けられた携帯電話機であり、軸で上部筐体を水平に180°回転させて携帯電話機を閉じるタイプのリボルバー式携帯電話機であってもよい。
(2)実施形態1及び実施形態2では、MRセンサを用いているが、例えば、ホール素子などの磁気センサを用いてもよいし、リミットスイッチなどを用いてもよい。
(3)携帯電話機における開閉状態検出処理をプロセッサに実行させるためのプログラムを、記録媒体に記録し又は各種通信路等を介して、流通させ頒布することもできる。このような記録媒体には、ICカード、ハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、ROM等がある。流通、頒布されたプログラムはプロセッサに読み出され得るメモリ等に格納されることにより利用に供され、そのプロセッサがそのプログラムを実行することにより実施形態1及び実施形態2で示した携帯電話機の機能が実現されるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明に係る携帯端末は、開状態と閉状態との間で形態を変化させることができ、開閉状態に応じて各機能処理を行なう携帯電話機等に利用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施に係る携帯電話機の外観を示す図である。
【図2】本発明の実施に係る携帯電話機の上部筐体内部のMRセンサ及び下部筐体内部の磁石の配置を示す図である。
【図3】実施形態1に係る携帯電話機の機能構成図である。
【図4】機能切替えテーブルの構成及び内容例を示す図である。
【図5】実施形態1における開閉検出処理を示す動作フロー図である。
【図6】実施形態2における開閉検出回路を示す図である。
【図7】実施形態2に係る携帯電話機の機能構成図である。
【図8】実施形態2における開閉検出処理を示す動作フロー図である。
【符号の説明】
【0045】
1 携帯電話機
10 上部筐体
11 ディスプレイ
12 操作ボタン
13 テンキー
20 下部筐体
51 MRセンサ1
52 MRセンサ2
100制御部
101CPU
102CPU割込み制御部
103開閉情報記憶部
115記憶部
117操作部
118MRセンサ1
119MRセンサ2
120REG1
121REG2
401制御回路
402REG1
403MRセンサ1
404REG2
405MRセンサ2
406電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開状態及び閉状態の間で形態を変化させることができる携帯端末であって、
前記閉状態であることを検出する第一検出手段と、
前記開状態であることを検出する第二検出手段と、
前記第一検出手段及び第二検出手段のうちの一方が検出した場合に、当該一方による検出を抑止し、他方が検出した場合に当該一方による検出の抑止を解除する検出制御手段と
を備えることを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記第一検出手段及び第二検出手段の各々は、磁気が所定の強度以上である場合に磁気を検知する磁気センサを有し、両磁気センサは一定の間隔で配置されており、
前記携帯端末は、更に、形態が変化したときに前記各磁気センサに対する相対位置が変化する界磁部を備え、
前記一定の間隔は、開状態の場合には一方の磁気センサの位置における磁気が所定の強度より弱く、閉状態の場合には他方の磁気センサの位置における磁気が所定の強度より弱くなる間隔であること
を特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
前記携帯端末は、更に、CPUを備え、
前記第一検出手段及び第二検出手段は、更に、前記各磁気センサが検知した際、割込みマスクが設定されていない場合に当該検知による前記CPUへの割込みをかける割込み部を各々有しており、
前記検出制御手段は、前記第一検出手段及び第二検出手段に係る磁気センサのうち、一方が検知した場合に、当該一方の割込み部に割込みマスクを設定し、他方が検知した場合に、当該一方の割込み部の割込みマスクの設定を解除すること
を特徴とする請求項2記載の携帯端末。
【請求項4】
前記第一検出手段及び第二検出手段に係る各磁気センサは、電力が供給されているときに磁気を検知し、
前記携帯端末は、更に、前記各磁気センサに対して各々電力を供給する電力供給手段を備え、
前記検出制御手段は、前記第一検出手段及び第二検出手段に係る磁気センサのうち、一方が検知した場合に、当該一方への電力供給手段による電力供給を中止し、他方が検知した場合に、当該一方への電力供給手段による電力供給を再開すること
を特徴とする請求項2記載の携帯端末。
【請求項5】
開状態及び閉状態の間で形態を変化させることができる携帯端末の開閉状態の検出を行なうための第一検出機構と第二検出機構とを制御する開閉検出制御処理を、当該携帯端末のプロセッサに実行させるための制御プログラムであって、
前記開閉検出制御処理は、
前記第一検出機構及び第二検出機構のうちの一方が検出した場合に、当該一方による検出を抑止し、他方が検出した場合に、当該一方による検出の抑止を解除する検出制御ステップを含む
ことを特徴とする制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−217380(P2006−217380A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−29286(P2005−29286)
【出願日】平成17年2月4日(2005.2.4)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】