携帯端末
【課題】スライド式の携帯端末において、操作キーに表示される表示パターンを切り替える際に、ユーザの操作が煩雑になるのを抑制することが可能な携帯端末を提供する。
【解決手段】この携帯電話機100(携帯端末)は、複数の表示パターンを切り替えて表示可能な操作キー部15が内部に収納された操作部側筐体13と、操作部側筐体13に対して、相対的にスライド移動可能に設けられ、表示画面部34が内部に収納された表示部側筐体33と、表示部側筐体33の操作部側筐体13に対する第1スライド移動位置および第2スライド移動位置に応じてそれぞれ操作キー部15の表示パターンを切り替えるCPU14aとを備える。
【解決手段】この携帯電話機100(携帯端末)は、複数の表示パターンを切り替えて表示可能な操作キー部15が内部に収納された操作部側筐体13と、操作部側筐体13に対して、相対的にスライド移動可能に設けられ、表示画面部34が内部に収納された表示部側筐体33と、表示部側筐体33の操作部側筐体13に対する第1スライド移動位置および第2スライド移動位置に応じてそれぞれ操作キー部15の表示パターンを切り替えるCPU14aとを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯端末に関し、特に、複数の表示パターンを切り替えて表示可能な操作キーが設けられた携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の表示パターンを切り替えて表示可能な操作キーが設けられた携帯端末などが知られている(たとえば、特許文献1〜4参照)。
【0003】
上記特許文献1では、3つの異なる波長の光を発光可能な照明装置と数字、カナ文字およびアルファベットの表示形状をそれぞれ有する透過部および透過部の周囲を取り囲むマスク部をそれぞれ有する3つの選択表示部とを含む表示装置と、表示装置の上部に配置された操作ボタンとを備える携帯電話が開示されている。上記特許文献1に記載の携帯電話では、照明装置において発光させる光の波長を異ならせることによって、操作ボタンの入力モードに応じて数字、カナ文字またはアルファベットのいずれか1つが表示装置に表示される。これにより、操作ボタンに3つの表示パターンを切り替えて表示可能なように構成されている。ここで、上記特許文献1には明記されていないが、操作ボタンに数字が表示されている状態から文字(カナ文字およびアルファベット)が表示される状態に入力モードを切り替える場合には、文字を入力する所定のソフトウェア(アプリケーション)がユーザにより起動されるとともに、入力モードを切り替えるための操作ボタンがユーザにより押下されることによって、操作ボタンに文字入力用の文字が表示される状態に切り替わるように構成されていると考えられる。
【0004】
また、上記特許文献2では、縦波の光のみを発光する縦波LED(Light Emitting Diode)部、横波の光のみを発光する横波LED部および照明光通過窓を含むボタンと、入力文字種切換ボタンがユーザにより押下された際に文字入力モードを切り替えるとともに、発光させるLEDを変更するように制御する制御部とを備えた携帯電話が開示されている。上記特許文献2に記載の携帯電話の照明光通過窓には、縦波の光のみを透過する縦波フィルタのみに覆われたアルファベットのパターンと、横波の光のみを透過する横波フィルタのみに覆われたひらがなのパターンとが形成されている。これにより、制御部により発光させるLED部を異ならせることによって、文字入力モードに応じてアルファベットまたはひらがなのいずれか一方がボタンに表示される。この結果、ボタンに2つの表示パターンを切り替えて表示可能なように構成されている。なお、上記特許文献2には明記されていないが、ボタンにおけるアルファベットおよびひらがなの表示は、文字を入力する所定のソフトウェアがユーザにより起動されている状態で、ユーザの入力文字種切換ボタンの押下により切り替わるように構成されていると考えられる。
【0005】
また、上記特許文献3では、緑色光を発光可能な緑色LED、赤色光を発光可能な赤色LED、ひらがなの部分が切り抜かれ、緑色光を透過させない第1マスクスクリーンシートおよびアルファベットの部分が切り抜かれ、赤色光を透過させない第2マスクスクリーンシートを含むキートップと、制御部とを備えた移動無線端末装置が開示されている。また、上記特許文献3に記載の移動無線端末装置は、制御部により発光させるLEDを異ならせることによって、入力モードに応じて緑色のひらがなまたは赤色のアルファベットのいずれか一方がキートップに表示される。これにより、キートップに2つの表示パターンを切り替えて表示可能ように構成されている。ここで、上記特許文献3に記載の移動無線端末装置の入力モードは、ユーザからのモード切替指示により切り替わるように構成されている。また、上記特許文献3には、入力モードは、ユーザからのモード切替指示がなくてもプログラムの制御により自動的に切り替わるように構成してもよい点が記載されている。なお、上記特許文献3には明記されていないが、キートップにおけるアルファベットおよびひらがなの表示は、文字を入力する所定のソフトウェアがユーザにより起動されている状態で、自動的にまたはユーザからのモード切替指示により切り替わるように構成されていると考えられる。
【0006】
また、上記特許文献4では、3つの異なる波長の光をそれぞれ発光可能な3つの光源と光源の上部に配置された3つのノッチフィルタとを含む操作部と、制御部とを備えた携帯電話機が開示されている。上記特許文献4に記載の携帯電話機の3つのノッチフィルタは、それぞれ、数字、ひらがなおよびアルファベットの表示形状が記されており、3つの光のうちのいずれか1つの光を表示形状以外の部分において減衰させるように構成されている。これにより、制御部により発光させる光源を異ならせることによって、操作部の入力モードに応じて数字、ひらがなおよびアルファベットのいずれか1つの表示形状が操作部に表示される。これにより、操作部に3つの表示パターンを切り替えて表示可能なように構成されている。ここで、上記特許文献4に記載の携帯電話機の入力モードは、ユーザの入力モード変更キーの押下により切り替わるとともに、電話をかける場合およびメールを書く場合に、それぞれ、対応する入力モードが自動的に選択されて切り替わるように構成されている。ここで、上記特許文献4には明記されていないが、操作部に数字が表示されている状態から文字(ひらがなおよびアルファベット)が表示される状態に切り替える場合には、文字を入力する所定のソフトウェアがユーザにより起動されている状態で、自動的にまたはユーザの入力モード変更キーの押下により操作部に文字が表示される状態に切り替わるように構成されていると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−355368号公報
【特許文献2】特開2004−153570号公報
【特許文献3】特開2008−9526号公報
【特許文献4】特開2008−304875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ここで、従来技術として、折り畳み式やスライド式の携帯電話(携帯端末)が知られている。たとえば、スライド式の携帯電話では、使用時には、表示部を含む表示部側筐体を操作キー(操作ボタン)が設けられた操作部側筐体に対して所定の方向にスライドした後に、操作キー(操作ボタン)により操作(入力)を行うように構成されている。
【0009】
上記特許文献1による携帯電話では、ユーザが、文字を入力する所定のソフトウェア(アプリケーション)を起動させるとともに、入力モードを切り替えるための操作ボタンを押下することによって、操作ボタンに数字が表示されている状態から文字が表示される状態に切り替わるように構成されている場合、表示パターンを切り替える際にユーザによるソフトウェアの起動の操作と操作ボタンの押下による入力切替操作とが必要になるという不都合がある。また、このような特許文献1の構成をスライド式の携帯電話に適用した場合、ユーザにより表示部側筐体が操作部側筐体に対して所定の方向にスライドされた後に、さらに、ユーザによるソフトウェアの起動の操作と操作ボタンの押下による入力切替操作とが必要になると考えられる。このため、表示パターンを切り替える際に、ユーザの操作が煩雑になるという問題点が発生すると考えられる。
【0010】
また、上記特許文献2による携帯電話では、ボタンにおけるアルファベットおよびひらがなの表示が、文字を入力する所定のソフトウェアがユーザにより起動されている状態で、ユーザの入力文字種切換ボタンの押下により切り替わるように構成されている場合、ボタンに表示されているアルファベットおよびひらがなの表示(表示パターン)を切り替える際に、ユーザによるソフトウェアの起動の操作と入力文字種切換ボタンの押下による入力切替操作とが必要になるという不都合がある。また、このような特許文献2の構成をスライド式の携帯電話に適用した場合、ユーザにより表示部側筐体が操作部側筐体に対して所定の方向にスライドされた後に、さらに、ユーザによるソフトウェアの起動の操作と入力文字種切換ボタンの押下による入力切替操作とが必要になると考えられる。このため、表示パターンを切り替える際に、ユーザの操作が煩雑になるという問題点が発生すると考えられる。
【0011】
また、上記特許文献3による移動無線端末装置では、キートップにおけるアルファベットおよびひらがなの表示が、文字を入力する所定のソフトウェアがユーザにより起動されている状態で、自動的にまたはユーザからのモード切替指示により切り替わるように構成されている場合、ボタンに表示されているアルファベットおよびひらがなの表示(表示パターン)を切り替える際に、少なくともユーザによるソフトウェアの起動の操作が必要になるとともに、場合によっては、ユーザ自らモード切替指示の操作を行う必要があるという不都合があると考えられる。また、このような特許文献3の構成をスライド式の携帯電話に適用した場合、ユーザにより表示部側筐体が操作部側筐体に対して所定の方向にスライドされた後に、さらに、ユーザによるソフトウェアの起動の操作とモード切替指示の操作とが必要になる場合があると考えられる。このため、表示パターンを切り替える際に、ユーザの操作が煩雑になるという問題点が発生すると考えられる。
【0012】
また、上記特許文献4による携帯電話機では、文字を入力する所定のソフトウェアがユーザにより起動されている状態で、自動的にまたはユーザの入力モード変更キーの押下により、操作部に数字が表示されている状態から文字が表示される状態に切り替わるように構成されている場合、操作部に数字が表示されている状態から文字が表示される状態に切り替える際に、少なくともユーザによるソフトウェアの起動の操作が必要になるとともに、場合によっては、ユーザ自ら入力モード変更キーの押下による入力切替操作が必要になるという不都合があると考えられる。また、このような特許文献4の構成をスライド式の携帯電話に適用した場合、ユーザにより表示部側筐体が操作部側筐体に対して所定の方向にスライドされた後に、さらに、ユーザによるソフトウェアの起動の操作と入力モード変更キーの押下による入力切替操作とが必要になる場合があると考えられる。したがって、表示パターンを切り替える際に、ユーザの操作が煩雑になるという問題点が発生すると考えられる。
【0013】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、スライド式の携帯端末において、操作キーに表示される表示パターンを切り替える際に、ユーザの操作が煩雑になるのを抑制することが可能な携帯端末を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0014】
この発明の一の局面による携帯端末は、複数の表示パターンを切り替えて表示可能な第1操作キーが設けられた操作部側筐体と、操作部側筐体に対して、相対的にスライド移動可能に設けられ、表示部を含む表示部側筐体と、表示部側筐体の操作部側筐体に対するスライド移動位置に応じて第1操作キーの表示パターンを切り替える制御部とを備える。
【0015】
この発明の一の局面による携帯端末では、上記のように、表示部側筐体の操作部側筐体に対するスライド移動位置に応じて第1操作キーの表示パターンを切り替えるように制御する制御部を設けることによって、携帯端末の使用時に、ユーザは表示部側筐体または操作部側筐体のいずれか一方を他方に対して相対的にスライド移動させるだけで、文字を入力する所定のソフトウェア(アプリケーション)を起動させる操作を行うことなく、第1操作キーに表示される表示パターンを切り替えることができる。これにより、スライド式の携帯端末において、第1操作キーに表示される表示パターンを切り替える際に、ユーザの操作が煩雑になるのを抑制することができる。また、スライド移動位置に応じて第1操作キーの表示パターンを切り替えることができるので、ユーザの操作に適した表示パターンを第1操作キーに表示させることができる。
【0016】
上記一の局面による携帯端末において、好ましくは、表示部側筐体は、操作部側筐体に対して、第1方向および第1方向に対して直交する第2方向に相対的にスライド移動可能に構成されており、表示部側筐体が第1方向にスライド移動されて第1スライド移動位置に位置することを検知する第1センサと、表示部側筐体が第2方向にスライド移動されて第2スライド移動位置に位置することを検知する第2センサとをさらに備え、制御部は、第1センサおよび第2センサの検出結果に基づいて、第1操作キーの表示パターンを切り替えるように構成されている。このように構成すれば、第1センサおよび第2センサにより、表示部側筐体の第1スライド移動位置および第2スライド移動位置に応じて、容易に、ユーザの操作に適した表示パターンを第1操作キーに表示させることができる。
【0017】
上記一の局面による携帯端末において、好ましくは、制御部は、所定のスライド移動位置において、表示部側筐体の表示部に起動されるソフトウェアに応じて、第1操作キーの表示パターンを切り替えるように構成されている。このように構成すれば、所定のスライド移動位置において起動されるソフトウェアが切り替えられた場合であっても、切り替えられたソフトウェアの操作に適した表示パターンを第1操作キーに表示させることができる。
【0018】
この場合、好ましくは、制御部は、所定のスライド移動位置において、動画再生用のソフトウェアが起動した際には、第1操作キーの表示パターンを動画再生のための操作に対応した表示パターンになるように制御するように構成されている。このように構成すれば、所定のスライド移動位置において起動されるソフトウェアが動画再生のソフトウェアに切り替えられた場合であっても、切り替えられた動画再生のソフトウェアの操作に適した表示パターンを第1操作キーに表示させることができる。
【0019】
上記一の局面による携帯端末において、好ましくは、第1操作キーは、複数の表示パターンで表示される際に、各々の表示パターンごとに、それぞれ、異なる色で表示されるように構成されている。このように構成すれば、スライド移動位置に対応する複数の表示パターンのうち、いずれの表示パターンが第1操作キーに表示されているかをユーザに認識させやすくすることができる。
【0020】
上記一の局面による携帯端末において、好ましくは、表示部側筐体が操作部側筐体に対して第1方向に移動されて第1スライド移動位置に位置する場合に、第1操作キーのうち第1の操作キー領域が露出され、表示部側筐体が操作部側筐体に対して第2方向に移動されて第2スライド移動位置に位置する場合に、第1操作キーのうち第2の操作キー領域が露出されるように構成されており、制御部は、第1の操作キー領域が露出された状態で第1の操作キー領域において第1表示パターンの第1操作キーの表示を行うとともに、第2の操作キー領域が露出された状態で第2の操作キー領域において第2表示パターンの第1操作キーの表示を行うように構成されている。このように構成すれば、表示部側筐体が第1スライド移動位置または第2スライド移動位置に位置する際に露出される第1の操作キー領域または第2の操作キー領域に応じて、ユーザの操作に適した第1表示パターンまたは第2表示パターンを表示させることができる。
【0021】
上記一の局面による携帯端末において、好ましくは、表示部側筐体は、複数の表示パターンを切り替えて表示可能な第2操作キーをさらに含み、制御部は、スライド移動位置における第1操作キーの表示パターンに対応するように、第2操作キーの表示パターンを切り替えるように制御するように構成されている。このように構成すれば、スライド移動位置に応じて、ユーザの操作に適した表示パターンを第1操作キーに表示させるとともに、操作部側筐体に設けられた第1操作キーに表示される表示パターンに対応した表示パターンを、表示部側筐体に設けられた第2操作キーに表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態による携帯電話機の第1スライド状態(通話モード)を示した斜視図である。
【図2】図1に示した一実施形態による携帯電話機の全体構成を示した分解斜視図である。
【図3】図1に示した一実施形態による携帯電話機の初期状態を示した斜視図である。
【図4】図1に示した一実施形態による携帯電話機の第2スライド状態(文字入力モード)を示した斜視図である。
【図5】図1に示した一実施形態による携帯電話機の初期状態の表示部側本体と操作部側本体との位置関係を示した斜視図である。
【図6】図1に示した一実施形態による携帯電話機の第1スライド状態の表示部側本体と操作部側本体との位置関係を示した斜視図である。
【図7】図1に示した一実施形態による携帯電話機の初期状態の操作部側本体とスライドプレートとの位置関係を示した斜視図である。
【図8】図1に示した一実施形態による携帯電話機の第2スライド状態の操作部側本体とスライドプレートとの位置関係を示した斜視図である。
【図9】図5および図6の1000−1000線に沿った第1位置検出センサとスライドプレートの突起部との位置関係を示した断面図である。
【図10】図7および図8の2000−2000線に沿った第2位置検出センサとスライドプレートの突起部との位置関係を示した断面図である。
【図11】図1に示した一実施形態による携帯電話機の操作キー部の構造を示した分解斜視図である。
【図12】図1に示した一実施形態による携帯電話機の第2スライド状態(動画再生モード)を示した斜視図である。
【図13】図1に示した一実施形態による携帯電話機の電気的な構成を示すブロック図である。
【図14】図1に示した一実施形態による携帯電話機のモード切り替え時の制御フローを示した図である。
【図15】本発明の一実施形態の第1変形例による携帯電話機の橙色フィルタ層を示した上面図である。
【図16】本発明の一実施形態の第2変形例による携帯電話機を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
まず、図1〜図13を参照して、本発明の一実施形態による携帯電話機100の構成について説明する。なお、携帯電話機100は、本発明の「携帯端末」の一例である。
【0025】
本発明の一実施形態による携帯電話機100は、スライド機構を備えた携帯端末装置として構成されている。すなわち、携帯電話機100は、図1に示すように、平面的に見て横長形状を有する操作部側本体10と、操作部側本体10の上面(Z1側の面)側に取り付けられ、操作部側本体10に対してX方向およびY方向にスライド移動が可能である表示部側本体30とを備えている。なお、図1においては、表示部側本体30が第1スライド移動位置に位置している状態であり、この状態を第1スライド状態とする。また、携帯電話機100が第1スライド状態である場合には、第1操作キー領域Aが露出されるように構成されている。なお、第1スライド移動位置は、本発明の「スライド移動位置」の一例であり、第1操作キー領域Aは、本発明の「第1の操作キー領域」の一例である。
【0026】
また、図2に示すように、操作部側本体10には、操作部側筐体13と、操作回路基板14と、操作キー部15と、スイッチ基板16とが設けられている。操作部側筐体13は、ダイキャスト成形による金属製(Mg製またはAl製)の蓋部材11が、ポリカーボネート(PC)やABS樹脂からなる樹脂製のケーシング部材12に対してZ方向に嵌め込まれて形成されている。また、操作回路基板14は、操作部側筐体13の内部に収納されるとともに、携帯電話機100に種々の機能を実現させる役割を有している。また、操作キー部15は、略L字状の板状(シート状)に形成されており、蓋部材11の所定の領域上を覆うように配置されている。操作キー部15は、本発明の「第1操作キー」の一例である。
【0027】
また、図2に示すように、表示部側本体30には、表示部側筐体33と、液晶ディスプレイからなる表示画面部34と、表示部側操作キー部35と、スイッチ基板36とが設けられている。表示部側筐体33は、ポリカーボネート(PC)やABS樹脂からなる樹脂製のパネル部31が、ダイキャスト成形による金属製(Mg製またはAl製)のケーシング部材32に対してZ方向に嵌め込まれて形成されている。また、表示画面部34は、表示部側筐体33の内部に収納されるとともに、FPC基板(図示せず)を介して操作回路基板14と接続されるように構成されている。また、スイッチ基板36はFPC基板からなり、操作回路基板14と接続されている。また、図1に示すように、表示部側本体30をY1側にスライド移動させた状態では、ユーザは、表示画面部34を見ながら操作部側本体10の上面に露出する第1操作キー領域Aの操作キー部15と、表示部側操作キー部35とを介して携帯電話機100を操作するように構成されている。なお、表示画面部34は、本発明の「表示部」の一例であり、表示部側操作キー部35は、本発明の「第2操作キー」の一例である。
【0028】
また、携帯電話機100は、ユーザが表示部側本体30をスライド移動させずに操作部側本体10の上に完全に重ねる(図1において表示部側本体30をY2方向にスライドさせて操作部側本体10に重ねる)ことによって、図3に示すように、携帯電話機100の平面積を最も小さくした状態で保持可能なように構成されている。なお、本実施形態では、図3に示す携帯電話機100の状態を初期状態とするとともに、表示部側本体30が操作部側本体10の上に完全に重ねられた際の位置を初期位置とする。
【0029】
また、携帯電話機100は、図3の初期状態からユーザが表示部側本体30を操作部側本体10に対してX1側にスライド移動させることによって、図4に示すように、表示部側本体30(表示部側筐体33)が操作部側本体10(操作部側筐体13)に対してスライド移動されて第2スライド移動位置に位置させることが可能なように構成されている。なお、表示部側本体30が第2スライド移動位置に位置する状態を第2スライド状態とする。また、携帯電話機100が第2スライド状態である場合には、第2操作キー領域Bが露出されるように構成されている。なお、第2スライド移動位置は、本発明の「スライド移動位置」の一例であり、第2操作キー領域Bは、本発明の「第2の操作キー領域」の一例である。
【0030】
また、図2に示すように、操作部側本体10と表示部側本体30とは、操作部側本体10と表示部側本体30との間に配置された板金製(金属製)のスライドプレート50を介して接続されている。
【0031】
ここで、スライド機構について説明する。まず、図2に示すように、操作部側本体10を構成する金属製の蓋部材11に、一対のガイド部11aが一体的に形成されている。この一対のガイド部11aは、X方向に沿って延びるように形成されている。また、一対のガイド部11aは、それぞれ、樹脂製のスライド部材51を保持することが可能であるように構成されている。
【0032】
また、図2に示すように、表示部側本体30を構成するケーシング部材32には、一対のガイド部32aが一体的に形成されている。この一対のガイド部32aは、Y方向に沿って延びるように形成されている。また、一対のガイド部32aは、それぞれ、樹脂製のスライド部材52を保持することが可能であるように構成されている。
【0033】
また、図2に示すように、スライドプレート50は、略矩形状の平坦部50aと、平坦部50aの縁部に板金の折り曲げ加工などによって一体的に形成されたエッジ部50bおよび50cとが形成されている。また、エッジ部50bは、平坦部50aのY方向の端部に沿ってX方向に延びるように一対設けられるとともに、エッジ部50cは、平坦部50aのX方向の端部に沿ってY方向に延びるように一対設けられている。
【0034】
したがって、スライドプレート50は、図5に示すように、ガイド部32aに保持されたスライド部材52に沿ってエッジ部50cが嵌め込まれた状態で、スライド部材52を介して表示部側本体30のケーシング部材32に対してY方向にスライド移動されるように構成されている。これにより、表示部側本体30が図3および図5に示す初期状態からY1側にスライド移動されて第1スライド移動位置に位置させることによって、携帯電話機100は、図1および図6に示す第1スライド状態になるように構成されている。また、表示部側本体30が図1および図6に示す第1スライド状態からY2側にスライド移動されて初期位置に位置させることによって、携帯電話機100は、図3および図5に示す初期状態になるように構成されている。なお、Y方向は、本発明の「第1方向」の一例である。
【0035】
また、スライドプレート50は、図7に示すように、ガイド部11aに保持されたスライド部材51に沿ってエッジ部50bが嵌め込まれた状態で、スライド部材51を介してY方向に対して直交するX方向に沿ってスライド移動されるように構成されている。これにより、スライドプレート50が図7に示す初期状態からX1側にスライド移動されて第2スライド移動位置に位置させることによって、図8に示す第2スライド状態になるように構成されている。また、スライドプレート50が図8に示す第2スライド状態からX2側にスライド移動されて初期位置に位置させることによって、図7に示す初期状態になるように構成されている。なお、X方向は、本発明の「第2方向」の一例である。
【0036】
また、スライドプレート50が表示部側本体30のガイド部32aに保持されていることによって、スライドプレート50のX方向のスライド移動に伴って、表示部側本体30もX方向にスライド移動されるように構成されている。これにより、表示部側本体30が図3に示す初期状態からX1側にスライド移動されて第2スライド移動位置に位置させることによって、携帯電話機100は、図4に示す第2スライド状態になるように構成されている。また、表示部側本体30が図4に示す第2スライド状態からX2側にスライド移動されて初期位置に位置させることによって、携帯電話機100は、図3に示す初期状態になるように構成されている。
【0037】
本実施形態では、上述のようなスライド機構を備えることによって、ユーザが表示部側本体30を操作部側本体10に対してX方向またはX方向に対して直交するY方向にスライドさせた状態で携帯電話機100を使用することが可能とされている。すなわち、図3に示す初期状態からユーザが表示部側本体30をY1側にスライド移動させた場合、図1に示すように、第1スライド状態において、操作キー部15のうちの操作部側本体10の上面(Z1側の面)に露出する第1操作キー領域Aに対応する後述する複数の操作キー40を使用して携帯電話機100を操作することが可能であるように構成されている。また、図3に示す初期状態からユーザが表示部側本体30をX1方向にスライド移動させた場合、図4に示すように、第2スライド状態において、操作キー部15のうちの操作部側本体10の上面に露出する第2操作キー領域Bに対応する複数の操作キー40を使用して携帯電話機100を操作することが可能であるように構成されている。
【0038】
また、図2に示すように、ケーシング部材32とスライドプレート50との間に、ねじりバネからなるバネ部材53が回動可能に取り付けられている。具体的には、バネ部材53のリング状の端部53aが、ケーシング部材32の下面側(Z2側)にZ2側に突出するように設けられたボス部32b(破線で示す)に対して回動可能に係合されるとともに、バネ部材53のリング状の端部53bが、スライドプレート50の平坦部50aの上面側に設けられたボス部50dに対して回動可能に係合されている。
【0039】
これにより、表示部側本体30が操作部側本体10の上に完全に重ねられた状態(図3の初期状態)では、バネ部材53が図5に示す位置に配置されることにより、バネ部材53の弾性力を利用してケーシング部材32が常にY2側に押し付けられるように構成されている。一方、ユーザが表示部側本体30(図1および図3参照)を操作部側本体10に対してY1側にスライド移動させ始めると、ケーシング部材32のボス部32bがスライドプレート50のボス部50dに対してY1側に移動することにより、バネ部材53は、端部53aを回動中心としてα方向に徐々に回動されるように構成されている。なお、バネ部材53がα方向に回動し始める際、バネ部材53は端部53aと53bとの距離が縮められるように変形するので、ユーザは、バネ部材53のY2側への付勢力に抗して表示部側本体30をY1側にスライド移動させることになる。また、上記のスライド動作においてバネ部材53がα方向へ回動される際、バネ部材53の回動動作の途中で、バネ部材53の付勢力がY2方向からY1方向に切り替わるように構成されている。そして、表示部側本体30のY1側へのスライド移動が完全に行われた状態(図1の第1スライド状態)では、バネ部材53は図6に示した位置に配置されることにより、バネ部材53の弾性力を利用してケーシング部材32が常にY1側に押し付けられるように構成されている。また、表示部側本体30をY1側からY2側へスライドさせる場合も、スライド動作の途中で、バネ部材53は、上述とは反対方向(β方向)に回動しながら付勢力の方向がY1側からY2側へ切り替わるように構成されている。このように、ユーザが表示部側本体30をY方向に往復移動させる際は、バネ部材53の回動に伴う付勢方向の変化を利用して表示部側本体30((図1および図3参照)のスライド動作をアシストするように構成されている。なお、図5および図6では、図面の都合上、スライドと同時に露出する操作キー部15を除いた状態で図示している。
【0040】
また、図2に示すように、蓋部材11とスライドプレート50との間に、ねじりバネからなるバネ部材54が回動可能に取り付けられている。具体的には、バネ部材54のリング状の端部54aが、蓋部材11にZ1側に突出するように設けられたボス部11bに対して回動可能に係合されるとともに、バネ部材54のリング状の端部54bが、スライドプレート50の平坦部50aの下面側に設けられたボス部50e(破線で示す)に対して回動可能に係合されている。
【0041】
これにより、表示部側本体30が操作部側本体10の上に完全に重ねられた状態(図3の初期状態)では、バネ部材54が図7に示す位置に配置されることにより、バネ部材54の弾性力を利用してケーシング部材32が常にX2側に押し付けられるように構成されている。一方、ユーザが表示部側本体30(図3参照)を操作部側本体10に対してX1側にスライドさせ始めると、図8に示すように、スライドプレート50のボス部50eが蓋部材11のボス部11bに対してX1方向に移動することにより、バネ部材54は端部54aを回動中心としてβ方向に徐々に回動されるように構成されている。なお、バネ部材54がβ方向に回動し始める際、バネ部材54は端部54aと54bとの距離が縮められるように変形するので、ユーザは、バネ部材54のX2側への付勢力に抗して表示部側本体30をX1側にスライド移動させることになる。また、上記のスライド動作においてバネ部材54がβ方向へ回動される際、バネ部材54の回動動作の途中で、バネ部材54の付勢力がX2方向からX1方向に切り替わるように構成されている。そして、表示部側本体30のX1側へのスライド移動が完全に行われた状態(図4の第2スライド状態)では、バネ部材54は図8に示した位置に配置されることにより、バネ部材54の弾性力を利用してケーシング部材32が常にX1側に押し付けられるように構成されている。なお、表示部側本体30をX1側からX2側へスライドさせる場合も、スライド動作の途中で、バネ部材54は、上述とは反対方向(α方向)に回動しながら付勢力の方向がX1側からX2側へ切り替わるように構成されている。このように、ユーザが表示部側本体30をX方向に往復移動させる際は、バネ部材54の回動に伴う付勢方向の変化を利用して、表示部側本体30(図3および図4参照)のスライド動作をアシストするように構成されている。なお、図7および図8では、図面の都合上、スライドプレート50上のケーシング部材32を除いた状態で図示している。
【0042】
また、本実施形態では、図2および図5に示すように、スライドプレート50の平坦部50aのX2側で、かつ、Y2側には、上方(Z1側)に向かって突出する突起部50fが形成されている。また、ケーシング部材32の下面側(Z2側)には、突起部50fに対応するように、突起部50fとの接触を機械的に検出するメカニカルセンサからなる第1位置検出センサ20(破線で示す)が配置されている。この第1位置検出センサ20の突出片20aは、図9に示すように、表示部側本体30が第1スライド移動位置に位置する際に、突起部50fと接触して上方(Z1側)に押し上げられるように構成されている。これにより、表示部側本体30が、第1スライド移動位置に位置することが第1位置検出センサ20によって検出されるように構成されている。なお、第1位置検出センサ20は、本発明の「第1センサ」の一例である。
【0043】
また、本実施形態では、図2および図7に示すように、スライドプレート50の平坦部50aのX2側で、かつ、Y1側には、下方(Z2側)に向かって突出する突起部50g(破線で示す)が形成されている。また、蓋部材11には、突起部50gに対応するように、突起部50gとの接触を機械的に検出するメカニカルセンサからなる第2位置検出センサ21が配置されている。この第2位置検出センサ21の突出片21aは、図10に示すように、スライドプレート50が第2スライド移動位置に位置する際に、突起部50gと接触して下方(Z2側)に押し下げられるように構成されている。これにより、スライドプレート50および表示部側本体30が、第2スライド移動位置に位置することが第2位置検出センサ21によって検出されるように構成されている。なお、第2位置検出センサ21は、本発明の「第2センサ」の一例である。
【0044】
また、図11に示すように、操作部側本体10の操作キー部15は、部分的に重複した第1操作キー領域Aおよび第2操作キー領域Bを含むL字形状を有する。また、操作キー部15は、シート基材15a、緑色反射シート15b、青色反射シート15cおよび赤色反射シート15dを含んでいる。操作キー部15は、シート基材15aに対して緑色反射シート15b、青色反射シート15cおよび赤色反射シート15dが蒸着により積層された4層構造を有する。また、シート基材15aは、操作キー部15の表面(操作面)側に配置された樹脂材料からなるシートである。シート基材15aには、複数の凸形状の操作キー40が固定的に形成されている。具体的には、シート基材15aの操作キー40に対応する部分は凸部として形成されるとともに、シート基材15aの操作キー40以外の部分は凹部41として形成されている。操作キー部15は、各操作キー40および凹部41に、それぞれの操作キー40に割り当てられた数字、文字または記号を表示可能なように構成されている。凸形状の複数の操作キー40と、各操作キー40間の凹部41とは、シート基材15aに一体的に形成されている。
【0045】
緑色反射シート15bは、緑色光のみを選択的に反射し、緑色光以外の光を透過する機能を有する。この緑色反射シート15bには、第1操作キー領域Aに含まれる16個の矩形状の操作キー40に対応する位置に、1〜16までの数字からなる表示パターンP1(図1参照)を表示するための複数の開口部P1aが個別に形成されている。また、緑色反射シート15bには、第1操作キー領域Aに含まれる円形状の操作キー40に対応する位置に、4方向(X1、X2、Y1およびY2方向)の矢印の表示パターンP1(図1参照)を表示するための複数の開口部P1aが個別に形成されている。このため、操作キー部15の下方から照射された緑色光が表示パターンP1の形状を有する開口部P1aを通過するとともに、緑色反射シート15bの開口部P1a以外の部分では緑色光が反射されるように構成されている。これにより、操作キー部15の各操作キー40(シート基材15a)には、緑色反射シート15bの開口部P1aを通過した緑色光により、各表示パターンP1(1〜16の数字および4方向の矢印の形状)(図1参照)が緑色に光りながら表示されるように構成されている。
【0046】
青色反射シート15cは、青色光のみを選択的に反射し、青色光以外の光を透過する機能を有する。この青色反射シート15cには、第2操作キー領域Bに含まれる39個の矩形状の操作キー40に対応する位置に、アルファベットの文字(A〜ZおよびA´〜M´)の表示パターンP2(図4参照)を表示するための複数の開口部P2aが個別に形成されている。このため、操作キー部15の下方から照射された青色光が表示パターンP2の形状を有する開口部P2aを通過するとともに、青色反射シート15cの開口部P2a以外の部分では青色光が反射されるように構成されている。これにより、文字入力モードにおいて操作キー部15の各操作キー40(シート基材15a)には、青色反射シート15cの開口部P2aを通過した青色光により、各表示パターンP2(アルファベット(A〜ZおよびA´〜M´))(図4参照)が青色に光りながら表示されるように構成されている。
【0047】
赤色反射シート15dは、赤色光のみを選択的に反射し、赤色光以外の光を透過する機能を有する。この赤色反射シート15dには、複数の操作キー40および凹部41を用いる操作ボタン42(42a〜42e)(図12参照)を表示するための複数の開口部P3aが、第2操作キー領域Bの各操作ボタン42に対応する位置にそれぞれ形成されている。このため、操作キー部15の下方から照射された赤色光が操作ボタン42の形状を有する開口部P3aを通過するとともに、赤色反射シート15dの開口部P3a以外の部分では赤色光が反射されるように構成されている。これにより、動画再生モードにおいて操作キー部15の各操作キー40(シート基材15a)には、赤色反射シート15dの開口部P3aを通過した赤色光により、操作ボタン42(42a〜42e)(図12参照)が赤色に光りながら表示されるように構成されている。
【0048】
また、操作キー部15の下側には、導光板151が配置されるとともに、緑色、青色および赤色の照明光を照射する4個の発光部152が導光板151の側端面151aに設けられている。
【0049】
導光板151は、側端面151aから入射された照明光を表面全体に均一に発光させる機能を有する。これにより、4個の発光部152からの照明光によって緑色、青色および赤色のそれぞれの照明光を操作キー部15の全体に下方から照射するように構成されている。
【0050】
発光部152は、緑色LED(Light Emitting Diode)152a、青色LED152bおよび赤色LED152cの3つのLEDを含んでいる。この発光部152が緑色LED152a、青色LED152bおよび赤色LED152cのそれぞれを用いて緑色光、青色光および赤色光を導光板151に個別に照射するように構成されている。
【0051】
本実施形態では、これらの各操作キー40の表示は、3つの表示モード(通話モード、文字入力モードおよび動画再生モード)に切り替え可能に構成されている。すなわち、操作キー部15は、緑色、青色および赤色のうちいずれか1色の照明光を下方から操作キー部15に対して照射することによって、緑色の表示パターンP1を表示する通話モード(図1参照)、青色の表示パターンP2を表示する文字入力モード(図4参照)および赤色の操作ボタン42を表示する動画再生モード(図4参照)のいずれか1つを選択して、切り替え可能に表示するように構成されている。そして、各操作キー40は、それぞれの表示モードにおいて各操作キー40に表示される数字、文字または記号に対応する操作入力を受け付けるように構成されている。
【0052】
具体的には、通話モードでは、図1に示すように、単一の操作キー40を用いて単一の意味(1〜16までの数字および4方向の矢印の各々)を有する表示パターンP1が、それぞれの操作キー40に表示されるように構成されている。この通話モードでは、携帯電話機100を縦方向(Y1方向)にスライドさせた場合に表示パターンP1が表示されるように構成されている。
【0053】
文字入力モードでは、図4に示すように、単一の操作キー40を用いて単一の意味(アルファベットの文字(A〜ZおよびA´〜M´)の各々)を有する表示パターンP2が、それぞれの操作キー40に表示されるように構成されている。この文字入力モードでは、携帯電話機100を横方向(X1方向)にスライドさせた場合に表示パターンP2が表示されるように構成されている。
【0054】
また、動画再生モードは、携帯電話機100を用いて動画再生機能を実行する場合(表示部34に動画が表示されている場合)に複数の操作キー40を用いて動画再生機能に使用する操作ボタン42を大きく表示することによって、動画再生のための操作に対応させた表示モードである。この動画再生モードでは、複数の操作キー40を用いて単一の意味を有する操作ボタン42を大きく表示するように構成されている。具体的には、図12に示すように、それぞれ6つの操作キー40を用いて巻き戻しボタン42a、停止ボタン42b、一時停止ボタン42cおよび早送りボタン42eの表示パターンが大きく表示されるとともに、4つの操作キーを用いて再生ボタン42dの表示パターンが大きく表示されている。なお、これらの5つの操作ボタン42のY1方向側の操作キー40には、個別に「次チャプター」や、「前チャプター」などの操作ボタンが表示されている。
【0055】
また、本実施形態では、上述の動画再生モードでは、複数の操作キー40に加えて複数の操作キー40の間の凹部41も用いて操作ボタン42の表示を行うように構成されている。このため、各操作ボタン42には、複数の操作キー40と各操作キー40間の凹部41とを用いてそれぞれ単一の意味を示す図柄(「停止」を意味する矩形状の図柄や、「再生」を意味する三角形状の図柄など)の表示パターンが連続的に表示されている。また、各操作ボタン42は、単一の意味を有する複数の操作キー40(操作ボタン42に含まれる操作キー40)のうち、少なくとも1つの操作キー40が押し下げられた場合に操作指示が有効になるように構成されている。たとえば、動作再生中に停止ボタン42bの表示領域に含まれる6つの操作キー40の内のいずれか1つでも押下された場合には、動画再生の停止指示が有効となるように構成されている。
【0056】
また、図5に示すように、これらの4層の操作キー部15および導光板151の下面側に、スイッチ基板16が配置されている。スイッチ基板16は、メンブレン方式を用いたキー入力回路が形成されたFPC基板からなる。スイッチ基板16には、操作キー部15の各操作キー40に対応する位置にスイッチ部16aがそれぞれ配置されている。このスイッチ基板16のスイッチ部16aにより、ユーザによる操作キー40の押下入力を検出するように構成されている。このスイッチ基板16は、蓋部材11の上面に固定的に取り付けられるとともに、図示しないリード部が蓋部材11に設けられた穴部11cを介して操作回路基板14に接続されている。
【0057】
また、図2に示すように、表示部側操作キー部35は、図11に示す操作キー部15と同様に、シート基材、緑色反射シート、青色反射シートおよび赤色反射シートを含んでいるとともに、表示部側操作キー部35の下側には、導光板と緑色LED135a(図13参照)、青色LED135b(図13参照)および赤色LED135c(図13参照)を有する発光部135(図13参照)とが配置されている。また、表示部側操作キー部35には、複数の凸形状の操作キー43とユーザによる上下左右の操作に反応する球形操作部44とが固定的に形成されている。
【0058】
また、表示部側操作キー部35は、各操作キー43に、それぞれの操作キー43に割り当てられたパターンを表示可能なように構成されている。具体的には、緑色反射シートには、操作キー43に対応する位置に、表示パターンP11(通話を示すパターン、終話を示すパターン、メニューを開くためのパターン、基本表示に戻すためのパターン、電話番号の検索をするためのパターン、および前に開いた画面に戻るためのパターン)(図1参照)を表示するための複数の開口部(図示せず)が個別に形成されている。これらの表示パターンP11は、通話モードにおいて操作キー部15に表示される1〜16までの数字からなる表示パターンP1および4方向(X1、X2、Y1およびY2方向)の矢印の表示パターンP1(図1および図3参照)と対応するように、表示部側操作キー部35に表示されるように構成されている構成されている。
【0059】
また、青色反射シートおよび赤色反射シートには、操作キー43に対応する位置に、表示パターンP12(通話を示すパターン、終話を示すパターン、メニューを開くためのパターン、基本表示に戻すためのパターン、メールに関するメニューを開くためのパターン、および文字入力カーソル(図示せず)を移動させるためのパターン)(図4および図12参照)を表示するための複数の開口部(図示せず)が個別に形成されている。これらのパターンP12は、文字入力モードおよび動画再生モードにおいて操作キー部15に表示されるアルファベットの文字(A〜ZおよびA´〜M´)の表示パターンP2(図4参照)および操作ボタン42(図12参照)と対応するように構成されている。
【0060】
これにより、表示部側操作キー部35の各操作キー43には、通話モード時に、表示パターンP11(図1参照)が緑色に光りながら表示されるように構成されている。また、表示部側操作キー部35の各操作キー43には、文字入力モード時または動画再生モード時に、表示パターンP12(図4および図12参照)が青色または赤色に光りながら表示されるように構成されている。
【0061】
また、スイッチ基板36は、メンブレン方式を用いたキー入力回路が形成されたFPC基板からなる。スイッチ基板36には、表示部側操作キー部35の各操作キー43に対応する位置にスイッチ部36aがそれぞれ配置されている。このスイッチ基板36のスイッチ部36aにより、ユーザによる操作キー43の押下入力を検出するように構成されている。
【0062】
また、図13に示すように、携帯電話機100の操作回路基板14は、CPU(Central Processing Unit)14aと、RAM(Random Access Memory)14bと、ROM(Read Only Memory)14cと、不揮発性メモリとしてのフラッシュメモリ14dと、音声処理回路14eと、通信回路14fと、I/F(Interface)部14gとを備えている。なお、CPU14aは、本発明の「制御部」の一例である。
【0063】
また、CPU14aは、ROM14cに記憶されたプログラムに基づき、RAM14bを作業領域として用いて各種演算処理を行うことにより、携帯電話機100全体の制御を行うように構成されている。また、CPU14aは、操作キー部15の発光部152の緑色LED152a、青色LED152bおよび赤色LED152cのうち、発光させるLEDを切り替えるように制御するように構成されている。また、CPU14aは、表示部側操作キー部35の発光部135の緑色LED135a、青色LED135bおよび赤色LED135cのうち、発光させるLEDを切り替えるように制御するように構成されている。
【0064】
また、CPU14aは、I/F部14gを介して第1位置検出センサ20と接続されており、第1位置検出センサ20からの信号を検出することによって、表示部側本体30が第1スライド移動位置に位置することを認識するように構成されている。また、CPU14aは、I/F部14gを介して第2位置検出センサ21と接続されており、第2位置検出センサ21からの信号を検出することによって、スライドプレート50および表示部側本体30が第2スライド移動位置に位置することを認識するように構成されている。また、CPU14aは、スイッチ基板16および36と、それぞれI/F部14gを介して接続されている。
【0065】
また、RAM14bは、CPU14aによる制御に伴い生成される一時データなどを書き換え可能に記憶する機能を有する。また、ROM14cには、動画再生用ソフトウェアを含むCPU14aによる各種の機能を実現させるためのプログラムと、携帯電話機100の通話モード、文字入力モードおよび動画再生モードに関するそれぞれの制御プログラムとが記憶されている。また、CPU14aは、通話モード、文字入力モードまたは動画再生モードのうちいずれか1つを選択することによって、モードを切り替えることが可能なように構成されている。それに伴い、操作キー部15の操作キー40に表示される表示パターンP1、P2または操作ボタン42と、表示部側操作キー部35の操作キー43に表示される表示パターンP11またはP12とが切り替えられるように構成されている。また、フラッシュメモリ14dには、動画データが記憶されている。なお、動画再生用ソフトウェアは、本発明の「ソフトウェア」の一例である。
【0066】
ここで、本実施形態では、通話モードは、携帯電話機100を用いて、ユーザが他者の携帯電話機(図示せず)などと通話を行うモードである。携帯電話機100では、表示部側本体30が第1位置検出センサ20によって第1スライド移動位置に位置することが検出された際に、CPU14aによって、図1に示す第1スライド状態における通話モードに切り替えられるように構成されている。また、通話モードに切り替えられることに伴い、操作キー部15の操作キー40に表示パターンP1が緑色で表示されるとともに、表示部側操作キー部35の操作キー43に表示パターンP11が緑色で表示されるように切り替えられるように構成されている。また、通話モードでは、図13に示すように、CPU14aは、音声を出力するスピーカ60と、ユーザからの音声入力を受け付けるマイク61とを音声処理回路14eを用いて制御する。また、CPU14aは、アンテナ62を介して、基地局(図示せず)と通信を行うための信号を通信回路14fを用いて制御するように構成されている。
【0067】
また、本実施形態では、文字入力モードは、携帯電話機100を用いて、文字入力を行うモードである。携帯電話機100では、表示部側本体30が第2位置検出センサ21によって第2スライド移動位置に位置することが検出された際に、CPU14aによって、図4に示す第2スライド状態における文字入力モードに切り替えられるように構成されている。また、文字入力モードに切り替えられることに伴い、操作キー部15の操作キー40に表示パターンP2が青色で表示されるとともに、表示部側操作キー部35の操作キー43に表示パターンP12が青色で表示されるように切り替えられるように構成されている。ここで、文字入力モードに切り替えられた際には、ユーザによって文字を入力する所定のソフトウェア(アプリケーション)の起動の有無に関係なく、自動的に、表示パターンP2が対応する操作キー40の位置で青色で表示されるように構成されている。
【0068】
また、動画再生モードは、動画再生用ソフトウェアが起動されている状態で、動画再生に関する操作を行うモードである。携帯電話機100は、図4に示す第2スライド状態において、ユーザが所定のメニュー選択操作を行うことにより動画再生用ソフトウェアが起動された際に、CPU14aによって、図12に示す動画再生モードに切り替えられるように構成されている。さらに、携帯電話機100は、表示部側本体30が図3に示す初期状態から第2スライド移動位置に所定の時間内で連続的に移動された際に、CPU14aによって、動画再生用ソフトウェアが起動されるのと同時に図12に示す動画再生モードに切り替えられるように構成されている。また、動画再生モードに切り替えられることに伴い、操作キー部15の操作キー40に操作ボタン42が赤色で表示されるとともに、表示部側操作キー部35の操作キー43に表示パターンP12が赤色で表示されるように切り替えられるように構成されている。
【0069】
また、図13に示すように、CPU14aは、動画再生モードが選択されると、ROM14cから動画再生用ソフトウェアを読み込むとともに、フラッシュメモリ14dに格納された動画データを読み出して表示画面部34および音声処理回路14eを制御することにより、動画再生を行うことが可能なように構成されている。
【0070】
次に、図1、図3、図4および図11〜図14を参照して、本発明の一実施形態による携帯電話機100のモード切り替え時の制御フローについて説明する。
【0071】
まず、図14に示すように、ステップS1において、CPU14a(図13参照)によって、表示部側本体30(図1参照)が第1スライド移動位置(図1参照)に移動されたことを示す第1位置検出センサ20(図13参照)からの信号を検出したか否かが判断される。そして、ステップS1において、CPU14aによって、第1位置検出センサ20からの信号を検出したと判断された場合には、ステップS2に進み、通話モードに切り替えられる。そして、操作キー部15(図1参照)の緑色LED152a(図13参照)および表示部側操作キー部35(図1参照)の緑色LED135a(図13参照)を点灯させる。これにより、図1に示すように、操作キー部15における第1操作キー領域Aには、各表示パターンP1(1〜16の数字および4方向の矢印の形状)が緑色に光りながら表示されるとともに、表示部側操作キー部35の各操作キー43には、表示パターンP11が緑色に光りながら表示される。そして、携帯電話機100のモード切り替え時の制御が終了される。また、ステップS1において、CPU14aによって、第1位置検出センサ20からの信号を検出していないと判断された場合には、ステップS3に進む。
【0072】
そして、ステップS3において、CPU14aによって、表示部側本体30が第2スライド移動位置(図4参照)に移動されたことを示す第2位置検出センサ21(図13参照)からの信号を検出したか否かが判断される。そして、ステップS3において、CPU14aによって、第2位置検出センサ21からの信号を検出していないと判断された場合には、ステップS1に戻る。また、ステップS3において、CPU14aによって、第2位置検出センサ21からの信号を検出したと判断された場合には、ステップS4に進む。
【0073】
次に、ステップS4において、CPU14aによって、ユーザが所定のメニュー選択操作を行うことにより動画再生用ソフトウェア(図13参照)が起動されたか否かが判断される。そして、ステップS4において、CPU14aによって、動画再生用ソフトウェアが起動されたと判断された場合には、ステップS5に進み、動画再生モードに切り替えられる。そして、操作キー部15の赤色LED152c(図13参照)および表示部側操作キー部35の赤色LED135c(図13参照)を点灯させる。これにより、図12に示すように、操作キー部15における第2操作キー領域Bには、操作ボタン42が赤色に光りながら表示されるとともに、表示部側操作キー部35の各操作キー43には、表示パターンP12が赤色に光りながら表示される。そして、携帯電話機100のモード切り替え時の制御が終了される。また、ステップS4において、CPU14aによって、動画再生用ソフトウェアが起動されていないと判断された場合には、ステップS6に進む。
【0074】
また、ステップS6において、CPU14aによって、表示部側本体30が初期状態(図3参照)から第2スライド移動位置(図4参照)に所定の時間内で連続的に移動されることによって、第2位置検出センサ21から連続的に信号が発せられたか否かが判断される。そして、ステップS6において、CPU14aによって、第2位置検出センサ21からの連続的な信号を検出したと判断された場合には、ステップS5に進み、操作キー部15および表示部側操作キー部35において、上記した動画再生モードにおける表示が行われる。そして、携帯電話機100のモード切り替え時の制御が終了される。また、ステップS6において、CPU14aによって、第2位置検出センサ21からの連続的な信号を検出していないと判断された場合には、ステップS7に進み、文字入力モードに切り替えられる。そして、操作キー部15の青色LED152b(図13参照)および表示部側操作キー部35の青色LED135b(図13参照)を点灯させる。これにより、図4に示すように、操作キー部15における第2操作キー領域Bには、各表示パターンP2(アルファベット(A〜ZおよびA´〜M´))が青色に光りながら表示されるとともに、表示部側操作キー部35の各操作キー43には、表示パターンP12が青色に光りながら表示される。そして、携帯電話機100のモード切り替え時の制御が終了される。
【0075】
本実施形態では、上記のように、表示部側本体30(表示部側筐体33)を第1スライド移動位置に位置させた際に、通話モードに切り替えて、CPU14aが、操作キー部15の操作キー40に表示パターンP1が表示されるように切り替えるとともに、表示部側本体30を第2スライド移動位置に位置させた際に、文字入力モードに切り替えて、CPU14aが、操作キー部15の操作キー40に表示パターンP2が表示されるように切り替えるように構成することによって、携帯電話機100の使用時に、ユーザは表示部側筐体33をスライド移動させるだけで、文字を入力する所定のソフトウェア(アプリケーション)を起動させる操作を行うことなく、操作キー部15に表示される表示パターンを切り替えることができる。これにより、スライド式の携帯電話機100において、操作キー部15に表示される表示パターンを切り替える際に、ユーザの操作が煩雑になるのを抑制することができる。また、第1スライド移動位置および第2スライド移動位置に応じて操作キー部15の表示パターンを切り替えることができるので、ユーザの操作に適した表示パターンを操作キー部15に表示させることができる。
【0076】
また、本実施形態では、上記のように、表示部側本体30が第1位置検出センサ20によって第1スライド移動位置に位置することが検出された際に、CPU14aによって、操作キー部15の操作キー40に表示パターンP1が表示されるとともに、表示部側操作キー部35の操作キー43に表示パターンP11が表示されるように切り替えられるように構成するとともに、表示部側本体30が第2位置検出センサ21によって第2スライド移動位置に位置することが検出された際に、CPU14aによって、操作キー部15の操作キー40に表示パターンP2が表示されるとともに、表示部側操作キー部35の操作キー43に表示パターンP12が表示されるように切り替えられるように構成する。これによって、第1位置検出センサ20および第2位置検出センサ21により、表示部側筐体33の第1スライド移動位置および第2スライド移動位置に応じて、容易に、ユーザの操作に適した表示パターンを操作キー部15および表示部側操作キー部35に表示させることができる。
【0077】
また、本実施形態では、上記のように、ユーザが所定のメニュー選択操作を行うことにより動画再生用ソフトウェアが起動された際および表示部側本体30が初期位置から第2スライド移動位置に連続的に移動された際に、CPU14aによって、操作キー部15に、動画再生のための操作に対応した操作ボタン42が表示されるように切り替えられるように構成する。これによって、第2スライド移動位置において起動されるソフトウェアが動画再生用ソフトウェアに切り替えられた場合であっても、切り替えられた動画再生用ソフトウェアの操作に適した操作ボタン42を操作キー部15に表示させることができる。
【0078】
また、本実施形態では、上記のように、CPU14aによって、発光部152の緑色LED152a、青色LED152bおよび赤色LED152cのうち、発光させるLEDを切り替えることによって、操作キー部15に表示される表示パターン(表示パターンP1、表示パターンP2、操作ボタン42)を異なる色(緑色、青色および赤色)で表示するように切り替える。これによって、第1スライド移動位置および第2スライド移動位置に対応する複数の表示パターンのうち、いずれの表示パターンが操作キー部15に表示されているかをユーザに認識させやすくすることができる。
【0079】
また、本実施形態では、上記のように、携帯電話機100が第1スライド状態である場合には、操作キー部15における第1操作キー領域Aが露出されて、操作キー部15における第1操作キー領域Aに位置する表示パターンP1が表示されるとともに、携帯電話機100が第2スライド状態である場合には、操作キー部15における第2操作キー領域Bが露出されて、操作キー部15における第2操作キー領域Bに位置する表示パターンP2または操作ボタン42が表示されるように構成することによって、表示部側本体30(表示部側筐体33)が第1スライド移動位置または第2スライド移動位置に位置する際に露出される第1操作キー領域Aまたは第2操作キー領域Bに応じて、ユーザの操作に適した表示パターン(表示パターンP1、表示パターンP2または操作ボタン42)を表示させることができる。
【0080】
また、本実施形態では、上記のように、表示部側操作キー部35に表示される表示パターンP11を、操作キー部15における第1操作キー領域Aに位置する表示パターンP1に対応させるとともに、表示部側操作キー部35に表示される表示パターンP12を、操作キー部15における第2操作キー領域Bに位置する表示パターンP2に対応させるように構成することによって、操作キー部15に表示される表示パターン(表示パターンP1、表示パターンP2)に対応した表示パターン(表示パターンP11、表示パターンP12)を、表示部側筐体33に格納された表示部側操作キー部35に表示させることができる。
【0081】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0082】
たとえば、上記実施形態では、携帯端末の一例として、携帯電話機100を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、スライド移動可能な携帯端末であればよく、スライド移動可能なPDAや携帯型のゲーム機などにも適用可能である。
【0083】
また、上記実施形態では、携帯電話機100の通話モード、文字入力モードおよび動画再生モードを切り替え可能なように構成するとともに、それぞれのモードに対応した表示パターンを操作キー部15および表示部側操作キー部35に表示させた例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、携帯電話機にゲームモードをさらに設けるとともに、ゲームモードに対応した表示パターンを操作キー部および表示部側操作キー部に表示させてもよい。具体的には、図15に示す第1変形例のように、操作キー部215は、橙色橙色反射シート215eをさらに有するとともに、発光部(図示せず)は橙色LEDをさらに有する。この橙色反射シート215eは、橙色光のみを選択的に反射し、橙色光以外の光を透過する機能を有する。この橙色反射シート215eには、第2操作キー領域Bの操作キー40に対応する位置に、4方向(X1、X2、Y1およびY2方向)の矢印の表示パターンP24と、円に囲まれたアルファベット(A〜D)の表示パターンP24とを表示するための複数の開口部P24aが個別に形成されている。このため、操作キー部215の下方から照射された橙色光が表示パターンP24の形状を有する開口部P24aを通過するとともに、橙色反射シート215eの開口部P24a以外の部分では橙色光が反射されるように構成されている。これにより、ゲームモードにおいて操作キー部215の各操作キー40には、橙色反射シート215eの開口部P24aを通過した橙色光により、各表示パターンP24(矢印および円に囲まれたアルファベット(A〜D))が橙色に光りながら表示させることが可能である。また、切り替え可能なモードの数は、3つまたは4つに限られない。
【0084】
また、上記実施形態では、第2スライド状態において、動画再生用ソフトウェアを起動させた際に、操作キー部15および表示部側操作キー部35に表示される表示パターンを切り替えるように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、音楽再生用のソフトウェアを起動させた際に、操作キー部および表示部側操作キー部に表示される表示パターンを切り替えるように構成してもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、複数の操作キー40を用いて単一の意味を有する操作ボタン42を大きく表示するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図16に示す第2変形例の携帯電話機300のように、凸形状の操作キー40のみを用いて操作ボタンを表示するように構成してもよい。この第2変形例では、複数の操作キー40のキートップ(操作キー40の上面)部分のみを用いて各操作ボタン342(342a〜342e)が表示されている。なお、これらの操作ボタン342は、上記実施形態と同様に、巻き戻しボタン342a、停止ボタン342b、一時停止ボタン342c、再生ボタン342dおよび早送りボタン342eである。
【0086】
また、上記実施形態では、表示部側本体30(表示部側筐体33)を操作部側本体10(操作部側筐体13)に対してX方向およびY方向にスライド移動させることによって、第1スライド移動位置および第2スライド移動位置に位置させることが可能なように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、操作部側筐体の操作キー部の一部が常に露出しているように構成されているとともに、表示部側筐体が初期状態からある1方向に移動されてスライド移動位置に位置させるように構成してもよい。これにより、初期状態における操作キー部の表示パターンと、スライド移動位置における操作キー部の表示パターンとを切り替えて表示するように構成することが可能である。
【0087】
また、上記実施形態では、表示部側本体30が操作部側本体10に対してX方向およびX方向と直交するY方向にスライド移動可能であるように構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、本発明の「第1方向」および「第2方向」が互いに交差する方向であれば、表示部側本体30が操作部側本体10に対してX方向およびY方向以外の方向にスライド移動可能に構成されていてもよい。
【0088】
また、上記実施形態では、第1位置検出センサ20および第2位置検出センサ21としてそれぞれメカニカルセンサを用いた例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、突起部の代わりに磁石を配置するとともに、第1位置検出センサおよび第2位置検出センサとして磁石からの磁気を検出する磁気センサを用いてもよい。また、突起部の代わりに反射板を配置するとともに、第1位置検出センサおよび第2位置検出センサとして光を発光して、反射板において反射された反射光を検出する反射型の光センサを用いてもよい。
【0089】
また、上記実施形態では、LEDから構成される発光部152および135を用いて、異なる色で操作キー部15および表示部側操作キー部35に異なる表示パターンを表示した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、同一の色で操作キー部および表示部側操作キー部に異なる表示パターンを表示するように構成してもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、表示部側操作キー部35に表示される緑色に光る表示パターンP11と、青色または赤色に光る表示パターンP12とを切り替えることが可能なように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、表示部側操作キー部において表示パターンを切り替えなくてもよい。
【符号の説明】
【0091】
13 操作部側筐体
14a CPU(制御部)
15、215、315 操作キー部(第1操作キー)
20 第1位置検出センサ(第1センサ)
21 第2位置検出センサ(第2センサ)
33 表示部側筐体
34 表示画面部(表示部)
35 表示部側操作キー部(第2操作キー)
100、300 携帯電話機(携帯端末)
A 第1操作キー領域(第1の操作キー領域)
B 第2操作キー領域(第2の操作キー領域)
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯端末に関し、特に、複数の表示パターンを切り替えて表示可能な操作キーが設けられた携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の表示パターンを切り替えて表示可能な操作キーが設けられた携帯端末などが知られている(たとえば、特許文献1〜4参照)。
【0003】
上記特許文献1では、3つの異なる波長の光を発光可能な照明装置と数字、カナ文字およびアルファベットの表示形状をそれぞれ有する透過部および透過部の周囲を取り囲むマスク部をそれぞれ有する3つの選択表示部とを含む表示装置と、表示装置の上部に配置された操作ボタンとを備える携帯電話が開示されている。上記特許文献1に記載の携帯電話では、照明装置において発光させる光の波長を異ならせることによって、操作ボタンの入力モードに応じて数字、カナ文字またはアルファベットのいずれか1つが表示装置に表示される。これにより、操作ボタンに3つの表示パターンを切り替えて表示可能なように構成されている。ここで、上記特許文献1には明記されていないが、操作ボタンに数字が表示されている状態から文字(カナ文字およびアルファベット)が表示される状態に入力モードを切り替える場合には、文字を入力する所定のソフトウェア(アプリケーション)がユーザにより起動されるとともに、入力モードを切り替えるための操作ボタンがユーザにより押下されることによって、操作ボタンに文字入力用の文字が表示される状態に切り替わるように構成されていると考えられる。
【0004】
また、上記特許文献2では、縦波の光のみを発光する縦波LED(Light Emitting Diode)部、横波の光のみを発光する横波LED部および照明光通過窓を含むボタンと、入力文字種切換ボタンがユーザにより押下された際に文字入力モードを切り替えるとともに、発光させるLEDを変更するように制御する制御部とを備えた携帯電話が開示されている。上記特許文献2に記載の携帯電話の照明光通過窓には、縦波の光のみを透過する縦波フィルタのみに覆われたアルファベットのパターンと、横波の光のみを透過する横波フィルタのみに覆われたひらがなのパターンとが形成されている。これにより、制御部により発光させるLED部を異ならせることによって、文字入力モードに応じてアルファベットまたはひらがなのいずれか一方がボタンに表示される。この結果、ボタンに2つの表示パターンを切り替えて表示可能なように構成されている。なお、上記特許文献2には明記されていないが、ボタンにおけるアルファベットおよびひらがなの表示は、文字を入力する所定のソフトウェアがユーザにより起動されている状態で、ユーザの入力文字種切換ボタンの押下により切り替わるように構成されていると考えられる。
【0005】
また、上記特許文献3では、緑色光を発光可能な緑色LED、赤色光を発光可能な赤色LED、ひらがなの部分が切り抜かれ、緑色光を透過させない第1マスクスクリーンシートおよびアルファベットの部分が切り抜かれ、赤色光を透過させない第2マスクスクリーンシートを含むキートップと、制御部とを備えた移動無線端末装置が開示されている。また、上記特許文献3に記載の移動無線端末装置は、制御部により発光させるLEDを異ならせることによって、入力モードに応じて緑色のひらがなまたは赤色のアルファベットのいずれか一方がキートップに表示される。これにより、キートップに2つの表示パターンを切り替えて表示可能ように構成されている。ここで、上記特許文献3に記載の移動無線端末装置の入力モードは、ユーザからのモード切替指示により切り替わるように構成されている。また、上記特許文献3には、入力モードは、ユーザからのモード切替指示がなくてもプログラムの制御により自動的に切り替わるように構成してもよい点が記載されている。なお、上記特許文献3には明記されていないが、キートップにおけるアルファベットおよびひらがなの表示は、文字を入力する所定のソフトウェアがユーザにより起動されている状態で、自動的にまたはユーザからのモード切替指示により切り替わるように構成されていると考えられる。
【0006】
また、上記特許文献4では、3つの異なる波長の光をそれぞれ発光可能な3つの光源と光源の上部に配置された3つのノッチフィルタとを含む操作部と、制御部とを備えた携帯電話機が開示されている。上記特許文献4に記載の携帯電話機の3つのノッチフィルタは、それぞれ、数字、ひらがなおよびアルファベットの表示形状が記されており、3つの光のうちのいずれか1つの光を表示形状以外の部分において減衰させるように構成されている。これにより、制御部により発光させる光源を異ならせることによって、操作部の入力モードに応じて数字、ひらがなおよびアルファベットのいずれか1つの表示形状が操作部に表示される。これにより、操作部に3つの表示パターンを切り替えて表示可能なように構成されている。ここで、上記特許文献4に記載の携帯電話機の入力モードは、ユーザの入力モード変更キーの押下により切り替わるとともに、電話をかける場合およびメールを書く場合に、それぞれ、対応する入力モードが自動的に選択されて切り替わるように構成されている。ここで、上記特許文献4には明記されていないが、操作部に数字が表示されている状態から文字(ひらがなおよびアルファベット)が表示される状態に切り替える場合には、文字を入力する所定のソフトウェアがユーザにより起動されている状態で、自動的にまたはユーザの入力モード変更キーの押下により操作部に文字が表示される状態に切り替わるように構成されていると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−355368号公報
【特許文献2】特開2004−153570号公報
【特許文献3】特開2008−9526号公報
【特許文献4】特開2008−304875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ここで、従来技術として、折り畳み式やスライド式の携帯電話(携帯端末)が知られている。たとえば、スライド式の携帯電話では、使用時には、表示部を含む表示部側筐体を操作キー(操作ボタン)が設けられた操作部側筐体に対して所定の方向にスライドした後に、操作キー(操作ボタン)により操作(入力)を行うように構成されている。
【0009】
上記特許文献1による携帯電話では、ユーザが、文字を入力する所定のソフトウェア(アプリケーション)を起動させるとともに、入力モードを切り替えるための操作ボタンを押下することによって、操作ボタンに数字が表示されている状態から文字が表示される状態に切り替わるように構成されている場合、表示パターンを切り替える際にユーザによるソフトウェアの起動の操作と操作ボタンの押下による入力切替操作とが必要になるという不都合がある。また、このような特許文献1の構成をスライド式の携帯電話に適用した場合、ユーザにより表示部側筐体が操作部側筐体に対して所定の方向にスライドされた後に、さらに、ユーザによるソフトウェアの起動の操作と操作ボタンの押下による入力切替操作とが必要になると考えられる。このため、表示パターンを切り替える際に、ユーザの操作が煩雑になるという問題点が発生すると考えられる。
【0010】
また、上記特許文献2による携帯電話では、ボタンにおけるアルファベットおよびひらがなの表示が、文字を入力する所定のソフトウェアがユーザにより起動されている状態で、ユーザの入力文字種切換ボタンの押下により切り替わるように構成されている場合、ボタンに表示されているアルファベットおよびひらがなの表示(表示パターン)を切り替える際に、ユーザによるソフトウェアの起動の操作と入力文字種切換ボタンの押下による入力切替操作とが必要になるという不都合がある。また、このような特許文献2の構成をスライド式の携帯電話に適用した場合、ユーザにより表示部側筐体が操作部側筐体に対して所定の方向にスライドされた後に、さらに、ユーザによるソフトウェアの起動の操作と入力文字種切換ボタンの押下による入力切替操作とが必要になると考えられる。このため、表示パターンを切り替える際に、ユーザの操作が煩雑になるという問題点が発生すると考えられる。
【0011】
また、上記特許文献3による移動無線端末装置では、キートップにおけるアルファベットおよびひらがなの表示が、文字を入力する所定のソフトウェアがユーザにより起動されている状態で、自動的にまたはユーザからのモード切替指示により切り替わるように構成されている場合、ボタンに表示されているアルファベットおよびひらがなの表示(表示パターン)を切り替える際に、少なくともユーザによるソフトウェアの起動の操作が必要になるとともに、場合によっては、ユーザ自らモード切替指示の操作を行う必要があるという不都合があると考えられる。また、このような特許文献3の構成をスライド式の携帯電話に適用した場合、ユーザにより表示部側筐体が操作部側筐体に対して所定の方向にスライドされた後に、さらに、ユーザによるソフトウェアの起動の操作とモード切替指示の操作とが必要になる場合があると考えられる。このため、表示パターンを切り替える際に、ユーザの操作が煩雑になるという問題点が発生すると考えられる。
【0012】
また、上記特許文献4による携帯電話機では、文字を入力する所定のソフトウェアがユーザにより起動されている状態で、自動的にまたはユーザの入力モード変更キーの押下により、操作部に数字が表示されている状態から文字が表示される状態に切り替わるように構成されている場合、操作部に数字が表示されている状態から文字が表示される状態に切り替える際に、少なくともユーザによるソフトウェアの起動の操作が必要になるとともに、場合によっては、ユーザ自ら入力モード変更キーの押下による入力切替操作が必要になるという不都合があると考えられる。また、このような特許文献4の構成をスライド式の携帯電話に適用した場合、ユーザにより表示部側筐体が操作部側筐体に対して所定の方向にスライドされた後に、さらに、ユーザによるソフトウェアの起動の操作と入力モード変更キーの押下による入力切替操作とが必要になる場合があると考えられる。したがって、表示パターンを切り替える際に、ユーザの操作が煩雑になるという問題点が発生すると考えられる。
【0013】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、スライド式の携帯端末において、操作キーに表示される表示パターンを切り替える際に、ユーザの操作が煩雑になるのを抑制することが可能な携帯端末を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0014】
この発明の一の局面による携帯端末は、複数の表示パターンを切り替えて表示可能な第1操作キーが設けられた操作部側筐体と、操作部側筐体に対して、相対的にスライド移動可能に設けられ、表示部を含む表示部側筐体と、表示部側筐体の操作部側筐体に対するスライド移動位置に応じて第1操作キーの表示パターンを切り替える制御部とを備える。
【0015】
この発明の一の局面による携帯端末では、上記のように、表示部側筐体の操作部側筐体に対するスライド移動位置に応じて第1操作キーの表示パターンを切り替えるように制御する制御部を設けることによって、携帯端末の使用時に、ユーザは表示部側筐体または操作部側筐体のいずれか一方を他方に対して相対的にスライド移動させるだけで、文字を入力する所定のソフトウェア(アプリケーション)を起動させる操作を行うことなく、第1操作キーに表示される表示パターンを切り替えることができる。これにより、スライド式の携帯端末において、第1操作キーに表示される表示パターンを切り替える際に、ユーザの操作が煩雑になるのを抑制することができる。また、スライド移動位置に応じて第1操作キーの表示パターンを切り替えることができるので、ユーザの操作に適した表示パターンを第1操作キーに表示させることができる。
【0016】
上記一の局面による携帯端末において、好ましくは、表示部側筐体は、操作部側筐体に対して、第1方向および第1方向に対して直交する第2方向に相対的にスライド移動可能に構成されており、表示部側筐体が第1方向にスライド移動されて第1スライド移動位置に位置することを検知する第1センサと、表示部側筐体が第2方向にスライド移動されて第2スライド移動位置に位置することを検知する第2センサとをさらに備え、制御部は、第1センサおよび第2センサの検出結果に基づいて、第1操作キーの表示パターンを切り替えるように構成されている。このように構成すれば、第1センサおよび第2センサにより、表示部側筐体の第1スライド移動位置および第2スライド移動位置に応じて、容易に、ユーザの操作に適した表示パターンを第1操作キーに表示させることができる。
【0017】
上記一の局面による携帯端末において、好ましくは、制御部は、所定のスライド移動位置において、表示部側筐体の表示部に起動されるソフトウェアに応じて、第1操作キーの表示パターンを切り替えるように構成されている。このように構成すれば、所定のスライド移動位置において起動されるソフトウェアが切り替えられた場合であっても、切り替えられたソフトウェアの操作に適した表示パターンを第1操作キーに表示させることができる。
【0018】
この場合、好ましくは、制御部は、所定のスライド移動位置において、動画再生用のソフトウェアが起動した際には、第1操作キーの表示パターンを動画再生のための操作に対応した表示パターンになるように制御するように構成されている。このように構成すれば、所定のスライド移動位置において起動されるソフトウェアが動画再生のソフトウェアに切り替えられた場合であっても、切り替えられた動画再生のソフトウェアの操作に適した表示パターンを第1操作キーに表示させることができる。
【0019】
上記一の局面による携帯端末において、好ましくは、第1操作キーは、複数の表示パターンで表示される際に、各々の表示パターンごとに、それぞれ、異なる色で表示されるように構成されている。このように構成すれば、スライド移動位置に対応する複数の表示パターンのうち、いずれの表示パターンが第1操作キーに表示されているかをユーザに認識させやすくすることができる。
【0020】
上記一の局面による携帯端末において、好ましくは、表示部側筐体が操作部側筐体に対して第1方向に移動されて第1スライド移動位置に位置する場合に、第1操作キーのうち第1の操作キー領域が露出され、表示部側筐体が操作部側筐体に対して第2方向に移動されて第2スライド移動位置に位置する場合に、第1操作キーのうち第2の操作キー領域が露出されるように構成されており、制御部は、第1の操作キー領域が露出された状態で第1の操作キー領域において第1表示パターンの第1操作キーの表示を行うとともに、第2の操作キー領域が露出された状態で第2の操作キー領域において第2表示パターンの第1操作キーの表示を行うように構成されている。このように構成すれば、表示部側筐体が第1スライド移動位置または第2スライド移動位置に位置する際に露出される第1の操作キー領域または第2の操作キー領域に応じて、ユーザの操作に適した第1表示パターンまたは第2表示パターンを表示させることができる。
【0021】
上記一の局面による携帯端末において、好ましくは、表示部側筐体は、複数の表示パターンを切り替えて表示可能な第2操作キーをさらに含み、制御部は、スライド移動位置における第1操作キーの表示パターンに対応するように、第2操作キーの表示パターンを切り替えるように制御するように構成されている。このように構成すれば、スライド移動位置に応じて、ユーザの操作に適した表示パターンを第1操作キーに表示させるとともに、操作部側筐体に設けられた第1操作キーに表示される表示パターンに対応した表示パターンを、表示部側筐体に設けられた第2操作キーに表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態による携帯電話機の第1スライド状態(通話モード)を示した斜視図である。
【図2】図1に示した一実施形態による携帯電話機の全体構成を示した分解斜視図である。
【図3】図1に示した一実施形態による携帯電話機の初期状態を示した斜視図である。
【図4】図1に示した一実施形態による携帯電話機の第2スライド状態(文字入力モード)を示した斜視図である。
【図5】図1に示した一実施形態による携帯電話機の初期状態の表示部側本体と操作部側本体との位置関係を示した斜視図である。
【図6】図1に示した一実施形態による携帯電話機の第1スライド状態の表示部側本体と操作部側本体との位置関係を示した斜視図である。
【図7】図1に示した一実施形態による携帯電話機の初期状態の操作部側本体とスライドプレートとの位置関係を示した斜視図である。
【図8】図1に示した一実施形態による携帯電話機の第2スライド状態の操作部側本体とスライドプレートとの位置関係を示した斜視図である。
【図9】図5および図6の1000−1000線に沿った第1位置検出センサとスライドプレートの突起部との位置関係を示した断面図である。
【図10】図7および図8の2000−2000線に沿った第2位置検出センサとスライドプレートの突起部との位置関係を示した断面図である。
【図11】図1に示した一実施形態による携帯電話機の操作キー部の構造を示した分解斜視図である。
【図12】図1に示した一実施形態による携帯電話機の第2スライド状態(動画再生モード)を示した斜視図である。
【図13】図1に示した一実施形態による携帯電話機の電気的な構成を示すブロック図である。
【図14】図1に示した一実施形態による携帯電話機のモード切り替え時の制御フローを示した図である。
【図15】本発明の一実施形態の第1変形例による携帯電話機の橙色フィルタ層を示した上面図である。
【図16】本発明の一実施形態の第2変形例による携帯電話機を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
まず、図1〜図13を参照して、本発明の一実施形態による携帯電話機100の構成について説明する。なお、携帯電話機100は、本発明の「携帯端末」の一例である。
【0025】
本発明の一実施形態による携帯電話機100は、スライド機構を備えた携帯端末装置として構成されている。すなわち、携帯電話機100は、図1に示すように、平面的に見て横長形状を有する操作部側本体10と、操作部側本体10の上面(Z1側の面)側に取り付けられ、操作部側本体10に対してX方向およびY方向にスライド移動が可能である表示部側本体30とを備えている。なお、図1においては、表示部側本体30が第1スライド移動位置に位置している状態であり、この状態を第1スライド状態とする。また、携帯電話機100が第1スライド状態である場合には、第1操作キー領域Aが露出されるように構成されている。なお、第1スライド移動位置は、本発明の「スライド移動位置」の一例であり、第1操作キー領域Aは、本発明の「第1の操作キー領域」の一例である。
【0026】
また、図2に示すように、操作部側本体10には、操作部側筐体13と、操作回路基板14と、操作キー部15と、スイッチ基板16とが設けられている。操作部側筐体13は、ダイキャスト成形による金属製(Mg製またはAl製)の蓋部材11が、ポリカーボネート(PC)やABS樹脂からなる樹脂製のケーシング部材12に対してZ方向に嵌め込まれて形成されている。また、操作回路基板14は、操作部側筐体13の内部に収納されるとともに、携帯電話機100に種々の機能を実現させる役割を有している。また、操作キー部15は、略L字状の板状(シート状)に形成されており、蓋部材11の所定の領域上を覆うように配置されている。操作キー部15は、本発明の「第1操作キー」の一例である。
【0027】
また、図2に示すように、表示部側本体30には、表示部側筐体33と、液晶ディスプレイからなる表示画面部34と、表示部側操作キー部35と、スイッチ基板36とが設けられている。表示部側筐体33は、ポリカーボネート(PC)やABS樹脂からなる樹脂製のパネル部31が、ダイキャスト成形による金属製(Mg製またはAl製)のケーシング部材32に対してZ方向に嵌め込まれて形成されている。また、表示画面部34は、表示部側筐体33の内部に収納されるとともに、FPC基板(図示せず)を介して操作回路基板14と接続されるように構成されている。また、スイッチ基板36はFPC基板からなり、操作回路基板14と接続されている。また、図1に示すように、表示部側本体30をY1側にスライド移動させた状態では、ユーザは、表示画面部34を見ながら操作部側本体10の上面に露出する第1操作キー領域Aの操作キー部15と、表示部側操作キー部35とを介して携帯電話機100を操作するように構成されている。なお、表示画面部34は、本発明の「表示部」の一例であり、表示部側操作キー部35は、本発明の「第2操作キー」の一例である。
【0028】
また、携帯電話機100は、ユーザが表示部側本体30をスライド移動させずに操作部側本体10の上に完全に重ねる(図1において表示部側本体30をY2方向にスライドさせて操作部側本体10に重ねる)ことによって、図3に示すように、携帯電話機100の平面積を最も小さくした状態で保持可能なように構成されている。なお、本実施形態では、図3に示す携帯電話機100の状態を初期状態とするとともに、表示部側本体30が操作部側本体10の上に完全に重ねられた際の位置を初期位置とする。
【0029】
また、携帯電話機100は、図3の初期状態からユーザが表示部側本体30を操作部側本体10に対してX1側にスライド移動させることによって、図4に示すように、表示部側本体30(表示部側筐体33)が操作部側本体10(操作部側筐体13)に対してスライド移動されて第2スライド移動位置に位置させることが可能なように構成されている。なお、表示部側本体30が第2スライド移動位置に位置する状態を第2スライド状態とする。また、携帯電話機100が第2スライド状態である場合には、第2操作キー領域Bが露出されるように構成されている。なお、第2スライド移動位置は、本発明の「スライド移動位置」の一例であり、第2操作キー領域Bは、本発明の「第2の操作キー領域」の一例である。
【0030】
また、図2に示すように、操作部側本体10と表示部側本体30とは、操作部側本体10と表示部側本体30との間に配置された板金製(金属製)のスライドプレート50を介して接続されている。
【0031】
ここで、スライド機構について説明する。まず、図2に示すように、操作部側本体10を構成する金属製の蓋部材11に、一対のガイド部11aが一体的に形成されている。この一対のガイド部11aは、X方向に沿って延びるように形成されている。また、一対のガイド部11aは、それぞれ、樹脂製のスライド部材51を保持することが可能であるように構成されている。
【0032】
また、図2に示すように、表示部側本体30を構成するケーシング部材32には、一対のガイド部32aが一体的に形成されている。この一対のガイド部32aは、Y方向に沿って延びるように形成されている。また、一対のガイド部32aは、それぞれ、樹脂製のスライド部材52を保持することが可能であるように構成されている。
【0033】
また、図2に示すように、スライドプレート50は、略矩形状の平坦部50aと、平坦部50aの縁部に板金の折り曲げ加工などによって一体的に形成されたエッジ部50bおよび50cとが形成されている。また、エッジ部50bは、平坦部50aのY方向の端部に沿ってX方向に延びるように一対設けられるとともに、エッジ部50cは、平坦部50aのX方向の端部に沿ってY方向に延びるように一対設けられている。
【0034】
したがって、スライドプレート50は、図5に示すように、ガイド部32aに保持されたスライド部材52に沿ってエッジ部50cが嵌め込まれた状態で、スライド部材52を介して表示部側本体30のケーシング部材32に対してY方向にスライド移動されるように構成されている。これにより、表示部側本体30が図3および図5に示す初期状態からY1側にスライド移動されて第1スライド移動位置に位置させることによって、携帯電話機100は、図1および図6に示す第1スライド状態になるように構成されている。また、表示部側本体30が図1および図6に示す第1スライド状態からY2側にスライド移動されて初期位置に位置させることによって、携帯電話機100は、図3および図5に示す初期状態になるように構成されている。なお、Y方向は、本発明の「第1方向」の一例である。
【0035】
また、スライドプレート50は、図7に示すように、ガイド部11aに保持されたスライド部材51に沿ってエッジ部50bが嵌め込まれた状態で、スライド部材51を介してY方向に対して直交するX方向に沿ってスライド移動されるように構成されている。これにより、スライドプレート50が図7に示す初期状態からX1側にスライド移動されて第2スライド移動位置に位置させることによって、図8に示す第2スライド状態になるように構成されている。また、スライドプレート50が図8に示す第2スライド状態からX2側にスライド移動されて初期位置に位置させることによって、図7に示す初期状態になるように構成されている。なお、X方向は、本発明の「第2方向」の一例である。
【0036】
また、スライドプレート50が表示部側本体30のガイド部32aに保持されていることによって、スライドプレート50のX方向のスライド移動に伴って、表示部側本体30もX方向にスライド移動されるように構成されている。これにより、表示部側本体30が図3に示す初期状態からX1側にスライド移動されて第2スライド移動位置に位置させることによって、携帯電話機100は、図4に示す第2スライド状態になるように構成されている。また、表示部側本体30が図4に示す第2スライド状態からX2側にスライド移動されて初期位置に位置させることによって、携帯電話機100は、図3に示す初期状態になるように構成されている。
【0037】
本実施形態では、上述のようなスライド機構を備えることによって、ユーザが表示部側本体30を操作部側本体10に対してX方向またはX方向に対して直交するY方向にスライドさせた状態で携帯電話機100を使用することが可能とされている。すなわち、図3に示す初期状態からユーザが表示部側本体30をY1側にスライド移動させた場合、図1に示すように、第1スライド状態において、操作キー部15のうちの操作部側本体10の上面(Z1側の面)に露出する第1操作キー領域Aに対応する後述する複数の操作キー40を使用して携帯電話機100を操作することが可能であるように構成されている。また、図3に示す初期状態からユーザが表示部側本体30をX1方向にスライド移動させた場合、図4に示すように、第2スライド状態において、操作キー部15のうちの操作部側本体10の上面に露出する第2操作キー領域Bに対応する複数の操作キー40を使用して携帯電話機100を操作することが可能であるように構成されている。
【0038】
また、図2に示すように、ケーシング部材32とスライドプレート50との間に、ねじりバネからなるバネ部材53が回動可能に取り付けられている。具体的には、バネ部材53のリング状の端部53aが、ケーシング部材32の下面側(Z2側)にZ2側に突出するように設けられたボス部32b(破線で示す)に対して回動可能に係合されるとともに、バネ部材53のリング状の端部53bが、スライドプレート50の平坦部50aの上面側に設けられたボス部50dに対して回動可能に係合されている。
【0039】
これにより、表示部側本体30が操作部側本体10の上に完全に重ねられた状態(図3の初期状態)では、バネ部材53が図5に示す位置に配置されることにより、バネ部材53の弾性力を利用してケーシング部材32が常にY2側に押し付けられるように構成されている。一方、ユーザが表示部側本体30(図1および図3参照)を操作部側本体10に対してY1側にスライド移動させ始めると、ケーシング部材32のボス部32bがスライドプレート50のボス部50dに対してY1側に移動することにより、バネ部材53は、端部53aを回動中心としてα方向に徐々に回動されるように構成されている。なお、バネ部材53がα方向に回動し始める際、バネ部材53は端部53aと53bとの距離が縮められるように変形するので、ユーザは、バネ部材53のY2側への付勢力に抗して表示部側本体30をY1側にスライド移動させることになる。また、上記のスライド動作においてバネ部材53がα方向へ回動される際、バネ部材53の回動動作の途中で、バネ部材53の付勢力がY2方向からY1方向に切り替わるように構成されている。そして、表示部側本体30のY1側へのスライド移動が完全に行われた状態(図1の第1スライド状態)では、バネ部材53は図6に示した位置に配置されることにより、バネ部材53の弾性力を利用してケーシング部材32が常にY1側に押し付けられるように構成されている。また、表示部側本体30をY1側からY2側へスライドさせる場合も、スライド動作の途中で、バネ部材53は、上述とは反対方向(β方向)に回動しながら付勢力の方向がY1側からY2側へ切り替わるように構成されている。このように、ユーザが表示部側本体30をY方向に往復移動させる際は、バネ部材53の回動に伴う付勢方向の変化を利用して表示部側本体30((図1および図3参照)のスライド動作をアシストするように構成されている。なお、図5および図6では、図面の都合上、スライドと同時に露出する操作キー部15を除いた状態で図示している。
【0040】
また、図2に示すように、蓋部材11とスライドプレート50との間に、ねじりバネからなるバネ部材54が回動可能に取り付けられている。具体的には、バネ部材54のリング状の端部54aが、蓋部材11にZ1側に突出するように設けられたボス部11bに対して回動可能に係合されるとともに、バネ部材54のリング状の端部54bが、スライドプレート50の平坦部50aの下面側に設けられたボス部50e(破線で示す)に対して回動可能に係合されている。
【0041】
これにより、表示部側本体30が操作部側本体10の上に完全に重ねられた状態(図3の初期状態)では、バネ部材54が図7に示す位置に配置されることにより、バネ部材54の弾性力を利用してケーシング部材32が常にX2側に押し付けられるように構成されている。一方、ユーザが表示部側本体30(図3参照)を操作部側本体10に対してX1側にスライドさせ始めると、図8に示すように、スライドプレート50のボス部50eが蓋部材11のボス部11bに対してX1方向に移動することにより、バネ部材54は端部54aを回動中心としてβ方向に徐々に回動されるように構成されている。なお、バネ部材54がβ方向に回動し始める際、バネ部材54は端部54aと54bとの距離が縮められるように変形するので、ユーザは、バネ部材54のX2側への付勢力に抗して表示部側本体30をX1側にスライド移動させることになる。また、上記のスライド動作においてバネ部材54がβ方向へ回動される際、バネ部材54の回動動作の途中で、バネ部材54の付勢力がX2方向からX1方向に切り替わるように構成されている。そして、表示部側本体30のX1側へのスライド移動が完全に行われた状態(図4の第2スライド状態)では、バネ部材54は図8に示した位置に配置されることにより、バネ部材54の弾性力を利用してケーシング部材32が常にX1側に押し付けられるように構成されている。なお、表示部側本体30をX1側からX2側へスライドさせる場合も、スライド動作の途中で、バネ部材54は、上述とは反対方向(α方向)に回動しながら付勢力の方向がX1側からX2側へ切り替わるように構成されている。このように、ユーザが表示部側本体30をX方向に往復移動させる際は、バネ部材54の回動に伴う付勢方向の変化を利用して、表示部側本体30(図3および図4参照)のスライド動作をアシストするように構成されている。なお、図7および図8では、図面の都合上、スライドプレート50上のケーシング部材32を除いた状態で図示している。
【0042】
また、本実施形態では、図2および図5に示すように、スライドプレート50の平坦部50aのX2側で、かつ、Y2側には、上方(Z1側)に向かって突出する突起部50fが形成されている。また、ケーシング部材32の下面側(Z2側)には、突起部50fに対応するように、突起部50fとの接触を機械的に検出するメカニカルセンサからなる第1位置検出センサ20(破線で示す)が配置されている。この第1位置検出センサ20の突出片20aは、図9に示すように、表示部側本体30が第1スライド移動位置に位置する際に、突起部50fと接触して上方(Z1側)に押し上げられるように構成されている。これにより、表示部側本体30が、第1スライド移動位置に位置することが第1位置検出センサ20によって検出されるように構成されている。なお、第1位置検出センサ20は、本発明の「第1センサ」の一例である。
【0043】
また、本実施形態では、図2および図7に示すように、スライドプレート50の平坦部50aのX2側で、かつ、Y1側には、下方(Z2側)に向かって突出する突起部50g(破線で示す)が形成されている。また、蓋部材11には、突起部50gに対応するように、突起部50gとの接触を機械的に検出するメカニカルセンサからなる第2位置検出センサ21が配置されている。この第2位置検出センサ21の突出片21aは、図10に示すように、スライドプレート50が第2スライド移動位置に位置する際に、突起部50gと接触して下方(Z2側)に押し下げられるように構成されている。これにより、スライドプレート50および表示部側本体30が、第2スライド移動位置に位置することが第2位置検出センサ21によって検出されるように構成されている。なお、第2位置検出センサ21は、本発明の「第2センサ」の一例である。
【0044】
また、図11に示すように、操作部側本体10の操作キー部15は、部分的に重複した第1操作キー領域Aおよび第2操作キー領域Bを含むL字形状を有する。また、操作キー部15は、シート基材15a、緑色反射シート15b、青色反射シート15cおよび赤色反射シート15dを含んでいる。操作キー部15は、シート基材15aに対して緑色反射シート15b、青色反射シート15cおよび赤色反射シート15dが蒸着により積層された4層構造を有する。また、シート基材15aは、操作キー部15の表面(操作面)側に配置された樹脂材料からなるシートである。シート基材15aには、複数の凸形状の操作キー40が固定的に形成されている。具体的には、シート基材15aの操作キー40に対応する部分は凸部として形成されるとともに、シート基材15aの操作キー40以外の部分は凹部41として形成されている。操作キー部15は、各操作キー40および凹部41に、それぞれの操作キー40に割り当てられた数字、文字または記号を表示可能なように構成されている。凸形状の複数の操作キー40と、各操作キー40間の凹部41とは、シート基材15aに一体的に形成されている。
【0045】
緑色反射シート15bは、緑色光のみを選択的に反射し、緑色光以外の光を透過する機能を有する。この緑色反射シート15bには、第1操作キー領域Aに含まれる16個の矩形状の操作キー40に対応する位置に、1〜16までの数字からなる表示パターンP1(図1参照)を表示するための複数の開口部P1aが個別に形成されている。また、緑色反射シート15bには、第1操作キー領域Aに含まれる円形状の操作キー40に対応する位置に、4方向(X1、X2、Y1およびY2方向)の矢印の表示パターンP1(図1参照)を表示するための複数の開口部P1aが個別に形成されている。このため、操作キー部15の下方から照射された緑色光が表示パターンP1の形状を有する開口部P1aを通過するとともに、緑色反射シート15bの開口部P1a以外の部分では緑色光が反射されるように構成されている。これにより、操作キー部15の各操作キー40(シート基材15a)には、緑色反射シート15bの開口部P1aを通過した緑色光により、各表示パターンP1(1〜16の数字および4方向の矢印の形状)(図1参照)が緑色に光りながら表示されるように構成されている。
【0046】
青色反射シート15cは、青色光のみを選択的に反射し、青色光以外の光を透過する機能を有する。この青色反射シート15cには、第2操作キー領域Bに含まれる39個の矩形状の操作キー40に対応する位置に、アルファベットの文字(A〜ZおよびA´〜M´)の表示パターンP2(図4参照)を表示するための複数の開口部P2aが個別に形成されている。このため、操作キー部15の下方から照射された青色光が表示パターンP2の形状を有する開口部P2aを通過するとともに、青色反射シート15cの開口部P2a以外の部分では青色光が反射されるように構成されている。これにより、文字入力モードにおいて操作キー部15の各操作キー40(シート基材15a)には、青色反射シート15cの開口部P2aを通過した青色光により、各表示パターンP2(アルファベット(A〜ZおよびA´〜M´))(図4参照)が青色に光りながら表示されるように構成されている。
【0047】
赤色反射シート15dは、赤色光のみを選択的に反射し、赤色光以外の光を透過する機能を有する。この赤色反射シート15dには、複数の操作キー40および凹部41を用いる操作ボタン42(42a〜42e)(図12参照)を表示するための複数の開口部P3aが、第2操作キー領域Bの各操作ボタン42に対応する位置にそれぞれ形成されている。このため、操作キー部15の下方から照射された赤色光が操作ボタン42の形状を有する開口部P3aを通過するとともに、赤色反射シート15dの開口部P3a以外の部分では赤色光が反射されるように構成されている。これにより、動画再生モードにおいて操作キー部15の各操作キー40(シート基材15a)には、赤色反射シート15dの開口部P3aを通過した赤色光により、操作ボタン42(42a〜42e)(図12参照)が赤色に光りながら表示されるように構成されている。
【0048】
また、操作キー部15の下側には、導光板151が配置されるとともに、緑色、青色および赤色の照明光を照射する4個の発光部152が導光板151の側端面151aに設けられている。
【0049】
導光板151は、側端面151aから入射された照明光を表面全体に均一に発光させる機能を有する。これにより、4個の発光部152からの照明光によって緑色、青色および赤色のそれぞれの照明光を操作キー部15の全体に下方から照射するように構成されている。
【0050】
発光部152は、緑色LED(Light Emitting Diode)152a、青色LED152bおよび赤色LED152cの3つのLEDを含んでいる。この発光部152が緑色LED152a、青色LED152bおよび赤色LED152cのそれぞれを用いて緑色光、青色光および赤色光を導光板151に個別に照射するように構成されている。
【0051】
本実施形態では、これらの各操作キー40の表示は、3つの表示モード(通話モード、文字入力モードおよび動画再生モード)に切り替え可能に構成されている。すなわち、操作キー部15は、緑色、青色および赤色のうちいずれか1色の照明光を下方から操作キー部15に対して照射することによって、緑色の表示パターンP1を表示する通話モード(図1参照)、青色の表示パターンP2を表示する文字入力モード(図4参照)および赤色の操作ボタン42を表示する動画再生モード(図4参照)のいずれか1つを選択して、切り替え可能に表示するように構成されている。そして、各操作キー40は、それぞれの表示モードにおいて各操作キー40に表示される数字、文字または記号に対応する操作入力を受け付けるように構成されている。
【0052】
具体的には、通話モードでは、図1に示すように、単一の操作キー40を用いて単一の意味(1〜16までの数字および4方向の矢印の各々)を有する表示パターンP1が、それぞれの操作キー40に表示されるように構成されている。この通話モードでは、携帯電話機100を縦方向(Y1方向)にスライドさせた場合に表示パターンP1が表示されるように構成されている。
【0053】
文字入力モードでは、図4に示すように、単一の操作キー40を用いて単一の意味(アルファベットの文字(A〜ZおよびA´〜M´)の各々)を有する表示パターンP2が、それぞれの操作キー40に表示されるように構成されている。この文字入力モードでは、携帯電話機100を横方向(X1方向)にスライドさせた場合に表示パターンP2が表示されるように構成されている。
【0054】
また、動画再生モードは、携帯電話機100を用いて動画再生機能を実行する場合(表示部34に動画が表示されている場合)に複数の操作キー40を用いて動画再生機能に使用する操作ボタン42を大きく表示することによって、動画再生のための操作に対応させた表示モードである。この動画再生モードでは、複数の操作キー40を用いて単一の意味を有する操作ボタン42を大きく表示するように構成されている。具体的には、図12に示すように、それぞれ6つの操作キー40を用いて巻き戻しボタン42a、停止ボタン42b、一時停止ボタン42cおよび早送りボタン42eの表示パターンが大きく表示されるとともに、4つの操作キーを用いて再生ボタン42dの表示パターンが大きく表示されている。なお、これらの5つの操作ボタン42のY1方向側の操作キー40には、個別に「次チャプター」や、「前チャプター」などの操作ボタンが表示されている。
【0055】
また、本実施形態では、上述の動画再生モードでは、複数の操作キー40に加えて複数の操作キー40の間の凹部41も用いて操作ボタン42の表示を行うように構成されている。このため、各操作ボタン42には、複数の操作キー40と各操作キー40間の凹部41とを用いてそれぞれ単一の意味を示す図柄(「停止」を意味する矩形状の図柄や、「再生」を意味する三角形状の図柄など)の表示パターンが連続的に表示されている。また、各操作ボタン42は、単一の意味を有する複数の操作キー40(操作ボタン42に含まれる操作キー40)のうち、少なくとも1つの操作キー40が押し下げられた場合に操作指示が有効になるように構成されている。たとえば、動作再生中に停止ボタン42bの表示領域に含まれる6つの操作キー40の内のいずれか1つでも押下された場合には、動画再生の停止指示が有効となるように構成されている。
【0056】
また、図5に示すように、これらの4層の操作キー部15および導光板151の下面側に、スイッチ基板16が配置されている。スイッチ基板16は、メンブレン方式を用いたキー入力回路が形成されたFPC基板からなる。スイッチ基板16には、操作キー部15の各操作キー40に対応する位置にスイッチ部16aがそれぞれ配置されている。このスイッチ基板16のスイッチ部16aにより、ユーザによる操作キー40の押下入力を検出するように構成されている。このスイッチ基板16は、蓋部材11の上面に固定的に取り付けられるとともに、図示しないリード部が蓋部材11に設けられた穴部11cを介して操作回路基板14に接続されている。
【0057】
また、図2に示すように、表示部側操作キー部35は、図11に示す操作キー部15と同様に、シート基材、緑色反射シート、青色反射シートおよび赤色反射シートを含んでいるとともに、表示部側操作キー部35の下側には、導光板と緑色LED135a(図13参照)、青色LED135b(図13参照)および赤色LED135c(図13参照)を有する発光部135(図13参照)とが配置されている。また、表示部側操作キー部35には、複数の凸形状の操作キー43とユーザによる上下左右の操作に反応する球形操作部44とが固定的に形成されている。
【0058】
また、表示部側操作キー部35は、各操作キー43に、それぞれの操作キー43に割り当てられたパターンを表示可能なように構成されている。具体的には、緑色反射シートには、操作キー43に対応する位置に、表示パターンP11(通話を示すパターン、終話を示すパターン、メニューを開くためのパターン、基本表示に戻すためのパターン、電話番号の検索をするためのパターン、および前に開いた画面に戻るためのパターン)(図1参照)を表示するための複数の開口部(図示せず)が個別に形成されている。これらの表示パターンP11は、通話モードにおいて操作キー部15に表示される1〜16までの数字からなる表示パターンP1および4方向(X1、X2、Y1およびY2方向)の矢印の表示パターンP1(図1および図3参照)と対応するように、表示部側操作キー部35に表示されるように構成されている構成されている。
【0059】
また、青色反射シートおよび赤色反射シートには、操作キー43に対応する位置に、表示パターンP12(通話を示すパターン、終話を示すパターン、メニューを開くためのパターン、基本表示に戻すためのパターン、メールに関するメニューを開くためのパターン、および文字入力カーソル(図示せず)を移動させるためのパターン)(図4および図12参照)を表示するための複数の開口部(図示せず)が個別に形成されている。これらのパターンP12は、文字入力モードおよび動画再生モードにおいて操作キー部15に表示されるアルファベットの文字(A〜ZおよびA´〜M´)の表示パターンP2(図4参照)および操作ボタン42(図12参照)と対応するように構成されている。
【0060】
これにより、表示部側操作キー部35の各操作キー43には、通話モード時に、表示パターンP11(図1参照)が緑色に光りながら表示されるように構成されている。また、表示部側操作キー部35の各操作キー43には、文字入力モード時または動画再生モード時に、表示パターンP12(図4および図12参照)が青色または赤色に光りながら表示されるように構成されている。
【0061】
また、スイッチ基板36は、メンブレン方式を用いたキー入力回路が形成されたFPC基板からなる。スイッチ基板36には、表示部側操作キー部35の各操作キー43に対応する位置にスイッチ部36aがそれぞれ配置されている。このスイッチ基板36のスイッチ部36aにより、ユーザによる操作キー43の押下入力を検出するように構成されている。
【0062】
また、図13に示すように、携帯電話機100の操作回路基板14は、CPU(Central Processing Unit)14aと、RAM(Random Access Memory)14bと、ROM(Read Only Memory)14cと、不揮発性メモリとしてのフラッシュメモリ14dと、音声処理回路14eと、通信回路14fと、I/F(Interface)部14gとを備えている。なお、CPU14aは、本発明の「制御部」の一例である。
【0063】
また、CPU14aは、ROM14cに記憶されたプログラムに基づき、RAM14bを作業領域として用いて各種演算処理を行うことにより、携帯電話機100全体の制御を行うように構成されている。また、CPU14aは、操作キー部15の発光部152の緑色LED152a、青色LED152bおよび赤色LED152cのうち、発光させるLEDを切り替えるように制御するように構成されている。また、CPU14aは、表示部側操作キー部35の発光部135の緑色LED135a、青色LED135bおよび赤色LED135cのうち、発光させるLEDを切り替えるように制御するように構成されている。
【0064】
また、CPU14aは、I/F部14gを介して第1位置検出センサ20と接続されており、第1位置検出センサ20からの信号を検出することによって、表示部側本体30が第1スライド移動位置に位置することを認識するように構成されている。また、CPU14aは、I/F部14gを介して第2位置検出センサ21と接続されており、第2位置検出センサ21からの信号を検出することによって、スライドプレート50および表示部側本体30が第2スライド移動位置に位置することを認識するように構成されている。また、CPU14aは、スイッチ基板16および36と、それぞれI/F部14gを介して接続されている。
【0065】
また、RAM14bは、CPU14aによる制御に伴い生成される一時データなどを書き換え可能に記憶する機能を有する。また、ROM14cには、動画再生用ソフトウェアを含むCPU14aによる各種の機能を実現させるためのプログラムと、携帯電話機100の通話モード、文字入力モードおよび動画再生モードに関するそれぞれの制御プログラムとが記憶されている。また、CPU14aは、通話モード、文字入力モードまたは動画再生モードのうちいずれか1つを選択することによって、モードを切り替えることが可能なように構成されている。それに伴い、操作キー部15の操作キー40に表示される表示パターンP1、P2または操作ボタン42と、表示部側操作キー部35の操作キー43に表示される表示パターンP11またはP12とが切り替えられるように構成されている。また、フラッシュメモリ14dには、動画データが記憶されている。なお、動画再生用ソフトウェアは、本発明の「ソフトウェア」の一例である。
【0066】
ここで、本実施形態では、通話モードは、携帯電話機100を用いて、ユーザが他者の携帯電話機(図示せず)などと通話を行うモードである。携帯電話機100では、表示部側本体30が第1位置検出センサ20によって第1スライド移動位置に位置することが検出された際に、CPU14aによって、図1に示す第1スライド状態における通話モードに切り替えられるように構成されている。また、通話モードに切り替えられることに伴い、操作キー部15の操作キー40に表示パターンP1が緑色で表示されるとともに、表示部側操作キー部35の操作キー43に表示パターンP11が緑色で表示されるように切り替えられるように構成されている。また、通話モードでは、図13に示すように、CPU14aは、音声を出力するスピーカ60と、ユーザからの音声入力を受け付けるマイク61とを音声処理回路14eを用いて制御する。また、CPU14aは、アンテナ62を介して、基地局(図示せず)と通信を行うための信号を通信回路14fを用いて制御するように構成されている。
【0067】
また、本実施形態では、文字入力モードは、携帯電話機100を用いて、文字入力を行うモードである。携帯電話機100では、表示部側本体30が第2位置検出センサ21によって第2スライド移動位置に位置することが検出された際に、CPU14aによって、図4に示す第2スライド状態における文字入力モードに切り替えられるように構成されている。また、文字入力モードに切り替えられることに伴い、操作キー部15の操作キー40に表示パターンP2が青色で表示されるとともに、表示部側操作キー部35の操作キー43に表示パターンP12が青色で表示されるように切り替えられるように構成されている。ここで、文字入力モードに切り替えられた際には、ユーザによって文字を入力する所定のソフトウェア(アプリケーション)の起動の有無に関係なく、自動的に、表示パターンP2が対応する操作キー40の位置で青色で表示されるように構成されている。
【0068】
また、動画再生モードは、動画再生用ソフトウェアが起動されている状態で、動画再生に関する操作を行うモードである。携帯電話機100は、図4に示す第2スライド状態において、ユーザが所定のメニュー選択操作を行うことにより動画再生用ソフトウェアが起動された際に、CPU14aによって、図12に示す動画再生モードに切り替えられるように構成されている。さらに、携帯電話機100は、表示部側本体30が図3に示す初期状態から第2スライド移動位置に所定の時間内で連続的に移動された際に、CPU14aによって、動画再生用ソフトウェアが起動されるのと同時に図12に示す動画再生モードに切り替えられるように構成されている。また、動画再生モードに切り替えられることに伴い、操作キー部15の操作キー40に操作ボタン42が赤色で表示されるとともに、表示部側操作キー部35の操作キー43に表示パターンP12が赤色で表示されるように切り替えられるように構成されている。
【0069】
また、図13に示すように、CPU14aは、動画再生モードが選択されると、ROM14cから動画再生用ソフトウェアを読み込むとともに、フラッシュメモリ14dに格納された動画データを読み出して表示画面部34および音声処理回路14eを制御することにより、動画再生を行うことが可能なように構成されている。
【0070】
次に、図1、図3、図4および図11〜図14を参照して、本発明の一実施形態による携帯電話機100のモード切り替え時の制御フローについて説明する。
【0071】
まず、図14に示すように、ステップS1において、CPU14a(図13参照)によって、表示部側本体30(図1参照)が第1スライド移動位置(図1参照)に移動されたことを示す第1位置検出センサ20(図13参照)からの信号を検出したか否かが判断される。そして、ステップS1において、CPU14aによって、第1位置検出センサ20からの信号を検出したと判断された場合には、ステップS2に進み、通話モードに切り替えられる。そして、操作キー部15(図1参照)の緑色LED152a(図13参照)および表示部側操作キー部35(図1参照)の緑色LED135a(図13参照)を点灯させる。これにより、図1に示すように、操作キー部15における第1操作キー領域Aには、各表示パターンP1(1〜16の数字および4方向の矢印の形状)が緑色に光りながら表示されるとともに、表示部側操作キー部35の各操作キー43には、表示パターンP11が緑色に光りながら表示される。そして、携帯電話機100のモード切り替え時の制御が終了される。また、ステップS1において、CPU14aによって、第1位置検出センサ20からの信号を検出していないと判断された場合には、ステップS3に進む。
【0072】
そして、ステップS3において、CPU14aによって、表示部側本体30が第2スライド移動位置(図4参照)に移動されたことを示す第2位置検出センサ21(図13参照)からの信号を検出したか否かが判断される。そして、ステップS3において、CPU14aによって、第2位置検出センサ21からの信号を検出していないと判断された場合には、ステップS1に戻る。また、ステップS3において、CPU14aによって、第2位置検出センサ21からの信号を検出したと判断された場合には、ステップS4に進む。
【0073】
次に、ステップS4において、CPU14aによって、ユーザが所定のメニュー選択操作を行うことにより動画再生用ソフトウェア(図13参照)が起動されたか否かが判断される。そして、ステップS4において、CPU14aによって、動画再生用ソフトウェアが起動されたと判断された場合には、ステップS5に進み、動画再生モードに切り替えられる。そして、操作キー部15の赤色LED152c(図13参照)および表示部側操作キー部35の赤色LED135c(図13参照)を点灯させる。これにより、図12に示すように、操作キー部15における第2操作キー領域Bには、操作ボタン42が赤色に光りながら表示されるとともに、表示部側操作キー部35の各操作キー43には、表示パターンP12が赤色に光りながら表示される。そして、携帯電話機100のモード切り替え時の制御が終了される。また、ステップS4において、CPU14aによって、動画再生用ソフトウェアが起動されていないと判断された場合には、ステップS6に進む。
【0074】
また、ステップS6において、CPU14aによって、表示部側本体30が初期状態(図3参照)から第2スライド移動位置(図4参照)に所定の時間内で連続的に移動されることによって、第2位置検出センサ21から連続的に信号が発せられたか否かが判断される。そして、ステップS6において、CPU14aによって、第2位置検出センサ21からの連続的な信号を検出したと判断された場合には、ステップS5に進み、操作キー部15および表示部側操作キー部35において、上記した動画再生モードにおける表示が行われる。そして、携帯電話機100のモード切り替え時の制御が終了される。また、ステップS6において、CPU14aによって、第2位置検出センサ21からの連続的な信号を検出していないと判断された場合には、ステップS7に進み、文字入力モードに切り替えられる。そして、操作キー部15の青色LED152b(図13参照)および表示部側操作キー部35の青色LED135b(図13参照)を点灯させる。これにより、図4に示すように、操作キー部15における第2操作キー領域Bには、各表示パターンP2(アルファベット(A〜ZおよびA´〜M´))が青色に光りながら表示されるとともに、表示部側操作キー部35の各操作キー43には、表示パターンP12が青色に光りながら表示される。そして、携帯電話機100のモード切り替え時の制御が終了される。
【0075】
本実施形態では、上記のように、表示部側本体30(表示部側筐体33)を第1スライド移動位置に位置させた際に、通話モードに切り替えて、CPU14aが、操作キー部15の操作キー40に表示パターンP1が表示されるように切り替えるとともに、表示部側本体30を第2スライド移動位置に位置させた際に、文字入力モードに切り替えて、CPU14aが、操作キー部15の操作キー40に表示パターンP2が表示されるように切り替えるように構成することによって、携帯電話機100の使用時に、ユーザは表示部側筐体33をスライド移動させるだけで、文字を入力する所定のソフトウェア(アプリケーション)を起動させる操作を行うことなく、操作キー部15に表示される表示パターンを切り替えることができる。これにより、スライド式の携帯電話機100において、操作キー部15に表示される表示パターンを切り替える際に、ユーザの操作が煩雑になるのを抑制することができる。また、第1スライド移動位置および第2スライド移動位置に応じて操作キー部15の表示パターンを切り替えることができるので、ユーザの操作に適した表示パターンを操作キー部15に表示させることができる。
【0076】
また、本実施形態では、上記のように、表示部側本体30が第1位置検出センサ20によって第1スライド移動位置に位置することが検出された際に、CPU14aによって、操作キー部15の操作キー40に表示パターンP1が表示されるとともに、表示部側操作キー部35の操作キー43に表示パターンP11が表示されるように切り替えられるように構成するとともに、表示部側本体30が第2位置検出センサ21によって第2スライド移動位置に位置することが検出された際に、CPU14aによって、操作キー部15の操作キー40に表示パターンP2が表示されるとともに、表示部側操作キー部35の操作キー43に表示パターンP12が表示されるように切り替えられるように構成する。これによって、第1位置検出センサ20および第2位置検出センサ21により、表示部側筐体33の第1スライド移動位置および第2スライド移動位置に応じて、容易に、ユーザの操作に適した表示パターンを操作キー部15および表示部側操作キー部35に表示させることができる。
【0077】
また、本実施形態では、上記のように、ユーザが所定のメニュー選択操作を行うことにより動画再生用ソフトウェアが起動された際および表示部側本体30が初期位置から第2スライド移動位置に連続的に移動された際に、CPU14aによって、操作キー部15に、動画再生のための操作に対応した操作ボタン42が表示されるように切り替えられるように構成する。これによって、第2スライド移動位置において起動されるソフトウェアが動画再生用ソフトウェアに切り替えられた場合であっても、切り替えられた動画再生用ソフトウェアの操作に適した操作ボタン42を操作キー部15に表示させることができる。
【0078】
また、本実施形態では、上記のように、CPU14aによって、発光部152の緑色LED152a、青色LED152bおよび赤色LED152cのうち、発光させるLEDを切り替えることによって、操作キー部15に表示される表示パターン(表示パターンP1、表示パターンP2、操作ボタン42)を異なる色(緑色、青色および赤色)で表示するように切り替える。これによって、第1スライド移動位置および第2スライド移動位置に対応する複数の表示パターンのうち、いずれの表示パターンが操作キー部15に表示されているかをユーザに認識させやすくすることができる。
【0079】
また、本実施形態では、上記のように、携帯電話機100が第1スライド状態である場合には、操作キー部15における第1操作キー領域Aが露出されて、操作キー部15における第1操作キー領域Aに位置する表示パターンP1が表示されるとともに、携帯電話機100が第2スライド状態である場合には、操作キー部15における第2操作キー領域Bが露出されて、操作キー部15における第2操作キー領域Bに位置する表示パターンP2または操作ボタン42が表示されるように構成することによって、表示部側本体30(表示部側筐体33)が第1スライド移動位置または第2スライド移動位置に位置する際に露出される第1操作キー領域Aまたは第2操作キー領域Bに応じて、ユーザの操作に適した表示パターン(表示パターンP1、表示パターンP2または操作ボタン42)を表示させることができる。
【0080】
また、本実施形態では、上記のように、表示部側操作キー部35に表示される表示パターンP11を、操作キー部15における第1操作キー領域Aに位置する表示パターンP1に対応させるとともに、表示部側操作キー部35に表示される表示パターンP12を、操作キー部15における第2操作キー領域Bに位置する表示パターンP2に対応させるように構成することによって、操作キー部15に表示される表示パターン(表示パターンP1、表示パターンP2)に対応した表示パターン(表示パターンP11、表示パターンP12)を、表示部側筐体33に格納された表示部側操作キー部35に表示させることができる。
【0081】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0082】
たとえば、上記実施形態では、携帯端末の一例として、携帯電話機100を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、スライド移動可能な携帯端末であればよく、スライド移動可能なPDAや携帯型のゲーム機などにも適用可能である。
【0083】
また、上記実施形態では、携帯電話機100の通話モード、文字入力モードおよび動画再生モードを切り替え可能なように構成するとともに、それぞれのモードに対応した表示パターンを操作キー部15および表示部側操作キー部35に表示させた例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、携帯電話機にゲームモードをさらに設けるとともに、ゲームモードに対応した表示パターンを操作キー部および表示部側操作キー部に表示させてもよい。具体的には、図15に示す第1変形例のように、操作キー部215は、橙色橙色反射シート215eをさらに有するとともに、発光部(図示せず)は橙色LEDをさらに有する。この橙色反射シート215eは、橙色光のみを選択的に反射し、橙色光以外の光を透過する機能を有する。この橙色反射シート215eには、第2操作キー領域Bの操作キー40に対応する位置に、4方向(X1、X2、Y1およびY2方向)の矢印の表示パターンP24と、円に囲まれたアルファベット(A〜D)の表示パターンP24とを表示するための複数の開口部P24aが個別に形成されている。このため、操作キー部215の下方から照射された橙色光が表示パターンP24の形状を有する開口部P24aを通過するとともに、橙色反射シート215eの開口部P24a以外の部分では橙色光が反射されるように構成されている。これにより、ゲームモードにおいて操作キー部215の各操作キー40には、橙色反射シート215eの開口部P24aを通過した橙色光により、各表示パターンP24(矢印および円に囲まれたアルファベット(A〜D))が橙色に光りながら表示させることが可能である。また、切り替え可能なモードの数は、3つまたは4つに限られない。
【0084】
また、上記実施形態では、第2スライド状態において、動画再生用ソフトウェアを起動させた際に、操作キー部15および表示部側操作キー部35に表示される表示パターンを切り替えるように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、音楽再生用のソフトウェアを起動させた際に、操作キー部および表示部側操作キー部に表示される表示パターンを切り替えるように構成してもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、複数の操作キー40を用いて単一の意味を有する操作ボタン42を大きく表示するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図16に示す第2変形例の携帯電話機300のように、凸形状の操作キー40のみを用いて操作ボタンを表示するように構成してもよい。この第2変形例では、複数の操作キー40のキートップ(操作キー40の上面)部分のみを用いて各操作ボタン342(342a〜342e)が表示されている。なお、これらの操作ボタン342は、上記実施形態と同様に、巻き戻しボタン342a、停止ボタン342b、一時停止ボタン342c、再生ボタン342dおよび早送りボタン342eである。
【0086】
また、上記実施形態では、表示部側本体30(表示部側筐体33)を操作部側本体10(操作部側筐体13)に対してX方向およびY方向にスライド移動させることによって、第1スライド移動位置および第2スライド移動位置に位置させることが可能なように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、操作部側筐体の操作キー部の一部が常に露出しているように構成されているとともに、表示部側筐体が初期状態からある1方向に移動されてスライド移動位置に位置させるように構成してもよい。これにより、初期状態における操作キー部の表示パターンと、スライド移動位置における操作キー部の表示パターンとを切り替えて表示するように構成することが可能である。
【0087】
また、上記実施形態では、表示部側本体30が操作部側本体10に対してX方向およびX方向と直交するY方向にスライド移動可能であるように構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、本発明の「第1方向」および「第2方向」が互いに交差する方向であれば、表示部側本体30が操作部側本体10に対してX方向およびY方向以外の方向にスライド移動可能に構成されていてもよい。
【0088】
また、上記実施形態では、第1位置検出センサ20および第2位置検出センサ21としてそれぞれメカニカルセンサを用いた例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、突起部の代わりに磁石を配置するとともに、第1位置検出センサおよび第2位置検出センサとして磁石からの磁気を検出する磁気センサを用いてもよい。また、突起部の代わりに反射板を配置するとともに、第1位置検出センサおよび第2位置検出センサとして光を発光して、反射板において反射された反射光を検出する反射型の光センサを用いてもよい。
【0089】
また、上記実施形態では、LEDから構成される発光部152および135を用いて、異なる色で操作キー部15および表示部側操作キー部35に異なる表示パターンを表示した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、同一の色で操作キー部および表示部側操作キー部に異なる表示パターンを表示するように構成してもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、表示部側操作キー部35に表示される緑色に光る表示パターンP11と、青色または赤色に光る表示パターンP12とを切り替えることが可能なように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、表示部側操作キー部において表示パターンを切り替えなくてもよい。
【符号の説明】
【0091】
13 操作部側筐体
14a CPU(制御部)
15、215、315 操作キー部(第1操作キー)
20 第1位置検出センサ(第1センサ)
21 第2位置検出センサ(第2センサ)
33 表示部側筐体
34 表示画面部(表示部)
35 表示部側操作キー部(第2操作キー)
100、300 携帯電話機(携帯端末)
A 第1操作キー領域(第1の操作キー領域)
B 第2操作キー領域(第2の操作キー領域)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の表示パターンを切り替えて表示可能な第1操作キーが設けられた操作部側筐体と、
前記操作部側筐体に対して、相対的にスライド移動可能に設けられ、表示部を含む表示部側筐体と、
前記表示部側筐体の前記操作部側筐体に対するスライド移動位置に応じて前記第1操作キーの表示パターンを切り替える制御部とを備える、携帯端末。
【請求項2】
前記表示部側筐体は、前記操作部側筐体に対して、第1方向および前記第1方向に対して直交する第2方向に相対的にスライド移動可能に構成されており、
前記表示部側筐体が前記第1方向にスライド移動されて第1スライド移動位置に位置することを検知する第1センサと、
前記表示部側筐体が前記第2方向にスライド移動されて第2スライド移動位置に位置することを検知する第2センサとをさらに備え、
前記制御部は、前記第1センサおよび前記第2センサの検出結果に基づいて、前記第1操作キーの表示パターンを切り替えるように構成されている、請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記制御部は、所定の前記スライド移動位置において、前記表示部側筐体の表示部に起動されるソフトウェアに応じて、前記第1操作キーの表示パターンを切り替えるように構成されている、請求項1または2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記制御部は、前記所定のスライド移動位置において、動画再生用のソフトウェアが起動した際には、前記第1操作キーの表示パターンを動画再生のための操作に対応した表示パターンになるように制御するように構成されている、請求項3に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記第1操作キーは、前記複数の表示パターンで表示される際に、各々の前記表示パターンごとに、それぞれ、異なる色で表示されるように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項6】
前記表示部側筐体が前記操作部側筐体に対して第1方向に移動されて第1スライド移動位置に位置する場合に、前記第1操作キーのうち第1の操作キー領域が露出され、前記表示部側筐体が前記操作部側筐体に対して第2方向に移動されて第2スライド移動位置に位置する場合に、前記第1操作キーのうち第2の操作キー領域が露出されるように構成されており、
前記制御部は、前記第1の操作キー領域が露出された状態で前記第1の操作キー領域において第1表示パターンの前記第1操作キーの表示を行うとともに、前記第2の操作キー領域が露出された状態で前記第2の操作キー領域において第2表示パターンの前記第1操作キーの表示を行うように構成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項7】
前記表示部側筐体は、複数の表示パターンを切り替えて表示可能な第2操作キーをさらに含み、
前記制御部は、前記スライド移動位置における前記第1操作キーの表示パターンに対応するように、前記第2操作キーの表示パターンを切り替えるように制御するように構成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項1】
複数の表示パターンを切り替えて表示可能な第1操作キーが設けられた操作部側筐体と、
前記操作部側筐体に対して、相対的にスライド移動可能に設けられ、表示部を含む表示部側筐体と、
前記表示部側筐体の前記操作部側筐体に対するスライド移動位置に応じて前記第1操作キーの表示パターンを切り替える制御部とを備える、携帯端末。
【請求項2】
前記表示部側筐体は、前記操作部側筐体に対して、第1方向および前記第1方向に対して直交する第2方向に相対的にスライド移動可能に構成されており、
前記表示部側筐体が前記第1方向にスライド移動されて第1スライド移動位置に位置することを検知する第1センサと、
前記表示部側筐体が前記第2方向にスライド移動されて第2スライド移動位置に位置することを検知する第2センサとをさらに備え、
前記制御部は、前記第1センサおよび前記第2センサの検出結果に基づいて、前記第1操作キーの表示パターンを切り替えるように構成されている、請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記制御部は、所定の前記スライド移動位置において、前記表示部側筐体の表示部に起動されるソフトウェアに応じて、前記第1操作キーの表示パターンを切り替えるように構成されている、請求項1または2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記制御部は、前記所定のスライド移動位置において、動画再生用のソフトウェアが起動した際には、前記第1操作キーの表示パターンを動画再生のための操作に対応した表示パターンになるように制御するように構成されている、請求項3に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記第1操作キーは、前記複数の表示パターンで表示される際に、各々の前記表示パターンごとに、それぞれ、異なる色で表示されるように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項6】
前記表示部側筐体が前記操作部側筐体に対して第1方向に移動されて第1スライド移動位置に位置する場合に、前記第1操作キーのうち第1の操作キー領域が露出され、前記表示部側筐体が前記操作部側筐体に対して第2方向に移動されて第2スライド移動位置に位置する場合に、前記第1操作キーのうち第2の操作キー領域が露出されるように構成されており、
前記制御部は、前記第1の操作キー領域が露出された状態で前記第1の操作キー領域において第1表示パターンの前記第1操作キーの表示を行うとともに、前記第2の操作キー領域が露出された状態で前記第2の操作キー領域において第2表示パターンの前記第1操作キーの表示を行うように構成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項7】
前記表示部側筐体は、複数の表示パターンを切り替えて表示可能な第2操作キーをさらに含み、
前記制御部は、前記スライド移動位置における前記第1操作キーの表示パターンに対応するように、前記第2操作キーの表示パターンを切り替えるように制御するように構成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の携帯端末。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−15182(P2011−15182A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−157522(P2009−157522)
【出願日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】
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