説明

携帯端末

【課題】折り畳み式の携帯端末等で、シリアルインターフェースにて接続される制御デバイスと、被制御デバイス(複数)とが別々の筐体に配置される場合、筐体間の信号本数が多くなると断線の可能性が増大するだけでなく、フレキケーブルなどが広くなりコストアップや外観デザインへの悪影響の要因となる。
【解決手段】複数の被制御デバイスが同期式シリアルインターフェースの場合において、1系統の同期式シリアルインターフェースのシリアルデータ信号の先頭に接続するデバイスを選択するためのデータを付加し、そのデバイス選択データをデコードして接続するデバイスのCS(チップセレクト)信号を付加ビットと選択デバイスへの送信データの間で生成し、送信データの送信完了(入力CSの完了)でCS信号を停止する回路を制御される基板側に搭載することによって、1系統の高速同期式シリアルで複数のデバイスが制御可能となり、筐体間の信号本数低減を可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板間もしくは筐体間のシリアルインターフェース信号本数を低減する回路を搭載した携帯端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図2及び図3は従来のシリアルインターフェース信号本数を低減する回路の構成を示し、図4は一般的なシリアルインターフェース接続の構成を示している。
【0003】
図2の従来方式(特許文献1)の構成において、下筐体にはメインCPUとLCDコントローラとP/S変換(パラレル/シリアル変換)を行うシリアル通信部があり、上筐体にはI2C/SPI変換回路を搭載したS/P変換(シリアル/パラレル変換)通信部とLCDがあり、メインCPUからのI2C信号をI2C/SPI変換回路を搭載したS/P変換(シリアル/パラレル変換)通信部を介してSPI信号に変換してLCDを制御することで、下筐体と上筐体のインターフェースの信号数としてSPIの接続信号本数を少なくすることを実現している。
【0004】
また、図3の従来方式(特許文献2)の構成においては、制御部よりストローブ信号にて被制御デバイスを選択する3線式シリアルインターフェースにて複数の被制御デバイスを制御する場合において、被制御デバイス選択部は制御部からの被制御デバイスへの出力データ信号と被制御デバイス選択用のクロック信号と制御デバイス選択用のストローブ信号を入力して各被制御デバイスの選択部を制御する信号を生成する機能を有し、各選択部は被制御デバイス選択部からの選択信号より制御部からのストローブ信号を制御する機能を有し、データ出力デバイス選択部は被制御デバイス選択部からの選択信号より被制御デバイスからのデータ出力を選択し制御部へ出力する機能を有することで、制御部からは6本のシリアルインターフェース信号で複数の被制御デバイスを制御可能としインターフェースの信号本数を少なくすることを実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−210992号公報
【特許文献2】特開2000−259559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、図2の従来例の場合、上筐体にI2C/SPI変換回路を搭載したS/P変換(シリアル/パラレル変換)通信部の搭載が前提であり、またI2C/SPI変換回路はLCD制御のための回路であり、複数のSPI制御デバイスには対応していない。また、このI2C/SPI変換回路が複数のSPI制御デバイスに対応可能な場合においても、I2Cは低速インターフェース(400kHz)のためSPIインターフェース(数MHz〜数十MHz)に比べて通信時間が遅く、更にSPI制御に比べて制御が複雑になってしまう課題がある。
【0007】
また、図3の従来例の場合についても、被制御デバイスはストローブ信号にて被制御デバイスを選択する3線式シリアルインターフェース方式に限定されており、有効データ通信中にアクティブになるチップセレクト信号によるシリアルインターフェース方式には対応していない。また、制御部として6本のシリアルインターフェース信号が必要であり、通常の1系統のシリアルインターフェース4本(クロック信号、データ出力信号、データ入力信号、ストローブ信号)に対して、被制御デバイス選択用のクロック信号とストローブ信号の2本が必要であり、且つ4本の制御に比べて制御が複雑になってしまう課題がある。
【0008】
また、図4の一般的な従来方式の構成においては、同期式シリアルインターフェースにて、制御部より3つの被制御デバイスを制御する場合において、制御デバイスは各被制御デバイスで共通なクロック信号、データ出力信号の2本と、各被制御デバイスで個別な3本のシップセレクト信号と3本のデータ入力信号が必要であり、合計8本のインターフェースを接続しなければならず、更に被制御デバイスの数が増えた場合は更に接続信号本数が増加してしまう課題がある。
【0009】
本発明は、第一の基板もしくは筐体の制御デバイスから1系統の同期シリアルインターフェースとしてチップセレクト信号、クロック信号、データ出力信号の3本、もしくは更にデータ入力信号を追加した4本にて、第二の基板もしくは筐体の複数の被制御デバイスを制御可能とし、簡易な回路搭載で、高速で且つ制御処理増加の少ない方法で、基板間もしくは筐体間のシリアルインターフェース信号本数を低減できることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の携帯端末は、第1及び第2の基板と、前記第1の基板に配置され、チップセレクト信号、クロック信号、及びデータ出力信号を備える第1の同期式シリアルインターフェースを有する第1デバイスと、前記第2の基板に配置され、第2の同期式シリアルインターフェースを有する、複数の第2デバイスと、前記チップセレクト信号、前記クロック信号、及び前記データ出力信号を基に、前記複数の第2デバイスの前記第2の同期式シリアルインターフェースを制御する制御回路と、を有する。
【0011】
この構成により、基板が2つに分かれる構成の携帯端末において、第1の基板に制御する第1のデバイス、第2の基板に制御される複数の第2のデバイスが搭載されている構成にて、第1のデバイスが1系統の同期式シリアルインターフェースであるチップセレクト信号、クロック信号、データ出力信号の3本の信号にて、複数の第2のデバイスを制御可能とする回路を第2のデバイスに搭載することで、基板間の同期式シリアルインターフェース接続信号本数を低減することが出来る。
【0012】
また、本発明の携帯端末は、前記第1の同期式シリアルインターフェースは、更にデータ入力信号を備え、前記制御回路は、前記チップセレクト信号、前記クロック信号、データ入力信号、及び前記データ出力信号を基に、前記複数の第2デバイスの前記第2の同期式シリアルインターフェースを制御する。
【0013】
この構成により、第1のデバイスが1系統の同期式シリアルインターフェースであるチップセレクト信号、クロック信号、データ入力信号、データ出力信号の4本の信号にて、複数の第2のデバイスを制御可能とする回路を第2のデバイスに搭載することで、基板間の同期式シリアルインターフェース接続信号本数を低減することが出来る。
【0014】
また、本発明の携帯端末は、前記第1の同期式シリアルインターフェースは、シリアルデータ信号の先頭に複数の第2デバイスのそれぞれに対応する選択データと、前記選択データの後に前記第2デバイスで利用する送信データを備え、前記第2の同期式シリアルインターフェースは、チップセレクト信号を備え、前記制御回路は、前記選択データと選択したデバイスへの前記送信データの間、前記選択データに対応する第2デバイスのチップセレクト信号を有効にし、前記送信データの送信完了に応じて前記第2デバイスのチップセレクト信号を無効にする。
【0015】
この構成により、複数の第2のデバイスを制御可能とする回路は、同期式シリアルインターフェースのシリアルデータ信号の先頭に、接続する複数の第2のデバイスより、1つの制御するデバイス選択するための選択データが付加されており、その選択データをデコードして接続する第2のデバイスのチップセレクト信号を、選択データと選択したデバイスへの送信データの間で生成し、送信データの送信完了にてチップセレクト信号を停止する回路を搭載することで、第1の同期式シリアルインターフェースと第2の同期式シリアルインターフェースとのクロック信号の周波数を実質的に同一にしつつ、即ちデータの転送レートが実質的に同一にしつつも、1系統のシリアルインターフェースで複数の被制御デバイスを制御することが出来る。
【0016】
また、本発明の携帯端末は、前記第1の同期式シリアルインターフェースは、シリアルデータ信号の先頭に複数の第 2デバイスのそれぞれに対応する選択データと、前記選択データの後に前記第2デバイスで利用する送信データと前記第2デバイスから受信する受信データを備え、前記第2の同期式シリアルインターフェースは、チップセレクト信号を備え、前記制御回路は、前記選択データと選択したデバイスへの前記送信データと前記受信データの間、前記選択データに対応する第2デバイスのチップセレクト信号を有効にし、前記送信データの送信完了又は前記受信データの受信完了に応じて前記第2デバイスのチップセレクト信号を無効にする。
【0017】
この構成により、複数の第2のデバイスを制御可能とする回路は、同期式シリアルインターフェースのシリアルデータ信号の先頭に、接続する複数の第2のデバイスより、1つの制御するデバイス選択するための選択データが付加されており、その選択データをデコードして接続する第2のデバイスのチップセレクト信号を、選択データと選択したデバイスへの送信データまたは選択でデバイスからの受信データの間で生成し、送信データの送信完了または受信データの受信完了にてチップセレクト信号を停止する回路を搭載することで、第1の同期式シリアルインターフェースと第2の同期式シリアルインターフェースとのクロック信号の周波数を実質的に同一にしつつ、即ちデータの転送レートが実質的に同一にしつつも、1系統のシリアルインターフェースで複数の被制御デバイスを制御することが出来る。
【0018】
また、本発明の携帯端末は、前記第1デバイスは、データ出力信号とデータ入力信号を備える第1の調歩同期シリアルインターフェースを有し、前記第2の基板は、第2の調歩同期シリアルインターフェースを有する複数の第3デバイスが配置され、前記制御回路は、前記第1の同期式シリアルインターフェースの前記チップセレクト信号、前記クロック信号、及び前記データ出力信号を基に、前記複数の第3デバイスの前記第3の調歩同期シリアルインターフェースを制御する。
【0019】
この構成により、第1のデバイスは調歩同期シリアルインターフェースであるデータ出力信号とデータ入力信号を有し、第2の基板には調歩同期シリアルインターフェースを有する第3のデバイスが搭載されている構成にて、第1のデバイスが同期式シリアルインターフェースであるチップセレクト信号、クロック信号、データ出力信号の3本の信号にて、複数の第3のデバイスを制御可能とする回路を第2のデバイスに搭載することで、基板間の調歩同期シリアルインターフェース接続信号本数を低減することが出来る。
【0020】
また、本発明の携帯端末は、前記制御回路は、前記第3デバイスに対応する前記選択データと前記選択データに対応する前記第3デバイスのデータ出力信号又はデータ入力信号の間、前記選択データに対応する第3デバイスデータ出力信号又はデータ入力信号を、前記第1デバイスの第3デバイスデータ出力信号又はデータ入力信号を接続する。
【0021】
この構成により、複数の第3のデバイスを制御可能とする回路は、同期式シリアルインターフェースにて複数の第3のデバイスより1つのデバイスを選択し、選択された第3のデバイスへのデータ出力通信の間または選択された第3のデバイスからのデータ入力通信の間、第1のデバイスと選択された第3のデバイスの調歩動機シリアルインターフェースデータ信号を接続する回路を搭載することで、1系統の調歩動機シリアルインターフェースで複数の被制御デバイスを制御することが出来る。
【0022】
また、本発明の携帯端末は、第1及び第2の筐体を備え、前記第1の基板は前記第1の筐体に配置され、前記第2の基板は前記第2の筐体に配置される。
【0023】
この構成により、第1の基板が第1の筐体に配置され、第2の基板が第2の筐体に配置されている構成において、第1の筐体と第2の筐体の筐体間のシリアルインターフェース接続信号本数を低減することが出来る。
【0024】
また、本発明の携帯端末は、前記第1の筐体と前記第2の筐体を回動自在に連結するヒンジ部を備える。
【0025】
この構成により、第1の筐体と第2の筐体を接続するヒンジ部を通るシリアルインターフェース接続信号本数を低減することが出来る。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、筐体または基板が2つに分かれる構成の携帯端末において、第1の基板に制御するデバイス、第2の基板に複数の被制御デバイスが搭載されている構成にて、第1の基板の第1の制御デバイスより1系統の同期式シリアルインターフェースで、第2の基板の複数の第2の被制御デバイスを制御可能とする回路を有したデバイスを第2の基板に搭載することで、基板間または筐体間の同期式シリアルインターフェース接続信号本数を低減する事が可能であり、また更に第1の基板の第1の制御デバイスより各1系統の同期式シリアルインターフェースと調歩同期シリアルインターフェースで、第2の基板の、同期式シリアルインターフェースで制御される複数の第2の被制御デバイスと、調歩同期シリアルインターフェースで制御される複数の第3の被制御デバイスを、制御可能とする回路を有したデバイスを第2の基板に搭載することで、基板間または筐体間のシリアルインターフェース接続信号本数を低減する事が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態に係わる同期式シリアルI/F信号本数削減の構成図
【図2】従来のシリアルインターフェース信号本数削減の構成図
【図3】従来のシリアルインターフェース信号本数削減の構成図
【図4】従来のシリアルインターフェース信号本数削減の構成図
【図5】本発明の実施の形態に係わる同期式シリアルI/F信号本数削減の構成図
【図6a】本発明の実施の形態に係わる同期式シリアルI/F信号本数削減の回路図
【図6b】本発明の実施の形態に係わる同期式シリアルI/F信号本数削減回路のタイミングチャート
【図7a】本発明の実施の形態に係わる同期式シリアルI/F信号本数削減の回路図
【図7b】本発明の実施の形態に係わる同期式シリアルI/F信号本数削減回路のタイミングチャート
【図8】本発明の実施の形態に係わる複合シリアルI/F信号本数削減の構成図
【図9】本発明の実施の形態に係わる複合シリアルI/F信号本数削減の回路図
【図10】本発明の実施の形態に係わるシリアルI/F信号本数削減の構成図
【図11】本発明の実施の形態に係わるシリアルI/F信号本数削減の構成図
【発明を実施するための形態】
【0028】
(実施の形態)
次に、本発明の具体的な実施例について、以下に図を用いて詳細に説明する。
【0029】
図1において、本実施の形態の携帯端末は、第一の基板11に制御デバイス13が搭載され、第二の基板12に同期式シリアルインターフェースで制御される被制御デバイス14(1)と被制御デバイス(2)15と被制御デバイス(3)16と被制御デバイス(4)17が搭載されている構成になっている。
【0030】
この構成によって、制御デバイス13は少なくとも1系統以上の同期式シリアルインターフェース制御回路を有し、被制御デバイス(1)14に接続され制御する。被制御デバイス(1)14は制御デバイス13からの同期式シリアルインターフェースを受けて、被制御デバイス(1)14用のCS0信号、被制御デバイス(2)15用のCS1信号、被制御デバイス(3)16用のCS2信号、被制御デバイス(4)17用のCS3信号のいずれかのチップセレクト信号を生成して各被制御デバイスを制御し書き込みを可能とすることで、制御デバイス13より1系統の同期シリアルインターフェースにて、被制御デバイス(1)14と被制御デバイス(2)15と被制御デバイス(3)16と被制御デバイス(4)17を制御可能とし、第一の基板11と第二の基板12の間のシリアルインターフェース信号本数低減を実現できることとなる。
【0031】
図5において、本実施の形態の携帯端末は、図1の構成に加えて、被制御デバイス54(1)と被制御デバイス(2)55と被制御デバイス(3)56と被制御デバイス(4)57からのデータ出力信号をDIN信号として、制御デバイス53がデータ受信できる構成になっている。
【0032】
この構成によって、制御デバイス53は少なくとも1系統以上の同期式シリアルインターフェース制御回路を有し、被制御デバイス(1)54に接続され制御する。被制御デバイス(1)54は制御デバイス53からの同期式シリアルインターフェースを受けて、被制御デバイス(1)54用のCS0信号、被制御デバイス(2)55用のCS1信号、被制御デバイス(3)56用のCS2信号、被制御デバイス(4)57用のCS3信号のいずれかのチップセレクト信号を生成して各被制御デバイスを制御し書込みを可能、更に被制御デバイス(1)54からのDIN0信号、被制御デバイス(2)55からのDIN1信号、被制御デバイス(3)56からのDIN2信号、被制御デバイス(4)57からのDIN3信号のいずれかの選択された被制御デバイスからのデータ信号を選択して、制御デバイス53へのDIN信号を生成し読み出しを可能とすることで、制御デバイス53より1系統の同期シリアルインターフェースにて、被制御デバイス(1)54と被制御デバイス(2)55と被制御デバイス(3)56と被制御デバイス(4)57を制御可能とし、第一の基板51と第二の基板52の間のシリアルインターフェース信号本数低減を実現できることとなる。
【0033】
また、図6aにおいて、本発明の実施の形態に係わる同期式シリアルI/F信号本数削減の回路(I/Fはインターフェースを意味する。本明細書において同様である。)は、4つの被制御デバイスを制御する例として、チップセレクト生成回路61の動作について説明する。チップセレクト生成回路61は、被制御デバイスを識別するためのDOUTデータを保持するためのフリップフロップ62及び63と、このフリップフロップ62及び63のデコード結果より各チップセレクト信号を生成するためのCS0信号用のフリップフロップ64、CS1信号用のフリップフロップ65、CS2信号用のフリップフロップ66、CS3信号用のフリップフロップ67と、被制御デバイスを識別するためのDOUTデータ区間でフリップフロップ62及び63へのクロック信号停止及び各チップセレクト信号を生成するフリップフロップ64〜67のアクティブタイミングをクロック信号より生成するためのカウンタ68によって構成される。
【0034】
この構成によって、制御デバイスからの出力信号である、チップセレクト信号CS、クロック信号CLK、データ出力信号DOUTがチップセレクト生成回路61へ入力され、データ出力信号DOUTの先頭2bitのデバイス選択信号をフリップフロップ62及び63にてラッチし、カウンタ68にて先頭2bit以外のクロック供給を停止する。フリップフロップ62及び63の信号をデコードし、先頭2bitの次のbitをダミーbitとし、このダミーbitのタイミングでデコードした結果を各チップセレクト生成用のフリップフロップ64〜67にてラッチできるようにカウンタ68よりクロックを出力し、所望のチップセレクト信号を生成する。この回路構成によって制御デバイスより1系統の同期式シリアルインターフェースにて、複数の被制御デバイスへの書き込みが実現できる。この例では、チップセレクト信号CSのセットアップ時間を確保するため、ダミーbitを1bitにしているが、クロック信号CLKの周波数に応じてセットアップ時間が確保できるように任意のダミーbitでの回路変更も可能であり、また被制御デバイスの数に応じて各フリップフロップやデコード回路を変更することで、更に複数の被制御デバイスの制御が可能となる。
【0035】
また、本発明の実施の形態に係わる同期式シリアルI/F信号本数削減の回路は、図6bにおいて、制御デバイスからのチップセレクト信号CS、クロック信号CLK、データ出力信号DOUTと、前記図6aの回路より出力される各チップセレクト信号CS0、CS1、CS2、CS3のタイミングチャートを示す。このタイミングチャートにおいて、本実施の形態の回路は、データ出力信号DOUTは被制御デバイスを選択するための先頭2bitとダミーの1bitとデータ信号16bitで構成され、被制御デバイスを選択するための先頭2bitをCS1を選択するための[0、1]で受信後、この2bitのデータをデコードし、ダミーbit位相のクロック信号CLKの立ち上りでチップセレクト信号CS1のみをハイレベルで出力し、以降の送信データ信号16bitをクロック信号CLKに同期してCS1で選択された被制御デバイスが受信し、制御デバイスからのチップセレクト信号CSがローレベルになることで、被制御デバイスのチップセレクト信号CS1もローレベルとなり、CS1で選択された被制御デバイスへの16bitデータの書き込みが可能となり、更に制御デバイスからのシリアルインターフェースクロック周波数のままで、被制御デバイスへの書込みが可能となる。
【0036】
また、図7aにおいて、本発明の実施の形態に係わる同期式シリアルI/F信号本数削減の回路は、4つの被制御デバイスを制御する例として、チップセレクト生成/データ入力切替回路71の動作について説明する。チップセレクト生成/データ入力切替回路71は、被制御デバイスを識別するためのDOUTデータを保持するためのフリップフロップ72及び73と、このフリップフロップ72及び73のデコード結果より各チップセレクト信号を生成するためのCS0信号用のフリップフロップ74、CS1信号用のフリップフロップ75、CS2信号用のフリップフロップ76、CS3信号用のフリップフロップ77と、被制御デバイスを識別するためのDOUTデータ区間でフリップフロップ72及び73へのクロック信号停止及び各チップセレクト信号を生成するフリップフロップ74〜77のアクティブタイミングをクロック信号より生成するためのカウンタ78と、各被制御デバイスからのデータ入力信号(DIN0〜DIN3)を各チップセレクト信号(CS0〜CS3)にて選択してDIN信号を生成するセレクタ79によって構成される。
【0037】
この構成により、制御デバイスからの出力信号である、チップセレクト信号CS、クロック信号CLK、データ出力信号DOUTがチップセレクト生成/データ入力切替回路71へ入力され、データ出力信号DOUTの先頭2bitのデバイス選択信号をフリップフロップ72及び73にてラッチし、カウンタ78にて先頭2bit以外のクロック供給を停止する。フリップフロップ72及び73の信号をデコードし、先頭2bitの次のbitをダミーbitとし、このダミーbitのタイミングでデコードした結果を各チップセレクト生成用のフリップフロップ57〜77にてラッチできるようにカウンタ78よりクロックを出力し、所望のチップセレクト信号を生成する。また、各被制御デバイスからのデータを制御デバイスがリードする場合は、所望のチップセレクト信号をフリップフロップ74〜77よりセレクタ79が各被制御デバイスからのデータ入力信号(DIN0〜DIN3)を各チップセレクト信号(CS0〜CS3)にて選択してDIN信号を生成し制御デバイスより、選択した被制御デバイスからのシリアルデータ受信が可能となり、この回路構成によって制御デバイスより1系統の同期式シリアルインターフェースにて、複数の被制御デバイスへの書き込みと読み出しが実現できる。この例では、チップセレクト信号CSのセットアップ時間を確保するため、ダミーbitを1bitにしているが、クロック信号CLKの周波数に応じてセットアップ時間が確保できるように任意のダミーbitでの回路変更も可能であり、また被制御デバイスの数に応じて各フリップフロップやデコード回路を変更することで、更に複数の被制御デバイスの制御が可能となる。
【0038】
また、本発明の実施の形態に係わる同期式シリアルI/F信号本数削減の回路は、図7bにおいて、制御デバイスからのチップセレクト信号CS、クロック信号CLK、データ出力信号DOUT、データ入力信号DINと、前記図7aの回路より出力される各チップセレクト信号CS0、CS1、CS2、CS3のタイミングチャートを示す。このタイミングチャートにおいて、本実施の形態の回路は、データ出力信号DOUTは被制御デバイスを選択するための先頭2bitとダミーの1bitとデータ信号16bitで構成され、被制御デバイスを選択するための先頭2bitをCS1を選択するための[0、1]で受信後、この2bitのデータをデコードし、ダミーbit位相のクロック信号CLKの立ち上りでチップセレクト信号CS1のみをハイレベルで出力し、以降の送信データ信号8bitをクロック信号CLKに同期してCS1で選択された被制御デバイスが受信し、その後に受信データ信号8bitをクロック信号CLKに同期してCS1で選択された被制御デバイスが送信し、制御デバイスからのチップセレクト信号CSがローレベルになることで、被制御デバイスのチップセレクト信号CS1もローレベルとなり、CS1で選択された被制御デバイスからの8bitデータの読み出しが可能となり、更に制御デバイスからのシリアルインターフェースクロック周波数のままで、被制御デバイスへの読み出しが可能となる。
【0039】
また、図8において、本実施の形態の携帯端末は、第一の基板81に制御デバイス83が搭載され、第二の基板82に同期式シリアルインターフェースで制御される被制御デバイス(1)84と被制御デバイス(2)85aと被制御デバイス(3)85bと被制御デバイス(4)85cと、調歩同期シリアルインターフェースで制御される被制御デバイス(5)86aと被制御デバイス(6)86bと被制御デバイス(7)86cと被制御デバイス(8)86dが搭載されている構成になっている。
【0040】
この構成によって、制御デバイス83は少なくとも1系統以上の同期式シリアルインターフェース制御回路と調歩同期シリアルインターフェース制御回路を有し、被制御デバイス(1)84に接続され制御する。被制御デバイス(1)84は制御デバイス83からの同期式シリアルインターフェースを受けて、被制御デバイス(1)84用のCS0信号、被制御デバイス(2)85a用のCS1信号、被制御デバイス(3)85b用のCS2信号のいずれかのチップセレクト信号を生成して各被制御デバイスを制御し、更に被制御デバイス(1)84からのDIN0信号、被制御デバイス(2)85aからのDIN1信号、被制御デバイス(3)85bからのDIN2信号のいずれかの選択された被制御デバイスからのデータ信号を選択して、制御デバイス83へのDIN信号を生成することで、制御デバイス83より1系統の同期シリアルインターフェースにて、被制御デバイス(1)84と被制御デバイス(2)85aと被制御デバイス(3)85bを制御可能とし、第一の基板81と第二の基板82の間のシリアルインターフェース信号本数低減を実現できることとなる。また、被制御デバイス(1)84は制御デバイス83からの同期式シリアルインターフェースを受けて、制御デバイス83からの調歩同期シリアル信号であるTXD信号とRXD信号を、被制御デバイス(5)86a用のTXD1とRXD1信号、被制御デバイス(6)86b用のTXD2とRXD2信号、被制御デバイス(7)86c用のTXD3とRXD3信号、被制御デバイス(8)86c用のTXD4とRXD4信号の、いずれかの送信信号TXDと受信信号RXD信号を選択して、制御デバイス83から選択した調歩同期シリアルインターフェースの被制御デバイスを制御することで、制御デバイス83より1系統の同期シリアルインターフェースと調歩同期シリアルインターフェースにて、被制御デバイス(5)86aと被制御デバイス(6)86bと被制御デバイス(7)86cと被制御デバイス(8)86dを制御可能とし、第一の基板81と第二の基板82の間のシリアルインターフェース信号本数低減を実現できることとなる。
【0041】
また、図9において、本発明の実施の形態に係わる複合シリアルI/F信号本数削減の回路は、図7aの構成に加えて、4つの調歩同期シリアルインターフェース被制御デバイスを制御する例として、複合シリアル制御回路91の動作について説明する。複合シリアル制御回路91は制御デバイスから同期式シリアルインターフェースにて制御されるUART切替回路92と、制御デバイスからの調歩同期シリアルインターフェース信号であるTXD信号とRXD信号を、4つの被制御デバイスとの調歩同期シリアルインターフェース信号であるTXD信号とRXD信号へ選択して切替えるUART制御回路93の構成になっている。
【0042】
この構成によって、制御デバイスからの出力信号であるチップセレクト信号CS、クロック信号CLK、データ出力信号DOUTがUART切替回路92へ入力され、UART制御93を制御するためのセレクタ制御信号が生成される。UART制御93は、制御デバイスからの調歩同期シリアルインターフェース出力信号TXDを、4つの被制御デバイスへのTXD1信号、TXD2信号、TXD3信号、TXD4信号のいずれかに選択して切り替え、また制御デバイスからの調歩同期シリアルインターフェース入力信号RXDを、4つの被制御デバイスからのRXD1信号、RXD2信号、RXD3信号、RXD4信号のいずれかに選択して切り替え可能とし、この回路構成によって制御デバイスより1系統の同期式シリアルインターフェースと調歩同期シリアルインターフェースにて、複数の調歩同期シリアルインターフェース被制御デバイスの制御が実現できる。この例では、4つの被制御デバイスを制御する回路構成であるが、UART制御93のセレクト信号を増加させることで、更に複数の調歩同期シリアルインターフェース被制御デバイスの制御が可能となる。
【0043】
また、図10において、本実施の形態の携帯端末は、第一の筐体101に第一の基板103が搭載され、第二の筐体102に第二の基板104が搭載されている構成になっている。
【0044】
この構成によって、本実施の形態の携帯端末は、第一の基板103と第二の基板104の基板間のシリアルインターフェース接続信号本数を低減する作用により、第一の筐体101と第二の筐体102の筐体間のシリアルインターフェース接続信号本数を低減することが可能となる。
【0045】
また、図11において、本実施の形態の携帯端末は、第一の筐体111に第一の基板114が搭載され、第二の筐体112に第二の基板115が搭載されて、第一の筐体111と第二の筐体112はヒンジ部113によって接続されている構成になっている。
【0046】
この構成によって、本実施の形態の携帯端末は、第一の筐体111と第二の筐体112がヒンジ部113によって接続されている構成であり、第一の基板114と第二の基板115の基板間のシリアルインターフェース接続信号本数を低減する作用により、ヒンジ部113を通る筐体間のシリアルインターフェース接続信号本数を低減することが可能となる。
【0047】
なお、本実施の形態ではヒンジ部を備える折り畳み形式の携帯端末について説明したが、この形式に限らず、スライド形式や、リボルバー形式等の少なくとも2つの筐体を備え、それら2つの筐体の間をシリアルインターフェースで接続する携帯端末に対して、上述の技術を適用することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明にかかる筐体間のシリアルインターフェース信号本数を低減する回路を搭載した携帯端末は、異なる筐体間のシリアルインターフェース接続本数が低減でき、筐体間を接続するフレキケーブルなどの物理的な接続手段が小型化や容易な接続などができるので、2つ折りなどの筐体で制御デバイスと被制御デバイスが別筐体である携帯端末等の用途に有用である。
【符号の説明】
【0049】
11 第一の基板
12 第二の基板
13 制御デバイス
14 被制御デバイス(1)
15 被制御デバイス(2)
16 被制御デバイス(3)
17 被制御デバイス(4)
21 上筐体
22 下筐体
23 メインCPU
24 LCDコントローラ
25 シリアル通信(TX)
26 シリアル通信(RX)
27 LCD
28 I2C/SPI変換
29 LCDドライバ
31 制御部
32 被制御部
33 デバイス
34 デバイス
35 被制御デバイス選択部
36 データ出力デバイス選択部
37 選択部
38 選択部
41 第一の筐体
42 第二の筐体
43 制御デバイス
44 同期式シリアルインターフェース被制御デバイス(1)
45 同期式シリアルインターフェース被制御デバイス(2)
46 同期式シリアルインターフェース被制御デバイス(3)
51 第一の基板
52 第二の基板
53 制御デバイス
54 被制御デバイス(1)
55 被制御デバイス(2)
56 被制御デバイス(3)
57 被制御デバイス(4)
61 チップセレクト生成回路
62 接続デバイス選択データ用フリップフロップ(1)
63 接続デバイス選択データ用フリップフロップ(2)
64 CS0用フリップフロップ
65 CS1用フリップフロップ
66 CS2用フリップフロップ
67 CS3用フリップフロップ
68 カウンタ
71 チップセレクト生成/データ入力切替回路
72 接続デバイス選択データ用フリップフロップ(1)
73 接続デバイス選択データ用フリップフロップ(2)
74 CS0用フリップフロップ
75 CS1用フリップフロップ
76 CS2用フリップフロップ
77 CS3用フリップフロップ
78 カウンタ
79 セレクタ
81 第一の基板
82 第二の基板
83 制御デバイス
84 被制御デバイス(1)
85a 同期式シリアルインターフェース被制御デバイス(2)
65b 同期式シリアルインターフェース被制御デバイス(3)
65c 同期式シリアルインターフェース被制御デバイス(4)
68a 調歩同期シリアルインターフェース被制御デバイス(5)
68b 調歩同期シリアルインターフェース被制御デバイス(6)
68c 調歩同期シリアルインターフェース被制御デバイス(7)
68d 調歩同期シリアルインターフェース被制御デバイス(8)
91 複合シリアル制御回路
92 UART切替回路
93 UART制御回路
101 第一の筐体
102 第二の筐体
103 第一の基板
104 第二の基板
105 筐体間接続
111 第一の筐体
112 第二の筐体
113 ヒンジ部
114 第一の基板
115 第二の基板
116 筐体間接続

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2の基板と、
前記第1の基板に配置され、チップセレクト信号、クロック信号、及びデータ出力信号を備える第1の同期式シリアルインターフェースを有する第1デバイスと、
前記第2の基板に配置され、第2の同期式シリアルインターフェースを有する、複数の第2デバイスと、
前記チップセレクト信号、前記クロック信号、及び前記データ出力信号を基に、前記複数の第2デバイスの前記第2の同期式シリアルインターフェースを制御する制御回路と、を有する携帯端末。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末であって、
前記第1の同期式シリアルインターフェースは、更にデータ入力信号を備え、
前記制御回路は、前記チップセレクト信号、前記クロック信号、データ入力信号、及び前記データ出力信号を基に、前記複数の第2デバイスの前記第2の同期式シリアルインターフェースを制御する携帯端末。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の携帯端末であって、
前記第1の同期式シリアルインターフェースは、シリアルデータ信号の先頭に複数の第2デバイスのそれぞれに対応する選択データと、前記選択データの後に前記第2デバイスで利用する送信データを備え、
前記第2の同期式シリアルインターフェースは、チップセレクト信号を備え、
前記制御回路は、前記選択データと選択したデバイスへの前記送信データの間、前記選択データに対応する第2デバイスのチップセレクト信号を有効にし、前記送信データの送信完了に応じて前記第2デバイスのチップセレクト信号を無効にする携帯端末。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の携帯端末であって、
前記第1の同期式シリアルインターフェースは、シリアルデータ信号の先頭に複数の第 2デバイスのそれぞれに対応する選択データと、前記選択データの後に前記第2デバイスで利用する送信データと前記第2デバイスから受信する受信データを備え、
前記第2の同期式シリアルインターフェースは、チップセレクト信号を備え、
前記制御回路は、前記選択データと選択したデバイスへの前記送信データと前記受信データの間、前記選択データに対応する第2デバイスのチップセレクト信号を有効にし、前記送信データの送信完了又は前記受信データの受信完了に応じて前記第2デバイスのチップセレクト信号を無効にする携帯端末。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の携帯端末であって、
前記第1デバイスは、データ出力信号とデータ入力信号を備える第1の調歩同期シリアルインターフェースを有し、
前記第2の基板は、第2の調歩同期シリアルインターフェースを有する複数の第3デバイスが配置され、
前記制御回路は、前記第1の同期式シリアルインターフェースの前記チップセレクト信号、前記クロック信号、及び前記データ出力信号を基に、前記複数の第3デバイスの前記第3の調歩同期シリアルインターフェースを制御する携帯端末。
【請求項6】
請求項5に記載の携帯端末であって、
前記制御回路は、前記第3デバイスに対応する前記選択データと前記選択データに対応する前記第3デバイスのデータ出力信号又はデータ入力信号の間、前記選択データに対応する第3デバイスデータ出力信号又はデータ入力信号を、前記第1デバイスの第3デバイスデータ出力信号又はデータ入力信号を接続する携帯端末。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の携帯端末であって、
第1及び第2の筐体を備え、
前記第1の基板は前記第1の筐体に配置され、
前記第2の基板は前記第2の筐体に配置された携帯端末。
【請求項8】
請求項7に記載の携帯端末であって、
前記第1の筐体と前記第2の筐体を回動自在に連結するヒンジ部を備える携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−199572(P2011−199572A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−63811(P2010−63811)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】