説明

携帯通信機器、機能制限方法

【課題】より高いセキュリティ性を有する携帯通信機器を提供する
【解決手段】携帯通信機器100は、携帯通信機器の移動における加速度を検出する加速度検出部160と、前記加速度検出部160によって第1の範囲を超える加速度を検出した場合、所定の機能を制限する制御部110と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、状況に応じて、自動的に機能を制御する携帯通信機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機の普及につれて、携帯電話機には様々な機能が付与されている。そのような機能の一例であるモバイルFelicaに代表される電子決済機能は、携帯電話機に保存されているユーザの個人情報や電子マネー残高等の情報を携帯電話機と認証機器との間で送受信を介してやり取りすることで、直接、金銭のやり取りをすることなく、商品の購入等を可能となるため、ユーザにとって利便性の高い機能である。
【0003】
また、電子決済機能が付加されたことにより、第3者による電子決済機能の不正使用を防止するための様々なセキュリティ技術が提案されている。その一例として、暗証番号、生体認証、顔認証等の技術が挙げられている。
【0004】
特許文献1には、顔認証によって決済機能のロックを解除すると同時に利用者機器の移動距離の計測を開始し、計測された移動距離が基準積算値を超えると、自動的に決済機能を再びロックする、なりすましを防止する利用者機器が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−249590
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1においては、利用者機器の移動距離が基準積算値を超えなければ決済機能がロックされないため、例えば、第3者に携帯端末が盗難された場合、第3者が基準積算値以内の近距離しか移動しない場合、決済機能がロックされず、第3者に悪用されてしまう。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、より高いセキュリティ性を有する携帯通信機器、機能制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の携帯通信機器は、携帯通信機器の移動における加速度を検出する加速度検出手段と、該加速度検出手段によって第1の範囲を超える加速度を検出した場合、所定の機能を制限する制御手段と、を備える。
【0009】
また、好適には、前記制御手段は、前記第1の範囲の上限を超える加速度を検出した場合、前記所定の機能を制限する。
【0010】
また、好適には、前記加速度検出手段によって前記第1の範囲内の加速度が検出された場合、当該加速度に基づいて歩数を計測する歩数計測手段をさらに備え、前記制御手段は、前記歩数計測手段によって計測された歩数が第1の歩数を超える場合、前記所定の機能を制限する。
【0011】
また、好適には、前記制御手段は、前記所定の機能が制限されると、前記加速度検出手段の検出を終了する。
【0012】
また、好適には、前記制御手段は、前記加速度検出手段によって検出された加速度に基づいて前記第1の範囲を更新する。
【0013】
また、本発明の機能制限方法は、携帯通信機器の移動における加速度を検出する加速度検出工程と、該加速度検出手段によって第1の範囲を超える加速度を検出した場合、所定の機能を制限する制御工程と、を含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、より高いセキュリティ性を有するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態に係る携帯通信機器の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係る携帯通信機器及び受信機器の外観を示す図である。
【図3】本実施形態に係る携帯通信機器の動作を示すフローチャートである。
【図4】本実施形態に係る携帯通信機器の決済処理が行われた場合の表示部の画面遷移を示す図である。
【図5】本実施形態に係る携帯通信機器の決済処理が行われなかった場合の表示部の画面遷移を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
<実施形態>
<構成>
(携帯通信機器100の構成)
図1は、本実施形態に係る携帯通信機器の構成を示すブロック図である。
【0017】
図1に示すように、携帯通信機器100は、制御部110、表示部120、操作入力部130、記憶部140、無線通信部150、加速度検出部160、歩数計測部170、時間計測部180を備える。また、携帯通信機器100には、非接触通信機器200が一体的若しくは取り外し可能に取り付けられている。非接触通信機器200は、非接触通信部210、非接触通信制御部220、非接触通信記憶部230と、を備える。
【0018】
制御部110は、携帯通信機器100を構成する各部を制御する。この制御部110は、図示しないCPU(中央処理装置)と、このCPUを動作させる制御プログラムを含んでいる。なお、制御プログラムは後述する記憶部140に格納される。
【0019】
表示部120は、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescent)等の表示デバイスを有し、電話帳データ、テキストデータ、画像データ等を表示する。また、表示部120は、携帯通信機器100の非接触通信機器200と図2に示す受信機器300との通信時に、ロック解除のための認証画面や通信状態を表す画面の表示を行う。
【0020】
操作入力部130は、電話番号入力やかな文字入力用の0から9までのテンキー、各種メニュー選択画面を起動するためのメニューキー、選択されたアプリケーションを実行するための決定キーの各種操作キーを含む。操作入力部130が操作されることにより、操作されたキーに割り当てられた指示は、信号として制御部110へ伝送される。
【0021】
なお、操作入力部130には、ワンタッチで電子決済機能を起動するアプリケーションが割り当てられたキーを有していてもよい。
【0022】
記憶部140は、RAMやEPROM等の記憶手段を有し、電話帳データ、テキストデータ、画像データを含む各種データを記憶する。また、記憶部140は、非接触通信に用いられるユーザIDや電子マネーを含むユーザ情報及びユーザの歩行による加速度であると認識される一定の範囲(第1の範囲)を記憶する。ここで、一定の範囲に含まれる加速度を通常加速度と定義する。さらに、記憶部140は、電子決済機能を再ロックする際の閾値となる所定の歩数(第1の歩数)や所定の時間(第1の時間)を記憶する。また、所定の歩数、所定の時間や通常加速度については、予め記憶部140に保存されていてもよいし、操作入力部130による操作により任意に設定可能としてもよい。なお、記憶部140は、制御部110によって生成された情報のみならず、無線通信部150や非接触通信機器200によって取得した情報を記憶してもよい。
【0023】
無線通信部150は、電波を利用した無線通信を行うために、制御部110で処理された電話帳データ、テキストデータ、画像データを含む各種データを変調して図示しない基地局を含む外部ネットワークに送信する。
【0024】
また、無線通信部150は、基地局経由で通信相手から通信網を介して送信されてくる電話帳データ、テキストデータ、画像データを含む各種データを受信し、受信した各種情報を復調して制御部110へ伝送する。
【0025】
加速度検出部160は、加速度を検出する検出素子と、検出素子からの信号を増幅、調整して出力する信号処理回路で構成され、携帯通信機器100に生じた移動を加速度として検出する。加速度検出部160は、例えば、3軸(X,Y,Z)の加速度成分を検出するものであれば、加速度成分として(ax,ay,az)を検出し、その合成したものを加速度aとして検出する。また、加速度検出部160は、加速度センサであってもよく、2軸以上を検出するものであればよい。
【0026】
制御部110は、非接触通信機能のロックを解除すると、加速度検出部160を起動する。また、制御部110は、加速度検出部160によって検出された加速度が、通常加速度の範囲内に含まれれば、通常加速度が検出されたと認識し、歩数計測部170にその旨を通知する。また、通常加速度が検出されたとの認識は、加速度検出部160によって検出された加速度の進行方向成分(ax,ay,az)pが通常加速度の範囲内であるかどうかによって決定される。
【0027】
なお、制御部110は、検出された加速度が通常加速度の範囲内である際には、その加速度が所有者の歩行によるものであるかを判定してもよい。その場合、制御部110は、所有者の歩行中であると判定された場合には、後述する歩数計測部170によって算出される歩数に関らず、ロック解除を維持してもよい。また、所有者が歩行中であるか否かの判定は、所有者によって予め入力された身長、体重、年齢、性別等の情報に基づいて算出された所有者の歩行パターンと照合することにより決定される。例えば、歩行パターンとは、加速度の鉛直下向きgの成分である加速度値(ax,ay,az)gを指してもよい。
【0028】
また、制御部110は、検出された加速度が、通常加速度の範囲の上限値を超えたものである場合、異常な加速度(以下、異常加速度)が検出されたと認識し、電子決済機能を再ロックする。ここで、異常加速度が検出されたとの認識は、上述の加速度の進行方向成分(ax,ay,az)pが通常加速度の範囲を超えたかによって決定される。また、通常加速度の範囲は、加速度の上限と下限の間の範囲からなる。ここで、通常加速度の範囲を超えたとは、その範囲の上限を超えた加速度若しくは下限未満の加速度を検出したことを指す。なお、上記の2種類の加速度の内いずれか片方の加速度を検出したことによって通常加速度の範囲を超えたとして認識してもよい。また、異常加速度には、携帯通信機器100の向きの変化(例えば、非接触通信機器200が下向きから上向きへ移動した場合)が含まれていてもよい。
【0029】
歩数計測部170は、制御部110から通知された加速度の情報に基づいて、それを歩数として積算する。例として、歩数計測部170は、現在の歩数が50歩の場合、さらに制御部110から通常加速度を検出した旨の通知が制御部110によってされると、現在の歩数にさらに1歩追加して歩数を51歩とする。
【0030】
時間計測部180は、タイマーで構成される。制御部110は、電子決済機能のロックが解除されると、時間計測部180を起動する。また、制御部110は、時間計測部180によって通知される時間が記憶部140に記憶されている所定の時間を超えると、電子決済機能を再ロックする。また、制御部110は、非接触通信機器200によって決済処理が実行され、さらなる決済処理を実行する旨の選択がされた場合、時間計測部180によって計測された時間をリセットする。その際に、時間計測部180は、リセット時を開始時とする再計測を開始する。
【0031】
非接触通信機器200は、非接触通信部210と、非接触通信制御部220と、非接触通信記憶部230と、を備える。また、例えば、非接触通信機器200は、Felicaチップ(Felica:登録商標)でもよい。
【0032】
非接触通信部210は、図示しないアンテナを有し、そのアンテナが図2に示す受信機器300に内蔵されたアンテナから発信される電磁波から情報又は電力を取得することで、受信機器300との通信を行う。また、非接触通信部210は、電子決済の目的となるユーザIDや電子マネー残高等のユーザ情報を送信する。また、受信機器300から送信された情報を受信する。例えば、非接触通信部210は、受信機器300との通信において、13.56MHzの周波数を利用し、212kbpsの速度で行われる。
【0033】
非接触通信制御部220は、非接触通信機器200を構成する各部の統括的な制御を行う。また、非接触通信制御部220は、制御部110から非接触通信を開始する旨の通知を受けると、非接触通信部210を起動し、非接触通信機億部230から送信に必要な情報を抽出する動作を行う。
【0034】
非接触通信記憶部230は、RAMやEPROM等の記憶手段を有し、非接触通信の目的となるユーザIDや電子マネーを含むユーザ側情報を記憶部140から取得し、一時的に記憶する。制御部110は、非接触通信によって保存された情報を非接触通信記憶部230に保存された情報を記憶部140へ保存する。なお、非接触通信記憶部230は、記憶部140との情報のやり取りを無くし、非接触通信に関する情報を全て記憶していてもよい。
(携帯通信機器100と受信機器300の構成)
また、図2は、本実施形態に係る携帯通信機器及び受信機器の外観を示す図である。
【0035】
図2に示すように、携帯通信機器100は、非接触通信機器200によって決済処理の際に受信機器300と非接触通信を行う。
【0036】
携帯通信機器100は、表示部側筐体と操作部側筐体とがヒンジ部を介して開閉可能に構成された折り畳み構造からなる。また、携帯通信機器100のヒンジ部は、表示部側筐体を開閉軸に対して厚さ方向に回転可能な2軸ヒンジによって構成され、非接触通信時においては表示部120側を外側に位置させている。表示部120には、非接触通信時において、受信機器300側と通信中である旨の表示がされる。
【0037】
受信機器300は、携帯通信機器100に備えられた非接触通信機器200の非接触通信部210によって送信される電子マネーやユーザIDを含むユーザ側情報を受信し、そのユーザ側情報に基づいて生成された新たなユーザ情報を送信する送受信部を備える。送受信部によって受信されたユーザ情報は、回線を通じて図示しないレジスタやサーバに送信され、そこで決済処理等の情報を付加した新たなユーザ情報が生成される。その新たなユーザ側情報は、前述の回線を通じてレジスタやサーバから受信機器300に送信され、前述の送受信部によって携帯通信機器100に送信される。
【0038】
なお、携帯通信機器100や受信機器300は、図2に示す構成に限られない。例えば、携帯通信機器100においては、表示部側筐体の外側にサブディスプレイを設けるものや、ヒンジ部を設けないストレート型のものでもよい。
<動作>
図3は、本実施形態に係る携帯通信機器の動作を示すフローチャートである。また、図4は、本実施形態に係る携帯通信機器の決済処理が行われた場合の表示部の画面遷移を示す図である。また、図5は、本実施形態に係る携帯通信機器の決済処理が行われなかった場合の表示部の画面遷移を示す図である。
【0039】
次に、図3のフローチャート及び図4、図5の表示部の画面遷移を示す図を参照しながら、携帯通信機器100と受信機器300との通信の流れについて説明する。
【0040】
制御部110は、操作入力部130により電子決済機能を起動する操作が行われると、ロック状態で電子決済機能を起動する(ステップS1)。制御部110は、表示部120にロック解除Noの入力を求める画面(図4:401、図5:501)を表示させる。操作入力部130によって所定のロック解除Noが入力されると、電子決済機能のロックが解除される(ステップS2:YES)。制御部110は、誤ったロック解除Noが入力された場合や、ロック解除Noが入力されなければ、表示部120にロック解除Noの入力画面が表示された状態で維持する(ステップS2:NO)。なお、誤ったロック解除Noが一定回数以上入力された場合や、一定時間以上、ロック解除Noが入力されなかった場合には、電子決済機能を終了してもよい。
【0041】
次に、制御部110は、ロックが解除されると(ステップS2:YES)、加速度検出部160を起動する(ステップS3)。なお、歩数計等の機能が既に起動されており、それに伴って加速度検出部160が起動されていた場合には、ここで新たに起動することなく、既に起動されている加速度検出部160をそのまま利用する。
【0042】
次に、制御部110は、時間計測部180によって時間計測をスタートさせ、決済処理待機状態となる(ステップS4)。表示部120には、現在の歩数及び時間が表示される(図4:402、図5:502)。次に、制御部110は、受信機器300との間で決済処理が実行されると(ステップS5)、表示部120には、決済処理中の表示と共に、決済処理がどの程度、完了しているかのメーター表示がされる(図4:403)。
【0043】
制御部110は、決済が完了すると、表示部120には、決済が完了した旨の表示がされ(図4:404)、さらなる決済処理の有無を判定する。この際、既にさらなる決済処理を行う設定がされている場合、さらなる決済処理有りと判定する(ステップS6:YES)。その場合、計測していた時間をリセットし(ステップS7)、ステップS4にて時間の計測を開始する(ステップS4)。また、制御部110は、さらなる決済処理は行わない設定がされている場合、さらなる決済処理なしと判定し(ステップS6:NO)、電子決済機能を再ロックする(ステップS13)。なお、制御部110は、さらなる決済処理を行うかを、決済処理が完了した段階で、操作入力部130の所定の操作によって決定してもよい(図4:405)。
【0044】
制御部110は、決済処理が実行されるまでは、加速度検出部160によって検出された加速度及び時間計測部180によって計測された時間に基づき、再ロックを実行するかの判定を行う。
【0045】
まず、制御部110は、決済処理が実行中ではない決済処理待機状態において(ステップS5:NO)、加速度検出部160によって携帯通信機器100の移動に基づく加速度を検出した際に、その加速度が一定の範囲内に含まれるかどうか判定する。ここで、加速度が一定の範囲内に含まれると判定すると、通常加速度を検出したと認識し(ステップS8:YES)、その旨を歩数計測部170に通知することで、歩数を更新する(ステップS9)。
【0046】
さらに、制御部110は、更新した歩数が所定の歩数を超えた場合に(ステップS10:YES)(図5:503)、電子決済機能を再ロックする(ステップS13)(図5:504)。
【0047】
続いて、制御部110は、更新した歩数が所定の歩数未満の場合でも(ステップS10:NO)、計測された時間が所定の時間を超えた場合には(ステップS11:YES)、電子決済機能を再ロックする(ステップS13)(図5:504)。
【0048】
また、制御部110は、計測された時間が所定の時間未満の場合には(ステップS11:NO)、ステップS5に戻り、決済処理待機状態を維持する。
【0049】
ステップS8において、検出された加速度が通常加速度では無いと認識された場合(ステップS8:NO)、制御部110は、さらにその加速度が異常加速度であるかを判定する。そこで、その加速度が一定の範囲内の上限値を超えている場合、制御部110は、その加速度を異常加速度であると認識し(ステップS12:YES)、電子決済機能を再ロックする(ステップS13)(図5:505)。
【0050】
また、ステップS8において、検出された加速度が一定の範囲内の下限値未満の場合、制御部110は、その加速度を通常加速度及び異常加速度のどちらでもないと認識し(ステップS12:NO)、ステップS11へ移動する。
【0051】
ステップS13において、電子決済機能が再ロックされた場合、制御部110は、表示部120にロック解除Noの入力を求める表示(図4:401、図5:501)をさせる。また、制御部110は、時間計測部180における時間計測を終了させる(ステップS14)と共に、加速度検出部160を終了させる(ステップS15)。なお、加速度検出部160は、電子決済機能の起動前から起動されていた場合には、終了させなくてもよい。
【0052】
制御部110は、操作入力部130の操作により、電子決済機能を終了させてもよいし、ロック解除Noが入力されることで、電子決済機能を継続してもよい。
【0053】
なお、決済処理中(S5:YES)(図4:403)に異常な加速度を検出した場合、制御部110は、電子決済機能の再ロックを実行してもよい。
【0054】
また、本実施形態において、図4及び図5に示すように、ロック解除の手段としてロックNoの入力に限定される訳ではなく、例えば、指紋認証や顔認証等の生体認証によってロックが解除されてもよい。
【0055】
また、本実施形態において、図4及び図5に示すように、表示部120に現在の歩数や時間若しくは決済処理の進行度を表示するように限定される訳ではなく、例えばロック解除Noの入力時以外は、表示部120には何も表示しなくてもよい。
【0056】
以上、説明したように、本実施形態における携帯通信機器100は、加速度検出手段によって通常加速度を検出した際には歩行として歩数を計測し、異常加速度を検出した際には電子決済機能をロックするので、第3者に奪われたことを高い確率で認識し、自動的に電子決済機能をロックすることで、第3者による電子決済機能の悪用を防止するという効果を有する。
【0057】
また、携帯通信機器100は、加速度検出部160によって検出される加速度が通常加速度の範囲外の場合に、電子決済機能をロックするので、第3者による電子決済機能の悪用を防止することができる。
【0058】
また、携帯通信機器100は、加速度検出部160によって検出される加速度が通常加速度を超える場合に、電子決済機能をロックするので、第3者による電子決済機能の悪用を高い精度で防止することができる。
【0059】
また、携帯通信機器100は、歩数計測部180によって計測された歩数が所定の歩数を超えた場合に、電子決済機能をロックするので、異常加速度を検出できなかった場合にも、第3者による電子決済機能の悪用を防止することができる。
【0060】
また、携帯通信機器100は、電子決済機能の再ロックが実行されると、加速度検出手段を終了することにより、消費電力を低減することができる。
【0061】
また、携帯通信機器100は、加速度検出部160によって検出された加速度に基づいて通常加速度を更新することにより、より高い精度で携帯通信機器100の保持者が所有者であるか否かを判定することにより第3者による電子決済機能の悪用を防止することができる。
【0062】
以上、本発明の実施形態を図面を参照して説明した。もちろん、本発明の構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成等も含まれる。
【0063】
また、本発明は、上記の実施例で述べた電子決済機能には限定されない。例えば、非接触通信を個人認証として使用する場合も本発明に含まれると解する。
【符号の説明】
【0064】
100 携帯通信機器
110 制御部(制御手段)
120 表示部
130 操作入力部
140 記憶部
150 無線通信部
160 加速度検出部(加速度検出手段)
170 歩数計測部(歩数計測手段)
180 時間計測部(時間計測手段)
200 非接触通信機器
210 非接触通信部
220 非接触通信制御部
230 非接触通信記憶部
300 受信機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯通信機器の移動における加速度を検出する加速度検出手段と、
該加速度検出手段によって、第1の範囲を超える加速度が検出された場合、所定の機能を制限する制御手段と、
を備える携帯通信機器。
【請求項2】
前記制御手段は、前記加速度検出手段によって、前記第1の範囲の上限を超える加速度が検出された場合、前記所定の機能を制限することを特徴とする請求項1に記載の携帯通信機器。
【請求項3】
前記加速度検出手段によって、前記第1の範囲内の加速度が検出された場合、当該加速度に基づいて歩数を計測する歩数計測手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記歩数計測手段によって計測された歩数が第1の歩数を超える場合、前記所定の機能を制限することを特徴とする請求項1又は2のいずれか一項に記載の携帯通信機器。
【請求項4】
前記制御手段は、前記所定の機能が制限されると、前記加速度検出手段による検出を終了することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の携帯通信機器。
【請求項5】
前記制御手段は、前記加速度検出手段によって検出された加速度に基づいて前記第1の範囲を更新することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の携帯通信機器。
【請求項6】
携帯通信機器の移動における加速度を検出する加速度検出工程と、
該加速度検出手段によって、第1の範囲を超える加速度を検出した場合、所定の機能を制限する制御工程と、
を含むことを特徴とする機能制御方法。

【図1】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2011−205278(P2011−205278A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−69245(P2010−69245)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】