携帯電子機器、制御方法および制御プログラム
【課題】利用者の利便性を向上させること。
【解決手段】携帯電話端末(携帯電子機器)1は、タッチパネル2を有する第1の筐体と、タッチパネル3を有する第2の筐体と、タッチパネル2およびタッチパネル3への情報の表示を制御する主制御部10とを備える。主制御部10は、携帯電子機器1が、タッチパネル2を外部へ露出させたままでタッチパネル3を第1の筐体が覆い隠すように第1の筐体と第2の筐体とが重なり合う第1の形態から、タッチパネル2およびタッチパネル3が外部へ露出する第2の形態へ変化した場合に、タッチパネル2に表示されているアイコンのうち、選択されているアイコンに対応する機能を起動させ、当該機能に対応する画面をタッチパネル3に表示させる。
【解決手段】携帯電話端末(携帯電子機器)1は、タッチパネル2を有する第1の筐体と、タッチパネル3を有する第2の筐体と、タッチパネル2およびタッチパネル3への情報の表示を制御する主制御部10とを備える。主制御部10は、携帯電子機器1が、タッチパネル2を外部へ露出させたままでタッチパネル3を第1の筐体が覆い隠すように第1の筐体と第2の筐体とが重なり合う第1の形態から、タッチパネル2およびタッチパネル3が外部へ露出する第2の形態へ変化した場合に、タッチパネル2に表示されているアイコンのうち、選択されているアイコンに対応する機能を起動させ、当該機能に対応する画面をタッチパネル3に表示させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電子機器、制御方法および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、直感的な操作を可能にするとともに、キーボードのように物理的に大きな面積を必要とするデバイスを具備しない小型の携帯電子機器を実現するために、タッチパネルが広く利用されるようになっている。また、特許文献1では、2つのタッチパネルを有し、2つのタッチパネルが露出する開状態と1つのタッチパネルのみが露出する閉状態のいずれかに変位し、開状態にて受信した発信元へ、閉状態への変位を契機として発信をする携帯電話端末が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−164794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献1に記載されている従来技術は、通話に関する操作について利用者の利便性を向上させることができるものの、携帯電子機器が有するその他の機能に関する操作については特に考慮されていない。近年の携帯電子機器は多種多様な機能を備えるようになっており、通話以外の機能の操作についても利用者の利便性を向上させることが要望されている。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者の利便性を向上させることができる携帯電子機器、制御方法および制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、第1の表示部を有する第1の筐体と、第2の表示部を有する第2の筐体と、前記第1の表示部および前記第2の表示部への情報の表示を制御する制御部とを備える携帯電子機器であって、前記制御部は、前記携帯電子機器が、第1の表示部を外部へ露出させたままで前記第2の表示部を前記第1の筐体が覆い隠すように前記第1の筐体と前記第2の筐体とが重なり合う第1の形態から、前記第1の表示部および前記第2の表示部が外部へ露出する第2の形態へ変化した場合に、前記第1の表示部に表示されているアイコンのうち、選択されているアイコンに対応する機能を起動させ、当該機能に対応する画面を前記第2の表示部に表示させることを特徴とする。
【0007】
ここで、前記制御部は、前記携帯電子機器が、前記第2の形態から前記第1の形態へ変化した場合に、前記第2の表示部に表示されている画面に対応する機能が実行される状態ならば、当該機能を中断させ、当該機能が中断中であることを示すアイコンを前記第1の表示部に表示させることが好ましい。
【0008】
また、前記制御部は、前記携帯電子機器が、前記第1の形態から前記第2の形態へ変化した場合に、前記選択されているアイコンが、前記機能が中断中であることを示すアイコンであれば、当該アイコンに対応する機能を再開させ、当該機能に対応する画面を前記第2の表示部に表示させることが好ましい。
【0009】
また、前記制御部は、前記中断中であることを示すアイコンに対応する機能を再開させた後に、当該アイコンを前記第1の表示部から消去することが好ましい。
【0010】
また、前記制御部は、前記第1の表示部に表示されているアイコンが選択された場合に、当該アイコンに対応する機能に関する情報を前記第1の表示部に表示することが好ましい。
【0011】
また、前記制御部は、前記第1の表示部に表示されているアイコンに対する所定の操作が検出された場合に、当該アイコンに対応する機能を起動させ、当該機能に対応する画面を前記第1の表示部に表示させることが好ましい。
【0012】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、第1の表示部を有する第1の筐体と、第2の表示部を有する第2の筐体と、前記第1の表示部および前記第2の表示部への情報の表示を制御する制御部とを備える携帯電子機器の制御方法であって、前記携帯電子機器が、第1の表示部を外部へ露出させたままで前記第2の表示部を前記第1の筐体が覆い隠すように前記第1の筐体と前記第2の筐体とが重なり合う第1の形態から、前記第1の表示部および前記第2の表示部が外部へ露出する第2の形態へ変化したことを検出するステップと、前記携帯電子機器が前記第2の形態へしたことが検出された場合に、前記第1の表示部に表示されているアイコンのうち、選択されているアイコンに対応する機能を起動させ、当該機能に対応する画面を前記第2の表示部に表示させるステップとを含むことを特徴とする。
【0013】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御プログラムであって、第1の表示部を有する第1の筐体と、第2の表示部を有する第2の筐体と、前記第1の表示部および前記第2の表示部への情報の表示を制御する制御部とを備える携帯電子機器に、前記携帯電子機器が、第1の表示部を外部へ露出させたままで前記第2の表示部を前記第1の筐体が覆い隠すように前記第1の筐体と前記第2の筐体とが重なり合う第1の形態から、前記第1の表示部および前記第2の表示部が外部へ露出する第2の形態へ変化したことを検出するステップと、前記携帯電子機器が前記第2の形態へしたことが検出された場合に、前記第1の表示部に表示されているアイコンのうち、選択されているアイコンに対応する機能を起動させ、当該機能に対応する画面を前記第2の表示部に表示させるステップとを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る携帯電子機器、制御方法および制御プログラムは、利用者の利便性を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、第1の形態にある携帯電話端末の斜視図である。
【図2】図2は、第2の形態にある携帯電話端末の斜視図である。
【図3】図3は、形態の変化と連動して機能を起動させる例を示す図である。
【図4】図4は、形態の変化と連動して機能を中断させる例を示す図である。
【図5】図5は、形態の変化と連動して機能を再開させる例を示す図である。
【図6】図6は、中断中の機能を上画面で再開させる例を示す図である。
【図7】図7は、アイコンに関する説明を表示させる例を示す図である。
【図8】図8は、アイコンに関する説明を表示させる他の例を示す図である。
【図9】図9は、携帯電話端末の機能的な構成を示すブロック図である。
【図10】図10は、アイコンデータの一例を示す図である。
【図11】図11は、上画面でアイコンに対する操作が検出された場合の処理手順を示すフロー図である。
【図12】図12は、携帯電話端末の形態が変化した場合の処理手順を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。以下においては、携帯電子機器として携帯電話端末を例として説明するが、本発明の適用対象は携帯電話端末に限定されるものではなく、タッチパネルを備える各種装置、例えば、PHS(Personal Handyphone System)、PDA、ポータブルナビゲーション装置、パーソナルコンピュータ、ゲーム機等に対しても本発明は適用できる。
【0017】
(実施形態)
まず、図1および図2を参照しながら、本発明に係る携帯電子機器の一実施形態である携帯電話端末1の外観について説明する。図1は、第1の形態にある携帯電話端末1の斜視図であり、図2は、第2の形態にある携帯電話端末1の斜視図である。携帯電話端末1は、第1の筐体1Aと、第2の筐体1Bとを有する。第1の筐体1Aは、第2の筐体1Bに対して矢印Aの方向に相対的にスライド可能に構成されている。
【0018】
第1の筐体1Aは、第2の筐体1Bと対向する面と反対側の面にタッチパネル2を有する。第2の筐体1Bは、第1の筐体1Aと対向する面にタッチパネル3を有する。タッチパネル2およびタッチパネル3は、文字、図形、画像等を表示するとともに、利用者が指やスタイラス等(以下、単に「指」という)を用いて当該タッチパネルに対して行う各種操作を検出する。タッチパネル3は、第1の筐体1Aと第2の筐体1Bとが重なり合う第1の形態では第1の筐体1Aによって覆い隠され、第1の筐体1Aが矢印Aの方向にスライドした第2の形態では外部に露出する。
【0019】
第1の形態は、利用者が携帯電話端末1を持ち運ぶのに適した形態であり、この形態でも利用者は、タッチパネル2に表示される情報を参照したり、タッチパネル2を指で操作して情報を入力したりすることができる。第2の形態は、利用者が携帯電話端末1を利用するのに適した形態であり、利用者は、タッチパネル2とタッチパネル3とを併用して、より多くの情報を参照することができる。
【0020】
なお、以下の説明では、常時外部に露出しているタッチパネル2を上画面2と呼び、第1の形態では第1の筐体1Aによって覆い隠され第2の形態では外部に露出するタッチパネル3を下画面3と呼ぶことがある。
【0021】
次に、図3から図5を参照しながら、携帯電話端末1が形態の変化と連動して機能を制御する方式について説明する。図3は、形態の変化と連動して機能を起動させる例を示す図である。図4は、形態の変化と連動して機能を中断させる例を示す図である。図5は、形態の変化と連動して機能を再開させる例を示す図である。
【0022】
図3に示すステップS11では、携帯電話端末1は第1の形態にあり、上画面2にはアイコン21とアイコン22とが配置された待受画面が表示されている。アイコン21は、WEBブラウジング機能を新規に起動させるために用いられる絵文字であり、アイコン22は、電子メール機能を新規に起動させるために用いられる絵文字である。
【0023】
ここで、待受画面とは、電話の発着信を待ち受けている状態の画面、または、アプリケーションプログラムの起動を待ち受けている状態の画面である。換言すると、待受画面は、携帯電話端末1が提供する各種機能画面へ画面が変わる前の画面である。なお、待受画面は、例えば、デスクトップ画面、ホーム画面、または、壁紙と呼ばれることもある。また、図3に示した例では、無地の画面が待受画面として表示されているが、画像データやアニメーションデータを待受画面として表示してもよい。また、待受画面の一部として、カレンダや時計のように動的に変化する部分が含まれていてもよい。
【0024】
ここで、ステップS12として、利用者がアイコン22に対してシングルタップ操作を行うと、携帯電話端末1は、アイコン22を選択状態にする。携帯電話端末1は、選択状態となったアイコン22を、例えば、明度を低下させることによって、他のアイコンと識別可能にする。なお、シングルタップ操作とは、アイコン等を軽くたたくように、指をタッチパネルに接触させた後にすぐ離す動作を一度だけ行う操作をいう。
【0025】
そして、アイコン22が選択状態にあるときに、ステップS13として、利用者が携帯電話端末1を第1の形態から第2の形態へ変化させたとする。この場合、携帯電話端末1は、選択状態にあるアイコン22に対応する電子メール機能を下画面3で起動させる。ここで、「電子メール機能を下画面3で起動させる」とは、電子メール機能を起動させ、電子メール機能が提供する画面(ウインドウ)を下画面3に表示させることを意味する。
【0026】
このように、携帯電話端末1は、第1の形態から第2の形態へ変化する際に、上画面2において選択状態となっているアイコンがあれば、そのアイコンに対応する機能を下画面3で起動させる。このため、利用者は、携帯電話端末1を第1の形態にして持ち歩いている最中に下画面3で何らかの機能を起動させたくなった場合には、その機能に対応するアイコンを上画面2で選択状態にすることにより、携帯電話端末1を第2の形態へ変形させて下画面3を露出させる動作と連動して、希望する機能を下画面3で起動させることができる。
【0027】
そして、図4のステップS21のように下画面3で電子メール機能が起動されている状態で、利用者が携帯電話端末1を第1の形態へ変化させたものとする。この場合、携帯電話端末1は、ステップS22として、下画面3で起動していた電子メール機能を中断させ、電子メール機能が中断中であることを示すアイコン23を上画面に表示させる。
【0028】
アイコン23は、電子メール機能を起動させるためのアイコン22と同様の外観を有するが、対応する機能が中断中であることを識別できるように「!(イクスクラメーションマーク)」が付加されている。なお、「!」を付加するのは一例であり、中断中の機能を示すアイコンは、機能を新規に起動するためのアイコンと何らかのやり方で区別できればよい。例えば、中断直前の下画面3のサムネイル画像をアイコン23として表示してもよい。
【0029】
このように、利用者が携帯電話端末1を第2の形態にして下画面3で何らかの機能を利用している最中に何らかの理由で利用を中断しなければならなくなった場合、利用者は、携帯電話端末1を第1の形態へ戻すことによって機能を中断させることができる。すなわち、利用者は、携帯電話端末1を持ち運びが容易な第1の形態へ戻すことによって、下画面3で起動している機能を中断させ、そのまま携帯電話端末1を手に持って持ち運んだり、かばんにしまったりすることができる。
【0030】
そして、図5のステップS31のように、中断されている機能に対応するアイコン23が上画面2に表示されている状態で、利用者が、中断されている機能を再開したくなったものとする。この場合、利用者は、ステップS32として、アイコン23に対してシングルタップ操作を行う。携帯電話端末1は、アイコン23に対してシングルタップ操作が行われると、アイコン23を選択状態にする。
【0031】
そして、アイコン23が選択状態にあるときに利用者がステップS33として携帯電話端末1を第1の形態から第2の形態へ変化させると、携帯電話端末1は、アイコン23に対応する電子メール機能を下画面3で再開させる。また、携帯電話端末1は、電子メール機能を再開させたことにともなって、アイコン23を上画面2から削除する。
【0032】
このように、携帯電話端末1は、第1の形態から第2の形態へ変化する際に、中断中の機能に対応するアイコンが上画面2において選択状態となっていれば、そのアイコンに対応する機能を下画面3で再開させる。このため、利用者は、下画面3で起動していた機能を再開させたくなった場合には、その機能に対応するアイコンを上画面2で選択状態にすることにより、携帯電話端末1を第2の形態へ変形させて下画面3を露出させる動作と連動して、希望する機能を下画面3で再開させることができる。
【0033】
なお、中断中の機能を下画面3ではなく、上画面2で再開させることもできる。図6を参照しながら、中断中の機能を上画面2で再開させる例について説明する。
【0034】
図6のステップS41のように、中断されている機能に対応するアイコン23が上画面2に表示されている状態で、利用者が、アイコン23に対してダブルタップ操作を行ったものとする。なお、ダブルタップ操作とは、アイコン等を軽くたたくように、指をタッチパネルに接触させた後にすぐ離す動作を二度繰り返して行う操作をいう。
【0035】
この場合、携帯電話端末1は、ステップS42として、アイコン23に対応する電子メール機能を下画面3ではなく、上画面2で再開させる。このとき、携帯電話端末1は、電子メール機能を再開させたことにともなって、アイコン23を上画面2から削除する。その結果、利用者が電子メール機能を終了させた後、ステップS43に示すように、上画面2にはアイコン23が表示されなくなる。
【0036】
また、利用者は、表示されているアイコンの詳細について、所定の操作を行うことで知ることができる。例えば、図7のステップS51のように、電子メール機能に対応するアイコン22が上画面2に表示されている状態で、利用者が、アイコン22に対してロングタップ操作を行ったものとする。なお、ロングタップ操作とは、アイコン等を押し込むように、指をタッチパネルに所定の時間よりも長く接触させた後に離す操作をいう。
【0037】
この場合、携帯電話端末1は、ステップS52として、アイコン22を選択状態にし、アイコン22に対応する機能が電子メール機能であることを示す吹き出し24等を上画面2に表示することで、アイコン22に対応する機能が何であるかを利用者に通知する。
【0038】
同様に、図8のステップS61のように、中断中の電子メール機能に対応するアイコン23が上画面2に表示されている状態で、利用者が、アイコン23に対してロングタップ操作を行ったものとする。この場合、携帯電話端末1は、ステップS62として、アイコン23を選択状態にし、アイコン23に対応する機能が電子メール機能であり、メール作成を実行中に中断されたことを示す吹き出し25等を上画面2に表示することで、アイコン23に対応する機能が何であり、どのような処理を実行中に中断されたのかを利用者に通知する。
【0039】
次に、図9を参照しながら、携帯電話端末1の機能的な構成について説明する。図9は、携帯電話端末1の機能的な構成を示すブロック図である。図9に示すように携帯電話端末1は、タッチパネル2と、タッチパネル3と、姿勢検出部4と、電源部5と、通信部6と、スピーカ7と、マイク8と、記憶部9と、主制御部10と、RAM(Random Access Memory)11とを有する。なお、タッチパネル2が第1の筐体1Aに設けられ、タッチパネル3が第2の筐体1Bに設けられることを除いて、各部位は、第1の筐体1Aと第2の筐体1Bのいずれに設けられてもよい。
【0040】
タッチパネル2は、表示部2Bと、表示部2Bに重畳されたタッチセンサ2Aとを有する。タッチパネル3は、表示部3Bと、表示部3Bに重畳されたタッチセンサ3Aとを有する。タッチセンサ2Aおよびタッチセンサ3Aは、指を用いて表面に対して行われた各種操作を、操作が行われた位置とともに検出する。タッチセンサ2Aおよびタッチセンサ3Aによって検出される操作には、シングルタップ操作、ダブルタップ操作、ロングタップ操作等が含まれる。表示部2Bおよび表示部3Bは、例えば、液晶ディスプレイ(LCD、Liquid Crystal Display)や、有機EL(Organic Electro−Luminescence)パネルなどで構成され、文字、図形、画像等を表示する。
【0041】
姿勢検出部4は、携帯電話端末1が第1の形態にあるのか、第2の形態にあるのかを検出する。姿勢検出部4は、例えば、第1の筐体1Aと第2の筐体1Bとが対向する面に設けられた機械的なスイッチによって携帯電話端末1の姿勢を検出する。
【0042】
電源部5は、蓄電池または外部電源から得られる電力を、主制御部10を含む携帯電話端末1の各機能部へ供給する。通信部6は、基地局によって割り当てられるチャネルを介し、基地局との間でCDMA方式などによる無線信号回線を確立し、基地局との間で電話通信及び情報通信を行う。スピーカ7は、電話通信における相手側の音声や着信音等を出力する。マイク8は、利用者等の音声を電気的な信号へ変換する。
【0043】
記憶部9は、例えば、不揮発性メモリや磁気記憶装置であり、主制御部10での処理に利用されるプログラムやデータを保存する。具体的には、記憶部9は、電子メール機能を実現するためのメールプログラム9Aや、WEBブラウジング機能を実現するためのブラウザプログラム9Bや、上述したような機能の制御を実現するための制御プログラム9Cや、画面上に表示されるアイコンに関する情報が格納されたアイコンデータ9Dを記憶する。記憶部9には、その他に、携帯電話端末1の基本的な機能を実現するオペレーティングシステムプログラムや、氏名、電話番号、メールアドレス等が登録されたアドレス帳データ等の他のプログラムやデータも記憶される。
【0044】
ここで、アイコンデータ9Dについて、図10を参照しながら説明する。図10は、アイコンデータ9Dの一例を示す図である。図10に示すように、アイコンデータ9Dは、ID、対応機能、表示位置、絵文字、中断中プロセス、選択といった項目を有する。IDの項目には、アイコンの識別番号が格納される。対応機能の項目には、アイコンに対応する機能を特定するための情報が格納される。表示位置の項目には、アイコンが表示される位置を特定する情報が格納される。
【0045】
絵文字の項目には、アイコンとして表示される絵文字(画像)を特定するための情報が格納される。中断中プロセスの項目には、対応する機能が中断中の場合に、中断中の機能の実態であるプロセスの番号が格納される。ここで、プロセスとは、主制御部10によってRAM11に展開され、実行可能状態となったプログラムである。なお、対応する機能を新規に起動されるアイコンの場合、中断中プロセスの項目は空欄となる。選択の項目には、アイコンが選択状態にあるか否かを示す値が格納される。例えば、選択の項目に「1」が格納されていることは、対応するアイコンが選択状態であることを示し、選択の項目に「0」が格納されていることは、対応するアイコンが選択状態でないことを示す。
【0046】
主制御部10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)であり、携帯電話端末1の動作を統括的に制御する。具体的には、主制御部10は、記憶部9に記憶されているデータを必要に応じて参照しつつ、記憶部9に記憶されているプログラムを実行して、タッチパネル2、通信部6等を制御することによって各種処理を実行する。主制御部10は、記憶部9に記憶されているプログラムや、処理を実行することによって取得/生成/加工されたデータを、一時的な記憶領域を提供するRAM11に必要に応じて展開する。なお、主制御部10が実行するプログラムや参照するデータは、通信部6による無線通信でサーバ装置からダウンロードすることとしてもよい。
【0047】
例えば、主制御部10は、メールプログラム9Aを実行することによって、電子メール機能を実現する。また、主制御部10は、制御プログラム9Cを実行することによって、利用者の操作や携帯電話端末1の形態の変化に応じて、各種プログラムの実行状態を制御する。
【0048】
次に、図11および図12を参照しながら、制御プログラム9Cに基づいて主制御部10が実行する処理手順について説明する。なお、図11および図12に示す処理手順は、携帯電話端末1が動作している間、繰り返して実行される。
【0049】
図11は、上画面2でアイコンに対する操作が検出された場合の処理手順を示すフロー図である。図11に示すように、主制御部10は、ステップS101として、タッチパネル(上画面)2の検出結果を取得する。そして、タッチパネル2で検出された操作がアイコンに対するシングルタップ操作であった場合(ステップS102,Yes)、主制御部10は、ステップS103として、アイコンデータ9Dを参照して、タップされたアイコンが選択状態にあるか否かを確認する。
【0050】
ここで、タップされたアイコンが選択状態にない場合(ステップS104,No)、主制御部10は、ステップS105として、他のアイコンの選択状態を解除し、ステップS106として、タップされたアイコンを選択状態にする。一方、タップされたアイコンが選択状態にある場合(ステップS104,Yes)、主制御部10は、ステップS107として、タップされたアイコンの選択状態を解除する。なお、選択状態の設定および解除は、アイコンデータ9Dの選択の項目の値を更新するとともに、上画面2でのアイコンの表示態様を変更することによって行われる。
【0051】
また、タッチパネル2で検出された操作がアイコンに対するロングタップ操作であった場合(ステップS102,No、かつ、ステップS108,Yes)、主制御部10は、ステップS109として、他のアイコンの選択状態を解除し、ステップS110として、タップされたアイコンを選択状態にする。そして、主制御部10は、ステップS111として、タップされたアイコンの説明を吹き出し等の形式で上画面2に表示する。具体的には、主制御部10は、アイコンデータ9Dを参照し、タップされたアイコンが新規に機能を起動させるためのものであれば、その機能に関する説明を表示する。一方、タップされたアイコンが中断された機能に対応するものであれば、主制御部10は、その機能に関する説明と中断時の実行状況に関する説明とを表示する。
【0052】
また、タッチパネル2で検出された操作がアイコンに対するダブルタップ操作であった場合(ステップS108,No、かつ、ステップS112,Yes)、主制御部10は、ステップS113として、アイコンデータ9Dを参照して、タップされたアイコンが中断された機能に対応するものであるか否かを確認する。そして、タップされたアイコンが中断された機能に対応するものでなければ(ステップS114,No)、主制御部10は、ステップS115として、タップされたアイコンに対応する機能を上画面2で新規に起動させる。
【0053】
一方、タップされたアイコンが中断された機能に対応するものであれば(ステップS114,Yes)、主制御部10は、ステップS116として、タップされたアイコンに対応する機能を上画面2で再開させる。そして、主制御部10は、ステップS117として、タップされたアイコンを削除する。
【0054】
図12は、携帯電話端末1の形態が変化した場合の処理手順を示すフロー図である。図12に示すように、主制御部10は、ステップS201として、姿勢検出部4の検出結果を取得する。
【0055】
そして、姿勢検出部4で第1の状態から第2の状態への変化、すなわち、閉状態から開状態への変化が検出されていた場合(ステップS202,Yes)、主制御部10は、ステップS203として、アイコンデータ9Dを参照して、選択状態にあるアイコンを探索する。ここで、選択状態にあるアイコンがない場合(ステップS204,No)、主制御部10は、特に処理を行わない。
【0056】
一方、選択状態にあるアイコンがあった場合(ステップS204,Yes)、主制御部10は、ステップS205として、そのアイコンが中断された機能に対応するものであるかを判定する。そして、選択状態にあるアイコンが中断された機能に対応するものでなければ(ステップS205,No)、主制御部10は、ステップS206として、選択状態にあるアイコンに対応する機能を下画面3で新規に起動させる。また、選択状態にあるアイコンが中断された機能に対応するものであれば(ステップS205,Yes)、主制御部10は、ステップS207として、選択状態にあるアイコンに対応する機能を下画面3で再開させる。そして、主制御部10は、ステップS208として、選択状態にあるアイコンを削除する。
【0057】
また、姿勢検出部4で第2の状態から第1の状態への変化、すなわち、開状態から閉状態への変化が検出されていた場合(ステップS202,No、かつ、ステップS209,Yes)、主制御部10は、ステップS210として、下画面3での機能の起動状況を取得する。機能の起動状況は、例えば、RAM11上に設けられたプロセス管理用のテーブルから取得できる。
【0058】
そして、下画面3で起動中の機能があった場合(ステップS211,Yes)、主制御部10は、ステップS212として、起動している機能を中断させ、ステップS213として、中断させた機能に対応するアイコンを上画面2に追加する。このとき、主制御部10は、アイコンデータ9Dにも、中断させた機能に対応するアイコンに関する情報を追加する。一方、下画面3で起動中の機能がない場合(ステップS211,No)、主制御部10は、特に処理を行わない。
【0059】
上述してきたように、本実施形態では、携帯電話端末1の形態の変化と連動して、機能の起動、中断、再開を行うこととしたので、機能の起動等に関する操作を簡略化し、利用者の利便性を向上させることができる。
【0060】
なお、上記の各実施形態で示した本発明の態様は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更することができる。例えば、制御プログラム9Cは、複数のモジュールに分割されていてもよいし、他のプログラムと統合されていてもよい。
【0061】
また、上記の実施形態では、シングルタップ操作によってアイコンが選択状態となり、ダブルタップ操作によってアイコンに対応する機能が同一画面上で起動され、ロングタップ操作によってアイコンを選択状態としつつアイコンに関する説明が表示されることとしたが、操作の割り当てはこの通りである必要はない。例えば、ロングタップ操作によってアイコンが選択状態となり、シングルタップ操作によってアイコンに対応する機能が同一画面上で起動され、ダブルタップ操作によってアイコンを選択状態としつつアイコンに関する説明が表示されることとしてもよい。また、シングルタップ操作等によってタップされたアイコンの近傍にメニューを表示し、アイコンに関連してどのような処理を行うかを利用者に選択させてもよい。
【0062】
また、上記の実施形態では、第1の筐体1Aが第2の筐体1Bに対して相対的にスライドすることによって携帯電話端末1が第1の形態から第2の形態へ変化することとしたが、第1の形態から第2の形態への変化はこのようなスライド動作以外によって実現されてもよい。例えば、携帯電話端末1は、第1の筐体1Aと第2の筐体1Bとを2軸回転式ヒンジで結合した折り畳み式の端末であってもよく、この場合、ヒンジの2つの軸を回転軸として第1の筐体1Aと第2の筐体1Bを相対的に回転させることによって形態の変化が実現される。
【産業上の利用可能性】
【0063】
以上のように、本発明に係る携帯電子機器、制御方法および制御プログラムは、機能の制御に有効であり、操作について利用者の利便性を向上させることが必要な場合に特に適している。
【符号の説明】
【0064】
1 携帯電話端末
1A 第1の筐体
1B 第2の筐体
2 タッチパネル(上画面)
2A、3A タッチセンサ
2B、3B 表示部
3 タッチパネル(下画面)
4 姿勢検出部
5 電源部
6 通信部
7 スピーカ
8 マイク
9 記憶部
9A メールプログラム
9B ブラウザプログラム
9C 制御プログラム
9D アイコンデータ
10 主制御部
11 RAM
21〜23 アイコン
24、25 吹き出し
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電子機器、制御方法および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、直感的な操作を可能にするとともに、キーボードのように物理的に大きな面積を必要とするデバイスを具備しない小型の携帯電子機器を実現するために、タッチパネルが広く利用されるようになっている。また、特許文献1では、2つのタッチパネルを有し、2つのタッチパネルが露出する開状態と1つのタッチパネルのみが露出する閉状態のいずれかに変位し、開状態にて受信した発信元へ、閉状態への変位を契機として発信をする携帯電話端末が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−164794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献1に記載されている従来技術は、通話に関する操作について利用者の利便性を向上させることができるものの、携帯電子機器が有するその他の機能に関する操作については特に考慮されていない。近年の携帯電子機器は多種多様な機能を備えるようになっており、通話以外の機能の操作についても利用者の利便性を向上させることが要望されている。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者の利便性を向上させることができる携帯電子機器、制御方法および制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、第1の表示部を有する第1の筐体と、第2の表示部を有する第2の筐体と、前記第1の表示部および前記第2の表示部への情報の表示を制御する制御部とを備える携帯電子機器であって、前記制御部は、前記携帯電子機器が、第1の表示部を外部へ露出させたままで前記第2の表示部を前記第1の筐体が覆い隠すように前記第1の筐体と前記第2の筐体とが重なり合う第1の形態から、前記第1の表示部および前記第2の表示部が外部へ露出する第2の形態へ変化した場合に、前記第1の表示部に表示されているアイコンのうち、選択されているアイコンに対応する機能を起動させ、当該機能に対応する画面を前記第2の表示部に表示させることを特徴とする。
【0007】
ここで、前記制御部は、前記携帯電子機器が、前記第2の形態から前記第1の形態へ変化した場合に、前記第2の表示部に表示されている画面に対応する機能が実行される状態ならば、当該機能を中断させ、当該機能が中断中であることを示すアイコンを前記第1の表示部に表示させることが好ましい。
【0008】
また、前記制御部は、前記携帯電子機器が、前記第1の形態から前記第2の形態へ変化した場合に、前記選択されているアイコンが、前記機能が中断中であることを示すアイコンであれば、当該アイコンに対応する機能を再開させ、当該機能に対応する画面を前記第2の表示部に表示させることが好ましい。
【0009】
また、前記制御部は、前記中断中であることを示すアイコンに対応する機能を再開させた後に、当該アイコンを前記第1の表示部から消去することが好ましい。
【0010】
また、前記制御部は、前記第1の表示部に表示されているアイコンが選択された場合に、当該アイコンに対応する機能に関する情報を前記第1の表示部に表示することが好ましい。
【0011】
また、前記制御部は、前記第1の表示部に表示されているアイコンに対する所定の操作が検出された場合に、当該アイコンに対応する機能を起動させ、当該機能に対応する画面を前記第1の表示部に表示させることが好ましい。
【0012】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、第1の表示部を有する第1の筐体と、第2の表示部を有する第2の筐体と、前記第1の表示部および前記第2の表示部への情報の表示を制御する制御部とを備える携帯電子機器の制御方法であって、前記携帯電子機器が、第1の表示部を外部へ露出させたままで前記第2の表示部を前記第1の筐体が覆い隠すように前記第1の筐体と前記第2の筐体とが重なり合う第1の形態から、前記第1の表示部および前記第2の表示部が外部へ露出する第2の形態へ変化したことを検出するステップと、前記携帯電子機器が前記第2の形態へしたことが検出された場合に、前記第1の表示部に表示されているアイコンのうち、選択されているアイコンに対応する機能を起動させ、当該機能に対応する画面を前記第2の表示部に表示させるステップとを含むことを特徴とする。
【0013】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御プログラムであって、第1の表示部を有する第1の筐体と、第2の表示部を有する第2の筐体と、前記第1の表示部および前記第2の表示部への情報の表示を制御する制御部とを備える携帯電子機器に、前記携帯電子機器が、第1の表示部を外部へ露出させたままで前記第2の表示部を前記第1の筐体が覆い隠すように前記第1の筐体と前記第2の筐体とが重なり合う第1の形態から、前記第1の表示部および前記第2の表示部が外部へ露出する第2の形態へ変化したことを検出するステップと、前記携帯電子機器が前記第2の形態へしたことが検出された場合に、前記第1の表示部に表示されているアイコンのうち、選択されているアイコンに対応する機能を起動させ、当該機能に対応する画面を前記第2の表示部に表示させるステップとを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る携帯電子機器、制御方法および制御プログラムは、利用者の利便性を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、第1の形態にある携帯電話端末の斜視図である。
【図2】図2は、第2の形態にある携帯電話端末の斜視図である。
【図3】図3は、形態の変化と連動して機能を起動させる例を示す図である。
【図4】図4は、形態の変化と連動して機能を中断させる例を示す図である。
【図5】図5は、形態の変化と連動して機能を再開させる例を示す図である。
【図6】図6は、中断中の機能を上画面で再開させる例を示す図である。
【図7】図7は、アイコンに関する説明を表示させる例を示す図である。
【図8】図8は、アイコンに関する説明を表示させる他の例を示す図である。
【図9】図9は、携帯電話端末の機能的な構成を示すブロック図である。
【図10】図10は、アイコンデータの一例を示す図である。
【図11】図11は、上画面でアイコンに対する操作が検出された場合の処理手順を示すフロー図である。
【図12】図12は、携帯電話端末の形態が変化した場合の処理手順を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。以下においては、携帯電子機器として携帯電話端末を例として説明するが、本発明の適用対象は携帯電話端末に限定されるものではなく、タッチパネルを備える各種装置、例えば、PHS(Personal Handyphone System)、PDA、ポータブルナビゲーション装置、パーソナルコンピュータ、ゲーム機等に対しても本発明は適用できる。
【0017】
(実施形態)
まず、図1および図2を参照しながら、本発明に係る携帯電子機器の一実施形態である携帯電話端末1の外観について説明する。図1は、第1の形態にある携帯電話端末1の斜視図であり、図2は、第2の形態にある携帯電話端末1の斜視図である。携帯電話端末1は、第1の筐体1Aと、第2の筐体1Bとを有する。第1の筐体1Aは、第2の筐体1Bに対して矢印Aの方向に相対的にスライド可能に構成されている。
【0018】
第1の筐体1Aは、第2の筐体1Bと対向する面と反対側の面にタッチパネル2を有する。第2の筐体1Bは、第1の筐体1Aと対向する面にタッチパネル3を有する。タッチパネル2およびタッチパネル3は、文字、図形、画像等を表示するとともに、利用者が指やスタイラス等(以下、単に「指」という)を用いて当該タッチパネルに対して行う各種操作を検出する。タッチパネル3は、第1の筐体1Aと第2の筐体1Bとが重なり合う第1の形態では第1の筐体1Aによって覆い隠され、第1の筐体1Aが矢印Aの方向にスライドした第2の形態では外部に露出する。
【0019】
第1の形態は、利用者が携帯電話端末1を持ち運ぶのに適した形態であり、この形態でも利用者は、タッチパネル2に表示される情報を参照したり、タッチパネル2を指で操作して情報を入力したりすることができる。第2の形態は、利用者が携帯電話端末1を利用するのに適した形態であり、利用者は、タッチパネル2とタッチパネル3とを併用して、より多くの情報を参照することができる。
【0020】
なお、以下の説明では、常時外部に露出しているタッチパネル2を上画面2と呼び、第1の形態では第1の筐体1Aによって覆い隠され第2の形態では外部に露出するタッチパネル3を下画面3と呼ぶことがある。
【0021】
次に、図3から図5を参照しながら、携帯電話端末1が形態の変化と連動して機能を制御する方式について説明する。図3は、形態の変化と連動して機能を起動させる例を示す図である。図4は、形態の変化と連動して機能を中断させる例を示す図である。図5は、形態の変化と連動して機能を再開させる例を示す図である。
【0022】
図3に示すステップS11では、携帯電話端末1は第1の形態にあり、上画面2にはアイコン21とアイコン22とが配置された待受画面が表示されている。アイコン21は、WEBブラウジング機能を新規に起動させるために用いられる絵文字であり、アイコン22は、電子メール機能を新規に起動させるために用いられる絵文字である。
【0023】
ここで、待受画面とは、電話の発着信を待ち受けている状態の画面、または、アプリケーションプログラムの起動を待ち受けている状態の画面である。換言すると、待受画面は、携帯電話端末1が提供する各種機能画面へ画面が変わる前の画面である。なお、待受画面は、例えば、デスクトップ画面、ホーム画面、または、壁紙と呼ばれることもある。また、図3に示した例では、無地の画面が待受画面として表示されているが、画像データやアニメーションデータを待受画面として表示してもよい。また、待受画面の一部として、カレンダや時計のように動的に変化する部分が含まれていてもよい。
【0024】
ここで、ステップS12として、利用者がアイコン22に対してシングルタップ操作を行うと、携帯電話端末1は、アイコン22を選択状態にする。携帯電話端末1は、選択状態となったアイコン22を、例えば、明度を低下させることによって、他のアイコンと識別可能にする。なお、シングルタップ操作とは、アイコン等を軽くたたくように、指をタッチパネルに接触させた後にすぐ離す動作を一度だけ行う操作をいう。
【0025】
そして、アイコン22が選択状態にあるときに、ステップS13として、利用者が携帯電話端末1を第1の形態から第2の形態へ変化させたとする。この場合、携帯電話端末1は、選択状態にあるアイコン22に対応する電子メール機能を下画面3で起動させる。ここで、「電子メール機能を下画面3で起動させる」とは、電子メール機能を起動させ、電子メール機能が提供する画面(ウインドウ)を下画面3に表示させることを意味する。
【0026】
このように、携帯電話端末1は、第1の形態から第2の形態へ変化する際に、上画面2において選択状態となっているアイコンがあれば、そのアイコンに対応する機能を下画面3で起動させる。このため、利用者は、携帯電話端末1を第1の形態にして持ち歩いている最中に下画面3で何らかの機能を起動させたくなった場合には、その機能に対応するアイコンを上画面2で選択状態にすることにより、携帯電話端末1を第2の形態へ変形させて下画面3を露出させる動作と連動して、希望する機能を下画面3で起動させることができる。
【0027】
そして、図4のステップS21のように下画面3で電子メール機能が起動されている状態で、利用者が携帯電話端末1を第1の形態へ変化させたものとする。この場合、携帯電話端末1は、ステップS22として、下画面3で起動していた電子メール機能を中断させ、電子メール機能が中断中であることを示すアイコン23を上画面に表示させる。
【0028】
アイコン23は、電子メール機能を起動させるためのアイコン22と同様の外観を有するが、対応する機能が中断中であることを識別できるように「!(イクスクラメーションマーク)」が付加されている。なお、「!」を付加するのは一例であり、中断中の機能を示すアイコンは、機能を新規に起動するためのアイコンと何らかのやり方で区別できればよい。例えば、中断直前の下画面3のサムネイル画像をアイコン23として表示してもよい。
【0029】
このように、利用者が携帯電話端末1を第2の形態にして下画面3で何らかの機能を利用している最中に何らかの理由で利用を中断しなければならなくなった場合、利用者は、携帯電話端末1を第1の形態へ戻すことによって機能を中断させることができる。すなわち、利用者は、携帯電話端末1を持ち運びが容易な第1の形態へ戻すことによって、下画面3で起動している機能を中断させ、そのまま携帯電話端末1を手に持って持ち運んだり、かばんにしまったりすることができる。
【0030】
そして、図5のステップS31のように、中断されている機能に対応するアイコン23が上画面2に表示されている状態で、利用者が、中断されている機能を再開したくなったものとする。この場合、利用者は、ステップS32として、アイコン23に対してシングルタップ操作を行う。携帯電話端末1は、アイコン23に対してシングルタップ操作が行われると、アイコン23を選択状態にする。
【0031】
そして、アイコン23が選択状態にあるときに利用者がステップS33として携帯電話端末1を第1の形態から第2の形態へ変化させると、携帯電話端末1は、アイコン23に対応する電子メール機能を下画面3で再開させる。また、携帯電話端末1は、電子メール機能を再開させたことにともなって、アイコン23を上画面2から削除する。
【0032】
このように、携帯電話端末1は、第1の形態から第2の形態へ変化する際に、中断中の機能に対応するアイコンが上画面2において選択状態となっていれば、そのアイコンに対応する機能を下画面3で再開させる。このため、利用者は、下画面3で起動していた機能を再開させたくなった場合には、その機能に対応するアイコンを上画面2で選択状態にすることにより、携帯電話端末1を第2の形態へ変形させて下画面3を露出させる動作と連動して、希望する機能を下画面3で再開させることができる。
【0033】
なお、中断中の機能を下画面3ではなく、上画面2で再開させることもできる。図6を参照しながら、中断中の機能を上画面2で再開させる例について説明する。
【0034】
図6のステップS41のように、中断されている機能に対応するアイコン23が上画面2に表示されている状態で、利用者が、アイコン23に対してダブルタップ操作を行ったものとする。なお、ダブルタップ操作とは、アイコン等を軽くたたくように、指をタッチパネルに接触させた後にすぐ離す動作を二度繰り返して行う操作をいう。
【0035】
この場合、携帯電話端末1は、ステップS42として、アイコン23に対応する電子メール機能を下画面3ではなく、上画面2で再開させる。このとき、携帯電話端末1は、電子メール機能を再開させたことにともなって、アイコン23を上画面2から削除する。その結果、利用者が電子メール機能を終了させた後、ステップS43に示すように、上画面2にはアイコン23が表示されなくなる。
【0036】
また、利用者は、表示されているアイコンの詳細について、所定の操作を行うことで知ることができる。例えば、図7のステップS51のように、電子メール機能に対応するアイコン22が上画面2に表示されている状態で、利用者が、アイコン22に対してロングタップ操作を行ったものとする。なお、ロングタップ操作とは、アイコン等を押し込むように、指をタッチパネルに所定の時間よりも長く接触させた後に離す操作をいう。
【0037】
この場合、携帯電話端末1は、ステップS52として、アイコン22を選択状態にし、アイコン22に対応する機能が電子メール機能であることを示す吹き出し24等を上画面2に表示することで、アイコン22に対応する機能が何であるかを利用者に通知する。
【0038】
同様に、図8のステップS61のように、中断中の電子メール機能に対応するアイコン23が上画面2に表示されている状態で、利用者が、アイコン23に対してロングタップ操作を行ったものとする。この場合、携帯電話端末1は、ステップS62として、アイコン23を選択状態にし、アイコン23に対応する機能が電子メール機能であり、メール作成を実行中に中断されたことを示す吹き出し25等を上画面2に表示することで、アイコン23に対応する機能が何であり、どのような処理を実行中に中断されたのかを利用者に通知する。
【0039】
次に、図9を参照しながら、携帯電話端末1の機能的な構成について説明する。図9は、携帯電話端末1の機能的な構成を示すブロック図である。図9に示すように携帯電話端末1は、タッチパネル2と、タッチパネル3と、姿勢検出部4と、電源部5と、通信部6と、スピーカ7と、マイク8と、記憶部9と、主制御部10と、RAM(Random Access Memory)11とを有する。なお、タッチパネル2が第1の筐体1Aに設けられ、タッチパネル3が第2の筐体1Bに設けられることを除いて、各部位は、第1の筐体1Aと第2の筐体1Bのいずれに設けられてもよい。
【0040】
タッチパネル2は、表示部2Bと、表示部2Bに重畳されたタッチセンサ2Aとを有する。タッチパネル3は、表示部3Bと、表示部3Bに重畳されたタッチセンサ3Aとを有する。タッチセンサ2Aおよびタッチセンサ3Aは、指を用いて表面に対して行われた各種操作を、操作が行われた位置とともに検出する。タッチセンサ2Aおよびタッチセンサ3Aによって検出される操作には、シングルタップ操作、ダブルタップ操作、ロングタップ操作等が含まれる。表示部2Bおよび表示部3Bは、例えば、液晶ディスプレイ(LCD、Liquid Crystal Display)や、有機EL(Organic Electro−Luminescence)パネルなどで構成され、文字、図形、画像等を表示する。
【0041】
姿勢検出部4は、携帯電話端末1が第1の形態にあるのか、第2の形態にあるのかを検出する。姿勢検出部4は、例えば、第1の筐体1Aと第2の筐体1Bとが対向する面に設けられた機械的なスイッチによって携帯電話端末1の姿勢を検出する。
【0042】
電源部5は、蓄電池または外部電源から得られる電力を、主制御部10を含む携帯電話端末1の各機能部へ供給する。通信部6は、基地局によって割り当てられるチャネルを介し、基地局との間でCDMA方式などによる無線信号回線を確立し、基地局との間で電話通信及び情報通信を行う。スピーカ7は、電話通信における相手側の音声や着信音等を出力する。マイク8は、利用者等の音声を電気的な信号へ変換する。
【0043】
記憶部9は、例えば、不揮発性メモリや磁気記憶装置であり、主制御部10での処理に利用されるプログラムやデータを保存する。具体的には、記憶部9は、電子メール機能を実現するためのメールプログラム9Aや、WEBブラウジング機能を実現するためのブラウザプログラム9Bや、上述したような機能の制御を実現するための制御プログラム9Cや、画面上に表示されるアイコンに関する情報が格納されたアイコンデータ9Dを記憶する。記憶部9には、その他に、携帯電話端末1の基本的な機能を実現するオペレーティングシステムプログラムや、氏名、電話番号、メールアドレス等が登録されたアドレス帳データ等の他のプログラムやデータも記憶される。
【0044】
ここで、アイコンデータ9Dについて、図10を参照しながら説明する。図10は、アイコンデータ9Dの一例を示す図である。図10に示すように、アイコンデータ9Dは、ID、対応機能、表示位置、絵文字、中断中プロセス、選択といった項目を有する。IDの項目には、アイコンの識別番号が格納される。対応機能の項目には、アイコンに対応する機能を特定するための情報が格納される。表示位置の項目には、アイコンが表示される位置を特定する情報が格納される。
【0045】
絵文字の項目には、アイコンとして表示される絵文字(画像)を特定するための情報が格納される。中断中プロセスの項目には、対応する機能が中断中の場合に、中断中の機能の実態であるプロセスの番号が格納される。ここで、プロセスとは、主制御部10によってRAM11に展開され、実行可能状態となったプログラムである。なお、対応する機能を新規に起動されるアイコンの場合、中断中プロセスの項目は空欄となる。選択の項目には、アイコンが選択状態にあるか否かを示す値が格納される。例えば、選択の項目に「1」が格納されていることは、対応するアイコンが選択状態であることを示し、選択の項目に「0」が格納されていることは、対応するアイコンが選択状態でないことを示す。
【0046】
主制御部10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)であり、携帯電話端末1の動作を統括的に制御する。具体的には、主制御部10は、記憶部9に記憶されているデータを必要に応じて参照しつつ、記憶部9に記憶されているプログラムを実行して、タッチパネル2、通信部6等を制御することによって各種処理を実行する。主制御部10は、記憶部9に記憶されているプログラムや、処理を実行することによって取得/生成/加工されたデータを、一時的な記憶領域を提供するRAM11に必要に応じて展開する。なお、主制御部10が実行するプログラムや参照するデータは、通信部6による無線通信でサーバ装置からダウンロードすることとしてもよい。
【0047】
例えば、主制御部10は、メールプログラム9Aを実行することによって、電子メール機能を実現する。また、主制御部10は、制御プログラム9Cを実行することによって、利用者の操作や携帯電話端末1の形態の変化に応じて、各種プログラムの実行状態を制御する。
【0048】
次に、図11および図12を参照しながら、制御プログラム9Cに基づいて主制御部10が実行する処理手順について説明する。なお、図11および図12に示す処理手順は、携帯電話端末1が動作している間、繰り返して実行される。
【0049】
図11は、上画面2でアイコンに対する操作が検出された場合の処理手順を示すフロー図である。図11に示すように、主制御部10は、ステップS101として、タッチパネル(上画面)2の検出結果を取得する。そして、タッチパネル2で検出された操作がアイコンに対するシングルタップ操作であった場合(ステップS102,Yes)、主制御部10は、ステップS103として、アイコンデータ9Dを参照して、タップされたアイコンが選択状態にあるか否かを確認する。
【0050】
ここで、タップされたアイコンが選択状態にない場合(ステップS104,No)、主制御部10は、ステップS105として、他のアイコンの選択状態を解除し、ステップS106として、タップされたアイコンを選択状態にする。一方、タップされたアイコンが選択状態にある場合(ステップS104,Yes)、主制御部10は、ステップS107として、タップされたアイコンの選択状態を解除する。なお、選択状態の設定および解除は、アイコンデータ9Dの選択の項目の値を更新するとともに、上画面2でのアイコンの表示態様を変更することによって行われる。
【0051】
また、タッチパネル2で検出された操作がアイコンに対するロングタップ操作であった場合(ステップS102,No、かつ、ステップS108,Yes)、主制御部10は、ステップS109として、他のアイコンの選択状態を解除し、ステップS110として、タップされたアイコンを選択状態にする。そして、主制御部10は、ステップS111として、タップされたアイコンの説明を吹き出し等の形式で上画面2に表示する。具体的には、主制御部10は、アイコンデータ9Dを参照し、タップされたアイコンが新規に機能を起動させるためのものであれば、その機能に関する説明を表示する。一方、タップされたアイコンが中断された機能に対応するものであれば、主制御部10は、その機能に関する説明と中断時の実行状況に関する説明とを表示する。
【0052】
また、タッチパネル2で検出された操作がアイコンに対するダブルタップ操作であった場合(ステップS108,No、かつ、ステップS112,Yes)、主制御部10は、ステップS113として、アイコンデータ9Dを参照して、タップされたアイコンが中断された機能に対応するものであるか否かを確認する。そして、タップされたアイコンが中断された機能に対応するものでなければ(ステップS114,No)、主制御部10は、ステップS115として、タップされたアイコンに対応する機能を上画面2で新規に起動させる。
【0053】
一方、タップされたアイコンが中断された機能に対応するものであれば(ステップS114,Yes)、主制御部10は、ステップS116として、タップされたアイコンに対応する機能を上画面2で再開させる。そして、主制御部10は、ステップS117として、タップされたアイコンを削除する。
【0054】
図12は、携帯電話端末1の形態が変化した場合の処理手順を示すフロー図である。図12に示すように、主制御部10は、ステップS201として、姿勢検出部4の検出結果を取得する。
【0055】
そして、姿勢検出部4で第1の状態から第2の状態への変化、すなわち、閉状態から開状態への変化が検出されていた場合(ステップS202,Yes)、主制御部10は、ステップS203として、アイコンデータ9Dを参照して、選択状態にあるアイコンを探索する。ここで、選択状態にあるアイコンがない場合(ステップS204,No)、主制御部10は、特に処理を行わない。
【0056】
一方、選択状態にあるアイコンがあった場合(ステップS204,Yes)、主制御部10は、ステップS205として、そのアイコンが中断された機能に対応するものであるかを判定する。そして、選択状態にあるアイコンが中断された機能に対応するものでなければ(ステップS205,No)、主制御部10は、ステップS206として、選択状態にあるアイコンに対応する機能を下画面3で新規に起動させる。また、選択状態にあるアイコンが中断された機能に対応するものであれば(ステップS205,Yes)、主制御部10は、ステップS207として、選択状態にあるアイコンに対応する機能を下画面3で再開させる。そして、主制御部10は、ステップS208として、選択状態にあるアイコンを削除する。
【0057】
また、姿勢検出部4で第2の状態から第1の状態への変化、すなわち、開状態から閉状態への変化が検出されていた場合(ステップS202,No、かつ、ステップS209,Yes)、主制御部10は、ステップS210として、下画面3での機能の起動状況を取得する。機能の起動状況は、例えば、RAM11上に設けられたプロセス管理用のテーブルから取得できる。
【0058】
そして、下画面3で起動中の機能があった場合(ステップS211,Yes)、主制御部10は、ステップS212として、起動している機能を中断させ、ステップS213として、中断させた機能に対応するアイコンを上画面2に追加する。このとき、主制御部10は、アイコンデータ9Dにも、中断させた機能に対応するアイコンに関する情報を追加する。一方、下画面3で起動中の機能がない場合(ステップS211,No)、主制御部10は、特に処理を行わない。
【0059】
上述してきたように、本実施形態では、携帯電話端末1の形態の変化と連動して、機能の起動、中断、再開を行うこととしたので、機能の起動等に関する操作を簡略化し、利用者の利便性を向上させることができる。
【0060】
なお、上記の各実施形態で示した本発明の態様は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更することができる。例えば、制御プログラム9Cは、複数のモジュールに分割されていてもよいし、他のプログラムと統合されていてもよい。
【0061】
また、上記の実施形態では、シングルタップ操作によってアイコンが選択状態となり、ダブルタップ操作によってアイコンに対応する機能が同一画面上で起動され、ロングタップ操作によってアイコンを選択状態としつつアイコンに関する説明が表示されることとしたが、操作の割り当てはこの通りである必要はない。例えば、ロングタップ操作によってアイコンが選択状態となり、シングルタップ操作によってアイコンに対応する機能が同一画面上で起動され、ダブルタップ操作によってアイコンを選択状態としつつアイコンに関する説明が表示されることとしてもよい。また、シングルタップ操作等によってタップされたアイコンの近傍にメニューを表示し、アイコンに関連してどのような処理を行うかを利用者に選択させてもよい。
【0062】
また、上記の実施形態では、第1の筐体1Aが第2の筐体1Bに対して相対的にスライドすることによって携帯電話端末1が第1の形態から第2の形態へ変化することとしたが、第1の形態から第2の形態への変化はこのようなスライド動作以外によって実現されてもよい。例えば、携帯電話端末1は、第1の筐体1Aと第2の筐体1Bとを2軸回転式ヒンジで結合した折り畳み式の端末であってもよく、この場合、ヒンジの2つの軸を回転軸として第1の筐体1Aと第2の筐体1Bを相対的に回転させることによって形態の変化が実現される。
【産業上の利用可能性】
【0063】
以上のように、本発明に係る携帯電子機器、制御方法および制御プログラムは、機能の制御に有効であり、操作について利用者の利便性を向上させることが必要な場合に特に適している。
【符号の説明】
【0064】
1 携帯電話端末
1A 第1の筐体
1B 第2の筐体
2 タッチパネル(上画面)
2A、3A タッチセンサ
2B、3B 表示部
3 タッチパネル(下画面)
4 姿勢検出部
5 電源部
6 通信部
7 スピーカ
8 マイク
9 記憶部
9A メールプログラム
9B ブラウザプログラム
9C 制御プログラム
9D アイコンデータ
10 主制御部
11 RAM
21〜23 アイコン
24、25 吹き出し
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の表示部を有する第1の筐体と、第2の表示部を有する第2の筐体と、前記第1の表示部および前記第2の表示部への情報の表示を制御する制御部とを備える携帯電子機器であって、
前記制御部は、前記携帯電子機器が、第1の表示部を外部へ露出させたままで前記第2の表示部を前記第1の筐体が覆い隠すように前記第1の筐体と前記第2の筐体とが重なり合う第1の形態から、前記第1の表示部および前記第2の表示部が外部へ露出する第2の形態へ変化した場合に、前記第1の表示部に表示されているアイコンのうち、選択されているアイコンに対応する機能を起動させ、当該機能に対応する画面を前記第2の表示部に表示させることを特徴とする携帯電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、前記携帯電子機器が、前記第2の形態から前記第1の形態へ変化した場合に、前記第2の表示部に表示されている画面に対応する機能が実行される状態ならば、当該機能を中断させ、当該機能が中断中であることを示すアイコンを前記第1の表示部に表示させることを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、前記携帯電子機器が、前記第1の形態から前記第2の形態へ変化した場合に、前記選択されているアイコンが、前記機能が中断中であることを示すアイコンであれば、当該アイコンに対応する機能を再開させ、当該機能に対応する画面を前記第2の表示部に表示させることを特徴とする請求項2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記制御部は、前記中断中であることを示すアイコンに対応する機能を再開させた後に、当該アイコンを前記第1の表示部から消去することを特徴とする請求項3に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1の表示部に表示されているアイコンが選択された場合に、当該アイコンに対応する機能に関する情報を前記第1の表示部に表示することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項6】
前記制御部は、前記第1の表示部に表示されているアイコンに対する所定の操作が検出された場合に、当該アイコンに対応する機能を起動させ、当該機能に対応する画面を前記第1の表示部に表示させることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項7】
第1の表示部を有する第1の筐体と、第2の表示部を有する第2の筐体と、前記第1の表示部および前記第2の表示部への情報の表示を制御する制御部とを備える携帯電子機器の制御方法であって、
前記携帯電子機器が、第1の表示部を外部へ露出させたままで前記第2の表示部を前記第1の筐体が覆い隠すように前記第1の筐体と前記第2の筐体とが重なり合う第1の形態から、前記第1の表示部および前記第2の表示部が外部へ露出する第2の形態へ変化したことを検出するステップと、
前記携帯電子機器が前記第2の形態へしたことが検出された場合に、前記第1の表示部に表示されているアイコンのうち、選択されているアイコンに対応する機能を起動させ、当該機能に対応する画面を前記第2の表示部に表示させるステップと
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項8】
第1の表示部を有する第1の筐体と、第2の表示部を有する第2の筐体と、前記第1の表示部および前記第2の表示部への情報の表示を制御する制御部とを備える携帯電子機器に、
前記携帯電子機器が、第1の表示部を外部へ露出させたままで前記第2の表示部を前記第1の筐体が覆い隠すように前記第1の筐体と前記第2の筐体とが重なり合う第1の形態から、前記第1の表示部および前記第2の表示部が外部へ露出する第2の形態へ変化したことを検出するステップと、
前記携帯電子機器が前記第2の形態へしたことが検出された場合に、前記第1の表示部に表示されているアイコンのうち、選択されているアイコンに対応する機能を起動させ、当該機能に対応する画面を前記第2の表示部に表示させるステップと
を実行させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項1】
第1の表示部を有する第1の筐体と、第2の表示部を有する第2の筐体と、前記第1の表示部および前記第2の表示部への情報の表示を制御する制御部とを備える携帯電子機器であって、
前記制御部は、前記携帯電子機器が、第1の表示部を外部へ露出させたままで前記第2の表示部を前記第1の筐体が覆い隠すように前記第1の筐体と前記第2の筐体とが重なり合う第1の形態から、前記第1の表示部および前記第2の表示部が外部へ露出する第2の形態へ変化した場合に、前記第1の表示部に表示されているアイコンのうち、選択されているアイコンに対応する機能を起動させ、当該機能に対応する画面を前記第2の表示部に表示させることを特徴とする携帯電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、前記携帯電子機器が、前記第2の形態から前記第1の形態へ変化した場合に、前記第2の表示部に表示されている画面に対応する機能が実行される状態ならば、当該機能を中断させ、当該機能が中断中であることを示すアイコンを前記第1の表示部に表示させることを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、前記携帯電子機器が、前記第1の形態から前記第2の形態へ変化した場合に、前記選択されているアイコンが、前記機能が中断中であることを示すアイコンであれば、当該アイコンに対応する機能を再開させ、当該機能に対応する画面を前記第2の表示部に表示させることを特徴とする請求項2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記制御部は、前記中断中であることを示すアイコンに対応する機能を再開させた後に、当該アイコンを前記第1の表示部から消去することを特徴とする請求項3に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1の表示部に表示されているアイコンが選択された場合に、当該アイコンに対応する機能に関する情報を前記第1の表示部に表示することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項6】
前記制御部は、前記第1の表示部に表示されているアイコンに対する所定の操作が検出された場合に、当該アイコンに対応する機能を起動させ、当該機能に対応する画面を前記第1の表示部に表示させることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項7】
第1の表示部を有する第1の筐体と、第2の表示部を有する第2の筐体と、前記第1の表示部および前記第2の表示部への情報の表示を制御する制御部とを備える携帯電子機器の制御方法であって、
前記携帯電子機器が、第1の表示部を外部へ露出させたままで前記第2の表示部を前記第1の筐体が覆い隠すように前記第1の筐体と前記第2の筐体とが重なり合う第1の形態から、前記第1の表示部および前記第2の表示部が外部へ露出する第2の形態へ変化したことを検出するステップと、
前記携帯電子機器が前記第2の形態へしたことが検出された場合に、前記第1の表示部に表示されているアイコンのうち、選択されているアイコンに対応する機能を起動させ、当該機能に対応する画面を前記第2の表示部に表示させるステップと
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項8】
第1の表示部を有する第1の筐体と、第2の表示部を有する第2の筐体と、前記第1の表示部および前記第2の表示部への情報の表示を制御する制御部とを備える携帯電子機器に、
前記携帯電子機器が、第1の表示部を外部へ露出させたままで前記第2の表示部を前記第1の筐体が覆い隠すように前記第1の筐体と前記第2の筐体とが重なり合う第1の形態から、前記第1の表示部および前記第2の表示部が外部へ露出する第2の形態へ変化したことを検出するステップと、
前記携帯電子機器が前記第2の形態へしたことが検出された場合に、前記第1の表示部に表示されているアイコンのうち、選択されているアイコンに対応する機能を起動させ、当該機能に対応する画面を前記第2の表示部に表示させるステップと
を実行させることを特徴とする制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−95158(P2012−95158A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−241546(P2010−241546)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
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