説明

携帯電子機器及びその制御方法

【課題】発電部を用いて二次電池の充電を効率よく行うことが可能な携帯電子機器及びその制御方法を提供すること。
【解決手段】充電制御部81は、紫外線センサ31により検出される紫外線の照度が閾値T1より高い場合には、特別な制御を行うことなく、太陽電池モジュール30により発電された電力を二次電池71に充電するように制御する。充電制御部81は、紫外線センサ31により検出される紫外線の照度が閾値T2よりも低い場合には、太陽電池モジュール30により発電された電力を二次電池71に充電させないように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電部を有する携帯電子機器及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機等の携帯電子機器は、二次電池を有しており、二次電池の電力が消費された場合には、この二次電池の充電を行う必要がある。
また、近年、太陽電池等の発電部を有し、この発電部を用いて二次電池の充電を行う携帯電子機器が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0003】
特許文献1に記載の携帯電子機器は、相互に直交する第1回転軸と第2回転軸とを有し、第1回転軸を中心とした筐体の回動により筐体の厚み方向の重ね合せを可能とし、第2回転軸を中心とした筐体の一方の回動により一方の筐体の表裏反転を可能とするヒンジ部と、一方の筐体の表裏一方の面に配置される光発電部と、を備えている。
【0004】
また、特許文献2に記載の携帯電子機器は、表示部材の下側に配置された太陽電池素子と、表示部材の外周側を囲むように設けられ、外周面に微細な凹凸部が形成された枠状の光透過性部材と、光透過性部材の内部に配置された発光素子と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−096849号公報
【特許文献2】特開2004−053381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1及び2に記載の携帯電子機器では、発電に必要な光が太陽電池等の発電部に対して適切に供給されているか否かが不明であり、発電部による発電の効率が好適に行われないおそれがあった。
【0007】
本発明は、発電部を用いて二次電池の充電を効率よく行うことが可能な携帯電子機器及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る携帯電子機器は、上記課題を解決するために、筐体と、該筐体の外面に配設され、外部からの入射される光に基づいて光電変換により発電を行う発電部と、前記光に含まれる紫外線の照度を検出する紫外線検出部と、前記発電部により発電された電力を充電可能な二次電池と、前記筐体の姿勢を検出可能な姿勢検出部と、前記発電部により発電された前記電力が前記二次電池に充電される充電状態を制御する制御部と、前記筐体に配設され、光源部を有する表示部及び操作部と、前記紫外線検出部により検出される紫外線の照度及び前記姿勢検出部により検出される前記筐体の姿勢に応じて、前記充電可能な状態を判定する判定部とを備え、前記制御部は、前記判定部により前記充電可能な状態であると判定した場合には、前記二次電池の充電を行い、前記光源部を抑制して駆動するように制御し、前記判定部により前記充電可能な状態でないと判定した場合には、前記光源部を通常駆動するように制御する。
【0009】
また、前記携帯電子機器は、所定のアプリケーションの制御を行うアプリケーション制御部を更に備え、前記充電制御部は、前記アプリケーション制御部による前記所定のアプリケーションの動作状態に応じて、前記発電部により発電された電力が前記二次電池に充電される充電状態を制御することが好ましい。
【0010】
また、前記光源部は、前記操作部による操作に応じて発光し、前記所定のアプリケーションは、電子メール用アプリケーション、ブラウザ用アプリケーション、カメラ用アプリケーション及びテレビジョン放送視聴用アプリケーションのいずれか一つであることが好ましい。
【0011】
また、前記携帯電子機器は、前記外部からの入射される光に含まれる赤外線の照度を検出する赤外線検出部を更に備え、前記充電制御部は、前記紫外線検出部により検出される前記紫外線の照度及び前記赤外線検出部により検出される前記赤外線の照度に応じて、前記発電部により発電された電力が前記二次電池に充電される充電状態を制御することが好ましい。
【0012】
本発明に係る携帯電子機器の制御方法は、上記課題を解決するために、外部からの入射される光に基づいて光電変換により発電を行うステップと、前記光に含まれる紫外線の照度を検出するステップと、発電された電力を二次電池に充電するステップと、筐体の姿勢を検出するステップと、検出される紫外線の照度及び検出される前記筐体の姿勢に応じて、充電可能な状態を判定するステップと、充電可能な状態であると判定した場合には、前記二次電池の充電を行い、光源部を抑制して駆動するように制御し、充電可能な状態でないと判定した場合には、前記光源部を通常駆動するように制御するステップとを備える携帯電子機器の制御方法。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、発電部を用いて二次電池の充電を効率よく行うことが可能な携帯電子機器及びその制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る携帯電話機の外観を示す斜視図である。
【図2】図1に示す携帯電話機を折畳んだ状態の斜視図である。
【図3】図1に示す携帯電話機の機能を示すブロック図である。
【図4】光源に対する携帯電話機の角度と、紫外線センサにより検出される紫外線の照度との関係を示すグラフである。
【図5】本実施形態の携帯電話機による太陽電池モジュールの充電状態を制御する処理について示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明に係る携帯電子機器の一実施形態である携帯電話機1の外観斜視図を示す。なお、以下では、携帯電話機について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、デジタルカメラ、PHS(登録商標;Personal Handy phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、ポータブルナビゲーション装置、パソコン、ノートパソコン、携帯ゲーム装置等であってもよい。
【0016】
携帯電話機1は、操作部側筐体2と、表示部側筐体3と、を備える。操作部側筐体2は、表面部10に、操作キー群11と、携帯電話機1の使用者が通話時に発した音声が入力されるマイク12と、を備える。操作キー群11(操作部)は、各種設定や電話帳機能やメール機能等の各種機能を動作させるための機能設定操作ボタン13と、電話番号の数字やメール等の文字等を入力するための入力操作ボタン14と、各種操作における決定やスクロール等を行う決定操作ボタン15と、から構成されている。
また、操作キー群11は、各キーの背面側から光を照射する光源部としてのバックライト11a(図3参照)を備えている。
【0017】
また、表示部側筐体3は、表面部20に、各種情報を表示するための表示部21と、通話の相手側の音声を出力する音声出力部22と、被写体を撮像するCCD(Charge Coupled Device)カメラ等により構成される撮像部23と、音楽等を外部に出力するスピーカ24と、を備える。ここで、表示部21は、液晶パネルと、この液晶パネルを駆動する駆動回路と、この液晶パネルの背面側から光を照射する光源部としてのバックライト21a(図3参照)とから構成される。
【0018】
また、操作部側筐体2の上端部と表示部側筐体3の下端部とは、ヒンジ機構4を介して連結されている。また、携帯電話機1は、ヒンジ機構4を介して連結された操作部側筐体2と表示部側筐体3とを相対的に回転することにより、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが互いに開いた状態(開放状態)にしたり、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが折り畳まれた状態(折畳み状態)にしたりできる。
【0019】
なお、図1は、いわゆる折り畳み型の携帯電話機の形態を示しているが、本発明に係る携帯電話機の形態としては特にこれに限られず、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式や、操作部側筐体2と表示部側筐体3との重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転式(ターンタイプ)や、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが一つの筐体に配置され連結部を有さない型式(ストレートタイプ)等であっても良い。
【0020】
また、図2は、携帯電話機1を折畳んだ状態の斜視図を示している。表示部側筐体3は、外表面部に太陽電池モジュール30が設けられている。太陽電池モジュール30は、例えば、外部から入射される光の受光量に基づいて発電を行う太陽電池(一段構造の多結晶Si太陽電池)や、この太陽電池を駆動する回路等を含んで構成されており、発電により生じた電力を後述する電源回路部72に供給する。
【0021】
また、表示部側筐体3は、外表面部には、太陽電池モジュール30に隣接して紫外線センサ31と、赤外線センサ32とが設けられている。
紫外線センサ31は、紫外線を受光する紫外線受光部を備え、紫外線の受光量に応じた信号を制御部80に出力する。
赤外線センサ32は、赤外線を受光する赤外線受光部を備え、赤外線の受光量に応じた信号を制御部80に出力する。
【0022】
図3は、携帯電話機1の機能を示す機能ブロック図である。携帯電話機1は、図3に示すように、操作キー群11と、表示部21と、音声出力部22と、紫外線センサ31と、赤外線センサ32と、通信部60と、電源部70と、制御部80と、を備えている。
【0023】
通信部60は、所定の使用周波数帯により外部装置と通信を行うアンテナ61と、変調処理又は復調処理等の信号処理を行うRF回路部62と、を備える。
【0024】
アンテナ61は、所定の使用周波数帯(例えば、800MHz)で外部装置(基地局)と通信を行う。なお、本実施の形態では、所定の使用周波数帯として、800MHzとしたが、これ以外の周波数帯であっても良い。また、アンテナ61は、所定の使用周波数帯の他に、第2の使用周波数帯(例えば、2GHz)に対応できる、いわゆるデュアルバンド対応型による構成であっても良いし、更に、第3の使用周波数帯にも対応できる複数バンド対応型により構成されていても良い。
【0025】
RF回路部62は、アンテナ61によって受信した信号を復調処理し、処理後の信号を制御部80に供給し、一方、制御部80から供給された信号を変調処理し、アンテナ61を介して外部装置(基地局)に送信する。
【0026】
電源部70は、二次電池71と、太陽電池モジュール30と、電源回路部72と、を備える。二次電池71は、例えば、リチウムイオン二次電池である。
【0027】
電源回路部72は、二次電池71から供給される電源電圧を所定の電圧に変換し、変換後の電圧を通信部60や制御部80等に供給する。また、電源回路部72は、二次電池71に対して充電を実行する。
【0028】
制御部80は、CPU(中央演算装置)等により構成される。
制御部80は、充電制御部81と、アプリケーション制御部82と、を備える。
次に、本実施形態の携帯電話機1による太陽電池モジュール30に係る制御について説明する。
【0029】
図4は、光源に対する携帯電話機1の角度θと、紫外線センサ31により検出される光の紫外線の照度との関係を示すグラフである。
なお、図4のグラフは、携帯電話機1を屋外に設置し、光源として太陽光を用いて測定を行った。また、測定された照度は、太陽光から直接入射された光だけでなく、周囲の対象物等に反射してから入射された光も含むものとする。
【0030】
ここで、光源に対する携帯電話機1の角度θは、閉状態の携帯電話機1において、表示部側筐体3(太陽電池モジュール30)に対して太陽光が直交して入射する場合をθ=0°とし、θ=0°から携帯電話機1を傾斜させた角度である。
【0031】
図4に示すように、角度θ=0°の場合には、照度は約0.65[mW/cm]となり、最も照度が高くなった。また、携帯電話機1を傾斜させると、徐々に照度は減少し、角度θ=180°の場合には、照度は約0.07[mW/cm]となり、最も照度が低くなった。
【0032】
このような光源に対する携帯電話機1の角度θと、紫外線センサ31により検出される紫外線の照度との関係から、本実施形態の充電制御部81は、紫外線センサ31により検出される紫外線の照度に応じて、太陽電池モジュール30により発電された電力が二次電池71に充電される充電状態を制御する。
【0033】
具体的には、充電制御部81は、紫外線センサ31により検出される紫外線の照度が閾値T1(例えば、T1=0.5[mW/cm])より高い場合には、特別な制御を行うことなく、太陽電池モジュール30により発電された電力を二次電池71に充電するように制御する。
【0034】
紫外線の照度が高い場合には、太陽光の照度が高く、ユーザが携帯電話機1を太陽光により充電したい状態であることが考えられる。したがって、本実施形態の携帯電話機1は、紫外線の照度が高い場合には、太陽電池モジュール30により発電された電力を二次電池71に充電するように制御することにより、高い効率で太陽電池モジュール30により電力を発電することができる。
【0035】
また、充電制御部81は、紫外線センサ31により検出される紫外線の照度が閾値T2(例えば、T2=0.1[mW/cm])よりも低い場合には、太陽電池モジュール30により発電された電力を二次電池71に充電させないように制御する。すなわち、充電制御部81は、紫外線センサ31により検出される紫外線の照度が閾値T2よりも低い場合には、太陽電池モジュール30による発電を停止させる。
【0036】
紫外線の照度が低い場合には、太陽光の照度が低いことが考えられるため、この状態で太陽電池モジュール30により電力を発電しても、発電される電力が少ないため発電の効率が低下する。したがって、本実施形態の携帯電話機1は、紫外線の照度が低い場合には、太陽電池モジュール30により発電された電力を二次電池71に充電させないように制御することにより、低い効率で発電することを抑制できる。
【0037】
また、充電制御部81は、紫外線センサ31により検出される紫外線の照度に応じて、表示部21のバックライト21a及び操作キー群11のバックライト11aが発光する際の輝度を制御する。
【0038】
具体的には、充電制御部81は、紫外線センサ31により検出される紫外線の照度が閾値T1より高い場合には、バックライト21a及びバックライト11aの輝度を通常発光する際の輝度よりも低くする。
【0039】
また、充電制御部81は、紫外線センサ31により検出される紫外線の照度が閾値T1以下であり、閾値T2以上である(例えば、45°〜135°、225°〜315°の場合の照度)場合には、バックライト21a及びバックライト11aの輝度を、紫外線の照度が閾値T1より高い場合の輝度よりも低くする。
また、充電制御部81は、紫外線センサ31により検出される紫外線の照度が閾値T2より低い場合には、バックライト21a及びバックライト11aの輝度を通常発光する際の輝度に維持する。また、バックライト21a及びバックライト11aは、操作キー群11の操作に応じて発光する。
【0040】
紫外線センサ31により検出される紫外線の照度が高い、又は中程度の場合には、携帯電話機1が屋外等に存在すると考えられる。このような状態では、携帯電話機1に太陽光が入射しているため、バックライト21a及びバックライト11aの輝度を低くしても、表示部21及び操作キー群11の視認性が低下しにくい。
【0041】
このように、本実施形態の携帯電話機1は、紫外線センサ31により検出される紫外線の照度に応じて、バックライト21a及びバックライト11aの輝度を制御するため、充電中に使用される電力を削減でき、より高い効率で充電を行うことができる。
【0042】
また、充電制御部81は、アプリケーション制御部82の制御による所定のアプリケーションの動作状態に応じて、太陽電池モジュール30により発電された電力が二次電池71に充電される充電状態を制御する。
所定のアプリケーションとしては、電子メール用アプリケーション、ブラウザ用アプリケーション、カメラ用アプリケーション、地上波デジタル放送(いわゆるワンセグ放送)を視聴するためのテレビジョン放送視聴用アプリケーション等のユーザが操作キー群11により操作するアプリケーションが挙げられる。
【0043】
具体的には、充電制御部81は、アプリケーション制御部82の制御により所定のアプリケーションが動作していない状態では、特別な制御を行うことなく、太陽電池モジュール30により発電された電力を二次電池71に充電するように制御する。
【0044】
所定のアプリケーションが動作していない状態では、ユーザが携帯電話機1を太陽光により充電したい状態であることが考えられる。したがって、本実施形態の携帯電話機1は、所定のアプリケーションが動作していない状態では、太陽電池モジュール30により発電された電力を二次電池71に充電するように制御することにより、高い効率で太陽電池モジュール30により電力を発電することができる。
【0045】
また、充電制御部81は、アプリケーション制御部による所定のアプリケーションが動作している状態では、太陽電池モジュール30による発電を停止させる。
【0046】
所定のアプリケーションが動作している状態では、ユーザが太陽光による充電を望まない状態であることが考えられる。したがって、本実施形態の携帯電話機1は、所定のアプリケーションが動作している状態では、太陽電池モジュール30による発電を停止させることにより、充電が望まれない状態で充電が行われることを抑制できる。
【0047】
また、充電制御部81は、紫外線センサ31により検出される紫外線の照度及び赤外線センサ32により検出される赤外線の照度に応じて、太陽電池モジュール30により発電された電力が二次電池71に充電される充電状態を制御してもよい。
【0048】
具体的には、充電制御部81は、紫外線センサ31により検出される紫外線の照度が閾値T1より高い場合には、赤外線センサ32により検出される赤外線の照度にかかわらず、特別な制御を行うことなく、太陽電池モジュール30により発電された電力を二次電池71に充電するように制御する。
【0049】
また、充電制御部81は、紫外線センサ31により検出される紫外線の照度が閾値T1より低く、赤外線センサ32により検出される赤外線の照度が閾値T4より高い場合には、特別な制御を行うことなく、太陽電池モジュール30により発電された電力を二次電池71に充電するように制御する。
【0050】
一方、充電制御部81は、紫外線センサ31により検出される紫外線の照度が閾値T1より低く、赤外線センサ32により検出される赤外線の照度が閾値T4より低い場合には、太陽電池モジュール30による発電を停止させる。
【0051】
ここで、携帯電話機1が屋内や自動車内等にある場合であっても、窓際等のように太陽電池モジュール30に太陽光が充分に入射する位置に携帯電話機1が設置されている状態であれば、太陽電池モジュール30により充電を行うことができる。しかし、例えば、窓ガラスに紫外線を遮断する部材が含まれている場合には、この部材により太陽光の紫外線が遮断されてしまい、紫外線センサ31により検出される紫外線の照度は低くなる。
【0052】
本実施形態の携帯電話機1は、紫外線センサ31により検出される紫外線の照度及び赤外線センサ32により検出される赤外線の照度に応じて、太陽電池モジュール30により発電された電力が二次電池71に充電される充電状態を制御する。これにより、携帯電話機1は、屋内や自動車内等に携帯電話機1が設置され、窓ガラスの紫外線を遮断する部材等により紫外線が遮断される場合であっても、赤外線の照度に応じて充電状態の制御を行うため、携帯電話機1に照射される太陽光の状態に応じて適切に充電を行うことができる。
【0053】
また、充電制御部81は、二次電池71の残量を検出し、検出した二次電池71の残量に応じて、太陽電池モジュール30により発電された電力の二次電池71への充電状態を制御してもよい。
【0054】
具体的には、充電制御部81は、二次電池71の残量を検出し、検出した二次電池71の残量が満充電である場合には、太陽電池モジュール30による発電を停止させる。また、充電制御部81は、二次電池71の残量を検出し、検出した二次電池71の残量がゼロに近い場合には、太陽電池モジュール30により発電された電力を二次電池71に充電させるように制御する。
【0055】
図5は、本実施形態の携帯電話機1による太陽電池モジュール30の充電状態を制御する処理について示すフローチャートである。
ステップS1において、制御部80は、初期画面としての待ち受け画面を表示部21に表示し、紫外線センサ31により常時紫外線の検出を行わせる。
【0056】
ステップS2において、制御部80は、操作キー群11が操作されているか否かを判定する。操作キー群11が操作されている場合(YES)には、ステップS3へ進む。操作キー群11が操作されていない場合(NO)には、再度ステップS2の処理を繰り返す。
【0057】
ステップS3において、充電制御部81は、紫外線センサ31により検出される紫外線の照度が閾値T1より高いか否か判定する。紫外線の照度が閾値T1より高い場合(YES)には、ステップS4へ進む。紫外線の照度が閾値T1以下の場合(NO)には、ステップS7へ進む。
【0058】
ステップS4において、充電制御部81は、バックライト21a及びバックライト11aの輝度を通常時よりも低くする。
【0059】
ステップS5において、充電制御部81は、所定のアプリケーションが動作しているか否かを判定する。所定のアプリケーションが動作している場合(YES)には、ステップS6へ進む。所定のアプリケーションが動作していない場合(NO)には、ステップS8へ進む。
【0060】
ステップS6において、充電制御部81は、太陽電池モジュール30による発電を停止させる。
ステップS7において、充電制御部81は、太陽電池モジュール30により発電された電力を二次電池71に充電するように制御する。
【0061】
ステップS8において、充電制御部81は、紫外線センサ31により検出される紫外線の照度が閾値T2よりも低いか否か判定する。紫外線の照度が閾値T2よりも低い場合(YES)には、ステップS10へ進む。紫外線の照度が閾値T2より低い、つまり紫外線の照度が閾値T1以下であり、閾値T2以上である場合(NO)には、ステップS9へ進む。
【0062】
ステップS9において、充電制御部81は、バックライト21a及びバックライト11aの輝度を、紫外線の照度が閾値T1より高い場合よりも更に低くする。
ステップS10において、充電制御部81は、太陽電池モジュール30による発電を停止させる。
【0063】
このように、本実施形態の携帯電話機1は、紫外線の照度に応じて、太陽電池モジュール30により発電された電力を二次電池71に充電する充電を制御することにより、高い効率で太陽電池モジュール30により電力を発電することができる。
【0064】
<他の実施形態>
次に、本発明の携帯電子機器の他の実施形態について説明する。他の実施形態については、主として、上述した実施形態とは異なる点を説明し、上述した実施形態と同様の構成について同一符号を付し、説明を省略する。他の実施形態について特に説明しない点については、上述した実施形態についての説明が適宜適用される。
【0065】
他の実施形態の携帯電話機1は、図3に示すように、上述した実施形態で説明した構成に加えて、姿勢検出部33を更に備えている。
姿勢検出部33は、表示部側筐体3の姿勢を検出可能である。姿勢検出部33は、例えば、表示部側筐体3に設けられた3軸加速度センサにより構成され、表示部側筐体3の姿勢を検出する。
【0066】
充電制御部81は、紫外線センサ31により検出される紫外線の照度及び姿勢検出部33により検出される表示部側筐体3の姿勢に応じて、充電可能な状態を判定する。
【0067】
具体的には、表示部側筐体3には太陽電池モジュール30が設けられているため、充電制御部81は、表示部側筐体3に設けられた姿勢検出部33により検出される表示部側筐体3の姿勢が太陽光を検出可能な姿勢(図4参照)であり、かつ、紫外線センサ31により検出される紫外線の照度が閾値T1より高い場合には、充電可能な状態であると判定する。ここで、姿勢検出部33が3軸加速度センサにより構成される場合には、姿勢検出部33は、表示部側筐体3と操作部側筐体2との開閉状態にかかわらず、表示部側筐体3の姿勢を検出することができる。
【0068】
一方、充電制御部81は、表示部側筐体3に設けられた姿勢検出部33により検出される表示部側筐体3の姿勢が太陽光を検出可能な姿勢でない(図4参照)、又は、紫外線センサ31により検出される紫外線の照度が閾値T1を超えない場合には、充電可能な状態でないと判定する。
【0069】
充電制御部81は、充電可能な状態であると判定した場合には、二次電池71の充電を行い、バックライト11a及びバックライト21aを抑制して駆動するように制御する。
一方、充電制御部81は、充電可能な状態でないと判定した場合には、バックライト11a及びバックライト21aを通常駆動するように制御する。
【0070】
このように他の実施形態の携帯電話機1によれば、紫外線センサ31により検出される紫外線の照度及び姿勢検出部33により検出される表示部側筐体3の姿勢に応じて、充電可能な状態を判定することにより、充電を行いやすい条件の場合に集中して充電を行うことができるため、より高い効率で太陽電池モジュール30により電力を発電することができる。
【0071】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。例えば、上述した実施形態では、光源部としてバックライト11a及びバックライト21aを用いたが、本発明はこれに限らず、例えば、操作キー群11の光源部として、操作キー群11の隅部から光を拡散するシート状の発光部を用いてもよい。また、上述した実施形態では、制御部80は、上述した本発明の制御を実行する場合と、通常の充電制御のみを行う場合とをユーザが設定可能な設定モードを有していてもよい。
【符号の説明】
【0072】
1 携帯電話機(携帯電子機器)
30 太陽電池モジュール(発電部)
31 紫外線センサ(紫外線検出部)
32 赤外線センサ(赤外線検出部)
81 充電制御部(制御部、判定部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
該筐体の外面に配設され、外部からの入射される光に基づいて光電変換により発電を行う発電部と、
前記光に含まれる紫外線の照度を検出する紫外線検出部と、
前記発電部により発電された電力を充電可能な二次電池と、
前記筐体の姿勢を検出可能な姿勢検出部と、
前記発電部により発電された前記電力が前記二次電池に充電される充電状態を制御する制御部と、
前記筐体に配設され、光源部を有する表示部及び操作部と、
前記紫外線検出部により検出される紫外線の照度及び前記姿勢検出部により検出される前記筐体の姿勢に応じて、前記充電可能な状態を判定する判定部とを備え、
前記制御部は、前記判定部により前記充電可能な状態であると判定した場合には、前記二次電池の充電を行い、前記光源部を抑制して駆動するように制御し、前記判定部により前記充電可能な状態でないと判定した場合には、前記光源部を通常駆動するように制御する携帯電子機器。
【請求項2】
所定のアプリケーションの制御を行うアプリケーション制御部を更に備え、
前記制御部は、前記アプリケーション制御部による前記所定のアプリケーションの動作状態に応じて、前記発電部により発電された電力が前記二次電池に充電される充電状態を制御する請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記光源部は、前記操作部による操作に応じて発光し、
前記所定のアプリケーションは、電子メール用アプリケーション、ブラウザ用アプリケーション、カメラ用アプリケーション及びテレビジョン放送視聴用アプリケーションのいずれか一つである請求項2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記外部からの入射される光に含まれる赤外線の照度を検出する赤外線検出部を更に備え、
前記制御部は、前記紫外線検出部により検出される前記紫外線の照度及び前記赤外線検出部により検出される前記赤外線の照度に応じて、前記発電部により発電された電力が前記二次電池に充電される充電状態を制御する請求項1から3のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
外部からの入射される光に基づいて光電変換により発電を行うステップと、
前記光に含まれる紫外線の照度を検出するステップと、
発電された電力を二次電池に充電するステップと、
筐体の姿勢を検出するステップと、
検出される紫外線の照度及び検出される前記筐体の姿勢に応じて、充電可能な状態を判定するステップと、
充電可能な状態であると判定した場合には、前記二次電池の充電を行い、光源部を抑制して駆動するように制御し、充電可能な状態でないと判定した場合には、前記光源部を通常駆動するように制御するステップとを備える携帯電子機器の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−34448(P2012−34448A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−169879(P2010−169879)
【出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】