説明

携帯電子機器

【課題】操作画面に関して飽きがきにくく、かつ操作途中で目をはなしたりした場合にも使い勝手を悪くすることなく操作履歴を確認可能な携帯電子機器を提供する。
【解決手段】制御部18は、操作画面に所定の表示領域(背景表示領域)を割り当て、選択操作された操作アイコンが対応する機能についての履歴を保持し、当該保持された履歴に基づき、表示部16の所定の表示領域に、過去に選択操作された機能に対応する操作アイコンを操作順に表示する制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実行可能な機能(アプリケーション)に応じて割り当てられた操作アイコンを複数表示可能な操作画面を有する携帯電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在市場に流通している携帯電話のほとんどは、メニュー画面を起動すると、携帯電話が実行可能な機能(メール、地デジ、カメラ等のアプリケーション)に応じて割り当てられた操作アイコンの集合であるメニュー画面(操作画面)が液晶(LCD:Liquid Crystal Display Device)や有機EL(Electro-Luminescence)等の表示パネル上に表示される。
そして、ユーザがそれら操作アイコンの一つを、カーソルを用いて選択操作することで対応するアプリケーションが実現できるようになっている。
【0003】
従来、上記した携帯電話のメニュー表示にエンタテイメント性を付加するために、メニュー画面に背景画像を配置し、その背景色を現在時刻に連動させて表示する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−41641公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した特許文献1に開示された技術によれば、エンタテイメント性が考慮された画面構成になるため、使用して楽しく、飽きのこない携帯電話を提供できる。また、背景色により時間を予測できる等の利便性も提供可能である。
【0005】
しかしながら、特許文献1においては待受画面においてのみ画像に変化が生じるものである。実際に携帯端末装置を操作している際には、メニュー画面を開いていることも多く、メニュー画面においては特許文献1のような変化は生じない。しかも昨今は、メニュー画面が大型のアイコンのみを縦横に配した一つの画面で構成されていることが多いため、特に表示物に限りがあり、より一層変化に乏しい。
一方、ユーザがアイコンの選択操作中に、目を画面から逸らしたりした際に、直前に選択していたアイコンが何れであるのか忘れてしまうことが有り得る。その場合には再度、選択していたアイコンを思い出す必要がある。
【0006】
本発明は、画面への変化を与え、ユーザにとって極力飽きがこないようにするだけでなく、操作途中で画面から目を逸らした場合等においても、再び画面に視線を戻すだけで操作を思い出すことが出来るという使い勝手の良い携帯電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決するために本発明の携帯端末装置は、操作アイコンを複数表示する操作画面を有する携帯電子機器であって、前記操作画面を表示する表示部と、前記操作画面に表示された操作アイコンの一つを選択操作する操作部と、前記操作部により選択操作された操作アイコンの一つに対して、実行要求がなされると、当該実行要求がなされた操作アイコンに対応する機能を実行する制御部と、を備え、前記操作アイコンが選択操作されるごとに、選択操作に関する履歴を保持する記憶部をさらに備え、前記制御部は、前記操作画面を表示した状態において、前記記憶部に記憶される選択操作履歴に基づいた操作順に操作アイコンの画像を前記操作画面とともに表示させるよう前記表示部を制御する。
【0008】
また、本発明の携帯端末装置において、前記操作画面は、前記選択操作履歴に基づいた操作アイコン表示を行う所定の領域を有しており、前記記憶部は、任意の背景画像を複数格納され、前記制御部は、前記所定の領域に、前記任意の背景画像の中から一つを選択して表示させるよう前記表示部を制御するように構成してもよい。
【0009】
また、本発明の携帯端末装置において、時間情報を監視する監視手段を備え、前記制御部は、前記監視手段の監視する時間情報に基づいて、前記任意の背景画像の中から一つを選択するように構成してもよい。
【0010】
また、本発明の携帯端末装置において、前記制御部は、前記監視手設の監視する時間情報に基づいて時間帯を判定し、判定された時間帯に対応した形態で前記背景画像を表示するように構成してもよい。
【0011】
また、本発明の携帯端末装置において、前記制御部は、前記虹況手段の監視する時間情報に基づいて季節を判定し、判定された季節に対応して、表示する背景画像を変化させるように構成してもよい。
【0012】
また、本発明の携帯端末装置において、前記制御部は、前記操作部により、前記監視手段の監視する時間情報の基礎となる時計設定がなされていない場合には、前記断定の順域に時計設定を促す表示を行うように構成してもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、極力飽きのこない、なおかつ目を離しても使い勝手を悪くすることなく操作履歴を確認可能な携帯端末装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、本発明の実施の形態に係る携帯電子機器の内部構成を示すブロック図である。ここでは、携帯電子機器として携帯電話1が例示されている。
【0015】
図1に示されるように、携帯電話1は、通信部11と、操作部12と、音声処理部13と、スピーカ14と、マイクロフォン15と、表示部16と、記憶部17と、制御部18と、により構成される。
【0016】
通信部11は、複数の通信システムを捕捉し、例えば、CDMA2000 1x(以下、単に1xという)やEVDOの通信プロトコルにしたがい、不図示の移動通信網に接続される基地局を含む網側装置との間で無線通信を行う。
なお、EVDO通信は、1x通信よりも高速であり、1x通信は、EVDO通信と異なり、データ通信の他に音声通信もサポートするといった特徴を有している。
【0017】
操作部12は、例えば、電源キー、通話キー、数字キー、文字キー、方向キー、決定キー、発信キーなど、各種の機能が割り当てられたキーを有しており、これらのキーがユーザによって操作された場合に、その操作内容に対応する信号を発生し、これをユーザの指示として制御部18に入力する。
操作部12は、ここでは、後述する表示部16に表示される操作画面(メニュー画面)の操作アイコンの一つを上記した方向キーと選択キーを操作することにより選択するものとする。
【0018】
音声処理部13は、スピーカ14から出力される音声信号やマイクロフォン15において入力される音声信号の処理を行う。
すなわち、音声処理部13は、マイクロフォン15から入力される音声を増幅し、アナログ/デジタル変換を行い、更に符号化等の信号処理を施し、デジタルの音声データに変換して制御部18に出力する。
また、音声処理部13は、制御部18から供給される音声データに復号化、デジタル/アナログ変換、増幅等の信号処理を施し、アナログの音声信号に変換してスピーカ14に出力する。
【0019】
表示部16は、例えば、液晶表示パネルや有機ELパネルなどの表示デバイスを用いて構成されており、制御部18から供給される映像信号に応じた画像を表示する。
具体的には、表示部16は、発信時における発信先の電話番号、着信時における着信相手の電話番号、受信メールや送信メールの他に、日付、時刻、電池残量といったピクト画像、更には待受け画像、操作画面の表示も含まれる。
表示部16は、ここでは、操作アイコンを複数有する操作画面(メニュー画面)を表示し、制御部18による制御の下、所定の表示領域に、操作部12により過去に選択操作された機能に対応する操作アイコンを操作順に表示するものとする。詳細は後述する。
【0020】
記憶部17は、制御部18において処理に利用される各種のデータを記憶する。
記憶部17は、例えば、制御部18が実行するアプリケーションプログラム、通信相手の電話番号や電子メールアドレス等の個人情報を管理するアドレス帳、着信音やアラーム音を再生するための音声ファイル、各種の設定データ、プログラムの処理過程で利用される一時的なデータなどを保持する。
なお、上記した記憶部17は、例えば、不揮発性の記憶デバイス(フラッシュメモリ)やランダムアクセス可能な記憶デバイス(SRAM、DRAM)等によって構成される。
【0021】
制御部18は、携帯電話の全体的な動作を統括的に制御する。
すなわち、制御部18は、携帯電話の各種の処理(回線交換網を介して行われる音声通話、電子メールの作成と送受信、インターネットのWeb(World Wide Web)サイトの閲覧などの制御)が操作部12の操作に応じて適切な手順で実行されるように、上述した各ブロックの動作(通信部11における信号の送受信、音声処理部13における音声の入出力、表示部16における画像の描画、表示など)を制御する。
制御部18は、記憶部17に格納されるプログラム(オペレーティングシステム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行するコンピュータ(マイクロプロセッサ)を備えており、このプログラムにおいて指示された手順に従って上述した処理を実行する。
すなわち、制御部18は、記憶部17に格納されるオペレーティングシステムやアプリケーションプログラム等のプログラムから命令コードを順次読み込んで処理を実行する。
【0022】
制御部18はまた、操作部12により選択操作された操作アイコンに対応する機能を実行するとともに、当該選択操作された操作アイコンが対応する機能についての履歴を保持する機能を有する。
制御部18は、この保持された履歴に基づき、表示部16の所定の表示領域に、過去に選択操作された機能に対応する操作アイコンを操作順に表示する機能を有する。
【0023】
このため、制御部18は、図2にその内部構成が機能展開され示されているように、主制御部180と、アプリ実行制御部181と、描画・表示制御部182と、オブジェクト記憶部183と、背景画像記憶部184と、操作ログ記憶部185と、により構成される。
なお、オブジェクト記憶部183、背景画像記憶部184、操作ログ記憶部185は、ともに記憶部17に割り付けられ記憶されるものであって、ここでは説明の都合上便宜的に示したものである。
【0024】
例えばFlash(Macromedia社の開発した画像形式名あるいはそのコンテンツ)などの、ベクタ形式の画陳オブジェクトをオブジェクト量位で規定した動作で所定の背景上を動かすことで動画を実現するようなソフトウェアにて本発明を実現する場合には、オブジェクト記憶部、背景画像2億部というように記憶剖が明確に分かれているわけではない。
あくまでもオブジェクト記憶部、背景画像記憶部とは、それぞれ、制御部18により実行される記憶部17に記憶されたプログラムが実行されると、制御部18および記憶部17上に確保されるプログラム実行上のワークエリアに仮想的に設定されるものである。なお、それぞれに仮想的に記憶されるデータ自体は互いに関連付けられている、あるいは一体のデータ列として構成されていても良い。
【0025】
描画・表示制御部182は、アプリ実行制御部により生成される操作画面を含む表示データを表示部16が有する、あるいは描画・表示制御部182が内蔵するVRAM(Video RAM)に展開して描画し、また、VRAMに描画された表示データを表示部16の表示タイミングに同期して読み出し、所望の表示を得るものである。
【0026】
ところで、本発明の実施の形態に係る携帯端末装置によれば、表示部16に表示される操作画面は、図3に示されるように、その表示領域が、操作画面起動時に機能単位の操作アイコンのそれぞれがスタンダードな配列で表示される操作アイコンウィンドウ領域(IWA)と、画面中央に帯状に配置され、過去に選択操作された機能に対応する操作ログアイコンと任意の背景画像が重畳され横スクロール表示される背景ウィンドウ(BWA)とに区分され表示される。
なお、IWAの一部(DWA)には、操作アイコンが選択操作された際に、その操作アイコンの詳細情報が表示される。具体的な画面構成については図6以降を使用して後述する。
【0027】
上記した操作画面は一例としてはFlashで構成され、各操作アイコンは、オブジェクト(オブジェクト記憶部183)として縦横に配置される。
本実施形態においては、このオブジェクトを再利用することにより操作ログ記憶部185に記憶された操作ログをBWAに再表示させている。
上記したオブジェクトは、オブジェクト記憶部183にベクタ形式(頂点とそれを結ぶ曲線の方程式)で保持されるため、描画・表示制御部182により図形に展開されVRAM上に描画される。
また、予め数パターン(ここでは、「ビル群」、「観光地」、「田園」、「海」の4パターン)用意される背景画像は、背景画像記憶部114に保持される。
【0028】
主制御部180は、操作部12により選択操作された操作アイコンに対応する機能を実行するとともに、当該選択操作された操作アイコンが対応する機能についての履歴を保持する。
主制御部180は、この保持された履歴に基づき、表示部16の所定の表示領域に、過去に選択操作された機能に対応する操作アイコンを操作順に表示する制御部18としての機能を実現する。
このために、出制御部180は、上記した各ブロック(アプリ実行制御部181と、描画・表示制御部182と、オブジェクト記憶部183と、背景画像記憶部184と、操作ログ記憶部185)のシーケンス制御を司る。
【0029】
また、上記した各ブロック180〜185が持つ機能は、記憶部17に記憶されるそれぞれのプログラムを制御部18で実行することにより達成されるものであって、制御部18内において実体的に他のブロックと区分され内蔵されるもののみを指すのではなく、あくまで説明の簡略化のために各処理部を分けて表現したものである。
【0030】
図4は、本発明の実施の形態に係る携帯端末装置の動作を示すフローチャートである。以下、図4のフローチャートを参照しながら図2に示す制御部18の動作にについて詳細に説明する。
【0031】
まず、電源がオンでかつ、待受画面が表示される状態にてユーザが操作部12を操作して操作画面を起動することにより(ステップS41“Yes”)、携帯電話1は、待受け画面から操作画面に遷移する。
制御部18は、主制御部180が、背景画像記憶部114に保持されてある複数の背景画像のうち、背景ウィンドウ領域(BWA)に表示すべき背景画像を選択する(ステップS42)。
【0032】
背景画像を選択するためには、図5のフローチャートに示されるように、例えば、「ビル群」、「観光地」、「田園」、「海」の4パターン用意された背景画像の中から、(A)起動時に主制御部180による抽選処理によりランダムに選択される(ステップS421)。
次に、主制御部180の日時監視処理(日時監視手段)により現在の時刻が(C)6:00〜11:59、12:00〜15:59、16:00〜18:59、19:00〜5:59等の枠のいずれに該当するか判断し、時間帯により選択する(ステップS422“Yes”)。
さらに、(B)主制御部180の日時監視処理(日時監視手段)により、1/1の「元旦」、2/3の「節分」、2/14の「バレンタインデー」、3/3の「雛祭り」、3/14の「ホワイトデー」、5/5の「子供の日」、7/7の「七夕」、10/31の「ハロウィン」、12/25の「クリスマス」、12/31の「大晦日」等の祭日イベントに応じた背景画像での演出効果を付加する(ステップS423“Yes”)。
【0033】
そして、ステップS423においてイベント日ではないと判定されると(ステップS423“No”)、主制御部180は、同じく日時監視手段による現在の日付が、(D)春、夏、秋、冬のいずれであるか判定し、この季節にしたがう抽選によるランダム演出(花びら、花火、落ち葉、雪)を行う(ステップS424)。
ステップS422において、ユーザが時計を未設定であるなど、主制御部180の日時監視手段が現在日時を判断できないときには、背景画像には予め記憶された固定パターンが選択される(ステップS422“NO”)。この固定パタ−ンとして、「時計が未設定です」といった、時計入力をユーザに示すよう文字列を表示させると、特に特別な処理を要することなくユーザへの作業を促すことも出来る。なお、ここでいう時計とは、日時監視手段が現在日時を判定するための基準とする時間情報のことであり、日時監視手段は、予めユーザによって入力された時刻情報をもとに、主制御部180が動作するためのクロックの発生数などをカウントして計時を行っている。
その後、S421からS424において選択された背景画像およびその演出効果を合わせて背景画像パターンとして決定されるステップST426)。
【0034】
説明を図4のフローチャートに戻す。
上記のように、背景ウィンドウ領域(BWA)に表示すべき背景画像の選択処理後(ステップS42)、図3にその一例が示される、操作アイコンウィンドウ領域(IWA)と、背景ウィンドウ領域(BWA)からなる操作画面が表示される(ステップS43)。
このとき、操作アイコンウィンドウ領域(IWA)にはフラッシュで構成されるオブジェクト画像が、また、背景ウィンドウ領域BWAには、ステップS42の処理で選択されたフラッシュで構成される背景画像がそれぞれ表示される。
【0035】
続いて主制御部180は、操作部12によるカーソルの移動を検出する。すなわち、主制御部180は、操作部12の方向キーと決定キーの押下をキースキャンによって監視することにより、カーソルの移動ありと判定した場合(ステップS44“Yes”)、操作ログ記憶部185に保持された操作履歴を参照する(ステップS45)。
操作ログ記憶部185には、上記したように過去に選択操作された操作アイコンが対応する機能についての履歴が保持されている。
【0036】
続いて、主制御部180は、描画・表示制御部182を起動する。
描画・表示制御部182は、操作画面を構成する2つの操作アイコン表示領域(IWA)にスタンダードな配列から成る操作アイコンを、背景表示領域(BWA)に、操作ログ記憶部185に記憶された操作ログにしたがい過去に選択操作された機能に対応する操作アイコンを操作した順に、先に選択された背景画像と重畳して表示可能なようにVRAM上に描画する。
描画・表示制御部182はまた、背景表示領域(BWA)に限り、この重畳した操作アイコンを含む背景画像を横スクロール表示可能なようにスクール表示タイミングに同期して順次更新し、表示部16のVRAM、もしくは内蔵のVRAMに描画する(ステップS46)。
【0037】
一方、ステップS44で主制御部180が所定時間の無操作状態が継続して「カーソル移動無し」と判定した場合(ステップS44“No”)、描画・表示制御部182は、表示部16のカーソルが停止している位置に該当する操作アイコンの拡大表示を行う(ステップS47)。
これと並行して、操作アイコン表示領域(IAW)の一部が、カーソル押下により有効となった操作アイコンの詳細を示す詳細ウィンドウ表示領域(DAW)に変化し、この領域に選択された操作アイコンに対応する機能の詳細が表示さる(ステップS48)。
そして、アイコン選択状態にて決定キー押下が生じるまで、あるいは他の画面に遷移する操作がなされるまでは以上の動作が繰り返されうことになる。その後、選択中のアイコンが決定される操作がなされると、選択中のアイコンに対応するアプリを特定するとともに、アプリ実行制御部181が起動され、アプリ実行制御部181による対応アプリの実行が開始される(ステップS49)。
【0038】
図6〜図12は、本発明の実施の形態に係る携帯電子機器の動作を表示部16に表示される操作画面上に展開して示した図である。
【0039】
すなわち、図6(a)において、カーソル移動時、操作画面の背景ウィンドウ領域(BWA)には、操作アイコン領域(IWA)に配列された複数の操作アイコンのうち、カーソルにより操作選択されている部分の操作アイコンの画像が選択された順に左から右方向にスクロール表示される。
図6(b)において、カーソルが停止すると、選択操作された操作アイコン、ここでは赤外線アイコンが拡大表示される。
また、図6(c)に示されるように、選択操作された操作アイコンの拡大表示後、すぐに詳細ウィンドウ(DWA)が開き、選択された操作アイコンが示す機能の詳細(赤外線によるデータの送受信)が文字により表示される。
【0040】
図7は、図4のステップS46における処理である、背景ウィンドウ表示領域(BWA)に表示される表示内容の変化の様子を示す図である。すなわち、カーソル移動中は、右方向に流れる背景画像の上を操作ログアイコンがスクロール表示される。
ここでは、操作アイコンは、背景画像が流れる速度より早い速度でスクロール表示される。カーソルが移動すると、通過したアイコンの軌跡が残り、画面のスクロールとともにその軌跡も流れ、消えていく。
背景ウィンドウ表示領域(BWA)に表示される画像は、図7(a)(b)(c)に示されるように、例えば、左から右方向に移動する。
【0041】
図8(a)(b)(c)(d)は、時間帯によって背景ウィンドウ表示領域(BWA)に表示される背景の色が変化する様子すなわち図5のステップS422の処理を示している。
すなわち、6:00〜11:59に背景ウィンドウ表示領域(BWA)に表示される背景画像は青色(a)、12:00〜15:59は淡い青色(b)、16:00〜18:59は橙色(c)、19:00〜5:59(d)は紺色等である。
【0042】
図9は、ステップS421で選択される背景画像の例である。すなわち予め用意された4つの背景画像の中から、背景ウィンドウ表示領域BWAにランダムに抽選表示される「ビル群」(図9(a))、「観光地」(図9(b))、「田園」(図9(c))、「海」(図9(d))のそれぞれを含む操作画面を示す。
【0043】
図10は、ステップS424の処理における背景ウィンドウ領域(BWA)に表示される、季節にあったランダム演出表示パターンを含む操作画面の一例を示す図である。
【0044】
すなわち、図10(a)に示されるように、通常パターン「ビル群」に舞い落ちる花びらを重畳した演出(図10(a))、打ち上る花火を重畳した演出パターン(図10(b))、舞い落ちる落ち葉を重畳した演出パターン(図10(c))、降り注ぐ雪を重畳してそれぞれに動きを付加した演出パターン(図10(d))のそれぞれを含む操作画面を示す。
【0045】
図11A、図11Bは、背景ウィンドウ領域(BWA)に表示される、祭日イベントに応じた演出表示パターンを含む操作画面の一例を示す図である。
【0046】
すなわち、図11A(a)には、背景画像「ビル群」に、元旦であることを示す文字列を重畳した演出(図11A(a))が示されている。
この他、図11A(b)〜図11A(e)、図11B(a)〜図11B(e)に、「節分」、「バレンタインデー」、「雛祭り」、「ホワイトデー」、「子供の日」、「七夕」、「ハロウィン」、「クリスマス」、「大晦日」等の祭日イベントに応じて選択される例が示されている。
具体的には、図11A(b)に「節分」、図11A(c)に「バレンタインデー」、図11A(d)に「雛祭り」、図11A(e)に「ホワイトデー」、図11B(a)に「子供の日」、図11B(b)に「七夕」、図11B(c)に「ハロウィン」、図11B(d)に「クリスマス」、図11B(e)「大晦日」の例がそれぞれに示されている。
【0047】
以上説明のように本発明の実施の形態に係る携帯電子機器によれば、操作画面に所定の表示領域(背景表示領域)を割り当てており、この領域について様々の表示上の変化を生じさせることが出来るため、ユーザにとっては操作画面を要求するごとに画面に変化が生じることが起きやすく、飽きにくいユーザインターフェースを提供することが出来る。しかも、選択操作された操作アイコンが対応する機能についての履歴を保持し、当該保持された履歴に基づき、表示部16の所定の表示領域に、過去に選択操作された機能に対応する操作アイコンを操作順に表示する制御を行うことにより、操作途中で目をそらしてしまうなどしてしまった後に、再び目を戻した場合にもすぐさま直前の作業を連想でき、使い勝手を悪くすることなく操作履歴を確認可能な携帯端末装置を提供することができる。
【0048】
なお、操作ログ記憶部185に複数階層についての履歴を保持させることで、更に得られる効果が大きく、操作画面を見るだけで過去の操作を思い出すことができる。上記したように操作画面はフラッシュで構成され、操作アイコンはフラッシュオブジェクトとして縦横にスタンダード配列されている。
このオブジェクトを再利用して操作アイコンを背景表示領域に履歴として再表示させている。したがって、履歴を表示するのに別途オブジェクトを用意する必要がないため、メモリ使用量の観点からも効果が得られる。
【0049】
また、上記した所定の表示領域には、季節、時間、祭日等のイベントに応じて違った画像を表示することにより多彩なデザインを提供でき、したがって長期間使用による飽きを生じさせることなく、更に画像に動きを加えることでエンタテイメント性も提供でき、他社との差別化が可能になる。
上記した多彩なデザインを実現するために、オブジェクト毎に色やサイズを設定できるというフラッシュの特性を利用することで制御が容易になる。
また、数パターンの背景画像(ビル群や観覧車などの背景のオブジェクトとスクロールデータ)と、背景画像の空の色(背景オブジェクトに対する背景色)、さらにはイベント表示の文字列(テキストオブジェクトおよびその点滅なとの表示パターンデータ)と、演出画像(花火や雷などの演出オブジェクトおよびその移動軌跡データ)を、一通り組にして背景画像アニメーションデータとしてフラッシュ形式で保持しておくこととなる。
このため、一連のフラッシュ処理により、背景色決定、オブジェクトの決定、オブジェクトの移動処理が行えるため、既存のソフトウェアを用いて新規な操作画面を提供することが出来る。
さらに、色違いや有名アニメのキャラクターなど、あるコンセプトに基づいた様々の背景画像アニメーションデータをフラッシュ形式で予め用意しておくことも好ましい。すなわち、昨今、操作画面を、色コンセプトや有名アニメキャラクターに対応したコンセプトのものに変更することのできる携帯電子機器か増加しており、操作画面のコンセプトを変化させたときにはこの背景画像アニメーションデータ自体を対応するコンセプトのものに変更することで、操作画面と背景画像の間に違和感なくすることも出来る。また、このような背景画像アニメーションデータをダウンロードできるようにしても良い。
【0050】
なお、本発明の実施形態に係る携帯端末装置として携帯電話1のみ例示したが、同様の構成を有する、例えば、PDA(Personal Digital Assistants)、や電子手帳、ゲーム機、あるいはノートPC等に搭載される場合も同様に適用が可能である。
【0051】
また、図2に示す制御部18が有する機能は、全てをソフトウェアによって実現しても、あるいはその少なくとも一部をハードウェアで実現してもよい。
例えば、主制御部180、アプリ実行制御部181、描画・表示制御部182におけるデータ処理は、1または複数のプログラムによりコンピュータ上で実現してもよく、また、その少なくとも一部をハードウェアで実現してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施の形態に係る携帯端末装置の内部構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す制御部の内部構成を機能展開して示したブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る携帯端末装置で使用される操作画面構成の一例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る携帯端末装置の基本動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態に係る携帯端末装置の背景画像選択処理の詳細手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態に係る携帯端末装置の動作を操作画面上に展開して示した図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る携帯端末装置の操作画面上に表示される表示内容の変化の様子(選択アイコンの移動表示)を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る携帯端末装置の操作画面上に表示される表示内容の変化の様子(時間帯)を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る携帯端末装置の操作画面上に表示される表示内容の変化の様子(ランダム抽選)を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る携帯端末装置の操作画面上に表示される表示内容の変化の様子(季節)を示す図である。
【図11A】本発明の実施の形態に係る携帯端末装置の操作画面上に表示される表示内容の変化の様子(祭日イベント1)を示す図である。
【図11B】本発明の実施の形態に係る携帯端末装置の操作画面上に表示される表示内容の変化の様子(祭日イベント2)を示す図である。
【符号の説明】
【0053】
1…携帯電話、11…通信部、12…操作部、13…音声処理部、14…スピーカ、15…マイクロフォン、16…表示部、17…記憶部、18…制御部、180…主制御部、181…アプリ実行制御部、182…描画・表示制御部、183…オブジェクト記憶部、184…背景画像記憶部、185…操作ログ記憶部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作アイコンを複数表示する操作画面を有する携帯電子機器であって、
前記操作画面を表示する表示部と、
前記操作画面に表示された操作アイコンの一つを選択操作する操作部と、
前記操作部により選択操作された操作アイコンの一つに対して、実行要求がなされると、
当該実行要求がなされた操作アイコンに対応する機能を実行する制御部と、を備え、
前記操作アイコンが選択操作されるごとに、選択操作に関する履歴を保持する記憶部をさらに備え、
前記制御部は、
前記操作画面を表示した状態において、前記記憶部に記憶される選択操作履歴に基づいた操作順に操作アイコンの画像を前記操作画面とともに表示させるよう前記表示部を制御する
ことを特徴とする携帯電子機器。
【請求項2】
前記操作画面は、前記選択操作履歴に基づいた操作アイコン表示を行う所定の領域を有しており、
前記記憶部は、任意の背景画像を複数格納され、
前記制御部は、前記所定の領域に、前記任意の背景画像の中から一つを選択して表示させるよう前記表示部を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
時間情報を監視する監視手段を備え、
前記制御部は、前記監視手段の監視する時間情報に基づいて、前記任意の背景画像の中から一つを選択する
ことを特徴とする請求項2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記制御部は、前記監視手設の監視する時間情報に基づいて時間帯を判定し、判定された時間帯に対応した形態で前記背景画像を表示する
ことを特徴とする請求項3に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
前記制御部は、前記監視手段の監視する時間情報に基づいて季節を判定し、判定された季節に対応して、表示する背景画像を変化させる
ことを特徴とする請求項3または4に記載の携帯電子機器。
【請求項6】
前記制御部は、前記操作部により、前記監視手段の監視する時間情報の基礎となる時計設定がなされていない場合には、前記断定の順域に時計設定を促す表示を行う
ことを特徴とする請求項3に記載の携帯電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【公開番号】特開2009−98816(P2009−98816A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−268371(P2007−268371)
【出願日】平成19年10月15日(2007.10.15)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】