説明

携帯電子機器

【課題】本発明は、位置情報を利用して、測定値に大きな誤差が生じることが抑制された歩数計機能を有する携帯電子機器を提供することを目的とする。
【解決手段】携帯電話機1は、3軸加速度センサ100と、位置情報取得部102と、加速度値の検出値波形パターンにおける振幅が第2閾値BX以上であるかを判定する第1判定部111aと、位置情報に基づいて移動状態であるかを判定する第2判定部111bと、振動周期が第1閾値AX以上の第1検出値波形パターンか、第1閾値AX未満の第2検出値波形パターンかを判定する第3判定部111cと、第1検出値波形パターンの数をカウントするカウント部112と、第1検出値波形パターンの時間当たりの数に第2検出値波形パターンの継続時間を乗じて第1検出値波形パターンの数を推定する推定部115と、推定数をカウント数に加算する加算部116と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機等の携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電子機器としての携帯電話機には、携帯電話機の状態を検出するために加速度センサ等のセンサや携帯電話機の位置を検出するためのGPS(Global Positioning System)機能が搭載されている。携帯電話機は、センサにより検出された各状態に応じて、所定のアプリケーションを起動させたり、制御内容を変更させるよう構成されている。また、携帯電話機は、GPS機能により取得された位置情報を利用して、通信機能やメール機能を制御している。
【0003】
ここで、センサを利用した機能を有する携帯電話機として、加速度センサにより検知された加速度データを利用してユーザの歩数をカウントする歩数計の機能を実行するアプリケーションプログラムを有する携帯電話機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−167758号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の携帯電話機において、着信を知らせるバイブレーション機能により携帯電話機に振動が加えられた場合、加速度センサは該振動も検知するので、歩数計機能により測定された歩数に大きな誤差が生じる場合がある。
【0005】
本発明は、位置情報取得部からの位置情報を利用して、所定の機能により生じる振動によって測定値に大きな誤差が生じることが抑制された歩数計機能を有する携帯電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、筐体と、前記筐体に搭載され前記筐体を振動させる振動発生部と、前記筐体に搭載される加速度検出部と、前記筐体に搭載される計時部と、前記筐体に搭載され該筐体の位置情報を取得する位置情報取得部と、加速度値の経時的な変化の波形パターンについての情報であって、波形パターンの振動周期に関する第1閾値情報と、波形パターンの振幅に関する第2閾値情報とを記憶する記憶部と、前記加速度検出部により検出される加速度値の経時的な変化の波形パターンである検出値波形パターンにおいて、振幅が前記第2閾値以上であるかを判定する第1判定部と、前記第1判定部により前記振幅が前記第2閾値以上であると判定された場合において、前記位置情報に基づいて前記筐体が移動している移動状態であるかを判定する第2判定部と、前記第2判定部により前記移動状態であると判定された場合において、検出値波形パターンの振動周期が前記第1閾値以上であるかを判定する第3判定部と、前記検出値波形パターンのうち、前記第3判定部により振動周期が前記第1閾値以上であると判定された第1検出値波形パターンの数をカウントするカウント部と、前記第1検出値波形パターンにおける時間当たりの検出数を算出する算出部と、前記検出値波形パターンのうち、前記第3判定部により振動周期が前記第1閾値未満であると判定された第2検出値波形パターンが継続する継続時間を計測する計測部と、前記計測部により計測された継続時間に前記算出部により算出された時間当たりの検出数を乗じて第1検出値波形パターンの検出数を推測する推定部と、前記推定部により推定された検出数を前記カウント部におけるカウント数に加算する加算部と、を備える携帯電子機器に関する。
【0007】
また、前記加算部は、前記第2判定部により前記筐体が移動状態ではないと判定された場合、前記カウント数を変化させないことが好ましい。
【0008】
また、前記位置情報取得部により取得された位置情報から所定時間で移動した移動距離を算出する移動距離算出部と、を備え、前記第2判定部は、前記移動距離算出部により算出された前記所定時間で移動した前記移動距離に基づいて、前記移動状態であるかを判定することが好ましい。
【0009】
また、前記位置情報取得部により取得された位置情報から移動速度を算出する移動速度算出部と、を備え、前記第2判定部は、前記移動速度算出部により算出された前記移動速度に基づいて、前記移動状態であるかを判定することが好ましい。
【0010】
また、前記第2判定部は、前記移動速度が所定の第1速度以上の場合、前記移動状態ではないと判定することが好ましい。
【0011】
本発明は、筐体と、前記筐体に搭載され前記筐体を振動させる振動発生部と、前記筐体に搭載される加速度検出部と、前記筐体に搭載される計時部と、前記筐体に搭載され該筐体の位置情報を取得する位置情報取得部と、加速度値の経時的な変化の波形パターンについての情報であって、波形パターンの振動周期に関する第1閾値情報と、波形パターンの振幅に関する第2閾値情報とを記憶する記憶部と、前記加速度検出部により検出される加速度値の経時的な変化の波形パターンである検出値波形パターンにおいて、振幅が前記第2閾値以上であるかを判定する第1判定部と、前記第1判定部により前記振幅が前記第2閾値以上であると判定された場合において、前記位置情報に基づいて前記筐体が移動している移動状態であるかを判定する第2判定部と、前記第2判定部により前記移動状態であると判定された場合において、検出値波形パターンの振動周期が前記第1閾値以上であるかを判定する第3判定部と、前記検出値波形パターンのうち、前記第3判定部により振動周期が前記第1閾値以上であると判定された第1検出値波形パターンの数をカウントする第1カウント部と、前記検出値波形パターンのうち、前記第3判定部により振動周期が前記第1閾値未満であると判定された第2検出値波形パターンにおける互いに隣接する頂点同士をつないでできた仮想波形パターンの数をカウントする第2カウント部と、前記第1カウント部におけるカウント数に第2カウント部におけるカウント数を加算する加算部と、を備える携帯電子機器に関する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、位置情報取得部からの位置情報を利用して、所定の機能により生じる振動によって測定値に大きな誤差が生じることが抑制された歩数計機能を有する携帯電子機器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1により、電子機器としての携帯電話機1における基本構造を説明する。図1は、携帯電話機1を開いた状態における外観斜視図を示す。
【0014】
図1に示すように、携帯電話機1は、筐体としての操作部側筐体2と、表示部側筐体3と、を備える。操作部側筐体2と表示部側筐体3とは、ヒンジ機構を備える連結部4を介して開閉可能に連結される。具体的には、操作部側筐体2の上端部と表示部側筐体3の下端部とは、連結部4を介して連結される。これにより、携帯電話機1は、ヒンジ機構を介して連結された操作部側筐体2と表示部側筐体3とを相対的に動かすことが可能に構成される。つまり、携帯電話機1は、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが開いた状態(開状態)と、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが折り畳まれた状態(閉状態)とにすることができる。ここで、閉状態とは、両筐体が互いに重なるように配置された状態であり、開状態とは、両筐体が互いに重ならないように配置された状態をいう。
【0015】
操作部側筐体2は、外面がフロントケース2aとリアケース2bとにより構成される。操作部側筐体2は、フロントケース2a側に、入力手段としての操作キー群11と、携帯電話機1の使用者が通話時に発した音声が入力されるマイクとしての音声入力部12とがそれぞれ露出するように構成される。
【0016】
操作キー群11は、各種設定や電話帳機能やメール機能等の各種機能を作動させるための機能設定操作キー13と、電話番号の数字やメール等の文字等を入力するための入力操作キー14と、各種操作における決定や上下左右方向のスクロール等を行う操作部材としての決定操作キー15とにより構成される。操作キー群11を構成する各キーそれぞれには、操作部側筐体2と表示部側筐体3との開閉状態や各種モード、あるいは起動されているアプリケーション等の種類に応じて所定の機能が割り当てられる(キー・アサイン)。そして、使用者が各キーを押圧することにより、各キーに割り当てられている機能に応じた動作が実行される。
【0017】
音声入力部12は、操作部側筐体2の長手方向における連結部4側と反対の外端部側に配置される。つまり、音声入力部12は、携帯電話機1が開状態において一方の外端部側に配置される。
【0018】
操作部側筐体2における一方側の側面には、外部機器(例えば、ホスト装置)と通信を行うためのインターフェース(図示せず)が配置される。操作部側筐体2の他方側の側面には、所定の機能が割り当てられているサイドキーと、外部メモリの挿入及び取り出しが行われるインターフェース(図示せず)とが配置される。インターフェースは、キャップにより覆われている。各インターフェースは、不使用時にはキャップにより覆われる。
【0019】
表示部側筐体3は、外面がフロントパネル3aと、フロントケース3bと、リアケース3c(図3参照)と、リアパネル3d(図3参照)とにより構成される。表示部側筐体3におけるフロントケース3bには、各種情報を表示するための表示部21と、通話の相手側の音声を出力するレシーバとしての音声出力部22と、が露出するように配置される。ここで、表示部21は、液晶パネルと、この液晶パネルを駆動する駆動回路と、この液晶パネルの背面側から光を照射するバックライト等の光源部とから構成される。
【0020】
次いで、図2及び図3により、操作部側筐体2及び表示部側筐体3の内部構造について説明する。図2は、操作部側筐体2に内蔵される部材の分解斜視図である。図3は、表示部側筐体3に内蔵される部材の分解斜視図である。
【0021】
図2に示すように、操作部側筐体2は、フロントケース2aと、キー構造部40と、キー基板50と、ケース体60と、基準電位パターン層75及び携帯電話機用のRF(Radio Frequency)モジュール等の各種電子部品を備える回路基板70と、アンテナ部90と、バッテリリッド2cを備えたリアケース2bと、バッテリ80とを備える。
【0022】
フロントケース2aとリアケース2bとは、互いの凹状の内側面が向き合うように配置され、互いの外周縁が重なり合うようにして結合される。また、フロントケース2aとリアケース2bとの間には、キー構造部40と、キー基板50と、ケース体60と、回路基板70と、アンテナ部90とが挟まれるようにして内蔵される。
【0023】
フロントケース2aには、携帯電話機1を折り畳んだ状態で表示部側筐体3の表示部21と対向する内側面に、キー孔13a、14a、15aが形成される。キー孔13a、14a、15aそれぞれからは、機能設定操作キー13を構成する機能設定操作キー部材13bの押圧面、入力操作キー14を構成する入力操作キー部材14bの押圧面、及び決定操作キー15を構成する決定操作キー部材15bの押圧面が露出される。この露出した機能設定操作キー部材13b、入力操作キー部材14b及び決定操作キー部材15bの押圧面を押し下げるように押圧することで、対応するキースイッチ51、52、53それぞれに設けられる後述のメタルドーム(椀状形状)の頂点が押圧され、スイッチ端子に接触して電気的に導通する。
【0024】
キー構造部40は、操作部材40Aと、補強部材としてのキーフレーム40Bと、シート部材としてのキーシート40Cと、により構成される。
【0025】
操作部材40Aは、複数のキー操作部材により構成される。具体的には、機能設定操作キー部材13bと、入力操作キー部材14bと、決定操作キー部材15bとにより構成される。操作部材40Aを構成する各操作キー部材それぞれは、後述するキーフレーム40Bを挟んでキーシート40Cに接着される。キーシート40Cに接着された各操作キー部材それぞれにおける押圧面は、上述の通り、キー孔13a、14a、15aそれぞれから外部に露出して配置される。
【0026】
キーフレーム40Bは、孔部14cが複数形成された金属性の板状部材である。キーフレーム40Bは、入力操作キー部材14bの押圧による回路基板70等への悪影響を防ぐための補強部材である。また、キーフレーム40Bは導電性の部材であり、入力操作キー部材14bにおける静電気を逃がすための部材としても機能する。キーフレーム40Bに形成される複数の孔部14cには、後述するキーシート40Cに形成される凸部14dが嵌合するように配置される。そして、この凸部14dに入力操作キー部材14bが接着される。
【0027】
キーシート40Cは、可撓性を有するシリコンゴム製のシート状部材である。キーシート40Cには、上述の通り、複数の凸部14dが形成される。複数の凸部14dは、キーシート40Cにおけるキーフレーム40Bが配置される側の面に形成される。この複数の凸部14dそれぞれは、後述するキースイッチ52に対応する位置に形成される。
【0028】
キー基板50は、キーシート40C側に配置される複数のキースイッチ51、52、53を有する。複数のキースイッチ51、52、53、それぞれは、各操作部材40Aに対応する位置に配置される。キー基板50に配置されるキースイッチ51、52、53は、椀状に湾曲して立体的に形成された金属板のメタルドームを有する構造になっている。メタルドームは、その椀状形状の頂点が押圧されると、キー基板50の表面に印刷された電気回路(図示せず)に形成されるスイッチ端子に接触して電気的に導通するように構成される。なお、キー基板50は、複数の絶縁層(絶縁フィルム)の間に配線を挟み込んだものである。
【0029】
キー基板50がケース体60における平板部61に載置されるので、操作部材40Aそれぞれが押圧されることによる圧力や撓みは、ケース体60の下方に配置される回路基板70に伝達されにくい。
【0030】
ケース体60は、薄型の直方体における一の広い面が開口した形状を有する導電性の部材である。ケース体60は、平板部61における開口側の面に略垂直に形成されるリブ62を有する。リブ62は、回路基板70に実装される各種電子部品のうち最も高さのある電子部品の高さと同等又はそれよりも十分に高くなるよう形成される。リブ62は、平板部61の周縁及び内側に基準電位部を構成する基準電位パターン層75に対応するように形成される。具体的には、ケース体60が回路基板70に載置された状態で、基準電位パターン層75上に配置されるようにリブ62が形成される。なお、ケース体60は、金属により形成するほか、骨格を樹脂により形成し、その表面に導体膜を形成したものでもよい。
【0031】
ケース体60は、リブの底面が基準電位パターン層75に当接されることで、該基準電位パターン層75と電気的に接続される。ケース体60は、基準電位パターン層75と電気的に導通して該基準電位パターン層75と同じ大きさの電位を有するようになる。つまり、ケース体60は、シールドケースとして機能する。ケース体60は、シールドケースとして外部からの高周波等のノイズが回路基板70に配置される各種電子部品に作用するのを抑制すると共に、RF(Radio Frequency)回路、CPU回路、電源回路等から放出されるノイズを遮蔽して、他の電子部品やアンテナに接続される受信回路等に作用することを抑制する。具体的には、ケース体60におけるリブ62の底面が基準電位パターン層75上に配置されることで、後述する各回路はリブ62により囲われると共に平板部61の一部により覆われる。リブ62は、各回路における隔壁として機能し、平板部61の一部と共に各回路をシールドする。
【0032】
回路基板70には、アンテナ部90が送受信する信号を処理する信号処理部を含む不図示のCPU45、メモリ44を含む各種電子部品や回路が配置される。各種電子部品は、所定の組み合わせにより複数の回路ブロックを形成する。例えば、RF(Radio Frequency)回路、電源回路等を含む各種回路ブロックが形成される。
【0033】
回路基板70におけるケース体60側の第1面70aには、上述の各種電子部品のほか、基準電位部を構成する基準電位パターン層75が形成される。基準電位パターン層75は、上述の各回路ブロックを区画するように形成される。基準電位パターン層75は、回路基板70の第1面70aの表面に導電性の部材を所定パターンで印刷することで形成される。
【0034】
ここで、回路基板70には、後述する歩数計機能部を構成する加速度検出部としての3軸加速度センサ100が実装される。3軸加速度センサ100は、操作部側筐体2(携帯電話機1)の移動におけるX軸、Y軸、Z軸の3軸方向それぞれにおける加速度を検出する。3軸加速度センサ100は、例えば、携帯電話機1を所持したユーザの歩行により生じる加速度(変化)や、後述する振動発生部99により操作部側筐体2(携帯電話機1)に生じる加速度(変化)を検出する。3軸加速度センサ100は、検出した加速度値の情報をCPU45に出力する。3軸加速度センサ100により検出された加速度値の処理内容については後に詳述する。
【0035】
アンテナ部90は、基台上に所定形状のアンテナエレメントが配置されることにより構成される。アンテナ部90は、携帯電話機1における連結部4側と反対の端部側に配置される。このアンテナ部90のアンテナエレメントは、帯状の板金により形成される。また、アンテナ部90は、不図示の給電端子を介して回路基板70から給電される。これにより、アンテナエレメントは、給電端子を介して回路基板70から給電されると共に、回路基板70のRFモジュール等と接続される。
【0036】
リアケース2bの一端側(図2において)には、取り外し可能なバッテリリッド2cが設けられており、バッテリ80をリアケース2bの外側から収納した後、リアケース2bに装着される。また、リアケース2bにおける一端側には、ユーザの音声を入力する不図示の音声入力部12が収容される。
【0037】
リアケース2bにおける連結部4側には、振動発生部99が配置される。振動発生部99は、不図示のモータと、モータの出力部に取り付けられた偏心錘とを有して構成される。振動発生部99は、不図示の配線により回路基板70に接続される。振動発生部99は、回路基板70に実装されるCPU45からの指示に基づいて、操作部側筐体2(携帯電話機1)に対して所定の振動を生じさせる。例えば、振動発生部99は、着信時においてユーザに着信を知らせるため操作部側筐体2(携帯電話機1)に振動を生じさせる。ここで、振動発生部99は、上述の歩行状態で操作部側筐体2(携帯電話機1)に振動を加え(第2パターン、第2波形パターン)、また、静止状態で操作部側筐体2(携帯電話機1)に振動を加える(第3パターン、第3波形パターン)。
【0038】
図3に示すように、表示部側筐体3は、フロントパネル3aと、音声出力部22と、フロントケース3bと、音声出力部22と、表示部21と、表示部21が接続されたプリント基板85と、リアケース3cと、リアパネル3dと、を備える。
【0039】
表示部側筐体3は、フロントパネル3aと、フロントケース3bと、表示部21と、プリント基板85と、リアケース3cと、リアパネル3dとがそれぞれが積層的に配置される。具体的には、フロントケース3bとリアケース3cとは、互いの凹状の内側面が向き合うように配置され、互いの外周縁が重なり合うようにして結合される。
【0040】
そして、フロントケース3bとリアケース3cとの間には、表示部21が接続されたプリント基板85が挟まれるようにして内蔵される。プリント基板85には、不図示のアンプとに接続されるスピーカが接続される。
【0041】
次に、図4から図7により、携帯電話機1の回路構成について説明する。
図4は、携帯電話機1における回路構成を説明するブロック図である。図5は、第1状態(歩行状態)における合成加速度値の経時的な変化を示すグラフである。図6は、第2状態(歩行状態+振動発生部99による振動)における合成加速度値の経時的な変化を示すグラフである。図7は、第3状態(振動発生部99による振動のみ)における合成加速度値の経時的な変化を示すグラフである。
【0042】
図4に示すように、通信部200と、振動発生部99と、3軸加速度センサ100と、計時部101と、位置情報取得部102と、CPU45に含まれる機能部としての振動制御部105と、移動速度算出部107と、第1判定部111aと、第2判定部111bと、第3判定部111cと、カウント部112と、算出部113と、計測部114と、推定部115と、加算部116と、メモリ44と、を備える。ここで、携帯電話機1は、歩数計機能を奏するための歩数計機能部を有する。歩数計機能部は、3軸加速度センサ100と、計時部101と、位置情報取得部102とCPU45に含まれる機能部としての振動制御部105と、移動速度算出部107と、第1判定部111aと、第2判定部111bと、第3判定部111cと、カウント部112と、算出部113と、計測部114と、推定部115と、加算部116と、メモリ44とにより構成される。
【0043】
通信部200は、所定の使用周波数帯により外部装置と通信を行うアンテナ部90と、変調処理又は復調処理等の信号処理を行う通信処理部201と、を備える。
【0044】
アンテナ部90は、所定の使用周波数帯(例えば、800MHz)で外部装置(基地局)と通信を行う。なお、本実施形態では、所定の使用周波数帯として、800MHzとしたが、他の周波数帯であってもよい。また、アンテナ部90は、所定の使用周波数帯(第1の使用周波数帯)のほかに、第2の使用周波数帯(例えば、2GHz)に対応できる、いわゆるデュアルバンド対応型による構成であってもよいし、更に、第3の使用周波数帯にも対応できる複数バンド対応型により構成されていてもよい。
【0045】
通信処理部201は、アンテナ部90により受信された信号を復調処理し不図示の処理部に供給すると共に、処理部から供給された信号を変調処理しアンテナ部90を介して外部装置(基地局)に送信する。
【0046】
振動発生部99は、上述の通り、不図示のモータと、モータの出力部に取り付けられた偏心錘とを有して構成される。振動発生部99は、不図示の配線により回路基板70に接続される。振動発生部99は、回路基板70に実装されるCPU45に含まれる機能部としての振動制御部105からの指示に基づいて、操作部側筐体2(携帯電話機1)に所定の振動を生じさせる。例えば、振動発生部99は、着信時においてユーザに着信を知らせるため操作部側筐体2(携帯電話機1)に振動を生じさせる。ここで、振動発生部99は、上述の歩行状態で操作部側筐体2(携帯電話機1)に振動を加え(第2パターン、第2波形パターン)、また、静止状態で操作部側筐体2(携帯電話機1)に振動を加える(第3パターン、第3波形パターン)。
【0047】
3軸加速度センサ100は、操作部側筐体2(携帯電話機1)における3軸方向(X,Y,Z)の加速度を検出する。3軸加速度センサ100からの加速度情報は、判定部111に出力される。
【0048】
位置情報取得部102は、操作部側筐体2(携帯電話機1)の位置を示す位置情報を取得する。位置情報取得部102は、GPSを利用して、操作部側筐体2(携帯電話機1)における位置情報を取得する。位置情報取得部102は、常時起動していてもよく、所定時間ごとに間欠的に起動するようにしてもよいが、例えば、3軸加速度センサ100により測定される加速度値が所定の値を超えた場合に起動して位置情報取得を開始するようにしてもよい。ここで、所定の値として、静止状態の平均値に、第2閾値BXに0.5を乗じた値を加算した値を設定してもよい。位置情報取得部102により取得された位置情報は、第2判定部111bを含むCPU45に出力される。
【0049】
計時部101は、計時機能を有する。計時部101は、現在の時刻を含む時刻情報を出力可能に構成される。計時部101から出力された時刻情報は、後述する算出部113や計測部114に出力可能に構成される。
【0050】
メモリ44は、歩数計機能を動作させるアプリケーションプログラム等の各種アプリケーションプログラムを記憶する。また、メモリ44は、加速度値の経時的な変化の波形パターンについての情報であって、波形パターンの振動周期に関する第1閾値AX情報と、波形パターンの振幅に関する第2閾値BX情報とを記憶する。ここで、第2閾値BXは、例えば、0.4G(静止状態を基準として±0.2G)とすることができるが、これに限定されず、適宜設定することができる。メモリ44は、本実施形態において、3軸方向における加速度値を合成した合成加速度値の経時的な変化の波形パターンについての情報を記憶する。ここで、メモリ44は、波形パターンを1周期ごとに記憶する。
【0051】
また、メモリ44は、基準歩行速度や所定の第1移動速度を記憶する。基準歩行速度は、一般的又はユーザにおける平均的な歩行速度である。第1移動速度は、歩行や走行では不可能(短期間は可能であるが長期間は不可能等の実質的に不可能であることも含む)な速度が設定される。
【0052】
振動制御部105は、振動発生部99に対して振動を発生させるよう指示する。例えば、上述の通り、通信部200が外部装置から着信を受けた場合、振動制御部105は、ユーザに着信を知らせるため、振動発生部99に対して該振動発生部99を駆動させる(振動を生じさせる)指示をする。ここで、振動制御部105は、着信時のほか、アラーム機能やメール機能等に対応して、振動発生部99に対して指示をする。
【0053】
移動速度算出部107は、位置情報取得部102により取得された位置情報から操作部側筐体2(携帯電話機1)の移動速度を算出する。移動速度算出部107により算出された移動速度の情報は、第2判定部111bに出力される。
【0054】
判定部111a、111b、111cは、3軸加速度センサ100からの加速度情報及び位置情報取得部102からの位置情報に基づいて、携帯電話機1の状態を判定する。詳細には、判定部111a、111b、111cは、3軸加速度センサ100からの3軸方向における加速度値を合成した合成加速度値の経時的な変化の波形パターンである検出値波形パターンの情報、及び位置情報取得部102からの位置情報により算出された移動速度情報に基づいて、携帯電話機1における状態を判定する。
【0055】
第1判定部111aは、3軸加速度センサ100により検出される加速度値の合成加速度値における経時的な変化のパターンである検出値波形パターンにおいて、振幅が第2閾値BX以上であるかを判定する。第1判定部111aは、携帯電話機1が静止状態ではないことを判定する。具体的には、第1判定部111aは、携帯電話機1の動きが、歩行状態である第1状態における動きか、歩行状態において振動発生部99により振動が加えられた状態である第2状態における動きか、振動発生部99により振動が加えられた状態である第3状態における動きかを判定する。
【0056】
具体的には、第1判定部111aは、図5における検出値波形パターンKの振幅B1が第2閾値BX以上であるかを判定する。また、第1判定部111aは、図6における検出値波形パターンKの振幅B2が第2閾値BX以上であるかを判定する。また、第1判定部111aは、図7における検出値波形パターンKの振幅B3が第2閾値BX以上であるかを判定する。ここで、本実施形態において、第2閾値BXを0.4Gとした場合、図5から図7に示される検出値波形パターンKの振幅B1、B2、B3はいずれも第2閾値BX以上であると判定され、図5から図7に示される検出値波形パターンKの状態は静止状態ではないと判定される。
【0057】
第2判定部111bは、第1判定部111aにより振動周期が第2閾値BX以上であると判定された場合において、位置情報に基づいて操作部側筐体2(携帯電話機1)が移動している移動状態であるかを判定する。具体的には、第2判定部111bは、移動速度算出部107により位置情報に基づいて算出された移動速度に基づいて、移動状態であるかを判定する。詳細には、第2判定部111bは、メモリ44に記憶される基準歩行速度と算出された移動速度とを比較して、携帯電話機1における状態が移動状態であるかを判定する。第2判定部111bは、携帯電話機1が第1状態又は第2状態であるかを判定する。
【0058】
具体的には、第2判定部111bは、図5から図7における状態において、メモリ44に記憶される基準歩行速度と移動速度とを比較し、移動状態であるかを判定する。本実施形態においては、図5及び図6に示す検出値波形パターンKの各状態が移動状態であると判定され、図7に示す検出値波形パターンKの状態が静止状態であると判定される。
【0059】
また、第2判定部111bは、移動速度が所定の第1速度以上の場合、携帯電話機1における状態が移動状態ではないと判定する。具体的には、第2判定部111bは、メモリ44に記憶される第1速度と、算出された移動速度とを比較して、移動速度が第1速度以上である場合には、携帯電話機1における状態が移動状態ではないと判定する。第1速度は、上述の通り、歩行や走行では不可能な速度が設定される。これにより、第2判定部111bは、電車や車での移動は歩行による移動ではないと判定するので、電車や車に乗車した状態で生じる振動を歩数としてカウントすることを回避できる。
【0060】
第3判定部111cは、第2判定部111bにより移動状態であると判定された場合において、検出値波形パターンの振動周期が第1閾値AX以上であるかを判定する。具体的には、第3判定部111cは、メモリ44に記憶される第1閾値AXと検出値波形パターンの振動周期とを比較して、検出値波形パターンの振動周期が第1閾値AX以上であるかを判定する。つまり、第3判定部111cは、携帯電話機1が歩行状態である第1状態であるか、歩行状態において振動発生部99により振動が加えられた第2状態であるかを判定する。
【0061】
具体的には、第3判定部111cは、図5における検出値波形パターンKの振動周期A1が第1閾値AX以上であるかを判定する。また、第3判定部111cは、図6における検出値波形パターンKの振動周期A2が第1閾値AX以上であるかを判定する。ここで、本実施形態において、第1閾値AXを歩行により生じる振動周期と振動発生部99により生じる振動周期との間における所定値を第1閾値AXに設定する。本実施形態においては、図5に示す検出値波形パターンKの状態が第1状態であると判定され、図6に示す検出値波形パターンKの状態が第2状態であると判定される。
【0062】
上述より、第1判定部111a、第2判定部111b及び第3判定部111cにより、図5に示す検出値波形パターン(第1検出値波形パターンK1)の状態が第1状態と判定され、図6に示す検出値波形パターン(第2検出値波形パターンK2)の状態が第2状態と判定され、図7に示す検出値波形パターン(第3検出値波形パターンK3)の状態が第3状態と判定される。
【0063】
カウント部112は、検出値波形パターンのうち、第3判定部111cにより振動周期が第1閾値以上であると判定された第1検出値波形パターンの数をカウントする。カウント部112は、例えば、連続する波形パターンにおける第1検出値波形パターンの数をカウントする場合には、極大点(極小点)の数をカウントすることで、第1検出値波形パターンの数をカウントすることもできる。ここで、第1検出値波形パターンの数は、ユーザの歩数としてカウントされる。
【0064】
算出部113は、第1検出値波形パターンにおける時間当たりの検出数を算出する。算出部113により算出された第1検出値波形パターンにおける時間当たりの検出数は、後述する推定部115に出力される。
【0065】
計測部114は、検出値波形パターンのうち、第3判定部111cにより振動周期が前記第1閾値AX未満であると判定された第2検出値波形パターンが継続する継続時間を計測する。計測部114は、計時部101からの時刻情報を利用して、第2検出値波形パターンが継続する継続時間を計測する。ここで、本実施形態においては、継続時間として、図6における第2検出値波形パターンK2の継続時間T2aを計測しているが、間欠的に振動が加えられた期間における継続時間T2b(T2a+T1a+T2a)を継続時間としてもよい。
【0066】
推定部115は、計測部114により計測された継続時間に算出部113により算出された時間当たりの検出数を乗じて第1検出値波形パターンの推定検出数を算出する。推定部115において利用される時間当たりの検出数は、ユーザが歩行を開始してから第1検出値波形パターンと判定された全ての時間における平均の検出数であってもよく、第2検出値波形パターンが発生する直前における平均の検出数であってもよい。
【0067】
加算部116は、推定部115により算出(推定)された第1検出値波形パターンの検出数をカウント部112におけるカウント数に加算する。加算部116は、第2判定部111bにより検出値波形パターンが移動状態ではないと判定された場合、カウント数を変化させない(加算しない)。
加算部116により所定の検出数が加算された数は、第2状態における検出数が補完された第1検出値波形パターンの数である。言い換えると、所定の検出値が加算された数は、第2状態における歩数が推定され補完されたユーザの歩数である。
【0068】
続けて、図8により、本実施形態における歩数計機能部の作用について説明する。
図8は、歩数計機能部における動作を説明するフロー図である。
まず、所定の操作により、歩数カウントが開始される(ST1)。これにより、3軸加速度センサ100は、操作部側筐体2(携帯電話機1)における3軸方向それぞれにおける加速度値を測定する(ST2)。
【0069】
次いで、第1判定部111aは、メモリ44に記憶される第2閾値BXと、検出値波形パターンKにおける振幅とを比較すると共に、振幅が第2閾値BX以上であるかを判定する(ST3)。
【0070】
続けて、第1判定部111aにより振幅が第2閾値BX以上であると判定された場合(ST3、YES)、第2判定部111bは、メモリ44に記憶される基準歩行速度と移動速度算出部107により算出された移動速度とを比較し、携帯電話機1が移動状態であるかを判定する(ST4)。
【0071】
続けて、第2判定部111bにより携帯電話機1が移動状態であると判定された場合(ST4、YES)、第3判定部111cは、メモリ44に記憶される第1閾値AXと検出値波形パターンKにおける振動周期とを比較すると共に、振動周期が第1閾値AX以上であるかを判定する(ST5)。
【0072】
第3判定部111cにより振動周期が第1閾値AX以上であると判定された場合(ST5、YES)、カウント部112は、検出値パターン(第1検出値パターン)の検出数をカウントする(ST6)。
そして、加算部116は、カウント部112によりカウントされた検出数をそれまでにカウントされたカウント数に加算する(ST7)。
【0073】
第3判定部111cにより振動周期が第1閾値AX未満であると判定された場合(ST5、NO)、計測部114は、検出値波形パターン(第2検出値波形パターン)が継続する継続時間を計測する(ST8)。
また、推定部115は、算出部113により算出された第1検出値波形パターンにおける時間当たりの検出数に計測部114により計測された継続時間を乗じて、継続時間における第1検出値波形パターンの検出数を算出(推定)する(ST9)。
そして、加算部116は、推定部115により推定された推定検出数をそれまでにカウントされたカウント数に加算する(ST10)。
【0074】
また、第1判定部111aにより検出値波形パターンの振幅が第2閾値未満であると判定された場合(ST3、NO)及び、第2判定部111bにより移動状態ではないと判定された場合(ST4、NO)、加算部116は、それまでにカウントされたカウント数である歩数データを変更しない(ST11)。
【0075】
上述のように、加算部116により、それまでのカウント数に検出数又は推定検出数が加算され、歩数データが取得(蓄積)される(ST12)。
【0076】
そして、所定の操作により歩数カウントが終了された場合、歩数カウントが終了となり(ST13、YES)、歩数カウントが終了されない場合には、歩数カウントが継続される(ST11、NO)。
【0077】
本実施形態によれば、位置情報取得部からの位置情報を利用して、所定の機能により生じる振動によって測定値に大きな誤差が生じることが抑制された歩数計機能を有する携帯電話機1を提供することができる。
【0078】
また、本実施形態によれば、位置情報取得部からの位置情報を利用して移動速度を算出し、算出された移動速度に基づいて歩行状態であるかを判定している。これにより、歩数のカウント対象となる期間を正確に特定することができる。
【0079】
また、本実施形態によれば、ユーザが歩行状態において振動発生部99により振動が加えられた第2状態において、歩行状態である第1状態における歩数の平均検出数に基づいた推定歩数で歩数の測定値を補完するので、正確性の高い歩数計機能を有する携帯電話機1を提供することができる。
【0080】
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく種々の形態で実施することができる。例えば、本実施形態において、携帯電子機器として携帯電話機1について説明しているが、これに限定されず、PHS(登録商標;Personal Handy phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、ポータブルナビゲーション装置、ノートパソコン等であってもよい。
【0081】
また、本実施形態において、連結部4により折り畳み可能な携帯電話機1の説明をしているが、これに限定されず、操作部側筐体2と表示部側筐体3との重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式や、操作部側筐体2と表示部側筐体3との重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転(ターン)式や、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが一つの筐体に配置され連結部を有さない型式(ストレートタイプ)でもよい。また、携帯電話機1は、開閉及び回転可能ないわゆる2軸ヒンジタイプであってもよい。
【0082】
また、本実施形態において、携帯電話機1は、移動速度算出部107により算出された移動速度に基づいて、移動状態であるかを判定しているが、これに限定されない。例えば、所定時間における移動距離に基づいて、移動状態であるかを判定してもよい。
【0083】
具体的には、図9に示すように、他の実施形態における携帯電話機1Aは、図4における移動速度算出部107に代えて、移動距離算出部108を備える。
移動距離算出部108は、位置情報取得部102からの位置情報に基づいて、所定時間での移動距離を算出する。
【0084】
そして、第2判定部111bは、移動距離算出部108により算出された所定時間で移動した移動距離に基づいて、移動状態であるか判定する。具体的には、第2判定部111bは、メモリ44に記憶される基準歩行距離に基づいて、移動状態であるかを判定する。
ここで、基準歩行距離は、所定時間での一般的な歩行距離や、ユーザにおける平均的な歩行距離を設定できる。
【0085】
当該他の実施形態においても、上述した実施形態と同様に、移動状態であるかの判定ができる。また、上述した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0086】
また、本実施形態において、携帯電話機1は、推定部115により第2検出値波形パターンの継続時間における第1検出値波形パターンの検出数を推定することで、歩数の測定値を補完しているが、これに限定されない。例えば、第2検出値波形パターンにおける互いに隣接する頂点同士をつないでできた仮想波形パターンの検出数を検出すると共に、該検出数により歩数の測定値を補完してもよい。以下に、図10により、この場合における実施形態について説明する。ここで、全体的な構成は上述した実施形態と同様であるので、相違点を中心に説明する。図10は、他の実施形態における回路構成を説明するブロックである。
【0087】
図10に示すように、他の実施形態における携帯電話機1Bは、通信部200と、振動発生部99と、3軸加速度センサ100と、計時部101と、位置情報取得部102と、CPU45に含まれる機能部としての振動制御部105と、移動速度算出部107と、第1判定部111aと、第2判定部111bと、第3判定部111cと、第1カウント部112aと、第2カウント部112bと、加算部116と、メモリ44と、を備える。
【0088】
第1カウント部112aは、検出値波形パターンのうち、第3判定部111cにより振動周期が第1閾値AX以上であると判定された第1検出値波形パターンの数をカウントする。
【0089】
第2カウント部112bは、検出値波形パターンのうち、第3判定部111cにより振動周期が第1閾値AX未満であると判定された第2検出値波形パターンにおける互いに隣接する頂点同士をつないでできた仮想波形パターン(図6参照、仮想波形パターンKA参照)の数をカウントする。なお、仮想波形パターンは、上記に代えて、波形の最大値(頂点)とこれに隣接する最小値との和平均値を算出し、この和平均値同士をつないでできたパターンを仮想波形パターンとして採用してもよい。
【0090】
加算部116は、第1カウント部112aにおけるカウント数に第2カウント部112bにおけるカウント数を加算する。また、加算部116は、第1判定部111aにより検出値波形パターンの振幅が第2閾値BX未満であると判定された場合及び、第2判定部111bにより移動状態ではないと判定された場合、それまでにカウントされたカウント数である歩数データを変更しない
【0091】
当該他の実施形態によれば、歩数の測定値を補完して、正確性の高い歩数測定をすることができる。また、当該他の実施形態よれば、上述の実施形態における効果と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】携帯電話機1を開いた状態における外観斜視図である。
【図2】操作部側筐体2に内蔵される部材の分解斜視図である。
【図3】表示部側筐体3に内蔵される部材の分解斜視図である。
【図4】携帯電話機1における回路構成を説明するブロック図である。
【図5】第1状態(歩行状態)における合成加速度値の経時的な変化を示すグラフである。
【図6】第2状態(歩行状態+振動発生部99による振動)における合成加速度値の経時的な変化を示すグラフである。
【図7】第3状態(振動発生部99による振動のみ)における合成加速度値の経時的な変化を示すグラフである。
【図8】歩数計機能部における動作を説明するフロー図である。
【図9】他の実施形態における回路構成を説明するブロックである。
【図10】他の実施形態における回路構成を説明するブロックである。
【符号の説明】
【0093】
1 携帯電話機
2 操作部側筐体
3 表示部側筐体
44 メモリ
45 CPU
99 振動発生部
100 3軸加速度センサ
101 計時部
102 位置情報取得部
111a 第1判定部
111b 第2判定部
111c 第3判定部
112 カウント部
113 算出部
114 計測部
115 推定部
116 加算部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に搭載され前記筐体を振動させる振動発生部と、
前記筐体に搭載される加速度検出部と、
前記筐体に搭載される計時部と、
前記筐体に搭載され該筐体の位置情報を取得する位置情報取得部と、
加速度値の経時的な変化の波形パターンについての情報であって、波形パターンの振動周期に関する第1閾値情報と、波形パターンの振幅に関する第2閾値情報とを記憶する記憶部と、
前記加速度検出部により検出される加速度値の経時的な変化の波形パターンである検出値波形パターンにおいて、振幅が前記第2閾値以上であるかを判定する第1判定部と、
前記第1判定部により前記振幅が前記第2閾値以上であると判定された場合において、前記位置情報に基づいて前記筐体が移動している移動状態であるかを判定する第2判定部と、
前記第2判定部により前記移動状態であると判定された場合において、検出値波形パターンの振動周期が前記第1閾値以上であるかを判定する第3判定部と、
前記検出値波形パターンのうち、前記第3判定部により振動周期が前記第1閾値以上であると判定された第1検出値波形パターンの数をカウントするカウント部と、
前記第1検出値波形パターンにおける時間当たりの検出数を算出する算出部と、
前記検出値波形パターンのうち、前記第3判定部により振動周期が前記第1閾値未満であると判定された第2検出値波形パターンが継続する継続時間を計測する計測部と、
前記計測部により計測された継続時間に前記算出部により算出された時間当たりの検出数を乗じて第1検出値波形パターンの検出数を推測する推定部と、
前記推定部により推定された検出数を前記カウント部におけるカウント数に加算する加算部と、を備える
携帯電子機器。
【請求項2】
前記加算部は、前記第2判定部により前記筐体が移動状態ではないと判定された場合、前記カウント数を変化させない
請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記位置情報取得部により取得された位置情報から所定時間で移動した移動距離を算出する移動距離算出部と、を備え、
前記第2判定部は、前記移動距離算出部により算出された前記所定時間で移動した前記移動距離に基づいて、前記移動状態であるかを判定する
請求項1又は2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記位置情報取得部により取得された位置情報から移動速度を算出する移動速度算出部と、を備え、
前記第2判定部は、前記移動速度算出部により算出された前記移動速度に基づいて、前記移動状態であるかを判定する
請求項1又は2に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
前記第2判定部は、前記移動速度が所定の第1速度以上の場合、前記移動状態ではないと判定する
請求項4に記載の携帯電子機器。
【請求項6】
筐体と、
前記筐体に搭載され前記筐体を振動させる振動発生部と、
前記筐体に搭載される加速度検出部と、
前記筐体に搭載される計時部と、
前記筐体に搭載され該筐体の位置情報を取得する位置情報取得部と、
加速度値の経時的な変化の波形パターンについての情報であって、波形パターンの振動周期に関する第1閾値情報と、波形パターンの振幅に関する第2閾値情報とを記憶する記憶部と、
前記加速度検出部により検出される加速度値の経時的な変化の波形パターンである検出値波形パターンにおいて、振幅が前記第2閾値以上であるかを判定する第1判定部と、
前記第1判定部により前記振幅が前記第2閾値以上であると判定された場合において、前記位置情報に基づいて前記筐体が移動している移動状態であるかを判定する第2判定部と、
前記第2判定部により前記移動状態であると判定された場合において、検出値波形パターンの振動周期が前記第1閾値以上であるかを判定する第3判定部と、
前記検出値波形パターンのうち、前記第3判定部により振動周期が前記第1閾値以上であると判定された第1検出値波形パターンの数をカウントする第1カウント部と、
前記検出値波形パターンのうち、前記第3判定部により振動周期が前記第1閾値未満であると判定された第2検出値波形パターンにおける互いに隣接する頂点同士をつないでできた仮想波形パターンの数をカウントする第2カウント部と、
前記第1カウント部におけるカウント数に第2カウント部におけるカウント数を加算する加算部と、を備える
携帯電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−56773(P2010−56773A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−218497(P2008−218497)
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】