説明

携帯電気機器の収納ケース及び携帯電気機器

【課題】一層の利便性向上を図ることができる携帯電気機器の収納ケースを提供する。
【解決手段】収納ケース20は、携帯電気機器本体10とともに予備の二次電池12が収納可能に構成され、該収納ケース20に備えられる充電装置21は、第1接続部24にて携帯電気機器本体10に接続すると共に第2接続部25にて予備の二次電池12と接続し、携帯電気機器本体10に内蔵の二次電池11及び予備の二次電池12の充電を行う。また、予備の二次電池12から携帯電気機器本体10への電力補填が可能な手段を追加してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラやビデオカメラ等の携帯電気機器本体を収納する収納ケースに係り、詳しくは、防水構造を備えるものに特に好適で、収納状態の携帯電気機器本体への充電を可能とする携帯電気機器の収納ケース及び携帯電気機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、デジタルカメラやビデオカメラ等の携帯電気機器本体を防水構造の収納ケース内に収納し、水中内での撮影を楽しむことが行われている。しかしながら、携帯電気機器本体は、内蔵の二次電池を充電しつつ使用されるものであるため、携帯電気機器本体を収納ケースから取り出して内蔵の二次電池の充電を行うが、特に防水構造を備える収納ケースではその構造上、収納した携帯電気機器本体の取り出しが煩雑となっている。
【0003】
そこで、例えば特許文献1〜3に示されているように、収納ケース内の携帯電気機器本体をそのまま充電器に載置(近接配置)し、非接触で充電が行えるように構成したものがある。即ち、収納ケースには、充電器内の送信コイルから伝送される交流電力を受電する受電コイルと受電側回路とが備えられており、受電側回路は、携帯電気機器本体とコネクタにて電気的に接続され、受電した交流電力から充電に適した直流電力への変換等を行って携帯電気機器本体の二次電池の充電を行うようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−25260号公報
【特許文献2】特開2007−129791号公報
【特許文献3】特開2006−78560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1〜3にて示される収納ケースでは、携帯電気機器本体に対する充電を行う構成のため、より利便性の高い構成とする要求に対してはまだ検討の余地があった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、一層の利便性向上を図ることができる携帯電気機器の収納ケース及び携帯電気機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、内蔵の二次電池からの電源供給を受けて動作する携帯電気機器本体の収納及び外部からの操作が可能に構成され、収納した前記携帯電気機器本体に接続部を通じて接続し、外部から非接触で伝送される交流電力の受電に基づいて所定の直流電力を生成して前記接続部を介して前記携帯電気機器本体に供給し、前記携帯電気機器本体に内蔵の二次電池の充電を行う充電装置を備えた携帯電気機器の収納ケースであって、前記携帯電気機器本体に内蔵の二次電池に対しての予備の二次電池を収納可能に構成され、前記充電装置は、前記携帯電気機器本体に接続する第1接続部と共に、前記予備の二次電池と接続する第2接続部を有し、前記生成した直流電力を両接続部を介して前記携帯電気機器本体に内蔵の二次電池及び前記予備の二次電池に供給し、両二次電池の充電を行うように構成されたことをその要旨とする。
【0008】
この発明では、収納ケースは、携帯電気機器本体とともに予備の二次電池が収納可能に構成され、該収納ケースに備えられる充電装置は、第1接続部にて携帯電気機器本体に接続すると共に第2接続部にて予備の二次電池と接続し、携帯電気機器本体に内蔵の二次電池及び予備の二次電池の充電を行う。つまり、1つの収納ケース内で、しかも1度の充電により、携帯電気機器本体に内蔵の二次電池のみならず予備の二次電池の充電も可能なため、利便性が一層向上するものとなる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の携帯電気機器の収納ケースにおいて、前記携帯電気機器本体への電力補填を行うべく、前記予備の二次電池に蓄積された直流電力を前記携帯電気機器本体側に供給可能に電路が切り替えられる切替手段が備えられたことをその要旨とする。
【0010】
この発明では、予備の二次電池に蓄積された直流電力が携帯電気機器本体側に供給可能に電路が切り替えられる切替手段が備えられ、予備の二次電池からの携帯電気機器本体への電力補填が可能となる。これにより、携帯電気機器本体の使用時間の延長が可能となり、このことでも利便性向上に寄与できる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の携帯電気機器の収納ケースにおいて、防水構造にて構成されたことをその要旨とする。
この発明では、収納ケースは防水構造にて構成されるため、携帯電気機器本体の使用範囲が拡大する。ところで、防水構造の収納ケースはその構造上、ケースの開閉が煩雑で携帯電気機器本体の電池交換が行い辛いことから、特に請求項2の発明を適用して携帯電気機器本体の使用時間の延長を図る効果は大である。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の携帯電気機器の収納ケースにおいて、前記携帯電気機器本体として撮像装置を収納可能に構成されたことをその要旨とする。
【0013】
この発明では、収納ケースは撮像装置を収納可能に構成されるため、撮像装置の利便性向上に寄与できる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の収納ケースに、二次電池内蔵の携帯電気機器本体が収納されて構成された携帯電気機器である。
【0014】
この発明では、上記の収納ケースに携帯電気機器本体が収納されて構成されるため、携帯電気機器の利便性が一層向上するものとなる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、一層の利便性向上を図ることができる携帯電気機器の収納ケース及び携帯電気機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1実施形態における携帯電気機器の充電システムの構成図である。
【図2】第2実施形態における携帯電気機器の充電システムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態における携帯電気機器の充電システムを示す。デジタルカメラやビデオカメラ等の撮像装置よりなる携帯電気機器本体10は、専用の電池パックや汎用の電池形状をなす二次電池11が取り付け及び取り外し可能に内蔵され、該二次電池11からの電源供給に基づいて静止画や動画等の主たる機能が動作する。
【0018】
携帯電気機器本体10の付属品として収納ケース20があり、該収納ケース20は、携帯電気機器本体10を位置決めした状態で収納可能で、収納状態においてもケース20の外側から携帯電気機器本体10の操作が可能に構成されている。収納ケース20は、防水構造にて構成されており、水中での撮影等の機能動作をも可能としている。
【0019】
また、収納ケース20には、収納状態の携帯電気機器本体10に対して二次電池11を装着状態のまま充電する充電装置21が備えられている。充電装置21は、受電コイル22と受電回路23とを備えるのに加え、受電回路23と携帯電気機器本体10とを電気的に接続するための第1接続部24を備えている。充電装置21は、充電器30側から伝送される所定の交流電力を受電コイル22にて受電し、受電回路23にて充電に適した直流電力に変換し、その接続部24を通じて携帯電気機器本体10(二次電池11)の充電が可能となっている。
【0020】
また、収納ケース20は、例えば前記二次電池11と同様の構成をなす(携帯電気機器本体10への交換使用が可能な)予備の二次電池12がケース20内部に設けたホルダ(図示略)にて保持可能となっている。充電装置21は、受電回路23とその二次電池12とを電気的に接続するための第2接続部25を備え、携帯電気機器本体10(二次電池11)の充電と共に、予備の二次電池12の充電が可能に構成されている。
【0021】
このような収納ケース20(携帯電気機器本体10)に対して構成される充電器30は、送電コイル31と送電回路32を備え、家庭用電源等の外部電源から携帯電気機器本体10側の充電に適した所定の交流電力を生成し、送電コイル31から送電を行う。
【0022】
そして、収納ケース20に収納された携帯電気機器本体10が充電器30に載置(近接配置)されることで送電コイル31から受電コイル22に向けて電力が伝送され、収納ケース20内の充電装置21にて携帯電気機器本体10に装着状態の二次電池11及び予備の二次電池12が共に充電される。これにより、単に携帯電気機器本体10(二次電池11)への充電のみならず、予備の二次電池12の充電をも行えるようになっている。
【0023】
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)本実施形態では、収納ケース20は、携帯電気機器本体10とともに予備の二次電池12が収納可能に構成されており、該収納ケース20に備えられる充電装置21は、第1接続部24にて携帯電気機器本体10に接続すると共に第2接続部25にて予備の二次電池12と接続し、携帯電気機器本体10に内蔵の二次電池11及び予備の二次電池12の充電を行う。つまり、1つの収納ケース20内で、しかも1度の充電により、携帯電気機器本体10に内蔵の二次電池11のみならず予備の二次電池12の充電も可能なため、利便性の一層の向上を図ることができる。尚、本実施形態の収納ケース20は防水構造をなしているため、撮像装置よりなる携帯電気機器本体10の水中撮影を可能とする等、使用範囲を拡大するものである。
【0024】
(第2実施形態)
以下、本発明を具体化した第2実施形態を図面に従って説明する。
図2は、本実施形態における携帯電気機器の充電システムを示す。本実施形態では、収納ケース20内に備えられる充電装置21に送信回路26及び切替部27,28が加えられて構成されている。切替部27は第1接続部24側の電路上に設けられ、切替部28は第2接続部25側の電路上に設けられ、両切替部27,28は送信回路26を介して互いに接続されている。
【0025】
切替部27は、通常時において受電回路23と携帯電気機器本体10(二次電池11)とを接続状態とし、切替部28は、通常時において受電回路23と予備の二次電池12とを接続状態としている。即ち、通常時の切替部27,28は、充電器30により携帯電気機器本体10(二次電池11)及び予備の二次電池12を充電可能な状態としている。
【0026】
これに対し、例えば携帯電気機器本体10に内蔵の二次電池11の充電電圧が低下すると、使用者による手動切り替え、若しくは自動切り替えにより切替部27,28が切り替えられ、携帯電気機器本体10と予備の二次電池12とが送信回路26を介して接続される。このとき、携帯電気機器本体10と予備の二次電池12とは、受電回路23側と遮断される。そして、送信回路26の動作により、予備の二次電池12からの直流電力が携帯電気機器本体10側に供給されるようになり、携帯電気機器本体10の使用時間が延長可能になっている。
【0027】
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)本実施形態においても、前記第1実施形態の作用効果(1)と同様の作用効果を得ることができる。
【0028】
(2)本実施形態では、予備の二次電池12に蓄積された直流電力が携帯電気機器本体10側に供給可能に電路が切り替えられる切替部27,28及び送信回路26が備えられ、予備の二次電池12からの携帯電気機器本体10への電力補填が可能に構成されている。これにより、携帯電気機器本体10の使用時間の延長が可能となり、このことでも利便性向上に寄与することができる。また、収納ケース20は防水構造が故にケース20の開閉が煩雑で携帯電気機器本体10の電池交換が行い辛いことから、上記構成として携帯電気機器本体10の使用時間の延長を図る効果は大である。
【0029】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記各実施形態では特に言及しなかったが、収納ケース20に収納及び充電可能な予備の二次電池12を単数又は複数としてもよい。つまり、二次電池12を保持するホルダ(図示略)及び電気的接続を図る第2接続部25の数を適宜変更してもよい。
【0030】
・上記各実施形態では、携帯電気機器本体10をデジタルカメラやビデオカメラ等の撮像装置としたが、その他の携帯電気機器であってもよい。
・上記各実施形態では、収納ケース20は防水構造であったが、例えば防滴構造、防塵構造等で構成されたものであってもよい。
【符号の説明】
【0031】
10…携帯電気機器本体、11,12…二次電池、20…収納ケース、21…充電装置、24…第1接続部、25…第2接続部、26…送信回路(切替手段)、27,28…切替部(切替手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内蔵の二次電池からの電源供給を受けて動作する携帯電気機器本体の収納及び外部からの操作が可能に構成され、収納した前記携帯電気機器本体に接続部を通じて接続し、外部から非接触で伝送される交流電力の受電に基づいて所定の直流電力を生成して前記接続部を介して前記携帯電気機器本体に供給し、前記携帯電気機器本体に内蔵の二次電池の充電を行う充電装置を備えた携帯電気機器の収納ケースであって、
前記携帯電気機器本体に内蔵の二次電池に対しての予備の二次電池を収納可能に構成され、
前記充電装置は、前記携帯電気機器本体に接続する第1接続部と共に、前記予備の二次電池と接続する第2接続部を有し、前記生成した直流電力を両接続部を介して前記携帯電気機器本体に内蔵の二次電池及び前記予備の二次電池に供給し、両二次電池の充電を行うように構成されたことを特徴とする携帯電気機器の収納ケース。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯電気機器の収納ケースにおいて、
前記携帯電気機器本体への電力補填を行うべく、前記予備の二次電池に蓄積された直流電力を前記携帯電気機器本体側に供給可能に電路が切り替えられる切替手段が備えられたことを特徴とする携帯電気機器の収納ケース。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の携帯電気機器の収納ケースにおいて、
防水構造にて構成されたことを特徴とする携帯電気機器の収納ケース。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の携帯電気機器の収納ケースにおいて、
前記携帯電気機器本体として撮像装置を収納可能に構成されたことを特徴とする携帯電気機器の収納ケース。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の収納ケースに、二次電池内蔵の携帯電気機器本体が収納されて構成されたことを特徴とする携帯電気機器。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−72098(P2011−72098A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−219722(P2009−219722)
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】