説明

携帯電話機、携帯電話機の撮影方法、及び携帯電話機の撮影プログラム

【課題】バイブレータの振動によりぼかし撮影を実現する携帯電話機、携帯電話機の撮影方法、及び携帯電話機の撮影プログラムを提供する。
【解決手段】記憶部23には、キーボード部13を通じて設定されたカメラ15による撮影時におけるバイブレータ16のON/OFFの設定、及びカメラ15による撮影時におけるバイブレータ16の振動数が格納されており、コントローラ20は、カメラ15による静止画又は動画の撮影を実行する際、記憶部23に格納されたカメラ15による静止画又は動画の撮影時におけるバイブレータ16のON/OFFの設定及びバイブレータ16の振動数を読み出し、読み出した情報に基づいて携帯電話機を振動させることによりピントをずらしてソフトフォーカス効果を実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機、携帯電話機の撮影方法、及び携帯電話機の撮影プログラムに関し、特に、バイブレータの振動によりぼかし撮影を実現する携帯電話機、携帯電話機の撮影方法、及び携帯電話機の撮影プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日の携帯電話機の機能向上はめざましく、様々な機能を追加した携帯電話機が商品化されている。また、従来から携帯電話機の分野においては、小型化または薄型化することが求められている。
【0003】
携帯電話機に追加された代表的な機能としては、カメラ機能がある。携帯電話機にカメラ機能を内蔵させ、そのカメラ機能で撮影した静止画や動画を個人で楽しむことができる。また、カメラ機能で撮影した静止画や動画を通信機能により相手先に送信し、多くの人々がカメラ機能で撮影した静止画や動画を楽しむことができる。
【0004】
また、カメラ機能の使用機会が増えるに伴って、静止画や動画を綺麗に撮れるだけでなく、さまざまな撮影効果を使用した撮影の要求が強まってきている。
【0005】
特許文献1では、撮影光学系内に挿脱可能に構成されたコンバージョンレンズと、撮影露光中に前記撮影光学系の一部を駆動させることでソフトフォーカス効果のある画像を得ることができるソフトフォーカス機構とを有し、前記ソフトフォーカス機構は、前記コンバージョンレンズの挿入時にのみ動作可能に設けられたカメラが提案されている。
【0006】
特許文献2では、手振れ補正手段付きカメラにおいて、撮影者の選択により、前記手振れ補正手段の駆動機構を強制的に作動させてソフトフォーカス効果を得ることにより、ソフトフォーカス効果を得るための専用の機構や光学部品を設けることなくソフトフォーカス画像を得ることができるとともに、面倒な画像処理を行わなくてもソフトフォーカス画像を得ることができるソフトフォーカス撮影可能なカメラが提案されている。
【0007】
特許文献3では、被写体から光を取り込んで所定の撮影面上に結像させる撮影レンズを有し、この撮影面上に結像された被写体像を捉えることにより撮影を行うカメラであって、撮影レンズのうち少なくとも1つのレンズを撮影中に光軸方向に振動させるレンズ振動機構を有することにより、ソフトフィルタ、又はソフトフォーカスレンズなどのアタッチメントを設けることなく、ソフトフォーカスの写真を撮影することができるカメラが提案されている。
【特許文献1】特開2000−19613号公報
【特許文献2】特開2002−218312号公報
【特許文献3】特開2004−4325号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記の発明は以下の問題を有している。
【0009】
特許文献1乃至3には、専用の機構や光学部品を設けることなく、かつ面倒な画像処理当を行わずにソフトフォーカス効果を得るための技術として、撮影レンズを撮影中に光軸方向へ振動させる方法、コンバージョンレンズの挿入/退避により焦点距離を変更する方法、手振れ補正手段を利用する方法等が提案されているが、これらのソフトフォーカス効果を得るための技術を携帯電話機が有するカメラ機能に適用する構成については記載されていない。
【0010】
そこで、本発明は、カメラによる静止画又は動画の撮影を行う際に、携帯電話機に装備されるバイブレータを振動させ、携帯電話機自体の振動によりソフトフォーカス効果を実現することにより、ぼかし撮影を行うために新たなハードウェアを追加することなく、小型化・薄型化を図った携帯電話機、携帯電話機の撮影方法、及び携帯電話機の撮影プログラムを提案することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1記載の発明は、カメラを有する携帯電話機であって、前記携帯電話機を振動させる振動手段を有し、前記カメラによる撮影中に前記振動手段によって前記携帯電話機を振動させることを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の携帯電話機において、前記振動手段の振動数を変更する変更手段を有することを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の携帯電話機において、前記カメラによる撮影中の前記振動手段のON/OFFを設定する設定手段を有することを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項記載の携帯電話機において、前記振動手段がバイブレータであることを特徴とする。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項記載の携帯電話機において、前記振動手段は、画像を表示する表示手段と、前記携帯電話機内の空間を通じて前記表示手段に音のエネルギーを伝搬する音響再生手段とを有し、前記音響再生手段から音を放射することにより、前記表示手段を振動させることを特徴とする。
【0016】
請求項6記載の発明は、カメラと、携帯電話機を振動させる振動手段とを有する携帯電話機の撮影方法であって、前記カメラによる撮影中に前記振動手段によって前記携帯電話機を振動させる工程を有することを特徴とする。
【0017】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の携帯電話機の撮影方法において、前記振動手段の振動数を変更する変更工程を有することを特徴とする。
【0018】
請求項8記載の発明は、請求項6又は7記載の携帯電話機の撮影方法において、前記カメラによる撮影中の前記振動手段のON/OFFを設定する設定工程を有することを特徴とする。
【0019】
請求項9記載の発明は、カメラと、携帯電話機を振動させる振動手段とを有する携帯電話機の撮影プログラムであって、前記カメラによる撮影中に前記振動手段によって前記携帯電話機を振動させる処理を有することを特徴とする。
【0020】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の携帯電話機の撮影プログラムにおいて、前記振動手段の振動数を変更する変更処理を有することを特徴とする。
【0021】
請求項11記載の発明は、請求項9又は10の携帯電話機の撮影プログラムにおいて、前記カメラによる撮影中の前記振動手段のON/OFFを設定する設定処理を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、カメラによる静止画又は動画の撮影を行う際に、携帯電話機に装備されるバイブレータを振動させ、携帯電話機自体の振動によりソフトフォーカス効果を実現することにより、ぼかし撮影を行うために新たなハードウェアを追加する必要がないため、携帯電話機を小型化・薄型化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態に係わる携帯電話機の構成及び動作について説明する。
【0024】
まず、図1を用い本実施形態に係わる携帯電話機の構成について説明する。本実施形態に係わる携帯電話機は、スピーカ(発音手段)11と、ディスプレイ部12と、キーボード部13と、マイクロホン14と、カメラ15と、バイブレータ16と、コントローラ20と、無線通信部21と、携帯電話機の電源である蓄電池22と、携帯電話機に格納されるデータや設定等を記憶する記憶部23とを有して構成される。
【0025】
スピーカ11は、無線通信部21が受信した他の通信装置からの電気信号を音振動に変換し、発音する。ディスプレイ12は、キーボード部13などの操作に応じてコントローラ20に入力または選択された電話番号などの情報が表示される。キーボード部13は、テンキー、オンフックキー、及びオフフックキーなどのキーを備えており、使用者がキーボード部13を操作することにより、電話番号や文字、及び発呼指令等の情報をコントローラ20に入力することができる。また、キーボード部13は、携帯電話機を振動させカメラ撮影時のぼかしを実現するバイブレータ16のON/OFF及びバイブレータ16の振動数を制御することによるぼかしの度合いを設定するぼかし制御キー17が備えられている。カメラ15は、被写体の静止画又は動画を撮影する際に作動する。無線通信装置21は、コントローラ20によって制御されており、キーボード部13によってコントローラ20に入力された指令に基づいて、図示せぬ無線基地局等を介して他の通信機器との間で無線通信を行う。コントローラ20は、携帯電話機の装置各部を制御するものであり、通常の携帯電話機と同様に各部を制御する。蓄電池22は、本実施形態に係わる携帯電話機の動作を司る各部へ電力を供給する。
【0026】
記憶部23は、携帯電話機に格納されるデータや設定等を記憶する。具体的には、通信相手の電話番号、メールアドレス、カメラ15により撮影した静止画又は動画の画像データ、キーボード部13を通じて設定された各種設定等が格納される。特に、本実施形態に係わる携帯電話機の記憶部23には、キーボード部13を通じて設定されたカメラ15による撮影時におけるバイブレータ16のON/OFFの設定、及びカメラ15による撮影時におけるバイブレータ16の振動数が格納される。コントローラ20は、カメラ15による静止画又は動画の撮影を実行する際、記憶部23に格納されたカメラ15による静止画又は動画の撮影時におけるバイブレータ16のON/OFFの設定及びバイブレータ16の振動数を読み出し、読み出した情報に基づいて携帯電話機を振動させることによりピントをずらし、ソフトフォーカス効果を実現する。
【0027】
次に、図2を用いて本実施形態に係わる携帯電話機の外観の構成について説明する。図2に示すように、本実施形態に係わる携帯電話機は、スピーカ11、ディスプレイ部12、バイブレータ16、及びカメラ15を有する上部筐体18と、キーボード部13、及びマイクロホン14を有する下部筐体19とを有して構成される。
【0028】
上部筐体18及び下部筐体19は、略直方体状に形成されており、その前面部にそれぞれスピーカ11、ディスプレイ部12、キーボード部13、及びマイクロホン14が配置されている。また、上部筐体18の背面部には、カメラ15が配置されている。さらに、上部筐体18内部には、携帯電話機を振動させるバイブレータ16が配置されている。本実施形態に係わる携帯電話機は、カメラ15による静止画又は動画撮影時にバイブレータ16を起動し、携帯電話機を振動させることにより、ピントをずらしてソフトフォーカス効果を実現する。なお、図2に示す携帯電話機においては、カメラ15を上部筐体18の背面部に設けたが、図3に示すように上部筐体18の前面部に設けることも可能である。
【0029】
次に、本実施形態に係わる携帯電話機において、カメラ15による撮影時におけるバイブレータ16の振動を設定する動作、及びカメラ15による撮影時にバイブレータ16を振動させる動作について図4を用いて説明する。
【0030】
キーボード部13の電源投入ボタンが押下されると、蓄電池22から各部への電源の供給が開始され、携帯電話機の電源がONされる(ステップS401)。次に、ユーザがキーボード部13を通じてコントローラ20に対してカメラ15の起動を要求すると、コントローラ20はカメラ15を起動する(ステップS402)。
【0031】
カメラ15が起動されると、コントローラ20はソフトフォーカス効果の設定を待って待機する(ステップS403)。そして、ユーザがキーボード部13を通じてコントローラ20に対してソフトフォーカス効果の起動が要求されなかった場合は(ステップS403/NO)、ソフトフォーカス効果が起動されずにカメラ15による静止画又は動画の撮影動作が開始される(ステップS407)。
【0032】
一方、ユーザがキーボード部13を通じてコントローラ20に対してソフトフォーカス効果の起動を要求した場合は(ステップS403/YES)、コントローラ20はバイブレータ16を起動させる(ステップS404)。バイブレータ16が起動されると(ステップS404)、コントローラ20はバイブレータ16の振動数の変更を待って待機する(ステップS405)。そして、ユーザがキーボード部13を通じてコントローラ20に対して振動数の変更を要求した場合は(ステップS405/YES)、コントローラ20はバイブレータ16の振動数の変更を実行する(ステップS406)。なお、バイブレータ16の振動数の変更が実行されると、記憶部23に格納されているカメラ15による静止画又は動画の撮影時の振動数が更新される。バイブレータ16における振動数の変更が完了すると(ステップS406)、カメラ15による静止画又は動画の撮影動作が開始される(ステップS407)。
【0033】
一方、コントローラ20に対して振動数の変更が要求されなかった場合は(ステップS405/NO)、振動数の変更は行われず、記憶部23に格納されている振動数によりバイブレータ16は振動し、カメラ15による静止画又は動画の撮影動作が開始される(ステップS407)。
【0034】
なお、バイブレータ16の振動は、ステップS404において振動開始されると、ユーザがキーボード部13を通じてコントローラ20に対してバイブレータ16の停止を要求するまで継続される。したがって、ユーザは、一度のバイブレータ16の起動要求により複数回のソフトフォーカス効果によるぼかしの入った静止画又は動画の撮影が可能である。
【0035】
本実施形態に係わる携帯電話機によれば、カメラによる静止画又は動画の撮影を行う際に、携帯電話機に装備されるバイブレータを振動させ、携帯電話機自体の振動によりソフトフォーカス効果を実現することにより、ぼかし撮影を行うために新たなハードウェアを追加する必要がないため、携帯電話機を小型化・薄型化することができる。
【0036】
次に、他の実施形態に係わる携帯電話機の構成及び動作について説明する。
【0037】
まず、図5を用い本実施形態に係わる携帯電話機の構成について説明する。本実施形態に係わる携帯電話機は、スピーカ(発音手段)11と、ディスプレイ部12と、キーボード部13と、マイクロホン14と、カメラ15と、コントローラ20と、無線通信部21と、携帯電話機の電源である蓄電池22と、携帯電話機に格納されるデータや設定等を記憶する記憶部23とを有して構成される。
【0038】
スピーカ11は、無線通信部21が受信した他の通信装置からの電気信号を音振動に変換し、発音する。ディスプレイ12は、キーボード部13などの操作に応じてコントローラ20に入力または選択された電話番号などの情報が表示される。また、本実施形態に係わるディスプレイ12は、振動を発生し、カメラ15によって静止画又は動画を撮影する際のソフトフォーカス効果を実現する。
【0039】
ディスプレイ12を振動させる方法の一例としては、携帯電話機内部に音響再生装置を設け、カメラ15による静止画又は動画の撮影時に、音響再生装置からディスプレイ12との間に設けられた空間に音を放射させ、放射された音のエネルギーによってディスプレイ12を振動させる方法がある。なお、ディスプレイ12を振動させる方法は、上述の構成に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
【0040】
キーボード部13は、テンキー、オンフックキー、及びオフフックキーなどのキーを備えており、使用者がキーボード部13を操作することにより、電話番号や文字、及び発呼指令等の情報をコントローラ20に入力することができる。また、キーボード部13は、携帯電話機を振動させカメラ撮影時のぼかしを実現するディスプレイ12の振動のON/OFF及びディスプレイ12の振動数を制御することによるぼかしの度合いを設定するぼかし制御キー17が備えられている。カメラ15は、被写体の静止画又は動画を撮影する際に作動する。無線通信装置21は、コントローラ20によって制御されており、キーボード部13によってコントローラ20に入力された指令に基づいて、図示せぬ無線基地局等を介して他の通信機器との間で無線通信を行う。コントローラ20は、携帯電話機の装置各部を制御するものであり、通常の携帯電話機と同様に各部を制御する。蓄電池22は、本実施形態に係わる携帯電話機の動作を司る各部へ電力を供給する。
【0041】
記憶部23は、携帯電話機に格納されるデータや設定等を記憶する。具体的には、通信相手の電話番号、メールアドレス、カメラ15により撮影した静止画又は動画の画像データ、キーボード部13を通じて設定された各種設定等が格納される。特に、本実施形態に係わる携帯電話機の記憶部23には、キーボード部13を通じて設定されたカメラ15による撮影時におけるディスプレイ12の振動のON/OFFの設定、及びカメラ15による撮影時におけるディスプレイ12の振動数が格納される。コントローラ20は、カメラ15による静止画又は動画の撮影を実行する際、記憶部23に格納されたカメラ15による静止画又は動画の撮影時におけるディスプレイ12の振動のON/OFFの設定及びディスプレイ12の振動数を読み出し、読み出した情報に基づいて携帯電話機を振動させることによりピントをずらし、ソフトフォーカス効果を実現する。
【0042】
次に、図6を用いて本実施形態に係わる携帯電話機の外観の構成について説明する。図6に示すように、本実施形態に係わる携帯電話機は、スピーカ11、ディスプレイ部12、及びカメラ15を有する上部筐体18と、キーボード部13、及びマイクロホン14を有する下部筐体19とを有して構成される。
【0043】
上部筐体18及び下部筐体19は、略直方体状に形成されており、その前面部にそれぞれスピーカ11、ディスプレイ部12、キーボード部13、及びマイクロホン14が配置されている。また、上部筐体18の背面部には、カメラ15が配置されている。本実施形態に係わる携帯電話機は、カメラ15による静止画又は動画撮影時にディスプレイ12の振動機能を起動し、携帯電話機を振動させることにより、ピントをずらしてソフトフォーカス効果を実現する。なお、図6に示す携帯電話機においては、カメラ15を上部筐体18の背面部に設けたが、図7に示すように上部筐体18の前面部に設けることも可能である。
【0044】
次に、本実施形態に係わる携帯電話機において、カメラ15による撮影時におけるディスプレイ12の振動を設定する動作、及びカメラ15による撮影時にディスプレイ12を振動させる動作について図8を用いて説明する。
【0045】
キーボード部13の電源投入ボタンが押下されると、蓄電池22から各部への電源の供給が開始され、携帯電話機の電源がONされる(ステップS801)。次に、ユーザがキーボード部13を通じてコントローラ20に対してカメラ15の起動を要求すると、コントローラ20はカメラ15を起動する(ステップS802)。
【0046】
カメラ15が起動されると、コントローラ20はソフトフォーカス効果の設定を待って待機する(ステップS803)。そして、ユーザがキーボード部13を通じてコントローラ20に対してソフトフォーカス効果の起動が要求されなかった場合は(ステップS803/NO)、ソフトフォーカス効果が起動されずにカメラ15による静止画又は動画の撮影動作が開始される(ステップS807)。
【0047】
一方、ユーザがキーボード部13を通じてコントローラ20に対してソフトフォーカス効果の起動を要求した場合は(ステップS803/YES)、コントローラ20はディスプレイ12の振動機能を起動させる(ステップS804)。ディスプレイ12の振動機能が起動されると(ステップS804)、コントローラ20はディスプレイ12の振動数の変更を待って待機する(ステップS805)。そして、ユーザがキーボード部13を通じてコントローラ20に対して振動数の変更を要求した場合は(ステップS805/YES)、コントローラ20はディスプレイ12の振動数の変更を実行する(ステップS806)。なお、ディスプレイ12の振動数の変更が実行されると、記憶部23に格納されているカメラ15による静止画又は動画の撮影時の振動数が更新される。ディスプレイ12の振動数の変更が完了すると(ステップS806)、カメラ15による静止画又は動画の撮影動作が開始される(ステップS807)。
【0048】
一方、コントローラ20に対して振動数の変更が要求されなかった場合は(ステップS805/NO)、振動数の変更は行われず、記憶部23に格納されている振動数によりディスプレイ12は振動し、カメラ15による静止画又は動画の撮影動作が開始される(ステップS807)。
【0049】
なお、ディスプレイ12の振動は、ステップS804において振動開始されると、ユーザがキーボード部13を通じてコントローラ20に対してディスプレイ12の停止を要求するまで継続される。したがって、ユーザは、一度、ディスプレイ12の振動機能の起動を要求することにより複数回のソフトフォーカス効果によるぼかしの入った静止画又は動画の撮影が可能である。
【0050】
本実施形態に係わる携帯電話機によれば、カメラによる静止画又は動画の撮影を行う際に、携帯電話機に装備されるディスプレイを振動させ、携帯電話機自体の振動によりソフトフォーカス効果を実現することにより、ぼかし撮影を行うために新たなハードウェアを追加する必要がないため、携帯電話機を小型化・薄型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本実施形態に係わる携帯電話機のシステム構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係わる携帯電話機の外観図である。
【図3】本実施形態に係わる携帯電話機の外観図である。
【図4】本実施形態に係わる携帯電話機が有するカメラによって撮影を行うときの動作を示すフローチャートである。
【図5】他の実施形態に係わる携帯電話機のシステム構成を示すブロック図である。
【図6】他の実施形態に係わる携帯電話機の外観図である。
【図7】他の実施形態に係わる携帯電話機の外観図である。
【図8】他の実施形態に係わる携帯電話機が有するカメラによって撮影を行うときの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0052】
11 スピーカ
12 ディスプレイ部
13 キーボード部
14 マイクロホン
15 カメラ
16 バイブレータ
17 制御キー
18 上部筐体
19 下部筐体
20 コントローラ
21 無線通信部
22 蓄電池
23 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラを有する携帯電話機であって、
前記携帯電話機を振動させる振動手段を有し、
前記カメラによる撮影中に前記振動手段によって前記携帯電話機を振動させることを特徴とする携帯電話機。
【請求項2】
前記振動手段の振動数を変更する変更手段を有することを特徴とする請求項1記載の携帯電話機。
【請求項3】
前記カメラによる撮影中の前記振動手段のON/OFFを設定する設定手段を有することを特徴とする請求項1又は2記載の携帯電話機。
【請求項4】
前記振動手段がバイブレータであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の携帯電話機。
【請求項5】
前記振動手段は、
画像を表示する表示手段と、
前記携帯電話機内の空間を通じて前記表示手段に音のエネルギーを伝搬する音響再生手段とを有し、
前記音響再生手段から音を放射することにより、前記表示手段を振動させることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の携帯電話機。
【請求項6】
カメラと、携帯電話機を振動させる振動手段とを有する携帯電話機の撮影方法であって、
前記カメラによる撮影中に前記振動手段によって前記携帯電話機を振動させる工程を有することを特徴とする携帯電話機の撮影方法。
【請求項7】
前記振動手段の振動数を変更する変更工程を有することを特徴とする請求項6記載の携帯電話機の撮影方法。
【請求項8】
前記カメラによる撮影中の前記振動手段のON/OFFを設定する設定工程を有することを特徴とする請求項6又は7記載の携帯電話機の撮影方法。
【請求項9】
カメラと、携帯電話機を振動させる振動手段とを有する携帯電話機の撮影プログラムであって、
前記カメラによる撮影中に前記振動手段によって前記携帯電話機を振動させる処理を有することを特徴とする携帯電話機の撮影プログラム。
【請求項10】
前記振動手段の振動数を変更する変更処理を有することを特徴とする請求項9記載の携帯電話機の撮影プログラム。
【請求項11】
前記カメラによる撮影中の前記振動手段のON/OFFを設定する設定処理を有することを特徴とする請求項9又は10記載の携帯電話機の撮影プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−124018(P2007−124018A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−309929(P2005−309929)
【出願日】平成17年10月25日(2005.10.25)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】