説明

携帯電話機

【課題】携帯電話機に、女性が常に必要とする化粧品、錠剤等の薬品、コンタクトレンズ、その他身の回り品等々の小物を収納する収納部を設置自在とし、両者を一体化してコンパクトに形成し、携帯電話機と化粧品用具との二物品を携行しないで済む携帯電話機を提供する。
【解決手段】化粧品収納部を備えた化粧用体をディスプレイ部及び操作部と一体的に構成し、回動自在に枢支或いは設置自在とし、常に携帯電話機として、また化粧品用具として使用可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機は、夫々どこでも自由に通話でき、更にはその性能向上によって、本来の通信用から、携帯者の居場所の感知まで出来るようになり、子供から老人まで夫々の用途の広がりから広く普及して、持たない人はいない位である。
【0003】
特に、女性の場合、化粧用具のコンパクト型の折畳み式の形態電話機が好かれ、多用されているようである。小型化されてきているため、衣服のポケットに収納されてもいるが、ハンドバッグ、袋等に収納して携行されているのが常である。
【0004】
この場合、通常女性は、特に外出時には化粧用具としてコンパクト及び携帯電話機の両者を持っているのが普通である。
最近、この携帯電話機の液晶を主体としたディスプレイ表示部を化粧用鏡として使用しようとする提案が為されている。
【0005】
例えば、特開2001−136253号公報(特許文献1)に発表されている携帯電話機は、鏡面反射型液晶をディスプレイ表示部に使用し、信号切換スイッチのオンにより鏡面反射型液晶へ通電し、電源供給してディスプレイ表示を行い、オフにより鏡面反射型液晶への通電を阻止し、鏡面反射型液晶を鏡の用途に用いる。
この構成により、必要な際には、鏡面反射型液晶を鏡として、また携帯電話機のディスプレイ表示部として使用出来る。
【0006】
又、特開2003−92619号公報(特許文献2)においては、本体とその内側を覆う開閉自在の蓋体で構成し、本体の内側をハーフミラーを介して所要のメッセージ等を発光表示するディスプレイ表示部として使用し、ディスプレイ表示部として使用しない時にはハーフミラーを鏡として使用することが出来る。
【0007】
更に、特開2003−46622号公報(特許文献3)においては、携帯電話機の外側のケースのプッシュボタンが設けられている以外の表面領域に、鏡面を設けることが提案されている。
【0008】
又、これらの鏡面は、ベースフィルムに鏡面を形成し、該ベースフィルムを外側ケースに貼着したり、また鏡面は、蒸着又はスパッタリングによって形成されていることが開示されている。
【0009】
以上の如く、従来の携帯電話機において、外側ケースに鏡体を設けたり、液晶表示部、ディスプレイ表示部を鏡面として使用することにより、携帯電話機と鏡を一体的に構成したものが開示されている。
【0010】
しかし、これら携帯電話機においては、夫々の構成の鏡面によって顔等を映す鏡として使用するのであり、それ以上の作用効果は有していない。一般に女性が鏡を見るときには、顔、髪が今どのような形であるかを知りたいと思う時であるが、それは単なる状態の確認だけでなく、それを手直しなり、修正なり、手を加えたい場合であろう。
この際、単に確認に終わらず、何らかの手を加えたい時が多いはずである。特に、本人にとり重要な場合である程、その思いは強いと思われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2001−136253号公報
【特許文献2】特開2003−92619号公報
【特許文献3】特開2003−46622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記先行技術において回避されない欠点を解消するために為されたものである。本発明は、常時携行している携帯電話機を用いて、いつでも、どこでも身だしなみを整えるための道具として利用しようとするものである。
【0013】
又、本発明は、女性が常時携行する携帯電話機と化粧用具としてのコンパクト機能をあれこれ持つことなく、一つにまとめて携帯に便利に小型軽量化して構成したものである。
【0014】
又、本発明は、収納部の構成により常用する錠剤等の薬品、コンタクトレンズ、硬貨等のお金、その他身の回り品等々の小物を、携帯電話機を利用して常に携行出来るように構成したものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、この目的の達成のために、液晶を主体として構成されたディスプレイ表示部と操作部より成る携帯電話機において、化粧品保持部を備えた収納部を前記ディスプレイ部及び操作部と回動自在に枢支したことを特徴とする携帯電話機である。
【0016】
又、ディスプレイ表示部又は操作部外側面に、鏡を設けたことを特徴とする携帯電話機である。
【0017】
又、前記収納部を、ディスプレイ表示部又は操作部と共に回動自在に枢支したことを特徴とする携帯電話機である。
【0018】
又、前記収納部を着脱自在に構成したことを特徴とする携帯電話機である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、いつも携行する携帯電話機を持っているだけで、化粧用具を別途携行する必要がなく、一のコンパクト型携帯を所持するだけであり、ハンドバッグ、袋物等に収納する物の数、量を減らすことが出来、身軽に且つ嵩張りを気にすることもない。
又、使用に当たっては、夫々の用途に応じて電話機としての使用、化粧用具としての使用に夫々輻輳することなく、簡単に使用でき、夫々邪魔となることもない。
従って、二つ以上の用途を夫々の目的に応じて使用し分けた一機構にて充分果たせると共に、一携行品だけで済み、使用上至便である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明一実施例使用状態説明図
【図2】本発明一実施例使用状態説明図
【図3】本発明他実施例使用状態説明図
【図4】本発明他実施例使用状態説明図
【発明を実施するための形態】
【0021】
本願発明の実施の形態について、実施例を示す図面により説明する。
1は、携帯電話機で、本第1実施例では、液晶表示部2を主体として構成されるディスプレイ表示部3と操作ボタン等4,4より構成される操作部本体5とを枢支部6にて開閉自在に枢支して、折畳み自在と為した二つ折型にて構成されている。
【0022】
この開閉式の携帯電話機において、受話器7は、ディスプレイ表示部3上方に、送話口8は操作部本体5下方に設置されているのが通常である。
その他、携帯電話機において必要とされる機能部、例えばアンテナ、電源、開始キー、終了キー、検索キー等は図示しないが、通常設置態様に応じて設置されるものとする。
【0023】
9は、収納部で、ディスプレイ表示部3の下方に形成された凹部31に、開閉自在にディスプレイ表示部3に設けたヒンジ32又は枢支部6に枢支させてある。該収納部9は、板状又は函状に形成し、所望数の凹部91,91…を形成して、紅、白粉等を収納させ、必要に応じた化粧用具92としての筆を嵌合、係止によって支承出来るように構成する。
【0024】
又、収納部9で、棒状又は棒状先端に紅、白粉等を取り付けた化粧用具92,92…を嵌合又は係止部93,93…にて保持させる構成とすることも出来る。
この際、化粧用具92,92…上には、フィルム等の遮蔽物を載置或いは挟み込み等により、着脱自在とし、鏡面その他の機器の保持部材とすることも出来る。
又、収納部9は、函状と板体と二つに形成し、板体を函状に嵌合する状態も使用出来る。
【0025】
又、この収納部9は、ヒンジ32又は枢支物6に枢支させる他に、ネジ止めや凹凸の嵌合によって、容易に着脱自在とすることも出来る。
更に、この収納部9は、使用目的に応じ、錠剤等の薬品、コンタクトレンズ、その他身の回り品等々の小物等の形態に応じて構成できる。又、必要に応じて交換自在とすることも出来る。
【0026】
この第1実施例においては、ディスプレイ表示部3を、電話機そのものとして使用することと、鏡面として利用できる二面性を有する反射型鏡面を有する液晶を用い、ディスプレイ表示部3のON、OFFによって何れを使うか選択する方式或いは鏡面を半透過型としてディスプレイ表示部3とするか、鏡面として使用するか選択可能な技術を採択し、使用するのが便である。
【0027】
この携帯の使用時、選択ボタン41,41により携帯電話機の使用か、鏡面としての使用かを選択し、携帯電話機としての使用であれば通常用法により使用し、鏡面としての使用時に液晶としての使用を遮断して鏡面のみを使用して、化粧用具92,92或いは紅、白粉等の所望化粧品により、適宜の処置を行う。
【0028】
第2実施例を示す図3,4について説明する。
該実施形態は、ディスプレイ表示部3と操作部本体5とを枢支6を介して、開閉自在にした二つ折の構成を使用し、何れか一方の裏側、即ち外側面に鏡21を形成させ、該鏡21に対応して化粧品91,91…を収納する収納部9を形成させた蓋体100を枢支部6に開閉自在に枢支したものである。
【0029】
蓋体100は、板状に形成させて凹部を形成させた収納部9を嵌合させるか、一体形成しても良い。この収納部9は、前記第1実施例に示される構成を利用することも出来る。
【0030】
又、鏡21は、既存の鏡をそのまま貼着して使用することも出来る。
又、鏡21は、ディスプレイ表示部3や操作部本体5の裏面たる外側面に、フィルム上に銀等の反射部材を蒸着やスパッタリング等によって鏡面を構成して、このフィルムを鏡21として貼着することも出来る。
【0031】
又、ディスプレイ表示部3、操作部本体5の何れか一方の外側面に、反射部材を蒸着やスパッタリングによって直接形成させることも可能である。
【0032】
又、ディスプレイ表示部3と操作部本体5とを一体的に形成した形態においても、収納部9を開閉自在に枢支したり、凹部を形成して、そこに挿着、離脱に形成することも出来る。
【0033】
又、携帯電話機の形態として、各種操作ボタン、キーボードを設置した操作部本体5を、ケースに着脱自在に装着し、液晶等より構成されるディスプレイ表示部を蓋体の如く形成したもの、或いはケースに側面から操作部本体5をスライド式に収納自在としたもの、更にはスライド式のケースに操作部本体5を着脱自在にする構成等が考えられるが、該ケースに操作部本体5と収納部9を収納させる場所を形成し、操作部本体5と共に前記収納部9を、例えば嵌合、挿入、回転自在に枢支等により着脱自在とすることも出来る。
更にまた、操作部本体5裏面やケース内又はケース裏面に鏡21を設置することも出来る。
【符号の説明】
【0034】
1 携帯電話機
2 液晶表示部
21 鏡
3 ディスプレイ表示部
4 操作ボタン
41 選択ボタン
5 操作部本体
6 枢支部
7 受話器
8 送話口
9 収納部
91 化粧品
92 化粧用具
93 係止部
100 蓋体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶を主体として構成されたディスプレイ表示部と操作部より成る携帯電話機において、化粧品保持部を備えた収納部を前記ディスプレイ部及び操作部と共に設けたことを特徴とする携帯電話機。
【請求項2】
ディスプレイ表示部又は操作部外側面に、鏡を設けたことを特徴とする請求項1に記載の携帯電話機。
【請求項3】
前記収納部を、ディスプレイ表示部又は操作部と共に回動自在に枢支したことを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の携帯電話機。
【請求項4】
前記収納部を着脱自在に構成したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の携帯電話機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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