説明

携帯電話機

【課題】海や河川でも安心して使用できるストレート型携帯電話機を提供することにある。
【解決手段】ストレート型携帯電話機1は、筐体2と、筐体2内に収容され、音声を入力するためのマイクロホン8と、を備える。筐体2には、マイクロホン8の音響端子となる開口部9が形成されている。ストレート型携帯電話機1は、開口部9を開放し又は閉塞するための着脱可能な防水キャップ10を更に備えている。ストレート型携帯電話機1は、パネルスピーカFを備える。パネルスピーカFは、筐体2によって弾性的に支持されると共に、音波を発生可能な振動パネル15と、振動パネル15に実装接合されて電気音声信号を音響振動に変換する振動素子18と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、マイクロホンの振動板が水に濡れるのを未然に防ぐことを目的として、水滴センサーを用いて、音響端子用の開口部を的確に塞ぐ技術が開示されている。
【0003】
特許文献2には、ケース本体に形成されたマイクロホンの集音口をロック部材で閉塞する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−44687号公報
【特許文献2】実開昭60−155088号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、筐体に形成されたマイクロホンの開口部を塞ぐ技術は他にもいくつか公知となっている。しかしながら、携帯電話機の分野においては、携帯電話機はマイクロホンを介して会話することが主たる目的であるし、いつどのような状況において着呼が発生するか到底予測が付かない。このような事情から、本願出願時における技術常識としては、マイクロホンの開口部は、当然に常時開放して然るべきとの価値観しかない。
【0006】
本願発明の目的は、このような固定観念を根底から覆す新たな思想を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明の観点によれば、携帯電話機は、筐体と、前記筐体内に収容され、音声を入力するためのマイクロホンと、を備える。前記筐体には、前記マイクロホンの音響端子となる開口部が形成されている。携帯電話機は、前記開口部を開放し又は閉塞するための着脱可能な防水キャップを更に備えている。
【発明の効果】
【0008】
本願発明によれば、前記携帯電話機を海や河川でも安心して使用できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、携帯電話機の斜視図である。(本実施形態)
【図2】図2は、マイク部の拡大図である。(本実施形態)
【図3】図3は、防水キャップを取り外した状態を示す図である。(本実施形態)
【図4】図4は、防水キャップの斜視図である。(本実施形態)
【図5】図5は、図1のV-V線矢視断面図である。(本実施形態)
【図6】図6は、図1のVI-VI線矢視断面図である。(本実施形態)
【発明を実施するための形態】
【0010】
(ストレート型携帯電話機1)
図1に示すように、タッチパネル式のストレート型携帯電話機1(携帯端末、携帯電話機)は、筐体2と、スクリーン3と、マイク部5と、コネクタ部7と、によって構成されている。スクリーン3は、筐体2の前面2aに設けられている。マイク部5は、筐体2の底面2bに設けられている。コネクタ部7は、筐体2の側面2cに設けられている。
【0011】
(筐体2)
図3に示すように、筐体2内には、音波を電気信号に変換する変換素子としてのマイクロホン8が収容されている。即ち、マイクロホン8は、音声を入力するためのものである。筐体2の底面2bには、マイクロホン8の音響端子となる開口部9が形成されている。そして、図2に示すように、筐体2には、図3に示す開口部9を開放し又は閉塞するための着脱可能な防水キャップ10が設けられている。
【0012】
(マイク部5)
マイク部5は、開口部9が形成された筐体2と、マイクロホン8と、防水キャップ10によって実現されている。
【0013】
図4に示すように、防水キャップ10は、カバー部11と、被圧入部12と、脱落防止部13と、によって構成されている。カバー部11は、開口部9を閉塞するためのものである。カバー部11は、開口部9の開口面積よりも若干大きい面積を有する。被圧入部12は、カバー部11を筐体2の側面2cに対して密着させた防水状態に保持するためのものである。被圧入部12が開口部9内に圧入されると、カバー部11は、開口部9を閉塞しつつ、筐体2の側面2cに対して密着した防水状態に保持される。脱落防止部13は、被圧入部12を開口部9から抜き出したときに、カバー部11が筐体2から離れて紛失してしまうことを防止するためのものである。脱落防止部13の一旦はカバー部11に接続し、他端は筐体2の側面2cに対して連結されている。この構成で、通話開始時には防水キャップ10を筐体2から取り外し、通話終了時には防水キャップ10を再び筐体2に取り付ければよい。
【0014】
(スクリーン3)
図5及び図6に示すように、スクリーン3は、表示パネルとしてのLCD14と、振動パネル15と、透明圧電シート16と、ガスケット17と、振動素子18と、によって構成されている。
【0015】
振動パネル15は、筐体2によってガスケット17を介して弾性的に支持されると共に、音波を発生可能な透明パネルである。
【0016】
透明圧電シート16は、スクリーン3に対してタッチパッドとして機能を追加するための、シート状に形成された圧電素子の集合体である。
【0017】
ガスケット17は、例えばシリコーンエラストマーやウレタンエラストマーによって環状に形成されたものである。ガスケット17は、振動パネル15と筐体2の間に介在すると共に、筐体2に振動パネル15を弾性的に支持させる。
【0018】
振動素子18は、振動パネル15に実装接合されて電気音声信号を音響振動に変換するものである。
【0019】
本実施形態においてパネルスピーカFは、図6に示すように、振動パネル15と振動素子18を備えて構成されている。このパネルスピーカFは、着呼音の出力と、通話相手の音声の出力と、を兼ねている。パネルスピーカFは、スクリーン3の一部として構成されている。つまり、スクリーン3は、パネルスピーカFの機能を併せ持っている。
【0020】
以上に、本願発明の好適な実施形態を説明したが、本実施形態は、要するに、以下の特長を有している。
【0021】
ストレート型携帯電話機1は、筐体2と、筐体2内に収容され、音声を入力するためのマイクロホン8と、を備える。筐体2には、マイクロホン8の音響端子となる開口部9が形成されている。ストレート型携帯電話機1は、開口部9を開放し又は閉塞するための着脱可能な防水キャップ10を更に備えている。以上の構成によれば、ストレート型携帯電話機1を海や河川でも安心して使用できるようになる。即ち、ストレート型携帯電話機1は、海や河川で使用可能な耐海水防砂型携帯電話機と言うことができ、ストレート型携帯電話機1の利用シーンを効果的に広げることができる。
【0022】
また、ストレート型携帯電話機1は、パネルスピーカFを備える。パネルスピーカFは、筐体2によって弾性的に支持されると共に、音波を発生可能な振動パネル15と、振動パネル15に実装接合されて電気音声信号を音響振動に変換する振動素子18と、を有する。以上の構成によれば、防水型スピーカと同等の防水性能を発揮することができる。
【0023】
また、パネルスピーカFは、着呼音の出力と、通話相手の音声の出力と、を兼ねている。
【符号の説明】
【0024】
1 ストレート型携帯電話機(携帯電話機)
2 筐体
3 スクリーン
10 防水キャップ
15 振動パネル
17 ガスケット
18 振動素子
F パネルスピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体内に収容され、音声を入力するためのマイクロホンと、
を備え、
前記筐体には、前記マイクロホンの音響端子となる開口部が形成されており、
前記開口部を開放し又は閉塞するための着脱可能な防水キャップを更に備えた、
携帯電話機。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯電話機であって、
前記筐体によって弾性的に支持されると共に、音波を発生可能な振動パネルと、前記振動パネルに実装接合されて電気音声信号を音響振動に変換する振動素子と、を有したパネルスピーカを更に備える、
携帯電話機。
【請求項3】
請求項2に記載の携帯電話機であって、
前記パネルスピーカは、着呼音の出力と、通話相手の音声の出力と、を兼ねる、
携帯電話機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−253426(P2012−253426A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122371(P2011−122371)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】