説明

携帯電話装置

【課題】方向キーと決定キーを両手でスムーズに操作する。
【解決手段】携帯電話装置1は、画像表示面3と、操作面10上に設けられた第1の決定キー6aと、第1の決定キー6aを取り囲むように操作面上に設けられ、画像表示面3上でカーソルを任意の方向に動かすための少なくとも4つの方向キー5a,5b,5c,5dと、操作面10上の4つの方向キー5a,5b,5c,5dを結ぶ仮想環状線cの外側に設けられた第2の決定キー6bと、を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯電話装置に関し、特に決定キーの配置形式に関する。
【背景技術】
【0002】
図5に携帯電話装置の正面図を示す。携帯電話装置では、一般に、筐体2の下部に数値等の入力を行うデジットキー4が配置され、その上方に方向キー5a,5b,5c,5dが配置されている。方向キー5a,5b,5c,5dは画像表示面3上のカーソルを上下左右に移動させるため、一般に上下左右の4つのキーとして構成され、これらのキーで囲まれた領域に決定キー106が配置されている。ユーザは電話番号や携帯電話の所望の機能(アプリケーション)を選択する際、方向キー5a,5b,5c,5dを操作してカーソルを所定の位置に移動させ、決定キー106を押下する。これによって選択された項目が確定され、あるいは選択された機能が作動する。方向キー5a,5b,5c,5dと決定キー106はこのように集中的に配置されているため、片手で(典型的には右手の親指で)操作する時に、カーソルの移動と決定キーの押下を素早く行うことができる。
【特許文献1】特開平04−205514号公報
【特許文献2】特開2007−281659号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
携帯電話装置は一般的に片手で操作する場合が多いが、ユーザによっては両手で操作する場合もある。カーソルの移動と決定キーの押下をより素早く行うために、両手で操作したいというニーズもある。しかし、方向キーと決定キーは集中配置されているため、方向キーを一方の手で、決定キーを他方の手で操作する場合、両方の手が交錯し、スムーズな操作が困難となる場合がある。本発明はこのような課題に鑑みてなされ、方向キーと決定キーを両手でスムーズに操作することができる携帯電話装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の携帯電話装置は、画画像表示面と、操作面上に設けられた第1の決定キーと、第1の決定キーを取り囲むように操作面上に設けられ、画像表示面上でカーソルを任意の方向に動かすための少なくとも4つの方向キーと、操作面上の4つの方向キーを結ぶ仮想環状線の外側に設けられた第2の決定キーと、を有している。
【発明の効果】
【0005】
第1の決定キーは、仮想環状線の内側、すなわち方向キーに囲まれた位置に配置されているため、現行の携帯電話装置の決定キーと同様、方向キーと第1の決定キーとを片手でスムーズに連続操作することができる。一方、第2の決定キーは仮想環状線の外側に設けられているため、方向キーとの操作上の干渉が生じにくい。このため一方の手で方向キーを、他方の手で第2の決定キーをスムーズに操作することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る携帯電話装置を説明する。図1は、携帯電話装置の正面図である。
【0007】
携帯電話装置1は、筐体2の上部に設けられた画像表示面3と、筐体2の操作面10に設けられた各種のキーとを備えている。各種のキーは、数字等の入力に用いられるデジットキー4、画像表示面3上でカーソル(図示せず)を任意の方向に動かすための方向キー5a,5b,5c,5d、第1、第2の決定キー6a,6bなどからなる。
【0008】
方向キー5a,5b,5c,5dは第1の決定キー6aを取り囲むように操作面10上に設けられている。方向キーはカーソルを任意の方向、一般的には上下左右に動かすために上下左右に対応した4つのキー5a,5b,5c,5dからなるが、斜め方向へのカーソル移動を行うために5つ以上のキーを有していてもよい。方向キー5a,5b,5c,5dは本実施形態では独立したボタンの形態であるが、リング状のボタンであって、押下する角度位置に応じてカーソルが上下左右に移動するタイプのものでも構わない。方向キー5a,5b,5c,5dは良好な操作性のために集中配置されている。具体的には、方向キー5a,5b,5c,5dは仮想環状線cに沿って互いに隣接して設けられている。この仮想環状線cは本実施形態では円形であるが楕円形でもよい。本実施形態では、第1の決定キー6aは円形の仮想環状線cで規定される円形領域の中心に位置している。
【0009】
操作面10上の4つの方向キー5a,5b,5c,5dを結ぶ仮想環状線cの外側に第2の決定キー6bが設けられている。第1の決定キー6aと第2の決定キー6bはいずれか一方を押下することでカーソル位置を確定し、あるいはカーソルで指定された所定の機能を起動させる。これらの決定キー6a,6bは本実施形態では全く同一の機能を有しているが、部分的に異なっていてもよい。
【0010】
第2の決定キー6bは両手での操作性を考慮して、方向キー5a,5b,5c,5dから離れた位置に設けられている。具体的には、第2の決定キー6bに最も近接した方向キー(図1では方向キー5d)と第2の決定キー6bとの間の離隔距離d2は、4つの方向キーのうち第1の決定キー6aから最も離れた方向キーと第1の決定キー6aとの間の離隔距離d1よりも大きい。図1では、方向キー5a,5b,5c,5dは全て第1の決定キー6aから等距離にあるため、どの方向キーも「最も離れた方向キー」となる。
【0011】
図2は、図5に示す現行の携帯電話装置を両手で操作する時の状況を示す図である。方向キー(5c,5dのみ図示)と決定キー106は近接配置されているため、例えば左手で方向キー5a,5b,5c,5dを操作し右手で決定キー106を操作する場合、右手と左手がかぶってしまう。このため両手操作時の操作性が非常に悪い。
【0012】
図3,4は図1に示す本実施形態に係る携帯電話装置を両手で操作する時の状況を示す図である。図3は、左手で方向キー操作やデジットキー操作、右手で決定キー操作を行う場合、図4は、右手で方向キー操作やデジットキー操作、左手で決定キー操作を行う場合を各々示している。第2の決定キー6bを追加搭載しているため、方向キー等の操作と決定キーの操作を右手と左手に分散させることができ、片手で全ての操作を行う場合に比べて素早い操作が可能となる。また、方向キー操作に影響のない位置に第2の決定キー6bを追加搭載しているため、決定キー操作と方向キー操作を両手で行う場合に右手と左手がかぶることなく、素早い操作が可能となる。第2の決定キー6bを他のボタンから離れた場所に配置しているため、決定キー操作を行う際に、誤って付近にあるボタンを押下することも防止できる。
【0013】
第2の決定キー6bを使わずに第1の決定キー6aだけを使うこともできる。この場合は、片手で全てのキー操作が可能であり、現行の携帯電話装置と同等の操作性を確保できる。仮に、第1の決定キー6aを設けず、第2の決定キー6bだけを設けると、特に第2の決定キー6bが方向キー5a,5b,5c,5dから離れている場合には、片手で決定キー操作と方向キー操作を繰り返す際に指の移動量が大きくなり、操作性が悪化する。
【0014】
本発明の携帯電話装置は、さらに以下の特徴を備えることができる。
【0015】
(1)携帯電話装置1は、第1の決定キー6aと第2の決定キー6bのいずれかの機能を一時的に停止させるキー機能停止手段(図示せず)を備えることができる。従来と全く同じ操作性で携帯電話装置を使用したいユーザは、第2の決定キー6bの機能を一時的に停止すればよい。一方、例えば手が大きい等の理由により、第1の決定キー6aの操作の際に付近の方向キー5a,5b,5c,5dを誤って押下してしまう傾向のあるユーザは、第1の決定キー6aを一時的に停止することができる。一時的とは、停止させた機能を回復可能であることを意味しており、ユーザの好みで永続的にいずれかの決定キーの機能を停止した状態で使い続けることも「一時的」に含まれる。
【0016】
(2)ユーザの利き手等の好みにあわせて、左右の手を「決定キー操作」と「方向キー操作やデジットキー操作」のいずれに割り付けるかを選択することもできる。このため、携帯電話装置1は第2の決定キー割り当て手段(図示せず)を備えることができる。図1を参照すると、第2の決定キー割り当て手段は携帯電話装置1の画像表示面3の中心と操作面10の中心とを結ぶ軸L−Lに関し両側の位置に設けられた2つのキー7a,7bのいずれかを選択的に第2の決定キー6bとして割り当てる。軸L−Lは携帯電話装置の長手軸である場合が多いが、操作面が横長形状である携帯電話装置の場合は短軸となる場合もある。第2の決定キーは、第2の決定キー割り当て手段によって割り当てられた2つのキーのいずれかであり、図1では、キー7bが第2の決定キー6bとして割り当てられている。決定キー割り当て手段は筐体2の側面または背面に設けられた切り替えボタン(図示せず)として構成してもよいし、ソフトウエア的に構成しカーソル操作によって作動させてもよい。
【0017】
(3)第2の決定キーは、携帯電話装置1の軸L−Lに関し両側の位置に一つずつ設けることもできる。例えば、図1の2つのキー7a,7bの両方を第2の決定キーとして構成することができる。この場合、ユーザの利き手がいずれであっても特別な設定をすることなく、好みの位置にあるいずれかの第2の決定キーを用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る携帯電話装置の正面図である。
【図2】図5に示す携帯電話装置を両手で操作する時の状況を示す図である。
【図3】図1に示す携帯電話装置を両手で操作する時の状況を示す図である。
【図4】図1に示す携帯電話装置を両手で操作する時の状況を示す図である。
【図5】関連する技術に係る携帯電話装置の正面図である。
【符号の説明】
【0019】
1 携帯電話装置
2 筐体
3 画像表示面
4 デジットキー
5a,5b,5c,5d 方向キー
6a 第1の決定キー
6b 第2の決定キー
7a,7b キー
10 操作面
c 仮想環状線
d1,d2 離隔距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示面と、
操作面上に設けられた第1の決定キーと、
前記第1の決定キーを取り囲むように前記操作面上に設けられ、前記画像表示面上でカーソルを任意の方向に動かすための少なくとも4つの方向キーと、
前記操作面上の前記4つの方向キーを結ぶ仮想環状線の外側に設けられた第2の決定キーと、
を有する、携帯電話装置。
【請求項2】
前記少なくとも4つの方向キーのうち前記第2の決定キーに最も近接した方向キーと前記第2の決定キーとの間の離隔距離は、前記少なくとも4つの方向キーのうち前記第1の決定キーから最も離れた方向キーと前記第1の決定キーとの間の離隔距離よりも大きい、請求項1に記載の携帯電話装置。
【請求項3】
前記第1の決定キーと前記第2の決定キーのいずれかの機能を一時的に停止させるキー機能停止手段を有する、請求項1または2に記載の携帯電話装置。
【請求項4】
前記画像表示面の中心と前記操作面の中心とを結ぶ軸に関し両側の位置に設けられた2つのキーのいずれかを選択的に前記第2の決定キーとして割り当てる第2の決定キー割り当て手段を有し、
前記第2の決定キーは、前記第2の決定キー割り当て手段によって割り当てられた前記2つのキーのいずれかである、請求項1から3のいずれか1項に記載の携帯電話装置。
【請求項5】
前記第2の決定キーは、前記画像表示面の中心と前記操作面の中心とを結ぶ軸に関し両側の位置に一つずつ設けられている、請求項1から3のいずれか1項に記載の携帯電話装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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