説明

摩擦撹拌接合方法及びその装置

【課題】湾曲部や屈曲部を有するワーク同士を積層して設けられた積層部を、摩擦撹拌接合によって確実に接合する。
【解決手段】摩擦撹拌接合装置10の支持用治具12に、第1ワークW1と、環状湾曲部Rを有する第2ワークW2とを積層して設けた積層部28を載置する。押圧部材24を回転動作させた後、この押圧部材24の先端面を積層部28の上方の第2ワークW2に摺接させるとともに、第2ワークW2側から積層部28を押圧する。スピンドル32を下降させることによって摩擦撹拌接合用工具18のプローブ16を貫通孔22から突出させ、第1ワークW1及び第2ワークW2の肉を支持用治具12の凹部30に塑性流動させるとともに撹拌する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数個の部材が積層されることによって形成された積層部を摩擦撹拌接合する摩擦撹拌接合方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
部材同士を積層させ、その積層部を接合する方法としては、スポット溶接が一般的であるが、近年、摩擦撹拌接合によって接合することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。すなわち、積層部の下端面を支持しながら、回転動作する摩擦撹拌接合用工具のプローブを上端面側から埋没させ、積層された部材の肉を塑性流動させる。
【0003】
ここで、積層部を摩擦撹拌接合する場合、各部材が平坦な板材であれば、積層された部材同士の間に間隙が生じることがない。従って、部材同士を確実に接合することができる。
【0004】
しかしながら、多くの場合、各部材には予め成形加工が施され、このために湾曲部や屈曲部が設けられている。一般的に、このような形状の部材同士を積層すると、部材同士の間に間隙が生じる。この状態で摩擦撹拌接合を行うと、下側の部材にまでプローブが到達することが困難であるため、該部材の肉を塑性流動させることが困難となる。従って、接合後の積層部における接合強度が小さくなってしまう。
【0005】
このような事態が生じることを回避するべく、特許文献1では、部材を押圧して撓ませることで部材同士を可及的に接近させ、この状態で摩擦撹拌接合を行うことが提案されている。しかしながら、部材の弾性変形を利用して部材を撓ませるこの方法では、押圧される部材の弾性変形限界以上に間隙が大きいと、結局、間隙が残留してしまうので、十分な接合強度の積層部を得ることが困難であると懸念される。
【0006】
そこで、特許文献2や特許文献3に記載されているように、プローブの周囲に加熱手段を配設して、接合しようとする部位やその近傍を前記加熱手段で局部的に加熱し、これにより該部位を軟化させることが想起される。この場合、加熱によって変形抵抗を低下させれば、部材を永久変形させることなく弾性変形限界以上に変形させることができ、従って、部材間の間隙を可及的に小さくすることができると推察されるからである。
【0007】
【特許文献1】特開2002−120076号公報
【特許文献2】特開2003−80381号公報
【特許文献3】特開2003−94175号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献2又は特許文献3に記載された技術のいずれにおいても、加熱手段をプローブの走査方向の前後にのみ配設するようにしている。この場合、プローブの走査方向に沿う方向では部材が加熱されるものの、例えば、走査方向に垂直な方向では部材が十分に加熱されないので、変形抵抗が十分に低下しないことが懸念される。
【0009】
また、特許文献2又は特許文献3に記載された技術は、埋没したプローブを、予め加熱した部位に直線的に走査して摩擦撹拌接合を線状に行うものである。このような作業を行う場合、加熱手段によって加熱される部位は、プローブが他の部位を摩擦撹拌接合して走査されるまでの間、変形抵抗が十分に低下する。
【0010】
しかしながら、近年では、プローブを走査させることなく部材同士を1点のみで接合するスポット接合することも広汎に行われており、この場合、加熱手段によって加熱される時間が短いので、プローブが埋没される部位やその近傍の変形抵抗を十分に低下させることができないという不具合がある。
【0011】
さらに、加熱手段を設ける場合、加熱源や、該加熱源を付勢するための付勢電源等の設備が必要となる。従って、装置が複雑化するとともに、設備投資が高騰するという不具合も招く。
【0012】
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、積層された部材同士の間に間隙が生じることを可及的に回避することが可能であり、このために接合強度が大きな積層部を得ることが可能であり、しかも、装置を複雑化することや設備投資の高騰化を招くことを回避することもできる摩擦撹拌接合方法及びその装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記の目的を達成するために、本発明は、複数個の部材が積層されることによって形成され、一端面が支持用治具で支持された積層部に対し、他端面側から摩擦撹拌接合用工具のプローブを埋没させて摩擦撹拌接合を施す摩擦撹拌接合方法であって、
前記プローブを囲繞する押圧部材を回転動作させ、前記押圧部材で前記積層部を前記他端面側から押圧すると同時に軟化させる工程と、
前記押圧部材で軟化された部位に前記プローブを埋没させる工程と、
を有することを特徴とする。
【0014】
本発明においては、先ず、押圧部材が積層部に摺接する。積層された部材同士の間に間隙が存在する場合には、この摺接(押圧)によって間隙が圧潰され、部材同士が密着する。このため、摩擦撹拌接合を行う際、各部材の肉が確実に撹拌されるので、接合後の積層部が接合強度に優れる。
【0015】
しかも、この場合、押圧部材が先に摺接するので、その際の摩擦熱によって、プローブが摺接する前に積層部が十分に予熱される。このため、プローブが摺接した際、肉が容易に撹拌される。すなわち、摩擦撹拌接合が促進され、接合強度が一層優れた積層部を得ることができる。
【0016】
そして、上記から諒解されるように、押圧部材で積層部を予熱するので特別な加熱手段を設ける必要がない。このため、設備投資が高騰化することを回避することもできる。
【0017】
また、本発明は、複数個の部材が積層されることによって形成された積層部を摩擦撹拌接合するための摩擦撹拌接合装置であって、
前記積層部を一端面側から支持する支持用治具と、
回転付勢機構に連結された軸部、及び前記積層部に埋没するプローブを有する摩擦撹拌接合用工具と、
前記軸部を囲繞するケーシングと、
前記ケーシング内を変位可能であり、且つ前記プローブが突出する貫通孔が先端に設けられた押圧部材と、
前記ケーシングに収容されて前記押圧部材を弾発付勢する弾発部材と、
を具備することを特徴とする。
【0018】
このように構成することにより、プローブよりも先に押圧部材を積層部に摺接させることができる。このため、摩擦撹拌接合を行う前に、積層された部材同士の間の間隙を圧潰することができ、且つ摩擦撹拌接合を行う箇所の近傍を十分に予熱させることができる。
【0019】
すなわち、このような装置構成とすることにより、複雑な装置構成とすることなく、接合強度に優れた積層部を容易に得ることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、積層部に対し、プローブを摺接させるより前に押圧部材を摺接させるようにしている。この摺接(押圧)によって、積層された部材同士の間の間隙が圧潰されるとともに、積層部が予熱される。このため、積層された部材の肉の撹拌が容易となるので摩擦撹拌接合が促進され、その結果、接合強度に優れる積層部を、簡便な作業で容易に得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係る摩擦撹拌接合方法につきそれを実施する摩擦撹拌接合装置との関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
本実施の形態に係る摩擦撹拌接合装置の要部概略縦断面図を図1に示す。この摩擦撹拌接合装置10は、支持用治具12と、軸部14及びプローブ16を有する摩擦撹拌接合用工具18と、軸部14を囲繞するケーシング20と、プローブ16が突出する貫通孔22が先端に設けられた押圧部材24と、該押圧部材24を弾発付勢する弾発部材としてのコイルスプリング26とを備える。
【0023】
支持用治具12には、第1ワークW1と第2ワークW2とを積層して形成された積層部28が載置される。この支持用治具12の上端面略中央部には、中空円筒体形状の凹部30が設けられている。なお、本実施の形態において、第1ワークW1及び第2ワークW2は、JIS記号の数字が5000番台である、いわゆる5000系のアルミニウムからなり、第2ワークW2には、環状湾曲部Rが設けられている(図5参照)。
【0024】
摩擦撹拌接合用工具18の軸部14は、回転付勢機構としてのスピンドル32に連結されている。すなわち、摩擦撹拌接合用工具18は、スピンドル32が回転付勢されることに伴って回転動作する。
【0025】
軸部14の上端部近傍には、その一部が大径に設けられることによって円板状部34が形成されており、前記ケーシング20は、この円板状部34の側周壁に嵌合されている。また、プローブ16は、軸部14の先端に設けられた小径部36を介して連設されている。
【0026】
中空円筒体であるケーシング20の先端面は、貫通孔38が設けられることによって開口している。このため、ケーシング20の先端面には、該ケーシング20の側周壁から垂直に屈曲するとともに先端面の中心に向かって突出した内方フランジ部40が設けられた形態となっている。
【0027】
ケーシング20の貫通孔38からは、前記押圧部材24の円筒部42が突出している。この円筒部42の上端部には、該上端部が直径外方向に指向して屈曲されることによって外方フランジ部44が設けられている。この外方フランジ部44は、ケーシング20の内方フランジ部40によって堰止され、これにより、押圧部材24のケーシング20からの抜け止めがなされている。
【0028】
ケーシング20の内部には、前記コイルスプリング26が収容されている。このコイルスプリング26の下端部は押圧部材24の外方フランジ部44に着座しており、一方、上端部は摩擦撹拌接合用工具18の円板状部34の下端面に着座している。このため、押圧部材24は、コイルスプリング26の作用下に積層部28に指向して常時弾発付勢されている。
【0029】
図2に示すように、外方フランジ部44の側周壁には、図1における鉛直方向に沿って4本の嵌合溝46a〜46dが設けられている。嵌合溝46a〜46dの各々には、直方体形状の楔部材48が外方フランジ部44から若干突出するように嵌合されている。
【0030】
また、ケーシング20の内周壁における嵌合溝46a〜46dに対向する位置には係合溝50a〜50dが設けられており、前記楔部材48は、これら係合溝50a〜50dに係合されている。換言すれば、ケーシング20と押圧部材24とは、楔部材48を介して互いに連結されている。なお、楔部材48は、押圧部材24がケーシング20内で変位する際、係合溝50a〜50dに沿って滑動する。
【0031】
押圧部材24の円筒部42には、摩擦撹拌接合用工具18の軸部14における略中腹部より先端部が挿入される。そして、円筒部42の先端面には、上記したように、プローブ16が突出可能な貫通孔22が設けられている。すなわち、摩擦撹拌接合用工具18は、押圧部材24によって囲繞されている。ここで、貫通孔22の直径は、前記小径部36の直径に比して若干大きく設定されている。
【0032】
後述するように、この押圧部材24の先端面によって、積層部28が押圧されるとともに軟化される。
【0033】
図1及び図3に示すように、摩擦撹拌接合用工具18の軸部14の側周壁には、該軸部14の長手方向に沿って4本の第1長尺溝52a〜52dが設けられている。第1長尺溝52a〜52dの各々には、これら第1長尺溝52a〜52dから若干突出するようにガイドバー54が嵌合される。
【0034】
その一方で、押圧部材24の円筒部42の内周壁における第1長尺溝52a〜52dに対向する位置には第2長尺溝56a〜56dが設けられており、押圧部材24がケーシング20内で変位する際、前記ガイドバー54は、これら第2長尺溝56a〜56dに沿って滑動する。換言すれば、ガイドバー54は第2長尺溝56a〜56dに係合されており、これにより、摩擦撹拌接合用工具18の軸部14と押圧部材24とがガイドバー54を介して互いに連結されている。
【0035】
従って、摩擦撹拌接合用工具18が回転動作を開始すると、これに追従して押圧部材24が回転動作し、さらに、押圧部材24の回転動作に追従してケーシング20も回転動作する。
【0036】
本実施の形態に係る摩擦撹拌接合方法は、上記のように構成された摩擦撹拌接合装置10を使用して次のように実施される。
【0037】
先ず、第1ワークW1と第2ワークW2とが積層された積層部28が支持用治具12に載置される。これにより、該積層部28が下端面側から支持される。この際、図1に示すように、第1ワークW1と第2ワークW2との間に間隙が生じていてもよい。
【0038】
なお、支持用治具12の凹部30は、積層部28によって覆われる。
【0039】
次に、スピンドル32を下降させ、押圧部材24と積層部28の上端面とを所定の距離まで接近させた後、スピンドル32を回転付勢する。これに追従して摩擦撹拌接合用工具18が回転動作を開始すると、該摩擦撹拌接合用工具18にガイドバー54を介して連結された押圧部材24と、該摩擦撹拌接合用工具18の円板状部34に嵌合されるとともに楔部材48を介して押圧部材24に連結されたケーシング20とが回転動作する。
【0040】
この状態で、スピンドル32をさらに下降させる。最終的に、積層部28を構成する第2ワークW2の上端面に押圧部材24の先端面が摺接する(図4における破線参照)。その結果、該摺接部位が押圧部材24の先端面で押圧されると同時に、摺接部位に摩擦熱が発生して該摺接部位が軟化する。
【0041】
なお、押圧部材24による押圧力は、第2ワークW2が十分に軟化し、且つ溶融を起こすことのない温度となるように設定すればよい。
【0042】
スピンドル32がさらに下降すると、図4に示すように、コイルスプリング26が外方フランジ部44で押圧され、これにより該コイルスプリング26が圧縮される。この圧縮に伴い、押圧部材24がケーシング20の内部を変位する。この際、楔部材48がケーシング20の係合溝50a〜50dに案内されるとともにガイドバー54が第2長尺溝56a〜56dに案内されるので、押圧部材24が位置ずれを起こすことはない。
【0043】
最終的に、摩擦撹拌接合用工具18のプローブ16が押圧部材24の先端面の貫通孔22から突出し、第2ワークW2側から積層部28に摺接する。この際、小径部36の先端部が貫通孔22から若干突出してもよい。なお、軸部14の先端面は、押圧部材24の先端面内壁に当接する。この当接によって押圧部材24が軸部14からの押圧力を受け、その結果、押圧部材24が積層部28を確実に押圧する。
【0044】
プローブ16が摺接した箇所には、摩擦熱が発生する。このため、該摺接箇所及びその近傍が軟化して、図5に示すように、プローブ16が積層部28に埋没し、その結果、積層部28の肉が支持用治具12の凹部30に流入する。
【0045】
この際、プローブ16が埋没した分の肉が凹部30に塑性流動するので、積層部28の肉がプローブ16の埋没箇所から隆起することはない。このため、バリが形成されることがなく、従って、積層部28の肉厚が小さくなることがないので、接合後の積層部28の接合強度が大きくなる。
【0046】
しかも、この場合、図4及び図5から諒解されるように、押圧部材24の先端面で積層部28を広範囲にわたって押圧しているので、第1ワークW1と第2ワークW2との間の間隙が圧潰される。すなわち、環状湾曲部Rを有する第2ワークW2を、第1ワークW1に十分に密着させることができる。
【0047】
このように、本実施の形態においては、第1ワークW1と第2ワークW2との間に間隙が形成されないので、第1ワークW1及び第2ワークW2の肉がプローブ16によって確実に撹拌(塑性流動)される。
【0048】
ここで、プローブ16が摺接する部位の周囲は、上記したように、押圧部材24の先端面によって既に軟化されている。このため、プローブ16による第1ワークW1及び第2ワークW2の肉の撹拌、ひいては摩擦撹拌接合が促進される。
【0049】
このように、本実施の形態によれば、押圧部材24の先端面で積層部28を押圧することによって第1ワークW1と第2ワークW2との間の間隙を圧潰するとともに、プローブ16が摺接する部位の近傍を押圧部材24の先端面で軟化させるようにしている。このため、第1ワークW1及び第2ワークW2の肉がプローブ16によって確実に撹拌され、その結果、接合強度に優れた積層部28を得ることができる。
【0050】
また、この場合、押圧部材24の先端面によって積層部28が十分に予熱されるので、積層部28を加熱するための加熱手段を設ける必要がない。従って、装置構成が複雑になることはなく、設備投資が高騰することもない。
【0051】
上記のようにして摩擦撹拌接合が営まれると同時に、プローブ16の埋没に伴って、第2ワークW2における第1ワークW1に臨む面に突出部60が形成されるとともに、第1ワークW1における第2ワークW2に臨む面に陥没部62が形成され、該陥没部62に前記突出部60が嵌合する。なお、陥没部62の下端部は、肉の塑性流動が行われない非撹拌部(塑性変形部)である。すなわち、塑性変形によって凹部30に対応する形状に成形された陥没部62に突出部60が嵌合され、これにより、いわゆるかしめ状態が設けられる。このように、第1ワークW1と第2ワークW2とが接合されることに加えてかしめ状態が形成されることにより、積層部28の接合強度が大幅に向上する。
【0052】
撹拌を開始しておよそ2秒後にスピンドル32を滅勢することによってプローブ16の回転動作を停止し、これにより肉の塑性流動を停止させる。次に、スピンドル32を上昇させれば、プローブ16が積層部28から離間する。また、押圧部材24の外方フランジ部44がコイルスプリング26によって積層部28側に弾発付勢され、元の位置に復帰する。
【0053】
この間に積層部28の肉が冷却固化され、第1ワークW1と第2ワークW2とが一体的に固相接合されるに至る。このようにして接合された積層部28における第1ワークW1側には、凹部30に流入した肉が冷却固化することに伴って突出形成された円柱体形状の凸部が存在する。すなわち、この場合、該凸部の外径は、凹部30の直径と略同一となる。
【0054】
なお、上記した実施の形態においては、2個のワークを摩擦撹拌接合する場合を例示して説明したが、積層されるワークの個数は2個に限定されるものではなく、3個以上のワークを積層するようにしてもよい。
【0055】
また、凹部30の全空間に積層部28の肉が充填される必要は特にない。
【0056】
さらに、摩擦撹拌接合装置は、固定型に限定されるものではなく、例えば、生産ラインに配設される6軸ロボットのアームに設置されるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本実施の形態に係る摩擦撹拌接合装置の要部概略縦断面図である。
【図2】図1のII−II線矢視断面図である。
【図3】図1のIII−III線矢視断面図である。
【図4】図1の摩擦撹拌接合装置の押圧部材によって上方の第2ワーク側から積層部を押圧している状態を示す要部概略縦断面図である。
【図5】押圧部材から突出したプローブによって摩擦撹拌接合を行っている状態を示す要部概略縦断面図である。
【符号の説明】
【0058】
10…摩擦撹拌接合装置 12…支持用治具
14…軸部 16…プローブ
18…摩擦撹拌接合用工具 20…ケーシング
22…貫通孔 24…押圧部材
26…コイルスプリング 28…積層部
30…凹部 32…スピンドル
48…楔部材 54…ガイドバー
60…突出部 62…陥没部
R…環状湾曲部 W1、W2…ワーク


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の部材が積層されることによって形成され、一端面が支持用治具で支持された積層部に対し、他端面側から摩擦撹拌接合用工具のプローブを埋没させて摩擦撹拌接合を施す摩擦撹拌接合方法であって、
前記プローブを囲繞する押圧部材を回転動作させ、前記押圧部材で前記積層部を前記他端面側から押圧すると同時に軟化させる工程と、
前記押圧部材で軟化された部位に前記プローブを埋没させる工程と、
を有することを特徴とする摩擦撹拌接合方法。
【請求項2】
複数個の部材が積層されることによって形成された積層部を摩擦撹拌接合するための摩擦撹拌接合装置であって、
前記積層部を一端面側から支持する支持用治具と、
回転付勢機構に連結された軸部、及び前記積層部に埋没するプローブを有する摩擦撹拌接合用工具と、
前記軸部を囲繞するケーシングと、
前記ケーシング内を変位可能であり、且つ前記プローブが突出する貫通孔が先端に設けられた押圧部材と、
前記ケーシングに収容されて前記押圧部材を弾発付勢する弾発部材と、
を具備することを特徴とする摩擦撹拌接合装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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