説明

撓み振動型エキサイタとその製造方法

【課題】従来の圧電型撓み振動型エキサイタは、シムに貼り付けた圧電素子の上面電極表面に対し垂直方向に給電端子を引き出す構造となっていたため、エキサイタの厚みを薄くすることができなかった。
【解決手段】第1、第2電極を有する第1圧電素子と、第3、第4電極を有する第2圧電素子における第2、第3電極をシムの表裏両主面に貼り付けたバイモルフ型ビーム構成の給電端子を、シムの端部で分割して形成された分割片からなり、第1電極に接続する第1給電端子と、シムと一体に形成された、第2、3電極に接続する第2給電端子と、シムの端部で分割して形成された他の分割片からなり、第4電極に接続する第3給電端子とを有し、第1から第3給電端子を略同一平面内に配置する構成とすることで、第1、第2給電端子の端子対と、第2、第3給電端子の端子対とを個別に制御して、第1、第2圧電素子に、異なる給電を行える構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パソコン、PDA、または携帯電話機等や小型端末機器用の平面スピーカ装置に用いられる、あるいは小型端末機器の筐体を機械的に励振させるための撓み振動型エキサイタとその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の小型端末機器等に適した音響変換器として、小型端末機器の筐体を直接圧電型エキサイタで励振する撓み振動型エキサイタが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
まず、特許文献1に開示されている撓み振動型エキサイタの構造例を図10に基づいて説明する。図10(a)は、従来の撓み振動型エキサイタの構成を示す断面図であり、図10(b)は、同図(a)に示す振動板(以下ビームと記す)の上部平面図であり、図10(c)は、同図(b)に示すB1−B2断面図である。なお、図10(b)、図10(c)は、ビーム60aを示している。
【0004】
図10(a)に示す様に、従来の撓み振動型エキサイタは、シム61aの両主面に同じ構造の圧電素子62a、62bを貼り付けて構成されたビーム60a、60bが、筐体68内の一端の保持領域69で固定され、他端は自由端となる様に配置されている。なお、図10(b)に示す様に、圧電素子62aは、シム61aの一主面のほぼ全域に渡って形成されている。また、本図に示す開口64を介して、シム61aの裏側に配した圧電素子62bの上面電極63a(同図(c)参照)と、圧電素子62aの上面電極63a(同図(c)参照)とが、図示しない導電ペーストで接続されている。
【0005】
また、図10(a)に示す様に、このビーム60a、60bに設けられた圧電素子62a、62bには、それぞれ外部から給電できる様に、筐体68に設けた孔に装填された信号入力端子65aと、シム61aと一体に形成さた接地電極65bが接続されて、信号入力端子65aと接地端子65bとから給電を行って、ビーム60a、60bに撓み振動を起こすことができる様になっている。
【0006】
なお、図10(a)に示す保持領域69は、ビーム60a、60bを筐体68で保持する領域で、かつ開口64や信号入力端子65aを設けるために必要な領域である。この保持領域69は、エキサイタとしてのビーム60a、60bの撓み振動に寄与しない領域となる。
【0007】
次に、上記撓み振動型エキサイタにおけるビーム構成について詳細に説明する。
図10(c)に示す様に、従来の撓み振動型エキサイタに用いるビーム60aは、シム61aの両主面に圧電素子62a、62bをそれぞれ貼り付けたバイモルフ構造となっている。また、この圧電素子62a、62bは、複数枚の圧電層を積層した構造となっており、各圧電素子62a、62b内部で各圧電層を挟持する上面電極63aと下面電極63bとが、圧電素子62a、62bの厚み方向に順に積層配置されている。そして、下部電極63b同士は、ビーム60aの先端側(本図面における右側)で、上部電極63a同士は、基部側(本図面における左側)の側面でそれぞれ共通に束ねられている。この様に構成すれば、ビーム60a、60bの給電箇所を、圧電素子62a、62bの上面電極63aとシム61aとすることができる。
【0008】
次に、特許文献2に開示された、従来の他の撓み振動型エキサイタの構成例について説
明する。図11は、従来の撓み振動型エキサイタの他の構成例を示す断面図である。
【0009】
図11に示す様に、この従来の撓み振動型エキサイタは、筐体(図示せず)内に、特許文献2に記載された圧電素子72a、72bをシム71の両主面に配したビーム70の構成を有する。
【0010】
また、本図面に示す圧電素子72a、72bにおける各下面電極73bは、導電性の接着層74を介してシム71に貼り付けて導電接着されて接地電極75bに接続される。そして、各上面電極73aは、スプリングコネクタ75aにより1つに束ねられて、接地電極75bとスプリングコネクタ75aから導線76a、76bを介して外部から給電できる様になっている。
【0011】
なお、図11に示す様に、ビーム70の保持領域79は、スプリングコネクタ75aで各圧電素子72a、72bにおける上面電極73aを挟持する領域となる。したがって、この保持領域79は、エキサイタの筐体(図示せず)に固着する領域となり、エキサイタとしての撓み振動には寄与しない領域となる。
【0012】
【特許文献1】特開2005−160028号(第4−5頁、第1−4図)
【特許文献2】特開2005−66500号(第4−5頁、第1−4図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
一般的にパソコン、PDA、または携帯電話機等の小型端末機器に用いる平面スピーカ装置の撓み振動型エキサイタ、あるいは小型端末機器の筐体を機械的に励振する撓み振動型エキサイタは、所定の音圧を発振でき、かつ小型であることが望まれている。
【0014】
しかしながら、特許文献1に記載の撓み振動型エキサイタでは、図10(a)に示すビーム60a、60bを駆動するための一方の給電端子が、シム61aに接続された接地端子65bとなる。また、他方の給電端子は、シム61aに貼り付けた圧電素子62a、62bの上面電極63aに、シム61aの主面に対する垂直方向、すなわちシム61aの厚み方向に配した信号入力端子65aとなる。したがって、特許文献1に記載の撓み振動型エキサイタは、この信号入力端子65aがあるために、筐体68の厚み、ひいてはエキサイタの厚みを薄くできない。
【0015】
また、特許文献2に記載の撓み振動型エキサイタは、図11に示すシム71の表裏両主面に圧電素子72a、72bを配し、圧電素子72a、72bにおける各上面電極73aをスプリングコネクタ75aで挟持する構成となっているので、これも同様に、エキサイタの厚みを薄くできない。
【0016】
また、特許文献1に記載の撓み振動型エキサイタは、ビーム60a、60bを確実に保持するとともに、開口64を介して各圧電素子62a、62bにおける上面電極63a同士を接続するとともに、各上面電極63aと信号入力端子65aとで、確実に導電接続を取らなければならない構造となっている。したがって、特許文献1に記載の構成例では、エキサイタの信頼性を確保するために、保持領域69をむやみに大きくすることはできない。したがって、この従来の撓み振動型エキサイタを小型化することは難しいとされていた。
【0017】
また、特許文献2に記載の撓み振動型エキサイタにおいても、信頼性を確保するために、保持領域79をできるだけ大きくしなくてはならず、エキサイタを小型化することが難しいという問題は解消しない。
【0018】
そこで、本発明の目的は上記課題を解決し、圧電素子に給電を行う給電端子の配置形態を改良した小型の撓み振動型エキサイタおよびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の撓み振動型エキサイタは、基本的には下記記載の構成要件を採用するものである。
本発明の撓み振動型エキサイタは、シムに貼り付けた圧電素子と、この圧電素子に給電を行うための給電端子とを有するビームを備え、給電端子から給電を行うことで、シムを励振させる撓み振動型エキサイタにおいて、ビームを、第1電極と第2電極で圧電層を挟持した第1圧電素子と、第3電極と第4電極で圧電層を挟持した第2圧電素子とを、第2と第3電極をシムの表裏両主面と対面させて貼り付けたバイモルフ型ビームとし、給電端子を、シムの端部で分割して形成された分割片からなり、第1電極に接続する第1給電端子と、シムと一体に形成された、第2と第3電極に接続する第2給電端子と、シムの端部で分割して形成された他の分割片からなり、第4電極に接続する第3給電端子とを有し、第1から第3給電端子を略同一平面内に配置する構成とすることで、第1と第2給電端子の端子対と、第2と第3給電端子の端子対とを個別に制御して、第1と第2圧電素子に、異なる給電を行える様にしたことを特徴とするものである。
【0020】
上記構成とすることで、第1、第2圧電素子における第1、第4電極に相当する上面電極、および第2、第3電極に相当する下面電極の各一対の電極に対応させて分割した第1から第3給電端子から、容易に各電極に給電することができる。また、上記構成とすれば、第1から第4電極に全て同一平面のシム端部より給電できる構造となり、薄型の撓み振動型エキサイタを提供できる。さらに、第1から第3給電端子を有する本構成とすることにより、第1、第2圧電素子を接着した後に分極処理工程を行うことができ、信頼性の高い撓み振動型エキサイタを提供することができる。
【0021】
また、本発明の撓み振動型エキサイタは、前述した第1と第4電極の電極構造と、第2と第3電極の電極構造とを、それぞれ同じ形状とし、第2給電端子の両側に第1と第3給電端子とを対象配置し、第1と第2圧電素子の向きを変えて、シムの両面に配置することを特徴とするものである。
【0022】
上記構成における第1、第3給電端子は、第2給電端子を中心に点対象配置となり、バイモルフ型ビームにおける第1、第2圧電素子を挟持する各一対の電極が、各々分離した構成となる。そのため、同じ構成の第1、第2圧電素子を用意し、この第1、第2圧電素子の向きを代えてシムの表裏両主面に貼り合わせれば、容易に本構成を得ることができる。
【0023】
また、本発明の撓み振動型エキサイタは、前述した第1電極と第1給電端子との接続と、第4電極と第3給電端子との接続と、第2と第3電極とシムとの接続が、異方性導電接着剤によって行われることを特徴とするものである。
【0024】
上記構成とすることで、分割された第1給電端子と第1電極とを、第3給電端子と第4電極とを、さらに、第2給電端子が接続されたシムと第2、第3電極とを、全て一括して導電接続することができる。
【0025】
また、本発明の撓み振動型エキサイタは、前述した第1から第3給電端子を筐体内から突出させ、他の部材を前記筐体内に収容することで、ビームの一端を固定して、ビームの他端を自由端とする構成としたことを特徴とするものである。
【0026】
上記構成とすれば、撓み振動型エキサイタのシムの長手方向の外形寸法を小さくすることができる。
【0027】
本発明の撓み振動型エキサイタの製造方法は、所定の間隙で配置された2つのフレーム基部間に支持するリードフレームから、シムの端部で分割され、第1と第3電極にそれぞれ接続する第1と第3給電端子と、第2給電端子が一体に形成されたシムとをそれぞれ形成するシム形成工程と、第1給電端子と第1電極とを、第3給電端子と第4電極とをそれぞれ対応させて導電接着するとともに、第1圧電素子とシムの一方の主面と、第2圧電素子とシムの他方の主面をそれぞれ導電接着してビームを形成する圧電素子接着工程と、フレーム基部からビームを分離する切断分離工程とを有することを特徴とするものである。
【0028】
上記製造方法によれば、1枚のリードフレームで、あるいはロール状の複数個のリードフレームで複数個のシムを一括して形成し、リードフレームの状態で各シムに第1、第2圧電素子を導電接着後に、各シムを切断分離することができる。したがって、本手法は、一度に多数個の撓み振動型エキサイタを製造するに好適である。
【0029】
また、本発明の撓み振動型エキサイタの製造方法は、前述したシム形成工程で分離形成される、第1と第3給電端子の2つの分割片と、第2給電端子が一体に形成されたシムとが、それぞれ反対側のフレーム基部で支持する様に配置されていることを特徴とするものである。
【0030】
上記製造方法によれば、安定した両フレーム基部で支持することができ、特にシムの給電端子部の形成加工精度が良くなる。
【0031】
また、本発明の撓み振動型エキサイタの製造方法は、前述した圧電素子接着工程における導電接着を、異方性導電接着剤によって行うことを特徴とするものである。
【0032】
上記製造方法によれば、分割された第1給電端子と第1電極とを、第3給電端子と第4電極とを、シムに接続された第2給電端子と第2、第3電極とを、一括して導電接続することができる。
【0033】
また、本発明の撓み振動型エキサイタの製造方法は、前述した圧電素子接着工程の後に、第1と第2圧電素子における圧電層を分極する分極処理工程を有することを特徴とするものである。
【0034】
上記製造方法によれば、より信頼性の高い撓み振動型エキサイタを提供することができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明のバイモルフ型の撓み振動型エキサイタの構成を採用することにより、このエキサイタを構成する第1、第2圧電素子への給電路を2次元配置とすることができる。したがって、小型の圧電型撓み振動型エキサイタを提供することができる。
【0036】
また、本発明の撓み振動型エキサイタのビームは、同じ平面内で第1から第3給電端子を筐体で保持する構成を採用しているので、従来構成の様に、このビームを保持する保持領域を狭くしても十分ビームを保持することができ、エキサイタの外形寸法を小さくすることができる。
【0037】
また、本発明は圧電型撓み振動型エキサイタに必須のエレメントであるシムの一部を給電端子として利用しているため、従来のように別途給電端子を構成するエレメントを必要
としない。したがって、本発明の構成によれば、エレメントの削減によるコストダウンに加え、組立て工数の削減によるコストダウンが期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
本発明の撓み振動型エキサイタは、2つの圧電素子をシムの両側に配したビームと、シムの端部で平面的に分割された分割片からなる第1給電端子と、シムと一体に形成された第2給電端子と、シムの端部で平面的に分割された他の分割片からなる第3給電端子とを有する構成である。そして、ビームを構成するシムの両面に載置された2つの圧電素子への給電路となる第1から第3給電端子を、同一平面内に配置してなる構成とすることを特徴とするものである。以下に、この本発明の撓み振動型エキサイタの構成について、図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0039】
まず、本実施例における撓み振動型エキサイタの構成例について説明する。
図1は、本発明の撓み振動型エキサイタの構成を示す図面であり、図1(a)は、この撓み振動型エキサイタのビーム裁置形態を示す断面図である。1図(b)は、同図(a)に示したビーム10aの上部平面図であり、1図(c)は、ビーム10a、10bにおける第1、第2圧電素子12a、12bの構成を示すための、同図(b)におけるA1−A2断面図である。ここに示す撓み振動型エキサイタは、片持ち梁型の撓み振動型エキサイタを示している。
【0040】
図1(a)に示す様に、本発明の撓み振動型エキサイタは、従来の構成と同様に、電気絶縁特性を有する樹脂製の筐体18内に、圧電型の撓み振動型エキサイタの振動梁として機能する様に、2本のビーム10a、10bが保持領域19でシム端部15を保持固定する構成となっている。そして、このビーム10aは、シム11a、11bの両主面に、基本的に同じ構成の第1、第2圧電素子12a、12bを有する。なお、図1(c)に示す様に、第1圧電素子12aは、圧電層を第1電極13aと第2電極13bで挟持した構成となっており、第2圧電素子12bは、圧電層を第3電極13cと第4電極13dで挟持した構成となっている。また、図1(b)に示す様に、ビーム10aにおけるシム11aのほぼ全域に渡って圧電素子12aが貼り付けられている。第1、第2圧電素子12a、12bの構成の詳細については、後述する。なお、ビーム10bの構成も同様である。この様に構成された第1、第2圧電素子12a、12bは、図1(c)に示す様に、導電性の接着層14によってシム11a、11bの表裏両面にそれぞれ導電接続される。
【0041】
また、この撓み振動型エキサイタは、各第1、第2圧電素子12a、12bに給電を行うための、同一平面内に配置された第1から第3給電端子を有する。以下に、この第1から第3給電端子の構成について図1を用いて説明する。
【0042】
図1(b)に示す第2給電端子15bは、シム端部15の中央に位置し振動板として機能するシム11aと一体成形されて電気的に導通を取って、シム11aの長手方向の延長端に形成された端子である。なお、この第2給電端子は、図1(c)に示す様に、第1、第2圧電素子12a、12bにおける第2電極13b、第3電極13cと電気的に接続されている。
【0043】
また、図1(b)に示す第1給電端子15aは、シム11aから分割形成された、第1圧電素子12aにおける第1電極13a(同図(c)参照)に給電を行うための端子であり、先に示した第2給電端子15bやシム11aとは電気的に絶縁されている。
【0044】
第3給電端子15cは、第1給電端子15aと同様に、シム11aから分割形成された第2圧電素子12bにおける第4電極13d(同図(c)参照)に給電を行うための端子
であって、第2給電端子15bとシム11aとは電気的に絶縁されている。
【0045】
この様に、第1給電端子15aと第3給電端子15cは、第2給電端子15bの両側に対称配置され、筐体18から3本の第1から第3給電端子15a〜15cが突出して形成されている。従って、ビーム10a、10bを、非常に狭い範囲の保持領域19で支持することができ、シム11a、11bの長手方向の撓み振動型エキサイタの外形寸法を小さくすることができる。なお、先に示した様に、ビーム10bは、ビーム10aと同じ構成となっているので、ここでの説明は割愛する。
【0046】
次に、本発明の撓み振動型エキサイタにおける第1、第2圧電素子12a、12bの構成、およびこの第1、第2圧電素子12a、12bにおける第1から第4電極13a〜13dと第1から第3給電端子15a〜15cとの電気接続形態について説明する。
【0047】
第1圧電素子12aの構成は、図1(c)に示した様に、第2電極13bと圧電層と第1電極13aとが順に積層された構成となっており、複数枚の第1電極13a同士が、シム端部15側で束ねられている。そして、この第1電極13aを、シム11a側まで伸延させて、第1給電端子15aと接続させる。また、第1圧電素子12aにおける複数枚の第2電極13bもシム11aの先端側で束ねられて、シム11a側に導出されて、このシム11aと第2電極13bとを電気的に接続させる。これら各電極と第1から第3給電端子15a〜15cとの接続形態の詳細については、後述する。
【0048】
また、シム11a下面の第2圧電素子12bは、シム11aに対して第3電極13cとシム11aとの接続部と、第4電極13dと第3給電端子15cとが対面する様に、第1圧電素子12aと同じ構成の第2圧電素子12bを裏返して配置する。この様にして、第4電極13dを第3給電端子15cと導通させ、第3電極13cをシム端部15の中央に位置する第2給電端子15bと導通させる。
【0049】
上記説明の様に、第1、第4電極13a、13dと第1、第3給電端子15a、15cとの接続と、第2、第3電極13b、13cとシム11aとの接続を、それぞれ導電性の接着層14で接続すれば、第1給電端子15aからは第1電極13aに導通し、第3給電端子15cからは第4電極13dに導通する個別の端子として機能させることができる。それに加えて、第2給電端子15bからは、第1、第2圧電素子12a,12bにおける第2、第3電極13b、13cの共通端子として機能させることができる。
【0050】
次に、上述した本発明の圧電型撓み振動型エキサイタにおけるシム11aの変形例について説明する。図2はシム形状が異なるビームの構成を示す平面図である。
本図面におけるビーム20と、図1に示したビーム10aとの相違点は、第1、第3給電端子の形状と、シムの形状が異なるだけで、他の構成は同じである。したがって、下記の説明では、この相違点のみを示す。
【0051】
前述の図1(b)におけるシム11aと第1給電端子15aおよび第3給電端子15cの境界部は、図に示す様に、シム11aの長手方向に対して直交する方向に分割しているため、ビーム10aの振動応力が保持領域19側に集中することとなる。それに対して、本変形例におけるビーム20は、図2に示す様に、第1から第3給電端子25a〜25cの内の第1給電端子25aと第3給電端子25cを楔型とし、シム21の形状を、第1給電端子25aおよび第3給電端子25cの形状に合わせて傾斜した形状とした。これにより、図1(a)における筐体18における保持領域19で、図2に示すビーム20を保持したとしても、ビーム20の振動応力をより緩和することができる様になる。
【0052】
次に、本発明の撓み振動型エキサイタにおけるビーム構成および電極配置形態について
説明する。図3は、前述のビーム10aおよびそれを備えた電極構造を更に分かりやすく図解したもので、図3(a)は、本発明の撓み振動型エキサイタに用いるビーム10aの構成を示す斜視図であり、図3(b)は、このビーム10aの電極のみを示した斜視図である。
【0053】
図3(a)(b)に示す様に、シム端部15には、先に示した第1から第3給電端子15a〜15cが一線に並べて配置してある。そして、シム11a上面の圧電素子12aにおける複数枚の第1電極13aは、図に示すA位置で束ねられて、第1給電端子15aと接続している。シム11a下面の第2圧電素子12bにおける複数枚の第4電極13dも、シム11a上面の第1圧電素子12aと同様に、第3給電端子15cと接続している。また、第2、第3電極13b、13cは、図3(b)では一部分しか見えないが、B位置でそれぞれ束ねられて接続している。
【0054】
以上に詳述したように、本発明の撓み振動型エキサイタは、第1、第2圧電素子12a、12bを駆動するための第1から第3給電端子15a〜15cが、シム11aの一部分を分割してビーム10aを保持するシム端部15に一線上にまとめて配置しているので、エキサイタ自体の厚みを薄型にできる。
【0055】
また、第1、第2圧電素子12a、12bを構成する、第1から第4電極13a〜13dを、それぞれ束ねてシム端部15に集約することで、ビーム10aの保持領域19(図1(a)参照)は、ビーム10a、10bを支持するだけの狭い領域で十分となる。従って、ビーム10a、10bの有効長を極力大きくでき、エキサイタの固有振動の1次共振周波数を低くしても、音域の広い撓み振動型エキサイタを提供できる。
【0056】
なお、本発明は単層圧電型の撓み振動型エキサイタであっても、あるいはシングルビーム型であっても適用できることは自明である。
【0057】
次に、本発明の撓み振動型エキサイタの分極処理工程とエキサイタの駆動形態について説明する。図4は本発明による圧電型撓み振動型エキサイタの分極処理方法を示す図面である。なお、本図に示す、31は分極用電源、32は分極電圧印加時の突入過電流制限抵抗を示している。
【0058】
まず、本発明の撓み振動型エキサイタの分極処理工程について説明する。
図4に示す様に、シム11aに第1、第2圧電素子12a、12bを貼り付けた後に、シム11aの上側に配した第1圧電素子12aにおける第1電極13aと第2給電端子15b、および第2給電端子15bとシム11aの下側に配した第2圧電素子12bにおける第4電極13dとの間に極性の同じ電圧をそれぞれ印加する。すなわち、第1圧電素子12aにおける第1電極13aに正電圧、第2圧電素子12bにおける第4電極13dに負電圧、第2給電端子15bに上記電圧の中間電圧を印加する。この様に、本発明の撓み振動型エキサイタは、これら各端子対に異なる給電を行える様になっているからこそ、上記分極処理工程を行うことができるのである。
【0059】
次に、本願発明の撓み振動型エキサイタにおける分極処理工程が、従来の構成に比べて優位に作用する理由について説明する。
従来の撓み振動型エキサイタでは、各ビームに対する給電端子が2つであったため、分極処理工程により各第1、第2圧電素子を分極した後に、シムにこの第1、第2圧電素子を貼り合わせなくてはならなかった。
【0060】
この様にして構成された従来の撓み振動型エキサイタは、第1、第2圧電素子の貼り合わせ工程で、例えば熱圧着により両部材を貼り合わせようとした場合、この工程における
熱によってせっかく分極させた第1、第2圧電素子の分極性能が低下、または消失してしまうという不具合が生じる。
【0061】
それに対し、本発明の撓み振動型エキサイタは、3つの第1から第3給電端子15a〜15c(図3(a)参照)を有するので、図4に基づき説明したように、第1、第2圧電素子12a、12bをシム11aに熱圧着により貼り合わせた後に、分極処理することができる。したがって、本発明の構成によれば、従来の撓み振動型エキサイタの製造の際に問題となる、熱圧着における分極消失の虞がなくなり、信頼性の高いエキサイタを製造することができる。
【0062】
この様にして、第1、第2圧電素子12a、12bは、シム11aに対して逆方向に分極された撓み振動型エキサイタにおける、図3(a)に示す第1給電端子15aと第3給電端子15cとを共通接続して、第1、第3給電端子15a、15cに対し、第2給電端子15bに撓み振動型エキサイタの駆動信号を印加することで、第1、第2圧電素子12a、12bを同相駆動させてビーム10aを振動させることができる。
【0063】
次に、先に示した撓み振動型エキサイタにおける端子構造について説明する。図5に示す撓み振動型エキサイタは、ビームの平面方向に2つのビーム10a、10bを内蔵したデュアルビーム型エキサイタであって、図5(a)は、ビームと筐体の配置形態を示すエキサイタの斜視図を示し、図5(b)は、筐体と端子の配置形態を示すエキサイタの斜視図を示している。
【0064】
図5(a)に示す様に、ビーム10a、10bは、扁平形の筐体18内に並列に内蔵してあり、筐体18のシム端部15側で、ビーム10a、10bを支持してある。なお、本図面における斜線部で示す領域が、筐体18とシム端部15の保持領域19となる。
【0065】
また、図5(b)では、筐体18のシム端部15側に、図5(a)に示すビーム10a、10bの各々の第1から第3給電端子15a〜15cが、それぞれ一線上に配列させた形態を示している。この様に、図1〜図3において詳述した構造のビーム10a、10bを並列配置することで、先に示した構成例よりも更に薄型の周波数特性が優れた撓み振動型エキサイタを提供できる。
【0066】
以上の説明からも明白なように、本発明の撓み振動型エキサイタと従来構成との相違点は、第1、第2圧電素子12a、12bにおける一対の電極に接続された第1から第3給電端子15a〜15cの引き出し構成にある。つまり、従来の撓み振動型エキサイタは、一方の電極をビームを構成するシム端部に引き出し、他方の電極をビームの保持領域のシム面と垂直の方向に配置する構成であったのに対し、本発明の撓み振動型エキサイタでは、ビーム10a、10bを構成するシム端部15でシム11a、11bを分割して形成された2つの分割片である第1、第3給電端子15a、15cと、シム11a、11bと一体化された第2給電端子15bとを、シム端部15に一線上に配置している点にある。
【0067】
上記構成の違いにより、本発明の撓み振動型エキサイタは、ビーム10a、10bの厚み方向の寸法が少なくて済み、ビーム10a、10bを収納する筐体18を含めて薄型のエキサイタを提供することができる。
【0068】
次に、本発明の撓み振動型エキサイタのビーム10aの製造方法を図面に基づいて説明する。図6(a)〜図6(d)は、エキサイタにおけるビーム10aの製造工程を示す工程図である。また、図7は、図6(a)〜図6(d)で製造されたビーム10aのシム端部15の構成を示す上部平面図である。
【0069】
まず、図6(a)に示す様に、目的の形状のシム11aを作成するための原型40を作成する。この原型40は、1枚の金属板材あるいはX方向に長いロール状の金属板材をプレス抜き等の手段を用いて、シム形成部42の上下に第1基部41aと第2基部41bを有するリードフレームを成型して得ることができる。
【0070】
次いで、図6(b)に示す様に、シム部43と給電端子部44とに区分して図に示す所望の形状を得る。なお、本工程では、シム部43側は第2基部41bと繋がり、給電端子部44側を、第2基部41bとは反対側の第1基部41aと繋がるリードフレームとする。また、本工程で、給電端子部44は、プレス抜き等でシム11aから分割する、図7に示す第1から第3給電端子15a〜15cを形成する。この時点では、第1から第3給電端子15a〜15cは、第1基部41aと繋がっている。
【0071】
次いで、図6(c)に示す様に、シム部43の両面に第1、第2圧電素子12a、12bをそれぞれ接着し(本図では、第1圧電素子12aのみを示している)、第1、第2圧電素子12a、12bに形成された第1から第4電極13a〜13dを、前述の図3で示した様に、各第1、第3給電端子15a、15cおよび第2給電端子15bにそれぞれ接続する。この電極接続方法については、後述する。
【0072】
次いで、図6(c)に示す様に、シム11aの部分を第1基部41aと第2基部41bから切り離し、図7に示す第1から第3給電端子15a〜15cを有する、図6(d)に示す複数個のビーム10aを同時に得ることができる。
【0073】
次に、上記図6(c)におけるシム11aと第1、第2圧電素子12a、12bとの導電接着方法を図面に基づき説明する。図8(a)〜図8(d)は、ビーム10aにおけるシム11aと第1圧電素子12aの導電接着工程を示す工程図である。なお、本図面は、図6(b)で示すリードフレームの1つのシム部分のみを示している。
【0074】
まず、図6(b)の工程で得られたリードフレームのシム11aの部分に、図8(a)に示す様に、絶縁性の接着シート14aを載せる。
【0075】
次に、図8(b)に示す様に、この絶縁性の接着シート14aの表面に第1圧電素子12aを載せる。その後、第1圧電素子12aおよび接着シート14aを、加熱加圧機51により同時にシム11aに熱圧着して、図8(c)に示す、シム11aと第1圧電素子12aが、薄い接着層14aで完全に接着された構成体を得る。
【0076】
次に、図8(d)に示す様に、第1圧電素子12aの図示しない第1電極13aと、第1給電端子15aとを導電ペースト52aで導電接続する。
【0077】
次に、図8(e)に示す様に、シム先端側(本図の右側)で、シム11aと第1圧電素子12aにおける第2電極13bとを導電ペースト52bで接続する。そして、上面側と同様に、図示しない第3給電端子15cと第2圧電素子12bにおける第4電極13d、および図示しない第2給電端子15bと第3電極13cとを、それぞれ導電ペースト52c、52dにより接続して、目的のビーム10aが完成する。
【0078】
上記した様に、上記ビーム10aの製造方法は、図6に基づき説明した様に、ビーム10aを構成するシム11aを、シム両端を第1、第2基部41a、41bで支持するリードフレーム構造で多数個のビーム10aを同時に形成している。そして、このリードフレーム形状のまま、第1、第2圧電素子12a、12bの貼り付けとともに各電極との導通を行った後に、各ビーム10aの切断分離を行っている。したがって、上記製造工程を経れば、特にシム11aの給電端子部44に形成する第1から第3給電端子15a〜15c
を精度良く加工でき、しかも多数個のビーム10aを一度に製造することができる。したがって、本製造工程のよれば、エキサイタの製造コストを低減できる。そして、ここで得られる同形態のビーム10bを別途用意し、図1に示す筐体18内にこれらビーム10a、10bを載置すれば、本発明の撓み振動型エキサイタを得ることができる。
【実施例2】
【0079】
次に、本発明の他の実施形態である、撓み振動型エキサイタのシムと圧電素子の導電接着方法を図面に基づいて説明する。図9(a)〜図9(c)は、ビーム10aにおけるシム11aと第1圧電素子12aの導電接着工程を示す工程図である。
【0080】
まず、先に説明した、図6(a)(b)の工程に従って、シム11aの両側に第1基部41aと第2基部41bを有するリードフレームを製造する。
【0081】
次に、図9(a)に示す様に、図6(b)の工程で得られたリードフレームのシム11aに、異方性導電接着剤14bとして、フィルムまたはペースト状の接着剤を配設する。ここでは、異方性導電接着剤14bを、シルクスクリーン印刷もしくはディスペンサーでシム11aに塗布する。
【0082】
次に、図9(b)に示す様に、図9(a)で得た構成体における異方性導電接着剤14bの表面に第1圧電素子12aを載せた状態で、加熱加圧機51により第1圧電素子12aおよび異方性導電接着剤14bをシム11aに熱圧着する。
【0083】
上記工程を経て、図9(c)に示す、シム11aに第1圧電素子12aが熱圧着された構成を得る。なお、本構成では、シム11aと第1圧電素子12aとが薄い異方性導電接着剤14bで完全に接着された状態となり、また、異方性導電接着剤14bに混入した導電粒子がシム11aと第1圧電素子12aの第2電極13bを、第1電極13aと第1給電端子15aを、それぞれ垂直方向のみで導通を取ることができる。
【0084】
この様にして、シム11aと第1圧電素子12aを異方性導電接着剤14bで接着することで、シム11a上面に設けた第1圧電素子12aの第1電極13a、および第2電極13bは、シム端部15の第1給電端子15aと、第2給電端子15bとを同時に導電接着することができる。したがって、本実施例によれば、エキサイタの製造工数を更に低減することができる。
【0085】
上記説明においては、異方性導電接着剤14bを介して、シム11aの一方の表面に第1圧電素子12aを載置する製造方法を示したが、シム11aの両面への異方性導電接着剤14bを塗布し、第1、第2圧電素子12a、12bの載置、および加熱加圧機51により熱圧着を両面同時に行うことで更に工数は低減する。
【0086】
この様に、リードフレーム方式でシム端部15を分割する第1から第3給電端子15a〜15c付きのシム11a、11bを得る本発明の撓み振動型エキサイタの製造方法、および第1、第2圧電素子12a、12bの各電極とシム11a、11bの第1から第3給電端子15a〜15cをそれぞれ導通接続する製造方法により、品質およびコストに優れた極めて薄型の撓み振動型エキサイタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の撓み振動型エキサイタの構成を示す断面図、ビームの上部平面図、およびビーム断面図である。
【図2】本発明の撓み振動型エキサイタの他のビーム構成を示す上部平面図である。
【図3】図1(c)に示すビームの斜視図と、このビームの電極配置形態を示す斜視図である。
【図4】図1(c)に示すビームの分極処理工程を示す図面である。
【図5】本発明におけるデュアルビーム型の撓み振動型エキサイタの構成示す斜視図である。
【図6】本発明の撓み振動型エキサイタのビームの製造工程を示す工程図である。
【図7】図6の工程で完成したビームのシム端部の詳細平面図である。
【図8】本発明のビームにおけるシムと圧電素子の導電接着工程を示す工程図である。
【図9】本発明のビームにおけるシムと圧電素子の他の導電接着工程を示す工程図である。
【図10】従来の撓み振動型エキサイタの構成を示す断面図、ビームの上部平面図、およびビームの断面図である。
【図11】従来の撓み振動型エキサイタの他の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0088】
10a、10b ビーム
11a、11b シム
12a 第1圧電素子
12b 第2圧電素子
13a 第1電極
13b 第2電極
13c 第3電極
13d 第4電極
14 接着層
14a 接着シート
14b 異方性導電接着剤
15 シム端部
15a 第1給電端子
15b 第2給電端子
15c 第3給電端子
18 筐体
19 保持領域
20 ビーム
21 シム
25a 第1給電端子
25b 第2給電端子
25c 第3給電端子
31 分極用電源
32 突入過電流制限抵抗
40 原型
41a 第1基部
41b 第2基部
42 シム形成部
43 シム部
44 給電端子部
51 加熱加圧機
52a〜52d 導電ペースト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シムに貼り付けた圧電素子と、前記圧電素子に給電を行うための給電端子とを有するビームを備え、前記給電端子から給電を行うことで、前記シムを励振させる撓み振動型エキサイタにおいて、
前記ビームは、第1電極と第2電極で圧電層を挟持した第1圧電素子と、第3電極と第4電極で圧電層を挟持した第2圧電素子とを、前記第2と第3電極をシムの表裏両主面と対面させて貼り付けたバイモルフ型ビームであり、
前記給電端子は、前記シムの端部で分割して形成された分割片からなり、前記第1電極に接続する第1給電端子と、前記シムと一体に形成された、前記第2と第3電極に接続する第2給電端子と、前記シムの端部で分割して形成された他の分割片からなり、前記第4電極に接続する第3給電端子と、を有し、
前記第1から第3給電端子を略同一平面内に配置するとともに、前記第1と第2給電端子の端子対と、前記第2と第3給電端子の端子対とを個別に制御して、前記第1と第2圧電素子に、異なる給電を行える様にした
ことを特徴とする撓み振動型エキサイタ。
【請求項2】
前記第1と第4電極の電極構造と、前記第2と第3電極の電極構造は、それぞれ同じ形状であり、
前記第2給電端子の両側に前記第1と第3給電端子を対象配置し、
前記第1と第2圧電素子の向きを変えて、前記シムの両面に配置する
ことを特徴とする請求項1に記載の撓み振動型エキサイタ。
【請求項3】
前記第1電極と前記第1給電端子との接続と、前記第4電極と前記第3給電端子との接続と、前記第2と第3電極と前記シムとの接続は、異方性導電接着剤によって行われる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の撓み振動型エキサイタ。
【請求項4】
前記第1から第3給電端子を筐体内から突出させ、他の部材を前記筐体内に収容することで、前記ビームの一端を固定して、前記ビームの他端を自由端とする構成とした
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の撓み振動型エキサイタ。
【請求項5】
第1電極と第2電極で圧電層を挟持した第1圧電素子と、第3電極と第4電極で圧電層を挟持した第2圧電素子とを、前記第2と第3電極をシムの表裏両主面と対面させて貼り付けたバイモルフ型ビームを有する撓み振動型エキサイタの製造方法であって、
所定の間隙で配置された2つのフレーム基部間に支持するリードフレームから、前記シムの端部で分割され、前記第1と第4電極にそれぞれ接続する第1と第3給電端子と、第2給電端子が一体に形成された前記シムとをそれぞれ形成するシム形成工程と、
前記第1給電端子と前記第1電極とを、前記第3給電端子と前記第4電極とをそれぞれ対応させて導電接着するとともに、前記第1圧電素子と前記シムの一方の主面と、前記第2圧電素子と前記シムの他方の主面をそれぞれ導電接着してビームを形成する圧電素子接着工程と、
前記フレーム基部から前記ビームを分離する切断分離工程と、
を有することを特徴とする撓み振動型エキサイタの製造方法。
【請求項6】
前記シム形成工程で分離形成される、前記第1と第3給電端子の2つの分割片と、前記第2給電端子が一体に形成された前記シムとは、それぞれ反対側のフレーム基部で支持する様に配置されている
ことを特徴とする請求項5に記載の撓み振動型エキサイタの製造方法。
【請求項7】
前記圧電素子接着工程における導電接着を、異方性導電接着剤によって行う
ことを特徴とする請求項5または6に記載の撓み振動型エキサイタの製造方法。
【請求項8】
前記圧電素子接着工程の後に、前記第1と第2圧電素子における前記圧電層を分極する分極処理工程を有する
ことを特徴とする請求項5から7のいずれか一項記載の撓み振動型エキサイタの製造方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−221313(P2007−221313A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−37716(P2006−37716)
【出願日】平成18年2月15日(2006.2.15)
【出願人】(000001960)シチズンホールディングス株式会社 (1,939)
【Fターム(参考)】