説明

撮像装置、および撮像方法

【課題】デジタルカメラのようなハードウェアリソースの乏しいデバイスにおいても、取得した画像から被写体を抽出し、抽出した被写体と背景画像の合成写真を取得すること。
【解決手段】抽出手段103が被写体抽出を実施する際には、撮影条件制御手段102によって撮像条件を制御して、被写体抽出に適した画像を撮像手段106から取得する。抽出手段103は、注目領域抽出、輪郭抽出を経て、画像中で合焦した被写体だけを抽出する。この時、抽出手段103の抽出結果によっては、さらにフィードバックをかけ、撮像条件を変更する。
抽出した被写体画像を第2の画像を背景として合成することによって、新たな合成写真を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は被写体を撮像し、デジタルデータを取得する撮像装置に関し、特にデジタルカメラ、カメラ付携帯電話などのデジタルデバイスにおける画像生成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルスチルカメラが爆発的に普及している。デジタルスチルカメラは、撮った写真をすぐに見ることができる、不要ならば消去すればよい、メモリ容量の許す限り何枚でも何度でも撮影できるなどの長所があって、これらは、従来の銀塩カメラにないものである。
【0003】
しかしながら、ここに列挙した長所はデジタルカメラならではの長所をすべて網羅したものではない。さらなる長所を生かすデジタルスチルカメラとして、特許文献1、特許文献2に示すものがある。
【0004】
図9は、前記特許文献1に記載された従来のデジタルスチルカメラを示したブロック図である。
【0005】
図9において、撮像手段901は、光信号を電気信号に変換して、第1、第2の画像(デジタルデータ)を取得する。取得された画像は、一旦記憶手段902に保存される。切り抜き画像生成手段903は、第1の画像から切り抜きパターン記憶手段908が出力する切り抜きパターン形状の部分画像(切り抜き画像)を切り抜き、その切抜き画像を出力する。そして、画像合成手段904において、第2の画像を背景として、その上に切り抜き画像を合成し、合成画像を生成する。
【0006】
表示手段905は、第1の画像を表示し、さらに移動指示手段907の指示に基づいて、表示制御手段906によって、切り抜きパターンを表示し、第1の画像の切り抜き部分を決定する。
【0007】
切り抜きパターン記憶手段908は、さらにパターン生成手段909を有し、任意の形状のパターンを生成し、それを登録することができるものである。
【0008】
図10は、前記特許文献2に記載された従来の画像入力装置を示したブロック図である。
【0009】
図10において、撮像手段1002は、レンズ、絞り、シャッターなどを含み、入力された光を撮像部1005上に投射する。撮像部1005は、CCDであり、光信号を電気信号へ変換する。低周波遮断フィルタ1004は、両者の間にあって、光信号の低周波成分を遮断する。
【0010】
一般に、ボケた領域の画像情報は操作方向に対する輝度変化がなだらかで周波数は低い為、光学的、もしくは電気的低周波遮断フィルタを使ってカットすることができる。その結果、得られる画像は、合焦した被写体が抜き出されたものとなる。
【特許文献1】特開2004−173300号公報
【特許文献2】特開平10−260462号公報
【特許文献3】特開2002−224116号公報
【特許文献4】特開2003−334194号公報
【非特許文献1】画像の認識・理解シンポジウム2004論文集I−93〜94
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、前記特許文献1に示す従来の構成では、予め登録されたパターン形状の部分画像しか切出すことが出来ないので、被写体の形状に当然適合した形状ではなく、切出した部分画像と他の画像によって生成した合成写真を見ると、不自然さは否めない。あたかも、小中学校で集合写真を撮影する日に休んだ児童の顔写真を集合写真に合成したようなものにしかならない。
【0012】
一方で、特許文献2に示す構成では、一般的なデジタルカメラのハードウェア構成に対して、低周波フィルターを新たに必要とする。また、低周波フィルターを通過した画像データの状態に応じて、フィードバックをかけて、撮像条件を変化させて、再度画像を取得できる構成ではないので、取得した画像が必ずしも背景から被写体だけを切出せたものであるとは限らない。
【0013】
本発明は、前記従来の発明の課題を解決するもので、特別なハードウェアリソースを必要とせず、一般的なデジタルカメラのハードウェアリソースを使って、任意の画像から被写体を抽出し、その抽出画像と他の画像とですぐに合成写真を取得することが可能である撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記従来の課題を解決するために、本発明の撮像装置は、画像中の任意の被写体を抽出する指示を受け付ける抽出指示手段と、前記指定された被写体を抽出するのに最適な画像を取得する為に画像の撮像条件を決定し、前記撮像手段へ出力する撮像条件制御手段と、前記抽出指示手段が抽出指示を出力している場合には、前記撮像手段が撮影した画像を取得し、取得した画像中の被写体だけを含む部分画像を抽出し、被写体を抽出できなかった場合には、前記撮像条件制御手段に対して、撮像条件を変更するよう出力する抽出手段と、前記抽出指示手段が抽出指示を出力している場合には、前記抽出手段が抽出した部分画像を前景、撮像手段が撮影した画像を背景とし、合成指示手段が受け付けた指示に従って、部分画像を背景画像に置く位置、並びに大きさを決定した後、前景画像と背景画像を合成して、合成画像を出力する合成手段を有し、前記合成手段が生成した合成画像を前記表示手段に表示する。
【0015】
本構成によって、一般的なデジタルカメラのようなハードウェアリソースを使用しても任意の画像から被写体を精度よく抽出し、抽出画像と他の画像とを合成した写真を容易に取得することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の撮像装置によれば、デジタルスチルカメラ等のハードウェアリソースの乏しいデバイスであっても、切出しパターンに拠らず、任意の形状の被写体を切出すことが可能で、それによって自然な合成写真を容易に得ることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0018】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における撮像装置のブロック図である。
【0019】
図1において、抽出指示手段101は、被写体抽出を行うことを指示する手段であり、本抽出指示手段101のオン/オフによって、通常の写真撮影、もしくは合成写真の撮影を制御する。
【0020】
撮像条件制御手段102は、抽出指示手段101がオンになると、被写体抽出に適した画像を取得する為、撮影条件(フォーカス、絞り値など)を決定し、撮像手段106に出力する。
【0021】
撮像手段106、表示手段107、記憶手段108は、一般的なデジタルスチルカメラ109の主たる構成要素であり、全体制御を行うマイクロコントローラ(図示せず)によって制御されている。
【0022】
抽出手段103は、抽出指示手段101がオンになると、撮像手段から被写体抽出用として撮影された画像を取得し、被写体とその背景を分離し、被写体だけを含む部分画像を切り出す。図2は、抽出手段のさらなる詳細を記述したブロック図で、抽出手段103は、注目領域抽出手段201と輪郭抽出手段202の2つのブロックを含み、注目領域抽出手段201は、画像全体から被写体が含まれる矩形を切り出し、次に、その矩形から輪郭抽出手段202が被写体の輪郭を認識して、被写体のみを含む部分画像として切り出す。
【0023】
注目領域抽出手段201は、非特許文献1に掲載されている方法が公知であり、本方法によれば、画像中の注目領域、すなわち被写体を含む矩形を切出すことが可能である。
【0024】
さらに、輪郭抽出手段202は、特許文献3もしくは特許文献4に記載された方法が公知であり、これらの技術によって、被写体の輪郭を抽出し、被写体だけを含む部分画像を切出すことができる。
【0025】
合成指示手段104は、抽出指示手段101がオンの場合、抽出手段103が切り出した部分画像のサイズ、並びに貼り付ける位置に関する入力をユーザーから受け付け、合成手段105に指示を出す。
【0026】
合成手段105は、抽出手段103が切出した部分画像を前景、撮像手段106からの画像を背景として、合成指示手段104の指示に従い、2つの画像を合成し、合成画像を出力する。
【0027】
合成画像は、表示手段107に表示され、同時に、記憶手段108に保存される。あるいは、記憶手段108への合成画像の保存は、保存指示のボタンが押下された場合に保存するような構成であっても構わない。
【0028】
図3は、本実施の形態におけるデジタルスチルカメラの外観である。抽出指示手段をオンにするには、モードダイヤルと呼ばれるダイヤル302を回し、抽出のアイコンが描かれた位置にダイヤルを合わせる。抽出指示がオンの場合には、位置指定キーは、合成指示手段において、被写体を含む部分画像を置く位置を決める為に使用可能で、キーを操作して、部分画像の位置を上下左右に動かす。また、ズームレバーを左右に動かして、部分画像のサイズを決定する。
【0029】
以下、図4のチャート図を用いて、本発明の実施の形態1における撮像装置の動きについて説明する。
【0030】
抽出指示手段がオンの場合には、内部的には、抽出モード401と合成モード414の2つに分かれ、それらがシーケンシャルに実行される。
【0031】
まず、ユーザーは、抽出指示手段103をオンにする為に、モードダイヤル302を回し、抽出のアイコンの描かれた部分にセットする。(ステップ402)すると、撮像装置は、撮像手段から抽出手段へのデータパスをオープンにし(ステップ403)、中央に「+」を表示する(ステップ404)。
【0032】
勿論、「+」は抽出する被写体位置を「ココに置いて下さい」という意味で表示しているだけであって、同じ意図を伝えることができるならば、デザインは何でも構わないのは自明である。
【0033】
ユーザーは、「+」が所望の被写体の輪郭内に収まるよう構図を決める(ステップ405)。そして、シャッター301を半押しする(ステップ406)。
【0034】
すると、撮像条件制御手段102は、被写体抽出に最適な画像が取得できるよう撮像条件を変更し、その条件下で画像を取得する(ステップ407)。
【0035】
そして、取得した画像を使って、被写体を抽出する(ステップ408)。
【0036】
取得した画像からの被写体の抽出が出来なかった場合には、ステップ407に戻り、再度撮像条件を変更して、ステップ407〜408を繰り返す(ステップ409)。
【0037】
被写体の抽出が出来た場合には、被写体の輪郭を強調表示することによって、抽出成功を示す(ステップ410)。
【0038】
ユーザーは、その強調された輪郭を見て、抽出された被写体がそれでよければ、シャッターを全押しする(ステップ412)。被写体が気に入らない場合は、ステップ405へ戻り、ステップ405からステップ410を繰り返す。
【0039】
撮像装置は、シャッターが全押しされると、抽出した被写体だけを含む部分画像を切出し、それを一時的に保存する(ステップ413)。
【0040】
ここまでで、抽出モード401が終了し、そのまま合成モード414へ移行する。
【0041】
合成モード414へ入ると、撮像手段106から合成手段104へのデータパスをオープンにする(ステップ415)。
【0042】
合成手段105は、撮像手段106から取得した画像を背景、抽出手段103が抽出した部分画像を前景とした画像を表示する(ステップ416)。
【0043】
ユーザーは、表示された絵を見ながら、部分画像の位置、大きさを変更する。この時、部分画像の位置を変更するために、位置指定キー304を使う。また、大きさは、ズームレバー303を使用することによって、拡大縮小を行い、所望の大きさに変更する(ステップ417)。
【0044】
ユーザーは、部分画像が気に入った位置/大きさになったら、シャッター301を全押しする(ステップ418)。
【0045】
すると、撮像装置は、背景と前景を合成し、合成写真を生成する(ステップ419)。
【0046】
生成された合成写真は、記憶手段108に保存する。
【0047】
以上のステップによって、第1の画像から抽出した被写体だけを含む部分画像を第2の画像に合成する。
【0048】
なお、被写体の輪郭が抽出できた場合には、その輪郭を強調表示することによって、ユーザーに提示しているが、強調表示のみに限定するものではなく、抽出した輪郭線を点滅表示させることや、色を変化させること、あるいは被写体そのものを白抜きすることによって提示する方法であっても構わない。
【0049】
本実施の形態において、重要なポイントは、撮像条件制御手段102によって、被写体抽出に最適な画像を得るために、撮像条件を制御できることに有り、さらに、抽出結果によってはそのフィードバックによって撮像条件を再度変更可能な点である。撮像条件を変更することによって、被写体抽出に容易な画像を取得することができ、この結果、画像処理の負荷を下げ、デジタルスチルカメラのようなプアなハードウェアであっても、実装可能である。
【0050】
一般に、望遠側で絞りを開放して撮影すると、被写界深度が浅くなり、ピントが合う奥行きの距離が短くなる。図5(a)は、被写界深度の深い画像であるが、絞りを開放して、被写界深度を浅くすると、図5(b)のようにピントが合っている奥行きが小さくなり、被写体だけにピントが合い、背景はボケた画像となる。
【0051】
このような画像であれば、比較的少ない計算量で、背景から被写体を抽出することが容易となり、すなわち、デジタルカメラなどの乏しいハードウェアであっても実装可能である。
【0052】
本発明の実施の形態1に拠る撮像装置は以下のようなシチュエーションで有効である。例えば、動物園に子供を連れて行った場合を考える。パンダ舎の前で、パンダをバックに子供とのツーショット写真を撮りたい場合、従来のカメラであれば、子供とパンダが一つのフレームに入るチャンスを捉まえ、シャッターを押すしか出来ない。しかしながら、パンダが動き回る為になかなか一つのフレームに収めることができないことや、見学者が多数の為、パンダとツーショットになれる位置に子供を立たせることが出来ないなどの状況は良くある話である。また、ワニ舎の前では、ワニを背景に子供とのツーショットの写真を撮りたいが、物理的に危険であるとか、子供が怖がって近寄ってくれない等の理由でワニと並ぶことが出来ない。
【0053】
以上のような状況では、本発明による撮像装置であれば、まず最初に子供の写真を撮り、子供だけを抽出した部分画像をパンダ、もしくはワニの写真に重ねることによって、パンダ/ワニと子供のツーショット写真をその場でリアルタイムに容易に撮影することができる。
【0054】
本発明の有効な点は、この点にもあり、その場で、容易に、リアルタイムに合成写真を得ることができることは、撮影の楽しさ、画像を見る楽しさを倍化させることは明白である。
【0055】
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2の撮像装置のブロック図である。図6において、図1と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0056】
図6において、記憶手段108は、抽出手段103が抽出した部分画像も保存可能である。また、部分画像選択手段109は、記憶手段108に保存された部分画像を等倍、もしくは拡大、縮小して一覧表示し、ユーザーがその内の一つを選択させる。ユーザーが一つの部分画像を選択すると、記憶手段108から読み出され、合成手段105へ入力される。
【0057】
合成手段105は、撮像手段106が撮像した画像を背景として、記憶手段108から読み出された部分画像と抽出手段103が抽出した部分画像を前景として、合成写真を生成する。
【0058】
本実施の形態では、抽出した被写体を含む部分画像を記憶手段108に保存することが可能であることが、実施の形態1と異なる点である。
【0059】
したがって、ユーザーはリアルタイムに被写体を抽出して、合成写真を生成するだけでなく、予め抽出した被写体を合成写真の前景として使用することも可能である。
【0060】
本実施の形態を用いれば、アニメーションや映画のキャラクタを被写体の部分画像として抽出しておき、あるいは、外部から取得して記憶手段108に保存しておき、それを選択することによって任意の合成写真を得ることが可能であり、ユーザーの写真を撮る楽しさが増大することは確実である。
【0061】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3では、さらに通信手段110を備え、公衆回線網を通じて第3者と生成した合成画像でのコミュニケーションを可能とする。
【0062】
図7は、実施の形態3における本発明による撮像装置の動きを示すチャート図である。以下、図7〜8を用いて、本実施の形態におけるメッセージの交換方法について、説明する。
【0063】
本撮像装置では、キーボードのような日本語入力装置に拠らず簡単なメッセージを伝えることを目的としている。
【0064】
ユーザーは図8(a)に示すように伝えたいメッセージを紙にペンで手書きする(ステップ701)。
【0065】
抽出指示手段をオンにすると(ステップ703)、撮像装置では、撮像手段から抽出手段へのデータパスがオープンになり(ステップ704)、画面中央に「+」を表示する(ステップ705)。
【0066】
ユーザーは、「+」をメッセージ中央に合わせて(ステップ706)、シャッターを半押しする(ステップ707)。
【0067】
すると、撮像装置は、文字抽出に最適なの撮像条件をセットし、抽出用画像を取得する(ステップ708)。図8(b)に示すように、その画像から文字だけを抽出する(ステップ709)。このとき、文字以外の部分はα値が0で透明な状態にする。文字の抽出が出来なかった場合は、ステップ708に戻り、撮影条件を変更して、再度ステップ708〜710を実施する。
【0068】
文字を切出す為には、文字の輪郭部分が強調された画像であることが望ましい。したがって、ステップ709では、エッジを強調する画像、シャープな画像を取得できるよう撮像条件を変更する。
【0069】
文字が抽出できたら、文字の輪郭を強調表示する(ステップ711)。ユーザーはそれを見て、抽出が成功か否かを判断する。失敗の場合は、ステップ706に戻り、再度ステップ706〜ステップ712を繰り返す。
【0070】
抽出が成功であると判断したら、シャッターを全押しする(ステップ713)。
【0071】
撮像装置は、それを受けて、文字列を含む部分画像を一時保存し(ステップ714)、ここで内部的には抽出モードを終了し、合成モードへ移行する。
【0072】
そして、次に撮像手段から合成手段への画像データパスをオープンし(ステップ716)、図8(d)に示すように、表示手段107に現在の画像を背景とし、その上にメッセージが表示された画像を表示する(ステップ716)。
【0073】
ユーザーは表示を見ながら、メッセージの位置・大きさを変更し(ステップ718)、それでOKとなれば、シャッターを全押しする(ステップ719)。
【0074】
合成手段は、シャッターが全押しされると、現在表示中の画像を合成写真として生成し(ステップ720)、生成した合成画像を記憶手段に保存する(ステップ721)。
【0075】
本実施の形態によれば、キーボードのような文字入力デバイスに拠らずメッセージを入力し、それを例えば自分を写した画像に重ねて表示することができ、これを電子メールで送信することが可能であって、従って、メッセージの送信が撮像→送信の2つのアクションで可能である。
【0076】
故に、一般的なカメラ付携帯電話のように複雑な操作手順を覚える必要がなく、例え幼い子供であっても、使用することができる。
【0077】
一般にカメラ付の携帯電話のようなデバイスでは、キー入力によるメッセージ文字列の入力が足枷となり、誰でも使えるとは言い難いものとなっている。また、キー入力ができる人であっても、キー入力の負荷の大きさと伝えたいメッセージの内容を考慮すると、メッセージの内容によっては、送信を止めようと言う事が往々にして有り得る事である。
【0078】
本発明における実施の形態3は、この点を解決できるものであって、任意の写真にメッセージを添えて、通信することが可能であり、少ない入力の手順で実現可能である。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明にかかる撮像装置は、デジタル画像データを取得するデジタルスチルカメラ、デジタルスチルカメラ付携帯電話などの撮像装置として有用である。また、PCとカメラを組み合わせた画像取得システムにも応用できる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の実施の形態1における撮像装置のブロック図
【図2】本発明の実施の形態1における抽出手段のブロック図
【図3】本発明の実施の形態1におけるデジタルスチルカメラの外観図
【図4】本発明の実施の形態1における撮像装置の動作を示すチャート
【図5】被写界深度の違いによる画像の差を示す概略図
【図6】本発明の実施の形態2・3における撮像装置のブロック図
【図7】本発明の実施の形態3における撮像装置の動作を示すチャート
【図8】本発明の実施の形態3における背景画像へのメッセージ合成を示す図
【図9】従来の撮像装置の構成を示すブロック図
【図10】従来の撮像装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
【0081】
101 抽出指示手段
102 撮像条件制御手段
103 抽出手段
104 合成指示手段
105 合成手段
106 撮像手段
107 表示手段
108 記憶手段
201 注目領域抽出手段
202 輪郭抽出手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段が取得した画像データを表示手段に表示し、さらに記憶手段に保存することが可能な撮像装置であって、
画像中の任意の被写体を抽出する指示を受け付ける抽出指示手段と、
前記指定された被写体を抽出するのに最適な画像を取得する為に画像の撮像条件を決定し、
前記撮像手段へ出力する撮像条件制御手段と、
前記抽出指示手段が抽出指示を出力している場合には、
前記撮像手段が撮影した画像を取得し、
取得した画像中の被写体だけを含む部分画像を抽出し、
被写体を抽出できなかった場合には、前記撮像条件制御手段に対して、
撮像条件を変更するよう出力する抽出手段と、
前記抽出指示手段が抽出指示を出力している場合には、
前記抽出手段が抽出した部分画像を前景、撮像手段が撮影した画像を背景とし、
合成指示手段が受け付けた指示に従って、部分画像を背景画像に置く位置、並びに大きさを決定した後、
前景画像と背景画像を合成して、合成画像を出力する合成手段を備え、
前記合成手段が生成した合成画像を前記表示手段に表示し、さらに前記記憶手段に保存すること
を特徴とする撮像装置。
【請求項2】
請求項1記載の撮像手段であって、前記抽出手段は、
抽出指示手段が抽出指示を出力している場合に、
前記撮像手段が撮像した抽出用画像を入力として、その画像内において被写体を含む領域を抽出する注目領域抽出手段と、
前記領域を入力とし、領域内の被写体の輪郭を抽出し、被写体を切出す輪郭抽出手段を含み、
前記注目領域抽出手段が抽出した領域から、被写体だけを含む部分画像を抽出すること
を特徴とする撮像装置。
【請求項3】
請求項1記載の撮像装置であって、
前記撮像条件は、絞り、シャッター速度、感度を含み、これら3つのパラメータを撮影して得られる画像の被写界深度が浅くなるよう制御することを特徴とする撮像装置。
【請求項4】
請求項1記載の撮像装置であって、
前記記憶手段は、抽出手段が出力した部分画像を保存することを特徴とする撮像装置。
【請求項5】
請求項4記載の撮像装置であって、
前記撮像装置は、前記記憶手段に保存された部分画像を表示すると共にその中から任意の一つを選択することが可能な部分画像選択手段を備え、
前記合成手段は、前記部分画像選択手段から出力された部分画像を前景とし、
前記撮像手段が撮像した画像を背景として、
前記合成指示手段からの合成位置、大きさの指示に基づいて合成画像を生成すること
を特徴とする撮像装置。
【請求項6】
請求項5記載の撮像装置であって、
前記合成手段は、前記抽出手段が抽出した部分画像と、
前記部分画像選択手段によって選択された部分画像と、
前記撮像手段によって撮像された画像を入力とし、
前記3つの画像を合成すること
を特徴とする撮像装置。
【請求項7】
請求項1記載の撮像装置であって、
前記撮像装置は、外部のネットワークから画像が添付された電子メールを送受信可能な通信手段を備え、
前記通信手段は、受信した電子メールならびに添付の画像を前記記憶手段に保存し、
前記合成手段は、前記記憶手段に保存された画像を背景とし、前記撮像手段が取得した画像を背景として、前記合成指示手段の出力する合成位置、大きさに従って合成画像を生成すること
を特徴とする撮像装置。
【請求項8】
請求項1記載の撮像装置であって、
前記表示手段は、前記抽出手段が抽出した被写体の輪郭線を強調表示すること
を特徴とする撮像装置。
【請求項9】
請求項1記載の撮像装置であって、
前記表示手段は、前記抽出手段が抽出した被写体の輪郭線の色を任意の色に変更可能であること
を特徴とする撮像装置。
【請求項10】
請求項1記載の撮像装置であって、
前記表示手段は、前記抽出手段が抽出した被写体の輪郭線を点滅させること
を特徴とする撮像装置。
【請求項11】
請求項1記載の撮像装置であって、
前記表示手段は、前記抽出手段が抽出した被写体の輪郭線の内側を白抜きすることによって、前記抽出手段が抽出した領域をユーザーに知らせること
を特徴とする撮像装置。
【請求項12】
2つ以上の画像を合成する方法であって、
画像中の任意の被写体を抽出することを指示するステップと、
指定された被写体を抽出する為に最適な画像を取得する為に画像の撮像条件を決定するステップと、
前記画像の撮像条件を決定するステップで決定された条件下で撮像した画像から被写体だけを含む部分画像を抽出するステップと、
前記部分画像を撮像手段が取得した画像上に置く位置と大きさを入力するステップと、
前記入力ステップで入力されたパラメータに従い、撮像された画像と抽出された部分画像を合成するステップと、
前記合成ステップで生成された合成画像を表示するステップと、
前記合成ステップで生成された合成画像を保存するステップ
を含む撮像方法。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図3】
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【図5】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−128754(P2006−128754A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−310494(P2004−310494)
【出願日】平成16年10月26日(2004.10.26)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】