説明

撮像装置、その制御方法およびプログラム

【課題】ユーザの好みに応じた撮像画像を容易に記録する。
【解決手段】操作受付部220は、所望の顔属性を指定する指定操作を受け付ける。撮像部110は、被写体からの入射光を撮像画像に変換する。顔検出部120は、撮像画像に含まれる人物の顔を検出する。属性判定部150は、検出された顔の顔属性を判定する。優先顔決定部160は、属性判定部150により判定された顔属性の判定結果の中から、操作受付部220において指定された顔属性(年代、性別等)に該当する顔を優先候補として選択し、この優先候補の中から優先顔をさらに決定する。撮像制御部191は、優先顔に基づいてホワイトバランス、カラーバランス、露出、フォーカス等の撮像パラメータを設定することにより撮像制御を行う。表示部200は、優先顔に優先顔位置マーカが付され、検出された顔に顔位置マーカが付された撮像画像を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関し、特に、撮像画像から顔等の対象物を検出することが可能な撮像装置、および、その制御方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、人物等の被写体が撮像された画像を撮像画像として記録するデジタルスチルカメラ等の撮像装置が普及している。また、最近では、撮像画像から人物の顔を検出し、この検出された顔を美しく記録するための最適な撮像パラメータを設定する撮像装置が提案されている。例えば、撮像画像から人物の顔を検出し、この検出された顔に関する情報に基づいてオートフォーカスの対象となるエリアを撮像画像上の顔に設定し、この撮像画像上の顔に適切にピントを合わせることが可能な撮像装置が存在する。
【0003】
また、撮像画像から複数の顔が検出された場合には、これらの顔の中から主要な顔である優先顔を判定し、この優先顔について最適な撮像パラメータを設定する撮像装置が存在する。
【0004】
例えば、撮像画像内の人物の顔を検出し、この検出された顔のサイズ情報および位置情報を用いて最終的な顔の重要度を計算して、撮像画像内に存在する人物の顔の重要度を判定する撮像装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2007−201980号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の従来技術によれば、撮像画像内に存在する人物の顔のサイズおよび位置を考慮して、高精度な重要度判定を行うことが可能である。また、重要度が高いと判定された顔に基づいて露出制御等を行うことができる。
【0006】
しかしながら、複数の人物を撮影する場合において、人物の顔のサイズや位置等とは無関係に、撮影者または撮影対象者の好みに応じて撮像画像を記録したい場合がある。例えば、子供の入学式の日に親子で記念撮影をする場合において、父親は、子供の顔が一番綺麗になるように撮像画像を記録したいと考える可能性が高い。また、同じ構図でも、例えば、母親は、自分の顔が一番美しく綺麗になるように撮像画像を記録したいと考える可能性もある。
【0007】
このように、撮影者または撮影対象者の好みが多種多様であるため、撮影者または撮影対象者の好みに応じた撮像画像を容易に記録することが重要である。
【0008】
そこで、本発明は、ユーザの好みに応じた撮像画像を容易に記録することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その第1の側面は、所定の対象物に関する属性を指定する操作入力を受け付ける操作受付手段と、被写体からの入射光を撮像画像に変換する撮像手段と、上記撮像画像に含まれる上記対象物を検出する対象物検出手段と、上記検出された対象物の属性を判定する属性判定手段と、上記指定された属性と上記判定された属性とに基づいて上記検出された対象物の中から少なくとも1つの対象物を優先対象物として決定する優先対象物決定手段とを具備することを特徴とする撮像装置およびその制御方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムである。ここで、優先対象物は、撮像画像に含まれる所定の対象物の中で優先的な取り扱いを受ける対象物である。例えば、優先対象物は、撮像制御に関して優先的な取り扱いを受け、優先対象物を基準にしてフォーカスや露出等の撮像制御が行われる。これにより、撮像画像に含まれる対象物を検出し、この検出された対象物の属性を判定して、指定された属性と判定された属性とに基づいて、検出された対象物の中から少なくとも1つの対象物を優先対象物として決定するという作用をもたらす。
【0010】
また、この第1の側面において、上記優先対象物に基づいて所定の撮像パラメータを設定することにより撮像制御を行う撮像制御手段をさらに具備するようにしてもよい。これにより、優先対象物に基づいて、所定の撮像パラメータを設定することにより撮像制御を行うという作用をもたらす。
【0011】
また、この第1の側面において、上記撮像制御手段は、上記指定された属性に基づいて上記撮像パラメータを設定することにより上記撮像制御を行うようにしてもよい。これにより、指定された属性に基づいて撮像パラメータを設定するという作用をもたらす。
【0012】
また、この第1の側面において、上記撮像制御手段は、上記優先対象物に基づいてホワイトバランス、カラーバランス、露出、フォーカスの少なくとも1つを上記撮像パラメータとして設定することにより上記撮像制御を行うようにしてもよい。これにより、優先対象物に基づいて、ホワイトバランス、カラーバランス、露出、フォーカスの少なくとも1つを撮像パラメータとして設定するという作用をもたらす。
【0013】
また、この第1の側面において、上記優先対象物が決定された際に上記撮像手段により変換された撮像画像を所定の記録媒体に記録させる記録制御手段をさらに具備するようにしてもよい。これにより、優先対象物が決定された際における撮像画像を、所定の記録媒体に記録させるという作用をもたらす。
【0014】
また、この第1の側面において、上記操作受付手段は、上記対象物に関する属性を複数指定する操作入力を受け付け、上記優先対象物決定手段は、上記指定された複数の属性と上記判定された属性とに基づいて上記優先対象物を決定するようにしてもよい。これにより、指定された複数の属性と、判定された属性とに基づいて、優先対象物を決定するという作用をもたらす。
【0015】
また、この第1の側面において、上記操作受付手段は、上記対象物に関する属性であって互いに異なる種類に属する第1および第2の属性を指定する操作入力を受け付け、上記優先対象物決定手段は、上記指定された第1および第2の属性と上記判定された属性とに基づいて上記優先対象物を決定するようにしてもよい。これにより、指定された第1および第2の属性と、判定された属性とに基づいて、優先対象物を決定するという作用をもたらす。
【0016】
また、この第1の側面において、上記優先対象物決定手段は、上記検出された対象物の中から上記判定された属性が上記指定された属性に該当する対象物を選択することにより上記優先対象物を決定するようにしてもよい。これにより、検出された対象物の中から、判定された属性が指定された属性に該当する対象物を選択することによって優先対象物を決定するという作用をもたらす。
【0017】
また、この第1の側面において、上記対象物検出手段は、上記撮像画像における上記検出された対象物の大きさ、位置、向きのうちの少なくとも1つを検出し、上記優先対象物決定手段は、上記選択された対象物が複数存在する場合には上記検出された対象物の大きさ、位置、向きのうちの少なくとも1つに基づいて上記選択された複数の対象物の中から上記優先対象物を決定するようにしてもよい。これにより、撮像画像における対象物の大きさ、位置、向きのうちの少なくとも1つを検出して、この検出された対象物の大きさ、位置、向きのうちの少なくとも1つに基づいて、選択された複数の対象物の中から優先対象物を決定するという作用をもたらす。
【0018】
また、この第1の側面において、上記対象物検出手段は、上記撮像画像における上記検出された対象物の大きさおよび位置を検出し、上記優先対象物の大きさおよび位置に基づいて上記撮像画像における上記優先対象物の位置を示す優先対象物位置マーカを生成する対象物位置マーカ生成手段と、上記撮像画像と上記生成された優先対象物位置マーカとを重畳する重畳手段と、上記重畳された画像を表示する表示手段とをさらに具備するようにしてもよい。これにより、撮像画像における対象物の大きさおよび位置を検出し、優先対象物の大きさおよび位置に基づいて優先対象物位置マーカを生成して、撮像画像と優先対象物位置マーカとが重畳された画像を表示するという作用をもたらす。
【0019】
また、この第1の側面において、上記対象物位置マーカ生成手段は、上記検出された対象物の大きさおよび位置に基づいて上記検出された対象物の中の上記優先対象物以外の対象物の上記撮像画像における位置を示すマーカであって上記優先対象物位置マーカとは異なる態様のマーカである対象物位置マーカを生成し、上記重畳手段は、上記撮像画像と上記生成された対象物位置マーカとを重畳するようにしてもよい。これにより、対象物の大きさおよび位置に基づいて対象物位置マーカを生成して、撮像画像と対象物位置マーカとが重畳された画像を表示するという作用をもたらす。
【0020】
また、この第1の側面において、上記対象物は、人物の顔であってもよい。これにより、撮像画像に含まれる人物の顔を検出し、この検出された顔の顔属性を判定して、指定された顔属性と判定された顔属性とに基づいて、検出された顔の中から少なくとも1つの顔を優先顔として決定するという作用をもたらす。
【0021】
また、本発明の第2の側面は、所定の対象物に関する属性を指定する操作入力を受け付ける操作受付手段と、被写体からの入射光を撮像画像に変換する撮像手段と、上記撮像画像に含まれる上記対象物を検出する対象物検出手段と、上記検出された対象物の属性を判定する属性判定手段と、上記検出された対象物の中から上記判定された属性が上記指定された属性に該当する対象物を選択するとともに当該選択がされた際に上記撮像手段により変換された撮像画像を所定の記録媒体に記録させる旨の指示を行う撮像画像記録指示手段とを具備することを特徴とする撮像装置およびその制御方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムである。これにより、撮像画像に含まれる対象物を検出し、この検出された対象物の属性を判定して、検出された対象物の中から、判定された属性が指定された属性に該当する対象物を選択し、この選択の際における撮像画像を所定の記録媒体に記録させる旨の指示を行うという作用をもたらす。
【0022】
また、この第2の側面において、上記操作受付手段は、上記対象物に関する属性を複数指定する操作入力を受け付け、上記撮像画像記録指示手段は、上記検出された対象物の中から上記判定された属性が上記指定された複数の属性に該当する対象物を選択するようにしてもよい。これにより、検出された対象物の中から、判定された属性が指定された複数の属性に該当する対象物を選択するという作用をもたらす。
【0023】
また、この第2の側面において、上記操作受付手段は、上記対象物に関する属性であって互いに異なる種類に属する第1および第2の属性を指定する操作入力を受け付け、上記撮像画像記録指示手段は、上記検出された対象物の中から上記判定された属性が上記指定された第1および第2の属性に該当する対象物を選択するようにしてもよい。これにより、検出された対象物の中から、判定された属性が指定された第1および第2の属性に該当する対象物を選択するという作用をもたらす。
【0024】
また、この第2の側面において、上記第1の属性は、上記対象物の表面上の変化に関する属性であり、上記第2の属性は、上記対象物の種別に関する属性であってもよい。これにより、対象物の表面上の変化に関する属性と、対象物の種別に関する属性とに基づいて対象物を選択するという作用をもたらす。
【0025】
また、この第2の側面において、上記対象物は、人物の顔であり、上記第1の属性は、人物の顔の表情に関する属性であり、上記第2の属性は、人物の種別に関する属性であってもよい。これにより、人物の顔の表情に関する属性と、人物の種別に関する属性とに基づいて対象物を選択するという作用をもたらす。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、ユーザの好みに応じた撮像画像を容易に記録することができるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
次に本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0028】
図1は、本発明の実施の形態における撮像装置100の機能構成例を示すブロック図である。撮像装置100は、撮像部110と、顔検出部120と、目検出部130と、正規化部140と、属性判定部150と、優先顔決定部160と、顔位置マーカ生成部170と、重畳部180と、撮像制御部191と、記録制御部192と、表示部200と、撮像画像記憶部210と、操作受付部220と、辞書記憶部300と、作業用メモリ301とを備える。撮像装置100は、例えば、顔検出機能を備えるデジタルスチルカメラによって実現することができる。
【0029】
撮像部110は、撮像レンズ101(図2に示す)を介して入射された被写体からの光を受光して光電変換を行うことにより、光の受光量に応じた画像信号を生成し、この画像信号に各種の信号処理を施すものである。そして、この信号処理が施された画像信号が撮像画像として顔検出部120、撮像制御部191、記録制御部192および重畳部180に出力される。
【0030】
顔検出部120は、撮像部110から出力された撮像画像に含まれる顔を検出するものであり、検出された顔を含むその周辺画像である顔画像を目検出部130および正規化部140に出力するとともに、検出された顔に関する顔情報を優先顔決定部160および顔位置マーカ生成部170に出力する。なお、検出された顔に関する顔情報は、例えば、撮像画像における顔の位置、顔の大きさまたは顔の向きである。また、顔検出部120は、撮像部110から出力された撮像画像に複数の顔が含まれている場合には、この複数の顔を検出する。例えば、図7に示すように、撮像部110から出力された撮像画像400に4人の人物の顔405乃至408が含まれている場合には、これらの顔405乃至408が検出される。顔検出方法として、例えば、顔の輝度分布情報が記録されているテンプレートと実画像とのマッチングによる顔検出方法、撮影画像に含まれる肌色の部分や人間の顔の特徴量等に基づいた顔検出方法を用いることができる。なお、顔検出部120は、予め指定された大きさの顔や予め指定された向きの顔のみを撮像画像から検出するようにしてもよい。予め指定された大きさとして、例えば、撮像画像における一定以上の大きさとすることができる。また、予め指定された向きとして、例えば、正面向きの度合いが一定以上の顔とすることができる。
【0031】
目検出部130は、顔検出部120から出力された顔画像に含まれる両目を検出するものであり、検出された両目の顔画像における各位置を正規化部140に出力する。例えば、図4(b)に示す顔画像250に含まれる顔251において、×印252および253で示す目の位置が検出される。
【0032】
正規化部140は、正規化テンプレートを保持し、この正規化テンプレートに基づいて、顔検出部120から出力された顔画像について、目検出部130から出力された顔画像における両目の位置に基づいて正規化を行うものである。この正規化テンプレートとして、例えば、図4(a)に示すように、顔画像における両目の位置を基準とするテンプレートを用いることができる。すなわち、正規化部140は、目検出部130から出力された顔画像における両目の位置が、正規化テンプレートにおける両目の位置と合致するように、顔検出部120から出力された顔画像に回転処理および拡大縮小処理を施すとともに解像度変換を施し、その顔画像を正規化する。そして、正規化された顔画像が属性判定部150に出力される。なお、顔画像の正規化および正規化テンプレートについては、図4を参照して詳細に説明する。
【0033】
属性判定部150は、正規化部140から出力された正規化顔画像について、辞書記憶部300に記憶されている複数の判定用辞書を用いて顔属性の判定処理を行うものであり、この判定結果を優先顔決定部160に出力する。ここで、辞書記憶部300に記憶されている複数の判定用辞書が作業用メモリ301に順次供給され、作業用メモリ301には1つの判定用辞書が順次記憶される。そして、作業用メモリ301に記憶された1つの判定用辞書を用いて顔属性の判定処理が順次行われる。具体的には、属性判定部150は、正規化部140から出力された正規化顔画像から、各部における輝度を特徴量として抽出し、この抽出された輝度の値と判定用辞書とを用いて顔属性の判定処理を行う。なお、属性判定部150による顔属性の判定処理については、図6乃至図8を参照して詳細に説明する。
【0034】
辞書記憶部300は、正規化部140から出力された正規化顔画像について、属性判定部150による各判定処理を行うための複数の判定用辞書を記憶する記憶部であり、記憶されている各判定用辞書が作業用メモリ301に順次供給される。なお、これらの各判定用辞書については、図5を参照して詳細に説明する。
【0035】
作業用メモリ301は、辞書記憶部300に記憶されている複数の判定用辞書のうちの1つの判定用辞書を記憶する作業用メモリであり、記憶されている判定用辞書の内容を属性判定部150に供給する。
【0036】
優先顔決定部160は、顔検出部120により検出された顔の中から、操作受付部220において指定された顔属性の条件を満たす顔を優先顔として決定するものであり、決定された優先顔に関する情報(優先顔の位置および大きさ)を顔位置マーカ生成部170および撮像制御部191に出力する。すなわち、優先顔決定部160は、操作受付部220において指定された顔属性と、属性判定部150から出力された顔属性の判定結果とに基づいて、顔検出部120により検出された顔の中から優先顔を決定する。具体的には、優先顔決定部160は、操作受付部220により顔属性を指定する旨の操作入力が受け付けられた場合には、この指定された顔属性を保持する。そして、属性判定部150から出力された顔属性の判定結果の中から、保持されている顔属性の条件を満たす顔を選択する。ここで、優先顔は、撮像画像に含まれる人物の顔の中で優先的な取り扱いを受ける顔である。例えば、優先顔は撮像制御に関して優先的な取り扱いを受け、撮像制御部191において優先顔を基準にしてフォーカスや露出等の撮像パラメータが設定されることにより撮像制御が行われる。また、撮像画像の表示制御に関しても、他の顔に対して優先顔が優先的にユーザに識別されるように表示される。なお、保持されている顔属性の条件を満たす顔が優先候補として複数選択された場合には、これらの選択された優先候補の中から評価値の最も高い優先候補を優先顔として決定する。この評価値として、例えば、顔検出部120により検出された顔に関する顔情報を用いることができる。例えば、顔の大きさの大小に応じた数値、撮像画像における顔の中央からの距離に応じた数値、顔の正面向きの度合いに応じた数値等を評価値とすることができる。また、これらの数値が加算された数値を評価値とするようにしてもよい。なお、検出された顔が1つの場合には、この1つの顔が優先顔として決定される。また、属性判定部150から出力された顔属性の判定結果の中から、保持されている顔属性の条件を満たす顔を選択することができない場合には、評価値に基づいて優先顔を決定する。この優先顔の決定については、図7乃至図9を参照して詳細に説明する。
【0037】
顔位置マーカ生成部170は、優先顔決定部160から出力された優先顔に関する情報に基づいて、撮像画像における優先顔の位置を示す優先顔位置マーカを生成するものであり、生成された優先顔位置マーカを重畳部180に出力する。また、顔位置マーカ生成部170は、顔検出部120から出力された顔に関する顔情報に基づいて、撮像画像における優先顔以外の顔の位置を示す顔位置マーカを生成し、生成された顔位置マーカを重畳部180に出力する。ここで、顔位置マーカ生成部170により生成される優先顔位置マーカと、顔位置マーカとは、異なる態様のマーカとする。なお、顔位置マーカ生成部170により生成される優先顔位置マーカまたは顔位置マーカの種類を、操作受付部220からの操作入力に応じて変更するようにしてもよい。優先顔位置マーカまたは顔位置マーカの種類および表示例については、図9乃至図11を参照して詳細に説明する。
【0038】
重畳部180は、撮像部110から出力された撮像画像に、顔位置マーカ生成部170から出力された優先顔位置マーカまたは顔位置マーカを重畳するものであり、優先顔位置マーカまたは顔位置マーカが重畳された撮像画像を表示部200に出力する。
【0039】
撮像制御部191は、撮像部110により撮像される撮像画像に関する撮像制御を行うものである。この撮像制御として、例えば、ホワイトバランス、カラーバランス(例えば、R(赤)・G(緑)・B(青)のバランス)、露出、フォーカス等の各撮像パラメータの制御が行われる。また、撮像制御部191は、優先顔決定部160から優先顔に関する情報が出力された場合には、この優先顔に関する情報に基づいて撮像制御を行う。例えば、撮像画像における優先顔の位置をAFエリア(距測エリア)として設定してオートフォーカス制御を行う。また、優先顔について最適な撮影条件となるように、ホワイトバランス、カラーバランス、露出等のオート制御を行う。なお、撮像制御部191は、優先顔決定部160から優先顔に関する情報が出力されない場合には、特に顔に限定した制御を行わず、通常の撮像制御を行う。例えば、操作受付部220により設定された撮像条件に基づいて制御が行われる。
【0040】
ここで、撮像制御部191は、操作受付部220により顔属性を指定する旨の操作入力が受け付けられた場合には、この指定された顔属性を保持しておき、保持されている顔属性に係る優先顔に関する情報が優先顔決定部160から出力された場合には、保持されている顔属性に応じた撮像パラメータを用いて撮像制御を行うことができる。例えば、顔属性として子供が指定された場合には、露出値(EV値:Exposure Value)を+1/3段乃至2/3段として露出を調整する。
【0041】
記録制御部192は、撮像部110から出力された撮像画像を撮像画像記憶部210に記録する記録制御を行うものである。すなわち、記録制御部192は、操作受付部220によりシャッターボタン221(図2に示す)の押下入力が受け付けられた場合には、この押下入力の際に撮像部110から出力された撮像画像を撮像画像記憶部210に記録させる。
【0042】
表示部200は、重畳部180から出力された画像を表示するものである。
【0043】
撮像画像記憶部210は、記録制御部192からの制御に基づいて、撮像部110から出力された撮像画像を記録するものである。撮像画像記憶部210として、例えば、フラッシュメモリやディスクメモリカード等の半導体メモリや、DVD(Digital Versatile Disc)等のリムーバブル記録媒体の永続性のある記録媒体を用いることができる。また、撮像画像記憶部210は、撮像装置100に内蔵するようにしてもよく、撮像装置100から着脱可能とするようにしてもよい。
【0044】
操作受付部220は、各種の操作キーやスイッチ等を備え、これらのキー等から操作入力を受け付けると、受け付けた操作入力の内容を優先顔決定部160、顔位置マーカ生成部170、撮像制御部191または記録制御部192に出力するものである。例えば、操作受付部220は、優先顔を決定するための顔属性を指定する旨の操作入力を受け付けると、この指定された顔属性を優先顔決定部160および撮像制御部191に出力する。また、操作受付部220は、優先顔位置マーカまたは顔位置マーカの種類を指定する旨の操作入力を受け付けると、この指定された優先顔位置マーカまたは顔位置マーカの種類を顔位置マーカ生成部170に出力する。また、操作受付部220は、指定された顔属性に応じた各種撮像条件を設定する旨の操作入力を受け付けると、この各種撮像条件を撮像制御部191に出力する。なお、本発明の実施の形態では、図2に示すように、シャッターボタン221やズームボタン222等の操作部材とともに、液晶パネル201において操作入力を受け付ける。すなわち、操作受付部220をタッチパネルとして、表示部200と一体で構成する。
【0045】
図2は、本発明の実施の形態における撮像装置100の外観を示す斜視図である。図2(a)は、撮像装置100の正面(すなわち、被写体に向けられるレンズ面)側の外観を示す図であり、図2(b)は、撮像装置100の背面(すなわち、撮影者に向けられる液晶パネル201の面)側の外観を示す図である。
【0046】
撮像装置100は、撮像レンズ101と、液晶パネル201と、シャッターボタン221と、ズームボタン222とを備える。なお、シャッターボタン221およびズームボタン222は、図1に示す操作受付部220に対応する。また、液晶パネル201は、図1に示す表示部200および操作受付部220に対応する。なお、撮像装置100には、電源スイッチ等の他の操作部材が操作受付部220として備えられているが、ここでの図示および説明は省略する。
【0047】
撮像レンズ101は、被写体からの光を集光する複数のレンズ(ズームレンズ、フォーカスレンズを含む)から構成され、これらの各レンズが撮像装置100の筐体に内蔵されている。また、これらの各レンズを通過した光の量(すなわち、露出)が絞り(図示せず)により調整され、これらの各レンズおよび絞りを通過した被写体からの光に応じて撮像部110が撮像画像を生成する。
【0048】
液晶パネル201は、撮像部110から出力された撮像画像を表示する液晶パネルである。また、液晶パネル201は、顔位置マーカ生成部170により優先顔位置マーカまたは顔位置マーカが生成された場合には、優先顔位置マーカまたは顔位置マーカが重畳された撮像画像を表示する。これらの撮像画像の表示例については、図9乃至図11を参照して詳細に説明する。また、液晶パネル201は、各種の選択ボタン等を表示し、これらの選択ボタン等の領域を指等で触ることにより操作入力を行うことが可能なタッチパネルである。これらの選択ボタンの表示例については、図3および図17を参照して詳細に説明する。
【0049】
シャッターボタン221は、撮像画像を記録する際に撮影者により押下されるボタンである。撮像装置100を用いて撮影者が撮像操作(いわゆる、写真撮影)を行う場合には、液晶パネル201において所望の被写体を確認した後に、撮影者がシャッターボタン221を押下する。シャッターボタン221が押下されると、シャッターボタン221押下に応じた信号が、操作受付部220から記録制御部192に供給される。シャッターボタン221押下に応じた信号が操作受付部220から供給されると、記録制御部192は、シャッターボタン221押下に応じた信号を受け取った際に撮像部110から出力された撮像画像を撮像画像記憶部210に記録させる。
【0050】
ズームボタン222は、ズームの倍率を調整する際に操作されるボタンである。具体的には、図2(b)に示すW(ワイド)ボタンおよびT(テレ)ボタンがズームボタン222に備えられ、Wボタンが押下されている状態では、ズームレンズがワイド端側(望遠側)に移動し、Tボタンが押下されている状態では、ズームレンズがテレ端側(広角側)に移動する。
【0051】
図3は、本発明の実施の形態における液晶パネル201の表示例を示す図である。同図では、優先顔決定部160により決定される優先顔の顔属性を指定するための顔属性指定画面が表示されている場合を示す。この顔属性指定画面には、指定ボタン231乃至235が表示されている。この顔属性指定画面は、例えば、操作受付部220において所定の操作入力を行うことによって、液晶パネル201に表示させることができる。
【0052】
なお、本発明の実施の形態では、年代や性別等の人物自体に深く関わる属性である人物の種別に関する顔属性、または、笑顔等の顔の表情に関する顔属性を指定する例について説明する。すなわち、種類が異なる2つのカテゴリーに属する顔属性の中から少なくとも1つの顔属性を指定する例について説明する。また、本発明の実施の形態において指定する顔属性は、撮影者側ではなく、撮影者側の顔属性である。
【0053】
指定ボタン231乃至235は、優先顔の顔属性を指定する場合に押下するボタンである。例えば、「男」指定ボタン231は、撮像画像に含まれる男性の顔を優先顔とする場合に押下するボタンである。また、「女」指定ボタン232、「大人」指定ボタン233、「子供」指定ボタン234、「赤ちゃん」指定ボタン235についても同様に、各ボタンの表示領域に表示されている文字に対応する顔属性を指定する場合に押下される。
【0054】
なお、この例では、人物の種別に関する顔属性についての5つの指定ボタンを表示して選択する例について説明するが、他の顔属性を指定するための指定ボタンを表示して、他の顔属性を指定可能とするようにしてもよい。例えば、顔の表情に関する顔属性について選択可能としてもよい。また、この例では、1つの顔属性を指定する例について説明するが、複数の顔属性を指定して、これらの指定された各顔属性の条件を満たす顔を優先顔として決定する場合についても、本発明の実施の形態を適用することができる。なお、複数の顔属性を指定する場合には、相反しない複数の顔属性を指定する。相反する顔属性の指定とは、例えば、「男」および「女」を指定する場合や、「大人」および「子供」を指定する場合である。
【0055】
図4は、本発明の実施の形態における顔画像を正規化する場合における正規化の一例を示す図である。図4(a)は、顔画像を正規化する際に用いられる正規化テンプレート141を示す図であり、図4(b)は、顔検出部120により検出された顔251を含む顔画像250を正規化する場合における遷移を示す図である。正規化テンプレート141は、正規化部140に保持されて、正規化部140が正規化を行う際に用いられるテンプレートであり、正規化を行う際に基準となる基準位置142および143が規定されている。この例では、目検出部130により検出された顔画像における両目の位置が、正規化テンプレート141における基準位置142および143に合致するように顔画像について回転処理および拡大縮小処理を施すとともに、顔画像の解像度を変換する例について説明する。
【0056】
顔画像250は、撮像部110に出力された撮像画像から顔検出部120により検出された顔251を含む周辺画像である。また、顔画像250における目の位置252および253が目検出部130により検出されているものとする。この例では、目における中心位置を目の位置とする場合について説明する。このように、顔画像250における目の位置252および253が検出されている場合には、目の位置252および253が、図4(a)に示す正規化テンプレート141における基準位置142および143に合致するように、アフィン変換等によって変換される。例えば、図4(b)に示すように、顔画像250について解像度変換および回転処理がされると、正規化された顔画像である正規化顔画像260が生成される。正規化顔画像260においては、顔261の目の位置262および263が、図4(a)に示す正規化テンプレート141における基準位置142および143に合致している。また、本発明の実施の形態では、顔画像の解像度を48画素×48画素に変換して、正規化顔画像を生成する場合について説明する。
【0057】
なお、基準位置としては、顔に含まれる両目以外の他の器官の位置を用いるようにしてもよい。例えば、顔に含まれる鼻を検出して、この鼻の位置に基づいて顔画像を正規化することができる。また、複数の器官の位置を、基準位置として用いるようにしてもよい。例えば、両目および鼻の位置を用いることができる。
【0058】
図5は、本発明の実施の形態における正規化顔画像について各判定処理を行うための複数の判定用辞書を示す図である。これらの判定用辞書は、正規化部140により正規化された正規化顔画像について、属性判定部150による各判定処理を行うための判断情報であり、辞書記憶部300に記憶されている。この例では、判定用辞書として、大人/子供判定用辞書310、男/女判定用辞書320および赤ちゃん/非赤ちゃん判定用辞書330を例にして説明する。
【0059】
ここで、顔属性の判定処理に用いられる判定用辞書は、判断基準のみに関するデータを保持する判断情報であり、画像そのものを保持するものではない。このため、記憶容量を削減することができるとともに、判定処理を迅速に行うことができる。
【0060】
各判定用辞書には、正規化画像における2点の位置を示すpix1(x,y)およびpix2(x,y)と、pix1(x,y)の輝度の値およびpix2(x,y)の輝度の値の差の値に関する閾値θと、pix1(x,y)の輝度の値およびpix2(x,y)の輝度の値の差の値と閾値θとの比較結果に基づいて加算または減算される重みαとの組合せがそれぞれt組格納されている。これらの各値は、例えば、アダブースト(AdaBoost)等の機械学習アルゴリズムにより学習されたもののうちで、最も効果的な上位100組の組合せを用いて設定される。このように、各判定用辞書の形式が同一であるため、複数の判定処理を同一のアルゴリズムで行うことができる。なお、同図では、各判定用辞書に関する「pix1(x,y)」、「pix2(x,y)」、「θ」、「α」については、各判定用辞書に応じて異なる表記として示す。例えば、大人/子供判定用辞書310については、「pix1(x,y)」を「pix世代1(x,y)」とし、「pix2(x,y)」を「pix世代2(x,y)」とし、「θ」を「世代θ」とし、「α」を「世代α」として示す。
【0061】
ここで、大人/子供判定用辞書310を用いて「大人」または「子供」の判定を行う場合における基準年齢は、例えば、12歳とすることができる。すなわち、12歳以上の顔を「大人」と判定し、12歳未満の顔を「子供」と判定することができる。なお、他の年齢を基準として「大人」または「子供」の判定を行うようにしてもよく、子供、中年、老年等のように、さらに詳細な世代を判定するようにしてもよい。また、ある程度の範囲の年代をグループ化し、検出された顔がどのグループに属するかを判定するようにしてもよい。
【0062】
次に、正規化顔画像について判定用辞書を用いて判定処理をする例について図面を参照して詳細に説明する。
【0063】
図6は、本発明の実施の形態における正規化部140により正規化された顔画像の一例である正規化顔画像350を示す図である。この例では、同図に示す正規化顔画像350の左上隅を原点として、横軸をx軸とし、縦軸をy軸として、正規化顔画像350について大人/子供判定用辞書310(図5に示す)を用いた判定処理をする場合について説明する。例えば、大人/子供判定用辞書310の1行目に格納されているpix世代1(x,y)の値に対応する正規化顔画像350の位置を位置351とし、pix世代2(x,y)の値に対応する正規化顔画像350の位置を位置352とする。また、大人/子供判定用辞書310の2行目に格納されているpix世代1(x,y)の値に対応する正規化顔画像350の位置を位置353とし、pix世代2(x,y)の値に対応する正規化顔画像350の位置を位置354とする。さらに、大人/子供判定用辞書310の3行目に格納されているpix世代1(x,y)の値に対応する正規化顔画像350の位置を位置355とし、pix世代2(x,y)の値に対応する正規化顔画像350の位置を位置356とする。
【0064】
最初に、判定を行うためのスコアSの値に0がセットされ、大人/子供判定用辞書310の1行目に格納されている各値を用いた演算が行われる。具体的には、大人/子供判定用辞書310の1行目に格納されているpix世代1(x,y)の値に対応する位置351における輝度の値A(1)と、pix世代2(x,y)の値に対応する位置352における輝度の値B(1)とが抽出され、次式を用いて、抽出された各輝度の値の差C(1)が算出される。
C(1)=A(1)−B(1)
【0065】
続いて、算出された各輝度の差の値C(1)と、大人/子供判定用辞書310の1行目に格納されている閾値である世代θの値とを比較して、算出された値C(1)が世代θの値よりも小さいか否かが判断される。算出された値C(1)が世代θの値よりも小さい場合には、大人/子供判定用辞書310の1行目に格納されている重みである世代αの値をスコアSに加算する。一方、算出された値C(1)が世代θの値よりも小さくない場合には、大人/子供判定用辞書310の1行目に格納されている世代αの値をスコアSから減算する。
【0066】
続いて、大人/子供判定用辞書310の2行目に格納されている各値を用いて、上述した各演算を繰り返す。具体的には、大人/子供判定用辞書310の2行目に格納されているpix世代1(x,y)の値に対応する位置353における輝度の値A(2)と、pix世代2(x,y)の値に対応する位置354における輝度の値B(2)とが抽出され、次式を用いて、抽出された各輝度の値の差C(2)が算出される。
C(2)=A(2)−B(2)
【0067】
続いて、算出された各輝度の差の値C(2)と、大人/子供判定用辞書310の2行目に格納されている世代θの値とを比較して、算出された値C(2)が世代θの値よりも小さいか否かが判断される。算出された値C(2)が世代θの値よりも小さい場合には、大人/子供判定用辞書310の2行目に格納されている世代αの値をスコアSに加算する。一方、算出された値C(2)が世代θの値よりも小さくない場合には、大人/子供判定用辞書310の2行目に格納されている世代αの値をスコアSから減算する。
【0068】
続いて、大人/子供判定用辞書310の3行目以降、t行目までに格納されている各値を順次用いて、上述した各演算を繰り返す。
【0069】
すなわち、正規化顔画像350について大人/子供判定用辞書310を用いた判定処理をする場合には、大人/子供判定用辞書310の1行目乃至t行目に格納されている各値を順次用いて、式1を用いてC(i)が算出され、算出されたC(i)が式2を満たすか否かが判定される。ここで、変数iは整数であり、1からtの値を示す。
C(i)=A(i)−B(i)……(式1)
C(i)<θ(i) ……(式2)
【0070】
そして、算出されたC(i)が式2を満たす場合には、α(i)の値がスコアSに加算され、算出されたC(i)が式2を満たさない場合には、α(i)の値がスコアSから減算される。ここで、i行目に格納されているpix世代1(x,y)に対応する輝度の値をA(i)で表し、i行目に格納されているpix世代2(x,y)に対応する輝度の値をB(i)で表し、i行目に格納されている世代θの値をθ(i)で表し、i行目に格納されている世代αの値をα(i)で表す。
【0071】
そして、大人/子供判定用辞書310のt行目に格納されている各値を用いた各演算が終了した後に、スコアSの値が0よりも大きいか否かが判断される。
【0072】
例えば、上述の機械学習アルゴリズムによって学習時における大人判定成功の学習サンプルを正側とし、大人判定失敗時の学習サンプルを負側として学習した場合において、大人/子供判定用辞書310の1乃至t行目に格納されている各値を用いた各演算の終了後におけるスコアSの値が0よりも大きければ、判定の対象となっている正規化顔画像は目的の画像であると判定される。すなわち、大人/子供判定用辞書310を用いた判定の場合には、判定の対象となっている正規化顔画像に含まれる顔は大人の顔であると判定される。また、他の判定用辞書についても、同様に考えることができる。例えば、男/女判定用辞書320を用いた判定において、男判定成功の学習サンプルを正側として学習した場合、スコアSの値が0よりも大きければ、判定の対象となっている正規化顔画像に含まれる顔は男性の顔であると判定される。また、赤ちゃん/非赤ちゃん判定用辞書330を用いた判定において、赤ちゃん判定成功の学習サンプルを正側として学習した場合、スコアSの値が0よりも大きければ、判定の対象となっている正規化顔画像に含まれる顔は赤ちゃんの顔であると判定される。
【0073】
一方、上述の機械学習アルゴリズムによって学習時における判定成功の学習サンプルを正側とし、判定失敗時の学習サンプルを負側として学習した場合において、判定用辞書の1乃至t行目に格納されている各値を用いた各演算の終了後におけるスコアSの値が0よりも大きくなければ、判定の対象となっている正規化顔画像は目的の画像ではないと判定される。例えば、大人/子供判定用辞書310を用いた判定において、正規化判定成功の学習サンプルを正側として学習した場合、スコアSの値が0よりも大きくなければ、判定の対象となっている正規化顔画像に含まれる顔は子供の顔であると判定される。また、男/女判定用辞書320を用いた判定において、男判定成功の学習サンプルを正側として学習した場合、スコアSの値が0よりも大きくなければ、判定の対象となっている正規化顔画像に含まれる顔は女性の顔であると判定される。また、赤ちゃん/非赤ちゃん判定用辞書330を用いた判定において、赤ちゃん判定成功の学習サンプルを正側として学習した場合、スコアSの値が0よりも大きくなければ、判定の対象となっている正規化顔画像に含まれる顔は赤ちゃんの顔ではないと判定される。
【0074】
なお、本発明の実施の形態では、判定用辞書を用いた判定として、スコアSおよび0を比較する判定例について説明するが、0以外の値を用いて判定するようにしてもよい。すなわち、スコアSと比較する値については、適宜調整することができる。
【0075】
ここで、判定用辞書の1乃至t行目に格納されている各値を用いた各演算の終了後におけるスコアSは、次式で表すことができる。
【数1】

【0076】
ここで、sign(x)は、x>0の場合には1となり、x≦0の場合には−1となる関数を表すものとする。
【0077】
このように、判定の対象となる正規化画像の解像度を同一の解像度とし、判定に用いる正規化画像の特徴量を2点間の輝度の値に統一することによって、複数の判定用辞書を切り替え可能とすることができ、複数の属性情報を同一のアルゴリズムで作成することができる。
【0078】
次に、撮像画像に複数の顔が含まれている場合における判定処理について図面を参照して詳細に説明する。
【0079】
図7は、本発明の実施の形態における撮像部110により撮像された撮像画像の一例を示す図である。同図に示す撮像画像400は、例えば、撮像装置100を用いて4人の親子を撮像する場合における撮像画像であり、撮像画像400には、息子401、父402、娘403および母404が含まれている。また、息子401、父402、娘403および母404のそれぞれに対応する顔を、顔405乃至408とする。また、息子401および娘403は、12歳未満の子供であり、「子供」と判定されるものとする。
【0080】
同図に示すように、撮像画像に複数の顔が含まれている場合には、顔検出部120により各顔が検出される。例えば、撮像画像400から顔405乃至408が検出される。そして、検出された各顔に対応する顔画像について正規化がされ、この正規化がされた正規化顔画像について顔属性の判定処理が行われる。
【0081】
図8は、本発明の実施の形態における属性判定部150により判定された顔属性の判定結果と、顔検出部120により検出された顔に関する情報とを含む優先顔決定情報420を模式的に示す図である。優先顔決定情報420は、優先顔決定部160に保持される。
【0082】
優先顔決定情報420には、識別番号421と、大人/子供(世代)422と、男性/女性(性別)423と、赤ちゃん/非赤ちゃん424と、顔の大きさ425と、顔の位置426とが関連付けて含まれる。
【0083】
識別番号421は、顔検出部120により検出された各顔に付与される識別番号である。識別番号421として、例えば、息子401の顔405に「001」が付与され、父402の顔406に「002」が付与され、娘403の顔407に「003」が付与され、母404の顔408に「004」が付与される。
【0084】
大人/子供(世代)422、男性/女性(性別)423および赤ちゃん/非赤ちゃん424は、各判定用辞書を用いて属性判定部150により判定された顔属性の判定結果である。例えば、大人/子供(世代)422には、図7に示す顔405乃至408について、大人/子供判定用辞書310を用いて行われた判定結果として、「大人」または「子供」の何れかが格納される。また、男性/女性(性別)423には、図7に示す顔405乃至408について、男/女判定用辞書320を用いて行われた判定結果として、「男性」または「女性」の何れかが格納される。また、赤ちゃん/非赤ちゃん424には、図7に示す顔405乃至408について、赤ちゃん/非赤ちゃん判定用辞書330を用いて行われた判定結果として、「赤ちゃん」または「非赤ちゃん」の何れかが格納される。
【0085】
顔の大きさ425および顔の位置426は、顔検出部120により検出された顔に関する情報である。例えば、顔の大きさ425には、図7に示す顔405乃至408について、顔検出部120により検出された顔の大きさが格納される。また、顔の位置426には、図7に示す顔405乃至408について、顔検出部120により検出された顔の位置が格納される。
【0086】
優先顔決定情報420に含まれる各情報を用いて、顔検出部120により検出された顔の中から、優先顔決定部160により優先顔が決定される。
【0087】
例えば、図3に示す液晶パネル201において、「大人」指定ボタン233が押下され、優先顔の顔属性として大人が指定されている場合には、大人/子供(世代)422に「大人」が格納されている顔が優先候補として選択される。そして、選択された優先候補が1つの場合には、この優先候補が優先顔として決定される。また、選択された優先候補が複数存在する場合には、選択された優先候補に関連付けられている顔に関する情報に基づいて優先顔が決定される。例えば、顔の大きさ425に格納されている顔の大きさに基づいて、検出された顔の大きさの値が最も大きい顔を優先顔として決定することができる。また、顔の位置426に格納されている顔の位置に基づいて、検出された顔の位置が撮像画像において最も中央寄りに存在する顔を優先顔として決定することができる。
【0088】
ここで、優先顔の顔属性として大人が指定されている場合に、顔の位置426に格納されている顔の位置を用いて、図7に示す撮像画像400における優先顔を決定する場合について説明する。例えば、図7に示す撮像画像400には、2人の大人(父402および母404)が含まれているため、この2人の大人の顔に対応する大人/子供(世代)422には「大人」が格納されている。ここで、撮像画像400に含まれる父402の顔406と、母404の顔408とについて、撮像画像400における位置を比較した場合には、父402の顔406が母404の顔408よりも中央寄りに存在する。このため、優先候補として、父402の顔406と、母404の顔408とが選択されるものの、顔の位置が中央寄りである父402の顔406が優先顔として決定される。このように、父402の顔406が優先顔に決定された場合における表示例を図9(a)に示す。
【0089】
また、同様に、図3に示す液晶パネル201において、「子供」指定ボタン234が押下され、優先顔の顔属性として子供が指定されている場合に、顔の位置426に格納されている顔の位置を用いて、図7に示す撮像画像400における優先顔を決定する場合について説明する。図7に示す撮像画像400には、2人の子供(息子401および娘403)が含まれているため、この2人の子供の顔に対応する大人/子供(世代)422には「子供」が格納されている。また、撮像画像400に含まれる息子401の顔405と、娘403の顔407との位置を比較した場合には、娘403の顔407が息子401の顔405よりも中央寄りに存在する。このため、優先候補として、息子401の顔405と、娘403の顔407とが選択されるものの、顔の位置が中央寄りである娘403の顔407が優先顔として決定される。このように、娘403の顔407が優先顔に決定された場合における表示例を図9(b)に示す。
【0090】
なお、優先顔決定情報420における顔属性の判定結果として、判定処理により算出されたスコアSの数値を格納しておき、複数の優先候補が選択された場合に、スコアSの数値が最も大きい優先候補を優先顔として決定するようにしてもよい。
【0091】
図9は、本発明の実施の形態における撮像画像400について決定された優先顔に優先顔位置マーカが付された場合における撮像画像400の表示例を示す図である。図9(a)は、父402の顔406が優先顔に決定された場合における撮像画像400の表示例を示す図であり、図9(b)は、娘403の顔407が優先顔に決定された場合における撮像画像400の表示例を示す図である。
【0092】
同図に示すように、例えば、優先顔位置マーカ412または413を優先顔の周り付して、優先顔以外の顔については顔位置マーカを付さないようにすることができる。また、優先顔が変更された場合には、変更後の優先顔に優先顔位置マーカが順次付される。
【0093】
図10および図11は、本発明の実施の形態における撮像画像400について決定された優先顔に優先顔位置マーカが付されるとともに、優先顔以外の顔には顔位置マーカが付された場合における撮像画像400の表示例を示す図である。図10および図11では、母404の顔408が優先顔に決定された場合における撮像画像400の表示例を示す。
【0094】
図10(a)では、実線の矩形で構成される優先顔位置マーカ414を優先顔408の周りに付し、破線の矩形で構成される顔位置マーカ411乃至413を顔405乃至407に付す例を示す。
【0095】
図10(b)では、太線の矩形で構成される優先顔位置マーカ414を優先顔408の周りに付し、細線の矩形で構成される顔位置マーカ411乃至413を顔405乃至407に付す例を示す。
【0096】
図11(a)では、矩形の内側に四隅ポイントが配置されて構成される優先顔位置マーカ414を優先顔408の周りに付し、実線の矩形で構成される顔位置マーカ411乃至413を顔405乃至407に付す例を示す。ここで、四隅ポイントは、図11(a)に示すように、矩形の四隅の部分のみを表示して、矩形の各辺の中央部分を表示しないものである。
【0097】
図11(b)では、透過率が変更された矩形状の優先顔位置マーカ414および顔位置マーカ411乃至413を優先顔408および顔405乃至407に付す例を示す。例えば、優先顔に付される優先顔位置マーカ414については、その透過率を下げて濃いマーカ表示とし、優先顔以外の顔に付される顔位置マーカ411乃至413については、その透過率を上げて薄いマーカ表示とする。
【0098】
このように、優先顔に付される優先顔位置マーカと、優先顔以外の顔に付される顔位置マーカとを異なる表示方法とすることによって、優先顔を容易に識別することができる。また、優先顔以外の顔についても容易に識別することができる。これらの表示方法の変更は、操作受付部220における操作入力に応じて変更される。
【0099】
なお、図9乃至図11に示す優先顔位置マーカおよび顔位置マーカの表示方法以外でも、例えば、マーカ自体の色による識別、点滅状態・非点滅状態による識別、マーカの内側と外側の輝度および色等の変更による識別等によって、優先顔位置マーカおよび顔位置マーカの態様を互いに区別して表示させることができる。また、マーカ自体の形状については、対象となる顔の位置を示すことができる他の態様のマーカを用いるようにしてもよい。例えば、円形、楕円等の形状や、対象となる顔を指し示す矢印等のような形状とすることができる。
【0100】
次に、本発明の実施の形態における撮像装置100の動作について図面を参照して説明する。
【0101】
図12は、本発明の実施の形態における撮像装置100による撮像制御処理の処理手順を示すフローチャートである。この例では、決定された優先顔に基づいて撮像制御部191が撮像制御を行う例について説明する。また、操作受付部220において指定された顔属性を優先顔決定部160が保持しているものとする。
【0102】
最初に、優先候補が初期化される(ステップS901)。続いて、被写体からの入射光を光電変換することによって、撮像部110が撮像画像を生成する(ステップS902)。続いて、顔検出部120が、撮像画像に含まれる人物の顔を検出する(ステップS903)。この顔検出により顔情報も検出される。続いて、検出された顔画像における目の位置が検出され、この検出された目の位置に基づいて、正規化部140が、検出された顔画像を正規化する(ステップS904)。
【0103】
続いて、正規化された顔画像である正規化顔画像について属性判定部150が顔属性判定処理を行う(ステップS920)。この顔属性判定処理については、図13を参照して詳細に説明する。
【0104】
続いて、属性判定部150により求められた顔属性の判定結果に基づいて、優先顔決定部160が、顔検出部120により検出された顔の中から優先顔を決定する優先顔決定処理を行う(ステップS950)。この優先顔決定処理については、図15を参照して詳細に説明する。
【0105】
続いて、顔位置マーカ生成部170が、決定された優先顔に関する情報に基づいて優先顔位置マーカを生成するとともに、優先顔以外の顔に関する顔情報に基づいて顔位置マーカを生成する(ステップS905)。続いて、重畳部180が、生成された優先顔位置マーカおよび顔位置マーカと、撮像画像とを重畳する(ステップS906)。続いて、優先顔位置マーカおよび顔位置マーカが重畳された撮像画像が表示部200に表示される(ステップS907)。
【0106】
続いて、撮像制御部191が、決定された優先顔に基づいて撮像制御を行う(ステップS908)。なお、優先顔が決定された場合に、優先顔決定部160が記録制御部192に撮像画像を記録する旨の指示を送り、撮像画像を記録させるようにしてもよい。また、優先顔が決定された場合に、その旨を音声出力する等してユーザに通知するようにしてもよい。
【0107】
図13は、本発明の実施の形態における撮像装置100による撮像制御処理の処理手順のうちの顔属性判定処理手順(図12に示すステップS920の処理手順)を示すフローチャートである。ここでは、複数の判定用辞書の全てを用いて顔属性を判定する例について説明するが、1つの判定用辞書を用いて顔属性を判定するようにしてもよい。
【0108】
最初に、正規化部140から出力された正規化顔画像の中から1つの正規化顔画像が取り出される(ステップS921)。続いて、取り出された正規化顔画像における輝度の値が抽出される(ステップS922)。続いて、辞書記憶部300に記憶されている複数の判定用辞書のうちで、判定処理がされていない1つの判定用辞書が取り出され、作業用メモリ301に記憶される(ステップS923)。続いて、作業用メモリ301に記憶されている判定用辞書を用いて判定処理が実行される(ステップS930)。なお、この判定処理については、図14を参照して詳細に説明する。
【0109】
続いて、判定処理によって判定された顔属性の判定結果が、判定の対象となっている顔に関する顔属性として、その顔に関連付けて保持される(ステップS924)。続いて、辞書記憶部300に記憶されている複数の判定用辞書のうちで、判定処理がされていない判定用辞書が存在するか否かが判断される(ステップS925)。辞書記憶部300に記憶されている複数の判定用辞書のうちで、判定処理がされていない判定用辞書が存在する場合には(ステップS925)、ステップS923に戻り、同一の顔に関する顔属性の判定処理を繰り返す(ステップS923、S924、S930)。一方、辞書記憶部300に記憶されている複数の判定用辞書のうちで、判定処理がされていない判定用辞書が存在しない場合には(ステップS925)、正規化部140から出力された正規化顔画像について全ての正規化顔画像が取り出された否が判断される(ステップS926)。
【0110】
正規化部140から出力された正規化顔画像について全ての正規化顔画像が取り出されていない場合には(ステップS926)、ステップS921に戻り、顔属性判定処理を繰り返す(ステップS921乃至S925、S930)。一方、正規化部140から出力された正規化顔画像について全ての正規化顔画像が取り出されている場合には(ステップS926)、図12に示すステップS920に戻る。
【0111】
図14は、本発明の実施の形態における撮像装置100による顔属性判定処理の処理手順のうちの判定処理手順(図13に示すステップS930の処理手順)を示すフローチャートである。本発明の実施の形態では、正規化顔画像が目的の画像であるか否かを判定する判定処理を例にして説明する。
【0112】
最初に、スコアSが「0」に初期化され(ステップS931)、変数iが「1」に初期化される(ステップS932)。続いて、正規化顔画像から抽出された輝度の値の中から、作業用メモリ301に記憶されている判定用辞書のi行目に格納されているpix1(x,y)およびpix2(x,y)の位置に対応する輝度の値が選択される(ステップS933)。続いて、選択された2つの輝度の値を用いて、式1に示すC(i)が算出される(ステップS934)。
【0113】
続いて、算出された2点間の輝度の差の値C(i)が閾値θ(i)よりも小さいか否かが判断される(ステップS935)。算出された値C(i)が閾値θ(i)よりも小さい場合には(ステップS935)、スコアSにα(i)が加算される(ステップS936)。一方、算出された値C(i)が閾値θ(i)よりも小さくない場合には(ステップS935)、スコアSからα(i)が減算される(ステップS937)。
【0114】
続いて、変数iに「1」が加算され(ステップS938)、変数iがtよりも大きいか否かが判断される(ステップS939)。変数iがtよりも大きくない場合には(ステップS939)、作業用メモリ301に記憶されている判定用辞書の各行の値についての判定処理が終了していないため、ステップS933に戻り、同一の判定用辞書を用いた判定処理を繰り返す(ステップS933乃至S938)。一方、変数iがtよりも大きい場合には(ステップS939)、作業用メモリ301に記憶されている判定用辞書の各行の値についての判定処理が終了しているため、ステップS940に進み、スコアSの値が0よりも大きいか否かが判断される(ステップS940)。
【0115】
スコアSの値が0よりも大きい場合には(ステップS940)、判定の対象となっている正規化顔画像が、目的の画像であると判定される(ステップS941)。一方、スコアSの値が0よりも大きくない場合には(ステップS940)、判定の対象となっている正規化顔画像が、目的の画像ではないと判定される(ステップS942)。続いて、図13に示すステップS930に戻る。
【0116】
図15は、本発明の実施の形態における撮像装置100による撮像制御処理の処理手順のうちの優先顔決定処理手順(図12に示すステップS950の処理手順)を示すフローチャートである。
【0117】
最初に、優先顔決定部160が、属性判定部150から出力された判定結果に含まれる1または複数の顔の中から1つの顔を取り出す(ステップS951)。続いて、優先顔決定部160は、取り出された顔の属性が優先対象の属性であるか否かを判断する(ステップS952)。すなわち、優先顔決定部160は、取り出された顔に関連付けて格納されている各顔属性の判定結果が、保持されている顔属性と同じであるか否かを判断する。
【0118】
取り出された顔の属性が優先対象の属性でない場合には(ステップS952)、取り出された顔は、指定された顔属性の条件を満たす顔ではないため、ステップS956に進む。一方、取り出された顔の属性が優先対象の属性である場合には(ステップS952)、優先顔決定部160は、優先候補が存在するか否かを判断する(ステップS953)。
【0119】
優先候補が存在しない場合には(ステップS953)、優先顔決定部160は、取り出された顔を優先候補として保持する(ステップS955)。一方、優先候補が存在する場合には(ステップS953)、優先顔決定部160は、検出された顔に関する顔情報を評価値として用いて、取り出された顔の評価値が、優先候補の評価値よりも大きいか否かを判断する(ステップS954)。例えば、評価値として、顔の大きさ、顔の位置または顔の向きに応じた数値、または、これらの組合せに係る数値を用いることができる。
【0120】
取り出された顔の評価値が、優先候補の評価値よりも大きい場合には(ステップS954)、優先顔決定部160は、現在保持されている優先候補を消去して、取り出された顔を優先候補として保持する(ステップS955)。一方、取り出された顔の評価値が、優先候補の評価値よりも大きくない場合には(ステップS954)、取り出された顔は、優先顔ではないと判断して、ステップS956に進む。
【0121】
続いて、優先顔決定部160は、属性判定部150から出力された判定結果に含まれる全ての顔を取り出したか否かを判断し(ステップS956)、全ての顔が取り出されていない場合には、ステップS951に戻る。一方、全ての顔が取り出されている場合には(ステップS956)、優先顔決定部160は、優先候補が存在するか否かを判断する(ステップS957)。
【0122】
優先候補が存在する場合には(ステップS957)、優先顔決定部160は、現在保持されている優先候補を優先顔に決定する(ステップS963)。一方、優先候補が存在しない場合には(ステップS957)、ステップS958に進む。すなわち、優先候補が存在しない場合は、検出された顔の中に、指定された顔属性の条件を満たす顔が存在しない場合であるため、検出された顔に関する顔情報を評価値として用いて、優先顔を決定する。
【0123】
優先顔決定部160が、属性判定部150から出力された判定結果に含まれる1または複数の顔の中から1つの顔を取り出す(ステップS958)。続いて、優先顔決定部160は、優先候補が存在するか否かを判断する(ステップS959)。
【0124】
優先候補が存在しない場合には(ステップS959)、優先顔決定部160は、取り出された顔を優先候補として保持する(ステップS961)。一方、優先候補が存在する場合には(ステップS959)、優先顔決定部160は、取り出された顔の評価値が、優先候補の評価値よりも大きいか否かを判断する(ステップS960)。
【0125】
取り出された顔の評価値が、優先候補の評価値よりも大きい場合には(ステップS960)、優先顔決定部160は、現在保持されている優先候補を消去して、取り出された顔を優先候補として保持する(ステップS961)。一方、取り出された顔の評価値が、優先候補の評価値よりも大きくない場合には(ステップS960)、取り出された顔は、優先顔ではないと判断して、ステップS962に進む。
【0126】
続いて、優先顔決定部160は、属性判定部150から出力された判定結果に含まれる全ての顔を取り出されたか否かを判断し(ステップS962)、全ての顔が取り出されていない場合には、ステップS958に戻る。一方、全ての顔が取り出されている場合には(ステップS962)、ステップS963に進む。
【0127】
以上では、顔属性の判定結果に基づいて優先顔を決定する例について説明した。以下では、顔属性の判定結果に基づいて撮像装置100が撮像操作(いわゆる、写真撮影)を自動的に行う例について説明する。
【0128】
図16は、本発明の実施の形態における撮像装置500の機能構成例を示すブロック図である。撮像装置500は、図1に示す撮像装置100の一部を変形したものであり、撮像装置100において、優先顔決定部160および記録制御部192の代わりに、撮像画像記録指示部510および記録制御部520を設けた撮像装置である。また、辞書記憶部300には、図5に示す各判定用辞書以外に、笑顔/非笑顔判定用辞書、泣き顔/非泣き顔判定用辞書、怒り顔/非怒り顔判定用辞書および口開け顔/非口開け顔判定用辞書が記憶されているものとする。なお、撮像画像記録指示部510および記録制御部520以外の構成は、図1に示す撮像装置100と同様であるため、これらの以外の構成についての説明は省略する。
【0129】
撮像画像記録指示部510は、年代や性別等の人物自体に深く関わる属性である人物の種別に関する顔属性と、笑顔や泣き顔等の顔の表情に関する顔属性とに基づいて、撮像画像を記録すべきタイミングを記録制御部520に指示するものである。すなわち、撮像画像記録指示部510は、顔検出部120により検出された顔の中に、操作受付部220において指定された人物の種別に関する顔属性および顔の表情に関する顔属性の条件を満たす顔が存在するか否かを、属性判定部150から出力された顔属性の判定結果に基づいて判断し、その条件を満たす顔が存在する場合には、撮像画像を記録すべき旨の指示を記録制御部520に指示する。この撮像画像を記録すべき旨の指示については、図18乃至図20を参照して詳細に説明する。
【0130】
記録制御部520は、撮像画像記録指示部510からの指示に基づいて、撮像部110から出力された撮像画像を撮像画像記憶部210に記録する記録制御を行うものである。すなわち、記録制御部520は、撮像画像記録指示部510から撮像画像を記録すべき旨の指示が入力された場合には、この指示の入力の際に撮像部110から出力された撮像画像を撮像画像記憶部210に記録させる。なお、他の構成については、図1に示す記録制御部192と同様であるため、ここでの説明を省略する。
【0131】
図17は、本発明の実施の形態における液晶パネル201の表示例を示す図である。図17(a)では、人物の種別に関する顔属性を指定するための顔属性指定画面を示す。なお、この顔属性指定画面は、図3に示す顔属性指定画面と同様であるため、図3と同一の符号を付して、ここでの説明を省略する。また、図17(b)では、顔の表情に関する顔属性を指定するための表情指定画面を示す。この表情指定画面には、指定ボタン241乃至245が表示されている。この表情指定画面は、例えば、顔属性指定画面において指定ボタン231乃至235の何れかの指定ボタンが押下された後に表示させることができる。また、表情指定画面および顔属性指定画面を同一の画面上に表示させるようにしてもよい。
【0132】
指定ボタン241乃至245は、顔の表情に関する顔属性を指定する場合に押下するボタンである。例えば、「笑顔」指定ボタン241は、撮像画像に笑顔が含まれている場合にその撮像画像を自動的に記録する場合に押下するボタンである。また、「笑っていない顔」指定ボタン242、「泣き顔」指定ボタン243、「怒り顔」指定ボタン244、「口を開けた顔」指定ボタン245についても同様に、各ボタンの表示領域に表示されている文字に対応する顔の表情に関する顔属性を指定する場合に押下される。
【0133】
なお、この例では、顔の表情に関する顔属性についての5つの指定ボタンを表示して選択する例について説明するが、顔の表情に関する他の顔属性を指定するための指定ボタンを表示して、他の顔属性を指定可能とするようにしてもよい。また、この例では、顔の表情に関する顔属性について、1つの顔属性を指定する例について説明するが、複数の顔属性を指定して、これらの指定された各顔属性の条件を満たす顔を優先顔として決定する場合についても、本発明の実施の形態を適用することができる。なお、複数の顔属性を指定する場合には、相反しない複数の顔属性を指定する。相反する顔属性の指定とは、例えば、「笑顔」および「笑っていない顔」を指定する場合である。また、人物の種別に関する顔属性についても、同様に、複数の顔属性を指定するようにしてもよい。また、人物の種別に関する顔属性および顔の表情に関する顔属性のそれぞれを複数指定するようにしてもよい。
【0134】
図18は、本発明の実施の形態における撮像部110により撮像された撮像画像の一例を示す図である。同図に示す撮像画像700は、例えば、撮像装置100を用いて4人の親子を撮像する場合における撮像画像であり、撮像画像400には、息子401、父402、娘403および母404が含まれている。なお、父402および娘403が笑顔でない点以外は、図7に示す撮像画像400と同様であるため、ここでの他の説明を省略する。
【0135】
図19は、本発明の実施の形態における属性判定部150により判定された顔属性の判定結果を含む顔属性判定情報600を模式的に示す図である。顔属性判定情報600は、撮像画像記録指示部510に保持される。
【0136】
顔属性判定情報600には、識別番号601と、大人/子供(世代)602と、男性/女性(性別)603と、赤ちゃん/非赤ちゃん604と、笑顔/非笑顔605と、泣き顔/非泣き顔606と、怒り顔/非怒り顔607と、口開け顔/非口開け顔608とが関連付けて含まれる。なお、識別番号601、大人/子供(世代)602、男性/女性(性別)603および赤ちゃん/非赤ちゃん604については、図8に示すものと同じであるため、ここでの説明を省略する。なお、大人/子供(世代)602、男性/女性(性別)603および赤ちゃん/非赤ちゃん604に関する判定結果は、人物の種別(人物自体の属性)に関する顔属性の判定結果であり、他の判定結果は、顔の表情に関する顔属性の判定結果である。
【0137】
笑顔/非笑顔605、泣き顔/非泣き顔606、怒り顔/非怒り顔607および口開け顔/非口開け顔608は、各判定用辞書を用いて属性判定部150により判定された顔属性の判定結果である。例えば、笑顔/非笑顔605には、図18に示す顔405乃至408について、笑顔/非笑顔判定用辞書を用いて行われた判定結果として、「笑顔」または「非笑顔」の何れかが格納される。また、泣き顔/非泣き顔606には、図18に示す顔405乃至408について、泣き顔/非泣き顔判定用辞書を用いて行われた判定結果として、「泣き顔」または「非泣き顔」の何れかが格納される。また、怒り顔/非怒り顔607には、図18に示す顔405乃至408について、怒り顔/非怒り顔判定用辞書を用いて行われた判定結果として、「怒り顔」または「非怒り顔」の何れかが格納される。また、口開け顔/非口開け顔608には、図18に示す顔405乃至408について、口開け顔/非口開け顔判定用辞書を用いて行われた判定結果として、「口開け顔」または「非口開け顔」の何れかが格納される。
【0138】
顔属性判定情報600に含まれる各情報を用いて、表情指定画面および顔属性指定画面において指定された各顔属性の条件を満たす顔を含む撮像画像を記録するための指示がされる。
【0139】
例えば、図17(a)に示す顔属性指定画面において、「大人」指定ボタン233が押下されるとともに、図17(b)に示す表情指定画面において、「笑顔」指定ボタン241が押下された場合について説明する。この場合には、大人/子供(世代)602に「大人」が格納されているとともに、笑顔/非笑顔605に「笑顔」が格納されている顔が、顔属性判定情報600から検出された場合に、撮像画像記録指示部510から撮像画像記録の指示が記録制御部520に送られ、撮像画像が記録される。
【0140】
例えば、図18に示す撮像画像400には、2人の大人(父402および母404)が含まれているため、この2人の大人の顔に対応する大人/子供(世代)422には「大人」が格納されている。ここで、母404は笑顔であるため、母404(識別番号「004」)に対応する笑顔/非笑顔605には「笑顔」が格納されているものの、父402(識別番号「002」)は笑顔ではないため、父402に対応する笑顔/非笑顔605には「非笑顔」が格納されている。このため、条件を満たす母404が、顔属性判定情報600から検出される。そして、撮像画像記録指示部510から記録制御部520に撮像画像を記録すべき旨の指示が送られ、撮像画像が記録される。
【0141】
図20は、本発明の実施の形態における撮像装置100による撮像画像記録制御処理の処理手順を示すフローチャートである。この例では、操作受付部220において指定された人物の種別に関する顔属性と、顔の表情に関する顔属性とを撮像画像記録指示部510が保持しているものとする。なお、ステップS971乃至S973、S920については、図12に示すステップS902乃至S904、S920と同様の処理手順であるため、ここでの説明を省略する。
【0142】
撮像画像記録指示部510が、属性判定部150から出力された判定結果に含まれる1または複数の顔の中から1つの顔を取り出す(ステップS974)。続いて、撮像画像記録指示部510は、取り出された顔の属性が、操作受付部220において指定された人物の種別に関する顔属性と同じであるか否かを判断する(ステップS975)。すなわち、撮像画像記録指示部510は、取り出された顔に関連付けて格納されている各顔属性の判定結果のうちで、大人/子供(世代)602、男性/女性(性別)603または赤ちゃん/非赤ちゃん604に格納されている各情報が、保持されている人物の種別に関する顔属性と同じであるか否かを判断する。
【0143】
取り出された顔の属性が、指定された人物の種別に関する顔属性と同じでない場合には(ステップS975)、ステップS978に進む。一方、取り出された顔の属性が、指定された人物の種別に関する顔属性と同じである場合には(ステップS975)、撮像画像記録指示部510は、取り出された顔の属性が、操作受付部220において指定された顔の表情に関する顔属性と同じであるか否かを判断する(ステップS976)。すなわち、撮像画像記録指示部510は、取り出された顔に関連付けて格納されている各顔属性の判定結果のうちで、笑顔/非笑顔605、泣き顔/非泣き顔606、怒り顔/非怒り顔607または口開け顔/非口開け顔608に格納されている各情報が、保持されている顔の表情に関する顔属性と同じであるか否かを判断する。
【0144】
取り出された顔の属性が、指定された顔の表情に関する顔属性と同じでない場合には(ステップS976)、ステップS978に進む。一方、取り出された顔の属性が、指定された顔の表情に関する顔属性と同じである場合には(ステップS976)、撮像画像記録指示部510は、撮像画像を記録する旨の指示を記録制御部520に出力する(ステップS977)。撮像画像を記録する旨の指示を記録制御部520が入力すると、この入力の際に撮像部110から出力された撮像画像を撮像画像記憶部210に記録する。
【0145】
また、撮像画像記録指示部510は、属性判定部150から出力された判定結果に含まれる全ての顔を取り出されたか否かを判断し(ステップS978)、全ての顔が取り出されていない場合には、ステップS974に戻る。一方、全ての顔が取り出されている場合には(ステップS978)、撮像画像記録制御処理の動作を終了する。
【0146】
このように、本発明の実施の形態によれば、液晶パネル201において指定された顔属性に該当する人物の顔を優先顔として決定することができる。これにより、優先顔に基づいて各撮像パラメータを設定して撮像画像を記録することができるため、指定された顔属性に該当する人物の顔を美しく綺麗に記録することができる。また、優先顔に優先顔位置マーカを付して表示することができるため、撮影者が優先顔に決定された人物を容易に把握することができる。さらに、優先顔以外の顔に顔位置マーカを付して表示することができるため、撮影者が優先顔とその他の顔とを容易に識別することができる。例えば、大人を背景にした子供達を撮影する場合に、顔属性指定画面において「子供」指定ボタン234を押下して撮影を行うことにより、背景にいる大人達よりも、手前の子供たちの顔を美しく綺麗に撮影することができる。
【0147】
また、本発明の実施の形態によれば、液晶パネル201において指定された人物の種別に関する顔属性と、顔の表情に関する顔属性とに該当する人物の顔が検出された場合に、この検出の際における撮像画像を記録することができる。これにより、ユーザにより指定された人物の種別に該当する人物について、好みの表情を容易に撮像画像として記録することができる。例えば、大人を背景にした子供達の笑顔を撮影する場合において、顔属性指定画面において「子供」指定ボタン234を押下するとともに表情指定画面において「笑顔」指定ボタン241を押下して撮影を行う。これにより、背景にいる大人達が笑った場合でも撮像画像記録動作が行われないものの、手前の子供達が笑った場合には自動的に撮像画像記録動作を行うことができる。すなわち、本発明の実施の形態によれば、ユーザの好みに応じた撮像画像を容易に記録することができる。
【0148】
なお、本発明の実施の形態では、顔に関する顔属性として「大人/子供(世代)」、「男性/女性(性別)」、「赤ちゃん/非赤ちゃん」、「笑顔/非笑顔」、「泣き顔/非泣き顔」、「怒り顔/非怒り顔」、「口開け顔/非口開け顔」を判定する例について説明したが、顔に関する他の顔属性を判定する場合についても、本発明の実施の形態を適用することができる。顔に関する顔属性として、例えば、目の位置、目の開閉状態、顔の表情、人種、顔自体の撮影条件、顔の向き等に適用することができる。また、本発明の実施の形態では、辞書記憶部300に複数の辞書を記憶する例について説明したが、1つの辞書を記憶する場合についても、本発明の実施の形態を適用することができる。また、本発明の実施の形態では、正規化顔画像が目的の画像であるか否かを判定するための判断情報として、辞書記憶部300に記憶されている各判定用辞書を用いる例について説明したが、正規化顔画像が目的の画像であるか否かを判定することができる他の判断情報を用いるようにしてもよい。
【0149】
また、本発明の実施の形態では、撮像画像に含まれる人の顔を検出し、この検出された顔に関する顔属性を判定する場合について説明したが、撮像画像に含まれる人の顔以外の他の対象物を検出し、この検出された対象物に関する属性を判定する場合についても、本発明の実施の形態を適用することができる。撮像画像に含まれる人の顔以外の他の対象物として、例えば、猫や犬等のペットの顔、馬や牛等の動物の顔、車や電車等の乗り物等に適用することができる。
【0150】
また、本発明の実施の形態では、1つの種類(カテゴリー)に属する対象物の属性を、人物の顔の表情に関する顔属性とし、他の種類に属する対象物の属性を、人物の種別に関する属性とする例について説明したが、1つの種類に属する対象物の属性を、対象物の表面上の変化に関する属性とし、他の種類に属する対象物の属性を、対象物の種別に関する属性とする場合についても本発明の実施の形態を適用することができる。
【0151】
また、本発明の実施の形態では、複数の優先候補が選択された場合にはこれらの優先候補から1つの優先顔を決定する例について説明したが、複数の優先候補を優先顔として用いて露出等の撮像制御を行うようにしてもよい。
【0152】
また、本発明の実施の形態では、撮像装置を例にして説明したが、静止画および動画を撮像するカムコーダや撮像機能を備える携帯電話機の各種の撮像装置に本発明の実施の形態を適用することができる。
【0153】
なお、本発明の実施の形態は本発明を具現化するための一例を示したものであり、以下に示すように特許請求の範囲における発明特定事項とそれぞれ対応関係を有するが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形を施すことができる。
【0154】
すなわち、請求項1または13において、操作受付手段は、例えば操作受付部220に対応する。また、撮像手段は、例えば撮像部110に対応する。また、対象物検出手段は、顔検出部120に対応する。また、属性判定手段は、属性判定部150に対応する。
【0155】
また、請求項1において、優先対象物決定手段は、例えば優先顔決定部160に対応する。
【0156】
また、請求項2において、撮像制御手段は、例えば撮像制御部191に対応する。
【0157】
また、請求項5において、記録制御手段は、例えば記録制御部192に対応する。
【0158】
また、請求項10において、対象物位置マーカ生成手段は、例えば顔位置マーカ生成部170に対応する。また、重畳手段は、例えば重畳部180に対応する。また、表示手段は、例えば表示部200に対応する。
【0159】
また、請求項13において、撮像画像記録指示手段は、例えば撮像画像記録指示部510に対応する。
【0160】
また、請求項18または19において、撮像手順は、例えばステップS902に対応する。また、対象物検出手順は、例えばステップS903に対応する。また、属性判定手順は、例えばステップS920に対応する。また、優先対象物決定手順は、例えばステップS950に対応する。
【0161】
なお、本発明の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0162】
【図1】本発明の実施の形態における撮像装置100の機能構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態における撮像装置100の外観を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態における液晶パネル201の表示例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態における顔画像を正規化する場合における正規化の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態における正規化顔画像について各判定処理を行うための複数の判定用辞書を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態における正規化部140により正規化された顔画像の一例である正規化顔画像350を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態における撮像部110により撮像された撮像画像の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態における顔属性の判定結果および顔に関する情報を含む優先顔決定情報420を模式的に示す図である。
【図9】本発明の実施の形態における撮像画像400について決定された優先顔に優先顔位置マーカが付された場合における撮像画像400の表示例を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態における優先顔に優先顔位置マーカが付され、他の顔に顔位置マーカが付された場合における撮像画像400の表示例を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態における優先顔に優先顔位置マーカが付され、他の顔に顔位置マーカが付された場合における撮像画像400の表示例を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態における撮像装置100による撮像制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態における撮像装置100による撮像制御処理の処理手順のうちの顔属性判定処理手順を示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態における撮像装置100による顔属性判定処理の処理手順のうちの判定処理手順を示すフローチャートである。
【図15】本発明の実施の形態における撮像装置100による撮像制御処理の処理手順のうちの優先顔決定処理手順を示すフローチャートである。
【図16】本発明の実施の形態における撮像装置500の機能構成例を示すブロック図である。
【図17】本発明の実施の形態における液晶パネル201の表示例を示す図である。
【図18】本発明の実施の形態における撮像部110により撮像された撮像画像の一例を示す図である。
【図19】本発明の実施の形態における属性判定部150により判定された顔属性の判定結果を含む顔属性判定情報600を模式的に示す図である。
【図20】本発明の実施の形態における撮像装置100による撮像画像記録制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0163】
100 撮像装置
101 撮像レンズ
110 撮像部
120 顔検出部
130 目検出部
140 正規化部
150 属性判定部
160 優先顔決定部
170 顔位置マーカ生成部
180 重畳部
191 撮像制御部
192 記録制御部
200 表示部
201 液晶パネル
210 撮像画像記憶部
220 操作受付部
221 シャッターボタン
222 ズームボタン
300 辞書記憶部
301 作業用メモリ
510 撮像画像記録指示部
520 記録制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の対象物に関する属性を指定する操作入力を受け付ける操作受付手段と、
被写体からの入射光を撮像画像に変換する撮像手段と、
前記撮像画像に含まれる前記対象物を検出する対象物検出手段と、
前記検出された対象物の属性を判定する属性判定手段と、
前記指定された属性と前記判定された属性とに基づいて前記検出された対象物の中から少なくとも1つの対象物を優先対象物として決定する優先対象物決定手段と
を具備することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記優先対象物に基づいて所定の撮像パラメータを設定することにより撮像制御を行う撮像制御手段をさらに具備する
ことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記撮像制御手段は、前記指定された属性に基づいて前記撮像パラメータを設定することにより前記撮像制御を行う
ことを特徴とする請求項2記載の撮像装置。
【請求項4】
前記撮像制御手段は、前記優先対象物に基づいてホワイトバランス、カラーバランス、露出、フォーカスの少なくとも1つを前記撮像パラメータとして設定することにより前記撮像制御を行う
ことを特徴とする請求項2記載の撮像装置。
【請求項5】
前記優先対象物が決定された際に前記撮像手段により変換された撮像画像を所定の記録媒体に記録させる記録制御手段をさらに具備する
ことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項6】
前記操作受付手段は、前記対象物に関する属性を複数指定する操作入力を受け付け、
前記優先対象物決定手段は、前記指定された複数の属性と前記判定された属性とに基づいて前記優先対象物を決定する
ことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項7】
前記操作受付手段は、前記対象物に関する属性であって互いに異なる種類に属する第1および第2の属性を指定する操作入力を受け付け、
前記優先対象物決定手段は、前記指定された第1および第2の属性と前記判定された属性とに基づいて前記優先対象物を決定する
ことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項8】
前記優先対象物決定手段は、前記検出された対象物の中から前記判定された属性が前記指定された属性に該当する対象物を選択することにより前記優先対象物を決定する
ことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項9】
前記対象物検出手段は、前記撮像画像における前記検出された対象物の大きさ、位置、向きのうちの少なくとも1つを検出し、
前記優先対象物決定手段は、前記選択された対象物が複数存在する場合には前記検出された対象物の大きさ、位置、向きのうちの少なくとも1つに基づいて前記選択された複数の対象物の中から前記優先対象物を決定する
ことを特徴とする請求項8記載の撮像装置。
【請求項10】
前記対象物検出手段は、前記撮像画像における前記検出された対象物の大きさおよび位置を検出し、
前記優先対象物の大きさおよび位置に基づいて前記撮像画像における前記優先対象物の位置を示す優先対象物位置マーカを生成する対象物位置マーカ生成手段と、
前記撮像画像と前記生成された優先対象物位置マーカとを重畳する重畳手段と、
前記重畳された画像を表示する表示手段とをさらに具備する
ことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項11】
前記対象物位置マーカ生成手段は、前記検出された対象物の大きさおよび位置に基づいて前記検出された対象物の中の前記優先対象物以外の対象物の前記撮像画像における位置を示すマーカであって前記優先対象物位置マーカとは異なる態様のマーカである対象物位置マーカを生成し、
前記重畳手段は、前記撮像画像と前記生成された対象物位置マーカとを重畳する
ことを特徴とする請求項10記載の撮像装置。
【請求項12】
前記対象物は、人物の顔である
ことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項13】
所定の対象物に関する属性を指定する操作入力を受け付ける操作受付手段と、
被写体からの入射光を撮像画像に変換する撮像手段と、
前記撮像画像に含まれる前記対象物を検出する対象物検出手段と、
前記検出された対象物の属性を判定する属性判定手段と、
前記検出された対象物の中から前記判定された属性が前記指定された属性に該当する対象物を選択するとともに当該選択がされた際に前記撮像手段により変換された撮像画像を所定の記録媒体に記録させる旨の指示を行う撮像画像記録指示手段と
を具備することを特徴とする撮像装置。
【請求項14】
前記操作受付手段は、前記対象物に関する属性を複数指定する操作入力を受け付け、
前記撮像画像記録指示手段は、前記検出された対象物の中から前記判定された属性が前記指定された複数の属性に該当する対象物を選択する
ことを特徴とする請求項13記載の撮像装置。
【請求項15】
前記操作受付手段は、前記対象物に関する属性であって互いに異なる種類に属する第1および第2の属性を指定する操作入力を受け付け、
前記撮像画像記録指示手段は、前記検出された対象物の中から前記判定された属性が前記指定された第1および第2の属性に該当する対象物を選択する
ことを特徴とする請求項13記載の撮像装置。
【請求項16】
前記第1の属性は、前記対象物の表面上の変化に関する属性であり、
前記第2の属性は、前記対象物の種別に関する属性である
ことを特徴とする請求項15記載の撮像装置。
【請求項17】
前記対象物は、人物の顔であり、
前記第1の属性は、人物の顔の表情に関する属性であり、
前記第2の属性は、人物の種別に関する属性である
ことを特徴とする請求項15記載の撮像装置。
【請求項18】
所定の対象物に関する属性を指定する操作入力を受け付ける操作受付手段を備える撮像装置の制御方法であって、
被写体からの入射光を撮像画像に変換する撮像手順と、
前記撮像画像に含まれる前記対象物を検出する対象物検出手順と、
前記検出された対象物の属性を判定する属性判定手順と、
前記指定された属性と前記判定された属性とに基づいて前記検出された対象物の中から少なくとも1つの対象物を優先対象物として決定する優先対象物決定手順と
を具備することを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項19】
所定の対象物に関する属性を指定する操作入力を受け付ける操作受付手段を備える撮像装置において、
被写体からの入射光を撮像画像に変換する撮像手順と、
前記撮像画像に含まれる前記対象物を検出する対象物検出手順と、
前記検出された対象物の属性を判定する属性判定手順と、
前記指定された属性と前記判定された属性とに基づいて前記検出された対象物の中から少なくとも1つの対象物を優先対象物として決定する優先対象物決定手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−118009(P2009−118009A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−286657(P2007−286657)
【出願日】平成19年11月2日(2007.11.2)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】