説明

撮像装置、撮像方法および撮像プログラム

【課題】撮影レンズの光軸を傾斜させて撮影する場合であっても、撮影レンズにおける収差の影響によって生じる問題を低減することができる撮像装置。撮像方法および撮像プログラムを提供すること。
【解決手段】撮像部201が生成した画像データに対応する画像を表示する表示部210と、光学系301の光軸が撮像部201の受光面と直交する位置を基準位置として、該基準位置からの変位量を検出する傾き検出部304と、傾き検出部304の検出結果に基づいて、光学系301の光軸が撮像部201の受光面と交わる位置から該位置の近傍までを含む撮像部201の受光面上の入射領域を算出する領域算出部215dと、領域算出部215dが算出した入射領域に対応する画像内の領域を、画像内において識別可能な視覚情報で表示部210に表示させる表示制御部215hと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体を撮像して電子的な画像データを生成する撮像装置、撮像方法および撮像プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、撮影レンズを撮像素子の受光面に対して傾斜(チルト操作)させ、主要被写体に対してピントが合う合焦領域を傾けることにより、被写体の周囲のボケを強調可能なチルトレンズが知られている。また、撮影レンズの光軸近傍以外の光学性能を敢えて下げることにより、主要被写体の周辺画像において放射状のボケを生じさせることが可能なチルトレンズも知られている。
【0003】
図30〜図32は、従来の撮影レンズを傾斜させた際の状態を説明する概略図である。図30に示すように、撮影レンズ1002の光軸が撮像部1001の受光面と直交する場合、撮影レンズ1002のピントが合う合焦領域Z1(斜線で示す)が一定距離付近(たとえば距離d10)になる。このため、撮影レンズ1002から一定距離付近の被写体M1(平面)は、撮像部1001の受光面上にピントが合った状態で結像する一方、被写体M1より遠距離の被写体M2および被写体M1より近距離の被写体M3は、合焦領域Z1から外れるため、撮像部1001の受光面上でボケた状態で結像する。
【0004】
また、図31に示すように、撮影レンズ1001の上面が被写体M1に近づくように傾斜(傾斜角度=θ)させた場合、撮影レンズ1001のピントが合う合焦領域Z1が傾いて変形する。このため、被写体M1より遠距離の被写体M2および被写体M1より近距離の被写体M3は、撮像部1001の受光面上にピントがあった状態で結像する。
【0005】
これに対して、図32に示すように、撮像レンズ1001の上面が被写体M1から遠ざかるように逆に傾斜(傾斜角度=θ)させた場合、撮影レンズ1001のピントが合う合焦領域Z1が逆に傾いて変形する。このため、被写体M2および被写体M3は、合焦領域Z1から外れることで、撮像部1001の受光面上でボケが強調された状態で結像する。
【0006】
このような撮影レンズを備えた撮影装置において、撮影レンズの光軸を傾斜可能なマウントアダプタを用いることによって、被写体のボケやピントを調整しながら撮影することができる技術が知られている(たとえば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−194700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した従来の技術では、撮影レンズの光軸を傾斜させて撮影する場合、撮影レンズにおける収差の影響によって様々な問題が生じていた。たとえば、ユーザが表示された画像を見たとき、合焦領域に対応する画像内で色ずれが生じたりする問題点があった。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、撮影レンズの光軸を傾斜させて撮影する場合であっても、撮影レンズにおける収差の影響によって生じる問題を低減することができる撮像装置、撮像方法および撮像プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる撮像装置は、1または複数のレンズからなるレンズ群を有する光学系と、前記光学系によって集光された光を受光して光電変換を行うことによって電子的な画像データを生成する撮像部とを備え、前記光学系の光軸を変位させることが可能な撮像装置であって、前記撮像部が生成した前記画像データに対応する画像を表示する表示部と、前記光軸が前記撮像部の受光面と直交する位置を基準位置として、該基準位置からの変位量を検出する変位量検出部と、前記変位量検出部の検出結果に基づいて、前記光軸が前記受光面と交わる位置から該位置の近傍までを含む前記受光面上における光線の入射領域を算出する領域算出部と、前記領域算出部が算出した前記入射領域に対応する前記画像内の領域を、前記画像内において識別可能な視覚情報で前記表示部に表示させる表示制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかる撮像装置は、上記発明において、前記視覚情報は、色空間を構成する変数であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかる撮像装置は、上記発明において、前記色空間を構成する変数は、原色系の特定成分、補色系の特定成分、色相、彩度、明度のいずれかであることを特徴とする。
【0013】
また、本発明にかかる撮像装置は、上記発明において、前記視覚情報は、矩形状の枠であることを特徴とする。
【0014】
また、本発明にかかる撮像装置は、上記発明において、前記表示制御部が行う前記視覚情報の変更を指示する指示信号の入力を受け付ける入力部をさらに備え、前記表示制御部は、前記入力部によって入力される前記指示信号に応じて前記視覚情報を変更することを特徴とする。
【0015】
また、本発明にかかる撮像装置は、上記発明において、当該撮像装置は、前記撮像部のピントを手動で調整するマニュアルモードと前記撮像部のピントを自動で調整するオートフォーカスモードとを設定可能であり、前記入力部は、前記マニュアルモードまたは前記オートフォーカスモードを当該撮像装置に設定する指示信号の入力を受け付ける撮影モード切換スイッチを有し、前記表示制御部は、当該撮影装置が前記マニュアルモードに設定された場合、前記入射領域に対応する前記画像の領域を、前記画像内において識別可能な視覚情報で前記表示部に表示させる一方、当該撮像装置が前記オートフォーカスモードに設定された場合、前記入射領域に対応する領域を、矩形状の枠で前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0016】
また、本発明にかかる撮像装置は、1または複数のレンズからなるレンズ群を有する光学系と、前記光学系によって集光された光を受光して光電変換を行うことによって電子的な画像データを生成する撮像部とを備え、前記光学系の光軸を変位させることが可能な撮像装置であって、前記光軸が前記撮像部の受光面と直交する位置を基準位置として、該基準位置からの変位量を検出する変位量検出部と、前記変位量検出部の検出結果に基づいて、前記光軸が前記受光面と交わる位置から該位置の近傍までを含む前記受光面上における光線の入射領域を算出する領域算出部と、前記領域算出部が算出した前記入射領域における色ずれを補正する色補正処理部と、を備えたことを特徴とする。
【0017】
また、本発明にかかる撮像装置は、上記発明において、前記色補正処理部は、前記変位量検出部が検出した前記変位量に応じて、前記入射領域における前記受光面の各画素の色に対応する画像を、前記光軸が変位している方向に移動させる補正を行うことを特徴とする。
【0018】
また、本発明にかかる撮像装置は、上記発明において、前記色補正処理部は、前記入射領域を前記受光面における他の領域よりも色ずれを補正する強度を高めることを特徴とする。
【0019】
また、本発明にかかる撮像装置は、上記発明において、前記光学系の特性を示すレンズ特性情報を記憶するレンズ情報記憶部をさらに備え、前記色補正処理部は、前記レンズ特性情報を参照して、前記色ずれを補正することを特徴とする。
【0020】
また、本発明にかかる撮像装置は、上記発明において、前記領域算出部が算出した前記入射領域を合焦領域とし、該合焦領域内であって前記受光面の中心に向かう方向と異なる方向のコントラストまたは位相差に基づいて、前記光学系のピントを調整する焦点制御部をさらに備えたことを特徴とする。
【0021】
また、本発明にかかる撮像装置は、上記発明において、前記レンズ群を前記光軸上に沿って移動させるレンズ駆動部をさらに備え、前記焦点制御部は、前記コントラストが最大になるように前記レンズ駆動部を駆動することを特徴とする。
【0022】
また、本発明にかかる撮像装置は、上記発明において、前記焦点制御部は、前記撮像部の受光面における所定の色に対応するコントラストに基づいて、前記光学系のピントを調整することを特徴とする。
【0023】
また、本発明にかかる撮像装置は、上記発明において、前記光学系は、当該撮像装置に着脱自在であることを特徴とする。
【0024】
また、本発明にかかる撮像方法は、1または複数のレンズからなるレンズ群を有する光学系と、前記光学系によって集光された光を受光して光電変換を行うことによって電子的な画像データを生成する撮像部とを備え、前記光学系の光軸を変位させることが可能な撮像装置が行う撮像方法であって、前記撮像部が生成した前記画像データに対応する画像を表示する表示工程と、前記光軸が前記撮像部の受光面と直交する位置を基準位置として、該基準位置からの変位量を検出する変位量検出工程と、前記変位量検出工程の検出結果に基づいて、前記光軸が前記受光面と交わる位置から該位置の近傍までを含む前記受光面上における光線の入射領域を算出する領域算出工程と、前記領域算出工程が算出した前記入射領域に対応する前記画像内の領域を、前記画像内において識別可能な視覚情報で前記表示部に表示させる表示制御工程と、を含むことを特徴とする。
【0025】
また、本発明にかかる撮像方法は、1または複数のレンズからなるレンズ群を有する光学系と、前記光学系によって集光された光を受光して光電変換を行うことによって電子的な画像データを生成する撮像部とを備え、前記光学系の光軸を変位させることが可能な撮像装置が行う撮像方法であって、前記光軸が前記撮像部の受光面と直交する位置を基準位置として、該基準位置からの変位量を検出する変位量検出工程と、前記変位量検出工程の検出結果に基づいて、前記光軸が前記受光面と交わる位置から該位置の近傍までを含む前記受光面上における光線の入射領域を算出する領域算出工程と、前記領域算出工程が算出した前記入射領域に対応する前記受光面の領域における色ずれを補正する色補正処理部と、を含むことを特徴とする。
【0026】
また、本発明にかかる撮像方法は、上記発明において、前記領域算出工程が算出した前記入射領域を合焦領域とし、該合焦領域内であって前記受光面の中心に向かう方向と異なる方向のコントラストまたは位相差に基づいて、前記光学系のピントを調整する焦点制御工程をさらに含むことを特徴とする。
【0027】
また、本発明にかかる撮像プログラムは、1または複数のレンズからなるレンズ群を有する光学系と、前記光学系によって集光された光を受光して光電変換を行うことによって電子的な画像データを生成する撮像部とを備え、前記光学系の光軸を変位させることが可能な撮像装置に実行させる撮像プログラムであって、前記撮像部が生成した前記画像データに対応する画像を表示する表示ステップと、前記光軸が前記撮像部の受光面と直交する位置を基準位置として、該基準位置からの変位量を検出する変位量検出ステップと、前記変位量検出ステップの検出結果に基づいて、前記光軸が前記受光面と交わる位置から該位置の近傍までを含む前記受光面上における光線の入射領域を算出する領域算出ステップと、前記領域算出ステップが算出した前記入射領域に対応する前記画像内の領域を、前記画像内において識別可能な視覚情報で前記表示部に表示させる表示制御ステップと、を実行させることを特徴とする。
【0028】
また、本発明にかかる撮像プログラムは、1または複数のレンズからなるレンズ群を有する光学系と、前記光学系によって集光された光を受光して光電変換を行うことによって電子的な画像データを生成する撮像部とを備え、前記光学系の光軸を変位させることが可能な撮像装置に実行させる撮像プログラムであって、前記光軸が前記撮像部の受光面と直交する位置を基準位置として、該基準位置からの変位量を検出する変位量検出ステップと、前記変位量検出ステップの検出結果に基づいて、前記光軸が前記受光面と交わる位置から該位置の近傍までを含む前記受光面上における光線の入射領域を算出する領域算出ステップと、前記領域算出ステップが算出した前記入射領域に対応する前記受光面の領域における色ずれを補正する色補正処理部と、を実行させることを特徴とする。
【0029】
また、本発明にかかる撮像プログラムは、上記発明において、前記領域算出ステップが算出した前記入射領域を合焦領域とし、該合焦領域内であって前記受光面の中心に向かう方向と異なる方向のコントラストまたは位相差に基づいて、前記光学系のピントを調整する焦点制御ステップをさらに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、領域算出部が傾き検出部によって検出された光学系の光軸の変位量に基づいて、光学系の光軸が撮像部の受光面と交わる位置からこの位置の近傍までを含む撮像部の受光面上における光線の入射領域を算出し、この入射領域に対して表示制御部および色補正処理部それぞれが所定の処理を行う。この結果、光学系の光軸を傾斜させて撮影する場合であっても、光学系における収差の影響によって生じる問題を低減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置の被写体に面する側の構成を示す斜視図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置の撮影者に面する側(背面側)の構成を示す斜視図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置の収差情報記憶部が記憶するレンズ部の収差情報の一例を示す図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置の収差情報記憶部が記憶するレンズ部の収差情報の別の一例を示す図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置におけるレンズ部の要部の構成を模式的に示す断面図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置におけるレンズ部の操作方法を模式的に示す図である。
【図8】図8は、図7に示す操作によって動作するレンズ部の概要を模式的に説明する図である。
【図9】図9は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置における撮像部の受光面と垂直をなす方向に対してレンズ部の光軸が変化することによって生じる収差の変化を模式的に説明する図である。
【図10】図10は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置における撮像部の受光面と直交する方向に対してレンズ部の光軸が変位することによって生じる収差の例(第1例)を模式的に説明する図である。
【図11】図11は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置における撮像部の受光面と直交する方向に対してレンズ部の光軸が変位することによって生じる収差の例(第2例)を模式的に説明する図である。
【図12】図12は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置における撮像部の受光面と直交する方向に対してレンズ部の光軸が変化することによって生じる収差の例(第3例)を模式的に説明する図である。
【図13】図13は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置が生成する画像の一例を示す図である。
【図14】図14は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置が行う処理の概要を示すフローチャートである。
【図15】図15は、図14に示したチルトレンズ表示補正処理の概要を示すフローチャートである。
【図16】図16は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置の表示部が表示する画像の一例を示す図である。
【図17】図17は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置のレンズ部における光学系の軸上色収差による点像の状態を模式的に説明する図である。
【図18】図18は、図17に示す状況で光学系の軸上色収差による点像の状態を模式的に説明する斜視図である。
【図19】図19は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置の色補正処理部が行う色ずれの補正処理の概要を模式的に説明する図である。
【図20】図20は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置の表示部が表示する画像の一例を示す図である。
【図21】図21は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置のAF制御部が行うAF処理の概要を説明する図である。
【図22】図22は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置の表示部が表示する画像の一例を示す図である。
【図23】図23は、本発明の実施の形態2にかかるチルトレンズ表示補正処理の概要を示すフローチャートである。
【図24】図24は、本発明の実施の形態2にかかる撮像装置の色補正処理部が行う色ずれの補正処理の概要を模式的に説明する図である。
【図25】図25は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置の表示部が表示する画像の一例を示す図である。
【図26】図26は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置の表示部が表示する画像の一例を示す図である。
【図27】図27は、レンズ部の別な構成例の要部を示す図である。
【図28】図28は、レンズ部の動作を模式的に説明する図である。
【図29】図29は、レンズ部の別な実施例を装着した撮像装置の被写体に面する側の構成を示す斜視図である。
【図30】図30は、従来の撮影レンズを傾斜させた際の状態を説明する概略図である。
【図31】図31は、従来の撮影レンズを傾斜させた際の状態を説明する概略図である。
【図32】図32は、従来の撮影レンズを傾斜させた際の状態を説明する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に、図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」という)について説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0033】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1にかかる撮像装置の被写体に面する側(前面側)の構成を示す斜視図である。図2は、本実施の形態1にかかる撮像装置の撮影者に面する(背面側)の構成を示す斜視図である。図3は、本実施の形態1にかかる撮像装置の構成を示すブロック図である。図1〜図3に示す撮像装置1は、デジタル一眼レフカメラであり、本体部2と、本体部2に着脱自在なレンズ部3と、を備える。撮像装置1は、電子ビューファインダ(EVF)、エレクトロニックフラッシュおよびインターネットを介して通信を行う通信ユニット等のアクセサリ4も装着可能である。
【0034】
図1〜図3に示すように、本体部2は、撮像部201と、撮像駆動部202と、信号処理部203と、フラッシュ発光部204と、姿勢検出部205と、タイマー206と、第1通信部207と、第2通信部208と、操作入力部209と、表示部210と、タッチパネル211と、記憶部212と、電源部213と、電源供給部214と、制御部215と、を有する。
【0035】
撮像部201は、レンズ部3が集光した光を受光して電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子と、シャッタとを用いて構成される。撮像部201は、撮像素子の各画素を構成するフォトダイオードの前面にベイヤー配列のカラーフィルター(原色フィルター)が配置される。ベイヤー配列は、水平方向に赤(R)の波長を透過するファイルターと緑(G)の波長を透過するフィルターとが交互に配置されたラインと、緑の波長を透過するフィルターと青(B)の波長を透過するフィルターとが交互に配置されたラインと、を有し、その2つのラインを垂直方向にも交互に配置することで構成されている。なお、カラーフィルターは、シアン(Cy)、マゼンダ(Mg)、イエロー(Ye)および緑の4色を用いる補色フィルターであってもよい。
【0036】
撮像駆動部202は、レリーズ信号に応じて撮像素子およびシャッタを駆動させる機能を有する。たとえば、撮像駆動部202は、所定のタイミングで撮像素子から画像データ(アナログ信号)を信号処理部203に出力させる。
【0037】
信号処理部203は、撮像部201から出力されるアナログ信号に増幅等の信号処理を施した後、A/D変換を行うことによってデジタルの画像データを生成して出力する。
【0038】
フラッシュ発光部204は、キセノンランプまたはLED(Light Emitting Diode)等を用いて構成される。フラッシュ発光部204は、撮像装置1が撮像する視野領域へ向けて補助光(ストロボ光)を照射する。
【0039】
姿勢検出部205は、加速度センサを用いて構成される。姿勢検出部205は、撮像装置1の加速度を検出することにより、撮像装置1の姿勢状態を検出する。具体的には、姿勢検出部205は、水平面を基準としたときの撮像装置1の姿勢(傾斜角度)を検出する。
【0040】
タイマー206は、計時機能や撮影日時の判定機能を有する。タイマー206は、撮像された画像データに日時データを付加させるため、制御部215に日時データを出力する。
【0041】
第1通信部207は、本体部2に装着されたレンズ部3との通信を行うための通信インターフェースである。第2通信部208は、本体部2に装着されるアクセサリ4のアクセサリ通信部401との通信を行うための通信インターフェースである。
【0042】
操作入力部209は、図1および図2に示すように、撮像装置1の電源状態をオン状態またはオフ状態に切り換える電源スイッチ209aと、撮影の指示を与える指示信号を入力するレリーズスイッチ209bと、撮像装置1に設定された各種撮影モード切換の指示を与える切換信号を入力する撮影モード切換スイッチ209cと、撮像装置1の各種設定を選択または決定の指示を与える指示信号を入力する操作スイッチ209dと、撮像装置1に設定された操作メニュー画面の表示の指示を与える指示信号を入力するメニュースイッチ209eと、表示部210が表示する画像の表示態様の変更を指示する表示切換スイッチ209fと、を有する。また、レリーズスイッチ209bは、外部から押圧による進退可能であり、半押しされた場合に撮像準備動作を指示するファーストレリーズ信号の入力を受ける一方、全押しされた場合に静止画撮像を指示するセカンドレリーズの入力を受け付ける。なお、以下の説明においては、図1で電源スイッチ209a等が設けられている面を上面と呼び、この面に垂直な方向を上下方向という。また上面と平行であって上下方向と直交する方向を左右方向という。
【0043】
表示部210は、液晶または有機EL(Electro Luminescence)等からなる表示パネルを用いて実現される。表示部210は、画像データのほか、撮像装置1の操作情報や撮影に関する情報を適宜表示する。
【0044】
タッチパネル211は、表示部210の表示画面上に設けられる。タッチパネル211は、ユーザが表示部210で表示される情報に基づいて接触した位置を検出し、この検出した接触位置に応じた操作信号の入力を受け付ける。一般に、タッチパネルとしては、抵抗膜方式、静電容量方式、光学方式等がある。本実施の形態1では、いずれの方式のタッチパネルであっても適用可能である。
【0045】
記憶部212は、撮像装置1の内部に固定的に設けられるフラッシュメモリやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の半導体メモリを用いて実現される。記憶部212は、撮像装置1を動作させるための各種プログラム、本実施の形態1にかかる撮像プログラムおよび上述したプログラムの実行中に使用される各種データやパラメータ等を記憶する。また、記憶部212は、画像データを記憶するとともに、本体部2に装着可能なレンズ部3の情報やレンズ部3の種類に応じた画像データの補正情報等の情報を記憶する。なお、記憶部212が、外部から装着されるメモリカード等のコンピュータで読取可能な記憶媒体を含むものであってもよい。
【0046】
電源部213は、撮像装置1に着脱自在なバッテリを用いて構成される。電源供給部214は、撮像装置1の各構成部(装着されるレンズ部3およびアクセサリ4も含む)に対して電源部213の電力を供給する。なお、電源供給部214は、外部電源(図示せず)から供給される電力を撮像装置1の各構成部に供給するようにしてもよい。
【0047】
制御部215は、CPU(Central Processing Unit)等を用いて構成される。制御部215は、操作入力部209やタッチパネル211からの指示信号や切換信号等に応じて撮像装置1を構成する各部に対応する指示やデータの転送等を行って撮像装置1の動作を統括的に制御する。
【0048】
制御部215の詳細な構成について説明する。制御部215は、画像処理部215aと、顔検出部215bと、状態判定部215cと、領域算出部215dと、色補正処理部215eと、AF制御部(焦点制御部)215fと、撮影制御部215gと、表示制御部215hと、を有する。
【0049】
画像処理部215aは、信号処理部203から入力される画像データに対して各種の画像処理を施す。具体的には、画像処理部215aは、画像データに対して、少なくともエッジ強調、ホワイトバランスおよびγ補正を含む画像処理を行う。なお、画像処理部215aは、画像データを所定の方式、たとえばJEPG方式等で圧縮する圧縮処理を行ってもよい。
【0050】
顔検出部215bは、画像データに対応する画像に含まれる人物の顔をパターンマッチングによって検出する。なお、顔検出部215bは、人物の顔だけでなく、犬や猫等の顔を検出してもよい。さらに、顔検出部215bは、パターンマッチング以外の周知技術を用いて人物の顔を検出してもよい。
【0051】
状態判定部215cは、第1通信部207から入力されるレンズ部3の状態に関する情報に基づいて、レンズ部3の状態を判定する。
【0052】
領域算出部215dは、第1通信部207から入力されるレンズ部3の状態に関する情報に基づいて、レンズ部3の光軸が撮像部201の受光面と交わる位置からこの位置の近傍までを含む入射領域を算出する。
【0053】
色補正処理部215eは、領域算出部215dが算出した入射領域に対応する画像内の領域における色ずれを補正する。具体的には、色補正処理部215eは、第1通信部207から入力されるレンズ部3の状態に関する情報に基づいて、入射領域における受光面の各画素の色に対応する画像を、レンズ部3の光軸が変位(チルト量およびシフト量)している方向に移動(スライド)させる補正を行う。また、色補正処理部215eは、入射領域における受光面の各画素の色に対応する画像のいずれか1つ以上、たとえば赤の画像または青色の画像を、レンズ部3の光軸が変位している方向に移動させる補正を行う。さらに、色補正処理部215eは、入射領域を撮像部201の受光面の他の領域よりも色ずれを補正する強度を高める。
【0054】
AF制御部215fは、レリーズスイッチ209bからファーストレリーズ信号が入力された場合、レンズ部3のピントが合うようにレンズ部3のピントを調整する。AF制御部215fは、領域算出部215dが算出した入射領域を合焦領域(フォーカシング領域)とし、この合焦領域内であって撮像部2の受光面の中心に向かう方向と異なる方向のコントラストまたは位相差に基づいて、レンズ部3のピントを調整する。具体的には、AF制御部215fは、合焦領域内に対応する画像のコントラストが最大になるような位置または合焦領域内に対応する画像の鮮鋭度が最大になるような位置に、レンズ部3のピントを調整する。
【0055】
撮影制御部215gは、レリーズスイッチ209bからセカンドレリーズ信号が入力された場合、撮像装置1における撮影動作を開始する制御を行う。ここで、撮像装置1における撮影動作とは、撮像駆動部202の駆動によって撮像部201が出力した画像データに対し、信号処理部203および画像処理部215aが所定の処理を施す動作をいう。このようにして処理が施された画像データは、制御部215によって記憶部212に記憶される。また、撮影制御部215gは、状態判定部215cの判定結果に応じて、撮像装置1における撮影動作を開始する制御を行う。
【0056】
表示制御部215hは、メニュースイッチ209eから指示信号が入力された場合、操作メニュー画面を表示部210に表示させる。表示制御部215hは、領域算出部215dが算出した入射領域に対応する画像内の領域を、表示部210が表示する画像内において識別可能な視覚情報で表示部210に表示させる。この視覚情報としては、色空間を構成する変数である。具体的には、色空間を構成する変数は、原色系の特定成分、補色系の特定成分、色相、彩度、明度のいずれかであればよい。たとえば、色空間を構成する変数としては、撮像部201の各画素に対応した色、たとえば緑色、赤色または青色のいずれかの単色であればよい。また、表示制御部215hは、入射領域に対応する画像内の領域を表示部210が表示する画像内において混合色(たとえば橙色等)で表示させてもよい。
【0057】
以上の構成を有する本体部2に対して、音声入出力機能やインターネットを介して通信を行う通信機能等を具備させてもよい。
【0058】
つぎに、レンズ部3の詳細な構成について説明する。レンズ部3は、光学系301の光軸が撮像部201の受光面と直交する方向を基準として全方位に揺動可能なチルトレンズ(ティルトレンズ)である。
【0059】
レンズ部3は、光学系301と、レンズ駆動部302と、位置検出部303と、傾き検出部304と、絞り駆動部305と、レンズ操作部306と、レンズ通信部307と、レンズ記憶部308と、レンズ制御部309と、を有する。
【0060】
光学系301は、一または複数のレンズからなるレンズ群301aと、レンズ群301aのピントを調整するピント機構301bと、光学系301の光軸を撮像部201の受光面に対して揺動可能に傾斜させる傾き機構301cと、レンズ群301aが集光した光の入射量を調整する絞り機構301dと、を有する。
【0061】
レンズ駆動部302は、DCモータやステッピングモータ等を用いて構成される。レンズ駆動部302は、ピント機構301bを駆動することにより、光学系301のレンズ群301aを光軸に沿って移動させることで光学系301のピントを調整する。
【0062】
位置検出部303は、レンズ群301aの光軸方向の位置を検出する。具体的には、位置検出部303は、レンズ群301aが繰り出された繰り出し量を検出する。
【0063】
傾き検出部304は、光学系301の光軸と撮像部201の受光面と直交する位置を基準位置として、この基準位置からの変位量であるチルト量を検出する。この意味で、本実施の形態1では、傾き検出部304が変位量検出部として機能する。
【0064】
絞り駆動部305は、ステッピングモータ等を用いて構成される。絞り駆動部305は、絞り機構301dを駆動することにより、撮像部201に入射する光の光量を調整する。
【0065】
レンズ操作部306は、図1に示すように、レンズ部3のレンズ鏡筒の周囲に設けられるピントリングであり、レンズ駆動部302を駆動する信号が入力される。なお、レンズ操作部306は、プッシュ式のスイッチ等であってもよい。
【0066】
レンズ通信部307は、レンズ部3が本体部2に装着されたときに、本体部2の第1通信部207と通信を行うための通信インターフェースである。
【0067】
レンズ記憶部308は、光学系301のレンズ群301aの位置や動きを決定するための制御用プログラムや各種パラメータを記憶する。レンズ記憶部308は、レンズ部3の各種収差に関する収差情報記憶部308aを有する。さらに、レンズ記憶部308は、レンズ部3の傾斜角度限界値情報、最至近距離限界情報、レンズ部3の動き等を拘束する拘束条件情報、光学系301の傾斜角度に応じたピント位置情報、レンズ部3の繰り出し可能範囲および光学系301の傾斜角度とレンズ部3の繰り出し量によって定まるピント位置情報等を記憶する。
【0068】
図4は、収差情報記憶部308aが記憶するレンズ部3の収差情報の一例を示す図である。図4に示すように、収差情報テーブルT1には、光学系301から焦点距離だけ離れた位置に結像される像を光学系301の中心から見たときの光軸からのずれ角φと収差(光線収差)sとの関係が記載されている。たとえば、ずれ角φが5°の場合、収差sが0.1mmとして記載されている。
【0069】
図5は、収差情報記憶部308aが記憶するレンズ部3の収差情報の別の例を示す図である。図5に示すように、収差情報テーブルT2には、上述したずれ角φと色収差との関係が記載されている。たとえば、ずれ角が5°の場合、R(赤)、G(緑)およびB(青)の3成分の色収差がそれぞれ98%、96%および93%として記載されている。また、ずれ角φが10°の場合、R、GおよびBの3成分の色収差は、それぞれ96%、92%および85%として記載されている。一般に、波長が小さい光ほど屈折率は大きい。このため、R、G、Bの3成分の中で最も波長が小さいB成分の色収差が最も大きい。さらに、色収差は、ずれ角φが大きいほど大きくなる。
【0070】
レンズ制御部309は、CPU(Central Processing Unit)等を用いて構成される。レンズ制御部309は、本体部2からの指示信号またはレンズ操作部306からの指示信号に応じてレンズ部3の動作を制御する。
【0071】
ここで、図6を参照して、レンズ部3の要部の構成について説明する。図6は、レンズ部3の要部の構成を模式的に示す断面図である。図6において、左側が被写体側(以下、「前方」という)であり、右側が本体部2に装着される側(以下、「後方」という)である。
【0072】
図6に示すように、レンズ部3は、レンズ群301aおよび絞り機構301dを保持する第1枠31と、第1枠31を前後方向に移動可能に保持する第2枠32と、点Oを回転中心として第2枠32を揺動可能に保持する第3枠33と、を有する。また、第2枠32の内側には、位置検出部303が設けられ、第3枠33の内側には、傾き検出部304が設けられている。
【0073】
位置検出部303は、反射型変位センサ等によって構成される。具体的には、位置検出部303は、発光素子と受光素子とを有するフォトインタラプタ303aと、位置によって異なる反射率を有する反射部材303bとを備える。フォトインタラプタ303aは、第2枠32の内周側に設けられ、反射部材303bは、第1枠31の外周側に設けられる。位置検出部303は、フォトインタラプタ303aで照射した光を反射部材303bで反射させ、反射部材303bで反射した光をフォトインタラプタ303aに受光させることによって第1枠31の繰り出し量を算出し、この算出した繰り出し量からレンズ群301aの光軸方向の位置を検出する。なお、位置検出部303は、各種ポジションセンサ等を用いてもよい。さらに、反射部材303bは、別部材ではなく、反射率の異なる部位を一体成形して作成してもよい。
【0074】
傾き検出部304は、点Oに対する第2枠32の傾斜角度を検出することにより、光学系301の光軸と撮像部201の受光面とが直交する位置から光学系301の光軸が指向している方向を検出する。傾き検出部304は、フォトインタラプタ304aと、反射部材304bとを有する。なお、傾き検出部304は、各種ポジションセンサ等を用いてもよい。さらに、反射部材304bは、別部材ではなく、反射率の異なる部位を一体成形して作成してもよい。
【0075】
以上の構成を有するレンズ部3は、光学系301の光軸の近傍でのみピントが合い、その周辺は放射状に広がるぼけが生じる。また、レンズ部3では、光軸を傾斜させた側と反対側の収差が最も大きくなる。
【0076】
このように構成されたレンズ部3の操作方法について説明する。図7は、レンズ部3の操作方法を模式的に示す図である。図8は、図7に示す操作によって動作するレンズ部3の概要を模式的に説明する図である。
【0077】
図7および図8に示すように、ユーザがレンズ操作部306を操作して光学系301のピントを調整する場合(図7(a))、レンズ操作部306の操作量に応じてレンズ制御部309がレンズ駆動部302を駆動することにより第1枠31を前方に繰り出させる(図8(a))。これにより、レンズ部3は、光学系301のピントが調整される。
【0078】
その後、傾き機構301cがユーザによるレンズ鏡筒の操作(図7(b))に応じて第1枠31を傾斜させる(図8(b))。これにより、レンズ部3は、撮像部201の受光面と直交する位置から光学系301の光軸を変更することができる。なお、レンズ制御部309は、AF制御部215fの制御のもと、自動的に光学系301のピントを調整するオートフォーカス処理を行ってもよい。
【0079】
つぎに、撮像部201の受光面に対してレンズ部3の光軸が変化することによって生じる収差の変化について説明する。図9〜図12は、撮像部201の受光面と垂直をなす方向に対してレンズ部3の光軸が変化することによって生じる収差の変化を模式的に説明する図である。図9〜図12では、レンズ群301aが一つのレンズからなる場合を示している。以下、光学系301の光軸が撮像部201の受光面の中心を通過するとともに撮像部201の受光面と直交する位置にある状態を「初期状態」という。
【0080】
図9に示すように、撮像部201の受光面から二つの被写体E11,E12までの距離が等しい(d)場合において、収差補正が十分に出来ていないレンズ群301aで被写体E11にピントを合わせたとき、撮像部201に形成される被写体E12の像に収差s1が生じる。このため、被写体E12の像は、撮像部201の受光面においてぼけて形成される。しかしながら、この収差を表現の一つとして活かすことで、撮像する画像の表現に変化を持たせることができる。
【0081】
さらに、図10に示すように、撮像部201の受光面に対するレンズ群301aを傾斜角度(たとえばθ=5°)で傾斜させた場合、被写体E12の像がさらに光軸L中心の周辺から入射するため、撮像部201に形成される被写体E12の収差s2が収差s1に比して大きくなる(s1<s2)。これにより、撮像される画像は、被写体E11と被写体E12との差異がより強調されたものとなる。図10では、レンズ群301aの初期状態からの傾斜角度θは、被写体E11の像に対してはほとんど影響を与えない程度に小さいものとしている。
【0082】
また、図11に示すように、撮像部201から被写体E11までの距離dが、撮像部201から被写体E12までの距離d2より小さい場合(d1<d2)、被写体E12の像が、図10に示す場合よりも光軸Lに対して遠くの位置から入射するため、撮像部201に形成される被写体E12の収差s3が収差s2に比してさらに大きくなる(s2<s3)。図11においても、レンズ群301aの初期状態からの傾斜角度θは、被写体E11の像に対してはほとんど影響を与えない程度に小さいものとしている。
【0083】
また、図12に示すように、撮像部201から被写体E11までの距離dが距離dに比して小さく(d1<d)、かつ初期状態から傾斜させた後のレンズ群301aの光軸L1上に被写体E11が位置している場合、被写体E11にレンズ群301aのピントを合わせると、被写体E11と被写体E12(収差s)との差異がより一層強調されたものとなる。
【0084】
図13は、光学系301の光軸の変化に対応した画像の変化例を示す図である。図13(a)に示す画像W11は、初期状態にあるレンズ群301aで、被写体である人物の顔にピント合わせをして撮像した画像である。また、図13(b)に示す画像W12は、レンズ群301aを初期状態から傾斜させた状態で、人物の顔にピント合わせをして撮像した画像である。画像W11と画像W12を比較すると、二つの画像とも人物の顔の周囲は放射状に広がってぼけている(破線で表示)が、そのぼけ量(収差)は画像W12の方が画像W11よりも大きくなっている。
【0085】
このように、光学系301の場合、レンズ群301aを初期状態から傾斜させると、光軸付近とその周囲との差異を一層強調した画像を撮像することができる。
【0086】
なお、図13では、一つのレンズ(単レンズ)で説明しているが、光学系301を色消し接合レンズとし、傾き操作(チルト操作)によって発生する収差量(特に色収差)を軽減することで、光学系301の小型化や、色にじみ量の少ない作品とすることができる。また、反対に接合レンズのガラスの組み合わせを上記と逆にして、敢えて色収差を増大させることで、通常と異なった印象の作品にすることもできる。さらに、光学系301を3枚以上の複数のレンズで構成し、レンズ制御部309がレンズ駆動部302を駆動することにより、光学収差の発生量を小さくまたは大きくなるように制御し、画像内に生じる放射状のボケ量を調整する制御を行ってもよい。これにより、より作品のバリエーションを増やすことができる。
【0087】
以上の構成を有する撮像装置1において、チルトレンズであるレンズ部3以外のレンズ部を装着することも可能である。そこで、以下の説明においては、撮像装置1に装着可能なレンズ部を総称して「レンズ部3G」という。レンズ部3Gは、少なくともレンズ通信部307と、レンズ制御部309と、を備えるものとする。
【0088】
つぎに、本実施の形態1にかかる撮像装置1が行う動作について説明する。図14は、撮像装置1が行う処理の概要を示すフローチャートである。
【0089】
図14において、撮像装置1が撮影モードに設定されている場合について説明する(ステップS101:Yes)。この場合、表示制御部215hは、ライブビュー画像を表示部210に表示させる(ステップS102)。また、レンズ制御部309は、制御部215との間でレンズ部3Gのレンズ状態の通信を行う(ステップS103)。
【0090】
続いて、制御部215は、レンズ制御部309から入力される信号に基づいて、本体部2に装着されたレンズ部3Gがチルトレンズであるか否かを判断する(ステップS104)。本体部2に装着されたレンズ部3Gがチルトレンズである場合(ステップS104:Yes)、撮像装置1は、チルトレンズのレンズ特性に合わせた表示態様および画像補正を行うチルトレンズ表示補正処理を実行し(ステップS105)、ステップS106へ移行する。なお、チルトレンズ表示補正処理の詳細は後述する。
【0091】
これに対して、本体部2に装着されたレンズ部3Gがチルトレンズでない場合(ステップS104:No)、撮像装置1はステップS106へ移行する。
【0092】
ステップS106において、レリーズスイッチ209bが全押しされてセカンドレリーズ信号が入力された場合(ステップS106:Yes)、撮像装置1は、撮影制御部215gの制御のもと、撮影を行い(ステップS107)、取得した画像データを記憶部212に記録する(ステップS108)。
【0093】
続いて、撮像装置1が起動状態で電源スイッチ209aが押された場合(ステップS109:Yes)、制御部215は、電源をオフする制御を行い(ステップS110)、一連の処理を終了する。
【0094】
ステップS106において、レリーズスイッチ209bを介してセカンドレリーズ信号が入力されない場合(ステップS106:No)、撮像装置1はステップS109へ移行する。
【0095】
ステップS109において、電源スイッチ209aが押されない場合(ステップS109:No)について説明する。この場合において、レンズ部3Gが別のレンズ部3Gに交換されたとき(ステップS111:Yes)、制御部215は、新たに装着されたレンズ部3Gからレンズ種別情報を取得する(ステップS112)。その後、撮像装置1はステップS101へ戻る。一方、電源スイッチ209aが押されない場合(ステップS109:No)において、レンズ部3Gが別のレンズ部3Gに交換されていなければ(ステップS111:No)、撮像装置1はステップS101へ戻る。
【0096】
つぎに、ステップS101において、撮影モードに設定されていない場合(ステップS101:No)について説明する。この場合において、撮像装置1が再生モードに設定されているとき(ステップS113:Yes)、表示制御部215hは、表示部210に画像ファイル一覧を表示させる(ステップS114)。
【0097】
続いて、操作入力部209またはタッチパネル211を介して拡大して表示する画像ファイルが選択された場合(ステップS115:Yes)、表示制御部215hは、選択された画像ファイルを表示部210に再生表示させる(ステップS116)。
【0098】
その後、別の画像ファイルが新たに選択された場合(ステップS117:Yes)、撮像装置1はステップS116へ戻る。一方、別の画像ファイルが選択されない場合(ステップS117:No)、撮像装置1はステップS118へ移行する。
【0099】
続いて、操作入力部209またはタッチパネル211によって画像再生の終了指示信号が入力された場合(ステップS118:Yes)、撮像装置1はステップS109へ移行する。一方、終了指示信号が入力されていない場合(ステップS118:No)、撮像装置1はステップS114へ戻る。
【0100】
ステップS115において、画像ファイルが選択されない場合(ステップS115:No)、撮像装置1はステップS118へ移行する。
【0101】
ステップS113において、撮像装置1が再生モードに設定されていない場合(ステップS113:No)、撮像装置1はステップS101へ戻る。
【0102】
つぎに、図14に示したステップS105のチルトレンズ表示補正処理について説明する。図15は、チルトレンズ表示補正処理の概要を示すフローチャートである。以下、レンズ部3Gがチルトレンズ(上述したレンズ部3)である場合の処理を示すステップS201〜S215では、レンズ部3Gをレンズ部3と記載する。
【0103】
図15に示すように、制御部215は、第1通信部207およびレンズ通信部307を介して、傾き検出部304が検出した光学系301の光軸の初期位置からの角度や方向を含む傾き情報を取得する(ステップS201)。
【0104】
続いて、状態判定部215cは、制御部215が取得した傾き情報に基づいて、レンズ部3の傾き操作が行われたか否かを判断する(ステップS202)。レンズ部3の傾き操作が行われている場合(ステップS202:Yes)、撮像装置1は後述するステップS203へ移行する。一方、レンズ部3の傾き操作が行われていない場合(ステップS202:No)、撮像装置1は図14に示したメインルーチンに戻る。
【0105】
ステップS202において、レンズ部3の傾き操作が行われている場合(ステップS202:Yes)について説明する。この場合、領域算出部215dは、制御部215が取得した傾き情報に基づいて、レンズ部3の光軸が撮像部201の受光面と交わる位置からこの位置の近傍までを含む撮像部201の受光面上における光線の入射領域を算出する(ステップS203)。具体的には、領域算出部215dは、傾き検出部304が検出したレンズ部3の光軸が基準位置からの角度に基づいて、レンズ部3の光軸が撮像部201の受光面と交わる位置を含み、この位置を中心に周辺までの近傍を含む撮像部201の受光面上における光線の入射領域を算出する。
【0106】
続いて、制御部215は、撮像装置1がユーザによって光学系301のピントを手動で調整するマニュアルモードに設定されているか否かを判断する(ステップS204)。具体的には、制御部215は、撮影モード切換スイッチ209cから入力された指示信号によって撮像装置1がマニュアルモードに設定されているか否かを判断する。撮像装置1がマニュアルモードに設定されている場合(ステップS204:Yes)、撮像装置1は後述するステップS205へ移行する。一方、撮像装置1がマニュアルモードに設定されていない場合(ステップS204:No)、撮像装置1は後述するステップS209へ移行する。
【0107】
ステップS205において、制御部215は、所定時間内(たとえば5秒)にフォーカス補助操作が行われたか否かを判断する。具体的には、図16に示すように、制御部215は、表示部210によって表示された画像W21内の指定色アイコンA1〜A4のいずれかに対応する領域内でタッチされることにより、このタッチされた領域に対応する指示信号がタッチパネル211から入力されたか否かを判断する。フォーカス補助操作が行われた場合(ステップS205:Yes)、撮像装置1は後述するステップS206へ移行する。一方、所定時間内にフォーカス補助操作が行われない場合(ステップS205:No)、撮像装置1は図14に示したメインルーチンに戻る。
【0108】
ここで、図16に示したアイコンA1〜A4について説明する。アイコンA1は、入射領域において波長が緑色(λ=500〜560nm)である光線の合焦領域を、色ずれを補正する対象領域に設定する指示信号の入力を受け付けるアイコンである。アイコンA2は、入射領域において波長が赤色(λ=610〜750nm)である光線の合焦領域を、色ずれを補正する対象領域に設定する指示信号の入力を受け付けるアイコンである。アイコンA3は、入射領域において波長が青色(λ=435〜480nm)である光線の合焦領域を、色ずれを補正する対象領域に設定する指示信号の入力を受け付けるアイコンである。アイコンA4は、入射領域において波長が緑色および赤色を合わせた橙色(λ=595〜610nm)である光線の合焦領域を、色ずれを補正する対象領域に設定する指示信号の入力を受け付けるアイコンである。
【0109】
ステップS206において、色補正処理部215eは、タッチパネル211から入力された指示信号に応じて、入射領域において指定された指定色の波長に対応する合焦領域を、色ずれを補正する対象領域として設定し、対象領域における各色のずれを補正する(ステップS207)。
【0110】
図17は、光学系301の軸上色収差による点像の状態を模式的に説明する図である。図18は、図17に示す状況で光学系301の軸上色収差による点像の状態を模式的に説明する斜視図である。また、図17および図18においては、波長が緑色である光線の合焦領域でピント合わせ、および色ずれを補正する場合について説明する。なお、図17および図18においては、説明を単純化するため、レンズ群301aに入射して透過する光線を色の三原色である赤、青および緑に着目して説明する。
【0111】
図17および図18に示すように、波長が緑色である光線Lが通過する画像の領域でピント合わせを行う場合において、光学系301の光軸Lが撮像部201の受光面と直交する初期位置(図17(a),図18(a))のとき、波長が赤色である光線Lに対応する領域が撮像部201より奥の後方で結像され、波長が青色である光線Lに対応する領域が撮像部201より手前の前方で結像される。さらに、各光線L,Lの波長に対応する画像が受光面上でほぼ同じ径となって結像される。この光学系301の光軸Lが初期位置(図17(a),図18(a))から光学系301の光軸Lが上方に向けて傾斜(角度=θ)した場合(図17(b),図18(b))、撮像部201の受光面において各光線L,Lに対応する領域がずれて結像される。たとえば、図17(b)および図18(b)に示すように、光軸L付近の主要被写体を白色の点光源(図示せず)とした場合、撮像部201の受光面の中心から遠い領域が青色に色付いた領域Iと、撮像部201の受光面の中心から近い領域が赤色に色付いた領域Iとを持つタンジェンシャル方向に伸びた長円形の結像状態となる。
【0112】
図19は、色補正処理部215eが行う色ずれの補正処理の概要を模式的に説明する図である。図19(a)に示すように、色補正処理部215eは、入射領域において指定された指定色、たとえば波長が緑色の合焦領域を、色ずれを補正する対象領域に設定した場合、受光面の中心側にずれた赤色の画像Cおよび受光面の中心から外側にずれた青色Cの画像それぞれが緑色の画像Cに重なる割合を増加させる補正を行う。具体的には、図19(b)に示すように、色補正処理部215eは、赤色の画像Cおよび青色の画像Cそれぞれを緑色の画像C側に平行移動(スライド移動)させる座標変換を行うことによって、入射領域における赤色の画像Cおよび青色の画像Cの色ずれを補正する。これにより、光学系301の光軸Lの状態に関わらず、入射領域における画質の向上を図ることができる。また、色補正処理部215eは、赤色の画像Cおよび青色の画像Cの座標変換によって空白になった領域Cに対し、色を補完する補完処理等を行って補正するようにしてもよい。なお、色補正処理部215eは、赤色の画像Cまたは青色の画像Cのどちらか一方のみを緑色の画像C側に平行移動させることによって色ずれを補正するようにしてもよい。
【0113】
ステップS207の後、表示制御部215hは、領域算出部215dが算出した入射領域に対応する合焦領域を、表示部210が表示するライブビュー画像の領域内において識別可能な視覚情報で表示部210に表示させる(ステップS208)。具体的には、図20に示すように、表示制御部215hは、入射領域に対応する領域k1を、表示部210が表示するライブビュー画像W22の領域において識別可能な視覚情報、たとえばフォーカス補助操作で指定された緑色で表示部210に表示させる。これにより、ユーザは、レンズ部3の傾き操作に応じて変化する光学系301の合焦領域を容易に把握することができる。ステップS208の後、撮像装置1は図14に示したメインルーチンに戻る。
【0114】
つぎに、撮像装置1がマニュアルモードに設定されていない場合(ステップS204:No)において、撮像装置1が光学系301のピントを自動で調整するオートフォーカスモードに設定されているとき(ステップS209:Yes)について説明する。このとき、制御部215は、所定時間内(たとえば5秒)にフォーカス補助操作が行われたか否かを判断する(ステップS210)。所定時間内にフォーカス補助操作が行われた場合(ステップS210:Yes)、撮像装置1は後述するステップS211へ移行する。一方、所定時間内にフォーカス補助操作が行われていない場合(ステップS210:No)、撮像装置1は後述するステップS214へ移行する。
【0115】
ステップS211において、レリーズスイッチ209bが半押しされることにより、ファーストレリーズ信号が入力された場合(ステップS211:Yes)、AF制御部215fは、タッチパネル211から入力された指示信号に応じて、指定された指定色の合焦領域でAF処理を実行する(ステップS212)。具体的には、図21に示すように、AF制御部215fは、指定された指定色の合焦領域で撮像部201の中心に向かう方向P2(タンジェンシャル方向)と直交する方向P1(アキシャル方向)のコントラストが最大になるように、レンズ駆動部302を駆動してレンズ群301aを光軸上に沿って移動させることによりAF処理を行う。また、AF制御部215fは、アキシャル(サジタル)方向PIの結像状態のみ検知を行うようにしてもよい。これにより、撮像装置1は、光学系301の光軸が傾斜していても、収差の大きいタンジェンシャル方向P2でAF処理を行わず、アキシャル(サジタル)方向P1でAF処理を行うので、光学系301のピント調整を精度よく行うことができる。
【0116】
続いて、表示制御部215hは、入射領域に対応する領域をライブビュー画像の領域内において識別可能な矩形状の枠を表示部210に表示させる(ステップS213)。具体的には、図22に示すように、表示制御部215hは、入射領域に対応する領域をライブビュー画像の領域内において識別可能な矩形状の枠k2を表示部210に表示させる。これにより、ユーザは、オートフォーカスモードにおける光学系301の合焦領域を直感的に把握することができる。ステップS213の後、撮像装置1は図14に示したメインルーチンに戻る。
【0117】
ステップS211において、ファーストレリーズ信号が入力されていない場合(ステップS211:No)、撮像装置1はステップS213へ移行する。
【0118】
ステップS214において、ファーストレリーズ信号が入力された場合(ステップS214:Yes)、AF制御部215fは、入射領域において緑色の合焦領域でAF処理を実行し(ステップS215)、撮像装置1はステップS213へ移行する。
【0119】
ステップS214において、ファーストレリーズ信号が入力されない場合(ステップS214:No)、撮像装置1はステップS213へ移行する。
【0120】
以上説明した本実施の形態1によれば、領域算出部215dが傾き検出部304によって検出された光学系301の光軸の初期位置からの変位量に基づいて、光学系301の光軸が撮像部201の受光面と交わる位置からこの位置の近傍までを含む撮像部201の受光面上にける光線の入射領域を算出し、表示制御部215hが領域算出部215dによって算出された入射領域に対応する画像内の領域を、画像内において識別可能な視覚情報で表示部210に表示させる。これにより、ユーザが光学系301の光軸を傾斜させて撮影する場合であっても、光学系301のピントが合った合焦領域を直感的に把握することができる。この結果、ユーザは、表示部210が表示するライブビュー画像をリアルタイムで確認しながら光学系301のピントを合わせるピント操作(マニュアル操作)を行うことによって、ピントが合った撮影を行うことができる。
【0121】
さらに、本実施の形態1によれば、撮影者が光学系301の光軸近傍で光学系301のピント合わせを行うため、レンズ群301aが光軸付近の光学性能を保てればよく、レンズ群301aの光学付近以外の周辺で光学性能を緩和できる。この結果、レンズ群301aを構成するレンズの枚数を低減して小型化を図ることができるとともに、レンズ群301aの明るさを向上させることができる。
【0122】
また、本実施の形態1によれば、表示制御部215hがタッチパネル211から入力された指示信号に応じて、入射領域に対応する画像内の領域を、画像内において識別可能な視覚情報として色空間を構成する変数で表示部210に表示させる。この結果、ユーザは、光学系301のピント調整を手動で行う場合、光学系301の色収差によって生じる光学系301の光軸付近での色の変動を気にすることなく、撮影を行うことができる。
【0123】
さらにまた、本実施の形態1によれば、AF制御部215fが入射領域における緑色の合焦領域でAF処理を行う。これにより、入射領域における赤色および緑色の光軸上でのボケを小さくすることができる。また、AF制御部215fは、緑色の波長よりも長波長の赤色に対応する画像のボケが緑色の波長よりも短波長の青色に対応する画像のボケよりも視覚的に目立つため、被写体側に高輝度の赤色の被写体がある場合、入射領域における赤色の合焦領域でAF処理を行ってもよい。さらに、AF制御部215fは、入射領域における緑色と赤色とを合わせた色(橙色)の合焦領域でAF処理を行ってもよい。これにより、ユーザは、撮影シーンに応じて、視覚的にボケが目立たない画像を撮影することができる。
【0124】
また、本実施の形態1によれば、表示制御部215hが撮像装置1にマニュアルモードが設定されている場合において、フォーカス補助操作が行われたときに、入射領域に対応する画像内の領域を識別可能な色で表示部210に表示される一方、撮像装置1にオートフォーカスモードが設定されている場合に、入射領域に対応する画像内の領域を矩形状の枠で表示部210に表示させる。この結果、表示部210が表示するライブビュー画像をリアルタイムで確認しながら光学系301のピントが合った領域を直感的に把握することができる。
【0125】
また、本実施の形態1によれば、色補正処理部215eが領域算出部215dによって算出された入射領域に対応する画像内の領域における色ずれを補正する。これにより、光学系301の光軸付近での画質の向上を図ることができる。さらに、光学系301の軸上色収差の性能を緩和することができるので、レンズ群301aを構成するレンズ枚数を低減して小型化を図ることができる。
【0126】
また、本実施の形態1によれば、色補正処理部215eが入射領域を撮像部201の受光面の他の領域よりも色ずれを補正する強度を高くする。これにより、光学系301のピントが合った画像内の領域とそれ以外の領域とで画質の差をつけることができ、より印象的な画像を撮影することができる。さらに、色補正処理部215eは、光学系301のピントが合わない領域に対して色収差を悪化させるような補正を行うようにしてもよい。
【0127】
(実施の形態2)
つぎに、本発明の実施の形態2について説明する。本発明の実施の形態2にかかる撮像装置は、上述した実施の形態1にかかる撮像装置1と同様の構成を有し、チルトレンズ表示補正処理のみ異なる。このため、本実施の形態2では、チルトレンズ表示補正処理のみ説明する。なお、図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付している。
【0128】
図23は、チルトレンズ表示補正処理の概要を示すフローチャートである。以下、レンズ部3Gがチルトレンズ(上述したレンズ部3)である場合の処理を示すステップS301〜S317では、レンズ部3Gをレンズ部3と記載する。
【0129】
図23に示すように、制御部215は、第1通信部207およびレンズ通信部307を介して、傾き検出部304が検出した光学系301の光軸の初期位置からの角度や方向を含む傾き情報を取得する(ステップS301)。
【0130】
続いて、状態判定部215cは、制御部215が取得した傾き情報に基づいて、レンズ部3の傾き操作が行われたか否かを判断する(ステップS302)。レンズ部3の傾き操作が行われている場合(ステップS302:Yes)、撮像装置1は後述するステップS303へ移行する。一方、レンズ部3の傾き操作が行われていない場合(ステップS302:No)、撮像装置1は後述するステップS315へ移行する。
【0131】
ステップS302において、レンズ部3の傾き操作が行われている場合(ステップS302:Yes)について説明する。この場合、領域算出部215dは、制御部215が取得した傾き情報に基づいて、レンズ部3の光軸が撮像部201の受光面と交わる位置からこの位置の近傍までを含む撮像部201の受光面上における光線の入射領域を算出する(ステップS303)。
【0132】
続いて、撮像装置1がマニュアルモードに設定されている場合(ステップS304:Yes)、色補正処理部215eは、入射領域において緑色の合焦領域を、色ずれを補正する対象領域として設定し(ステップS305)、対象領域における各色の色ずれを補正する(ステップS306)。
【0133】
その後、所定時間内(たとえば5秒内)にフォーカス補助操作が行われた場合(ステップS307:Yes)、色補正処理部215eは、各色の色ずれを補正した対象領域における彩度を補正する(ステップS308)。具体的には、図24に示すように、色補正処理部215eは、各色の色ずれを補正した対象領域(図24(a)→図24(b))に対し、対象領域の各色(C,C,C)の彩度を低下させる彩度変換処理を行うことによって対象領域の各色を灰色CAにする処理を行う(図24(c))。
【0134】
続いて、表示制御部215hは、色補正処理部215eが彩度変換処理を行った対象領域に対応する合焦領域を、表示部210が表示するライブビュー画像内に表示させる(ステップS309)。具体的には、図25に示すように、表示制御部215hは、表示部210が表示するライブビュー画像W23内の合焦領域k3を灰色で表示部210に表示させる。これにより、ユーザは、表示部210が表示するライブビュー画像を見ながらレンズ部3の合焦領域をより直感的に把握することができる。ステップS309の後、撮像装置1は図14に示したメインルーチンに戻る。
【0135】
ステップS307において、所定時間内にフォーカス補助操作が行われない場合(ステップS307:No)、撮像装置1は図14に示したメインルーチンに戻る。
【0136】
つぎに、ステップS304において、撮像装置1がマニュアルモードに設定されてない場合(ステップS304:No)において、撮像装置1がオートフォーカスモードに設定されているとき(ステップS310:Yes)について説明する。このとき、色補正処理部215eは、入射領域において緑色の合焦領域を、色ずれを補正する対象領域として設定し(ステップS311)、対象領域における各色の色ずれを補正する(ステップS312)。
【0137】
続いて、ファーストレリーズ信号が入力された場合(ステップS313:Yes)、AF制御部215fは、色補正処理部215eが設定した対象領域における緑色の合焦領域でAF処理を実行し(ステップS314)、撮像装置1はステップS307へ移行する。
【0138】
ステップS313において、ファーストレリーズ信号が入力されていない場合(ステップS313:No)、撮像装置1はステップS307へ移行する。
【0139】
ステップS310において、撮像装置1がオートフォーカスモードに設定されていない場合(ステップS310:No)について説明する。この場合、撮像装置1は図14に示したメインルーチンに戻る。
【0140】
つぎに、ステップS302において、レンズ部3の傾き操作が行われていない場合(ステップS302:No)について説明する。この場合、制御部215は、所定時間内(たとえば5秒以内)フォーカス補助操作が行われたか否かを判断する(ステップS315)。フォーカス補助操作が行われた場合(ステップS315:Yes)、撮像装置1は後述するステップS316へ移行する。一方、所定時間内にフォーカス補助操作が行われない場合(ステップS315:No)、撮像装置1は図14に示したメインルーチンに戻る。
【0141】
ステップS316において、色補正処理部215eは、ライブビュー画像の画面中央領域における彩度を補正する。具体的には、色補正処理部215eは、ライブビュー画像の画面中央領域における彩度を低下させる彩度変換処理を行うことによって、画面中央領域を灰色にする処理を行う。
【0142】
続いて、表示制御部215hは、色補正処理部215eが彩度変換処理を行った画面中央領域を表示部210が表示するライブビュー画像内に表示させる(ステップS317)。具体的には、図26に示すように、表示制御部215hは、表示部210が表示するライブビュー画像W24内の画面中央領域k4を灰色で表示部210に表示させる。ステップS317の後、撮像装置1は図14に示したメインルーチンに戻る。
【0143】
以上説明した本実施の形態2によれば、上述した実施の形態1と同様の効果を奏する。さらに、色補正処理部215eが光学系301の光軸が傾斜している場合、常に入射領域における各色のずれを補正する。これにより、ユーザは、フォーカス補助操作を行うことなく、表示部210が表示するライブビュー画像を見ながら光学系301の合焦領域を直感的に把握することができる。
【0144】
(その他の実施の形態)
図27は、レンズ部の別な構成例の要部を示す図である。図27に示すように、レンズ部6は、レンズ群301aおよび絞り機構301dを保持する第1枠61と、第1枠61を保持する第2枠62と、中心点O1を回転中心として第2枠62を全方位で揺動可能に保持する第3枠63と、第3枠63を前後方向に移動可能に保持する第4枠64とを有する。また、第3枠63の内側には、傾き検出部304が設けられ、第4枠64の内側には、位置検出部303が設けられる。
【0145】
このように構成されたレンズ部6の操作方法について説明する。図28は、レンズ部6の動作を模式的に説明する図である。
【0146】
図28に示すように、ユーザによるレンズ操作部306の操作量に応じて第1枠61および第2枠62を前後方向に移動させることにより(図28(a))、レンズ部6のピントを調整する。その後、ユーザがレンズ部6のレンズ操作部306を操作し、第1枠61および第2枠62を所定の角度に傾斜させる(図86(b))。
【0147】
このように構成されたレンズ部6を用いることにより、撮像部201の受光面と直交する方向に対する光学系301の光軸の向きを変更することができ、上述した実施の形態と同様の効果を奏する。
【0148】
図29は、レンズ部のさらに別な構成例と、このレンズ部を装着した撮像装置1の被写体に面する側(前面側)の構成を示す斜視図である。図29に示すように、レンズ部7は、光学系701と、光学系701を保持する光学系保持部702と、光学系保持部702を基端部に対して前後方向に進退可能に保持するとともに全方位に揺動可能に連結する蛇腹状の連結部703とを備える。以上の構成を有するレンズ部7を適用する場合、ユーザは、光学系保持部702を把持して所望の方向に光学系701を向けた状態で固定することによって視野を決定するとともにピント合わせを行うことができる。なお、レンズ部7に連結部703の連結状態を固定する固定機構をさらに設けることも可能である。
【0149】
このように構成されたレンズ部7を用いることにより、撮像部201の受光面と直交する方向に対して光学系301の光軸を変更することができ、上述した実施の形態と同様の効果を奏する。
【0150】
また、上述した実施の形態では、レンズ記憶部308の収差情報記憶部308aがレンズ部3の色収差に関する情報を記憶していたが、本体部2の記憶部212に記憶させてもよい。さらに、制御部215がネットワークを介してレンズ部3の色収差に関する情報を取得し、この取得した情報を記憶部212に記憶させるようにしてもよい。
【0151】
また、上述した実施の形態では、撮像装置1をデジタル一眼レフカメラとして説明していたが、たとえばレンズ部3と本体部2とが一体に形成されたデジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、カメラ付き携帯電話、パーソナルコンピュータ、携帯型電子タブレットおよびデジタルフォトフレーム等の撮影機能と表示機能とを備えた各種電子機器に適用することができる。
【符号の説明】
【0152】
1 撮像装置
2 本体部
3,6,7 レンズ部
4 アクセサリ
31,61 第1枠
32,62 第2枠
33,63 第3枠
64 第4枠
201 撮像部
202 撮像駆動部
203 信号処理部
204 フラッシュ発光部
205 姿勢検出部
206 タイマー
207 第1通信部
208 第2通信部
209 操作入力部
209a 電源スイッチ
209b レリーズスイッチ
209c 撮影モード切換スイッチ
209d 操作スイッチ
209e メニュースイッチ
209f 表示切換スイッチ
210 表示部
211 タッチパネル
212 記憶部
213 電源部
214 電源供給部
215 制御部
215a 画像処理部
215b 顔検出部
215c 状態判定部
215e 色補正処理部
215f AF制御部
215g 撮影制御部
215h 表示制御部
301,701 光学系
301a レンズ群
301b ピント機構
301c 傾き機構
301d 絞り機構
302 レンズ駆動部
303 位置検出部
304 傾き検出部
305 絞り駆動部
306 レンズ操作部
307 レンズ通信部
308 レンズ記憶部
308a 収差情報記憶部
309 レンズ制御部
401 アクセサリ通信部
702 光学系保持部
703 連結部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数のレンズからなるレンズ群を有する光学系と、前記光学系によって集光された光を受光して光電変換を行うことによって電子的な画像データを生成する撮像部とを備え、前記光学系の光軸を変位させることが可能な撮像装置であって、
前記撮像部が生成した前記画像データに対応する画像を表示する表示部と、
前記光軸が前記撮像部の受光面と直交する位置を基準位置として、該基準位置からの変位量を検出する変位量検出部と、
前記変位量検出部の検出結果に基づいて、前記光軸が前記受光面と交わる位置から該位置の近傍までを含む前記受光面上における光線の入射領域を算出する領域算出部と、
前記領域算出部が算出した前記入射領域に対応する前記画像内の領域を、前記画像内において識別可能な視覚情報で前記表示部に表示させる表示制御部と、
を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記視覚情報は、色空間を構成する変数であることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記色空間を構成する変数は、原色系の特定成分、補色系の特定成分、色相、彩度、明度のいずれかであることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記視覚情報は、矩形状の枠であることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記表示制御部が行う前記視覚情報の変更を指示する指示信号の入力を受け付ける入力部をさらに備え、
前記表示制御部は、前記入力部によって入力される前記指示信号に応じて前記視覚情報を変更することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の撮像装置。
【請求項6】
当該撮像装置は、前記撮像部のピントを手動で調整するマニュアルモードと前記撮像部のピントを自動で調整するオートフォーカスモードとを設定可能であり、
前記入力部は、前記マニュアルモードまたは前記オートフォーカスモードを当該撮像装置に設定する指示信号の入力を受け付ける撮影モード切換スイッチを有し、
前記表示制御部は、当該撮影装置が前記マニュアルモードに設定された場合、前記入射領域に対応する前記画像の領域を、前記画像内において識別可能な視覚情報で前記表示部に表示させる一方、当該撮像装置が前記オートフォーカスモードに設定された場合、前記入射領域に対応する領域を、矩形状の枠で前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の撮像装置。
【請求項7】
1または複数のレンズからなるレンズ群を有する光学系と、前記光学系によって集光された光を受光して光電変換を行うことによって電子的な画像データを生成する撮像部とを備え、前記光学系の光軸を変位させることが可能な撮像装置であって、
前記光軸が前記撮像部の受光面と直交する位置を基準位置として、該基準位置からの変位量を検出する変位量検出部と、
前記変位量検出部の検出結果に基づいて、前記光軸が前記受光面と交わる位置から該位置の近傍までを含む前記受光面上における光線の入射領域を算出する領域算出部と、
前記領域算出部が算出した前記入射領域における色ずれを補正する色補正処理部と、
を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項8】
前記色補正処理部は、前記変位量検出部が検出した前記変位量に応じて、前記入射領域における前記受光面の各画素の色に対応する画像を、前記光軸が変位している方向に移動させる補正を行うことを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記色補正処理部は、前記入射領域を前記受光面における他の領域よりも色ずれを補正する強度を高めることを特徴とする請求項7または8に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記光学系の特性を示すレンズ特性情報を記憶するレンズ情報記憶部をさらに備え、
前記色補正処理部は、前記レンズ特性情報を参照して、前記色ずれを補正することを特徴とする請求項7〜9のいずれか一つに記載の撮像装置。
【請求項11】
前記領域算出部が算出した前記入射領域を合焦領域とし、該合焦領域内であって前記受光面の中心に向かう方向と異なる方向のコントラストまたは位相差に基づいて、前記光学系のピントを調整する焦点制御部をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載の撮像装置。
【請求項12】
前記レンズ群を前記光軸上に沿って移動させるレンズ駆動部をさらに備え、
前記焦点制御部は、前記コントラストが最大になるように前記レンズ駆動部を駆動することを特徴とする請求項11に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記焦点制御部は、前記撮像部の受光面における所定の色に対応するコントラストに基づいて、前記光学系のピントを調整することを特徴とする請求項12に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記光学系は、当該撮像装置に着脱自在であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一つに記載の撮像装置。
【請求項15】
1または複数のレンズからなるレンズ群を有する光学系と、前記光学系によって集光された光を受光して光電変換を行うことによって電子的な画像データを生成する撮像部とを備え、前記光学系の光軸を変位させることが可能な撮像装置が行う撮像方法であって、
前記撮像部が生成した前記画像データに対応する画像を表示する表示工程と、
前記光軸が前記撮像部の受光面と直交する位置を基準位置として、該基準位置からの変位量を検出する変位量検出工程と、
前記変位量検出工程の検出結果に基づいて、前記光軸が前記受光面と交わる位置から該位置の近傍までを含む前記受光面上における光線の入射領域を算出する領域算出工程と、
前記領域算出工程が算出した前記入射領域に対応する前記画像内の領域を、前記画像内において識別可能な視覚情報で前記表示部に表示させる表示制御工程と、
を含むことを特徴とする撮像方法。
【請求項16】
1または複数のレンズからなるレンズ群を有する光学系と、前記光学系によって集光された光を受光して光電変換を行うことによって電子的な画像データを生成する撮像部とを備え、前記光学系の光軸を変位させることが可能な撮像装置が行う撮像方法であって、
前記光軸が前記撮像部の受光面と直交する位置を基準位置として、該基準位置からの変位量を検出する変位量検出工程と、
前記変位量検出工程の検出結果に基づいて、前記光軸が前記受光面と交わる位置から該位置の近傍までを含む前記受光面上における光線の入射領域を算出する領域算出工程と、
前記領域算出工程が算出した前記入射領域に対応する前記受光面の領域における色ずれを補正する色補正処理部と、
を含むことを特徴とする撮像方法。
【請求項17】
前記領域算出工程が算出した前記入射領域を合焦領域とし、該合焦領域内であって前記受光面の中心に向かう方向と異なる方向のコントラストまたは位相差に基づいて、前記光学系のピントを調整する焦点制御工程をさらに含むことを特徴とする請求項15または16に記載の撮像方法。
【請求項18】
1または複数のレンズからなるレンズ群を有する光学系と、前記光学系によって集光された光を受光して光電変換を行うことによって電子的な画像データを生成する撮像部とを備え、前記光学系の光軸を変位させることが可能な撮像装置に実行させる撮像プログラムであって、
前記撮像部が生成した前記画像データに対応する画像を表示する表示ステップと、
前記光軸が前記撮像部の受光面と直交する位置を基準位置として、該基準位置からの変位量を検出する変位量検出ステップと、
前記変位量検出ステップの検出結果に基づいて、前記光軸が前記受光面と交わる位置から該位置の近傍までを含む前記受光面上における光線の入射領域を算出する領域算出ステップと、
前記領域算出ステップが算出した前記入射領域に対応する前記画像内の領域を、前記画像内において識別可能な視覚情報で前記表示部に表示させる表示制御ステップと、
を実行させることを特徴とする撮像プログラム。
【請求項19】
1または複数のレンズからなるレンズ群を有する光学系と、前記光学系によって集光された光を受光して光電変換を行うことによって電子的な画像データを生成する撮像部とを備え、前記光学系の光軸を変位させることが可能な撮像装置に実行させる撮像プログラムであって、
前記光軸が前記撮像部の受光面と直交する位置を基準位置として、該基準位置からの変位量を検出する変位量検出ステップと、
前記変位量検出ステップの検出結果に基づいて、前記光軸が前記受光面と交わる位置から該位置の近傍までを含む前記受光面上における光線の入射領域を算出する領域算出ステップと、
前記領域算出ステップが算出した前記入射領域に対応する前記受光面の領域における色ずれを補正する色補正処理部と、
を実行させることを特徴とする撮像プログラム。
【請求項20】
前記領域算出ステップが算出した前記入射領域を合焦領域とし、該合焦領域内であって前記受光面の中心に向かう方向と異なる方向のコントラストまたは位相差に基づいて、前記光学系のピントを調整する焦点制御ステップをさらに実行させることを特徴とする請求項18または19に記載の撮像プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2012−199834(P2012−199834A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−63371(P2011−63371)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】