説明

撮像装置、撮像方法及びプログラム

【課題】同じような表情やシーンの画像を余剰に撮影することを防止するとともに、被写体の様々な表情を簡単に撮影できるようにする。
【解決手段】顔検出部104は、撮像系102によって撮像された被写体の顔を検出し、表情検出部105は、前記検出された顔の表情に関する評価値を算出する。そして、メモリ108には過去の評価値が記憶されており、自動撮影制御部106は、前記算出された評価値が閾値よりも大きく、なおかつメモリ108に記憶された過去の評価値のうち、現在の評価値と最も近い評価値と、前記現在の評価値との差が所定値以上である場合に、撮影を指示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は撮像装置、撮像方法及びプログラムに関し、特に、オートシャッター撮影技術に用いて好適な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、顔検出機能を備えたデジタルカメラにおいて、被写体の表情を判別して自働的に撮影を行う技術が知られている。その中でも代表的な技術としては、笑顔検出機能によるオートシャッター撮影技術が知られている。
【0003】
この笑顔検出機能によるオートシャッター撮影技術では、まず、表示装置に表示されている画像から顔検出機能によって被写体の顔を検出する。次に、検出された顔に対し、笑顔判別機能によって笑顔の評価値を算出する。笑顔を判別する方法としては、パターンマッチングによって代表的な笑顔画像との相関をとる方法や、顔に含まれるエッジのベクトル解析による笑顔判別アルゴリズムなどが知られている。次に、時系列に算出された笑顔の評価値を解析し、被写体の最も良い笑顔を撮影するのに最適なタイミングを撮像部へ指示する。そして、撮像部は画像の撮影を行い、撮影画像をメモリに記録する。
【0004】
このように撮影を指示する技術として、例えば特許文献1には、笑顔の評価値と予め決められた笑顔の閾値とを比較し、閾値を超えた場合に撮影を指示する方法が開示されている。また、特許文献2には、より最適な笑顔の撮影タイミングを判別する方法として、笑顔の評価値の推移から撮影に最適なタイミングを推測して求める方法が開示されている。さらに、他の技術としては、撮影時に複数枚の静止画を連写撮影することによって失敗を防ぐ方法などが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−42319号公報
【特許文献2】特許第4240108号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】「固有空間法を用いた濃淡画像からの顔の向きの推定法」信学技法IE97-40P111〜
【非特許文献2】「濃淡画像マッチングによるロバストな正面顔の識別法」電子情報通信学会論文誌'93/7Vol.J76-D-2 No.7 P1363〜
【非特許文献3】「コンピュータによる顔の認識の研究動向」電子情報通信学会誌'93 Vol80 No.3 P257〜
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の特許文献1に記載の従来技術では、被写体の笑顔の評価値が所定の閾値を超えた場合に常に撮影を行う。また、特許文献2に記載の従来技術では、最適な笑顔の撮影タイミングを検出する度に撮影を行う。このため、被写体が同じような表情で笑い続けていると、同じような笑顔画像を余剰に撮影してしまうという課題がある。
【0008】
本発明は前述の問題点に鑑み、同じような表情やシーンの画像を余剰に撮影することを防止するとともに、被写体の様々な表情を簡単に撮影できるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の撮像装置は、被写体を撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された被写体の顔を検出する顔検出手段と、前記顔検出手段によって検出された顔の表情に関する評価値を算出する評価値算出手段と、前記評価値算出手段により算出された評価値に基づいて、撮影を指示する撮像制御手段と、前記評価値算出手段によって算出された過去の評価値を記憶する記憶手段とを備え、前記撮像制御手段は、前記記憶手段に記憶された過去の評価値のうち、前記評価値算出手段により算出された現在の評価値と最も近い評価値と、前記現在の評価値との差が所定値以上である場合に、撮影を指示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、既に撮影済みの画像と似たような表情やシーンの画像を余剰に撮影してしまうことを防ぎ、ユーザの取得したい表情の顔を過不足なく撮影できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態に係るデジタルカメラの構成例を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態における撮影指示の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】撮影可能な表情評価値及び表情評価閾値の一例を示す図である。
【図4】人物ごとの撮影可能な表情評価値の一例を示す図である。
【図5】第3の実施形態における撮影指示の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】類似度を構成する評価値の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施形態)
以下、本発明の好ましい第1の実施形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係るデジタルカメラ100の構成例を示すブロック図である。本実施形態に係るデジタルカメラ100には、表情判別による自動撮影機能が搭載されている。
【0013】
図1において、撮像系102は、光学系101によって結像された光をデジタル電気信号へ変換する。画像処理回路103は、この変換されたデジタル電気信号を画像データへ変換する。撮像制御部107は、撮像素子の動作制御、AE(Auto Exposure)に関わるシャッターや絞りなどのメカ制御、およびAF(Auto Focus)に関わるレンズ位置制御など、撮像系102による撮像シーケンスの制御を行う。
【0014】
顔検出部104は、画像処理回路103によって変換された画像データに対して顔検出を行う。表情検出部105は評価値算出手段として機能し、顔検出部104によって検出された各々の顔画像に対して表情評価値Fを算出する。本実施形態では、表情検出の一例として、被写体の笑った瞬間を検出する。笑顔を検出する方法としては、代表的な笑顔画像とのマッチングを行う手法や、顔のエッジ成分のベクトル解析を行う手法など一般的な手法を用いる。
【0015】
自動撮影制御部106は、メモリ108に保持されている表情判定閾値F_Th、過去に撮影された画像の表情評価値P(i)(i=1、2、・・・、n)及びタイムスタンプ情報を元に撮影条件を適応的に更新する。また、自動撮影制御部106は、表情検出部105により算出された表情評価値Fが所定の条件を満たした場合に、撮像制御部107に対して撮影を指示する。そして、その時の表情評価値Fを最新の撮影済み表情評価値P(n)としてメモリ108に保存する。
【0016】
ここで、メモリ108に保存できる過去の撮影情報は最大でN回分(Nは任意)とし、常に新しい情報をメモリ108に保存してN回分の撮影情報が保存されている場合には、最も古い情報から削除するものとする。また、過去の撮影情報とは、デジタルカメラ100が表情検出による自動撮影モードに移行してから、同モードを抜けるまでの期間に保存された情報としてもよく、デジタルカメラ100の電源が投入された直後から電源が切れるまでの期間としてもよい。
【0017】
次に、自動撮影制御部106の撮影判定アルゴリズムについて図2を参照しながら詳細に説明する。図2は、本実施形態において、自動撮影制御部106による撮影指示の処理手順の一例を示すフローチャートである。
まず、表情検出部105により算出された入力画像の表情評価値Fが自動撮影制御部106に入力されると処理を開始する。そして、S201において、メモリ108より過去に撮影した時の表情評価値P(i)、過去の撮影タイムスタンプtm(i)、及び予め定められた表情判定閾値F_Thを取得する。
【0018】
次に、S202において、表情判定閾値F_Thと入力画像の表情評価値Fとを比較する。この比較の結果、表情評価値Fが表情判定閾値F_Th以下である場合は、撮影の指示を行わず、処理を終了する。一方、S202の比較の結果、入力表情評価値Fが表情判定閾値F_Thを上回る場合は、次のS203に進む。
【0019】
次に、S203において、過去に撮影した画像の最新のタイムスタンプtm(n)を参照し、前回の撮影から充分な時間が経過しているか否かを判定する。この判定の結果、充分な時間が経過している場合は、シーンが変動している可能性が高いと判断し、S205において、撮像制御部107に対して撮影を指示する。このとき、メモリ108に最新の表情評価値Fを保存する。一方、S203の判定の結果、充分な時間が経過していない場合は、同じような画像を複数枚撮影してしまう可能性があるため、S204に進む。
【0020】
次に、S204において、過去の表情評価値P(i)に基づいて撮影判定を行う。撮影判定では、図3(A)に示すように表情評価値P(i)を中心とした周辺区間[P(i)−α,P(i)+α]を撮影不可領域とする。この撮影判定の結果、入力画像の表情評価値Fがこの領域に存在する場合は、似たような表情が映った画像だと判断し、撮影の指示を行わず、処理を終了する。
【0021】
一方、S204の撮影判定の結果、表情評価値Fが上記に示した区間に存在しない場合は、撮影すべき表情だと判定し、S205において、自動撮影制御部106は撮像制御部107に対して撮影を指示するとともに、メモリ108に最新の表情評価値Fを保存する。
【0022】
なお、S204の判定では、過去の撮影評価値の最大値P_max=MAX[P(1)、P(2)、P(3)、・・・]より表情評価値Fが所定値以上大きい場合(F>P_max)にのみ撮影を行うようにしてもよい。また、S202の判定では、図3(B)に示すように、過去の撮影回数に応じて表情判別閾値F_Thを徐々に大きくし、似たようなレベルの表情を撮影する頻度を落とすようにしてよい。
【0023】
以上のように本実施形態によれば、過去に撮影された顔の表情に基づいて撮影対象を絞りこむことができ、同じような表情の画像を連続で撮影して記録することを防ぐことができる。
【0024】
(第2の実施形態)
以下、図1、図2及び図4を参照しながら、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態に係るデジタルカメラの構成は図1と同様であるため説明は省略する。
【0025】
次に、本実施形態に係る撮影判定アルゴリズムについて図3及び図4を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態の処理手順は基本的には図2と同様の流れであるため、異なる点を中心に説明する。
まず、顔検出部104は、個人認証技術に代表される人物特定アルゴリズムを用いて、画像中に含まれる顔画像を分類する。例えば、図4(A)に示すように、画像中の人物を分類し、それぞれIDを割りあてる。ここで個人認証技術では、入力された顔画像と、登録されている顔画像又は過去に撮影した顔画像との類似度を算出する。なお、これらの登録されている顔画像又は過去に撮影した顔画像は、メモリ108に保持されているものとする。類似度を算出する方法としては、入力された顔画像の大きさ、角度、輝度などを正規化した後、フーリエスペクトルのKL展開法を用いて算出する方法を用いる。また、パターンマッチングによる方法や、抽出した顔画像を正規化してブロック化し、その輝度間の距離を求める手法などを用いてもよい。これらの手法に関する詳細については、例えば非特許文献1〜3に開示されている。
【0026】
以上のようにすべての顔に対して、表情検出部105により表情評価値Fxが算出され、この算出された表情評価値Fxが自動撮影制御部106に入力されると、図2に示す撮影判定処理を開始する。なお、xはIDを示している。そして、S201において、自動撮影制御部106は、メモリ108より、個人認証によって分類された個人ごとの過去に撮影した表情評価値P(ix)、過去の撮影タイムスタンプtm(ix)、及び予め定められた表情判定閾値F_Thを取得する。
【0027】
次に、S202においては、表情判定閾値F_Thと入力画像に含まれるすべての顔の表情評価値Fxとを比較する。この比較の結果、入力画像中に含まれるすべての顔の表情評価値Fxが表情判定閾値F_Th以下である場合は撮影の指示を行わず、処理を終了する。
【0028】
一方、S202の比較の結果、少なくとも1つの顔の表情評価値Fxが表情判定閾値F_Thを上回る場合は、S203において、過去に撮影した画像の最新のタイムスタンプtm(nx)を参照し、前回の撮影よりも充分な時間が経過しているか否かを判定する。この判定の結果、充分な時間が経過している場合は、シーンが変動している可能性が高いと判断し、S205へ進み、撮影を指示する。このとき、メモリ108に最新の表情評価値Fを保存する。
【0029】
例えば、ID1の人物の表情評価値F1が表情判定閾値F_Thを上回った場合に、過去にID1の人物をトリガとして撮影した画像の最新のタイムスタンプtm(n1)と現在の時刻とを比べて充分な時間が経過している場合は撮影を指示する。一方、S203の判定の結果、充分な時間が経過していない場合は、同じような画像を複数枚撮影してしまう可能性が高いため、S204に進む。なお、判定の対象となるのは、表情評価値Fxが表情判定閾値F_Thを上回る顔のみであり、表情評価値Fxが表情判定閾値F_Th以下で充分な時間が経過した顔が存在する場合であっても、判定には考慮されない。
【0030】
次に、S204において、過去の表情評価値P(ix)に基づいて撮影判定を行う。撮影判定は、第1の実施形態と同様に、図3(A)に示すような撮影不可領域に、表情評価値Fxが存在するか否かを判定する。この撮影判定の結果、表情評価値Fxがこの領域に存在する場合は、撮影の指示は行わず、処理を終了する。一方、S204の判定の結果、表情評価値Fxが上記に示した区間に存在しない場合は、S205において、自動撮影制御部106は撮像制御部107に対して撮影を指示するとともに、メモリ108に最新の表情評価値Fxを保存する。なお、第1の実施形態と同様に、過去の撮影評価値の最大値P_maxより表情評価値Fが所定値以上大きい場合(F>P_max)にのみ撮影を行うようにしてもよい。
【0031】
また、上記撮影判定はID別に行う。例えば、図4(B)に示すように、ID1の人物に関する過去の表情評価値がP(1)=180、P(2)=220、n1=2、α=15であるものとする。また、ID3の人物に関する過去の表情評価値が存在せず、n3=0であるものとする。この場合、ID1の人物の表情評価値がF1=210であっても、図4(B)に示す斜線で示した撮影不可領域に属する。ところが、ID1の人物とID3の人物とで表情評価値が同じだった場合に、ID3の人物に関してはF3=210近辺で過去に撮影されたことがないので、撮影可能領域となる。したがって、このように少なくとも1人が撮影可能領域である場合には、S205に進む。
【0032】
以上のように本実施形態によれば、過去に撮影された人物ごとの顔の表情に基づいて撮影対象を絞りこむことができ、同じような表情の画像を連続で撮影して記録することを防ぐことができる。
【0033】
(第3の実施形態)
以下、図1、図5及び図6を参照しながら、本発明の第3の実施形態について説明する。第1及び第2の実施形態では、人物の表情の変化に基づいて撮影制御を行ったが、本実施形態では、画像全体の類似度に基づいて撮影制御を行う。なお、本実施形態に係るデジタルカメラの構成は図1とほぼ同様であるため、異なる点についてのみ説明する。
【0034】
自動撮影制御部106は、メモリ108に保持されている表情判定閾値F_Th、及び過去に撮影された画像と入力画像との間の類似度に基づいて撮影を行うべきシーンかどうかを判定する。そして、類似度が低い入力画像である場合は、撮像制御部107に対して撮影を指示する。なお、メモリ108には、類似度を求めるために必要な情報として、過去の撮影画像、その縮小画像、もしくは過去の撮影時のAFの撮影制御値(距離情報)や、AEの撮影制御値(露出情報)などのログのうち、少なくとも1つ以上の情報が保存されている。
【0035】
次に、自動撮影制御部106の撮影判定アルゴリズムについて図5を参照しながら詳細に説明する。図5は、本実施形態において、自動撮影制御部106及び顔検出部104による撮影指示の処理手順の一例を示すフローチャートである。
まず、表情検出部105により算出された入力画像の表情評価値Fが自動撮影制御部106に入力されると処理を開始する。そして、S501において、自動撮影制御部106は、メモリ108から表情判定閾値F_Thを読み出し、表情判定閾値F_Thと入力画像の表情評価値Fとを比較する。この比較の結果、表情評価値Fが表情判定閾値F_Th以下である場合は、撮影の指示は行わず、処理を終了する。一方、S501の比較の結果、表情評価値Fが表情判定閾値F_Thを上回る場合は、次のS502に進む。
【0036】
次に、S502において、顔検出部104は、メモリ108に保持されている過去の撮影画像に含まれている顔であり、過去n回の撮影においてその撮影のトリガとなった顔を参照し、前述した個人認証技術による被写体の照合を行う。この照合の結果、入力画像に含まれる顔が、過去に撮影のトリガとなったどの顔とも異なる場合は、S505に進む。
【0037】
一方、S502の照合の結果、過去に撮影したことのある顔である場合は、S503に進む。そして、S503において、自動撮影制御部106は類似度算出手段として機能し、メモリ108に保持されている過去の撮影時の詳細な情報を用いて画像全体の類似度を算出する。ここで、類似度を構成する要素としては、以下の(1)〜(6)に示す評価値がある。
(1)撮影時のAF情報より算出される距離差(P1)
(2)撮影時のAE情報より算出される露出差(P2)
(3)撮影時の顔情報より算出される顔サイズ差(P3)
(4)過去の撮影画像中に含まれる顔の数と入力画像中に含まれる顔の数との差(P4)
(5)過去の撮影画像と入力画像の相関をとって算出される画像全体の相関値(P5)
(6)画像中に含まれる輝度又は色のヒストグラム分布の差(P6)
【0038】
類似度は(1)〜(6)のうち、少なくとも1つの条件を用いて算出され、それぞれの評価値P1〜P6に対する重み付け加算を行って算出される。図6は、前述した(1)〜(6)の条件から類似度を算出する概要の一例を示す図である。図6に示すように、過去の撮影画像Aと入力画像とのAF、AE、顔情報などの差分をそれぞれ評価値P1〜P4とし、画像相関値を評価値P5とし、さらにヒストグラムの差分の絶対値の総和を評価値P6とする。この場合、類似度Tは、例えば以下のような式によって求めることが可能である。
【0039】
【数1】

【0040】
ここで、w1〜w6はそれぞれ評価値P1〜P6に対する重みである。そして、次のS504において、算出された類似度Tが所定値以上であるか否かを判定する。この判定の結果、類似度Tが所定値よりも低い場合は、シーンの異なる被写体だと判断し、S505において、自動撮影制御部106は撮像制御部107に対して撮影を指示するとともに、メモリ108に最新の撮影条件及び撮影画像を保存する。一方、S504の判定の結果、類似度Tが所定値以上である場合は、入力画像は過去に撮影したシーンと類似したシーンであると判断し、撮影の指示を行わず、そのまま処理を終了する。
【0041】
以上のように本実施形態によれば、過去に撮影された画像とのシーンの変化に基づいて撮影対象を絞りこむことができ、同じようなシーンの画像を連続で撮影して記録することを防ぐことができる。
【0042】
(その他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0043】
102 撮像系
104 顔検出部
105 表情検出部
106 自動撮影制御部
107 撮影制御部
108 メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段によって撮像された被写体の顔を検出する顔検出手段と、
前記顔検出手段によって検出された顔の表情に関する評価値を算出する評価値算出手段と、
前記評価値算出手段により算出された評価値に基づいて、撮影を指示する撮像制御手段と、
前記評価値算出手段によって算出された過去の評価値を記憶する記憶手段とを備え、
前記撮像制御手段は、前記記憶手段に記憶された過去の評価値のうち、前記評価値算出手段により算出された現在の評価値と最も近い評価値と、前記現在の評価値との差が所定値以上である場合に、撮影を指示することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記撮像制御手段は、前記記憶手段に記憶された過去の評価値のうち、前記評価値算出手段により算出された現在の評価値と最も近い評価値と、前記現在の評価値との差が所定値以上であって、さらに前記現在の評価値が所定の値を超えた場合に撮影を指示することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記所定の値は、前記記憶手段に記憶された過去の評価値の数に応じて異なることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記顔検出手段によって検出された顔の人物を特定する特定手段をさらに備え、
前記評価値算出手段は、前記特定手段によって特定された人物ごとに前記評価値を算出し、
前記記憶手段は、前記評価値算出手段によって算出された過去の評価値を人物ごとに記憶しており、
前記撮像制御手段は、少なくとも1人の人物に対して、前記記憶手段に記憶された過去の評価値のうち、前記評価値算出手段により算出された現在の評価値と最も近い評価値と、前記現在の評価値との差が所定値以上である場合に撮影を指示することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記記憶手段は、電源が投入された直後から現在までの間、または前記撮像制御手段による撮影の指示を行うモードに移行してから現在までの間に前記評価値算出手段によって算出された評価値を記憶していることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記評価値算出手段は、前記顔検出手段によって検出された顔の笑顔に関する評価値を算出することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
被写体を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段によって撮像された被写体の顔を検出する顔検出手段と、
前記顔検出手段によって検出された顔の人物を特定する特定手段と、
過去に撮影した画像の撮影情報を記憶する記憶手段と、
前記特定手段によって特定された人物を含む画像の撮影情報が前記記憶手段に記憶されている場合に、前記特定された人物を含む画像の撮影情報に基づいて過去に撮影した画像との類似度を算出する類似度算出手段と、
前記類似度算出手段によって算出された類似度が所定の値よりも小さい場合に、撮影を指示する撮像制御手段とを備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項8】
前記顔検出手段によって検出された顔の表情に関する評価値を算出する評価値算出手段をさらに備え、
前記撮像制御手段は、前記類似度算出手段によって算出された類似度が所定の値よりも小さい場合であって、さらに前記評価値算出手段によって算出された評価値が所定の値を超えた場合に撮影を指示することを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記類似度算出手段は、距離情報、露出情報、画像に含まれる顔の顔情報、過去の画像との相関値、及び輝度又は色のヒストグラムの差分のうち、少なくとも1つの情報を用いて前記類似度を算出することを特徴とする請求項7又は8に記載の撮像装置。
【請求項10】
撮像手段によって撮像された被写体の顔を検出する顔検出工程と、
前記顔検出工程において検出された顔の表情に関する評価値を算出する評価値算出工程と、
前記評価値算出工程において算出された評価値に基づいて、撮影を指示する撮像制御工程とを備え、
前記撮像制御工程においては、前記評価値算出工程において算出された過去の評価値のうち、前記評価値算出工程において算出された現在の評価値と最も近い評価値と、前記現在の評価値との差が所定値以上である場合に、撮影を指示することを特徴とする撮像方法。
【請求項11】
撮像手段によって撮像された被写体の顔を検出する顔検出工程と、
前記顔検出工程において検出された顔の人物を特定する特定工程と、
前記特定工程において特定された人物を含む画像の撮影情報が過去に撮影した画像の撮影情報として記憶手段に記憶されている場合に、前記特定された人物を含む画像の撮影情報に基づいて過去に撮影した画像との類似度を算出する類似度算出工程と、
前記類似度算出工程において算出された類似度が所定の値よりも小さい場合に、撮影を指示する撮像制御工程とを備えることを特徴とする撮像方法。
【請求項12】
撮像手段によって撮像された被写体の顔を検出する顔検出工程と、
前記顔検出工程において検出された顔の表情に関する評価値を算出する評価値算出工程と、
前記評価値算出工程において算出された評価値に基づいて、撮影を指示する撮像制御工程とをコンピュータに実行させ、
前記撮像制御工程においては、前記評価値算出工程において算出された過去の評価値のうち、前記評価値算出工程において算出された現在の評価値と最も近い評価値と、前記現在の評価値との差が所定値以上である場合に、撮影を指示することを特徴とするプログラム。
【請求項13】
撮像手段によって撮像された被写体の顔を検出する顔検出工程と、
前記顔検出工程において検出された顔の人物を特定する特定工程と、
前記特定工程において特定された人物を含む画像の撮影情報が過去に撮影した画像の撮影情報として記憶手段に記憶されている場合に、前記特定された人物を含む画像の撮影情報に基づいて過去に撮影した画像との類似度を算出する類似度算出工程と、
前記類似度算出工程において算出された類似度が所定の値よりも小さい場合に、撮影を指示する撮像制御工程とをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−231327(P2012−231327A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−98640(P2011−98640)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】