撮像装置、画像処理方法、およびプログラム
【課題】1つの撮像部を用いた2枚の2次元画像の撮像によって好適な3次元画像を得る。
【解決手段】撮像装置は、シャッタボタン181の押下に基づき、左目用画像データ801を生成する。撮像装置は、左目用画像データ801とスルー画像データ820とを用いて立体画像データ830を生成する。撮像装置は、生成された立体画像データ830に基づく立体画像をディスプレイに表示させる。撮像装置は、立体画像がディスプレイに表示された状態でシャッタボタン181の押下が再度なされると、右目用画像データ802を生成する。撮像装置は、右目用画像データ802が生成されたことに基づき、左目用画像データ801と右目用画像データ802とを用いて立体画像データ803を生成する。撮像装置は、生成された立体画像データ803をフラッシュメモリ17に格納する。
【解決手段】撮像装置は、シャッタボタン181の押下に基づき、左目用画像データ801を生成する。撮像装置は、左目用画像データ801とスルー画像データ820とを用いて立体画像データ830を生成する。撮像装置は、生成された立体画像データ830に基づく立体画像をディスプレイに表示させる。撮像装置は、立体画像がディスプレイに表示された状態でシャッタボタン181の押下が再度なされると、右目用画像データ802を生成する。撮像装置は、右目用画像データ802が生成されたことに基づき、左目用画像データ801と右目用画像データ802とを用いて立体画像データ803を生成する。撮像装置は、生成された立体画像データ803をフラッシュメモリ17に格納する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置、画像処理方法、およびプログラムに関する。特に、本発明は、立体画像データを生成する撮像装置、当該撮像装置における画像処理方法、および当該撮像装置を制御するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮像により得られた左目用画像データと右目用画像データとに基づいて、立体画像を表示するための立体画像データを生成する撮像装置が知られている。特許文献1には、上記の撮像装置として、単眼識のデジタルカメラが開示されている。当該デジタルカメラは、立体撮影モードに設定されると、レリーズボタンを半押しされている間、一定時間間隔で連続して本撮影を行なう。ユーザは、立体撮影モードにおいて、レリーズボタンを半押しした状態でカメラをパンニングしながら被写体の撮影を行なう。デジタルカメラは、連写した画像から安定パンニング中に撮影され、かつ両眼視差に最も近い位置で撮影された2枚組みの画像の中から、最も滑らかにパンニングがされている2枚組みの画像を、最も立体視画像に適した2枚組みの画像として抽出する。さらに、デジタルカメラは、パンニング方向を検出し、最も立体視画像に適した2枚組みの画像のそれぞれを左目側画像と右目側画像に振り分けて記録する。
【0003】
特許文献2には、単眼識のデジタルビデオカメラが開示されている。当該デジタルビデオカメラは、1回目のシャッタボタン押下によって1枚目の静止画像を撮影した後、2枚目の静止画像の撮影を指示する2回目のシャッタボタン押下を待機している期間中、最新のプレビュー画像と1枚目の静止画像に基づく画像をブレンディング合成することで得た画像を、表示用画像として生成及び表示する。静止画像に基づく画像は、例えば、1枚目の静止画像から抽出した顔領域内の画像である。ユーザは、静止画像に基づく画像およびプレビュー画像内における同一の被写体が表示画面上で重なるようにカメラ操作を行ない、2回目のシャッタボタン押下を行なうことで、撮影範囲が互いに一致した第1および第2の静止画像を得る。
【0004】
特許文献3には、背景画像と前景画像とを合成する単眼識の撮像装置が開示されている。撮像装置は、背景画像における被写体画像を合成すべき合成領域を特定する。また、撮像装置は、当該特定された被写体画像を合成すべき合成領域に基づいて、当該被写体画像及び背景画像の少なくとも一方に所定の画像処理を施す。さらに、撮像装置は、所定の画像処理が施された被写体画像と背景画像とを合成して被写体合成画像を生成する。
【0005】
特許文献4には、2眼式のデジタル立体カメラが開示されている。当該デジタル立体カメラは、被写体を撮影する複数の撮影手段と、複数の撮影手段により複数の視点から同一被写体を撮影した複数の画像からなる3次元画像を表示することが可能な表示手段と、表示手段に表示された画像に対して重畳して表示されるOSD情報の表示を制御するOSD制御手段とを備える。OSD制御手段は、表示手段に表示されたOSD情報の表示を、撮影手段のシャッタ操作に関連して消去する。
【0006】
また、従来、視差バリア方式を用いたディスプレイが知られている。撮像装置が視差バリア方式を用いたディスプレイを備えることにより、ユーザは裸眼で立体画像を視認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−103980号公報
【特許文献2】特開2010−263269号公報
【特許文献3】特開2011−77850号公報
【特許文献4】特開2011−24123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1のデジタルカメラでは、3枚以上の2次元画像を撮像により得る必要がある。また、特許文献2のデジタルビデオカメラおよび特許文献3の撮像装置では、3次元画像を生成および表示することはできない。さらに、特許文献4のデジタル立体カメラでは、立体画像を得るためには2つの撮像部による撮像が必要となる。
【0009】
本願発明は、上記の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、1つの撮像部(カメラ11)を用いた2枚の2次元画像の撮像によって好適な3次元画像を得ることが可能な撮像装置、当該撮像装置における画像処理方法、および当該撮像装置を制御するためのプログラムに関する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の或る局面に従うと、撮像装置は、視差バリア方式で立体画像を表示するための立体画像データを生成する。撮像装置は、プロセッサと、メモリと、被写体を撮像するための撮像素子と、ディスプレイとを備える。プロセッサは、シャッタボタンの押下またはディスプレイに表示されたオブジェクトの選択に基づく外部入力を受け付けたことに基づき、撮像素子を用いて左目用画像データおよび右目用画像データのうちの一方の画像データを生成する。プロセッサは、一方の画像データが生成されたことに基づき、当該一方の画像データと撮像素子による撮像により得られたスルー画像データとを用いて立体画像データを生成する。プロセッサは、生成された立体画像データに基づく立体画像をディスプレイに表示させる。プロセッサは、立体画像がディスプレイに表示された状態で外部入力を再度受け付けると、撮像素子を用いて左目用画像データおよび右目用画像データのうちの他方の画像データを生成する。プロセッサは、他方の画像データが生成されたことに基づき、一方の画像データと当該他方の画像データとを用いて立体画像データを生成する。プロセッサは、一方の画像データと他方の画像データとを用いて生成された立体画像データをメモリに格納する。
【0011】
好ましくは、撮像装置は、スルー画像データを生成するための電子シャッタと、左目用画像データおよび右目用画像データを生成するためのメカニカルシャッタとをさらに備える。プロセッサは、外部入力を受け付けたことに基づき、メカニカルシャッタを用いて、左目用画像データおよび右目用画像データのうちの一方の画像データを生成する。プロセッサは、一方の画像データが生成されたことに基づき、当該一方の画像データと電子シャッタを用いた撮像により得られたスルー画像データとを用いて立体画像データを生成する。プロセッサは、立体画像がディスプレイに表示された状態で外部入力を再度受け付けると、メカニカルシャッタを用いて、左目用画像データおよび右目用画像データのうちの他方の画像データを生成する。
【0012】
好ましくは、撮像装置は、撮像装置の姿勢の変化を検知するセンサをさらに備える。メモリは、姿勢の変化に関する閾値を予め格納している。プロセッサは、一方の画像データを生成したときを基準として姿勢の変化が閾値以上になった場合、再度の外部入力を受け付けても、他方の画像データを生成しない。
【0013】
好ましくは、プロセッサは、姿勢の変化に伴う撮像装置の光軸の振れ角が閾値以上になった場合、再度の外部入力を受け付けても、他方の画像データを生成しない。
【0014】
好ましくは、センサは、姿勢の変化として、鉛直軸と一方の画像データを生成したときの光軸とに垂直な軸を回転軸とした撮像装置の傾きを検知する。
【0015】
好ましくは、センサは、姿勢の変化として、鉛直軸を回転軸とした撮像装置の傾きを検知する。
【0016】
好ましくは、センサは、姿勢の変化として、撮像装置の光軸に平行な軸を回転軸とした撮像装置の傾きを検知する。
【0017】
好ましくは、プロセッサは、姿勢の変化が閾値以上となった場合には、姿勢の変化を閾値未満とするための案内表示をディスプレイに表示させる。
【0018】
本発明の他の局面に従うと、画像処理方法は、視差バリア方式で立体画像を表示するための立体画像データを生成する撮像装置において実行される。画像処理方法は、撮像装置が、シャッタボタンの押下またはディスプレイに表示されたオブジェクトの選択に基づく外部入力を受け付けたことに基づき、撮像素子を用いて左目用画像データおよび右目用画像データのうちの一方の画像データを生成するステップと、撮像装置が、一方の画像データが生成されたことに基づき、当該一方の画像データと撮像素子による撮像により得られたスルー画像データとを用いて立体画像データを生成するステップと、撮像装置が、生成された立体画像データに基づく立体画像をディスプレイに表示するステップと、撮像装置が、立体画像がディスプレイに表示された状態で外部入力を再度受け付けると、撮像素子を用いて左目用画像データおよび右目用画像データのうちの他方の画像データを生成するステップと、撮像装置が、他方の画像データが生成されたことに基づき、一方の画像データと当該他方の画像データとを用いて立体画像データを生成するステップと、撮像装置が、一方の画像データと他方の画像データとを用いて生成された立体画像データをメモリに格納するステップとを備える。
【0019】
本発明のさらに他の局面に従うと、プログラムは、視差バリア方式で立体画像を表示するための立体画像データを生成する撮像装置を制御するために用いられる。プログラムは、シャッタボタンの押下またはディスプレイに表示されたオブジェクトの選択に基づく外部入力を受け付けたことに基づき、撮像素子を用いて左目用画像データおよび右目用画像データのうちの一方の画像データを生成するステップと、一方の画像データが生成されたことに基づき、当該一方の画像データと撮像素子による撮像により得られたスルー画像データとを用いて立体画像データを生成するステップと、生成された立体画像データに基づく立体画像をディスプレイに表示するステップと、立体画像がディスプレイに表示された状態で外部入力を再度受け付けると、撮像素子を用いて左目用画像データおよび右目用画像データのうちの他方の画像データを生成するステップと、他方の画像データが生成されたことに基づき、一方の画像データと当該他方の画像データとを用いて立体画像データを生成するステップと、一方の画像データと他方の画像データとを用いて生成された立体画像データをメモリに格納するステップとを、撮像装置に実行させる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、1つの撮像部を用いた2枚の2次元画像の撮像によって、好適な3次元画像を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】携帯型電話機の外観を示した図である。
【図2】3D撮像モードにおいて被写体を横撮りで撮像したときに、携帯型電話機で行なわれるデータ処理の例を説明するための図である。
【図3】携帯型電話機のハードウェア構成を示した図である。
【図4】携帯型電話機のハードウェア構成の要部を示した図である。
【図5】携帯型電話機におけるデータ処理の一部の処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】携帯型電話機におけるデータ処理の残りの処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】携帯型電話機の姿勢の変化を説明するための図である。
【図8】携帯型電話機の傾きの閾値を表したデータテーブルを説明するための図である。
【図9】ディスプレイに表示される案内表示を説明するための図である。
【図10】第1の変形例における携帯型電話機におけるデータ処理の一部の処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】他の携帯型電話機の外観を示した図である。
【図12】図11の携帯型電話機のハードウェア構成の要部を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態に係る撮像装置について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0023】
撮像装置としては、デジタル一眼レフカメラ、コンパクトデジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、スマートフォンを含む携帯型電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等の電子機器が挙げられる。以下では、撮像装置としてカメラ付きの携帯型電話機を例に挙げて説明する。
【0024】
<A.携帯型電話機の外観>
図1は、携帯型電話機1の外観を示した図である。図1(a)は、携帯型電話機1の正面図である。図1(b)は、携帯型電話機1の裏面図である。図1(c)は、被写体を撮像するときの状態を表した図である。
【0025】
図1(a)を参照して、携帯型電話機1は、ディスプレイ20と、シャッタボタン181を含む操作ボタン18とを備える。なお、シャッタボタン181は、撮像を行なうモードでない場合には、撮像以外の処理の実行を指示するためのボタンとして機能してもよい。図1(b)を参照して、携帯型電話機1は、ディスプレイ20が設けられた表面とは反対側の表面に、撮像部としてのカメラ11と、ストロボ19とを備える。図1(c)を参照して、ユーザは、被写体を横撮りするために、携帯型電話機1を左手901と右手902とで保持している。
【0026】
携帯型電話機1は、3D画像(立体画像)を生成するための撮像モード(以下、「3D撮像モード」とも称する)と、2D画像を生成するための撮像モード(以下、「2D撮像モード」と称する)とを備える。なお、3D撮像モードと2D撮像モードとの間の切替処理は、ユーザの指示により行なわれる。携帯型電話機1は、3D撮像モードとして動作している場合、カメラ11により撮像された左目用画像と右目用画像とに基づき、観察者から立体的に見える3D画像を生成する。携帯型電話機1は、視差バリア方式により、3D画像をディスプレイ20に表示する。
【0027】
ところで、携帯型電話機1は、カメラを1つしか備えていない単眼式の撮像装置である。したがって、3D画像を得るためには、ユーザは以下の操作が必要となる。まず、ユーザは、カメラ11を用いた撮像により左目用画像を得る。その後、ユーザは、携帯型電話機1を矢印990の方向に移動させる。最後に、ユーザは、カメラ11を用いた撮像により右目用画像を得る。なお、撮像の詳細については後述する。
【0028】
また、携帯型電話機1は、スルー画像(プレビュー画像)をディスプレイ20に表示するためのライブビュー機能を備える。
【0029】
<B.携帯型電話機のデータ処理の概要>
図2は、3D撮像モードにおいて被写体を横撮りで撮像したときに、携帯型電話機1で行なわれるデータ処理の例を説明するための図である。
【0030】
図2(a)を参照して、ユーザによってシャッタボタン181が押下されると、携帯型電話機1は、カメラ11を用いた撮像より得られた左目用画像データ801を、後述する画像処理エンジン13内のRAM310(図4参照)に格納する。図2(b)を参照して、左目用画像データ801がRAM310に格納されると、携帯型電話機1は、カメラ11を用いた撮像によりスルー画像データ820を連続的に生成する。スルー画像データ820は、RAM310において上書き更新される。
【0031】
図2(c)を参照して、スルー画像データ820が生成されると、携帯型電話機1は、最初の撮像により得られた左目用画像データ801とスルー画像データ820とを用いて、3D画像データ830を生成する。3D画像データ830は、RAM310において上書き更新される。携帯型電話機1は、生成された3D画像データ830に基づく3D画像を、ディスプレイ20において表示する。つまり、携帯型電話機1は、先の撮像により得られた左目用画像データ801と、当該撮像後に得られたスルー画像データ820とを用いて、3D画像をディスプレイ20においてライブビュー表示する。
【0032】
ユーザは、携帯型電話機1を図1の矢印990の方向に移動しながら、ライブビュー表示された3D画像を確認する。たとえば、ユーザが携帯型電話機1を矢印990の方向に過度に移動させると、適切な3D画像が得られない。また、ユーザが携帯型電話機1を矢印以外の方向に移動させると、適切な3D画像が得られない。このため、ユーザは、右目用画像の撮像をどの位置で行なうかを、ライブビュー表示された3D画像を視認しながら決定する。ユーザが適切な3D画像が得られたと判断した場合、ユーザは、再度シャッタボタン181を押下する。
【0033】
図2(d)を参照して、ユーザが再度シャッタボタン181を押下すると、携帯型電話機1は、カメラ11を用いて右目用画像データを得るための撮像を行なう。携帯型電話機1は、当該撮像より得られた右目用画像データ802をRAM310に格納する。
【0034】
図2(e)を参照して、携帯型電話機1は、右目用画像データ802がRAM310に格納されると、右目用画像データ802と、RAM310に先に格納されていた左目用画像データ810とを用いて、3D画像データ803を生成する。携帯型電話機1は、生成した3D画像データをRAM310に格納する。
【0035】
図2(f)を参照して、携帯型電話機1は、左目用画像データ801と、右目用画像データ802と、3D画像データ803とを、画像処理エンジン13の外部に設けられたRAM(Random Access Memory)16(図3,図4参照)に転送する。
【0036】
図2(g)を参照して、携帯型電話機1は、さらに、ユーザからデータ保存の指示を受け付けた場合、あるいは当該指示を待つことなく自動的に、RAM16に格納された画像データ801,802,803を、後述するフラッシュメモリ17(図3参照)に書き込む。
【0037】
なお、RAM16に格納された画像データ801,802,803をフラッシュメモリ17に書き込む代わりに、後述するIC(Integrated Circuit)記録メディア221(図3,図4参照)に書き込んでもよい。以下では、説明の便宜上、RAM16に格納された画像データ801,802,803を、フラッシュメモリ17に書き込む構成を例に挙げて説明する。
【0038】
以上のように、携帯型電話機1では、右目用画像の撮像の前に、ユーザがディスプレイ20においてライブビュー表示された3D画像を視認できる。したがって、ユーザは、適切な位置で右目用画像の撮像を行なうことができる。それゆえ、ユーザは、1つの撮像部を用いた2枚の2次元画像の撮像によって、好適な3D画像を得ることができる。なお、携帯型電話機1では、横撮りの場合のみならず、縦撮りの場合であっても横取りの場合と同様に、3D画像データを生成できる。
【0039】
以下では、このようなデータ処理を実現するための携帯型電話機1の具体的な構成について、説明する。
【0040】
<C.ハードウェア構成>
図3は、携帯型電話機1のハードウェア構成を示した図である。図3を参照して、携帯型電話機1は、カメラ11と、画像処理エンジン13と、プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)14と、データを不揮発的に格納するROM(Read Only Memory)15と、データを揮発的に格納するRAM16と、NAND型のフラッシュメモリ17と、携帯型電話機1のユーザによる指示の入力を受ける操作ボタン18と、ストロボ19と、ディスプレイ20と、通信IF(Interface)21と、リーダライタ22と、電源ユニット23と、ジャイロセンサ29とを備える。なお、ジャイロセンサ29を利用する構成については、後述する(「<F.変形例>」)。
【0041】
画像処理エンジン13は、カメラ11に含まれる各撮像素子に光が照射されることにより発生した電荷に基づいて画像データを生成する。画像処理エンジン13の詳細については、後述する。なお、カメラ11は、典型的にはモジュール化(ユニット化)されている。
【0042】
CPU14は、画像処理エンジン13が担うデータ処理以外のデータ処理を行なう。
フラッシュメモリ17は、不揮発性の半導体メモリである。フラッシュメモリ17は、携帯型電話機1を制御するための各種のプログラム、携帯型電話機1が生成したデータ、携帯型電話機1の外部装置から取得したデータ等の各種データを揮発的に格納する。
【0043】
通信IF21は、携帯型電話機1が外部の通信装置と無線通信を行なうための信号処理を行なう。電源ユニット23は、データバスを介して、カメラ11、画像処理エンジン13、CPU14、ストロボ19、ディスプレイ20、通信IF21、リーダライタ22、ジャイロセンサ29等に電力を供給する。
【0044】
各構成要素11〜23,29は、相互にデータバスによって接続されている。リーダライタ22には、IC記録メディア221が装着される。
【0045】
携帯型電話機1における処理は、各ハードウェアと画像処理エンジン13とCPU14とにより実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、画像処理エンジン13、フラッシュメモリ17に予め記憶されている場合がある。また、ソフトウェアは、IC記録メディア221その他の記憶媒体に格納されて、プログラムプロダクトとして流通している場合もある。あるいは、ソフトウェアは、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なプログラムプロダクトとして提供される場合もある。このようなソフトウェアは、リーダライタ22その他の読取装置によりその記憶媒体から読み取られて、あるいは、通信IFを介してダウンロードされた後、フラッシュメモリ17に一旦格納される。そのソフトウェアは、CPU14によってフラッシュメモリ17から読み出され、さらに実行可能なプログラムの形式でフラッシュメモリ17あるいは画像処理エンジン13に格納される。画像処理エンジン13またはCPU14は、そのプログラムを実行する。
【0046】
同図に示される携帯型電話機1を構成する各構成要素は、一般的なものである。したがって、本発明の本質的な部分は、画像処理エンジン13、フラッシュメモリ17、IC記録メディア221その他の記憶媒体に格納されたソフトウェア、あるいはネットワークを介してダウンロード可能なソフトウェアであるともいえる。なお、携帯型電話機1の各ハードウェアの動作は周知であるので、詳細な説明は繰り返さない。
【0047】
なお、記録媒体としては、ICカードに限られず、DVD-ROM、CD−ROM、FD(Flexible Disk)、ハードディスク、磁気テープ、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、光カード、マスクROM、EPROM(Electronically Programmable Read-Only Memory)、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュROMなどの半導体メモリ等の固定的にプログラムを担持する媒体でもよい。また、記録媒体は、当該プログラム等をコンピュータが読取可能な一時的でない媒体である。
【0048】
ここでいうプログラムとは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0049】
図4は、携帯型電話機1のハードウェア構成の要部を示した図である。図4を参照して、携帯型電話機1は、カメラ11と、画像処理エンジン13と、RAM16と、フラッシュメモリ17と、ディスプレイ20と、リーダライタ22と、A/D(Analog/Digital)変換器24とを含む。リーダライタ22には、IC記録メディア221が装着されている。
【0050】
カメラ11は、レンズ111と、メカニカルシャッタ112と、撮像素子113とを備える。なお、撮像素子は、受光素子またはイメージセンサとも呼ばれる。
【0051】
レンズ111は、外光を集光する。具体的には、レンズ111は、被写体により反射した光等を集光する。
【0052】
メカニカルシャッタ112は、レンズ111を通過した光を、撮像素子113に照射するか否かを切換えるための装置である。メカニカルシャッタ112は、シャッタボタン181の押下により動作する。より詳しくは、メカニカルシャッタ112は、CPU14の指令に基づき動作する。ここで、「シャッタボタン181が押下」とは、オートフォーカス機能によりピントを合わせるためのシャッタボタン181の半押を除くものとする。
【0053】
撮像素子113は、光を電気信号に変換する。また、撮像素子113は、電気信号をA/D変換器24に送る。撮像素子113は、たとえば、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Charge Coupled Device)である。
【0054】
A/D変換器24は、撮像素子113が出力したアナログ信号をデジタル信号に変換する。A/D変換器24は、変換により得られたデジタル信号を画像処理エンジン13に送る。
【0055】
次に、画像処理エンジン13について説明する。画像処理エンジン13は、プロセッサ300と、RAM310と、ROM320とを備える。プロセッサ300は、CPU301と、DSP(Digital Signal Processor)302とを有する。CPU301と、DSP302と、RAM310と、ROM320とは、データバスにより互いに接続されている。
【0056】
プロセッサ300は、ROM320に格納されているプログラムに基づいた処理を実行する。CPU301は、画像処理エンジン13における全体制御および通信に関する処理を実行する。CPU301は、たとえばRISC(Reduced Instruction Set Computer)アーキテクチャのCPUである。DSP302は、画像処理専用のプロセッサである。なお、プロセッサ300を構成するDSP302の数は、1個に限定されるものではない。
【0057】
RAM310は、A/D変換器24から入力されるデジタル信号を一時的に記憶するバッファメモリとして機能する。また、RAM310は、CPU301およびDSP302によるデータ処理の際のワークメモリとしても機能する。ROM320は、プロセッサ300が実行するプログラムを含んでいる。
【0058】
CPU301は、RAM310,16へのデータの書き込み、RAM310,16からのデータの読み出し、RAM310,16に記録されたデータの消去を実行する。また、CPU301は、IC記録メディア221へのデータの書き込み、IC記録メディア221からのデータの読み出し、IC記録メディア221に記録されたデータの消去を制御する。
【0059】
なお、画像処理エンジン13により実行される他の各処理については、後述する(図5,6)。
【0060】
<D.制御構造>
図5は、携帯型電話機1におけるデータ処理の一部の処理を説明するためのフローチャートである。図6は、携帯型電話機1におけるデータ処理の残りの処理を説明するためのフローチャートである。具体的には、図5および図6は、携帯型電話機1の動作モードが3D撮像モードに切換った状態におけるデータ処理の流れを示している。
【0061】
図5を参照して、ステップS2において、CPU14は、ユーザによってシャッタボタン181が押下されたか否かを判断する。画像処理エンジン13のCPU301は、CPU14からシャッタボタン181の押下げがなされていない旨の指示を受け付けると(ステップS2においてNO)、ステップS4において、電子シャッタを用いた被写体の撮像を行なう。なお、電子シャッタは、画像処理エンジン13により実現されるシャッタであり、物理的な遮光板は不要である。
【0062】
電子シャッタを用いた撮像を行なう場合、CPU301は、たとえば、メカニカルシャッタ112を開状態にし、メカニカルシャッタ122を閉状態にしておく。CPU301は、撮像素子113が出力したアナログ信号に基づくデジタル信号を受け付ける。なお、両方のメカニカルシャッタ112を開状態としてもよい。
【0063】
ステップS6において、CPU301は、デジタルデータ(以下、「RAWデータ」と称する)を生成する。ステップS8において、CPU301は、生成されたRAWデータを現像処理する。当該現像処理により、RAWデータは、人間の目で画像として認識可能な可視画像データとなる。ステップS10において、CPU301は、ディスプレイ20にスルー画像を表示させる。これにより、ユーザは、電子シャッタを用いて撮像している被写体の画像を、ディスプレイ20でリアルタイムに視認可能となる。
【0064】
CPU301は、CPU14からシャッタボタン181の押下げがなされた旨の指示を受け付けると(ステップS2においてYES)、ステップS12において、メカニカルシャッタ112を用いて被写体の撮像を行なう。具体的には、CPU301は、左目用画像を生成するための撮像を行なう。ステップS14において、CPU301は、A/D変換器24からそれぞれ出力されたデジタル信号に基づいて、RAWデータを生成する。
【0065】
CPU301は、ステップS16において、現像処理を行なう。具体的には、CPU301は、センサ補正処理、デモザイク処理、画素補間処理、色補正処理(ホワイトバランス調整、カラーマトリクス変換、ガンマ変換)、RGB画像処理(シャープネス補正、トーン補正、露出補正等)を行なう。
【0066】
ステップS18において、CPU14は、ユーザによってシャッタボタン181が押下されたか否かを判断する。CPU14は、シャッタボタン181が押下されていないと判断した場合(ステップS18においてNO)、ステップS20において、電子シャッタを用いた被写体の撮像を行なう。ステップS22において、CPU301は、RAWデータを生成する。ステップS24において、CPU301は、生成されたRAWデータを現像処理する。
【0067】
ステップS26において、CPU301は、メカニカルシャッタ112を用いた撮像により得られた画像データ(つまり、左目用画像データ)と、電子シャッタを用いた撮像により得られた画像データ(つまり、スルー画像データ)とから3D画像データを生成する。ステップS28において、CPU301は、生成した3D画像データに基づく3D画像をディスプレイ20に表示させる。つまり、CPU301は、ディスプレイ20に、3D画像をライブビュー表示させる。
【0068】
一方、CPU14は、シャッタボタン181が押下されたと判断した場合(ステップS18においてYES)、図6に示すステップS30を実行する。図6を参照して、ステップS30において、メカニカルシャッタ112を用いて被写体の撮像を行なう。具体的には、CPU301は、右目用画像を生成するための撮像を行なう。ステップS32において、CPU301は、A/D変換器24からそれぞれ出力されたデジタル信号に基づいて、RAWデータを生成する。CPU301は、ステップS34において、現像処理を行なう。
【0069】
ステップS36において、CPU301は、メカニカルシャッタ112を用いた撮像により得られた2つの画像データ(つまり、左目用画像データおよび右目用画像データ)から3D画像データを生成する。
【0070】
ステップS38において、CPU301は、ステップS16,34の現像処理で得られた左目用画像データおよび右目用画像データと、ステップS36の処理で得られた3D画像データとを、RAM16に書き込む。具体的には、CPU301は、左目用画像データと、右目用画像データと、3D画像データとを、対応付けてRAM16に転送する。
【0071】
ステップS40において、CPU301は、左目用画像データ、右目用画像データ、および3D画像データを非可逆圧縮する。たとえば、CPU301は、左目用画像データ、右目用画像データ、および3D画像データを、予め定められたフォーマット(JPEGフォーマット、DCFフォーマット、Exifフォーマット、またはTIFFフォーマット)の画像データに変換する。ステップS42において、CPU301は、ステップS40で圧縮した画像データを、フラッシュメモリ17に書き込む。
【0072】
以上により、CPU301は、一連の処理を終了する。
<E.携帯型電話機1のまとめ>
以上のように、携帯型電話機1は、視差バリア方式で立体画像を表示するための立体画像データを生成する撮像装置である。携帯型電話機1は、CPU301と、フラッシュメモリ17と、被写体を撮像するためのカメラ11と、ディスプレイ20とを備えている。カメラ11は、撮像素子113と、スルー画像データを生成するための電子シャッタと、左目用画像データおよび右目用画像データを生成するためのメカニカルシャッタ112とを含んでいる。
【0073】
CPU301は、外部入力を受け付けたことに基づき、撮像素子113およびメカニカルシャッタ112を用いて、左目用画像データ生成する。CPU301は、左目用画像データが生成されたことに基づき、当該左目用画像データと電子シャッタによる撮像により得られたスルー画像データとを用いて立体画像データを生成する。CPU301は、生成された立体画像データに基づく立体画像をディスプレイ20に表示させる。
【0074】
CPU301は、立体画像がディスプレイ20に表示された状態で外部入力を再度受け付けると、撮像素子113およびメカニカルシャッタ112を用いて、右目用画像データを生成する。CPU301は、右目用画像データが生成されたことに基づき、左目用画像データと右目用画像データとを用いて立体画像データを生成する。CPU301は、生成された立体画像データをフラッシュメモリ17に格納する。
【0075】
したがって、携帯型電話機1では、右目用画像の撮像の前に、ユーザがディスプレイ20においてライブビュー表示された3D画像を視認できる。それゆえユーザは、適切な位置で右目用画像の撮像を行なうことができる。これにより、ユーザは、1つの撮像部(カメラ11)を用いた2枚の2次元画像の撮像によって、好適な3D画像を得ることができる。
【0076】
<F.変形例>
(f1.第1の変形例)
上記においては、右目用画像データを生成するためにシャッタボタン181を再び押すときの携帯型電話機1の姿勢が適切でない場合もある。たとえば、ユーザが、左目用画像データを生成するためにシャッタボタン181を押下した後に、携帯型電話機1が前後に傾いてしまった場合、携帯型電話機1が左右に傾いてしまった場合、携帯型電話機1が上下に傾いてしまった場合である。
【0077】
図7は、携帯型電話機1の姿勢の変化を説明するための図である。なお、以下では、xyz軸の座標系を用いて説明する。また、説明の簡略化のため、z軸の正の向きを鉛直上向きとする。
【0078】
携帯型電話機1は、携帯型電話機1の姿勢の変化を、ジャイロセンサ29(図3参照)により検知する。
【0079】
図7(a)は、携帯型電話機1の姿勢の変化に伴ってカメラ11の光軸が振れる場合を説明するための図である。詳しくは、図7(a)は、携帯型電話機1が、鉛直軸(z軸)と左目用画像データを生成したときの光軸1101とに垂直な軸(y軸に平行な軸)を回転軸として回転してしまった場合を説明するための図である。
【0080】
図7(a)を参照して、ジャイロセンサ29は、前後の傾きとして、矢印510および矢印520の向きの携帯型電話機1の傾きを検知する。ジャイロセンサ29による検知結果は、CPU301に送られる。CPU301は、傾き角(光軸1101の振れ角)が予め定められた閾値以上になった場合、シャッタボタン181が押下されても、メカニカルシャッタ112を用いた右目用画像データの生成は行なわない。このような構成により、携帯型電話機1は、好適な3D画像データの生成が可能となる。なお、以下では、携帯型電話機1が、矢印510または矢印520の向きに傾いたときの傾き角を、説明の便宜上「ピッチ角」と称する。
【0081】
図7(b)は、図7(a)と同様に、携帯型電話機1の姿勢の変化に伴ってカメラ11の光軸1101が振れる場合を説明するための図である。より詳しくは、図7(b)は、携帯型電話機1が、鉛直軸(z軸)を回転軸として回転してしまった場合を説明するための図である。
【0082】
図7(b)を参照して、ジャイロセンサ29は、左右の傾きとして、矢印530および矢印540の向きの携帯型電話機1の傾きを検知する。ジャイロセンサ29による検知結果は、CPU301に送られる。CPU301は、傾き角(光軸1101の振れ角)が予め定められた閾値以上になった場合、シャッタボタン181が押下されても、メカニカルシャッタ112を用いた右目用画像データの生成は行なわない。このような構成により、携帯型電話機1は、好適な3D画像データの生成が可能となる。なお、以下では、携帯型電話機1が、矢印530または矢印540の向きに傾いたときの傾き角を、説明の便宜上「ヨー角」と称する。
【0083】
図7(c)は、携帯型電話機1の姿勢の変化として、カメラ11の光軸1101に平行な軸(x軸に平行な軸)を回転軸として携帯型電話機1が回転する場合を説明するための図である。
【0084】
図7(c)を参照して、ジャイロセンサ29は、上下の傾きとして、矢印550および矢印560の向きの携帯型電話機1の傾きを検知する。ジャイロセンサ29による検知結果は、CPU301に送られる。CPU301は、傾き角が予め定められた閾値以上になった場合、シャッタボタン181が押下されても、メカニカルシャッタ112を用いた右目用画像データの生成は行なわない。このような構成により、携帯型電話機1は、好適な3D画像データの生成が可能となる。なお、以下では、携帯型電話機1が、矢印550または矢印560の向きに傾いたときの傾き角を、説明の便宜上「ロール角」と称する。
【0085】
図8は、携帯型電話機1の傾きの閾値を表したデータテーブル600を説明するための図である。なお、データテーブル600は、たとえば、フラッシュメモリ17に予め格納されている。図8を参照して、データテーブル600では、ピッチ角についての閾値として、“Th1”が格納されている。また、データテーブル600では、ヨー角についての閾値として、“Th2”が格納されている。さらに、データテーブルでは、ロール角についての閾値として、“Th3”が格納されている。CPU301は、データテーブル600の各閾値を参照して、メカニカルシャッタ112を用いた右目用画像データの生成を行うか否かを判断する。
【0086】
なお、各閾値Th1〜Th3の値がユーザによって変更可能なように携帯型電話機1を構成してもよい。
【0087】
このように、携帯型電話機1は、携帯型電話機1の姿勢の変化を検知するジャイロセンサ29を備えている。フラッシュメモリ17は、姿勢の変化に関する閾値Th1〜Th3を予め格納している。CPU301は、左目用画像データを生成したときを基準として携帯型電話機1の姿勢の変化が閾値以上になった場合、シャッタボタン181が押下されても、メカニカルシャッタ112を用いた右目用画像データの生成は行なわない。
【0088】
図9は、ディスプレイ20に表示される案内表示を説明するための図である。上述したように、携帯型電話機1の姿勢の変化が閾値以上となった場合には、シャッタボタン181が押下されても、メカニカルシャッタ112を用いた右目用画像データの生成は行なわない。つまり、携帯型電話機1は、右目用画像データの生成を許可しない。そこで、携帯型電話機1は、携帯型電話機1の姿勢の変化を閾値未満とするための案内表示をディスプレイ20に表示させる。
【0089】
図9を参照して、例えば、携帯型電話機1が1回目の撮影のときに比べて、矢印520の向き(つまり、後ろ向き)に閾値Th1以上傾いてしまった場合、携帯型電話機1のCPU14は、ディスプレイ20に、携帯型電話機1を前向きに傾けるようにユーザを誘導する案内表示700を表示する。一方、携帯型電話機1が矢印510の向きに閾値Th1以上傾いてしまった場合には、CPU14は、ディスプレイ20に、携帯型電話機1を後向きに傾けるようにユーザを誘導する案内を表示する。
【0090】
また、携帯型電話機1が矢印530の向きに閾値Th2以上傾いてしまった場合には、CPU14は、ディスプレイ20に、携帯型電話機1を右向きに傾けるようにユーザを誘導する案内を表示する。一方、携帯型電話機1が矢印540の向きに閾値Th2以上傾いてしまった場合には、CPU14は、ディスプレイ20に、携帯型電話機1を左向きに傾けるようにユーザを誘導する案内を表示する。
【0091】
また、携帯型電話機1が矢印550の向きに閾値Th3以上傾いてしまった場合には、CPU14は、ディスプレイ20に、携帯型電話機1を反時計回りに傾けるようにユーザを誘導する案内を表示する。一方、携帯型電話機1が矢印560の向きに閾値Th3以上傾いてしまった場合には、CPU14は、ディスプレイ20に、携帯型電話機1を時計回りに傾けるようにユーザを誘導する案内を表示する。
【0092】
当該構成により、ユーザは、メカニカルシャッタ112を用いた右目用画像データの生成が許可される撮像位置に携帯型電話機1を移動させることが可能となる。
【0093】
なお、上記においては、説明の簡略化のためz軸の正の向きを鉛直上向きとして説明したが、これに限定されるものではない。ユーザは、3D画像を得るために、携帯型電話機1を傾けた状態で被写体を撮像することもある。この場合であっても、上述したように、光軸1101の振れ角、および光軸1101に平行な軸を回転軸とした携帯型電話機1の傾き角を利用することにより、z軸の正の向きを鉛直上向きとした場合と同様、携帯型電話機1は好適な3D画像データの生成が可能となる。
【0094】
図10は、第1の変形例における携帯型電話機1におけるデータ処理の一部の処理を説明するためのフローチャートである。具体的には、図10は、携帯型電話機1の動作モードが3D撮像モードに切替った状態におけるデータ処理の流れを示している。詳しくは、図10は、一例として、ピッチ角とヨー角とがそれぞれ閾値Th1,Th2以上となった場合に、メカニカルシャッタ112を用いた右目用画像データの生成を許可しない構成を説明するための図である。以下では、図5のフローチャートと異なる点を主として説明する。
【0095】
ステップS2の処理に先立ち、ステップS102において、CPU14は、ピッチ角Pとヨー角Yとの検知を開始する。ステップS2においてシャッタボタン181の押下げがなされた場合、ステップS12に先立ち、ステップS104において、CPU14は、現在のピッチ角Pおよびヨー角Yを、それぞれ、ピッチ角Poおよびヨー角YoとしてRAM16に記憶する。なお、「現在のピッチ角Pおよびヨー角Y」とは、シャッタボタン181の押下をCPU14が検知したときのピッチ角Pおよびヨー角Yを指す。
【0096】
ステップS28の後に、ステップS106において、CPU14は、以下の式(1)および式(2)がともに成立しているか否かを判断する。
【0097】
|Po−P| < Th1 … (1)
|Yo−Y| < Th2 … (2)
式(1)および式(2)がともに成立している場合(ステップS106においてYES)、CPU14は、処理をステップS18に進める。一方、式(1)および式(2)の少なくとも一方が成立していない場合、CPU14は、ステップS108において、ディスプレイ20に上述した案内表示をさせる。
【0098】
ステップS18においてシャッタボタン181が押されたと判断された場合、ステップS30(図6参照)に先立ち、CPU14は、ステップS110の処理を実行する。具体的には、CPU14は、ステップS110において、ステップS106と同じ判断処理を実行する。
【0099】
式(1)および式(2)がともに成立している場合(ステップS110においてYES)、CPU14は、処理をステップS30に進める。一方、式(1)および式(2)の少なくとも一方が成立していない場合、CPU14は、ステップS112において、ディスプレイ20に、メカニカルシャッタ112による撮像を許可しない旨の表示をさせる。CPU14は、ステップS112の後は、処理をステップS20に進める。
【0100】
なお、上記では、ピッチ角とヨー角とがそれぞれ閾値Th1,Th2以上となった場合に、メカニカルシャッタ112を用いた右目用画像データの生成を許可しない構成を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。たとえば、ピッチ角とヨー角とロール角とがそれぞれ閾値Th1,Th2,Th3以上となった場合に、メカニカルシャッタ112を用いた右目用画像データの生成を許可しないように携帯型電話機1を構成してもよい。
【0101】
(f2.第2の変形例)
図11は、携帯型電話機1Aの外観を示した図である。図11(a)は、携帯型電話機1Aの正面図である。図11(b)は、携帯型電話機1Aの裏面図である。図11(c)は、被写体を撮像するときの状態を表した図である。
【0102】
図11(a)を参照して、携帯型電話機1Aは、ディスプレイ20と、シャッタボタン181を含む操作ボタン18とを備える。図11(b)を参照して、携帯型電話機1Aは、ディスプレイ20が設けられた表面とは反対側の表面に、カメラ11,12と、ストロボ19とを備える。図11(c)を参照して、ユーザは、被写体を横撮りするために、携帯型電話機1Aを右手902とで保持している。
【0103】
携帯型電話機1Aは、3D撮像モードと、2D撮像モードとを備える。携帯型電話機1Aは、3D撮像モードとして動作している場合、カメラ11により撮像された左目用画像とカメラ12により撮像された右目用画像とに基づき、観察者から立体的に見える3D画像を生成する。携帯型電話機1Aは、視差バリア方式により、3D画像をディスプレイ20に表示する。
【0104】
携帯型電話機1Aでは、横撮りの場合に、2つのカメラ11,12を同時に用いた被写体の撮像により、3D画像データを生成できる。しかしながら、携帯型電話機1Aでは、縦撮りの際には、2つのカメラ11,12を同時に用いても、3D画像データを生成することはできない。
【0105】
そこで、携帯型電話機1Aでは、携帯型電話機1Aが縦撮りの姿勢になった場合、カメラ11およびカメラ12のうちいずれかのカメラの撮像を停止する。これにより、携帯型電話機1Aは、携帯型電話機1のように単眼式のカメラと同様な構成となる。したがって、携帯型電話機1Aにおいて、携帯型電話機1と同様の撮像処理を行うことにより、縦撮りであっても3D画像データを生成することが可能となる。
【0106】
図12は、携帯型電話機1Aのハードウェア構成の要部を示した図である。図12を参照して、携帯型電話機1Aは、カメラ11と、カメラ12と、画像処理エンジン13と、RAM16と、フラッシュメモリ17と、ディスプレイ20と、リーダライタ22と、A/D変換器24と、A/D変換器25とを含む。リーダライタ22には、IC記録メディア221が装着されている。
【0107】
カメラ12は、レンズ121と、メカニカルシャッタ122と、撮像素子123とを備
える。
【0108】
レンズ121は、外光を集光する。メカニカルシャッタ122は、レンズ121を通過した光を、撮像素子123に照射するか否かを切替えるための装置である。メカニカルシャッタ122は、シャッタボタン181の押下により動作する。より詳しくは、メカニカルシャッタ122は、CPU14の指令に基づき動作する。撮像素子123は、光を電気信号に変換する。また、撮像素子123は、電気信号をA/D変換器25に送る。撮像素子123は、たとえば、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Charge Coupled Device)である。
【0109】
A/D変換器25は、撮像素子123が出力したアナログ信号をデジタル信号に変換する。A/D変換器25は、変換により得られたデジタル信号を画像処理エンジン13に送る。
【0110】
このように、携帯型電話機1Aは、カメラ12とA/D変換器25とさらに備える点において、携帯型電話機1のハードウェア構成と異なっている。その他ハードウェア構成は、携帯型電話機1と同じであるため、ここでは説明を繰り返さない。
【0111】
(f3.第3の変形例)
上記においては、シャッタボタン181が押下げられることに基づき、メカニカルシャッタ112が動作する構成を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。シャッタボタンの押下による外部入力の代わりに、ディスプレイ20に表示されたオブジェクトを選択する外部入力を受け付けたことに基づき、メカニカルシャッタ112を動作させてもよい。オブジェクトの一例としては、ユーザに対して、カメラ撮影を実行するためのソフトウェアボタンであることを認識させるための画像が挙げられる。
【0112】
(f4.第4の変形例)
上記において、左目用画像データを生成した後、右目用画像データを生成する構成を例に挙げて説明したが、左目用画像データと右目用画像データとの生成順序は、これに限定されるものではない。右目用画像データを生成した後、左目用画像データを生成するように、携帯型電話機1,1Aを構成してもよい。この場合、ユーザは、1回目のシャッタボタン181の押下の後に、携帯型電話機1を図1(c)の矢印990が示す向きとは逆の向きに携帯型電話機1,1Aを移動して、2回目のシャッタボタン181の押下を行なう必要がある。
【0113】
(f5.第5の変形例)
上記においては、携帯型電話機1,1Aが電子シャッタとメカニカルシャッタとを備える構成を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。メカニカルシャッタを備えることなく、電子シャッタのみを備える構成であってもよい。つまり、電子シャッタにより、スルー画像データと、左目用画像データと、右目用画像データとを得る構成であってもよい。
【0114】
(f6.第6の変形例)
上記においては、携帯型電話機1の姿勢の変化を検知する手段としてジャイロセンサ29を用いる場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。たとえば、ジャイロセンサの代わりに、加速度センサおよび地磁気センサを用いてもよい。
【0115】
今回開示された実施の形態は例示であって、上記内容のみに制限されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0116】
1,1A 携帯型電話機、11,12 カメラ、13 画像処理エンジン、16,310 RAM、17 フラッシュメモリ、18 操作ボタン、20 ディスプレイ、22 リーダライタ、29 ジャイロセンサ、111,121 レンズ、112,122 メカニカルシャッタ、113,123 撮像素子、181 シャッタボタン、221 IC記録メディア、300 プロセッサ、320 ROM、600 データテーブル、700 案内表示、801,810 左目用画像データ、802 右目用画像データ、803,830 立体画像データ、820 スルー画像データ、1101 光軸。
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置、画像処理方法、およびプログラムに関する。特に、本発明は、立体画像データを生成する撮像装置、当該撮像装置における画像処理方法、および当該撮像装置を制御するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮像により得られた左目用画像データと右目用画像データとに基づいて、立体画像を表示するための立体画像データを生成する撮像装置が知られている。特許文献1には、上記の撮像装置として、単眼識のデジタルカメラが開示されている。当該デジタルカメラは、立体撮影モードに設定されると、レリーズボタンを半押しされている間、一定時間間隔で連続して本撮影を行なう。ユーザは、立体撮影モードにおいて、レリーズボタンを半押しした状態でカメラをパンニングしながら被写体の撮影を行なう。デジタルカメラは、連写した画像から安定パンニング中に撮影され、かつ両眼視差に最も近い位置で撮影された2枚組みの画像の中から、最も滑らかにパンニングがされている2枚組みの画像を、最も立体視画像に適した2枚組みの画像として抽出する。さらに、デジタルカメラは、パンニング方向を検出し、最も立体視画像に適した2枚組みの画像のそれぞれを左目側画像と右目側画像に振り分けて記録する。
【0003】
特許文献2には、単眼識のデジタルビデオカメラが開示されている。当該デジタルビデオカメラは、1回目のシャッタボタン押下によって1枚目の静止画像を撮影した後、2枚目の静止画像の撮影を指示する2回目のシャッタボタン押下を待機している期間中、最新のプレビュー画像と1枚目の静止画像に基づく画像をブレンディング合成することで得た画像を、表示用画像として生成及び表示する。静止画像に基づく画像は、例えば、1枚目の静止画像から抽出した顔領域内の画像である。ユーザは、静止画像に基づく画像およびプレビュー画像内における同一の被写体が表示画面上で重なるようにカメラ操作を行ない、2回目のシャッタボタン押下を行なうことで、撮影範囲が互いに一致した第1および第2の静止画像を得る。
【0004】
特許文献3には、背景画像と前景画像とを合成する単眼識の撮像装置が開示されている。撮像装置は、背景画像における被写体画像を合成すべき合成領域を特定する。また、撮像装置は、当該特定された被写体画像を合成すべき合成領域に基づいて、当該被写体画像及び背景画像の少なくとも一方に所定の画像処理を施す。さらに、撮像装置は、所定の画像処理が施された被写体画像と背景画像とを合成して被写体合成画像を生成する。
【0005】
特許文献4には、2眼式のデジタル立体カメラが開示されている。当該デジタル立体カメラは、被写体を撮影する複数の撮影手段と、複数の撮影手段により複数の視点から同一被写体を撮影した複数の画像からなる3次元画像を表示することが可能な表示手段と、表示手段に表示された画像に対して重畳して表示されるOSD情報の表示を制御するOSD制御手段とを備える。OSD制御手段は、表示手段に表示されたOSD情報の表示を、撮影手段のシャッタ操作に関連して消去する。
【0006】
また、従来、視差バリア方式を用いたディスプレイが知られている。撮像装置が視差バリア方式を用いたディスプレイを備えることにより、ユーザは裸眼で立体画像を視認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−103980号公報
【特許文献2】特開2010−263269号公報
【特許文献3】特開2011−77850号公報
【特許文献4】特開2011−24123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1のデジタルカメラでは、3枚以上の2次元画像を撮像により得る必要がある。また、特許文献2のデジタルビデオカメラおよび特許文献3の撮像装置では、3次元画像を生成および表示することはできない。さらに、特許文献4のデジタル立体カメラでは、立体画像を得るためには2つの撮像部による撮像が必要となる。
【0009】
本願発明は、上記の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、1つの撮像部(カメラ11)を用いた2枚の2次元画像の撮像によって好適な3次元画像を得ることが可能な撮像装置、当該撮像装置における画像処理方法、および当該撮像装置を制御するためのプログラムに関する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の或る局面に従うと、撮像装置は、視差バリア方式で立体画像を表示するための立体画像データを生成する。撮像装置は、プロセッサと、メモリと、被写体を撮像するための撮像素子と、ディスプレイとを備える。プロセッサは、シャッタボタンの押下またはディスプレイに表示されたオブジェクトの選択に基づく外部入力を受け付けたことに基づき、撮像素子を用いて左目用画像データおよび右目用画像データのうちの一方の画像データを生成する。プロセッサは、一方の画像データが生成されたことに基づき、当該一方の画像データと撮像素子による撮像により得られたスルー画像データとを用いて立体画像データを生成する。プロセッサは、生成された立体画像データに基づく立体画像をディスプレイに表示させる。プロセッサは、立体画像がディスプレイに表示された状態で外部入力を再度受け付けると、撮像素子を用いて左目用画像データおよび右目用画像データのうちの他方の画像データを生成する。プロセッサは、他方の画像データが生成されたことに基づき、一方の画像データと当該他方の画像データとを用いて立体画像データを生成する。プロセッサは、一方の画像データと他方の画像データとを用いて生成された立体画像データをメモリに格納する。
【0011】
好ましくは、撮像装置は、スルー画像データを生成するための電子シャッタと、左目用画像データおよび右目用画像データを生成するためのメカニカルシャッタとをさらに備える。プロセッサは、外部入力を受け付けたことに基づき、メカニカルシャッタを用いて、左目用画像データおよび右目用画像データのうちの一方の画像データを生成する。プロセッサは、一方の画像データが生成されたことに基づき、当該一方の画像データと電子シャッタを用いた撮像により得られたスルー画像データとを用いて立体画像データを生成する。プロセッサは、立体画像がディスプレイに表示された状態で外部入力を再度受け付けると、メカニカルシャッタを用いて、左目用画像データおよび右目用画像データのうちの他方の画像データを生成する。
【0012】
好ましくは、撮像装置は、撮像装置の姿勢の変化を検知するセンサをさらに備える。メモリは、姿勢の変化に関する閾値を予め格納している。プロセッサは、一方の画像データを生成したときを基準として姿勢の変化が閾値以上になった場合、再度の外部入力を受け付けても、他方の画像データを生成しない。
【0013】
好ましくは、プロセッサは、姿勢の変化に伴う撮像装置の光軸の振れ角が閾値以上になった場合、再度の外部入力を受け付けても、他方の画像データを生成しない。
【0014】
好ましくは、センサは、姿勢の変化として、鉛直軸と一方の画像データを生成したときの光軸とに垂直な軸を回転軸とした撮像装置の傾きを検知する。
【0015】
好ましくは、センサは、姿勢の変化として、鉛直軸を回転軸とした撮像装置の傾きを検知する。
【0016】
好ましくは、センサは、姿勢の変化として、撮像装置の光軸に平行な軸を回転軸とした撮像装置の傾きを検知する。
【0017】
好ましくは、プロセッサは、姿勢の変化が閾値以上となった場合には、姿勢の変化を閾値未満とするための案内表示をディスプレイに表示させる。
【0018】
本発明の他の局面に従うと、画像処理方法は、視差バリア方式で立体画像を表示するための立体画像データを生成する撮像装置において実行される。画像処理方法は、撮像装置が、シャッタボタンの押下またはディスプレイに表示されたオブジェクトの選択に基づく外部入力を受け付けたことに基づき、撮像素子を用いて左目用画像データおよび右目用画像データのうちの一方の画像データを生成するステップと、撮像装置が、一方の画像データが生成されたことに基づき、当該一方の画像データと撮像素子による撮像により得られたスルー画像データとを用いて立体画像データを生成するステップと、撮像装置が、生成された立体画像データに基づく立体画像をディスプレイに表示するステップと、撮像装置が、立体画像がディスプレイに表示された状態で外部入力を再度受け付けると、撮像素子を用いて左目用画像データおよび右目用画像データのうちの他方の画像データを生成するステップと、撮像装置が、他方の画像データが生成されたことに基づき、一方の画像データと当該他方の画像データとを用いて立体画像データを生成するステップと、撮像装置が、一方の画像データと他方の画像データとを用いて生成された立体画像データをメモリに格納するステップとを備える。
【0019】
本発明のさらに他の局面に従うと、プログラムは、視差バリア方式で立体画像を表示するための立体画像データを生成する撮像装置を制御するために用いられる。プログラムは、シャッタボタンの押下またはディスプレイに表示されたオブジェクトの選択に基づく外部入力を受け付けたことに基づき、撮像素子を用いて左目用画像データおよび右目用画像データのうちの一方の画像データを生成するステップと、一方の画像データが生成されたことに基づき、当該一方の画像データと撮像素子による撮像により得られたスルー画像データとを用いて立体画像データを生成するステップと、生成された立体画像データに基づく立体画像をディスプレイに表示するステップと、立体画像がディスプレイに表示された状態で外部入力を再度受け付けると、撮像素子を用いて左目用画像データおよび右目用画像データのうちの他方の画像データを生成するステップと、他方の画像データが生成されたことに基づき、一方の画像データと当該他方の画像データとを用いて立体画像データを生成するステップと、一方の画像データと他方の画像データとを用いて生成された立体画像データをメモリに格納するステップとを、撮像装置に実行させる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、1つの撮像部を用いた2枚の2次元画像の撮像によって、好適な3次元画像を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】携帯型電話機の外観を示した図である。
【図2】3D撮像モードにおいて被写体を横撮りで撮像したときに、携帯型電話機で行なわれるデータ処理の例を説明するための図である。
【図3】携帯型電話機のハードウェア構成を示した図である。
【図4】携帯型電話機のハードウェア構成の要部を示した図である。
【図5】携帯型電話機におけるデータ処理の一部の処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】携帯型電話機におけるデータ処理の残りの処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】携帯型電話機の姿勢の変化を説明するための図である。
【図8】携帯型電話機の傾きの閾値を表したデータテーブルを説明するための図である。
【図9】ディスプレイに表示される案内表示を説明するための図である。
【図10】第1の変形例における携帯型電話機におけるデータ処理の一部の処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】他の携帯型電話機の外観を示した図である。
【図12】図11の携帯型電話機のハードウェア構成の要部を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態に係る撮像装置について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0023】
撮像装置としては、デジタル一眼レフカメラ、コンパクトデジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、スマートフォンを含む携帯型電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等の電子機器が挙げられる。以下では、撮像装置としてカメラ付きの携帯型電話機を例に挙げて説明する。
【0024】
<A.携帯型電話機の外観>
図1は、携帯型電話機1の外観を示した図である。図1(a)は、携帯型電話機1の正面図である。図1(b)は、携帯型電話機1の裏面図である。図1(c)は、被写体を撮像するときの状態を表した図である。
【0025】
図1(a)を参照して、携帯型電話機1は、ディスプレイ20と、シャッタボタン181を含む操作ボタン18とを備える。なお、シャッタボタン181は、撮像を行なうモードでない場合には、撮像以外の処理の実行を指示するためのボタンとして機能してもよい。図1(b)を参照して、携帯型電話機1は、ディスプレイ20が設けられた表面とは反対側の表面に、撮像部としてのカメラ11と、ストロボ19とを備える。図1(c)を参照して、ユーザは、被写体を横撮りするために、携帯型電話機1を左手901と右手902とで保持している。
【0026】
携帯型電話機1は、3D画像(立体画像)を生成するための撮像モード(以下、「3D撮像モード」とも称する)と、2D画像を生成するための撮像モード(以下、「2D撮像モード」と称する)とを備える。なお、3D撮像モードと2D撮像モードとの間の切替処理は、ユーザの指示により行なわれる。携帯型電話機1は、3D撮像モードとして動作している場合、カメラ11により撮像された左目用画像と右目用画像とに基づき、観察者から立体的に見える3D画像を生成する。携帯型電話機1は、視差バリア方式により、3D画像をディスプレイ20に表示する。
【0027】
ところで、携帯型電話機1は、カメラを1つしか備えていない単眼式の撮像装置である。したがって、3D画像を得るためには、ユーザは以下の操作が必要となる。まず、ユーザは、カメラ11を用いた撮像により左目用画像を得る。その後、ユーザは、携帯型電話機1を矢印990の方向に移動させる。最後に、ユーザは、カメラ11を用いた撮像により右目用画像を得る。なお、撮像の詳細については後述する。
【0028】
また、携帯型電話機1は、スルー画像(プレビュー画像)をディスプレイ20に表示するためのライブビュー機能を備える。
【0029】
<B.携帯型電話機のデータ処理の概要>
図2は、3D撮像モードにおいて被写体を横撮りで撮像したときに、携帯型電話機1で行なわれるデータ処理の例を説明するための図である。
【0030】
図2(a)を参照して、ユーザによってシャッタボタン181が押下されると、携帯型電話機1は、カメラ11を用いた撮像より得られた左目用画像データ801を、後述する画像処理エンジン13内のRAM310(図4参照)に格納する。図2(b)を参照して、左目用画像データ801がRAM310に格納されると、携帯型電話機1は、カメラ11を用いた撮像によりスルー画像データ820を連続的に生成する。スルー画像データ820は、RAM310において上書き更新される。
【0031】
図2(c)を参照して、スルー画像データ820が生成されると、携帯型電話機1は、最初の撮像により得られた左目用画像データ801とスルー画像データ820とを用いて、3D画像データ830を生成する。3D画像データ830は、RAM310において上書き更新される。携帯型電話機1は、生成された3D画像データ830に基づく3D画像を、ディスプレイ20において表示する。つまり、携帯型電話機1は、先の撮像により得られた左目用画像データ801と、当該撮像後に得られたスルー画像データ820とを用いて、3D画像をディスプレイ20においてライブビュー表示する。
【0032】
ユーザは、携帯型電話機1を図1の矢印990の方向に移動しながら、ライブビュー表示された3D画像を確認する。たとえば、ユーザが携帯型電話機1を矢印990の方向に過度に移動させると、適切な3D画像が得られない。また、ユーザが携帯型電話機1を矢印以外の方向に移動させると、適切な3D画像が得られない。このため、ユーザは、右目用画像の撮像をどの位置で行なうかを、ライブビュー表示された3D画像を視認しながら決定する。ユーザが適切な3D画像が得られたと判断した場合、ユーザは、再度シャッタボタン181を押下する。
【0033】
図2(d)を参照して、ユーザが再度シャッタボタン181を押下すると、携帯型電話機1は、カメラ11を用いて右目用画像データを得るための撮像を行なう。携帯型電話機1は、当該撮像より得られた右目用画像データ802をRAM310に格納する。
【0034】
図2(e)を参照して、携帯型電話機1は、右目用画像データ802がRAM310に格納されると、右目用画像データ802と、RAM310に先に格納されていた左目用画像データ810とを用いて、3D画像データ803を生成する。携帯型電話機1は、生成した3D画像データをRAM310に格納する。
【0035】
図2(f)を参照して、携帯型電話機1は、左目用画像データ801と、右目用画像データ802と、3D画像データ803とを、画像処理エンジン13の外部に設けられたRAM(Random Access Memory)16(図3,図4参照)に転送する。
【0036】
図2(g)を参照して、携帯型電話機1は、さらに、ユーザからデータ保存の指示を受け付けた場合、あるいは当該指示を待つことなく自動的に、RAM16に格納された画像データ801,802,803を、後述するフラッシュメモリ17(図3参照)に書き込む。
【0037】
なお、RAM16に格納された画像データ801,802,803をフラッシュメモリ17に書き込む代わりに、後述するIC(Integrated Circuit)記録メディア221(図3,図4参照)に書き込んでもよい。以下では、説明の便宜上、RAM16に格納された画像データ801,802,803を、フラッシュメモリ17に書き込む構成を例に挙げて説明する。
【0038】
以上のように、携帯型電話機1では、右目用画像の撮像の前に、ユーザがディスプレイ20においてライブビュー表示された3D画像を視認できる。したがって、ユーザは、適切な位置で右目用画像の撮像を行なうことができる。それゆえ、ユーザは、1つの撮像部を用いた2枚の2次元画像の撮像によって、好適な3D画像を得ることができる。なお、携帯型電話機1では、横撮りの場合のみならず、縦撮りの場合であっても横取りの場合と同様に、3D画像データを生成できる。
【0039】
以下では、このようなデータ処理を実現するための携帯型電話機1の具体的な構成について、説明する。
【0040】
<C.ハードウェア構成>
図3は、携帯型電話機1のハードウェア構成を示した図である。図3を参照して、携帯型電話機1は、カメラ11と、画像処理エンジン13と、プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)14と、データを不揮発的に格納するROM(Read Only Memory)15と、データを揮発的に格納するRAM16と、NAND型のフラッシュメモリ17と、携帯型電話機1のユーザによる指示の入力を受ける操作ボタン18と、ストロボ19と、ディスプレイ20と、通信IF(Interface)21と、リーダライタ22と、電源ユニット23と、ジャイロセンサ29とを備える。なお、ジャイロセンサ29を利用する構成については、後述する(「<F.変形例>」)。
【0041】
画像処理エンジン13は、カメラ11に含まれる各撮像素子に光が照射されることにより発生した電荷に基づいて画像データを生成する。画像処理エンジン13の詳細については、後述する。なお、カメラ11は、典型的にはモジュール化(ユニット化)されている。
【0042】
CPU14は、画像処理エンジン13が担うデータ処理以外のデータ処理を行なう。
フラッシュメモリ17は、不揮発性の半導体メモリである。フラッシュメモリ17は、携帯型電話機1を制御するための各種のプログラム、携帯型電話機1が生成したデータ、携帯型電話機1の外部装置から取得したデータ等の各種データを揮発的に格納する。
【0043】
通信IF21は、携帯型電話機1が外部の通信装置と無線通信を行なうための信号処理を行なう。電源ユニット23は、データバスを介して、カメラ11、画像処理エンジン13、CPU14、ストロボ19、ディスプレイ20、通信IF21、リーダライタ22、ジャイロセンサ29等に電力を供給する。
【0044】
各構成要素11〜23,29は、相互にデータバスによって接続されている。リーダライタ22には、IC記録メディア221が装着される。
【0045】
携帯型電話機1における処理は、各ハードウェアと画像処理エンジン13とCPU14とにより実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、画像処理エンジン13、フラッシュメモリ17に予め記憶されている場合がある。また、ソフトウェアは、IC記録メディア221その他の記憶媒体に格納されて、プログラムプロダクトとして流通している場合もある。あるいは、ソフトウェアは、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なプログラムプロダクトとして提供される場合もある。このようなソフトウェアは、リーダライタ22その他の読取装置によりその記憶媒体から読み取られて、あるいは、通信IFを介してダウンロードされた後、フラッシュメモリ17に一旦格納される。そのソフトウェアは、CPU14によってフラッシュメモリ17から読み出され、さらに実行可能なプログラムの形式でフラッシュメモリ17あるいは画像処理エンジン13に格納される。画像処理エンジン13またはCPU14は、そのプログラムを実行する。
【0046】
同図に示される携帯型電話機1を構成する各構成要素は、一般的なものである。したがって、本発明の本質的な部分は、画像処理エンジン13、フラッシュメモリ17、IC記録メディア221その他の記憶媒体に格納されたソフトウェア、あるいはネットワークを介してダウンロード可能なソフトウェアであるともいえる。なお、携帯型電話機1の各ハードウェアの動作は周知であるので、詳細な説明は繰り返さない。
【0047】
なお、記録媒体としては、ICカードに限られず、DVD-ROM、CD−ROM、FD(Flexible Disk)、ハードディスク、磁気テープ、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、光カード、マスクROM、EPROM(Electronically Programmable Read-Only Memory)、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュROMなどの半導体メモリ等の固定的にプログラムを担持する媒体でもよい。また、記録媒体は、当該プログラム等をコンピュータが読取可能な一時的でない媒体である。
【0048】
ここでいうプログラムとは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0049】
図4は、携帯型電話機1のハードウェア構成の要部を示した図である。図4を参照して、携帯型電話機1は、カメラ11と、画像処理エンジン13と、RAM16と、フラッシュメモリ17と、ディスプレイ20と、リーダライタ22と、A/D(Analog/Digital)変換器24とを含む。リーダライタ22には、IC記録メディア221が装着されている。
【0050】
カメラ11は、レンズ111と、メカニカルシャッタ112と、撮像素子113とを備える。なお、撮像素子は、受光素子またはイメージセンサとも呼ばれる。
【0051】
レンズ111は、外光を集光する。具体的には、レンズ111は、被写体により反射した光等を集光する。
【0052】
メカニカルシャッタ112は、レンズ111を通過した光を、撮像素子113に照射するか否かを切換えるための装置である。メカニカルシャッタ112は、シャッタボタン181の押下により動作する。より詳しくは、メカニカルシャッタ112は、CPU14の指令に基づき動作する。ここで、「シャッタボタン181が押下」とは、オートフォーカス機能によりピントを合わせるためのシャッタボタン181の半押を除くものとする。
【0053】
撮像素子113は、光を電気信号に変換する。また、撮像素子113は、電気信号をA/D変換器24に送る。撮像素子113は、たとえば、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Charge Coupled Device)である。
【0054】
A/D変換器24は、撮像素子113が出力したアナログ信号をデジタル信号に変換する。A/D変換器24は、変換により得られたデジタル信号を画像処理エンジン13に送る。
【0055】
次に、画像処理エンジン13について説明する。画像処理エンジン13は、プロセッサ300と、RAM310と、ROM320とを備える。プロセッサ300は、CPU301と、DSP(Digital Signal Processor)302とを有する。CPU301と、DSP302と、RAM310と、ROM320とは、データバスにより互いに接続されている。
【0056】
プロセッサ300は、ROM320に格納されているプログラムに基づいた処理を実行する。CPU301は、画像処理エンジン13における全体制御および通信に関する処理を実行する。CPU301は、たとえばRISC(Reduced Instruction Set Computer)アーキテクチャのCPUである。DSP302は、画像処理専用のプロセッサである。なお、プロセッサ300を構成するDSP302の数は、1個に限定されるものではない。
【0057】
RAM310は、A/D変換器24から入力されるデジタル信号を一時的に記憶するバッファメモリとして機能する。また、RAM310は、CPU301およびDSP302によるデータ処理の際のワークメモリとしても機能する。ROM320は、プロセッサ300が実行するプログラムを含んでいる。
【0058】
CPU301は、RAM310,16へのデータの書き込み、RAM310,16からのデータの読み出し、RAM310,16に記録されたデータの消去を実行する。また、CPU301は、IC記録メディア221へのデータの書き込み、IC記録メディア221からのデータの読み出し、IC記録メディア221に記録されたデータの消去を制御する。
【0059】
なお、画像処理エンジン13により実行される他の各処理については、後述する(図5,6)。
【0060】
<D.制御構造>
図5は、携帯型電話機1におけるデータ処理の一部の処理を説明するためのフローチャートである。図6は、携帯型電話機1におけるデータ処理の残りの処理を説明するためのフローチャートである。具体的には、図5および図6は、携帯型電話機1の動作モードが3D撮像モードに切換った状態におけるデータ処理の流れを示している。
【0061】
図5を参照して、ステップS2において、CPU14は、ユーザによってシャッタボタン181が押下されたか否かを判断する。画像処理エンジン13のCPU301は、CPU14からシャッタボタン181の押下げがなされていない旨の指示を受け付けると(ステップS2においてNO)、ステップS4において、電子シャッタを用いた被写体の撮像を行なう。なお、電子シャッタは、画像処理エンジン13により実現されるシャッタであり、物理的な遮光板は不要である。
【0062】
電子シャッタを用いた撮像を行なう場合、CPU301は、たとえば、メカニカルシャッタ112を開状態にし、メカニカルシャッタ122を閉状態にしておく。CPU301は、撮像素子113が出力したアナログ信号に基づくデジタル信号を受け付ける。なお、両方のメカニカルシャッタ112を開状態としてもよい。
【0063】
ステップS6において、CPU301は、デジタルデータ(以下、「RAWデータ」と称する)を生成する。ステップS8において、CPU301は、生成されたRAWデータを現像処理する。当該現像処理により、RAWデータは、人間の目で画像として認識可能な可視画像データとなる。ステップS10において、CPU301は、ディスプレイ20にスルー画像を表示させる。これにより、ユーザは、電子シャッタを用いて撮像している被写体の画像を、ディスプレイ20でリアルタイムに視認可能となる。
【0064】
CPU301は、CPU14からシャッタボタン181の押下げがなされた旨の指示を受け付けると(ステップS2においてYES)、ステップS12において、メカニカルシャッタ112を用いて被写体の撮像を行なう。具体的には、CPU301は、左目用画像を生成するための撮像を行なう。ステップS14において、CPU301は、A/D変換器24からそれぞれ出力されたデジタル信号に基づいて、RAWデータを生成する。
【0065】
CPU301は、ステップS16において、現像処理を行なう。具体的には、CPU301は、センサ補正処理、デモザイク処理、画素補間処理、色補正処理(ホワイトバランス調整、カラーマトリクス変換、ガンマ変換)、RGB画像処理(シャープネス補正、トーン補正、露出補正等)を行なう。
【0066】
ステップS18において、CPU14は、ユーザによってシャッタボタン181が押下されたか否かを判断する。CPU14は、シャッタボタン181が押下されていないと判断した場合(ステップS18においてNO)、ステップS20において、電子シャッタを用いた被写体の撮像を行なう。ステップS22において、CPU301は、RAWデータを生成する。ステップS24において、CPU301は、生成されたRAWデータを現像処理する。
【0067】
ステップS26において、CPU301は、メカニカルシャッタ112を用いた撮像により得られた画像データ(つまり、左目用画像データ)と、電子シャッタを用いた撮像により得られた画像データ(つまり、スルー画像データ)とから3D画像データを生成する。ステップS28において、CPU301は、生成した3D画像データに基づく3D画像をディスプレイ20に表示させる。つまり、CPU301は、ディスプレイ20に、3D画像をライブビュー表示させる。
【0068】
一方、CPU14は、シャッタボタン181が押下されたと判断した場合(ステップS18においてYES)、図6に示すステップS30を実行する。図6を参照して、ステップS30において、メカニカルシャッタ112を用いて被写体の撮像を行なう。具体的には、CPU301は、右目用画像を生成するための撮像を行なう。ステップS32において、CPU301は、A/D変換器24からそれぞれ出力されたデジタル信号に基づいて、RAWデータを生成する。CPU301は、ステップS34において、現像処理を行なう。
【0069】
ステップS36において、CPU301は、メカニカルシャッタ112を用いた撮像により得られた2つの画像データ(つまり、左目用画像データおよび右目用画像データ)から3D画像データを生成する。
【0070】
ステップS38において、CPU301は、ステップS16,34の現像処理で得られた左目用画像データおよび右目用画像データと、ステップS36の処理で得られた3D画像データとを、RAM16に書き込む。具体的には、CPU301は、左目用画像データと、右目用画像データと、3D画像データとを、対応付けてRAM16に転送する。
【0071】
ステップS40において、CPU301は、左目用画像データ、右目用画像データ、および3D画像データを非可逆圧縮する。たとえば、CPU301は、左目用画像データ、右目用画像データ、および3D画像データを、予め定められたフォーマット(JPEGフォーマット、DCFフォーマット、Exifフォーマット、またはTIFFフォーマット)の画像データに変換する。ステップS42において、CPU301は、ステップS40で圧縮した画像データを、フラッシュメモリ17に書き込む。
【0072】
以上により、CPU301は、一連の処理を終了する。
<E.携帯型電話機1のまとめ>
以上のように、携帯型電話機1は、視差バリア方式で立体画像を表示するための立体画像データを生成する撮像装置である。携帯型電話機1は、CPU301と、フラッシュメモリ17と、被写体を撮像するためのカメラ11と、ディスプレイ20とを備えている。カメラ11は、撮像素子113と、スルー画像データを生成するための電子シャッタと、左目用画像データおよび右目用画像データを生成するためのメカニカルシャッタ112とを含んでいる。
【0073】
CPU301は、外部入力を受け付けたことに基づき、撮像素子113およびメカニカルシャッタ112を用いて、左目用画像データ生成する。CPU301は、左目用画像データが生成されたことに基づき、当該左目用画像データと電子シャッタによる撮像により得られたスルー画像データとを用いて立体画像データを生成する。CPU301は、生成された立体画像データに基づく立体画像をディスプレイ20に表示させる。
【0074】
CPU301は、立体画像がディスプレイ20に表示された状態で外部入力を再度受け付けると、撮像素子113およびメカニカルシャッタ112を用いて、右目用画像データを生成する。CPU301は、右目用画像データが生成されたことに基づき、左目用画像データと右目用画像データとを用いて立体画像データを生成する。CPU301は、生成された立体画像データをフラッシュメモリ17に格納する。
【0075】
したがって、携帯型電話機1では、右目用画像の撮像の前に、ユーザがディスプレイ20においてライブビュー表示された3D画像を視認できる。それゆえユーザは、適切な位置で右目用画像の撮像を行なうことができる。これにより、ユーザは、1つの撮像部(カメラ11)を用いた2枚の2次元画像の撮像によって、好適な3D画像を得ることができる。
【0076】
<F.変形例>
(f1.第1の変形例)
上記においては、右目用画像データを生成するためにシャッタボタン181を再び押すときの携帯型電話機1の姿勢が適切でない場合もある。たとえば、ユーザが、左目用画像データを生成するためにシャッタボタン181を押下した後に、携帯型電話機1が前後に傾いてしまった場合、携帯型電話機1が左右に傾いてしまった場合、携帯型電話機1が上下に傾いてしまった場合である。
【0077】
図7は、携帯型電話機1の姿勢の変化を説明するための図である。なお、以下では、xyz軸の座標系を用いて説明する。また、説明の簡略化のため、z軸の正の向きを鉛直上向きとする。
【0078】
携帯型電話機1は、携帯型電話機1の姿勢の変化を、ジャイロセンサ29(図3参照)により検知する。
【0079】
図7(a)は、携帯型電話機1の姿勢の変化に伴ってカメラ11の光軸が振れる場合を説明するための図である。詳しくは、図7(a)は、携帯型電話機1が、鉛直軸(z軸)と左目用画像データを生成したときの光軸1101とに垂直な軸(y軸に平行な軸)を回転軸として回転してしまった場合を説明するための図である。
【0080】
図7(a)を参照して、ジャイロセンサ29は、前後の傾きとして、矢印510および矢印520の向きの携帯型電話機1の傾きを検知する。ジャイロセンサ29による検知結果は、CPU301に送られる。CPU301は、傾き角(光軸1101の振れ角)が予め定められた閾値以上になった場合、シャッタボタン181が押下されても、メカニカルシャッタ112を用いた右目用画像データの生成は行なわない。このような構成により、携帯型電話機1は、好適な3D画像データの生成が可能となる。なお、以下では、携帯型電話機1が、矢印510または矢印520の向きに傾いたときの傾き角を、説明の便宜上「ピッチ角」と称する。
【0081】
図7(b)は、図7(a)と同様に、携帯型電話機1の姿勢の変化に伴ってカメラ11の光軸1101が振れる場合を説明するための図である。より詳しくは、図7(b)は、携帯型電話機1が、鉛直軸(z軸)を回転軸として回転してしまった場合を説明するための図である。
【0082】
図7(b)を参照して、ジャイロセンサ29は、左右の傾きとして、矢印530および矢印540の向きの携帯型電話機1の傾きを検知する。ジャイロセンサ29による検知結果は、CPU301に送られる。CPU301は、傾き角(光軸1101の振れ角)が予め定められた閾値以上になった場合、シャッタボタン181が押下されても、メカニカルシャッタ112を用いた右目用画像データの生成は行なわない。このような構成により、携帯型電話機1は、好適な3D画像データの生成が可能となる。なお、以下では、携帯型電話機1が、矢印530または矢印540の向きに傾いたときの傾き角を、説明の便宜上「ヨー角」と称する。
【0083】
図7(c)は、携帯型電話機1の姿勢の変化として、カメラ11の光軸1101に平行な軸(x軸に平行な軸)を回転軸として携帯型電話機1が回転する場合を説明するための図である。
【0084】
図7(c)を参照して、ジャイロセンサ29は、上下の傾きとして、矢印550および矢印560の向きの携帯型電話機1の傾きを検知する。ジャイロセンサ29による検知結果は、CPU301に送られる。CPU301は、傾き角が予め定められた閾値以上になった場合、シャッタボタン181が押下されても、メカニカルシャッタ112を用いた右目用画像データの生成は行なわない。このような構成により、携帯型電話機1は、好適な3D画像データの生成が可能となる。なお、以下では、携帯型電話機1が、矢印550または矢印560の向きに傾いたときの傾き角を、説明の便宜上「ロール角」と称する。
【0085】
図8は、携帯型電話機1の傾きの閾値を表したデータテーブル600を説明するための図である。なお、データテーブル600は、たとえば、フラッシュメモリ17に予め格納されている。図8を参照して、データテーブル600では、ピッチ角についての閾値として、“Th1”が格納されている。また、データテーブル600では、ヨー角についての閾値として、“Th2”が格納されている。さらに、データテーブルでは、ロール角についての閾値として、“Th3”が格納されている。CPU301は、データテーブル600の各閾値を参照して、メカニカルシャッタ112を用いた右目用画像データの生成を行うか否かを判断する。
【0086】
なお、各閾値Th1〜Th3の値がユーザによって変更可能なように携帯型電話機1を構成してもよい。
【0087】
このように、携帯型電話機1は、携帯型電話機1の姿勢の変化を検知するジャイロセンサ29を備えている。フラッシュメモリ17は、姿勢の変化に関する閾値Th1〜Th3を予め格納している。CPU301は、左目用画像データを生成したときを基準として携帯型電話機1の姿勢の変化が閾値以上になった場合、シャッタボタン181が押下されても、メカニカルシャッタ112を用いた右目用画像データの生成は行なわない。
【0088】
図9は、ディスプレイ20に表示される案内表示を説明するための図である。上述したように、携帯型電話機1の姿勢の変化が閾値以上となった場合には、シャッタボタン181が押下されても、メカニカルシャッタ112を用いた右目用画像データの生成は行なわない。つまり、携帯型電話機1は、右目用画像データの生成を許可しない。そこで、携帯型電話機1は、携帯型電話機1の姿勢の変化を閾値未満とするための案内表示をディスプレイ20に表示させる。
【0089】
図9を参照して、例えば、携帯型電話機1が1回目の撮影のときに比べて、矢印520の向き(つまり、後ろ向き)に閾値Th1以上傾いてしまった場合、携帯型電話機1のCPU14は、ディスプレイ20に、携帯型電話機1を前向きに傾けるようにユーザを誘導する案内表示700を表示する。一方、携帯型電話機1が矢印510の向きに閾値Th1以上傾いてしまった場合には、CPU14は、ディスプレイ20に、携帯型電話機1を後向きに傾けるようにユーザを誘導する案内を表示する。
【0090】
また、携帯型電話機1が矢印530の向きに閾値Th2以上傾いてしまった場合には、CPU14は、ディスプレイ20に、携帯型電話機1を右向きに傾けるようにユーザを誘導する案内を表示する。一方、携帯型電話機1が矢印540の向きに閾値Th2以上傾いてしまった場合には、CPU14は、ディスプレイ20に、携帯型電話機1を左向きに傾けるようにユーザを誘導する案内を表示する。
【0091】
また、携帯型電話機1が矢印550の向きに閾値Th3以上傾いてしまった場合には、CPU14は、ディスプレイ20に、携帯型電話機1を反時計回りに傾けるようにユーザを誘導する案内を表示する。一方、携帯型電話機1が矢印560の向きに閾値Th3以上傾いてしまった場合には、CPU14は、ディスプレイ20に、携帯型電話機1を時計回りに傾けるようにユーザを誘導する案内を表示する。
【0092】
当該構成により、ユーザは、メカニカルシャッタ112を用いた右目用画像データの生成が許可される撮像位置に携帯型電話機1を移動させることが可能となる。
【0093】
なお、上記においては、説明の簡略化のためz軸の正の向きを鉛直上向きとして説明したが、これに限定されるものではない。ユーザは、3D画像を得るために、携帯型電話機1を傾けた状態で被写体を撮像することもある。この場合であっても、上述したように、光軸1101の振れ角、および光軸1101に平行な軸を回転軸とした携帯型電話機1の傾き角を利用することにより、z軸の正の向きを鉛直上向きとした場合と同様、携帯型電話機1は好適な3D画像データの生成が可能となる。
【0094】
図10は、第1の変形例における携帯型電話機1におけるデータ処理の一部の処理を説明するためのフローチャートである。具体的には、図10は、携帯型電話機1の動作モードが3D撮像モードに切替った状態におけるデータ処理の流れを示している。詳しくは、図10は、一例として、ピッチ角とヨー角とがそれぞれ閾値Th1,Th2以上となった場合に、メカニカルシャッタ112を用いた右目用画像データの生成を許可しない構成を説明するための図である。以下では、図5のフローチャートと異なる点を主として説明する。
【0095】
ステップS2の処理に先立ち、ステップS102において、CPU14は、ピッチ角Pとヨー角Yとの検知を開始する。ステップS2においてシャッタボタン181の押下げがなされた場合、ステップS12に先立ち、ステップS104において、CPU14は、現在のピッチ角Pおよびヨー角Yを、それぞれ、ピッチ角Poおよびヨー角YoとしてRAM16に記憶する。なお、「現在のピッチ角Pおよびヨー角Y」とは、シャッタボタン181の押下をCPU14が検知したときのピッチ角Pおよびヨー角Yを指す。
【0096】
ステップS28の後に、ステップS106において、CPU14は、以下の式(1)および式(2)がともに成立しているか否かを判断する。
【0097】
|Po−P| < Th1 … (1)
|Yo−Y| < Th2 … (2)
式(1)および式(2)がともに成立している場合(ステップS106においてYES)、CPU14は、処理をステップS18に進める。一方、式(1)および式(2)の少なくとも一方が成立していない場合、CPU14は、ステップS108において、ディスプレイ20に上述した案内表示をさせる。
【0098】
ステップS18においてシャッタボタン181が押されたと判断された場合、ステップS30(図6参照)に先立ち、CPU14は、ステップS110の処理を実行する。具体的には、CPU14は、ステップS110において、ステップS106と同じ判断処理を実行する。
【0099】
式(1)および式(2)がともに成立している場合(ステップS110においてYES)、CPU14は、処理をステップS30に進める。一方、式(1)および式(2)の少なくとも一方が成立していない場合、CPU14は、ステップS112において、ディスプレイ20に、メカニカルシャッタ112による撮像を許可しない旨の表示をさせる。CPU14は、ステップS112の後は、処理をステップS20に進める。
【0100】
なお、上記では、ピッチ角とヨー角とがそれぞれ閾値Th1,Th2以上となった場合に、メカニカルシャッタ112を用いた右目用画像データの生成を許可しない構成を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。たとえば、ピッチ角とヨー角とロール角とがそれぞれ閾値Th1,Th2,Th3以上となった場合に、メカニカルシャッタ112を用いた右目用画像データの生成を許可しないように携帯型電話機1を構成してもよい。
【0101】
(f2.第2の変形例)
図11は、携帯型電話機1Aの外観を示した図である。図11(a)は、携帯型電話機1Aの正面図である。図11(b)は、携帯型電話機1Aの裏面図である。図11(c)は、被写体を撮像するときの状態を表した図である。
【0102】
図11(a)を参照して、携帯型電話機1Aは、ディスプレイ20と、シャッタボタン181を含む操作ボタン18とを備える。図11(b)を参照して、携帯型電話機1Aは、ディスプレイ20が設けられた表面とは反対側の表面に、カメラ11,12と、ストロボ19とを備える。図11(c)を参照して、ユーザは、被写体を横撮りするために、携帯型電話機1Aを右手902とで保持している。
【0103】
携帯型電話機1Aは、3D撮像モードと、2D撮像モードとを備える。携帯型電話機1Aは、3D撮像モードとして動作している場合、カメラ11により撮像された左目用画像とカメラ12により撮像された右目用画像とに基づき、観察者から立体的に見える3D画像を生成する。携帯型電話機1Aは、視差バリア方式により、3D画像をディスプレイ20に表示する。
【0104】
携帯型電話機1Aでは、横撮りの場合に、2つのカメラ11,12を同時に用いた被写体の撮像により、3D画像データを生成できる。しかしながら、携帯型電話機1Aでは、縦撮りの際には、2つのカメラ11,12を同時に用いても、3D画像データを生成することはできない。
【0105】
そこで、携帯型電話機1Aでは、携帯型電話機1Aが縦撮りの姿勢になった場合、カメラ11およびカメラ12のうちいずれかのカメラの撮像を停止する。これにより、携帯型電話機1Aは、携帯型電話機1のように単眼式のカメラと同様な構成となる。したがって、携帯型電話機1Aにおいて、携帯型電話機1と同様の撮像処理を行うことにより、縦撮りであっても3D画像データを生成することが可能となる。
【0106】
図12は、携帯型電話機1Aのハードウェア構成の要部を示した図である。図12を参照して、携帯型電話機1Aは、カメラ11と、カメラ12と、画像処理エンジン13と、RAM16と、フラッシュメモリ17と、ディスプレイ20と、リーダライタ22と、A/D変換器24と、A/D変換器25とを含む。リーダライタ22には、IC記録メディア221が装着されている。
【0107】
カメラ12は、レンズ121と、メカニカルシャッタ122と、撮像素子123とを備
える。
【0108】
レンズ121は、外光を集光する。メカニカルシャッタ122は、レンズ121を通過した光を、撮像素子123に照射するか否かを切替えるための装置である。メカニカルシャッタ122は、シャッタボタン181の押下により動作する。より詳しくは、メカニカルシャッタ122は、CPU14の指令に基づき動作する。撮像素子123は、光を電気信号に変換する。また、撮像素子123は、電気信号をA/D変換器25に送る。撮像素子123は、たとえば、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Charge Coupled Device)である。
【0109】
A/D変換器25は、撮像素子123が出力したアナログ信号をデジタル信号に変換する。A/D変換器25は、変換により得られたデジタル信号を画像処理エンジン13に送る。
【0110】
このように、携帯型電話機1Aは、カメラ12とA/D変換器25とさらに備える点において、携帯型電話機1のハードウェア構成と異なっている。その他ハードウェア構成は、携帯型電話機1と同じであるため、ここでは説明を繰り返さない。
【0111】
(f3.第3の変形例)
上記においては、シャッタボタン181が押下げられることに基づき、メカニカルシャッタ112が動作する構成を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。シャッタボタンの押下による外部入力の代わりに、ディスプレイ20に表示されたオブジェクトを選択する外部入力を受け付けたことに基づき、メカニカルシャッタ112を動作させてもよい。オブジェクトの一例としては、ユーザに対して、カメラ撮影を実行するためのソフトウェアボタンであることを認識させるための画像が挙げられる。
【0112】
(f4.第4の変形例)
上記において、左目用画像データを生成した後、右目用画像データを生成する構成を例に挙げて説明したが、左目用画像データと右目用画像データとの生成順序は、これに限定されるものではない。右目用画像データを生成した後、左目用画像データを生成するように、携帯型電話機1,1Aを構成してもよい。この場合、ユーザは、1回目のシャッタボタン181の押下の後に、携帯型電話機1を図1(c)の矢印990が示す向きとは逆の向きに携帯型電話機1,1Aを移動して、2回目のシャッタボタン181の押下を行なう必要がある。
【0113】
(f5.第5の変形例)
上記においては、携帯型電話機1,1Aが電子シャッタとメカニカルシャッタとを備える構成を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。メカニカルシャッタを備えることなく、電子シャッタのみを備える構成であってもよい。つまり、電子シャッタにより、スルー画像データと、左目用画像データと、右目用画像データとを得る構成であってもよい。
【0114】
(f6.第6の変形例)
上記においては、携帯型電話機1の姿勢の変化を検知する手段としてジャイロセンサ29を用いる場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。たとえば、ジャイロセンサの代わりに、加速度センサおよび地磁気センサを用いてもよい。
【0115】
今回開示された実施の形態は例示であって、上記内容のみに制限されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0116】
1,1A 携帯型電話機、11,12 カメラ、13 画像処理エンジン、16,310 RAM、17 フラッシュメモリ、18 操作ボタン、20 ディスプレイ、22 リーダライタ、29 ジャイロセンサ、111,121 レンズ、112,122 メカニカルシャッタ、113,123 撮像素子、181 シャッタボタン、221 IC記録メディア、300 プロセッサ、320 ROM、600 データテーブル、700 案内表示、801,810 左目用画像データ、802 右目用画像データ、803,830 立体画像データ、820 スルー画像データ、1101 光軸。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
視差バリア方式で立体画像を表示するための立体画像データを生成する撮像装置であって、
プロセッサと、
メモリと、
被写体を撮像するための撮像素子と、
ディスプレイとを備え、
前記プロセッサは、
シャッタボタンの押下または前記ディスプレイに表示されたオブジェクトの選択に基づく外部入力を受け付けたことに基づき、前記撮像素子を用いて左目用画像データおよび右目用画像データのうちの一方の画像データを生成し、
前記一方の画像データが生成されたことに基づき、当該一方の画像データと前記撮像素子による撮像により得られたスルー画像データとを用いて立体画像データを生成し、
前記生成された立体画像データに基づく立体画像を前記ディスプレイに表示させ、
前記立体画像が前記ディスプレイに表示された状態で前記外部入力を再度受け付けると、前記撮像素子を用いて前記左目用画像データおよび前記右目用画像データのうちの他方の画像データを生成し、
前記他方の画像データが生成されたことに基づき、前記一方の画像データと当該他方の画像データとを用いて立体画像データを生成し、
前記一方の画像データと前記他方の画像データとを用いて生成された前記立体画像データを前記メモリに格納する、撮像装置。
【請求項2】
前記スルー画像データを生成するための電子シャッタと、
前記左目用画像データおよび前記右目用画像データを生成するためのメカニカルシャッタとをさらに備え、
前記プロセッサは、
前記外部入力を受け付けたことに基づき、前記メカニカルシャッタを用いて、前記左目用画像データおよび前記右目用画像データのうちの一方の画像データを生成し、
前記一方の画像データが生成されたことに基づき、当該一方の画像データと前記電子シャッタを用いた撮像により得られた前記スルー画像データとを用いて立体画像データを生成し、
前記立体画像が前記ディスプレイに表示された状態で前記外部入力を再度受け付けると、前記メカニカルシャッタを用いて、前記左目用画像データおよび前記右目用画像データのうちの他方の画像データを生成する、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記撮像装置の姿勢の変化を検知するセンサをさらに備え、
前記メモリは、前記姿勢の変化に関する閾値を予め格納しており、
前記プロセッサは、前記一方の画像データを生成したときを基準として前記姿勢の変化が前記閾値以上になった場合、前記再度の外部入力を受け付けても、前記他方の画像データを生成しない、請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記姿勢の変化に伴う前記撮像装置の光軸の振れ角が前記閾値以上になった場合、前記再度の外部入力を受け付けても、前記他方の画像データを生成しない、請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記センサは、前記姿勢の変化として、鉛直軸と前記一方の画像データを生成したときの光軸とに垂直な軸を回転軸とした前記撮像装置の傾きを検知する、請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記センサは、前記姿勢の変化として、鉛直軸を回転軸とした前記撮像装置の傾きを検知する、請求項4に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記センサは、前記姿勢の変化として、前記撮像装置の光軸に平行な軸を回転軸とした前記撮像装置の傾きを検知する、請求項3に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記姿勢の変化が前記閾値以上となった場合には、前記姿勢の変化を前記閾値未満とするための案内表示を前記ディスプレイに表示させる、請求項3から7のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項9】
視差バリア方式で立体画像を表示するための立体画像データを生成する撮像装置における画像処理方法であって、
前記撮像装置が、シャッタボタンの押下またはディスプレイに表示されたオブジェクトの選択に基づく外部入力を受け付けたことに基づき、撮像素子を用いて左目用画像データおよび右目用画像データのうちの一方の画像データを生成するステップと、
前記撮像装置が、前記一方の画像データが生成されたことに基づき、当該一方の画像データと前記撮像素子による撮像により得られたスルー画像データとを用いて立体画像データを生成するステップと、
前記撮像装置が、前記生成された立体画像データに基づく立体画像をディスプレイに表示するステップと、
前記撮像装置が、前記立体画像が前記ディスプレイに表示された状態で前記外部入力を再度受け付けると、前記撮像素子を用いて前記左目用画像データおよび前記右目用画像データのうちの他方の画像データを生成するステップと、
前記撮像装置が、前記他方の画像データが生成されたことに基づき、前記一方の画像データと当該他方の画像データとを用いて立体画像データを生成するステップと、
前記撮像装置が、前記一方の画像データと前記他方の画像データとを用いて生成された前記立体画像データをメモリに格納するステップとを備える、画像処理方法。
【請求項10】
視差バリア方式で立体画像を表示するための立体画像データを生成する撮像装置を制御するためのプログラムであって、
シャッタボタンの押下またはディスプレイに表示されたオブジェクトの選択に基づく外部入力を受け付けたことに基づき、撮像素子を用いて左目用画像データおよび右目用画像データのうちの一方の画像データを生成するステップと、
前記一方の画像データが生成されたことに基づき、当該一方の画像データと前記撮像素子による撮像により得られたスルー画像データとを用いて立体画像データを生成するステップと、
前記生成された立体画像データに基づく立体画像をディスプレイに表示するステップと、
前記立体画像が前記ディスプレイに表示された状態で前記外部入力を再度受け付けると、前記撮像素子を用いて前記左目用画像データおよび前記右目用画像データのうちの他方の画像データを生成するステップと、
前記他方の画像データが生成されたことに基づき、前記一方の画像データと当該他方の画像データとを用いて立体画像データを生成するステップと、
前記一方の画像データと前記他方の画像データとを用いて生成された前記立体画像データをメモリに格納するステップとを、前記撮像装置に実行させる、プログラム。
【請求項1】
視差バリア方式で立体画像を表示するための立体画像データを生成する撮像装置であって、
プロセッサと、
メモリと、
被写体を撮像するための撮像素子と、
ディスプレイとを備え、
前記プロセッサは、
シャッタボタンの押下または前記ディスプレイに表示されたオブジェクトの選択に基づく外部入力を受け付けたことに基づき、前記撮像素子を用いて左目用画像データおよび右目用画像データのうちの一方の画像データを生成し、
前記一方の画像データが生成されたことに基づき、当該一方の画像データと前記撮像素子による撮像により得られたスルー画像データとを用いて立体画像データを生成し、
前記生成された立体画像データに基づく立体画像を前記ディスプレイに表示させ、
前記立体画像が前記ディスプレイに表示された状態で前記外部入力を再度受け付けると、前記撮像素子を用いて前記左目用画像データおよび前記右目用画像データのうちの他方の画像データを生成し、
前記他方の画像データが生成されたことに基づき、前記一方の画像データと当該他方の画像データとを用いて立体画像データを生成し、
前記一方の画像データと前記他方の画像データとを用いて生成された前記立体画像データを前記メモリに格納する、撮像装置。
【請求項2】
前記スルー画像データを生成するための電子シャッタと、
前記左目用画像データおよび前記右目用画像データを生成するためのメカニカルシャッタとをさらに備え、
前記プロセッサは、
前記外部入力を受け付けたことに基づき、前記メカニカルシャッタを用いて、前記左目用画像データおよび前記右目用画像データのうちの一方の画像データを生成し、
前記一方の画像データが生成されたことに基づき、当該一方の画像データと前記電子シャッタを用いた撮像により得られた前記スルー画像データとを用いて立体画像データを生成し、
前記立体画像が前記ディスプレイに表示された状態で前記外部入力を再度受け付けると、前記メカニカルシャッタを用いて、前記左目用画像データおよび前記右目用画像データのうちの他方の画像データを生成する、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記撮像装置の姿勢の変化を検知するセンサをさらに備え、
前記メモリは、前記姿勢の変化に関する閾値を予め格納しており、
前記プロセッサは、前記一方の画像データを生成したときを基準として前記姿勢の変化が前記閾値以上になった場合、前記再度の外部入力を受け付けても、前記他方の画像データを生成しない、請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記姿勢の変化に伴う前記撮像装置の光軸の振れ角が前記閾値以上になった場合、前記再度の外部入力を受け付けても、前記他方の画像データを生成しない、請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記センサは、前記姿勢の変化として、鉛直軸と前記一方の画像データを生成したときの光軸とに垂直な軸を回転軸とした前記撮像装置の傾きを検知する、請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記センサは、前記姿勢の変化として、鉛直軸を回転軸とした前記撮像装置の傾きを検知する、請求項4に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記センサは、前記姿勢の変化として、前記撮像装置の光軸に平行な軸を回転軸とした前記撮像装置の傾きを検知する、請求項3に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記姿勢の変化が前記閾値以上となった場合には、前記姿勢の変化を前記閾値未満とするための案内表示を前記ディスプレイに表示させる、請求項3から7のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項9】
視差バリア方式で立体画像を表示するための立体画像データを生成する撮像装置における画像処理方法であって、
前記撮像装置が、シャッタボタンの押下またはディスプレイに表示されたオブジェクトの選択に基づく外部入力を受け付けたことに基づき、撮像素子を用いて左目用画像データおよび右目用画像データのうちの一方の画像データを生成するステップと、
前記撮像装置が、前記一方の画像データが生成されたことに基づき、当該一方の画像データと前記撮像素子による撮像により得られたスルー画像データとを用いて立体画像データを生成するステップと、
前記撮像装置が、前記生成された立体画像データに基づく立体画像をディスプレイに表示するステップと、
前記撮像装置が、前記立体画像が前記ディスプレイに表示された状態で前記外部入力を再度受け付けると、前記撮像素子を用いて前記左目用画像データおよび前記右目用画像データのうちの他方の画像データを生成するステップと、
前記撮像装置が、前記他方の画像データが生成されたことに基づき、前記一方の画像データと当該他方の画像データとを用いて立体画像データを生成するステップと、
前記撮像装置が、前記一方の画像データと前記他方の画像データとを用いて生成された前記立体画像データをメモリに格納するステップとを備える、画像処理方法。
【請求項10】
視差バリア方式で立体画像を表示するための立体画像データを生成する撮像装置を制御するためのプログラムであって、
シャッタボタンの押下またはディスプレイに表示されたオブジェクトの選択に基づく外部入力を受け付けたことに基づき、撮像素子を用いて左目用画像データおよび右目用画像データのうちの一方の画像データを生成するステップと、
前記一方の画像データが生成されたことに基づき、当該一方の画像データと前記撮像素子による撮像により得られたスルー画像データとを用いて立体画像データを生成するステップと、
前記生成された立体画像データに基づく立体画像をディスプレイに表示するステップと、
前記立体画像が前記ディスプレイに表示された状態で前記外部入力を再度受け付けると、前記撮像素子を用いて前記左目用画像データおよび前記右目用画像データのうちの他方の画像データを生成するステップと、
前記他方の画像データが生成されたことに基づき、前記一方の画像データと当該他方の画像データとを用いて立体画像データを生成するステップと、
前記一方の画像データと前記他方の画像データとを用いて生成された前記立体画像データをメモリに格納するステップとを、前記撮像装置に実行させる、プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−78038(P2013−78038A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217576(P2011−217576)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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