撮像装置および測距方法
【課題】被写体距離やズーム状態にかかわらず高速かつ高精度に顔等の特定被写体にピントを合わせられるようにする。
【解決手段】撮像装置は、撮影光学系201を通さずに、複数の測距エリアL,C,Rのそれぞれにおいて測距動作が可能な測距手段230と、画像中における特定被写体の画像部分である特定被写体領域を検出する被写体検出手段235と、測距動作により得られた情報に基づいて撮影光学系のフォーカス制御を行う制御手段251,233とを有する。制御手段は、画像中における特定被写体領域の大きさと撮影光学系の焦点距離に関する情報とに応じて該撮像装置から特定被写体までの距離情報を生成し、該特定被写体までの距離情報と画像中における特定被写体領域の位置とに応じて、複数の測距エリアのうち特定被写体に対する測距動作を行う測距エリアを選択する。
【解決手段】撮像装置は、撮影光学系201を通さずに、複数の測距エリアL,C,Rのそれぞれにおいて測距動作が可能な測距手段230と、画像中における特定被写体の画像部分である特定被写体領域を検出する被写体検出手段235と、測距動作により得られた情報に基づいて撮影光学系のフォーカス制御を行う制御手段251,233とを有する。制御手段は、画像中における特定被写体領域の大きさと撮影光学系の焦点距離に関する情報とに応じて該撮像装置から特定被写体までの距離情報を生成し、該特定被写体までの距離情報と画像中における特定被写体領域の位置とに応じて、複数の測距エリアのうち特定被写体に対する測距動作を行う測距エリアを選択する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影光学系の外部に測距センサを有する撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ等の撮像装置に搭載されるオートフォーカス機能には、撮影光学系により形成された被写体像の位相差を検出したり、該被写体像の光電変換により生成された画像の高周波成分を検出したりして、撮影光学系の焦点状態を検出するものがある。また、このような撮影光学系を介する内測タイプではなく、撮影光学系を介さずに、撮影光学系の外部に設けられた測距センサ(以下、外部測距センサという)を用いて被写体距離を測定する外測タイプもある。
外測タイプにおいては、撮影光学系の視野と外部測距センサの視野とに視差(パララックス)が生じる。このパララックスにより、撮影光学系の視野内で指定された測距エリアと、外部測距センサによって測距動作が行われる測距エリアとがずれてしまい、正確な被写体距離を測定することができないおそれがある。
この問題に対して、特許文献1には、撮影光学系の視野内での測距エリアと外測測距センサによる測距エリアとを一致させるようにした撮像装置が開示されている。
また、特許文献2には、画像中から人物の顔を画像処理によって検出する顔検出機能を有する撮像装置が開示されている。この撮像装置では、画像中において検出された顔の大きさから撮像装置から被写体である人物までの距離を推定することも可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−26804号公報
【特許文献2】特開2007−263926公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、撮影光学系の視野と外部測距センサの視野とのパララックスは、被写体距離や撮影光学系の焦点距離によって変化する。このため、顔検出機能を有する外測タイプの撮像装置において顔に対して高速かつ高精度にピントを合わせるには、被写体距離や焦点距離によるパララックスの変化を考慮する必要がある。
【0005】
本発明は、被写体距離やズーム状態にかかわらず高速かつ高精度に顔等の特定被写体にピントを合わせることができるようにした外測タイプの撮像装置および測距方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面としての撮像装置は、撮影光学系を通して形成された被写体像を光電変換して画像を生成する。該撮像装置は、撮影光学系を通さずに、複数の測距エリアのそれぞれにおいて測距動作が可能な測距手段と、画像中における特定被写体の画像部分である特定被写体領域を検出する被写体検出手段と、測距動作により得られた情報に基づいて撮影光学系のフォーカス制御を行う制御手段とを有する。制御手段は、画像中における特定被写体領域の大きさと撮影光学系の焦点距離に関する情報とに応じて該撮像装置から特定被写体までの距離情報を生成し、該特定被写体までの距離情報と画像中における特定被写体領域の位置とに応じて、複数の測距エリアのうち特定被写体に対する測距動作を行う測距エリアを選択することを特徴とする。
また、本発明の他の一側面としての測距方法は、撮影光学系を通して形成された被写体像を光電変換して画像を生成する撮像装置であり、撮影光学系を通さずに、複数の測距エリアのそれぞれにおいて測距動作が可能であるとともに、該測距動作により得られた情報に基づいて撮影光学系のフォーカス制御を行う撮像装置に適用される。該測距方法は、画像中における特定被写体の画像部分である特定被写体領域を検出するステップと、画像中における特定被写体領域の大きさと撮影光学系の焦点距離に関する情報とに応じて該撮像装置から特定被写体までの距離情報を生成するステップと、該特定被写体までの距離情報と画像中における特定被写体領域の位置とに応じて、複数の測距エリアのうち特定被写体に対する測距動作を行う測距エリアを選択するステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、外測タイプの撮像装置において、被写体距離や撮影光学系のズーム状態にかかわらず高速かつ高精度に特定被写体にピントを合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施例である撮像装置におけるAF方法の概念を示す図。
【図2】実施例の撮像装置のシステム構成を示すブロック図。
【図3】実施例の撮像装置に搭載された外部測距センサの構成を示す図。
【図4】実施例の撮像装置に搭載された外部測距センサの配置を説明する図。
【図5】実施例の撮像装置における撮影光学系の視野と外部測距センサの視野とのパララックスを説明する図。
【図6】実施例の撮像装置における被写体距離ごとのパララックスを説明する図。
【図7】実施例の撮像装置におけるAF動作を説明するフローチャート。
【図8】実施例の撮像装置における顔検出がなされないときの測距方法を説明するフローチャート。
【図9】実施例の撮像装置における外部測距エリアと撮影画面の中央エリアとの重なりを説明する図。
【図10】実施例の撮像装置におけるクロス率の被写体距離に応じた変化を説明するグラフ。
【図11】本発明の実施例1における測距方法を説明するフローチャート。
【図12】実施例1における被写体距離ごとの顔と外部測距エリアとの重なりを示す図。
【図13】人物とカメラとの間の距離を示す図。
【図14】被写体距離ごとの顔の映り方を示す図。
【図15】実施例1における被写体距離ごとの顔エリアと外部測距エリアとの重なり方を示す図。
【図16】本発明の実施例2を説明するフローチャート
【図17】実施例2における顔の撮像面内方向での移動を示す図。
【図18】実施例2における顔の撮像面内方向での移動と外部測距エリアとの関係を示す図。
【図19】実施例2における顔の光軸方向での移動を示す図。
【図20】実施例2における顔の光軸方向での移動を撮影画面上で示した図。
【図21】実施例2における顔の光軸方向での移動と外部測距エリアとの関係を示す図
【図22】実施例3において、外部測距エリアを複数同時に選択する場合の説明図。
【図23】実施例における外部測距センサの構造を示す図。
【図24】実施例における外部測距センサ内で外部測距エリアを新たに追加する場合の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
まず、本発明の具体的な実施例1,2の説明に先立って、該実施例1,2に共通する事項について説明する。
図1には、実施例におけるAF(オートフォーカス)方法を概念的に示している。ステップS101では、直接測距AFユニットによる測距動作(外測測距:以下、直接測距という)が行われる。直接測距AFユニットは、後述する外部測距センサを用いて被写体距離に関する情報を取得する測距動作を行う。外部測距センサは、複数の測距エリアを有し、測距エリアごとに測距動作が可能である。また、直接測距AFユニットは、実施例のカメラ(撮像装置)の撮影光学系の外部に設けられ、該撮影光学系を通さずに測距動作を行う。
被写体距離に関する情報は、被写体距離そのものであってもよいし、被写体距離に対応する他の情報(例えば、外部測距センサ上に形成される2像の位相差)であってもよい。直接測距AFユニットは、被写体距離に関する情報を示す信号P(X)(Xは測距エリアの番号)を出力する。この直接測距により得られた信号P(X)を用いたAFを直接測距AFという。
ステップS102では、カメラに設けられた撮像素子を用いて生成された画像信号(画像又は画像データ)から、被写体である人物の顔(特定被写体)を含む画像部分(特定被写体領域:以下、顔エリアという)を検出し、その検出データ信号を出力する。
ステップS109では、P(X)と顔エリアに関する情報(大きさと位置)に基づいて、外部測距センサに設けられた複数の測距エリアの中から1つ又は2以上の測距エリアを選択し、所定の信号P(X)をスイッチ(S107)に出力する。
また、ステップS109では、顔エリアに対して有効な測距エリアを選択可能かどうかの情報をAF方式選択ステップ(S106)に送る。
ステップS103では、撮像信号AF(TV−AF又はコントラストAFともいう)を行うために、画像信号の高周波成分からAF評価値FVを生成して出力する。ステップS104では、AF評価値FVを用いた、いわゆる山登り動作による、撮影光学系に含まれるフォーカスレンズの合焦位置(合焦点)の探索を行う。ステップS103に含まれるステップS105では、どのくらい合焦点に近づいているかを示す指標となる合焦度IFAを検出し、AF方式選択ステップ(S106)に送る。
ステップS106では、合焦度の情報と顔エリアの選択が可能か否かの情報とに応じて、直接測距AFと撮像信号AFのうち一方を使用するAF方式として選択するようにスイッチ(S107)を切り換える。ステップS108では、選択されたAF方式で得られた結果に応じてフォーカスレンズを駆動し、合焦対象である被写体にピントを合わせる。
【実施例1】
【0010】
図2には、本発明の実施例1であるビデオカメラやデジタルカメラ等のカメラ(撮像装置)の構成を示している。このカメラの構成は、後述する実施例2と共通である。
カメラ内の各ユニットは、バス260を介して相互に接続されており、各ユニットはメインCPU251によって制御される。
【0011】
撮影光学系としてのレンズユニット201は、被写体側から像面側に順に、固定の前玉レンズ202、ズームレンズ211、絞り203、固定の第3レンズ221およびフォーカスレンズ231を含む。被写体からの光はレンズユニット201を通して撮像素子241上に結像する。撮像素子241は被写体像を光電変換して電気信号を出力する。
ズーム制御部213は、メインCPU251の指示に従ってズームモータ212を駆動する。これにより、ズームレンズ211が光軸方向に移動し、レンズユニット201の焦点距離(ズーム状態)が変更される。
【0012】
撮像素子241の電荷蓄積動作や信号出力動作は、撮像部制御回路243によって制御される。撮像素子241からの出力信号に対して撮像信号処理回路242にて各種処理がなされることで、画像信号が生成される。画像信号TVSはAF信号処理回路234および顔検出処理回路(被写体検出手段)235へと入力される。AF信号処理回路234では、前述したAF評価値FVと合焦度IFAを生成し、フォーカス制御回路233に出力する。顔検出処理回路235は、画像信号中(つまりは画像中)から顔エリアを探索し、顔エリアを検出した場合には該画像中における顔エリアの大きさと位置を示す情報を、フォーカス制御回路233に出力する。
【0013】
一方、レンズユニット201の外部に設けられた直接測距AFユニット(測距手段)230は、被写体距離に関する情報である信号P(X)を算出してフォーカス制御回路233に出力する。信号P(X)の算出は、直接測距AF用の瞳分割光学系238を通して位相差センサ239上に結像された一対の被写体像(以下、2像という)を位相差センサ239で光電変換することで得られる該2像の位相差量の検出結果に基づいて行われる。
フォーカス制御回路233は、使用するAF方式として直接測距AFが選択された場合には信号P(X)に基づいて、撮像信号AFが選択された場合にはAF評価値FVに基づいてそれぞれAF処理を行う。具体的には、信号P(X)に応じた光軸方向位置又はAF評価値FVが最大となる光軸方向位置にフォーカスレンズ231を移動させるようにフォーカスモータ232を制御する。また、いずれのAF方式を使用する場合でも、顔エリアの大きさと位置を示す情報に基づいて、信号P(X)又はAF評価値FVを得るための測距エリアの選択が可能である。フォーカス制御回路233とメインCPU251により制御手段が構成される。
【0014】
撮像信号処理回路242で生成され、撮像部制御回路243を通じてバス260に出力された画像信号は、RAM254に一時的に蓄積される。RAM254から読み出された画像信号は、画像圧縮解凍回路253にて圧縮処理され、画像記録用メディア257に記録される。また、RAM254から読み出された画像信号は、画像処理回路252にて適切なサイズに縮小/拡大される。適切なサイズに処理された画像信号は、モニタディスプレイ250に表示される。これにより、使用者は撮影前の被写体の様子や撮影された画像を観察することができる。
【0015】
操作スイッチ256は、使用者が各種指示を入力するために操作する。電源バッテリ259は、電源管理回路258によって管理され、カメラ全体に安定的に電源供給を行う。
【0016】
カメラが起動すると、フラッシュメモリ255に格納されていたコンピュータプログラムがRAM254の一部にロードされる。メインCPU251は、RAM254にロードされたコンピュータプログラムに従ってAF処理を含む各種動作を行う。
【0017】
図3を用いて、レンズユニット201の外部に設けられた直接測距AFユニット230の構成と測距原理について説明する。図3には、直接測距AFユニット230の上面、正面および側面を示している。
301は人物等の被写体であり、304および305はそれぞれ、光電変換素子が一列に並べられて構成されたラインセンサ239上の左センサ部および右センサ部である。以下の説明では、左センサ部304および右センサ部305をそれぞれ、左ラインセンサ304および右ラインセンサ305という。
被写体301からの光は、AFレンズ238に形成された左レンズ部302および右レンズ部303を通って左ラインセンサ304および右ラインセンサ305上に被写体像(2像)を形成する。カメラから被写体301までの距離、より厳密にはAFレンズ238(302,303)、左ラインセンサ304および右ラインセンサ305によって構成される直接測距AFユニット230から被写体301までの距離(被写体距離)lは、以下のように表される。
左レンズ部302および右レンズ部303間の基線長をBとし、AFレンズ238の焦点距離をfとし、右ラインセンサ305により検出される被写体像を基準とした左ラインセンサ304により検出される被写体像の位相差をnとする。このとき、
l=B×f/n
である。そして、フォーカスレンズ231の合焦点は、被写体距離l又は位相差nの関数として表される信号P(X)により算出される。
【0018】
本実施例では、左右のラインセンサ304,305はそれぞれ、複数(3つ)の測距エリア(左側からL,C,Rで示す)に分割されている。そして、測距エリアごとに信号P(X)(XはL,C,Rのいずれか)が出力されてフォーカス制御回路233に入力される。
図4には、直接測距AFユニット230とレンズユニット201のレイアウトをカメラの正面から見て示している。正面視において、レンズユニット201の左側外部に直接測距AFユニット230が設置されている。なお、このレイアウトは例に過ぎず、レンズユニット201の右側外部や斜め上外部又は斜め下外部に設置してもよい。
直接測距AFユニット230を図4のように設置すると、直接測距AFユニット230の視野とレンズユニット201の視野との間に視差(パララックス)が発生し、該パララックスは被写体距離に応じて変化する。図5には被写体距離に応じた直接測距AFユニット230の視野とレンズユニット201の視野を示している。また、図6には、被写体距離とパララックスとの関係を示している。
図5において、501は撮像素子241の物理位置を示している。511は直接測距AFユニット230のラインセンサ239の物理位置を示している。撮像素子241とラインセンサ239上に被写体像が形成される被写体までの距離が近距離、中距離および遠距離である場合のレンズユニット201の視野(以下、撮影視野という)はそれぞれ、502,503,504である。つまり、撮影視野502,503,504内の被写体の像が撮像素子241上に形成される。また、近距離、中距離および遠距離での直接測距AFユニット230の視野(以下、測距視野という)はそれぞれ、512,513,514である。つまり、測距視野512,513,514内の被写体の2像がラインセンサ239上に形成される。本実施例では、近距離として例えば1mを想定し、中距離として例えば3mを想定している。また、遠距離として例えば100mを想定している。
図6において、601は図5に示した撮影視野502,503,504を示し、602は図5に示した測距視野512,513,514を示している。また、611,612,613/621,622,623/631,632,633はそれぞれ、測距視野602内における直接測距AFユニット230の3つの測距エリアL,C,Rに対応する視野(以下、これらも測距エリアL,C,Rという)を示している。
被写体距離が近距離である場合(a)には、パララックスによって測距視野602(512)は、撮影視野601(502)に対して右寄りに位置している。この場合、測距エリアL(611),C(612)が撮影視野601と重なっており、測距エリアR(613)は撮影視野601とはほとんど重なっていない。
被写体距離が中距離である場合(b)には、パララックスはなく、測距視野602(513)は、撮影視野601(503)に対して偏りなく(中心が一致するように)位置している。この場合、測距エリアL(621),C(622),R(623)がすべて撮影視野601と重なっている。
被写体距離が近距離である場合(a)には、パララックスによって測距視野602(514)は、撮影視野601(504)に対して左寄りに位置している。この場合、測距エリアR(633),C(632)が撮影視野601と重なっており、測距エリアL(631)は撮影視野601とはほとんど重なっていない。
【0019】
図5および図6でのパララックスに関する説明では、ズームレンズ211をある位置に固定してレンズユニット201の焦点距離、つまりは画角を固定している。ズームレンズ211を移動させて焦点距離(画角)を変えると、撮影視野と測距エリアとの重なり方も図5および図6に示した例に対して変化する。このため、本実施例のカメラでは、ズームレンズ211の位置ごと(つまりは焦点距離ごと)の撮影視野と測距エリアとの重なり方を示す情報をフラッシュメモリ255に保持している。
図7のフローチャートには、本実施例(および後述する実施例2)におけるAF処理の手順を示している。AF処理は、主としてメインCPU251とフォーカス制御回路233とがコンピュータプログラムに従って行う。以下の説明において、メインCPU251とフォーカス制御回路233を合わせて制御部という。
ステップS701からAF処理を開始すると、ステップS702では、メインCPU251はAFの状態を表すAFMODEに1を代入する。
次にステップS703では、制御部は、撮像信号処理回路242による画像信号の生成処理、AF信号処理回路234によるAF評価値FVと合焦度IFAの生成処理およびラインセンサ239の出力から位相差を算出する処理を同期させて行わせる。
次にステップS704では、制御部は、AF信号処理回路234からのAF評価値FVと合焦度IFAを取得し、ラインセンサ239から測距エリアごとの被写体距離信号P(L),P(C),P(R)を取得する。
次にステップS705では、顔検出処理回路235は、撮像信号処理回路242から受け取った画像信号中における顔エリアの検出処理を行う。この処理では、画像信号中に人物の顔が存在するか否かの判定と、顔が存在した場合に該顔を含む顔エリアの画像中での位置と大きさの算出処理を行う。
続いて、ステップS706では、制御部は、ステップS705にて顔エリアが検出されたか否かを判定する。顔エリアが検出された場合はステップS707に進み、検出されなかった場合はステップS712に進む。
ステップS707では、制御部は、測距エリアL,C,Rのうち、検出された顔エリア(の大きさおよび位置)に対して、測距動作を行う測距エリアとして適切な測距エリアが存在するか否かを判定する。適切な測距エリアが存在する場合にはXにその測距エリアの符号L,C又はRを代入する。このステップでの具体的な処理については後に図11を用いて説明する。
次にステップS708では、制御部は、ステップS707で顔エリアに対して適切な測距エリアの選択を行ったか否かを判定し、該選択を行った場合はステップS709に移行し、該選択を行っていない場合はステップS712に移行する。
ステップS709では、制御部は、顔エリアに対して選択された測距エリアを用いた直接測距AFである「顔ハイスピードAF」を行うか否かを示す顔AF_FLAGをON(行う)にセットする。
続いてステップS710では、制御部は、現在のAFモードが「顔ハイスピードAF」を使用しないAFMODE=2の状態であるか否かを判定する。AFMODE=2の状態であれば、ステップS711にてAFMODE=1にする。AFMODE=2ではない場合は、「顔ハイスピードAF」によるフォーカス制御途中の状態(AFMODE=1)か「顔ハイスピードAF」によって合焦が得られた状態(AFMODE=3)である。この場合は、AFMODEを変更せずにステップS714に進む。以上は、画像中に顔エリアが存在し、「顔ハイスピードAF」が行われる場合の処理の流れである。
ステップS706において顔エリアが存在しないと判定した場合およびステップS708にて顔エリアに対して適切な測距エリアを選択しなかった場合には、前述したようにステップS712に進む。ステップS712では、制御部は、できるだけ撮影視野の中央に位置する測距エリアを、使用する(測距動作を行う)測距エリアとして選択するよう以下の処理を行う。
図8のフローチャートは、ステップS712での具体的な処理を示している。また、図9には、撮影視野内に設定された中央エリア901と測距エリア902との重なり度合いを示すクロス率の計算方法を説明する図である。a(903)は測距エリアCの幅であり、b(904)は中央エリアと測距エリアCとが重なり合っている部分の幅である。測距エリアのCのクロス率CC(被写体距離)は次のように表される。
CC(被写体距離)=b/a
測距エリアLおよび測距エリアRのそれぞれのクロス率LC(被写体距離)およびRC(被写体距離)に関しても同様に求められる。
【0020】
図10は、クロス率の被写体距離による変化を表したグラフである。本実施例のカメラではこのグラフに対応したパラメータを予め保持している。横軸が被写体距離であり、縦軸がクロス率である。1m近辺で測距エリアLのクロス率LCが最大になり、3m近辺で測距エリアCのクロス率CCが最大になり、100m近辺で測距エリアRのクロス率RCが最大になる。また、1mと3mとの間の距離D1を境にして測距エリアLのクロス率LCより測距エリアCのクロス率CCが大きくなり、3mと100mとの間の距離D2を境に測距エリアCのクロス率CCより測距エリアRのクロス率RCの方が大きくなる。
【0021】
図8において、ステップS801で処理を開始すると、ステップS802では、制御部は、測距エリアCの信号P(C)に対応する被写体距離がD1より大きく、かつD2よりも小さいか否かを判定する。そうであるときはステップS805に、そうでないときはステップS803に進む。ステップS805では、制御部は、使用する測距エリアとして測距エリアCを選択する。このように、まず測距エリアCの信号P(C)に対応する被写体距離を確認することは、測距エリアCを他の測距エリアよりも優先することに相当する。一般的に動画撮影の場合には、使用者が撮影対象とする主被写体は画面の中央に位置することが多いからである。
【0022】
ステップS803では、制御部は、測距エリアLの信号P(L)に対応する被写体距離がD1以下であるか否かを判定し、そうである場合はステップS806に進み、そうでない場合はステップS804に進む。ステップS806では、制御部は、使用する測距エリアとして測距エリアLを選択する。
ステップS804では、制御部は、測距エリアRの信号P(R)に対応する被写体距離がD2以下か否かを判定し、そうである場合はステップS807に進み、そうでない場合はステップS805に進む。ステップS807では、制御部は、使用する測距エリアとして測距エリアRを選択する。ステップS805では、前述したように測距エリアCを選択する。ここで、測距エリアCを選択するのは、測距エリアCを他の測距エリアよりも優先するためである。言い換えれば、本実施例においては、被写体距離3m付近での撮影が優先される。
なお、図8のフローチャートでは、ステップS803において測距エリアLの選択に関わる判定を行った後に、ステップS804において測距エリアRの選択に関わる判定を行う場合について説明したが、この順番は逆でもよい。すなわち、ステップS803において測距エリアRの選択に関わる判定を行った後に、ステップS804において測距エリアLの選択に関わる判定を行ってもよい。
【0023】
図7のフローチャートに戻り、ステップS712において測距エリアを選択した後、ステップS713において、制御部は、顔AF_FLAGにOFFをセットする。そして、ステップS714に進む。
【0024】
ステップS714では、制御部は、AFMODEの値を判定する。AFMODE=1である場合は、直接測距AFを行うためにステップS715に進み、AFMODE=2である場合は、撮像信号AFを行うためにステップS720に進む。また、AFMODE=3である場合は、ステップS724に進む。AFMODE=3は合焦状態が得られた状態を示し、ステップS724ではAF評価値FVに変化がないかどうかを監視して、変化があった場合にはAFMODE=1又はAFMODE=2を設定して直接測距AF又は撮像信号AFを再度行う。
【0025】
カメラの起動直後はAFMODE=1であるので、ステップS714からステップS715に進む。ステップS715では、制御部は、ステップS707又はステップS712において選択した測距エリアからの信号P(X)と現在のフォーカスレンズ231の位置とに基づいて、フォーカスレンズ231の駆動方向と駆動速度を決定する。具体的には、フォーカスレンズ231の位置が信号P(X)に対応する合焦点に近づくように駆動方向を決定し、これらの位置間の距離が遠い場合は高速で、近い場合は低速になるように駆動速度を決定する。
次にステップ716では、制御部は、フォーカスレンズ231の位置が合焦点に一致しているか否か、すなわち合焦状態が得られているか否かを判定する。合焦状態が得られている場合はステップS717に進み、顔AF_FLAGがONになっているか否かを判定する。顔AF_FLAGがONである場合は、ステップS718に進んでAFMODE=3を設定する。また、顔AF_FLAGがOFFである場合は、ステップS719に進んでAFMODE=2を設定する。これは、本実施例においては、顔ハイスピードAFを行わない通常AFモードであれば、直接測距AFによって合焦状態が得られた後に撮像信号AFを行うが、顔ハイスピードAFを行う場合は常に顔エリアに対して直接測距AFを行うためである。
ステップS716にて合焦状態が得られていないと判定した場合は、ステップS730に進み、制御部は、ステップS715で決定した駆動方向と駆動速度に応じてフォーカスモータ232を駆動する。
また、ステップS718又はステップS719の処理を経てステップS730に進んだ場合は、制御部は、フォーカスモータ232を停止させる。
ステップS730からはステップS703に戻る。以後、撮像素子241の読み出し周期に同期してステップS703からの処理を繰り返す。
ステップS720では、制御部は、ステップS704にて取得したAF評価値FVが、前回のルーチンで取得し保持したAF評価値FVに対して増加しているか減少しているかを判定する。AF評価値FVが増加している場合はステップS730に進んでフォーカスモータ232を所定速度で駆動する。AF評価値FVが減少している場合はステップS721に進む。
ステップS721では、制御部は、フォーカスレンズ231の駆動方向を逆転させる。その後、ステップS722で、AF評価値FVがピーク(最大値)を通過した後に減少に転じたか否かを判定する。ピークを通過していない場合はステップS730に進んでフォーカスモータ232を所定速度で駆動する。ピークを通過した場合はステップS723に進み、AFMODE=3を設定する。そして、ステップS730に進み、フォーカスモータ232を停止させる。ステップS730からはステップS703に戻る。
ステップS724では、制御部は、フォーカスレンズ231をAF評価値FVがピークとなる合焦点に戻すようにフォーカスモータ232を駆動し、その後、停止させる。
次にステップS725では、制御部は、最新のAF評価値FVが合焦点でのAF評価値FVに対して変化したか否かを判定する。また同時に、最新の信号P(X)の値が変化したか否かも判定する。これらが変化していない場合はステップS730へ進み、フォーカスモータ232を停止させた(合焦状態を維持した)ままとしてステップS703に戻る。一方、これらが変化した場合は、ステップS726に進む。ステップS726では、制御部は、合焦度IFAがしきい値IFAthよりも小さいか否か(つまりは大ぼけ状態か小ぼけ状態か)を判定する。合焦度IFAがしきい値IFAthよりも小さい場合は、大ぼけ状態であるので、ステップS727に進み、AFMODE=1を設定してステップS730に進む。これにより、直接測距AFが再起動される。
また、合焦度IFAがしきい値IFAth以上である場合は、小ぼけ状態であるので、ステップS728に進み、顔AF_FLAGがONか否かを判定する。顔AF_FLAGがONであるときはステップ727に進み、OFFであるときはステップS729に進む。
ステップS729では、制御部は、AFMODE=2を設定してステップS730に進む。このときは、撮像信号AFが再起動される。ステップS730からはステップS703に戻る。
次に、ステップS707にて行われる測距エリアの選択処理について、図11のフローチャートを用いて説明する。
【0026】
ステップS1101で選択処理が開始されると、まずステップS1102において、制御部は、顔検出処理回路235により検出された顔エリアの位置(以下、顔位置という)を取得する。
次にステップS1103では、制御部は、顔検出処理回路235により検出された顔エリアの大きさを取得する。そして、取得した顔エリアの大きさと現在のレンズユニット201の焦点距離に関する情報とに基づいてカメラから顔エリアに含まれる顔(を有する人物)までの距離情報(以下、顔距離という)を生成する。ここにいう焦点距離に関する情報は、焦点距離そのものであってもよいし、ズームレンズ211の位置であってもよい。
レンズユニット201の焦点距離によって決まる撮影視野(画角)に対する顔エリアの大きさと顔距離との関係を示すプロファイルデータは、メインCPU251の内部メモリ等の記憶部に予め保持されている。このため、該プロファイルデータから撮影視野に対する顔エリアの大きさに対応するデータを読み出すことで、顔距離を生成することができる。なお、焦点距離に関する情報と顔エリアの大きさとを変数とする関数式等の演算式を用いて、顔距離を算出してもよい。
続いてステップS1104では、制御部は、ステップS1103で算出した顔距離の位置に存在する顔に対して、直接測距AFユニット230の測距エリアがどのような配置になっているかを算出する。これは図12に示すように、撮影視野内の同じ位置に顔が存在する場合でも、被写体距離が近距離(1m)、中距離(3m)および遠距離(100m)のときに該顔と重なる測距視野を持つ測距エリアが異なるためである。
図13には、被写体距離が近距離(1m)であるとき(a)と中距離(3m)であるとき(b)の撮影の様子を示している。図14には、被写体距離が近距離であるとき(a)と中距離(3m)であるとき(b)の撮影視野を示している。図14において、1402,1403はそれぞれ顔エリアを示す枠であり、この枠の大きさが顔エリアの大きさに相当する。
図14の(a)に示す撮影視野1401に対する顔エリア1402の大きさが得られた場合は、顔距離は1mとされる。同様に、図14の(b)に示す撮影視野1401に対する顔エリア1403の大きさが得られた場合は、顔距離は3mとされる。
そして、ステップS1105では、制御部は、顔距離と顔位置とに応じて、3つの測距エリアL,C,Rのうち該顔エリアに対する重なり度合いが最も高い測距エリアを選択する。例えば、顔距離が1mのときの顔エリア1402の位置に対しては、図15の(a)に示すように測距エリアCを選択する。また、顔距離が3mのときの顔エリア1403の位置に対しては、図15の(b)に示すように測距エリアRを選択する。このような顔距離と顔位置に対して選択すべき測距エリアのデータは、メインCPU251の内部メモリ等の記憶部に予め保持されている。
こうして測距エリアの選択が終了すると、ステップS1106では、制御部は、選択した測距エリアの符号(L,C又はR)をXに代入する。
なお、ステップS1105において測距エリアを選択するために必要な顔エリアとの重なり度合いが所定のしきい値に満たない場合は、本処理(ステップS707)での測距エリアの選択を行わずに、図7におけるステップS708を介してステップS712に進む。
【0027】
本実施例によれば、生成された画像中に顔エリアが存在する場合に、該顔エリアに対して適切な直接測距AF用の測距エリアを選択することができ、該顔エリアに含まれる顔に対して高速かつ高精度に直接測距AFによるピント合わせを行うことができる。
【実施例2】
【0028】
図16のフローチャートには、本発明の実施例2における測距エリアの選択処理の手順を示している。この処理は、図7のステップS707にて、図11に示した選択処理に代えて行われる。
【0029】
ステップS1601で処理を開始すると、ステップS1602では、制御部は、画像中に含まれる顔が撮像面内方向(撮像素子241の受光面に平行な方向)又は光軸方向(該受光面に垂直な方向)に移動したか否かを判定する。これは、前回検出した顔エリアの位置および大きさと今回検出した顔エリアの位置および大きさとをそれぞれ比較することで判定できる。
具体的には、顔エリアの位置が上下左右に変化した場合は、図17に示すように、顔が撮像面内方向にカメラに対する距離を保ちつつ移動したと判定できる。また、顔エリアの大きさが大きくなった場合は、図19に示すように、顔が光軸方向においてカメラに近づく側に移動したと判定できる。さらに、顔エリアの大きさが小さくなった場合は顔が光軸方向においてカメラから遠ざかる側に移動したと判定できる。顔が移動したと判定した場合は、ステップS1603に進む。
一方、顔が移動していないと判定した場合は、ステップS1609〜ステップS1612に進む。これらのステップで行われる処理は、実施例1の図11に示したステップS1102〜S1105での処理と同じである。ステップS1612からステップS1613に進む。
ステップS1603では、制御部は、顔の撮像面内方向への移動量を算出する。図18の(a)には、撮影視野内で顔(顔エリア)が1801から1802に移動した場合を示している。ステップS1603では、該顔エリア1801と顔エリア1802との間の距離を、顔の撮像面内方向への移動量として算出する。この場合、図18の(b)に示すように、適切な測距エリアは、顔の移動の前後で測距エリアCから測距エリアRに変化する。
次に、ステップS1604では、制御部は、顔の光軸方向への移動量を算出する。図20には、顔がカメラに近づく方向(中距離(3m)から近距離(1m))に移動して、(a)に示す顔エリア2001が(b)に示す顔エリア2002に拡大した場合を示している。ステップS1604では、顔エリア2001に対応する顔距離と顔エリア2002に対応する顔距離との差を、顔の光軸方向への移動量として算出する。顔距離は、直接測距AFユニット230による測距動作によって求めてもよいし、撮影視野に対する顔エリアの大きさと顔距離との関係を示すプロファイルデータから求めてもよい。
移動前の顔が撮影視野の中央に位置する場合に適切な測距エリアは、図21の(a)に示すように測距エリアCである。一方、顔がカメラに近づく方向に移動した後の適切な測距エリアは図21の(b)に示すように、測距エリアLである。このように、撮影視野内での顔の位置は変化していないのにもかかわらず、顔距離が変化したことに応じて使用する測距エリアを変更する必要が生じる。
このようにステップS1603およびステップS1604で顔の移動量を算出した後、制御部はステップS1605に進む。
【0030】
ステップS1605では、制御部は、次に直接測距AFを行うタイミングでの顔の位置(予測移動位置)を予測する。そして、該予測移動位置に移動した顔に対して適切な測距エリア(次期測距エリア)を選択する。このとき、図17〜図21にて説明した顔の移動から、顔の3次元的な移動速度を算出して次に直接測距AFを行うタイミングでの顔の位置を予測するとともに、次期測距エリアの選択を行う。
【0031】
次に、ステップS1606では、制御部は、ステップ1605で選択した次期測距エリアと現在選択されている測距エリアとが同じか否かを判定する。同じである場合はステップS1607に進み、測距エリアの変更をせずにステップS1613に進む。一方、同じでない場合はステップS1608に進む。
ステップS1608では、制御部は、使用する測距エリアをステップS1605で算出した次期測距エリアに切り換える。そして、ステップ1613に進む。
ステップS1613では、本選択処理を終了して図7のフローチャートのステップS708に移行する。
【0032】
本実施例によれば、移動している顔に対して適切な測距エリアを順次選択し、該顔に対して高速かつ高精度に直接測距AFによるピント合わせを行うことができる。
以上説明した実施例では、顔に対して直接測距AFを行う構成としたが、顔が移動する場合のみ該顔に対して直接測距AFを行うことで高速なAF追従を可能とし、顔の移動がない場合は該顔に対して撮像信号AFを行う構成としてもよい。
【0033】
また、上記実施例では、1つの顔に対して1つの測距エリアを割り当てる場合について説明したが、複数の測距エリアを割り当てるようにしてもよい。画角によっては、図22に示すように、顔エリア2201に対して直接測距AFの測距視野2202が配置される場合がある。この場合、顔エリア2201に対して測距視野2202のうち測距エリアC,Rを使用した方が精度の良い測距が可能となる。
【0034】
また、上記実施例では、直接測距AFの測距エリアをL,C,Rの3つに分割して別々に使用する場合について説明した。しかし、測距エリアL,C,Rのそれぞれに複数含まれる画素(光電変換素子)を任意に組み合わせて、L,C,R以外の測距エリアを形成するようにしてもよい。
図23には、測距エリアL,C,Rに分割されたラインセンサ2301を示している。各測距エリアには、40個の画素が含まれている。このラインセンサ2301上における図24に示す位置に顔エリア2401が重なる場合、測距エリアCに含まれる画素の一部と測距エリアRに含まれる画素の一部とを組み合わせて測距エリアを形成すればよい。これにより、より精度の高い測距が可能となる。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0035】
高速かつ高精度に特定被写体にピントを合わせることが可能な外測タイプの撮像装置を提供できる。
【符号の説明】
【0036】
201 レンズユニット
230 直接測距AFユニット
233 フォーカス制御回路
235 顔検出処理回路
241 撮像素子
251 メインCPU
L,C,R 測距エリア
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影光学系の外部に測距センサを有する撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ等の撮像装置に搭載されるオートフォーカス機能には、撮影光学系により形成された被写体像の位相差を検出したり、該被写体像の光電変換により生成された画像の高周波成分を検出したりして、撮影光学系の焦点状態を検出するものがある。また、このような撮影光学系を介する内測タイプではなく、撮影光学系を介さずに、撮影光学系の外部に設けられた測距センサ(以下、外部測距センサという)を用いて被写体距離を測定する外測タイプもある。
外測タイプにおいては、撮影光学系の視野と外部測距センサの視野とに視差(パララックス)が生じる。このパララックスにより、撮影光学系の視野内で指定された測距エリアと、外部測距センサによって測距動作が行われる測距エリアとがずれてしまい、正確な被写体距離を測定することができないおそれがある。
この問題に対して、特許文献1には、撮影光学系の視野内での測距エリアと外測測距センサによる測距エリアとを一致させるようにした撮像装置が開示されている。
また、特許文献2には、画像中から人物の顔を画像処理によって検出する顔検出機能を有する撮像装置が開示されている。この撮像装置では、画像中において検出された顔の大きさから撮像装置から被写体である人物までの距離を推定することも可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−26804号公報
【特許文献2】特開2007−263926公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、撮影光学系の視野と外部測距センサの視野とのパララックスは、被写体距離や撮影光学系の焦点距離によって変化する。このため、顔検出機能を有する外測タイプの撮像装置において顔に対して高速かつ高精度にピントを合わせるには、被写体距離や焦点距離によるパララックスの変化を考慮する必要がある。
【0005】
本発明は、被写体距離やズーム状態にかかわらず高速かつ高精度に顔等の特定被写体にピントを合わせることができるようにした外測タイプの撮像装置および測距方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面としての撮像装置は、撮影光学系を通して形成された被写体像を光電変換して画像を生成する。該撮像装置は、撮影光学系を通さずに、複数の測距エリアのそれぞれにおいて測距動作が可能な測距手段と、画像中における特定被写体の画像部分である特定被写体領域を検出する被写体検出手段と、測距動作により得られた情報に基づいて撮影光学系のフォーカス制御を行う制御手段とを有する。制御手段は、画像中における特定被写体領域の大きさと撮影光学系の焦点距離に関する情報とに応じて該撮像装置から特定被写体までの距離情報を生成し、該特定被写体までの距離情報と画像中における特定被写体領域の位置とに応じて、複数の測距エリアのうち特定被写体に対する測距動作を行う測距エリアを選択することを特徴とする。
また、本発明の他の一側面としての測距方法は、撮影光学系を通して形成された被写体像を光電変換して画像を生成する撮像装置であり、撮影光学系を通さずに、複数の測距エリアのそれぞれにおいて測距動作が可能であるとともに、該測距動作により得られた情報に基づいて撮影光学系のフォーカス制御を行う撮像装置に適用される。該測距方法は、画像中における特定被写体の画像部分である特定被写体領域を検出するステップと、画像中における特定被写体領域の大きさと撮影光学系の焦点距離に関する情報とに応じて該撮像装置から特定被写体までの距離情報を生成するステップと、該特定被写体までの距離情報と画像中における特定被写体領域の位置とに応じて、複数の測距エリアのうち特定被写体に対する測距動作を行う測距エリアを選択するステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、外測タイプの撮像装置において、被写体距離や撮影光学系のズーム状態にかかわらず高速かつ高精度に特定被写体にピントを合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施例である撮像装置におけるAF方法の概念を示す図。
【図2】実施例の撮像装置のシステム構成を示すブロック図。
【図3】実施例の撮像装置に搭載された外部測距センサの構成を示す図。
【図4】実施例の撮像装置に搭載された外部測距センサの配置を説明する図。
【図5】実施例の撮像装置における撮影光学系の視野と外部測距センサの視野とのパララックスを説明する図。
【図6】実施例の撮像装置における被写体距離ごとのパララックスを説明する図。
【図7】実施例の撮像装置におけるAF動作を説明するフローチャート。
【図8】実施例の撮像装置における顔検出がなされないときの測距方法を説明するフローチャート。
【図9】実施例の撮像装置における外部測距エリアと撮影画面の中央エリアとの重なりを説明する図。
【図10】実施例の撮像装置におけるクロス率の被写体距離に応じた変化を説明するグラフ。
【図11】本発明の実施例1における測距方法を説明するフローチャート。
【図12】実施例1における被写体距離ごとの顔と外部測距エリアとの重なりを示す図。
【図13】人物とカメラとの間の距離を示す図。
【図14】被写体距離ごとの顔の映り方を示す図。
【図15】実施例1における被写体距離ごとの顔エリアと外部測距エリアとの重なり方を示す図。
【図16】本発明の実施例2を説明するフローチャート
【図17】実施例2における顔の撮像面内方向での移動を示す図。
【図18】実施例2における顔の撮像面内方向での移動と外部測距エリアとの関係を示す図。
【図19】実施例2における顔の光軸方向での移動を示す図。
【図20】実施例2における顔の光軸方向での移動を撮影画面上で示した図。
【図21】実施例2における顔の光軸方向での移動と外部測距エリアとの関係を示す図
【図22】実施例3において、外部測距エリアを複数同時に選択する場合の説明図。
【図23】実施例における外部測距センサの構造を示す図。
【図24】実施例における外部測距センサ内で外部測距エリアを新たに追加する場合の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
まず、本発明の具体的な実施例1,2の説明に先立って、該実施例1,2に共通する事項について説明する。
図1には、実施例におけるAF(オートフォーカス)方法を概念的に示している。ステップS101では、直接測距AFユニットによる測距動作(外測測距:以下、直接測距という)が行われる。直接測距AFユニットは、後述する外部測距センサを用いて被写体距離に関する情報を取得する測距動作を行う。外部測距センサは、複数の測距エリアを有し、測距エリアごとに測距動作が可能である。また、直接測距AFユニットは、実施例のカメラ(撮像装置)の撮影光学系の外部に設けられ、該撮影光学系を通さずに測距動作を行う。
被写体距離に関する情報は、被写体距離そのものであってもよいし、被写体距離に対応する他の情報(例えば、外部測距センサ上に形成される2像の位相差)であってもよい。直接測距AFユニットは、被写体距離に関する情報を示す信号P(X)(Xは測距エリアの番号)を出力する。この直接測距により得られた信号P(X)を用いたAFを直接測距AFという。
ステップS102では、カメラに設けられた撮像素子を用いて生成された画像信号(画像又は画像データ)から、被写体である人物の顔(特定被写体)を含む画像部分(特定被写体領域:以下、顔エリアという)を検出し、その検出データ信号を出力する。
ステップS109では、P(X)と顔エリアに関する情報(大きさと位置)に基づいて、外部測距センサに設けられた複数の測距エリアの中から1つ又は2以上の測距エリアを選択し、所定の信号P(X)をスイッチ(S107)に出力する。
また、ステップS109では、顔エリアに対して有効な測距エリアを選択可能かどうかの情報をAF方式選択ステップ(S106)に送る。
ステップS103では、撮像信号AF(TV−AF又はコントラストAFともいう)を行うために、画像信号の高周波成分からAF評価値FVを生成して出力する。ステップS104では、AF評価値FVを用いた、いわゆる山登り動作による、撮影光学系に含まれるフォーカスレンズの合焦位置(合焦点)の探索を行う。ステップS103に含まれるステップS105では、どのくらい合焦点に近づいているかを示す指標となる合焦度IFAを検出し、AF方式選択ステップ(S106)に送る。
ステップS106では、合焦度の情報と顔エリアの選択が可能か否かの情報とに応じて、直接測距AFと撮像信号AFのうち一方を使用するAF方式として選択するようにスイッチ(S107)を切り換える。ステップS108では、選択されたAF方式で得られた結果に応じてフォーカスレンズを駆動し、合焦対象である被写体にピントを合わせる。
【実施例1】
【0010】
図2には、本発明の実施例1であるビデオカメラやデジタルカメラ等のカメラ(撮像装置)の構成を示している。このカメラの構成は、後述する実施例2と共通である。
カメラ内の各ユニットは、バス260を介して相互に接続されており、各ユニットはメインCPU251によって制御される。
【0011】
撮影光学系としてのレンズユニット201は、被写体側から像面側に順に、固定の前玉レンズ202、ズームレンズ211、絞り203、固定の第3レンズ221およびフォーカスレンズ231を含む。被写体からの光はレンズユニット201を通して撮像素子241上に結像する。撮像素子241は被写体像を光電変換して電気信号を出力する。
ズーム制御部213は、メインCPU251の指示に従ってズームモータ212を駆動する。これにより、ズームレンズ211が光軸方向に移動し、レンズユニット201の焦点距離(ズーム状態)が変更される。
【0012】
撮像素子241の電荷蓄積動作や信号出力動作は、撮像部制御回路243によって制御される。撮像素子241からの出力信号に対して撮像信号処理回路242にて各種処理がなされることで、画像信号が生成される。画像信号TVSはAF信号処理回路234および顔検出処理回路(被写体検出手段)235へと入力される。AF信号処理回路234では、前述したAF評価値FVと合焦度IFAを生成し、フォーカス制御回路233に出力する。顔検出処理回路235は、画像信号中(つまりは画像中)から顔エリアを探索し、顔エリアを検出した場合には該画像中における顔エリアの大きさと位置を示す情報を、フォーカス制御回路233に出力する。
【0013】
一方、レンズユニット201の外部に設けられた直接測距AFユニット(測距手段)230は、被写体距離に関する情報である信号P(X)を算出してフォーカス制御回路233に出力する。信号P(X)の算出は、直接測距AF用の瞳分割光学系238を通して位相差センサ239上に結像された一対の被写体像(以下、2像という)を位相差センサ239で光電変換することで得られる該2像の位相差量の検出結果に基づいて行われる。
フォーカス制御回路233は、使用するAF方式として直接測距AFが選択された場合には信号P(X)に基づいて、撮像信号AFが選択された場合にはAF評価値FVに基づいてそれぞれAF処理を行う。具体的には、信号P(X)に応じた光軸方向位置又はAF評価値FVが最大となる光軸方向位置にフォーカスレンズ231を移動させるようにフォーカスモータ232を制御する。また、いずれのAF方式を使用する場合でも、顔エリアの大きさと位置を示す情報に基づいて、信号P(X)又はAF評価値FVを得るための測距エリアの選択が可能である。フォーカス制御回路233とメインCPU251により制御手段が構成される。
【0014】
撮像信号処理回路242で生成され、撮像部制御回路243を通じてバス260に出力された画像信号は、RAM254に一時的に蓄積される。RAM254から読み出された画像信号は、画像圧縮解凍回路253にて圧縮処理され、画像記録用メディア257に記録される。また、RAM254から読み出された画像信号は、画像処理回路252にて適切なサイズに縮小/拡大される。適切なサイズに処理された画像信号は、モニタディスプレイ250に表示される。これにより、使用者は撮影前の被写体の様子や撮影された画像を観察することができる。
【0015】
操作スイッチ256は、使用者が各種指示を入力するために操作する。電源バッテリ259は、電源管理回路258によって管理され、カメラ全体に安定的に電源供給を行う。
【0016】
カメラが起動すると、フラッシュメモリ255に格納されていたコンピュータプログラムがRAM254の一部にロードされる。メインCPU251は、RAM254にロードされたコンピュータプログラムに従ってAF処理を含む各種動作を行う。
【0017】
図3を用いて、レンズユニット201の外部に設けられた直接測距AFユニット230の構成と測距原理について説明する。図3には、直接測距AFユニット230の上面、正面および側面を示している。
301は人物等の被写体であり、304および305はそれぞれ、光電変換素子が一列に並べられて構成されたラインセンサ239上の左センサ部および右センサ部である。以下の説明では、左センサ部304および右センサ部305をそれぞれ、左ラインセンサ304および右ラインセンサ305という。
被写体301からの光は、AFレンズ238に形成された左レンズ部302および右レンズ部303を通って左ラインセンサ304および右ラインセンサ305上に被写体像(2像)を形成する。カメラから被写体301までの距離、より厳密にはAFレンズ238(302,303)、左ラインセンサ304および右ラインセンサ305によって構成される直接測距AFユニット230から被写体301までの距離(被写体距離)lは、以下のように表される。
左レンズ部302および右レンズ部303間の基線長をBとし、AFレンズ238の焦点距離をfとし、右ラインセンサ305により検出される被写体像を基準とした左ラインセンサ304により検出される被写体像の位相差をnとする。このとき、
l=B×f/n
である。そして、フォーカスレンズ231の合焦点は、被写体距離l又は位相差nの関数として表される信号P(X)により算出される。
【0018】
本実施例では、左右のラインセンサ304,305はそれぞれ、複数(3つ)の測距エリア(左側からL,C,Rで示す)に分割されている。そして、測距エリアごとに信号P(X)(XはL,C,Rのいずれか)が出力されてフォーカス制御回路233に入力される。
図4には、直接測距AFユニット230とレンズユニット201のレイアウトをカメラの正面から見て示している。正面視において、レンズユニット201の左側外部に直接測距AFユニット230が設置されている。なお、このレイアウトは例に過ぎず、レンズユニット201の右側外部や斜め上外部又は斜め下外部に設置してもよい。
直接測距AFユニット230を図4のように設置すると、直接測距AFユニット230の視野とレンズユニット201の視野との間に視差(パララックス)が発生し、該パララックスは被写体距離に応じて変化する。図5には被写体距離に応じた直接測距AFユニット230の視野とレンズユニット201の視野を示している。また、図6には、被写体距離とパララックスとの関係を示している。
図5において、501は撮像素子241の物理位置を示している。511は直接測距AFユニット230のラインセンサ239の物理位置を示している。撮像素子241とラインセンサ239上に被写体像が形成される被写体までの距離が近距離、中距離および遠距離である場合のレンズユニット201の視野(以下、撮影視野という)はそれぞれ、502,503,504である。つまり、撮影視野502,503,504内の被写体の像が撮像素子241上に形成される。また、近距離、中距離および遠距離での直接測距AFユニット230の視野(以下、測距視野という)はそれぞれ、512,513,514である。つまり、測距視野512,513,514内の被写体の2像がラインセンサ239上に形成される。本実施例では、近距離として例えば1mを想定し、中距離として例えば3mを想定している。また、遠距離として例えば100mを想定している。
図6において、601は図5に示した撮影視野502,503,504を示し、602は図5に示した測距視野512,513,514を示している。また、611,612,613/621,622,623/631,632,633はそれぞれ、測距視野602内における直接測距AFユニット230の3つの測距エリアL,C,Rに対応する視野(以下、これらも測距エリアL,C,Rという)を示している。
被写体距離が近距離である場合(a)には、パララックスによって測距視野602(512)は、撮影視野601(502)に対して右寄りに位置している。この場合、測距エリアL(611),C(612)が撮影視野601と重なっており、測距エリアR(613)は撮影視野601とはほとんど重なっていない。
被写体距離が中距離である場合(b)には、パララックスはなく、測距視野602(513)は、撮影視野601(503)に対して偏りなく(中心が一致するように)位置している。この場合、測距エリアL(621),C(622),R(623)がすべて撮影視野601と重なっている。
被写体距離が近距離である場合(a)には、パララックスによって測距視野602(514)は、撮影視野601(504)に対して左寄りに位置している。この場合、測距エリアR(633),C(632)が撮影視野601と重なっており、測距エリアL(631)は撮影視野601とはほとんど重なっていない。
【0019】
図5および図6でのパララックスに関する説明では、ズームレンズ211をある位置に固定してレンズユニット201の焦点距離、つまりは画角を固定している。ズームレンズ211を移動させて焦点距離(画角)を変えると、撮影視野と測距エリアとの重なり方も図5および図6に示した例に対して変化する。このため、本実施例のカメラでは、ズームレンズ211の位置ごと(つまりは焦点距離ごと)の撮影視野と測距エリアとの重なり方を示す情報をフラッシュメモリ255に保持している。
図7のフローチャートには、本実施例(および後述する実施例2)におけるAF処理の手順を示している。AF処理は、主としてメインCPU251とフォーカス制御回路233とがコンピュータプログラムに従って行う。以下の説明において、メインCPU251とフォーカス制御回路233を合わせて制御部という。
ステップS701からAF処理を開始すると、ステップS702では、メインCPU251はAFの状態を表すAFMODEに1を代入する。
次にステップS703では、制御部は、撮像信号処理回路242による画像信号の生成処理、AF信号処理回路234によるAF評価値FVと合焦度IFAの生成処理およびラインセンサ239の出力から位相差を算出する処理を同期させて行わせる。
次にステップS704では、制御部は、AF信号処理回路234からのAF評価値FVと合焦度IFAを取得し、ラインセンサ239から測距エリアごとの被写体距離信号P(L),P(C),P(R)を取得する。
次にステップS705では、顔検出処理回路235は、撮像信号処理回路242から受け取った画像信号中における顔エリアの検出処理を行う。この処理では、画像信号中に人物の顔が存在するか否かの判定と、顔が存在した場合に該顔を含む顔エリアの画像中での位置と大きさの算出処理を行う。
続いて、ステップS706では、制御部は、ステップS705にて顔エリアが検出されたか否かを判定する。顔エリアが検出された場合はステップS707に進み、検出されなかった場合はステップS712に進む。
ステップS707では、制御部は、測距エリアL,C,Rのうち、検出された顔エリア(の大きさおよび位置)に対して、測距動作を行う測距エリアとして適切な測距エリアが存在するか否かを判定する。適切な測距エリアが存在する場合にはXにその測距エリアの符号L,C又はRを代入する。このステップでの具体的な処理については後に図11を用いて説明する。
次にステップS708では、制御部は、ステップS707で顔エリアに対して適切な測距エリアの選択を行ったか否かを判定し、該選択を行った場合はステップS709に移行し、該選択を行っていない場合はステップS712に移行する。
ステップS709では、制御部は、顔エリアに対して選択された測距エリアを用いた直接測距AFである「顔ハイスピードAF」を行うか否かを示す顔AF_FLAGをON(行う)にセットする。
続いてステップS710では、制御部は、現在のAFモードが「顔ハイスピードAF」を使用しないAFMODE=2の状態であるか否かを判定する。AFMODE=2の状態であれば、ステップS711にてAFMODE=1にする。AFMODE=2ではない場合は、「顔ハイスピードAF」によるフォーカス制御途中の状態(AFMODE=1)か「顔ハイスピードAF」によって合焦が得られた状態(AFMODE=3)である。この場合は、AFMODEを変更せずにステップS714に進む。以上は、画像中に顔エリアが存在し、「顔ハイスピードAF」が行われる場合の処理の流れである。
ステップS706において顔エリアが存在しないと判定した場合およびステップS708にて顔エリアに対して適切な測距エリアを選択しなかった場合には、前述したようにステップS712に進む。ステップS712では、制御部は、できるだけ撮影視野の中央に位置する測距エリアを、使用する(測距動作を行う)測距エリアとして選択するよう以下の処理を行う。
図8のフローチャートは、ステップS712での具体的な処理を示している。また、図9には、撮影視野内に設定された中央エリア901と測距エリア902との重なり度合いを示すクロス率の計算方法を説明する図である。a(903)は測距エリアCの幅であり、b(904)は中央エリアと測距エリアCとが重なり合っている部分の幅である。測距エリアのCのクロス率CC(被写体距離)は次のように表される。
CC(被写体距離)=b/a
測距エリアLおよび測距エリアRのそれぞれのクロス率LC(被写体距離)およびRC(被写体距離)に関しても同様に求められる。
【0020】
図10は、クロス率の被写体距離による変化を表したグラフである。本実施例のカメラではこのグラフに対応したパラメータを予め保持している。横軸が被写体距離であり、縦軸がクロス率である。1m近辺で測距エリアLのクロス率LCが最大になり、3m近辺で測距エリアCのクロス率CCが最大になり、100m近辺で測距エリアRのクロス率RCが最大になる。また、1mと3mとの間の距離D1を境にして測距エリアLのクロス率LCより測距エリアCのクロス率CCが大きくなり、3mと100mとの間の距離D2を境に測距エリアCのクロス率CCより測距エリアRのクロス率RCの方が大きくなる。
【0021】
図8において、ステップS801で処理を開始すると、ステップS802では、制御部は、測距エリアCの信号P(C)に対応する被写体距離がD1より大きく、かつD2よりも小さいか否かを判定する。そうであるときはステップS805に、そうでないときはステップS803に進む。ステップS805では、制御部は、使用する測距エリアとして測距エリアCを選択する。このように、まず測距エリアCの信号P(C)に対応する被写体距離を確認することは、測距エリアCを他の測距エリアよりも優先することに相当する。一般的に動画撮影の場合には、使用者が撮影対象とする主被写体は画面の中央に位置することが多いからである。
【0022】
ステップS803では、制御部は、測距エリアLの信号P(L)に対応する被写体距離がD1以下であるか否かを判定し、そうである場合はステップS806に進み、そうでない場合はステップS804に進む。ステップS806では、制御部は、使用する測距エリアとして測距エリアLを選択する。
ステップS804では、制御部は、測距エリアRの信号P(R)に対応する被写体距離がD2以下か否かを判定し、そうである場合はステップS807に進み、そうでない場合はステップS805に進む。ステップS807では、制御部は、使用する測距エリアとして測距エリアRを選択する。ステップS805では、前述したように測距エリアCを選択する。ここで、測距エリアCを選択するのは、測距エリアCを他の測距エリアよりも優先するためである。言い換えれば、本実施例においては、被写体距離3m付近での撮影が優先される。
なお、図8のフローチャートでは、ステップS803において測距エリアLの選択に関わる判定を行った後に、ステップS804において測距エリアRの選択に関わる判定を行う場合について説明したが、この順番は逆でもよい。すなわち、ステップS803において測距エリアRの選択に関わる判定を行った後に、ステップS804において測距エリアLの選択に関わる判定を行ってもよい。
【0023】
図7のフローチャートに戻り、ステップS712において測距エリアを選択した後、ステップS713において、制御部は、顔AF_FLAGにOFFをセットする。そして、ステップS714に進む。
【0024】
ステップS714では、制御部は、AFMODEの値を判定する。AFMODE=1である場合は、直接測距AFを行うためにステップS715に進み、AFMODE=2である場合は、撮像信号AFを行うためにステップS720に進む。また、AFMODE=3である場合は、ステップS724に進む。AFMODE=3は合焦状態が得られた状態を示し、ステップS724ではAF評価値FVに変化がないかどうかを監視して、変化があった場合にはAFMODE=1又はAFMODE=2を設定して直接測距AF又は撮像信号AFを再度行う。
【0025】
カメラの起動直後はAFMODE=1であるので、ステップS714からステップS715に進む。ステップS715では、制御部は、ステップS707又はステップS712において選択した測距エリアからの信号P(X)と現在のフォーカスレンズ231の位置とに基づいて、フォーカスレンズ231の駆動方向と駆動速度を決定する。具体的には、フォーカスレンズ231の位置が信号P(X)に対応する合焦点に近づくように駆動方向を決定し、これらの位置間の距離が遠い場合は高速で、近い場合は低速になるように駆動速度を決定する。
次にステップ716では、制御部は、フォーカスレンズ231の位置が合焦点に一致しているか否か、すなわち合焦状態が得られているか否かを判定する。合焦状態が得られている場合はステップS717に進み、顔AF_FLAGがONになっているか否かを判定する。顔AF_FLAGがONである場合は、ステップS718に進んでAFMODE=3を設定する。また、顔AF_FLAGがOFFである場合は、ステップS719に進んでAFMODE=2を設定する。これは、本実施例においては、顔ハイスピードAFを行わない通常AFモードであれば、直接測距AFによって合焦状態が得られた後に撮像信号AFを行うが、顔ハイスピードAFを行う場合は常に顔エリアに対して直接測距AFを行うためである。
ステップS716にて合焦状態が得られていないと判定した場合は、ステップS730に進み、制御部は、ステップS715で決定した駆動方向と駆動速度に応じてフォーカスモータ232を駆動する。
また、ステップS718又はステップS719の処理を経てステップS730に進んだ場合は、制御部は、フォーカスモータ232を停止させる。
ステップS730からはステップS703に戻る。以後、撮像素子241の読み出し周期に同期してステップS703からの処理を繰り返す。
ステップS720では、制御部は、ステップS704にて取得したAF評価値FVが、前回のルーチンで取得し保持したAF評価値FVに対して増加しているか減少しているかを判定する。AF評価値FVが増加している場合はステップS730に進んでフォーカスモータ232を所定速度で駆動する。AF評価値FVが減少している場合はステップS721に進む。
ステップS721では、制御部は、フォーカスレンズ231の駆動方向を逆転させる。その後、ステップS722で、AF評価値FVがピーク(最大値)を通過した後に減少に転じたか否かを判定する。ピークを通過していない場合はステップS730に進んでフォーカスモータ232を所定速度で駆動する。ピークを通過した場合はステップS723に進み、AFMODE=3を設定する。そして、ステップS730に進み、フォーカスモータ232を停止させる。ステップS730からはステップS703に戻る。
ステップS724では、制御部は、フォーカスレンズ231をAF評価値FVがピークとなる合焦点に戻すようにフォーカスモータ232を駆動し、その後、停止させる。
次にステップS725では、制御部は、最新のAF評価値FVが合焦点でのAF評価値FVに対して変化したか否かを判定する。また同時に、最新の信号P(X)の値が変化したか否かも判定する。これらが変化していない場合はステップS730へ進み、フォーカスモータ232を停止させた(合焦状態を維持した)ままとしてステップS703に戻る。一方、これらが変化した場合は、ステップS726に進む。ステップS726では、制御部は、合焦度IFAがしきい値IFAthよりも小さいか否か(つまりは大ぼけ状態か小ぼけ状態か)を判定する。合焦度IFAがしきい値IFAthよりも小さい場合は、大ぼけ状態であるので、ステップS727に進み、AFMODE=1を設定してステップS730に進む。これにより、直接測距AFが再起動される。
また、合焦度IFAがしきい値IFAth以上である場合は、小ぼけ状態であるので、ステップS728に進み、顔AF_FLAGがONか否かを判定する。顔AF_FLAGがONであるときはステップ727に進み、OFFであるときはステップS729に進む。
ステップS729では、制御部は、AFMODE=2を設定してステップS730に進む。このときは、撮像信号AFが再起動される。ステップS730からはステップS703に戻る。
次に、ステップS707にて行われる測距エリアの選択処理について、図11のフローチャートを用いて説明する。
【0026】
ステップS1101で選択処理が開始されると、まずステップS1102において、制御部は、顔検出処理回路235により検出された顔エリアの位置(以下、顔位置という)を取得する。
次にステップS1103では、制御部は、顔検出処理回路235により検出された顔エリアの大きさを取得する。そして、取得した顔エリアの大きさと現在のレンズユニット201の焦点距離に関する情報とに基づいてカメラから顔エリアに含まれる顔(を有する人物)までの距離情報(以下、顔距離という)を生成する。ここにいう焦点距離に関する情報は、焦点距離そのものであってもよいし、ズームレンズ211の位置であってもよい。
レンズユニット201の焦点距離によって決まる撮影視野(画角)に対する顔エリアの大きさと顔距離との関係を示すプロファイルデータは、メインCPU251の内部メモリ等の記憶部に予め保持されている。このため、該プロファイルデータから撮影視野に対する顔エリアの大きさに対応するデータを読み出すことで、顔距離を生成することができる。なお、焦点距離に関する情報と顔エリアの大きさとを変数とする関数式等の演算式を用いて、顔距離を算出してもよい。
続いてステップS1104では、制御部は、ステップS1103で算出した顔距離の位置に存在する顔に対して、直接測距AFユニット230の測距エリアがどのような配置になっているかを算出する。これは図12に示すように、撮影視野内の同じ位置に顔が存在する場合でも、被写体距離が近距離(1m)、中距離(3m)および遠距離(100m)のときに該顔と重なる測距視野を持つ測距エリアが異なるためである。
図13には、被写体距離が近距離(1m)であるとき(a)と中距離(3m)であるとき(b)の撮影の様子を示している。図14には、被写体距離が近距離であるとき(a)と中距離(3m)であるとき(b)の撮影視野を示している。図14において、1402,1403はそれぞれ顔エリアを示す枠であり、この枠の大きさが顔エリアの大きさに相当する。
図14の(a)に示す撮影視野1401に対する顔エリア1402の大きさが得られた場合は、顔距離は1mとされる。同様に、図14の(b)に示す撮影視野1401に対する顔エリア1403の大きさが得られた場合は、顔距離は3mとされる。
そして、ステップS1105では、制御部は、顔距離と顔位置とに応じて、3つの測距エリアL,C,Rのうち該顔エリアに対する重なり度合いが最も高い測距エリアを選択する。例えば、顔距離が1mのときの顔エリア1402の位置に対しては、図15の(a)に示すように測距エリアCを選択する。また、顔距離が3mのときの顔エリア1403の位置に対しては、図15の(b)に示すように測距エリアRを選択する。このような顔距離と顔位置に対して選択すべき測距エリアのデータは、メインCPU251の内部メモリ等の記憶部に予め保持されている。
こうして測距エリアの選択が終了すると、ステップS1106では、制御部は、選択した測距エリアの符号(L,C又はR)をXに代入する。
なお、ステップS1105において測距エリアを選択するために必要な顔エリアとの重なり度合いが所定のしきい値に満たない場合は、本処理(ステップS707)での測距エリアの選択を行わずに、図7におけるステップS708を介してステップS712に進む。
【0027】
本実施例によれば、生成された画像中に顔エリアが存在する場合に、該顔エリアに対して適切な直接測距AF用の測距エリアを選択することができ、該顔エリアに含まれる顔に対して高速かつ高精度に直接測距AFによるピント合わせを行うことができる。
【実施例2】
【0028】
図16のフローチャートには、本発明の実施例2における測距エリアの選択処理の手順を示している。この処理は、図7のステップS707にて、図11に示した選択処理に代えて行われる。
【0029】
ステップS1601で処理を開始すると、ステップS1602では、制御部は、画像中に含まれる顔が撮像面内方向(撮像素子241の受光面に平行な方向)又は光軸方向(該受光面に垂直な方向)に移動したか否かを判定する。これは、前回検出した顔エリアの位置および大きさと今回検出した顔エリアの位置および大きさとをそれぞれ比較することで判定できる。
具体的には、顔エリアの位置が上下左右に変化した場合は、図17に示すように、顔が撮像面内方向にカメラに対する距離を保ちつつ移動したと判定できる。また、顔エリアの大きさが大きくなった場合は、図19に示すように、顔が光軸方向においてカメラに近づく側に移動したと判定できる。さらに、顔エリアの大きさが小さくなった場合は顔が光軸方向においてカメラから遠ざかる側に移動したと判定できる。顔が移動したと判定した場合は、ステップS1603に進む。
一方、顔が移動していないと判定した場合は、ステップS1609〜ステップS1612に進む。これらのステップで行われる処理は、実施例1の図11に示したステップS1102〜S1105での処理と同じである。ステップS1612からステップS1613に進む。
ステップS1603では、制御部は、顔の撮像面内方向への移動量を算出する。図18の(a)には、撮影視野内で顔(顔エリア)が1801から1802に移動した場合を示している。ステップS1603では、該顔エリア1801と顔エリア1802との間の距離を、顔の撮像面内方向への移動量として算出する。この場合、図18の(b)に示すように、適切な測距エリアは、顔の移動の前後で測距エリアCから測距エリアRに変化する。
次に、ステップS1604では、制御部は、顔の光軸方向への移動量を算出する。図20には、顔がカメラに近づく方向(中距離(3m)から近距離(1m))に移動して、(a)に示す顔エリア2001が(b)に示す顔エリア2002に拡大した場合を示している。ステップS1604では、顔エリア2001に対応する顔距離と顔エリア2002に対応する顔距離との差を、顔の光軸方向への移動量として算出する。顔距離は、直接測距AFユニット230による測距動作によって求めてもよいし、撮影視野に対する顔エリアの大きさと顔距離との関係を示すプロファイルデータから求めてもよい。
移動前の顔が撮影視野の中央に位置する場合に適切な測距エリアは、図21の(a)に示すように測距エリアCである。一方、顔がカメラに近づく方向に移動した後の適切な測距エリアは図21の(b)に示すように、測距エリアLである。このように、撮影視野内での顔の位置は変化していないのにもかかわらず、顔距離が変化したことに応じて使用する測距エリアを変更する必要が生じる。
このようにステップS1603およびステップS1604で顔の移動量を算出した後、制御部はステップS1605に進む。
【0030】
ステップS1605では、制御部は、次に直接測距AFを行うタイミングでの顔の位置(予測移動位置)を予測する。そして、該予測移動位置に移動した顔に対して適切な測距エリア(次期測距エリア)を選択する。このとき、図17〜図21にて説明した顔の移動から、顔の3次元的な移動速度を算出して次に直接測距AFを行うタイミングでの顔の位置を予測するとともに、次期測距エリアの選択を行う。
【0031】
次に、ステップS1606では、制御部は、ステップ1605で選択した次期測距エリアと現在選択されている測距エリアとが同じか否かを判定する。同じである場合はステップS1607に進み、測距エリアの変更をせずにステップS1613に進む。一方、同じでない場合はステップS1608に進む。
ステップS1608では、制御部は、使用する測距エリアをステップS1605で算出した次期測距エリアに切り換える。そして、ステップ1613に進む。
ステップS1613では、本選択処理を終了して図7のフローチャートのステップS708に移行する。
【0032】
本実施例によれば、移動している顔に対して適切な測距エリアを順次選択し、該顔に対して高速かつ高精度に直接測距AFによるピント合わせを行うことができる。
以上説明した実施例では、顔に対して直接測距AFを行う構成としたが、顔が移動する場合のみ該顔に対して直接測距AFを行うことで高速なAF追従を可能とし、顔の移動がない場合は該顔に対して撮像信号AFを行う構成としてもよい。
【0033】
また、上記実施例では、1つの顔に対して1つの測距エリアを割り当てる場合について説明したが、複数の測距エリアを割り当てるようにしてもよい。画角によっては、図22に示すように、顔エリア2201に対して直接測距AFの測距視野2202が配置される場合がある。この場合、顔エリア2201に対して測距視野2202のうち測距エリアC,Rを使用した方が精度の良い測距が可能となる。
【0034】
また、上記実施例では、直接測距AFの測距エリアをL,C,Rの3つに分割して別々に使用する場合について説明した。しかし、測距エリアL,C,Rのそれぞれに複数含まれる画素(光電変換素子)を任意に組み合わせて、L,C,R以外の測距エリアを形成するようにしてもよい。
図23には、測距エリアL,C,Rに分割されたラインセンサ2301を示している。各測距エリアには、40個の画素が含まれている。このラインセンサ2301上における図24に示す位置に顔エリア2401が重なる場合、測距エリアCに含まれる画素の一部と測距エリアRに含まれる画素の一部とを組み合わせて測距エリアを形成すればよい。これにより、より精度の高い測距が可能となる。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0035】
高速かつ高精度に特定被写体にピントを合わせることが可能な外測タイプの撮像装置を提供できる。
【符号の説明】
【0036】
201 レンズユニット
230 直接測距AFユニット
233 フォーカス制御回路
235 顔検出処理回路
241 撮像素子
251 メインCPU
L,C,R 測距エリア
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影光学系を通して形成された被写体像を光電変換して画像を生成する撮像装置であって、
前記撮影光学系を通さずに、複数の測距エリアのそれぞれにおいて測距動作が可能な測距手段と、
前記画像中における特定被写体の画像部分である特定被写体領域を検出する被写体検出手段と、
前記測距動作により得られた情報に基づいて前記撮影光学系のフォーカス制御を行う制御手段とを有し、
該制御手段は、前記画像中における前記特定被写体領域の大きさと前記撮影光学系の焦点距離に関する情報とに応じて該撮像装置から前記特定被写体までの距離情報を生成し、該特定被写体までの距離情報と前記画像中における前記特定被写体領域の位置とに応じて、前記複数の測距エリアのうち前記特定被写体に対する前記測距動作を行う測距エリアを選択することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記特定被写体の移動を検出して該特定被写体の予測移動位置を求め、前記複数の測距エリアのうち、該予測移動位置に移動した前記特定被写体に対して前記測距動作を行う測距エリアを選択することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
撮影光学系を通して形成された被写体像を光電変換して画像を生成する撮像装置であり、前記撮影光学系を通さずに、複数の測距エリアのそれぞれにおいて測距動作が可能であるとともに、該測距動作により得られた情報に基づいて前記撮影光学系のフォーカス制御を行う撮像装置の測距方法であって、
前記画像中における特定被写体の画像部分である特定被写体領域を検出するステップと、
前記画像中における前記特定被写体領域の大きさと前記撮影光学系の焦点距離に関する情報とに応じて該撮像装置から前記特定被写体までの距離情報を生成するステップと、
該特定被写体までの距離情報と前記画像中における前記特定被写体領域の位置とに応じて、前記複数の測距エリアのうち前記特定被写体に対する前記測距動作を行う測距エリアを選択するステップとを有することを特徴とする測距方法。
【請求項1】
撮影光学系を通して形成された被写体像を光電変換して画像を生成する撮像装置であって、
前記撮影光学系を通さずに、複数の測距エリアのそれぞれにおいて測距動作が可能な測距手段と、
前記画像中における特定被写体の画像部分である特定被写体領域を検出する被写体検出手段と、
前記測距動作により得られた情報に基づいて前記撮影光学系のフォーカス制御を行う制御手段とを有し、
該制御手段は、前記画像中における前記特定被写体領域の大きさと前記撮影光学系の焦点距離に関する情報とに応じて該撮像装置から前記特定被写体までの距離情報を生成し、該特定被写体までの距離情報と前記画像中における前記特定被写体領域の位置とに応じて、前記複数の測距エリアのうち前記特定被写体に対する前記測距動作を行う測距エリアを選択することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記特定被写体の移動を検出して該特定被写体の予測移動位置を求め、前記複数の測距エリアのうち、該予測移動位置に移動した前記特定被写体に対して前記測距動作を行う測距エリアを選択することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
撮影光学系を通して形成された被写体像を光電変換して画像を生成する撮像装置であり、前記撮影光学系を通さずに、複数の測距エリアのそれぞれにおいて測距動作が可能であるとともに、該測距動作により得られた情報に基づいて前記撮影光学系のフォーカス制御を行う撮像装置の測距方法であって、
前記画像中における特定被写体の画像部分である特定被写体領域を検出するステップと、
前記画像中における前記特定被写体領域の大きさと前記撮影光学系の焦点距離に関する情報とに応じて該撮像装置から前記特定被写体までの距離情報を生成するステップと、
該特定被写体までの距離情報と前記画像中における前記特定被写体領域の位置とに応じて、前記複数の測距エリアのうち前記特定被写体に対する前記測距動作を行う測距エリアを選択するステップとを有することを特徴とする測距方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2011−59415(P2011−59415A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−209422(P2009−209422)
【出願日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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