説明

撮像装置および画像処理方法

【課題】少ないピクセルで安定した平均値を得ることができる。
【解決手段】撮像装置1は、光を検知する受光ピクセル2aと遮光された遮光ピクセル2bとを備える固体撮像素子2を有している。累積部3は、入力される遮光ピクセル2bの画素値を累積する。検出部4は、遮光ピクセル2bの画素値から最大値と最小値とを検出する。平均値算出部5は、遮光ピクセル2bの所定個数分の画素値の平均値を算出する。補完部6は、累積部3により累積された累積値から検出部4により検出された最大値と最小値とを除去し、除去した画素値を、平均値算出部5により算出された平均値で補完する。黒レベル作成部7は、補完部6により補完処理が施された累積値から黒レベルの基準値を作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は撮像装置および画像処理方法に関し、特に、固体撮像素子を有する撮像装置および固体撮像素子の出力信号を処理する画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の固体撮像素子では、ピクセルアレイに黒画素(遮光ピクセル)を用意し、黒レベルの調整(ブラッククランプ)を行っている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0003】
このブラッククランプは、一般にライン毎に多画素を平均処理したものを用いる。この平均処理する過程において、他の画素より値が大きすぎたり、小さすぎたりする黒画素が混じると、横縞ノイズ等が発生する原因になる。ノイズを少なくするために、黒画素を多く用意することで改善を図っている。
【特許文献1】特許第3808349号公報
【特許文献2】特許第3670145号公報
【特許文献3】特許第3797186号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
平均処理にて安定した平均値を得る為には多くの黒画素を必要とする。しかし、1ラインに黒画素を多く用意すると、イメージセンサのチップ面積が大きくなる(画素はマトリクス状(行列状)に並んでいるため、水平方向に画素数を増加させると、垂直方向との乗算で画素面積への影響(インパクト)がある)。
【0005】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、少ないピクセルで安定した平均値を得ることができる撮像装置および画像処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では上記問題を解決するために、図1に示すような撮像装置1が提供される。
本発明に係る撮像装置1は、光を検知する受光ピクセル2aと遮光された遮光ピクセル2bとを備える固体撮像素子2を有している。
【0007】
累積部3は、入力される遮光ピクセル2bの画素値を累積する。
検出部4は、遮光ピクセル2bの画素値から最大値と最小値とを検出する。
平均値算出部5は、遮光ピクセル2bの所定個数分の画素値から平均値を算出する。
【0008】
補完部6は、累積部3により累積された累積値から検出部4により検出された最大値と最小値とを除去し、除去した画素値を、平均値算出部5により算出された平均値で補完する。
【0009】
黒レベル作成部7は、補完部6により補完処理が施された累積値から黒レベルの基準値を作成する。
このような撮像装置1によれば、累積部3により、入力される遮光ピクセル2bの画素値が累積される。検出部4により、最大値と最小値とが検出される。平均値算出部5により、遮光ピクセル2bの所定個数分の画素値から平均値が算出される。補完部6により、累積部3によって累積された累積値から検出部4により検出された最大値と最小値とが除去され、除去された画素値が、平均値算出部5により算出された平均値で補完される。黒レベル作成部7により、補完部6によって補完処理が施された累積値から黒レベルの基準値が作成される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、基準値を作成する過程において、最大値および最小値を平均値で置き換えることにより、遮光ピクセルの数が少なくても安定した黒レベルの基準値を作成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
まず、本発明の概要について説明し、その後、実施の形態を説明する。
図1は、本発明の概要を示す図である。
【0012】
撮像装置1は、固体撮像素子2と、累積部3と、検出部4と、平均値算出部5と、補完部6と、黒レベル作成部7とを有している。
固体撮像素子2は、光を検知する(複数の)受光ピクセル2aと遮光された(複数の)遮光ピクセル2bとを備えている。
【0013】
累積部3は、入力される遮光ピクセル2bの画素値を累積する。入力される遮光ピクセルの単位は、特に限定されないが、例えば1行単位である。
検出部4は、入力された遮光ピクセル2bの画素値から最大値と最小値とを検出する。
【0014】
平均値算出部5は、遮光ピクセル2bの所定個数分の画素値から平均値を算出する。
補完部6は、累積部3により累積された累積値から検出部4により検出された最大値と最小値とを除去し、除去した画素値を、平均値算出部5により算出された平均値で補完する補完処理を行う。
【0015】
黒レベル作成部7は、補完部6により補完処理が施された累積値から黒レベルの基準値を作成する。具体的には、この累積値の平均値を黒レベルの基準値とする。
このような撮像装置1によれば、累積部3により、入力される遮光ピクセル2bの画素値が累積される。検出部4により、最大値と最小値とが検出される。平均値算出部5により、遮光ピクセル2bの所定個数分の画素値から平均値が算出される。補完部6により、累積部3によって累積された累積値から検出部4により検出された最大値と最小値とが除去され、除去された画素値が、平均値算出部5により算出された平均値で補完される。黒レベル作成部7により、補完部6によって補完処理が施された累積値から黒レベルの基準値が作成される。
【0016】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図2は、実施の形態の撮像装置を示すブロック図である。
撮像装置10は、ピクセルアレイ11と読み出し回路12とブラッククランプ回路13とを有している。
【0017】
ピクセルアレイ11は、複数の受光ピクセルがマトリクス状に配置された受光画素領域11aと、複数の遮光ピクセルからなる遮光画素領域11b(図2中斜線部)とを有している。遮光ピクセルから読み出された画素信号は、受光ピクセルの画素信号から暗電流成分によるオフセットを除去するために用いられる。ここで、遮光画素領域11bは、水平ライン(行)および垂直ライン(列)の一辺を形成するように配置されている。
【0018】
読み出し回路12は、ピクセルアレイ11から受光画素領域11aおよび遮光画素領域11bの画素信号を1水平ライン毎に読み出す。その後、読み出した画素信号をAD変換処理することにより、遮光ピクセルの画素値(量子化値)を取得する。
【0019】
ブラッククランプ回路13は、ピクセルアレイ11の温度変動に対して、黒レベルを一定に保つ回路であり、入力された遮光画素領域11bの各画素値を用いて黒レベルの基準値を作成する。これにより、温度上昇等によって発生する暗電流の増加分をキャンセルすることができる。
【0020】
次に、ブラッククランプ回路13の黒レベルの基準値の作成処理について説明する。
図3は、ブラッククランプ回路の黒レベルの基準値の作成処理を示すフローチャートである。
【0021】
まず、入力された画素値が処理対象の画素値か否か、すなわち、遮光画素領域11bの画素値か否かを判断する(ステップS1)。この判断は、例えば撮像装置10が備えるタイミングジェネレータ(図示せず)によって与えられるタイミング信号等に基づいて行うことができる。
【0022】
処理対象の画素値でない場合(ステップS1のNo)、処理対象の画素値の入力を待機する。
処理対象の画素値である場合(ステップS1のYes)、その画素値を、前回入力された画素値に累積する(ステップS2)。
【0023】
次に、今回入力された処理対象の画素値を、ブラッククランプ回路13に保持されている値と比較することにより、今回入力された画素値が今まで入力された画素値の中で最も大きいか否か(最大値か否か)を判断する(ステップS3)。具体的には、最初に入力された値であれば、入力された画素値を、黒レベルを規定する予め用意された初期値または最小値0と比較する。最初に入力された画素値でなければ(2回目以降の画素値であれば)、入力された画素値を、ブラッククランプ回路13が保持する今までに入力された画素値と比較し、最大値か否かを判断する。
【0024】
そして、最大値ではない場合(ステップS3のNo)、ステップS5に移行する。一方、最大値である場合(ステップS3のYes)、その値を保持(上書き)し(ステップS4)、ステップS7に移行する。この保持した画素値が、ステップS3にて次回以降に入力された画素値と比較する画素値となる。
【0025】
次に、入力された画素値が最小値か否かを判断する(ステップS5)。具体的には、最初に入力された値であれば、入力された画素値を、黒レベルを規定する予め用意された初期値(ステップS3のものと同じでも異なっていてもよい)または最大値(例えば10bitならば1023等)と比較する。最初に入力された画素値でなければ(2回目以降の画素値であれば)、入力された画素値を、ブラッククランプ回路13が保持する今までに入力された画素値と比較し、最小値か否かを判断する。
【0026】
そして、最小値ではない場合(ステップS5のNo)、ステップS7に移行する。一方、最小値である場合(ステップS5のYes)、その値を保存(上書き)し(ステップS6)、ステップS7に移行する。この保持した画素値が、ステップS5にて次回以降に入力された画素値と比較する画素値となる。
【0027】
なお、ステップS2〜S6の処理は順番を入れ替えて行ってもよいし、並行して行ってもよい。
次に、今まで入力された画素値の累積値の平均値を取るタイミングを示す途中平均値出力タイミングか否かを判断する(ステップS7)。この判断も、例えばタイミングジェネレータによって与えられるタイミング信号等に基づいて行うことができる。また、このタイミングは、入力された画素値が2のべき乗のタイミング(例えば4番目、8番目等)であるのが好ましい。
【0028】
途中平均値出力タイミングではない場合(ステップS7のNo)、ステップS9に移行する。
一方、途中平均値出力タイミングである場合(ステップS7のYes)、今まで入力された画素値の累積値の平均値を途中平均値としてそれぞれ保存する。例えば、1〜4番目に入力された画素値の累積値の平均値を第1の途中平均値として保存し、1〜8番目に入力された画素値の累積値の平均値を第2の途中平均値として保存する。
【0029】
次に、入力されたピクセルが、最終画素であるか(対象遮光ピクセル分全てを処理したか)否かを判断する(ステップS9)。最終画素ではない場合(ステップS9のNo)、ステップS1以降の処理を引き続き行う。
【0030】
一方、最終画素である場合(ステップS9のYes)、演算処理を行う(ステップS10)。これにより、黒レベルの基準値が得られる。この演算処理については後述する。
以上で、黒レベルの基準値の作成処理を終了する。なお、ブラッククランプ回路13は、その後、受光ピクセルから入力された各画素値と作成された黒レベルの基準値との差分をそれぞれ算出し、得られた値をそれぞれ次段(後段)の回路に出力する。
【0031】
次に、ステップS10の演算処理について詳しく説明する。
図4は、演算処理を示すフローチャートである。
まず、入力された全ての画素値の累積値から最大値および最小値を減算する(この値を累積値Pという)(ステップS21)。
【0032】
次に、第1の途中平均値および第2の途中平均値をそれぞれm倍(m=1,2,3,…)して加算する(この値を加算値Qという)(ステップS22)。mの値は、特に限定されないが、次のステップS23において得られる画素の累積値が、2のべき乗となるような値にするのが好ましい。
【0033】
次に、累積値Pと加算値Qとを加算する(この値を比較用累積値Rという)(ステップS23)。
次に、比較用累積値Rの平均値Sをとる(ステップS24)。この平均値Sが、黒レベルの基準値となる。以上で演算処理を終了する。
【0034】
次に、この処理について具体例を用いて説明する。
以下、遮光画素領域11bは、1水平ラインに黒画素を14画素備えるものとして説明する。
【0035】
図5は、ブラッククランプ回路の構成を示す図である。
ブラッククランプ回路13は、セレクタ131と累積部(アキュムレータ)132と、最大値検出部133と、最小値検出部134と、データバッファ135、136と、ビットシフト部137と、差分器138を有している。各回路の動作タイミングは、タイミングジェネレータのタイミング信号により制御されている。
【0036】
セレクタ131は、入力された遮光ピクセルの画素値と、最大値検出部133、最小値検出部134、データバッファ135、136からそれぞれ出力された値とのいずれか一方の値を選択する。
【0037】
累積部132は、加減算器132aと、データ・ストレージ132bとを有している。
加減算器132aは、セレクタ131により選択された値と、データ・ストレージ132bに格納されている値との加算または減算を行い、演算結果(累積値)をデータ・ストレージ132bに格納する。
【0038】
また、累積部132は、加減算器132aが4回演算を行った後に、データ・ストレージ132bに格納されている累積値(1〜4回分の累積値)をデータバッファ135に出力する。8回演算を行った後に、データ・ストレージ132bに格納されている累積値(1〜8回分の累積値)をデータバッファ136に出力する。
【0039】
最大値検出部133は、スイッチ(セレクタ)133aと、データバッファ133bと、比較器133cとを有している。
スイッチ133aは、比較器133cから出力された値が“1”の場合(比較結果に応じて)データバッファ133bに入力された遮光ピクセルの画素値を格納する。
【0040】
比較器133cは、入力された遮光ピクセルの画素値とデータバッファ133bに格納されている画素値とを比較し、入力された遮光ピクセルの画素値の方が大きい場合、比較結果として“1”をスイッチ133aに出力する。一方、遮光ピクセルの画素値がデータバッファ133bに格納されている画素値以下の場合、比較結果として“0”をスイッチ133aに出力する。
【0041】
最小値検出部134は、スイッチ(セレクタ)134aと、データバッファ134bと、比較器134cとを有している。
スイッチ134aは、比較器134cから出力された値が“1”の場合(比較結果に応じて)データバッファ134bに入力された遮光ピクセルの画素値を入力する。
【0042】
比較器134cは、入力された遮光ピクセルの画素値とデータバッファ134bに格納されている画素値とを比較し、入力された遮光ピクセルの画素値の方が小さい場合、比較結果として“1”をスイッチ134aに出力する。一方、遮光ピクセルの画素値がデータバッファ134bに格納されている画素値以上の場合、比較結果として“0”をスイッチ134aに出力する。
【0043】
データバッファ135は、例えばD−フリップフロップで構成されており、データ・ストレージ132bに格納されている1〜4番目に入力された画素値の累積値を読み込み、右に2ビットシフトして(1/4倍して)累積値の平均値(第1の途中平均値)を作成し、保持する。
【0044】
データバッファ136は、例えばD−フリップフロップで構成されており、データ・ストレージ132bに格納されている1〜8番目に入力された画素値の累積値を読み込み、右に3ビットシフトして(1/8倍して)累積値の平均値(第2の途中平均値)を作成し、保持する。
【0045】
ビットシフト部137は、データ・ストレージ132bから出力される値を右に4ビットシフトして(1/16倍して)その値を差分器138に出力する。
差分器138は、ピクセルの画素値と、ビットシフト部137から出力されるデータとの差分を取り、次段の回路に出力する。
【0046】
以下、この回路の動作を説明する。
1画素分の遮光ピクセルの画素値が入力される度に、累積部132により累積が行われ、最大値検出部133により最大値の検出が行われ、最小値検出部134により最小値の検出が行われる。
【0047】
これにより、全ての遮光ピクセルの画素値が読み出し回路12から出力されたときには(1行分の全14画素がそろったときには)、データ・ストレージ132bには、14画素分の遮光ピクセルの画素値の累積値が蓄えられ、データバッファ133b、134bにはそれぞれ全14画素の画素値の最大値、最小値が蓄えられる。また、データバッファ135には、4画素分の途中平均値を保持しており、データバッファ136には、8画素分の途中平均値を保持している。
【0048】
その後、セレクタ131により、最大値および最小値が選択され、加減算器132aによって、14画素の累積値から最大値および最小値が減算される。
また、データバッファ135により、保持している平均値を左に1ビットシフトした(2倍した)値が出力される。データバッファ136により、保持している平均値を左に1ビットシフトした(2倍した)値が出力される。
【0049】
そして、セレクタ131によりデータバッファ135、136からそれぞれ出力される2つの値が選択され、これらを加算して得られた16画素分の累積値を最終的な累積値とする。
【0050】
その後、ビットシフト部137によって最終的な平均値(黒レベルの基準値)が算出され、差分器138により、受光ピクセルの画素値との差分データ(ブラッククランプ後のピクセルの画素値)が作成される。
【0051】
以上述べたように、撮像装置10によれば、最大値検出部133によって最大値を検出し、最小値検出部134によって最小値を検出して、その値を累積値から除去し、代わりに途中平均値を用いて補完することにより、少ない黒画素で、安定した平均値を得ることができる。また、遮光ピクセル数が少なくて済むので、チップ面積縮小、コストを削減することができる。
【0052】
ここで、最大値検出部133によって最大値を検出し、最小値検出部134によって最小値を検出することにより、読み出し回路12から出力された1行分の画素値をソートすることなく、1回の検索(処理)にて最大値、最小値を探し出すことができる。また、途中平均値を使って置き換えるので、最終平均値を乱すことがない。また、途中平均値や、最終的な累積値を作成する際に、意図的に2のべき乗の値を作成することにより、遮光ピクセル数が切りのいい数値(例えば2のべき乗等)でない場合においても、ブラッククランプ回路13は、除算器を備えることなく演算を行うことができるため、回路規模を縮小することができる。
【0053】
なお、本実施の形態では、最大値、最小値のみを除去したが、これに限らず、最大値、最小値に加えて最大値の次に大きい値と最小値の次に小さい値をさらに除去するようにしてもよい。
【0054】
また、本実施の形態では、最大値検出部133の検出時に、データバッファ133bには最大値のみを格納するようにしたが、これに限らず、最大値の次に大きい値も格納するようにしてもよい。そして、比較器133cが入力された遮光ピクセルの画素値と最大値の次に大きい値とを比較するようにしてもよい。これにより、1列分の全14画素がそろったときには、データバッファ133bには、最大値と最大値の次に大きい値とが格納されることとなる(最小値検出部134についても同様)。そして、これらをデータ・ストレージ132bに格納されている累積値から除去することにより、さらに、安定した平均値を得ることができる。
【0055】
なお、本実施の形態では、説明を分かり易くするために、一度平均値をとり、その後2倍する例を示したが、これに限らず、例えばデータバッファ135、136は、平均値×2の値、すなわちデータバッファ135は、右に1ビットシフトして(1〜4回分の平均値×2)の値を作成し、データバッファ136は、右に2ビットシフトして(1〜4回分の平均値×2)の値を作成するようにしてもよい。これにより、後の段階で左に1ビットシフトする処理を省略することができる。
【0056】
また、本実施の形態では、最大値、最小値を含めた途中平均値を算出したが、本発明は、これに限定されず、最大値、最小値を除いた平均値を算出してもよい。これにより、より正確な黒レベルの基準値が得られる。
【0057】
以上、本発明の撮像装置および画像処理方法を、図示の実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物や工程が付加されていてもよい。
【0058】
また、本発明は、前述した各実施の形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
なお、本発明の撮像装置の用途は特に限定されないが、例えばTV電話用小型カメラ等に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の概要を示す図である。
【図2】実施の形態の撮像装置を示すブロック図である。
【図3】ブラッククランプ回路の黒レベルの基準値の作成処理を示すフローチャートである。
【図4】演算処理を示すフローチャートである。
【図5】ブラッククランプ回路の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0060】
1、10 撮像装置
2 固体撮像素子
2a 受光ピクセル
2b 遮光ピクセル
3、132 累積部
4 検出部
5 平均値算出部
6 補完部
7 黒レベル作成部
11 ピクセルアレイ
11a 受光画素領域
11b 遮光画素領域
12 読み出し回路
13 ブラッククランプ回路
131 セレクタ
132a 加減算器
132b データ・ストレージ
133 最大値検出部
133a、134a スイッチ
133b、134b、135、136 データバッファ
133c 比較器
134 最小値検出部
134c 比較器
137 ビットシフト部
138 差分器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を検知する受光ピクセルと遮光された遮光ピクセルとを備える固体撮像素子を有する撮像装置において、
入力される遮光ピクセルの画素値を累積する累積部と、
前記遮光ピクセルの画素値から最大値と最小値とを検出する検出部と、
前記遮光ピクセルの所定個数分の画素値から平均値を算出する平均値算出部と、
前記累積部により累積された累積値から前記検出部により検出された最大値と最小値とを除去し、除去した画素値を、前記平均値算出部により算出された前記平均値で補完する補完部と、
前記補完部により補完処理が施された前記累積値から黒レベルの基準値を作成する黒レベル作成部と、
を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
入力される前記遮光ピクセルは、横一行のピクセル単位で処理されることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記平均値算出部は、2のべき乗の個数の前記遮光ピクセルの画素値から部分平均値を算出することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項4】
前記平均値算出部は、異なる個数の前記遮光ピクセルの画素値の部分平均値を算出し、
前記補完部は、前記最大値および前記最小値を前記部分平均値で補完することを特徴とする請求項3記載の撮像装置。
【請求項5】
前記補完部は、累積値が、2のべき乗の個数となるように前記部分平均値で補完することを特徴とする請求項3記載の撮像装置。
【請求項6】
前記累積部は、前記補完部を兼ねることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項7】
光を検知する受光ピクセルと遮光された遮光ピクセルとを備える固体撮像素子の出力信号を処理する画像処理方法において、
累積手段が、入力される遮光ピクセルの画素値を累積し、
検出手段が、前記遮光ピクセルの画素値から最大値と最小値とを検出し、
平均値算出手段が、前記遮光ピクセルの所定個数分の画素値から平均値を算出し、
補完手段が、前記累積手段により累積された累積値から前記検出手段により検出された最大値と最小値とを除去し、除去した画素値を、前記平均値算出手段により算出された前記平均値で補完し、
黒レベル作成手段が、前記補完手段により補完処理が施された前記累積値から黒レベルの基準値を作成する、
ことを特徴とする画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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